JP2005266557A - 画像形成用トナー及びその製造方法 - Google Patents

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伸二 大谷
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陽一郎 渡辺
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Abstract

【課題】より均一な帯電性、現像性、経時での帯電安定性を示し、また、ブレードクリーニング性の良好な形状を有する画像形成用トナー、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー母体粒子に無機微粒子を外添させてなる画像形成用トナーであって、前記トナー母体粒子に、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aを湿式処理により付着してなる画像形成用トナーである。また、当該無機微粒子Aを湿式処理によりトナー母体粒子に付着させる工程を含む画像形成用トナーの製造方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤に使用される画像形成用トナー、及びその製造方法に関する。
電子写真、静電記録、静電印刷等の画像形成方法は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に、現像剤に含まれるトナーが一旦付着し、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体にトナーが転写された後、定着工程において紙面に定着される。現像剤としては、磁性キャリアとトナーとから成る二成分系現像剤、及び、磁性キャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂などのトナーバインダを着色剤などと共に溶融混練し、微粉砕して製造される、混練粉砕法のトナーが用いられている。
近年高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。従来の混練粉砕法により、このような小粒径化、球形化したトナーを製造するのは非常に困難であることから、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造される重合法のトナーを始め、液中でトナー粒子を造粒して製造する方法が多数検討されている。
特許文献1には、ポリマー溶解懸濁法と呼ばれる体積収縮を伴う工法が検討されている。この方法はトナー材料を低沸点有機溶媒などの揮発性溶剤に分散、溶解させ、これを分散剤の存在する水系媒体中で乳化、液滴化した後に揮発性溶剤を除去するものである。この方法は懸濁重合法、乳化重合凝集法と異なり、用いることのできる樹脂に汎用性が広く、特に透明性や定着後の画像部の平滑性が要求されるフルカラープロセスに有用なポリエステル樹脂を用いることができる点で優れている。しかし、得られるトナーは比較的球状の形のものが多く、ブレードによるクリーニング性能が著しく悪いものであった。また、流動化剤としてトナーに外添された無機微粒子は、使用中に接触する部材とのストレスによってすぐにトナー中に埋め込まれてしまい、流動性が損なわれトナー補給性、現像性、帯電性が劣化した。
また、特許文献2では、ポリマー溶解懸濁法で用いる樹脂を低分子量のものとして、分散相の粘度を下げ、乳化を容易にし、しかも粒子内で重合反応をさせて定着性を改善している。この方法は、比較的粒子表面で重合反応が進行し、トナー粒子表面を硬くすることができるため、流動化剤として添加される無機微粒子の埋め込みはある程度防止できたが、トナー粒子に付着していない過剰の無機微粒子が感光体その他の部材に付着、固着し、画像劣化の原因になっている現象は解決されていないものであった。
上記2つの文献にも示されているように、流動化剤としての無機微粒子のトナーへの添加方法としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機微粒子をトナーと共に乾式でミキサー等により混合・攪拌して付着させる方法が一般的である。
一方、このようにして添加された無機微粒子が経時でトナー中に埋め込まれることによるトナー流動性、現像性、帯電性等の悪化を防ぐために、無機微粒子をトナー粒子表面に湿式で付着させる方法が検討されている。
特許文献3には、乳化分散法によって得られた樹脂母粒子表面に無機微粒子を付着させた状態の粒子を湿式で形成した後、母粒子を構成する樹脂を膨潤させるような溶剤を含む溶液中で高剪断力をかけ、無機微粒子を母粒子表面に固着させる方法が開示されている。
特許文献4には、樹脂粒子と着色剤とを液中で凝集させて形成された凝集粒子を含む分散液に無機微粒子分散液を少なくとも1回追加混合し、凝集粒子表面に無機微粒子を付着させる方法が開示されている。
特許文献5には、水系分散液中で芯粒子表面に顔料を均一に付着させ、次いでこの混合液に剪断力をかけて顔料を芯粒子表面に固着させた後、無機微粒子分散液を加えて無機微粒子を付着させる方法が開示されている。この方法においては、芯粒子と顔料及び無機微粒子の電気的反発による、芯粒子への付着のしづらさ、あるいは付着力の弱さを改善するため、各工程で分散液中に添加する界面活性剤の極性を種々変えるという手法を用いている。
特開平7−152202号公報 特開平11−149179号公報 特開平7−333902号公報 特開平10−207125号公報 特開2001−159830号公報
しかしながら、より均一な帯電性、現像性、及び経時での帯電安定性を実現するためには、トナー粒子表面に付着させる無機微粒子の粒子特性が重要である。
本発明は、上記事情に鑑み、粒子特性が規定された無機微粒子をトナー粒子表面に付着させ、より均一な帯電性、現像性、経時での帯電安定性を示し、また、ブレードクリーニング性の良好な形状を有する画像形成用トナー、及びその製造方法を提供することを課題とする。更には、当該画像形成用トナーを使用し、高画質、高精細な画像を形成する画像形成装置、並びにプロセスカートリッジを提供する。
上記課題を解決するために、本発明は以下のことを特徴とする。
1.本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー母体粒子に無機微粒子を外添させてなる画像形成用トナーであって、前記トナー母体粒子に、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aを湿式処理により付着してなる画像形成用トナーである。
2.前記無機微粒子Aは、形状係数SF−1の値が100〜120であることを特徴とする。
3.前記無機微粒子Aは、体積平均粒径が50〜500nmであることを特徴とする。
4.前記トナー母体粒子に無機微粒子を付着させる湿式処理は、前記トナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤の存在下、水系媒体中にトナー母体粒子及び無機微粒子Aを分散させて行うことを特徴とする。
5.前記トナー母体粒子は、その表面がアニオン性を有することを特徴とする。
6.前記トナー母体粒子表面の極性と異なる極性の界面活性剤は、カチオン性を有する含フッ素系界面活性剤であることを特徴とする。
7.前記カチオン性を有する含フッ素系界面活性剤は、パーフルオロアルキル基を有する化合物からなることを特徴とする。
8.前記カチオン性を有する含フッ素界面活性剤は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2005266557
(式中、X、Y、R1〜R4、r及びsは、それぞれ以下のものを表す。X:−SO−又は−CO−、R1,R2,R3,R4:水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル基又はアリール基、Y:I又はBr、r,s:1〜20の整数。)
9.前記トナー母体粒子は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で乳化分散させて、架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とする。
10.前記トナー表面に更に無機微粒子Bを乾式処理により付着させてなることを特徴とする。
11.前記画像形成用トナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
12.前記画像形成用トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
13.前記画像形成用トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
14.また、本発明は、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、前記いずれかに記載の画像形成用トナーを使用した一成分現像剤である。
15.また、本発明は、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、磁性キャリアと前記いずれかの画像形成用トナーとからなる二成分現像剤である。
16.また、本発明は、現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、潜像担持体との対向位置において電界を形成し、潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、前記いずれかの現像剤を使用する現像装置である。
17.また、本発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、該現像手段が、前記の現像装置であるプロセスカートリッジである。
18.更に、本発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写手段と、記録部材上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、該現像手段が、前記の現像装置である画像形成装置である。
19.また、本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー組成物を重合性単量体に溶解または分散する工程と、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散する工程と、得られた乳化分散液を重合してトナー母体粒子を得る工程からなる画像形成用トナーの製造方法において、前記乳化分散工程後に、前記乳化分散液中にトナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤と、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aとを添加する画像形成用トナーの製造方法である。
20.また、本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー組成物を水系媒体中に分散する工程と、該分散物を水系媒体中で凝集させる工程と、該凝集物を加熱融着させる工程からなる画像形成用トナーの製造方法において、前記凝集工程後に、前記分散液中にトナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤と、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aとを添加する画像形成用トナーの製造方法である。
21.また、本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散する工程と、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散する工程と、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去する工程からなる画像形成用トナーの製造方法において、前記乳化分散工程後に、前記乳化分散液中にトナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤と、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aとを添加する画像形成用トナーの製造方法である。
22.また、本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散する工程と、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散する工程と、該溶解物または分散物を重付加反応させる工程と、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去する工程からなる画像形成用トナーの製造方法において、前記乳化分散工程後に、前記乳化分散液中にトナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤と、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aとを添加する画像形成用トナーの製造方法である。
23.前記画像形成用トナーの製造方法は、前記界面活性剤と前記無機微粒子Aとを添加した後に加熱処理を行うことを特徴とする。
24.前記画像形成用トナーの製造方法において使用する前記無機微粒子Aは、形状係数SF−1の値が100〜120であることを特徴とする。
25.前記画像形成用トナーの製造方法において使用する前記無機微粒子Aは、体積平均粒径が50〜500nmであることを特徴とする。
26.前記画像形成用トナーの製造方法において、前記トナー母体粒子表面の極性がアニオン性を有する場合は、前記界面活性剤はカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれか又はこれらの混合物であり、前記トナー母体粒子表面の極性がカチオン性を有する場合は、前記界面活性剤はアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性活性剤のいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする。
27.前記画像形成用トナーの製造方法において、前記界面活性剤は、含フッ素系界面活性剤であることを特徴とする。
28.前記画像形成用トナーの製造方法において、前記トナー母体粒子表面がアニオン性を有し、前記界面活性剤がパーフルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤である ことを特徴とする。
29.前記画像形成用トナーの製造方法において、前記含フッ素系界面活性剤は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2005266557
(式中、X、Y、R1〜R4、r及びsは、それぞれ以下のものを表す。X:−SO−又は−CO−、R1,R2,R3,R4:水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル基又はアリール基、Y:I又はBr、r,s:1〜20の整数。)
30.前記画像形成用トナーの製造方法は、前記各工程を経て得られたトナー粒子に更に無機微粒子Bを乾式処理により付着させる工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、粒子特性が規定された無機微粒子をトナー粒子表面に付着させることで、より均一な帯電性、現像性、経時での帯電安定性を示し、また、ブレードクリーニング性の良好な形状を有する画像形成用トナー、及びその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の画像形成用トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー母体粒子に、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aを湿式処理により付着させてなるトナーである。
従来のトナーは、粒度分布の規定されていない数nm〜100nm程度の一次粒子径を有する無機微粒子を、ミキサー等でトナー母体粒子と共に攪拌することにより、外添処理を行っていた。しかし、トナー母体粒子表面に機械的に無機微粒子を付着させる、この乾式外添処理では、トナー母体粒子表面に均一に無機微粒子を付着させるには限界があり、加えて、小粒径の無機微粒子は凝集しやすいことから、1つのトナー母体粒子表面において無機微粒子の付着の仕方に分布があり、また、トナー粒子間でもその付着の仕方に分布があった。このような無機微粒子の付着の分布がトナーの帯電特性にも影響を及ぼし、帯電量が十分でないトナーが非画像部に現像される地汚れ等の画像の不具合を生じていた。
本発明は、無機微粒子の外添方法を湿式処理により行うものであり、例えば、トナー母体粒子を分散させた液中に無機微粒子の分散液を添加して、液中でトナー母体粒子表面に無機微粒子を付着させることにより、トナー母体粒子表面に均一に無機微粒子を付着させることができる。
また、これに加えて、用いる無機微粒子Aは、上記のように粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の粒径のよく揃った無機微粒子である。より好ましくは、体積分布の変動係数は、30%以下である。このように粒径のよく揃った無機微粒子Aを、湿式処理によりトナー母体粒子表面に均一に付着させることにより、トナーの帯電量分布を狭くすることができ、地汚れ等の画像の不具合をなくすことができる。
尚、無機微粒子Aの体積分布の変動係数は、以下の式(2)によって表される。
Figure 2005266557
変動係数はレーザー散乱測定装置(堀場製作所社製LA920)によって測定される。アニオン活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸の1重量%溶液に、無機微粒子を1重量%で超音波分散させる。バッチセルにて、装置に決められた透過率になるよう、測定範囲濃度に適宜希釈し、調整して測定を行えばよい。
無機微粒子Aの具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。この中でも、色が白色でカラートナーの外添剤としても使用可能であること、安全性が高いこと等から、シリカが好ましい。
上記無機微粒子Aは、表面処理を行い、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
無機微粒子Aの形状係数SF−1の値は、100〜120であることが好ましい。図1は、形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、粒子形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(3)で表される、無機微粒子Aを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が小さく100に近いほど、粒子が真球に近いことを示す。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(3)
無機微粒子Aは、SF−1の値が100〜120の範囲にあることにより、その形状が球形に近いため、トナー母体粒子に付着させたときのトナーの流動性を大きくすることができる。また、転写率も向上させることができる。一方、SF−1の値が120を超えると、無機微粒子Aは球形から遠ざかるため、所望の流動性が得られなくなる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)で無機微粒子Aの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。測定倍率は10万倍の倍率で行う。
無機微粒子Aの体積平均粒径は、50〜500nmであることが好ましい。無機微粒子Aの体積平均粒径が50nm未満では、トナーが現像装置内での使用中に機械的なストレスを受けて、トナー内部に無機微粒子Aが埋没しやすくなる。また、無機微粒子Aの体積平均粒径が500nmを越えると、現像装置内での使用中にトナー表面から脱離しやすくなる。このように、トナー母体粒子表面における無機微粒子Aの付着状態が変化することは、トナーの帯電特性の変化にもつながり、帯電量の低下や帯電量分布の広がり等を招いて地汚れ又は濃度低下等の異常画像が発生させる原因となる。したがって、無機微粒子Aの体積平均粒径は、50〜500nmが好ましい。一層好ましくは、75〜200nmである。
また、上記のような大きさを有する無機微粒子Aが付着したトナー表面は、それによって凹凸が形成されるため、トナーのブレードクリーニング性も向上させることができる。
無機微粒子の体積平均粒径は、粒子径基準が体積となるように選択し、その算術平均値の値が本発明の体積平均粒径に相当する。メインピークよりも大きな粒子が観測される場合には、さらに超音波分散を繰り返し行い、変動係数、体積平均粒径が一定値(前回の測定からの差が前回の測定値に対して5%以内)となるまで、測定を繰り返す。
無機微粒子の製造方法としては、気相中で粒子を形成させる乾式製造方法と、液中で粒子を形成させる湿式製造方法とがある。例えば、シリカの場合、乾式製造方法は、四塩化ケイ素を気相中で燃焼させシリカ粒子を形成させ、湿式製造方法では、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのアルコキシシランを、水溶液中で加水分解、縮合させて、ゾルゲル法によりシリカ粒子を形成させるものである。
本発明に使用される無機微粒子Aは、体積分布の変動係数が50%以下の粒径分布の狭い無機微粒子であり、また、上記のように、形状係数SF−1の値が100〜120の範囲にあることが好ましいことから、湿式製造方法により製造されるものであることが好ましい。湿式製造方法において温度条件等を変更することにより、無機微粒子Aの粒径の制御も可能であり、上記の50〜500nmの範囲内の所望の体積平均粒径とすることができる。
本発明の画像形成用トナーは、高画質高精細の画像を出力させるべく、小粒径で球形に近いトナーであることが好ましい。このようなトナーの製造方法としては、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。以下、これらのトナー製造方法、及び該製造方法において用いる材料、添加剤等について説明する。
(懸濁重合法)
油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化した後に、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子Aを付着させる湿式処理を行えば良い。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
重合性単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有すものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
(乳化重合凝集法)
水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後に後述する無機微粒子Aの湿式処理を行えば良い。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
(ポリマー懸濁法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー組成物の油相には、樹脂、プレポリマー、顔料等の着色剤、離型剤、帯電制御剤等を揮発性溶剤に溶解又は分散する。
水系媒体中に、トナー組成物からなる油相を界面活性剤、固体分散剤等の存在下で分散させ、プレポリマーの反応を行わせて粒子化する。その後に後述する無機微粒子Aの湿式処理を行えば良い。
トナー粒子に官能基を導入するには、懸濁重合法で用いた官能基を有する単量体との共重合体や、ポリエステル樹脂の場合には酸の単量体として酸基の官能基を3以上有するものを用いたり、得られたポリエステル樹脂の末端の水酸基をさらに複数の酸基を有する化合物によりエステル化することによって得ることができる。また、後に述べる水系媒体中での分散安定剤として、酸基を有する界面活性剤や極性高分子、有機、無機樹脂微粒子を用い、トナー粒子表面に残存させ酸基を導入することができる。酸基としてはカルボキシル基、スルホン基、スルホン酸基、りん酸基などがあげられる。
(無機微粒子Aの湿式処理)
これらいずれのトナー製造法に共通して、湿式で無機微粒子Aの付着処理を施すことができる。トナー粒子が水中で形成され、用いた界面活性剤等を洗浄によって除去した後に、本工程を行うのが好ましい。水中に存在している余剰の界面活性剤をろ過、遠心分離などの固液分離操作をして除去し、得られたケーキ、スラリーを水系媒体中に再分散する。さらにそのスラリーに無機微粒子Aを添加分散する。あらかじめ無機微粒子Aを水系分散体に分散させておくこともできる。その際、逆極性の界面活性剤を用いて分散しておくとトナー粒子表面への付着はさらに効率的に行われる。また、無機微粒子Aが疎水化処理されており水系分散体に分散させにくい場合は、少量のアルコールなどとの併用により界面張力を下げて濡れ易くしてから無機微粒子を分散させても良い。
その後、逆極性の界面活性剤水溶液を攪拌下徐々に添加する。逆極性の界面活性剤はトナー粒子固形分に対し0.01〜1重量%使用することが好ましい。逆極性の界面活性剤の添加によって無機微粒子A分散体の水中での荷電が中和され、トナー粒子表面に無機微粒子Aを凝集付着させることができる。この無機微粒子Aはトナー粒子固形分に対し0.01〜5重量%使用することが好ましい。
これらトナー表面に付着させた無機微粒子Aは、その後スラリーを加熱することによりトナー表面に固定化し、脱離を防止することができる。その際トナーを構成する樹脂のTgよりも高い温度にて加熱することが望ましい。さらに凝集を防止しながら乾燥後加熱処理を行っても良い。
また、さらに帯電性を補強する目的で、再分散したスラリー中に帯電制御剤微粒子分散体を存在させておくこともできる。帯電制御剤は通常粉体の形態であるが、水系媒体中でトナー粒子を製造した時に用いた界面活性剤や、帯電付与の目的で添加する逆極性の界面活性剤を用いて、別途水系媒体中で分散することによって微粒子分散体を得ることができる。逆極性の界面活性剤の添加によって、帯電制御剤微粒子分散体の水中での荷電が中和され、トナー粒子表面に凝集付着させることができる。
帯電制御剤は0.01〜1μmの粒子径の分散体であることが好ましく、トナー粒子固形分に対し0.01〜5重量%使用することができる。
また、さらに帯電性を補強する目的で、再分散したスラリー中に樹脂微粒子分散体を存在させておくこともできる。樹脂微粒子分散体は乳化重合によって得られたものが好ましい。逆極性の界面活性剤の添加によって、樹脂微粒子分散体の水中での荷電が中和され、トナー粒子表面に凝集付着させることができる。この樹脂微粒子はトナー粒子固形分に対し0.01〜5重量%使用することができる。
(界面活性剤)
アニオン性の界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としてはアルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型などが挙げられる。
また脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤を使用しても良い。
これら界面活性剤の使用量は水相全体に対し0.1〜10重量%が好ましい。
(フッ素系界面活性剤)
本発明においては、逆極性の界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を用いることによりさらに帯電性能、特に帯電立ち上り性を改良することができる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(タイキン工莱社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F−150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また特に、一般式(1)にて示される含フッ素四級アンモニウム塩化合物を用いることにより、環境変動時における帯電量変化が少なく安定した現像剤を得ることができる。
Figure 2005266557
(式中、X、Y、R1〜R4、r及びsは、それぞれ以下のものを表す。X:−SO−又は−CO−、R1,R2,R3,R4:水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル基又はアリール基、Y:I又はBr、r,s:1〜20の整数。)
本発明に係るトナーは、その母体粒子が、例えば以下のような原料、並びに製造方法によって製造される。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーは結着樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)を結着樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、結着樹脂成分は低酸価の方が帯電性や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモルフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
このようにして得られたトナー母体粒子に、先に示した無機微粒子Aの湿式処理を施してトナーを得る。また、得られたトナーには、必要に応じて、帯電制御剤の打ち込み、無機微粒子Bの乾式処理を施してもよい。帯電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子Bの乾式処理は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
帯電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(無機微粒子B)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子Aの他に無機微粒子Bを用いることができる。この無機微粒子Bの一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子Bの使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子Bの具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
本発明の画像形成用トナーは、体積平均粒径(Dv)が3.0〜8.0μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
また、本発明の画像形成用トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜180の範囲にあるトナーであることが好ましい。図1は形状係数SF−1を、図2は形状係数SF−2を、それぞれ説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(3)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(3)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(4)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π) ・・・式(4)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数SF−1、SF−2が共に100に近くトナーの形状が真球に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと像担持体との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと像担持体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。ドットの再現性も良好になる。一方で、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方がクリーニングの余裕度が増し、クリーニング不良等の不具合がない。そこで、両者の兼ね合いから、画像品位を低下させることのない範囲として、形状係数SF−1、SF−2が100〜180の範囲であることが好ましい。
尚、形状係数の測定は、無機微粒子Aの場合と同様にして、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
また、本発明の画像形成用トナーは、以下の形状規定によって表すことができる。
図3は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図3において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図3(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図3(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
本発明の画像形成用トナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
また、本発明の画像形成用トナーは、一成分現像剤としても、磁性キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合の磁性キャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理したものなどが挙げられる。本発明における磁性キャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
本発明の画像形成用トナーを現像剤として用いる画像形成装置について説明する。
図4は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
画像形成手段18の現像装置4には、上記のトナーを含んだ現像剤を用いる。現像装置4は、現像剤担持体が現像剤を担持、搬送して、感光体40との対向位置において交互電界を印加して感光体40上の潜像を現像する。交互電界を印加することで現像剤を活性化させ、トナーの帯電量分布をより狭くすることができ、現像性を向上させることができる。
また、上記現像装置4は、感光体40と共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。
上記の画像形成装置の動作は以下の通りである。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
以下、実施例を挙げ、本発明を詳述する。尚、「部」の表記はいずれも重量部を示す。
(ポリエステル樹脂の合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間重縮合反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量4800の変性されていないポリエステルを得た。その後無水トリメリット酸を10部添加し10〜15mmHgの減圧下200℃で2時間反応して樹脂末端の水酸基をカルボキシル基に変換した。得られた樹脂100部を 酢酸エチル100部に溶解、混合し、トナーバインダの酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、ポリエステル樹脂を単離した。Tgは62℃、酸価は32であった。
(イソシアネート基含有ポリエステルの合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有ポリエステルを得た。
(ケチミン化合物の合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、ケチミン化合物を得た。このケチミン化合物のアミン価は418であった。
(トナー母体粒子の作製)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS-30:三洋化成工業製)11部・スチレン138部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体) 有機樹脂微粒子エマルションの水性分散液を得た。これをLA-920(堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。この一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは152℃であった。
密閉されたポット内に前記のポリエステル樹脂の酢酸エチル溶液200部、カルナウバワックス5部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を仕込み 5mmφのジルコニアビーズを用いて24時間ボールミル分散を行った。その後前記イソシアネート含有ポリエステルを固形分換算で20部加え攪拌混合し、トナー組成物を得た。ビーカー内にイオン交換水600部、有機樹脂微粒子エマルションの水性分散液48部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7:三洋化成工業製)24部、酢酸エチル36部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。
ついで20℃にビーカー内温を保ち、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)で12000rpmに攪拌しながら、上記トナー組成物に前記ケチミン化合物を1部乳化直前に混合した油相を調製後投入し、3分間攪拌乳化した。
ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のフラスコに移し、30℃、50mmHgの減圧下で8時間溶剤を除去した。ガスクロマトグラフィーにより分散液中の酢酸エチルは100ppm以下になっていることを確認した。
その後分散液を濾別、得られたケーキを蒸留水に再分散してろ過する操作を3回繰り返し洗浄した。得られたケーキをさらに蒸留水に固形分10重量%になる様に再分散しトナー母体粒子の分散液を得た。
得られたトナー母体粒子のDvは5.8μm、Dv/Dn=1.15、SF1=110、SF2=115であった。
(無機微粒子分散液の作製と母体粒子への付着)
金属アルコキシド加水分解重縮合法で得られたシリカ微粒子を種々用意した。表1は、シリカ微粒子でなる無機微粒子A〜Eの特性をまとめたものである。
Figure 2005266557
これら無機微粒子3部を一般式(1)の化合物であるN,N,N,−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム、ヨージド(フタージェント310:ネオス社製)0.2重量部、イオン交換水70重量部、メタノール30重量部の溶液中に攪拌下徐々に添加し、無機微粒子の分散液を得た。得られた無機微粒子分散液を先のトナー母体粒子分散液と混合し、その後1時間室温下攪拌をした後に、ろ過分離し、得られたケーキを40℃24時間減圧乾燥しトナー粒子を得た。SEM(走査型電子顕微鏡)によれば得られたトナー母体粒子の表面には、それぞれの無機微粒子が均一に付着していた。これらを無機微粒子に対応してそれぞれトナー粒子A〜Eとする。
得られたトナー粒子A〜E100部に疎水性シリカR972(日本アエロジル社製)0.5部と、疎水化酸化チタンMT150AI(チタン工業社製)0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナーA〜Eを得た。
(得られたトナーの評価)
作製したカラートナー5重量部と、以下記載のキャリア95重量部を、ブレンダーで10分間混合し、現像剤を作製した。
(キャリア)
芯材:平均粒径50μmの球形フェライト粒子
コート材構成材料:アミノシラン系カップリング剤を分散したシリコーン樹脂
アミノシラン系カップリング剤とシリコーン樹脂をトルエンに分散させ、分散液を調整後、加温状態にて上記芯材にスプレーコートし、焼成、冷却後、平均コート樹脂膜厚み0.2μmのキャリア粒子を作製した。
<評価項目>
(帯電立ち上り性)
温度20℃、湿度50%の試験室で上記キャリア100部とトナーA〜E5部をステンレスのポットに仕込み、ボールミル架台上で一定回転数で回転混合させた。回転スタートから15秒後に停止させ得られた現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
(飽和帯電量)
帯電立ち上り性と同様の操作で10分攪拌後の現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
(クリーニング性、異常画像)
クリーニング性はこの現像剤を市販カラー複写機(PRETER550;リコー製)に入れ、画像占有率7%の印字率でリコー社製6000ペーパーを用いて3万枚ランニングした後に、全面4色重ねフルカラーベタ画像を10枚連続出力させ、10枚目に現像中に停止させ、感光体上のクリーニングブレード以降のトナーをテープ転写し、テープの汚れ度合いを4段階の段階見本と比較して評価した。
◎:すり抜けのトナーが無い、またはあっても下記「○レベル」のようにテープ転写し、白紙に貼ることにより、テープの汚れ度合いを肉眼で判別する方法では観測することができない。実使用可能。
○:スジの発生は無いが、すり抜けるトナーの発生が感光体上に上記の方法で認められるが、実使用は可能なレベル。
△:幅1mm以下のスジがA4横サイズの画像上に1〜10本発生。実使用不可。
×:全面スジ発生。実使用不可。
また異常画像はクリーニング性評価と同様に10万枚後のランニングの後に30℃、湿度90%の環境下で細線評価用画像を出力させ、細線の再現度合いをランクによって感光体上の無機微粒子によるフィルミングを判断した。4段階評価でランクの数字が多いほど優秀であり、
細線同士が重なっており、分離識別できず ・・・・ ランク1
細線同士が重なっているが、分離識別できる ・・・・ ランク2
細線同士が分離識別できるが線のにじみ、ボケが見られる・・・・ ランク3
細線同士が分離識別でき、線のにじみ、ボケがまったく見られず・・ランク4
表2に、トナーの評価結果を示す。
Figure 2005266557
表2を参照して分かるとおり、実施例1〜4に示す本発明のトナーは、帯電性に優れ留と共に、クリーニング性も良好で異常画像の発生もない結果が得られた。
形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 本発明の画像形成用トナーの形状を模式的に示す図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
4 現像装置
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置

Claims (30)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー母体粒子に無機微粒子を外添させてなる画像形成用トナーであって、
    前記トナー母体粒子に、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aを湿式処理により付着してなる ことを特徴とする画像形成用トナー。
  2. 請求項1に記載の画像形成用トナーにおいて、 前記無機微粒子Aは、形状係数SF−1の値が100〜120である ことを特徴とする画像形成用トナー。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成用トナーにおいて、 前記無機微粒子Aは、体積平均粒径が50〜500nmである ことを特徴とする画像形成用トナー。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、 前記トナー母体粒子に無機微粒子を付着させる湿式処理は、前記トナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤の存在下、水系媒体中にトナー母体粒子及び無機微粒子Aを分散させて行う ことを特徴とする画像形成用トナー。
  5. 請求項4に記載の画像形成用トナーにおいて、 前記トナー母体粒子は、その表面がアニオン性を有する ことを特徴とする画像形成用トナー。
  6. 請求項5に記載の画像形成用トナーにおいて、 前記トナー母体粒子表面の極性と異なる極性の界面活性剤は、カチオン性を有する含フッ素系界面活性剤である ことを特徴とする画像形成用トナー。
  7. 請求項6に記載の画像形成用トナーにおいて、 前記カチオン性を有する含フッ素系界面活性剤は、パーフルオロアルキル基を有する化合物からなる ことを特徴とする画像形成用トナー。
  8. 請求項7に記載の画像形成用トナーにおいて、 前記カチオン性を有する含フッ素界面活性剤は、一般式(1)で表される ことを特徴とする画像形成用トナー。
    Figure 2005266557
    (式中、X、Y、R1〜R4、r及びsは、それぞれ以下のものを表す。X:−SO−又は−CO−、R1,R2,R3,R4:水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル基又はアリール基、Y:I又はBr、r,s:1〜20の整数。)
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、 前記トナー母体粒子は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で乳化分散させて、架橋及び/又は伸長反応させて得られる ことを特徴とする画像形成用トナー。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、 前記トナー表面に更に無機微粒子Bを乾式処理により付着させてなる ことを特徴とする画像形成用トナー。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、 前記トナーは、 体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある ことを特徴とする画像形成用トナー。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、 前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある ことを特徴とする画像形成用トナー。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、 前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある ことを特徴とする画像形成用トナー。
  14. 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
    該現像剤は、請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成用トナーを使用した一成分現像剤である ことを特徴とする現像剤。
  15. 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
    該現像剤は、磁性キャリアと請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成用トナーとからなる二成分現像剤である ことを特徴とする現像剤。
  16. 現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、潜像担持体との対向位置において電界を形成し、潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
    該現像装置は、請求項14又は15に記載の現像剤を使用する ことを特徴とする現像装置。
  17. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、
    該現像手段は、請求項16に記載の現像装置である ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写手段と、記録部材上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
    該現像手段は、請求項16に記載の現像装置である ことを特徴とする画像形成装置。
  19. 少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー組成物を重合性単量体に溶解または分散する工程と、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散する工程と、得られた乳化分散液を重合してトナー母体粒子を得る工程からなる画像形成用トナーの製造方法において、
    前記乳化分散工程後に、前記乳化分散液中にトナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤と、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aとを添加する ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  20. 少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー組成物を水系媒体中に分散する工程と、該分散物を水系媒体中で凝集させる工程と、該凝集物を加熱融着させる工程からなる画像形成用トナーの製造方法において、
    前記凝集工程後に、前記分散液中にトナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤と、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aとを添加する ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  21. 少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散する工程と、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散する工程と、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去する工程からなる画像形成用トナーの製造方法において、
    前記乳化分散工程後に、前記乳化分散液中にトナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤と、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aとを添加する ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  22. 少なくとも結着樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散する工程と、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散する工程と、該溶解物または分散物を重付加反応させる工程と、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去する工程からなる画像形成用トナーの製造方法において、
    前記乳化分散工程後に、前記乳化分散液中にトナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤と、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子Aとを添加する ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  23. 請求項19から22のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法において、 前記界面活性剤と前記無機微粒子Aとを添加した後に加熱処理を行う ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  24. 請求項19ないし23のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法において、 前記無機微粒子Aは、形状係数SF−1の値が100〜120である ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  25. 請求項19ないし24のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法において、 前記無機微粒子Aは、体積平均粒径が50〜500nmである ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  26. 請求項19から25のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法において、 前記トナー母体粒子表面の極性がアニオン性を有する場合は、前記界面活性剤はカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれか又はこれらの混合物であり、前記トナー母体粒子表面の極性がカチオン性を有する場合は、前記界面活性剤はアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性活性剤のいずれか又はこれらの混合物である ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  27. 請求項26に記載の画像形成用トナーの製造方法において、 前記界面活性剤は、含フッ素系界面活性剤である ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  28. 請求項27に記載の画像形成用トナーの製造方法において、 前記トナー母体粒子表面がアニオン性を有し、前記界面活性剤がパーフルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤である ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
  29. 請求項28に記載の画像形成用トナーの製造方法において、 前記含フッ素系界面活性剤は、一般式(1)で表される ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
    Figure 2005266557
    (式中、X、Y、R1〜R4、r及びsは、それぞれ以下のものを表す。X:−SO−又は−CO−、R1,R2,R3,R4:水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル基又はアリール基、Y:I又はBr、r,s:1〜20の整数。)
  30. 請求項19ないし29のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法において、 前記各工程を経て得られたトナー粒子に更に無機微粒子Bを乾式処理により付着させる工程を有する ことを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。
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