JP2005186576A - 防汚性ハードコート、防汚性基材、防汚導電性基材およびタッチパネル - Google Patents
防汚性ハードコート、防汚性基材、防汚導電性基材およびタッチパネル Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 ハードコート12上に、シランカップリング剤からなる密着層13を形成し、さらにこの密着層13上に、酸、塩基、リン酸エステル、及びβージケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒を含有する両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルからなる防汚層14を形成する。これにより、噴霧により密着層13上に防汚層14を形成した場合にも、防汚層14に塗布斑が発生することを防止できる。
【選択図】 図1
Description
ハードコート上に形成された密着層と、
密着層上に形成された防汚層と
を備え、
密着層がカップリング剤からなり、
防汚層が両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなることを特徴とする防汚性ハードコートである。
基材の一主面に形成された密着層と、
密着層上に形成された防汚層と
を備え、
密着層がカップリング剤からなり、
防汚層が両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなることを特徴とする防汚性基材である。
基材の一主面に形成された密着層と、
密着層上に形成された防汚層と
基材の他主面に形成された透明導電膜と
を備え、
密着層がカップリング剤からなり、
防汚層が両末端にパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなることを特徴とする防汚導電性基材である。
防汚導電性基材が、
透明性を有する基材と、
基材の一主面に形成された密着層と、
密着層上に形成された防汚層と
基材の他主面に形成された透明導電膜と
を備え、
密着層がカップリング剤からなり、
防汚層が両末端にパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなることを特徴とするタッチパネルである。
触媒により加水分解反応を促進させることができる。
基材11,21は、透明性を有するフィルムである。この基材11,21の材料としては、例えば、ガラス、プラスチックなどが挙げられる。基材11,21としてアンチグレア(乱反射)機能を持たせたものを用いてもよい。また、基材11,21のヘイズ(光散乱の割合)は、8%以下が好ましく、透過率は80%以上が好ましい。
スペーサ7は、例えば数10μm程度の高さを持った半球状、円錐状、または円柱状の透明体であり、透明導電膜22上に一定の間隔をあけて形成されている。スペーサ7の材料としては、例えばアクリル系樹脂などの透明性を有する絶縁材料が挙げられる。このスペーサ7により、長期にわたる安定したスイッチ動作の維持および情報入力時における高精度な位置検出が可能となる。
透明導電膜15,22を構成する材料としては、例えばITO、AZO、SZO、FTO、SnO2、GZO、IZOなどが挙げられる。また、この透明導電膜15,22の形成方法としては、例えばスパッタリング法または蒸着法が挙げられる。
ハードコート12を構成する材料としては、例えば、特公昭50−28092号公報、特公昭50−28446号公報、特公昭51−24368号公報、特開昭52−112698号公報、特公昭57−2735号公報、特開2001−301095号公報に開示されているものが挙げられ、具体的に例えば、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のオルガノシラン系熱硬化型樹脂、エーテル化メチロールメラミン等のメラミン系熱硬化樹脂、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の多官能アクリレート系紫外線硬化樹脂等が挙げられる。
密着層13は、ハードコート12と防汚層14とを密着させる機能を満たすものであれば、特に限定されることはなく、例えばカップリング剤を用いることができる。
防汚層14は、フッ素系防汚層であり、両末端にシラノール基を有するパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなる。防汚層14を密着層13上へ化学結合により形成することにより、耐汚水性、撥水性、表面滑り性に優れ、表面に指紋やゴミが付着した際の汚染や、傷付き等を解決することが可能となる。このパーフルオロポリエーテル化合物としては、下記一般式(2)で示されるパーフロルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられる。
ハードコート12上に、例えばシランカップリング剤からなる密着層13を形成し、さらにこの密着層13上に、例えば酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒を含有する両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテルからなる防汚層14を形成するため、噴霧により密着層13上に防汚剤を塗布し、硬化させて防汚層14を形成した場合にも、防汚層14に塗布斑が発生することを防止できる。したがって、透明性に優れた高品質な防汚性ハードコート6、防汚性基材4、防汚導電性基材2およびタッチパネル1を提供することができる。
(1)透明導電性フィルム5の作製
まず、押し出し成形法により、シート厚79μmのポリカーボネートシート11を作製した。そして、グラビアコーターにより、ポリカーボネートシート11の一主面にアクリル系紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬化することにより、2.7μmの厚さのアクリル系ハードコート12を形成した。さらに、スパッタリング法により、ポリカーボネートシート11の他主面に、膜厚8nmのITO(SnO2−In2O3合金)膜15を形成した。以上により、ハードコート12を一主面に有する透明導電性フィルム5を得た。
アミノシラン系カップリング剤(A−1100、日本ユニカ社製)10重量部を2―メトキシプロパノールに溶解し、密着層形成用組成物を得た。
防汚剤(表1中の化合物1)0.1部を、沸点が180℃のハイドロフルオロポリエーテル(ソルベイ ソレクシス社製、商品名H−GALDEN)フッ素系溶剤100部に溶解し、さらにリン酸パーフルオロポリエーテルエステル触媒を0.08部を加えて均一な溶液としたのち、さらにメンブランフィルターで濾過を行って防汚膜形成用組成物を得た。
上述の(1)で得た透明導電性フィルム5のITO膜15とは反面側の主面をIPAに洗浄し、上述の(2)で得た密着層形成用組成物を引き上げ速度1cm/secでディッピングし、摂氏40度で1時間乾燥させ密着層13を得た。
上述の(4)で得た密着層13を持つアクリル系ハードコート12に上述の(3)で得た防汚剤層形成組成物を噴霧により塗布し、摂氏40度、湿度90%で1時間乾燥させ、密着層13上に防汚層14を成膜した。以上により、防汚導電性基材2を得た。
得られた防汚導電性基材2の性能を下記の方法に従って評価した。表2に、各評価項目に対する評価結果を示す。
水道水5mlを防汚層14上にしたたらせ、室温雰囲気下で48時間放置後、布で拭いた時の水垢の残存状態を観察して評価した。なお、表2中において、「○」は水垢を除去できた場合を示し、「△」は一部水垢が残った場合を示し、「×」は除去できなかった場合を示す。
目視により防汚導電性基材2を観察して評価した。表2中において、「○」は塗布ムラが全くない場合を示し、「△」は塗布ムラが若干見られる場合を示し、「×」は塗布ムラが発生する場合を示す。
防汚層14上における純水及びヨウ化メチレンの接触角を測定した。また、防汚層14の表面をエタノール洗浄した後における純水及びヨウ化メチレンの接触角を測定した。なお、測定は、協和界面化学社製CA−XE型を用いて行なった。また、表2中における「前」、「後」は、エタノール洗浄前後を示す。
実施例1の防汚層形成用組成物の調製において、0.1部の代わりに0.04部を用いた以外は全て実施例1と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
実施例1の防汚層形成用組成物の調製において、0.1部の代わりに0.01部を用いた以外は全て実施例1と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
実施例1の防汚層形成用組成物の調製において、表1の化合物1の代わりに表1の化合物2を用いた以外は全て実施例1と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
実施例1の防汚層形成用組成物の調製において、リン酸パーフルオロポリエーテルエステル触媒を除いた以外は全て実施例1と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
実施例2の防汚層形成用組成物の調製において、リン酸パーフルオロポリエーテルエステル触媒を除いた以外は全て実施例2と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
実施例4の防汚層形成用組成物の調製において、リン酸パーフルオロポリエーテルエステル触媒を除いた以外は全て実施例4と同様にして防汚導電性基材2を得た。そして、実施例1と同様の評価を行い、得られた評価結果を表2に示した。
Claims (23)
- ハードコートと、
上記ハードコート上に形成された密着層と、
上記密着層上に形成された防汚層と
を備え、
上記密着層がカップリング剤からなり、
上記防汚層が両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなることを特徴とする防汚性ハードコート。 - 上記触媒が、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒であることを特徴とする請求項1記載の防汚性ハードコート。
- 透明性を有する基材と、
上記基材の一主面に形成された密着層と、
上記密着層上に形成された防汚層と
を備え、
上記密着層がカップリング剤からなり、
上記防汚層が両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなることを特徴とする防汚性基材。 - 上記基材および密着層の間に、ハードコートをさらに備えることを特徴とする請求項6記載の防汚性基材。
- 上記触媒が、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒であることを特徴とする請求項6記載の防汚性基材。
- 透明性を有する基材と、
上記基材の一主面に形成された密着層と、
上記密着層上に形成された防汚層と
上記基材の他主面に形成された透明導電膜と
を備え、
上記密着層がカップリング剤からなり、
上記防汚層が両末端にパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなることを特徴とする防汚導電性基材。 - 上記基材および密着層の間に、ハードコートをさらに備えることを特徴とする請求項12記載の防汚導電性基材。
- 上記触媒が、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒であることを特徴とする請求項12記載の防汚導電性基材。
- 防汚導電性基材をタッチ側に備えたタッチパネルであって、
上記防汚導電性基材が、
透明性を有する基材と、
上記基材の一主面に形成された密着層と、
上記密着層上に形成された防汚層と
上記基材の他主面に形成された透明導電膜と
を備え、
上記密着層がカップリング剤からなり、
上記防汚層が両末端にパーフルオロポリエーテル化合物と触媒とからなることを特徴とするタッチパネル。 - 上記基材および密着層の間に、ハードコートをさらに備えることを特徴とする請求項18記載のタッチパネル。
- 上記触媒が、酸、塩基、リン酸エステル、及びβ−ジケトンから選ばれる1種又は2種以上の触媒であることを特徴とする請求項18記載のタッチパネル。
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