JP2005181926A - 光偏向器及びその製造方法、それを用いた光学機器 - Google Patents

光偏向器及びその製造方法、それを用いた光学機器 Download PDF

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法行 中井
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Abstract

【課題】 小型低消費電力の光偏向器を提供する。
【解決手段】 磁性体を位置が高精度に制御できる中空部を有する光偏向器を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入射光を偏向する光偏向器及びその製造方法、それを用いた光学機器に関するものである。
近年において半導体デバイスの高集積化に代表されるようにマイクロエレクトロニクスの発展に伴い、様々な機器が高機能化と共に小型化されてきている。例えば、光偏向器を用いて光走査を行う、レーザビームプリンタ、ヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置、バーコードリーダ等の入力デバイスの光取り入れ装置等においても高機能化、小型化がなされ、より一層の小型化が要求されている。これらの要求を満たす光偏向器として、例えば、特許文献1、特許文献2が提案されている。
図8は、特許文献1に開示された第一の従来例の光偏向器を示す斜視図である。
この光偏向器の走査ミラー1001は、長方形の平板状をなしガラス板1009の一方面にアルミ等を蒸着して光を反射できる鏡面部1002が形成され、他方面にSmCo(サマリウムコバルト)等の希土類系の永久磁石1003がスパッタリング等により薄膜状に形成されている。そして、ステンレスやベリリウム銅等の金属製の薄板により短冊状にされた支持部材1004が、その一端部を鏡面部1002の長手方向の両端部中央にそれぞれ固着支持されるとともに、他端部を装置本体(不図示)に固着されており、走査ミラー1001は、両支持部材1004がねじられることによってその両支持部材1004を結ぶねじり軸1005を中心として角変位可能なようになっている。また、永久磁石1003は、図8に示すように駆動軸1005の両側が異極になるように着磁されている。
また、磁気発生部1006は、コイル1007がコイル枠1008に巻かれた構成で、永久磁石1003が形成された走査ミラー1001の他方面側に所定の距離を隔てて配置されている。したがって、コイル1007に通電して磁気発生部1006から磁気を発生すると、永久磁石1003の磁極との間で吸引及び反発力が働き、走査ミラー1001は磁気発生部1006に発生する磁気に応じて任意の角度に変位するように駆動する。
一方、図9は、特許文献2に開示された第二の従来例の光偏向器を示す分解斜視図である。
図9に示すように、光偏向器2001のベース2002は偏平長方形状を有し、このベース2002の全外周端には立設部2003が一体的に突出形成されており、この立設部2003上に振動体2005が配置されている。
この振動体2005は、方形状の外枠部2006と、この外枠部2006の開口部2006a内に配置された光反射面2007aが形成されている反射ミラー部2007と、この反射ミラー部2007の略重心を通る軸上の位置で反射ミラー部2007と外枠部2006とを連結する一対の支持部2008から構成されている。そして、外枠部2006が立設部2003上に固定されており、反射ミラー部2007は一対の支持部2008をねじり軸CL(図9)として揺動自在に構成されている。
また、反射ミラー部2007の裏面には前記ねじり軸CLに直交する方向に延びる溝2009aと突起部2009bとから成るミラー側櫛歯部2009が形成されている。この反射ミラー部2007のミラー側櫛歯部2009に対向するベース2002上の位置には左右一対の固定電極2010、2011が配置され、この一対の固定電極2010、2011の上面側にも溝2012aと突起部2012bとから成る電極側櫛歯部2012が形成されている。そして、ミラー側櫛歯部2009と電極側櫛歯部2012とは、一方の溝2009a、2012aと他方の突起部2009b、2012bとが互いに噛み合うように配置されている。各固定電極2010、2011と反射ミラー部2007との間には各切替スイッチSW1、SW2を介して選択的に電圧を印加できるよう構成されている。したがって、各切替スイッチSW1、SW2を交互にオン・オフ制御し、一対の固定電極2010、2011に交互に電圧を印加することにより、反射ミラー部7が一対の支持部2008をねじり軸CLを軸として揺動する。
特開平06−82711号公報 特開2000−147419号公報
しかしながら、前記第1および第2の従来例は以下にのべる問題があった。
第1の従来例において、鏡面部1002を高速・高偏向角で駆動させるためには、走査ミラー1001のねじり軸1005まわりの慣性モーメントがより小さいほうが望ましい。第1の従来例の構成で、走査ミラー1001の慣性モーメントを低減しようとすると、支持部材1004を薄くすることが考えられるが、同時に剛性も低下してしまう。したがって、高速にねじり振動する走査ミラー1001は駆動時に自重による慣性力を受けて大きく撓んでしまい、高速・高偏向角駆動と偏向器の光学特性の両立が難しいという問題があった。
また、大きな発生力が必要な場合は、永久磁石1003の厚さを増加せざるを得なくなるため、走査ミラー1001の慣性モーメントが著しく増加してしまうばかりか、ねじり軸1005と走査ミラー1001の重心が大きく離れてしまい安定なねじり振動が得られないという問題があった。
第2の従来例において、反射ミラー部2007を高偏向角で駆動させるためには、反射ミラー部2007とベース2002との干渉を避けるため、ミラー側櫛歯部の突起部2009bと電極側櫛歯部2012bがそれぞれ十分な高さを持っている必要がある。したがって、構造的に、高偏向角に伴って、反射ミラー部2007の慣性モーメントは増加せざるをえなくなり、高速で且つ高偏向角という駆動特性の両立が難しいという問題があった。また、裏面形状が平坦でないので、空気抵抗を受けて共振運動が小さくなり、消費電力が大きくなってしまうという問題があった。
さらに、第2の従来例において、静電力で駆動するアクチュエータでは電磁力で駆動するものに比べ、高電圧が必要になるため、電源供給部が大型化せざるを得なくなる。したがって、光偏向器が小型化できたとしても駆動のための装置が小型化できず装置全体としては大きくなってしまう問題もあった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、高速に駆動可能で、大きな偏向角がとれ、反斜面の静的な平坦性が優れ、高速動作時にも歪みが少ない、小型で低電圧駆動可能な光偏向器及びその製造方法、それを用いた光学機器を提供することにある。
本発明の目的は、支持基板に、可動板の両端が弾性支持部でねじり軸を中心にねじり振動自在に支持され、前記可動板の一方の面には反射面が形成され、他方の面には、磁性体が形成され、前記磁性体の近傍に、磁気発生手段を有し、前記可動板を、前記磁気発生手段によって前記支持基板に対して相対的に駆動させ、前記反射面に入射する入射光を偏向する光偏向器であって、前記可動板を中空構造とし、軽量化する事で慣性モーメントを小さくして、前記磁性体を前記中空部に形成して空気抵抗を緩和させることを特徴とする光偏向器によって達成される。
更に、本発明の目的は、支持基板に、可動板の両端が弾性支持部でねじり軸を中心にねじり振動自在に支持され、前記可動板の一方の面には反射面が形成され、他方の面には、磁性体が形成され、前記磁性体の近傍に、磁気発生手段を有し、前記可動板を、前記磁気発生手段によって前記支持基板に対して相対的に駆動させ、前記反射面に入射する入射光を偏向する光偏向器であって、前記可動板を複数の中空構造を形成して剛性を保ちながら、軽量化する事で慣性モーメントを小さくして、前記磁性体を前記中空部に形成して空気抵抗を緩和させることを特徴とする光偏向器によって達成される。
また、本発明の目的は、シリコン基板の両面にマスク層を成膜する工程、前記マスク層のうち反射面を形成する面のマスク層を支持基板、弾性支持部、可動板の外形部分を残して除去する工程、前記マスク層のうち反射面を形成する面とは反対側のマスク層を支持基板、弾性支持部及び可動板の外形部分を残して除去すると共に、前記可動板の凹部の部分のマスク層を除去する工程、前記シリコン基板をICP(誘導結合プラズマ)放電によってドライエッチング加工を行うことにより、前記シリコン基板を支持基板、弾性支持部及び可動板に分離する工程、前記可動板の一方の面に凹部を形成し、蓋部材で蓋をして密封することで中空部を形成する工程、前記シリコン基板のマスク層を除去する工程、前記可動板の反射面を形成する面に反射膜を形成する工程、前記中空部に磁性体を形成する工程を含むことを特徴とする光偏向器の製造方法によって達成される。
本発明の光偏向器は、可動板の反射面とは反対側から加工して蓋をして中空部にした。このことで軽量化をはかりながら高剛性を確保し、可動板の慣性モーメントを低減でき、中空部の中に磁性体を形成することにより可動板の更に剛性を高くすることができる。また、磁性体を位置が高精度に制御できる中空部に形成することで特性の製品間ばらつきを抑えることができる。
可動板の面上に磁性体が設置される場合に比べ、磁性体をねじり軸に近づけることができ、可動板の慣性モーメントを低減することができる。
そのため、高速駆動が可能で大きな偏向角でも消費電力の少なくできると共に、高速動作でも反射面の変形が少ない、小型の光偏向器を実現することができる。
以下本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(全体の説明、ミラー)
図1は、本発明による光偏向器の第1は実施形態の構成を示す斜視図である。図1において光偏向器1は支持基板2に可動板5の両端が弾性支持部3で支持された構造となっている。弾性支持部3は可動板5をC軸(つまり、ねじり軸)を中心に弾性的にE方向にねじれ振動自在に支持するものである。また、可動板5の一方の面は反射面4となっていて、可動板5のE方向のねじれにより反射面4に入射する入射光を所定変位角偏向するものである。なお、図1のBで示す矢印方向は、ねじり軸Cと垂直で可動板5の反射面4が形成される面と平行な向きを示しており、特にBの矢印方向を「可動板幅方向」とする。
(マグネット、中空部)
さらに、可動板5には、反射面4が形成される面と反対側(以下裏面と称す)から蓋部材10で蓋をして密封することで後述する中空部9が形成されている。さらに、中空部には、後述する永久磁石8、例えばサマリウム−鉄−窒素を含む希土類系の永久磁石、が埋め込まれて設置されている。そして、永久磁石8はねじり軸Cを挟んで異極に着磁されている。
(一体形成、ミラー基板)
これらの支持基板2、可動板5、反射面4、弾性支持部3及び後述する中空部9は、共に半導体製造技術を応用したマイクロマシニング技術により単結晶シリコンで形成されている。
(コイル基板の説明)
また、後述する永久磁石8と所望の距離をおいて近傍にコイル7が配置されるようにコイル基板6が支持基板2と平行に設置されている。コイル7は図1のようにコイル基板6の面上に、渦巻状に例えば銅を電気メッキすることにより一体形成されている。
(動作)
図2を用いて、本実施形態の光偏向器1の動作を説明する。図2は、図1の光偏向器1のA−A線での断面図である。図2に示すように永久磁石8はねじり軸Cを挟んで異極となるように着磁されており、その向きは例えば図示の通りである。コイル7に通電することにより磁束Φが通電する電流の向きに関係して、例えば図2の向きに発生する。永久磁石8の磁極には、この磁束に関係した方向にそれぞれ吸引及び反発力が発生し、ねじり軸Cを中心に弾性支持された可動板5にトルクTが働く。同様にして、コイル7に通電する電流の向きを反対にすれば、反対向きにトルクTが働く。したがって、図2に示すように、コイル7に通電する電流に応じて、任意の角度、可動板5を駆動することが可能である。
(共振)
更に、コイル7に交流電流を通電することにより、可動板5を連続的にねじり振動させることが可能である。このとき、交流電流の周波数を可動板5の共振周波数とほぼ一致させ、可動板5を共振させると、更に大きな角変位が得られる。
(スケール)
本実施形態の光偏向器1は、例えば、可動板5の共振周波数である20kHz、機械的な変位角±11°で駆動する。支持基板2、可動板5、弾性支持部3は全て等しい厚さ200μmで構成され、可動板5のB方向の幅が1.4mm、ねじり軸方向の長さが1.2mmであり、1本の弾性支持部3の長さが2500μm、幅72μmで実施される。
(可動板の詳しい構成の説明)
図2に示すように本実施形態では、可動板5の裏面側から幅1.3mm、長さ1.1mmで、
深さ方向に100μエッチングしてシリコン板の蓋部材10(厚さ50μ)で蓋をすることで中空構造としている。さらに、形成された中空部9の中には、永久磁石8が図1のB方向に平行に埋め込まれて設置されている。
(中空部の効果)
本実施形態では、可動板5が中空部を有しない単純な直方体であった場合に比べ、軽量化されており、ねじり軸Cまわりの慣性モーメントが小さくなっている。特に慣性モーメントは可動板5の質量とその部分のねじり軸Cからの距離の2乗との総和で決まるため、図2の中空部9の中でねじり軸Cから遠い位置ほど可動板5のシリコンの質量が少なくなる構成とすることで慣性モーメントを効果的に減少させることができる。
(蓋部材の効果)
また、本発明において平面上の蓋部材10を接合することにより裏面形状が平坦となり空気抵抗を軽減することができ、その結果共振運動のQ値を大きくし、消費電力を小さくすることができる。
(磁石の形状・ミラー剛性UP)
更に、本実施形態の永久磁石8は、可動板5に形成された中空部9に埋め込まれて形成されている。したがって、中空部9を形成することにより低下した可動板5の剛性を効果的に補うことが可能である。特に、図1のB方向とここに形成される永久磁石8も同様の方向となる。この場合、可動板5の慣性モーメントを大きく増加させること無く、可動板5の剛性を増加させることができる。
また、永久磁石8が可動板5を形成する材料(本実施形態の光偏向器1では単結晶シリコン)よりヤング率が大きい場合などは、可動板5が中空部9を有しない単純な直方体であった場合に比べて、高い剛性を可動板5に持たせることが可能となる。
また、本実施形態では、可動板5の面上に永久磁石8が設置される場合に比べ、永久磁石8をねじり軸Cに近づけることができ、可動板5の慣性モーメントを低減することができる。
加えて、可動板5の重心もねじり軸Cに近づくため、不要振動の少ない安定したねじり振動とすることができる。
(磁石の形状・トルクとの関係)
また、発生トルクの観点からも本実施形態の光偏向器1の永久磁石8の形状は、好ましい効果を持っている。可動板5に形成される永久磁石8は発生トルクを大きくするため、なるべく残留磁束密度が大きな磁石を用いることが望ましい。一般に、磁石は、その形状に起因する自己減磁作用を受けるため、例えば円柱状の磁石を想定すれば、その直径Dと長さLの比L/Dが大きい方(所謂パーミアンス係数の大きな形状)が、自己減磁作用が小さく、大きな残留磁束密度を持つ磁石となることが知られている。本発明の永久磁石8は、中空部の中で図1のB方向に平行に埋め込まれて形成されており、自己減磁作用が小さく、残留磁束密度の大きな磁石となり、大きな発生トルクのアクチュエータを構成することができる。
なお、図1では光偏向素子として反射面4としたが、反射面4を反射型の回折格子としても可動板5のねじり振動により同様の動作を行う光偏向器を構成できる。この場合、入射光に対して偏向光は回折光となるため、1本のビームで複数の偏向光を得ることができる。以下の実施形態では、特に、光偏向素子を反射面4とした場合について説明するが、以下のすべての実施形態においても反射型回折格子と置き換えてもよい。
(製法)
次に本実施形態1の可動板の製造方法を図4(a)〜(e)を参照して説明する。図4(a)〜(e)は本実施形態1における、弾性支持部106、可動板105、中空部104のICP−RIE(Inductively Coupled Plasma−Reactive Ion Etching)装置を用いてシリコンのドライエッチングによる製造方法を示す工程図である。特に図1のA−A線での断面の各工程の概略図を示している。まず、図4(a)に示すように低圧化学気相合成法等により平板状のシリコン基板101の両面に酸化シリコン層のマスク層102を成膜する。次に可動版105、弾性支持部106の形成予定部分の外形に応じてレジスト103をパターニングする。
次に、図4(b)に示すように中空部104の形成予定部分の外形に応じてレジスト103をパターニングする。その後図4(c)に示すように例えばBHF(バッファードフッ酸)を用いたウェットエッチング加工により酸化シリコン層103をパターニングする。そして、まず図4(d)に示すようにICP−RIEのシリコン基板を侵食するガス(例えばSF6/C4F8)を用いたドライエッチング加工により中空部104(深さ100μ)を形成する。次に、図4(d)のようにシリコン基板を反転させ、同じくICP−RIEのシリコン基板を侵食するガス(例えばSF6/C4F8)を用いたドライエッチング加工により可動版105、弾性支持部106を形成する。そして、酸化シリコン層のマスク層102を除去する。
次いで、図4(e)に示すように反射面として高反射率を有する金属(例えば、アルミニウム等)107を真空蒸着する。その後、加工の容易な金属磁石(例えば、鉄−コバルト−クロム合金等)の線材を所望の長さに切断し、中空部104に接着剤等で接着する。その後、着磁(着磁方向は図2を参照)を行って永久磁石108を形成し、可動板と同寸法のシリコン板の蓋部材109(厚さ50μ)を接着剤等で接着して密封し、中空構造とすることで図4の光偏向器が完成する。
(製法からくる効果)
本実施形態1の光偏向器の製造方法によれば、中空部104をドライエッチングで加工することができるので、設計変更等に対してもフォトリソグラフのマスクパターンとエッチング時間の調節で深さの対応可能となる。また、蓋の材質が同じシリコンなので密封後に歪がない状態で剛性を強くできる。さらに、蓋の表面が平坦なので空気抵抗による共振運動が小さくなるのも防げる。
可動板105、弾性支持部106の両方もドライエッチングで加工することができるので、設計変更等に対しての同様の効果がある。
永久磁石7を円形断面の線材を切断して形成することにより、加工精度を高く、安価に製造可能となる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の光偏向器の第2の実施形態を示す断面図である。本実施形態の光偏向器1は、基本的な駆動原理は第1の実施形態の光偏向器1と同様である。また、第1の実施形態と同様に半導体製造技術を応用したマイクロマシニング技術によって単結晶シリコンで形成されている。
(構造の違う点)
図2との違いは、図3の中空部11が複数形成されていることであり、ここでは特にこの点について説明する。
(可動板の詳しい構成の説明)
図3に示すように本実施形態では、可動板5の裏面側から100μエッチングして3箇所の凹状を形成する、その後、可動板の同寸法のシリコン板の蓋部材(厚さ50μ)で蓋をすることで複数(3箇所)の中空構造としている。さらに、形成された複数の中空部11中心には、永久磁石8が図1と同様のB方向に平行に埋め込まれて設置されている。
(中空部の効果)
本実施形態では、可動板5が中空部を有しない単純な直方体であった場合に比べ、実施形態1と同様に軽量化されており、慣性モーメントが小さくなっている。さらに、複数の中空構造なのでより剛性が向上して軽量化が実現できている。
(その効果)
本実施形態の中空部11、永久磁石8は、第1の実施形態1の中空部9、永久磁石8と同様の効果を有している。加えて本実施形態2では、可動板5中央にも中空部が凹状に形成されているため、実施形態1より剛性が向上している。さらに、本実施形態2では断面が円形の永久磁石8を凹状に形成された中空部にはめ込む構成になっているので永久磁石8の位置精度を高精度にすることができる。これにより、発生トルク、共振周波数など光偏向器の特性の製品間ばらつきを抑えることができるので、外乱の少ない光偏向器を実現できる。
(製法)
次に本実施形態2の可動板の製造方法を図5(a)〜(e)を参照して説明する。図5(a)〜(e)は本実施形態2における、弾性支持部206、可動板205、中空部204のICP−RIE(Inductively Coupled Plasma−Reactive Ion Etching)装置を用いてシリコンのドライエッチングによる製造方法を示す工程図である。特に実施形態1と同様の図1のA−A線での断面の各工程の概略図を示している。まず、図5(a)に示すように低圧化学気相合成法等により平板状のシリコン基板201の両面に酸化シリコン層のマスク層202を成膜する。次に可動版205、弾性支持部206の形成予定部分の外形に応じてレジスト203をパターニングする。
次に、複数の中空部204の形成予定部分の外形に応じてレジスト203をパターニングする。その後図5(b)に示すように例えばBHF(バッファードフッ酸)を用いたウェットエッチング加工により酸化シリコン層203をパターニングする。
そして、図5(c)に示すようにICP−RIEのシリコン基板を侵食するガス(例えばSF6/C4F8)を用いたドライエッチング加工により複数の中空部204(深さ100μ)を形成する。次に、図5(d)のようにシリコン基板を反転させ、同じくICP−RIEのシリコン基板を侵食するガス(例えばSF6/C4F8)を用いたドライエッチング加工により可動版205、弾性支持部206を形成する。そして、酸化シリコン層のマスク層202を除去する。
次いで、図5(e)に示すように反射面として高反射率を有する金属(例えば、アルミニウム等)207を真空蒸着する。その後、加工の容易な金属磁石(例えば、鉄−コバルト−クロム合金等)の線材を所望の長さに切断し、複数からなる中空部204の中心の中空部に接着剤等で接着する。その後、同様に着磁(着磁方向は図2を参照)を行って永久磁石208を形成し、可動板と同寸法のシリコン板の蓋部材209(厚さ50μ)を接着剤等で接着して密封し、複数の中空構造とすることで図5の光偏向器が完成する。
(製法からくる効果)
本実施形態2の光偏向器の製造方法によれば、実施形態1同様に複数の中空部204をドライエッチングで加工することができるので、設計変更等に対してもフォトリソグラフのマスクパターンとエッチング時間の調節で深さの対応可能となる。さらに、中空部が複数なので中心の中空部が可動板の梁となるので、実施形態1より剛性が向上している。
また、蓋の材質が同じシリコンで密封後に中心の中空部の梁が蓋と接着するので、より蓋の表面の平坦性が保たれるので空気抵抗による共振運動が小さくするのにより効果がある。
可動板205、弾性支持部206の両方もドライエッチングで加工することができるので、設計変更等に対しての実施形態1と同様の効果がある。
本発明の光偏向器の第1、第2の実施形態を示す斜視図である。 図1の実施形態1のA−A線における断面図である。 図1の実施形態2のA−A線における断面図である。 (a)〜(e)は、図2の光偏向器の製造方法を説明する図である。 (a)〜(e)は、図3の光偏向器の製造方法を説明する図である。 本発明の光偏向器を用いた光学機器の一実施形態を示す図である。 本発明の光偏向器を用いた光学機器の他の実施形態を示す図である。 第1の従来例の光偏向器を示す図である。 第2の従来例の光偏向器を示す図である。
符号の説明
1 光偏向器
2 支持基板
3 弾性支持部
4 反射面
5 可動板
6 コイル基板永久磁石
7 コイル
8 永久磁石
9 実施形態1の中空部
10 蓋部材(シリコン板)
11 実施形態2の複数からなる中空部
101 シリコン基板
102 酸化シリコン層
103 フォトレジスト層
104 中空部(実施形態1)
105 可動板
106 弾性支持部
107 アルミ層
108 永久磁石
109 蓋部材(シリコン板)
201 シリコン基板
202 酸化シリコン層
203 フォトレジスト層
204 複数の中空部(実施形態2)
205 可動板
206 弾性支持部
207 アルミ層
208 永久磁石
209 蓋部材(シリコン板)
301 光偏向器群
302 レーザ光源
303 レンズ
304 書き込みレンズ
305 投影面
306 感光体
1001 走査ミラー
1002 鏡面部
1003 永久磁石
1004 支持部材
1005 ねじり軸
1006 磁気発生部
1007 コイル
1008 コイル枠
1009 ガラス板
2001 光偏向器
2002 ベース
2003 立設部
2005 振動体
2006 外枠部
2007 反射ミラー部
2008 支持部
2009a 溝
2009b 突起部
2010 固定電極
2011 固定電極
2012 電極側櫛歯部

Claims (19)

  1. 支持基板に、
    可動板の両端が弾性支持部でねじり軸を中心にねじり振動自在に支持され、
    前記可動板の一方の面には反射面が形成され、
    前記可動板を、前記支持基板に対して相対的に駆動させ、
    前記反射面に入射する入射光を偏向する光偏向器であって、
    前記可動板に少なくとも1つ以上の中空部が形成されていること、
    を特徴とする光偏向器。
  2. 前記中空部が可動板に形成された凹部に平面上の蓋部材を接合した構造であることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 前記中空部に磁性体が形成され、
    前記磁性体の近傍に、磁気発生手段を有し、
    前記可動板を、前記磁気発生手段によって駆動させること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の光偏向器。
  4. 前記磁性体は永久磁石であり、
    前記磁気発生手段は、第2の支持基板上に巻かれたコイル、
    であることを特徴とする請求項3に記載の光偏向器。
  5. 前記永久磁石が形成される前記中空部は、
    前記可動板幅方向(但し、前記可動板に水平で前記ねじり軸に垂直な方向とする)、
    の長さに比べ、幅が狭いことを特徴とする請求項4に記載の光偏向器。
  6. 前記中空部は、弾性支持部のねじり軸方向に沿ってほぼ平行に配置されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光偏向器。
  7. 前記支持基板、弾性支持部、可動板及び中空部は、単結晶シリコンで形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光偏向器。
  8. 前記磁性体は、前記可動板幅方向と垂直な断面がほぼ円形であることを特徴とする請求項4、5に記載の光偏向器。
  9. 前記磁性体は、ニッケル、コバルトを含む合金であることを特徴とする請求項1〜8何れか1つに記載の光偏向器。
  10. 前記磁性体は、希土類元素を含むことを特徴とする請求項1〜8何れか1つに記載の光偏向器。
  11. 前記磁性体は、サマリウム、鉄、窒素を含むことを特徴とする請求項1〜8何れか1つに記載の光偏向器。
  12. 前記磁性体は、鉄、クロム、コバルトを含む合金であることを特徴とする請求項1〜8何れか1つに記載の光偏向器。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の光偏向器を有することを特徴とする光学機器。
  14. 光源と、該光源から出射された光を偏向する請求項1〜13の何れかに記載の光偏向器を少なくとも1つ以上配置した光偏向器または光偏向器群とを具備し、該光偏向器または光偏向器群により偏向された光の少なくとも一部を画像表示体上に投影することを特徴とする画像表示装置。
  15. シリコン基板の両面にマスク層を成膜する工程、
    前記マスク層のうち反射面を形成する面のマスク層を支持基板、弾性支持部、可動板の外形部分を残して除去する工程、
    前記マスク層のうち反射面を形成する面とは反対側のマスク層を支持基板、弾性支持部及び可動板の外形部分を残して除去すると共に、前記可動板の凹部の部分のマスク層を除去する工程、
    前記シリコン基板をエッチングにより加工し、支持基板、弾性支持部及び可動板に分離する工程、
    前記可動板の一方の面に凹部を形成する工程、
    前記凹部に蓋部材を接合して密封することで中空部を形成する工程、
    前記可動板の反射面を形成する面に反射膜を形成する工程、
    を含むことを特徴とする光偏向器の製造方法。
  16. 前記エッチングがICP(誘導結合プラズマ)放電によるドライエッチングであることを特徴とする請求項15に記載の光偏向器の製造方法。
  17. 前記中空部に磁性体を形成する工程を含むことを特徴とする請求項15に記載の光偏向器の製造方法。
  18. 前記磁性体を形成する工程は、磁性体の粉体と該粉体を固着する接合材を混ぜた混合物を前記中空部に塗布し、磁場中で加熱する工程を含むことを特徴とする請求項17に記載の光偏向器の製造方法。
  19. 前記磁性体を形成する工程は、電気メッキ工程を含むことを特徴とする請求項17に記載の光偏向器の製造方法。
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