JP2005247834A - ナトリウム依存性グルコース供輸送体2の活性阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】腎臓に特異的に存在しているグルコース再吸収に関わるナトリウム依存性グルコース供輸送体2(SGLT2)の活性を阻害する5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物を有効成分とする医薬、特に糖尿病治療薬を提供する。
【解決手段】下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬であり、SGLT2の活性阻害作用を示し、特に糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療薬。
Figure 2005247834

【選択図】図1

Description

本発明は、腎臓に特異的に存在しているグルコース再吸収に関わるナトリウム依存性グルコース供輸送体2(SGLT2)の活性を阻害する5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物を有効成分とする医薬、特に糖尿病治療薬に関する。
慢性的な高血糖が、インスリン分泌を低下させると共にインスリン感受性を低下させ、これらがさらに血糖の上昇を引き起こし糖尿病を悪化させると考えられている。これまでに、糖尿病治療薬として、ビグアナイド薬、スルホニルウレア薬、グリコシダーゼ阻害薬、インスリン抵抗性改善薬等が使用されている。しかしながら、ビグアナイド薬には乳酸アシドーシス、スルホニルウレア薬には低血糖、グリコシダーゼ阻害薬には下痢等の副作用が報告されている。従って、これまでとは異なった新しい作用機序の糖尿病治療薬の開発が望まれている。
天然から単離されたグルコース誘導体であるフロリジンは、腎臓での過剰なグルコースの再吸収を阻害し、グルコースの***を促進して血糖降下作用があることが示された(非特許文献1、2)。その後、このグルコースの再吸収が、腎臓近位尿細管のS1サイトに存在するナトリウム依存性グルコース供輸送体2(SGLT2)によることが明らかとなった(非特許文献3)。
この様な背景から、SGLT2阻害作用に基づく糖尿病治療薬の研究が盛んに行われ、数多くのフロリジン誘導体が報告されている。
例えば、下記式
Figure 2005247834
で示されるアリール β−D−グルコピラノシド化合物が報告されている(特許文献1)。その他上記化合物に関連した化合物が公開されている(特許文献2〜15等)。
また、フロリジン誘導体は経口投与すると、小腸に存在するグリコシダーゼでグリコシド結合が加水分解され、未変化体での吸収効率が悪く、血糖効果作用が弱い。そこで、フロリジン誘導体をプロドラッグにして投与し吸収効率を上げる、又はグリコシド結合を炭素に変換した化合物を合成し分解を防ぐなどの工夫がなされてきた(特許文献16〜21)。
しかしながら、グルコースの環内酸素原子を硫黄原子に変換した5−チオグルコースの誘導体に関しては、β−選択的グリコシル化の化学合成法がなかったため、5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物に関する報告例は一切ない。したがって、5−チオ−β−D−グルコピラノシド誘導体のSGLT2阻害作用に関する報告もない。
J. Clin. Invest.,第80巻,1037項,1987年 J. Clin. Invest.,第87巻,1510項,1987年 J. Clin. Invest.,第93巻,397項,1994年 ヨーロッパ特許公開EP0850948号 国際特許公開国際特許公開WO0168660号 国際特許公開WO0116147号 国際特許公開WO0174834号 国際特許公開WO0174835号 国際特許公開WO0253573号 国際特許公開WO0268439号 国際特許公開WO0268440号 国際特許公開WO0236602号 国際特許公開WO0288157号 国際特許公開WO0228872号 国際特許公開WO0244192号 国際特許公開WO0264606号 国際特許公開WO0311880号 国際特許公開WO0320737号 国際特許公開WO0300712号 米国特許US20010041674号 米国特許US2002137903号 米国特許US20031143号 国際特許公開WO0127128号 国際特許公開WO0283066号
本発明は、腎臓でのグルコース再吸収に関わるSGLT2の活性を阻害し、尿糖***を促進することで血糖降下作用を示す医薬を提供することを目的としている。
本発明者らは前記課題を解決する目的で鋭意探索研究した結果、5−チオ−β−D−グルコピラノシドを選択的に合成できる方法を発見して、その方法によりアリール 5−チオ−β−D−グルコピラノシド誘導体又はその製薬学的に許容される塩を合成し、これらの化合物がSGLT2阻害作用を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬である。
Figure 2005247834
[式中、pは0又は1であり、Yは−O−又は−NH−であり、
1、R2、R3及びR4は同一又は異なって、
水素原子、C2-10アシル基、C7-10アラルキル基、C2-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシC2-10アシル基又はC1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基であり、
Arは、−X-A1により置換されたアリール基であって、該アリール基はさらに同一又は異なった1−4個の置換基により置換されてもよく、
その置換基は、ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
−(CH2)m−Q
{式中、mは0〜4の整数であり、Qはホルミル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C1-6アルキルチオ基;C1-6アルキルスルフィニル基;C1-6アルキルスルホニル基;−NHC(=O)H;C2-10アシルアミノ基;C1-6アルキルスルホニルアミノ基;C1-6アルキルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;カルバモイル基;N−(C1-6アルキル)アミノカルボニル基;若しくはN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基である};又は
1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)であり、
Xは−(CH2)n−、−CO(CH2)n−、−C(OH)(CH2)n−、−O−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−NHCO(CH2)n−(nは0−3の整数である)、−COCH=CH−、−S−又は−NH−を示し、
1は、同一又は異なった1〜4個の置換基により置換されてもよい、アリール基、ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基であり、
その置換基は、ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
−(CH2)m’−Q’
{式中、m’は0〜4の整数であり、Q’はホルミル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C1-6アルキルチオ基;C1-6アルキルスルフィニル基;C1-6アルキルスルホニル基;−NHC(=O)H;C2-10アシルアミノ基;C1-6アルキルスルホニルアミノ基;C1-6アルキルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;カルバモイル基;N−(C1-6アルキル)アミノカルボニル基;若しくはN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基である};及び
1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)である]
本発明の他の態様によると、下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬を提供する。
Figure 2005247834
[式中、pは0又は1であり、Yは−O−又は−NH−であり、
1、R2、R3及びR4は同一又は異なって、
水素原子、C2-10アシル基、C7-10アラルキル基、C2-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシC2-10アシル基又はC1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基であり、
5、R6、R7、R8及びR9の少なくとも一つは−X-A1(X及びA1の定義は、上記で定義した通りである)であり、
その他は同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
−(CH2)m−Q
(m及びQの定義は、上記で定義したとおりである);又は
1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)である]
本発明の他の態様によると、下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬を提供する。
Figure 2005247834
[式中、pは0又は1であり、
Xは−(CH2)n−、−CO(CH2)n−、−CH(OH)(CH2)n−、−O−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−NHCO(CH2)n−(nは0−3の整数である)、−COCH=CH−、−S−又は−NH−であり、
1、R2、R3及びR4は同一又は異なって、水素原子、C2-10アシル基、C7-10アラルキル基、C2-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシC2-10アシル基又はC1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基であり、
6、R7、R8及びR9は同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
−(CH2)m−Q
{式中、mは0〜4の整数であり、Qはホルミル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C1-6アルキルチオ基;C1-6アルキルスルフィニル基;C1-6アルキルスルホニル基;−NHC(=O)H;C2-10アシルアミノ基;C1-6アルキルスルホニルアミノ基;C1-6アルキルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;カルバモイル基;N−(C1-6アルキル)アミノカルボニル基;若しくはN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基である};又は
1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)であり、
10、R11、R12、R13及びR14は同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
−(CH2)m’−Q’
{式中、m’は0〜4の整数であり、Q’はホルミル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C1-6アルキルチオ基;C1-6アルキルスルフィニル基;C1-6アルキルスルホニル基;−NHC(=O)H;C2-10アシルアミノ基;C1-6アルキルスルホニルアミノ基;C1-6アルキルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;カルバモイル基;N−(C1-6アルキル)アミノカルボニル基;若しくはN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基である};又は
1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)である]
本発明の他の態様によると、Xが−CH2−である式(II)の5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬を提供する。
本発明の他の態様によると、Xが−O−又は−NH−である式(II)の5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬を提供する。
本発明の他の態様によると、下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬を提供する。
Figure 2005247834
(式中、pは0又は1であり、R6A〜R9Aは同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基又はヒドロキシC1-4アルキル基であり、RCは水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-4アルキル基、ハロゲン原子で置換されたC1-6アルキル基又はC1-6アルキルチオ基であり、R4Aは水素原子、C2-6アルコキシカルボニル基又はC2-6アルカノイル基であり、R1A〜R3Aは同一又は異なって、水素原子、C2-8アルカノイル基又はベンゾイル基である)
本発明の他の態様によると、下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬を提供する。
Figure 2005247834
(式中、pは0又は1であり、RDは水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基又はヒドロキシC1-4アルキル基であり、REは水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基又はヒドロキシC1-4アルキル基である)
本発明の他の態様によると、下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬を提供する。
Figure 2005247834
(式中、pは0又は1であり、R1、R2、R3及びR4は同一又は異なって、水素原子、C2-10アシル基、C7-10アラルキル基、C2-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシC2-10アシル基、C1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基であり、
6Bは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C2-10アシルオキシ基、又は1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基若しくはC1-6アルコキシ基であり、R8Bは水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基である)
本発明の他の態様によると、上記いずれかの5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含むナトリウム依存性グルコース供輸送体2(SGLT2)の活性阻害剤を提供する。
本発明の他の態様によると、上記いずれかの5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含む糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療薬を提供する。
本発明の他の態様によると、上記いずれかの5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物、並びにPPARγアゴニスト;PPARα/γアゴニスト;PPARδアゴニスト;及びPPARα/γ/δアゴニストからなる群から選択されるインスリン感受性増強薬、グリコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、インスリン製剤及びジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤を組み合わせてなる医薬を提供する。
本発明の他の態様によると、上記いずれかの5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物、並びにヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、スクアレン合成酵素阻害薬、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、低比重リポタンパク受容体促進薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤及び食欲抑制薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤を組み合わせてなる医薬を提供する。
本発明において使用される用語が以下に定義される。
本発明において、「Cx-y」とは、その後に続く基がx〜y個の炭素原子を有することを示す。
「C2-10アシル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜10の脂肪族アシル基(好ましくは、C2-6アルカノイル基である)及び芳香族アシル基を意味し、例えばアセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基等が挙げられ、このうちアセチル基が好ましい。
「C7-10アラルキル基」とは、炭素原子数7〜10のアリールアルキル基をいい、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基が挙げられる。
「C1-6アルコキシ基」は、炭素原子を1〜6個有する直鎖状又は分枝状のアルコキシ基を意味し、C1-4アルコキシ基が好ましい。C1-4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。
「C2-6アルコキシカルボニル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状のC1-5アルコキシ基とカルボニル基との複合した形態を有しており、好ましくは、C2-5アルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、このうちメトキシカルボニル基が好ましい。
「C1-6アルコキシC2-10アシル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状のC1-6アルコキシ基とC2-10アシル基との複合した形態を有している。好ましくは、C1-6アルコキシC2-6アルカノイル基が挙げられる。
「C1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状のC1-6アルコキシ基とC2-6アルコキシカルボニル基との複合した形態を有している。
「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などが挙げられる。
「C1-6アルキル基」とは、炭素原子を1〜6個有する直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、tert−アミル基、3−メチルブチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
「1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1-6アルキル基」は、その基上の水素原子が1〜4個のハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)によって置換されたC1-6アルキル基を示す。例えば、トリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロプロピル基、1,1,1−トリフルオロブチル基などが挙げられる。中でも、トリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基が好ましい。
「1〜4個の水酸基で置換されたC1-6アルキル基」は、その基上の水素原子が1〜4個の水酸基によって置換されたアルキル基を示し、好ましくは、1個の水酸基によって置換されたC1-6アルキル基であるヒドロキシC1-6アルキル基、より好ましくは、ヒドロキシC1-4アルキル基である。例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基(1−ヒドロキシエチル基など)、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基などが挙げられる。
「1〜4個のハロゲン原子で置換されたC1-6アルコキシ基」は、その基上の水素原子がハロゲン原子によって置換されたアルコキシ基を示す。例えば、トリフルオロメトキシ基、1,1,1−トリフルオロエトキシ基、1,1,1−トリフルオロプロポキシ基、1,1,1−トリフルオロブトキシ基などが挙げられる。中でも、トリフルオロメトキシ基、1,1,1−トリフルオロエトキシ基などが好ましい。
「C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基」は、例えば、メトキシメトキシ基などが挙げられる。
「C2-10アシルオキシ基」とは、C2-10アシル基と−O−が複合した形態を有しており、好ましくは、C2-6アルカノイルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基)、ベンゾイルオキシ基である。
「C1-6アルキルチオ基」は、炭素原子を1〜6個有する直鎖状又は分枝状のアルキル基と1個のチオ基(−S−)が複合した形態を有しており、C1-4アルキルチオ基が好ましい。C1-6アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基などが挙げられる。
「C1-6アルキルスルフィニル基」は、C1-6アルキル基とスルフィニル基(−SO−)が複合した形態を有しており、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基が好ましい。
「C1-6アルキルスルホニル基」は、C1-6アルキル基とスルホニル基(−SO2−)が複合した形態を有しており、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基が好ましい。
「C2-10アシルアミノ基」は、C2-10アシル基とアミノ基が複合した形態を有しており、アセチルアミノ基が好ましい。
「C1-6アルキルスルホニルアミノ基」は、C1-6アルキルスルホニル基とアミノ基が複合した形態を有している。例えば、メタンスルホニルアミノ基やエタンスルホニルアミノ基などが挙げられる。
「C1-6アルキルアミノ基」は、C1-6アルキル基とアミノ基が複合した形態を有している。例えば、メチルアミノ基やエチルアミノ基などが挙げられる。
「N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基」は、2個のC1-6アルキル基とアミノ基が複合した形態を有している。例えば、ジメチルアミノ基やジエチルアミノ基などが挙げられる。
「N−(C1-6アルキル)アミノカルボニル基」は、N−(C1-6アルキル)アミノ 基とカルボニル基との複合した形態を有しており、好ましくは、N−(C1-4アルキル)アミノカルボニル基であり、N−メチルアミノカルボニル基などが挙げられる。
「N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基」は、N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基とカルボニル基との複合した形態を有しており、好ましくは、N,N−ジ(C1-4アルキル)アミノカルボニル基であり、N,N−ジメチルアミノカルボニル基などが挙げられる。
−(CH2)m−Q及び−(CH2)m’−Q’において、m及びm’が1以上の整数である場合の例を以下に挙げる。
Q及びQ’がC1-6アルコキシ基である場合は、メトキシメチル基などが挙げられる。
Q及びQ’がアミノ基である場合は、アミノメチル基などが挙げられる。
Q及びQ’がC2-10アシルオキシ基である場合は、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシエチル基などが挙げられる。
Q及びQ’がC2-10アシルアミノ基である場合は、アセチルアミノメチル基などが挙げられる。
Q及びQ’がN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基である場合は、N,N−ジメチルアミノメチル基などが挙げられる。
「C3-7シクロアルキル基」は、炭素原子を3−7個有する環状アルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。中でも、シクロプロピル基が好ましい。
「C3-7シクロアルキルオキシ基」とは、C3-7シクロアルキル基と−O−が複合した形態を有しており、シクロプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基が挙げられる。
「アリール基」とは、フェニル基、ナフチル基(1−ナフチル基、2−ナフチル基を含む)があげられ、好ましくはフェニル基を示す。
「アリールオキシ基」とは、アリール基と−O−が複合した形態を有しており、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基が挙げられる。
「C7-10アラルキルオキシ基」は、C7-10アラルキル基と−O−が複合した形態を有しており、例えば、ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基が挙げられる。
「C7-10アラルキルアミノ基」は、C7-10アラルキル基と−NH−が複合した形態を有しており、例えば、ベンジルアミノ基、フェニルエチルアミノ基が挙げられる。
「ヘテロアリール基」は、ピリジル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、フリル基(2−フリル基、3−フリル基を含む)、チエニル基(2−チエニル基、3−チエニル基を含む)、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピロリル基(1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基を含み、1−ピロリル基が好ましい)、イミダゾリル基、トリアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基が挙げられる。
「4〜6員ヘテロシクロアルキル基」とは、環内に少なくとも1個のヘテロ原子(酸素原子、窒素原子又は硫黄原子)を含有する4〜6員ヘテロシクロアルキル基をいい、例えば、環内に一つ以上の窒素原子を有し、また一つ以上の酸素原子、硫黄原子が存在してもよい環状アミノ基などが挙げられる。例えば、モルホリノ基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、1−ピロリジニル基などが挙げられる。
1〜4個の置換基で置換されたヘテロアリール基の例として、置換基がC1-6アルキル基である場合を以下に説明する。
「C1-6アルキル基で置換されたチアゾリル基」は、その環上の少なくとも1つの水素原子がC1-6アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基、より好ましくはメチル基によって置換されたチアゾリル基であり、例えば4−メチルチアゾ−ル−2−イル基などが挙げられる。
「C1-6アルキル基で置換されたピリジル基」は、その環上の少なくとも1つの水素原子がC1-6アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基、より好ましくはメチル基によって置換されたピリジル基であり、例えば2−メチルピリジン−5−イル基などが挙げられる。
「C1-6アルキル基で置換されたピラゾリル基」は、その環上の少なくとも1つの水素原子がC1-6アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基、より好ましくはメチル基、エチル基によって置換されたピラゾリル基であり、例えば1−メチルピラゾール−4−イル基、1−エチルピラゾール−4−イル基などが挙げられる。
「C1-6アルキル基で置換されたピロリル基」は、その環上の少なくとも1つの水素原子がC1-6アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基、より好ましくはメチル基によって置換されたピロリル基であり、例えば1−メチルピロリル基などが挙げられる。
1〜4個の置換基で置換されたヘテロシクロアルキル基の例として、置換基がC1-6アルキル基である場合を以下に説明する。
「4−C1-6アルキルピペラジニル基」は、1つの窒素原子上の水素原子がC1-6アルキル基で置換された1−ピペラジニル基を示し、例えば4−メチルピペラジン−1−イル基、4−エチルピペラジン−1−イル基等が挙げられる。
また、「製薬学的に許容される塩」とは、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウム、アルキルアンモニウム等との塩、鉱酸又は有機酸との塩であり、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ぎ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、エチルコハク酸塩、ラクトビオン酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、アジピン酸塩、システインとの塩、N−アセチルシステインとの塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、よう化水素酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、ピクリン酸塩、チオシアン酸塩、ウンデカン酸塩、アクリル酸ポリマーとの塩、カルボキシビニルポリマーとの塩等を挙げることができる。
本発明に係る化合物の好ましい態様を以下に挙げる。
Xの好ましい例は、−(CH2)n−(nは0〜3の整数であり、好ましくはn=1である)、−CO(CH2)n−(nは0〜3の整数であり、好ましくはn=2である)、−CONH(CH2)n−(nは0−3の整数であり、好ましくはn=1である)である。
Xのより好ましい例は−CH2−である。
式(II)において、R6、R7、R8及びR9の好ましい例は、同一又は異なって、
水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
−(CH2)m−Q
{式中、mは0〜4の整数であり、Qはアミノ基;シアノ基;カルボキシル基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基(好ましくは、C2-4アルカノイルオキシ基);C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C2-10アシルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;若しくはカルバモイル基である};又は
1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基若しくはC7-10アラルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)である。
さらに、R6は、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基若しくはC1-6アルコキシ基;C2-4アルカノイルオキシ基;又は1〜4個の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)であり、より好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;又は水酸基である。
さらに、R7は、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;又は
−(CH2)m−Q
{式中、mは0〜4の整数であり、Qはカルボキシル基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;若しくはカルバモイル基である}であり、より好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;カルボキシル基;又はC2-6アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは、水素原子又はハロゲン原子である。
さらに、R8は、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;又は
−(CH2)m−Q
{式中、mは0〜4の整数であり、Qはアミノ基;シアノ基;カルボキシル基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C2-10アシルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;若しくはカルバモイル基である}であり、より好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;又は
−(CH2)m−Q
{式中、mは0〜4の整数であり、Qはカルボキシル基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-4アルカノイルオキシ基;若しくはC2-6アルコキシカルボニル基である}である。
さらに、R9は、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基;又は1〜4個の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)であり、より好ましくは、水素原子又はハロゲン原子である。
式(II)において、R10、R11、R12、R13及びR14の好ましい例は、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
−(CH2)m’−Q’
{式中、m’は0〜4の整数であり、Q’はアミノ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C1-6アルキルチオ基;C1-6アルキルスルフィニル基;C1-6アルキルスルホニル基;−NHC(=O)H;C2-10アシルアミノ基;C1-6アルキルスルホニルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;カルバモイル基;若しくはN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基である};又は
1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)である。
より好ましくは、R12のみが上記の好ましい例から選択される置換基であり、他のR10、R11、R13及びR14は、水素原子;ハロゲン原子;又は1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよい、C1-6アルキル基若しくはC1-6アルコキシ基である。
以下に挙げるいずれかの具体的化合物が好ましい。
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物1)
4’−クロロ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物2)
2’−(4’−メチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物3)
2’−(4’−メトキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物4)
2’−(4’−エトキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物5)
2’−(4’−トリフルオロメチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物6)
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−メチルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物7)
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−フルオロフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物8)
2’−(4’−フルオロベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物9)
4’−ブロモ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物10)
2’−ベンジルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物11)
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−(ヒドロキシメチル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物13)
2’−(4’−エチルベンジル)−3’−ヒドロキシフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物14)
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−メトキシカルボニルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物15)
4’−カルボキシ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物16)
4’,6’−ジブロモ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物17)
2’−(4’−ヒドロキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物18)
2’−(4’−ヒドロキシエチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物19)
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−(メトキシメチルオキシ)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物20)
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−ヒドロキシフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物21)
2’−[3’−(ベンゾフラン−5’−イル)−1’−オキソプロピル]−3’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物22)
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 6−O−メトキシカルボニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物23)
4’,6’−ジクロロ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物31)
4’,6’−ジフルオロ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物32)
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−(ヒドロキシメチル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物39)
4’−クロロ−2’−(4’−メトキシカルボニルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物40)
4’−クロロ−2’−(4’−ニトロベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物41)
2’−(4’−アミノベンジル)−4’−クロロフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物42)
2’−(4’−ピラゾール−1’−イルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物43)
4’−クロロ−2’−(2’−フルオロベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物44)
2’−(4’−ブトキシベンジル)−4’−クロロフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物45)
2’−(4’−ブチルベンジル)−4’−クロロフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物46)
2’−(4’−アセチルアミノベンジル)−4’−クロロフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物47)
2’−(4’−エチルチオベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物48)
4’−クロロ−2’−(4’−メチルスルホニルアミノベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物51)
4’−クロロ−2’−(4’−N,N−ジメチルアミノベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物52)
2’−(4’−ヒドロキシメチルベンジル)−フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物56)
2’−(2’−クロロ−6’−フルオロベンジル)−4’−クロロフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物59)
4’−クロロ−2’−(2’,4’−ジフルオロベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物60)
4’−クロロ−2’−(3’−フルオロベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物61)
4’−クロロ−2’−(4’−イソプロピルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物63)
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−フルオロフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物64)
2’−(2’,4’,6’−トリメトキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物65)
4’−クロロ−2’−(2’,3’,5’,6’−テトラフルオロベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物66)
4’−クロロ−2’−(4’−フェニルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物67)
4’−クロロ−2’−(3’−トリフルオロメトキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物69)
4’−クロロ−2’−(2’,4’−ジクロロベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物70)
4’−クロロ−2’−(4’−ペンチルオキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物72)
2’−(4’−モルホリノベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物73)
2’−(4’−ピペリジノベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物74)
2’−(4’−t−ブチルベンジル)−4’−クロロフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物75)
4’−クロロ−2’−(3’−フルオロ−5’−トリフルオロメチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物76)
5’−(アセトキシメチル)−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物77)
4’−クロロ−2’−(2’,4’−ジメトキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物80)
4’−クロロ−2’−(2’−エトキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物81)
4’−クロロ−2’−(2’−メチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物82)
2’−[4’−(4’−エチルピペラジン−1’−イル)ベンジル]フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物83)
3’−ヒドロキシ−2’−(4’−メトキシベンジルアミノカルボニル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物84)
2’−(4’−カルバモイルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物85)
2’−(4’−N,N−ジメチルアミノカルボニルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物86)
2’−(4’−アセチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物88)
2’−[4’−(1’−ヒドロキシエチル)ベンジル]フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物89)
2’−(4’−シクロプロピルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物90)
2’−(4’−シアノベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物91)
さらに、以下に挙げるいずれかの具体的化合物がより好ましい。
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物1)
4’−クロロ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物2)
2’−(4’−メチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物3)
2’−(4’−メトキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物4)
2’−(4’−エトキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物5)
2’−(4’−トリフルオロメチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物6)
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−メチルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物7)
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−フルオロフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物8)
2’−(4’−フルオロベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物9)
4’−ブロモ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物10)
2’−ベンジルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物11)
2’−(4’−ヒドロキシベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物18)
2’−(4’−ヒドロキシエチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物19)
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−(メトキシメチルオキシ)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物20)
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−ヒドロキシフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物21)
2’−[3’−(ベンゾフラン−5’−イル)−1’−オキソプロピル]−3’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物22)
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−(ヒドロキシメチル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物39)
2’−(4’−ピラゾール−1’−イルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物43)
2’−(4’−エチルチオベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物48)
5’−(アセトキシメチル)−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物77)
3’−ヒドロキシ−2’−(4’−メトキシベンジルアミノカルボニル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物84)
2’−(4’−カルバモイルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物85)
2’−(4’−N,N−ジメチルアミノカルボニルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物86)
2’−(4’−アセチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物88)
2’−[4’−(1’−ヒドロキシエチル)ベンジル]フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物89)
2’−(4’−シクロプロピルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物90)
2’−(4’−シアノベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(化合物91)
(2R,3R,4S,5S,6R)−2−[2−(4−エチルベンジル)フェノキシ]−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−チオピラン−3,4,5−トリオール 1−オキシド(化合物93)
本発明に係る化合物は、腎臓におけるグルコース再吸収に関わるナトリウム依存性グルコース供輸送体2(SGLT2)(J. Clin. Invest.,第93巻,397項,1994年)を阻害することができる。
本発明に係る化合物は、SGLT2の阻害によって、糖の再吸収を抑制し、余分な糖を体外に***することによって糖尿病を治療することができるので、すい臓のβ細胞に負荷を与えずに高血糖を是正し、またインスリン抵抗性を改善することができる。
従って、本発明は、SGLT2の活性を阻害することで改善しうる疾患又は状態、例えば、糖尿病、糖尿病関連疾患及び糖尿病合併症を予防又は治療するための医薬を提供する。
ここで、「糖尿病」とは、1型糖尿病、2型糖尿病、特定の原因によるその他の型の糖尿病を包含する。
ここで、「糖尿病関連疾患」とは、肥満、高インスリン血症、糖代謝異常、高脂質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、高血圧、うっ血性心不全、浮腫、高尿酸血症、痛風などが挙げられる。
ここで、「糖尿病合併症」は、急性合併症及び慢性合併症に分類される。
「急性合併症」には、高血糖(ケトアシドーシスなど)、感染症(皮膚、軟部組織、胆道系、呼吸系、***など)などが挙げられる。
「慢性合併症」には、細小血管症(腎症、網膜症)、動脈硬化症(アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢動脈閉塞など)、神経障害(感覚神経、運動神経、自律神経など)、足壊疽などが挙げられる。
主要な合併症は、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害である。
また、本発明化合物はSGLT2活性阻害薬以外のことなった作用機序の糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬、高脂血症治療薬、高血圧治療薬等と併用して使用することもできる。本発明化合物とその他の薬剤を組み合わせることによって、上記疾患においてそれぞれ単剤で得られる効果よりも併用した場合に相加的な効果が期待できる。
併用可能な「糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬」としては、例えば、インスリン感受性増強薬(PPARγアゴニスト、PPARα/γアゴニスト、PPARδアゴニスト、PPARα/γ/δアゴニスト等)、グリコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、インスリン製剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナーゼ促進薬、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、糖新生阻害薬、フルクトースビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、グルコキナーゼ活性化薬、D−カイロイノシトール、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−1類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体、アミリンアゴニスト、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、11β-ヒドロキシステロイドデヒデロゲナーゼ阻害薬、アルドース還元酵素阻害薬、プロテインキナーゼC阻害薬、γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト、ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、転写因子NF−κB阻害薬、IKKβ阻害薬、脂質過酸化酵素阻害薬、N-acetylated-α-linked-acid-dipeptidase阻害薬、インスリン様成長因子−I、血小板由来成長因子(PDGF)、血小板由来成長因子(PDGF)類縁体、上皮増殖因子(EGF)、神経成長因子、カルニチン誘導体、ウリジン、5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン、EGB‐761、ビモクロモル、スロデキシド、Y-128、TAK-428などが挙げられる。
糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬としては、以下のような薬剤が例示される。
「ビグアナイド薬」としてメトフォルミン塩酸、フェンフォルミン等が挙げられる。
「インスリン分泌促進薬」のうちスルホニルウレア系としては、例えばグリブリド(グリベンクラミド)、グリピジド、グリクラジド、クロルプロパミド等が、非スルホニルウレア系としてはナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド等が挙げられる。
「インスリン製剤」は、遺伝子組換えヒトインスリンと動物由来インスリンを含む。また、作用時間によって3種類に分類され、即効型(ヒトインスリン、ヒト中性インスリン)、中間型(インスリン−ヒトイソフェンインスリン水性懸濁、ヒト中性インスリン−ヒトイソフェンインスリン水性懸濁、ヒトインスリン亜鉛水性懸濁、インスリン亜鉛水性懸濁)、持続型(ヒト結晶性インスリン亜鉛懸濁)等が挙げられる。
「グリコシダーゼ阻害薬」としては、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール等が挙げられる。
「インスリン感受性増強薬」のうち、PPARγアゴニストとしては、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン等が、PPARα/γdualアゴニストとしては、MK-767(KRP-297)、Tesaglitazar、LM4156、LY510929、DRF-4823、TY-51501等が、PPARδアゴニストとしては、GW-501516等が挙げられる。
「トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬」としてはUCL-139等が挙げられる。
「ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬」としてはNVP-DPP728A、LAF-237、P32/98、TSL-225等が挙げられる。
「アルドース還元酵素阻害薬」としては、ガモレン酸アスコルビル、トルレスタット、エパルレスタット、フィダレスタット、ソルビニール、ポナルレスタット、リサレスタット、ゼナレスタット等が挙げられる。
「γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト」としては、トピラマート等が挙げられる。
「ナトリウムチャンネルアンタゴニスト」としては、メキシレチン塩酸等が挙げられる。
「転写因子NF−κB阻害薬」としては、dexlipotam等が挙げられる。
「脂質過酸化酵素阻害薬」としてはメシル酸チリラザド等が挙げられる。
「N-acetylated-α-linked-acid-dipeptidase阻害薬」としては、GPI-5693等が挙げられる。
「カルニチン誘導体」としては、カルニチン、レバセカルニン塩酸等が挙げられる。
併用可能な「高脂血症治療薬、高血圧治療薬」としては、例えば、ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、β3−アドレナリン受容体アゴニスト、AMPK活性化薬、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、プロブコール、甲状腺ホルモン受容体アゴニスト、コレステロール吸収阻害薬、リパーゼ阻害薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害薬、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬、スクアレン合成酵素阻害薬、低比重リポタンパク受容体促進薬、ニコチン酸誘導体、胆汁酸吸着薬、ナトリウム共役胆汁酸トランスポーター阻害薬、コレステロールエステル輸送蛋白阻害薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、エンドセリン変換酵素阻害薬、エンドセリン受容体アンタゴニスト、利尿薬、カルシウム拮抗薬、血管拡張性降圧薬、交感神経遮断薬、中枢性降圧薬、α2−アドレナリン受容体アゴニスト、抗血小板薬、尿酸生成阻害薬、尿酸***促進薬、尿アルカリ化薬、食欲抑制薬、AGE阻害薬、アディポネクチン受容体アゴニスト、GPR40アゴニスト、GPR40アンタゴニスト等を挙げることができる。
高脂血症治療薬、高血圧治療薬としては、以下のような薬剤が例示される。
「ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬」としては、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチン等が挙げられる。
「フィブラート系化合物」としては、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート等が挙げられる。
「スクアレン合成酵素阻害薬」としては、TAK−475、α−ホスホノスルホネート誘導体(USP5712396)等が挙げられる。
「アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬」としては、CI−1011、NTE−122、FCE−27677、RP-73163、MCC-147、DPU−129等が挙げられる。
「低比重リポタンパク受容体促進薬」としては、MD-700、LY-295427等が挙げられる。
「ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤(MTP阻害剤)」としては、USP5739135, USP5712279, USP5760246等に記載の化合物が挙げられる。
「食欲抑制薬」としては、アドレナリン・ノルアドレナリン作動薬(Mazindol、エフェドリン等)、セロトニン作動薬(選択的セロトニン再取込み阻害薬、例えば、Fluvoxamine等)、アドレナリン・セロトニン作動薬(Sibutramine等)、メラノコルチン4受容体(MC4R)アゴニスト、α−メラノサイト刺激ホルモン(α−MCH)、レプチン、***e-and amphetamine-regulated transcript(CART)等が挙げられる。
「甲状腺ホルモン受容体アゴニスト」としては、リオチロニンナトリウム、レポチロキシンナトリウム等が挙げられる。
「コレステロール吸収阻害薬」としては、エゼチミブ等が挙げられる。
「リパーゼ阻害薬」としてはオルリスタット等が挙げられる。
「カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬」としては、エトモキシル等が挙げられる。
「ニコチン酸誘導体」としては、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコモール、ニコランジル等が挙げられる。
「胆汁酸吸着薬」としては、コレスチラミン、コレスチラン、塩酸コレセベラム等が挙げられる。
「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」としては、カプトリル、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、シラザプリル等が挙げられる。
「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」としては、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、メシル酸エプロサルタン等が挙げられる。
「エンドセリン変換酵素阻害薬」としては、CGS-31447、CGS-35066等が挙げられる。
「エンドセリン受容体アンタゴニスト」としては、L-749805、TBC-3214、BMS-182874等が挙げられる。
例えば、糖尿病等の治療において、本発明化合物とインスリン感受性増強薬(PPARγアゴニスト、PPARα/γアゴニスト、PPARδアゴニスト、PPARα/γ/δアゴニスト等)、グリコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、インスリン製剤及びジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤との併用が好ましいと考えられる。
または、本発明化合物とヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、スクアレン合成酵素阻害薬、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、低比重リポタンパク受容体促進薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤及び食欲抑制薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤との併用が好ましいと考えられる。
本発明の医薬は、全身的又は局所的に経口又は直腸内、皮下、筋肉内、静脈内、経皮等の非経口投与することができる。
本発明に係る化合物を医薬として用いるためには、固体組成物、液体組成物、及びその他の組成物のいずれの形態でもよく、必要に応じて最適のものが選択される。本発明の医薬は、本発明に係る化合物に薬学的に許容されるキャリヤーを配合して製造することができる。具体的には、常用の賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、被覆剤、糖衣剤、pH調整剤、溶解剤、又は水性若しくは非水性溶媒などを添加し、常用の製剤技術によって、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、散剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、などに調製する事ができる。賦形剤、増量剤としては、たとえば、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコールなどやその他常用されるものをあげる事ができる。
また、本発明に係る化合物は、α、β若しくはγ−シクロデキストリン又はメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成させて製剤化することができる。
本発明に係る化合物の投与量は、疾患、症状、体重、年齢、性別、投与経路等により異なるが、成人に対し、好ましくは0.1〜1000 mg / kg体重/日であり、より好ましくは0.1〜200 mg / kg体重/日であり、これを1日1回又は数回に分けて投与することができる。
本発明に係る化合物は、SGLT2の阻害によって糖の再吸収を抑制し、余分な糖を体外に***することによって糖尿病を治療することができる。
本発明に係る化合物は、例えば以下に示す製造法によって合成することができる。
鍵中間体である5−チオ−D−グルコピラノース(VII)は、例えば以下のようにして製造することができる。
スキーム1
Figure 2005247834
ペンタ−O−アセテート誘導体(V)(Tetrahedron Lett.,第22巻,5061項,1981年、J. Org. Chem.,第31巻,1514項,1966年)はD−グルコフラノ−3,6−ラクトン(IV)から8工程で合成することができる。
次に、化合物(V)を適当な溶媒(DMF、THF、メタノール、エタノール等)中でヒドラジンアセテート(Tetrahedron,Lett., 第33巻,7675項,1992年)、又はベンジルアミン、好ましくはメチルヒドラジンと酢酸の1:1混合物と作用させ、選択的に1位アセチル基を脱保護し化合物(VI)を製造することができる。反応温度は室温から80℃で、反応時間は20分から24時間である。
また、化合物(VI)の1位水酸基を保護した後に、アセチル基を除去し、C2-10アシルクロリド(例えば、C2-6アルカノイルクロリド又はベンゾイルクロリド)を塩基性条件にて作用させた後に、1位水酸基の脱保護を行うことで、5−チオ−D−グルコピラノース誘導体(VII){式中のR21、R22、R23及びR24は同一又は異なって、C2-10アシル基(例えば、C2-6アルカノイル基又はベンゾイル基)である}に誘導することができる(Chem. Lett., 626項,2002年)。1位水酸基の保護基としては、例えば、テトラヒドロピラニル基が挙げられ、脱保護に用いる酸として、p−トルエンスルホン酸一水和物やピリジニウムp−トルエンスルホン酸等が好ましい。
アグリコンに相当する中間体:Ar−YHについては、例えば式(I)の化合物の中間体である下記式の化合物:
Figure 2005247834
(式中,R5、R6、R7、R8、R9及びYは前記と同意義である。)は、次の文献を参考に合成することができる:国際特許公開WO0168660号、WO0174834号、WO0174835号、WO0228872号、WO0244192号、WO0264606号、WO0311880号。
スキーム2
Figure 2005247834
式(II)の化合物の中間体において、Xが−CH2−である化合物である場合、1例としては、フェノール(IX)とベンジルアルコール(X)を酸性条件下にて縮合することで化合物(XI)を製造することもできる。
(式中、R32及びR33は同一であっても異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子又はC1-6アルキル基であり、R10、R11、R12、R13、R14は上記と同意義である。)
縮合時に用いる酸としては例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等であり、溶媒を用いる場合は例えばニトロベンゼン等の高沸点溶媒が好ましい。反応温度は100℃〜200℃であり、反応時間は10分〜150分である。
スキーム3
Figure 2005247834
(式中、波線は、D体、L体及び混合物のいずれの立体異性体を含むことを意味し、置換基の定義は前記と同意義である。)
次に、5−チオ−D−グルコピラノース誘導体(VI)又は(VII)とAr−YHをアゾ試薬及びホスフィン類を用いる光延反応条件(Org. Reactions, 第42巻, 第335項)により縮合して、化合物(XII)を製造することができる。
光延反応に用いる溶媒はテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等であり、好ましくはテトラヒドロフラン、トルエンであり、より好ましくはトルエンである。ホスフィン類としてトリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリトリルホスフィンやジフェニル−2−ピリジルホスフィン等を用いることができる。中でもトリフェニルホスフィン、ジフェニル−2−ピリジルホスフィンが好ましく、トリフェニルホスフィンがより好ましい。アゾ試薬としてジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートやジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)や1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン等を用いることができる。中でも、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートが好ましい。反応温度は−20℃から室温が好ましい。
さらに、必要に応じて糖水酸基の保護基の脱保護を行うか、あるいは必要に応じてプロドラッグ化を行い本発明化合物(i)を製造することができる。
脱保護においては、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等の塩基を用いることができる。反応に適当な溶媒はメタノール、エタノール、含水メタノール等である。
また、プロドラッグ化においては、当業者に周知な水酸基の保護剤(例えば、酸無水物、クロロギ酸エステルなど)を用いて、−OR21~24(R21〜R24は、上記で定義した通りである)を−OR1~4(R1〜R4は、プロドラッグを構成する基を示す)に変更することができる。上記反応に適当な溶媒はコリジン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド等である。
「プロドラッグを構成する基」とは、C2-10アシル基{例えば、C2-8アルカノイル基(好ましくはC2-6アルカノイル基)又はベンゾイル基}、C2-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシC2-10アシル基(好ましくは、C1-6アルコキシC2-6アルカノイル基)、C1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基等のプロドラッグとして一般的に利用できる水酸基の保護基を挙げることができる。
また、反応条件を調節することによって、−OR24のみを選択的に反応させて−OR4にすることができる。この場合、R4として好ましい基は、C2-6アルカノイル基、C2-6アルコキシカルボニル基などである。
又は、本発明に係る化合物(XV)を以下のような方法で製造することもできる。
スキーム4
Figure 2005247834
(式中のR1〜R4、R21〜R27、X及びA1は上記と同意義である。)
化合物(VII)と化合物(XIII)を光延反応を用いて縮合し、化合物(III)を製造することができる。次に、Suzukiカップリング反応、Stilleカップリング反応、脱水縮合反応、アルドール縮合などによって、X-A1部分を構築し、化合物(XIV)を製造することができる。
例えば、R25がアミノ基、水酸基又はハロゲン原子である場合は、これらの基に対して置換されてもよいアリールホウ酸(例えばフェニルホウ酸)又は置換されてもよいヘテロアリールホウ酸を、パラジウム触媒(例えば、Pd2(OAc)2、Pd(dba)2、dba:dibenzyliden acetone、 Pd(PPh3)4等)や銅触媒(例えば、Cu(OAc)2等)の存在下カップリングすることによって、A1が置換されてもよいアリール基又はヘテロアリール基であり、Xが−NH−、−O−又は単結合である誘導体を製造することができる。この反応における触媒は銅触媒、例えば、Cu(OAc)2等が好ましい。
又は、R25がハロゲン原子である場合には、これに対して置換されてもよいアリールトリブチルチン(例えばフェニルトリブチルチン)又は置換されてもよいヘテロアリールトリブチルチンをパラジウム触媒(例えば、Pd2(OAc)2、Pd(dba)2、Pd(PPh3)4等)の存在下カップリングすることによって、A1が置換されてもよいアリール基又はヘテロアリール基であり、Xが単結合である誘導体を製造することができる。
又はR25がC2-6アルカノイル基である場合は、この基に対してA1−CHO(A1は前記で定義した通りである)(例えば、ホルミルベンゾフラン)をアルドール縮合することができる。また、R25がホルミル基である場合は、この基に対してA1−MgBrやA1Liを作用させ、X=−CHOH−である合成中間体を製造することができる。
あるいは、R25がアミノ基又はカルボキシル基である場合には、これらの基に対してA1−(CH2)nCO2H又はA1−(CH2)nNH2(nは0〜3の整数である)を脱水縮合剤{例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、水溶性カルボジイミド塩酸(WSC・HCl)、カルボニルジイミダゾール(CDI)等}の存在下、それぞれ縮合しX=−NHCO(CH2)n−又は−CONH(CH2)n−(nは0〜3の整数である)である化合物を製造できる。
さらに、必要に応じて糖水酸基の保護基を除去する、さらに必要に応じてプロドラッグ化を行い本発明化合物(XV)を製造することができる。
本発明に係る化合物のS−スルホオキシド誘導体は、スルフィド誘導体を適当な酸化剤用いて酸化することによって製造することができる。スキーム5を例として説明する。なお、スルホキシドの立体配置はS、R及びそれらの混合物も含む。
スキーム5
Figure 2005247834
5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物(A)から、適当な酸化剤を用いてスルホキシド誘導体(D)を製造することができる。酸化剤の種類としては、3−クロロパーベンゾイックアッシッド(m-CPBA)、イオドキシベンゼン(PhIO2)、イオドソベンゼン(PhIO)、過酸化水素、CF3CO3H等が挙げられる。溶媒は、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸、水またはそれらの混合物であり、好ましくはクロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、トルエンである。反応温度は室温が好ましく、反応時間は1時間から48時間である。
以下に、参考例及び実施例にて本発明に係る化合物の製造方法、並びに試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
まず、本発明に係る化合物を製造するための中間体の製造例を参考例1〜11によって示す。
参考例1
4−クロロ−2−(4−エチルベンジル)フェノールの製造
4−クロロフェノール(2.0g,15.6mmol)、4−エチルベンジルアルコール(2.12g,15.6mmol)及びメタンスルホン酸(80mg,0.83mmol)の混合物を160℃で25分間加熱攪拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、淡黄色油状の4−クロロ−2−(4−エチルベンジル)フェノール(1.78g,46%)を得た。
参考例2
4−ブロモ−2−(4−エチルベンジル)フェノールの製造
参考例1と同様の方法により茶色油状の4−ブロモ−2−(4−エチルベンジル)フェノール(35%)を得た。
参考例3
2,4−ジブロモ−6−(4−エチルベンジル)フェノールの製造
参考例1と同様の方法により無色粉末の2,4−ジブロモ−6−(4−エチルベンジル)フェノール(46%)を得た。
mp 90.0〜91.5℃
又は、2−(4−エチルベンジル)フェノール(1.01g, 4.76mmol)とDMF(5mL)の混合物にN−ブロモスクシニイミド(1.86g, 10.5mmol)のDMF(5mL)溶液を氷冷下にて滴下した。1時間後反応液を酢酸エチルで希釈して、飽和食塩水と飽和Na2S2O3溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20)にて精製し、2,4−ジブロモ−6−(4−エチルベンジル)フェノール(85%)を得た。
mp 90.0〜91.5℃
参考例4
3−(4−エチルベンジル)−4−ヒドロキシ安息香酸メチルの製造
4−ヒドロキシ安息香酸メチル(20g,131mmol)及びメタンスルホン酸(80mL)の混合物にヘキサメチレンテトラミン(20g,144mmol)を室温で少しずつ加えた。100℃で3.5時間攪拌した後、濃塩酸(10mL)及び水(300mL)を加えた。酢酸エチルで2回抽出し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20−65:35)にて精製し、無色粉末の3−ホルミル−4−ヒドロキシ安息香酸メチル(7.24g,31%,mp 87.5〜89.0℃)を得た。
3−ホルミル−4−ヒドロキシ安息香酸メチル(4.0g,22.2mmol)及びテトラヒドロフラン(100mL)の混合物に−70℃で4−エチルフェニルリチウム[1−ブロモ−4−エチルベンゼン(12.3g, 66mmol)及びテトラヒドロフラン(200mL)の混合物にtert-ブチルリチウム(66mmol)で−70℃にて30分間攪拌して調整した。]を加えて1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=65:35−50:50)にて精製し、淡黄色ガム状の3−[(4−エチルフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸メチル(2.92g, 46%)を得た。
3−[(4−エチルフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸メチル(2.88g, 10.0mmol)、10%パラジウムカーボン(200mg)、濃塩酸(0.5mL)及びメタノール(15mL)の混合物を水素雰囲気下、室温で14時間攪拌した。不溶物をろ過した後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20)にて精製し、無色粉末の3−(4−エチルベンジル)−4−ヒドロキシ安息香酸メチル(2.38g, 88%)を得た。
mp 134.0〜137.0℃
参考例5
2−(4−エチルベンジル)レゾルシノールの製造
1,3−ジメトキシベンゼン(6.9g, 50mmol)及びテトラヒドロフラン(70mL)の混合物に、氷冷下、n−ブチルリチウム(1.57M ヘキサン溶液, 35mL)を加えて1.5時間攪拌した後に、4−エチルベンジルブロマイド(10g, 50mmol)を氷冷下で加えてさらに3.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5−85:15)にて精製し、淡黄色粉末の1,3−ジメトキシ−2−(4−エチルベンジル)ベンゼン(6.37g, 49%, mp 62.5〜66.5℃)を得た。
1,3−ジメトキシ−2−(4−エチルベンジル)ベンゼン(6.0g, 23.4mmol)及びピリジン塩酸塩(21.6g, 187mmol)の混合物を180℃で15時間加熱攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を希塩酸水及び飽和食塩水で浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20)にて精製し、淡茶色油状の2−(4−エチルベンジル)レゾルシノール(5.2g, 97%)を得た。
参考例6
2−(4−トリフルオロメチルベンジル)フェノールの製造
マグネシウム(3.44g, 142mmol)及びテトラヒドロフラン(10mL)の混合物に4−ブロモベンゾトリフルオリド(2−3mL)を室温で加えた。反応が開始したのを確認した後に残りの4−ブロモベンゾトリフルオリド(total 20.9g,93.1mmol)のテトラヒドロフラン(56mL)溶液を滴下して、そのまま30分間攪拌した。反応液を氷冷した後、2−ベンジルオキシベンズアルデヒド(16.4g, 77.2mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出して有機相を飽和食塩水で洗浄した後に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10−85:15)にて精製し、2−ベンジルオキシ−(4’−トリフルオロメチル)ジフェニルメタノールを得た。
上記で得た2−ベンジルオキシ−(4’−トリフルオロメチル)ジフェニルメタノール、10%パラジウム/カーボン(1.68g)、濃塩酸(3.4mL)及びメタノール(330mL)の混合物を水素雰囲気下、室温で14.5時間攪拌した。不溶物をろ過した後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=93:7−85:15)にて精製し、無色油状の2−(4−トリフルオロメチルベンジル)フェノール(17.5g, 90%)を得た。
参考例7
参考例6と同様にして、無色油状の2−(4−フルオロベンジル)フェノール(99%)を得た。
参考例8
参考例6と同様にして、黄色油状の2−(4−エチルベンジル)−4−メチルフェノール(88%)を得た。
参考例9
2−(4−エチルベンジル)−4−フルオロフェノールの製造
2−ブロモ−4−フルオロフェノール (24.7g, 129mmol)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(4.8g, 13.0mmol)、炭酸カリウム(35.9g, 260mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(390mL)の混合物にベンジルブロミド(23.5g, 137mmol)を室温で加え1.5時間攪拌した。反応液を酢酸エチル及び飽和食塩水の混合物に注ぎ、酢酸エチルで抽出して有機相を飽和食塩水で2回洗浄した後に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10−80:20)にて精製し、1−ベンジルオキシ−2−ブロモ−4−フルオロベンゼン(33.0g, 90%)を得た。
マグネシウム(3.2g, 133mmol)及びテトラヒドロフラン(10mL)の混合物に1−ベンジルオキシ−2−ブロモ−4−フルオロベンゼン(2〜3mL)を室温で加えた。加熱して反応が開始した後に、残りの1−ベンジルオキシ−2−ブロモ−4−フルオロベンゼン(total 30.0g, 106mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液を滴下して、そのまま30分間攪拌した。反応液を氷冷した後、4−エチルベンズアルデヒド(16.4g, 77.2mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を加え、室温で3時間攪拌した。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出して有機相を飽和食塩水で洗浄した後に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10−80:20)にて精製し、2−ベンジルオキシ−5−フルオロ−(4’−エチル)ジフェニルメタノールを得た。
上記で得た2−ベンジルオキシ−5−フルオロ−(4’−エチル)ジフェニルメタノール、10%パラジウムカーボン(1.77g)、濃塩酸(3.5mL)及びメタノール(350mL)の混合物を水素雰囲気下、室温で13時間攪拌した。不溶物をろ過した後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=90:10−80:20)にて精製し、黄色油状の2−(4−エチルベンジル)−4−フルオロフェノール(21.0g, 85%)を得た。
参考例10
2−(4−アセチルベンジル)フェノールの製造
2−(4−メトキシカルボニルベンジル)フェノール(250mg, 1.03mmol)、メタノール(1.0mL)、2M NaOH(4.0mL)の混合物を75℃にて1時間攪拌した。氷冷した後に、反応液のpHを1M 塩酸にて3.0にあわせた。析出した沈殿物を酢酸エチルにて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣(230mg)にテトラヒドロフラン(10mL)を加え、続いてN−O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸(301mg)、トリエチルアミン(0.456mL)、水(0.5mL)、WSC HCl(296mg)、HOBT(210mg)を加えた。室温にて2時間攪拌した後に、反応液に飽和NaHCO3水を加えた。混合物を酢酸エチルにて2回抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)にて精製し、無色油状の4−(2−ヒドロキシベンジル)−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(250 mg, 89%)を得た。
次に、4−(2−ヒドロキシベンジル)−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(250 mg,0.921mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に−20℃にてメチルマグネシウムブロミド(12% in THF, 2.8mL)を加えた。15分後、2度目のメチルマグネシウムブロミド(12% in THF, 2.5mL)を加えた。さらに、3度目のメチルマグネシウムブロミド(12% in THF, 2.0mL)を加えた。10分後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(110 mg, 53%)を得た。
ESI m/z = 249 (M+Na)
参考例11
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノースの製造
1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(34.0g, 0.0837mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(300 mL)溶液に、メチルヒドラジン(6.70mL, 0.120mmol)、酢酸(15mL, 0.120mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を氷冷下加えた。反応液を室温にて2.5時間撹拌した後に、反応液に0.5M HCl(300mL)を氷冷下にて加え、これを酢酸エチル(250mL)で2回抽出した。合わせた有機相を水(200mL)、飽和NaHCO3水(100mL)、水(100mL)、飽和食塩水(100mL)の順で洗浄し、MgSO4、活性炭(1g)を加えた。不溶物をろ過した後に、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をイソプロピルエーテル(70mL)から結晶化し、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−グルコピラノース(26.9g, 88%)を無色結晶として得た。
以下に実施例を挙げて本発明に係る化合物の製造方法を示す。
実施例1
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(100mg, 0.274mmol)、2−(4−エチルベンジル)フェノール(117mg, 0.551mmol)、トリフェニルホスフィン(144mg, 0.548mmol)及びTHF(3 mL)の混合物に、室温で、ジエチルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、0.24 mL)をゆっくり滴下した。室温で20時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(12 mg, 11%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ 1.20 (t, J = 7.6Hz, 3H), 1.90 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.60 (q, J = 7.6Hz, 2H), 3.20-3.30 (m, 1H), 3.88 (s, 2H), 4.08-4.17 (m, 1H), 4.25-4.35 (m, 1H), 5.16 (dd, J = 8.9, 9.3Hz, 1H), 5.33 (d, J = 8.6Hz, 1H), 5.39 (dd, J = 9.3, 10.4Hz, 1H), 5.62 (dd, J = 8.6, 8.9Hz, 1H), 6.94-7.00 (m, 1H), 7.04-7.14 (m, 6H), 7.17-7.24 (m, 1H)
ESI m/z = 557 (M-H)
mp 114.0〜119.0℃
実施例2
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−クロロフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
実施例1と同様の操作を行うことにより淡黄色ガム状の表題化合物を収率28%にて得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ 1.21 (t, J = 7.6Hz, 3H), 1.92 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.61 (q, J = 7.6Hz, 2H), 3.23-3.30 (m, 1H), 3.84 (s, 2H), 4.13 (dd, J = 3.7 and 8.1Hz, 1H), 4.25-4.36 (m, 1H), 5.14 (dd, J = 9.0 and 9.5Hz, 1H), 5.28 (d, J = 8.7Hz, 1H), 5.37 (dd, J = 9.5 and 10.2Hz, 1H), 5.60 (dd, J = 8.7 and 9.0Hz, 1H), 7.00−7.20 (m, 7H)
ESI m/z = 615 (M+Na)
実施例3
2’−(4’−メチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
実施例1と同様の操作を行うことにより無色粉末の表題化合物を収率14%にて得た。
ESI m/z = 567 (M+Na)
mp 109.0〜113.0℃
実施例4
2’−(4’−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.00g, 5.48mmol)、2−(4−メトキシベンジル)フェノール(5.88g, 27.4mmol)、トリフェニルホスフィン(2.88g, 10.9mmol)及びTHF(20mL)の混合物に、氷冷下ジエチルアゾカルボキシレート(40%トルエン溶液、4.79g, 10.9mmol)をゆっくり滴下した。室温で20時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=65:35)にて精製した。得られた粗生成物をメタノールで再結晶し、無色粉末状の表題化合物(457 mg, 15%)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 1.93 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 3.23-3.28 (m, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.85 (s, 2H), 4.09-4.14 (m, 1H), 4.28-4.33 (m, 1H), 5.16 (dd, J = 9.1, 9.3Hz, 1H), 5.33 (d, J = 8.7Hz, 1H), 5.39 (dd, J = 9.6, 10.2 Hz, 1H), 5.62 (dd, J = 8.7, 9.0Hz, 1H), 6.79-6.82 (m, 2H), 6.95-7.21 (m, 6H)
ESI m/z = 583 (M+Na)
mp 87.0〜89.0℃
実施例5
2’−(4’−エトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.0g, 5.48 mmol)、2−(4−エトキシベンジル)フェノール(6.25g, 27.4 mmol)、トリフェニルホスフィン(2.88g, 10.9 mmol)及びテトラヒドロフラン(20 mL)の混合物に、氷冷下、ジエチルアゾカルボキシレート(40%トルエン溶液、4.79g)をゆっくり滴下した。室温で17時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=65:35)にて精製した。得られた粉末をメタノールから再結晶して無色粉末の表題化合物を(598mg, 19%)を得た。
ESI m/z = 597 (M+Na)
mp 93.0〜94.5℃
実施例6
2’−(4’−トリフルオロメチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.00g, 5.48mmol)、2−(4−トリフルオロメチルベンジル)フェノール(6.91g, 27.4mmol)、トリフェニルホスフィン(2.88g, 10.9mmol)及びTHF(20mL)の混合物に、氷冷下ジエチルアゾカルボキシレート(40%トルエン溶液、4.79g, 10.9mmol)をゆっくり滴下した。室温で20時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=65:35)にて精製した。得られた粗生成物をメタノールで再結晶し、無色粉末状の表題化合物(630 mg, 19%)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 1.90 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.05 (s, 6H), 3.23−3.30 (m, 1H), 3.96 (s, 2H), 4.07-4.13 (m, 1H), 4.27-4.32 (m, 1H), 5.16 (dd, J = 9.0, 9.5Hz, 1H), 5.34-5.41 (m, 2H), 5.57 (dd, J = 8.5,9.1Hz, 1H), 7.01-7.29 (m, 6H), 7.50-7.53 (m, 2H)
ESI m/z = 621 (M+Na)
mp 144.0〜145.0℃
実施例7
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−メチルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
実施例1と同様の操作を行うことにより無色粉末の表題化合物を収率18%にて得た。
ESI m/z = 595(M+Na)
mp 77.0〜79.5℃
実施例8
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−フルオロフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
実施例1と同様の操作を行うことにより黄色アモルファスの表題化合物を収率23%にて得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ 1.22 (t, J = 7.6Hz, 3H), 1.94 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.61 (q, J = 7.6Hz, 2H), 3.21-3.28 (m, 1H), 3.86 (s, 2H), 4.10-4.15 (m, 1H), 4.31-4.34 (m, 1H), 5.15 (dd, J = 9.0 and 9.5Hz, 1H), 5.25 (d, J = 8.7Hz, 1H), 5.39 (dd, J = 9.6 and 10.3Hz, 1H), 5.61 (dd, J = 8.7 and 9.0Hz, 1H), 6.71-7.13 (m, 7H)
ESI m/z = 599 (M+Na)
実施例9
2’−(4’−フルオロベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.00g, 5.48mmol)、2−(4−フルオロベンジル)フェノール(5.54g, 27.4mmol)、トリフェニルホスフィン(2.88g, 10.9mmol)及びトルエン(20mL)の混合物に、氷冷下ジエチルアゾカルボキシレート(40%トルエン溶液、4.79g, 10.9mmol)をゆっくり滴下した。室温で20時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10)にて精製した。得られた粗生成物をメタノールで再結晶し、無色粉末状の表題化合物(751 mg, 25%)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 1.93 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 3.23-3.30 (m, 1H), 3.87 (s, 2H), 4.09-4.14 (m, 1H), 4.27-4.33 (m, 1H), 5.16 (dd, J = 9.0, 9.4Hz, 1H), 5.33-5.41 (m, 2H), 5.59 (dd, J = 8.7,9.0Hz, 1H), 6.91-7.26 (m, 8H)
ESI m/z = 571 (M+Na)
mp 99.0〜103.0℃
実施例10
4’−ブロモ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
実施例1と同様の操作を行うことにより黄色アモルファスの表題化合物を収率36%にて得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 1.21 (t, J = 7.6Hz, 3H), 1.91 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.61 (q, J = 7.6Hz, 2H), 3.25-3.30 (m, 1H), 3.84 (s, 2H), 4.10-4.15 (m, 1H), 4.27-4.33 (m, 1H), 5.15 (dd, J = 8.5 and 8.7Hz, 1H), 5.38 (t, J = 8.9Hz, 1H), 5.60 (dd, J = 8.7 and 8.9Hz, 1H), 6.98-7.32 (m, 7H)
ESI m/z = 659 (M+Na)
実施例11
2’−ベンジルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
実施例1と同様の操作を行うことにより無色粉末の表題化合物を収率18%にて得た。
ESI m/z = 553 (M+Na)
mp 124.5〜125.5℃
実施例12
3’−アセトキシ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(1.29g, 3.54mmol)、2−(4−エチルベンジル)レゾルシノール(2.42g, 10.6mmol)、トリフェニルホスフィン (1.86g, 7.09mmol)及びトルエン(13mL)の混合物に、氷冷下、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、3.58g)をゆっくり滴下した。室温で24時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=65:35−50:50)にて精製し、3−ヒドロキシ−2−(4−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの粗生成物(338mg)を得た。この粗生成物 (338mg)及びピリジン (2mL)の混合物に無水酢酸(0.5mL)を室温で加えた。室温で20時間攪拌した後に、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄後に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、淡黄色ガム状の表題化合物(134mg, 6%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ 1.18 (t, J = 7.6Hz, 3H), 1.83 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.57 (q, J = 7.6Hz, 2H), 3.24-3.30 (m, 1H), 3.75-3.90 (m, 2H), 4.10 (dd, J = 3.8 and 12.0Hz, 1H), 4.29 (dd, J = 5.2 and 12.0Hz, 1H), 5.14 (dd, J = 8.8 and 9.3Hz, 1H), 5.32 (d, J = 8.7Hz, 1H), 5.36 (dd, J = 9.5 and 10.0Hz, 1H), 5.58 (dd, J = 8.7 and 9.1Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.2Hz, 1H), 6.98-7.07 (m, 5H), 7.20-7.30 (m, 1H)
ESI m/z = 639 (M+Na)
実施例13
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−メトキシカルボニルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(1.0g, 2.74mmol)、3−(4−エチルベンジル)−4−ヒドロキシ安息香酸メチル(2.23g, 8.25mmol)、トリフェニルホスフィン(1.44g, 5.48mmol)及びトルエン(5mL)の混合物に、氷冷下、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、2.77g)をゆっくり滴下した。室温で17時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=65:35−50:50)にて精製し、無色アモルファス状の表題化合物 (646mg, 38%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ 1.20 (t, J = 7.6Hz, 3H), 1.88 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.59 (q, J = 7.6Hz, 2H), 3.27-3.35 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.89 (s, 2H), 4.13 (dd, J = 3.9 and 12.0Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 5.4 and 12.0Hz, 1H), 5.17 (dd, J = 8.8 and 9.3Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 9.3 and 10.3Hz, 1H), 5.40 (d, J = 8.5Hz, 1H), 5.61 (dd, J = 8.5 and 8.8Hz, 1H), 7.03-7.11 (m, 4H), 7.13 (d, J = 8.7Hz, 1H), 7.83 (d, J = 2.2Hz, 1H), 7.92 (d, J = 2.2 and 8.7Hz, 1H)
ESI m/z = 639 (M+Na)
実施例14
4’,6’−ジブロモ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(510mg, 1.4mmol)、4,6−ジブロモ−2−(4−エチルベンジル)フェノール(1.05g, 2.8mmol)、トリフェニルホスフィン(550 mg, 2.1mmol)及びトルエン(8mL)の混合物に、氷冷下、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、1.06g, 2.1mmol)をゆっくり滴下した。室温で12時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(550mg,55%)を得た。
1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ 1.23 (t, J = 7.5Hz, 3H), 2.02 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.63 (q, J = 7.5Hz, 2H), 2.95 (m, 1H), (m, 1H), 3.92 (d, J = 15.6Hz, 1H), 4.02 (dd, J = 3.3, 12.1Hz, 1H), 4.12 (d, J = 15.6Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 5.1, 12.1Hz, 1H), 5.11 (t, J = 9.2Hz, 1H), 5.34 (dd, J = 9.2, 10.7Hz, 1H), 5.52 (d, J = 9.2Hz, 1H), 5.71 (t, J = 9.2Hz, 1H), 7.07-7.17 (m, 5H), 7.56 (d, J = 2.4Hz, 1H)
ESI m/z = 737、739、740、742 (M+Na)
mp 152.0〜155.0℃
実施例15
2’−(4’−ベンゾイルオキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
実施例1と同様の操作を行うことにより無色アモルファスの表題化合物を収率16%にて得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ 1.94 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 3.26-3.30 (m, 1H), 3.94 (s, 2H), 4.10-4.16 (m, 1H), 4.29-4.34 (m, 1H), 5.18 (dd, J = 8.7 and 9.0Hz, 1H), 5.34-5.40 (m, 2H), 5.62 (dd, J = 8.5 and 9.0Hz, 1H), 7.00-7.27 (m, 8H), 7.47-7.63 (m, 3H), 8.17-8.20 (m, 2H)
ESI m/z = 673 (M+Na)
実施例16
2’−[4’−(2’−ベンゾイルオキシエチル)ベンジル]フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
実施例1と同様の操作を行うことにより黄色油状の表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ 1.90 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 3.04 (t, J = 7.0Hz, 2H), 3.28-3.30 (m, 1H), 3.90 (s, 2H), 4.10-4.17 (m, 1H), 4.28-4.47 (m, 1H), 4.50 (t, J = 7.0Hz, 2H), 5.13-5.19 (m, 1H), 5.32-5.39 (m, 2H), 5.62 (dd, J = 8.7 and 8.9Hz, 1H), 6.97-7.27 (m, 8H), 7.40-7.55 (m, 3H), 7.99-8.03 (m, 2H)
ESI m/z = 701 (M+Na)
実施例17
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−(メトキシメチルオキシ)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
実施例1と同様の操作を行うことにより無色ガム状の表題化合物を収率23%にて得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ 1.20 (t, J = 7.6Hz, 3H), 1.90 (s, 3H), 2.00 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.59 (q, J = 7.6Hz, 2H), 3.21-3.31 (m, 1H), 3.48 (s, 3H), 3.81 (s, 2H), 4.13 (dd, J = 3.7 and 11.8Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 5.1 and 11.8Hz, 1H), 5.12-5.20 (m, 1H), 5.15 (s, 2H), 5.28 (d, J = 8.7Hz, 1H), 5.38 (dd, J = 9.5 and 10.3Hz, 1H), 5.60 (dd, J = 8.7 and 9.0Hz, 1H), 6.68 (dd, J = 2.3 and 8.4Hz, 1H), 6.83 (d, J = 2.3Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.4Hz, 1H), 7.02-7.11 (m, 4H)
ESI m/z = 641 (M+Na)
実施例18
4’−ブロモ−2’−ベンゾイルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(200mg, 0.549mmol)、4−ブロモ−2−ベンゾイルフェノール(773mg, 2.79mmol)、トリフェニルホスフィン(191mg, 1.10mmol)及びトルエン(1.6 mL)の混合物に、氷冷下、ジエチルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、0.48 mL, 1.10mmol)をゆっくり滴下した。室温で12時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)にて精製し、表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 1.89 (s, 3H), 1.94 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 3.23 (m, 1H), 4.08-4.14 (m, 2H), 5.16-5.25 (m, 3H), 7.19 (d, J = 8.9Hz, 1H), 7.43-7.48 (m, 3H), 7.57-7.61 (m, 2H), 7.74-7.77 (m, 2H)
ESI m/z = 645、647 (M+Na)
実施例19
4’−クロロ−2’−ベンジルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(200mg, 0.549mmol)、4−クロロ−2−ベンジルフェノール(601mg, 2.75mmol)、トリフェニルホスフィン(191mg, 1.10mmol)及びトルエン(1.6 mL)の混合物に、氷冷下、ジエチルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、0.48 mL, 1.10mmol)をゆっくり滴下した。室温で12時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)にて精製し、表題化合物(173mg, 56%)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 1.91 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 3.28 (m, 1H), 3.88 (s, 2H), 4.14 (dd, J = 3.7, 12.0Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 5.3, 12.0Hz, 1H), 5.16 (dd, J = 8.8, 9.5Hz, 1H), 5.31 (d, J = 8.6Hz, 1H), 5.39 (dd, J = 9.5, 10.3Hz, 1H), 5.60 (dd, J = 8.6, 8.8Hz, 1H), 7.03-7.35 (m, 8H)
ESI m/z = 587、589 (M+Na)
mp 111.0〜114.0℃
実施例20
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,4,6−トリ−O−ピバロイル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,4,6−トリ−O−ピバロイル−5−チオ−D−グルコピラノース(200mg, 0.446mmol)、2−(4−エチルベンジル)フェノール(473mg, 2.23mmol)、トリフェニルホスフィン(155mg, 0.892mmol)及びTHF(1.6 mL)の混合物に、室温でジエチルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、0.39mL)をゆっくり滴下した。室温で10時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、表題化合物(91mg, 32%)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 1.16 (s, 9H), 1.19(s, 9H), 1.23 (s, 9H), 2.60 (q, J = 7.7Hz, 2H), 3.25 (m, 1H), 3.62 (dd, J = 8.6, 9.2Hz, 1H), 3.83 (d, J = 15Hz, 1H), 3.93 (d, J = 15Hz, 1H), 4.22 (m 2H), 5.27 (dd, J = 9.2, 10.6Hz, 1H), 5.37 (d, J = 8.6Hz, 1H), 5.49 (t, J = 8.6Hz, 1H), 6.92-7.20 (m, 8H)
ESI m/z = 665 (M+Na)
実施例21
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−5−チオ−D−グルコピラノース(200mg, 0.33mmol)、2−(4−エチルベンジル)フェノール(347mg, 1.63mmol)、トリフェニルホスフィン(171mg, 0.65mmol)及びトルエン(2mL)の混合物に、室温でジエチルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、284mg)をゆっくり滴下した。室温で16.5時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色アモルファス状の表題化合物(41mg, 15%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ1.16 (t, J = 7.6Hz, 3H), 2.53 (q, J = 7.6Hz, 2H), 3.70-3.80 (m, 1H), 3.76 (d, J = 15.5Hz, 1H), 3.87 (d, J = 15.5Hz, 1H), 4.54 (dd, J = 5.1 and 12.0Hz, 1H), 4.65 (dd, J = 4.5 and 12.0Hz, 1H), 5.65 (d, J = 8.4Hz, 1H), 5.84 (dd, J = 9.1 and 9.5Hz, 1H), 6.03 (dd, J = 9.5 and 10.0Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 8.4 and 9.1Hz, 1H), 6.85-7.60 (m, 20H), 7.70-8.05 (m, 8H)
ESI m/z = 829(M+Na)
実施例22
5’−アセチルオキシメチル−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(1.0g, 2.7mmol)、5−アセチルオキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェノール(1.5g, 5.3mmol)、トリフェニルホスフィン(941mg, 5.4mmol)及びトルエン(5mL)の混合物に、室温でジイソプロピルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、3.2mL)を氷冷下滴下した。室温で22時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:4)にて精製し、無色アモルファス状の表題化合物(670mg, 39%)を得た。
1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ 1.20 (t, J = 7.7Hz, 3H), 1.99 (s, 3H), 2.01(s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.60 (q, J = 7.7Hz, 2H), 3.29 (ddd, J = 4.0, 5.2, 10.1Hz, 1H), 3.86-3.92 (m, 2H), 4.13 (dd, J = 4.0, 12.0Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 5.2, 12.0Hz, 1H), 5.05-5.07 (m, 2H), 5.17 (dd, J = 8.8, 9.4Hz, 1H), 5.33 (d, J = 8.8Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 9.4, 10.1Hz, 1H), 5.61 (d, J = 8.8Hz, 1H), 6.95-7.15 (m, 7H)
ESI m/z = 653 (M+Na)
実施例23(化合物1)
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(310mg, 0.555 mmol)とメタノール(5 mL)の混合物にナトリウムメトキシド(30mg, 0.555 mmol)を加え、室温にて10時間攪拌した。反応液にDowex-50Wx8 イオン交換樹脂を加え中和し、混合物を濾過した。得られたろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(170 mg, 78%)を得た。
1H−NMR(300MHz, MeOH-d4):δ 1.19 (t, J = 7.3Hz, 3H), 2.58 (q, J = 7.3Hz, 2H), 2.88-2.95 (m, 1H), 3.29-3.31 (m, 1H), 3.55−3.60 (m, 1H), 3.74-3.83 (m, 2H), 3.90-3.93 (m, 1H), 3.97-3.99 (m, 2H), 5.17 (d, J = 8.5Hz, 1H), 6.91 (dt, J = 1.2, 7.4Hz, 1H), 7.10-7.19 (m, 6H), 7.27 (d, J = 7.9Hz, 1H)
ESI m/z = 389 (M-H)
mp 154.0−160.0℃
実施例24(化合物1)
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
4’,6’−ジブロモ−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(410mg, 0.572mmol)、炭酸カリウム(158mg, 1.15mmol)、10%パラジウム活性炭(50%wet、200mg)、メタノール(20mL)の混合物を水素雰囲気下、室温で20時間撹拌した。反応液中の不溶物をセライトを通してろ過し、そのろ液を濃縮した。得られた残渣をメタノール−水から再結晶し無色粉末状の表題化合物(177mg, 79%)を得た。
1H−NMR(300MHz, MeOH-d4):δ 1.19 (t, J = 7.3Hz, 3H), 2.58 (q, J = 7.3Hz, 2H), 2.88-2.95 (m, 1H), 3.29-3.31 (m, 1H), 3.55-3.60 (m, 1H), 3.74-3.83 (m, 2H), 3.90-3.93 (m, 1H), 3.97-3.99 (m, 2H), 5.17 (d, J = 8.5Hz, 1H), 6.91 (dt, J = 1.2, 7.4Hz, 1H), 7.10-7.19 (m, 6H), 7.27 (d, J = 7.9Hz, 1H)
ESI m/z = 389 (M-H)
mp 156.5〜157.5℃
実施例25(化合物13)
2’−(4’−エチルベンジル)−4’−(ヒドロキシメチル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
リチウムアルミニウムハイドライド(90mg, 2.37mmol)及びテトラヒドロフラン(5mL)の混合物に氷冷下、2’−(4’−エチルベンジル)−4’−(メトキシカルボニル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(293mg, 0.475mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加えて室温で2時間攪拌した。反応液に少量の酢酸エチルと水を加えてしばらく攪拌した後にクロロホルムで抽出して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製し、無色粉末の表題化合物(55mg, 28%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CD3OD):δ 1.19 (t, J = 7.6Hz, 3H), 2.57 (q, J = 7.6Hz, 2H), 2.87-2.95 (m, 1H), 3.28-3.33 (m, 1H), 3.57 (dd, J = 8.9 and 10.3Hz, 1H), 3.73-3.83 (m, 2H), 3.88-4.03 (m, 3H), 4.47 (s, 2H), 5.17 (d, J = 8.7Hz, 1H), 7.04-7.19 (m, 6H), 7.25 (d, J = 8.4Hz, 1H)
ESI m/z = 443 (M+Na)
mp 202.5〜205.0℃
実施例26(化合物21)
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−ヒドロキシフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−(メトキシメチルオキシ)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(115mg, 0.255mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(15mg, 0.09mmol)の混合物を室温で23時間、50℃で1時間攪拌した後に、p−トルエンスルホン酸一水和物(23mg, 0.13mmol)を加えてさらに50℃で5時間攪拌した。反応液にトリエチルアミン(0.5mL)を加えて、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1〜9:1)にて精製し、無色粉末の表題化合物(85mg, 82%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CD3OD):δ 1.19 (t, J = 7.6Hz, 3H), 2.57 (q, J = 7.6Hz, 2H), 2.85-2.94 (m, 1H), 3.24-3.33 (m, 1H), 3.56 (dd, J = 9.0 and 10.3Hz, 1H), 3.73-3.90 (m, 4H), 3.92 (dd, J = 3.7 and 7.8Hz, 1H), 5.08 (d, J = 8.7Hz, 1H), 6.37 (dd, J = 2.3 and 8.2Hz, 1H), 6.76 (d, J = 2.3Hz, 1H), 6.83 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.00-7.10 (m, 4H)
ESI m/z = 429 (M+Na)
mp 172.0〜173.5℃
実施例27(化合物23)
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 6−O−メトキシカルボニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(500mg, 1.33mmol)及び2,4,6−コリジン(5mL)の混合物に−40℃にてクロロギ酸メチル(151mg, 1.6mmol)の塩化メチレン(0.5mL)溶液を加えた後に−10℃まで1時間かけて昇温して、その後室温で2.5時間攪拌した。反応液を氷冷した10%塩酸水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=30:1−20:1−10:1)にて精製し、無色粉末の表題化合物(340mg, 59%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CD3OD):δ 1.19 (t, J = 7.6Hz, 3H), 2.58 (q, J = 7.6Hz, 2H), 3.04-3.14 (m, 1H), 3.26-3.34 (m, 1H), 3.57 (dd, J = 9.2 and 10.3Hz, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.76-3.85 (m, 1H), 3.92 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 3.99 (d, J = 14.0Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 6.2 and 11.3Hz, 1H), 4.48 (dd, J = 3.3 and 11.3Hz, 1H), 5.19 (d, J = 8.7Hz, 1H), 6.88−6.95 (m, 1H), 7.02-7.28 (m, 7H)
ESI m/z = 471 (M+Na)
mp 102.0〜104.5℃
実施例28(化合物39)
2’−(4’−エチルベンジル)−5’−(ヒドロキシメチル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
5’−アセチルオキシメチル−2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(660mg, 1.05mmol)とメタノール:トリエチルアミン:水(5:1:1;6mL)の混合物を室温で12時間撹拌した。反応液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=8:1)にて精製し、無色粉末の表題化合物(120mg, 27%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CD3OD):δ 1.19 (t, J = 7.6Hz, 3H), 2.57 (q, J = 7.6Hz, 2H), 2.92 (ddd, J = 3.6, 6.2, 10.2Hz, 1H), 3.57 (dd, J = 9.0, 10.2Hz, 1H), 3.76 (dd, J = 6.2, 11.3Hz, 1H), 3.81 (t, J = 8.9Hz, 1H), 3.90-4.01 (m, 3H), 4.57 (s, 2H), 5.19 (d, J = 8.7Hz, 1H), 6.91 (m, 1H), 7.01 (m, 1H), 7.06 (m, JAB = 8.3Hz, 2H), 7.10 (m, JAB = 8.3Hz, 2H), 7.29 (s, 1H)
ESI m/z = 443 (M+Na)
mp 206.0〜211.0℃
実施例29(化合物22)
2’−[3’−(ベンゾフラン−5’−イル)−1’−オキソプロピル]−3’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース (200mg, 0.55mmol)、2−アセチル−5−メチルレゾルシノール (182mg, 1.10mmol)、トリフェニルホスフィン (288mg, 1.10mmol)及びトルエン (2mL)の混合物に、氷冷下、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、555mg)をゆっくり滴下した。室温で18時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30−50:50)にて精製し、淡黄色粉末状の2−アセチル−3−ヒドロキシ−5−メチルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(82mg, 28%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ 2.00 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 2.61 (s, 3H), 3.30-3.38 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 4.15 (dd, J = 3.4 and 12.0Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 5.0 and 12.0Hz, 1H), 5.20 (dd, J = 9.1 and 9.4Hz, 1H), 5.39 (dd, J = 9.4 and 9.6Hz, 1H), 5.52 (d, J = 8.9Hz, 1H), 5.63 (dd, J = 8.9 and 9.1Hz, 1H), 6.42 (s, 1H), 6.50 (s, 1H), 13.14 (s, 1H)
ESI m/z = 535 (M+Na)
mp 162.5〜164.5℃
次に、2’−アセチル−3’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド (400mg, 0.76mmol)及びエタノール (4mL)の混合物に室温で50%水酸化カリウム水溶液 (450μL)を加えた。室温で5分間攪拌した後、5−ホルミルベンゾフラン (125mg, 0.86mmol)を室温で加えた。室温でさらに22時間攪拌した後に4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン (93mg, 0.76mmol)及び10%白金−炭素 (100mg)を加え、水素雰囲気下、室温で17.5時間攪拌した。不溶物をろ過後、10%塩酸で中和し、生じた不溶物をろ過した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、淡黄色粉末の2−[3−(ベンゾフラン−5−イル)−1−オキソ−2−プロペニル]−3−ヒドロキシ−5−メチルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド (116mg, 33%)を得た。
mp 170.5〜177.5℃
上記で得た2’−[3’−(ベンゾフラン−5’−イル)−1’−オキソ−2−プロペニル]−3’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド (105mg, 0.23mmol)及びメタノール (5mL)の混合物に10%白金−炭素 (100mg)を加え、水素雰囲気下、室温で19時間攪拌した。不溶物をろ過後、ろ液を減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1−9:1)にて精製し、表題化合物 (47mg, 43%)を得た。
1H−NMR(300MHz, DMSO-d6): δ 2.27 (s, 3H), 2.90-3.02 (m, 2H), 3.08-3.18 (m, 1H), 3.27-3.40 (m, 3H), 3.52-3.60 (m, 2H), 3.75-3.85 (m, 1H), 4.06-4.13 (m, 1H), 4.73 (t, J = 5.4Hz, 1H), 5.04 (d, J = 4.8Hz, 1H), 5.09 (d, J = 4.5Hz, 1H), 5.36 (d, J = 8.9Hz, 1H), 5.44 (d, J = 4.7Hz, 1H), 6.38 (s, 1H), 6.71 (s, 1H), 6.88 (dd, J = 0.9 and 2.2Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 1.7 and 8.4Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.4Hz, 1H), 7.52-7.56 (m, 1H), 7.94 (d, J = 2.2Hz, 1H), 11.88 (brs, 1H)
ESI m/z=497(M+Na)
mp 171.0〜175.0℃
実施例30(化合物34)
2’−(p−トルイジノ)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシドの製造
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース (500mg, 1.37mmol)、2−ニトロフェノール (382mg, 2.74mmol)、トリフェニルホスフィン (477mg, 2.74mmol)及びトルエン (2.5mL)の混合物に、氷冷下、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、1.62mL)をゆっくり滴下した。室温で5.5時間攪拌した後に、反応液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30)にて精製し、淡黄色粉末状の2’−ニトロフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(445mg, 67%)を得た。
ESI m/z=508(M+Na)
mp 170.0〜171.5℃
次に、2’−ニトロフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(445mg, 0.917mmol)、メタノール (4mL)、10%パラジウムカーボン(40mg)の混合物を、水素雰囲気下、室温で24時間攪拌した。不溶物をろ過後、ろ液を減圧下留去して淡褐色アモルファス状の2’−アミノフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(281mg, 82%)を得た。
ESI m/z=478(M+Na)
次に、2’−アミノフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(65mg, 0.143mmol)、4−メチルフェニルボリックアシド(19mg, 0.143mmol)、Cu(OAc)2 (26mg, 0.143mmol)、モレキュラーシーブス4A(1g)、トルエン(1mL)の混合物を3分間撹拌した後に、トリエチルアミン(78ul, 0.715mmol)及びピリジン(56ul, 0.715mmol)を加え室温にて21時間撹拌した。不溶物をろ過後、ろ液を減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、2’−(p−トルイジノ)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(67mg, 86%)を得た。
ESI m/z=568(M+Na)
mp 112.0〜115.0℃
次に、2’−(p−トルイジノ)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−β−D−グルコピラノシド(67mg, 0.123mmol)、メタノール(1.0mL)の混合物に1M NaOMe(12ul, 0.012mmol)を加え室温で3時間撹拌した。ドライアイスを加え中和した後に、反応液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、表題化合物 (24mg, 53%)を得た。
1H−NMR(300MHz, CD3OD):δ 2.27 (s, 3H), 2.89 (m, 1H), 3.27 (t, J = 9.0Hz, 1H), 3.57 (t, J = 9.0, 10.2Hz, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.84 (t, J = 9.0Hz, 1H), 3.93(m, 1H), 4.96 (d, J = 9.0Hz, 1H), 6.74 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 7.05 (m, 4H), 7.17 (m, 1H), 7.24 (m, 1H)
ESI m/z=400(M+Na)
mp 152.0〜153.0℃
実施例31
(2R,3R,4S,5S,6R)−2−[2−(4−エチルベンジル)フェノキシ]−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−チオピラン−3,4,5−トリオール 1−オキシドの製造
2’−(4’−エチルベンジル)フェニル 5−チオ−β−D−グルコピラノシド(100mg, 0.256mmol)とクロロホルムの混合物に、0℃にてm−CPBA (60mg, 0.269mmol)を加え、30分攪拌した。反応液にシリカゲル (1g) を加え、減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、無色粉末の表題化合物(81mg, 78%)を64/36のジアステレオマー混合物として得た。
1H−NMR(300MHz, CD3OD):δ 1.19 and 1.20 (t, J = 7.8Hz, 3H), 2.59 (q, J = 7.8Hz, 2H), 2.80-3.00 (m, 1H), 3.52−3.70 (m, 2H), 3.87−4.86 (m, 5H), 5.10 (d, J = 9.8Hz, 0.64H, H-1ax), 5.30 (d, J = 9.8Hz, 0.36H, H-1eq), 6.90−7.37 (m, 8H)
ESI m/z=429 (M+Na)
相当する出発原料と反応物を用い、上記実施例と同様な操作を行なうことにより、下記表に示す本発明に係る化合物を得た。上記実施例で得た本発明に係る化合物を合わせ表1〜24に示した。
Figure 2005247834
Figure 2005247834
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Figure 2005247834
Figure 2005247834
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Figure 2005247834
Figure 2005247834
Figure 2005247834
Figure 2005247834
Figure 2005247834
試験例1
文献(Aanal. Biochem., 第201巻, 301項, 1984年)記載の方法に準じて調製したラット腎刷子縁膜小胞(brush border membrane vehicle: BBMV)の懸濁液(蛋白濃度4mg/mL)50μLを37℃、2分プレインキュベーションした後、これに、DMSOに溶解した披験化合物(DMSO終濃度1%)及び100mM Mannitol、100mM NaSCN又はKSCN、10mM HEPES/Tris pH 7.4、D-グルコース(終濃度0.1mM)、D-[6-3H]グルコース(Amersham) 1μCiを混合した反応液150μLを加えた。37℃で5秒間反応を行った後、反応混合物に氷冷した1mLの反応停止液(150mM NaCl、10mM HEPES/Tris pH7.4、0.3mMフロリジン)を加えて反応を停止させた後、直ちにpore size0.45μmのメンブレンフィルター(HAWP02500、Millipore)を用いて、急速濾過を行い、BBMVを分離した。そのメンブレンフィルターを氷冷した反応停止液4.5mLで3回洗浄し、十分に乾燥してから液体シンチレーションカウンター(Beckman)を用いて放射活性の測定を行いメンブレンフィルター上のBBMVに取り込まれたグルコース量を定量した。
化合物無添加時のグルコース取り込み量を100%とし、化合物を添加した時のグルコース取り込み量が50%阻害される化合物濃度(IC50値)を算出した。
その結果を表25に示した。
Figure 2005247834
試験例2[血糖低下作用確認試験]
1)病態動物及び正常対照動物の作製
7週齢のSD/IGSラット(日本チャールスリバー株式会社、雄性)について約16時間の絶食処置を行った後、ラット46匹にエーテル麻酔下でストレプトゾトシン(STZ)50mg/kgを尾静脈内投与し、病態動物を作製した。同様にラット6匹にエーテル麻酔下、1.25mmol/Lクエン酸生理食塩液1mL/kgを尾静脈内投与し、正常対照動物とした。STZまたは1.25mmol/Lクエン酸生理食塩液投与1週後(8週齢)、ラットを血糖低下試験に供した。
2)血糖低下試験
試験前日の午前中、以下記載の採血法及び血糖値測定法に従い、STZによる糖尿病の発症を確認した。さらに各群の血糖値の平均値と分散に出来る限り差が生じないよう群分けし、1群あたりの匹数を6匹とした。
試験当日の午前中、試験物質は、0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液に懸濁し、3mg/5mLの濃度に調製した。ラットの体重を測定後、調製した試験物質懸濁液をラット経口投与用ゾンデにて5mL/kgの容量で強制経口投与し、対照群には0.5%CMC水溶液のみ投与した。採血は,試験物質投与直前(0time)及び、経口投与1,2,4,8,24時間後の計6点で実施した。尚、試験は自由摂食、摂水下で行った。
採血は、エーテル麻酔下で病態動物18匹の眼窩静脈洞よりヘパリンコート採血管を用いて行い、血糖値は、グルコースCIIテストワコー(和光純薬株式会社)を用いて測定した。
その結果を図1に示した。
本発明に係る5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物は、優れたSGLT2の活性阻害作用を示し、糖尿病、糖尿病関連疾患、糖尿病性合併症等の予防又は治療するための医薬として有用である。
試験例2における血糖低下作用確認試験結果を示した図であり、縦軸に血糖値、横軸に時間を示した。

Claims (16)

  1. 下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
    Figure 2005247834
    [式中、pは0又は1であり、Yは−O−又は−NH−であり、
    1、R2、R3及びR4は同一又は異なって、
    水素原子、C2-10アシル基、C7-10アラルキル基、C2-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシC2-10アシル基又はC1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基であり、
    Arは、−X-A1により置換されたアリール基であって、該アリール基はさらに同一又は異なった1〜4個の置換基により置換されてもよく、
    その置換基は、ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
    −(CH2)m−Q
    {式中、mは0〜4の整数であり、Qはホルミル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C1-6アルキルチオ基;C1-6アルキルスルフィニル基;C1-6アルキルスルホニル基;−NHC(=O)H;C2-10アシルアミノ基;C1-6アルキルスルホニルアミノ基;C1-6アルキルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;カルバモイル基;N−(C1-6アルキル)アミノカルボニル基;若しくはN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基である};又は
    1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)であり、
    Xは−(CH2)n−、−CO(CH2)n−、−CH(OH)(CH2)n−、−O−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−NHCO(CH2)n−(nは0〜3の整数である)、−COCH=CH−、−S−又は−NH−を示し、
    1は、同一又は異なった1〜4個の置換基により置換されてもよい、アリール基、ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基であり、
    その置換基は、ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
    −(CH2)m’−Q’
    {式中、m’は0〜4の整数であり、Q’はホルミル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C1-6アルキルチオ基;C1-6アルキルスルフィニル基;C1-6アルキルスルホニル基;−NHC(=O)H;C2-10アシルアミノ基;C1-6アルキルスルホニルアミノ基;C1-6アルキルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;カルバモイル基;N−(C1-6アルキル)アミノカルボニル基;若しくはN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基である};及び
    1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)である]
  2. 下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
    Figure 2005247834
    [式中、pは0又は1であり、Yは−O−又は−NH−であり、
    1、R2、R3及びR4は同一又は異なって、
    水素原子、C2-10アシル基、C7-10アラルキル基、C2-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシC2-10アシル基又はC1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基であり、
    5、R6、R7、R8及びR9の少なくとも一つは−X-A1(X及びA1の定義は、請求項1で定義した通りである)であり、
    その他は同一又は異なって、
    水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
    −(CH2)m−Q
    (m及びQの定義は、請求項1で定義したとおりである);又は
    1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)である]
  3. Yが−O−である請求項2記載の5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  4. 5が−X-A1である請求項2又は3記載の5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  5. Xが−(CH2)n−(nは0〜3の整数である)である請求項4記載の5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  6. Xが−CO(CH2)n−(nは0〜3の整数である)である請求項4記載の5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  7. 下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
    Figure 2005247834
    [式中、pは0又は1であり、
    Xは−(CH2)n−、−CO(CH2)n−、−CH(OH)(CH2)n−、−O−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−NHCO(CH2)n−(nは0〜3の整数である)、−COCH=CH−、−S−又は−NH−であり、
    1、R2、R3及びR4は同一又は異なって、
    水素原子、C2-10アシル基、C7-10アラルキル基、C2-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシC2-10アシル基、C1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基であり、
    6、R7、R8及びR9は同一又は異なって、
    水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
    −(CH2)m−Q
    {式中、mは0〜4の整数であり、Qはホルミル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C1-6アルキルチオ基;C1-6アルキルスルフィニル基;C1-6アルキルスルホニル基;−NHC(=O)H;C2-10アシルアミノ基;C1-6アルキルスルホニルアミノ基;C1-6アルキルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;カルバモイル基;N−(C1-6アルキル)アミノカルボニル基;若しくはN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基である};又は
    1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)であり、
    10、R11、R12、R13及びR14は同一又は異なって、
    水素原子;ハロゲン原子;水酸基;ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基;
    −(CH2)m’−Q’
    {式中、m’は0〜4の整数であり、Q’はホルミル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルコキシ基;C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基;C2-10アシルオキシ基;C2-10アシル基;C2-6アルコキシカルボニル基;C1-6アルキルチオ基;C1-6アルキルスルフィニル基;C1-6アルキルスルホニル基;−NHC(=O)H;C2-10アシルアミノ基;C1-6アルキルスルホニルアミノ基;C1-6アルキルアミノ基;N,N−ジ(C1-6アルキル)アミノ基;カルバモイル基;N−(C1-6アルキル)アミノカルボニル基;若しくはN,N−ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基である};又は
    1〜4個の置換基で置換されてもよい、C3-7シクロアルキル基;C3-7シクロアルキルオキシ基;アリール基;C7-10アラルキル基;アリールオキシ基;C7-10アラルキルオキシ基;C7-10アラルキルアミノ基;ヘテロアリール基若しくは4〜6員ヘテロシクロアルキル基(ここで、置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びC1-6アルコキシ基からなる群から選択される)である]
  8. Xが−CH2−である請求項7記載の5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  9. Xが−O−又は−NH−である請求項7記載の5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  10. 下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
    Figure 2005247834
    (式中、pは0又は1であり、R6A〜R9Aは同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基又はヒドロキシC1-4アルキル基であり、RCは水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-4アルキル基、ハロゲン原子で置換されたC1-6アルキル基又はC1-6アルキルチオ基であり、R4Aは水素原子、C2-6アルコキシカルボニル基又はC2-6アルカノイル基であり、R1A〜R3Aは同一又は異なって、水素原子、C2-8アルカノイル基又はベンゾイル基である)
  11. 下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
    Figure 2005247834
    (式中、pは0又は1であり、RDは水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基又はヒドロキシC1-4アルキル基であり、REは水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基又はヒドロキシC1-4アルキル基である)
  12. 下記式で表される5−チオ−β−D−グルコピラノシド化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬。
    Figure 2005247834
    (式中、pは0又は1であり、R1、R2、R3及びR4は同一又は異なって、水素原子、C2-10アシル基、C7-10アラルキル基、C2-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルコキシC2-10アシル基、C1-6アルコキシC2-6アルコキシカルボニル基であり、
    6Bは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C2-10アシルオキシ基、又は1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基若しくはC1-6アルコキシ基であり、R8Bは水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個のハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基である)
  13. ナトリウム依存性グルコース供輸送体2の活性阻害剤である請求項1〜12のいずれか1項記載の医薬。
  14. 糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療薬である請求項1〜12のいずれか1項記載の医薬。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項記載の医薬、並びにPPARγアゴニスト;PPARα/γアゴニスト;PPARδアゴニスト;及びPPARα/γ/δアゴニストからなる群から選択されるインスリン感受性増強薬、グリコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、インスリン製剤及びジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤を組み合わせてなる医薬。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項記載の医薬、並びにヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、スクアレン合成酵素阻害薬、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、低比重リポタンパク受容体促進薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤及び食欲抑制薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤を組み合わせてなる医薬。
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