JP2005200293A - 光学的に誘起された屈折率変化に対する耐性の高い合成シリカガラス光学材料 - Google Patents

光学的に誘起された屈折率変化に対する耐性の高い合成シリカガラス光学材料 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線波長範囲、特に、約250nm未満の波長領域の紫外線による光学的損傷に対する高い耐性を有し、特に、低いレーザ誘起密度変化を示す合成シリカガラス光学材料を提供する。
【解決手段】合成シリカガラス光学材料は、少なくとも約0.1ppmのアルミニウムを含有し、約0.5×1017分子/cm3より大きいH2濃度レベルを有する。さらに該合成シリカ光学材料は、ppmのAl当たり1017/cm3のH2で測定して、約1.2より大きいH2対Al比を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、合成すなわち溶融シリカ光学材料および光学部材に関する。より詳しくは、本発明は、レーザ誘起密度または屈折率変化の改善された合成すなわち溶融シリカ光学材料および光学部材に関する。
工業的に実施されているように、レンズ、プリズム、フィルタ、フォトマスク、リフレクタ、エタロン板および窓などの溶融シリカ光学部材が、大量生産炉内で製造された溶融シリカのバルク片から一般に製造されている。大量生産炉内で製造された溶融シリカのバルク片は、ブールまたはインゴットとして当該技術分野において知られている。ブールすなわちインゴットからブランクが切り出され、以下に制限されるものではないが、ブランクからのガラス片の切断、研磨、および/またはコーティングを含む製造工程を用いて、ガラスブランクから完成光学部材が製造される。これらの光学部材は、約360nm以下の波長を持つ高出力紫外線、例えば、エキシマレーザビームまたは他の高出力紫外線レーザビームに曝露される環境で用いられる様々な装置に使用される。これらの光学部材は、高密度集積回路を製造するためのリソグラフィーレーザ露光設備、レーザ製造設備、医療設備、核融合設備、または高出力紫外線レーザビームを使用する他の装置を含む様々な機器に組み込まれる。
概して、ブールは、火炎中でケイ素含有ガス分子を反応させてシリカスート粒子を形成することにより製造される。このスート粒子は、回転体または揺動体の高温表面上に堆積され、そこで、ガラス質の固体状態に固結する。従来技術において、このタイプのガラス製造工程は、気相加水分解/酸化プロセス、または単純に火炎堆積プロセスとして知られている。「ブール」という用語は、ここでは、用語「ブール」が火炎堆積プロセスにより形成された任意のシリカ含有物体を含むことを理解した上で使用されている。そのようなブールから多数のブランクが切り出され、上述したような様々な光学部材を製造するために用いられる。
レーザのエネルギーおよびパルス繰返し数が増加するにつれ、そのようなレーザと共に用いられる光学部材は、増大したレベルのレーザ放射線に曝露される。溶融シリカ部材は、その優れた光学的性質およびレーザ誘起損傷に対する耐性のために、そのようなレーザを使用する光学系における光学部材に選択される製造材料として広く用いられるようになってきた。
レーザ技術は短波長の高エネルギー紫外スペクトル領域まで進歩し、その効果は、レーザから発せられる光の周波数が増大(波長の減少)することである。特に興味深いのは、紫外線と深紫外線(DUV)の波長範囲で動作する短波長エキシマレーザであり、これには、それぞれ、約248nmおよび約193nmの波長で動作するレーザが含まれる。エキシマレーザシステムはマイクロリソグラフィー用途で普及しており、短波長のために、集積回路やマイクロチップの製造において線密度を増加させることができ、これにより、特徴サイズの減少した回路を製造することができる。より短い波長(より高い周波数)の直接的な物理的結果は、個々のフォトンのエネルギーがより高いという事実のために、ビーム内のフォトンエネルギーがより高いことである。そのようなエキシマレーザシステムにおいて、溶融シリカ光学素子は、長期間に亘り高エネルギーのフォトン照射レベルに曝露され、その結果として、光学部材の光学的性質が低下してしまう。
レーザ誘起による性質が低下することにより、光の透過レベルが減少し、屈折率が変わり、密度が変わり、ガラスの吸収レベルが増加することによって、溶融シリカ光学部材の性能に悪影響が及ぼされることが知られている。具体的には、生じ得るレーザ誘起による性質低下の二つの主なタイプは、密度変化の結果としての誘起吸収および誘起屈折率の変化である。
集積回路チップおよび他の製品を製造するための、エキシマレーザおよびそのエネルギーを伝達する材料への半導体産業の依存性と、減少した線幅への恒常的な駆動力と、入射光の必要な波長と、レーザエネルギーレベルの結果としての増大とを考えると、溶融シリカ材料の要件は、ずっとより厳しいものになってきたことになる。新世代の材料は、入射エネルギーに関してできるだけ不活性でなければならない。他の多くの研究者達は、光と相互作用しない材料を製造しようと試みてきたが、それらはうまくいっていない。したがって、レーザ誘起屈折率/密度変化に対する耐性の改善された溶融シリカガラス製品を提供することが望ましいであろうし、それが本発明の目的である。
本発明は、合成すなわち溶融シリカ光学材料に関する。ここで用いているように、「合成すなわち溶融シリカ光学材料」という用語は、炉内で製造される溶融シリカのバルク片またはブール、ブールから切り出されたブランク、合成溶融シリカのブランクから製造された溶融シリカ光学部材を含む。溶融シリカ光学部材の製造は、以下に制限されるものではないが、溶融シリカガラス片の切断、研削、研磨および/またはコーティングを含む仕上げ工程を含むであろう。
本発明のある実施の形態によれば、紫外線波長範囲の紫外線、特に、約250nm未満の波長の紫外線による光学的損傷に対する耐性が高く、特に、レーザ誘起密度変化の低い合成シリカガラス光学材料が提供される。
本発明のある実施の形態において、本発明の合成シリカガラス光学材料は、少なくとも約100ppb(0.1ppm)のアルミニウムを含有し、約0.5×1017分子/cm3より大きいH2濃度レベルを有する。さらに、本発明の合成シリカ光学材料は、約1.2(ppmのAl当たりの×1017分子/cm3のH2)より大きいH2対Al比を示す。別の実施の形態によれば、合成シリカ光学材料中に存在するアルミニウムの量は約100から1200ppb(または0.1から1.2ppm)に及び、一方で、H2濃度は、0.5から5×1017分子/cm3に及ぶ。好ましい実施の形態において、合成シリカ光学材料は、約1.2から3.5に及ぶH2対Al比を示す。
本発明の合成シリカ光学材料により、レンズ系に含まれる溶融すなわち合成シリカガラスレンズ内の誘起密度変化のレベルが減少した、フォトリソグラフィー装置に使用するためのレンズ系を製造することができる。
本発明のさらに別の利点が以下の詳細な説明に述べられている。これまでの一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示であり、特許請求の範囲に記載された本発明をさらに説明することを意図したものであることが理解されよう。
合成溶融シリカは、高エネルギー密度のレーザ光に曝露されている最中またはその後に生じる「圧密」の現象に見舞われることが従来技術においてよく知られている。この影響により、密度が局部的に増加し、屈折率がその後増加し、これにより、転じて、光学成分の光学的性質が低下してしまう。さらに、反対の影響も生じるかもしれない、すなわち、光学石英ガラス成分が、低エネルギー密度であるが高パルス数のレーザ光に曝露されたときに、膨脹が観察され、これには、転じて、屈折率のその後の減少が伴うことも知られている。この影響により、光学的性質が低下することになる。それゆえ、圧密および膨脹は、必ずしも放射線誘起吸収の増加を生じる訳ではなく、むしろ、光学成分の耐用年数を制限するかもしれない欠陥である。
本発明は、誘起吸収の程度が低く、その圧密および膨脹の性質に関して最適化されている、250nm以下の波長の紫外線を透過させるための合成シリカガラス光学材料を提供する。本発明の合成シリカガラス光学材料は、超高純度合成シリカガラスから製造され、上述したように最適化された圧密/膨脹の性質、特に、低い誘起密度または屈折率変化を示すように調節された以下の組成を有する。具体的には、本発明の合成シリカガラス光学材料組成物は、約100ppb(0.1ppm)より大きいアルミニウム濃度および約0.5×1017分子/cm3より大きいH2濃度レベルを含む。さらに、この合成シリカガラス光学材料は、ppmのAl当たりの×1017分子/cm3のH2で測定して、約1.2より大きい特定のH2対アルミニウム比を示す。
理論により制限することを意図するものではないが、本願の出願人等は、この組成物の狭いH2/Al比が、この改善された/減少した屈折率変化に大きく寄与すると考えている。溶融シリカにおける誘起屈折率変化は、誘起密度変化の結果である。従来技術のガラスにおいて、入射光は、金属不純物や他の結合停止剤による弱い結合、または歪んだ結合を攻撃する。その構造は、この攻撃の結果として配置を変え、誘起密度/屈折率変化を生じる。屈折率変化を最小にするために、ガラス構造は、できるだけ強く、かつ攻撃にさらされないべきである。水素分子の存在には、望ましい面と、誘起吸収を最小にするように機能するので望ましくない面の両方があるが、水素分子が存在すると、溶融シリカ母材中に水素化物種が存在することになり、これにより、望ましくないレーザ誘起膨脹が生じる。この仮定に基づいて、本発明の発明者等は、圧密の効果を持つAlの存在が、水素化物種の膨脹効果を打ち消すであろうと理論づけた。言い換えれば、水素化物「膨脹」種が、ある量のAl「圧密」種の存在により釣り合わされる、すなわち、Al分子が水素化物種の不足を補う。
具体的にアルミニウム濃度に関して、含有できる量に絶対的な制限はないが、約5000ppb(5ppm)より多いAlの量は、このように多量のアルミニウムが存在すると、透過、ガラス粘度の挙動および屈折率均一性などのガラスの他の性質に悪影響を及ぼすので、望ましくない。本発明のある実施の形態によれば、アルミニウムは通常の不純物レベルを超える量で一般に存在し、一方で、他の金属不純物は、従来技術のより低い(10ppb未満)レベルに維持される。ある実施の形態において、上述したように、合成シリカ光学材料中のアルミニウムの量は約100ppb(0.1ppm)より多い。好ましい実施の形態において、合成シリカガラス光学材料中に存在するアルミニウムは、約100から1200ppb(0.1から1.2ppm)に及ぶ。非常に好ましい実施の形態において、アルミニウムの量は、約200ppbから600ppb(0.2から0.6ppm)である。
アルミニウムの存在は、ガラス母材を強化するようにいくつかの様式で働く。アルミニウムは、荷電の釣り合いにより緩いアルカリイオンを縛り付けることにより結合停止剤を最小にし、母材中の網状構造形成剤として働き、溶融シリカ中に通常見られる水素化物種の形成を阻害するまたは妨げる。前述したように、本発明の合成シリカ光学材料のレーザ誘起密度変化の減少に最大の影響を有するのは、水素化物種の形成の阻害または妨害が示す最後の効果である。
2分子の濃度に固有に依存する望ましくない水素化物種の存在にもかかわらず、特定の最小量のH2がシリカガラス組成物中に存在することが必要である。誘起吸収が最小であることを確実にし、転じて、合成シリカガラスの透過が許容されることを確実にするのは、0.5×1017分子/cm3より多い量のH2分子の存在である。一方で、5×1017分子/cm3より多い量のH2分子では、Al種の存在によって十分には阻害または妨害できない許容されない誘起密度変化/膨脹が生じる。
前述したように、水素化物種は、形成プロセスの結果としてのガラス中の水素濃度に依存する。水素の増加は、水素化物種の増加に繋がり、その結果、曝露の元で減少した密度/屈折率変化(または膨脹)を示す傾向の増大に繋がる。アルミニウムは、誘起屈折率変化/減少を生じる水素化物種の形成を阻害または妨害するように働く。アルミニウム濃度が低くなり過ぎると、水素化物が形成される。その濃度が高くなり過ぎると、アルミニウムは、歪んだ結合の源となり得る。ガラス中に水素分子が少なすぎると、他のレーザ損傷性質である誘起吸収が問題となる。アルミニウムと製造時の水素濃度との間の本発明の釣合いにより、誘起密度変化が非常にわずかしかなく、誘起吸収が最小である合成シリカ光学材料が得られる。好ましい実施の形態において、本発明の合成シリカ材料の組成物は、H2対Alの比が、ppmのAl当たりのH2の分子/cm3で測定して、1.2を超えるようなものである。より好ましい実施の形態において、H2対Alの比は、約1.2から3.5であり、より好ましくは、1.7から3.5である。最も好ましい実施の形態において、本発明のシリカガラス光学材料は、ppmのAl当たりのH2の分子/cm3で測定して、1.7のH2対Alの比を示す。これらのH2対Alの比の範囲内の組成を有する合成シリカガラス光学材料は、幅広い入射エネルギーレベルの範囲に亘り、十分に低い誘起密度変化を示す。
本発明による上述した合成シリカガラス光学材料は、以下の直接堆積法により製造できる。具体的には、合成シリカガラス光学材料は、
a) 酸化を伴う熱分解または火炎加水分解によりシリカに転化できる蒸気形態にあるケイ素含有化合物を含むガス流を生成し、
b) このガス流中に金属のアルミニウムドーパントを導入し、
c) このガス流を燃焼バーナの火炎中に通過させて、金属ドープ溶融シリカの非晶質粒子を形成し、
d) これらの非晶質粒子を支持体上に堆積させ、
e) 非晶質粒子の堆積物を透明ガラス体に固結させる、
ことにより形成される。
このガラス体を形成するための有用なケイ素含有化合物は、ハロゲン化物を含まない任意のシクロシロキサン化合物、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、ポリメチルシクロシロキサン、およびこれらの混合物などのポリメチルシロキサンを含むことが好ましい。特に有用なポリメチルシクロシロキサンの例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の特に有用な方法の一つにおいて、化学式−−[SiO(CH324−−により表される、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)などの、ハロゲン化物を含まないシクロシロキサン化合物が、溶融シリカブールプロセスのための供給原料として、または光導波路用途の高純度溶融シリカの製造に用いられるような蒸着プロセスにおいて、用いられる。
本発明の特別な実施の形態の一つにおいて、ガラス中の吸収変化を減少させ、内部透過を改善するために、溶融シリカガラス製品中にアルミニウムが加えられる。溶融シリカガラス製品にアルミニウムを添加するための特に好ましい前駆体は、アルミニウムアセチルアセトネートである。アルミニウムアセチルアセトネートおよびOMCTSは、化学的に適合し、両方の材料を含有するガス流を混合したときに、早まって反応することがない。さらに、アルミニウムアセチルアセトネートの気化特性は、既存のOMCTS気相供給システムに適合している。例えば、アルミニウムアセチルアセトネートは、シリカスートに転化するためのバーナにOMCTSを供給するのに必要な温度で分解せず、水素濃度は、加水分解中の火炎のレドックス条件により調節される。
図1を参照すると、屈折率変化の尺度としてH2:Al比と正規化された屈折率変化との間の関係を示すグラフが示されている。正規化された屈折率変化は、試験のフルエンスにより割られた屈折率変化である。図示された曲線は、異なるH2とAlの濃度を示し、したがって、H2/Al濃度が異なっている一連の本発明の合成シリカガラスの実施例について行った損傷測定に基づいている。表Iには、実施例A−Eについて、H2濃度(×1017分子H2/cm3毎ppm Al)、Al濃度(ppm)およびH2対Al比(1017分子H2/cm3毎ppm Alで測定して)が報告されている。曝露は、193nmの波長および15から50ナノ秒のレーザパルス長のレーザ光で行った。レーザパルス長は、V.Liberman, M.Rothschild, J.H.C.Sedlacek, R.S.Uttaro, A.Grenville in "Excimer-laser-induced densification of fused silica: laser-fluence and material-grade effects on scaling law", Journal Non-Cryst.Solids 244(1999),p.159-171に記載された方法にしたがって決定される。
Figure 2005200293
図1の考察により、H2対Al比への屈折率変化の依存性が明らかになった。さらに、図1は、低い比(約1.2未満)では、屈折率変化は、短い組成範囲に亘り望ましくないほど非常に急勾配であり、H2濃度に対して多量のアルミニウムのために、圧密が過ぎるようである。1.2より高い比では、屈折率変化はずっと狭く、より有用な組成範囲、それゆえ、エキシマレーザ用レンズ用途にとってより安定な組成範囲を示す。
表IIには、最新の検出技法により現在検出可能な量である、10ppb(0.01ppm)未満しかアルミニウムを有さない、それゆえ、望ましくないH2対Al比を持つ従来技術の合成シリカ光学材料の3つの追加の組成が列記されている。これらの比較試料の各々は、先に詳述した直接堆積法により製造した。
Figure 2005200293
ここで図2を参照すると、表Iに詳述した試料A−Cおよび表IIの比較試料F−Hについてパルス数の関数(X軸が図中に「パルス」を示している)としての圧密および膨脹の発生が示されている。すなわち、図2は、多数の本発明と比較の合成シリカ光学材料についての波面の歪曲対フルエンス挙動を示している。試料AおよびFは、約200μJ/cm2の一定のパルスエネルギー密度で測定し、試料BおよびGは、約122μJ/cm2の一定のパルスエネルギー密度で測定し、試料CおよびHは、約40μJ/cm2の一定のパルスエネルギー密度で測定した。Y軸は、この特定の実施例において633nmの波長を持つ入射光のnm/cmの波面の歪曲を示している。波面の歪曲は出来事の結果であり、平らな波面は、屈折率の空間不均質性により歪められる。それゆえ、波面の歪曲は、圧密または膨脹の発生の尺度である。
図2の考察により、1.69のH2/Al比、特に、1.86×1017分子/cm3のH2含有量および1.1ppmのAl含有量を有する試料Aの合成シリカ光学材料が、約40億パルス後にほどほどに低い勾配の圧密挙動を示すことが分かった。比較として、1.4×1017分子/cm3のH2含有量および10ppb(0.01ppm)未満のAl含有量を有する試料Fの合成シリカ光学材料は、約120億パルス後に膨脹に変化するより勾配の大きい圧密挙動を示す。
ここで、試料BおよびGを参照すると、図2により、試料Bの材料(2.1のH2/Al比)はここでも、約40億パルス後にほどほどに低い勾配の圧密挙動を示し、一方で、比較試料Gのシリカ材料(1.05×1017分子/cm3のH2含有量および測定可能なAlは含まない)は、最初はほどほどの勾配の圧密挙動を示すが、95億パルス後に圧密変化する挙動を有することが明らかである。
ここで、試料CおよびHを参照すると、図2により、試料Cの材料(1.92のH2/Al比)は、レーザ損傷/パルス試験の最中ずっと、ほどほどに低い勾配の圧密挙動を示し、一方で、比較試料Hのシリカ材料(0.96×1017分子/cm3のH2含有量および測定可能なAlは含まない)は、ほどほどの勾配の挙動を示すが、その挙動の現象は望ましくない膨脹のものであることが明らかである。
手短に言えば、本発明の試料A−Cは、必要とされる本発明のH2対Al比を示さない比較のための従来技術の合成シリカ材料製品と比較して、減少した波面挙動、および特に低下した圧密(または非膨脹)挙動を示す合成シリカ光学材料が得られる、比較的狭いH2対Al比を示す。すなわち、本発明のガラスは、レーザ損傷/パルスの結果として、長期に亘るとより緻密になるのに対して、従来技術の比較ガラスは、長期に亘ってもそれほど緻密にならない。上述したように、比較試料の全ては、長期に亘って、膨脹と圧密の混合挙動か、または単に膨脹挙動を示した。
表IIIには、それぞれ、7.14および0.95である本発明の範囲から外れた望ましくないH2対Al比を有する、二つの追加の比較のための従来技術の合成シリカ光学材料の試料IおよびJが列記されている。これらの比較試料の各々は、先に詳述した直接堆積法により製造した。
Figure 2005200293
ここで図3を参照すると、比較試料IおよびJ、並びに本発明の試料Bについて、H2対Al比に対する、正規化された波面の歪曲(様々な/増加するレーザパルスカウント/曝露回数について)の関係を表すグラフが示されている。上述したように、正規化された屈折率変化は、試験のフルエンスにより割られた屈折率変化の尺度である。試験した試料の各々を、193nmの波長および15から50ナノ秒のレーザパルス長を示すレーザ光に曝露した。次いで、実際の波面を、633nmの干渉計を用いて測定した。レーザパルス長は、V.Liberman, M.Rothschild, J.H.C.Sedlacek, R.S.Uttaro, A.Grenville in "Excimer-laser-induced densification of fused silica: laser-fluence and material-grade effects on scaling law", Journal Non-Cryst.Solids 244(1999),p.159-171に記載された方法にしたがって決定される。試料の正規化された波面値(または屈折率変化)の各々は、様々な増加するパルスカウント、具体的には、20億(2B)、40億(4B)、70億(7B)、100億(10B)および140億(14B)で測定した。
図3の考察により、屈折率変化のH2対Al比への依存性は、図1に示したもののようであることが明らかになった。領域Iにおいて、比較試料Iは、圧密を開始し、次いで、パルス数が増加するにつれて膨脹に向かって動き、H2対Alの比が高すぎることを示しているのが明らかである。領域IIIに入る比較試料Jは、圧密を開始し、許容できないほど高い値まで圧密し続け、その比(0.95)が低すぎることを示している。比較試料を、領域IIに位置する本発明の試料Bを対照すると、本発明の試料の挙動は、増加するパルスカウントに曝露したときに、屈折率変化は低いままであり、膨脹に向かって変化しないようなものである。
従来技術の合成シリカ光学材料と比較した本発明の合成シリカ光学材料の利点としては、(1)溶融シリカレンズにおいて望ましく、転じて、改善れたレンズ挙動/性能となる、一貫して低いフルエンス挙動(すなわち、圧密/膨脹が混ざっていない)、(2)圧密/膨脹の混ざった挙動の結果として一貫していない誘起屈折率/密度変化にさらされる合成シリカ光学レンズに生じるかもしれないレンズ内に蓄積する応力およびイメージングまたはリソグラフィー操作へのその結果としての有害な影響を避けられること、および(3)一貫したレーザ誘起挙動(屈折率/密度変化)を示す、本発明の材料のような合成シリカ光学材料により、上述した膨脹/圧密の混ざった挙動を補償する必要のない結果としてレンズの設計者にとってシステムの設計がより容易になることが挙げられる。
本発明の精神すなわち範囲から逸脱せずに、本発明の様々な改変を行えることが当業者には明らかである。それゆえ、本発明は、本発明への改変および変更を、それらが添付の特許請求の範囲およびその同等物に含まれるものであれば包含することが意図されている。
2対Al比への屈折率変化の依存性を示すグラフ 従来技術の合成シリカ光学材料および本発明のH2対Al比を示す本発明の合成シリカ光学材料についての波面の歪曲対フルエンスの関係を示すグラフ 従来技術の合成シリカ光学材料および本発明のH2対Al比を示す本発明の合成シリカ光学材料についての正規化された波面の歪曲(様々なレーザパルスカウント/曝露回数)対H2対Al比を示すグラフ

Claims (7)

  1. 250nm未満の波長領域において使用するための、光学損傷に対して耐性のある合成シリカガラス光学材料であって、0.1ppmより多い量のアルミニウム濃度、約0.5×1017分子/cm3より大きいH2濃度レベルを有し、ppmのAl当たり1017/cm3のH2で測定して、約1.2より大きいH2対Al比を示し、低い誘起密度変化を示すことを特徴とする合成シリカガラス光学材料。
  2. 前記アルミニウム濃度が約0.1から1.2ppmに及ぶことを特徴とする請求項1記載の合成シリカガラス光学材料。
  3. 前記アルミニウム濃度が約0.2から0.6ppmに及ぶことを特徴とする請求項1記載の合成シリカガラス光学材料。
  4. 前記H2濃度が約0.5から5×1017分子/cm3に及ぶことを特徴とする請求項1記載の合成シリカガラス光学材料。
  5. 前記H2対Al比が、ppmのAl当たり1017分子H2/cm3で測定して、約1.2から3.5に及ぶことを特徴とする請求項1記載の合成シリカガラス光学材料。
  6. 前記H2対Al比が、ppmのAl当たり1017分子H2/cm3で測定して、約1.7から2.8に及ぶことを特徴とする請求項1記載の合成シリカガラス光学材料。
  7. ppmのAl当たり1017分子H2/cm3で測定して、1.7のH2対Al比を示すことを特徴とする請求項1記載の合成シリカ光学材料。
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