JP2005211756A - 塗装乾燥方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プレヒート工程の低温化及び短縮化を行いつつ、仕上がり塗装面の良好な外観性を確保し得るウェット・オン・ウェット塗装における塗装乾燥方法を提供する。
【解決手段】 水性塗料からなる第1の塗料に対して第2の塗料をウェット・オン・ウェット塗装し、焼付乾燥するようにした塗装乾燥方法において、上記第2の塗料中に含有される樹脂の極性を示すSPを10以下に設定するとともに、焼付乾燥に際して、焼付温度50℃以上110℃以下で5分以上にわたる第1の焼付乾燥を行った後に、焼付温度90以上150℃以下で10分以上にわたる第2の焼付乾燥を行なう。
【選択図】図1

Description

この発明は、特に、水性ベース塗料と溶剤型クリア塗料とのウェット・オン・ウェット塗装における塗装乾燥方法に関する。
周知の通り、自動車塗装に用いるベース塗料としては、塗料中の有機溶剤比率が比較的高い溶剤型ローソリッド塗料が一般的に使用されてきた。近年、環境への影響が省みられ、有機溶剤の排出規制が厳しくなるにつれ、広い用途分野にわたり、ベース塗料として、有機溶剤比率が低い水性ベース塗料が用いられるようになってきた。
水性ベース塗料は、一般的に、固形分20%程度,有機溶剤10%程度,水70%程度の重量比率を有している。この水性ベース塗料が、溶剤型塗料用の上塗工程において、溶剤型クリア塗料とのウェット・オン・ウェット塗装に用いられる場合があるが、従来、上記ウェット・オン・ウェット塗装時は、例えば、水性ベース塗料の塗装後に、ピンホール等の塗膜欠陥の発生を抑制すべく80℃程度で3〜5分予備乾燥(プレヒート)して水をほとんど蒸発させ、その後に、クリア塗料をウェット・オン・ウェット塗装して、140℃程度で20〜30分焼付する手順で行なわれる。かかる技術によれば溶剤の削減及び良好な塗装外観の両立が可能であるが、例えば特開2001−311035号公報(特許文献1)では、高湿条件下での塗膜の層間界面(すなわち水性ベース塗料とクリア塗料との間の界面)でのなじみや反転を制御し、高フリップフロップ性(視覚方向によって明度が異なる特性)を確保することで、ウェット・オン・ウェット塗装に更なる改良をもたらすことが知られている。
特開2001−311035号公報
ところで、ウェット・オン・ウェット塗装においてエネルギー削減や工程の短縮化を実現する方法の1つとして、プレヒート工程を簡素化する(つまりプレヒート温度を低温化したりプレヒート時間を短縮したりする)又はプレヒート工程自体を省略することが考えられる。しかし、プレヒート工程を簡素化すれば、プレヒート工程終了後にも、塗装面に塗着された水性ベース塗料に多量の水分が残り、この水分が、焼付工程時に突沸することにより、ピンホール等の塗膜欠陥が発生して仕上がり塗装面の外観性が悪くなるという問題があった。加えて、特にアルミフレーク等の発色部材を含有する水性ベース塗料を用いた場合には、水分の突沸によって、水性ベース塗料とクリア塗料との間の界面の乱れが生じ、水性ベース塗料内でアルミフレークの配向性が損なわれて、塗装面の光輝感が低下するという問題がある。
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、プレヒート工程の低温化及び短縮化を行いつつ、仕上がり塗装面の良好な外観性を確保し得るウェット・オン・ウェット塗装における塗装乾燥方法を提供することを目的とする。
本願の請求項1に係る発明は、水性塗料からなる第1の塗料に対して第2の塗料をウェット・オン・ウェット塗装し、焼付乾燥するようにした塗装乾燥方法において、上記第2の塗料中に含有される樹脂の極性を示す指標であるSPを10以下に設定するとともに、焼付乾燥に際して、焼付温度50℃以上110℃以下で5分以上にわたる第1の焼付乾燥を行った後に、焼付温度90以上150℃以下で10分以上にわたる第2の焼付乾燥を行なうことを特徴としたものである。
なお、「SP」とは、当該技術分野においてよく知られた物質の極性を示す溶解性パラメータであり、第1の塗料と第2の塗料との親和性の指標となる。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記第1の塗料が鱗片状の発色部材を含有する塗料であり、上記第2の塗料がクリア塗料であることを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、上記発色部材が、光輝材及び/又は光干渉材であることを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1〜3に係る発明のいずれかにおいて、上記第2の塗料が、有機溶剤を含有する塗料であることを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜4に係る発明のいずれかにおいて、上記SPが、9以上10以下であることを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項6に係る発明は、請求項1〜5に係る発明のいずれかにおいて、上記第1の焼付乾燥時における焼付温度を70℃以上90℃以下に設定することを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項7に係る発明は、請求項1〜6に係る発明のいずれかにおいて、上記第1の焼付乾燥を10分以上にわたって行なうことを特徴としたものである。
本願の請求項1に係る発明によれば、ウェット・オン・ウェット塗装において、第1の塗料の塗装後のプレヒート工程の低温化及び短縮化を行った若しくはプレヒート工程を省略した場合にも、焼付工程時に、第1の塗料中に残存する水分が突沸することを防止して、ピンホール等の塗膜欠陥の発生を抑制することができ、仕上がり塗装面の良好な外観性を確保することができる。また、樹脂のSPが所定値以下である第2の塗料を用いることで、第1の塗料と第2の塗料との間の界面の乱れを抑制することができる。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の作用及び効果により上記焼付工程時に第1の塗料中に残存する水分の突沸が防止されることから、第1の塗料に含有される発色部材の配向が乱れることもなく、意図した発色効果を得ることができる。
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、有効な発色効果を得ることができる。
また、更に、本願の請求項4に係る発明によれば、耐水性等の塗膜物性をより有効に確保することができる。
また、更に、本願の請求項5に係る発明によれば、リコート付着性等の塗膜物性をより有効に確保することができる。
また、更に、本願の請求項6に係る発明によれば、請求項1に係る発明の作用及び効果を一層確実に実現することができる。
また、更に、本願の請求項7に係る発明によれば、請求項1に係る発明の作用及び効果を一層確実に実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
従来では、ウェット・オン・ウェット塗装におけるプレヒート工程の簡素化(低温化及び短縮化)を行なったり省略したりする場合、プレヒート工程終了時にも、塗装面に塗着された水性ベース塗料に水分が多量に残り、この水分が焼付工程時に突沸することにより、ピンホール等の塗膜欠陥が発生して、仕上がり塗装面の外観性が悪くなり、加えて、特にアルミフレーク等の発色部材を含有する水性ベース塗料を用いた場合には、水性ベース塗料内でアルミフレークの配向性が乱れ、塗装面の光輝感が低下するという問題があった。
このような問題を解決するために、本願発明者は、まず、焼付工程時の初期温度を従来の場合より低く設定することで、水の蒸発が遅くなり、これにより、塗膜欠陥が抑制され、また、アルミフレークの配向性が損なわれないことを実証した。
更に、本願発明者は、樹脂のSPが所定値以下であるクリア塗料を用い、水性ベース塗料とクリア塗料との親和性を意図的に低下させることで、焼付工程時に水性ベース塗料とクリア塗料との間の界面の乱れが抑制され、アルミフレークの配向性を良好に維持し得ると考え、これを実証した。
本願発明は、かかる特性を関連付けて、特に、アルミフレークを含有する水性ベース塗料を塗装し、従来の場合より低温及び短時間でプレヒート工程を実施した場合若しくはプレヒート工程を省略した場合に、SPが所定値以下であるクリア塗料を塗装し、その後、まず、水性ベース塗料の粘度が所定値以上になるまで従来の場合より低温で焼付乾燥を実施し、続けて、従来の場合と同じ温度まで昇温して焼付乾燥を実施することで、水性ベース塗料内のアルミフレークの良好な配向性を確保するものである。
図1は、プレヒート工程の簡素化(低温化及び短縮化)を行なった若しくはプレヒート工程を省略した場合における、従来及び本願発明の焼付温度及びクリア塗料の極性について異なる条件下での、水性ベース塗料内のアルミフレークの配向性(光輝感)の変化を模式的にあらわす図である。この図において、破線で示すラインXは、従来の焼付条件及びSPが10を超えるクリア塗料樹脂を用いて得られる配向性の変化をあらわし、また、一点鎖線で示すラインYは、本発明の焼付条件及びSPが10を超えるクリア塗料樹脂を用いて得られる配向性の変化をあらわし、更に、実線で示すラインZは、本発明の焼付条件及びSPが10以下であるクリア塗料樹脂を用いて得られる配向性の変化をあらわすものである。
横軸は、クリア塗料塗着時(T0),焼付開始時(T1),焼付初期(T2)及び焼付完了時(T3)の各時点をあらわす軸である。他方、縦軸は、水性ベース塗料内のアルミフレークの配向性をあらわす軸である。
これらラインX,Y,Zを比較して分かるように、従来の焼付条件及びクリア塗料樹脂のSPが10を超える場合(ラインX)には、焼付開始から焼付初期までの間(T1〜T2)に、水性ベース塗膜内のアルミフレークの配向性が大きく乱れて光輝感が低下する。また、本発明の焼付条件及びクリア塗料樹脂のSPが10を超える場合(ラインY)には、焼付開始から焼付初期までの間に、ラインXの場合と比べて緩やかな勾配ではあるが、水性ベース塗膜内のアルミフレークの配向性が乱れて光輝感が低下する。これに対して、本発明の焼付条件及びクリア塗料樹脂のSPが10以下である場合(ラインZ)には、クリア塗料が塗着された時点から、水性ベース塗膜内のアルミフレークが乱れることはなく、一定に維持される。
次に、ラインZであわらすアルミフレークの配向性を実現する本発明の実施例に採用された各種塗料の調製方法について説明する。
水性ベース塗料の調製
水性ベース塗料A又はBは、アクリルエマルジョンA又はB220重量部,イオン交換水55重量部,ジメチルアミノエタノール1重量部,アミノ樹脂(三井サイアナミド(株)製のサイメル327)20重量部,光輝性顔料(例えば旭化成社製のアルミペーストMH8801)20.9重量部,表面調整剤(例えばエアープロダクツ社製のサーフィノール440)4.5重量部を均一分散することで得た。光輝性顔料は、鱗片状をなす発色材としての光輝材を含有する。なお、これに限定されることなく、光輝性顔料は、発色材として、光輝材の代わりに、光干渉材を含有しても、あるいは、光輝材及び光干渉材の両方を含有してもよい。
なお、かかる水性ベース塗料の調製方法、及び、以下に説明するアクリルエマルジョンA及びBの製造方法は、例えば特開2001−240791号公報に開示されるように、公知である。
水性ベース塗料A,Bにそれぞれ含有されるアクリルエマルジョンA,Bは、それぞれ、次のように製造された。
水性ベース塗料用のアクリルエマルジョンAの製造
アクリルエマルジョンAの製造に際しては、まず、反応容器に脱イオン水126重量部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温した。続いて、メタクリル酸メチル10.22重量部,アクリル酸エチル73.43重量部,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル9.28重量部,アクリルアミド4.00重量部,メタクリル酸3.07重量部,アクアロンHS−10(第一工業製薬社製)0.5重量部,アデカリアソープNE−20(旭電化社製)0.5重量部及び脱イオン水100重量部からなるモノマー乳化物と、過酸化アンモニウム0.3重量部及び脱イオン水10重量部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、2時間同温度で熟成した。続いて、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターで濾過した後、脱イオン水67.1重量部およびジメチルアミノエタノール0.32重量部を加えてpH6.5に調整し、平均粒子径250nm,不揮発分25%のアクリルエマルジョンAを得た。
水性ベース塗料用のアクリルエマルジョンBの製造
他方、アクリルエマルジョンBの製造に際しては、まず、反応容器に脱イオン水136重量部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温した。続いて、メタクリル酸メチル10.22重量部,アクリル酸エチル58.36重量部,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル7.42重量部,アクリルアミド4.00重量部,アクアロンHS−10(第一工業製薬社製)0.5重量部,アデカリアソープNE−20(旭電化社製)0.5重量部及び脱イオン水80重量部からなるモノマー乳化物と、過酸化アンモニウム0.24重量部及び脱イオン水10重量部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、1時間同温度で熟成した。更に、80℃でアクリル酸エチル15.07重量部,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル1.86重量部,メタクリル酸3.07重量部,過硫酸アンモニウム0.06重量部及び脱イオン水10重量部からなる開始剤溶液を0.5時間にわたり並行して反応溶液に滴下した。滴下終了後、2時間同温度で熟成した。続いて、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターで濾過した後、脱イオン水67.1重量部及びジメチルアミノエタノール0.32重量部を加えてpH6.5に調整し、平均粒子径200nm,不揮発分25%のアクリルエマルジョンBを得た。
この実施形態では、ウェット・オン・ウェット塗装において、水性ベース塗料を塗装する前工程として、中塗り塗料A又はBが塗装され、焼付乾燥される。具体的には、中塗り塗料A及びBとして、以下のもの若しくは以下のように調製されたものを用いた。
中塗り塗料A
中塗り塗料Aとしては、溶剤型のOTOH870グレー(日本ペイント社製)を使用した。
中塗り塗料B
中塗り塗料Bは、ポリエステル樹脂30重量部、アミノ樹脂25重量部、アクリル樹脂15重量部、ウレタン変性ポリエステル樹脂30重量部、二酸化チタン60重量部、カーボンブラック1重量部、アクリル系表面調整剤0.2重量部及びイオン交換水161.2重量部を均一分散して水性の中塗り塗料Bを調製した。
ここで、ポリエステル樹脂としては、酸価50,水酸基価120,数平均分子量2000のものを用い、アミノ樹脂としては、サイメル327(三井サイアナミッド社製)を用い、また、アクリル樹脂としては、酸価50,水酸基価150,数平均分子量5000のもので、アミド基含有エチレン性モノマー20質量%,酸性基含有エチレン性モノマー10質量%,水酸基含有エチレン性モノマー50質量%及び他のエチレン性モノマー50質量%の共重合体を用い、更に、ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、pHが約7.5であるコロイダル分散ウレタン変性ポリエステル樹脂を用いる。
なお、かかる中塗り塗料Bの調製方法は、例えば特開2002−146282号公報に開示されるように、公知である。
溶剤型クリア塗料A
溶剤型クリア塗料Aとしては、OTO563クリア(日本ペイント社製)を使用した。
溶剤型クリア塗料B
溶剤型クリア塗料Bとしては、マックフローO−600クリア(日本ペイント社製)を使用した。
テストピースの作製
本願発明者は、上記の水性ベース塗料A又はBとクリア塗料A又はBとを用いた、低温及び短時間でのプレヒート工程を伴うウェット・オン・ウェット塗装の仕上がり品質について検証を行なった。この検証においては、次のように作製されたテストピース(中上塗り板A〜D)を用いた。まず、リン酸亜鉛処理した厚み0.8mm,縦10cm,横30cmのダル鋼板にPN120M(日本ペイント社製)を乾燥膜厚が20μmになるように電着塗装し、160℃で30分焼付乾燥して、電着板を作製する。この電着板に更なる処理を施して、以下の中上塗り板A〜Dを作製する。
(中上塗り板A)
電着板に中塗り塗料Aを乾燥膜厚が30μmになるようにスプレー塗装し、140℃で30分焼付乾燥した。続いて、水性ベース塗料を乾燥膜厚が15μmになるようにスプレー塗装し、40℃で2分プレヒートした。続いて、クリア塗料を乾燥膜厚が35μmになるようにスプレー塗装し、所定の温度で焼付乾燥した。
(中上塗り板B)
電着板に中塗り塗料Bを乾燥膜厚が20μmになるようにスプレー塗装し、40℃で2分プレヒートした。続いて、水性ベース塗料を乾燥膜厚が15μmになるようにスプレー塗装し、40℃で2分プレヒートした。続いて、クリア塗料を乾燥膜厚が35μmになるようにスプレー塗装し、所定の温度で焼付乾燥した。
(中上塗り板C)
電着板に中塗り塗料Aを乾燥膜厚が30μmになるようにスプレー塗装し、140℃で30分焼付乾燥した。続いて、水性ベース塗料を乾燥膜厚が3〜30μmに成るようにスプレー塗装し、40℃で2分プレヒートした。続いて、クリア塗料を乾燥膜厚が35μmになるようにスプレー塗装し、所定の温度で焼付乾燥した。
(中上塗り板D)
電着板に中塗り塗料Bを乾燥膜厚が20μmになるようにスプレー塗装し、40℃で2分プレヒートした。続いて、水性ベース塗料を乾燥膜厚が3〜30μmに成るようにスプレー塗装し、40℃で2分プレヒートした。続いて、クリア塗料を乾燥膜厚が35μmになるようにスプレー塗装し、所定の温度で焼付乾燥した。
このように作製された中上塗り板A〜Dの塗装面の光輝感,冷熱繰返し性,硬度及びピンホール限界膜厚について評価した。各評価は、次のように行った。
光輝感
変角光度計MA−68(X−Rite社製)を用いて中上塗り板A及びBの塗装面のフロップインデックスを光輝感として測定した。そして、フロップインデックスが12以上であった場合を非常に良好である、フロップインデックスが10以上12未満であった場合を良好である、フロップインデックスが10未満であった場合を良好でないとして評価した。
冷熱繰返し性
中上塗り板A及びBを−20℃で1時間保持した後30分室温で保持した。更に、80℃で1時間保持した後30分室温で保持した。これを1サイクルとして5サイクル繰返し、5サイクルで割れが無かった場合を良好である、5サイクル未満で割れが発生した場合を良好でないとして評価した。
硬度
中上塗り板A及びBをJISK5400 8.4鉛筆引っかき値に準じて5回試験し、2回以上塗膜にすり傷が認められた時の鉛筆の濃度記号を塗膜の硬度とし、その濃度記号がH以上である場合を非常に良好である、HB以上F以下である場合を良好である、HB未満である場合を良好でないとして評価した。
ピンホール限界膜厚
中上塗り板C及びDを観察してピンホールが発生しない位置を特定し、その位置の膜厚を測定してピンホール限界膜厚とした。そして、膜厚が25μm以上である場合を非常に良好である、15μm以上25μm未満である場合を良好である、15μm未満である場合を良好でないとして評価した。
表1〜3には、中塗り塗料A,B,水性ベース塗料A,B及びクリア塗料A,Bを用いて、異なる焼付条件の下でウェット・オン・ウェット塗装を行なった各種例(実施例1〜64及び比較例R1〜R28)について得られた光輝感,冷熱繰返し性,硬度及びピンホール限界膜厚に関した評価結果をあらわす。
各表では、光輝感に関し、非常に良好であると評価された場合を「◎」であらわし、良好であると評価された場合を「○」であらわし、良好でないと評価された場合を「×」であらわす。
また、冷熱繰返し性に関して、良好であると評価された場合を「◎」であらわし、良好でないと評価された場合を「×」であらわす。
更に、硬度に関して、非常に良好であると評価された場合を「◎」であらわし、良好であると評価された場合を「○」であらわし、良好でないと評価された場合を「×」であらわす。
また、更に、ピンボール限界膜厚に関して、非常に良好であると評価された場合を「◎」であらわし、良好であると評価された場合を「○」であらわし、良好でないと評価された場合を「×」であらわす。
Figure 2005211756

Figure 2005211756

Figure 2005211756
表1に示す実施例1〜32は、中塗り塗料A上に、水性ベース塗料A又はBとクリア塗料Aとをウェット・オン・ウェット塗装するに際して、クリア塗料Aが塗着された後にそれぞれ異なる焼付条件で焼付乾燥を行なうことで得られた中上塗り板A又はCについての評価をあらわしている。クリア塗料としては、樹脂のSPが9.6であるクリア塗料Aを用いた。また、表2に示す実施例33〜64は、中塗り塗料B上に、水性ベース塗料A又はBとクリア塗料Aとをウェット・オン・ウェット塗装するに際して、クリア塗料Aが塗着された後にそれぞれ異なる焼付条件で焼付乾燥を行なうことで得られた中上塗り板B又はDについての評価をあらわしている。クリア塗料としては、実施例1〜32と同様に、樹脂のSPが9.6であるクリア塗料Aを用いた。
他方、表3に示す比較例R1〜R28は、中塗り塗料A又はB上に、水性ベース塗料A又はBとクリア塗料A又はBとをウェット・オン・ウェット塗装するに際して、クリア塗料A又はBが塗着された後にそれぞれ異なる焼付条件で焼付乾燥を行なうことで得られた中上塗り板A〜Dについての評価をあらわしている。比較例R1〜R24では、クリア塗料として、実施例1〜64と同様に、樹脂のSPが9.6であるクリア塗料Aを用い、他方、比較例R25〜R28では、樹脂のSPが10.5であるクリア塗料Bを用いた。
実施例1〜64では、樹脂のSPが9.6であるクリア塗料Aの塗着後の焼付乾燥に際し、焼付温度50〜110℃で5〜15分にわたる第1の焼付乾燥が行なわれた後に、焼付温度90〜150℃で10〜35分にわたる第2の焼付乾燥が行なわれ、全ての評価項目について「◎」又は「○」の評価が得られた。特に、全ての評価項目について「◎」が得られた実施例8,24,40,56をみると、樹脂のSPは9.6、第1の焼付乾燥での焼付温度は80℃、また、その焼付時間は15分、第2の焼付乾燥での焼付温度は130℃、また、その焼付時間は20分であった。
これに対して、比較例R1〜R28では、クリア塗料A又はBの塗着後の焼付乾燥に際し、焼付温度40〜130℃で3分〜15分にわたる第1の焼付乾燥が行なわれた後に、焼付温度70〜170℃で5〜35分にわたる第2の焼付乾燥が行なわれ、評価項目の1つ又は2つについて「×」の評価が得られた。具体的に、比較例R1,R2,R7,R8,R13,R14,R19,R20をみると、第1の焼付乾燥での焼付温度が40又は130℃であり、実施例1〜64で設定された条件を満足せず、かかる例では、光輝感及びピンホール限界膜厚について良好でないという結果が得られた。また、比較例R3,R9,R15,R21をみると、第1の焼付乾燥での焼付時間が3分であり、実施例1〜64で設定された条件を満足せず、かかる例では、光輝感及びピンホール限界膜厚について良好でないという結果が得られた。
更に、比較例R4,R10,R16,R22をみると、第2の焼付時間での焼付温度が70℃であり、実施例1〜64で設定された条件を満足せず、かかる例では、硬度について良好でないという結果が得られた。また、更に、比較例R5,R11,R17,R23をみると、第2の焼付時間での焼付温度が170℃であり、実施例1〜64で設定された条件を満足せず、かかる例では、冷熱繰返し性について良好でないという結果が得られた。
また、更に、比較例R6,R12,R18,R24をみると、第2の焼付時間での焼付時間が5分であり、実施例1〜64で設定された条件を満足せず、かかる例では、硬度について良好でないという結果が得られた。
また、更に、比較例R25〜28をみると、クリア塗料のSPが10.5であり、実施例1〜64で設定された条件を満足せず、かかる例では、光輝感について良好でないという結果が得られた。
以上の結果より、第1の焼付乾燥での焼付温度は光輝感及びピンホールの限界膜厚に関係しており、50℃以上110℃以下である場合に、良好な光輝感及びピンホールの限界膜厚が得られると判断することができる。特に、実施例4,8,14,20,24,30,36,40,46,52,56,62の評価結果に基づき、良好な光輝感及びピンホールの限界膜厚を確実に得るには、70℃以上90℃以下(例えば80℃)であることが好ましい。
また、第1の焼付乾燥での焼付時間は光輝感及びピンホールの限界膜厚に関係しており、5分以上である場合に、良好な光輝感及びピンホールの限界膜厚が得られると判断することができる。特に、実施例4,8,14,20,24,30,36,40,46,52,56,62の評価結果に基づき、良好な光輝感及びピンホールの限界膜厚を確実に得るには、10分以上(例えば15分)であることが好ましい。
更に、第2の焼付乾燥での焼付温度は冷熱繰返し性及び硬度に関係しており、90℃以上150℃以下である場合に、良好な冷熱繰返し性及び硬度が得られると判断することができる。特に、実施例5〜10,21〜26,37〜42,53〜58の評価結果に基づき、良好な冷熱繰返し性及び硬度を確実に得るには、110℃以上130℃以下(例えば130℃)であることが好ましい。
また、更に、第2の焼付乾燥での焼付時間は硬度に関係しており、10分以上である場合に、良好な硬度が得られると判断することができる。特に、実施例5〜10,21〜26,37〜42,53〜58の評価結果に基づき、良好な硬度を確実に得るには、15分以上(例えば20分)であることが好ましい。
また、更に、クリア塗料のSPは光輝感に関係しており、10以下である場合に、良好な光輝感が得られると判断することができる。特に、良好な光輝感を確実に得るには、9以上10以下(例えば9.6)であることが好ましい。
第1の焼付乾燥での焼付温度及び焼付時間,第2の焼付乾燥での焼付温度及び焼付時間を上記のように設定することで、ウェット・オン・ウェット塗装において、水性ベース塗料塗装後のプレヒート工程の低温化及び短縮化を行った場合若しくはプレヒート工程を省略した場合にも、焼付工程時に、水性ベース塗料中に残存する水分が突沸することを防止して、ピンホール等の塗膜欠陥の発生を抑制することができ、仕上がり塗装面の良好な外観性を確保することができる。また、SPが所定値以下であるクリア塗料を用いることで、水性ベース塗料とクリア塗料との間の界面の乱れを抑制することができ、アルミフレークの配向性を維持し、仕上がり塗装面において良好な光輝感を実現することができる。
なお、本発明は、例示された実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
プレヒート工程の簡素化を行なった若しくはプレヒート工程を省略した場合における、従来及び本願発明の焼付温度及びクリア塗料の極性について異なる条件下での、水性ベース塗料内のアルミフレークの配向性の変化を模式的にあらわす図である。
符号の説明
X…従来の焼付条件及びSPが10を超えるクリア塗料樹脂を用いて得られる、クリア塗料の塗着時から焼付完了時までの配向性の変化
Y…本発明の焼付条件及びSPが10を超えるクリア塗料樹脂を用いて得られる、クリア塗料の塗着時から焼付完了時までの配向性の変化
Z…本発明の焼付条件及びSPが10以下であるクリア塗料樹脂を用いて得られる、クリア塗料の塗着時から焼付完了時までの配向性の変化

Claims (7)

  1. 水性塗料からなる第1の塗料に対して第2の塗料をウェット・オン・ウェット塗装し、焼付乾燥するようにした塗装乾燥方法において、
    上記第2の塗料中に含有される樹脂の極性を示すSPを10以下に設定するとともに、
    焼付乾燥に際して、焼付温度50℃以上110℃以下で5分以上にわたる第1の焼付乾燥を行った後に、焼付温度90以上150℃以下で10分以上にわたる第2の焼付乾燥を行なうことを特徴とする塗装乾燥方法。
  2. 上記第1の塗料が鱗片状の発色部材を含有する塗料であり、上記第2の塗料がクリア塗料であることを特徴とする請求項1記載の塗装乾燥方法。
  3. 上記発色部材が、光輝材及び/又は光干渉材であることを特徴とする請求項2記載の塗装乾燥方法。
  4. 上記第2の塗料が、有機溶剤を含有する塗料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の塗装乾燥方法。
  5. 上記SPが、9以上10以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の塗装乾燥方法。
  6. 上記第1の焼付乾燥時における焼付温度を70℃以上90℃以下に設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の塗装乾燥方法。
  7. 上記第1の焼付乾燥を10分以上にわたって行なうことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一に記載の塗装乾燥方法。
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