JP2005255896A - 脱硫器、脱硫システム、水素製造装置および燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 液体燃料を加熱液相脱硫するに好適な、突沸や圧力変動を抑制可能な脱硫器及び脱硫システムと、より安定に運転できる水素製造装置及び燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 脱硫剤の存在下に液体燃料を加熱媒体により加熱しながら脱硫する脱硫器において、脱硫剤を収容する領域を有し液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを備え、脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成される。この脱硫器と、脱硫器に供給する液体燃料を脱硫器から排出された加熱媒体により予熱する、胴側に加熱媒体、管側に液体燃料が流れる熱交換器とを備える脱硫システム。この脱硫システムを有する水素製造装置。この水素製造装置を有する燃料電池システム。
【選択図】 図1
【解決手段】 脱硫剤の存在下に液体燃料を加熱媒体により加熱しながら脱硫する脱硫器において、脱硫剤を収容する領域を有し液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを備え、脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成される。この脱硫器と、脱硫器に供給する液体燃料を脱硫器から排出された加熱媒体により予熱する、胴側に加熱媒体、管側に液体燃料が流れる熱交換器とを備える脱硫システム。この脱硫システムを有する水素製造装置。この水素製造装置を有する燃料電池システム。
【選択図】 図1
Description
本発明は灯油等の液体燃料中の硫黄分含有量を低減するための脱硫器および脱硫システムに関する。また本発明は液体燃料を脱硫した後に改質して水素を含有するガスを製造する水素製造装置に関する。さらに本発明は、このような水素製造装置から得られる水素含有ガスを燃料として用いる燃料電池システムに関する。
燃料電池はエネルギー利用効率の良い発電システムとして開発が活発化している。この中でも固体高分子形燃料電池は高い出力密度、取り扱いの容易さなどから特に注目を集めている。
燃料電池は水素と酸素との電気化学的な反応により発電するシステムであるため、水素供給手段の確立が必須である。この方法の一つとして炭化水素燃料などの水素製造用原料を改質し水素を製造する方法があり、炭化水素燃料の供給システムがすでに社会的に整備されている点で、純水素を用いる方法より有利である。
炭化水素燃料としては、都市ガス、ガソリン、灯油、軽油などがある。ガソリン、灯油、軽油などの液体燃料は取り扱い、保存および輸送が容易であること、安価であることなどの特徴から燃料電池用燃料として注目されている。これらの炭化水素燃料を燃料電池で用いるためには炭化水素から水素を製造することが必要であるが、このために、改質器で炭化水素を水と反応させ主に一酸化炭素と水素に分解し、続いてシフト反応器で大部分の一酸化炭素を水と反応させ水素と二酸化炭素に転換し、最後に選択酸化反応器において微量の残存一酸化炭素を酸素と反応させ二酸化炭素にすることが行われている。また、硫黄が改質触媒などの被毒物質となるため、水素製造用原料中の硫黄を除去するための脱硫器が設けられる場合も多い。このような燃料電池システムは例えば特許文献1に開示されている。
脱硫器に用いられる脱硫剤には適切な作動温度範囲があり、脱硫剤をこの温度範囲まで加熱することが行われている。特許文献2には、燃料改質装置のバーナの燃焼排ガスを脱硫器に導き、これにより脱硫器内の触媒を加熱することが開示されている。
また、液体燃料を脱硫する技術としては、例えば、特許文献3に灯油の一部又は全部を液相の状態で脱硫することが記載されている。
特開2003−187832号公報
特開平5−3043号公報
特開2002−201478号公報
液体燃料を加熱しかつ液相のまま脱硫しようとする場合に、全体的な熱バランス上は液体燃料が気化しない条件であっても、局所的に液体燃料が突沸することがある。突沸が起こると系内の圧力が大きく変動し、流量制御が困難になったりするため、突沸発生の可能性は極力低くすることが望まれる。また多少の突沸があった場合でも圧力変動しにくくすることも望まれる。
特に、燃料電池システムにおいては、燃料電池に供給される燃料の圧力変動が電圧の変動となって現れるため、燃料の圧力変動は抑えることが望まれる。
本発明の目的は、液体燃料を加熱下に液相のまま脱硫するに好適な、突沸や圧力変動を抑制可能で、より安定な運転が可能な脱硫器および脱硫システムを提供することである。
本発明の別の目的は、液体燃料を脱硫した後に改質して水素含有ガスを得る水素製造装置、およびこの水素製造装置から得られる水素含有ガスを燃料とする燃料電池システムにおいて、脱硫に際する突沸や圧力変動を抑制し、より安定な運転を可能とすることである。
本発明により、脱硫剤の存在下に液体燃料を加熱媒体により加熱しながら脱硫するための脱硫器において、
脱硫剤を収容する領域を有し該液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、
該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを備え、
該脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成された
ことを特徴とする脱硫器が提供される。
脱硫剤を収容する領域を有し該液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、
該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを備え、
該脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成された
ことを特徴とする脱硫器が提供される。
上記脱硫器において、前記脱硫室は円筒状容器の全部もしくは区画された一部であり、
前記複数の管が円弧状であることが好ましい。
前記複数の管が円弧状であることが好ましい。
上記脱硫器において、前記脱硫室が複数直列に接続されて一つの前記液体燃料の流路を形成し、
該液体燃料の流路の最も下流側の脱硫室においては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成されたことが好ましい。
該液体燃料の流路の最も下流側の脱硫室においては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成されたことが好ましい。
上記脱硫器において、前記脱硫室が複数直列に接続されて一つの前記液体燃料の流路を形成し、
該液体燃料の流路の最も上流側の脱硫室においては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成されたことが好ましい。
該液体燃料の流路の最も上流側の脱硫室においては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成されたことが好ましい。
本発明により、脱硫剤の存在下に液体燃料を加熱媒体により加熱しながら脱硫するための脱硫器と、該脱硫器に供給する液体燃料を該脱硫器から排出された加熱媒体により予熱するための熱交換器とを備え、
該脱硫器は、脱硫剤を収容する領域を有し該液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを有し、該脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成され、
該熱交換器は、該加熱媒体の流路を形成する胴と、該液体燃料の流路を形成し該胴を貫通する管とを有する
ことを特徴とする脱硫システムが提供される。
該脱硫器は、脱硫剤を収容する領域を有し該液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを有し、該脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成され、
該熱交換器は、該加熱媒体の流路を形成する胴と、該液体燃料の流路を形成し該胴を貫通する管とを有する
ことを特徴とする脱硫システムが提供される。
上記脱硫システムにおいて、さらに脱硫器の下流の液体燃料流路にキャピラリを有することが好ましい。
上記脱硫システムにおいて、前記脱硫器において、前記脱硫室は円筒状容器の全部もしくは区画された一部であり、前記複数の管が円弧状であり、
前記熱交換器は環形円柱状であって該円筒状容器の外周に設けられたことが好ましい。
前記熱交換器は環形円柱状であって該円筒状容器の外周に設けられたことが好ましい。
本発明により、脱硫剤の存在下に液体燃料を加熱媒体により加熱しながら脱硫するための脱硫器と、該脱硫器に供給する液体燃料を該脱硫器から排出された加熱媒体により予熱するための熱交換器と、該脱硫された液体燃料を原料として用いて水素を含有するガスを製造する改質器とを備え、
該改質器は、改質触媒を備える改質反応部と、該改質反応部を加熱するための燃焼を行うバーナを有し、
該脱硫器は、脱硫剤を収容する領域を有し該液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを有し、該脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成され、
該熱交換器は、該加熱媒体の流路を形成する胴と、該液体燃料の流路を形成し該胴を貫通する管とを有し、
該改質器から排出されるバーナの燃焼排ガスを該脱硫器の加熱媒体の流路に導く手段を有することを特徴とする水素製造装置が提供される。
該改質器は、改質触媒を備える改質反応部と、該改質反応部を加熱するための燃焼を行うバーナを有し、
該脱硫器は、脱硫剤を収容する領域を有し該液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを有し、該脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成され、
該熱交換器は、該加熱媒体の流路を形成する胴と、該液体燃料の流路を形成し該胴を貫通する管とを有し、
該改質器から排出されるバーナの燃焼排ガスを該脱硫器の加熱媒体の流路に導く手段を有することを特徴とする水素製造装置が提供される。
本発明により、上記水素製造装置と、該水素製造装置で製造された水素を含有するガスを燃料として用いる燃料電池とを備えることを特徴とする燃料電池システムが提供される。
本発明によれば、液体燃料を加熱下に液相のまま脱硫するに好適な、突沸や圧力変動を抑制可能で、より安定な運転が可能な脱硫器および脱硫システムが提供される。また、液体燃料を脱硫した後に改質して水素含有ガスを得る水素製造装置、およびこの水素製造装置から得られる水素含有ガスを燃料とする燃料電池システムにおいて、脱硫に際する突沸や圧力変動を抑制し、より安定な運転が可能となる。
また、脱硫器を略円筒状とすることにより、液体燃料予熱のための熱交換器との隣接配置さらには一体化を容易に行うことができる。このような隣接配置さらには一体化によって、熱ロス削減、省スペース化が実現できる。
以下、図面を用いて本発明について詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
図1に、本発明の燃料電池システムの一形態につき、概略構成を示す。この燃料電池システムは、灯油を用いる固体高分子形燃料電池システムに本発明の脱硫システムを適用し、液体燃料として灯油を、加熱流体として改質器のバーナの燃焼排ガスを用いる。
燃料電池システムは、脱硫器1、脱硫器に供給する液体燃料を予熱する熱交換器11(以下、場合により「液体燃料予熱器」と称す。)、脱硫された液体燃料とスチームとから水素を含有するガスである水素含有ガスを製造する改質器31、およびこの水素含有ガスを燃料として用いる燃料電池42を有する。本発明の脱硫システムは、脱硫器1および熱交換器11を有する。本発明の水素製造装置はこの脱硫システムと改質器31とを有する。水素製造装置あるいは燃料電池システムには、必要に応じ脱硫された液体燃料を気化する気化器41が設けられる。
脱硫器1は、液体燃料の流路を形成する脱硫室2を有する。脱硫容器内には、脱硫剤6を収容する領域(以下、場合により「脱硫剤収容領域」と称す。)を有する。液体燃料供給口7が脱硫室の下部に、液体燃料排出口8が脱硫室の上部に設けられる。また脱硫器は、脱硫剤収容領域を貫通して略水平に配された、加熱媒体の流路を形成する複数の管5、複数の管の両端にそれぞれ連通する二つのヘッダ(入り口側ヘッダ3および出口側ヘッダ4)を有する。熱交換器11は胴12と、胴12を貫通する管13を有する。脱硫剤収容領域は、管5によって占められる領域を除く脱硫室内の全域であっても、その一部分であっても良い。
灯油は不図示の灯油タンクから不図示のポンプによりライン51を経て液体燃料予熱器の管13に供給されて胴12側を流れる燃焼排ガスとの熱交換により昇温され、ライン52を経て、脱硫室2に液体燃料供給口7から供給される。灯油は脱硫剤6に接触しながらかつ加熱媒体が流れる管5によって昇温されながら脱硫室内を上昇し、脱硫された灯油が液体燃料排出口8からライン53を経て得られる。液体燃料排出口8にはキャピラリ21が接続される。
この灯油は、気化器41を経て、水蒸気改質反応に必要なスチームと混合されて改質器31で改質され、固体高分子形燃料電池42のアノード室42Aに供給される。図示は省略したが、改質器とアノード室との間には、CO変成反応器および選択酸化反応器が設けられる。なお、改質器31は、バーナ33で灯油を燃焼させ、その燃焼熱により改質反応部32をその外側から加熱する外熱式の改質器である。改質反応部は、改質触媒が充填された改質反応管で形成される。バーナおよび改質反応部は改質炉34内に設けられる。
一方、バーナ33の燃焼排ガスは、気化器41において脱硫された灯油を加熱して気化させた後、ライン61から脱硫器の加熱媒体入り口側ヘッダ3に供給される。そして、管5を通りながら脱硫剤6および液体燃料を加熱し、ヘッダ4から排出される。その後ライン62を経て液体燃料予熱器の胴12に供給され、管13中を流れる灯油を加熱し、ライン63から排出される。
なお、燃料電池のカソード室42Cには空気が必要に応じて加湿されて供給される。アノード室から排出されるアノードオフガス、カソード室から排出されるカソードオフガスは、適宜熱利用などされ、排出される。アノードオフガスには未燃の可燃成分が含まれるので、例えばバーナの燃料として利用するなど、適宜利用される。
さて、突沸に影響する主な因子に、温度差とスペースがある。熱交換に係る高温流体と低温流体との局所的な温度差ΔTが130〜140℃程度になると突沸(蒸発振動という現象)が起こりやすくなる傾向があり、従って運転条件が多少変わってもΔTがこのような温度に達しないようにすることが突沸を抑制する上で効果的である。また、広いスペースがあると突沸が起きやすい傾向があり、例えば細い管の内部では突沸が起きにくい。
突沸があった場合にも圧力変動しにくくするためには、流路の容量を大きくすること、さらには流路の断面積を広くすることが有効である。このような流路はバッファーとして作用し、圧力変動を緩和する。また、流路にキャピラリ(流路の径を絞った部分)を設けると、その部分の抵抗によってキャピラリより下流に圧力変動が伝わりにくくなる。
上記構成では、灯油を液体燃料予熱器11と脱硫器1とで二段階に加熱する。ほぼ常温の(加熱されていない)灯油を供給する液体燃料予熱器ではΔTが大きくなりやすいが、液体燃料予熱器において灯油は管13内を流れるため、その流路断面積を小さくして突沸を抑制することが容易に行える。一方、液体燃料予熱器に供給される燃焼排ガスが脱硫器1にて冷却されていることも、熱交換器におけるΔTを小さくして突沸を抑制するのに役立つ。また、液体燃料予熱器の少なくとも一部において灯油と燃焼排ガスとを対向流として熱交換することにより、ΔTを小さくして突沸を抑制することもできる。
脱硫器においては、管側に燃焼排ガスを流し、胴側に灯油を流す。脱硫器には予熱された灯油が供給されるので、ΔTを小さくして突沸を抑制することができる。灯油は胴側に流すので、脱硫器において灯油が加熱される領域の容量を大きくし、バッファーとして機能させ、圧力変動を緩和させることを容易に行うことができる。さらに、管をほぼ水平に延在させ、灯油を鉛直方向上方に向かって流すことにより、脱硫器内の灯油の流路断面積を広くして圧力変動を緩和しやすい構造とすることが容易である。また、灯油の流れを鉛直上方向きにすることにより、灯油の自重による圧力によって微少な泡は消えやすく、突沸防止、圧力変動抑制に効果がある。
加熱媒体の流路を形成する複数の管は、略水平に配置される。略水平とは、厳密に水平な場合だけでなく、実質的に水平な場合も含む。
さらに、脱硫器の液体燃料排出口の下流にキャピラリ21が存在することにより、キャピラリより下流に圧力変動が伝わることを抑制することができる。なお、キャピラリとは、それに至るまでの流路断面積よりも流路断面積が小さく差圧(管内圧)を急激に高めるためのもので、その断面積はキャピラリ上流側のそれの1/50以上1/2以下が好ましく、1/10以上1/3以下がさらに好ましい。断面積が1/50より小さい場合は、管の圧力損失が大きくなり、灯油を送り出すポンプの作動動力エネルギーを増大させる傾向があるという点で不利であり、1/2より大きい場合は、圧力変動の抑制効果が小さくなる傾向があるという点で不利である。キャピラリの長さについては、圧力変動を抑制するのに適宜設計することができる。
図1に示した形態では、脱硫器は脱硫室を一つだけ有する。液体燃料供給口はこの脱硫室の下部に設けられる。その位置は、脱硫室の底面あるいは底部であることができるが、必ずしもその必要はなく、脱硫室の中を液体燃料が上方に流れる位置であればよい。液体燃料排出口は脱硫室の上部に設けられる。その位置は、脱硫室の上面あるいは頂部であることができるが、必ずしもその必要はなく、脱硫室の中を液体燃料が上方に流れる位置であればよい。つまり脱硫室内の液体燃料の流れが上昇流になるために、液体燃料排出口が液体燃料供給口より上方にあればよいが、脱硫室内のより広い領域において液体燃料を流通させるために、液体燃料供給口は極力低い位置に、液体燃料排出口は極力高い位置に設けることが望まれる。
液体燃料予熱器内の液体燃料が流れる流路の断面積は、流体速度が好ましくは0.1cm/s以上50cm/s以下、より好ましくは0.5cm/s以上10cm/s以下となるように設定することができる。
このように、突沸を抑制し圧力変動を抑えることで、灯油の流量制御を安定して行うことが可能となり、安定して脱硫することが容易となる。
〔液体燃料〕
液体燃料としては、ガソリン、ナフサ、灯油等の石油系燃料、メタノール等のアルコールなど0.1MPa、25℃で液体である炭化水素系の燃料、あるいは液化石油ガスを用いることができる。なかでも灯油は工業用としても民生用としても入手容易であり、その取り扱いも容易なため、好ましい。
液体燃料としては、ガソリン、ナフサ、灯油等の石油系燃料、メタノール等のアルコールなど0.1MPa、25℃で液体である炭化水素系の燃料、あるいは液化石油ガスを用いることができる。なかでも灯油は工業用としても民生用としても入手容易であり、その取り扱いも容易なため、好ましい。
脱硫後の液体燃料中の硫黄濃度は、改質装置に液体燃料を供給する場合に改質触媒の被毒を抑制する観点から、好ましくは0.1質量ppm以下、より好ましくは50質量ppb以下とする。
脱硫に供する液体燃料中の硫黄濃度には特に制限はなく、脱硫工程において上記硫黄濃度に転換できる液体燃料であれば使用することができる。ただし、脱硫剤の寿命の観点からは、液体燃料の硫黄濃度は、150質量ppm以下が好ましく、50質量ppm以下がより好ましい。
〔脱硫剤〕
脱硫剤としては、収着型脱硫剤など公知の脱硫剤を用いればよいが、例えば、Ni、Cu、ZnおよびFeから選ばれる少なくとも1種類の金属を含み、担体にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシアおよびその複合酸化物から選ばれる少なくとも一種を用いたもの、またはこれらの成分を共沈で生成したものを使用できる。なかでも少なくともNiを含有する収着剤が触媒寿命の観点から好ましい。
脱硫剤としては、収着型脱硫剤など公知の脱硫剤を用いればよいが、例えば、Ni、Cu、ZnおよびFeから選ばれる少なくとも1種類の金属を含み、担体にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシアおよびその複合酸化物から選ばれる少なくとも一種を用いたもの、またはこれらの成分を共沈で生成したものを使用できる。なかでも少なくともNiを含有する収着剤が触媒寿命の観点から好ましい。
脱硫剤形状としては、特に限りはないが、円柱、三つ葉、四葉などの押し出し成型体、円柱、ドーム状の錠剤成型体、球状成型体が好ましい。
〔脱硫条件〕
脱硫剤に対する液体燃料の供給量は、装置サイズ、経済性および脱硫速度の観点から、LHSV(液空間速度)で0.05hr-1以上5.0hr-1以下が好ましく、0.1hr-1以上3.0hr-1以下がより好ましい。
脱硫剤に対する液体燃料の供給量は、装置サイズ、経済性および脱硫速度の観点から、LHSV(液空間速度)で0.05hr-1以上5.0hr-1以下が好ましく、0.1hr-1以上3.0hr-1以下がより好ましい。
脱硫を行う温度、即ち脱硫温度は、脱硫剤の脱硫能あるいは寿命の観点から100℃〜300℃が好ましく100℃〜220℃がより好ましく、130℃〜200℃がさらに好ましい。低温であると、収着型脱硫剤を用いる場合に液体燃料中の硫黄化合物が化学反応を伴わずそのままの形で表面に吸着し脱離が起こらず、脱硫剤寿命が短くなるなど、脱硫剤の脱硫能あるいは寿命が低下する傾向があるという点で不利である。高温であると、炭素析出により、脱硫剤上の脱硫サイトが減少し、寿命が短くなるなど、脱硫剤の脱硫能あるいは寿命が低下する傾向があるという点で不利である。
脱硫は、加熱下にも沸騰しない条件で行い、この観点から100kPa−G(Gはゲージ圧であることを示す。)以上とすることが好ましい。昇圧に要するエネルギーを抑える観点から500kPa−G以下とすることが好ましい。このような圧力を実現するためには、ポンプなどの昇圧手段を適宜用いて脱硫器に所定の圧力で液体燃料を供給すればよい。
〔熱交換条件〕
加熱媒体の脱硫器入り口ヘッダと出口ヘッダとの間の温度差を小さくとることも、脱硫容器内の液体燃料の水平方向温度分布を小さくし、突沸を防止することに効果がある。この観点から、この温度差は100℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましい。液体燃料との熱交換量を大きくとる観点からは、この温度差は5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。
加熱媒体の脱硫器入り口ヘッダと出口ヘッダとの間の温度差を小さくとることも、脱硫容器内の液体燃料の水平方向温度分布を小さくし、突沸を防止することに効果がある。この観点から、この温度差は100℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましい。液体燃料との熱交換量を大きくとる観点からは、この温度差は5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。
また、液体燃料として灯油を用いる場合、例えば、脱硫器に入ってくる灯油を130℃以上200℃以下の脱硫器設定温度にまで上昇させるためには、脱硫器に供給される加熱媒体の温度(図1では加熱媒体入り口側ヘッダ3における温度)は170℃以上300℃以下とすることが好ましく、脱硫器から排出される灯油の温度(図1では加熱媒体出口側ヘッダ4における温度)は130℃以上250℃以下とすることが好ましい。
〔円筒状脱硫器〕
図2に、脱硫器を円筒状にした場合の構造例を示す。図2(a)はその模式的平面断面図、(b)は模式的側断面図である。円筒状の容器内が区画され、入り口側ヘッダ103、出口側ヘッダ104および脱硫室102が形成される。それぞれのヘッダと連通し、脱硫容器を貫通する複数の管105はいずれも水平に配置され、同心の円弧状に配される。場合によってはヘッダは円筒状容器の外に別途設けられても良い。
図2に、脱硫器を円筒状にした場合の構造例を示す。図2(a)はその模式的平面断面図、(b)は模式的側断面図である。円筒状の容器内が区画され、入り口側ヘッダ103、出口側ヘッダ104および脱硫室102が形成される。それぞれのヘッダと連通し、脱硫容器を貫通する複数の管105はいずれも水平に配置され、同心の円弧状に配される。場合によってはヘッダは円筒状容器の外に別途設けられても良い。
灯油はライン152から、下面に設けられた液体燃料供給口107を経て脱硫室に供給され、脱硫剤106が充填された脱硫室を鉛直方向上方に流れ、上面に設けられた液体燃料排出口108、ライン153から排出される。一方、改質器のバーナの燃焼排ガス(加熱媒体)はライン161からヘッダ103に供給され、水平に配列された円弧状の複数の管105を通り、ヘッダ104からライン162へと排出される。前述の形態と同様ライン153にキャピラリを設けることも有効である。
このように脱硫器を円筒状にすれば、円筒状の改質器と隣接配置、さらには一体化することが容易となる。この場合、脱硫器と改質器との間でバーナ燃焼排ガスや灯油を極めて短距離で取り合うことが可能となり、省スペース化、熱ロス抑制の観点から好ましい。
また、加熱媒体が流れる管105の入り口と出口つまり、高温部と低温部を近接して配置できるので、灯油の水平方向における温度分布を小さくすることができ、この点も突沸防止に有効である。
図3には、短円筒状の脱硫器と灯油予熱のための熱交換器とを一体化させた形態の脱硫システムを示す。図3(a)はその概略を示す模式的斜視図、(b)は模式的側断面図である。この脱硫システムは、図2に示した形態と流体の取り合い部を除いて同じ形態の脱硫器201の外周に熱交換器(液体燃料予熱器)211を一体的に設けたものである。
液体燃料予熱器211は、環形円柱状の容器が区画されて、胴212、ヘッダ215および216が形成される。これにより液体燃料予熱器を環形円柱状とすることができる。場合によってはヘッダは環形円柱状容器の外部に別途設けることも可能であり、環形円柱状液体燃料予熱器にはこのように環形円柱状容器に配管やヘッダが接続された形態も含める。液体燃料予熱器の胴を貫通し、両端がヘッダ215および216にそれぞれ連通する円弧状の管213が、脱硫剤206が充填された脱硫室を貫通する管205と同心の円周上に並列に3本設けられている。この管213の中に灯油を、その外側に脱硫器から排出された燃焼排ガスを流す。脱硫器と熱交換器との間の流体の取り合いや、流体の脱硫システムへの供給もしくは排出のための構造は、脱硫器のヘッダ203、204、また液体燃料予熱器のヘッダ215、216に、外部に開く開口を設けたり、ヘッダ間を連通させる連通口や連通管を設けるなど、適宜設計できる。
ここまでは脱硫器が脱硫室を一つだけ有する形態を示したが、脱硫器が脱硫室を複数有することもできる。脱硫室が1つだけの場合、液体燃料の脱硫室内流路断面積と脱硫室への液体燃料の供給形態によっては、液体燃料の流通が相対的に良い部分と相対的に悪い部分が生じ、これが脱硫性能に影響する可能性がある。このような現象を抑制するためには、例えば脱硫室外にマニフォールドを設け、マニフォールドから複数の液体燃料供給口を通して脱硫室に液体燃料を供給することができる。あるいは、以下に説明するように複数の脱硫室を直列に接続して一つの液体燃料流路を形成することもできる。
図4には、図1に示した脱硫器において、脱硫器の形状を直方体とし、一つの容器399内を邪魔板390a〜390dによって区画し、直方体の脱硫室302a〜302eを形成した形態の脱硫器を示す。脱硫室302a〜302eは順次隣接し、一つの流路を形成している。灯油はその流路の最も上流側に位置する脱硫室302aの下部(ここでは底面)に設けられた灯油供給口307から供給され、脱硫室302a内を上昇し、その上部において邪魔板390aと容器399との間の空隙から排出され、脱硫室302bに供給される。この空隙が脱硫室302aの液体燃料排出口でありかつ脱硫室302bの液体燃料供給口である。脱硫室302bでは下降流、脱硫室302cでは上昇流、脱硫室302dでは下降流となって灯油は順次脱硫室を通過する。図示はしないが、各脱硫室内には脱硫剤が充填さる。流路の最も下流側に位置する脱硫室302eにおいては、邪魔板390dと容器399との間の空隙が液体燃料供給口であり、ここから灯油が供給されて脱硫室302e内を上昇し、脱硫室302eの上部(ここでは頂面)に設けられた液体燃料排出口308から排出され、脱硫器から排出される。
加熱媒体である燃焼排ガスは図1に示した形態と同様、加熱媒体入り口ヘッダ303から供給され、脱硫室302a〜302eを貫通する管305を通って熱交換により灯油を加熱し、加熱媒体出口ヘッダ304から排出される。
図5には、円筒状の脱硫器に、上述のような複数の脱硫室を設けた形態を示す。図2に示した脱硫器と同様、一つの円筒状容器499内が区画されて加熱媒体の入口側ヘッダ403および出口側ヘッダ404が形成される。図2に示した形態では一つの脱硫室であった部分が、この形態では邪魔板490a〜490dによって区画され、脱硫室402a〜402eが形成される。灯油流路の最も上流側に位置する脱硫室402aにおいて、上記出口側ヘッダ404を形成するための板状部材の外周側下端に形成された開口491aが液体燃料供給口であり、この開口491aは脱硫室402aの下部(ここでは側面の、底面に接する位置)に存在する。脱硫室402aの液体燃料排出口は、邪魔板490aの外周側上端に形成された開口491bである。この開口491bは脱硫室402aの上部(ここでは側面の、上面に接する位置)に存在する。灯油は開口491aから供給され、脱硫室402a内を上昇し、開口491bから排出されると同時に脱硫室402bへと供給される。灯油は脱硫室402bでは下降流となり邪魔板490bの外周側下端に設けられた開口491cから脱硫室402cに入り、ここで上昇流となって邪魔板490cの外周側上端に形成された開口491dから脱硫室402dに入り、ここで下降流となって邪魔板490dの外周側下端に形成された開口491eから排出される。灯油の流路の最も下流に位置する脱硫室402eにおいては、液体燃料供給口は開口491eであり、液体燃料排出口は、上記入口側ヘッダ403を形成するための板状部材の外周側上端に形成された開口491fである。開口491fは脱硫室402eの上部(ここでは側面の、頂面に接する位置)に存在する。
灯油を脱硫器の外から開口491aに供給する手段、開口491fから脱硫器の外へ排出する手段は、図示を省略してあるが、配管を用いたり、ヘッダ403、404を更に区画するなどして適宜設計することができる。例えば、管をヘッダ404内を貫通して開口491aに接続すれば、脱硫器外から開口491aへ灯油を供給することができる。
図5に示す形態では、図示は省略するが、加熱媒体を流すための管(図2では管105で示される)を、図2に示した形態と同様有している。
上述のように、複数の脱硫室によって液体燃料の流路が形成される形態においては、これら脱硫室のうち、液体燃料流路の最も下流に位置する脱硫室において液体燃料が上昇流になることが好ましい。脱硫室が一つの場合において述べたように、液体燃料の流れを鉛直上方向きにすることは、液体燃料の自重による圧力によって微小な泡が消えやすく、突沸防止、圧力変動抑制に効果がある。複数の脱硫室が直列に連結されている形態では、最も下流側の脱硫室の圧力変動が、脱硫器の下流に最も強く影響するため、最も下流側の脱硫室の流れを鉛直上方向きにすることが好ましいのである。このために、最も下流側の脱硫室では液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口を配置することが好ましい。
さらに、複数の脱硫室によって液体燃料の流路が形成される形態においては、これら脱硫室のうち、液体燃料流路の最も上流に位置する脱硫室において、液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口を配置することが好ましい。このような配置により、脱硫器に供給される液体燃料に気泡が混入したような場合でも脱硫器内の液体燃料の流れがスムーズになるためである。
脱硫器の形状は円柱状や多角柱状とすることができ、脱硫室の形状は、これまで説明したように、円柱状(円柱の中心軸は鉛直方向)あるいは円柱状の容器がその中心軸を含む二つの面で区画された扇形柱状、直方体などとすることができ、また多角柱状とすることもできる。
また、脱硫器が円柱状である場合、そのL/D(高さ/直径比)は0.1以上2以下が好ましく、0.3以上1.0以下がより好ましい。L/Dが2より大きくなると垂直方向の温度分布が大きくなる傾向があるという点で不利であり、L/Dが0.1より小さくなると灯油のアップフローによる突沸防止効果などが小さくなる傾向があるという点で不利である。
〔水素製造装置〕
本発明の水素製造装置は、前述の脱硫器、液体燃料予熱器および改質器を有し、気化器、CO変成反応器、選択酸化反応器が必要に応じて設けられる。
本発明の水素製造装置は、前述の脱硫器、液体燃料予熱器および改質器を有し、気化器、CO変成反応器、選択酸化反応器が必要に応じて設けられる。
加熱媒体の流路を形成する複数の管を円弧状にし、円筒状容器の内部を区画して脱硫容器を形成した場合、図2に示すように脱硫器の外形を略円筒状にすることが出来、このような脱硫器を用いれば、円筒状の改質炉を有する改質器と接してコンパクトに配置することが可能である。場合によっては図3に示すように脱硫器と液体燃料脱硫器を一体化した脱硫システムとした上で、改質器と接してコンパクトに配置することができる。このような水素製造装置は、熱ロスを抑えること、小型化することが容易である。
液体燃料には水蒸気改質反応のためのスチームが混合され(場合によっては空気等の酸素含有ガスも混合される)、また改質器のバーナには燃焼を行うための燃料および酸素含有ガス(空気等)が適宜供給できる。
本発明の水素製造装置は、改質器から排出されるバーナの燃焼排ガスを、脱硫器の加熱媒体の流路に導く手段を有する。このために改質器のバーナ燃焼排ガス排出口と脱硫器の加熱媒体入り口ヘッダとを配管で接続することができ、その配管に必要に応じてブロワなどの昇圧手段を設けることも可能である。図1に示した形態においては、改質器の炉34から気化器41を経てヘッダ61に至るラインがこの手段に当たる。また、上記のように脱硫器と改質器を隣接して設置、あるいは一体化した場合、脱硫器と改質器の所定の部位を連通する開口を設ければ足りることもある。
〔改質器〕
改質器は、水素製造用原料と水および/または酸素を反応させ、水素を含有する改質ガスを製造する装置である。この装置で水素製造用原料は主に水素と一酸化炭素に分解される。また、通常、二酸化炭素およびメタンも分解ガス中に含有される。
改質器は、水素製造用原料と水および/または酸素を反応させ、水素を含有する改質ガスを製造する装置である。この装置で水素製造用原料は主に水素と一酸化炭素に分解される。また、通常、二酸化炭素およびメタンも分解ガス中に含有される。
本発明で用いる改質器は改質反応部をその外側から加熱する外熱式の改質器であり、本発明の水素製造装置は改質反応が水蒸気改質反応である場合に好適に適用できる。また、改質反応が自己熱改質反応の場合でも、外側からの加熱が必要な場合に適用できる。
水蒸気改質反応とは水蒸気と炭化水素を反応させるものであるが、大きな吸熱を伴うため通常外部からの加熱が必要である。通常、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金などのVIII族金属を代表例とする金属触媒の存在下反応が行われる。反応温度は450℃〜900℃、好ましくは500℃〜850℃、さらに好ましくは550℃〜800℃の範囲で行うことができる。反応系に導入するスチームの量は、水素製造用原料に含まれる炭素原子モル数に対する水分子モル数の比(スチーム/カーボン比)として定義され、この値は好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは2〜5とされる。水素製造用原料が液体の場合、この時の空間速度(LHSV)は水素製造用原料の液体状態での流速をA(L/h)、触媒層体積をB(L)とした場合A/Bで表すことができ、この値は好ましくは0.05〜20h-1、より好ましくは0.1〜10h-1、さらに好ましくは0.2〜5h-1の範囲で設定される。
自己熱改質反応とは、水素製造用原料の一部を酸化しながら、この時発生する熱で水蒸気改質反応を進行させることで反応熱のバランスを取りつつ改質を行う方法であり、比較的立ち上げ時間も短く制御も容易であるため、近年燃料電池用の水素製造方法として注目されているものである。この場合にも通常、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金などのVIII族金属を代表例とする金属触媒の存在下反応が行われる。反応系に導入するスチームの量は、スチーム/カーボン比として好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜3とされる。
自己熱改質ではスチームの他に酸素が原料に添加される。酸素源としては純酸素でも良いが多くの場合空気が使用される。通常水蒸気改質反応に伴う吸熱反応をバランスできる熱量を発生し得る程度の酸素を添加するが、熱のロスや必要に応じて設置する外部加熱と関係において適宜添加量は決定される。その量は、水素製造用原料に含まれる炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比)として好ましくは0.05〜1、より好ましくは0.1〜0.75、さらに好ましくは0.2〜0.6とされる。自己熱改質反応の反応温度は水蒸気改質反応の場合と同様、450℃〜900℃、好ましくは500℃〜850℃、さらに好ましくは550℃〜800℃の範囲で設定される。水素製造用原料が液体の場合、この時の空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1〜30、より好ましくは0.5〜20、さらに好ましくは1〜10の範囲で選ばれる。
改質器の構造は、外熱のためのバーナを備える公知の外熱式改質器を適宜採用することができる。特には、円筒状の改質炉内にバーナと改質反応部が設けられた改質器が、前述のように、円筒状の脱硫器との隣接配置あるいは一体化が容易なため好ましい。
〔CO変成反応器〕
燃料電池のタイプによっては、改質器で発生する水素含有ガスである改質ガスをそのままの組成で燃料電池に供給する場合もあるが、例えば固体高分子形燃料電池は一酸化炭素によって性能劣化する場合があるため、固体高分子形燃料電池システムでは、改質器の下流にCO変成反応器を設けることが好ましく、さらにはCO変成反応器の下流に選択酸化反応器を設けることが好ましい。従ってこのような燃料電池に用いる水素含有ガスを製造する水素製造装置においても同様に、CO変成反応器および選択酸化反応器を設けることが好ましい。
燃料電池のタイプによっては、改質器で発生する水素含有ガスである改質ガスをそのままの組成で燃料電池に供給する場合もあるが、例えば固体高分子形燃料電池は一酸化炭素によって性能劣化する場合があるため、固体高分子形燃料電池システムでは、改質器の下流にCO変成反応器を設けることが好ましく、さらにはCO変成反応器の下流に選択酸化反応器を設けることが好ましい。従ってこのような燃料電池に用いる水素含有ガスを製造する水素製造装置においても同様に、CO変成反応器および選択酸化反応器を設けることが好ましい。
改質器で発生するガスは水素の他に一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水蒸気を含む。また、自己熱改質で空気を酸素源とした場合には窒素も含有される。このうち、一酸化炭素を水と反応させ水素と二酸化炭素に転換する工程を行うのがCO変成反応器である。通常、触媒の存在下反応が進行し、Fe−Crの混合酸化物、Zn−Cuの混合酸化物、白金、ルテニウム、イリジウムなど貴金属を含有する触媒を用い、一酸化炭素含有量(ドライベースのモル%)を好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下までに落とす。シフト反応を二段階で行うこともでき、この場合高温CO変成反応器と低温CO変成反応器が用いられる。
〔選択酸化反応器〕
固体高分子形燃料電池の燃料に用いる水素含有ガスを製造する場合、さらに一酸化炭素濃度を低減させることが好ましく、このためにCO変成反応器の出口ガスを選択酸化反応で処理することが好ましい。この工程では、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金などを含有する触媒を用い、残存する一酸化炭素モル数に対し好ましくは0.5〜10倍モル、より好ましくは0.7〜5倍モル、さらに好ましくは1〜3倍モルの酸素を添加することで一酸化炭素を選択的に二酸化炭素に転換することにより一酸化炭素濃度を好ましくは10ppm(ドライベースのモル基準)以下に低減させる。この場合、一酸化炭素の酸化と同時に共存する水素と反応させメタンを生成させることで一酸化炭素濃度の低減を図ることもできる。
固体高分子形燃料電池の燃料に用いる水素含有ガスを製造する場合、さらに一酸化炭素濃度を低減させることが好ましく、このためにCO変成反応器の出口ガスを選択酸化反応で処理することが好ましい。この工程では、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金などを含有する触媒を用い、残存する一酸化炭素モル数に対し好ましくは0.5〜10倍モル、より好ましくは0.7〜5倍モル、さらに好ましくは1〜3倍モルの酸素を添加することで一酸化炭素を選択的に二酸化炭素に転換することにより一酸化炭素濃度を好ましくは10ppm(ドライベースのモル基準)以下に低減させる。この場合、一酸化炭素の酸化と同時に共存する水素と反応させメタンを生成させることで一酸化炭素濃度の低減を図ることもできる。
〔燃料電池〕
燃料電池としては、燃料極において水素が電極反応の反応物質であるタイプの燃料電池を適宜採用することができる。例えば、固体高分子形、燐酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形の燃料電池を採用することができる。以下、固体高分子型燃料電池の構成を記す。
燃料電池としては、燃料極において水素が電極反応の反応物質であるタイプの燃料電池を適宜採用することができる。例えば、固体高分子形、燐酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形の燃料電池を採用することができる。以下、固体高分子型燃料電池の構成を記す。
燃料電池電極はアノード(燃料極)およびカソード(空気極)とこれらに挟まれる固体高分子電解質からなり、アノード側には水素含有ガスが、カソード側には空気等の酸素含有ガスが、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を行った後導入される。
この時、アノードでは水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、カソードでは酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行する。これらの反応を促進するため、それぞれ、アノードには白金黒、活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが、カソードには白金黒、活性炭担持のPt触媒などが用いられる。通常アノード、カソードの両触媒とも、必要に応じてテフロン、低分子の高分子電解質膜素材、活性炭などと共に多孔質触媒層に成形される。
固体高分子電解質としてはナフィオン(Nafion、デュポン社製)、ゴア(Gore、ゴア社製)、フレミオン(Flemion、旭硝子社製)、アシプレックス(Aciplex、旭化成社製)等の商品名で知られる高分子電解質膜が通常用いられ、この両側に上記多孔質触媒層を積層しMEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極集合体)が形成される。さらにMEAを金属材料、グラファイト、カーボンコンポジットなどからなるガス供給機能、集電機能、特にカソードにおいては重要な排水機能等を持つセパレータで挟み込むことで燃料電池が組み立てられる。電気負荷はアノード、カソードと電気的に連結される。
〔水素含有ガスの組成〕
改質器を経たガスの組成(ドライベースのモル%)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素63〜73%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素5〜20%、一酸化炭素5〜20%である。一方、自己熱改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%)は、通常例えば、水素23〜37%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素5〜25%、一酸化炭素5〜25%、窒素30〜60%である。
改質器を経たガスの組成(ドライベースのモル%)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素63〜73%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素5〜20%、一酸化炭素5〜20%である。一方、自己熱改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%)は、通常例えば、水素23〜37%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素5〜25%、一酸化炭素5〜25%、窒素30〜60%である。
また、改質器、シフト反応器を経たガスの組成(ドライベースのモル%もしくはモルppm)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素65〜75%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜30%、一酸化炭素1000ppm〜10000ppmである。一方、自己熱改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%もしくはモルppm)は、通常例えば、水素25〜40%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜40%、一酸化炭素1000ppm〜10000ppm、窒素30〜54%である。
改質器、シフト反応器および選択酸化反応器を経たガスの組成(ドライベースのモル%)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素65〜75%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜30%、窒素1〜10%である。一方、自己熱改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%)は、通常例えば、水素25〜40%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜40%、窒素30〜54%である。
〔他の機器〕
脱硫システム、水素製造装置あるいは燃料電池システムの公知の構成要素は、必要に応じて適宜設けることができる。具体例を挙げれば、燃料電池のカソードに空気等の酸素含有ガスを供給する手段、燃料電池に供給するガスを加湿するための水蒸気を発生する水蒸気発生器、燃料電池等の各種機器を冷却するための冷却系、各種流体を加圧するためのポンプ、圧縮機、ブロワなどの加圧手段、流体の流量を調節するため、あるいは流体の流れを遮断/切り替えるためのバルブ等の流量調節手段や流路遮断/切り替え手段、熱交換・熱回収を行うための熱交換器、液体を気化する気化器、気体を凝縮する凝縮器、スチームなどで各種機器を外熱する加熱/保温手段、各種流体の貯蔵手段、計装用の空気や電気系統、制御用の信号系統、制御装置、出力用や動力用の電気系統などである。
脱硫システム、水素製造装置あるいは燃料電池システムの公知の構成要素は、必要に応じて適宜設けることができる。具体例を挙げれば、燃料電池のカソードに空気等の酸素含有ガスを供給する手段、燃料電池に供給するガスを加湿するための水蒸気を発生する水蒸気発生器、燃料電池等の各種機器を冷却するための冷却系、各種流体を加圧するためのポンプ、圧縮機、ブロワなどの加圧手段、流体の流量を調節するため、あるいは流体の流れを遮断/切り替えるためのバルブ等の流量調節手段や流路遮断/切り替え手段、熱交換・熱回収を行うための熱交換器、液体を気化する気化器、気体を凝縮する凝縮器、スチームなどで各種機器を外熱する加熱/保温手段、各種流体の貯蔵手段、計装用の空気や電気系統、制御用の信号系統、制御装置、出力用や動力用の電気系統などである。
加熱媒体に改質器のバーナの燃焼排ガスを用い灯油の脱硫を行った。
(実施例)
図3に示す、短円筒状の脱硫器と灯油予熱のための熱交換器とを一体化させた形態の脱硫システムを用いた。つまり、脱硫器と熱交換器は二重円筒構造になっており、外側の環状部で加熱媒体である排ガスと被加熱媒体である灯油が熱交換を、内側の円筒では脱硫触媒が充填されているため、同様の熱交換が起こると同時に脱硫反応も起こる。
図3に示す、短円筒状の脱硫器と灯油予熱のための熱交換器とを一体化させた形態の脱硫システムを用いた。つまり、脱硫器と熱交換器は二重円筒構造になっており、外側の環状部で加熱媒体である排ガスと被加熱媒体である灯油が熱交換を、内側の円筒では脱硫触媒が充填されているため、同様の熱交換が起こると同時に脱硫反応も起こる。
環状部(熱交換器)では3本の配管(内直径21.7mm)の中を被加熱媒体である灯油が、その外側(シエル&チューブで言うとシェル側)を加熱媒体である排ガスが通過する。
脱硫器の外寸は直径350mm×125mmとした。脱硫器は図5に示す構造を有し、5つの脱硫室が直列に接続されて一つの灯油の流路を形成し、この流路において最も上流及び最も下流の脱硫室において、灯油の供給口より上方に排出口が形成されている。加熱媒体側の配管(内直径21.7mm)が9本配置され、その中を排ガスが通過する一方、シエル側に充填された脱硫触媒層内を灯油が熱交換をしながら通過する。5つの脱硫室には、合計6LのNi系脱硫触媒をほぼ等量ずつ充填した。
燃料としては1号灯油を前処理した灯油(硫黄分は質量基準で2ppm)使用し、流量は2kg/hの速度で流通させた。反応器の昇温方法としては排ガス加熱(230℃、25Nm3/h)を使用し、脱硫器入口触媒層の温度を180℃に設定した。その時の脱硫器の温度分布は図6のように小さかった。脱硫後の灯油中S分は0.05ppm(質量基準)以下であり、良好に脱硫が行われていた。なお、図6において、例えばDS(60°)は、灯油入口の中心を0°として、円筒面の時計回りに60°の個所を示している。なお、「Nm3/h」は0℃における「m3/h」を表す。
また、脱硫器の圧力変動は図7に示すように小さく、また管内径3mmのキャピラリ(長さ50mm)を脱硫器の灯油流路下流配管(内径9mm)に設けた場合、さらに圧力変動が小さくなった。
図7はある期間の脱硫器内の圧力(ゲージ圧)を示すもので、図中上のグラフがキャピラリを設置しない場合の脱硫器内圧力変動を示し(右側の縦軸)、図中下のグラフがキャピラリを設置した場合の脱硫器内圧力変動(左側の縦軸)を示す。キャピラリを設置しない場合、136kPa−Gと146kPa−Gの間の10kPa程度の幅で圧力変動し、キャピラリを設置した場合は、246kPa−Gと249kPa−Gの間の3kPa程度の幅の圧力変動であった。
(比較例)
ここで使用した脱硫器は、円筒型で大きさは直径350mm×125mmの容器の中にNi系脱硫触媒を6L充填したものを用いた。燃料としてはJIS1号灯油を前処理した灯油(硫黄分は質量基準で2ppm)使用し、流量は2kg/hの速度で流通させた。灯油は円筒容器の底面の外周近傍の一個所から供給し、この個所から円筒の中心軸について対称な個所から排出した。反応器の昇温方法としては外部加熱ヒータを使用し、その温度を180℃に設定した。
ここで使用した脱硫器は、円筒型で大きさは直径350mm×125mmの容器の中にNi系脱硫触媒を6L充填したものを用いた。燃料としてはJIS1号灯油を前処理した灯油(硫黄分は質量基準で2ppm)使用し、流量は2kg/hの速度で流通させた。灯油は円筒容器の底面の外周近傍の一個所から供給し、この個所から円筒の中心軸について対称な個所から排出した。反応器の昇温方法としては外部加熱ヒータを使用し、その温度を180℃に設定した。
その時の脱硫器の温度分布を図8に、圧力変動の経時変化を図9に示す。温度分布も圧力変動も大きく、脱硫性能もよくなく、脱硫後の灯油中S分は0.5ppmとなった。なお、図8において、例えばDS(60°)は、灯油入口の中心を0°として、円筒面の時計回りに60°の個所を示している。図9はある期間の脱硫器内の圧力(ゲージ圧)を示すもので、脱硫器の圧力変動が大きいため、瞬時のS/Cが精度良く制御できずにS/Cが低くなるときには、改質触媒にコーキングを生じるおそれがある。
1、201:脱硫器
2、102:脱硫室
3、103、203、303、403:加熱媒体入り口側ヘッダ
4、104、204、403、404:加熱媒体出口側ヘッダ
5、105、205、305:管(加熱媒体流路)
6、106、206:脱硫剤
7、107、307:液体燃料供給口
8、108、308:液体燃料排出口
11、211:熱交換器(液体燃料予熱器)
12:胴
13、213:管(液体燃料流路)
21:キャピラリ
31:改質器
32:改質反応部
33:バーナ
34:改質炉
41:液体燃料気化器
42:燃料電池、42A:アノード室、42C:カソード室
51、52、53、152、153:液体燃料のライン
61、62、63、161、162:加熱媒体のライン
215:液体燃料入り口側ヘッダ
216:液体燃料出口側ヘッダ
302a〜e、402a〜e:脱硫室
390a〜d、490a〜d:邪魔板
399、499:容器
491a〜f:開口
2、102:脱硫室
3、103、203、303、403:加熱媒体入り口側ヘッダ
4、104、204、403、404:加熱媒体出口側ヘッダ
5、105、205、305:管(加熱媒体流路)
6、106、206:脱硫剤
7、107、307:液体燃料供給口
8、108、308:液体燃料排出口
11、211:熱交換器(液体燃料予熱器)
12:胴
13、213:管(液体燃料流路)
21:キャピラリ
31:改質器
32:改質反応部
33:バーナ
34:改質炉
41:液体燃料気化器
42:燃料電池、42A:アノード室、42C:カソード室
51、52、53、152、153:液体燃料のライン
61、62、63、161、162:加熱媒体のライン
215:液体燃料入り口側ヘッダ
216:液体燃料出口側ヘッダ
302a〜e、402a〜e:脱硫室
390a〜d、490a〜d:邪魔板
399、499:容器
491a〜f:開口
Claims (9)
- 脱硫剤の存在下に液体燃料を加熱媒体により加熱しながら脱硫するための脱硫器において、
脱硫剤を収容する領域を有し該液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、
該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを備え、
該脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成された
ことを特徴とする脱硫器。 - 前記脱硫室は円筒状容器の全部もしくは区画された一部であり、
前記複数の管が円弧状である請求項1記載の脱硫器。 - 前記脱硫室が複数直列に接続されて一つの前記液体燃料の流路を形成し、
該液体燃料の流路の最も下流側の脱硫室においては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成された請求項1または2記載の脱硫器。 - 前記脱硫室が複数直列に接続されて一つの前記液体燃料の流路を形成し、
該液体燃料の流路の最も上流側の脱硫室においては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成された請求項1〜3のいずれか一項記載の脱硫器。 - 脱硫剤の存在下に液体燃料を加熱媒体により加熱しながら脱硫するための脱硫器と、該脱硫器に供給する液体燃料を該脱硫器から排出された加熱媒体により予熱するための熱交換器とを備え、
該脱硫器は、脱硫剤を収容する領域を有し該液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを有し、該脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成され、
該熱交換器は、該加熱媒体の流路を形成する胴と、該液体燃料の流路を形成し該胴を貫通する管とを有する
ことを特徴とする脱硫システム。 - さらに脱硫器の下流の液体燃料流路にキャピラリを有する請求項5記載の脱硫システム。
- 前記脱硫器において、前記脱硫室は円筒状容器の全部もしくは区画された一部であり、前記複数の管が円弧状であり、
前記熱交換器は環形円柱状であって該円筒状容器の外周に設けられた請求項5または6記載の脱硫システム。 - 脱硫剤の存在下に液体燃料を加熱媒体により加熱しながら脱硫するための脱硫器と、該脱硫器に供給する液体燃料を該脱硫器から排出された加熱媒体により予熱するための熱交換器と、該脱硫された液体燃料を原料として用いて水素を含有するガスを製造する改質器とを備え、
該改質器は、改質触媒を備える改質反応部と、該改質反応部を加熱するための燃焼を行うバーナを有し、
該脱硫器は、脱硫剤を収容する領域を有し該液体燃料の流路を形成する少なくとも一つの脱硫室と、該領域を貫通して略水平に配された該加熱媒体の流路を形成する複数の管とを有し、該脱硫室の少なくとも一つにおいては液体燃料供給口より上方に液体燃料排出口が形成され、
該熱交換器は、該加熱媒体の流路を形成する胴と、該液体燃料の流路を形成し該胴を貫通する管とを有し、
該改質器から排出されるバーナの燃焼排ガスを該脱硫器の加熱媒体の流路に導く手段を有することを特徴とする水素製造装置。 - 請求項8記載の水素製造装置と、該水素製造装置で製造された水素を含有するガスを燃料として用いる燃料電池とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
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