JP2005262953A - 歩行者用エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン等からの熱による影響を極力抑えることが可能な歩行者用エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】車両のフードパネル3後端付近となる位置に配設されて、ケース17内に折り畳まれて収納されるとともに膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグ36と、エアバッグ36とともにケース17内に収納されてエアバッグ36に膨張用ガスを供給する構成のインフレーター29と、を、備える構成の歩行者用エアバッグ装置M1。歩行者用エアバッグ装置M1の構成部品のうちの少なくともエアバッグ36が、周囲に温度上昇抑制部材45を配設させて、車両に搭載されている。
【選択図】図4
【解決手段】車両のフードパネル3後端付近となる位置に配設されて、ケース17内に折り畳まれて収納されるとともに膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグ36と、エアバッグ36とともにケース17内に収納されてエアバッグ36に膨張用ガスを供給する構成のインフレーター29と、を、備える構成の歩行者用エアバッグ装置M1。歩行者用エアバッグ装置M1の構成部品のうちの少なくともエアバッグ36が、周囲に温度上昇抑制部材45を配設させて、車両に搭載されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両のフードパネル後端付近となる位置に配設されて、ケース内に収納させたエアバッグとインフレーターとを備える構成の歩行者用エアバッグ装置に関する。
通常、車両のフードパネルの下方には、高温となるエンジン等を設けたエンジンルームが配設されており、車両のフードパネル後端付近に配設される歩行者用エアバッグ装置付近も、高温となる場合がある。そのため、従来の歩行者用エアバッグ装置では、フードパネルの下方に配設される流路に、冷却用ガスを流し、この冷却用ガスを利用して、エアバッグ装置に、エンジン等からの熱が伝わるのを防止している構成であった(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−258669号公報
しかし、従来の歩行者用エアバッグ装置では、エンジン等からの熱に対する対策を、装置自体に配設させることは、何ら開示されていなかった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、エンジン等からの熱による影響を極力抑えることが可能な歩行者用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る歩行者用エアバッグ装置は、車両のフードパネル後端付近となる位置に配設されて、
ケース内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグと、
エアバッグとともにケース内に収納されて、エアバッグに膨張用ガスを供給する構成のインフレーターと、
を、備える構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
歩行者用エアバッグ装置の構成部品のうちの少なくともエアバッグが、周囲に温度上昇抑制部材を配設させて、車両に搭載されていることを特徴とする。
ケース内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグと、
エアバッグとともにケース内に収納されて、エアバッグに膨張用ガスを供給する構成のインフレーターと、
を、備える構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
歩行者用エアバッグ装置の構成部品のうちの少なくともエアバッグが、周囲に温度上昇抑制部材を配設させて、車両に搭載されていることを特徴とする。
本発明の歩行者用エアバッグ装置では、少なくともエアバッグが、周囲に温度上昇抑制部材を配設させた状態で、車両のボディ側に取付固定されることとなる。すなわち、周囲に配設される温度上昇抑制部材により、エンジン等からの熱が、エアバッグに伝わるのを抑えることができる。そのため、エアバッグが劣化するのを抑えることができる。
従って、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、エンジン等からの熱による影響を極力抑えることができる。
また、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグの周囲に温度上昇抑制部材を配設させるだけでよく、従来の歩行者用エアバッグ装置のごとく、車両のボディ側に、温度上昇を抑えるための機構を配設させなくともよいことから、車両の設計を大幅に変更する必要も生じない。
さらに、上記構成の歩行者用エアバッグ装置において、温度上昇抑制部材を、発泡合成樹脂や発泡ゴム等の発泡体から構成されて、折り畳み状態を維持可能にエアバッグを覆う筒状体により、構成することが好ましい。
上記構成の歩行者用エアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグは、筒状体内に収納されて折り畳み状態を維持された状態で、筒状体ごと、ケースに収納されることとなる。そのため、エアバッグの折り畳み形状を維持させるためのラッピング材等を、別途、配設させなくともよい。
なお、歩行者用エアバッグ装置として、車両のフードパネル後端付近となる位置に配設されて、
ケース内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグと、
エアバッグとともにケース内に収納されて、エアバッグに膨張用ガスを供給する構成のインフレーターと、
を、備える構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
歩行者用エアバッグ装置の構成部品のうちの少なくともインフレーターが、周囲に温度上昇抑制部材を配設させて、車両に搭載されている構成としてもよい。
ケース内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグと、
エアバッグとともにケース内に収納されて、エアバッグに膨張用ガスを供給する構成のインフレーターと、
を、備える構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
歩行者用エアバッグ装置の構成部品のうちの少なくともインフレーターが、周囲に温度上昇抑制部材を配設させて、車両に搭載されている構成としてもよい。
上記構成の歩行者用エアバッグ装置では、インフレーターが、周囲に温度上昇抑制部材を配設させた状態で、車両のボディ側に取付固定されることとなる。すなわち、周囲に配設される温度上昇抑制部材により、エンジン等からの熱が、インフレーターに伝わるのを抑えることができる。そのため、インフレーターの性能が、エンジン等からの熱の影響を受けて、変化するのを抑えることができる。
また、上記構成の歩行者用エアバッグ装置において、温度上昇抑制部材を、エアバッグとインフレーターとを収納させたケースに配設されて、ケース内を冷却可能に構成される冷却素子から、構成することが好ましい。
歩行者用エアバッグ装置を上記構成とすれば、ケースに冷却素子を配設させるだけで、ケース内部の温度上昇を抑えることができることから、温度上昇抑制部材を備えないタイプの歩行者用エアバッグ装置にも、設計を大きく変更させることなく、容易に適用させることができる。
さらに、上記構成の歩行者用エアバッグ装置において、温度上昇抑制部材を、防水性を有して、少なくとも折り畳まれたエアバッグとインフレーターとの周囲の全体を、覆うように配設させる構成とすることが好ましい。
上記構成の歩行者用エアバッグ装置では、少なくとも折り畳まれたエアバッグとインフレーターの周囲の全体が、温度上昇抑制部材に覆われて、防水性を付与された状態でケース内に収納されて、車両に搭載されることから、仮に、ケース内に雨水等が侵入しても、エアバッグとインフレーターとの耐久性を損なうことなく、ケース内に、収納させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書では、前後の方向は、車両の前後方向に沿う方向を基準とし、左右の方向は、車両の前方側から後方側を見た際の左右の方向に沿う方向を基準とする。
実施形態の歩行者用エアバッグ装置M1は、図1〜4に示すように、エアバッグ36、エアバッグ36に膨張用ガスを供給するインフレーター29、折り畳まれたエアバッグ36とインフレーター29とを収納するケース17、折り畳まれたエアバッグ36とインフレーター29との周囲を覆う温度上昇抑制部材としての筒状体45、及び、ケース17の上方側を覆うエアバッグカバー23を、備えて構成され、車両Vのフードパネル3の後端3a付近となる位置に、配設されている。
歩行者用エアバッグ装置M1は、図1〜4に示すように、フードパネル3の後端3a付近の下部側となる位置において、左右方向の略全長にわたって、配設されており、実施形態の場合、フードパネル3を構成するアウタパネル4を切り欠いて構成される開口4a内において、インナパネル5を下方に凹ませて形成される凹部5a内に収納されるように、配設されている。
また、車両Vには、フロントバンパ8に、歩行者との衝突を検知若しくは予知可能なセンサ9が配設され、図示しないエアバッグ作動回路が、歩行者との衝突を検知した信号をセンサ9から入力させた際、インフレーター29を作動させて、エアバッグ36を展開膨張させるように、構成されている。さらに、車両Vにおけるフードパネル3の下方であって、歩行者用エアバッグ装置M1の前方側には、エンジン等を設けたエンジンルームERが配設されている(図1・2参照)。
ケース17は、板金製とされて、上端側を開口させるとともに略上下方向に沿って配設される略四角筒形状の周壁部18と、周壁部18の下端側を閉塞するように配設される底壁部20と、を備えた略箱形状とされている。また、ケース17は、カウル11に対応したフードパネル3の後縁に沿うように、上方から見て、左右方向の中央付近を前方側に突出させるように、湾曲して形成されている。ケース周壁部18における前後で対向する壁部18a・18bの外表面側には、エアバッグカバー23をケース17に組み付けるための複数の係止爪部19が、突設されている。各係止爪部19は、前・後壁部18a・18bに、それぞれ、複数個配設されるもので、先端19a側を下方に屈曲させて構成されて、この先端19a側を、エアバッグカバー23の後述する周壁部24に形成される係止穴部24a周縁に、係止可能な構成とされている。なお、実施形態の場合、各係止爪部19は、前・後壁部18a・18bに所定形状の切込みを形成し、前・後壁部18a・18bから切り起こすようにして、前・後壁部18a・18bと一体的に、構成されている(図3・4参照)。
底壁部20は、折り畳まれたエアバッグ36の下部側に配設されており、エアバッグ36の後述する取付片43をケース17に取り付けるための取付ボルト21や、インフレーター29をケース17に取り付けるためのボルト31を挿通させるための複数の挿通孔20aを、備えて構成されている(図3・4参照)。そして、ケース17は、実施形態の場合、エアバッグ36の取付片43をケース17に取り付けるためのボルト21とナット22とを利用して、フードパネル3におけるインナパネル5に取付固定されている。また、ケース17には、インフレーター29の図示しないリード線を挿通させるための挿通孔が、所定箇所に、形成されている。
エアバッグカバー23は、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂製とされて、ケース17の上部側において、ケース開口17aを覆うように、配設されている。実施形態の場合、エアバッグカバー23は、フードパネル3におけるアウタパネル4に形成される開口4aを塞ぐように配設され、上面側を、周囲のアウタパネル4表面と略面一とするように、配設されている。エアバッグカバー23は、ケース周壁部18の外周側に配設されるように下方に突設される略筒状の周壁部24と、ケース開口17aを覆う扉部25と、を備えて構成されている。周壁部24には、係止爪部19を係止させるための複数の係止穴部24aが、形成されており、エアバッグカバー23は、ケース17に配設される係止爪部19を係止穴部24a周縁に係止させることにより、ケース17に組み付けられている。
扉部25は、実施形態の場合、図2に示すごとく、ケース開口17aにあわせて、上方から見て、左右方向の中央付近を前方側に突出させるように、湾曲して、形成されており、左縁・右縁・後縁側に、エアバッグ36の突出時に破断可能とされる破断予定部26を配設させ、前縁側に、開き時の回転中心となるヒンジ部27を配設させた構成とされている(図3・4参照)。
インフレーター29は、実施形態の場合、図2に示すように、ケース17の左右両端側となる2箇所に、配設されて、それぞれ、左右方向の一端に図示しないガス吐出口を備えた略円柱状とされている。このインフレーター29は、板金製のブラケット30により周囲を保持されて、このブラケット30がボルト31を利用してケース17に固定されることにより、ケース17に取付固定されている。また、インフレーター29のガス吐出口側の端部には、図5の二点鎖線に示すごとく、クランプ33を使用して、エアバッグ36の後述する略円筒形状の流入口部40が、連結されている。また、インフレーター29には、図示しないリード線が結線されている。
エアバッグ36は、図1・2・5に示すように、膨張用ガスを流入させて膨らむ膨張部37と、膨張部37の周囲に配置されて膨張用ガスを流入させない周縁部42と、を備えて構成されている。膨張部37は、内部に膨張用ガスを流入させて、表側壁部37aと裏側壁部37bとを離すように、膨張可能な構成とされている。エアバッグ36は、実施形態の場合、表側壁部37aと裏側壁部37bとの平面形状を同一として、壁部37a・37b相互を重ねれば平らに展開可能な平面エアバッグタイプとしており、ポリエステル糸・ポリアミド糸等を使用した袋織りにより製造されている。
膨張部37は、図2の二点鎖線及び図7に示すように、膨張完了時の形状を、正面から見て、左右方向に幅広とした略U字形状に形成されるもので、左右方向に沿って配設される横膨張部38と、横膨張部38の左右両端からフロントピラー15の前面側を覆うように後方側に延びる縦膨張部39・39と、を備えて構成されている。横膨張部38は、エアバッグ36の膨張完了時において、フードパネル3の後端3a付近の上面からフロントウィンドシールド14の下部前面付近にかけてを、左右方向の略全長にわたって覆うように、構成されている。フードパネル3とフロントウィンドシールド14との間には、カウルパネル13と、カウルパネル13の上方に配設されるカウルルーバ12と、から構成されるカウル11が、配設されている。すなわち、エアバッグ36の横膨張部38は、膨張完了時に、フードパネル3の後端3aとカウル11との上面側を略全面にわたって覆い可能な構成とされている。
また、横膨張部38の前縁38a側(車両搭載状態での膨張完了時では、下縁側となる)における左右両端付近には、前方へ延びるとともに、相互に離隔するように屈曲した流入口部40・40が、形成されている。これらの流入口部40は、インフレーター29からの膨張用ガスをエアバッグ36の膨張部37内に流入させるものであり、インフレーター29に外装されて、クランプ33を使用して、インフレーター29に連結されている。
また、横膨張部38の前縁38a側における周縁部42の部位には、エアバッグ36をケース17に固定させるための板状に延びる取付片43が、3箇所に形成されている。各取付片43には、ボルト21を挿通させるための取付孔43aが、配設されている。この取付片43は、図3に示すように、ボルト21を利用して、ケース底壁部20に取り付けられることとなる。
実施形態の場合、折り畳まれたエアバッグ36とインフレーター29とは、図3・4に示すように、周囲を、温度上昇抑制部材としての筒状体45に覆われて、ケース17内に収納されている。筒状体45は、断熱作用を有する独立発泡ポリプロピレンや独立発泡ポリエチレン等の発泡合成樹脂や、発泡ゴム等から構成される発泡体であり、可撓性を有して構成されて、内部に、折り畳まれたエアバッグ36とインフレーター29とを収納可能なように、左右両端を開口させて、軸方向を左右方向に沿わせた略円筒状とされている。また、筒状体45は、エアバッグ36の収納時に、エアバッグ36の折り畳み状態を維持可能とされるとともに、エアバッグ36の展開膨張時に、所定箇所を破断可能に、構成されている。筒状体45におけるケース底壁部20側となる部位には、図6に示すように、インフレーター29のブラケット30に配設されるボルト31を挿通可能とする挿通孔45bと、エアバッグ36の取付片43を挿通可能とするスリット45cと、が、配設されている。そして、各挿通孔45b及びスリット45cは、ボルト31及び取付片43を突出させた状態で、ボルト31及び取付片43との間に生じる隙間をシリコン樹脂等により塞ぐようにシールされている構成である。
また、筒状体45は、車両搭載状態において、左右両端側の開口45a・45aを、各インフレーター29の図示しないリード線を突出させた状態で、周囲に配設させた帯状のバンド46(図6の二点鎖線参照)により縮径されて、閉塞されることとなる。
次に、実施形態の歩行者用エアバッグ装置M1の車両Vへの搭載について述べる。まず、エアバッグ36を折り畳む。具体的には、表側・裏側壁部37a・37b相互を重ねた状態から、図5の二点鎖線で示すように、横膨張部38の前縁38aと平行な山折りや谷折りの折目Cを付けて、前縁38aに接近させるように、流入口部40と取付片43との部位を除いて、蛇腹折りする。そして、ケース17内に収納できるように、左右両端側の部位を蛇腹折りで折り重ねた側に折り返して、エアバッグ36の折り畳みを完了する。次いで、ブラケット30に保持させた各インフレーター29を、流入口部40に挿入させ、クランプ33を使用して、流入口部40と接続させ、インフレーター29をエアバッグ36に組み付けて、エアバッグ組付体を形成する。
その後、エアバッグ組付体を、筒状体45を押し広げるようにして、開口45aから、筒状体45内に挿入させて、各ブラケット30に配設されるボルト31を挿通孔45bから突出させ、各取付片43をスリット45cから突出させて、エアバッグ組付体を筒状体42内に収納させる。次いで、筒状体45の左右両端の開口45a・45aを、インフレーター29の図示しないリード線を突出させた状態で、バンド46を利用して閉塞させると同時に、各挿通孔45b及びスリット45cの隙間を、シリコン樹脂等により塞ぐ。なお、実施形態の筒状体45では、挿通孔45b及びスリット45cが予め形成されているが、挿通孔45b及びスリット45cを配設させないで、エアバッグ組付体の収納時に、所定箇所を破断させて、ボルト31及び取付片43を突出させ、破断させて生じた隙間を、シリコン樹脂等を利用してシールさせる構成としてもよい。
次いで、取付片43の取付孔43aに、ボルト21を挿通させる。そして、挿通孔20aからボルト21・31を突出させるようにして、エアバッグ組付体を、筒状体42ごと、ケース17内に収納させ、ケース底壁部20から突出しているボルト31に、ナット32を結合させ、インフレーター29をケース17に取付固定させる。このとき、インフレーター29の図示しないリード線は、ケース17に配設される挿通孔から突出させておく。
その後、各係止爪部19を係止穴部24a周縁に係止させるようにして、エアバッグカバー23をケース17に組み付ける。そして、ケース17をインナパネル5の凹部5a内に配置させ、インナパネル5から突出しているボルト21にナット22を締結させれば、ケース17をインナパネル5に固定させることができて、歩行者用エアバッグ装置M1を、車両のボディ1側に取付固定させることができる。そして、ケース17から突出しているインフレーター29の図示しないリード線を、車両のボディ1側に配設される図示しないエアバッグ作動回路側に結線させれば、歩行者用エアバッグ装置M1を車両Vに搭載することができる。なお、取付手順はこれに限られるものではなく、予めインナパネル5に固定させたケース17に、エアバッグカバー23を組み付けてもよい。
歩行者用エアバッグ装置M1の車両Vへの搭載後、図示しないリード線を経て、インフレーター29に作動信号が入力されれば、インフレーター29から膨張用ガスが吐出され、エアバッグ36が、膨張用ガスを流入させて膨張することとなる。そして、筒状体45の所定箇所が、エアバッグ36に押されて破断され、エアバッグカバー23の扉部25が、エアバッグ36に押されて、破断予定部26を破断させることとなる。その後、扉部25が車両Vの前方側に向かって開き、エアバッグ36が、ケース17の開口17aから上方に向かって突出し、図1・2の二点鎖線及び図7に示すごとく膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態の歩行者用エアバッグ装置M1では、エアバッグ36及びインフレーター29が、周囲を、温度上昇抑制部材としての筒状体45に覆われた状態で、車両Vのボディ1側に取付固定されることとなる。すなわち筒状体45により、エンジン等からの熱が、エアバッグ36及びインフレーター29に伝わるのを抑えることができる。そのため、エアバッグ36がエンジン等からの熱の影響を受けて劣化したり、インフレーター29の性能がエンジン等からの熱の影響を受けて変化するのを、抑えることができる。
従って、実施形態の歩行者用エアバッグ装置M1では、エンジン等からの熱による影響を極力抑えることができる。
また、実施形態の歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグ36及びインフレーター29の周囲に温度上昇抑制部材としての筒状体45を配設させるだけでよく、従来の歩行者用エアバッグ装置のごとく、車両のボディ側に、温度上昇を抑えるための機構を配設させなくともよいことから、車両の設計を大幅に変更する必要も生じない。
さらに、実施形態の歩行者用エアバッグ装置M1では、折り畳まれたエアバッグ36は、温度上昇抑制部材としての筒状体45内に収納されて折り畳み状態を維持された状態で、筒状体45ごと、ケース17に収納される構成である。そのため、エアバッグ36の折り畳み形状を維持させるためのラッピング材等を、別途、配設させなくともよい。勿論、このような点を考慮しなければ、温度上昇抑制部材を筒状体にしなくともよく、例えば、温度上昇抑制部材48として、図8に示すごとく、発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂から構成されるとともに、ケース17を嵌合可能な溝部48aを備えて、ケース17の下部側を略全面にわたって覆うように、構成されるものを使用してもよい。図8のエアバッグ装置では、温度上昇抑制部材48は、前後両端側において、それぞれ、左右方向に沿って配設されるブラケット49・49を利用して、フードパネル3のインナパネル5に固定されており、ケース17は図示しない箇所において、フードパネル3のインナパネル5に固定される構成である。
さらにまた、実施形態の歩行者用エアバッグ装置M1では、筒状体45に配設される挿通孔45b及びスリット45cを、各挿通孔45b及びスリット45cから突出させたボルト31及び取付片43との間に生じる隙間を塞ぐように、シリコン樹脂等を利用してシールしている構成である。そのため、ケース17内に雨水等が侵入しても、この雨水が、挿通孔45bやスリット45cから筒状体45内に侵入することを防止することができる。すなわち、実施形態の歩行者用エアバッグ装置M1では、折り畳まれたエアバッグ36とインフレーター29の周囲の全体が、温度上昇抑制部材としての筒状体45により、防水性を付与された状態でケース17内に収納されて、車両に搭載されることとなる。そのため、仮に、ケース17内に雨水等が侵入しても、エアバッグ36とインフレーター29との耐久性を損なうことなく、ケース17内に、収納させることができる。
このように、温度上昇抑制部材により、防水性を付与させる場合、例えば、図9に示すごとく、折り畳まれたエアバッグ36とインフレーター29との周囲に略全面にわたって、発泡ポリウレタンを吹き付けて、温度上昇抑制部材50を、形成してもよい。
次に、本発明の他の実施形態である歩行者用エアバッグ装置M2について説明をする。実施形態の歩行者用エアバッグ装置M2は、図10に示すごとく、温度上昇抑制部材としての筒状体42を使用せず、ケース17Aに、温度上昇抑制部材としての冷却素子52を配設させている以外は、前述のエアバッグ装置M1と同様の構成であり、同一の部材には、同一の図符号を付して、説明を省略する。
ケース17Aにおける周壁部18には、図10・11に示すように、冷却素子であるペルチェ素子52が、前壁部18aの略全面にわたって、配設されている。ペルチェ素子52は、ペルチェ効果を利用した素子であり、直流電流を流すと、一方の面(冷却面)において熱を奪い他方の面(放熱面)からその熱を放熱する素子である。実施形態の場合、ペルチェ素子52は、冷却面をケース17A内部側に向けて、ケース17A内を冷却可能なように、配設されている。
このような構成の歩行者用エアバッグ装置M2においても、エアバッグ36とインフレーター29とが、周囲となるケース17Aの前壁部18a側に、温度上昇抑制部材としてのペルチェ素子52を配設させた状態で、車両Vのボディ1側に取付固定されることとなり、ペルチェ素子52により、ケース17A内が冷却されて、エンジン等からの熱が、エアバッグ36及びインフレーター29に伝わるのを抑えることができる。そのため、エアバッグ36がエンジン等からの熱の影響を受けて劣化したり、インフレーター29の性能がエンジン等からの熱の影響を受けて変化するのを、抑えることができる。
また、実施形態の歩行者用エアバッグ装置M2では、ケース17Aに冷却素子としてのペルチェ素子52を配設させるだけで、ケース17A内部の温度上昇を抑えることができることから、温度上昇抑制部材を備えないタイプの歩行者用エアバッグ装置にも、設計を大きく変更させることなく、容易に適用させることができる。
なお、実施形態では、ペルチェ素子52は、ケース周壁部18における前壁部18a側のみに配設される構成であるが、ペルチェ素子52の配置位置は勿論これに限られるものではなく、後壁部18bや底壁部20、あるいは、ケース17Aにおける開口17aの上部側となる扉部25の下面側に、配設させる構成としてもよい。しかし、エンジンルームがケース17Aの前方側に配設されることを考慮すれば、ペルチェ素子52を、前壁部18a側に配設させることが好ましい。
また、実施形態では、エアバッグ36とインフレーター29との温度上昇を、共に抑制させるように、温度上昇抑制部材45・48・50・52を配設させた構成のエアバッグ装置M1・M2を例示しているが、温度上昇抑制部材は、エアバッグ若しくはインフレーターのどちらか一方の温度上昇を抑制させるように、配設させる構成としてもよい。
さらに、実施形態では、フードパネル3の後端3a側において、フードパネル3を構成するアウタパネル4を切り欠いて構成される開口4a内に配設される構成の歩行者用エアバッグ装置M1・M2を例に採り説明したが、本発明を適用可能な歩行者用エアバッグ装置の配置位置はこれに限られるものではなく、例えば、カウル11の部位に配設される構成の歩行者用エアバッグ装置に、本発明を適用してもよい。
1…ボディ、
3…フードパネル、
17・17A…ケース、
17a…開口、
23…エアバッグカバー、
29…インフレーター、
36…エアバッグ、
45…筒状体(温度上昇抑制部材)、
48・50…温度上昇抑制部材、
52…冷却素子(温度上昇抑制部材)、
ER…エンジンルーム、
V…車両、
M1・M2…歩行者用エアバッグ装置。
3…フードパネル、
17・17A…ケース、
17a…開口、
23…エアバッグカバー、
29…インフレーター、
36…エアバッグ、
45…筒状体(温度上昇抑制部材)、
48・50…温度上昇抑制部材、
52…冷却素子(温度上昇抑制部材)、
ER…エンジンルーム、
V…車両、
M1・M2…歩行者用エアバッグ装置。
Claims (5)
- 車両のフードパネル後端付近となる位置に配設されて、
ケース内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグと、
該エアバッグとともに前記ケース内に収納されて、前記エアバッグに膨張用ガスを供給する構成のインフレーターと、
を、備える構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
前記歩行者用エアバッグ装置の構成部品のうちの少なくとも前記エアバッグが、周囲に温度上昇抑制部材を配設させて、前記車両に搭載されていることを特徴とする歩行者用エアバッグ装置。 - 前記温度上昇抑制部材が、発泡体から構成されて、折り畳み状態を維持可能に前記エアバッグを覆う筒状体から、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行者用エアバッグ装置。
- 車両のフードパネル後端付近となる位置に配設されて、
ケース内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグと、
該エアバッグとともに前記ケース内に収納されて、前記エアバッグに膨張用ガスを供給する構成のインフレーターと、
を、備える構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
前記歩行者用エアバッグ装置の構成部品のうちの少なくとも前記インフレーターが、周囲に温度上昇抑制部材を配設させて、前記車両に搭載されていることを特徴とする歩行者用エアバッグ装置。 - 前記温度上昇抑制部材が、前記エアバッグと前記インフレーターとを収納させたケースに配設されて、前記ケース内を冷却可能に構成される冷却素子から、構成されていることを特徴とする請求項1又は3に記載の歩行者用エアバッグ装置。
- 前記温度上昇抑制部材が、防水性を有して、少なくとも折り畳まれた前記エアバッグと前記インフレーターとの周囲の全体を、覆うように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行者用エアバッグ装置。
Priority Applications (1)
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JP2004076118A JP2005262953A (ja) | 2004-03-17 | 2004-03-17 | 歩行者用エアバッグ装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7921957B2 (en) | 2005-10-21 | 2011-04-12 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Hood airbag device |
KR101526751B1 (ko) * | 2013-12-18 | 2015-06-05 | 현대자동차주식회사 | 차량의 보행자 에어백 |
KR101526747B1 (ko) * | 2013-12-18 | 2015-06-05 | 현대자동차주식회사 | 차량의 보행자 에어백 |
-
2004
- 2004-03-17 JP JP2004076118A patent/JP2005262953A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7921957B2 (en) | 2005-10-21 | 2011-04-12 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Hood airbag device |
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US9387823B2 (en) | 2013-12-18 | 2016-07-12 | Hyundai Motor Company | Pedestrian air-bag for vehicle |
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