JP2005240925A - 動力伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】 雨天走行時にエンジンルーム内に水が入っても、ベルトスリップの発生を抑制し、その効果を経時的に持続させることが可能な伝動ベルトを提供することにある。
【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線3を埋設した接着ゴム層2に隣接してリブを設けた圧縮ゴム層4を配置し、ベルト背面に基布5を積層したVリブドベルト1であり、圧縮ゴム層4が、ゴム100質量部に対して、竹繊維6を10〜35質量部配合したゴム組成物で構成されてなる。プーリとの接触部を該ゴム組成物で構成することで、注水時において水膜除去効果を呈し、スリップを抑制できる。また走行時における発音抑制効果も高い。
【選択図】 図1
【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線3を埋設した接着ゴム層2に隣接してリブを設けた圧縮ゴム層4を配置し、ベルト背面に基布5を積層したVリブドベルト1であり、圧縮ゴム層4が、ゴム100質量部に対して、竹繊維6を10〜35質量部配合したゴム組成物で構成されてなる。プーリとの接触部を該ゴム組成物で構成することで、注水時において水膜除去効果を呈し、スリップを抑制できる。また走行時における発音抑制効果も高い。
【選択図】 図1
Description
本発明は動力伝動ベルトに係り、詳しくは伝達面に水が付着しても高い伝動力を発揮することができる動力伝動ベルトに関する。
近年、ゴム工業分野、なかでも自動車用部品の高機能、高性能化が望まれている。そのような状況の中で、通常走行時に限らず、注水時においても高い伝達性能を有する動力伝動ベルトが求められている。また静粛化についても厳しい要求があり、特に駆動装置においてはエンジン音以外の音は異音とされるため、ベルト発音対策についても要請がある。
動力伝動ベルト駆動装置における異音としては、回転変動の大きな条件や高負荷条件において発生するスリップ音や、圧縮ゴム層が粘着摩耗を起こし、その結果リブ間の溝底に付着した粘着ゴムにより発生する騒音が指摘されているが、これら発音に対しては、圧縮ゴム層に綿、ナイロン、ポリエステル等の短繊維を配合したり、カーボンブラックなどの補強材を増量することによる対処が可能である。
しかし、雨天走行時などにおいてエンジンルーム内に水が入り、ベルトとプーリの間に水が付着した際には、前記ベルトは水膜除去効果が低いためにスリップ率が高く、伝達性能が低下したり、騒音が発生するなどの問題があった。このような注水時におけるスリップ対策としては、タルク等のパウダーを圧縮ゴム層表面に塗布したり、ベルト張力を高めてスリップ率を小さくする試みがなされている。また特定繊維(パラ系アラミド繊維)を配合したゴム組成物で圧縮ゴム層を形成するといった提案もある。(特許文献1参照)
特開平07−151191号公報
しかし、パウダー塗布に関しては作業工程増によるコストアップとなるとともに、経時的にベルト表面のパウダーが剥がれ落ちてスリップ抑制効果が低下するといった問題があった。一方、初期にベルト張力を高く設定した場合、ベルトの摩耗や心線の伸び等でベルトの張力が徐々に低下していき、経時的にスリップが起こりやすくなるといった問題が指摘されている。またパラ系アラミド繊維を配合したベルトにあっては吸水性能が低く、水膜除去効果が充分とは言えない。
上記問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、本発明を提案するものであり、その目的とするところは、注水時においてもベルトスリップ発生を抑制し、その効果を経時的に持続させることが可能な伝動ベルトを提供することにある。
即ち、本願請求項1記載の発明では、動力伝動ベルトにあって、ベルト長手方向に沿って埋設された心線と、圧縮ゴム層を含む弾性体からなる動力伝動用ベルトにおいて、少なくとも前記圧縮ゴム層表面が、竹繊維を配合したゴム配合物で構成されていることを特徴とする。
本願請求項2記載の発明では、請求項1記載の動力伝動ベルトにあって、前記ゴム配合物は、ゴム100質量部に対して竹繊維が10〜35質量部配合されていることを特徴とする。
本願請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の動力伝動ベルトにあって、動力伝動ベルトが、圧縮ゴム層に少なくとも1つのリブ部をもつVリブドベルトであることを特徴とする。
本願請求項記載の発明によれば、少なくとも圧縮ゴム層側表面を、竹繊維を配合したゴム配合物で構成することで、注水時における伝達性能が高く、またスリップ音の発生を改善したベルトを提供することができた。また竹繊維の配合量を特定量にすることで、注水時においてより高い伝達性能が得られると共に、ベルト物性にも影響を与えない。またVリブドベルトに適用することで、注水時においても高い摩擦伝動が得られる。
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1に本発明に係る動力伝動ベルトの一例としてVリブドベルト1を示す。Vリブドベルト1は、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などを素材とする繊維コードよりなる心線3を接着ゴム層2中に埋設し、その下側に圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層4にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブが設けられ、またベルト表面には基布5が積層されている。
図1に本発明に係る動力伝動ベルトの一例としてVリブドベルト1を示す。Vリブドベルト1は、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などを素材とする繊維コードよりなる心線3を接着ゴム層2中に埋設し、その下側に圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層4にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブが設けられ、またベルト表面には基布5が積層されている。
本実施形態においては、少なくとも前記リブ部表面9が、竹繊維6を配合したゴム組成物で構成されている。リブ部表面、即ちプーリとの接触部を該ゴム組成物で構成することで、注水時にリブ部表面に水膜が形成され難くなり、走行時のスリップを抑制できる。また補強性についても高い効果がある。
尚、図1は具体的な一実施形態であって、圧縮ゴム層4全体を、竹繊維6を配合したゴム組成物で構成しているが、少なくともリブ部表面が該ゴムで構成されていればよいので、例えば圧縮ゴム層の表面層のみ該ゴム配合物で構成しても良い。
竹繊維は竹由来の天然繊維で、綿と比べて高い公定水分率(約12〜13%)を有し、吸放湿性に優れるといった特徴がある。尚、水分率(%)とは、20℃×65%RHの条件で自重に対してどれだけ吸湿するかを示す数値であって、繊維そのものが有する吸水性能のキャパシティーを表す指標である。この竹繊維の優れた吸湿性により、該繊維を含有するゴム表面は水膜が形成され難く、一方で竹繊維の高い放湿性により、吸水された水のリリースが早く、吸湿性能を持続できるといった効果がある。また竹繊維は繊維径が10〜30μm、繊維長が1〜6mmのものが好ましく用いられる。尚、繊維束の竹繊維より開繊された竹繊維のほうが濡れ性が高く、より水膜除去効果が高い。
ゴム配合物における竹繊維6の配合割合は、ゴム100質量部に対して10〜35質量部配合されることが好ましい。10質量部未満の場合は、注水時における耐スリップ効果が十分に得られないといった問題があり、一方、35質量部を超えると分散不良など作業性に難があり、しかもゴム配合物の剛性が高くなるために屈曲性などベルト物性に問題がある。
圧縮ゴム層4に使用されるポリマーとしては、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBR、エチレン−α−オレフィンエラストマーが使用され、水素化ニトリルゴムは水素添加率80%以上であり、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するために、好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。中でも、耐油性と耐寒性を有するエチレン−α−オレフィンエラストマーが好ましい。
上記エチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、その代表的なものとしてEPDMがあり、これはエチレン−プロピレン−ジエンモノマーをいう。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物が使用される。有機過酸化物としては具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1.1−t−ブチルペロキシ−3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブチルペロキシベンゾアート、t−ブチルペロキシ−2−エチル−ヘキシルカーボネートが挙げられる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、通常エチレン−α−オレフィンエラストマー100gに対して0.005〜0.02モルgの範囲で使用される。
また加流促進剤を配合しても良い。加硫促進剤としてはチアゾール系、チウラム系、スルフェンアミド系の加硫促進剤が例示でき、チアゾール系加硫促進剤としては、具体的に2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ジベンドチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩等があり、チウラム系加硫促進剤としては、具体的にテトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、N,N’−ジメチル− N,N’−ジフェニルチウラム・ジスルフィド等があり、またスルフェンアミド系加硫促進剤としては、具体的にN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等がある。また、他の加硫促進剤としては、ビスマレイミド、エチレンチオウレアなども使用できる。これら加硫促進剤は単独で使用してもよいし、2種以上の組み合わせで使用してもよい。
また、架橋助剤(co−agent)を配合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題を防止することができる。架橋助剤として挙げられるものとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N−N‘−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものである。
そして、それ以外に必要に応じてシリカ、カーボンブラックのような補強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用される。
また、圧縮ゴム層4には、上記竹繊維6以外の短繊維、例えばナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊維を混入し、圧縮ゴム層4の耐側圧性を向上させることができる。また、プーリと接する面になる圧縮ゴム層4の表面に該短繊維を突出させ、圧縮ゴム層4の摩擦係数を低下させて、ベルト走行時の騒音を軽減させることもできる。これらの短繊維のうち、剛直で強度を有し、しかも耐摩耗性を有するアラミド短繊維が最も効果がある。
上記アラミド短繊維が前述の効果を十分に発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1.5〜20mmで、その添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して1〜30重量部である。このアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、例えば商品名コーネックス、ノーメックス、ケブラー、テクノーラ、トワロン等である。
アラミド短繊維の添加量が1重量部未満の場合には、圧縮ゴム層4のゴムが粘着しやすくなって摩耗する欠点があり、また一方30重量部を超えると短繊維がゴム中に均一に分散しなくなる。ただし、このアラミド短繊維の添加は必須ではなく、他の素材からなる短繊維を添加したものでも良い。また単独で添加するに限るものではない。
基布5は、織物、編物、不織布から選択される帆布である。構成する繊維素材としては、公知公用のものが使用できるが、例えば綿、麻等の天然繊維や、金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そしてポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の有機繊維が挙げられる。
上記基布5は、公知技術に従ってレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬後、未加硫ゴムを基布5に擦り込むフリクションを行ったり、またRFL液に浸漬後にゴムを溶剤に溶かしたソーキング液に浸漬処理する。尚、RFL液には適宜カーボンブラック液を混合して処理反を黒染めしたり、公知の界面活性剤を0.1〜5.0質量%加えてもよい。
心線3としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などが使用され、中でもエチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維フィラメント群を撚り合わせた総デニール数が4,000〜8,000の接着処理したコードが、ベルトスリップ率を低くできてベルト寿命を延長させるために好ましい。このコードの上撚り数は10〜23/10cmであり、また下撚り数は17〜38/10cmである。総デニールが4,000未満の場合には、心線のモジュラス、強力が低くなり過ぎ、また8,000を越えると、ベルトの厚みが厚くなって、屈曲疲労性が悪くなる。
エチレン−2,6−ナフタレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下に適当な条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることによって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフタレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成される。
心線3にはゴムとの接着性を改善する目的で接着処理が施される。このような接着処理としては繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)液に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するのが一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、RFL液で処理する方法等もある。
接着処理されたコードは、スピニングピッチ、即ち心線の巻き付けピッチを1.0〜1.3mmにすることで、モジュラスの高いベルトに仕上げることができる。1.0mm未満になると、コードが隣接するコードに乗り上げて巻き付けができず、一方1.3mmを越えると、ベルトのモジュラスが徐々に低くなる
一方、接着ゴム層2には耐熱性を有し、圧縮ゴム層4と同種のゴムが使用される。ただし、短繊維は混入されないが、必要に応じてカーボンブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合に用いるものが使用される。
Vリブドベルトの代表的な製造方法は以下の通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、この上にコードからなる心線を螺旋状にスピニングし、更に接着ゴム層、圧縮ゴム層を順次巻きつけて積層体を得た後、これを架橋してスリーブを得る。
次に、架橋スリーブを駆動ロールと従動ロールに掛架して所定の張力下で走行させ、更に回転させた研削ホイールを走行中の架橋スリーブに当接するように移動して架橋スリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100個の複数の溝状部を一度に研磨する。
このようにして得られた架橋スリーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、該架橋スリーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッターによって所定の幅に切断して個々のVリブドベルトに仕上げる。
尚、上記Vリブドベルト1は本発明の実施の一形態であって、これに限定されるものではない。例えば、本発明に係る動力伝動ベルトの他の一例としてVベルト10を図2に示す。Vベルト10は、接着ゴム層12内にベルト長手方向に沿って心線13が埋設され、接着ゴム層12の上部下部に隣接して伸張ゴム層20と圧縮ゴム層14を有し、伸張ゴム層20はその表面に基布15が積層した構造を有する。そして少なくとも圧縮ゴム層表面19が竹繊維6を配合したゴム組成物で構成されている。尚、必要に応じて、圧縮ゴム層12にベルト長手方向に所定間隔でコグ部を設けてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1〜4、比較例1〜4
表1の配合からなるクロロプレンゴムシート(圧縮ゴム層)と、表1から繊維分を除いた配合のクロロプレンゴムシート(接着ゴム層)を準備した。円筒状モールドに、経糸と緯糸とが綿糸からなる平織物にクロロプレンゴムをフリクションしたゴム付帆布を1プライ巻き付けた後、クロロプレンゴムシート(接着ゴム層)を巻き、更にその上にコードをスピニングし、そしてクロロプレンゴムシート(圧縮ゴム層)を巻き付けて成形を終えた。これを公知の方法で160°C、30分で加硫して円筒状の加硫ゴムスリーブを得た。
実施例1〜4、比較例1〜4
表1の配合からなるクロロプレンゴムシート(圧縮ゴム層)と、表1から繊維分を除いた配合のクロロプレンゴムシート(接着ゴム層)を準備した。円筒状モールドに、経糸と緯糸とが綿糸からなる平織物にクロロプレンゴムをフリクションしたゴム付帆布を1プライ巻き付けた後、クロロプレンゴムシート(接着ゴム層)を巻き、更にその上にコードをスピニングし、そしてクロロプレンゴムシート(圧縮ゴム層)を巻き付けて成形を終えた。これを公知の方法で160°C、30分で加硫して円筒状の加硫ゴムスリーブを得た。
上記各加硫ゴムスリーブを研磨機の駆動ロールと従動ロールに装着して、張力を付与した後に回転させた。150メッシュのダイヤモンドを表面に装着した研磨ホイールを1,600rpmで回転させ、これを加硫スリーブに当接させてリブ部を研磨した。研磨機から取り出したスリーブを切断機に設置した後、回転しながら切断した。
作製したVリブドベルトは、心線が接着ゴム層内に埋設され、その上側にゴム付綿帆布を1プライ積層し、他方接着ゴム層の下側にはゴム圧縮部があって複数個のリブがベルト長手方向に設けられている。このVリブドベルトはRMA規格による長さ1,100mmのK型3PK1100であった。
これら作製した各Vリブドベルトについて、注水走行及びドライ時走行におけるベルトの伝達性能について試験した。上記Vリブドベルトを駆動プーリ(直径120mm)と従動プーリ(直径120mm)に巻き付けてベルト張力を一定(10.2kgf/ベルト)に調節し、雰囲気温度23℃、駆動プーリの回転数2,000rpm、注水(注水量120ml/分)の条件下で負荷を上昇させながら、ベルトのスリップ率が2%になったときの負荷を求めた。またドライ時の評価においては、同一のレイアウトで注水を行わずに試験を行った。
また発音性能試験として、各ベルトの発音限界張力を試験した。上記Vリブドベルトを駆動プーリ(直径120mm)と従動プーリ(直径120mm)に巻き付けて負荷を0.92kgf・mに一定した後、雰囲気温度23℃の条件下で、ベルト張力を下げていきながら走行させ、発音した時のベルト張力を発音限界張力とした。これらの結果を表1に併記する。
この結果、竹繊維を配合したゴム組成物で構成した実施例は、比較例に比べて注水時における伝達性能が向上していることが判る。特に、適量の竹繊維を配合した実施例2,3については発音限界張力も低く、優れた騒音低減効果も奏することが判明した。またドライ時と注水時のスリップ率の差が小さいといった効果もある。しかし、竹繊維を少量配合した実施例1では注水時における伝達性能は比較例1に比べて高いものの、発音抑制効果が顕著ではない。また竹繊維を多量に配合した実施例4では、注水時における伝達性能は良好なものの、ゴム組成物の剛性が高くなり、加工性が悪いといった問題があった。尚、比較例1〜4では一般に水分率が高いといわれる綿短繊維を配合しているが、同量配合した実施例に比べて注水時の伝達性能や、発音抑制効果が低いことが判明した。
1 Vリブドベルト
2 接着ゴム層
3 心線
4 圧縮ゴム層
5 基布
6 竹繊維
9 リブ表面
10 Vベルト
12 接着ゴム層
13 心線
14 圧縮ゴム層
15 基布
19 圧縮ゴム層表面
20 伸張ゴム層
2 接着ゴム層
3 心線
4 圧縮ゴム層
5 基布
6 竹繊維
9 リブ表面
10 Vベルト
12 接着ゴム層
13 心線
14 圧縮ゴム層
15 基布
19 圧縮ゴム層表面
20 伸張ゴム層
Claims (3)
- ベルト長手方向に沿って埋設された心線と、圧縮ゴム層を含む弾性体からなる動力伝動用ベルトにおいて、少なくとも前記圧縮ゴム層表面が、竹繊維を配合したゴム配合物で構成されていることを特徴とする動力伝動ベルト。
- 前記ゴム配合物は、ゴム100質量部に対して竹繊維が10〜35質量部配合されている請求項1記載の動力伝動ベルト。
- 動力伝動ベルトが、圧縮ゴム層に少なくとも1つのリブ部をもつVリブドベルトである請求項1または2記載の動力伝動ベルト。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004052695A JP2005240925A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 動力伝動ベルト |
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JP2004052695A JP2005240925A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 動力伝動ベルト |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017106617A (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-15 | 三ツ星ベルト株式会社 | 摩擦伝動ベルト及びその製造方法 |
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2004
- 2004-02-27 JP JP2004052695A patent/JP2005240925A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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