JP2005243179A - 情報記録媒体用基板およびこれを用いた情報記録媒体 - Google Patents

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一雄 佐々木
Isao Akihara
勲 秋原
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Abstract

【課題】 剛性に優れ、製品製造時に金型キャビティ表面の微細な情報信号が転写性され、そりが少なくしかも振動時の面振れが少ない、光ディスクや近接場記録媒体などの情報記録媒体用基板を提供すること。
【解決手段】 粘度平均分子量が10,000〜25,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に、テルペン系樹脂を1〜10重量部が配合されてなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を原料とし、射出成形法によって製造されてなる情報記録媒体用基板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、情報記録媒体用基板に関する。さらに詳しくは、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を原料とし、射出成形法によって製造されてなる情報記録媒体用基板であって、グルーブやピットといったサブミクロンオーダーの情報信号を正確に転写し、平面性、剛性などに優れ、そりが少なくしかも振動時の面振れが少ない、光ディスクや近接場記録媒体などの情報記録媒体用基板に関するものである。
コンパクトディスク、レーザーディスク、光磁気ディスク、デジタルビデオディスク等の光ディスク、さらには情報面(記録層に対して、基板とは反対の面)からの信号の読み取りや、書き込みを特徴とする近接場記録情報媒体用などには、芳香族ポリカーボネート樹脂を原料とし、射出成形法によって製造された基板が広く用いられている。
このような基板は、通常、固定金型と可動金型との間に型締め状態で形成されるキャビティー内に、環状の平坦なスタンパーを取付け、キャビティー内に溶融させた熱可塑性樹脂を射出することによってスタンパーの信号(ピット)やレーザー光案内溝等のプリフォーマット情報を転写させる方法によって製造されている。
従来、基板製造用に芳香族ポリカーボネート樹脂が使用されてきたのは、透明性、強度、耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性などに優れており、また射出成形法で基板を製造した場合に、スタンパーに刻設した微細な凹凸模様(情報信号)が正確に基板(成形品)表面に転写されて(転写性が良好で)、そりが少ない、平面性に優れた高品質の情報記録媒体用基板が得られるからである。
しかし近年、情報記録媒体への信号記録密度を上げる目的で、基板自体の厚みを薄くしたり、情報信号のピットやグルーブを深くしたり、ピットやグルーブ相互の間隔(ピッチ)をさらに小さくする傾向にあり、射出成形による該信号の基板への正確な転写が困難になってきている。また近接場記録媒体などの場合、基板の平面性に対する要求もさらに厳しくなり、基板のそりが少なく、記録媒体回転時など、基板に振動を与えた時の面振れが少ないことが要求される。
基板の厚みを薄くすると、射出成形法で製造するに際し、原料樹脂の流動性が低い場合は情報信号の転写性が不十分となる傾向がある。また、厚みが薄くなるに従って基板の剛性が低下し、基板のそりや面振れが大きくなる傾向にある。基板のそりが大きいと、レーザー光線の反射角が大きくなり、情報記録媒体の再生信号をディテクターで検知できない場合がある。またデジタルビデオディスク等の場合は、2枚の基板の貼り合わせが困難になる。さらに近接場記録媒体の場合、高速で回転させながら情報面からの情報読み取りや書き込みを行うため、高速回転時の基板の面振れが小さいことが必要がある。
しかし、芳香族ポリカーボネート樹脂を単独で用いてなる基板(成形品)は、金属製やガラス製などの基板に比べると剛性が低い。これを改良する目的で、原料樹脂にガラス繊維や無機フイラーなどの添加物を配合する手法が試みられている。添加物を配合する手法で剛性を向上させれば、基板のそりや高速回転時の面振れは少なくなることが知られている。しかし、上記のような添加物を、基板の剛性が十分に改良される量まで原料樹脂に配合すると、得られる基板の透明性が著しく損なわれるため、透明性が必要とされる光ディスク基板に関しては不向きであった。これは芳香族ポリカーボネート樹脂と添加物の屈折率が異なることに起因する。
基板表面に微細な凹凸模様(情報信号)を正確に転写させる(すなわち転写性を向上させる)には、(1)基板製造時の金型温度を高く設定する方法、(2)芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度を下げる方法、などがある。しかしながら、上記(1)の方法は基板のそりが大きくなるという欠点があり、上記(2)の方法は同時に剛性が低下するためそりが増大する欠点がある。つまり、転写性が良好であり、同時に剛性が高く、そりや面振れが小さい情報記録媒体用基板は未だ実現はされていなかった。
特開2000−195099号公報 特開2002−047406号公報
本発明者らは、1.平面性や剛性が高く、そりが少なく、振動時の面振れの少ない情報記録媒体用基板を提供すること、および2.スタンパーに刻設された高密度のグルーブやピットといった情報信号が、正確に転写された情報記録媒体用基板を提供すること、の2点を両立する情報記録媒体用基板を提供すべく、検討を重ねた結果、本発明に至った。
本発明者らは、かかる状況にあって、剛性、転写性などに優れ、そりや面振れが少ない情報記録媒体用基板を提供すべく鋭意検討の結果、芳香族ポリカーボネート樹脂にある種の添加物を併用した樹脂組成物を用い、射出成形法によって製造した情報記録媒体用基板は、上記問題を解決することを見いだし、本発明に至った。
すなわち本発明は、粘度平均分子量が10,000〜25,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、テルペン系樹脂を1〜10重量部含有してなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用い、射出成形法によって製造されてなることを特徴とする情報記録媒体用基板、および該情報記録媒体用基板を用いて作製された情報記録媒体に存する。
本発明に係る情報記録媒体用基板は、剛性、基板のそりおよび面振れになどが優れており、高速回転させて振動が生じても面振れの少ない光ディスクや近接場記録媒体などの製造用に好適である。また本発明に係る情報記録媒体用基板は、スタンパーに刻設された高密度のグルーブやピットといった情報信号が正確に転写されるので、情報記録密度の高い光ディスクや近接場記録媒体が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお本発明における「情報層」とは、情報を担持している層を意味し、記録可能な情報記録媒体の場合は記録層を、再生専用媒体の場合は(再生光の)反射層を意味する。
本発明に係る情報記録媒体用基板は、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む組成物(以下、原料樹脂組成物と称することがある)を原料として製造されたものである。芳香族ポリカーボネート樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体または共重合体である。代表的なものとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフォキシドのようなジヒドロキシジアリールスルフォキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルフォン類等があげられる。
これらは単独でまたは2種類以上混合して使用されるが、これらの他にビペラジン、ジピペリジル、ハイドロキノン、レゾルシン、4、4’ージヒドロキシジフェニル等を混合することもできる。
原料の芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量は、10,000〜25,000のものである。粘度平均分子量が10,000未満では、剛性が低く実用性のある基板が得られないので好ましくなく、25,000を超えると流動性に劣り、薄く基板表面に微細な凹凸を正確に転写した基板が得られないので、好ましくない。粘度平均分子量は、好ましくは12,000以上、より好ましくは15,000以上であり、また好ましくは22,000以下、より好ましくは20,000以下である。なお、本発明でいう粘度平均分子量(M)とは、オストワルド粘度計を用い塩化メチレンを溶媒とする溶液の極限粘度(η)を求め、次のSchnellの粘度式、すなわち、(η)=1.23×10−50.83、から算出される値を意味する。
上記芳香族ポリカーボネート樹脂には、テルペン系樹脂が配合される。原料樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂にテルペン系樹脂を配合すると、得られる基板の剛性が向上する。また、原料樹脂のガラス転移温度を低下させて基板製造時の流動性を向上させる効果もあり、スタンパーに刻設された高密度のグルーブやピットといった情報信号を、基板表面に正確に転写することができる。さらに、得られる基板の反りを低減させ、また複屈折を低減させる効果がある。
本発明で用いられるテルペン系樹脂は、有機溶媒中でフリーデルクラフツ型触媒存在下、テルペン単量体単独若しくは、テルペン単量体と芳香族単量体、またはテルペン単量体とフェノール類を共重合して得られたものをいう。また得られたテルペン系樹脂を水素添加処理して得られた水素添加テルペン系樹脂であっても良い。
テルペン単量体としてはα−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、d−リモネン等が挙げられ、芳香族単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンが挙げられる。またフェノール類としてはフェノール、クレゾール、ビスフェノールA等が挙げられる。
この様にして得られたテルペン系樹脂は、例えばヤスハラケミカル(株)より“YSレジンPX”(テルペン樹脂)、“YSレジンTO”(芳香族変性テルペン樹脂)、“YSレジンTR”(芳香族変性テルペン樹脂)、“クリアロン”(水添テルペン樹脂)、“YSポリスター”(テルペンフェノール樹脂)、“マイティエース”(テルペンフェノール樹脂)の商品名で市販されており容易に入手できるが、これらに限定されるものではない。
原料の芳香族ポリカーボネート樹脂とテルペン系樹脂との相互作用については、原料樹脂(本発明においては芳香族ポリカーボネートと同義。以下同様)にテルペン系樹脂を配合した樹脂組成物は、室温での剛性は高いが、100℃以上の温度では原料樹脂と添加物との相互作用が緩和され可塑剤効果を発揮するためか、樹脂組成物のガラス転移温度を低下し、成形性が向上することが観察されている。例えば、粘度平均分子量が2万の芳香族ポリカーボネート樹脂自体の引張弾性率は2400MPaであるが、これにテルペン系樹脂化合物を5重量部配合した樹脂組成物とすると、引張弾性率は2600Mpaと高くなる。
また、原料の芳香族ポリカーボネート樹脂自体の転移温度は140〜150℃であるが、この原料樹脂にテルペン系樹脂を配合した樹脂組成物は、テルペン系樹脂の配合量に応じてガラス転移温度が低下する。例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対しテルペン系樹脂を5重量部配合すると、ガラス転移温度が約10℃低下する。樹脂組成物のガラス転移温度が低下することは、金型温度を高くした場合と同等の効果があり、金型キャビティ表面の情報信号の基板表面への転写性が顕著に向上する。
上記テルペン系樹脂を芳香族ポリカーボネート樹脂に配合する際には、単独でまたは複数種の混合物として配合することができる。芳香族ポリカーボネート樹脂に対するテルペン系樹脂の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、1〜10重量部の範囲で選ぶものとする。配合量が1重量部未満では、基板の剛性の向上効果とガラス転移温度の低下効果が顕著でなく、配合量が10重量部を超えると得られる基板の強度が低下し、いずれも好ましくない。上記範囲としてより好ましくは3重量部以上であり、また好ましくは5重量部以下であり、特に好ましいのは3〜5重量部である。
原料樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて難燃剤、難燃助剤、着色剤、可塑剤、滑剤、拡散剤、熱安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、耐候助剤などの各種樹脂添加剤を含有することができる。該樹脂組成物を調製するには、芳香族ポリカーボネート樹脂、テルペン系樹脂、さらに要すれば各種樹脂添加剤を所定量秤量し、例えばV型ブレンダーなどの混合機によって混合し、得られた混合物を押出機などの混練機によって溶融・混練してペレット化する方法によればよい。
本発明に係る情報記録媒体用基板は、上記原料樹脂組成物を原料として射出成形法によって製造することができる。基板製造の際の射出成形機のシリンダー温度や金型温度は、情報信号の密度やそり、面振れの要求度に合わせて、適宜選ぶことができる。基板製造用の射出成形金型は、金型キャビティの一方または双方の面に、ピットやグルーブといったサブミクロンオーダーの深さや間隔の情報信号が刻印されたスタンパーを露出させて配置し、射出成形機のシリンダー温度を250〜400℃の範囲、金型温度を50〜140℃の範囲に設定し、金型キャビティに溶融樹脂を射出し、情報信号が転写された基板(成形品)を製造することができる。この際射出圧縮成形技術を採用すると、転写性のより一層の向上が期待できる。
基板は透明であっても不透明であってもよく、現行の光ディスク基板のように記録・再生用のレーザー光が基板内部を通る場合は透明である必要があり、近接場記録のようにレーザーが情報面から直接読み取り(再生)または記録を行う場合は不透明であってもよい。即ち、透明な基板においては情報面または情報面とは反対の面側から、情報の読み取りまたは書き込み(記録)などを行い、不透明な基板においては情報面から情報の読み取りまたは書き込みなどを行う。基板の厚さは情報信号の密度が高まるにつれてさらに薄くなるが、本発明に係る情報記録媒体用基板は、厚さが0.3〜1.5mmの単独基板であることが好ましい。
本発明に係る情報記録媒体用基板は、コンパクトディスク、レーザーディスク、光磁気ディスク、デジタルビデオディスクなどの光ディスク、情報面側から情報信号の読み取りや書き込みを行う近接場記録媒体などの情報記録媒体用基板として使用することができる。
光ディスクの場合は、上記情報記録媒体用基板上に、直接または他の層を介して、波長300nm〜800nmのレーザ光により記録および/または再生が可能な情報層を設け、必要に応じて該情報層上に更に任意の層を積層することにより製造することができる。あるいは、本発明の情報記録媒体用基板を2枚用い、該基板間に、波長300nm〜800nmのレーザ光により記録および/または再生が可能な情報層を設けて、両基板を張り合わせることにより製造することができる。
近接場記録媒体の場合も、上記と同様の構成とすることができるが、基板を通して記録/再生用レーザー光を照射しない場合は、基板は不透明であってもよい。
本発明に係る情報記録媒体用基板は、波長が300nm〜800nmの範囲レーザー、特に好ましくは385〜780nmの範囲のレーザーを使用して、情報信号の読み取りまたは書き込みを行うことができる。
以下、本発明について実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に記載の例において使用した芳香族ポリカーボネート樹脂は、粘度平均分子量1.6万の光ディスク用ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、NOVAREX7020AD2)であり、添加物のテルペン系樹脂はヤスハラケミカル社製YSレジンTR105である。
[実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例3]
芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、添加物を表−1に記載した割合(重量部)でそれぞれ秤量して配合し、タンブラーによって原料樹脂と混合し、得られた混合物を40mmφベント式押出機を使用して、シリンダー温度270℃の条件で溶融・混練してペレット化した。
得られたペレットのガラス転移温度を測定し、またペレットを用いてISOに準じた試験片を射出成形し、下記の項目の機械的物性の評価をした。さらに得られたペレットを原料とし、光ディスク用製造用金型を装備した射出成形機(住友重機社製、型式:DISK3)によって、シリンダー温度380℃、金型温度118℃の条件下で透明光ディスク基板を成形した。得られた光ディスク基板につき、下記の項目について評価試験を行った。
(1)ガラス転移温度(℃):DSC(セイコー社製、型式:SSC−5000)によって、ペレットを窒素気流下に室温から10℃/minで昇温し、変曲点をガラス転移温度とした。
(2)引張弾性率(MPa):ISO 527に準拠して測定した。
(3)降伏応力(MPa):ISO 527に準拠して測定した。
(4)情報信号の転写性の評価法(グルーブ深さnm):グルーブ深さ200nm、ピッチ0.74μmのスタンパーを用いて厚さ0.6mm、直径120mmの光ディスク基板を成形し、この光ディスク基板の半径方向57mmの円周に沿った4箇所で、グルーブ深さを測定した。数値の大きい方が、情報信号の転写性に優れていることを意味する。測定条件は、下記の通りとした。
原子間力顕微鏡(オリンパス社製、型式:NV2100)を用い、カンチレバー:コニカル、荷重値:30nN、走査ライン数:128、走査速度:5sec/lineとした。
(5)基板のそりおよび面振れの測定法:ディスク反り角自動測定装置(アドモンサイエンス社)を使用し、光ディスク基板を60rpmで回転させながら、光ディスク基板の半径方向25mm、37mm、49mm、57mmの位置であって円周に沿った4箇所に、半導体レーザーからの波長780nmのレーザー光線を照射して測定した。上記の測定値の最大値を、半径方向のそり角度(degree)、接線方向のそり角度(degree)、および面振れ(μm)量とした。これらの数値は小さい方が、優れていることを意味する。
Figure 2005243179
表−1より、次のことが明らかである。
本発明の実施例の情報記録媒体基板(実施例1〜実施例4)は、芳香族ポリカーボネート樹脂単独よりなるもの(比較例1)より剛性に優れているにも拘らずガラス転移温度が低く、情報信号の転写性に優れている。
また、本発明の実施例の情報記録媒体基板(実施例1〜実施例4)は、半径方向のそり角度、接線方向のそり角度および面振れも小さい。
さらに、本発明の実施例の情報記録媒体基板(実施例1〜4)は、テルペン系樹脂を15重量部(10重量部より多く)含有するもの(比較例3)よりも、降伏応力が大きい。
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る情報記録媒体用基板は、剛性、基板のそりおよび面振れになどが優れており、高速回転させて振動が生じても面振れの少ない光ディスクや近接場記録媒体などの製造用に好適である。
2.本発明に係る情報記録媒体用基板は、スタンパーに刻設された高密度のグルーブやピットといった情報信号が正確に転写されるので、情報記録密度の高い光ディスクや近接場記録媒体が得られる。

Claims (4)

  1. 粘度平均分子量が10,000〜25,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、テルペン系樹脂を1〜10重量部含有してなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用い、射出成形法によって製造されてなることを特徴とする情報記録媒体用基板。
  2. 厚さが0.3mm〜1.5mmである、請求項1記載の情報記録媒体用基板。
  3. 請求項1または2記載の基板上に、直接または他の層を介して、波長300nm〜800nmのレーザ光により記録および/または再生が可能な情報層を設けてなる、情報記録媒体。
  4. 請求項1または2記載の基板を2枚用い、該基板間に、波長300nm〜800nmのレーザ光により記録および/または再生が可能な情報層を設けてなる、情報記録媒体。
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