JP4993902B2 - カラー画像形成装置、カラー画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンター、ファクシミリ、複写機等の電子写真方式を用いたフルカラー画像形成装置及びこれを用いたカラー画像形成方法に関し、詳しくは、中間転写ベルト等の中間転写体を介在させて、像担持体から中間転写体へトナー像を転写する一次転写、中間転写体上の一次転写画像を転写材へ転写する二次転写の各転写工程を経て画像形成を行うカラー画像形成装置並びにこの装置を使用するカラー画像形成方法に関する。
従来、電子写真記録方式を用いてカラー画像を形成する、カラープリンタや複写機等のカラー画像形成装置においては、各色の画像データ基づいて、像担持体上に静電潜像を形成し、これを各色のカラートナーで現像し、この像担持体上のトナー像を転写体に静電転写することにより、フルカラーのトナー像を形成している。
市場からの要求に伴い、近年、これらカラー複写機やカラープリンタ等のカラー画像形成装置の使用が増加すると共に、カラー定着画像の使用の場も、急速に広がってきている。
例えば、会議等の場で、定着画像が使用される場合には、使用者が、ボールペンやシャープペンシル等の筆記具を用いて、この画像上に、加筆を行う必要が生じることがあるが、この場合、出力画像が、モノクロ単独で形成されていると、画像上に加筆された文字等を判別することが難しいため、現実的に、画像上に加筆が行われることは稀である。
一方、出力画像が、複数のトナーの重ね合わせによるフルカラーで形成されている場合には、この画像上に文字や図形等を書き込んでも、加筆された文字等を比較的容易に判別することができる。
このため、フルカラーで形成された画像上には、モノクロ画像と比較して、出力後の画像上に加筆が行われる頻度が圧倒的に高い。
ところで、上述のカラー定着画像がハーフトーン画像であれば、紙面上において、非画像形成領域が単位面積当たり30〜70%存在しているため、この画像上への書き込みは、比較的容易に行うことができる。
一方、単位面積当たりの画像形成領域が、90%以上である、所謂ベタ画像の場合には、紙面上が、結着樹脂によりほぼ完全に被覆されている状態となっているため、この画像上に加筆を行うことは困難である。
しかし、このベタ画像が、ある程度、明度の高い色彩により形成されているものであれば、画像上に追記された後の文字や図形等の判別が可能であるため、このような画像上に、加筆を行うことへの要求は、比較的高い。
ところで、ベタ画像は、上述したように、紙面上がトナーによってほぼ完全に被覆された状態となっているため、この画像上に加筆が行われる場合は、定着画像表面を形成するトナーと、加筆に使用されるインクとの親和性が重要となってくる。
一般に、筆記具に使用されるインクの種類としては、油性のものと水性のものがあるが、トナーの主成分である結着樹脂は、通常、ポリエステルや、スチレン−アクリル等の、疎水性の樹脂により構成されており、これらの樹脂は、水性インクとの親和性が低い。このため、水性インクを使用して、ベタ画像上に加筆することは、適していない。
例えば、特許文献1では、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材の表面を被覆するように設けた親水性樹脂よりなる外殻により構成される熱圧力定着用カプセルトナーにおいて、周波数100rad/secにおけるトナーの貯蔵弾性率が、120℃において1×10〜5×10dyn/cmであり、かつ200℃において5×10〜1×10dyn/c あることを特徴とする熱圧力定着用カプセルトナー、およびその製造方法が開示されている。
特許文献1に開示されているような、親水性樹脂によって表面が構成されているトナーを用いてベタ画像を形成した場合には、このトナーと水性インクとの親和性が保たれるため、水性インクによって書き込みを行うことが可能となるが、一般に使用されるトナーは、疎水性の樹脂を主成分とするトナーであり、特許文献1に開示されているような、親水性樹脂を使用したトナーが使用される割合は少ない。
また、近年では、オイルレス定着を行うために、トナー中にワックス等の離型剤を含有しているものが多く、このようなトナーを使用してベタ画像を形成した場合には、定着画像表面に、離型剤が多数存在する状態となるため、水性インクを使用して書き込みを行うことは、一層困難である。
このため、ベタ画像上に加筆を行う場合には、油性インクを使用して行われるのが一般的であり、カラー画像表面のトナーが、油性インクとの親和性が高いものであることが重要である。
ところで、フルカラーの画像形成においては、一般に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーが用いられるが、これらトナーの特性は、トナー粒子の構成材料や表面組成によって、わずかに異なってくる。
定着画像がベタ画像であるとき、この定着画像表面を形成するトナーの特性が、加筆に使用されるインクとの親和性が低いものであると、この画像上への加筆を円滑に行うことができなくなるという不具合が生じてくる。
特開平10−228130号公報
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、一定値以上の明度を有する定着画像に関し、油性インクによる加筆を円滑に行うことのできるベタ画像を提供することができるカラー画像形成装置、及びカラー画像形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
1.本発明は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対応する静電潜像を担持する像担持体と、前記像担持体上の各色の静電潜像を現像してトナー像を形成する、各色トナーに対応する現像装置と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写した後、前記中間転写体上のトナー像を一括して被転写体に二次転写する転写装置と、前記被転写体上のトナーを定着してトナー画像を形成する定着装置と、を有するカラー画像形成装置において、前記現像装置は、タンデム型に配置され、1番目がイエロー現像装置であり、4番目がブラック現像装置であり、前記定着装置により得られる、イエロートナーが最表層にあるトナー画像のL50以上であり、そのときのイエロートナーのメタノール疎水化度における降下開始点が、28≦メタノール/(メタノール+水)(体積%)であることを特徴とするカラー画像形成装置である。(但し、明度Lは、被転写体上に均一にトナーが付着しており、かつトナー付着量が0.4mg/cmである定着画像の値とする。)
2.また、本発明のカラー画像形成装置は、1.に記載の発明において、前記現像装置の配列順序は、2番目がシアン現像装置であり、3番目がマゼンタ現像装置であることが好ましい。
3.また、本発明のカラー画像形成装置は、1.又は2.に記載の発明において、静電潜像を担持する像担持体と、少なくとも、前記像担持体に対向して配置される現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えることが好ましい。
4.また、本発明のカラー画像形成方法は、像担持体上に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対応する静電潜像を形成する工程と、前記像担持体上の各色の静電潜像を、各色トナーに対応する現像装置により現像する現像工程と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写した後、前記中間転写体上のトナー像を一括して被転写体に二次転写する転写工程と、前記被転写体上のトナーを定着してトナー画像を形成する定着工程と、を有するカラー画像形成方法において、前記現像装置は、タンデム型に配置され、1番目がイエロー現像装置であり、4番目がブラック現像装置であり、前記定着工程により得られる、イエロートナーが最表層にあるトナー画像のL50以上であり、そのときのイエロートナーのメタノール疎水化度における降下開始点が、28≦メタノール/(メタノール+水)(体積%)であることを特徴とするカラー画像形成方法である。(但し、明度Lは、被転写体上に均一にトナーが付着しており、かつトナー付着量が0.4mg/cmである定着画像の値とする。)
5.また、本発明のカラー画像形成方法は、4.に記載の発明において、前記現像工程における現像順序は、2番目がシアンであり、3番目がマゼンタであることが好ましい。
本発明に係るカラー画像形成装置、及びカラー画像形成方法によれば、出力後のベタ画像の明度が一定値以上であるとき、この定着画像表面のトナーと、油性インクとの親和性が向上されているため、この画像上への加筆を円滑に行うことができるものとすることができる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るカラー画像形成装置は、定着ベタ画像のL値が50以上であるとき、そのベタ画像の最表層を形成するトナーのメタノール疎水化度における降下開始点が、28≦メタノール/(メタノール+水)(体積%)であることを特徴とするカラー画像形成装置である。
ここで、明度Lは、被転写体上に均一にトナーが付着しており、かつ、そのトナー付着量が0.4mg/cm以上である定着画像における、画像の明るさの度合いを示す値である。なお、明度Lの測定方法については、下記実施例において詳述する。
本発明者らが、カラー出力画像の使用形態について、鋭意調査・検討を行ったところ、トナー付着量が0.4mg/cm以上であるベタ画像においては、その画像の明度L値が50以上である場合には、使用者からの、この画像上への、ボールペンやサインペン等の筆記具を使用した加筆を行うことへの要求が高いことが多いことが判明した。
しかし、ベタ画像の場合、この画像の表面を形成するトナーと、加筆に使用されるインクとの親和性が低いと、定着画像表面において、書き込みに使用されたインクがはじかれた状態となり、この画像上への加筆を円滑に行うことができない。
本発明に係るカラー画像形成装置によって形成された定着画像は、上記のような加筆が行われる可能性の高いベタ画像の最表面を形成するトナーの疎水化度が、一定値以上となるように調整されているため、定着後のベタ画像表面のトナーと油性インクとの親和性が向上し、このベタ画像上への油性インクによる書き込みが、円滑に行われるものとされている。
なお、加筆の際に使用されるインクの種類としては、油性インクの他に、水性インクがあるが、ベタ画像は、疎水性の高い結着樹脂により薄膜を形成された状態に近くなっており、この画像上に、水性インクを用いて加筆を行うことは、実質的に困難である。
このため、ベタ画像上への書き込みには、一般に、疎水性の樹脂との親和性が高い、油性インクが使用されるが、トナー粒子表面には、トナーの流動性や、帯電性を制御するために無機微粒子等が外添されており、この無機微粒子には、例えば水酸基等の親水性の官能基が含まれているものが多い。トナーの表面組成は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色トナー毎にわずかに異なるため、各色トナーの特性も、それぞれにわずかに異なるが、定着画像の表面を形成するトナーが、油性インクとの親和性の低いものであると、この定着画像上への油性インクによる書き込みを円滑に行うことが困難となる。
本発明に係るカラー画像形成装置は、明度が一定値以上であるベタ画像に関し、その最表面を形成するトナーの疎水化度を向上させることで、このトナーと油性インクとの親和性が高められ、このベタ画像を、油性インクによる加筆を、確実、且つ円滑に行われるものとすることができる。
トナーのメタノール疎水化度における降下開始点は、トナーとしての濡れ性の高さを示したものであり、その値が高いほど、トナーとしての濡れ性のレベルが低く、疎水性の高い状態にあることを示している。
トナーのメタノール疎水化度(メタノールウェッタビリティー)における降下開始点は、粉体濡れ性試験機(WET−100P、レスカ社製)を用いて測定することができる。100mlのビーカーに純水(イオン交換水または市販の精製水)42mlとメタノール18mlを入れ、ふたをして超音波分散器を用いて均一分散させる。均一分散したメタノール水溶液中に、トナー0.5gを精秤して添加し、スターラーを250rpmさせながら撹拌し、更にメタノールを1.3ml/minで添加していく。水溶液にトナーが沈降、分散しはじめると溶液の透過度が低下するので、この時の、総メタノール/(総メタノール+水)の割合(%)を、トナー疎水化度の降下開始点とする。
ベタ画像の表面を形成するトナーにおけるメタノール疎水化度が、28未満であると、定着画像の最表面を形成するトナーと、油性インクとの親和性が不足して、出力後のベタ画像上に、油性インクを使用して書き込みを行った際、定着画像表面で、油性インクがはじかれた状態となり、この画像上への、油性インクによる書き込みを行うことが困難となる。
本実施形態では、上述の疎水化度を有するトナーを、イエロートナーとしている。
本発明者らが、カラー画像の使用形態について、鋭意調査・検討を行ったところ、トナー付着量が0.4mg/cmであるベタ画像においては、その画像の明度L値が50以上であるときに、使用者からの加筆要求が高いことが判明した。また更に、本発明者らが種々のカラー定着画像の明度を測定し、その結果を検討したところ、明度L値が50以上の値を示すベタ画像では、この画像を形成するトナー層中にイエロートナーが含まれていることが明らかとなった。
即ち、ベタ画像において、使用者からの加筆要求が高いものは、ほぼ確実に、トナー層中にイエロートナーが含まれて形成されているため、上述の疎水化度を有するトナーは、イエロートナーとすることが好ましい。
これにより、加筆要求の高いベタ定着画像の表面を、ほぼ確実に、疎水性が高く、油性インクによる書き込みを行いやすいものとすることができる。
本実施形態に係るカラー画像形成装置について、詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1において、複写装置本体100には、複写装置本体100を載せる給紙テーブル200、及び複写装置本体100上部に取り付けるスキャナ300、及びスキャナ300上部に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)400が付設されている。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成ユニット16を、4つ並列に備えたタンデム型画像形成装置20が設置されている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置12が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置12の近傍には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置12は、画像転写後の転写紙を定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。二次転写装置12として、転写ローラや非接触のチャージャを配置することもできる。この場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しい。
なお、図示例では、二次転写装置12および定着装置25の下方に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録するための転写紙を反転する反転装置28を備える。
画像形成ユニット16の現像装置4には、上記のトナーを含んだ現像剤を用いる。現像装置4は、現像剤担持体が現像剤を担持、搬送して、感光体40との対向位置において交互電界を印加して感光体40上の潜像を現像する。交互電界を印加することで現像剤を活性化させ、トナーの帯電量分布をより狭くすることができ、現像性を向上させることができる。
また、上記現像装置4は、感光体40と共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。
上記の画像形成装置の動作は以下の通りである。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットするか、または原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じて押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成ユニット16で対応する感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置12との間にシートを送り込み、二次転写装置12で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置12で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
タンデム型画像形成装置20について、図2に基づいて更に詳しく説明する。図2は、本発明に係るカラー画像形成装置に備えられるタンデム型画像形成装置の概略構成を示す図である。
タンデム型画像形成装置20は、中間転写ベルト10上に、搬送方向に沿って、画像形成ユニット16a、画像形成ユニット16b、画像形成ユニット16c、画像形成ユニット16dが並列に備えられている。
この画像形成ユニット16a〜16dには、それぞれ、イエロー現像器4a、シアン現像器4b、マゼンタ現像器4c、ブラック現像器4dが備えられている。
本実施形態では、現像器4aに充填されるイエロートナーの、メタノール疎水化度における降下開始点が、28以上となるように調整されている。
また、画像形成ユニット16a〜16dは、それぞれ同様の構成を備えており、画像形成ユニット16aを例に、その構成を説明すると、画像形成ユニット16aには、感光体40aがそのほぼ中心に備えられており、この感光体40aの周囲には帯電ローラ3aが設けられている。また、帯電ローラ18aの下流側には、現像器4a、ブレードクリーニング装置7a、除電ランプ(不図示)が設けられている。
また、各画像形成ユニット16に備えられている現像装置4a〜4dは、感光体40a〜40dと共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。
タンデム型画像形成装置20による作像動作が開始されると、イエロー現像器4a、シアン現像器4b、マゼンタ現像器4c、ブラック現像器4dにより、感光体40a、40b、40c、40d上に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー画像Ta、Tb、Tc、Tdが形成され、このトナー画像Ta〜Tdが、各感光体40上から、中間転写ベルト10上に、下側からTa、Tb、Tc、Tdの順に重ね合わされて、トナー層を形成する。
中間転写ベルト10上のトナー層は、先に示したように、該中間転写ベルト10が、支持ローラ14〜16により回転搬送されることで、2次転写装置12の位置に移動し、支持ローラ16と、二次転写ベルト24を張架する支持ローラ23により形成されたニップ部において、転写紙上に2次転写される。このとき、紙上のトナー層の重ね合わせの順序は、中間転写ベルト10上の重ね合わせ順序と逆の順序になり、下側から、Td、Tc、Tb、Taの順序となる。
中間転写ベルト10のベルト基材中には、カラー画像形成装置の使用に伴い、微量に水分が含有される場合があるが、中間転写ベルト10上に転写されたトナーが、このベルト基材中に含まれた水分と接触すると、トナーの帯電性が損なわれ、このトナーが二次転写装置12において転写紙P上に二次転写される際に、転写チリ、トナー飛散を多量に発生させる原因となる。
しかし、本実施形態に係るカラー画像形成装置では、中間転写ベルト10上に接する、イエロートナーのトナー層Taの疎水化度が、上述の範囲となるように調整されているため、中間転写ベルト10のベルト基材中に微量に水分が含まれていても、この水分によりトナー帯電量が失われることがなく、転写紙上に2次転写される際に、転写チリ、トナー飛散等が発生することが防止され、良好な作像動作を維持することができる。
上記のように、転写紙面上に、上側からTa、Tb、Tc、Tdの順序で重ね合わされたトナー層は、定着ニップ部Nにおいて、熱及び圧力をかけられて紙面上に定着される。
本実施形態に係るカラー画像形成装置では、現像器4a中にイエロートナーが充填されているため、イエロートナーを含む定着画像の表面は、必ずイエロートナーにより形成される。またさらに、イエロートナーの疎水化度が、上述の範囲を満たすように調整されているため、イエロートナーを含んで形成される定着画像表面を、確実に疎水性の高い状態とすることができる。
即ち、明度の高いベタ画像の表面を、疎水性が高く、油性インクとの親和性の高い状態とすることができるため、ベタ画像上に加筆を行うことが要求される場合には、ほぼ確実に、この画像上への油性インクによる書き込みを円滑に行うことのできる状態とすることができる。
また、現像器4dには、ブラックトナーが充填されているため、紙面上では、ブラックトナーが最下層を形成するように転写される。
ブラックトナーが、紙面上において、最表層から2番目あるいは3番目の層を形成するように重ね合わされた場合には、定着後のトナー画像の透明性が大きく損なれると共に、ブラックトナー層の下層を形成するトナーの色の発現が妨げられて、その色再現性や彩度が低下する。
ブラックトナーが、紙面上において、最下層となるように重ね合わされて転写されることで、得られる定着画像の色再現性、彩度を良好なものとすることができる。
また、現像器4bにシアントナーが充填され、現像器4cにマゼンタトナーが充填されることにより、紙面上では、最表層から2番目の層がシアントナーにより形成され、3番目の層がマゼンタトナーにより形成される。これにより、得られるカラー画像を色再現性が良好で、彩度の高い良好なカラー画像を得ることができる。
尚、現像器の配列順序としては、上述の順序に限られるものではなく、他の配列順序として、カラー画像形成を行うことも可能である。
以下に本発明の画像形成装置に使用される定着装置について説明する。
定着装置としては、公知のものを使用することができるが、例えば、交番磁界により磁性金属部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、金属部材を含む加熱体を電磁誘導発熱させる、電磁誘導加熱方式の定着装置を好適に使用することができる。
以下、定着装置25について詳細に説明する。図3は、本発明に係る定着装置を拡大して示す図である。
図3において、定着装置25は、誘導加熱手段256の電磁誘導により加熱される加熱ローラ251と、加熱ローラ251と平行に配置された定着ローラ252と、加熱ローラ251と定着ローラ252とに張り渡され、加熱ローラ251により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)253と、ベルト253を介して定着ローラ252に圧接されるとともにベルト253に対して順方向に回転する加圧ローラ254とから構成されている。
加熱ローラ251は、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、またはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径を例えば20mm、肉厚を例えば0.1mmとして、低熱容量で昇温の速い構成となっている。
定着ローラ252は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金252aと、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金252aを被覆した弾性部材252bとからなる。そして、加圧ローラ254からの押圧力でこの加圧ローラ254と定着ローラ252との間に所定幅の接触部を形成するために、外径を40mm程度として加熱ローラ251より大きくしている。弾性部材252bは、その肉厚を3〜6mm程度、硬度を40〜60°(Asker硬度)程度としている。
この構成により、加熱ローラ251の熱容量は定着ローラ252の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ251が急速に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ251と定着ローラ252とに張り渡されたベルト253は、誘導加熱手段256により加熱される加熱ローラ251との接触部位W1で加熱される。そして、加熱ローラ251、定着ローラ252の回転によってベルト253の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
ベルト253は、金属からなる発熱層の上に離型層が設けられている。離型層の厚さとしては、50μmから500μm程度が望ましく、特に200μm程度が望ましい。このようにすれば、記録材P上に形成されたトナー像Tをベルト253の表層部が十分に包み込むため、トナー像Tを均一に加熱溶融することが可能になる。
離型層の厚さが50μmよりも小さい場合には、ベルト253の熱容量が小さくなってトナー定着工程においてベルト表面温度が急速に低下し、定着性能を十分に確保することができない。また、離型層の厚さが500μmよりも大きい場合には、ベルト253の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに加えて、トナー定着工程においてベルト表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、ベルトの離型性が低下してトナーがベルトに付着する、いわゆるホットオフセットが発生する。 なお、ベルト253の基材として、上記金属からなる発熱層の代わりに、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂層を用いてもよい。
加圧ローラ254は、例えば銅またはアルミニウム等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金254aと、この芯金254aの表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材254bとから構成されている。芯金254aには上記金属以外にSUSを使用しても良い。
加圧ローラ254はベルト253を介して定着ローラ252を押圧して定着ニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ254の硬度を定着ローラ252に比べて硬くすることによって、加圧ローラ254が定着ローラ252(及びベルト253)へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録材Pは加圧ローラ254表面の円周形状に沿うため、記録材Pがベルト253表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ254の外径は定着ローラ252と同じ40mm程度であるが、肉厚は1〜3mm程度で定着ローラ252より薄く、また硬度は50〜70°(Asker硬度)程度で前述したとおり定着ローラ252より硬く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ251を加熱する誘導加熱手段256は、図3、及び図4(a)、(b)に示すように、磁界発生手段である励磁コイル257と、この励磁コイル257が巻き回されたコイルガイド板258とを有している。コイルガイド板258は加熱ローラ251の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、図4(b)に示すように、励磁コイル257は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板268に沿って加熱ローラ251の軸方向に交互に巻き付けたものである。
なお、励磁コイル257は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。
励磁コイル257の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア259が、励磁コイルコア支持部材260に固定されて励磁コイル257に近接配置されている。なお、本実施の形態において、励磁コイルコア259は比透磁率が2500のものを使用している。
励磁コイル257には駆動電源から10kHz〜1MHzの高周波交流電流、好ましくは20kHz〜800kHzの高周波交流電流が給電され、これにより交番磁界を発生する。そして、加熱ローラ251と耐熱性ベルト253との接触領域W1及びその近傍部において、この交番磁界が加熱ローラ251及びベルト253の発熱層に作用し、これらの内部では交番磁界の変化を妨げる方向に渦電流が流れる。
この渦電流が加熱ローラ251およびベルト253の発熱層の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として加熱ローラ251とベルト253との接触領域及びその近傍部において、加熱ローラ251及び発熱層を有するベルト253が電磁誘導加熱される。
このようにして加熱されたベルト253は、定着ニップ部Nの入口側近傍において、ベルト253の内面側に当接して配置されたサーミスタなどの熱応答性の高い感温素子からなる温度検出手段255により、ベルト内面温度が検知される。
上記の定着装置25により、加熱ローラ251及びベルト253の瞬時の加熱が可能となり、装置のウォームアップ時間を短縮することができる。また、定着ニップ部Nの入口近傍に備えられた温度検出手段255により、定着ニップ部Nの温度変化を適時に検知し、温度低下が検出されたときには、瞬時に加熱ローラ251からベルト253への加熱が行われるために、記録材P上のトナー像Tを、コールドオフセットを発生させることなく良好に定着することができる。また、現像装置4に使用する現像剤が、後述する低温定着性に優れ、十分な定着温度幅を有する静電荷像現像用トナーを含んでなることにより、一層定着性の良い画像を出力することができる。
上記のような、電磁誘導加熱方式の定着装置としては、図3に示す構成に限られるものではなく、例えば、図5で示すような、フィルム加熱方式により行うことも可能である。
図5は、電磁誘導加熱方式による定着装置の、別の実施形態を示す模式図である。
図5に示す定着装置70は、励磁コイルユニット701aと加熱部である磁性金属部材701bとからなる加熱体701が装着されたフィルム内面ガイド702と、磁性金属部材701bを内壁に当接した状態でフィルム内面ガイド702を包む耐熱性を備えた円筒状のフィルム703と、磁性金属部材701bの位置でフィルム703に圧接してこのフィルム703との間に定着ニップ部Nを形成するとともに当該フィルム703を回転させる加圧ローラ704とから構成されている。
フィルム703は、膜厚が100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性を有するPTFE、PFA、FEPの等の単層フィルム、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムが使用されている。
また、フィルム内面ガイド702はPEEK、PPS等の樹脂より形成された剛性・耐熱性を有する部材からなり、加熱体701はこのようなフィルム内面ガイド702の長手方向の略中央部に嵌め込まれている。
加圧ローラ704は、芯704aと、その周囲に設けられたシリコーンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層704bからなり、軸受や付勢手段(何れも図示せず)により所定の押圧力を持ってフィルム703を挟んで加熱体701の磁性金属部材701bに圧接するように配設されている。そして加圧ローラ704は駆動手段(図示せず)により反時計回りに回転駆動される。
加圧ローラ704の回転駆動により、加圧ローラ704とフィルム703との間に摩擦力が発生してフィルム703に回転力が作用し、フィルム703は加熱体701の磁性金属部材701bに密着しながら摺動回転する。
加熱体701が所定の温度に達した状態において、定着ニップ部Nのフィルム703と加圧ローラ704との間に、画像形成部(図示せず)で形成された未定着トナー画像Tを有する記録材Pを導入する。記録材Pは加圧ローラ704とフィルム703とに挟まれて定着ニップ部Nを搬送されることにより磁性金属部材701bの熱がフィルム703を介して記録材Pに付与され、未定着トナー像Tが記録材P上に溶融定着される。なお、定着ニップ部Nの出口においては、通過した記録材Pはフィルム703の表面から分離されて排紙トレイ(図示せず)に搬送される。
このように、電磁誘導加熱方式の定着装置では、渦電流の発生を利用することで、誘導加熱手段としての磁性金属部材701bをフィルム703を介して記録材Pのトナー像Tに近くに配置することができ、フィルム加熱方式の定着装置よりもさらに加熱効率がアップする。
また、本発明に係るカラー画像形成装置に備えられる定着装置としては、上述の電磁誘導加熱方式の定着装置の他に、例えば、熱ローラー方式の定着装置を使用することもできる。
図6は、本発明に係るカラー画像形成装置に備えられる定着装置の別の実施形態を示す図である。
図6に示す定着装置80は、熱ローラ方式の定着装置であり、基本構成としてはハロゲンランプ等の加熱装置824(以下「ヒータ」という。)を有する定着ローラ821と、芯金826上に発泡シリコーンゴム等の弾性層827を有し、定着ローラー821に圧接される加圧ローラ825とを備えている。加圧ローラ825の弾性層827上にはPFAチューブ等からなる離型層828が設けられている。定着ローラ821は、芯金830の上にシリコーンゴム等の弾性層822を設け、更にトナーの粘性による付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の離型性のよい樹脂表層823が形成されている。弾性層822の層厚は画像品質と定着時の熱伝達効率を考慮して通常は100〜500μm程度の厚さが好ましい。また樹脂表層823は、加圧ローラ825と同様にPFAチューブ等で構成され、その厚みは機械的劣化を考慮して10〜50μm程度の厚みが好ましい。定着ローラ821の外周面には、温度検知手段829が設けられ、定着ローラ821の表面温度を検知することで、その温度をほぼ一定に保つようにヒータ824を制御している。
このような構成の定着装置において、定着ローラ821と加圧ローラ825とが、所定の加圧力で圧接されて定着ニップ部Nを構成し、駆動手段(図示せず)により駆動を受けてそれぞれ矢印R21方向、矢印R25方向に回転することによって、上述の定着ニップ部Nにて転写材Pを挟持搬送する。この際、定着ローラ821はヒータ824によって所定の温度に制御されており、転写紙P上のトナー像Tは、両ローラ間を通過するときに、圧力を受けながら熱溶融し、ローラ対を出て冷却されることによって永久像として転写紙Pに定着される。
加圧ローラ825の構成は外径30mm、肉厚6mmで表面に導電性のPFAチューブが被されており軸上のゴム硬度は42HS(アスカC)で構成されている。また、定着ローラ821はアルミニウムの芯金から構成されており肉厚は0.4mmである。本構成にいてニップNを得るためにローラの両端に圧力がかけられておりその時の面圧は8.3N/cmになっている。
なお、上述のような熱ローラ方式の定着装置では、経時での使用により定着ローラ821上のトナーが加圧ローラ825上に移行し、このトナーが転写することにより記録紙の裏面に汚れが発生する。
本発明の定着装置80は、このような加圧ローラ825上の残留トナーを除去するため、加圧ローラ825表面に当接するように、定着クリーニングローラ831を備えている。
これにより、加圧ローラ825上に微量に付着したトナーが除去され、転写紙裏面の汚れを防止することができる。
なお、定着ローラ821表面の温度は、温度検知手段829により、適切な定着温度の範囲に制御して使用することが好ましい。
上記のように、定着クリーニングローラ831を備えた定着装置80を高温で使用すると、定着クリーニングローラ831上に蓄積したトナーが熱により溶け出し、これが加圧ローラ825に逆転写する、いわゆる逆ホットオフセットが発生する。
本発明のトナーは、低温定着性が向上されているため、定着ローラ821の表面温度を上述の範囲で使用しても、定着不良を発生させる事無く、良好な画像を安定して提供することができる。
本発明に係るトナーは、その母体粒子が、例えば以下のような原料、並びに製造方法によって製造される。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーは結着樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、2価アルコール(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)を結着樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、結着樹脂成分は低酸価の方が帯電性や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモルフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
また、得られたトナー粒子は、必要に応じて分級操作を行い、所望の粒度分布に整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた乳化分散体からできるだけ取り除くことが好ましいが、上述の分級操作と同時に行うのが好ましい。
また、得られたトナーには、必要に応じて、帯電制御剤の打ち込み、外添剤の乾式処理を施してもよい。帯電制御剤の打ち込み、及び外添剤の乾式処理は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
帯電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(外添剤)
トナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他 高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
本発明の画像形成用トナーは、体積平均粒径(Dv)が3.0〜8.0μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
また、本発明の画像形成用トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜180の範囲にあるトナーであることが好ましい。図7は形状係数SF−1を、図8は形状係数SF−2を、それぞれ説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数SF−1、SF−2が共に100に近くトナーの形状が真球に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと像担持体との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと像担持体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。ドットの再現性も良好になる。一方で、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方がクリーニングの余裕度が増し、クリーニング不良等の不具合がない。そこで、両者の兼ね合いから、画像品位を低下させることのない範囲として、形状係数SF−1、SF−2が100〜180の範囲であることが好ましい。
形状係数SF−1は、電子顕微鏡(例えば、日立製作所製FE−SEM(S−800)等が挙げられ、以下同様である。)を用い倍率500倍に拡大したトナー粒子の像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して画像解析装置[例えば、nexus NEW CUBE ver.2.5(NEXUS社製)及びLuzexIII(ニコレ社製)等が挙げられ、以下同様である。]に導入し解析を行い、式(1)より算出し得られた値である。
形状係数SF−2は、電子顕微鏡を用い倍率3500倍に拡大したトナー粒子の像を50個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して画像解析装置に導入し解析を行い、式(2)より算出し得られた値である。
形状係数SF−1、SF−2が共に100に近くトナーの形状が真球に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと像担持体との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと像担持体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。ドットの再現性も良好になる。一方で、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方がクリーニングの余裕度が増し、クリーニング不良等の不具合がない。そこで、両者の兼ね合いから、画像品位を低下させることのない範囲として、形状係数SF−1、SF−2が100〜180の範囲であることが好ましい。
また、本発明の画像形成用トナーは、以下の形状規定によって表すことができる。
図9は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図9において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図9(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図9(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
本発明の画像形成用トナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
また、本発明の画像形成用トナーは、一成分現像剤としても、磁性キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合の磁性キャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理したものなどが挙げられる。本発明における磁性キャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
(トナーの製造)
<製造例1>
〜無機微粒子の製造例〜
コア用原料の液状SiClを液体原料供給装置を用いてキャリアガスとしてArガスを流量300SCCM(毎分標準体積流量(CC))で吹き込み、流量250SCCMのSiCl蒸気を、Hガス20SLM(毎分標準体積流量(L))、Oガス20SLMと共にコア用バーナーに送り火炎加水分解、融合させてSiO微粒子を生成させた。この微粒子を所定の一次粒子径になるまで成長させ、得られた微粒子をヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理を行い、平均一次粒子径が5nmの[無機微粒子1]を得た。
<製造例2>
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。該[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
<製造例3>
〜水相の調製〜
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7 三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
<製造例4>
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
<製造例5>
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
<製造例6>
〜少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1という)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート125部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均2.15個であった。
<製造例7>
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
<製造例8>
〜マスターバッチの合成〜
(ブラック)
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)60部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)40部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(シアン)
水1200部、銅フタロシアニン顔料(PB15:3)50部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)50部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(マゼンタ)
水1200部、ナフトール系顔料(PR269)50部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)50部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(イエロー)
水1200部、ジスアゾ系顔料(PY155)50部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)50部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
<製造例9>
〜油相、すなわち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。
次いで、容器にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのいずれかの色の[マスターバッチ1]を加え、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
なお、容器に加える[マスターバッチ1]量としては、ブラックのマスターバッチの場合は500部、シアンのマスターバッチの場合は400部、マゼンタのマスターバッチの場合は450部、イエローのマスターバッチの場合は550部とした。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1g/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部、前記の[無機微粒子1]34部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
<製造例10>
〜乳化〜
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
すなわち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行なわれる。
<製造例11>
〜脱溶剤〜
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
<製造例12>
〜洗浄・乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。
<製造例13>
〜外添剤処理〜
上記で得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ2.0部と、疎水化酸化チタン0.75部をヘンシェルミキサーにて混合処理し、[トナー1]を得た。
<製造例14>
〜キャリアの製造〜
・芯材
Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm) ・・・5000部
・コート材
トルエン ・・・450部
シリコーン樹脂SR2400
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%) ・・・450部
アミノシランSH6020
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製) ・・・10部
カーボンブラック ・・・・10部
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調整し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間焼成し上記[キャリア1]を得た。
<製造例15>
〜現像剤の調整〜
[トナー1]7重量%、[キャリア1]93重量%を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作成した。
(実施例1)
上記製造例により得られる、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色に対応した[トナー1]と、[キャリア1]を、製造例14に示す方法により混合して、各色の現像剤を作成した。
これら現像剤を使用して、図1に示すカラー画像形成装置により、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の単色画像、及び、グリーン(Y+C)、レッド(Y+M)、ブルー(M+C)の、2色重ね合わせにより得られるカラー画像の形成を行った。
この時、タンデム型画像形成装置20における各色現像装置の配列順序としては、Y⇒C⇒Mの順序とした。
得られたカラー画像に関し、下記に詳述する方法を用いて、画像評価を行った。
評価結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、タンデム型画像形成装置20における各色現像装置の配列順序を、M⇒C⇒Yとしたこと以外は、実施例1と同様にして、カラー画像形成を行い、この画像の評価を行った。
なお、現像剤は、実施例1と同様、上記製造例の通りに作成した、各色に対応する[トナー1]と[キャリア1]を使用し、実施例1と同様の方法により混合して作成した。
評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、製造例13において使用される疎水性シリカを、疎水化処理を行っていないシリカとしたこと以外は、実施例1と同様にして各色トナーを作成し、このトナーと[キャリア1]を用いて各色現像剤を作成した。
その後は、実施例1と同様にして、カラー画像形成を行い、この画像の評価を行った。
尚、タンデム型画像形成装置20における現像順序としては、実施例1と同様、Y⇒C⇒Mの順序とした。
評価結果を表2に示す。
[評価方法]
(評価項目)
(1)油性ボールペンでの書き込みのしやすさ
Ricoh製IPSiO Color8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いてベタ画像を出力し、このベタ画像上に、油性ボールペンにて書き込みを行う。書き込まれた文字が、白紙上に書きこまれた場合と同等であるレベルを◎、白紙上に書いた場合に比べてわずかに薄いが、実用性には問題がないレベルを○、文字がかすれていて読みにくいレベルを△、全く書き込めないレベルを×とした。
(2)明度L
図3に示す定着装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)に、ベタ画像で、0.4±0.02mg/cmのトナーが現像されるように調整を行い、定着ベルトの温度が160℃となるように調整を行って、トナー画像の定着を行った。定着後の画像のLを、938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)を用いて、測定した。
(3)メタノール疎水化度における降下開始点
粉体濡れ性試験機(WET−100P、RHESCA製)を用いて、純水50mlに対して1ml/minの条件でメタノールを加える。このときの降下開始点を測定した。
得られたトナーの物性は表1に、評価結果は表2に示した。
Figure 0004993902
Figure 0004993902
表2の結果より、実施例1の、本発明に係るカラー画像形成装置により得られる、明度が50以上である定着ベタ画像の表面は、油性インクとの親和性が良好な状態とされているため、油性インクを使用した書き込みを円滑に行うことができる。
一方、比較例1、2に係るカラー画像形成装置により得られる定着ベタ画像表面は、油性インクとの親和性に乏しく、この画像上への油性インクによる書き込みを円滑に行うことができず、また、書き込まれた文字の判別が困難となる結果となった。
本発明に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。 本発明に係るカラー画像形成装置に備えられるタンデム型画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明に係る定着装置を拡大して示す図である。 誘導加熱手段の構成を説明するための図である。 電磁誘導加熱方式による定着装置の、別の実施形態を示す模式図である。 本発明に係るカラー画像形成装置に備えられる定着装置の別の実施形態を示す図である。 形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。
符号の説明
4 現像装置
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
251 加熱ローラ
252 定着ローラ
253 ベルト(トナー加熱体)
254 加圧ローラ
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
70 定着装置
701 加熱体
701a 励磁コイルユニット
701b 磁性金属部材
702 フィルム内面ガイド
703 円筒状のフィルム
704 加圧ローラ
704a 芯
704b 耐熱ゴム層

Claims (5)

  1. イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対応する静電潜像を担持する像担持体と、
    前記像担持体上の各色の静電潜像を現像してトナー像を形成する、各色トナーに対応する現像装置と、
    前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写した後、前記中間転写体上のトナー像を一括して被転写体に二次転写する転写装置と、
    前記被転写体上のトナーを定着してトナー画像を形成する定着装置と、を有するカラー画像形成装置において、
    前記現像装置は、タンデム型に配置され、1番目がイエロー現像装置であり、4番目がブラック現像装置であり、
    前記定着装置により得られる、イエロートナーが最表層にあるトナー画像のL50以上であり、そのときのイエロートナーのメタノール疎水化度における降下開始点が、28≦メタノール/(メタノール+水)(体積%)である
    ことを特徴とするカラー画像形成装置。
    (但し、明度Lは、被転写体上に均一にトナーが付着しており、かつトナー付着量が0.4mg/cmである定着画像の値とする。)
  2. 請求項1に記載のカラー画像形成装置において、
    前記現像装置の配列順序は、2番目がシアン現像装置であり、3番目がマゼンタ現像装置である
    ことを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載のカラー画像形成装置において、
    前記カラー画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体と、少なくとも、前記像担持体に対向して配置される現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備える
    ことを特徴とするカラー画像形成装置。
  4. 像担持体上に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対応する静電潜像を形成する工程と、
    前記像担持体上の各色の静電潜像を、各色トナーに対応する現像装置により現像する現像工程と、
    前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写した後、前記中間転写体上のトナー像を一括して被転写体に二次転写する転写工程と、
    前記被転写体上のトナーを定着してトナー画像を形成する定着工程と、を有するカラー画像形成方法において、
    前記現像装置は、タンデム型に配置され、1番目がイエロー現像装置であり、4番目がブラック現像装置であり、
    前記定着工程により得られる、イエロートナーが最表層にあるトナー画像のL50以上であり、そのときのイエロートナーのメタノール疎水化度における降下開始点が、28≦メタノール/(メタノール+水)(体積%)である
    ことを特徴とするカラー画像形成方法。
    (但し、明度Lは、被転写体上に均一にトナーが付着しており、かつトナー付着量が0.4mg/cmである定着画像の値とする。)
  5. 請求項4に記載のカラー画像形成方法において、
    前記現像工程における現像順序は、2番目がシアンであり、3番目がマゼンタである
    ことを特徴とするカラー画像形成方法。
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