JP2005250516A - 静電潜像現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定して画像形成が可能で、寿命が長く、かつ、帯電量の調整範囲が広い静電潜像現像剤の提供。
【解決手段】 (a)キャリア芯材としての磁性粒子の、触媒で処理された表面を、エチレンモノマーを直接重合させて形成された高分子ポリエチレン樹脂で被覆した磁性樹脂被覆キャリアと、(b)実質上磁性粒子そのものからなる磁性粉体キャリアと、(c)トナーの母材の表面に研磨剤微粒子が固着された研摩性トナーとを、重量比で70:30:5の配合比で含有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複写機やレーザプリンタ等で採用されている電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において用いられる静電潜像現像剤(単に、現像剤と称する場合がある。)に関する。
従来、二成分現像方式で使用される現像剤には、通常、鉄、マグネタイト又はフェライト等の磁性粉体粒子が、トナーを安定して搬送するためのキャリアとして使用されていた。このような磁性粉体粒子からなるキャリア(磁性粉体キャリアと称する場合がある。)は、構造が簡単で、磁性力に優れており、しかもコストが安いという利点がある。
また、特許文献1には、磁性粉体キャリアと、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散した磁性樹脂キャリアとからなる混合キャリアを含有した現像剤が開示されている。
かかる現像剤は、体積抵抗値が大きくて、帯電量の高い磁性樹脂キャリアを含んでいることにより、トナーへの帯電賦与力が高くなるので、カブリの発生を効率的に抑制することができるという利点がある。
さらに、キャリア自体の耐久性を向上させるため、特許文献2には、磁性樹脂被覆キャリアが提案されている。この磁性樹脂被覆キャリアは、キャリア芯材の表面に坦持された触媒を利用して、キャリア芯材表面上でエチレンモノマーを直接重合して得られた高分子量ポリエチレン樹脂からなる被覆層を設けている。そのため、得られたポリエチレン被覆層は、優れた強度を有し、しかも、適当な弾性力を有していて、攪拌等の衝撃力を吸収できるため、優れた耐久性が得られるものである。
しかしながら、従来使用されている磁性粉体キャリア自体は、体積抵抗値が小さい上、耐湿性に乏しく、帯電不良が発生しやすいという問題が見られた。また、磁性粉体キャリアは、重量が大きいため、現像器内での攪拌による衝撃によってトナー成分がキャリアに付着してスペントが生じ易く、そのためキャリアの帯電能力が低下して一層帯電不良が発生しやすいという問題が見られた。
さらに、一旦帯電不良が発生すると、トナーを安定して搬送することが困難となり、トナーが機内に飛散して可視像の白地部が汚れるカブリが発生し易くなる上、画像濃度の低下等の悪影響を与えるという問題が見られた。
また、特許文献1に開示された現像剤は、磁性粉体キャリアと、磁性樹脂キャリアとを併用しているものの、当該磁性樹脂キャリアは、磁性粒子と、バインダー樹脂との間の結合性に乏しいため、長期間使用した場合に、バインダー樹脂が剥離しやすいという問題点が見られた。また、磁性樹脂キャリアは、比重が小さく、しかも重量あたりの電荷(比電荷Q/M)が大きいため、キャリア引きが発生しやすいという問題も見られた。
このため、安定して画像形成を行い、現像剤の長寿命化を図るためには、磁性樹脂キャリアの配合比を低くしなければならなかった。したがって、磁性粉体キャリアの配合比が多くなるため、カラートナーと併用した場合に、得られるカラー画像の発色性を低下させやすいという問題が見られた。すなわち、磁性粉体キャリアは黒色性が高いため、磁性粉体キャリアの配合比が高い場合にキャリア引きが発生すると、カラー画像のうち、特に黒色以外の色の部分で、キャリアが目立ったり、色が濁りやすくなるのであった。
さらに、特許文献2に開示された磁性樹脂被覆キャリア自体は黒色性が低いため、カラートナーと併用した場合であっても、得られる画像の発色性を低下させることは少ないものの、単独ではコストが比較的高く、得られる現像剤も高価になりやすかった。また、磁性樹脂被覆キャリアは、磁性粉体キャリアと比較して、トナーへの帯電賦与力が若干低いという問題も見られた。
特許第2922050号公報 特開平9−204075号公報
そこで、混合キャリアの配合比を、幅広い範囲で調整することにより、混合キャリアの帯電量をより容易に調整でき、しかもキャリア引きが少ない現像剤の出現が望まれていた。すなわち、本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、安定して画像形成が可能で、寿命が長く、かつ、帯電量の調整範囲が広くて、キャリア引きが少ない現像剤を提供することを目的とする。
本発明の静電潜像現像剤によれば、
(a)エチレンモノマーを直接重合させて得られた高分子量ポリエチレン樹脂からなる被覆層を有する磁性樹脂被覆キャリアと、
(b)実質上磁性粒子そのものからなる磁性粉体キャリアと、
(c)トナーと、
を含有することを特徴とする。
このように、(a)磁性樹脂被覆キャリアと、(b)磁性粉体キャリアとを組み合わせて混合キャリアとすることにより、(a)磁性樹脂被覆キャリアを、従来の磁性樹脂キャリアを用いた場合よりも、幅広い範囲で配合することができる。その結果、必要な帯電量を任意に設定して、トナーに安定して賦与することができるようになる。
また、磁性樹脂キャリアと比較して磁性力が高く、比重が低い(a)磁性樹脂被覆キャリアを用いているため、(b)磁性粉体キャリアの配合比を減少でき、しかもキャリア引きを効率的に防止することができる。よって、カラートナーと併用した場合であっても、得られる画像の発色性を低下させることがより少なくなる。
また、本発明の静電潜像現像剤を構成するにあたり、(a)磁性樹脂被覆キャリアと(b)磁性粉体キャリアとの配合比(a)/(b)を、重量比で85/15〜45/55の範囲内の値とすることが好ましい。
このような配合比の範囲に制限することにより、一定以上の初期帯電量を確保しつつ、優れたキャリアの流動性を得ることができる。
また、本発明の静電潜像現像剤を構成するにあたり、(a)磁性樹脂被覆キャリアおよび(b)磁性粉体キャリア、あるいはいずれか一方のキャリアの体積抵抗値を、1×102〜1×1014Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましい。
キャリアの体積抵抗値が、1×102Ω・cmよりも小さくなると、画質濃度の低下や、画質の劣化が生じる場合があり、一方、かかる体積抵抗値が、1×1014Ω・cmよりも大きくなると、キャリア引きやカブリが発生しやすくなる場合があるためである。
また、本発明の静電潜像現像剤を構成するにあたり、(a)磁性樹脂被覆キャリアの体積抵抗値をVaとし、(b)磁性粉体キャリアの体積抵抗値をVbとしたときに、(Va−Vb)の値を10〜1×103Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましい。
その理由は、二種類のキャリアを用いる場合、キャリアどうしに極端な抵抗差があると、カブリやキャリア引きが発生し易くなって、現像余裕度が確保できず、また、極端に抵抗の低いキャリアを混合した場合、感光体へのリーク電流が流れて画像欠損が生じることがあるからである。
したがって、(a)磁性樹脂被覆キャリアの体積抵抗値をVaと、(b)磁性粉体キャリアの体積抵抗値をVbとの抵抗差を一定範囲内とすれば、より安定したトナーの搬送を行うことができる。
また、本発明の静電潜像現像剤を構成するにあたり、(a)の磁性樹脂被覆キャリアの嵩密度をρaとし、(b)磁性粉体キャリアの嵩密度をρbとしたときに、ρb>ρaの関係を満足することが好ましい。
このように構成すると、(b)磁性粉体キャリアが、(a)磁性樹脂被覆キャリアを引き付けて、キャリアが感光体表面に付着するキャリア引きの発生をより効率的に抑制することができる。
また、本発明の静電潜像現像剤を構成するにあたり、(a)及び(b)の混合キャリアに対するトナーの添加量の割合を2〜40重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このようにトナーの添加量を2重量%以上の値に制限することにより、トナーの帯電量が過度に高くなって、画像濃度が低下することを有効に抑制することができる。また、トナーの添加量を40重量%以下の値とすれば、トナーの帯電量が不足することによるトナーの機内飛散や可視画像上のカブリの発生を効率的に抑制することができる。
また、本発明の静電潜像現像剤を構成するにあたり、トナーが、カラートナーであることが好ましい。
このように構成することにより、キャリア引きにより、キャリアがトナーとともに感光体に付着して、印刷された場合においても、カラー可視画像の発色性を低下することが少なくなる。
また、本発明の静電潜像現像剤を構成するにあたり、トナーとして、表面に研磨剤微粒子が固着された研摩性トナーを使用することが好ましい。
このように、研摩性トナーを使用することにより、キャリアの表面をトナー自身の研磨剤で研摩させることができる。したがって、長期の使用に伴ってキャリアの表面にトナーが堆積・成長するスペントの発生を一層抑制することができる。
さらに、研摩性トナーを使用することにより、感光体の表面についても適当な力で研摩してクリーニングすることができる。したがって、リーク電流の発生に起因した像流れの発生を抑制することができる。
また、本発明の静電潜像現像剤を構成するにあたり、研磨剤微粒子が導電性チタニアであることが好ましい。
このように構成することにより、キャリアの帯電量が上昇するので、キャリアがトナーとともに感光体に移行することを効率的に防止することができる。
また、導電性チタニアは白色性が高いため、この研磨剤を固着させたトナー母材をカラー化した場合おいても、研磨剤の色によってトナーの色が濁ることを回避することができる。また、導電性チタニアは化学的に安定であるので、種々の色成分のカラートナーと組み合わせることができる。さらに、導電性チタニアは、熱に対しても安定であるので、現像された可視像を加熱定着する上で好適である。
本発明によれば、(a)の磁性樹脂被覆キャリアと(b)の磁性粉体キャリアとからなる混合キャリアを用いることにより、安定して画像形成することが可能な、寿命の長い静電潜像現像剤が得られる。さらに、配合比を広い範囲で変えることができるので、必要な帯電量を任意に設定してトナーに安定して賦与することができる
また、現像剤に研摩性トナーを含有した場合、感光体の表面を適当な力で研摩してクリーニングすることができる。その結果、リーク電流の発生に起因した像流れの発生を抑制することができる。
なお、研摩性トナーを含有した本発明の現像剤を、本来的に摩耗しにくく長期使用可能な感光体であるα−Si感光体を備えた画像形成装置に用いれば、感光体をさらに長期使用できるようになる。その結果、現像剤の長寿命化のみならず、長寿命のプリンタを提供することが可能となる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の静電潜像現像剤は、
(a)キャリア芯材としての磁性粒子の表面で、エチレンモノマーを直接重合させて得られた高分子量ポリエチレン樹脂からなる被覆層を有する磁性樹脂被覆キャリアと、
(b)実質上磁性粒子そのものからなる磁性粉体キャリアと、
(c)トナーの母材の表面に研磨剤微粒子が固着された研摩性トナーと、
を含有している。
[I]磁性樹脂被覆キャリア
1.キャリア芯材
(1)材質
本発明に用いられるキャリア芯材の材質としては、公知の電子写真用二成分系キャリアが使用可能であるが、具体的に、以下の種類を挙げることができる。
(i) フェライト、マグネタイト、および、鉄、ニッケル、コバルト等の金属
(ii) (i)に挙げた金属等と、銅、亜鉛、アンチモン、アルミニウム、鉛、スズ、ビスマス、ベリリウム、マンガン、マグネシウム、セレン、タングステン、ジルコニウム、バナジウム等の金属との合金又は混合物
(iii) (i)に挙げた金属等と、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウ等の金属酸化物、窒化クロム、窒化バナジウム等の窒化物、炭化ケイ素、炭化タングステン等の炭化物との混合物
(iv) 強磁性フェライト
(v) (i)〜(iv)の混合物
(2)形状、粒径
キャリア芯材の形状としては、特に制限されるものではなく、球形、不定形等のいずれであっても良い。ただし、均一に帯電しやすいことから、球形であることが好ましい。
また、キャリア芯材の平均粒径についても、例えば、20〜120μmの範囲内の値とすることが好ましく、より好ましくは、25〜80μmの範囲内の値とすることが望ましい。
この理由は、キャリア芯材の平均粒径が20μm未満の値となると、静電潜像担持体(一般的には感光体)へのキャリア付着(飛散)を生ずる場合があるためであり、一方、かかる平均粒径が120μmを超えると、キャリア筋などが発生し、画質特性の劣化(画像濃度の低下)を来す場合があるためである。
(3)キャリア芯材の割合
キャリア芯材の割合を、キャリア全体を100重量%としたときに、90重量%以上の値とすることが好ましく、95重量%以上の値とすることがより好ましい。
この理由は、かかるキャリア芯材の割合が90重量%未満の値となると、磁性力が低下し、トナーの搬送性が低下する場合があるためである。また、キャリア芯材の割合は、キャリアの被覆層の厚さを間接的に規定することになるが、キャリア芯材の組成割合が90重量%未満となると、被覆層が過度や不均一な厚さとなる場合があるためである。このため、キャリアを現像剤に適用した場合に、被覆層の剥がれや、帯電量の増大等の問題が生じたり、あるいは、現像剤に要求される耐久性、電荷の安定性を満足できない場合があるためである。さらに、キャリア芯材の割合が90重量%未満となると、画質的にも細線再現性が劣り、画像濃度が低下する場合があるためである。
一方、キャリア芯材の組成割合の上限については、被覆樹脂層がキャリア芯材および磁性粉を完全に覆う程度とすることが好ましく、具体的に、99.5重量%以下の値とすることが好ましく、99.0重量%以下の値とすることがより好ましい。
なお、キャリア芯材の割合の好ましい範囲は、キャリア芯材の物性や被覆方法により若干異なる場合がある。
(4)導電層
キャリア芯材粒子上に、高分子量ポリエチレン樹脂による被覆に先立って、体積抵抗値が1×102〜1×1010Ω・cmの範囲内の値を示す導電層を設ける
ことも好ましい。このような導電層を設けることにより、より優れた現像性が得られ、画像濃度が高く、コントラストの鮮明な画像を得ることができる。これは、導電層の存在により、キャリアの電気抵抗が適度に低下し、電荷のリーク、蓄積がバランス良く行われるためと考えられる。
また、導電層の種類としては、導電性微粒子が適当な結着樹脂中に分散されたものを用いることが好ましい。このような導電性微粒子としては、カーボンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、SiCなどの炭化物、マグネタイトなどの磁性粉、SnO2、チタンブラック等を挙げることができる。
一方、結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリブチラール系樹脂、尿素系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。さらに、これらの樹脂の混合物(ポリマーブレンド)、共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体等も挙げることができる。
また、導電性微粒子の大きさや添加量等は、最終的に得られるキャリアの電気抵抗等の諸特性を満足する限りにおいて特に制限されるものではないが、例えば、導電性微粒子の平均粒径を、樹脂溶液中に均一に分散できる程度の粒径、具体的には、0.01〜2.0μmの範囲内の値とすることが好ましく、より好ましくは、0.01〜10μmの範囲内の値とすると良い。
また、導電性微粒子の添加量としても、導電性微粒子の種類によっても多少変わるが、導電層の結着樹脂に対して0.1〜60重量%の範囲内の値、好ましくは、0.1〜40重量%の範囲内の値とすることが適当である。特に、キャリアの充填率が90重量%を程度と小さく、被覆層の厚さが比較的厚い場合、このようなキャリアを使用して細線の連続コピーを行うと、その再現性が低下するという問題が発生する場合があるが、上述した導電性微粒子を添加することにより、効率的に防止することができる。
また、導電層の形成方法についても、特に制限されるものではないが、導電性微粒子を結着樹脂に分散させた溶液をキャリア芯材表面に対して、スプレーコーティング、ディッピング等を用いて塗布することにより形成することができる。
また、キャリア芯材、導電性微粒子および結着樹脂を溶液、混練粉砕することによっても導電層を形成することが可能である。さらに、導電性微粒子の存在下において、重合性モノマーをキャリア芯材粒子表面で直接重合することによっても形成可能である。
なお、キャリア芯材粒子上に導電層等の機能層が形成されたものについても、単にキャリア芯材粒子と称する場合がある。
2.高分子量ポリエチレン樹脂からなる被覆層
(1)高分子量ポリエチレン樹脂
被覆層を構成する高分子量ポリエチレン樹脂は、通常、単にポリエチレンと呼ばれるが、本発明においては、分子量範囲として、数平均分子量が1万以上、又は、重量平均分子量が5万以上のものが好ましく、より好ましくは、数平均分子量を4万以上、又は重量平均分子量が20万以上のポリエチレン樹脂である。
この理由は、数平均分子量が1万未満となると、ポリエチレン樹脂はワックス状となり、熱トルエンなどに溶解させた後、通常の浸透法やスプレー法により被覆することができるものの、機械的強度が弱いため、長時間使用すると現像器内での剪断力(シェア)等により、キャリア芯材から剥がれてしまう場合があるためである。
なお、高分子量ポリエチレン樹脂からなる被覆層中に、導電性微粒子や、荷電制御能を有する耐電特性微粒子等の一種単独または二種以上の組み合わせからなる機能性樹脂を添加することも好ましい。
(2)被覆層
(i)被覆層の形成方法
高分子量ポリエチレンからなる被覆層の形成方法としては、直接重合法を採用することが好ましいが、例えば、浸漬法、流動床、乾式法、スプレードライ等の形成方法と組み合わせることも好ましい。
ここで、直接重合法とは、キャリア芯材の表面を予めエチレン重合用触媒で処理しておき、次いで、表面上の直接エチレンを重合(生成)させながらポリエチレン樹脂被覆キャリアを製造する方法をいう。すなわち、エチレン重合用触媒として、チタンおよびジルコニウム或いはいずれか一方を含有するとともに、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン等)に可溶な高活性触媒成分およびキャリア芯材を予め接触処理して得られる固体生成物に有機アルミニウム化合物を添加した後、これを炭化水素溶媒に懸濁させ、さらにエチレンモノマーを供給して、キャリア芯材の表面で重合させることにより、ポリエチレン樹脂被覆層を形成する方法をいう。
この形成方法によれば、キャリア芯材の表面上に、ポリエチレン被覆層を直接形成するので、得られる被覆層は、薄い上に、強度や弾性力に優れ、キャリアの耐久性が優れたものとなる。
なお、このような直接重合法の詳細については、例えば、特開昭60−106808号公報および特開平2−187770号公報に記載されており、それと同様の方法を挙げることができる。
また、被覆層中に、荷電付与機能を有する微粒子や導電性微粒子を添加する場合には、被覆層の形成時にそれらをエチレンモノマーに添加して共存在させておけば良い。例えば、重合系中に導電性微粒子や、荷電制御能を有する機能性微粒子を分散しておくと、被覆層が重合されて形成されていく際に、機能性微粒子等が取り込まれ、機能性微粒子等を含有した被覆層を容易に形成することができる。
(ii)被覆量
高分子量ポリエチレンの被覆量を、[高分子量ポリエチレン樹脂被覆]/[キャリア芯材粒子]の重量比で表した場合に、0.5/99.5〜10/90の範囲内の値となるように形成することが好ましく、より好ましくは、1/99〜5/95の範囲内の値とすることがである。
この理由は、かかる重量比が10/90よりも大きくなると、被覆層が相対的に厚くなり、被覆層が剥がれたり、荷電の安定性を満足することができない場合があるためである。また、画質的にも、細線再現性が劣り、画像濃度が低下する等の問題が生じる場合があるためである。一方、かかる重量比が0.5/99.5よりも小さくなると、被覆層が相対的に薄くなり、キャリア芯材および磁性粉を完全に覆うことが困難となる場合があるためである。
(iii)シリカ粒子
また、被覆層中に、例えば表面疎水化処理し、正帯電特性又は負帯電特性を有するシリカ粒子を添加することが好ましい。
このようにシリカ粒子を添加することにより、キャリアの帯電性制御が容易となり、また、被覆層の機械的強度を向上させることができる。
また、シリカ粒子の平均粒径を、一次粒径として40nm以下の値とすることが好ましく、10〜30nmの範囲内の値とすることがより好ましい。この理由は、シリカ粒子の一時粒径が40nmを超えると、シリカ粒子どうしの間隙が大きくなり、キャリア表面に凹凸が発生し、流動性が低下する場合があるためである。
このようなシリカ粒子の市販品としては、正帯電特性シリカとして、日本アエロジル社製のR812、RY20(商品名)、ワッカーケミカルズ社製の2000、2000/4(商品名)等を挙げることができる。
なお、正帯電トナーの帯電量を上げる場合には、負帯電特性を有するシリカ粒子を使用し、負帯電トナーの帯電量を上げる場合には、正帯電特性を有するシリカ粒子を添加することが好ましい。また、トナーの帯電量を下げる場合には、トナーと同一極性のシリカ粒子を使用することが好ましい。
(iv)機能性微粒子
次に、シリカ粒子以外の機能性微粒子について説明する。被覆層中には、導電性微粒子や荷電制御能を有する帯電特性粒子の一種単独または二種以上の組み合わせを添加して改質することも好ましい。このような導電性微粒子としては、従来公知のものが使用できる。例えば、カーボンブラック、SiC等の炭化物、マグネタイト等の導電性粉、SnO2、チタンブラック等を用いることができる。また、導電性微粒子の平均粒径は、0.01〜2.0μmの範囲内が好ましい。
また、帯電特性粒子としては、例えば、下記の負帯電特性樹脂(A)と正帯電特性樹脂(B)とを挙げることができる。
(A)負帯電特性樹脂
負帯電特性樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂(例えば、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン〜六フッ化エチレン共重合体樹脂等)、塩化ビニル系樹脂、セルロイド)等を挙げることができる。
(B)正帯電特性樹脂
正帯電特性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−11等)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、ABS、AS、AAS等)、塩化ビニリデン樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリオキシベンゾイル、ポリカーボネート等)、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル等)、ポリエチレン系樹脂(例えば、EVE、EEA、EAA、EMAA、EAAM、EMMA等)が挙げられる。
3.導電特性
磁性樹脂被覆キャリアの導電特性については、キャリアを用いた現像システムによって、最適値は若干変化するものの、例えば、体積抵抗値において、1×102〜1×1014Ω・cmの範囲内の値を示すものが好ましく、1×103〜1×1010Ω・cmの範囲内の値を示すものがより好ましく、1×104〜1×109Ω・cmの範囲内の値を示すものがさらに好ましい。
この理由は、体積抵抗値が、1×102Ω・cm未満の値となると、キャリア引き現像や、カブリの発生を抑制することが困難となる場合があるためである。一方、体積抵抗値が、1×1014Ω・cmを超えると、画像濃度の低下により画質の劣化を抑制することが困難となる場合があるためである。
なお、キャリアの体積抵抗値は、上下の電極(電極面積5cm2)間に、測定対象のキャリアを挟み込み、荷重1kgの条件で押圧して0.5cmの厚さに調整した後、上下の電極間に1〜500Vの電圧を印加し、流れる電流値を測定することにより算出することができる。
4.平均粒径
また、磁性樹脂被覆キャリアの平均粒径についても、特に制限されるものではないが、例えば、かかる平均粒径を20〜120μmの範囲内の値とすることが好ましく、20〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜80μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、キャリアの平均粒径が20μm未満となると、キャリア現像が生じたり、かぶりが生じる場合があるためである。一方、かかる平均粒径が120μmを超えると、キャリアの搬送性が低下する場合があるためである。
5.作用
上述した磁性樹脂被覆キャリアは、真比重、見掛け比重がともに磁性粉体キャリアよりも小さい。このため、この磁性樹脂被覆キャリアは、単位重量あたりの表面積が大きく、少量でもトナー粒子への帯電賦与能力を有する。
さらに、この磁性樹脂被覆キャリアは、混合、攪拌時に大きな剪断力が掛かる小型プリンタの現像器においてもスペントの発生が少ない上、磁性粉体キャリアの攪拌時の衝撃も緩和することができる。また、磁性樹脂被覆キャリアは、表面
コーティングなどの表面処理がしてあっても、攪拌時のストレスが比較的小さいため、研摩性トナーによっても表面コーティング材(表面処理材)が研摩、剥離されにくいという特徴がある。
[II]磁性粉体キャリア
(1)構成
(i)種類
磁性粉体キャリアとしては、例えば、鉄、マグネタイト又はフェライト等の実質的に磁性粉からなる磁性体粒子を用いることができる。
ただし、耐湿性を向上させるために、磁性粉の表面に樹脂皮膜を形成することも好ましい。このような樹脂皮膜を形成する樹脂としては、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエチレン系樹脂が挙げられる。これらの樹脂のうち、防湿性や滑性が優れていることから、シリ
コーン系樹脂が特に好ましい。
なお、磁性粉体キャリアにおいて、樹脂皮膜を形成する場合、その樹脂皮膜量を、磁性粉体キャリアの全体量に対して、0.01〜1重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
(ii)嵩密度
また、磁性粉体キャリアの嵩密度を、磁性樹脂被覆キャリアの嵩密度よりも高くすることが望ましい。例えば、磁性樹脂被覆キャリアの嵩密度を2.3g/cm3未満の値とするのに対して、磁性粉体キャリアの嵩密度を2.3g/cm3以上の値とすることが好ましい。
このように構成すると、磁性粉体キャリアが、磁性樹脂被覆キャリアを引き付けて、キャリアが感光体表面に付着するキャリア引きの発生をより効率的に抑制することができる。
(iii)平均粒径
また、磁性粉体キャリアの平均粒径を、20〜130μmの範囲内の値とすることが好ましく、20〜110μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜90μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、磁性粉体キャリアの平均粒径が20μmとなると、キャリア引き現像が生じたり、かぶりが生じる場合があるためである。一方、かかる平均粒径が130μmを超えると、磁性粉体キャリアによるトナーの搬送性が低下する場合があるためである。
(iv)配合比
(b)磁性粉体キャリアと、上述した(a)磁性樹脂被覆キャリアとの配合比は幅広く設定することができるが、例えば、配合比(a)/(b)が、重量比で85/15〜45/55の範囲内の値とすることが好ましく、75/25〜50/50の範囲内の値とすることがより好ましく、70/30〜40/60の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる配合比(a)/(b)が、85/15よりも小さいと、(a)の磁性樹脂被覆キャリアの欠点を(b)の磁性粉体キャリアで十分に補うことができ、例えば、トナーの搬送性を向上させることにより、画像濃度の低下やドット再現性の悪化を抑制することができる。さらに、使用に伴う帯電量の増加も抑制することにより、静電潜像現像剤の長寿命化を図ることができるためである。
一方、かかる配合比(a)/(b)が、45/55よりも大きいと、(b)の磁性粉体キャリアの欠点を(a)の磁性樹脂被覆キャリアで十分に補うことができ、帯電不良によるカブリの発生を抑制することができる。さらに、スペントによる帯電不良の悪化も抑制して、静電潜像現像剤の長寿命化を図ることができる。さらに、50/50よりも大きければ、より効果的に抑制することができる。
さらに、磁性樹脂被覆キャリア、磁性粉体キャリアおよびトナーを混合して静電潜像現像剤を構成する場合には、それぞれ、重量比で、60〜80:40〜20:4〜6の範囲内であることがより好ましい。
(2)作用
上述したように磁性粉体キャリアを磁性樹脂被覆キャリアと併用することにより、スリーブからの穂立ちがこの高磁力を有する磁性粉体キャリアを中心とした穂立ちとなるので、キャリアが現像ゾーンから離れるときに、磁性樹脂被覆キャリアが高磁力キャリアに吸い寄せられることになる。その結果、磁性樹脂被覆キャリアがトナーとともに感光体に移行するキャリア引きの発生を防止することができる。
すなわち、磁性粉体キャリアを併用せずに、磁性樹脂被覆キャリアを単独で用いると、磁性樹脂被覆キャリアは比重が小さく、しかも重量あたりの電荷(比電荷Q/M)が大きく、磁力が比較的弱いため、キャリア引きが発生しやすいためである。
なお、キャリア引きを防止するために、磁性樹脂被覆キャリアの平均粒径(例えば100μm超える値)に設定することも考えらえるが、画質が粗くなり、トナー濃度を向上させることが困難となる場合がある。
また、磁性樹脂被覆キャリアと磁性粉体キャリアとを併用することにより、磁性樹脂被覆キャリアに帯電する電荷の増加を磁性粉体キャリアが除去することができる。
したがって、現像時のキャリア及びトナーの帯電量を安定化させることができ、その結果、キャリアによるトナーの帯電保持力が、感光体の静電潜像上の電位差によるトナーの吸引力より勝ってしまうという事態の発生を回避することができる。
これにより、キャリアが搬送してきたトナーを静電潜像上に十分に付着させることができるので、画像濃度の低下や、ドット再現性の悪化を防ぎ、静電潜像現像剤の寿命を長くすることができる。
[III]研摩性トナー
(1)構造
図1を参照しながら、(c)研摩性トナーの構造について説明する。図1は、(c)の研摩性トナーのモデル図であり、トナー11がトナー母粒子13の表面に研磨剤微粒子15が固定されていることを表している。
トナー母粒子の表面への研磨剤微粒子の固着は、例えば、トナー母粒子と研磨剤微粒子とを均一に混合し、トナー母粒子の表面に研磨剤微粒子を付着させた後、機械的又は熱的な衝撃を与えて研磨剤微粒子をトナー母粒子中に打ち込むようにして行われる。すなわち、研磨剤微粒子は、トナー母粒子中に完全に埋没するのではなく、その一部分をトナー母粒子の表面から突き出した状態で固定することが好ましい。
(2)製法
研磨剤微粒子の固着装置は、表面改質装置やシステムとして市販されており、その一例を挙げれば、下記の通りである。例えば、乾式メカノケミカル法によるものとしては、岡田精工株式会社製のメカノケミカル(商品名)、ホソカワミクロン株式会社製のメカノフュージョンシステム(商品名)が挙げられる。また、高速気流中衝撃法によるものとしては、株式会社奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム(商品名)や、川崎重工株式会社製のクリプトロンシステム(商品名)を挙げることができる。
さらに、湿式法によるものとしては、日清製粉株式会社製のディスパーコート(商品名)や、フロイント産業株式会社製のコートマイザー(商品名)を挙げることができる。
また、熱処理法によるものとしては、日本ニューマチック工業株式会社製のサーフュージング(商品名)を挙げることができる。
また、その他の方法による固着装置としては、大川原化工機株式会社製のスプレードライ(商品名)を挙げることができる。
(3)研磨剤微粒子
(i)種類1
研磨剤微粒子の種類としては、硬度が大きな微粒子、例えば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン(チタニア)等の金属酸化物等の微粒子が挙げられる。
特に酸化チタンは、白色性が高いため、この研磨剤を固着させたトナー母材をカラー化した場合おいても、研磨剤の色によって、トナーの発色性が低下することを回避できることから好ましい。また、酸化チタンは化学的に安定であるので、種々の色成分のカラートナーと組み合わせることができる。さらに、酸化チタンは、熱に対しても安定であるので、現像された可視像を加熱定着する上で好適である。
(ii)種類2
また、研磨剤微粒子は、体積抵抗値が0.1〜100Ω・cmの範囲の導電性を示すことが好ましい。この理由は、導電性研磨剤微粒子を使用することにより、キャリアの帯電量が上昇するので、キャリアがトナーとともに感光体に移行することを効率的に防止することができる。
なお、導電性の研磨剤微粒子は、電気絶縁性の研磨剤微粒子に対して、酸化スズ処理や、酸化インジウム処理等の導電化処理を施すことにより容易に得ることができる。
(iii)硬度
また、感光体の表面保護層31(図3参照)として、アモルファス−シリコンカーバイド(SiC)層を有するアモルファスシリコン感光体(α―Si感光体)への適用を考えると、研摩剤微粒子のモース硬度を8以上の値、好ましくは、8〜9の範囲内の値とすることが好ましい。すなわち、SiC層のモース硬度が8程度であるので、このような硬度を有する研摩剤微粒子を用いることにより、優れた研磨効果を得ることができる。
(iv)平均粒径
また、研磨剤微粒子の平均粒径に関して、トナー母粒子の平均粒径をD、研磨剤微粒子の平均粒径をdとしたときに、D/d=10〜50の範囲内となることが好ましく、D/d=10〜40の範囲内となるような平均粒径を有することがより好ましい。
この理由は、研磨剤微粒子が、トナー母粒子の表面にしっかりと固定され、また、研磨剤微粒子による研摩効果が大きくなるためである。
なお、研磨剤微粒子は、帯電調整や阻止化の目的で、その表面に表面処理を施しても良い。また、流動性等を調整する目的で、他の微粒子を併用しても良い。
(4)トナー母粒子
トナー母粒子としては、従来のトナーにおける同様の構成のものが用いられ、例えば、バインダー樹脂、着色剤、荷電制御剤、オフセット防止剤等を配合して構成することができる。また、磁性体を添加して、磁性トナーとすることもできる。
このようなバインダー樹脂としては、スチレン−アクリル共重合物等のビニル系樹脂や、ポリエステル系樹脂などが用いられる。また、着色剤としては、カーボンブラックをはじめ各種の顔料、染料が用いられる。なお、複数の顔料を用いることにより、カラートナーとしても良い。また、荷電制御剤としては、第4級アンモニウム化合物、ニグロシン、ニグロシン塩基、クリスタルバイオレッド、トリフェニルメタン化合物等が用いられる。また、オフセット防止剤、定着向上助剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン或いはその変性物等のオレフィンワックス等を用いることができる。さらに、磁性体としては、マグネタイト、フェライト等が使用できる。
そして、トナー母粒子は、従来公知の方法により、例えば、2軸押し出機、ニーダ等で各成分を溶融混練後、ジェットミル等で粉砕し、分級することにより得られる。トナーの平均粒径は、一般に20μm以下が好ましく、より好ましくは、15μm以下である。
(5)作用
上述したような研摩性トナーを用いると、現像剤の攪拌、混合時に、トナー11が磁性粉体キャリアの表面を研摩して、磁性粉体キャリア表面に融着したスペント物を研摩除去する。したがって、スペントは、一定量以上、堆積、成長することがなく、長期間にわたって安定した画像品質が得られる。
なお、スペント量は、抵抗値と全炭素質からの両方のキャリアに対するスペント量として定量される。
さらに、研摩性トナーを用いて、静電潜像を現送して画像形成を行うと、現像時、感光体のクリーニング時のように、トナーが感光体の表面層と接触、摩擦する際に、感光体表面に効果的に研摩することができる。特に、SiC層を表面相とするα−Si系感光体に効果的である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の静電潜像現像剤(現像剤)を用いた画像形成方法に関する実施形態について説明する。
(1)感光体
先ず、図2を参照して、現像剤を適用する画像形成装置の感光体の構成について説明する。
図2は、感光体ドラムの感光層の層構成を説明するための要部断面模式図である。図2に示すように、この感光体21の感光層は、導電性基体23上に、Si:Ge:H等からなる光吸収層25、Si:H:B:O等からなるキャリア注入阻止層27、Si:H等からなるキャリア励起・輸送層29(光導電層)、及び、表面保護層31が順次に形成された層構成を有する。
この表面保護層(SiC層とも称する場合がある。)31は、例えば厚さが0.3〜1×10μm程度のSiC、より好ましくは、α−SiC(アモルファス−シリコンカーバイト)から形成されている。このSiC層の表面は、平滑でなく、微小な突起物(コーン)が表面に多数存在している。また、このSiC層は、親水性が強く、コロナ放電によって生じるイオン生成物が付着する。
このため、連続プリントを行ったり、高湿条件下でプリントを開始すると、トナーの感光体ドラムへの付着及びトナーフィルミングが発生するとともに、イオン生成物として硝酸アンモニウム等の親水性化合物の付着等が発生する。このため、感光体の電荷がリークして、いわゆる「像流れ」の現象が発生する。しかも、これらの生成物は、表面保護層31であるSiC層の微小突起物どうしの間に溜まる傾向が強いため、通常のクリーニングでは像流れを防止できない。
これに対して、(c)の研摩性トナーは、研磨剤微粒子15により、SiC層の微小突起物の先端付近を研摩してSiC層の表面を平滑化するとともに、微小突起物どうしの間に堆積したイオン生成物を取り除いて像流れを防止して、現像安定性の確保に寄与する。
しかも、この研摩性トナーは、トナーの表面に研磨剤微粒子が設けられているため、過度に研磨力を発揮することがない。したがって、クリーニングブレードや摺擦ローラ等で研摩された場合においても、α−Si感光体表面に大きな傷を付けることがない。
(2)画像形成方法
次に、図3を参照して、本発明の静電潜像現像剤を用いて画像形成する方法について、画像形成装置の構成例とともに説明する。
図3は、画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
なお、この画像形成装置は、摺擦ローラ(圧接部材)49が設けられている点を除いて、従来の一般的な画像形成装置と変わるところがない。また、図3においては、キャリアの図示を省略する。
ドラム状のα−Si感光体21の周囲には、コロナ帯電器41、LEDヘッド43(露光器)、現像ローラ45、転写機47、摺擦ローラ49、クリーニングブレード51が配設されている。コロナ帯電器41による感光体21の表面の均一帯電、LEDヘッド43による選択画像露光による静電潜像の形成後に、現像ローラ45により現像剤61が感光体21の表面に供給され、現像によりトナー11からなる可視像が形成される。このとき、現像剤61中のトナー11により、感光体21の表面が摩擦されて、表面のSiC層(図示せず。)が研摩される。
また、研磨剤微粒子15は、トナー母粒子13にしっかりと固定されているので、脱落することなく、現像不良、画像欠陥などの原因となることがない。
また、感光体21の表面のトナー11は、転写機47により紙63(被転写材)に転写され、続いて、定着器(図示せず)により、紙63上に定着される。
転写工程においては、感光体21の表面上のトナー11がすべて紙63に転写されるのではなく、一部分のトナー11(残存トナー)が感光体21上に残る。この残存トナー11は、摺擦ローラ49により感光体21の表面に対して圧接され、表面のSiC層を研摩し、さらに、トナー11の研磨剤微粒子15による研摩効果が大きくなる。
次に、感光体21上の残存トナー11は、クリーニングブレード51により感光体21の表面から除かれるが、このときも、感光体21上の残存トナー11は、クリーニングブレード51と感光体21との間にかけられる機械的な力により、トナー11の研磨剤微粒子15によって、感光体21の表面のSiC層が研摩される。
また、摺擦ローラ49としては、弾性ローラが用いられ、感光体21の表面に対して摺擦ローラ49を圧接するとともに、感光体21に対してずり応力が掛かるように回転させることにより、感光体21の表面(図示せず。)が研摩、クリーニングされる。
また、感光体21の内面にヒータを取付けて加熱することにより、像流れ防止効果をさらに改善することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(1)磁性樹脂被覆キャリアの製造
(i)チタン含有触媒成分の調製
アルゴン置換した内容量500mlのフラスコに、室温にて脱水n−ヘプタン200ml及び予め120℃で減圧(266kPa(2mmHg))脱水したステアリン酸マグネシウム1.5g(25ミリモル)を入れて、スラリー化した。攪拌下に四塩化チタン0.44g(2.3ミリモル)を滴下した後、昇温を開始し、還流下にて1時間反応させ、粘性を有する透明なチタン含有触媒(活性触媒)を得た。
(ii)チタン含有触媒成分の活性評価
アルゴン置換した内容積1リットルのオートクレーブ内に、脱水ヘキサン400ml、トリエチルアルミニウム0.8ミリモル、ジエチルアルミニウムクロリド0.8ミリモル、および、上記(i)で調製されたチタン含有触媒をチタン原子として0.004ミリモルを採取してそれぞれ投入し、90℃に昇温した。このとき、内圧は147kPa(1.5kg/cm2G)であった。
続いて、このオートクレーブ内に水素を供給し、539kPa(5.5kg/cm2G)に昇圧した後、全圧が931kPa(9.5kg/cm2G)に保たれるようにエチレンを連続的に供給した。その状態でエチレンの重合を1時間行い、70gのポリエチレンを得た。重合活性は、365kg/g・Ti/Hrであり、得られたポリエチレンのMFR(190℃、21.168N(荷重2.16kg)における、JIS K 7210に基づいて測定した溶融流れ性)は、40g/分であった。
(iii)ポリエチレン被覆キャリアの製造
アルゴン置換した内容積2リットルのオートクレーブ内に、焼結フェライト粉F−2535(商品名)(パウダーテック社製、平均粒径65μm)960gを収容し、80℃まで昇温し、1時間減圧(1330kPa(10mmHg))乾燥を行った。その後、40℃まで降温して、脱水ヘキサン800mlを収容し、攪拌を開始した。
続いて、ジエチルアルミニウムクロリド5.0ミリモルおよび上記(i)で調製したチタン含有触媒成分をチタン原子として0.05ミリモル添加した後、30分間反応を行い、さらに90℃まで昇温し、エチレンを4g導入した。このとき、オートクレーブの内圧は294kPa(3.0kg/cm2G)であった。その後、水素を供給し、内圧を313.6kPa(3.2kg/cm2G)に昇圧させるとともに、トリエチルアルミニウム5.0ミリモルを添加して重合を開始したところ、約5分間で内圧は225.4kPa(2.3kg/cm2G)まで低下して安定した。
次に、オートクレーブ内に、カーボンブラック(三菱化学社製、MA−100(商品名))5.5gと、脱水ヘキサン100mlとからなるスラリーを投入し、さらに、内圧を421.4kPa(4.3kg/cm2G)に保つようにエチレンを連続的に供給しながら、系内にエチレンを合計量で40g供給した時点で供給を停止するとともに、45分間、直接重合を行った。このようにして1005.5gのカーボンブラック含有ポリエチレン樹脂被覆フェライトを得た。
得られたカーボンブラック含有ポリエチレン樹脂被覆フェライトを乾燥した粉末は、均一の黒色を呈していた。そして、電子顕微鏡写真により、フェライト表面は薄くポリエチレン樹脂により覆われており、カーボンブラックはそのポリエチレン樹脂中に均一に分散していることが観察された。
なお、このカーボンブラック含有ポリエチレン樹脂被覆フェライトの組成比をTGA(熱天秤)により測定したところ、フェライト:カーボンブラック:ポリエチレンの組成比は、重量比で90.5:0.5:4.0であった。
また、得られたカーボンブラック含有ポリエチレン樹脂被覆フェライトにおける被覆ポリエチレンの重量平均分子量を、GPCを用いて測定したところ、206,000であった。
次に、このカーボンブラック含有ポリエチレン樹脂被覆フェライトを、125μmの篩で分級し、125μm以上の大粒径粒子を除去した。分級後のカーボンブラック含有ポリエチレン樹脂被覆フェライトを塔径14cmの流動層型気流分級機中に入れ、分級機本体の気流線速が20(cm/s)になるように熱した空気(115℃)を導入して、カーボンブラック含有ポリエチレン樹脂被覆フェライトを10時間流動させて、一次キャリアとした。
このようして得られた一次キャリア10kgを容量20リットルのヘンシェルミキサ(三井三池化工機社製、FM20C/I型(商品名))中に収容し、ヘンシェルミキサの周に設けたジャケットに温水を流入することにより、ヘンシェルミキサ内の温度(処理温度)を70℃とした。その温度を70℃に保持したまま、2.0時間攪拌し、機械的衝撃を与えることにより、この一次キャリアの表面を平滑化した。
その後、ヘンシェルミキサにより発生した微粉や、凝集粉を完全に除去する目的で、篩処理(#125メッシュ)および分級処理(流動層型気流分級機使用、線速20cm/s、2時間)をして、磁性樹脂被覆キャリア(二次キャリアと称する場合がある。)を得た。
得られた磁性樹脂被覆キャリアの表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、表面にポリエチレン被覆層が形成されており、表面は極めて平滑であり、全体として真球に近いことを確認した。
そして、得られた磁性樹脂被覆キャリアの特性は、表1のA欄に示すように、平均粒径が75μm、体積抵抗値が1×1010Ω・cm、嵩密度が2.1g/cm3、飽和磁化が62emu/g(130.2emu/cm3)であった。
なお、本発明で用いる磁性樹脂被覆キャリアにはポリエチレン被覆がなされているため、キャリアとしての嵩密度が、通常のキャリアの嵩密度(例えば、Cu−Zn系のキャリアにおいては2.7〜3.3g/cm3程度)よりも低く、このため感光体と現像ローラとの間での磁気特性が低下する傾向がある。しかし、上記のように62emu/gという一般的な飽和磁化の値が得られたので、実用上問題ない。
Figure 2005250516
なお、上記の表1においては、体積抵抗値の欄において、便宜的に「1×1010」を「1E+10」と表記し、「1×108」を「1E+08」と表記し、「1×1015」を「1E+15」と表記している。
また、上記の表1においては、「cm3」を便宜的に「cm^3」と表記している。
(2)磁性粉体キャリアの製造
本実施例では、磁性粉体キャリアの製造にあたり、Fe23およびCuO・ZnO系の複合フェライトを用いた。
そして、得られた未被覆の磁性粉体キャリアの特性は、上記の表1のB欄に示すように、平均粒径が90μm、体積抵抗値が1×108Ω・cm、嵩密度が2.7g/cm3、飽和磁化が64emu/g(172.8emu/cm3)であった。
(3)研摩性トナーの製造
本実施例では、研摩性トナーの製造にあたり、下記の材料を高速ミキサーにより十分混練、粉砕して分級し、平均粒径10μmのトナー母粒子を得た。
スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体 90重量部
(共重合比80/20)
カーボンブラック 5重量部
(三菱化成工業(株)製、MA−100(商品名))
ポリプロピレンワックス 3重量部
(三洋化成工業(株)製、ビスコール(商品名))
帯電制御剤 2重量部
(ヘキスト社製、コピーブルーPR(商品名))
このトナー母粒子に対して、研磨剤微粒子として、アナタ−ゼ結晶構造を有する導電性チタニア(TiO2)を1.5重量%添加した。なお、この研摩剤微粒子の一次粒子径は、0.1〜0.5μm、体積抵抗値は10〜1×103Ω・cmの範囲内であり、疎水化処理(本実施例では、チタネート処理)が施された表面性を有している。また、トナー母粒子に対する研磨剤微粒子の添加量は、0.5〜3重量%の範囲内であった。
そして、得られた研摩性トナーの特性は、表1のC欄に示すように、平均粒径が90μm、体積抵抗値が1×108Ω・cm、嵩密度が2.7g/cm3、飽和磁化が64emu/g(172.8emu/cm3)であった。
次に、上記のようにして製造した磁性被覆樹脂キャリア(a)、磁性粉体キャリア(b)及び研摩性トナー(c)をA:B:Cの互いに異なる重量比でそれぞれ混合して、第1〜第4実施例及び第1及び第2比較例の静電潜像現像剤を調製した。
先ず、第1実施例では、現像剤の配合比を、A:B:C=80:20:5とした。
また、第2実施例では、現像剤の配合比を、A:B:C=60:40:5とした。
また、第3実施例では、現像剤の配合比を、A:B:C=40:60:5とした。
また、第4実施例では、現像剤の配合比を、A:B:C=20:10:5とした。
また、第1比較例では、現像剤の配合比を、A:B:C=100:0:5とした。
また、第2比較例では、現像剤の配合比を、A:B:C=0:100:5とした。
そして、上記の各実施例及び各比較例の配合比における現像剤について、帯電量及び流動性をそれぞれ測定した。帯電量の測定は、トレック社製のQMメータ法により行った。また、流動性の測定は、JIS Z−2502法により行った。そして、測定結果を下記の表2に示す。
Figure 2005250516
さらに、この測定結果を図4のグラフに示す。図4のグラフの横軸上に、上記の六通りの配合比を与え、左側の縦軸は帯電量(μC/g)を表し、右側の縦軸は流動性(落下時間:秒)を表す。
そして、グラフ中の曲線Iは、帯電量の測定結果の白丸プロットを結んだものである。また、曲線IIは、流動性の測定結果の白四角プロットを結んだものである。
図4のグラフの曲線Iに示すように、帯電量は、(a)の磁性樹脂被覆キャリアの割合が高いほど高くなる傾向を示す。これに対して、曲線IIに示すように、流動性は、(b)の磁性粉体キャリアの割合が高いほど高くなる傾向を示す。
そして、安定した画像形成を行うためには、現像剤には、一定以上の帯電量及び流動性を確保する必要がある。
このような条件を満たす範囲として、曲線I及び曲線IIから判断して、(a)/(b)の値が85/15〜45/55の範囲内であることが望ましい。特に、(a)/(b)の値が75/25〜50/50の範囲内ならば、15μC/g以上の帯電量を確保するともに、35秒以下の流動性を確保することができることがわかる。さらに、(a)/(b)の値が70/30付近の場合に、16μC/g以上の帯電量及び34秒以下の流動性を確保できることが分かる。
次に、帯電量のみが高い場合、帯電量及び流動性の両方が高い場合、及び、流動性のみが高い場合の配合比について、初期画像特性及び耐久性の試験結果を行った。
帯電量のみが高く、流動性が低い例として、第5実施例では、現像剤の配合比を、A:B:C=90:10:5とした。
また、帯電量及び流動性がともに高い例として、第6実施例では、現像剤の配合比を、A:B:C=70:30:5とした。
さらに、帯電量が低く、流動性のみが高い例として、上述の第3実施例の配合比40:60:5を採用した。
そして、表3に、第5、第6及び第3実施例の配合比の現像剤における初期画像特性及び耐久性の試験結果を示す。
なお、試験にあたっては、評価機として、京セラ株式会社製のFS−3500(商品名)の改造機を用いた。なお、この改造機の設定としては、感光体とスリーブとの間のギャップを0.6mmとし、現像剤規制ブレードとスリーブとの間のギャップを0.6mmとし、感光体の白地部(非静電潜像部分)の電位を500Vとし、感光体の露光後(静電潜像部分)の電位を15Vとし、スリーブ印加電圧を350Vとし、感光体とスリーブとの周速比を2.0倍とした。
Figure 2005250516
表3に示すように、初期画像特性の試験は、画像濃度、ドット再現性及び白地部カブリ性について、それぞれ、以下の環境条件下に行った。
室温通常湿度(25℃−60%、NN環境と称する場合がある。)
低温低湿度(10℃−20%、LL環境と称する場合がある。)
高温高湿度(33℃−85%、HH環境と称する場合がある。)
なお、ドット再現性の測定にあたっては、評価した現像剤をプリンター内に400gずつ収容して、表面電位400V、バイアス電圧300Vに固定した状態で、A4用紙を用いて実印字を行った。そして、ドット再現性については、以下の基準で評価した。
○:全く画像欠陥が発生しない
△:僅かに画像欠陥が認められる
×:画像欠陥が発生する
また、白地部カブリ性については、以下の基準で評価した。
○:全くカブリが発生しない
△:僅かにカブリが認められる
×:カブリがはっきりと認められる
そして、表3に示すように、画像濃度及びドット再現性は、(b)磁性粉体キャリアの配合比が高いほど良くなる傾向がある。これに対して、白地部カブリ性は、(a)の磁性樹脂被覆キャリアの配合比が高いほど良くなる傾向がある。特に、磁性粉体キャリアの配合比が高い第3実施例の場合には、磁性粉体キャリアの耐湿性が低いため、高温高湿環境(HH環境)下でカブリが認められた。
また、耐久性の試験は、30万枚(300k枚)の連続プリントを行い、以下の基準で画像濃度推移、及び帯電量推移について評価した結果を表3に示した。
画像濃度の測定にあたっては、定期的に、現像された画像のベタ部の画像濃度をマクベス濃度計により測定し、画像濃度推移については、以下の基準で評価した。
○:30万枚連続プリント後も一定画像濃度が維持されている
△:画像濃度が徐々に低下する
×:画像濃度が急速に低下する
また、帯電量の測定にあっては、帯電量をブローオフ帯電測定器により測定した。そして、帯電量については、以下の基準で評価した。
○:帯電量が適正範囲内で推移する
△:帯電量がほぼ適正範囲内で推移する
×:帯電量が高くなりすぎ又は低くなりすぎる
そして、上記の表3に示すように、配合比A:B:C=70:30:5の第6実施例の場合には、画像濃度推移及び帯電量推移ともに良好である。しかしながら、Aが過剰な第5実施例の場合も、Bが過剰な第3実施例の場合も、画像濃度及び帯電量の推移は劣化して、寿命が短くなる傾向がある。特に、Aが過剰な第5実施例の場合には、キャリアの帯電量が過剰となってチャージアップが生じている。
したがって、A:B:C=70:30:5を含む、A/B=(a)/(b)の値が85/15〜45/55の範囲内、より好ましくは75/25〜50/50の範囲内であるならば、安定して画像形成が可能な、寿命の長い静電潜像現像剤が得られることがわかる。
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、(a)の磁性樹脂被覆キャリアと(b)の磁性粉体キャリアとからなる混合キャリアを用いることにより、安定して画像形成することが可能な、寿命の長い静電潜像現像剤が得られる。さらに、配合比を広い範囲で変えることができるので、必要な帯電量を任意に設定してトナーに安定して賦与することができる
また、現像剤に研摩性トナーを含有した場合、感光体の表面を適当な力で研摩してクリーニングすることができる。その結果、リーク電流の発生に起因した像流れの発生を抑制することができる。
なお、研摩性トナーを含有した本発明の現像剤を、本来的に摩耗しにくく長期使用可能な感光体であるα−Si感光体を備えた画像形成装置に用いれば、感光体をさらに長期使用できるようになる。その結果、現像剤の長寿命化のみならず、長寿命のプリンタを提供することが可能となる。
実施形態の研摩性トナーを説明するための模式図である。 感光体の要部断面模式図である。 画像形成装置の構成を説明するための模式図である。 実施例の静電潜像現像剤の組成比による帯電量及び流動性の測定結果を示す図である。
符号の説明
11 トナー
13 トナー母粒子
15 研磨剤微粒子
21 感光体
23 導電性基体
25 光吸収層
27 キャリア注入阻止層
29 キャリア励起・輸送層
31 表面保護層
41 コロナ帯電器
43 LEDヘッド
45 現像ローラ
47 転写器
49 摺擦ローラ
51 クリーニングブレード
61 現像剤
63 紙

Claims (9)

  1. (a)直接重合して得られた高分子量ポリエチレン樹脂からなる被覆層を有する磁性樹脂被覆キャリアと、
    (b)実質上磁性粒子からなる磁性粉体キャリアと、
    (c)トナーと、
    を含有することを特徴とする静電潜像現像剤。
  2. 前記(a)磁性樹脂被覆キャリアと、(b)磁性粉体キャリアとの配合比((a)/(b))を、重量比で85/15〜45/55の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像剤。
  3. 前記(a)磁性樹脂被覆キャリア、および(b)磁性粉体キャリア、あるいはいずれか一方のキャリアの体積抵抗値を、1×102〜1×1014Ω・cmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1又は2記載の静電潜像現像剤。
  4. 前記(a)磁性樹脂被覆キャリアの体積抵抗値をVaとし、前記(b)磁性粉体キャリアの体積抵抗値をVbとしたときに、(Va−Vb)の値を10〜1×103Ω・cmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1、2又は3記載の静電潜像現像剤。
  5. 前記(b)磁性粉体キャリアの嵩密度をρbとし、前記(a)の磁性樹脂被覆キャリアの嵩密度をρaとしたときに、ρb>ρaの関係を満足することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の静電潜像現像剤。
  6. 前記(a)及び(b)の混合キャリアに対する前記トナーの添加量の割合を2〜40重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の静電潜像現像剤。
  7. 前記トナーが、カラートナーであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の静電潜像現像剤。
  8. 前記トナーが、トナーの母材の表面に研磨剤微粒子が固着された研摩性トナーであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の静電潜像現像剤。
  9. 前記研磨剤微粒子が、導電性チタニアであることを特徴とする請求項8記載の静電潜像現像剤。
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JP2009093142A (ja) * 2007-09-18 2009-04-30 Fuji Xerox Co Ltd 磁気ブラシ現像装置及びこれを用いた画像形成装置

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