JP2005049437A - 画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ、トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】小粒径化、球形化されたトナーにより転写性、定着性の良好な画像形成を行うと共に、簡易な構成により優れたクリーニング性をも実現する画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、像担持体1上の静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する工程、 該像担持体1上のトナーをクリーニングブレード80を用いてクリーニングする工程を含む画像形成方法において、前記現像工程では、初期現像剤に含まれるトナーよりも重量平均粒径が小さいトナーを補給用トナーとして用いる画像形成方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも、像担持体1上の静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する工程、 該像担持体1上のトナーをクリーニングブレード80を用いてクリーニングする工程を含む画像形成方法において、前記現像工程では、初期現像剤に含まれるトナーよりも重量平均粒径が小さいトナーを補給用トナーとして用いる画像形成方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを用いた画像形成方法に関し、特に、小粒径、球形トナーを用いる場合でも像担持体上のクリーニング不良を起こすことのない画像形成方法する。また、この画像形成方法を実行するための好適な構成を有する画像形成装置、プロセスカートリッジ、ならびにトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを用いた画像形成方法では、像担持体である感光体表面を均一に帯電した後、露光して静電潜像を作製し、その静電潜像をトナー粒子により現像してトナー像を作製し、トナー像を転写紙等に転写して画像を形成している。転写工程を終えた感光体表面には、転写紙等に転写されずに残留するトナーがあるため、次の画像形成工程に先立ってクリーニング工程が設けられ、感光体表面がクリーニングされる。クリーニング手段としては、ファーブラシ、磁気ブラシ、ゴムブレード等を用いる種々の手段が提案されているが、ゴムブレードにより感光体表面を摺察して残留するトナーを掻き取る手段が、安価で簡易な構成であることから広く用いられている。
【0003】
一方、近年高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。従来の混練粉砕法により、このような小粒径化、球形化したトナーを製造するのは非常に困難であることから、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造された重合トナーが採用されつつある。
しかしながら、トナーを数μm以下まで小粒径化すると、トナーと感光体との間に働くファンデルワールス力等の非静電的付着力が自重に対して増すため、感光体からの離型性が悪くなり、ブレードクリーニングされにくくなる。
また、球形化したトナーは、ゴムブレードのエッジに引っかからずに転がってしまうため、感光体とゴムブレードの間をすり抜けやすく、同じようにブレードクリーニングが困難となっている。
【0004】
これまでに、ブレードクリーニング性を良好に行わせるために、小粒径の不定形トナーが提案されている。このようなトナーとしては、例えば、重合体粒子を水性媒体に分散させ、親疎水性有機溶媒を添加して、粒子同士を会合させ、その後の加熱処理により粒子同士を融着させてトナーを作製する方法等が提案されている(例えば特許文献1参照。)。しかし、このような不定形のトナーでは、クリーニング性は改善するものの、球形に近いほど良好な転写性や定着性が犠牲になるなど、互いの性質の両立が難しいという問題点がある。
【0005】
不定形トナーのクリーニング性と球形トナーの転写性を両立させたトナーとして、不定形トナーと球形トナーとを球形トナーの比率が20%以下で混在させたトナーが提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、このトナーでは、球形トナーの比率が少なく、したがって、転写率は球形トナーよりも低下する結果となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−265252号公報
【特許文献2】
特開平8−95286号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点に鑑み、本発明は、小粒径化、球形化されたトナーにより現像性、転写性、定着性の良好な画像形成を行うと共に、簡易な構成により優れたクリーニング性をも実現する画像形成方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のことを特徴とする。
1.本発明は、少なくとも、像担持体上の静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する工程、該像担持体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程を含む画像形成方法において、前記現像工程では、初期現像剤に含まれるトナーよりも重量平均粒径が小さいトナーを補給用トナーとして用いる画像形成方法である。
2.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーの重量平均粒径は6.5〜10μmであることを特徴とする。
3.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーの平均円形度は0.93以下であることを特徴とする。
【0009】
4.さらに、本画像形成方法は、前記クリーニング工程で回収されたトナーを現像工程の現像剤に戻して再使用するトナーリサイクル工程を含むことを特徴とする。
5.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーは、表面に荷電制御剤を含有してなり、該荷電制御剤が、アゾ金属錯体化合物、4級アンモニウム塩、含フッ素4級アンモニウム塩、サリチル酸金属錯体化合物のいずれかであることを特徴とする。
6.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーは、導電性微粒子を外添してなることを特徴とする。
7.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーは、離型剤を内包してなることを特徴とする。
【0010】
8.前記現像工程で使用される補給用トナーは、重量平均粒径が3.0〜7.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
9.前記現像工程で使用される補給用トナーは、平均円形度が0.95以上であることを特徴とする。
10.前記現像工程で使用される補給用トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
11.前記現像工程で使用される補給用トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とする。
12.前記現像工程で使用される補給用トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
【0011】
13.前記現像工程は単一の像担持体上で複数色のトナーに対応して複数回行われ、各現像工程終了後、順次被転写体上にトナー像を転写して重畳する転写工程を有し、前記トナーリサイクル工程は、前記クリーニング工程で回収されたトナーを黒トナーを含む現像剤に戻すことを特徴とする。
14.単一もしくは複数の像担持体上で形成された複数色のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、該中間転写体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程と、該中間転写体クリーニング工程で回収されたトナーを黒トナーを含む現像剤に戻して再使用する第2のトナーリサイクル工程を含むことを特徴とする。
15.前記トナーリサイクル工程又は前記第2のトナーリサイクル工程でリサイクルされるトナーの色相は、L*a*b*の表色系におけるa*の値が−4.0〜+7.0で、かつ、b*の値が−7.0〜+5.0であることを特徴とする。
【0012】
16.更に、本発明は、少なくとも、像担持体と、像担持体上の静電潜像をトナーを含有する現像剤で現像する現像手段と、該像担持体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置において、前記現像手段では、初期現像剤に含まれるトナーよりも重量平均粒径が小さいトナーを補給用トナーとして用いる画像形成装置である。
17.前記現像手段で使用される初期現像剤に含まれるトナーの重量平均粒径は6.5〜10μmであることを特徴とする。
18.前記現像手段で使用される初期現像剤に含まれるトナーの平均円形度は0.93以下であることを特徴とする。
19.前記クリーニング手段で回収されたトナーを現像手段の現像剤に戻すトナーリサイクル手段を備えることを特徴とする。
【0013】
20.前記画像形成装置は、単一の像担持体に対し複数の現像手段を備え、該像担持体上で形成されたトナー像を1色ずつ順次被転写体上に転写する転写手段を備え、前記トナーリサイクル手段は、前記クリーニング手段によって回収されたトナーを、黒トナーを含む現像手段に戻すことを特徴とする。
21.前記画像形成装置は、単一もしくは複数の像担持体上で形成されたトナー像を転写して担持する中間転写体と、前記像担持体上のトナー像を該中間転写体上に転写する一次転写手段と、該中間転写体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする中間転写体クリーニング手段と、該中間転写体クリーニング手段で回収されたトナーを黒トナーを含む現像手段に戻す第2のトナーリサイクル手段とを有することを特徴とする。
【0014】
22.更に、本発明は、像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段から選択される1以上の手段とが一体に支持され、画像形成装置に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、請求項16に記載の画像形成装置における像担持体と現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、該画像形成装置に対して着脱自在に形成されたプロセスカートリッジである。
【0015】
23.更に、本発明は、電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、該トナーは、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成方法の現像工程に使用される補給用トナーであり、重量平均粒径が3.0〜7.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナーである。
24.前記トナーは、平均円形度が0.95以上であることを特徴とする。
25.前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
26.前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とする。
27.前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム1の周囲に、感光体ドラム1表面を帯電するメインチャージャ2、感光体ドラム1表面に形成された静電潜像を現像する現像装置4、感光体ドラム1上のトナー像を転写紙に転写する際、転写紙を帯電させる転写チャージャ5a、トナー像が転写された転写紙を感光体ドラム1表面から分離するための帯電を行う分離チャージャ5b、感光体ドラム1上の残留トナーを清掃するクリーニング装置8が配置されている。
【0017】
感光体1は、光導電性を有するアモルファスシリコン、アモルファスセレン等の非晶質金属、ビスアゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機化合物を用いることができる。環境及び使用後の後処理を考慮すると、有機化合物による感光体を用いることが好ましい。
感光体ドラム1を帯電する手段としてコロナ方式のメインチャージャ2を示しているが、ローラ方式、ブラシ方式、ブレード方式等であってもよい。
また、帯電を施された感光体ドラム1の表面に露光光Lを走査して静電潜像を形成する図示しない露光装置が備えられている。
転写手段としては、転写チャージャ5a及び分離チャージャ5bによる転写紙と非接触の手段を用いているが、転写ローラ、転写ベルト等の転写紙と接触する手段を用いるものであっても良い。
【0018】
クリーニング装置8は、感光体ドラム1に当接して残留トナーを掻き取るゴム等の材質からなるクリーニングブレード80と、トナー回収室81とからなる。トナー回収室81の下方には、クリーニング装置8の前後の側板に回転可能に軸支されたスクリュー型の回転体である第1トナー搬送コイル82が設けられている。
さらに、トナー回収室81で回収されたトナーを現像装置4に戻してリサイクルすべく、トナーを搬送するトナー搬送部7が設けられている。トナー搬送部7内には、第1トナー搬送コイル82と同様の形状の第2トナー搬送コイル71が設けられている。
【0019】
現像装置4は、攪拌スクリュー41、42及び現像ローラ40を有する現像槽である現像タンク4aと、現像タンク4aにトナーを補給するためのトナーカートリッジ43を有するトナー補給部4bと、リサイクルトナー用ホッパー4cとから構成されている。現像装置4で使用する現像剤は、一成分現像剤、二成分現像剤いずれでも構わない。トナー補給部4bの底部には現像タンク4aへトナーを供給するための第1補給ローラ44が、リサイクルトナー用ホッパー4cの底部には現像タンク4aへトナーを供給するための回収トナー補給ローラである第2補給ローラ45、及びこれに接触して現像タンク4a側にメッシュ46がそれぞれ設けられている。
上記のように、クリーニング装置8、トナー搬送部7、リサイクルトナー用ホッパー4c、第2補給ローラ45、メッシュ46によりトナーリサイクル機構が構成され、クリーニング装置8で回収されたトナーをリサイクルできるようになっている。
【0020】
上記構成において、感光体ドラム1は時計方向に回転し、メインチャージャ2による帯電、露光動作により、感光体ドラム1表面に静電潜像が形成され、現像装置4の現像ローラ40によりトナーが供給されて静電潜像に付着し、トナー像が形成される。次に、転写チャージャ5a、分離チャージャ5bによって感光体ドラム1上のトナー像を転写紙に転写した後、図示しない定着装置によって、トナー像を定着させ、排紙する。
【0021】
一方、転写後の感光体ドラム1上に残留するトナーは、クリーニングブレード80によってクリーニングされ、感光体ドラム1は次の画像形成に備えられる。クリーニングブレード80が掻き取ったトナーは、トナー回収室81に回収され、第1トナー搬送コイル82の回転によって図中奥側から手前側に搬送される。そして、トナー搬送部7の第2トナー搬送コイル71の回転によって現像装置4のリサイクルトナー用ホッパー4cへ搬送され、その底部に落下する。リサイクルトナーは、第二補給ローラ45によって再び現像タンク4aに戻されるが、このときメッシュ46を通過することで、凝集したトナーも細かくつぶされて供給される。
【0022】
本発明の画像形成方法は、現像装置4において最初に使用される初期現像剤に含まれるトナー(以下、「初期トナー」と称する。)と、現像タンク4a内のトナーの減少に従いトナーカートリッジ43から補給される補給用トナーとが異なる特性であることを特徴とする。すなわち、初期トナーと補給用トナーは少なくとも粒径が異なるトナーであり、初期トナーよりも補給用トナーの方が重量平均粒径の小さいトナーとする。
感光体ドラム1上の静電潜像を緻密に現像するためには、トナーは小粒径、球形である方がよい。しかしながら、図1に示すように、クリーニング工程がクリーニングブレード80によって行われる場合、小粒径トナーは、クリーニングブレード80と感光体ドラム1表面との摩擦抵抗により、ブレードエッジが変形して生じるクリーニングブレード80と感光体ドラム1との間の空間に入り込みやすく、また、球形トナーは感光体ドラム1との摩擦力により転がりやすいため、クリーニングブレード80をすり抜けてしまい十分なクリーニング性能が得られないという不具合がある。
そこで、本発明の構成により、画像形成動作に従って、現像装置4の初期トナーが、重量平均粒径のより小さい補給用トナーよりも先に、クリーニングブレード80のエッジに到達するようにしたものである。クリーニングブレード80のエッジに到達した初期トナーは、クリーニングブレード80と感光体ドラム1との間の空間に侵入して、トナーの入れ替わりが起こりにくい非流動領域を形成することができる。これにより、随時現像タンク4aに補給されて感光体ドラム1上に現像され、感光体ドラム1の回転移動に伴ってクリーニングブレード80まで運ばれてくる、より小粒径の補給用トナーが、クリーニングブレード80をすり抜けるのを防止することができる。
【0023】
初期トナーの重量平均粒径は、6.5〜10μmの範囲であることが好ましい。重量平均粒径が6.5μmよりも小さいと、クリーニングブレード80をすり抜けてしまうものもあり、後続の補給用トナーを塞き止める役割を十分果たすことができない。また、重量平均粒径が10μmを超えると、初期トナーのみが現像される現像装置4使用初期段階において、画像の粗さによる画質の低下が目立つため好ましくない。
【0024】
尚、重量平均粒径は、測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。それから、トナー粒子の体積分布から求めた重量基準のトナーの重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
【0025】
初期トナーは上記の重量平均粒径の範囲にあることで、その形状が球形に近いものであっても、良好なブレードクリーニング性能を得ることができる。しかし、クリーニングブレード80のクリーニング性能の余裕度を高めるために、初期トナーの形状は平均円形度が0.93以下の不定形トナーである方が一層好ましい。不定形トナーの方が、クリーニングブレード80のエッジに引っ掛かりやすく、後続の小粒径、球形の補給用トナーを、確実にクリーニングブレード80で塞き止めることができるからである。
尚、トナーの平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行う。
【0026】
現像装置4の使用初期段階において、初期トナーがクリーニングブレード80と感光体ドラム1との間の空間に侵入して、トナーの入れ替わりが起こりにくい非流動領域を形成することは既に述べた。しかし、この非流動領域にあるトナーも経時ではトナー回収室81に回収され、他のトナーと入れ替わると考えられる。そこで、図1に示す画像形成装置のようにトナーリサイクル機構を備えることにより、トナー回収室81に回収された初期トナーが再び現像装置4に供給されて、現像工程、転写工程を経て再びクリーニング工程に供されるようにすることができる。これにより、初期トナーもリサイクルされ、感光体ドラム1上に存在するトナーの中にある一定の割合で含まれるようにすることができる。
【0027】
感光体ドラム1上に存在するトナーの中に含まれる初期トナーの割合を一定にするために、初期トナーは、以下のような構成であることが好ましい。
初期トナーが、平均円形度0.93以下の不定形トナーであることが、ブレードクリーニング性能の観点から好ましいことを述べたが、初期トナーのリサイクルの観点からも好ましいといえる。これは、不定形トナーの方が、球形に近いトナーに比べ感光体ドラム1表面との付着力が大きく転写されずらいため、転写工程を経た後も感光体ドラム1上に残存し、クリーニング工程に達するからである。不定形トナーが再び感光体ドラム1とクリーニングブレード80との空間に侵入し、トナーが入れ替わりにくい非流動領域を形成することの繰り返しにより、一定のブレードクリーニング性能を得ることができる。
【0028】
同様にして、初期トナーリサイクルの観点から、初期トナーは、現像装置4で摩擦帯電された後のトナー表面電位の緩和時間が短い方が好ましい。トナー表面電位の緩和時間が短いと、感光体ドラム1上に現像後、転写工程に至る過程でトナーの帯電量が減衰するため、転写されにくく、したがって感光体ドラム1上に残留する。
このようなトナーとしては、アゾ金属錯体化合物、4級アンモニウム塩、含フッ素4級アンモニウム塩、サリチル酸金属錯体化合物のいずれかの化合物を荷電制御剤としてトナー表面に含有するものが挙げられる。
【0029】
トナーの体積固有抵抗を下げるために導電性微粒子を外添し、初期トナーの摩擦帯電で生じた表面電位の減衰を早めるようにすることもできる。導電性微粒子としては、低抵抗物質として、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物、または、高誘電物質として、ロシェル塩系のもの(ロシェル塩、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸リチウムアンモニウム等)、ペロブスカイト系のもの(チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、タンタル酸ナトリウム、ジルコチタン酸鉛等)、ピクロライト系のもの(ニオブ酸カドミウム、ピロニオブ酸鉛等)、イルメナイト系のもの(チタン酸カドミウム、チタン酸鉄、チタン酸ニッケル、チタン酸リチウム等)、グアナジン系のもの(グアナジンガリウムサルフェート、グアナジンクロムサルフェート等)、グリシン系のもの(硫酸グリシン、グリシン硫酸銀等)、固溶体(チタン酸鉛/ジルコン酸鉛、ニオブ酸/ニオブ酸バリウム等)、シアノレジン、共重合体系のもの(ポリビニリデンフルオライド−トリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン等)等を用いることができる。
【0030】
また、初期トナーは、離型剤を内包してなるトナーであることが好ましい。定着装置におけるホットオフセットを防ぐために、トナーに離型剤を添加する手法はよく知られている。離型剤を添加したトナーを初期トナーとする場合、初期トナーは感光体ドラム1とクリーニングブレード80との空間に長時間留まるため、添加した離型剤がトナー表面に露出していると感光体ドラム1上にフィルミングを起こす原因になりやすい。そこで、離型剤が内包されたトナーを初期トナーとすることが好ましい。
離型剤をトナーに内包させる手法としては、懸濁重合、乳化重合、沈殿重合、分散重合、ソープフリー乳化重合及びシード重合等のトナー製造方法を用いて、離型剤を内部に含み表層部をポリマー等で形成した所謂カプセル状のトナーを形成する手法等が挙げられる。例えば、懸濁重合法を用いる場合においては、トナー材料である重合性単量体、及び着色剤、更に、重合開始剤、架橋剤、離型剤等を均一に溶解、分散し、トナー材料液とした後に、このトナー材料液を分散安定剤を含有する水相中に攪拌機を用いて分散させ、同時に重合を行わせる。
【0031】
次に、本画像形成方法において好適に使用される補給用トナーについて説明する。
補給用トナーは、重量平均粒径が3.0〜7.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であるが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。しかしながら、本発明の画像形成方法は、初期トナーとして補給用トナーよりも重量平均粒径の大きいトナーを用いているため、補給用トナーの重量平均粒径が3μmと小粒径であっても、良好なブレードクリーニング性能を発揮できる。
一方、重量平均粒径が3μmよりも小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなるので好ましくない。
トナーの重量平均粒径が7.0μmよりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多いので好ましくない。
また、D4/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
尚、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)に接続し、測定した。
【0032】
補給用トナーの平均円形度は0.95以上であることが好ましい。平均円形度が0.95以上のトナーを用いることにより、ドット再現性が優れ、高い転写率を得ることができる。平均円形度が0.95未満では、トナーが球形から離れた形状になり、ドット再現性が悪くなり、また、潜像担持体としての感光体ドラム1への接触点が多くなるため離型性が悪くなり、転写率が低下する。
このように、平均円形度の高い球形に近いトナーを用いる場合であっても、本発明の画像形成方法により、良好なブレードクリーニング性能を発揮できる。
【0033】
また、補給用トナーは、以下の形状係数SF−1、SF−2の値で規定することができるトナーであることが好ましい。図2は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0034】
本発明に係るトナーはSF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜180の範囲にあるトナーである。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体ドラム1との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体ドラム1との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。また、このような球形に近いトナーを補給用トナーに用いる場合であっても、本発明の画像形成方法により、良好なブレードクリーニング性能を得ることができる。
一方、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方がクリーニングの余裕度が増すが、大きくなりすぎると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。
【0035】
補給用トナーは、例えば、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて作製されたものを用いることができる。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
【0036】
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
【0037】
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0038】
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0039】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0040】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0041】
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0042】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0043】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0044】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0045】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0046】
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
尚、生成するポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い測定することができる。
【0047】
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0048】
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
【0049】
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。尚、ガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計によって測定することができる。
【0050】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0051】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0052】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0053】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0054】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0055】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0056】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0057】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0058】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0059】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0060】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0061】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0062】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0063】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0064】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0065】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0066】
また、本発明に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図3は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図3において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図3(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図3(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
【0067】
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、重量平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【0068】
図4は、本発明の第二の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム1の周囲に、感光体ドラム1表面を帯電するメインチャージャ2、感光体ドラム1表面に形成された静電潜像を現像するブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーに対応した現像装置4Bk、4C、4M、4Y、感光体ドラム1上の残留トナーを清掃するクリーニング装置8が配置されている。
感光体ドラム1は、メインチャージャ2により表面を均一に帯電され、図示しない露光装置より、4色のうちのいずれかの画像情報に基づいた露光光が照射され、静電潜像が形成される。その後、対応する色の現像装置4によってトナーが供給され、感光体ドラム1上に1色のトナー像が形成される。
【0069】
感光体ドラム1の下方には、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を転写されて保持する中間転写ベルト50が配置されている。中間転写ベルト50は、支持ローラ51、52、53、54、55、56に張架支持される無端状のベルトである。中間転写ベルト50を介して感光体ドラム1と対向し圧接して配置される支持ローラ51は一次転写手段を兼ねており、図示しない電源より一次転写電圧が印加されて、感光体ドラム1上に形成された1色のトナー像が中間転写ベルト50上に転写される。
一方、トナー像転写後の感光体ドラム1表面は、クリーニングブレード80を備えるクリーニング装置8によってその表面がクリーニングされる。そして、再びメインチャージャ2により表面が均一に帯電されて、先ほどと同様のプロセスで感光体ドラム1上に別の色のトナー像が形成される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、1色目のトナー像が担持された中間転写ベルト50上に重ねて転写される。このようにして、感光体ドラム1上に1色ずつ順次トナー像が形成され、中間転写ベルト50上に転写されて重ねられていき、最終的に4色のトナー像が重畳したフルカラー画像が形成される。
【0070】
中間転写ベルト50の下方には、二次転写ベルト62が配置されている。二次転写ベルト62は、支持ローラ63、64、65に張架支持される無端状のベルトであり、図示しない接離機構により、中間転写ベルト上へのトナー像一次転写工程の間は、二次転写ベルト62は中間転写ベルト50と離間するようになっている。一次転写工程が終了し、中間転写ベルト50上にカラー画像が形成されると、二次転写ベルト62は中間転写ベルト50の支持ローラ55に支持された部分に圧接され、ニップを形成する。このニップ部に図示しない給紙手段より転写紙が搬送され、支持ローラ63に図示しない電源より二次転写電圧が印加されて、中間転写ベルト50上のカラー画像が転写紙に転写される。
カラー画像が転写された転写紙は、二次転写ベルト62に担持搬送されて、定着装置9にてその画像を定着される。
一方、二次転写終了後の中間転写ベルト50は、クリーニングブレード58を備える中間転写ベルトクリーニング装置57により、その表面をクリーニングされる。
【0071】
第一の実施形態と同様に、現像装置4Bk、4C、4M、4Yで最初に使用される初期トナーと、各現像装置4内のトナーの減少に従い随時補給される補給用トナーとは少なくとも粒径が異なるトナーであり、初期トナーよりも補給用トナーの方が重量平均粒径の小さいトナーとする。初期トナーと補給用トナーの詳細については、先に説明した通りであるので省略する。
【0072】
第二の実施形態において、クリーニング装置8で回収されたトナーは現像装置4Bkに戻してリサイクルするように、回収タンク4dとトナー搬送部7とが備えられている。回収タンク4dから現像装置4Bkへは、混色が目立たないように補給量が調整されてリサイクルトナーが供給される仕組みとなっている。このようにして、第二の実施形態においても、それぞれの現像装置4で使用された初期トナーがリサイクルされて感光体ドラム1上に再び供給され、小粒径の補給用トナーがクリーニングブレード80をすり抜けるのを防ぎ、良好なブレードクリーニング性能を保つことができる。
【0073】
更に、図4には図示しないが、中間転写ベルト50に備えられた中間転写ベルトクリーニング装置57で回収されたトナーを回収タンク4dに搬送するトナー搬送部を設けても良い。これにより、二次転写されずに中間転写ベルト50上に残留する初期トナーのリサイクルも可能となる。
【0074】
図5は、本発明の第三の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
潜像担持体としての感光体ドラム1の周囲に帯電手段としてのメインチャージャ2、現像装置4、クリーニング装置8等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段が、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色に対応して4つ並列に配置されている。この画像形成手段の上部には、画像情報に基づいて感光体ドラム1を露光光により露光し静電潜像を形成する図示しない露光装置が設けられている。各画像形成手段では、各色の画像情報に基づき、各感光体ドラム1に静電潜像が形成され、その静電潜像を現像装置4により各色トナーで現像してトナー像が形成される。
【0075】
各画像形成手段の各感光体ドラム1と対向する位置には、支持ローラ52、53、54に張架、支持された無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト50が設けられている。中間転写ベルト50を介して感光体ドラム1と相対する位置には、各感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト50に転写する一次転写手段51がそれぞれ配置されている。中間転写ベルト50は図中矢印方向に回転駆動され、ベルトの移動に伴って、各感光体ドラム1上のトナー像が順次中間転写ベルト50上に転写されていく。感光体ドラム1Cを通過した中間転写ベルト50上には、4色のトナー像が重なり合ったカラー画像が形成されている。
中間転写ベルト50の支持ローラ53によって支持されている部分には、二次転写ローラ61が圧接して設けられている。中間転写ベルト50と二次転写ローラ61とのニップに中間転写ベルト50上のカラー画像が到達すると、二次転写ローラ61に図示しない電源より二次転写電圧が印加されて、図示しない給紙手段より当該ニップ部に搬送されてくる転写紙に一括転写される。
カラー画像が転写された転写紙は搬送ベルト66に担持搬送され、定着装置9でそのカラー画像を紙上に定着される。
一方、一次転写後の各感光体ドラム1及び二次転写後の中間転写ベルト50それぞれの表面は、クリーニングブレード80を備える各クリーニング装置8もしくはクリーニングブレード58を備える中間転写ベルトクリーニング装置57によってクリーニングされる。
【0076】
第三の実施形態においても第一の実施形態と同様に、現像装置4Bk、4Y、4M、4Cで最初に使用される初期トナーと、各現像装置4内のトナーの減少に従い随時補給される補給用トナーとは少なくとも粒径が異なるトナーであり、初期トナーよりも補給用トナーの方が重量平均粒径の小さいトナーとする。初期トナーと補給用トナーの詳細については、先に説明した通りであるので省略する。
【0077】
図5では図示していないが、各クリーニング装置8で回収されたトナーを同じ画像形成手段内の各現像装置4に戻すトナー搬送部を備え、それぞれの画像形成手段内でトナーがリサイクルされる構成となっている。トナーのリサイクル機構は、第一の実施形態と同様のものを用いることができる。このようにして、第三の実施形態においても、各現像装置4で使用された初期トナーがリサイクルされて各感光体ドラム1上に再び供給され、小粒径の補給用トナーがクリーニングブレード80をすり抜けるのを防ぎ、良好なブレードクリーニング性能を保つことができる。
また、図5では図示していないが、中間転写ベルト50に備えられた中間転写ベルトクリーニング装置57で回収されたトナーを現像装置4Bkに搬送するトナー搬送部を設けても良い。これにより、二次転写されずに中間転写ベルト50上に残留する初期トナーのリサイクルも可能となる。
【0078】
第二の実施形態において、クリーニング装置8で回収されたトナーを現像装置4Bkにリサイクルする場合、及び中間転写ベルトクリーニング装置57で回収されたトナーを現像装置4Bkにリサイクルする場合、そして、第三の実施形態において、中間転写ベルトクリーニング装置57で回収されたトナーを現像装置4Bkにリサイクルする場合、リサイクルするトナーの色相は、L*a*b*の表色系におけるa*の値が−4.0〜+7.0で、かつ、b*の値が−7.0〜+5.0であることが好ましい。a*、b*の値は、色相と彩度を表す色度であるが、両者が上記範囲にあることにより、ブラックトナーと混色しても画像上差し支えない。
a*、b*の値が上記範囲にあることは、リサイクルトナーに含まれるブラックトナーの割合がある一定以上であることを意味する。すでに説明したように、ブラックの初期トナーの平均円形度、荷電制御剤の選択、導電性微粒子の外添等により、リサイクルトナーに含まれるブラックの初期トナーの割合を調整することで、a*、b*の値を上記範囲とすることができる。
尚、L*a*b*の表色系におけるa*、b*の値は、分光測色濃度計X−Rite938(エックスライト社製)を用い、採取したリサイクルトナーを厚み2mmの圧縮成形品にして測定した。
【0079】
本発明は、上記第一、第三の実施形態に示した画像形成装置における、感光体ドラム1と現像装置4とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにも適用することができる。このプロセスカートリッジは、他に帯電手段、クリーニング手段を含むものであっても良い。現像装置4の初期トナーと、補給用トナーとが少なくとも粒径が異なるトナーであり、初期トナーよりも補給用トナーの方が重量平均粒径の小さいトナーとすることで、同様の効果を得ることができる。
【0080】
【実施例】
以下に、実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0081】
<初期現像剤A1の製造>
1)初期現像剤A1用ブラックトナー
・結着樹脂:ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル) 100部
・荷電制御剤:サリチル酸亜鉛塩(ボントロンE84、オリエント化学) 2部
・離型剤:カルナウバワックス 3.5部
・着色剤:カーボンブラック(#44;三菱化学社製) 7.5部
上記の処方量をミキサーで予備混練した後、3本ロールミルで溶融混練を実施した。これを冷却後約0.5〜3mmに粗粉砕した後IDS2型ジェット粉砕機で粉砕した。その後、分級して重量平均粒径7.5μmのトナーを得た。トナー粒子の平均円形度は0.82であった。
前記トナー100重量部に対して、シリカ微粉体(R972;日本アエロジル社製)を0.8部、酸化チタン(MT−150A;テイカ社製)0.4部の割合で混合して初期現像剤A1用ブラックトナーを作製した。
【0082】
2)初期現像剤A1用イエロートナー
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー180(PV Fast Yellow HG;クラリアント社製)5部を用いた以外は、初期現像A1用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A1用イエロートナーを作製した。トナー粒子の重量平均粒径は7.7μm、平均円形度は0.83であった。
【0083】
3)初期現像剤A1用マゼンタトナー
着色剤として、C.I.ピグメントレッド122(Hostaperm Pink E;クラリアント社製)4部を用いた以外は、初期現像A1用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A1用マゼンタトナーを作製した。トナー粒子の重量平均粒径は7.6μm、平均円形度は0.81であった。
【0084】
4)初期現像剤A1用シアントナー
着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3(Lionol Blue FG−7351;東洋インキ社製)2部を用いた以外は、初期現像A1用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A1用シアントナーを作製した。トナー粒子の重量平均粒径は7.5μm、平均円形度は0.83であった。
【0085】
5)磁性キャリア
下記処方によりコーティング液を調整した。
・シリコン樹脂SR2411(トーレダウコーニング社製) 300部
・トルエン 1200部
上記液を回転円盤型流動層コーティング装置に、平均粒径50μmのフェライトキャリア5kgと共に入れ、キャリアを被覆した。その後、250℃で2時間加熱して膜を熟成し、磁性キャリアを得た。
【0086】
上記で得られた磁性キャリアに、上記で得られた各色トナーをトナー濃度が5%になるようにそれぞれ混合して、4色の初期現像剤A1を作製した。
【0087】
<初期現像剤A2の製造>
1)初期現像剤A2用ブラックトナー
・スチレンモノマー 90部
・メタクリル酸n−ブチル 55部
・帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩(ボントロンE84;オリエント化学社製) 3.5部
・着色剤(カーボンブラック#44;三菱化学社製)7.5部
上記の重合性単量体組成物を配合し、これに重合開始剤(2,2−アゾビスイソブチロニトリル)を使用して、水系分散媒体中で重合を行い、得られたトナー粒子を水洗、乾燥の後、重量平均粒径5.1μm、平均円形度は0.98のトナーを得た。
前記トナー100重量部に対して、シリカ微粉体(R972;日本アエロジル社製)を0.6部の割合で混合して初期現像剤A2用ブラックトナーを作製した。
【0088】
2)初期現像剤A2用イエロートナー
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー180(PV Fast Yellow HG;クラリアント社製)5部を用いた以外は、初期現像A2用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A2用イエロートナーを作製した。トナーの重量平均粒径は5.3μm、平均円形度は0.98であった。
【0089】
3)初期現像剤A2用マゼンタトナー
着色剤として、C.I.ピグメントレッド122(Hostaperm Pink E;クラリアント社製)4部を用いた以外は、初期現像A2用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A2用マゼンタトナーを作製した。トナーの重量平均粒径は5.2μm、平均円形度は0.98であった。
【0090】
4)初期現像剤A2用シアントナー
着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3(Lionol Blue FG−7351;東洋インキ社製)2.5部を用いた以外は、初期現像A2用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A2用シアントナーを作製した。トナーの重量平均粒径は5.0μm、平均円形度は0.98であった。
【0091】
5)磁性キャリア
下記処方によりコーティング液を調整した。
・シリコン樹脂SR2411(トーレダウコーニング社製) 300部
・トルエン 1200部
上記液を回転円盤型流動層コーティング装置に、平均粒径50μmのフェライトキャリア5kgと共に入れ、キャリアを被覆した。その後、250℃で2時間加熱して膜を熟成し、磁性キャリアを得た。
【0092】
上記で得られた磁性キャリアに、上記で得られた各色トナーをトナー濃度が5%になるようにそれぞれ混合して、4色の初期現像剤A2を作製した。
【0093】
<補給用トナーB1の製造>
1)ブラックトナーB1
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30;三洋化成工業社製)11部、メタクリル酸166部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920;島津製)で測定した体積平均粒径は、110nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は13万であった。
【0094】
〜水相の調整〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7;三洋化成工業社製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
【0095】
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、常圧、180℃で3時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
【0096】
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し、[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、Tg54℃、酸価0.5、水酸基価52であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
【0097】
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
【0098】
〜マスターバッチの合成〜
水1200部、カーボンブラック(Printex35;デクサ社製)540部(DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5)、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して、[マスターバッチ1]を得た。
【0099】
〜油相の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液を1324部加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
【0100】
〜乳化、脱溶剤〜
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
【0101】
〜洗浄、乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
▲1▼:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
▲2▼:▲1▼の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
▲3▼:▲2▼の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
▲4▼:▲3▼の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。この母体トナー100部にサリチル酸亜鉛(E−84;オリエント化学社製)0.6部の割合でミキサーにより混合した。そして、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径(D4)6.1μm、個数平均粒径(Dn)5.5μm、D4/Dn=1.11、平均円形度0.97、形状係数SF−1=135、形状係数SF−2=118、短軸(r2)/長軸(r1)=0.8、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.9のトナーを得た。
【0102】
〜外添剤処理〜
前記トナー100重量部に対して、シリカ微粉体(R972;日本アエロジル社製)を0.8部、酸化チタン(MT−150A;テイカ社製)0.4部の割合で混合して補給用ブラックトナーB1を作製した。
【0103】
2)イエロートナーB1
マスターバッチの合成において、カーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー180(PV Fast Yellow HG;クラリアント社製)を用いた以外は、ブラックトナーB1と同様にして補給用イエロートナーB1を作製した。
母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.0μm、個数平均粒径(Dn)5.4μm、D4/Dn=1.11、平均円形度0.97、形状係数SF−1=132、形状係数SF−2=115、短軸(r2)/長軸(r1)=0.8、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.9であった。
【0104】
3)マゼンタトナーB1
マスターバッチの合成において、カーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122(Hostaperm Pink E;クラリアント社製)を用いた以外は、ブラックトナーB1と同様にして補給用マゼンタトナーB1を作製した。
母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.5μm、個数平均粒径(Dn)5.6μm、D4/Dn=1.16、平均円形度0.96、形状係数SF−1=137、形状係数SF−2=117、短軸(r2)/長軸(r1)=0.8、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.9であった。
【0105】
4)シアントナーB1
マスターバッチの合成において、カーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3(Lionol Blue FG−7351;東洋インキ社製)を用いた以外は、ブラックトナーB1と同様にして補給用シアントナーB1を作製した。
母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.2μm、個数平均粒径(Dn)5.5μm、D4/Dn=1.13、平均円形度0.97、形状係数SF−1=134、形状係数SF−2=115、短軸(r2)/長軸(r1)=0.8、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.9であった。
【0106】
<補給用トナーB2の製造>
1)ブラックトナーB2
初期現像剤A1用ブラックトナーと同様の製造方法でトナーを作製し、分級後、熱球形化装置を用い、熱風温度雰囲気でトナー粒子を通過させ、トナー表面の球形化処理をした。母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.9μm、個数平均粒径(Dn)5.8μm、D4/Dn=1.19、平均円形度0.96、形状係数SF−1=138、形状係数SF−2=125、短軸(r2)/長軸(r1)=0.7、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.8であった。
前記トナー100重量部に対して、シリカ微粉体(R972;日本アエロジル社製)を0.8部、酸化チタン(MT−150A;テイカ社製)0.4部の割合で混合して補給用ブラックトナーB2を作製した。
【0107】
2)イエロートナーB2
初期現像剤A1用イエロートナーと同様の製造方法でトナーを作製し、その後の処理をブラックトナーB2と同様にして、補給用イエロートナーB2を作製した。母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.7μm、個数平均粒径(Dn)5.6μm、D4/Dn=1.18、平均円形度0.97、形状係数SF−1=136、形状係数SF−2=122、短軸(r2)/長軸(r1)=0.7、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.8であった。
【0108】
3)マゼンタトナーB2
初期現像剤A1用マゼンタトナーと同様の製造方法でトナーを作製し、その後の処理をブラックトナーB2と同様にして、補給用マゼンタトナーB2を作製した。母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.8μm、個数平均粒径(Dn)5.7μm、D4/Dn=1.19、平均円形度0.96、形状係数SF−1=136、形状係数SF−2=123、短軸(r2)/長軸(r1)=0.7、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.8であった。
【0109】
4)シアントナーB2
初期現像剤A1用シアントナーと同様の製造方法でトナーを作製し、その後の処理をブラックトナーB2と同様にして、補給用シアントナーB2を作製した。母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.7μm、個数平均粒径(Dn)5.8μm、D4/Dn=1.16、平均円形度0.97、形状係数SF−1=137、形状係数SF−2=124、短軸(r2)/長軸(r1)=0.7、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.8であった。
【0110】
上記の初期現像剤A1、A2、補給用トナーB1、B2を以下の表1に示す組み合わせで使用して、図4に示すようなカラー複写機(リコー社製プリテール660改造機)にて、50,000枚、印字率20%の条件でそれぞれランニングテストを行った。
【0111】
【表1】
【0112】
各ランニングテストにおいて、リサイクルトナーの色相をL*a*b*の表色系におけるa*値及びb*値で確認したところ、実施例1がa*値=1.0、b*値=−1.0、実施例2がa*値=−1.0、b*値=1.0、比較例1がa*値=1.0、b*値=−2.0、であった。
実施例1及び実施例2では、50,000枚後においても感光体上のクリーニングは良好に行われており、画像不良の発生もなく、品質の高い画像が得られた。一方、比較例1では、複写1枚目から感光体上のクリーニング不良による黒スジが複写面に発生した。
【0113】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、小粒径、球形トナーを用いた画像形成においても、簡易な構成により良好なブレードクリーニング性能を維持できる画像形成方法を提供することができる。これにより、小粒径、球形トナーを用いるときのクリーニング不良の問題が解消され、現像性、転写性、定着性に優れ、高画質で高精細な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
【図2】形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図3】図3は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第二の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第三の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 メインチャージャ(帯電手段)
4 現像装置
4a 現像タンク
4b トナー補給部
4c リサイクルトナー用ホッパー
40 現像ローラ
5a 転写チャージャ
50 中間転写ベルト
51 一次転写手段
57 中間転写ベルトクリーニング装置
58 クリーニングブレード
7 トナー搬送部
71 第2トナー搬送コイル
8 クリーニング装置
80 クリーニングブレード
81 トナー回収室
82 第1トナー搬送コイル
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを用いた画像形成方法に関し、特に、小粒径、球形トナーを用いる場合でも像担持体上のクリーニング不良を起こすことのない画像形成方法する。また、この画像形成方法を実行するための好適な構成を有する画像形成装置、プロセスカートリッジ、ならびにトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを用いた画像形成方法では、像担持体である感光体表面を均一に帯電した後、露光して静電潜像を作製し、その静電潜像をトナー粒子により現像してトナー像を作製し、トナー像を転写紙等に転写して画像を形成している。転写工程を終えた感光体表面には、転写紙等に転写されずに残留するトナーがあるため、次の画像形成工程に先立ってクリーニング工程が設けられ、感光体表面がクリーニングされる。クリーニング手段としては、ファーブラシ、磁気ブラシ、ゴムブレード等を用いる種々の手段が提案されているが、ゴムブレードにより感光体表面を摺察して残留するトナーを掻き取る手段が、安価で簡易な構成であることから広く用いられている。
【0003】
一方、近年高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。従来の混練粉砕法により、このような小粒径化、球形化したトナーを製造するのは非常に困難であることから、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造された重合トナーが採用されつつある。
しかしながら、トナーを数μm以下まで小粒径化すると、トナーと感光体との間に働くファンデルワールス力等の非静電的付着力が自重に対して増すため、感光体からの離型性が悪くなり、ブレードクリーニングされにくくなる。
また、球形化したトナーは、ゴムブレードのエッジに引っかからずに転がってしまうため、感光体とゴムブレードの間をすり抜けやすく、同じようにブレードクリーニングが困難となっている。
【0004】
これまでに、ブレードクリーニング性を良好に行わせるために、小粒径の不定形トナーが提案されている。このようなトナーとしては、例えば、重合体粒子を水性媒体に分散させ、親疎水性有機溶媒を添加して、粒子同士を会合させ、その後の加熱処理により粒子同士を融着させてトナーを作製する方法等が提案されている(例えば特許文献1参照。)。しかし、このような不定形のトナーでは、クリーニング性は改善するものの、球形に近いほど良好な転写性や定着性が犠牲になるなど、互いの性質の両立が難しいという問題点がある。
【0005】
不定形トナーのクリーニング性と球形トナーの転写性を両立させたトナーとして、不定形トナーと球形トナーとを球形トナーの比率が20%以下で混在させたトナーが提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、このトナーでは、球形トナーの比率が少なく、したがって、転写率は球形トナーよりも低下する結果となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−265252号公報
【特許文献2】
特開平8−95286号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点に鑑み、本発明は、小粒径化、球形化されたトナーにより現像性、転写性、定着性の良好な画像形成を行うと共に、簡易な構成により優れたクリーニング性をも実現する画像形成方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のことを特徴とする。
1.本発明は、少なくとも、像担持体上の静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する工程、該像担持体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程を含む画像形成方法において、前記現像工程では、初期現像剤に含まれるトナーよりも重量平均粒径が小さいトナーを補給用トナーとして用いる画像形成方法である。
2.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーの重量平均粒径は6.5〜10μmであることを特徴とする。
3.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーの平均円形度は0.93以下であることを特徴とする。
【0009】
4.さらに、本画像形成方法は、前記クリーニング工程で回収されたトナーを現像工程の現像剤に戻して再使用するトナーリサイクル工程を含むことを特徴とする。
5.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーは、表面に荷電制御剤を含有してなり、該荷電制御剤が、アゾ金属錯体化合物、4級アンモニウム塩、含フッ素4級アンモニウム塩、サリチル酸金属錯体化合物のいずれかであることを特徴とする。
6.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーは、導電性微粒子を外添してなることを特徴とする。
7.前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーは、離型剤を内包してなることを特徴とする。
【0010】
8.前記現像工程で使用される補給用トナーは、重量平均粒径が3.0〜7.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
9.前記現像工程で使用される補給用トナーは、平均円形度が0.95以上であることを特徴とする。
10.前記現像工程で使用される補給用トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
11.前記現像工程で使用される補給用トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とする。
12.前記現像工程で使用される補給用トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
【0011】
13.前記現像工程は単一の像担持体上で複数色のトナーに対応して複数回行われ、各現像工程終了後、順次被転写体上にトナー像を転写して重畳する転写工程を有し、前記トナーリサイクル工程は、前記クリーニング工程で回収されたトナーを黒トナーを含む現像剤に戻すことを特徴とする。
14.単一もしくは複数の像担持体上で形成された複数色のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、該中間転写体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程と、該中間転写体クリーニング工程で回収されたトナーを黒トナーを含む現像剤に戻して再使用する第2のトナーリサイクル工程を含むことを特徴とする。
15.前記トナーリサイクル工程又は前記第2のトナーリサイクル工程でリサイクルされるトナーの色相は、L*a*b*の表色系におけるa*の値が−4.0〜+7.0で、かつ、b*の値が−7.0〜+5.0であることを特徴とする。
【0012】
16.更に、本発明は、少なくとも、像担持体と、像担持体上の静電潜像をトナーを含有する現像剤で現像する現像手段と、該像担持体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置において、前記現像手段では、初期現像剤に含まれるトナーよりも重量平均粒径が小さいトナーを補給用トナーとして用いる画像形成装置である。
17.前記現像手段で使用される初期現像剤に含まれるトナーの重量平均粒径は6.5〜10μmであることを特徴とする。
18.前記現像手段で使用される初期現像剤に含まれるトナーの平均円形度は0.93以下であることを特徴とする。
19.前記クリーニング手段で回収されたトナーを現像手段の現像剤に戻すトナーリサイクル手段を備えることを特徴とする。
【0013】
20.前記画像形成装置は、単一の像担持体に対し複数の現像手段を備え、該像担持体上で形成されたトナー像を1色ずつ順次被転写体上に転写する転写手段を備え、前記トナーリサイクル手段は、前記クリーニング手段によって回収されたトナーを、黒トナーを含む現像手段に戻すことを特徴とする。
21.前記画像形成装置は、単一もしくは複数の像担持体上で形成されたトナー像を転写して担持する中間転写体と、前記像担持体上のトナー像を該中間転写体上に転写する一次転写手段と、該中間転写体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする中間転写体クリーニング手段と、該中間転写体クリーニング手段で回収されたトナーを黒トナーを含む現像手段に戻す第2のトナーリサイクル手段とを有することを特徴とする。
【0014】
22.更に、本発明は、像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段から選択される1以上の手段とが一体に支持され、画像形成装置に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、請求項16に記載の画像形成装置における像担持体と現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、該画像形成装置に対して着脱自在に形成されたプロセスカートリッジである。
【0015】
23.更に、本発明は、電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、該トナーは、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成方法の現像工程に使用される補給用トナーであり、重量平均粒径が3.0〜7.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナーである。
24.前記トナーは、平均円形度が0.95以上であることを特徴とする。
25.前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
26.前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とする。
27.前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム1の周囲に、感光体ドラム1表面を帯電するメインチャージャ2、感光体ドラム1表面に形成された静電潜像を現像する現像装置4、感光体ドラム1上のトナー像を転写紙に転写する際、転写紙を帯電させる転写チャージャ5a、トナー像が転写された転写紙を感光体ドラム1表面から分離するための帯電を行う分離チャージャ5b、感光体ドラム1上の残留トナーを清掃するクリーニング装置8が配置されている。
【0017】
感光体1は、光導電性を有するアモルファスシリコン、アモルファスセレン等の非晶質金属、ビスアゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機化合物を用いることができる。環境及び使用後の後処理を考慮すると、有機化合物による感光体を用いることが好ましい。
感光体ドラム1を帯電する手段としてコロナ方式のメインチャージャ2を示しているが、ローラ方式、ブラシ方式、ブレード方式等であってもよい。
また、帯電を施された感光体ドラム1の表面に露光光Lを走査して静電潜像を形成する図示しない露光装置が備えられている。
転写手段としては、転写チャージャ5a及び分離チャージャ5bによる転写紙と非接触の手段を用いているが、転写ローラ、転写ベルト等の転写紙と接触する手段を用いるものであっても良い。
【0018】
クリーニング装置8は、感光体ドラム1に当接して残留トナーを掻き取るゴム等の材質からなるクリーニングブレード80と、トナー回収室81とからなる。トナー回収室81の下方には、クリーニング装置8の前後の側板に回転可能に軸支されたスクリュー型の回転体である第1トナー搬送コイル82が設けられている。
さらに、トナー回収室81で回収されたトナーを現像装置4に戻してリサイクルすべく、トナーを搬送するトナー搬送部7が設けられている。トナー搬送部7内には、第1トナー搬送コイル82と同様の形状の第2トナー搬送コイル71が設けられている。
【0019】
現像装置4は、攪拌スクリュー41、42及び現像ローラ40を有する現像槽である現像タンク4aと、現像タンク4aにトナーを補給するためのトナーカートリッジ43を有するトナー補給部4bと、リサイクルトナー用ホッパー4cとから構成されている。現像装置4で使用する現像剤は、一成分現像剤、二成分現像剤いずれでも構わない。トナー補給部4bの底部には現像タンク4aへトナーを供給するための第1補給ローラ44が、リサイクルトナー用ホッパー4cの底部には現像タンク4aへトナーを供給するための回収トナー補給ローラである第2補給ローラ45、及びこれに接触して現像タンク4a側にメッシュ46がそれぞれ設けられている。
上記のように、クリーニング装置8、トナー搬送部7、リサイクルトナー用ホッパー4c、第2補給ローラ45、メッシュ46によりトナーリサイクル機構が構成され、クリーニング装置8で回収されたトナーをリサイクルできるようになっている。
【0020】
上記構成において、感光体ドラム1は時計方向に回転し、メインチャージャ2による帯電、露光動作により、感光体ドラム1表面に静電潜像が形成され、現像装置4の現像ローラ40によりトナーが供給されて静電潜像に付着し、トナー像が形成される。次に、転写チャージャ5a、分離チャージャ5bによって感光体ドラム1上のトナー像を転写紙に転写した後、図示しない定着装置によって、トナー像を定着させ、排紙する。
【0021】
一方、転写後の感光体ドラム1上に残留するトナーは、クリーニングブレード80によってクリーニングされ、感光体ドラム1は次の画像形成に備えられる。クリーニングブレード80が掻き取ったトナーは、トナー回収室81に回収され、第1トナー搬送コイル82の回転によって図中奥側から手前側に搬送される。そして、トナー搬送部7の第2トナー搬送コイル71の回転によって現像装置4のリサイクルトナー用ホッパー4cへ搬送され、その底部に落下する。リサイクルトナーは、第二補給ローラ45によって再び現像タンク4aに戻されるが、このときメッシュ46を通過することで、凝集したトナーも細かくつぶされて供給される。
【0022】
本発明の画像形成方法は、現像装置4において最初に使用される初期現像剤に含まれるトナー(以下、「初期トナー」と称する。)と、現像タンク4a内のトナーの減少に従いトナーカートリッジ43から補給される補給用トナーとが異なる特性であることを特徴とする。すなわち、初期トナーと補給用トナーは少なくとも粒径が異なるトナーであり、初期トナーよりも補給用トナーの方が重量平均粒径の小さいトナーとする。
感光体ドラム1上の静電潜像を緻密に現像するためには、トナーは小粒径、球形である方がよい。しかしながら、図1に示すように、クリーニング工程がクリーニングブレード80によって行われる場合、小粒径トナーは、クリーニングブレード80と感光体ドラム1表面との摩擦抵抗により、ブレードエッジが変形して生じるクリーニングブレード80と感光体ドラム1との間の空間に入り込みやすく、また、球形トナーは感光体ドラム1との摩擦力により転がりやすいため、クリーニングブレード80をすり抜けてしまい十分なクリーニング性能が得られないという不具合がある。
そこで、本発明の構成により、画像形成動作に従って、現像装置4の初期トナーが、重量平均粒径のより小さい補給用トナーよりも先に、クリーニングブレード80のエッジに到達するようにしたものである。クリーニングブレード80のエッジに到達した初期トナーは、クリーニングブレード80と感光体ドラム1との間の空間に侵入して、トナーの入れ替わりが起こりにくい非流動領域を形成することができる。これにより、随時現像タンク4aに補給されて感光体ドラム1上に現像され、感光体ドラム1の回転移動に伴ってクリーニングブレード80まで運ばれてくる、より小粒径の補給用トナーが、クリーニングブレード80をすり抜けるのを防止することができる。
【0023】
初期トナーの重量平均粒径は、6.5〜10μmの範囲であることが好ましい。重量平均粒径が6.5μmよりも小さいと、クリーニングブレード80をすり抜けてしまうものもあり、後続の補給用トナーを塞き止める役割を十分果たすことができない。また、重量平均粒径が10μmを超えると、初期トナーのみが現像される現像装置4使用初期段階において、画像の粗さによる画質の低下が目立つため好ましくない。
【0024】
尚、重量平均粒径は、測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。それから、トナー粒子の体積分布から求めた重量基準のトナーの重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
【0025】
初期トナーは上記の重量平均粒径の範囲にあることで、その形状が球形に近いものであっても、良好なブレードクリーニング性能を得ることができる。しかし、クリーニングブレード80のクリーニング性能の余裕度を高めるために、初期トナーの形状は平均円形度が0.93以下の不定形トナーである方が一層好ましい。不定形トナーの方が、クリーニングブレード80のエッジに引っ掛かりやすく、後続の小粒径、球形の補給用トナーを、確実にクリーニングブレード80で塞き止めることができるからである。
尚、トナーの平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行う。
【0026】
現像装置4の使用初期段階において、初期トナーがクリーニングブレード80と感光体ドラム1との間の空間に侵入して、トナーの入れ替わりが起こりにくい非流動領域を形成することは既に述べた。しかし、この非流動領域にあるトナーも経時ではトナー回収室81に回収され、他のトナーと入れ替わると考えられる。そこで、図1に示す画像形成装置のようにトナーリサイクル機構を備えることにより、トナー回収室81に回収された初期トナーが再び現像装置4に供給されて、現像工程、転写工程を経て再びクリーニング工程に供されるようにすることができる。これにより、初期トナーもリサイクルされ、感光体ドラム1上に存在するトナーの中にある一定の割合で含まれるようにすることができる。
【0027】
感光体ドラム1上に存在するトナーの中に含まれる初期トナーの割合を一定にするために、初期トナーは、以下のような構成であることが好ましい。
初期トナーが、平均円形度0.93以下の不定形トナーであることが、ブレードクリーニング性能の観点から好ましいことを述べたが、初期トナーのリサイクルの観点からも好ましいといえる。これは、不定形トナーの方が、球形に近いトナーに比べ感光体ドラム1表面との付着力が大きく転写されずらいため、転写工程を経た後も感光体ドラム1上に残存し、クリーニング工程に達するからである。不定形トナーが再び感光体ドラム1とクリーニングブレード80との空間に侵入し、トナーが入れ替わりにくい非流動領域を形成することの繰り返しにより、一定のブレードクリーニング性能を得ることができる。
【0028】
同様にして、初期トナーリサイクルの観点から、初期トナーは、現像装置4で摩擦帯電された後のトナー表面電位の緩和時間が短い方が好ましい。トナー表面電位の緩和時間が短いと、感光体ドラム1上に現像後、転写工程に至る過程でトナーの帯電量が減衰するため、転写されにくく、したがって感光体ドラム1上に残留する。
このようなトナーとしては、アゾ金属錯体化合物、4級アンモニウム塩、含フッ素4級アンモニウム塩、サリチル酸金属錯体化合物のいずれかの化合物を荷電制御剤としてトナー表面に含有するものが挙げられる。
【0029】
トナーの体積固有抵抗を下げるために導電性微粒子を外添し、初期トナーの摩擦帯電で生じた表面電位の減衰を早めるようにすることもできる。導電性微粒子としては、低抵抗物質として、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物、または、高誘電物質として、ロシェル塩系のもの(ロシェル塩、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸リチウムアンモニウム等)、ペロブスカイト系のもの(チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、タンタル酸ナトリウム、ジルコチタン酸鉛等)、ピクロライト系のもの(ニオブ酸カドミウム、ピロニオブ酸鉛等)、イルメナイト系のもの(チタン酸カドミウム、チタン酸鉄、チタン酸ニッケル、チタン酸リチウム等)、グアナジン系のもの(グアナジンガリウムサルフェート、グアナジンクロムサルフェート等)、グリシン系のもの(硫酸グリシン、グリシン硫酸銀等)、固溶体(チタン酸鉛/ジルコン酸鉛、ニオブ酸/ニオブ酸バリウム等)、シアノレジン、共重合体系のもの(ポリビニリデンフルオライド−トリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン等)等を用いることができる。
【0030】
また、初期トナーは、離型剤を内包してなるトナーであることが好ましい。定着装置におけるホットオフセットを防ぐために、トナーに離型剤を添加する手法はよく知られている。離型剤を添加したトナーを初期トナーとする場合、初期トナーは感光体ドラム1とクリーニングブレード80との空間に長時間留まるため、添加した離型剤がトナー表面に露出していると感光体ドラム1上にフィルミングを起こす原因になりやすい。そこで、離型剤が内包されたトナーを初期トナーとすることが好ましい。
離型剤をトナーに内包させる手法としては、懸濁重合、乳化重合、沈殿重合、分散重合、ソープフリー乳化重合及びシード重合等のトナー製造方法を用いて、離型剤を内部に含み表層部をポリマー等で形成した所謂カプセル状のトナーを形成する手法等が挙げられる。例えば、懸濁重合法を用いる場合においては、トナー材料である重合性単量体、及び着色剤、更に、重合開始剤、架橋剤、離型剤等を均一に溶解、分散し、トナー材料液とした後に、このトナー材料液を分散安定剤を含有する水相中に攪拌機を用いて分散させ、同時に重合を行わせる。
【0031】
次に、本画像形成方法において好適に使用される補給用トナーについて説明する。
補給用トナーは、重量平均粒径が3.0〜7.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であるが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。しかしながら、本発明の画像形成方法は、初期トナーとして補給用トナーよりも重量平均粒径の大きいトナーを用いているため、補給用トナーの重量平均粒径が3μmと小粒径であっても、良好なブレードクリーニング性能を発揮できる。
一方、重量平均粒径が3μmよりも小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなるので好ましくない。
トナーの重量平均粒径が7.0μmよりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多いので好ましくない。
また、D4/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
尚、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)に接続し、測定した。
【0032】
補給用トナーの平均円形度は0.95以上であることが好ましい。平均円形度が0.95以上のトナーを用いることにより、ドット再現性が優れ、高い転写率を得ることができる。平均円形度が0.95未満では、トナーが球形から離れた形状になり、ドット再現性が悪くなり、また、潜像担持体としての感光体ドラム1への接触点が多くなるため離型性が悪くなり、転写率が低下する。
このように、平均円形度の高い球形に近いトナーを用いる場合であっても、本発明の画像形成方法により、良好なブレードクリーニング性能を発揮できる。
【0033】
また、補給用トナーは、以下の形状係数SF−1、SF−2の値で規定することができるトナーであることが好ましい。図2は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0034】
本発明に係るトナーはSF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜180の範囲にあるトナーである。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体ドラム1との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体ドラム1との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。また、このような球形に近いトナーを補給用トナーに用いる場合であっても、本発明の画像形成方法により、良好なブレードクリーニング性能を得ることができる。
一方、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方がクリーニングの余裕度が増すが、大きくなりすぎると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。
【0035】
補給用トナーは、例えば、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて作製されたものを用いることができる。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
【0036】
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
【0037】
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0038】
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0039】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0040】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0041】
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0042】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0043】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0044】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0045】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0046】
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
尚、生成するポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い測定することができる。
【0047】
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0048】
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
【0049】
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。尚、ガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計によって測定することができる。
【0050】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0051】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0052】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0053】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0054】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0055】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0056】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0057】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0058】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0059】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0060】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0061】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0062】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0063】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0064】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0065】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0066】
また、本発明に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図3は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図3において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図3(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図3(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
【0067】
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、重量平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【0068】
図4は、本発明の第二の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム1の周囲に、感光体ドラム1表面を帯電するメインチャージャ2、感光体ドラム1表面に形成された静電潜像を現像するブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーに対応した現像装置4Bk、4C、4M、4Y、感光体ドラム1上の残留トナーを清掃するクリーニング装置8が配置されている。
感光体ドラム1は、メインチャージャ2により表面を均一に帯電され、図示しない露光装置より、4色のうちのいずれかの画像情報に基づいた露光光が照射され、静電潜像が形成される。その後、対応する色の現像装置4によってトナーが供給され、感光体ドラム1上に1色のトナー像が形成される。
【0069】
感光体ドラム1の下方には、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を転写されて保持する中間転写ベルト50が配置されている。中間転写ベルト50は、支持ローラ51、52、53、54、55、56に張架支持される無端状のベルトである。中間転写ベルト50を介して感光体ドラム1と対向し圧接して配置される支持ローラ51は一次転写手段を兼ねており、図示しない電源より一次転写電圧が印加されて、感光体ドラム1上に形成された1色のトナー像が中間転写ベルト50上に転写される。
一方、トナー像転写後の感光体ドラム1表面は、クリーニングブレード80を備えるクリーニング装置8によってその表面がクリーニングされる。そして、再びメインチャージャ2により表面が均一に帯電されて、先ほどと同様のプロセスで感光体ドラム1上に別の色のトナー像が形成される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、1色目のトナー像が担持された中間転写ベルト50上に重ねて転写される。このようにして、感光体ドラム1上に1色ずつ順次トナー像が形成され、中間転写ベルト50上に転写されて重ねられていき、最終的に4色のトナー像が重畳したフルカラー画像が形成される。
【0070】
中間転写ベルト50の下方には、二次転写ベルト62が配置されている。二次転写ベルト62は、支持ローラ63、64、65に張架支持される無端状のベルトであり、図示しない接離機構により、中間転写ベルト上へのトナー像一次転写工程の間は、二次転写ベルト62は中間転写ベルト50と離間するようになっている。一次転写工程が終了し、中間転写ベルト50上にカラー画像が形成されると、二次転写ベルト62は中間転写ベルト50の支持ローラ55に支持された部分に圧接され、ニップを形成する。このニップ部に図示しない給紙手段より転写紙が搬送され、支持ローラ63に図示しない電源より二次転写電圧が印加されて、中間転写ベルト50上のカラー画像が転写紙に転写される。
カラー画像が転写された転写紙は、二次転写ベルト62に担持搬送されて、定着装置9にてその画像を定着される。
一方、二次転写終了後の中間転写ベルト50は、クリーニングブレード58を備える中間転写ベルトクリーニング装置57により、その表面をクリーニングされる。
【0071】
第一の実施形態と同様に、現像装置4Bk、4C、4M、4Yで最初に使用される初期トナーと、各現像装置4内のトナーの減少に従い随時補給される補給用トナーとは少なくとも粒径が異なるトナーであり、初期トナーよりも補給用トナーの方が重量平均粒径の小さいトナーとする。初期トナーと補給用トナーの詳細については、先に説明した通りであるので省略する。
【0072】
第二の実施形態において、クリーニング装置8で回収されたトナーは現像装置4Bkに戻してリサイクルするように、回収タンク4dとトナー搬送部7とが備えられている。回収タンク4dから現像装置4Bkへは、混色が目立たないように補給量が調整されてリサイクルトナーが供給される仕組みとなっている。このようにして、第二の実施形態においても、それぞれの現像装置4で使用された初期トナーがリサイクルされて感光体ドラム1上に再び供給され、小粒径の補給用トナーがクリーニングブレード80をすり抜けるのを防ぎ、良好なブレードクリーニング性能を保つことができる。
【0073】
更に、図4には図示しないが、中間転写ベルト50に備えられた中間転写ベルトクリーニング装置57で回収されたトナーを回収タンク4dに搬送するトナー搬送部を設けても良い。これにより、二次転写されずに中間転写ベルト50上に残留する初期トナーのリサイクルも可能となる。
【0074】
図5は、本発明の第三の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
潜像担持体としての感光体ドラム1の周囲に帯電手段としてのメインチャージャ2、現像装置4、クリーニング装置8等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段が、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色に対応して4つ並列に配置されている。この画像形成手段の上部には、画像情報に基づいて感光体ドラム1を露光光により露光し静電潜像を形成する図示しない露光装置が設けられている。各画像形成手段では、各色の画像情報に基づき、各感光体ドラム1に静電潜像が形成され、その静電潜像を現像装置4により各色トナーで現像してトナー像が形成される。
【0075】
各画像形成手段の各感光体ドラム1と対向する位置には、支持ローラ52、53、54に張架、支持された無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト50が設けられている。中間転写ベルト50を介して感光体ドラム1と相対する位置には、各感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト50に転写する一次転写手段51がそれぞれ配置されている。中間転写ベルト50は図中矢印方向に回転駆動され、ベルトの移動に伴って、各感光体ドラム1上のトナー像が順次中間転写ベルト50上に転写されていく。感光体ドラム1Cを通過した中間転写ベルト50上には、4色のトナー像が重なり合ったカラー画像が形成されている。
中間転写ベルト50の支持ローラ53によって支持されている部分には、二次転写ローラ61が圧接して設けられている。中間転写ベルト50と二次転写ローラ61とのニップに中間転写ベルト50上のカラー画像が到達すると、二次転写ローラ61に図示しない電源より二次転写電圧が印加されて、図示しない給紙手段より当該ニップ部に搬送されてくる転写紙に一括転写される。
カラー画像が転写された転写紙は搬送ベルト66に担持搬送され、定着装置9でそのカラー画像を紙上に定着される。
一方、一次転写後の各感光体ドラム1及び二次転写後の中間転写ベルト50それぞれの表面は、クリーニングブレード80を備える各クリーニング装置8もしくはクリーニングブレード58を備える中間転写ベルトクリーニング装置57によってクリーニングされる。
【0076】
第三の実施形態においても第一の実施形態と同様に、現像装置4Bk、4Y、4M、4Cで最初に使用される初期トナーと、各現像装置4内のトナーの減少に従い随時補給される補給用トナーとは少なくとも粒径が異なるトナーであり、初期トナーよりも補給用トナーの方が重量平均粒径の小さいトナーとする。初期トナーと補給用トナーの詳細については、先に説明した通りであるので省略する。
【0077】
図5では図示していないが、各クリーニング装置8で回収されたトナーを同じ画像形成手段内の各現像装置4に戻すトナー搬送部を備え、それぞれの画像形成手段内でトナーがリサイクルされる構成となっている。トナーのリサイクル機構は、第一の実施形態と同様のものを用いることができる。このようにして、第三の実施形態においても、各現像装置4で使用された初期トナーがリサイクルされて各感光体ドラム1上に再び供給され、小粒径の補給用トナーがクリーニングブレード80をすり抜けるのを防ぎ、良好なブレードクリーニング性能を保つことができる。
また、図5では図示していないが、中間転写ベルト50に備えられた中間転写ベルトクリーニング装置57で回収されたトナーを現像装置4Bkに搬送するトナー搬送部を設けても良い。これにより、二次転写されずに中間転写ベルト50上に残留する初期トナーのリサイクルも可能となる。
【0078】
第二の実施形態において、クリーニング装置8で回収されたトナーを現像装置4Bkにリサイクルする場合、及び中間転写ベルトクリーニング装置57で回収されたトナーを現像装置4Bkにリサイクルする場合、そして、第三の実施形態において、中間転写ベルトクリーニング装置57で回収されたトナーを現像装置4Bkにリサイクルする場合、リサイクルするトナーの色相は、L*a*b*の表色系におけるa*の値が−4.0〜+7.0で、かつ、b*の値が−7.0〜+5.0であることが好ましい。a*、b*の値は、色相と彩度を表す色度であるが、両者が上記範囲にあることにより、ブラックトナーと混色しても画像上差し支えない。
a*、b*の値が上記範囲にあることは、リサイクルトナーに含まれるブラックトナーの割合がある一定以上であることを意味する。すでに説明したように、ブラックの初期トナーの平均円形度、荷電制御剤の選択、導電性微粒子の外添等により、リサイクルトナーに含まれるブラックの初期トナーの割合を調整することで、a*、b*の値を上記範囲とすることができる。
尚、L*a*b*の表色系におけるa*、b*の値は、分光測色濃度計X−Rite938(エックスライト社製)を用い、採取したリサイクルトナーを厚み2mmの圧縮成形品にして測定した。
【0079】
本発明は、上記第一、第三の実施形態に示した画像形成装置における、感光体ドラム1と現像装置4とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにも適用することができる。このプロセスカートリッジは、他に帯電手段、クリーニング手段を含むものであっても良い。現像装置4の初期トナーと、補給用トナーとが少なくとも粒径が異なるトナーであり、初期トナーよりも補給用トナーの方が重量平均粒径の小さいトナーとすることで、同様の効果を得ることができる。
【0080】
【実施例】
以下に、実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0081】
<初期現像剤A1の製造>
1)初期現像剤A1用ブラックトナー
・結着樹脂:ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル) 100部
・荷電制御剤:サリチル酸亜鉛塩(ボントロンE84、オリエント化学) 2部
・離型剤:カルナウバワックス 3.5部
・着色剤:カーボンブラック(#44;三菱化学社製) 7.5部
上記の処方量をミキサーで予備混練した後、3本ロールミルで溶融混練を実施した。これを冷却後約0.5〜3mmに粗粉砕した後IDS2型ジェット粉砕機で粉砕した。その後、分級して重量平均粒径7.5μmのトナーを得た。トナー粒子の平均円形度は0.82であった。
前記トナー100重量部に対して、シリカ微粉体(R972;日本アエロジル社製)を0.8部、酸化チタン(MT−150A;テイカ社製)0.4部の割合で混合して初期現像剤A1用ブラックトナーを作製した。
【0082】
2)初期現像剤A1用イエロートナー
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー180(PV Fast Yellow HG;クラリアント社製)5部を用いた以外は、初期現像A1用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A1用イエロートナーを作製した。トナー粒子の重量平均粒径は7.7μm、平均円形度は0.83であった。
【0083】
3)初期現像剤A1用マゼンタトナー
着色剤として、C.I.ピグメントレッド122(Hostaperm Pink E;クラリアント社製)4部を用いた以外は、初期現像A1用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A1用マゼンタトナーを作製した。トナー粒子の重量平均粒径は7.6μm、平均円形度は0.81であった。
【0084】
4)初期現像剤A1用シアントナー
着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3(Lionol Blue FG−7351;東洋インキ社製)2部を用いた以外は、初期現像A1用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A1用シアントナーを作製した。トナー粒子の重量平均粒径は7.5μm、平均円形度は0.83であった。
【0085】
5)磁性キャリア
下記処方によりコーティング液を調整した。
・シリコン樹脂SR2411(トーレダウコーニング社製) 300部
・トルエン 1200部
上記液を回転円盤型流動層コーティング装置に、平均粒径50μmのフェライトキャリア5kgと共に入れ、キャリアを被覆した。その後、250℃で2時間加熱して膜を熟成し、磁性キャリアを得た。
【0086】
上記で得られた磁性キャリアに、上記で得られた各色トナーをトナー濃度が5%になるようにそれぞれ混合して、4色の初期現像剤A1を作製した。
【0087】
<初期現像剤A2の製造>
1)初期現像剤A2用ブラックトナー
・スチレンモノマー 90部
・メタクリル酸n−ブチル 55部
・帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩(ボントロンE84;オリエント化学社製) 3.5部
・着色剤(カーボンブラック#44;三菱化学社製)7.5部
上記の重合性単量体組成物を配合し、これに重合開始剤(2,2−アゾビスイソブチロニトリル)を使用して、水系分散媒体中で重合を行い、得られたトナー粒子を水洗、乾燥の後、重量平均粒径5.1μm、平均円形度は0.98のトナーを得た。
前記トナー100重量部に対して、シリカ微粉体(R972;日本アエロジル社製)を0.6部の割合で混合して初期現像剤A2用ブラックトナーを作製した。
【0088】
2)初期現像剤A2用イエロートナー
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー180(PV Fast Yellow HG;クラリアント社製)5部を用いた以外は、初期現像A2用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A2用イエロートナーを作製した。トナーの重量平均粒径は5.3μm、平均円形度は0.98であった。
【0089】
3)初期現像剤A2用マゼンタトナー
着色剤として、C.I.ピグメントレッド122(Hostaperm Pink E;クラリアント社製)4部を用いた以外は、初期現像A2用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A2用マゼンタトナーを作製した。トナーの重量平均粒径は5.2μm、平均円形度は0.98であった。
【0090】
4)初期現像剤A2用シアントナー
着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3(Lionol Blue FG−7351;東洋インキ社製)2.5部を用いた以外は、初期現像A2用ブラックトナーと同様にして初期現像剤A2用シアントナーを作製した。トナーの重量平均粒径は5.0μm、平均円形度は0.98であった。
【0091】
5)磁性キャリア
下記処方によりコーティング液を調整した。
・シリコン樹脂SR2411(トーレダウコーニング社製) 300部
・トルエン 1200部
上記液を回転円盤型流動層コーティング装置に、平均粒径50μmのフェライトキャリア5kgと共に入れ、キャリアを被覆した。その後、250℃で2時間加熱して膜を熟成し、磁性キャリアを得た。
【0092】
上記で得られた磁性キャリアに、上記で得られた各色トナーをトナー濃度が5%になるようにそれぞれ混合して、4色の初期現像剤A2を作製した。
【0093】
<補給用トナーB1の製造>
1)ブラックトナーB1
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30;三洋化成工業社製)11部、メタクリル酸166部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920;島津製)で測定した体積平均粒径は、110nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は13万であった。
【0094】
〜水相の調整〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7;三洋化成工業社製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
【0095】
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、常圧、180℃で3時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
【0096】
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し、[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、Tg54℃、酸価0.5、水酸基価52であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
【0097】
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
【0098】
〜マスターバッチの合成〜
水1200部、カーボンブラック(Printex35;デクサ社製)540部(DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5)、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して、[マスターバッチ1]を得た。
【0099】
〜油相の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液を1324部加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
【0100】
〜乳化、脱溶剤〜
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
【0101】
〜洗浄、乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
▲1▼:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
▲2▼:▲1▼の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
▲3▼:▲2▼の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
▲4▼:▲3▼の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。この母体トナー100部にサリチル酸亜鉛(E−84;オリエント化学社製)0.6部の割合でミキサーにより混合した。そして、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径(D4)6.1μm、個数平均粒径(Dn)5.5μm、D4/Dn=1.11、平均円形度0.97、形状係数SF−1=135、形状係数SF−2=118、短軸(r2)/長軸(r1)=0.8、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.9のトナーを得た。
【0102】
〜外添剤処理〜
前記トナー100重量部に対して、シリカ微粉体(R972;日本アエロジル社製)を0.8部、酸化チタン(MT−150A;テイカ社製)0.4部の割合で混合して補給用ブラックトナーB1を作製した。
【0103】
2)イエロートナーB1
マスターバッチの合成において、カーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー180(PV Fast Yellow HG;クラリアント社製)を用いた以外は、ブラックトナーB1と同様にして補給用イエロートナーB1を作製した。
母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.0μm、個数平均粒径(Dn)5.4μm、D4/Dn=1.11、平均円形度0.97、形状係数SF−1=132、形状係数SF−2=115、短軸(r2)/長軸(r1)=0.8、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.9であった。
【0104】
3)マゼンタトナーB1
マスターバッチの合成において、カーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122(Hostaperm Pink E;クラリアント社製)を用いた以外は、ブラックトナーB1と同様にして補給用マゼンタトナーB1を作製した。
母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.5μm、個数平均粒径(Dn)5.6μm、D4/Dn=1.16、平均円形度0.96、形状係数SF−1=137、形状係数SF−2=117、短軸(r2)/長軸(r1)=0.8、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.9であった。
【0105】
4)シアントナーB1
マスターバッチの合成において、カーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3(Lionol Blue FG−7351;東洋インキ社製)を用いた以外は、ブラックトナーB1と同様にして補給用シアントナーB1を作製した。
母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.2μm、個数平均粒径(Dn)5.5μm、D4/Dn=1.13、平均円形度0.97、形状係数SF−1=134、形状係数SF−2=115、短軸(r2)/長軸(r1)=0.8、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.9であった。
【0106】
<補給用トナーB2の製造>
1)ブラックトナーB2
初期現像剤A1用ブラックトナーと同様の製造方法でトナーを作製し、分級後、熱球形化装置を用い、熱風温度雰囲気でトナー粒子を通過させ、トナー表面の球形化処理をした。母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.9μm、個数平均粒径(Dn)5.8μm、D4/Dn=1.19、平均円形度0.96、形状係数SF−1=138、形状係数SF−2=125、短軸(r2)/長軸(r1)=0.7、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.8であった。
前記トナー100重量部に対して、シリカ微粉体(R972;日本アエロジル社製)を0.8部、酸化チタン(MT−150A;テイカ社製)0.4部の割合で混合して補給用ブラックトナーB2を作製した。
【0107】
2)イエロートナーB2
初期現像剤A1用イエロートナーと同様の製造方法でトナーを作製し、その後の処理をブラックトナーB2と同様にして、補給用イエロートナーB2を作製した。母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.7μm、個数平均粒径(Dn)5.6μm、D4/Dn=1.18、平均円形度0.97、形状係数SF−1=136、形状係数SF−2=122、短軸(r2)/長軸(r1)=0.7、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.8であった。
【0108】
3)マゼンタトナーB2
初期現像剤A1用マゼンタトナーと同様の製造方法でトナーを作製し、その後の処理をブラックトナーB2と同様にして、補給用マゼンタトナーB2を作製した。母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.8μm、個数平均粒径(Dn)5.7μm、D4/Dn=1.19、平均円形度0.96、形状係数SF−1=136、形状係数SF−2=123、短軸(r2)/長軸(r1)=0.7、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.8であった。
【0109】
4)シアントナーB2
初期現像剤A1用シアントナーと同様の製造方法でトナーを作製し、その後の処理をブラックトナーB2と同様にして、補給用シアントナーB2を作製した。母体トナーは、重量平均粒径(D4)6.7μm、個数平均粒径(Dn)5.8μm、D4/Dn=1.16、平均円形度0.97、形状係数SF−1=137、形状係数SF−2=124、短軸(r2)/長軸(r1)=0.7、厚さ(r3)/短軸(r2)=0.8であった。
【0110】
上記の初期現像剤A1、A2、補給用トナーB1、B2を以下の表1に示す組み合わせで使用して、図4に示すようなカラー複写機(リコー社製プリテール660改造機)にて、50,000枚、印字率20%の条件でそれぞれランニングテストを行った。
【0111】
【表1】
【0112】
各ランニングテストにおいて、リサイクルトナーの色相をL*a*b*の表色系におけるa*値及びb*値で確認したところ、実施例1がa*値=1.0、b*値=−1.0、実施例2がa*値=−1.0、b*値=1.0、比較例1がa*値=1.0、b*値=−2.0、であった。
実施例1及び実施例2では、50,000枚後においても感光体上のクリーニングは良好に行われており、画像不良の発生もなく、品質の高い画像が得られた。一方、比較例1では、複写1枚目から感光体上のクリーニング不良による黒スジが複写面に発生した。
【0113】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、小粒径、球形トナーを用いた画像形成においても、簡易な構成により良好なブレードクリーニング性能を維持できる画像形成方法を提供することができる。これにより、小粒径、球形トナーを用いるときのクリーニング不良の問題が解消され、現像性、転写性、定着性に優れ、高画質で高精細な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
【図2】形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図3】図3は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第二の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第三の実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 メインチャージャ(帯電手段)
4 現像装置
4a 現像タンク
4b トナー補給部
4c リサイクルトナー用ホッパー
40 現像ローラ
5a 転写チャージャ
50 中間転写ベルト
51 一次転写手段
57 中間転写ベルトクリーニング装置
58 クリーニングブレード
7 トナー搬送部
71 第2トナー搬送コイル
8 クリーニング装置
80 クリーニングブレード
81 トナー回収室
82 第1トナー搬送コイル
Claims (27)
- 少なくとも、像担持体上の静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する工程、 該像担持体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程を含む画像形成方法において、 前記現像工程では、初期現像剤に含まれるトナーよりも重量平均粒径が小さいトナーを補給用トナーとして用いる
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1に記載の画像形成方法において、 前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーの重量平均粒径は6.5〜10μmである
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1又は2に記載の画像形成方法において、 前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーの平均円形度は0.93以下である
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成方法において、前記クリーニング工程で回収されたトナーを現像工程の現像剤に戻して再使用するトナーリサイクル工程を含む ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項4に記載の画像形成方法において、 前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーは、表面に荷電制御剤を含有してなり、該荷電制御剤が、アゾ金属錯体化合物、4級アンモニウム塩、含フッ素4級アンモニウム塩、サリチル酸金属錯体化合物のいずれかである ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項4又は5に記載の画像形成方法において、 前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーは、導電性微粒子を外添してなる ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成方法において、前記現像工程で使用される初期現像剤に含まれるトナーは、離型剤を内包してなる ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成方法において、前記現像工程で使用される補給用トナーは、重量平均粒径が3.0〜7.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成方法において、前記現像工程で使用される補給用トナーは、平均円形度が0.95以上である
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記現像工程で使用される補給用トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記現像工程で使用される補給用トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られる ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記現像工程で使用される補給用トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項4ないし12のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記現像工程は単一の像担持体上で複数色のトナーに対応して複数回行われ、各現像工程終了後、順次被転写体上にトナー像を転写して重畳する転写工程を有し、 前記トナーリサイクル工程は、前記クリーニング工程で回収されたトナーを黒トナーを含む現像剤に戻す ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項4ないし13のいずれかに記載の画像形成方法において、 単一もしくは複数の像担持体上で形成された複数色のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、 該中間転写体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程と、 該中間転写体クリーニング工程で回収されたトナーを黒トナーを含む現像剤に戻して再使用する第2のトナーリサイクル工程を含む ことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項13又は14に記載の画像形成方法において、 前記トナーリサイクル工程又は前記第2のトナーリサイクル工程でリサイクルされるトナーの色相は、L*a*b*の表色系におけるa*の値が−4.0〜+7.0で、かつ、b*の値が−7.0〜+5.0である ことを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも、像担持体と、 像担持体上の静電潜像をトナーを含有する現像剤で現像する現像手段と、 該像担持体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングするクリーニング手段と を有する画像形成装置において、 前記現像手段では、初期現像剤に含まれるトナーよりも重量平均粒径が小さいトナーを補給用トナーとして用いる ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項16に記載の画像形成装置において、 前記現像手段で使用される初期現像剤に含まれるトナーの重量平均粒径は6.5〜10μmである ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項16又は17に記載の画像形成装置において、 前記現像手段で使用される初期現像剤に含まれるトナーの平均円形度は0.93以下である ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項16ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、 前記クリーニング手段で回収されたトナーを現像手段の現像剤に戻すトナーリサイクル手段を備える ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項19に記載の画像形成装置において、 前記画像形成装置は、単一の像担持体に対し複数の現像手段を備え、 該像担持体上で形成されたトナー像を1色ずつ順次被転写体上に転写する転写手段を備え、 前記トナーリサイクル手段は、前記クリーニング手段によって回収されたトナーを、黒トナーを含む現像手段に戻す ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項19又は20に記載の画像形成装置において、 前記画像形成装置は、単一もしくは複数の像担持体上で形成されたトナー像を転写して担持する中間転写体と、 前記像担持体上のトナー像を該中間転写体上に転写する一次転写手段と、 該中間転写体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする中間転写体クリーニング手段と、 該中間転写体クリーニング手段で回収されたトナーを黒トナーを含む現像手段に戻す第2のトナーリサイクル手段とを有する ことを特徴とする画像形成装置。
- 像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段から選択される1以上の手段とが一体に支持され、画像形成装置に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、 該プロセスカートリッジは、請求項16に記載の画像形成装置における像担持体と現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、該画像形成装置に対して着脱自在に形成された ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、 該トナーは、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成方法の現像工程に使用される補給用トナーであり、 重量平均粒径が3.0〜7.0μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある ことを特徴とするトナー。
- 請求項23に記載のトナーにおいて、 前記トナーは、平均円形度が0.95以上である ことを特徴とするトナー。
- 請求項23又は24に記載のトナーにおいて、 前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある ことを特徴とするトナー。
- 請求項23ないし25のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られる ことを特徴とするトナー。
- 請求項23ないし26のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある ことを特徴とするトナー。
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