JP2005240973A - 樹脂製歯車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性に優れ歯の破損等の不具合が生じにくい高信頼性の樹脂製歯車を提供する。
【解決手段】 電動パワーステアリング装置10のウォーム歯車減速機構30は、金属製のウォーム32と、ウォーム32に噛み合うウォームホイール31と、で構成されており、ウォームホイール31は、芯金42と、芯金42の外周に一体的に設けられた樹脂部43と、で構成されている。そして、樹脂部43の外径面には、ウォーム32と噛み合う歯44が形成されている。ウォームホイール31の樹脂部43は、空気中に120℃で2000時間放置することによる引張強度の低下率が10%未満であるモノマーキャストナイロン樹脂で構成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、動力伝達に適した樹脂製歯車に関する。
車両用の電動パワーステアリング装置では、電動モータに比較的高回転・低トルクのものが使用されることから、電動モータとステアリングシャフトとの間に歯車減速機構が組み込まれている。歯車減速機構としては、平歯車等の歯車を使用したものも知られているが、一組で大きな減速比が得られる等の理由から、電動モータの回転軸に連結される駆動側歯車であるウォームと、このウォームに噛み合うウォームホイールと、で構成されるウォーム歯車減速機構(以下、減速ギヤと記すこともある)が一般的に使用されている。
このような減速ギヤにおいては、ウォームホイールとウォームとの両方を金属製とすると、ハンドル操作時に歯打ち音や振動音等の不快音が発生するという問題があった。そこで、ウォームが金属製である場合には、樹脂製の歯を有するウォームホイールを使用することにより、不快音の発生を抑制していた。このウォームホイールは、金属製のハブ(すなわち芯金)の外周に樹脂製のブランク円板を一体に形成し、このブランク円板の円周部に切削等の手段で歯を形成したものである。
歯を構成する樹脂としては、例えば特許文献1に示されるように、ポリアミド6,ポリアミド66,ポリアセタール,ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のベース樹脂にガラス繊維や炭素繊維等の繊維補強材を配合した材料の他、繊維補強材を含有しないモノマーキャストナイロン(MCナイロン),ポリアミド6,ポリアミド66等が使用されている。
これらの樹脂材料の中でも、寸法安定性やコストを考慮して、繊維補強材を含有しないMCナイロンや、ガラス繊維を含有するポリアミド6,ポリアミド66,ポリアミド46等が主に使用されている。
特公平6−60674号公報
しかしながら、コラムタイプの電動パワーステアリング装置に最も多く使用されているモノマーキャストナイロン樹脂を用いた樹脂製歯車は、歯が形成された樹脂部と金属製のハブの外周とが融着(接着)されているため、吸水による寸法変化は抑制されているものの、樹脂自体には耐熱性を格段に改善する熱安定剤等が配合されていないことから、使用温度である60〜80℃では強度の低下等が生じるおそれがあった。
このような強度の低下が生じると、低温時における衝撃等のような大きな負荷が作用した際に樹脂製の歯が破損するおそれがあり、最悪の場合には電動パワーステアリング装置が機能しなくなってしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、耐熱性に優れ歯の破損等の不具合が生じにくい高信頼性の樹脂製歯車を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の樹脂製歯車は、ハブと、該ハブの外周に一体的に設けられ歯が形成された樹脂部と、を備える樹脂製歯車において、前記樹脂部は、空気中に120℃で2000時間放置することによる引張強度の低下率が10%未満であるモノマーキャストナイロン樹脂で構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2の樹脂製歯車は、請求項1に記載の樹脂製歯車において、ウォームホイール,はすば歯車,平歯車,傘歯車,又はハイポイドギヤであることを特徴とする。
本発明の樹脂製歯車は、優れた耐熱性を有しているので、歯の破損等の不具合が生じにくく信頼性が高い。
本発明に係る樹脂製歯車の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の樹脂製歯車を減速機構に用いた自動車のコラム式電動パワーステアリング装置10の構成を説明する図である。舵輪軸11は、上部舵輪軸11aと下部舵輪軸11bとで構成され、舵輪軸ハウジング12の内部に、軸心を中心に回転自在に支承されている。また、舵輪軸ハウジング12は、下部を車両の前方に向けて傾斜した姿勢で、車室内部の所定位置に固定されている。さらに、上部舵輪軸11aの上端には、図示されない舵輪が固定されている。
さらに、上部舵輪軸11aと下部舵輪軸11bとは、図示されないトーションバーで連結されている。舵輪から上部舵輪軸11aを経て下部舵輪軸11bに伝達された操舵トルクは、トーションバーにより検出され、検出された操舵トルクに基づいて、電動モータ13の出力が制御される。
ラック・ピニオン式運動変換機構20は、軸方向に移動可能なラック軸21と、ラック軸21の軸心に対して斜めに支承されてラック軸21の歯に噛み合う歯を備えたピニオンを有するピニオン軸22と、ラック軸21及びピニオン軸22を支承する筒状のラック軸ケース23と、で構成される。そして、ラック・ピニオン式運動変換機構20は、その長手方向が車両の左右方向に沿うようにして、車両の前部のエンジンルーム内にほぼ水平に配置されている。
ピニオン軸22と下部舵輪軸11bの下部とは、2個の自在継手25,26で連結されている。また、下部舵輪軸11bの中間部分には、後述するウォーム歯車減速機構30が配置されていて、電動モータ13から下部舵輪軸11bに対して操舵補助力が供給されるようになっている。
次に、ウォーム歯車減速機構30の構成を、図2の部分断面図を参照しながら説明する。ウォームホイール31と噛み合うウォーム32の両端には、ウォーム軸32a,32bが一体的に形成されており、これらウォーム軸32a,32bはそれぞれ、ギヤケース33に装着された玉軸受34a,34bによって回転自在に支承されている。また、ウォーム軸32bは、電動モータ13の駆動軸13aにスプライン結合又はセレーション結合している。
ウォームホイール31の芯金42(本発明の構成要件であるハブに相当する)は、下部舵輪軸11bと連結しているので、電動モータ13の回転が、ウォーム32及びウォームホイール31を経て下部舵輪軸11bに伝達されることとなる。
次に、ウォームホイール31の構成を、図3の斜視図を参照しながら説明する。ウォームホイール31は、芯金42と、芯金42の外周に一体的に設けられた樹脂部43と、で構成されている。そして、樹脂部43の外径面には、金属製のウォーム32と噛み合う歯44が形成されている。
この樹脂部43はモノマーキャストナイロン樹脂製で、円筒形をなしており、芯金42を加熱圧入することによりウォームホイール31が得られる。この時、芯金42の外周面には、適宜クロスローレット加工等の加工を施すことが好ましく、その加工面を円筒形の樹脂部43に加熱圧入するとよい。そして、外周面にシランカップリング剤等のカップリング剤が塗布された芯金42を加熱圧入し、その後に高周波融着を行えば、芯金42と樹脂部43とが一体的に接合(接着)される。また、樹脂部43の外径面の歯44は、芯金42と樹脂部43とを融着等により一体化した後に、切削加工等で形成する。なお、カップリング剤を芯金42に塗布する方法としては、メタノール等の溶剤で希釈した溶液を塗布する方法等があげられる。
シランカップリング剤は、加水分解性基であるアルコキシ基を一端に有する化学構造を有している。このアルコキシ基は加水分解して水酸基に変化し、その水酸基が金属表面の水酸基と脱水縮合反応を起こすことにより、金属との間で高い結合力を持つ共有結合を形成する。
また、シランカップリング剤は他端に有機官能基を有しており、この有機官能基が、ε−カプロラクタムの重合によってモノマーキャストナイロン樹脂を得る過程において、約1質量%程度残る未反応のε−カプロラクタムや、モノマーキャストナイロン樹脂のアミド結合等と結合する。そして、これらの結合により芯金42と樹脂部43とが強固に結合される。なお、有機官能基としては、反応性を考慮するとアミノ基を有するものが好適である。このような有機官能基を有するシランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等があげられる。
モノマーキャストナイロン樹脂はε−カプロラクタムの重合体であるが、本発明において使用されるモノマーキャストナイロン樹脂は、結晶化度の向上と熱安定剤の均一分散との少なくとも一方がなされているので、従来のモノマーキャストナイロン樹脂に比べて樹脂自体の耐熱性が優れている。さらに、機械的強度及び寸法安定性にも優れている。このようなモノマーキャストナイロン樹脂が有する耐熱性は、以下の通りである。すなわち、モノマーキャストナイロン樹脂は高温に曝されると劣化して引張強度等の物性が低下する傾向があるが、前述のようなモノマーキャストナイロン樹脂は、空気中に120℃で2000時間放置されても、引張強度の低下率が10%未満である。
ウォームホイール31の樹脂部43は、このような耐熱性に優れたモノマーキャストナイロン樹脂で構成されているので、大きな負荷等が作用しても歯の破損等の不具合が生じにくい。よって、このウォーム歯車減速機構30は、信頼性が高く長寿命であり、電動パワーステアリング装置10の高性能化に寄与する。
ここで、結晶化度の向上について説明する。ε−カプロラクタムをモノマーキャスト法で重合して得られたモノマーキャストナイロン樹脂(通常の方法で得られた重合体)を、アニーリング処理すると、結晶化度は40〜45%程度から50〜60%へ向上する。これにより、引張強度等の機械的強度が向上するとともに、耐疲労性や耐熱性が改善される。結晶化度が50%未満であると、上記のような改善効果が不十分となる。一方、60%を超えると、機械的強度は向上するものの弾性率が高くなりすぎるため、歯車の歯面の面圧が向上してしまう。また、アニーリング処理の処理温度を高めたり、処理時間を長くしたりする必要があるため、実用性が低い。
アニーリング処理の条件は特に限定されるものではないが、以下のようなものが一例としてあげられる。すなわち、2〜15時間かけて室温から160〜200℃まで昇温し、該温度で1〜15時間程度保持した後に、3〜30時間かけて室温まで徐冷する、という条件である。このようなアニーリング処理により、モノマーキャストナイロン樹脂の結晶化度を、40〜45%程度から50〜60%へ向上させることができる。
次に、熱安定剤の均一分散について説明する。モノマーキャストナイロン樹脂中に熱安定剤を均一に分散させるためには、熱安定剤の混合方法を工夫する必要がある。モノマーキャスト法で得られたε−カプロラクタムの重合体(モノマーキャストナイロン樹脂)とε−カプロラクタム(モノマー)とを加熱しながら混合し、高粘度な均一溶液とする。この時の加熱温度は、ε−カプロラクタムの融点である69℃以上とする必要があり、より好ましくは160〜210℃程度である。この溶液に熱安定剤を分散させ、熱安定剤の沈降や濃度むらを防止した状態で、さらにモノマーキャスト法で重合を進行させる。これにより、モノマーキャストナイロン樹脂中に熱安定剤を均一に分散させることができる。
なお、モノマーキャストナイロン樹脂の数平均分子量は60000〜300000が好ましく、100000〜200000がより好ましい。
熱安定剤の種類は特に限定されるものではなく、銅系熱安定剤,フェノール系熱安定剤,リン系熱安定剤,硫黄系熱安定剤,アミン系熱安定剤等を使用することができる。
銅系熱安定剤として用いることができる銅化合物としては、塩化銅,臭化銅,ヨウ化銅,硫酸銅,硝酸銅,リン酸銅等の無機酸の塩や、酢酸銅,ステアリン酸銅,ミスチリン酸銅,ナフテン酸銅,パルミチン酸銅等の有機酸の塩等があげられる。これらの銅系熱安定剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。なお、銅系熱安定剤として用いた銅化合物と同種の塩(例えば、ヨウ化銅の場合であればヨウ化カリウム)を添加すると、重合時の溶解性を向上させることができる。
フェノール系熱安定剤としては、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアネレート、トリエチレングリコ―ル−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール等を用いることができる。
リン系熱安定剤としては、亜リン酸エステル系化合物が好適であり、具体的には、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、環状ネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等を用いることができる。
硫黄系熱安定剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート等を用いることができる。
アミン系熱安定剤としては、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン等のアルキル置換されたジフェニルアミンや、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等の置換基を有するp−フェニレンジアミン等を用いることができる。
これらの各種熱安定剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよいが、好適な含有量は熱安定剤の種類によって異なる。銅系熱安定剤の場合は、モノマーキャストナイロン樹脂を主成分とする樹脂組成物全体に対して、0.0005〜0.3質量%とすることが好ましい。含有量が0.0005質量%未満であると、耐熱性の改善効果が乏しい。一方、含有量が0.3質量%を超えても、耐熱性の改善効果はそれ以上向上しない上、含有量が多すぎるために十分に均一な分散を行うことが困難となり、一部に粒子の凝集が発生するおそれがある。そして、凝集が発生すると、その凝集点を起点として耐疲労性等の物性低下を起こすおそれある。このような不都合がより生じにくくするためには、銅系熱安定剤の含有量は0.001〜0.1質量%とすることがより好ましい。
銅系熱安定剤以外の上記の有機系熱安定剤の場合は、モノマーキャストナイロン樹脂を主成分とする樹脂組成物全体に対して、0.05〜4質量%とすることが好ましい。含有量が0.05質量%未満であると、耐熱性の改善効果が乏しい。一方、含有量が4質量%を超えても、耐熱性の改善効果はそれ以上向上しない上、モノマーキャストナイロン樹脂に相溶させることが難しくなる。このような不都合がより生じにくくするためには、熱安定剤の含有量は0.1〜2質量%とすることがより好ましい。
なお、モノマーキャストナイロン樹脂には、上記の熱安定剤の他に、紫外線吸収剤,難燃剤,抗菌剤等の各種添加剤を含有させてもよい。また、ウォラストナイト,チタン酸カリウムウィスカー,ホウ酸アルミニウムウィスカー,炭酸カルシウム(アラゴナイト),塩基性硫酸マグネシウム(モスハイジ),セピオライト,ゾノトライト等の針状充填剤や、カーボンブラック等の着色剤等を含有させてもよい。
本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、ウォームホイールを例示して本発明を説明したが、本発明の樹脂製歯車はウォームホイールに限定されるものではなく、他の形式の歯車にも適用できることは言うまでもない。例えば、図4に示す平歯車、図5に示すはすば歯車、図6に示す傘歯車、図7に示すハイポイドギヤ等へ適用することができる。
〔実施例〕
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。表1に示すような組成の樹脂組成物を用いて、後述するような方法により、2種(実施例及び比較例)のウォームホイール試験体を作製した。なお、表1から分かるように、実施例のウォームホイール試験体は、2.0質量%の熱安定剤を含有するモノマーキャストナイロン樹脂からなり、比較例のウォームホイール試験体は、熱安定剤を含有しないモノマーキャストナイロン樹脂からなる。
Figure 2005240973
表1に示す配合組成のモノマーキャストナイロン樹脂で、ドーナツ状の樹脂ブランクを成形した。実施例については、樹脂ブランクをシリコンオイル中に浸漬してアニーリング処理を行い、結晶化度を向上させた。温度条件は以下の通りである。すなわち、4時間かけて室温から170℃まで昇温し、170℃で3時間保持した後、4 時間かけて室温まで徐冷した。
また、クロスローレット加工を施した芯金を用意し、シランカップリング剤のメタノール溶液(濃度は5質量%)に浸漬した。シランカップリング剤としては、日本ユニカー株式会社製のA−1122(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を用いた。
樹脂ブランクを140℃で1時間加熱し膨張させ、そこに前述の芯金を圧入した。その後、直ちに高周波融着を行い、シランカップリング剤を介して芯金と樹脂ブランクとを完全に接合した。接合の後、樹脂部(樹脂ブランク)の外周を切削加工して歯を形成し、ウォームホイール試験体を得た。
これらのウォームホイール試験体を、図2に示すような電動パワーステアリング装置のウォーム歯車減速機構に組み込んだ。そして、ウォームホイール試験体に破損が生じるまで操舵を繰り返し行うことにより、耐久性を評価した。この耐久試験の温度条件は120℃である。表1に示すように、実施例の場合は10万回操舵を繰り返してもウォームホイール試験体に破損が生じなかったのに対して、比較例の場合は1万回の操舵で歯底にクラックが発生した。
また、2種の樹脂組成物の引張強度,結晶化度,吸水率,耐熱性試験結果も、表1に併せて示す。なお、引張強度は、23℃及び120℃の両温度条件下での測定結果が示してある。また、吸水率は、水中に24時間浸漬した場合の数値である。さらに、耐熱性試験は、120℃の空気中に2000時間放置して、該熱処理による引張強度の低下率を測定する試験である。
表1に示す結果から分かるように、実施例のモノマーキャストナイロン樹脂は、熱安定剤を含有し、結晶化度を向上させていることから、引張強度等の機械的強度に優れるとともに、耐熱性に優れ、吸水率が低い。よって、吸水による歯車の寸法変化が抑制されるとともに、従来のモノマーキャストナイロン製の樹脂歯車では、耐熱性不足及び高温での強度不足のために使用が不可能であった120℃程度の高温でも、使用が可能である。
本発明の樹脂製歯車は、例えば、電動パワーステアリング装置のパワーアシスト部を構成する歯車減速機構等に好適である。
電動パワーステアリング装置の構成を説明する図である。 ウォーム歯車減速機構の構成を示す部分断面図である。 ウォームホイールの構成を示す斜視図である。 平歯車の斜視図である。 はすば歯車の斜視図である。 傘歯車の斜視図である。 ハイポイドギヤの斜視図である。
符号の説明
10 電動パワーステアリング装置
30 ウォーム歯車減速機構
31 ウォームホイール
32 ウォーム
42 芯金(ハブ)
43 樹脂部
44 歯

Claims (2)

  1. ハブと、該ハブの外周に一体的に設けられ歯が形成された樹脂部と、を備える樹脂製歯車において、前記樹脂部は、空気中に120℃で2000時間放置することによる引張強度の低下率が10%未満であるモノマーキャストナイロン樹脂で構成されていることを特徴とする樹脂製歯車。
  2. ウォームホイール,はすば歯車,平歯車,傘歯車,又はハイポイドギヤであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製歯車。
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