JP2005241204A - 蒸発器、ヒートポンプ、熱利用装置 - Google Patents

蒸発器、ヒートポンプ、熱利用装置 Download PDF

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義昭 松下
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Abstract

【課題】 冷媒を循環させて散布或いは噴霧する蒸発器において、装置の高さを抑えることが可能な蒸発器及びそれを用いたヒートポンプ、熱利用装置を提供する。
【解決手段】 冷媒Wを蒸発させることにより周囲の物質を冷却する蒸発器100において、蒸発器100内の冷媒Wをエゼクタポンプ105により汲み上げて蒸発器100内に散布する冷媒循環部104を備えるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、冷媒を蒸発させることにより周囲の物質を冷却する蒸発器に関する。
ヒートポンプは、蒸発、圧縮、凝縮、及び膨張の各工程からなるサイクルにより、低温の物体から熱を汲み上げ、高温の物体に熱を与える装置である。エネルギー効率が比較的高いため、冷暖房機能を有する空気調和装置や冷凍装置などの熱利用装置に多く用いられている。
そして、冷媒が蒸発する際にその蒸発潜熱によって周囲から熱を吸収することを利用して、空気調和装置の場合には、蒸発時に吸収する熱は、冷房時には周囲の空気から供給され、暖房時には大気から供給される。また、冷媒が凝縮する際に熱を発生することを利用して、空調設備の場合には、凝縮時に発生する熱は、冷房時には大気に放出され、暖房時には周囲に放出される。
特開平10−253155号公報
ヒートポンプのエネルギー効率は、一般に、入力動力に対する出力熱量の比である成績係数(COP:coefficient of performance)で表される。環境問題に関する意識の高まりとともに、より一層のエネルギー効率の向上が望まれている。また一方で、ヒートポンプの冷媒として、環境面での利点(オゾン破壊係数ゼロ、温暖化係数ゼロなど)が多い水を利用する技術の開発が望まれている。ヒートポンプのエネルギー効率を向上させるために、蒸発器において、冷媒を循環させて散布或いは噴霧することにより熱交換の効率を高める場合がある。そして、この冷媒の循環には、スクリュー等を備えたポンプが用いられる。
しかしながら、スクリューの表面で発生するキャビテーションによりポンプが故障することを防止するために、蒸発器の底部に降水管を設けて、ポンプに流入する冷媒の水頭値を稼ぐ必要がある。このため、特に蒸発器、圧縮機、凝縮器を垂直方向に重ねて配置した場合には、蒸発器の底部に設置した降水管がヒートポンプ装置の全高をいたずらに増加させてしまい、限られたスペース内に設置することを困難にさせるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、冷媒を循環させて散布或いは噴霧する蒸発器において、装置の高さを抑えることが可能な蒸発器、及びそれを用いたヒートポンプ、熱利用装置を提供することを目的とする。
本発明に係る蒸発器、ヒートポンプ、熱利用装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、冷媒(W)を蒸発させることにより周囲の物質を冷却する蒸発器(100)において、蒸発器(100)内の冷媒(W)をエゼクタポンプ(105)により汲み上げて蒸発器(100)内に散布する冷媒循環部(104)を備えるようにした。この発明によれば、冷媒を汲み上げる装置としてエゼクタを用いているので、冷媒循環部内でキャビテーションが発生せず、汲み上げ能力の低下、振動、騒音、壊食を防止することができる。更に、蒸発器の底部に降水管を設ける必要がなくなるので、蒸発器の高さを低く抑えることができる。
また、エゼクタポンプ(105)が、蒸発器(100)に向けて圧送される冷媒(W)の圧力と、蒸発器(100)内の圧力との差圧により作動するものでは、電力等の動力を必要としないので、ランニングコストを抑えることができる。
また、冷媒(W)として水が用いられるものでは、蒸発潜熱が大きいため、高いエネルギー効率を得ることができる。
また、冷媒(W)を排出する冷媒出口(102)の近傍にデミスタ(109a)が設けられるものでは、冷媒出口から圧縮機に送られる冷媒(水蒸気)から大きな水滴を取り除き、小さな水滴のみを通過させることにより、圧縮機の性能低下や、エロージョンの発生を防止することができる。
また、蒸発器(100)としては、直接接触式の蒸発器に適用することができる。また、間接接触式蒸発器に適用することができる。
第2の発明は、蒸発器(100)と、圧縮機(110)と、凝縮器(120)と、膨張弁(130)と、を有するヒートポンプ(HP)において、蒸発器(100)として第1の発明の蒸発器(100)を用いるようにした。この発明によれば、蒸発器が、長寿命、低騒音、低振動、メンテンナンスに優れる、高性能なヒートポンプを構築することができる。
また、蒸発器(100)と圧縮機(110)と凝縮器(120)の順に積み重ねられるものでは、特に蒸発器が最下段に配置された場合には、蒸発器の高さが抑えられているので、ヒートポンプの全高を最小限に抑えることが可能となる。
第3の発明は、熱源との間で熱の授受を行う熱利用装置(AC)において、第2の発明のヒートポンプ(HP)を用いるようにした。この発明によれば、冷暖房機能を有する空気調和装置や冷凍装置などの熱利用装置のエネルギー効率を向上させることができる。特に、高さが制限されたスペースに設置される熱利用装置に良好に適用することができる。
本発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、冷媒を蒸発させることにより周囲の物質を冷却する蒸発器において、蒸発器内の冷媒をエゼクタポンプにより汲み上げて蒸発器内に散布する冷媒循環部を備えるようにした。これにより、冷媒循環ポンプ内でのキャビテーションの発生を防止できると共に、蒸発器の高さを低く抑えることができる。したがって、長寿命、低騒音、低振動、省メンテンナンス、省スペースの蒸発器を得ることができる。
第2の発明は、蒸発器と、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、を有するヒートポンプにおいて、蒸発器として第1の発明の蒸発器を用いるようにした。この発明によれば、蒸発器が高効率、長寿命、低ランニングコスト等の特性を有するので、高性能なヒートポンプを構築することができる。
また、蒸発器と圧縮機と凝縮器の順に積み重ねられるものでは、特に、蒸発器が最下段に配置された場合には、ヒートポンプの全高を最小限に抑えることが可能となる。したがって、室内等の高さが限られたスペース内に設置することができる。
第3の発明は、熱源との間で熱の授受を行う熱利用装置において、第2の発明のヒートポンプを用いるようにした。この発明によれば、冷暖房機能を有する空気調和装置や冷凍装置などの熱利用装置のエネルギー効率を向上させることができる。したがって、特に、高さが制限されたスペースに設置される熱利用装置に良好に適用することができる。
以下、本発明の蒸発器、ヒートポンプ、熱利用装置の実施形態について図を参照して説明する。
図1は、ヒートポンプHPの構成の一例を模式的に示す図である。なお、以後の各図において、図中に書かれた温度は、各部における冷媒Wの温度の一例を示している。
ヒートポンプHPは、蒸発器100、圧縮機110、凝縮器120、膨張弁130、及び凝縮器120と蒸発器100とを連結する冷媒配管140から構成される。また、蒸発器100、圧縮機110、及び凝縮器120は、冷媒Wの流れ方向に従って、蒸発器100、圧縮機110、凝縮器120の順に一列に配列されている。これらは鉛直方向に一列に配列されており、蒸発器100の上に圧縮機110、圧縮機110の上に凝縮器120が配されている。
そして、冷媒Wを蒸発器100、圧縮機110、凝縮器120及び膨張弁130の順に循環させ、蒸発、圧縮、凝縮、及び膨張の各工程からなるサイクルにより、低温の物体から熱を汲み上げ、高温の物体に熱を与える。
具体的には、蒸発器100において内部の冷媒Wを蒸発させることにより周囲から熱を吸収する(周囲を冷却する)。そして、蒸発した冷媒Wは圧縮機110で圧縮され、高温高圧のガスとして、凝縮器120に送られる。凝縮器120に送られた高温高圧の冷媒Wは、凝縮器120内で周囲へ熱を放出(周囲を加熱)することにより冷却される。更に、凝縮器120から冷媒配管140に送られた冷媒Wは膨張弁130を介して圧力と温度が下がり、再び蒸発器100に戻る。
冷媒Wとしては、水(HO)が用いられる。水は蒸発潜熱が大きいため、理論上高いCOP(フロンの約1.5倍)が見込まれる。ただし、水は飽和圧力変化が大きいために、ヒートポンプHPで利用するには高い圧縮比(フロンの約3倍以上)での圧縮を必要とし、また圧力損失の許容値が小さい(フロンの約1/130)。
図2は、蒸発器100の構成の一例を模式的に示す図である。
蒸発器100は、直接接触式の蒸発器である。すなわち、蒸発器100は、低温低圧の冷媒W(水)を貯溜する貯溜部103と、貯溜部103の冷媒Wを循環させる循環系104と、循環系104から送られた冷媒Wを貯溜部103内上部で噴霧するスプレーノズル108と、スプレーノズル108からの冷媒Wの蒸発を促進させる蒸発促進部材109とを備える。
なお、蒸発促進部材109は、スプレーノズル108からの冷媒Wを表面に付着させて、冷媒Wの蒸発を促進させるためのもの(流下膜方式)であり、広い表面積(蒸発面積)を有するように形成される。例えば、平板状の他、網状、波板状、円筒状、多孔板状、布板状などの部材があり、これらの部材を所定間隔で複数枚配置したり、渦巻き状、格子状等に配置したりして構成される。
また、スプレーノズル108と冷媒出口102との間にデミスタ109aを設けることが好ましい。デミスタ109aは、圧縮機110に送られる冷媒W(水蒸気)から大きな水滴を取り除き、小さな水滴のみを通過させるものであり、これにより大きな水滴を除去して、圧縮機110の性能低下や、エロージョンの発生を防止することができる。
デミスタ109aとしては、システム効率を低下させないような低圧損のものが求められる。このため、空間率が高いが冷媒W(水蒸気)との衝突の機会が多い、金網やスチールウール等の複雑な形状を有するものが好適である。また、例えば超音波振動子などを用いる等の方法で微細な冷媒W(水蒸気)の水滴を生成してもよい。
そして、デミスタ109aを設置したことにより、エゼクタポンプ105或いはスプレーノズル108によって、ミストの大きさを調節する必要がなくなり、エゼクタポンプ105の運用が容易となり、またスプレーノズル108の選択肢が広がって低価格のスプレーノズル108を使用することが可能となる。
循環系104は、貯溜部103の底部に溜まった冷媒Wを貯溜部103の上部に汲み上げるエゼクタポンプ105と、冷媒Wが流れる循環系配管106と、周囲から吸熱するための熱交換器107とを備える。なお、エゼクタポンプ105とは、霧吹き器と同じ原理を用いたポンプであって、流れの途中で急に細い箇所を作り、そこで流速が増大し、静圧が低下することにより、その周囲の液体が吸い込まれることを利用したものである。
具体的には、膨張弁130から送られた冷媒Wの流れを絞り込んで放出するノズル105aと、ノズル105aを取り囲むケーシング105bと、ケーシング105bの底部に設けられて貯溜部103に貯溜された冷媒Wを吸い込む吸引口105cと、ケーシング105bにおけるノズル105aとの対向面にノズル105aの形状に合わせてテーパー形に形成されて貯溜部103の底部から吸い上げた冷媒Wを膨張弁130から送られた冷媒Wと共に循環系配管に圧送する吹出口105dとを備える。
図3は、圧縮機110の構成の一例を模式的に示す図である。
圧縮機110は、多段(本例では4段)の遠心圧縮機からなり、回転軸113と、回転軸113に取り付けられかつ回転軸113の軸方向に多段に配置される複数のインペラ114と、回転軸113を回転自在に支持しかつ複数のインペラ114を囲うケーシング115と、回転軸113を駆動するための駆動装置116とを備える。
また、ケーシング115には、速度エネルギーを圧力エネルギーに変換するためのディフーザ117と、前段のインペラ114からの冷媒W(水蒸気)を後段のインペラ114に導く流路であるリターンチャネル118とが設けられる。
また、この圧縮機110において、段間の流路(リターンチャネル118)を流れる冷媒W(水蒸気)を冷却する構成(不図示)としてもよい(中間段冷却)。中間段冷却は、例えば、リターンチャネル118を流れる冷媒W(水蒸気)に冷却媒体を加えたり、あるいはリターンチャネル118を流れる冷媒W(水蒸気)と別の冷媒とを熱交換させたりすることにより、圧縮機110内の冷媒W(水蒸気)の温度を降下させるものである。中間段冷却により、圧縮効率を向上させ、圧縮動力を低減することができる。
なお、蒸発器100にデミスタ109aを設けた場合には、デミスタ109aを通過した冷媒W(水蒸気)が1段目以降のインペラ114を冷却するので、中間段冷却の個数を少なくしたり、省略したりすることが可能である。
図4は、凝縮器120の構成の一例を模式的に示す図である。
凝縮器120は、直接接触式の凝縮器である。すなわち、この凝縮器120は、凝縮した冷媒W(水)を貯溜する貯溜部122と、貯溜部122の冷媒Wを循環させるためのポンプ123と、凝縮した冷媒Wを冷却するための冷却器124(空冷式熱交換器)と、冷却器124によって温度降下した冷媒Wを貯溜部122内で噴霧するためのスプレーノズル125と、貯溜部122内での冷媒ガスの凝縮を促進させるための凝縮促進部材126とを備えて構成されている。なお、凝縮促進部材126は、スプレーノズル125からの冷媒Wを表面に付着させて、それに接する冷媒Wの凝縮を促進させるものである。
次に、以上のような構成を備えた蒸発器100、ヒートポンプHPの作用について説明する。
まず、蒸発器100では、冷媒W(水)が循環系104のエゼクタポンプ105を浸すように貯溜部103内に貯溜される。そして、冷媒配管140から送られた冷媒Wは、エゼクタポンプ105のノズル105aにおいて急激に流速が増大して、吹出口105dに向けて吹き出される。すると、ノズル105aを取り囲むケーシング105b内の水が吹き出された冷媒Wに引き込まれ、ノズル105aから吹き出された冷媒Wと共に、吹出口105dから循環系配管106に送り出される。
このようにエゼクタポンプ105によって貯溜部103の底部から汲み上げられた冷媒Wは、循環系配管106内を圧送され、熱交換器107において周囲から熱を吸収した後に、スプレーノズル108から貯溜部103内に噴霧される。
貯溜部103の内部空間は冷媒Wの飽和状態にあり、周囲から熱を吸収(周囲を冷却)して温度上昇した冷媒Wは、スプレーノズル108を介して貯溜部103内上部で噴霧されることにより、蒸発促進部材109の表面に付着し、その一部が蒸発する。
そして、蒸発した冷媒W(水蒸気)は、貯溜部103内の液面より高い位置に設けられた冷媒出口102を介して蒸発器100から排出され、圧縮機110に送られる。この際、スプレーノズル108からの飛沫も水滴となって水蒸気と共に冷媒出口102に向かうが、デミスタ109aを設けているので、圧縮機110の冷却の適し、かつ圧縮機110の性能を低下させない小さな水滴のみが通過する。
なお、冷媒配管140を介してエゼクタポンプ105のノズル105aに送られる冷媒Wは、膨張弁130によってその圧力が調整される。すなわち、エゼクタポンプ105は、蒸発器100に向けて圧送される冷媒Wの圧力と、蒸発器100内の圧力との差圧により作動するため、膨張弁130の開度を調整することにより、冷媒Wの循環量を調整することができる。
次に、蒸発した冷媒W(水蒸気)が流入した圧縮機110では、駆動装置116が回転軸113を回転させると、冷媒入口111を介して冷媒W(水蒸気)が圧縮機110内に流入する。冷媒W(水蒸気)は、インペラ114の回転により周方向かつ外方に移動されてディフーザ117に入り、ここで圧縮されて圧力が高められる。圧縮された冷媒W(水蒸気)はリターンチャネル118を通って次の段のインペラ114に導かれ、以後同様にして冷媒W(水蒸気)の圧縮が各段で行われる。
複数段にわたって圧縮が繰り返されることにより、所望の圧縮比(本例では圧縮比10程度)まで冷媒W(水蒸気)の圧力が高められる。そして、その冷媒W(水蒸気)が冷媒出口112を介して圧縮機110内から排出され、凝縮器120に送られる。
なお、リターンチャンネル118に冷媒Wの微細な液滴が導かれるので、圧縮された冷媒W(水蒸気)が冷却される。すなわち、微細な液滴は、冷媒Wを圧縮することによる温度上昇を抑える働きがあり、インペラ114の許容温度内で、所望の圧力を得ることができ、かつ所要動力を抑えることができる。
次いで、凝縮器120では、貯溜部122内に貯溜された冷媒W(水)が、ポンプ123により汲み上げられ、冷却器124によって冷却(周囲を加熱)された後に、スプレーノズル125を介して貯溜部122内に噴霧される。そして、圧縮機110から圧送される高温高圧の冷媒W(水蒸気)は、スプレーノズル125から噴霧された冷媒Wに接するなどにより冷却されて凝縮する。
そして、凝縮器120から冷媒配管140を介して冷媒Wが圧送され、膨張弁130において圧力と温度が下がり、再び蒸発器100に戻る。
以上のように、ヒートポンプHPは、蒸発、圧縮、凝縮、及び膨張の各工程からなるサイクルにより、低温の物体から熱を汲み上げ、高温の物体に熱を与える。すなわち、蒸発器100は、周囲から熱を吸収(周囲を冷却)する。また、凝縮器120は、周囲へ熱を放出(周囲を加熱)する。
上述したヒートポンプHPでは、特に蒸発器100の高さが抑えられるので、高さの制限がある室内等に好適に設置することができる。
ここで、図5は、従来の蒸発器を示す模式図である。図5に示すように、従来の蒸発器200では、スクリュー式ポンプ201を用いていたため、キャビテーションを防止すべく降水管202を設ける必要があった。すなわち、水頭値hを稼いて、スクリュー付近の冷媒Wの圧力を増加させ、キャビテーションの発生を防止していた。このため、徒に蒸発器200の高さが増してしまい、室内等の高さが限られた場所への設置が困難となってしまう場合があった。
しかしながら、蒸発器100では、エゼクタポンプ105を用いたため、高さが抑えられ、限られた場所への設置が可能となる。また、エゼクタポンプ105は、上述した差圧を動力源としているため、電力消費がなく、従来に比べて蒸発器100のランニングコストを大幅に抑えることができる。
更に、エゼクタポンプ105を用いることにより、キャビテーションによる弊害が殆どなくなる。なお、キャビテーション(cavitation)とは、高速で流れる液体(水など)の中の圧力の低い部分が気化して、非常に短い時間に蒸気の泡(cavity)が生まれ、また非常に短時間でつぶれて消滅する現象のことをいう。
すなわち、例えばスクリュー式ポンプでは、スクリュー(或いはインテューザ)が流体を押し進めるために使われるべきエネルギーが、水の気化や振動などの仕事、すなわちキャビテーションの発生により消費されるため、ポンプ自体の性能が低下する。また、キャビテーションが発生すると、液相が急に気相になるので、水中で小さな爆発が起こっているのと同じことであり、ポンプの振動が激しくなる。また、キャビティが潰れるときには、騒音を発生する。更に、キャビティ崩壊の際に、瞬間的に非常に高い圧力が発生し、これがスクリューやポンプ内壁の表面にへこみや傷をつける。ポンプの運転中はこれが繰り返されるので、長時間が経つとスクリュー等の表面がボロボロになったり、端が欠けたり、ひどい場合は大きな穴が開いたりする。
したがって、エゼクタポンプ105を用いることにより、キャビテーションの発生がなく、循環系104の性能低下、振動、騒音、壊食(erosion)を防止することができる。
また、このヒートポンプHPによれば、蒸発器100の冷媒出口102と圧縮機110の冷媒入口111との距離、並びに圧縮機110の冷媒出口112と凝縮器120の冷媒入口121との距離が短くなり、蒸気となった冷媒Wが流れる蒸気配管の長さが短縮される。また、蒸気配管の屈曲部分が低減される。そのため、蒸気配管での圧力損失が小さく、装置のコンパクト化とともに、圧縮機110の仕事を高効率に利用することが可能となる。更に、蒸発器100、圧縮機110、及び凝縮器120が、鉛直方向に一列に配列されることにより、フットスペースの縮小化が図られる。
また、ヒートポンプHPは、圧力損失が小さく、圧縮機110の仕事を高効率に利用可能な構成であることから、高い圧縮比を必要とする水を冷媒Wとして使用することが可能である。
更に、ヒートポンプの冷媒Wに水を用いる場合、水蒸気の比体積が大きく、蒸気配管の配管径や圧縮機の吸込面積が大きくなるものの、ヒートポンプHPにおいては、蒸気配管の長さが短く、さらに蒸気配管(機器同士の間の配管)の長さを実質的にゼロにすることも可能であることから、装置のコンパクト化を図ることができる。
特に、蒸発器100の高さが抑えられ、限られた場所への設置が可能となる。
上述したヒートポンプHPは、例えば、冷房、暖房、除湿、及び加湿の少なくとも1つの機能を有する空気調和装置に適用することができる。この他に、冷却装置(ヒートシンクなど)、暖房装置(床暖房装置など)、給湯装置、冷凍装置、脱水装置、蓄熱装置、融雪装置、乾燥装置など、熱源との間で熱の授受を行う様々な熱利用装置(プラントやシステムを含む)に適用可能である。
これらの熱利用装置では、ヒートポンプHPを用いることにより、装置のコンパクト化とともに、高いエネルギー効率を得ることができる。また、ヒートポンプHPの冷媒Wに水を用いることにより、エネルギー効率の向上とともに、環境面での様々な利点が得られる。
以下に、本発明の熱利用装置の一例として、ヒートポンプHPを空気調和装置に適用した例について説明する。
図6は、ヒートポンプHPを空気調和装置ACに適用した実施の形態を模式的に示す図である。
この空気調和装置ACは、室内空気を冷房及び暖房する機能を有するものであり、蒸発器100、圧縮機110、及び凝縮器120を含むヒートポンプHPを備えている。そして、ヒートポンプHPの冷媒Wとして、水を用いる。
ヒートポンプHPにおいては、蒸発器100内の冷媒W(水)は、周囲から吸収した熱により蒸発する。熱は冷房時には室内から供給され、暖房時には大気から供給される。また、蒸発した冷媒W(水蒸気)は圧縮機110で圧縮され、高温高圧のガスとして排出される。排出された冷媒W(水蒸気)は凝縮器120内で周囲へ熱を放出することにより冷却凝縮される。熱は冷房時には大気に放出され、暖房時には室内に放出される。凝縮器120を出た冷媒W(水)は膨張弁130を介して圧力と温度が下がり、再び蒸発器100に戻る。
なお、図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、冷媒Wとしては、水の他、フロン系冷媒、アンモニアなどの公知の様々な冷媒であってもよい。
また、図7に示すように、蒸発器100と圧縮機110と凝縮器120とが、上下反転するように積み重ねられてもよい。この場合には、冷媒Wの流れ方向も反転する。
また、図8に示すように、蒸発器100は、間接隔壁式の蒸発器であってもよい。同様に、凝縮器120は、間接隔壁式の凝縮器であってもよい。
また、圧縮機110としては、多段圧縮型に限らず、単段圧縮型であってもよい。
ヒートポンプHPの構成を示す模式図 蒸発器100の構成を示す模式図 圧縮機110の構成を示す模式図 凝縮器120の構成を示す模式図 従来の蒸発器200を示す模式図 空気調和装置ACを示す模式図 ヒートポンプHPの変形例を示す模式図 蒸発器100及び凝縮器120の変形例を示す模式図
符号の説明
100 蒸発器
102 冷媒出口
104 循環系(冷媒循環部)
105 エゼクタポンプ
109a デミスタ
110 圧縮機
120 凝縮器
130 膨張弁
W 冷媒
HP ヒートポンプ
AC 空気調和装置(熱利用装置)


Claims (9)

  1. 冷媒を蒸発させることにより周囲の物質を冷却する蒸発器において、
    前記蒸発器内の前記冷媒をエゼクタポンプにより汲み上げて前記蒸発器内に散布する冷媒循環部を備えることを特徴とする蒸発器。
  2. 前記エゼクタポンプは、前記蒸発器に向けて圧送される前記冷媒の圧力と、前記蒸発器内の圧力との差圧により作動することを特徴とする請求項1に記載の蒸発器。
  3. 前記冷媒として、水が用いられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蒸発器。
  4. 前記冷媒を排出する冷媒出口の近傍にデミスタが設けられることを特徴とする請求項3に記載の蒸発器。
  5. 前記蒸発器は、直接接触式蒸発器からなることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の蒸発器。
  6. 前記蒸発器は、間接接触式凝縮器からなることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の蒸発器。
  7. 蒸発器と、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、を有するヒートポンプにおいて、
    前記蒸発器として、請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の蒸発器を用いることを特徴とするヒートポンプ。
  8. 前記蒸発器と前記圧縮機と前記凝縮器の順に積み重ねられることを特徴とする請求項7に記載のヒートポンプ。
  9. 熱源との間で熱の授受を行う熱利用装置において、
    請求項7又は請求項8に記載のヒートポンプを用いることを特徴とする熱利用装置。



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