JP2002250891A - 揺動体装置、光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器 - Google Patents

揺動体装置、光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器

Info

Publication number
JP2002250891A
JP2002250891A JP2001047299A JP2001047299A JP2002250891A JP 2002250891 A JP2002250891 A JP 2002250891A JP 2001047299 A JP2001047299 A JP 2001047299A JP 2001047299 A JP2001047299 A JP 2001047299A JP 2002250891 A JP2002250891 A JP 2002250891A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
coil
oscillator
optical deflector
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001047299A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahisa Kato
貴久 加藤
Susumu Yasuda
進 安田
Futoshi Hirose
太 廣瀬
Takayuki Yagi
隆行 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001047299A priority Critical patent/JP2002250891A/ja
Publication of JP2002250891A publication Critical patent/JP2002250891A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Facsimile Heads (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
  • Laser Beam Printer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性を損なうことなく小型化を達成できる構
造を持つ光偏向器等の揺動体装置である。 【解決手段】揺動体装置は、可動コア7Aを有する揺動体
5と、コイル9Aを周回させた固定コア10Aと、揺動体5を
支持基板2に対して揺動可能に支持する弾性支持部6とを
有する。可動コア7Aと固定コア10Aとは、揺動体5の揺動
方向に対し垂直方向にずれて略平行に空隙を介して対向
する対向面を夫々有し、揺動体5上面からみて、固定コ
ア10Aは揺動体5に覆われる様に揺動体5の下方に配置さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揺動体を有する揺
動体装置に関し、特には、入射された光を偏向するのに
用いられ、特に高耐久性を有する2次元的に光偏向可能
な光偏向器、その製造方法、及び該光偏向器を用いて構
成した光学機器等に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、レーザ光等の光ビームを偏向・走
査する装置(以下光偏向器)は、レーザープリンタ、バ
ーコードリーダ等の光学機器に用いられている。これら
の機器に組み込まれる光偏向器として、従来、側面がミ
ラー面である多角柱を回転させて、入射した光の反射方
向を変化させるポリゴンミラー、平面鏡を電磁アクチュ
エータによって回転振動させるガルバノミラーなどがあ
る。2次元状に光を走査させる場合、一般的に、ポリゴ
ンミラーとガルバノミラーの組み合わせ、或いはポリゴ
ンミラー2枚の組み合わせが用いられるが、正確な2次元
走査を行うためには、それぞれのミラーによる走査方向
が互いに直交にするよう配置する必要があり、光学調整
が非常に煩雑であった。
【0003】一方、半導体製造技術を応用して微小機械
を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術
を用い、上記のような光学調整が不要で、単素子で2次
元走査可能とした光偏向器として特開平7-175005号公
報、特開平07-27989号公報等で開示されたものが知られ
ている。
【0004】図15は、特開平7-175005号公報の実施例の
1つを示す上面図である。シリコン基板1002の可動板100
5が、外側可動板1005Aと、この外側可動板1005Aの内側
に軸支される平板状の内側可動板1005Bとで構成されて
いる。外側可動板1005Aは、枠状に形成され、第1のねじ
りバネ1006Aによってシリコン基板1002に弾性支持され
ている。そして、その上面には、シリコン基板1002上面
に形成した一対の外側電極端子1009Aに第1のねじりバネ
1006Aの一方の部分を介して電気的に接続する平面コイ
ル1007A(図中模式的に直線表示)が絶縁層で被膜され
て設けられている。
【0005】内側可動板1005Bは、前記第1のねじりバネ
1006Aと軸方向が直交する第2のねじりバネ1006Bで外側
可動板1005Aの内側に弾性支持されている。その上面に
は、前記外側可動板1005Aと同様、第2のねじりバネ1006
Bの一方から外側可動板1005A部分を通り第1のねじりバ
ネ1006Aの他方側を介して内側電極端子1009Bに電気的に
接続する平面コイル1007B(図中模式的に直線表示)が
絶縁層で被膜されて設けられている。また、平面コイル
1007Bで囲まれた内側可動板1005Bの中央部には全反射ミ
ラー1008が形成されている。
【0006】シリコン基板1002の上下面には、2個ずつ
の対となったそれぞれ8個ずつの永久磁石1010A〜1013A
と1010B〜1013Bが、ガラス基板1003、1004を介して設置
されている。
【0007】この光偏向器では、外側可動板1005A上の
平面コイル1007Aに通電することで、平面コイル1007Aを
流れる電流の方向と永久磁石1010A・B、1011A・Bによる磁
束の方向により、フレミングの左手の法則に従った方向
にローレンツ力F(不図示)が働き、外側可動板1005Aを
回転するモーメントが発生する。この際に内側可動板10
05Bも外側可動板1005Aと一体に回動する。
【0008】外側可動板1005Aが回動されると、ねじり
バネ1006Aのバネ剛性により、バネ反力F’が発生する。
前記外側可動板1005Aの静的な変位は、このFとF’の釣
り合い関係から導かれる。
【0009】同様に、内側可動板1005B上の平面コイル1
007Bに通電することにより、内側可動板1005Bを回動す
るモーメントが発生し、ねじりバネ1006Bのバネ反力と
の釣り合い関係により、内側可動板1005Bの静的な変位
が導かれる。ここで、平面コイル1007A・Bに流す電流を
交流とし連続的に反復動作すれば、光反射面1008を有す
る内側可動板1005Bが2次元的に揺動振動し、これにより
反射光を2次元走査する。
【0010】次に、図16(a)、(b)は特開平07-027989号
公報の実施例の1つを示す上面図、斜視図である。振動
子は、枠形状の第1、第2の外側可動板2014・2009と内側
可動板2011の3重構造の可動板から構成される。前記第1
の外側可動板2014は板状部材2016に4つのバネ2015によ
って弾性支持され、前記第2の外側可動板2009は第1の外
側可動板2014の内側に一対の第1のねじりバネ2013によ
って弾性支持され、前記内側可動板2011は第2の外側可
動板2009の内側に一対の第2のねじりバネ2012によって
弾性支持されている。
【0011】前記第1の外側可動板2014には、4つの永久
磁石2002が、向かい合う永久磁石は法線方向に極が異な
るように固定されており、基板2004にはそれら永久磁石
2002に対向して4つの空心コイル2003が固定されてい
る。空心コイル2003は、それぞれ、互いに対向する永久
磁石2002との間に僅かなギャップが形成されるように配
置されている。そして、空心コイル2003の向かい合う同
士が結線されている。
【0012】この光偏向器では、交流発生手段(不図
示)により2対の前記空心コイル2003に、それぞれ、前
記第2の外側可動板2009の共振周波数と前記内側可動板2
011の共振周波数の交流を通電する。こうして、前記永
久磁石2002と空心コイル2003の間には電磁力T(不図
示)が発生し、永久磁石の極の方向により対辺に偶力が
発生し、前記第1の外側可動板2014を異なる2つの周波数
で加振する。第2の外側可動板2009と内側可動板2011
は、前記第1の外側可動板2014と連動しているため、そ
れぞれの共振周波数で加振され、結局、内側可動板2011
は2次元に回動する。これにより、内側可動板2011に構
成された反射面(不図示)により光を2次元走査するこ
とができる。
【0013】また、前記第1の外側可動板2014は、他の2
つの可動板より共振周波数が低く設定されているため、
加振時に第1外側可動板2014の変位は僅かであり、これ
により前記空心コイル2003と永久磁石2002の間を狭ギャ
ップ化することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体デバ
イスの高集積化に代表されるようにマイクロエレクトロ
ニクスの発展に伴い、様々な機器が高機能化と共に小型
化している。従って、前記光偏向器を光走査の為に用い
ているレーザビームプリンタ等の画像表示装置、バーコ
ードリーダ等の入力デバイスの光取り入れ装置も同様で
あり、より一層の小型化の要求がある。しかしながら、
図15、図16(a)、(b)に示した光偏向器は、それぞれ以下
に示す点で、より一層小型化するのは困難であるばかり
か、素子寿命の点で実用的な光偏向器を実現するのは困
難である.
【0015】先ず、図15の光偏向器においては、駆動原
理により、外部磁界を振動部分の外側に配置しなければ
ならないため、素子全体の外形寸法がそれに伴って大型
化してしまう。
【0016】特に、光偏向器では一般に光偏向子の面積
を小さくすると同等の解像度を得るためには走査角を大
きくする必要があるが、図15の光偏向器においては、光
を走査する際の光の振れ角を大きくしようとすると、上
下ガラス基板1003・1004と可動板1005の間の距離を大き
くしなければならず、その外側に配置されている永久磁
石1010A・B、1011A・B、1012A・B、1013A・Bと前記平面コイ
ル1007A・Bの相対的な距離が大きくなってしまう。した
がって、光偏向子のサイズを小型化しても素子全体の小
型化は困難であるばかりか、平面コイル1007A・Bにおけ
る磁束密度は弱くなり、駆動に大きな電流を必要とする
ことになる。そのため、それに付随する、発熱による素
子の形状・弾性特性の変化、電力消費の増大等の問題が
生じてしまう。
【0017】加えて、図15の光偏向器においては、前記
第1の外側可動板1005A及び内側可動板1005Bを駆動する
ための前記平面コイル1007A・Bの配線が、前記ねじりバ
ネ1006A・B部分にパターニングされている。そのため、
第1の外側可動板1005A及び内側可動板1005B駆動時のね
じりバネ1006A・Bの繰り返し運動によって、配線の金属
材料が疲労破壊し断線する可能性があり、このような配
線の断線事故が素子の寿命を大きく制限してしまう。
【0018】次に、図16(a)、(b)の光偏向器において
は、可動板が3重構造となっており、光偏向子が設置さ
れている内側可動板2011の外側に、枠形状に第1、第2の
外側可動板2014、2009が構成されている。駆動のために
は、最外周の第1の外側可動板が必要で、素子全体がそ
れに伴って大型化してしまう。
【0019】また、バネ2015が曲げ応力とせん断応力の
合力を受けるため、単一の応力に比べてバネ2015に大き
な内部応力が発生する。そのため、バネ2015が破損しや
すく素子の寿命を大きく制限してしまう。
【0020】加えて、図16(a)、(b)の光偏向器において
は、共振周波数以外で内側可動板2011の駆動を行うこと
ができない。また、内側可動板2011の位置を保持するよ
うな駆動も行うことができない。
【0021】本発明は、上記従来の光偏向器の問題点に
鑑みてなされたものであって、耐久性を損なうことなく
小型化を達成できる構造を持つ光偏向器等の揺動体装
置、その製造方法、該光偏向・走査系を利用してより一
層の小型化を図られる光学機器等を提供することを目的
とする。
【0022】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
する本発明の揺動体装置は、可動コアを有する揺動体
と、コイルを周回させた固定コアと、前記揺動体を支持
基板に対して揺動可能に支持する弾性支持部とを有する
揺動体装置であって、前記可動コアと固定コアとは、揺
動体の揺動方向に対し垂直方向にずれて略平行に空隙を
介して対向する対向面を夫々有し、前記揺動体上面から
みて、前記固定コアは該揺動体に覆われる様に該揺動体
の下方に配置されていることを特徴とする。この形態の
ように、光偏向子を有する可動板などの揺動体に可動コ
アを形成し、コイルに通電することにより前記可動コア
を吸引して前記揺動体を駆動すれば、可動部分に電気的
配線を施す必要がないため、繰り返し変形による配線の
断線、通電による発熱等が生じず、耐久性の高い光偏向
器等の揺動体装置を構成できる。
【0023】加えて、固定コアの形成される平面位置
を、前記揺動体上面からみて、弾性支持部の形成された
方向とすることにより、前記揺動体及び弾性支持部が固
定コアの上面を覆う様な位置関係となり、素子全体の小
型化を図ることができる。
【0024】上記基本構成に基づいて、以下の如き、よ
り具体的な形態が可能である。前記コイルを周回させた
固定コアは、前記揺動体の揺動方向に重層的に2つ以上
配置され得る。この形態のように、固定コア及びコイル
を積層することで、固定コアの個数が複数になった場合
でも、固定コア及びコイルを同一平面に展開して配列す
る必要がなく、アクチュエータの面積を軽減して素子全
体の一層の小型化を図ることができる。
【0025】前記複数の固定コアは、前記揺動体上面か
らみて互いに重なり部分を持つようにも配置され得る。
この形態のように、積層された固定コアを揺動体の上面
からみて、重なり部分を有するように配置することで、
上記重層的形態を、より小型化に好ましい形態とでき
る。
【0026】前記コイルを周回させた固定コアは、前記
支持基板の下面に配置されたコイル用基板上に形成され
た1つの固定コアと、前記コイル用基板平面内で該1つ
の固定コアの周回部分の内側に配置された別の固定コア
を含む様にもできる。この形態のように、1つの固定コ
アのコイル用基板平面内での周回部分の内側に、別の固
定コアを配置することで、固定コアの素子に対する占有
面積を低減し、素子全体を小型化できる。
【0027】前記固定コアの可動コアと対向する前記対
向面は、典型的には、ほぼ前記揺動体の揺動方向に突出
した該固定コアの突出部に形成される。この形態のよう
に、前記固定コアの可動コアと対向する終端部が前記揺
動体の揺動方向で揺動体へ接近する方向に突出した構造
とすることにより、揺動体が固定コアの上面を覆う位置
に配置した場合でも、駆動時に揺動体と固定コアとが衝
突せず、且つ可動コアと固定コアのギャップを狭く設定
することができる。そのため、発生力や最大走査角を損
なうことなく固定コア及びコイルを揺動体と積層配置す
ることが可能である。
【0028】前記コイルは、典型的には、その中心軸が
前記揺動体の揺動方向とほぼ直角な方向に伸びる様に前
記固定コアに周回されている。この形態のように、コイ
ルの中心軸が揺動体の主面と平行方向となるようにコイ
ルを固定コアに周回する構造とすることにより、中心軸
を揺動体の主面の法線方向となるように周回した場合に
比べ、コイルのターン数当たりの基板占有面積を減少さ
せることができ、素子をより一層小型化できる。
【0029】前記固定コアは、前記支持基板の下面に配
置されたコイル用基板上に形成され得る。この形態のよ
うに、固定コア及びコイルをコイル用基板上に形成する
ことにより、固定コアと可動コアとの位置合わせを支持
基板とコイル用基板との位置合わせで行えるため、本発
明の光偏向器等の揺動体装置を実施する際の組立工程が
簡便になり、したがって本発明の揺動体装置を安価に実
現可能となる。
【0030】前記コイル用基板は、前記支持基板の下面
に2つ以上積層されて配置され得る。この形態のよう
に、2つ以上のコイル用基板を積層して配置することに
より、固定コア及びコイルの積層配置を、固定コア及び
コイルが複数個配置されたコイル用基板の積層によって
行えるため、上記重層的形態を実施する際の組み立て工
程が簡便になり、したがって上記重層的形態を安価に実
現可能となる。
【0031】前記コイル用基板は、ほぼ前記揺動体の揺
動方向に伸びた前記固定コアの部分が貫通する貫通孔を
有し得る。この形態のように、固定コアがコイル用基板
を貫通する構造とすることにより、揺動体との間に積層
配置される別のコイル用基板が存在する固定コア及びコ
イルと前記可動コアとで可動コアの変位を制御可能な磁
気回路を構成可能となる。
【0032】前記弾性支持部は揺動自在なねじりバネで
構成されていて、前記可動コアが前記ねじりバネの軸方
向と平行な平板状の前記揺動体の対辺の周辺部にのみ形
成され得る。この形態のように、弾性支持部をねじり振
動自在なねじりバネとし、可動コアをねじりバネの軸方
向と平行な揺動体の対辺の周縁部にのみ形成すること
で、揺動体への駆動トルクを考慮した場合、モーメント
アームが最も大きくなる部分にのみ可動コアを形成し、
効率良くねじり振動を行うことができる。
【0033】前記弾性支持部は揺動自在なねじりバネで
構成されていて、前記可動コアが前記ねじりバネの軸方
向と平行な平板状の前記揺動体の対辺の周辺部の一方側
にのみ形成されてもよい。この形態のように、1つの揺
動体に対してねじりバネの回転中心軸を隔てて揺動体の
対辺のどちらか一方の側に可動コアを1個配置すること
で、駆動に必要な可動コアの慣性モーメントを低減でき
る。また、コイル及び固定コアの占有面積を低減できる
ので素子全体を小型化できる。
【0034】本発明の揺動体装置は、前記揺動体が一つ
であり、一直線に沿って伸びた一対のねじりバネによっ
て該揺動体が前記支持基板に対して弾性的に略該直線の
回りに揺動自由に支持されている形態を採り得る。
【0035】前記揺動体が複数であり、該複数の揺動体
が入れ子式に配置され、各揺動体が、各直線に沿って伸
びた一対のねじりバネによって、その外側の揺動体或い
は前記基板に対して弾性的に略該各直線の回りに揺動自
由に支持されている形態も採り得る。必要であれば、3
つ以上の揺動体が入れ子式に配置された形態も実現でき
る。前記各直線が互いに成す角度は、典型的には90度
であるが、これも、必要であれば90度以外の角度であ
ってもよい。
【0036】この例としては、前記揺動体が、第1のね
じりバネで前記支持基板に対して、揺動自在に支持され
る枠状の外側揺動体と、前記第1のねじりバネと軸方向
が直交する第2のねじりバネで、前記外側揺動体の内側
に揺動自在に支持される平板状の内側揺動体とからな
り、前記第1のねじりバネの軸方向と平行な前記外側揺
動体の外側対辺の周辺部の少なくとも一方に第1の可動
コアが形成され、第2のねじりバネの軸方向と平行な前
記内側揺動体の対辺の周辺部の少なくとも一方に第2の
可動コアが形成され、前記内側揺動体に偏向子が形成さ
れて光偏向器として構成されるものがある。こうした形
態の構造とすることで、2次元に光偏向可能な光偏向器
を1つの素子で実現できる。
【0037】この光偏向器において、前記第2の可動コ
アは、前記第2のねじりバネの軸方向と平行な前記内側
揺動体の対辺の周辺部の一方側のみに形成され得る。こ
の形態のように、上記形態の光偏向器の第2の可動コア
を、第2のねじりバネの軸方向と平行な内側揺動体の対
辺の周辺部の一方側のみに構成することで、駆動に必要
な第2の可動コアの慣性モーメントを低減できる。ま
た、コイル及び固定コアの占有面積を低減できるので素
子全体を小型化できる。
【0038】また、この光偏向器において、前記第1の
可動コアは、前記第1のねじりバネの軸方向と平行な前
記外側揺動体の外側対辺の周辺部の一方側のみに形成さ
れ得る。この形態のように、上記形態の光偏向器の第1
の可動コアを、第1のねじりバネの軸方向と平行な外側
揺動体の外側対辺の周辺部の一方側のみに構成すること
で、駆動に必要な第1の可動コアの慣性モーメントを低
減できる。また、コイル及び固定コアの占有面積を低減
できるので素子全体を小型化できる。
【0039】前記コイルを周回させた固定コアは、前記
支持基板の下面に配置されたコイル用基板に一体形成さ
れ得る。この形態のように、固定コア及びコイルをコイ
ル用基板上にマイクロマシニング技術を用いて一体形成
することにより、本発明の光偏向器等の揺動体装置を小
型で高精度に安価に実現可能となる。
【0040】前記可動コア、揺動体及び弾性支持部は、
前記支持基板に一体形成され得る。偏向子も前記支持基
板に一体形成されて、光偏向器として構成されてもよ
い。この形態のように、可動コア、偏向子、揺動体及び
弾性支持部を支持基板にマイクロマシニング技術を用い
て一体形成することにより、本発明の光偏向器を小型で
高精度に安価に実現可能となる。
【0041】前記コイル用基板は、スペーサ基板を介し
て前記支持基板と所定の関係で接合され得る。すなわ
ち、コイルを周回させた固定コアは、前記支持基板とは
別のコイル用基板上に作製され、スペーサ基板を介して
前記支持基板とコイル用基板を所定の関係で接合する様
にもできる。この形態のように、半導体製造技術を用い
て、光偏向子などを持つ揺動体・弾性支持部・可動コア
を同一基板上に一体形成し、またコイルおよび固定コア
を別のコイル用基板上に一体形成し、それらを適切なア
ライメント機構を備えたスペーサ基板を介して組み合わ
せる構成とすることにより、可動コアと固定コアとの空
隙を高精度に狭く制御して、本発明の光偏向子などの揺
動体装置を小型にでき、発生力を大きくできる。
【0042】前記可動コアは、典型的には、軟磁性材料
から成る。この形態のように、可動コアや固定コアの構
成材料として、軟磁性材料を用い得る。特に、比透磁率
が大きく、残留磁束が少なく、飽和磁束密度が大きく、
損失が少ない磁性材料ほど好ましい。したがって、鉄‐
ニッケルを含む合金(パーマロイ等)が好ましい性質を
備えている。これにより、ほぼ理想的な磁気回路構成と
し、本発明の光偏向器等の揺動体装置を高効率にでき
る。
【0043】典型的には、前記可動コアと前記コイルを
周回させた固定コアは前記空隙を介して直列磁気回路を
構成している。この構成では、固定コアを適当な形状に
しておいて、可動コアを空隙を介して該固定コアに対し
て配置すればよいので、柔軟な設計が可能である。典型
的には、可動コアと固定コアで空隙を介して閉じた直列
磁気回路を構成するが、閉じた磁気回路でなく可動コア
をコイルを周回させた2つの固定コアで空隙を介して挟
む様な構成も可能である。前記コイルを周回させた固定
コアと前記揺動体に接合された可動コア(軟磁性体で形
成されている)を有する揺動体装置の駆動原理は、次の
様になる。軟磁性体の可動コアの磁極は決まっておら
ず、固定コアに磁束が発生する時には磁束を切る軟磁性
体の断面積の増す方向に磁束内へ軟磁性体が吸引される
駆動力が起こり、磁束消滅時にはそれから解放される。
【0044】前記可動コアは硬磁性材料の永久磁石から
形成してもよい。可動コアが硬磁性体で形成される場合
には、硬磁性体の磁極は決まっており、固定コアとの間
の異或いは同磁極間の磁力(吸引力或いは反発力)が揺
動体の駆動力である。
【0045】前記弾性支持部は単結晶シリコンから形成
し得る。単結晶シリコンは、入手の容易で機械特性に優
れた(すなわち、比較的軽量でありながら物理的強度、
耐性、寿命に優れた)材料である。この形態のように、
弾性支持部を単結晶シリコンとすることで、弾性支持部
の減衰係数が小さくなるため、共振で利用した場合、大
きなQ値を得ることができる。また、金属材料のように
繰り返し変形による疲労破壊が起きないので、長寿命の
光偏向器等を構成可能となる。
【0046】典型的には、前記揺動体は偏向子を有し、
光偏向装置として構成される。この偏向子は、光を反射
する反射面であったり、回折格子であったりする。光偏
向子を反射面とすることで作製が容易で可動部分の質量
の小さい光偏向器を実現できる。また、光偏向子を回折
格子とすることで、入射光を複数のビームとし偏向する
ことができる。
【0047】本発明の揺動体装置は、揺動体アクチュエ
ータとして構成されたり、基板と揺動体の相対変位を検
出する変位検出手段を有する力学量センサとして構成さ
れたりすることもできる。変位検出手段としては、従来
公知のものを使用できる。
【0048】更に、上記目的を達成する本発明の画像表
示装置は、光源(変調可能な半導体レーザなど)と、前
記光源から出射された光を偏向する上記の偏向器を少な
くとも1つ以上配置した光偏向器または光偏向器群と、
該光偏向器または光偏向器群により偏向された光の少な
くとも一部を投影するレンズとを有することを特徴とす
る。前記光源の変調と前記光偏向器の揺動体の動作は制
御手段で制御される。本発明の光偏向器を画像表示装置
に応用することで、従来の画像表示装置と比べて非常に
小型で安価な画像表示装置が実現可能となる。
【0049】更に、上記目的を達成する本発明の画像形
成装置は、光源(変調可能な半導体レーザなど)と、前
記光源から射出された光を偏向する上記の光偏向器を少
なくとも1つ以上配置した光偏向器または光偏向器群
と、該光偏向器または光偏向器群により偏向された光の
少なくとも一部が入射する感光体とを有することを特徴
とする。本発明の光偏向器を画像形成装置に応用するこ
とで、従来の画像形成装置と比べて非常に小型で安価な
画像形成装置を提供可能となる。ここでは、通常更に、
前記感光体を帯電させる帯電器と、前記感光体の帯電部
に付着する色素を転写する転写装置とを具備する。
【0050】更に、上記目的を達成する本発明の光偏向
器の製造方法は、前記支持基板が、前記支持基板上に前
記偏向子を形成する工程と、前記支持基板上に前記可動
コアを形成する工程と、前記支持基板に前記弾性支持部
と前記揺動体を形成する工程により製造されることを特
徴とする。
【0051】前記支持基板にエッチング加工により位置
決め用の溝を形成する工程を更に含んでもよい。このよ
うに、あらかじめエッチング加工により溝を形成した支
持基板上に、偏向子を形成し、その後可動コアを形成
し、最後に揺動体、弾性支持部を形成することで、マイ
クロマシニング技術を用いて本発明の光偏向器を製造可
能となり、小型且つ高精度の加工を施すことができる。
【0052】前記コイルを周回させた固定コアを備える
と共に位置決め用の溝を形成したコイル用基板及び位置
決め用の溝を形成したスペーサ基板を別に製造しておい
て、ファイバを介して前記夫々の溝を合わせることで所
定の関係を確立して前記支持基板を前記スペーサ基板を
介して前記コイル用基板と接合することで光偏向器の製
造をすることもできる。
【0053】前記支持基板上に前記可動コアを形成する
工程は、前記支持基板上にメッキ用電極を形成する工程
と、メッキ用電極を備えた前記支持基板上に感光材料を
設ける工程と、該感光性材料を高エネルギー放射光によ
り部分的に感光した後、感光部と非感光部のエッチング
速度差を用い所望部を現像除去する工程と、該現像除去
した部分に金属をメッキして充填する工程とを含み得
る。可動コアの製造方法としては、支持基板上に上記の
ような磁性材料を精密加工する必要があり、この形態の
ように、電極を備えた支持基板にリソグラフィにより感
光材料で形成した雛型に電気メッキによって磁性材料を
充填し、可動コアを形成することにより、高精度且つ安
価に可動コアを形成できる。
【0054】前記高エネルギー放射光として波長400nm
以下の波長光を使用できる。この形態のように、高エネ
ルギー放射光を、通常のフォトリソグラフィに用いられ
る波長400nm以下の紫外線とすることは、上記形態の製
造方法を実施する際に、リソグラフィの装置が小規模で
よく、工程に要する時間が短く、製造コストも安価で好
ましい。この場合、感光材料として例えば、 SU-8(Mic
ro Chem製)等を用いれば、数百μm程度の厚さの雛型を
形成可能であり、この場合、本発明の光偏向器のアクチ
ュエータを高出力にするために必要な高アスペクト比の
可動コアをより安価に作製可能となる。
【0055】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺動
体を形成する工程は、前記弾性支持部と前記揺動体を前
記支持基板のエッチング加工により形成する工程を含み
得る。この形態のように、弾性支持部及び揺動体の製造
方法としては、エッチング加工により形成することが好
ましい。弾性支持部は上記形態のように単結晶シリコン
で形成することが好ましく、同時に揺動体も部材の密度
が小さいことから単結晶シリコンで形成することが好ま
しい。その為、単結晶シリコンの加工法を考えた場合、
破断を考慮すると平滑でバリのない加工法が好ましいか
らである。したがって、支持基板をエッチング加工する
ことにより破断しにくい単結晶シリコンの構造体を形成
可能となり、本発明の光偏向器をほぼ理想的な平滑面で
製造可能となる。
【0056】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺動
体を形成する工程は、プラズマ放電による異方性ドライ
エッチング加工を施す工程であり得る。この形態のよう
に、上記形態のエッチング加工を、プラズマ放電による
異方性ドライエッチング加工を施す工程とすることで、
設定した形状のエッチング加工を、基板の結晶面に形状
を制限されることなく行うことが可能となる。
【0057】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺動
体を形成する工程は、ICP(誘導結合プラズマ)放電に
よって異方性ドライエッチングを施す工程であり得る。
この形態のように、上記形態のエッチング加工を、ICP
(誘導結合プラズマ)放電によって異方性ドライエッチ
ングを施す工程とすることで、異方性ドライエッチング
加工の際の側壁形状を略垂直とし、高アスペクト比な加
工が可能となり、本発明の光偏向器の形状を高精度に形
成可能となる。
【0058】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺動
体を形成する工程は、プラズマ放電によりプラズマ化し
てシリコンを腐食するガスと、プラズマ化してシリコン
の腐食を抑制するガスを交互に用いてドライエッチング
を施す工程でもあり得る。この形態のように、上記形態
の異方性ドライエッチング加工を、プラズマ放電により
プラズマ化してシリコンを腐食するガスと、プラズマ化
してシリコンの腐食を抑制するガスを交互に用いてドラ
イエッチングを施す工程とすることで、側壁形状を略垂
直とし、高アスペクト比な加工が可能となり、本発明の
光偏向器の形状を高精度に形成可能となる。
【0059】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺動
体を形成する工程は、アルカリ性水溶液による異方性エ
ッチングを施す工程であり得る。この形態のように、上
記形態のエッチング加工を、アルカリ性水溶液による異
方性エッチングを施す工程とすることで、加工コストを
下げ本発明の光偏光器を安価に製造可能となる。また、
形状によっては、基板の結晶面を利用してドライエッチ
ング加工では作製できない形状のエッチング加工を施す
こともできる。
【0060】前記弾性支持部と前記揺動体をエッチング
加工により形成する工程は、前記支持基板を前記可動コ
アの形成されない面からのみエッチング加工する工程で
ある様にもできる。この形態のように、可動コアの形成
されていない面からのみエッチング加工を行うことで、
既に前工程で形成されている可動コアにエッチング加工
の工程による損傷を与えることなく本発明の光偏向器を
製造可能となる。
【0061】更に、上記目的を達成する本発明の光偏向
器の製造方法は、前記コイルを周回させた固定コアが、
コイル用基板にエッチング加工により溝を形成する第1
工程と、前記コイル用基板に前記コイルの下面配線を形
成する第2工程と、前記コイル用基板に該下面配線と電
気的に接続した前記コイルの側面配線を形成する第3工
程と、前記コイル用基板に前記固定コアを形成する第4
工程と、前記コイル用基板に前記側面配線と電気的に接
続した前記コイルの上面配線を形成する第5工程と、前
記コイル用基板に前記第4工程で形成した前記固定コア
に突出部分を形成する第6工程により製造されることを
特徴とする。これにより、マイクロマシニング技術を用
いて本発明の光偏光器を製造可能となり、小型且つ高精
度の加工を施すことができる。
【0062】更に、上記目的を達成する本発明の光偏向
器の製造方法は、前記固定コアのコイル用基板を貫通す
る部分が、前記コイル用基板上にメッキ用電極を形成す
る工程と、前記メッキ用電極の形成されない面から前記
コイル用基板に貫通孔を形成する工程と、該貫通孔に金
属をメッキして充填する工程により製造されることを特
徴とする。この形態のように、メッキ用電極を形成した
コイル用基板にメッキ用電極が形成されない面から貫通
孔を形成し、次に電極に通電することにより金属を貫通
孔にメッキ充填することで、固定コアが貫通する貫通孔
をコイル用基板にマイクロマシニング技術を用いて形成
可能となり、本発明の光偏光器を小型且つ高精度の加工
で製造可能となる。
【0063】コイル用基板上の貫通孔の形成方法として
は、加工面を平滑にし且つ微細精密加工を施す必要があ
り、コイル用基板をエッチング加工することにより貫通
孔を形成することが好ましい。
【0064】前記コイル用基板に前記貫通孔を形成する
工程を、プラズマ放電による異方性ドライエッチング加
工を施す工程とすることで、設定した形状のエッチング
加工を、基板の結晶面に形状を制限されることなく行う
ことが可能となる。
【0065】前記コイル用基板に前記貫通孔を形成する
工程を、ICP(誘導結合プラズマ)放電によって異方性
ドライエッチングを施す工程とすることで、異方性ドラ
イエッチング加工の際の側壁形状を略垂直とし、高アス
ペクト比な加工が可能となり、本発明の光偏向器の形状
を高精度に形成可能となる。
【0066】また、前記コイル用基板に前記貫通孔を形
成する工程を、プラズマ放電によりプラズマ化してシリ
コンを腐食するガスと、プラズマ化してシリコンの腐食
を抑制するガスを交互に用いてドライエッチングを施す
工程とすることで、側壁形状を略垂直とし、高アスペク
ト比な加工が可能となり、本発明の光偏向器の形状を高
精度に形成可能となる。
【0067】また、前記コイル用基板に前記貫通孔を形
成する工程を、アルカリ性水溶液による異方性エッチン
グを施す工程とすることで、加工コストを下げ本発明の
光偏光器を安価に製造可能となる。
【0068】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を明
らかにすべく、図面を参照しつつ実施例を説明する。
【0069】(実施例1)図1に本発明の実施例1による光
偏向器1を示す。図1は本実施例の光偏向器1の一部破断
した斜視図、図2は図1のA-A線に沿う断面図である。図3
は動作原理を説明する為の斜視図である。
【0070】本実施例の構成を説明する。先ず、基板の
基本構成を述べる。この光偏向器1は、図2に示すよう
に、半導体基板である第1支持基板2とコイル用基板4を
スペーサ基板3の上下面に接合した3層構造となってい
る。この接合は、コイル用基板4上のアライメント溝13C
内のファイバ14とスペーサ基板3のアライメント溝13B、
スペーサ基板3上のアライメント溝13B内のファイバ14と
第1支持基板2のアライメント溝13Aを用いてアライメン
トを行なって、行われる。図1、図3に示すように、枠状
の第1支持基板2には、可動板5が一対のねじりバネ6で弾
性的にねじれ振動自在に支持されている。可動板5の一
方の面には反射面8が設けられ、もう一方の面には可動
コア7Aが形成されている。これら可動板5、反射面8、可
動コア7A、及びねじりバネ6は、共に半導体製造技術を
応用したマイクロマシニング技術によって一体的に形成
されている。特に、可動コア7Aは、ねじりバネ6のねじ
り軸と平行な可動板5の対辺の一方側のみに平板状に形
成されている。
【0071】図1に示すように、コイル用基板4には、ね
じりバネ6のねじり軸と平行な可動板5の対辺の一方側に
近接して1個配置された固定コア10Aと、そのコア周りに
通電により基板面内方向に流れる磁束を発生するコイル
9A(この中心軸を15で示す)が敷設されている。コイル
9Aは電流源(不図示)に接続され、電流源により可動板
5の動作を制御する。固定コア10Aの両端部は、コイル用
基板4の法線方向(可動板5の揺動方向にほぼ平行な方
向)に磁束が流れるように該方向に突出部を有してお
り、可動コア7Aと直列磁気回路を構成する。固定コア10
Aとコイル9Aは、共にマイクロマシニング技術によって
基板4上に一体形成されている。
【0072】次に、本実施例の光偏向器の製造方法につ
いて説明する。本実施例では、第1支持基板2、スペーサ
基板3、コイル用基板4を別々のプロセスで作製し、ファ
イバ14を用いてアライメント溝13A、13B、13Cによりア
ライメントを行ってそれら基板を接合し光偏向器1を構
成する。
【0073】ここで、図4を用いて、第1支持基板2に一
体的に形成される可動板5、反射面8、可動コア7A、及び
ねじりバネ6の製造方法を説明する。第1支持基板2とし
ては、(100)方位のシリコン基板を用いる。
【0074】まず、熱酸化により、基板2両面に酸化シ
リコンのマスク層101を成膜する。次に、フォトレジス
ト等をマスクとして、アライメント溝13Aの形成予定部
分のマスク層101をバッファードフッ酸によるウエット
エッチングで除去する。次に、レジストを除去した後、
アライメント溝13Aの形成予定部分のみがエッチング液
に曝されるように、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド水溶液を用いたシリコン異方性エッチングを行い、
所定の位置にアライメント溝13AとなるV溝を形成する
(図4(a))。
【0075】アライメント溝13A形成後、再びバッファ
ードフッ酸を用いて基板2両面のマスク層101を除去す
る。適切な洗浄工程の後、アライメント溝13Aが形成さ
れている面(以下、表面という)に、電気メッキを行う
ための種電極層111としてクロムを蒸着した上に、銅を
蒸着する。さらに、アライメント溝13Aが形成されてい
ない面(以下、裏面という)に反射膜8としてAlを蒸着
する。ここで、反射膜8をパターニングする目的でフォ
トレジスト膜102を塗布する(図4(b))。
【0076】ここで、フォトレジスト層102を露光およ
び現像し、Alを侵食する溶液(例えば、H3PO4・HNO3・C
H3COOH・H2O混合液等)を用いたウエットエッチングに
よりAlのパターニングを行う。こうして裏面に反射膜8
が形成される。この際、種電極層111を保護する保護膜
を種電極層111上に形成しておくとよい。次に、表面に
フォトレジスト層112を塗布する。本実施例では、厚塗
りに適したSU-8(Micro Chem製)を使用した。 フォト
レジスト層112を、露光および現像し、パターニングを
行う。この工程で除去された部分が、可動コア7Aの雌型
となる(図4(c))。
【0077】次に、種電極層111に電圧を印加しなが
ら、パーマロイ層113の電気メッキを行う(図4
(d))。
【0078】パーマロイ層113を所望の厚さ電気メッキ
した後、表面のフォトレジスト層112と裏面の保護膜102
を除去し、パーマロイ層113を保護するための保護膜122
としてポリイミドを塗布する。ポリイミドの保護膜122
形成後、裏面に次工程のマスクとなるフォトレジスト層
123を塗布する。フォトレジスト層123を露光および現像
し、可動板5及びねじりバネ6を形成する為のパターニン
グを行う。ここで、ICP-RIE(Inductively coupled pla
sma-Reactive ion etching)装置を用いてシリコン2の
ドライエッチング加工を行い、可動板5及びねじりバネ6
を形成する(図4(e))。
【0079】最後に、残った保護膜122、種電極層111、
フォトレジスト層123をそれぞれ除去する。こうして、
第1支持基板2に、可動板5、反射面8、可動コア7A、ねじ
りバネ6、及びアライメント溝13Aが一体形成される(図
4(f))。
【0080】次に、コイル用基板4上に一体的に形成さ
れるコイル9A及び固定コア10Aの製造方法を説明する。
【0081】本実施例では、コイル9A及び固定コア10A
を、コイル下面配線114、コイル側面配線115、コイル上
面配線116の順番でマイクロマシニング技術により作製
した。以下、図5 を用いて、さらに詳しく説明する。図
5の(a)〜(n)において、図5の左側と右側の各部分
は、それぞれ、図1におけるB-BとC-Cの各断面図であ
る。
【0082】コイル用基板4としては、(100)方位のシリ
コン基板を用いる。まず、コイル用基板4両面に、熱酸
化により、酸化シリコンのマスク層101 を成膜する。フ
ォトレジスト等をマスクとして、アライメント溝13Cの
形成予定部分のマスク層101をバッファードフッ酸によ
るウエットエッチングで除去する。次に、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液を用いたシリコン異方
性エッチングを行い、所定の位置にアライメント溝とな
るV溝13Cを形成する(図5(a))。
【0083】アライメント溝13C形成後、再びバッファ
ードフッ酸を用いて基板4両面のマスク層101を除去す
る。そして、コイル下面配線114として、銅を蒸着によ
り成膜し、パターニングする(図5(b))。
【0084】次に、下面配線−コア間絶縁層117として
ポリイミドを塗布し、パターニングする(図5(c))。
【0085】次に、電気メッキを行うための種電極層11
1としてクロムを蒸着した上に、金を蒸着する(図5
(d))。
【0086】次に、フォトレジスト層112を塗布する。
本実施例では、厚塗りに適したSU-8(Micro Chem製)を
使用した(図5(e))。
【0087】次に、フォトレジスト層112を、露光およ
び現像し、パターニングを行う。この工程で除去された
部分が、固定コア10A、コイル側面配線115の雌型となる
(図5(f))。
【0088】次に、種電極層111に電圧を印加しなが
ら、パーマロイ層113の電気メッキを行う(図5
(g))。
【0089】次に、フォトレジスト層112と種電極層111
をドライエッチングで除去する(図5(h))。
【0090】次に、エポキシ樹脂119を塗布し、上面を
機械的に研磨して平坦化する(図5(i))。
【0091】次に、固定コア10Aの上面に上面配線−コ
ア間絶縁層118としてポリイミドを塗布し、パターニン
グする(図5(j))。この時、固定コア10Aをコイル用
基板4の法線方向に形成する予定部分と次工程で作製す
るメッキ用取り出し電極(不図示)形成予定部分に、そ
れぞれコンタクトホール120を形成する。
【0092】次に、上面配線−コア間絶縁層118の上面
にコイル上面配線116として銅を蒸着し、パターニング
する(図5(k))。この時のパターニングによって、上
面配線116とは電気的に絶縁されている次工程パーマロ
イメッキの為のメッキ用取り出し電極が同時に形成され
る。
【0093】次に、フォトレジスト層112を露光および
現像し、パターニングを行う(図5(l))。この工程で
除去された部分が、固定コア10Aのコイル用基板4の法線
方向に突出した突出部の雌型となる。
【0094】次に、上記メッキ用取り出し電極に電圧を
印加しながら、パーマロイ層113の電気メッキを行い、
その上面を機械的に研磨して平坦化する(図5(m))。
次に、フォトレジスト層112をドライエッチングで除去
し、最後に、エポキシ樹脂119を除去する(図5
(n))。
【0095】以上により、コイル用基板4に、アライメ
ント溝13C、コイル9A、固定コア10Aが一体形成される。
【0096】続いて、図6を用いて、スペーサ基板3の製
造方法を説明する。スペーサ基板3としては、(100)方位
のシリコン基板を用いる。まず、スペーサ基板3両面
に、熱酸化により、酸化シリコンのマスク層101 を成膜
する。フォトレジスト等をマスクとして、アライメント
溝13Bの形成予定部分のマスク層101をバッファードフッ
酸によるウエットエッチングで除去する。同様に基板3
のもう一方の面にも上記フォトレジストプロセスとエッ
チングプロセスを繰り返す。
【0097】次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド水溶液を用いたシリコン異方性エッチングを行い所
定の位置にアライメント溝となるV溝13Bを形成する(図
6(a))。アライメント溝13B形成後、再びバッファー
ドフッ酸を用いて基板3両面のマスク層101を除去する。
【0098】基板3の何れか一方の面に、次の工程での
マスクとなるフォトレジスト層102として、フォトレジ
ストを塗布し、これを露光・現像する(図6(b))。
【0099】この露光・現像後、ICP-RIE装置を用いて
シリコンのドライエッチング加工を行い、図6(c)に示
すような貫通孔を形成する。
【0100】以上により、スペーサ基板3に、アライメ
ント溝13Bと貫通孔が形成される。アライメントの仕様
によって、使用するシリコン基板の厚さを変えるか、ま
たは、図6のスペーサ基板3を複数重ねることによって、
第1支持基板2とコイル用基板4の間隔を任意に調節する
ことができる。
【0101】続いて、第1支持基板2とコイル用基板4と
スペーサ基板3を接合する。これらの接合は、まず、コ
イル用基板4のアライメント溝13Cにファイバ14を置いた
後に、これにスペーサ基板3のアライメント溝13Bが一致
するようにスペーサ基板3を配置し、ファイバ14を設置
したアライメント溝に接着剤を入れて接着剤を硬化する
ことで行った。同様に、スペーサ基板3の上面のアライ
メント溝13Bにファイバ14を設置し、これに第1支持基板
2のアライメント溝13Aが一致するように第1支持基板2を
配置、接着する。これにより、スペーサ基板3の上下面
に、第1支持基板2とコイル用基板4を所定のアライメン
ト精度を持って接合し、3層構造を持つ本実施例の光偏
向器とすることができる。
【0102】以上のように構成された本実施例の光偏向
器の動作原理を説明する。本実施例の光偏向器の可動板
5の回動振動は、可動コア7Aを磁気的に吸引することに
よって行い、こうして可動板5上に形成された反射面8を
連続的に回動振動させることにより、ここに入射した光
を偏向・走査することができる。
【0103】上記した様に、コイル用基板4には、固定
コア10Aと、その周りに、通電により基板面内方向に流
れる磁束を発生するコイル9Aがコイルの中心軸15が可動
板5と平行になるように周回して敷設され、コイル9Aは
電流源に接続されており、電流源により可動板5の動作
が制御される。
【0104】簡単のために可動板5、反射面8、及びねじ
りバネ6は破線で示してある図3を用いて動作原理を説明
する。
【0105】電流源からコイル9Aに電流を流すと、コイ
ル9A中に矢印の向きに磁束が発生する。この磁束は、矢
印Φで示した方向に、固定コア10A、空隙12A、可動コア
7A、空隙12B、固定コア10Aの順に磁気回路を周回し、可
動コア7Aが、固定コア10Aとのオーバーラップ量xを増加
させる方向、つまり可動板5法線方向Fに引き込まれ
る。
【0106】ここで、可動コア7Aと固定コア10A間の空
隙のパーミアンスPg(x)は、 Pg(x)=μ0w(x+x0)/(2δ)				(1) で与えられる。ここで、μ0は真空の透磁率、δは空隙
の距離、wは固定コア10Aの幅(方向Φの長さ)、xは可
動コア7Aの変位、x0は初期状態のオーバーラップ長さで
ある。
【0107】磁気回路を構成する空隙以外のパーミアン
スをPとすると、磁気回路全体のポテンシャルエネルギ
Wは、 W=1/2・(1/P+1/Pg)-1(Ni)2			 (2) で与えられる。ここで、Nはコイル9Aの巻数、iはコイ
ル9Aに流れる電流である。
【0108】比透磁率が十分大きな磁性材料で、可動コ
ア7Aと固定コア10Aを構成すると、P gと比べPはほぼ無限
大とみなすことができる。したがって、空隙部に生じる
発生力Fは、 F=-dW/dx=-μ0w/(2δ)・(Ni)2			(3) で与えられる。これにより本発明の固定コアを配した光
偏向器では、発生力Fが、コイルの巻数N、電流iの2乗に
比例することが分かる。
【0109】可動コア7Aは、図3のように、可動板5にお
いてモーメントアームを有する位置に構成されているた
め、この発生力Fにより可動板5を回動するようなトルク
が発生する。
【0110】一方、可動板5が回動することによりねじ
りバネ6が捩じられ、これによって発生するねじりバネ6
のバネ反力F’と可動板5の変位角ψとの関係は、 ψ=((F’・L)・l)/(2・G・Ip)			(4) で与えられる。ここでGは横弾性係数、Lはねじりバネの
中心軸から力点までの距離、lはねじりバネの長さ、Ip
は断面二次極モーメントである。そして、発生力Fとバ
ネ反力F’が釣り合う位置まで可動板5が回動する。した
がって、数式(4)のF’に数式(3)のFを代入すれ
ば、可動板5の変位角ψはコイル9Aに流れる電流iの2乗
に比例することが分かる。
【0111】こうして、コイル9Aに流す電流を制御する
ことにより、可動板5の変位角ψを制御できるので、反
射面8に入射する光の反射方向を自由に制御でき、連続
的に反復動作すれば光走査を行うことができる。
【0112】ところで、本実施例の光偏向器は、反射面
8が1mm×1mmの大きさとして構成されている。光の最大
偏向角が約35度、偏向器の共振周波数が約22kHzであ
る。上記説明では、ICP-RIE装置を用いてシリコンのド
ライエッチング加工を行いて可動板5及びねじりバネ6を
形成すると述べたが、弾性支持部(ねじりバネ)6は、K
OHなどのアルカリ溶液を用いた異方性エッチングにより
(100)面と(111)面に囲まれた台形断面を有する様にもで
きる。ここでは、例えば、上底(短い辺を上底とする)
の寸法が20μm、弾性支持部6の片側の長さが5000μmと
なる。
【0113】また、上記製造方法では、可動板5と弾性
支持部6の厚さは第1支持基板2の厚さ200μmとなってい
るが、弾性支持部6形成予定部分を形成前にシリコンの
異方性エッチングにより掘り下げておくことにより、弾
性支持部6の厚さをより薄く構成することも可能であ
る。その場合、弾性支持部6の長さを、より短く設定す
ることができる。
【0114】さらに、第1支持基板2を(110)方位のシリ
コン基板とし、異方性エッチングを行うことにより弾性
支持部6の断面形状が(110)面と(111)面に囲まれた長方
形形状とすることもできる。この場合、可動板5と弾性
支持部6の厚さは第1支持基板2の厚さ200μmとし、例え
ば、弾性支持部6の長さが3100μm、幅が75μmと設定し
て、上記と同様の最大偏向角、共振周波数を持つ本実施
例の光偏向器とすることができる。
【0115】以下に示す何れの実施例においても、本実
施例と同様のサイズとして、それぞれの実施例の光偏向
器を構成することができる。
【0116】本実施例の構成とすることで、可動部分に
電気的配線を施す必要がなく、そして可動コア7Aをモー
メントアームが最大となる部分にのみ効果的に設置し
て、発生トルクを大きく可動部分を軽量に構成すること
ができる。さらに、ねじりバネ6のねじり中心軸と平行
な可動板5の対辺の一方側周辺のみに可動コア7Aが設け
られているので、可動板5の共振周波数で光偏向を行う
場合は、走査角度を損なうことなく、可動部分の重量を
軽減し、可動板5駆動の為の固定コア10A及びコイル9Aの
個数を減らすことができる。したがって、高速走査が必
要な仕様には特に有利となるばかりか、素子全体を小型
で安価に作製可能となる。
【0117】また、固定コア10Aがコイル用基板4の法線
方向に磁束を流す構造となっているので、本実施例のよ
うに可動板5が固定コア10Aを覆う位置に配置した場合で
も、可動板5の回動振動時に固定コア10Aを可動板5に接
触しない位置に配置しながら、固定コア10Aと可動コア7
Aとの空隙を狭くすることができる。こうして、素子全
体は小型で且つ漏れ磁束の少ない磁気回路構成となって
いる。そのため、本実施例の光偏向器は、小型で省電力
な耐久性の高い光偏向器を実現できる。
【0118】また、図1では光偏向素子として反射面8と
したが、反射面8を反射型の回折格子としても、可動板5
の揺動振動により同様の動作を行う光偏向器を構成でき
る。この場合、入射光に対して偏向光は回折光となるた
め、1本のビームで複数の偏向光を得ることができる。
以下の実施例でも、特に光偏向素子を反射面8とした場
合について説明しているが、これらの実施例においても
反射型回折格子に置き換えて光偏向器を構成できる。
【0119】(実施例2)図7、図8は本発明の実施例2の
光偏向器21を説明する概略図である。図7は本実施例の
光偏向器の分解斜視図、図8は図7のB-B線に沿う断面図
(接合された状態の図)である。なお、図7において
は、第1スペーサ基板3A、第2スペーサ基板3B、アライメ
ント溝13A、13B、13C、13D、13Eは省略してある。
【0120】本実施例の構成を以下に説明する。先ず、
基板の基本構成を説明する。この光偏向器21は、ファイ
バ14を入れたアライメント溝13A、13B、13C、13D、13E
を介してアライメントを行い、半導体基板である第1支
持基板2、第1コイル用基板4A、第2コイル用基板4Bの3枚
の基板を第1スペーサ基板3A、第2スペーサ基板3Bによっ
て接合した5層構造となっている。
【0121】図7に示すように、本実施例の光偏向器で
は、第1支持基板2に、可動板5とこの可動板5を弾性的に
ねじれ軸の回りにねじれ振動自在に支持する一対のねじ
りバネ6とを備えている。可動板の一方の面には反射面8
が設けられ、もう一方の面には軟磁性材料の可動コア7
A、7Bが形成されている。これら可動板5、反射面8、可
動コア7A、7B、及び一対のねじりバネ6は、共に半導体
製造技術を応用したマイクロマシニング技術によって一
体的に形成されている。特に、可動コア7A、7Bは、ねじ
りバネ6のねじり軸と平行な可動板5の対辺の周辺部のみ
に平板状に形成されている。
【0122】図7に示すように、固定コア10A、10Bとコ
イル9A、9Bは第1コイル用基板4A、第2コイル用基板4Bに
それぞれ作製される。固定コア10Aは、第1コイル用基板
4A上に作製され、その周りに、通電により基板面内方向
に流れる磁束を発生するコイル9Aが敷設されている。コ
イル9Aは電流源に接続されており、電流源により可動板
5の動作が制御される。
【0123】他方の固定コア10Bは、図7及び図8に示す
ように、第2コイル用基板4B上に作製され、第2スペーサ
基板3Bによって積層されることで、第1コイル用基板4A
上に作製された固定コア10Cと磁気的に接続される。固
定コア10Bには、その周りに、通電により基板面内方向
に流れる磁束を発生するコイル9Bが敷設されている。コ
イル9Bは他の電流源に接続されており、この電流源によ
っても可動板5の動作が制御される。
【0124】固定コア10Aの両端部は、磁束が基板法線
方向に流れるよう該方向に伸びて構成されており、可動
コア7Aと直列磁気回路を構成する構造となっている。一
方、固定コア10Bの両端部は、磁束が基板法線方向に流
れるよう該方向に伸びて構成されており、第1コイル用
基板4A上に作製された同じく該方向に伸びた棒形状の固
定コア10Cと磁気的に接続される。こうして、可動コア7
Bと直列磁気回路を構成する構造となっている。
【0125】したがって、2つの固定コア10A、10Bは、
図7、図8に示すように、可動板5の下に第1支持基板2の
法線方向に階層状に積層して配置され、可動コア7A、固
定コア10Aの磁気回路と可動コア7B、固定コア10B、10C
の磁気回路とで可動板5が独立に制御可能な構成となっ
ている。
【0126】固定コア10A、10Cとコイル9A及び固定コア
10Bとコイル9Bは、共にマイクロマシニング技術によっ
てそれぞれ基板4A、4B上に一体的に形成されている。
【0127】次に、本実施例の製法を説明する。本実施
例の光偏向器21の第1コイル用基板4A以外は、上記実施
例1と同様の作製方法で作製することができる。したが
って、以下に、第1コイル用基板4A上に一体的に形成さ
れるコイル9A及び固定コア10A、10Cの製造方法を説明す
る。
【0128】第1コイル用基板4Aの作製プロセスは、図5
で示した上記実施例1のコイル用基板4の作製プロセス
と、アライメント溝13Cと固定コア10Cの基板貫通部分の
形成方法のみが異なっている。これら作製プロセスが異
なる工程は、図5に示した(b)〜(n)の工程の前の工程で
あり、以下で説明するアライメント溝13Cと固定コア10C
の基板貫通部分の作製プロセスを実施した後、共通して
いる図5(b)〜(n)の作製プロセスを行うことで、本実施
例の第1コイル用基板4Aを作製することができる。
【0129】図9を用いて、第1コイル用基板4Aの製造方
法を説明する。第1コイル用基板4Aとしては、(100)方位
のシリコン基板を用いる。図9(a)〜(g)は、図7における
C-Cの断面図である。
【0130】まず、熱酸化により、基板4両面に酸化シ
リコンのマスク層101を成膜する。次に、フォトレジス
ト等をマスクとして、アライメント溝13Cの形成予定部
分のマスク層101をバッファードフッ酸によるウエット
エッチングで除去する。そして、レジストを除去した
後、アライメント溝13Cの形成予定部分のみがエッチン
グ液に曝されるように、テトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド水溶液を用いたシリコン異方性エッチングを行
い、第1コイル用基板4Aの両面の所定の位置にアライメ
ント溝13CとなるV溝をに形成する(図9(a))。
【0131】アライメント溝13C形成後、再びバッファ
ードフッ酸を用いて、基板両面のマスク層101を除去す
る。適切な洗浄工程の後、電気メッキを行うための種電
極層111としてクロムを蒸着した上に、金を蒸着する
(図9(b))。
【0132】次に、フォトレジスト層112を塗布し、フ
ォトレジスト層112を露光および現像する(図9(c))。
【0133】次に、ICP-RIE装置を用いてシリコンのド
ライエッチング加工を行い、基板4にシリコンの貫通孔
を形成する。そして、フォトレジスト層112を除去した
後、保護膜層102としてポリイミドを塗布する(図9
(d))。
【0134】そして、種電極層111に電圧を加えながら
電気メッキを行い、パーマロイ層113を形成する(図9
(e))。
【0135】次に、盛り上がったメッキ端面を機械的に
研磨し平坦化する(図9(f))。最後に、残った種電極層
111、保護膜102をそれぞれ除去し、第1コイル用基板4A
に、アライメント溝13Cと固定コア10Cの基板貫通部分が
形成される(図9(g))。
【0136】以上のように構成された本実施例の光偏向
器は、可動板5の回動振動を可動コア7A、7Bを交互に磁
気的に吸引することによって行い、可動板5上に形成さ
れた反射面8を連続的に揺動振動させることにより、入
射した光を偏向・走査できる。本実施例の構成とするこ
とで、可動部分に電気的配線を施す必要がなく、そして
可動コア7A、7Bをモーメントアームが最大となる部分に
のみ効果的に設置しているので、発生トルクを大きく、
可動部分を軽量に構成することができる。
【0137】また、固定コア10Aと可動板5の位置関係の
ように、可動板5が固定コア10Aを覆う位置に配置した場
合でも、固定コア10A、10Cが、コイル用基板4Aの法線方
向に磁束を流す構造となっているため、固定コア10A、1
0Cを可動板5の回動振動時にこれに接触しない位置に配
置しながら、可動コア7A、7Bと固定コア10A、10Cの空隙
を狭くすることができる。こうして、素子全体は小型で
且つ漏れ磁束の少ない磁気回路構成とできる。
【0138】さらに、固定コア10A、10B、コイル9A、9B
の位置関係のように固定コア及びコイルを第1支持基板2
の法線方向に階層状に積層し、可動コア7A、固定コア10
Aの磁気回路と可動コア7B、固定コア10B、10Cの磁気回
路を独立に制御可能な構成とすることで、独立に制御可
能な複数の磁気回路を構成した場合でも、素子に対する
固定コア及びコイルの占有面積を軽減し、素子全体を小
型化することができる。そのため、本実施例の光偏向器
は、小型で省電力な耐久性の高い光偏向器を実現でき
る。
【0139】(実施例3)図10は本発明の実施例3の光偏
光器31を説明する分解した概略斜視図である。
【0140】この光偏向器31は、本発明の実施例1とほ
ぼ同様な基板構成を有し、実施例1と同様のアライメン
ト溝(図10では不図示)を用いて、第1支持基板2とコイ
ル用基板4Aをスペーサ基板3(図10では不図示)によっ
て所定のアライメント精度をもって接合した3層構造と
なっている。第1支持基板2、スペーサ基板3、コイル用
基板4Aはマイクロマシニング技術を用いて、それぞれ一
体形成される。
【0141】図10に示すように、本実施例の光偏光器31
は、第1支持基板2の可動板5が外側可動板5Aと、この外
側可動板5Aの内側に弾性支持される内側可動板5Bとで構
成されている。外側可動板5Aは、枠形状に形成され、一
対の第1のねじりバネ6Aによってこのねじり軸の回りに
第1支持基板2に揺動自在に弾性支持され、第1のねじり
バネ6Aのねじり中心軸と平行な外側可動板5Aの外輪郭の
一方側周辺部のみに、可動コア7Bが設けられている。
【0142】内側可動板5Bは、第1のねじりバネ6Aと軸
方向が直交する一対の第2のねじりバネ6Bでこのねじり
軸の回りに外側可動板5Aの内側に揺動自在に弾性支持さ
れている。第2のねじりバネ6Bのねじり中心軸と平行な
内側可動板5Bの対辺の一方側周辺部のみに、可動コア7A
が設けられている。また、内側可動板5Bの中央部には反
射面8が形成されている。
【0143】一方、固定コア10A、10Bとコイル9A、9Bは
第1コイル用基板4Aに作製される。固定コア10Aは、その
周りに、通電により基板面内方向に流れる磁束を発生す
るコイル9Aが敷設されている。コイル9Aは電流源に接続
されており、この電流源により可動板の動作が制御され
る。固定コア10Aの両端部は、コイル用基板4Aの法線方
向に磁束が流れるよう突起形状を有しており、内側可動
板5Bの可動コア7Aと直列磁気回路を構成する。
【0144】固定コア10Bは、図10に示すように、固定
コア10Aの外側周辺部を周回して形成されており、通電
により基板面内方向に流れる磁束を発生するコイル9Bが
敷設されている。コイル9Bは別の電流源に接続されてお
り、この電流源によっても可動板の動作が制御される。
固定コア10Bの両端部も、コイル用基板4Aの法線方向に
磁束が流れるよう突起形状を有しており、外側可動板5A
の可動コア7Bと直列磁気回路を構成する。
【0145】本実施例の光偏向器31は、上記実施例1と
同様の作製方法で作製することができる。
【0146】以上のように構成された本実施例の光偏向
器31は、外側可動板5Aの回動振動を可動コア7Bを磁気的
に吸引することによって行う。この際に内側可動板5Bも
外側可動板5Aと一体に回動振動する。同様に、内側可動
板5Bの回動振動は、可動コア7Aを磁気的に吸引すること
によって行う。ここで、コイル9A、9Bに流す電流を交流
とし連続的に反復動作すれば、反射面8を有する内側可
動板5Bが2次元に回動振動し、これにより反射光を2次元
走査することができる。
【0147】本実施例の構成とすることで、可動部分に
電気的配線を施す必要がなく、そして可動コア7A、7Bを
それぞれ内側可動板5B、外側可動板5Aのモーメントアー
ムが最大となる部分にのみ効果的に設置しているので、
発生トルクを大きく、可動部分を軽量に構成することが
できる。さらに、ねじりバネ6A、6Bのねじり中心軸と平
行な外側可動板5A、内側可動板5Bの対辺の一方側周辺部
のみに可動コア7B 、7Aが設けられているので、可動部
分の共振周波数で光偏向を行う場合は、走査角度を損な
うことなく、可動部分の重量を軽減し、外側可動板5A及
び内側可動板5B駆動の為の固定コア及びコイルの個数を
減らすことができる。したがって、高速走査が必要な仕
様には特に有利となるばかりか、素子全体を小型で安価
に作製可能となる。
【0148】また、固定コア10A、10Bと外側可動板5A、
内側可動板5Bの位置関係のように、固定コア10A、10Bを
覆う位置に可動部分を配置した場合でも、固定コア10
A、10Bが、コイル用基板4Aの法線方向に磁束を流す構造
となっているため、外側可動板5A、内側可動板5Bの回動
振動時にこれらに接触しない位置に固定コア10A、10Bを
配置しながら、可動コア7A 、7Bと固定コア10A、10Bの
空隙を狭くできる。こうして、素子全体は小型で且つ漏
れ磁束の少ない磁気回路構成とできる。
【0149】さらに、固定コア10A、10Bの位置関係のよ
うに、固定コア10Aは固定コア10Bの周回部分の内側に形
成されているので、固定コア及びコイルの素子に対する
占有面積を軽減し、素子全体を小型化することができ
る。そのため、本実施例の光偏向器も、小型で省電力な
耐久性の高い光偏向器を実現できる。
【0150】(実施例4)図11は本発明の実施例4の光偏
光器41を説明する分解した概略斜視図である。
【0151】この光偏向器41は、本発明の実施例2とほ
ぼ同様な基板構成を有し、実施例2と同様のアライメン
ト溝(図11では不図示)を用いて、第1支持基板2、第1
コイル用基板4A、第2コイル用基板4B、第3コイル用基板
4Cを第1スペーサ基板3A、第2スペーサ基板3B、第3スペ
ーサ基板3C(ともに図11では不図示)によって所定のア
ライメント精度をもって接合した7層構造となってい
る。各々の基板は、マイクロマシニング技術を用いて、
それぞれ一体形成される。
【0152】本実施例と実施例2とでは、第1支持基板2
上の可動板5とねじりバネ6の回動振動方向、固定コア及
びコイルの積層数と固定コアの向きが異なっている。こ
れらの違いによって生じる作製プロセスの相違点は、フ
ォトリソグラフィ等のパターンのみで、本実施例の光偏
向器41は、上記実施例2と同様の作製方法で作製するこ
とができる。
【0153】図11に示すように、本実施例の光偏光器41
では、第1支持基板2の可動板5が、外側可動板5Aと、こ
の外側可動板5Aの内側に弾性支持される内側可動板5Bと
で構成されている。外側可動板5Aは、枠形状に形成され
第1のねじりバネ6Aによって第1支持基板2に弾性支持さ
れ、第1のねじりバネ6Aのねじり中心軸と平行な外側可
動板5Aの外輪郭の一方側周辺部のみに、可動コア7Aが設
けられている。
【0154】内側可動板5Bは、第1のねじりバネ6Aと軸
方向が直交する第2のねじりバネ6Bで外側可動板5Aの内
側に弾性支持されている。第2のねじりバネ6Bのねじり
中心軸と平行な内側可動板5Bの対辺の一方側周辺部のみ
に、可動コア7Bが設けられている。また、内側可動板5B
の中央部には反射面8が形成されている。
【0155】一方、固定コア10A、10B、10C、10D、10E
とコイル9A、9B、9C、9Dは図11に示すコイル用基板にそ
れぞれ作製される。
【0156】固定コア10Aは、第2コイル用基板4B上に作
製され、第2スペーサ基板3B(不図示)によって積層さ
れて、その基板垂直方向に伸びる突出部が、第1コイル
用基板4A上に作製された固定コア10Dと磁気的に接続さ
れる。固定コア10A、10Dはその周りに、通電により基板
面内同方向に流れる磁束を発生するコイル9A、9Cがそれ
ぞれ敷設されている。コイル9A、9Cは電流源に接続され
ており、この電流源により外側可動板5Aの動作が制御さ
れる。したがって、固定コア10A、固定コア10D、可動コ
ア7Aで直列磁気回路を構成する構造となっている。
【0157】固定コア10Bは、第3コイル用基板4C上に作
製され、第3スペーサ基板3C(不図示)によって積層さ
れて、その基板垂直方向に伸びる突出部が、第2コイル
用基板4B上に作製された基板垂直方向に伸びる棒形状の
固定コア10Cと磁気的に接続される。固定コア10Cは、第
2スペーサ基板3B(不図示)によって積層されて、第1コ
イル用基板4A上に作製された固定コア10Eと磁気的に接
続される。固定コア10B、10Eはその周りに、通電により
基板面内同方向に流れる磁束を発生するコイル9B、9Dが
敷設されている。コイル9B、9Dは他の電流源(不図示)
に接続されており、この電流源によっても内側可動板5B
の動作が制御される。したがって、固定コア10B、固定
コア10C、固定コア10E、可動コア7Bで直列磁気回路を構
成する構造となっている。
【0158】以上のように構成された本実施例の光偏向
器41では、外側可動板5Aの回動振動を可動コア7Aを磁気
的に吸引することによって行う。この際に、内側可動板
5Bも外側可動板5Aと一体に回動振動する。同様に、内側
可動板5Bの回動振動は、可動コア7Bを磁気的に吸引する
ことによって行う。ここで、コイル9A、9Cとコイル9B、
9Dに流す電流を交流とし連続的に反復動作すれば、反射
面8を有する内側可動板5Bが2次元に回動振動し、これに
より反射光を2次元走査することができる。
【0159】本実施例の構成とすることで、可動部分に
電気的配線を施す必要がなく、そして可動コア7A、7Bを
それぞれ外側可動板5A、内側可動板5Bのモーメントアー
ムが最大となる部分にのみ効果的に設置しているので、
発生トルクを大きく、可動部分を軽量に構成することが
できる。さらに、ねじりバネ6A、6Bのねじり中心軸と平
行な外側可動板5A、内側可動板5Bの対辺の一方側周辺部
のみに可動コア7A、7Bが設けられているので、可動部分
の共振周波数で光偏向を行う場合は、走査角度を損なう
ことなく、可動部分の重量を軽減し、外側可動板5A及び
内側可動板5B駆動の為の固定コア及びコイルの個数を減
らすことができる。したがって、高速走査が必要な仕様
には特に有利となるばかりか、素子全体を小型で安価に
作製できる。
【0160】また、固定コア10D、10Eと外側可動板5A、
内側可動板5Bの位置関係のように、固定コア10D、10Eを
覆う位置に可動部分を配置した場合でも、固定コア10
D、10Eが、第1コイル用基板4Aの法線方向に磁束を流す
構造となっているため、外側可動板5A、内側可動板5Bの
回動振動時にこれらに固定コア10D、10Eを接触しない位
置に配置しながら、可動コア7A 、7Bと固定コア10D、10
Eの空隙を狭くできる。こうして、素子全体は小型で且
つ漏れ磁束の少ない磁気回路構成とできる。
【0161】さらに、固定コア10A、10B、コイル9A、9B
の位置関係のように固定コア及びコイルを第1支持基板2
の法線方向に階層状に積層し、固定コア10A、固定コア1
0D、可動コア7Aの磁気回路と固定コア10B、固定コア10
C、固定コア10E、可動コア7Bの磁気回路を独立に制御可
能な構成とすることで、固定コア及びコイルの素子に対
する占有面積を軽減し、素子全体を小型化することがで
きる。そのため、本実施例の光偏向器も、小型で省電力
な耐久性の高い光偏向器を実現できる。
【0162】(実施例5)図12(a)、(b)、(c)は本発明の
実施例5の若干異なる3タイプの光偏光器51、61、71をそ
れぞれ説明する概略上面図である。
【0163】図12(a)、(b)、(c)に示した光偏向器51、6
1、71は、本発明の実施例4とほぼ同様な基板構成を有し
ている。図12(a)、(b)、(c)には、特に第1支持基板2
(不図示)上に作製される外側可動板5A、内側可動板5
B、第1のねじりバネ6A、第2のねじりバネ6B、可動コア7
A、7B、7C、7Dの配置方法のみが示してある。また、本
実施例と実施例4では、外側可動板5A及び内側可動板5B
に作製される可動コアの個数と、それに伴って各々の可
動コアを磁気回路に含む固定コア及びコイルの積層個数
と固定コアの向きのみが異なっている。したがって、本
実施例の第1支持基板2とコイル用基板(ともに不図示)
は上記実施例4と同様の作製プロセスで作製することが
できる。
【0164】以上のように構成される本実施例の光偏向
器では、可動コア7A、7B、7C、7Dはそれぞれ上記実施例
4と同様の方法で複数の固定コアと磁気的に接続され、
各々独立に制御可能な磁気回路を構成する。光偏向器5
1、71は、外側可動板5Aに構成される可動コア7A、7Bが
第1のねじりバネ6Aのねじり中心軸と平行な外輪郭の両
側周辺部に設けられており、外側可動板5Aの回動方向に
反射面8を駆動したい場合などに、走査角を損なうこと
なく駆動できる。
【0165】同様に光偏向器61、71では内側可動板5Bに
構成される可動コア7B、7C;7C、7Dが第2のねじりバネ
6Bのねじり中心軸と平行な対辺の両側周辺部に設けられ
ており、内側可動板5Bの回動方向に反射面8を駆動した
い場合などに、走査角を損なうことなく駆動できる。し
たがって、1つの素子で2次元的に光走査を行う光偏向器
を構成する際に、上記実施例4の光偏向器41と本実施例
の光偏向器51、61、71の何れかを選択することで、光走
査の仕様に合った光偏向器を実現可能となる。
【0166】(実施例6)図13は実施例6の光学機器であ
る画像表示装置の基本的な構成を示す概略図である。図
13の画像表示装置において、実施例1、2、3、4、或いは
5に示された光偏向器を偏向方向がお互い直交するよう
に2個配置した光偏向器群201が設けられ、これは水平・
垂直方向に入射光をラスタスキャンする光スキャナ装置
として作用する。202はレーザ光源である。203はレンズ
或いはレンズ群であり、204は書き込みレンズまたはレ
ンズ群、205は投影面である。レーザ光源202から入射さ
れたレーザ光は、光走査のタイミングと関係した所定の
強度変調を受けて、光偏向器群201により2次元的に走査
される。走査されたレーザ光は、書き込みレンズ204に
より投影面205上に画像を形成する。
【0167】(実施例7)図14は、実施例7の光学機器で
ある画像表示装置の基本的な構成を示す図である。図14
において、201は実施例1、2、3、4或いは5に示された光
偏向器であり、本実施例では入射光を1次元に走査する
光スキャナ装置として作用する。202はレーザ光源であ
る。203はレンズあるいはレンズ群であり、204は書き込
みレンズ或いはレンズ群、206は感光体である。レーザ
光源202から射出されたレーザ光は、光走査のタイミン
グと関係した所定の強度変調を受けて、光偏向器201に
より1次元的に走査される。走査されたレーザ光は、書
き込みレンズ204により感光体206上へ画像を形成する。
感光体206は回転しているので、感光体206上には2次元
画像が形成される。
【0168】感光体206は図示しない帯電器により一様
に帯電されており、この上に光を入射することによりそ
の部分に静電潜像を形成する。次に、図示しない現像器
により静電潜像の画像部分にトナー像を形成し、これを
例えば用紙に転写・定着することで印字を行うことが可
能である。
【0169】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光偏向器
などの揺動体装置は、可動部分に電気的配線を施さず、
耐久性に優れた簡単な構成で電磁式の駆動を行うことが
できる。また、コイルと固定コア、可動コアの配置と弾
性支持の構成を変えることにより2次元的に揺動可能で
ある。
【0170】さらに、固定コアの形状を本発明の形態と
することによって、揺動体の回動振動時にこれと接触し
ない位置に固定コアを配置しながら、可動コアと固定コ
アの空隙を狭くすることができ、素子全体を小型化し、
漏れ磁束の少ない構成とできる。また、固定コア及びコ
イルを積層して配置することによって素子全体を更に小
型化できる。したがって、過酷な動作を必要とする駆動
でも耐久性に優れた非常に小型で実用的な2次元走査可
能な光偏向器等の揺動体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の光偏向器を示す概略斜視
図である。
【図2】第1の実施例の光偏向器を示す図1のA-A断面図で
ある。
【図3】本発明による光偏向器の第1の実施例の駆動原理
を示す概略斜視図である。
【図4】第1の実施例の光偏向器に係る第1支持基板の作
製方法を示す断面図である。
【図5】第1の実施例の光偏向器に係るコイル用基板の作
製方法を示す断面図である。
【図6】第1の実施例の光偏向器に係るスペーサ基板の作
製方法を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例の光偏向器を示す分解した
斜視図である
【図8】第2の実施例の光偏向器を示す図7のB-B断面図で
ある。
【図9】第2の実施例の光偏向器に係る第1コイル用基板
の作製方法を示す断面図である。
【図10】本発明の第3の実施例の光偏向器を示す分解し
た斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施例の光偏向器を示す分解し
た斜視図である。
【図12】本発明の第5の実施例の3つのタイプの光偏向器
を示す上面図である。
【図13】本発明の第6の実施例の画像表示装置を示す概
念図である。
【図14】本発明の第7の実施例の画像形成装置の概念図
である。
【図15】従来例である光偏向器を示す分解した斜視図
である。
【図16】他の従来例である光偏向器を示す上面図(a)と
分解した斜視図(b)である
【符号の説明】
1、21、31、41、51、61、71	 光偏向器 2			 第1支持基板 3			 スペーサ基板 4 コイル用基板 4A			 第1コイル用基板 4B			 第2コイル用基板 4C			 第3コイル用基板 5 可動板 5A			 外側可動板 5B			 内側可動板 6 ねじりバネ 6A			 第1のねじりバネ 6B			 第2のねじりバネ 7A、7B、7C、7D	 可動コア 8			 反射面 9A、9B、9C、9D	 コイル 10A、10B、10C、10D、10E	 固定コア 12A、12B		 可動コアと固定
コア間の空隙 13A、13B、13C、13D、13E		 アライメント溝 14 ファイバ 15 コイルの中心軸 101 マスク層 102、112			 フォトレジスト層 111	 種電極層 113 パーマロイ層 114			 コイル下面配線 115			 コイル側面配線 116 コイル上面配線 117 下面配線−コア
間絶縁層 118 上面配線−コア
間絶縁層 119 エポキシ樹脂 120 コンタクトホー
ル 122 保護膜 201 光偏向器群 202 レーザ光源 203 レンズ 204 書き込みレンズ 205 投影面 206			 感光体 1002			 シリコン基板 1003 上側ガラス 1004 下側ガラス 1005			 可動板 1005A			 外側可動板 1005B			 内側可動板 1006A			 第1のねじりバネ 1006B			 第2のねじりバネ 1007A、1007B		 平面コイル 1008			 全反射ミラー 1009A、1009B		 コンタクトパッド 1010A〜1013A、1010B〜1013B	 永久磁石 2002 永久磁石 2003 空心コイル 2004 振動入力部 2009 第2の外側可動
板 2011			 内側可動板 2012			 第2のねじりバネ 2013 第1のねじりバ
ネ 2014			 第1の外側可動板 2015			 バネ 2016			 板状部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月23日(2001.2.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正内容】
【0106】ここで、可動コア7Aと固定コア10A間の空
隙のパーミアンスPg(x)は、 Pg(x)=μ0w(x+x0)/(2δ) (1) で与えられる。ここで、μ0は真空の透磁率、δは空隙
の距離、wは固定コア10Aの幅(方向Φの長さ)、xは可
動コア7Aの変位、x0は初期状態のオーバーラップ長さで
ある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正内容】
【0107】磁気回路を構成する空隙以外のパーミアン
スをPとすると、磁気回路全体のポテンシャルエネルギ
Wは、 W=1/2・(1/P+1/Pg)-1(Ni)2 (2) で与えられる。ここで、Nはコイル9Aの巻数、iはコイ
ル9Aに流れる電流である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正内容】
【0108】比透磁率が十分大きな磁性材料で、可動コ
ア7Aと固定コア10Aを構成すると、P gと比べPはほぼ無限
大とみなすことができる。したがって、空隙部に生じる
発生力Fは、 F=-dW/dx=0w/(2δ)・(Ni)2 (3) で与えられる。これにより本発明の固定コアを配した光
偏向器では、発生力Fが、コイルの巻数N、電流iの2乗に
比例することが分かる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】一方、可動板5が回動することによりねじ
りバネ6が捩じられ、これによって発生するねじりバネ6
のバネ反力F’と可動板5の変位角ψとの関係は、 ψ=((F’・L)・l)/(2・G・Ip) (4) で与えられる。ここでGは横弾性係数、Lはねじりバネの
中心軸から力点までの距離、lはねじりバネの長さ、Ip
は断面二次極モーメントである。そして、発生力Fとバ
ネ反力F’が釣り合う位置まで可動板5が回動する。した
がって、数式(4)のF’に数式(3)のFを代入すれ
ば、可動板5の変位角ψはコイル9Aに流れる電流iの2乗
に比例することが分かる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1、21、31、41、51、61、71 光偏向器2 第1支持基板3 スペーサ基板 4 コイル用基板4A 第1コイル用基
板 4B 第2コイル用基
4C 第3コイル用基
板 5 可動板5A 外側可動板5B 内側可動板 6 ねじりバネ6A 第1のねじりバ
6B 第2のねじりバ
ネ 7A、7B、7C、7D 可動コア8 反射面 9A、9B、9C、9D コイル 10A、10B、10C、10D、10E 固定コア 12A、12B 可動コアと固定コ
ア間の空隙 13A、13B、13C、13D、13E アライメント溝 14 ファイバ 15 コイルの中心軸 101 マスク層 102、112 フォトレジスト
111 種電極層 113 パーマロイ層114 コイル下面配線115 コイル側面配線 116 コイル上面配線 117 下面配線−コア
間絶縁層 118 上面配線−コア
間絶縁層 119 エポキシ樹脂 120 コンタクトホー
ル 122 保護膜 201 光偏向器群 202 レーザ光源 203 レンズ 204 書き込みレンズ 205 投影面206 感光体1002 シリコン基板 1003 上側ガラス 1004 下側ガラス1005 可動板1005A 外側可動板1005B 内側可動板1006A 第1のねじりバネ1006B 第2のねじりバネ 1007A、1007B 平面コイル1008 全反射ミラー 1009A、1009B コンタクトパッド 1010A〜1013A、1010B〜1013B 永久磁石 2002 永久磁石 2003 空心コイル 2004 振動入力部 2009 第2の外側可動
2011 内側可動板2012 第2のねじりバ
ネ 2013 第1のねじりバ
2014 第1の外側可動
2015 バネ2016 板状部材
フロントページの続き (72)発明者 廣瀬 太 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 八木 隆行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C362 BA17 BA18 2H041 AA12 AB14 AC05 AZ01 AZ08 2H045 AB03 AB06 AB73 5C051 AA02 CA07 DA01 DB02 DB22 DB24 DB30 DC04 DC07 DE09 5C072 AA03 BA01 DA02 DA04 DA21 HA02 HA09 HA14 HB15

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可動コアを有する揺動体と、コイルを周回
    させた固定コアと、前記揺動体を支持基板に対して揺動
    可能に支持する弾性支持部とを有する揺動体装置におい
    て、 前記可動コアと固定コアとは、揺動体の揺動方向に対し
    垂直方向にずれて略平行に空隙を介して対向する対向面
    を夫々有し、前記揺動体上面からみて、前記固定コアは
    該揺動体に覆われる様に該揺動体の下方に配置されてい
    ることを特徴とする揺動体装置。
  2. 【請求項2】前記コイルを周回させた固定コアが、前記
    揺動体の揺動方向に重層的に2つ以上配置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の揺動体装置。
  3. 【請求項3】前記複数の固定コアが、前記揺動体上面か
    らみて互いに重なり部分を持つように配置されているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の揺動体装置。
  4. 【請求項4】前記コイルを周回させた固定コアは、前記
    支持基板の下面に配置されたコイル用基板上に形成され
    た1つの固定コアと、前記コイル用基板平面内で該1つ
    の固定コアの周回部分の内側に配置された別の固定コア
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の揺動体装置。
  5. 【請求項5】前記固定コアの前記可動コアと対向する前
    記対向面は、ほぼ前記揺動体の揺動方向に突出した該固
    定コアの突出部に形成されていることを特徴とする請求
    項1乃至4の何れかに記載の揺動体装置。
  6. 【請求項6】前記コイルは、その中心軸が前記揺動体の
    揺動方向とほぼ直角な方向に伸びる様に前記固定コアに
    周回されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか
    に記載の揺動体装置。
  7. 【請求項7】前記固定コアは、前記支持基板の下面に配
    置されたコイル用基板上に形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至6の何れかに記載の揺動体装置。
  8. 【請求項8】前記コイル用基板が、前記支持基板の下面
    に2つ以上積層されて配置されていることを特徴とする
    請求項7に記載の揺動体装置。
  9. 【請求項9】前記コイル用基板が、ほぼ前記揺動体の揺
    動方向に伸びた前記固定コアの部分が貫通する貫通孔を
    有していることを特徴とする請求項7または8に記載の揺
    動体装置。
  10. 【請求項10】前記弾性支持部は揺動自在なねじりバネ
    で構成されていて、前記可動コアが前記ねじりバネの軸
    方向と平行な平板状の前記揺動体の対辺の周辺部にのみ
    形成されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか
    に記載の揺動体装置。
  11. 【請求項11】前記弾性支持部は揺動自在なねじりバネ
    で構成されていて、前記可動コアが前記ねじりバネの軸
    方向と平行な平板状の前記揺動体の対辺の周辺部の一方
    側にのみ形成されていることを特徴とする請求項1乃至9
    の何れかに記載の揺動体装置。
  12. 【請求項12】前記揺動体が一つであり、一直線に沿っ
    て伸びた一対のねじりバネによって該揺動体が前記支持
    基板に対して弾性的に略該直線の回りに揺動自由に支持
    されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに
    記載の揺動体装置。
  13. 【請求項13】前記揺動体が複数であり、該複数の揺動
    体が入れ子式に配置され、各揺動体が、各直線に沿って
    伸びた一対のねじりバネによって、その外側の揺動体或
    いは前記支持基板に対して弾性的に略該各直線の回りに
    揺動自由に支持されていることを特徴とする請求項1乃
    至11の何れかに記載の揺動体装置。
  14. 【請求項14】前記揺動体が、第1のねじりバネで前記
    支持基板に対して、揺動自在に支持される枠状の外側揺
    動体と、前記第1のねじりバネと軸方向が直交する第2の
    ねじりバネで、前記外側揺動体の内側に揺動自在に支持
    される平板状の内側揺動体とからなり、前記第1のねじ
    りバネの軸方向と平行な前記外側揺動体の外側対辺の周
    辺部の少なくとも一方に第1の可動コアが形成され、第2
    のねじりバネの軸方向と平行な前記内側揺動体の対辺の
    周辺部の少なくとも一方に第2の可動コアが形成され、
    前記内側揺動体に偏向子が形成されて光偏向器として構
    成されていることを特徴とする請求項13に記載の揺動体
    装置。
  15. 【請求項15】前記第2の可動コアは、前記第2のねじり
    バネの軸方向と平行な前記内側揺動体の対辺の周辺部の
    一方側のみに形成されていることを特徴とする請求項14
    に記載の揺動体装置。
  16. 【請求項16】前記第1の可動コアは、前記第1のねじり
    バネの軸方向と平行な前記外側揺動体の外側対辺の周辺
    部の一方側のみに形成されていることを特徴とする請求
    項14または15に記載の揺動体装置。
  17. 【請求項17】前記コイルを周回させた固定コアは、前
    記支持基板の下面に配置されたコイル用基板に一体形成
    されていることを特徴とする請求項1乃至16の何れかに
    記載の揺動体装置。
  18. 【請求項18】前記可動コア、揺動体及び弾性支持部
    は、前記支持基板に一体形成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至17の何れかに記載の揺動体装置。
  19. 【請求項19】偏向子も前記支持基板に一体形成されて
    いて、光偏向器として構成されていることを特徴とする
    請求項18に記載の揺動体装置。
  20. 【請求項20】前記コイル用基板は、スペーサ基板を介
    して前記支持基板と所定の関係で接合されていることを
    特徴とする請求項17乃至19の何れかに記載の揺動体装
    置。
  21. 【請求項21】前記可動コアは軟磁性材料から成ること
    を特徴とする請求項1乃至20の何れかに記載の揺動体装
    置。
  22. 【請求項22】前記可動コアは鉄−ニッケルを含む合金
    から成ることを特徴とする請求項21に記載の揺動体装
    置。
  23. 【請求項23】前記可動コアと前記コイルを周回させた
    固定コアは前記空隙を介して直列磁気回路を構成してい
    ることを特徴とする請求項21または22に記載の揺動体装
    置。
  24. 【請求項24】前記可動コアは硬磁性材料の永久磁石か
    ら成ることを特徴とする請求項1乃至20の何れかに記載
    の揺動体装置。
  25. 【請求項25】前記弾性支持部は単結晶シリコンから成
    ることを特徴とする請求項1乃至24の何れかに記載の揺
    動体装置。
  26. 【請求項26】前記揺動体は偏向子を有し、光偏向器と
    して構成されていることを特徴とする請求項1乃至25の
    何れかに記載の揺動体装置。
  27. 【請求項27】前記偏向子が光を反射する反射面である
    ことを特徴とする請求項26に記載の揺動体装置。
  28. 【請求項28】前記偏向子が回折格子であることを特徴
    とする請求項26に記載の揺動体装置。
  29. 【請求項29】揺動体アクチュエータとして構成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至25の何れかに記載の
    揺動体装置。
  30. 【請求項30】光源と、前記光源から出射された光を偏
    向する請求項26乃至28の何れかに記載の偏向器を少なく
    とも1つ以上配置した光偏向器または光偏向器群と、該
    光偏向器または光偏向器群により偏向された光の少なく
    とも一部を投影するレンズとを有することを特徴とする
    画像表示装置。
  31. 【請求項31】光源と、前記光源から射出された光を偏
    向する請求項26乃至28の何れかに記載の光偏向器を少な
    くとも1つ以上配置した光偏向器または光偏向器群と、
    該光偏向器または光偏向器群により偏向された光の少な
    くとも一部が入射する感光体とを有することを特徴とす
    る画像形成装置。
  32. 【請求項32】前記感光体を帯電させる帯電器と、前記
    感光体の帯電部に付着する色素を転写する転写装置とを
    具備することを特徴とする請求項31に記載の画像形成装
    置。
  33. 【請求項33】請求項26乃至28の何れかに記載の光偏向
    器の製造方法において、前記支持基板が、前記支持基板
    上に前記偏向子を形成する工程と、前記支持基板上に前
    記可動コアを形成する工程と、前記支持基板に前記弾性
    支持部と前記揺動体を形成する工程により製造されるこ
    とを特徴とする光偏向器の製造方法。
  34. 【請求項34】前記支持基板にエッチング加工により位
    置決め用の溝を形成する工程を更に含んでいることを特
    徴とする請求項33記載の光偏向器の製造方法。
  35. 【請求項35】前記コイルを周回させた固定コアを備え
    ると共に位置決め用の溝を形成したコイル用基板及び位
    置決め用の溝を形成したスペーサ基板を別に製造してお
    いて、ファイバを介して前記夫々の溝を合わせることで
    所定の関係を確立して前記支持基板を前記スペーサ基板
    を介して前記コイル用基板と接合することを特徴とする
    請求項34記載の光偏向器の製造方法。
  36. 【請求項36】前記支持基板上に前記可動コアを形成す
    る工程が、前記支持基板上にメッキ用電極を形成する工
    程と、メッキ用電極を備えた前記支持基板上に感光材料
    を設ける工程と、該感光性材料を高エネルギー放射光に
    より部分的に感光した後、感光部と非感光部のエッチン
    グ速度差を用い所望部を現像除去する工程と、該現像除
    去した部分に金属をメッキして充填する工程とを含んで
    いることを特徴とする請求項33乃至35の何れかに記載の
    光偏向器の製造方法。
  37. 【請求項37】前記高エネルギー放射光として波長400n
    m以下の波長光を使用することを特徴とする請求項36記
    載の光偏向器の製造方法。
  38. 【請求項38】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺
    動体を形成する工程が、前記弾性支持部と前記揺動体を
    前記支持基板のエッチング加工により形成する工程を含
    むことを特徴とする請求項33乃至37の何れかに記載の
    光偏向器の製造方法。
  39. 【請求項39】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺
    動体を形成する工程が、プラズマ放電による異方性ドラ
    イエッチング加工を施す工程であることを特徴とする請
    求項38に記載の光偏向器の製造方法。
  40. 【請求項40】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺
    動体を形成する工程が、ICP(誘導結合プラズマ)放電
    によって異方性ドライエッチングを施す工程であること
    を特徴とする請求項39に記載の光偏向器の製造方法。
  41. 【請求項41】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺
    動体を形成する工程が、プラズマ放電によりプラズマ化
    してシリコンを腐食するガスと、プラズマ化してシリコ
    ンの腐食を抑制するガスを交互に用いてドライエッチン
    グを施す工程であることを特徴とする請求項39または40
    に記載の光偏向器の製造方法。
  42. 【請求項42】前記支持基板に前記弾性支持部と前記揺
    動体を形成する工程が、アルカリ性水溶液による異方性
    エッチングを施す工程であることを特徴とする請求項38
    に記載の光偏向器の製造方法。
  43. 【請求項43】前記弾性支持部と前記揺動体を前記支持
    基板のエッチング加工により形成する工程が、前記支持
    基板を前記可動コアの形成されない面からのみエッチン
    グ加工する工程であることを特徴とする請求項38乃至42
    の何れかに記載の光偏向器の製造方法。
  44. 【請求項44】請求項26乃至28の何れかに記載の光偏向
    器の製造方法において、前記コイルを周回させた固定コ
    アが、コイル用基板にエッチング加工により溝を形成す
    る第1工程と、前記コイル用基板に前記コイルの下面配
    線を形成する第2工程と、前記コイル用基板に該下面配
    線と電気的に接続した前記コイルの側面配線を形成する
    第3工程と、前記コイル用基板に前記固定コアを形成す
    る第4工程と、前記コイル用基板に前記側面配線と電気
    的に接続した前記コイルの上面配線を形成する第5工程
    と、前記コイル用基板に前記第4工程で形成した前記固
    定コアに突出部分を形成する第6工程により製造される
    ことを特徴とする光偏向器の製造方法。
  45. 【請求項45】請求項26乃至28の何れかに記載の光偏向
    器の製造方法において、前記固定コアのコイル用基板を
    貫通する部分が、前記コイル用基板上にメッキ用電極を
    形成する工程と、前記メッキ用電極の形成されない面か
    ら前記コイル用基板に貫通孔を形成する工程と、該貫通
    孔に金属をメッキして充填する工程により製造されるこ
    とを特徴とする光偏向器の製造方法。
  46. 【請求項46】前記コイル用基板に前記貫通孔を形成す
    る工程が、前記貫通孔をエッチング加工により形成する
    ことを特徴とする請求項45に記載の光偏向器の製造方
    法。
  47. 【請求項47】前記コイル用基板に前記貫通孔を形成す
    る工程が、プラズマ放電による異方性ドライエッチング
    加工を施す工程であることを特徴とする請求項46に記載
    の光偏向器の製造方法。
  48. 【請求項48】前記コイル用基板に前記貫通孔を形成す
    る工程が、ICP(誘導結合プラズマ)放電によって異方
    性ドライエッチングを施す工程であることを特徴とする
    請求項47に記載の光偏向器の製造方法。
  49. 【請求項49】前記コイル用基板に前記貫通孔を形成す
    る工程が、プラズマ放電によりプラズマ化してシリコン
    を腐食するガスと、プラズマ化してシリコンの腐食を抑
    制するガスを交互に用いてドライエッチングを施す工程
    であることを特徴とする請求項47または48に記載の光偏
    向器の製造方法。
  50. 【請求項50】前記コイル用基板に前記貫通孔を形成す
    る工程が、アルカリ性水溶液による異方性エッチングを
    施す工程であることを特徴とする請求項46に記載の光偏
    向器の製造方法。
JP2001047299A 2001-02-22 2001-02-22 揺動体装置、光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器 Pending JP2002250891A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001047299A JP2002250891A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 揺動体装置、光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001047299A JP2002250891A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 揺動体装置、光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002250891A true JP2002250891A (ja) 2002-09-06

Family

ID=18908757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001047299A Pending JP2002250891A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 揺動体装置、光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002250891A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009053508A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Canon Inc 光学走査装置
US20180062350A1 (en) * 2016-09-01 2018-03-01 Hamamatsu Photonics K.K. Movable diffraction grating, method of manufacturing the same, and external resonator type laser module
EP3460559A1 (en) * 2017-09-20 2019-03-27 Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO A device and method for positioning a moveable member, and a steerable mirror unit including such device
WO2021100803A1 (ja) * 2019-11-19 2021-05-27 パイオニア株式会社 ミラースキャナ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009053508A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Canon Inc 光学走査装置
US20180062350A1 (en) * 2016-09-01 2018-03-01 Hamamatsu Photonics K.K. Movable diffraction grating, method of manufacturing the same, and external resonator type laser module
US10361538B2 (en) * 2016-09-01 2019-07-23 Hamamatsu Photonics K.K. Movable diffraction grating, method of manufacturing the same, and external resonator type laser module
EP3460559A1 (en) * 2017-09-20 2019-03-27 Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO A device and method for positioning a moveable member, and a steerable mirror unit including such device
WO2019059764A1 (en) * 2017-09-20 2019-03-28 Nederlandse Organisatie Voor Teogepastnatuurwetenschappelijk Onderzoek Tno DEVICE AND METHOD FOR POSITIONING A MOBILE ELEMENT, AND AN ORIENTABLE MIRROR UNIT COMPRISING SUCH A DEVICE
US11385456B2 (en) 2017-09-20 2022-07-12 Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno Device and method for positioning a moveable member, and a steerable mirror unit including such device
WO2021100803A1 (ja) * 2019-11-19 2021-05-27 パイオニア株式会社 ミラースキャナ
JPWO2021100803A1 (ja) * 2019-11-19 2021-05-27
EP4047410A4 (en) * 2019-11-19 2023-11-08 Pioneer Corporation MIRROR SCANNING DEVICE

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6803843B2 (en) Movable-body apparatus, optical deflector, and method of fabricating the same
US6924915B2 (en) Oscillation device, optical deflector using the oscillation device, and image display device and image forming apparatus using the optical deflector, and method of manufacturing the oscillation device
US7148591B2 (en) Oscillating device
KR100505373B1 (ko) 광편향기 및 그 제조방법
US6897990B2 (en) Rocking member apparatus
JP3919616B2 (ja) マイクロ構造体及びその製造方法
JP3203277B2 (ja) 共振ミラーとその製造法
JP3552601B2 (ja) 光偏向子及びこれを用いた表示装置
US7876484B2 (en) Actuator, optical scanner, and image forming apparatus
US7919889B2 (en) Oscillator device, optical deflector and optical instrument using the same
JP4144840B2 (ja) 揺動体装置、光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器
JP4164421B2 (ja) 揺動装置、揺動装置を用いた光偏向器、及び光偏向器を用いた画像表示装置、画像形成装置、並びにその製法
JP3848249B2 (ja) 揺動体装置
JP2009109778A (ja) ミラーデバイス
JP2002250891A (ja) 揺動体装置、光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器
US20090039715A1 (en) Oscillator device, optical deflector and optical instrument using the same
JP2005177876A (ja) マイクロ構造体及びその製造方法
JP2006154315A (ja) 静電櫛歯型揺動体装置、及びその作製方法
JP2003029190A (ja) 光偏向器、それを用いた画像表示装置及び画像形成装置、並びに光偏向器の作製方法
JP2006130587A (ja) 揺動体装置、及びその作製方法
JP2005148339A (ja) 光偏向器
JP2009251143A (ja) アクチュエータ、画像形成装置及びアクチュエータの製造方法
JP2006136084A (ja) 揺動体装置、及びその作製方法
JP2004085839A (ja) 揺動装置、それを用いた光偏向器、画像表示装置、画像形成装置、及びその製法
JP2005250076A (ja) 光偏向器