JP2005173484A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真方式等の画像形成装置において従来現像方式における背反する技術課題、すなわち、非磁性接触現像におけるカブリと濃度ムラの課題と、磁性非接触現像におけるカブリとリークによる画像不良の課題を解決することを目的とする。
【解決手段】像担持体1上の静電潜像を現像する現像手段400は、現像剤担持体440と、これに現像剤を供給する手段を有し、規制部材420により現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成し、該現像剤担持体を像担持体と押圧接触させ、現像剤担持体と像担持体との間に現像バイアスを印加し、現像剤を像担持体に転移させて像担持体上の静電潜像を現像する現像手段であり、現像剤担持体は、弾性層442aを持ち、像担持体の表面よりも低い硬度を有し、現像バイアスが交番電圧に直流電圧を重畳したものであり、現像バイアスの絶対値の最大値を|V|max、帯電手段により像担持体表面を一様に帯電する所定の電圧値(暗電位)をVdとしたとき、|V|max≦|Vd|、を満たすこと。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式・静電記録方式等を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
より詳しくは、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体に形成した静電潜像を一成分接触現像方式で現像する、複写機やプリンタ等の画像形成装置に関する。
例えば電子写真方式の画像画像形成装置において像担持体(被現像体)としての電子写真感光体に形成した静電潜像を現像剤で現像する、従来の一成分現像方式としては、(1)磁性非接触AC現像方式と(2)非磁性接触DC現像方式が広く用いられている。
(1)磁性非接触AC現像方式
この方式(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)は、磁性一成分現像剤を用い、マグネットを内包した現像スリーブ(現像剤担持体)に現像剤を担持し、現像スリーブの表面から所定の微小間隙をおいて感光体に対向させ、この間隙を飛翔する現像剤により現像する。現像装置(以下、現像器と記す)内の現像剤は、機械的攪拌機構や重力により現像スリーブに搬送されるとともに、現像剤はマグネットによる一定の磁力を受けて現像スリーブに供給される。そして、規制手段により現像スリーブ上に一定の現像剤層を形成し、現像に用いられる。マグネットにより現像剤に働く力は現像剤の搬送のみでなく、現像部においても積極的に使用される。現像部においては現像剤が非画像部に移行しカブリなどの画像不良が発生するのを防止する。その理由として、現像時に現像剤は現像スリーブに内包したマグネットロールに向かう方向に磁力を受け、現像スリーブ上で拘束力を受けているためである。現像剤の飛翔にはACバイアスが使用される。感光体の印字部電位及び非印字部電位を含む領域と現像スリーブ間に現像バイアスが印加され、印字部及び非印字部に対し現像剤が往復運動することにより現像剤で印字部を現像する。
(2)非磁性接触DC現像方式
また、弾性層をもつ現像ローラ(現像剤担持体)上に、非磁性現像剤を担持し感光体の表面に接触させて現像を行う方式も提案されている(例えば、特許文献3参照)。現像器内の現像剤は機械的攪拌機構や重力により現像ローラに供給する。現像ローラに接触したスポンジ状の弾性ローラを設け現像剤の搬送供給を行う。このスポンジ状の弾性ローラは、現像ローラ上の現像剤ののり量と電荷量を均一にする目的から、現像されなかった現像剤を一旦除去する機能も担っている。感光体の基材と現像ローラの間にはDCバイアスが印加される。
(3)クリーナレス(トナーリサイクル)システム
装置構成の簡略化や廃棄物を無くすという観点から、転写方式の画像形成装置において感光体の転写工程後の表面清掃手段である専用のドラムクリーナ(クリーニング装置)を廃し、トナーを装置内でリサイクルする電子写真プロセスの提案がされている。例えば、前述の非磁性接触DC現像方式を用いて、現像時に同時に転写残りとなった現像剤を回収する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、前述の磁性非接触AC現像方式を用いて、現像時に同時に転写残となった現像剤を回収する画像形成装置も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開昭54−43027号公報 特開昭55−18656号公報 特開2001−92201号公報 特許第2598131号明細書 特開平10−307455号公報
前記(2)の従来の非磁性接触DC現像方式においては、現像ローラの表面の凹凸やムラが中間調画像に濃度ムラして生じる画像不良が問題であった。均一な表面を有する現像ローラを製造することより濃度ムラによる画像不良を改善することはできるが、均一な表面を有する現像ローラを製造することは困難である。また、印字枚数が進むと現像ローラ表面において、一定の劣化、削れ等が発生し現像ローラ表面の凹凸、ムラが発生し、安定した現像ローラを製造することはさらに困難である。
次に、カブリ性能の低下が問題であった。弾性ローラによる機械的剥ぎ取りを繰り返すうちにトナーの特性が低下し、トナーの摩擦帯電特性などの低下により、カブリを悪化させることがある。カブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。トナー特性低下防止のために弾性ローラの摺擦力を弱めることも可能であるが、ゴースト画像不良との両立が困難である。ここでゴースト画像は、現像ローラ外周の位相差をもって現れるゴーストのことを意味し、現像ローラにおいて、前回現像した画像(文字など)が次回現像する均一な中間調画像中に現れる現象である。また、ゴーストがあるということは、剥ぎ取られずに現像ローラ上に留まるトナーがあるということを意味する。つまり、弾性ローラによる摺擦を連続的に受けることからトナーの特性低下の観点からも好ましくない。摺擦力の調整は、カブリとゴーストの観点から背反するだけでなく、カブリ単独の問題においても背反する問題を持っている。
また、トナー特性が低下してくると、現像器内の循環の影響を受けやすいという問題も生じた。具体的には、機械的あるいは重力を使用した循環において、特に現像ローラ周辺でほとんど剤(現像剤、トナー)が入れ替わらず循環しない領域ができる。一方、循環している剤は一定の特性低下が生じている。このように二種類の剤が、容器内のトナーが減少したときに、混ざると凝集などを生じカブリなどの問題を生じた。更に、弾性ローラそのものに起因する画像不良がある。弾性ローラはトナーの剥ぎ取り供給性能の観点から、スポンジ形態のものが使用されるが、このスポンジのセルに現像剤が圧縮され凝集塊を作り、これらがスポンジから外れ表面に出てくると、特に中間調に画像欠陥を生じる。
加えて、トナー飛散という問題もある。現像剤を現像ローラに担持する力が低下するとトナーは機内に飛散し、様々なトラブルの原因となる。
また、クリーナレスとの組合せにおいては、弾性ローラに紙粉が入り込み、弾性ローラ周期の画像不良を生じる。
一方、前記(1)の磁性非接触現像においては、画像エッジ不良を生じる。高濃度部のエッジ、特にプロセス下流側が濃く現像され、また、高濃度部に隣接する中間調部分のエッジが薄く現像される。要因は、非接触でAC電界により現像剤を往復させながら現像することにあると予想する。現像部においてトナーが面方向に移動し、特にエッジ部下流にトナーが滞留し、逆にエッジの外部からトナーを引き寄せ上記のような画像不良を生じる。
更に、クリーナレスにおいては、非接触であるため、感光ドラム上のトナーを回収する能力が低く、転写残がゴーストとなってベタ白や中間調に表れるという問題がある。また、ベタ白中に黒点を生じる。この黒点は、高温高湿下で、現像ローラと感光ドラムの間に紙粉が混入したときに生じやすい。現像ローラと感光ドラム間にバイアスリークが生じその結果、感光ドラム上の潜像電位の絶対値が減少したためと予想される。
本発明は、以上のような課題を解決し、新たに優れた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置及びプロセスカートリッジである。
本発明(1):像担持体、前記像担持体を帯電する帯電手段、前記像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段、前記静電潜像を現像する現像手段を有する画像形成装置であって、前記現像手段は、現像剤担持体と、前記現像剤担持体上に現像剤を供給する手段を有し、前記現像剤を規制部材により規制して前記現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成し、前記薄層に形成された現像剤を具備した前記現像剤担持体を押圧することにより前記像担持体と接触させ、前記現像剤担持体と前記像担持体との間に現像バイアスを印加し、前記現像剤を前記像担持体に転移させて前記像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段であり、前記現像剤担持体は、弾性層を持ち、前記像担持体の表面よりも低い硬度を有し、前記現像バイアスが交番電圧に直流電圧を重畳したものであり、前記現像バイアスの絶対値の最大値を|V|max、前記帯電手段により像担持体表面を一様に帯電する所定の電圧値(暗電位)をVdとしたとき、
|V|max≦|Vd|・・・・(1)式
を満たすことを特徴とする画像形成装置。
本発明(2):像担持体、前記像担持体を帯電する帯電手段、前記像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段、前記静電潜像を現像する現像手段を有する画像形成装置であって、前記現像手段は、現像剤担持体と、前記現像剤担持体上に現像剤を供給する手段を有し、前記現像剤を規制部材により規制して前記現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成し、前記薄層に形成された現像剤を具備した前記現像剤担持体を押圧することにより前記像担持体と接触させ、前記現像剤担持体と前記像担持体との間に現像バイアスを印加し、前記現像剤を前記像担持体に転移させて前記像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段であり、前記現像剤担持体は、弾性層を持ち、前記像担持体の表面よりも低い硬度を有し、前記現像バイアスが交番電圧に直流電圧を重畳したものであり、前記現像バイアスの絶対値の最大値を|V|max、前記帯電手段により像担持体表面を一様に帯電する所定の電圧値(暗電位)をVdとしたとき、
|V|max≦0.9×|Vd|・・・・(2)式
を満たすことを特徴とする画像形成装置。
本発明(3):前記潜像形成手段により像担持体の表面に潜像を形成する時の所定の電圧値(明電位)をVl、現像バイアスの最大値をVmax、現像バイアスの最小値をVminとしたとき、
Vl≦0のとき、Vmax≦Vlを満たし、
Vl>0のとき、Vmin>Vlを満たす、
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
本発明(4):前記像担持体上の現像剤を被転写体に転写する転写手段を有することを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の画像形成装置。
本発明(5):前記現像手段は、前記弾性層を備えた前記現像剤担持体を前記像担持体に対して押圧させつつ摺接させることにより、前記像担持体に形成された静電潜像に前記現像剤担持体上の現像剤を転移させて反転現像を行うと同時に、転写工程後に前記像担持体上に残留した現像剤を回収することを特徴とする(4)に記載の画像形成装置。
本発明(6):前記現像剤が磁性一成分現像剤であり、前記現像剤担持体は、固定された磁界発生手段を内包した基体と、前記基体の表面上に設けた導電性弾性層を有することを特徴とする(1)乃至(5)の何れか1つに記載の画像形成装置。
本発明(7):前記像担持体または被転写体上の現像剤像を定着する定着手段を有することを特徴とする(1)乃至(6)の何れかに記載の画像形成装置。
本発明(8):少なくとも、前記像担持体と、前記現像手段とを一括して画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにしたことを特徴とする(4)乃至(6)の何れかに記載の画像形成装置。
本発明(9):少なくとも、前記像担持体と、前記帯電手段と、前記現像手段と、像担持体上の転写残り現像剤をクリーニングする手段とを一括して画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにしたことを特徴とする(4)乃至(6)の何れかに記載の画像形成装置。
本発明(10):(4)乃至(7)の何れかに記載の画像形成装置に対して着脱自在のプロセスカートリッジであって、少なくとも、前記像担持体と、前記現像手段とを包含していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明(11):(4)乃至(7)の何れかに記載の画像形成装置に対して着脱自在のプロセスカートリッジであって、少なくとも、前記像担持体と、前記帯電手段と、前記現像手段と、像担持体上の転写残り現像剤をクリーニングする手段とを包含していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
1)本発明(1)によれば、以下の点において効果がある。
効果(1):現像バイアスVを|V|max≦|Vd|とすることで、カブリ量を著しく抑制し、本来印字しない白部(未露光部)に現像剤がわずかに現像され地汚れのように現れる画像不良を抑制することができる。
効果(2):像担持体と現像剤担持体を押圧して当接し、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|となるように現像バイアスを印加することでリークを抑制し、リークによるベタ黒中の白の斑点が生じる画像不良を抑制することができる。
効果(3):像担持体と現像剤担持体を押圧して当接し、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|となるように現像バイアスを印加することで、リークが発生してもリークによるベタ黒中の白の斑点の径を小さく目立たないくすることができる。
効果(4):像担持体と現像剤担持体を押圧して当接し、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|となるように現像バイアスを印加することで、高濃度部のエッジ、特にプロセス下流側が濃く現像され、また、高濃度部に隣接する中間調部分のエッジが薄く現像され画像エッジ不良を抑制することができる。
効果(5):現像剤担持体表面のムラを反映した中間調画像中の濃度ムラの画像不良を生じる。DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|となるように現像バイアスを印加することで均一に均し良好な画像をえることができる。
効果(6):像担持体と現像剤担持体を押圧して当接し、DC電圧にAC電圧を重畳することで多枚数印字後の中間調濃度ムラを抑制することができる。
2)本発明(2)によれば、以下の点において効果がある。
前記本発明(1)の効果(1)〜(6)の効果があることはもちろん、それ以外において以下の点に効果がある。
効果(7):現像バイアスをDC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦0.9×|Vd|とすることで、効果(1)以上にカブリ量を著しく抑制することができる。
効果(8):DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦0.9×|Vd|となるように現像バイアスを印加することで、環境変動(温度や湿度など)、帯電ローラの劣化、像担持体の劣化にともなう帯電性能の変動あるいは低下が生じ、Vdが変動あるいは|Vd|が低下しても安定してカブリ量を低減し画像不良を抑制することができる。
3)本発明(3)・(4)によれば、以下の点において効果がある。
前記本発明(1)、(2)の効果(1)〜(8)の効果があることはもちろん、それ以外において以下の点で効果がある。
効果(9):像担持体と現像剤担持体を押圧して当接し、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|、Vl≦0のとき、Vmax≦Vl、Vl>0のとき、Vmin>Vlとなるように現像バイアスを印加することでリークを抑制し、リークによるベタ白中の黒の斑点が生じる画像不良を抑制することができる。
効果(10):像担持体と現像剤担持体を押圧して当接し、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|、Vl≦0のとき、Vmax≦Vl、Vl>0のとき、Vmin>Vlとなるように現像バイアスを印加することで、リークが発生してもリークによるベタ白中の黒の斑点の径を小さく目立たないくすることができる。
4)本発明(5)によれば、以下の点において効果がある。
前記本発明(1)〜(4)の効果(1)〜(10)の効果があることはもちろん、それ以外において以下の点で効果がある。
効果(11):クリーナレスシステムにおいて、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|となるように現像バイアスを印加することにより、帯電ローラ汚れが発生し帯電性能が低下した際に|Vd|が低下して帯電ローラ汚れに連鎖してカブリ量が増加し、未露光部の地汚れによる画像不良を著しく抑制することができる。さらに、カブリ量の増加がひどいと転写ローラのよごれや帯電ローラの汚れのため全く帯電できなくなり、全面黒の画像となり、定着器に被転写材が巻きつき装置故障を生じるのを抑制することができる。
効果(12):クリーナレスシステムにおいて、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦0.9×|Vd|となるように現像バイアスを印加することにより、効果(10)以上にカブリ量を抑制することができ、効果(10)以上の効果を得ることができる。
効果(13):クリーナレスシステムにおいて、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|となるように現像バイアスを印加することにより、戻り現像剤に含まれる紙分によるリークの発生を抑制することができ、ベタ黒中の白の斑点が現れる画像不良を抑制することができる。
効果(14):クリーナレスシステムにおいて、像担持体と現像剤担持体を押圧して当接し、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|となるように現像バイアスを印加することで戻り現像剤に含まれる紙分によるリークが発生してもリークによるベタ黒中の白の斑点の径を小さく目立たないくすることができる。
効果(15):クリーナレスシステムにおいて、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|、Vl≦0のとき、Vmax≦Vl、Vl≧0のとき、Vmin≧Vlとなるように現像バイアスを印加することにより、戻り現像剤に含まれる紙分によるリークの発生を抑制することができ、ベタ白中の黒の斑点が現れる画像不良を抑制することができる。
効果(16):クリーナレスシステムにおいて、像担持体と現像剤担持体を押圧して当接し、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|、Vl≦0のとき、Vmax≦Vl、Vl≧0のとき、Vmin≧Vlとなるように現像バイアスを印加することで戻り現像剤に含まれる紙分によるリークが発生してもリークによるベタ白中の黒の斑点の径を小さく目立たないくすることができる。
効果(17):クリーナレスシステムにおいて、像担持体と現像剤担持体と押圧し当接することで像担持体と現像剤担持体間が近づくことで電界あるいは磁界が働く領域および強度が増加し、像担持体上の未露光部に付着した転写残り現像剤の回収性を向上することができる。
効果(18):クリーナレスシステムにおいて、像担持体と現像剤担持体と押圧し当接することで像担持体上の未露光部に付着した転写残り現像剤を物理的にほぐすため、回収性を向上することができる。
効果(19):クリーナレスシステムにおいて、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|となるように現像バイアスを印加することにより、像担持体上の未露光部に付着した転写残り現像剤を電気的にほぐすため、回収性を向上することができる。
効果(20):クリーナレスシステムにおいて、像担持体と現像剤担持体と押圧し当接することで安定当接が可能となり、効果(17)〜(19)の効果を多枚数印字後においても維持することができる。
5)本発明(6)によれば、以下の点において効果がある。
前記本発明(1)〜(5)の効果(1)〜(20)の効果があることはもちろん、それ以外において以下の点で効果がある。
効果(21):現像剤が磁性一成分、現像剤担持体が固定の磁界発生手段を内包した基体とその基体上に導電性弾性層を有することで現像剤を現像剤担持体上に磁気的に搬送することにより現像剤の劣化による電荷付与性の低下が生じても磁気力によって拘束するために現像剤が現像容器外へ飛散するのを防止することができる。
効果(22):現像剤が磁性一成分、現像剤担持体が固定の磁界発生手段を内包した基体とその基体上に導電性弾性層を有することによって、現像剤を現像剤担持体上に磁気的に搬送するため、現像剤を現像剤担持体上へ供給する現像剤供給ローラを必要としないことから、印字枚数(特に低印字で)が増えたときにも著しく現像剤の劣化を防止し、現像剤劣化に伴うカブリ量の増加を抑制することができる。
効果(23):クリーナレスシステムにおいて、現像剤が磁性一成分、現像剤担持体が固定の磁界発生手段を内包した基体とその基体上に導電性弾性層を有することによって、現像剤を現像剤担持体上に磁気的に搬送するため、戻りトナーによるトナーリサイクルによるトナー劣化が進行しても、現像剤を現像剤担持体上へ供給する現像剤供給ローラを必要としないことから、印字枚数(特に低印字で)が増えたときにも著しく現像剤の劣化を防止し、現像剤劣化に伴うカブリ量の増加を抑制することができる。
効果(24):現像剤が磁性一成分、現像剤担持体が固定の磁界発生手段を内包した基体とその基体上に導電性弾性層を有することによって、現像剤を現像剤担持体上に磁気的に搬送するため、現像剤を現像剤担持体上へ供給する現像剤供給ローラを必要としないことから、著しく現像剤の劣化を防止し、トナー切れ時にカートリッジ振りによる劣化現像剤と劣化の小さい現像剤の混合によるカブリ量の増加を抑制することができる。
効果(25):現像剤が磁性一成分、現像剤担持体が固定の磁界発生手段を内包した基体とその基体上に導電性弾性層を有することで現像剤を現像剤担持体上に磁気的に搬送することにより、現像剤を現像剤担持体上へ供給する現像剤供給ローラを必要としないため、供給ローラ表面に現像剤の凝集体が蓄積し、現像剤凝集体が供給ローラから現像剤担持体上に搬送されることにより中間調画像中に現れる画像不良を抑制することができる。
効果(26):クリーナレスシステムにおいて、現像剤が磁性一成分、現像剤担持体が固定の磁界発生手段を内包した基体とその基体上に導電性弾性層を有することで現像剤を現像剤担持体上に磁気的に搬送することにより戻り現像剤に含まれる紙分を現像容器内に回収しても紙分は磁気力を受けないため現像剤が積極的に搬送されず紙分による画像不良を抑制することができ、現像剤を現像剤担持体上へ供給する現像剤供給ローラを必要としないため、供給ローラ上に紙分が蓄積することによる画像不良を抑制することができる。
効果(27):現像剤が磁性一成分、現像剤担持体が固定の磁界発生手段を内包した基体とその基体上に導電性弾性層を有することで現像剤を現像剤担持体上に磁気的に搬送し、像担持体と現像剤担持体を押圧して当接し、DC電圧にAC電圧を重畳し、|V|max≦|Vd|となるように現像バイアスを印加することで現像剤の凝集体を像担持体上へ転移する際にほぐし均一な中間調画像をえることができる。
6)本発明(7)〜(11)によれば、前記本発明(1)〜(5)の効果(1)〜(20)の効果がある画像形成装置もしくはプロセスカートリッジをえることができる。
以上述べたように、本発明によれば、従来の現像装置にある課題(カブリ、中間調画像の濃度ムラ、画像エッジ不良、ベタ黒画像不良、トナー飛散、中間調画像欠陥)に対しバランスよく性能向上を図ることが出来る。特に、カブリ、中間調画像の濃度ムラ、ベタ黒画像不良においては、像担持体と現像剤担持体を押圧し当接し、現像バイアスに直流電圧に交流電圧を重畳し、現像バイアスの絶対値の最大値が暗電位の最大値以下に保つことにより、改善される。更に、トナーリサイクルシステムの画像記録装置においても有効であり、カブリ、クリーナレス回収性、紙粉リークによるベタ黒画像欠陥、紙粉の蓄積による中間調画像中の白スジの抑制などに有効である。
(1)帯電手段
帯電手段としては、非接触帯電方式、または接触帯電方式を用いることができる。非接触帯電方式としては、ワイヤーを用いたコロナ帯電器を用いることができる。
接触帯電方式としては、像担持体等の被帯電体に、ローラ、ブラシ、磁気ブラシ、ブレード等の導電性の帯電部材を接触させ、この帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して、被帯電体の表面を所定の極性・電位に帯電させるものを用いることができる。
オゾンの発生の少ない接触帯電方式を用いることがより好ましいが、これらに限定するものではない。
(2)潜像形成手段
像担持体が電子写真感光体であれば、例えば、レーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービームスキャナ(露光器)を用いることができる。このレーザービームスキャナは目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザー光を出力し、該レーザー光で上記感光体の一様帯電面を走査露光する。この走査露光により感光体の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。さらに、マルチスタイラス、イオンヘッド、LEDアレイ等を用いることができる。またディジタル的な露光手段に限られるものではなく、投影光学系を用いたアナログ的な画像露光手段、蛍光灯と液晶シャッター等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できる露光手段であるなら何れでも構わない。
また像担持体が静電記録誘電体であれば、該静電記録誘電体面を所定の極性・電位に一様に帯電し、その帯電処理面を除電針アレイや電子銃等の除電手段で選択的に除電処理して静電潜像を書き込み形成する。
(3)転写手段
転写手段には中抵抗発泡層を形成した転写ローラ、コロナ帯電器等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。
中抵抗発泡層の材料としては、ウレタン樹脂にカーボンブラックのような導電性樹脂を分散させたものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。抵抗値は10〜10Ωのものが好ましく、帯電に印加する電位と逆極性で、その絶対値が0.5kV〜5.0kVの電圧をローラ表面に印加することが好ましい。
(4)現像手段
現像方式として、像担持体と現像剤担持体が押圧して接している接触現像方式を用いることができる。
(4−1)像担持体と現像剤担持体の接触条件
像担持体と現像剤担持体間の圧力は引抜き圧で50〜3000N/mであることが好ましい。
本発明において引抜き圧とは、物体が接触する間(ここでは、像担持体と現像剤担持体間)に、厚さ30μmの2枚のSUS板で挟んだ同じく30μmのSUS板を挟みそのSUS板を引抜くときの力をSUS板の長さ1mあたりに換算した線圧相当値である。
3000N/m以上では、圧力が強すぎるため、像担持体の表面の著しい削れや現像剤の劣化を生じ画像不良を生じる。また、50N/m以下では、十分な現像領域を得られないために現像剤の現像剤担持体から像担持体への転移が十分できず画像不良を生じる。
(4−2)像担持体と現像剤担持体の回転周速
像担持体と現像剤担持体の回転周速度比は1:0.5〜3.0であることが好ましい。像担持体に対する現像剤担持体の回転周速度比が0.5以下では現像剤担持体から像担持体への転移する現像剤の絶対量が少ないためベタ黒の濃度の低下を生じる。3.0以上では現像剤の著しい劣化が生じる。
(4−3)接触現像方式
接触現像方式として、現像剤に磁性トナーを用いた磁性接触現像方式と、現像剤に非磁性トナーを用いた非磁性接触現像方式を用いることができるが、磁性接触現像方式であることがより好ましい。
非磁性一成分現像剤と比べ磁力による搬送が可能であるため、現像剤飛散の防止として、物理的な抑制以外に磁気力を利用した抑制が可能なためより容易に抑制可能となるためである。
また、磁性の現像剤は、磁性体を含有しているため、非磁性の現像剤に比べ抵抗が低く、電気量の保持力が低いため、局所的に電気量の大きい部分と小さい部分のムラが生じにくいため、リークの防止につながる。
(4−3−1)磁性接触現像方式
以下では、磁性接触現像方式について述べる。
a:磁性接触現像用現像剤
磁性接触現像用現像剤としては、絶縁性トナーを主体としてなっており、好ましくはシリカ微粉末が若干外添されている。シリカ微粉末は、画像濃度を増大させ且つガサツキの少ない画像が得られるように、トナーの摩擦帯電電荷を制御する目的等から外添される。例えば気相法シリカ(乾式シリカ)及び/又は湿式製法シリカ(湿式シリカ)をトナーに外添することが知られている。さらに、外添剤としては、導電性酸化物、金属、樹脂等の微粒子を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、現像剤の母体としては、スチレン−アクリルやポリエステル、またはこれら樹脂の複合樹脂が用いることできるがこれらに限定されるものではない。
b:磁性一成分現像剤
これら現像剤の母体としての樹脂に磁性粒子を30〜150重量部含有することができる。磁性粒子としては、磁性金属酸化物(マグネタイト・ウスタイト等)を用いることができる。搬送に必要な磁力、電荷付与を十分行える高い抵抗を有したマグネタイトが好ましいが、これらに限定されるものではない。
また、磁性粒子を30〜150重量部としたのは30重量部以下では現像剤担持体へ十分に付着できず、供給不良になるためであり、150重量部以上では現像剤の導電性が高くなるため十分な電荷の付与が出来ない、あるいは、現像剤担持体に内包した磁気発生手段の磁極が現像領域で存在すると、現像剤担持体への付着力が強すぎて像担持体へ転移できないためである。
c:規制部材
規制部材としての弾性体としては、SUS、リン青銅のような金属、ウレタン等の樹脂等が用いられるが、これらに限定されるものではない。さらにSUSやリン青銅のような金属製の規制部材を用いることで、現像剤への電荷付与性の向上、および、樹脂系と比較して温度や湿度に対して抵抗、体積膨張の変化が小さいため安定的な電荷付与性を有するため、金属製の規制部材を用いることがより好ましい。
形状としては、弾性の金属、弾性ゴムの板からなるもの、板の先端に曲げの入ったもの、表面を樹脂でコートしたもの、表面が特定の形状で形成されたもの等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
更に、この規制部材と現像剤担持体の基層部分が電気的に同電位あるいは所定の電位差を設けることができる。これは、現像剤への電荷の受け渡しがスムーズで効率良く行われるためであり、より均一な厚みと電荷を付与した現像剤を現像剤担持体上にコートすることが可能となる。
現像剤担持体と規制部材間の引抜き圧は50〜150N/mであることが好ましい。
50N/m以下では、十分な規制と電荷付与が出来ないためであり、150N/m以上では像担持体の著しい削れを生じ、現像剤の著しい劣化も生じるため50〜150N/mとした。
ここでの引く抜き圧は像担持体と現像剤担持体間の引き抜き圧を測定した方法と同様である。
d:現像剤搬送手段
現像剤を現像剤担持体へ搬送する手段として重力、物理的な力、電気力、磁気力、あるいは、これらのうち少なくとも2つ以上の組合せによる方法を用いることができる。
物理的な力としては、パドル、攪拌等を用いることができる。
磁気的な搬送手段としては、現像剤担持体内部に磁界発生手段を設け磁性現像剤を搬送する方法を用いることができる。
物理的な擦り等の圧力を受けないため、現像剤の劣化を抑制できるため磁気的に搬送する手段を用いることが好ましい。
また、安定的に供給するためには、磁力が一定である固定(回転しない)磁界発生手段を用いることが好ましい。
e:固定磁界発生手段
固定の磁界発生手段としては、永久磁石、電磁誘導による電磁石等が用いられるが、これらに限定されるものではない。現像剤担持体表面における表面に垂直な方向の磁束密度の強さの最大値は200〜1500G程度が好ましく、より好ましくは500〜900Gが好ましい。
本発明における磁束密度の測定はベル社製のガウスメータのシリーズ9900、プローブA−99−153を用いて行った。同ガウスメータはガウスメータ本体に接続された棒状のアキシャルプローブを有する。
本発明における磁束密度の測定はベル社製のガウスメータのシリーズ9900、プローブA−99−153を用いて行った。同ガウスメータはガウスメータ本体に接続された棒状のアキシャルプローブを有する。
特にここでは本発明で用いた図3に示す現像剤担持体としての弾性現像スリーブ440(442b+442a)の磁束密度の測定方法について述べる。現像スリーブ440を水平に固定し、磁界発生手段としての内部のマグネットロール442cは回転自在に取付ける。この現像スリーブ440に対し若干の間隔を開けて水平姿勢のプローブを直角に配置し、現像スリーブ440の中心とプローブの中心が略同一水平面上に位置するようにして固定し、その状態で磁束密度を測定する。マグネットロール442cは現像スリーブ440と略同心の円筒体であり、現像スリーブ440とマグネットロール442cとの間の間隔はどこでも等しいと考えてよい。従ってマグネットロール442cを回転しながら、現像スリーブ440の表面位置及び表面位置における法線方向の磁束密度を測定することにより、現像スリーブ440の周方向について全ての位置で測定したものに代えることができる。得られた週方向の磁束密度データより各位置のピーク強度を求めた。
200G以下では、高印字率の画像を印字すると現像剤を十分供給できないため、濃度変化あるいは白抜けを生じるため、さらにクリーナレス現像システムにおいて戻りトナーに含まれる紙粉とトナーが区別なく搬送される、すなわち、積極的にトナーとともに供給され、画像不良を生じるため、200G以上とした。また、1500G以上では、現像剤担持体上の現像剤が像担持体と押圧し接触している現像領域で磁力が強すぎるため像担持体へ転移できないため、1500G以下とした。
f:現像剤担持体
現像剤担持体としては、磁界発生手段を内包した剛体の基層の上に弾性層を設けた弾性現像スリーブ等を用いることができる。
g:弾性現像スリーブ基層
導電性現像スリーブとしての基層としては、非磁性材料を用いることが好ましく、材料としては、アルミ、SUS等の金属、金属酸化物等が挙げられるがこれらに限定するものではない。
h:弾性層
弾性層としては、絶縁性弾性層上を形成し、その表面に導電体を形成したもの、導電性弾性層を形成したもの、少なくとも2種類以上の抵抗の異なる導電性弾性を形成したもの等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
i:弾性層硬度
弾性層のマイクロ硬度としては、40〜98が好ましい。
本発明のマイクロ硬度計によって測定される表面硬度の測定は、マイクロ硬度計(アスカーMD−1F360A:高分子株式会社製)を用いて行った。
40以下では、規制部材、像担持体等との摺接により弾性層の表面の削れ、傷つきが著しく現れ画像不良が生じるため、40以上とした。また、98を越えると、像担持体との摺接により像担持体の削れ、傷つきが発生し画像不良を生じるため、98以下とした。
j:導電性弾性層材料
導電性弾性層の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴム、ヒドリンゴムや、IR等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材を用いることができるがこれらに限定されるものではない。
k:導電性弾性層の抵抗
導電性弾性層の抵抗値としては、10〜10Ωcmが好ましい。10Ωcm以下では、リークの発生あるいは表面電位の低下を生じ非印字部にトナーが転移する画像不良(カブリ)が発生する。また10Ωcm以上では現像バイアスの実効バイアス値が小さくなり濃度低下やカブリが発生する。
測定方法は、スリーブ基層上に導電性弾性層を形成した状態で、スリーブ基層の両端に各荷重300g重を加え、像担持体と同じ径を有するアルミの素管を当接させた後、アルミ素管を回転させ、弾性スリーブを従動で回転し、芯金とアルミ素管間に−400Vを印加し、導電性弾性層を流れる電流としてアルミ素管に流れる電流を測定する。
スリーブ基層に印加する電圧とアルミ素管を流れる電流から導電性弾性層の抵抗値を求める。
l:弾性現像スリーブの導電弾性層
導電性現像スリーブとしての導電性弾性層の厚みは50〜2000μm以下であることが望ましい。50μm以下では像担持体と押圧し接触する際に像担持体表面の削れ、傷つき等が生じ、画像不良が発生するため、50μm以上とし、2000μm以上では、内包する固定の磁界発生装置からの像担持体表面に及ぼす磁力が弱まり良好な画像を形成するのに十分な現像剤の供給性を満足することが出来ないため、2000μm以下とした。
(4−3−2)非磁性接触現像方式
以下では非磁性接触現像方式について述べる。
a:非磁性現像用現像剤
現像剤としては、絶縁性トナーを主体としてなっており、好ましくはシリカ微粉末が若干外添されている。シリカ微粉末は、画像濃度を増大させ且つガサツキの少ない画像を得られるように、トナーの摩擦帯電電荷を制御する目的等から外添される。例えば気相法シリカ(乾式シリカ)及び/又は湿式製法シリカ(湿式シリカ)をトナーに外添することが知られている。さらに、外添剤としては、導電性酸化物、金属、樹脂等の微粒子を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、現像剤の母体としては、スチレン−アクリルやポリエステル、またはこれら樹脂の複合樹脂が用いることできるがこれらに限定されるものではない。
b:規制部材
規制部材としては、弾性体と用いることができる。弾性体としては、SUS、リン青銅のような金属、ウレタン等の樹脂等が用いられるが、これらに限定されるものではない。さらにSUSやリン青銅のような金属製の規制部材を用いることで、現像剤への電荷付与性の向上、および、樹脂系と比較して温度や湿度に対して抵抗、体積膨張の変化が小さいため安定的な電荷付与性を有するため、金属製の規制部材を用いることがより好ましい。
形状としては、弾性の金属、弾性ゴムの板からなるもの、板の先端に曲げの入ったもの、表面を樹脂でコートしたもの、表面が特定の形状で形成されたもの等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。
更に、この規制部材と現像剤担持体の基層部分が電気的に同電位あるいは所定の電位差を設けることができる。これは、現像剤への電荷の受け渡しがスムーズで効率良く行われるためであり、より均一な厚みと電荷を付与した現像剤を現像剤担持体上にコートすることが可能となる。
現像剤担持体と規制部材との線荷重は50〜150N/mであることが好ましい。50N/m以下では、十分な規制と電荷付与が出来ないためであり、150N/m以上では像担持体の著しい削れを生じ、現像剤の著しい劣化も生じるため50〜150N/mとした。
c:現像剤搬送手段
現像剤を現像剤担持体へ搬送する手段として重力、物理的な力、電気力、磁気力、あるいは、これらのうち少なくとも2つ以上の組合せによる方法を用いることができる。
物理的な力としては、パドル、攪拌等を用いることができる。
電気力としては、スポンジ状のローラを現像ローラの回転とカウンター回転となるように設置し、擦れることで現像剤に電気量を付与させ現像ローラに現像剤を供給する方法等を用いることができる。
d:現像剤担持体
現像剤担持体としては、芯金に弾性層を有する回転現像ローラを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
e:弾性層
弾性層としては、絶縁性弾性層上を形成し、その表面に導電体を形成したもの、導電性弾性層を形成したもの、少なくとも2種類以上の抵抗の異なる導電性弾性層を形成したもの等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、弾性層の厚みとしては1.0〜5.0mmが好ましい。
f:弾性層硬度
弾性層の硬度としては、ASKER C(500g荷重)で30〜98が好ましい。30以下では、規制部材、像担持体等との摺接により表面の削れ、へこみが著しく現れ画像不良が生じるため、30以上とした。また、98以上では、像担持体との摺接により像担持体表面の削れ、傷つきが発生し画像不良を生じるため、98以下とした。
g:導電性弾性層材料
導電性弾性層の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴム、ヒドリンゴムや、IR等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材を用いることができるがこれらに限定されるものではない。
h:導電性弾性層の抵抗
導電性弾性層の抵抗値としては、10〜10Ωcmが好ましい。10Ωcm以下では、リークの発生あるいは表面電位の低下を生じ非印字部にトナーが転移する画像不良(カブリ)が発生する。また10Ωcm以上では現像バイアスの実効バイアス値が小さくなり濃度低下やカブリが発生する。
測定方法は、芯金に導電性弾性層を形成した状態で、芯金の両端に各荷重300g重を加え像担持体と同じ径を有するアルミの素管の両端に当接させた後、アルミ素管を回転させ、弾性ローラを従動で回転し、芯金とアルミ素管間に−400Vを印加し、導電性弾性層を流れる電流としてアルミ素管に流れる電流を測定する。
芯金に印加する電圧とアルミ素管を流れる電流から導電性弾性層の抵抗値を求める。
(5)実施形態1(ドラムクリーナ−有り)
図lは本発明に従う画像記録装置の概略構成図であり、特に像担持体ドラム表面上の転写残りトナーをクリーニングする手段(ドラムクリーナ)を有するものである。この画像記録装置は、接触転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタである。
1は像担持体であり、本例ではφ24mmの回転ドラム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の時計方向に周速85mm/sec(=プロセススピードPS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
2は感光ドラム1の帯電手段としての帯電ローラである。この帯電ローラ2は導電性の弾性ローラであり、感光ドラム1に所定の押圧力で圧接させてある。本例ではこの帯電ローラ2は感光ドラム1の回転に従動して回転する。
S1は帯電ローラ2に帯電バイアスを印加する帯電電源である。本例ではこの帯電電源S1から帯電ローラ2との間の接触部に放電開始電圧以上の直流電圧を印加する。具体的には帯電バイアスとして−1300Vの直流電圧を印加して、感光ドラム1面を帯電電位(暗部電位)−700Vに一様に接触帯電させている。
3はレーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービームスキャナ(露光装置)である。このレーザービームスキャナ3は目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザー光を出力し、該レーザ光で上記回転感光ドラム1の一様帯電面を走査露光Lする。感光ドラム1の一様帯電処理面をレーザー光で全面露光した場合、感光ドラム面の電位が−150Vになるようにレーザーパワーは調整されている。
この走査露光Lにより回転感光ドラム1の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
400は現像装置(現像器)である。トナー410(以下、tと記す)は一定の摩擦帯電を帯び、現像剤担持体(現像剤担持体)440上にコートされ、感光ドラム1と現像剤担持体440は一定の加圧量をもって押圧して当接し、現像バイアス印加電源S2により現像剤担持体440と感光ドラム1との間に印加された現像バイアスにより現像領域aにおいて感光ドラム1上の静電潜像を反転現像することにより顕像化を行う。
5は接触転写手投としての中抵抗の転写ローラであり、感光ドラム1に所定に圧接させて転写ニップ部bを形成させてある。この転写ニップ部bに不図示の給紙部から所定のタイミングで被記録体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ5に転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光ドラム1側のトナー像が転写ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
本例で使用の転写ローラ5は、芯金5bに中抵抗発泡層5aを形成した、ローラ抵抗値5×10Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金5bに印加して転写を行なった。転写ニップ部bに導入された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側に回転感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
6は熱定着方式等の定着装置である。転写ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1の面から分離されてこの定着装置6に導入され、トナー画像の定着を受けて画像形成物(プリントコピー)として装置外へ排出される。
7は感光ドラムクリーニング装置(ドラムクリーナ)であり、感光ドラム1上に残留した転写残りトナーをクリーニングブレード7aで掻き落として廃トナー容器7bに回収する。
そして、感光ドラム1は再度帯電装置2により帯電され、繰り返して画像形成に用いられる。
9は、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置400、ドラムクリーナ7を一体に包含させて形成したプロセスカートリッジであり、画像形成装置から取り外し可能となるように構成し、画像形成装置に装着後、画像形成を行った。
=接触現像+弱AC+磁性トナー+弾性現像スリーブ=
図2は、本発明を磁性一成分接触現像に適用したもので、上記実施形態1(ドラムクリーナ7−有り)に従う画像形成装置である。
本実施例の現像装置400について、以下に詳述する。本実施例の現像装置400において、440は現像剤担持体としての回転弾性現像スリーブである。この現像スリーブ440内には固定磁界発生手段としての固定されたマグネットロール442cを内包させてある。現像スリーブ440は、図2・図3のように、基層としてのアルミシリンダー(剛体スリーブ)442bと、このアルミシリンダーの外周面上に形成した非磁性の弾性層442aとから構成され、感光ドラム1に対し一定の加圧量(引抜き圧200N/m)をもって当接されている。この弾性現像スリーブ440は、弾性層材料を混練し、押出し成形して弾性層を作製し、これを厚さ500μmでアルミシリンダー上に接着後研摩して作製した。弾性層442aをアルミシリンダー442b上に形成した状態で抵抗は2.0×10Ω・cmであるように調整された。
表面粗さの測定器には小坂研究所(株)製、サーフコーダSE3400に接触検出ユニットPU−DJ2Sを用い、測定条件は測定長2.5mm、垂直方向倍率2000倍、水平方向倍率100倍、カットオフ0.8mm、フィルタ設定2CR、レベリング設定をフロントデータで行った。
トナーt:現像剤410である一成分磁性トナーtは、結着樹脂、磁性体粒子、電荷制御剤を混合し混練、粉砕、分級の各行程を経て作製し、さらに、流動化剤などを外添剤として添加して作製されたものである。磁性体粒子は結着樹脂と同重量部となるように処方し磁力による充分な搬送が可能な磁性粒子を作製した。
本実施例において磁性トナーtの磁化量σは30Am/kgであった。磁性トナーの磁化量の測定は振動磁力計VSM−3S−15(東英工業製)により1Kエレステッド磁場下で行った。トナーの平均粒径(D4)は8μmであった。
トナーtは、マグネットロール442cによる磁気力を受けながら弾性層442aを備えた回転弾性現像スリーブ440上を搬送される過程において、規制ブレード420で層厚規制及び電荷付与を受ける。430は現像容器450内のトナーの循環を行い順次スリーブ周辺の磁力到達範囲内にトナーを搬送する攪拌部材である。
規制部材であるブレード420はリン青銅を用い、弾性現像スリーブ440とブレード間420の圧力は引抜き圧で55N/mであり、ブレード自由長は0.5mmとした。
ブレード自由長とはブレードとスリーブの接触点を支点としたときの自由端の長さを意味する。
固定のマグネットロール442cは現像スリーブ440上の各場所における磁力を発生するための磁界(磁場)発生手段としての固定磁石である。現像部、搬送部、供給部、捕集部の各場所にピーク密度の絶対値で700Gの磁束密度を発生する。具体的には、現像部から回転方向下流方向に、現像部→捕集部→供給部→搬送部→現像部の順に磁極のピーク密度を発生する。現像部に至ったトナーは、現像部で現像されるが、現像部で消費されないトナーは、現像部の下流側に位置する捕集部により、現像容器内に回収される。また、捕集部においては、現像器内のトナーの吹出し防止の効果も有している。
そのようにして、捕集部に至ったトナーは捕集部の下流、現像容器内に位置する供給部に搬送される。供給部において、現像容器内のトナーを引き付け捕集部に至ったトナーを供給されたトナーを混合しながら、トナーを担持し、供給部の下流に位置する搬送部へ搬送され、再度、現像部へ至り連続的な供給を実現する。
弾性層442aを備えた弾性現像スリーブ440にコートされたトナーtは現像スリーブ440の回転により、感光ドラム1と現像スリーブ440の対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。また現像スリーブ440の基層(剛体スリーブ)としてのアルミシリンダー442bには現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧が印加される。さらに、現像スリーブ440と規制ブレード420は導通させた。弾性現像スリーブ440は感光ドラム1に対し1.2倍の周速度で駆動される。
本実施例において、現像バイアス電圧はDC電圧値−400V、AC電圧は矩形波でピーク・ツウ・ピーク(Vpp)は300V、周波数1.2kHzとし、これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーtにより反転現像される。ここで、現像バイアスの絶対値の最大値は550V(DC値の絶対値400V+AC値のピーク・ツウ・ピークの半分の値150V)であり、感光ドラムの暗電位の絶対値700V以下に設定した。
a:カブリ量と現像バイアスの関係
まず、はじめに現像バイアスとカブリ量の関係を調べた。
カブリの評価:カブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずかに現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。
ベタ白画像を印字中に、画像記録装置を停止する。そして、現像の後の感光ドラム上において、表面に付着したトナーを反射率として測定することにより、トナーのカブリ量の評価を行うことが可能となる。
実際のカブリ量は光学反射率測定機(東京電飾製TC−6DS)によりグリーンフィルタによる光学反射率を測定して評価した。
具体的には感光ドラム上のトナーを一旦透明性のテープに転写し、トナーが付着したテープと未使用の前述の透明のテープを記録紙などに貼り付けテープの上からカブリ量を測定しその差をドラム上のカブリ量とした。
この評価方法を用いて現像バイアスの設定変化に対するドラム上のカブリ量の変化を求めた。
i)現像バイアスのDC値を−400Vで固定し、AC電圧のピーク・ツウ・ピークを変化させたときのカブリ量を測定
ii)現像バイアスのDC値を−500Vで固定し、AC電圧のピーク・ツウ・ピークを変化させたときのカブリ量を測定
iii)AC電圧のピーク・ツウ・ピークを300Vに固定し、現像バイアスのDC値を変化させたときのカブリ量を測定
以上のi)〜iii)の条件下でのカブリ量の変化を測定し、図4(a)に図示した。
図4(a)の横軸は、現像バイアスの最大値の絶対値から暗電位の絶対値の差(|V|max−|Vd|[V])であり、縦軸はそのときのドラム上のカブリ量とした。図4の横軸が正の値のときは|V|maxが|Vd|を越えている領域(|V|max>|Vd|)であり、負の値のときは|V|maxが|Vd|より小さい領域(|V|max<|Vd|)であり、零のとき、|V|maxと|Vd|が等しい(|V|max=|Vd|)ことを表わす。
図4(a)から分かるように|V|maxが|Vd|を越えると著しくドラム上のカブリ量が増加することが明らかになった。
この原因を以下に考察した。本画像形成装置はトナーの極性がネガとなるように設定しているため、トナーの受ける電気的な力は常により正の方向に受けその方向へ転移されやすい。従って、印字領域では、現像バイアスのDC値より大きい値となるように感光ドラム表面電位を設定し、非印字領域では、現像バイアスのDC値より小さい値となるように設定している。本実施例の設定においても、非画像領域の電位Vdが−700V、現像バイアスのDC値Vdcを−400Vとなるように設定し良好な画像を得られるようにしている。
図5は、非印字領域におけるドラム表面電位Vd、接地(GRAND)レベルを図示するとともに、現像バイアスのAC値のピーク・ツウ・ピーク値Vpp大きく|V|maxが|Vd|を越える場合(a)と、Vppが小さく|V|maxが|Vd|を越えない場合(b)を図示した。
図5の(a)の|V|maxが|Vd|を越える場合、一時的に現像バイアスがVdより小さい値を取りうることから非印字領域であるにもかかわらずトナーが転移することになる。
一方、図5の(b)の|V|maxが|Vd|を越えない場合は、常に現像バイアスがVdより大きい値をとるため非印字領域にトナーが転移しないと考えられる。このため、図4(a)のように、|V|max>|Vd|の領域では著しくカブリ量が増加したと考えられる。
このことから現像バイアスの絶対値|V|maxが|Vd|を越えない設定とすることがカブリ量の抑制のためには著しく有効な方法であることが明らかとなった。つまり、本構成がカブリ量の抑制に著しく効果がある。
次に、図4(b)には、横軸に、現像バイアスの最大値の絶対値から暗電位の絶対値の90%の差(|V|max−0.9×|Vd|[V])にとり、カブリ量の変化を図示した。ここから分かるように横軸の0V付近でカブリ量が著しく減少していることがわかる。このように、バイアスを|V|max≦0.9×|Vd|とすることでカブリ量を著しく低減する効果が得られる。さらに、このような範囲に設定することで環境変動、帯電ローラの劣化、感光ドラムの劣化により帯電性が低下し、|Vd|が低下してもカブリ量を著しく低減する効果が得られることが分かった。
以上より、本発明において、バイアスを|V|max≦0.9×|Vd|とすると帯電性の変動にかかわらず安定してカブリ量を低減する効果を有する。
b:感光ドラム1と弾性現像スリーブ440の当接条件の関係
感光ドラム1と弾性現像スリーブ440の当接条件の違いを調べるために、トナー層のみが感光ドラム1に軽く接触するように設定し、本実施例と比較した。具体的には、感光ドラム1と弾性現像スリーブ440の間隔を80μm設けて対向させ、弾性現像スリーブ440上のトナーが規制部材420により規制されることにより、層厚が80μmとなるように設定した。
c;細線の横線と縦線の均一性
画像評価は縦、横の1ドットラインの連続性で行った。各条件のプリンタにおいて600dpiレーザースキャナを使用し画像記録を行った。プロセス進行方向に平行な1ドットのラインと、レーザー走査系の主走査方向と平行な1ドットライン各々について行った。それぞれ、2cm長のヘアラインを、各例の装置において出力し、それぞれのラインについて、無作為に100ポイント抽出し、それぞれのポイントでラインを中心とする200μm四方を光学顕微鏡で観察し、ラインの濃度の半値巾を持って、ライン巾とし、それぞれの方向についてライン巾の標準偏差を計算する。そして、プロセス方向のライン標準偏差をσv、レーザー走査方向標準偏差σhとして、両者の比を計算して、ライン標準偏差比σv/σhを得る。この値を用いて以下の基準で評価を行った。
押圧し接触した場合は1.05、トナー層のみ軽く接触した場合は1.34であり、軽く接触した場合、細線の横線と縦線の均一性が低下することがわかった。
この理由として考える。トナー層のみ接触する場合、現像領域においてトナーの穂立ちが発生する。この穂立ちを形成したまま、トナーがドラム上へ転移するため尾引きが発生し、縦方向と横方向のライン幅の均一性が悪化したと考えられる。
以上のことから、本発明において、感光ドラム1と弾性現像スリーブ440が押圧し接触することで縦方向と横方向のライン幅を均一にする効果を有するといえる。
d:多枚数時の印字時の当接変動性
印字率5%の横線の画像を3000枚連続印字後に中間調画像中の濃度差を評価した。各条件のプリンタにおいて600dpiレーザースキャナを使用し画像記録を行った。
本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後2ラインを非記録する縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
中間調の濃度を反射濃度計(Macbeth SERIERS1200 ColorChecker)を用いて、50点測定し、濃度の最大値と最小値の差を求めた。
押圧し接触している場合は、0.11で均一な中間調画像であったのに対して、トナー層のみが軽く接触している場合は、0.42と濃度差の大きく、濃度ムラによる画像不良が生じた。また、高温高湿環境下、低温低湿環境下においてさらに濃度ムラが悪化した。
この理由について以下で考える。感光ドラムと弾性スリーブ間の間隔が80μmと非常に小さく、このギャップを印字枚数が増加した際にも安定して保持することが困難であるため、多枚数時にギャップが変化し、濃度ムラを生じたと考えられる。また、安定してトナー層が80μmを保つことも困難であり、トナー層変動による濃度ムラも考えられる。また、高温高湿環境下、低温低湿環境下においてさらにギャップおよびトナー層厚の変動が大きくなったためにより悪化したと考えられる。
また、現像バイアスにAC電圧を重畳しているため画質向上の効果が得られると考えられるが、トナー層のみ軽く接触している場合、現像スリーブと感光ドラムの距離が大きくなるため、AC電圧を重畳したことによる画像向上の効果が小さいため濃度ムラがより大きくなったと考えられる。
以上のことから、本発明において、感光ドラム1と弾性現像スリーブ440が押圧し接触することで当接条件を安定化(多枚数時のギャップ変動、環境変動によるギャップ変動)し、トナー層が変化しても画質が良好であり、AC電圧の重畳することによる画質向上の効果を有するといえる。
=接触現像+弱AC+非磁性トナー+弾性現像ローラ=
本実施例(図6)は、本発明を非磁性一成分接触現像に適用した実施形態1(ドラムクリーナ7−有り)に従う画像形成装置である。
本実施例の現像装置について、以下に詳述する。図6には、本実施例で用いた現像装置構成を示した。440は現像剤担持体としての回転弾性ローラ(以下、現像ローラと記す)である。
この現像ローラ440は芯金446b上に導電性弾性層446aを形成し、感光ドラム1に対し一定の加圧量(引抜き圧で80N/m)をもって当接されている。この現像ローラ440は、導電性弾性層446aの材料を混練し、押出し成形後、芯金446b上に形成して作製した。弾性ローラ440のゴム硬度は、ASKER C(500g荷重)で50度、マイクロ硬度は40度であり、抵抗は2.0×10Ω・cmであるように調整された。
460は現像剤供給ローラで、芯金466a上にスポンジ466bを形成することで、現像容器450内のトナーtの凝集防止と、搬送供給の役割を果たしている。現像剤搬送ローラ460は、現像ローラ440に対して一定の加圧量をもって当接され、現像ローラ440と逆回転(カウンター回転)となるように設置することで、現像剤剥ぎ取りローラとしての役割も果たす。
トナーt:現像剤である一成分非磁性トナーtは、結着樹脂、電荷制御剤を混合し混練、粉砕、分級の各行程を経て作製し、さらに、流動化剤などを外添剤として添加して作製されたものである。トナーの平均粒径(D4)は8μmであった。
トナーtは、スポンジ状の現像剤供給ローラ460に付着し搬送され、現像ローラ440との接触領域において摺接することで現像ローラ440上へ搬送される。現像ローラ440上を搬送される過程において、規制ブレード420で層厚規制及び電荷付与を受ける。430は現像容器450内のトナーの循環を行い順次現像剤供給ローラ周辺にトナーを搬送する攪拌部材である。
規制部材であるブレード420はリン青銅を用い現像ローラ440とブレード420間の圧力は引抜き圧で80N/mであり、ブレード自由長は2.0mmとした。
回転現像ローラ440にコートされたトナーtは現像ローラの回転により、感光ドラム1と現像ローラ440の対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。また現像ローラ440の芯金446bには現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧が印加される。
さらに、現像ローラ440と規制ブレード420は導通させた。弾性現像ローラ440は感光ドラム1に対し1.4倍の周速度で駆動される。
本例において、現像バイアス電圧はDC電圧値−400V、AC電圧は矩形はでピーク・ツウ・ピークは300V、周波数1.2kHzとし、これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーtにより反転現像される。ここで、現像バイアスの絶対値の最大値は550V(DC値の絶対値400V+AC値のピーク・ツウ・ピークの半分の値150V)であり、感光ドラムの暗電位の絶対値700V以下に設定した。
a:現像バイアスとカブリ量の関係
実施例1と同様に現像バイアスの絶対値の最大値と暗電位によるカブリ量の推移を調べた結果、実施例1と同様、現像バイアスの絶対値の最大値が暗電位を超えると著しく感光ドラム上のカブリ量が増加することが分かった。このことから、現像バイアスの絶対値の最大値が暗電位の絶対値以下とすることによりカブリ量を著しく抑える効果があることが明らかとなった。
以下の比較例において、磁性トナーは実施例1と同じ、非磁性トナーについては実施例2と同じものを用いた。
b:感光ドラムと現像ローラの当接条件の関係
感光ドラム1と現像ローラ440の当接条件の違いを調べるために、本実施例の当接条件と比較するため、トナー層のみが感光ドラムに軽く接触するように設定した。具体的には、感光ドラム1と弾性現像ローラ440の間隔を80μm設けて対向させ、弾性現像ローラ440上のトナーが規制部材420により規制されることにより、層厚が80μmとなるように設定した。
c:多枚数時の印字時の当接変動性
実施例1と同様、3000枚印字印字後の中間調画像において、押圧し接触している場合は、均一な中間調画像で良好な画像であったのに対して、トナー層のみが軽く接触している場合は濃度ムラによる画像不良が生じた。また、高温高湿環境下、低温低湿環境下においてさらに濃度ムラが悪化した。
以上のことから、本発明において、感光ドラム1と弾性現像ローラ440が押圧し接触することで当接条件を安定化(多枚数時のギャップ変動、環境変動によるギャップ変動)し、トナー層が変化しても画質が良好であり、AC電圧の重畳することによる画質向上の効果を有するといえる。
[比較例1]
=AC印加、ピーク・ツウ・ピーク大(磁性トナー)=
本比較例は、実施例1(図2)において、現像バイアス電圧のAC電圧のピーク・ツウ・ピークの値を800Vとし(実施例1の弱AC→AC印加に変更)、それ以外変更点はない。
ここで、現像バイアスの絶対値の最大値は800Vであり、感光ドラムの暗電位の絶対値700V以上に設定した。
[比較例2]
=AC印加、ピーク・ツウ・ピーク大(非磁性トナー)=
本比較例は、実施例2(図6)において、現像バイアス電圧のAC電圧のピーク・ツウ・ピークの値を800Vとし(実施例2の弱AC→AC印加に変更)、それ以外変更点はない。
ここで、現像バイアスの絶対値の最大値は800Vであり、感光ドラムの暗電位の絶対値700V以上に設定した。
[比較例3]
=非磁性トナー+接触現像+DC電圧印加=
本比較例は、実施例2(図6)において、現像バイアス電圧をDC電圧値−400Vとし、それ以外変更点はない。
(6)比較形態1
図7は以下の比較例4〜7で用いた画像記録装置の概略構成図であり、感光ドラム表面上の転写残りトナーをクリーニングする手段(ドラムクリーナ)7を有するものである。この画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタである。前述の実施形態1の画像記録装置(図1)と同様な点については繰返しの説明を省略し、異なる点について述べる。本比較形態1において異なる点は、感光ドラム1と現像装置400の現像剤担持体440がある一定の間隔αを介して対向している非接触現像システムを用いていることである。それ以外違いはない。
[比較例4]
=ジャンピング現像=
本比較例4(図8)は、比較形態1(ドラムクリーナ7−有り)に従う画像形成装置である。現像装置400は磁性一成分非接触現像装置(ジャンピング現像装置)である。440は現像剤担持体としての回転現像スリーブである。この現像スリーブはアルミシリンダー442bをサンドブラスト等により粗した表面を形成して構成され、感光ドラム1に対して200μmの間隔αを介して対向している。442bは該現像スリーブに内包させた固定の磁界発生手段としてのマグネットロールであり、実施例1と同じものを用いた。
トナーtは、マグネットロール442cによる磁気力を受けながら回転現像スリーブ440上を搬送される過程において、規制ブレード420で層厚規制及び電荷付与を受ける。430は現像容器450内のトナーの循環を行い順次スリーブ周辺の磁力到達範囲内にトナーを搬送する攪拌部材である。
回転現像スリーブ440にコートされたトナーtはスリーブ440の回転により、感光ドラム1とスリーブ440の対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。またスリーブ440には現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧が印加される。
本例において、現像バイアス電圧はDC電圧値−400V、AC電圧は矩形はでピーク・ツウ・ピークは2.0kV、周波数2.0kHzとし、これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーtにより反転現像される。ここで、現像バイアスの絶対値の最大値は1.4kVであり、感光ドラムの暗電位の絶対値700V以上に設定した。
トナーtは一成分磁性トナーであり、実施例1と同じものを用いた。
[比較例5]
=ジャンピング現像+弱AC=
本比較例5は、比較例4(図8)において、現像バイアス電圧がDC電圧値−400V、AC電圧は矩形波でピーク・ツウ・ピークは300V、周波数1.2kHz(現像バイアスの絶対値の最大値は550Vであり、感光ドラムの暗電位の絶対値700V以下に設定)であること以外、変更点はない。
[比較例6]
=非磁性トナー+非接触現像+AC印加=
本比較例(図9)は、比較形態1(ドラムクリーナ7−有り)に従う画像形成装置である。現像装置400は非磁性一成分非接触現像装置である。440は現像剤担持体としての現像ローラ(回転弾性ローラ)である。この現像ローラ440は芯金449b上に導電性弾性層449aを形成したものである。感光ドラム1と現像ローラ440が200μmの間隔αを介して対向している。現像ローラ440の製造方法は、導電性弾性層449aの材料を混練し、押出し成形後、導電性弾性層449aを芯金449b上に形成して作製した。現像ローラの抵抗は2.0×10Ωcmであるように調整された。
460は、現像剤供給ローラで、芯金466a上にスポンジ466bを形成することで、現像容器450内のトナーtの凝集防止と、搬送供給の役割を果たしている。現像剤供給ローラ460は、現像ローラ440に対して一定の加圧量をもって当接され、現像ローラ440と逆回転(カウンター回転)となるように設置することで、現像剤剥ぎ取りローラとしての役割も果たす。
トナーtは、スポンジ状の現像剤搬送ローラ460に付着し搬送され、現像ローラ440との接触領域において摺接することで現像ローラ440上へ搬送される。そして現像ローラ440上を搬送される過程において、規制ブレード420で層厚規制及び電荷付与を受ける。430は現像容器450内のトナーの循環を行い順次現像剤供給ローラ周辺にトナーを搬送する攪拌部材である。
回転現像ローラ440にコートされたトナーtは該現像ローラの回転により、感光ドラム1と現像ローラ440の対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。また現像ローラの導電性弾性層449aには芯金449bを介して現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧が印加される。
本例において、現像バイアス電圧はDC電圧値−400V、AC電圧は矩形はでピーク・ツウ・ピークを2.0kV、周波数2.0kHzとし、これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーtにより反転現像される。ここで、現像バイアスの絶対値の最大値は1400V(DC値の絶対値400V+AC電圧値のピーク・ツウ・ピークの半分の値1000V)であり、感光ドラムの暗電位の絶対値700V以上に設定した。
トナーは、一成分非磁性トナーで、実施例2(図6)と同じものを用いた。
[比較例7]
=弾性現像スリーブ+近接(非接触)+AC印加=
本比較例(図10)は、比較形態1(ドラムクリーナ7−有り)に従う画像形成装置である。本比較例に類似の構成としては、特開平7−28335号公報に開示されている画像形成装置がある。
現像装置400は磁性一成分非接触現像装置である。440は現像剤担持体としての回転弾性現像スリーブである。この現像スリーブ440には固定磁界発生手段としての固定されたマグネットロール442cを内包させてある。現像スリーブ440は剛体スリーブとしてのアルミシリンダー442bと、このアルミシリンダーの外周面上に形成した非磁性の弾性層442aとから構成される。感光ドラム1と現像スリーブ440は100μmの間隔αを介して対向している。この弾性現像スリーブ440は、弾性層材料を混練し、押出し成形して弾性層を作製し、これを厚さ500μmでアルミシリンダー上に接着後研摩して作製した。
トナーtは、マグネットロール442cによる磁気力を受けながら弾性層442aを備えた回転弾性現像スリーブ440上を搬送される過程において、規制ブレード420で層厚規制及び電荷付与を受ける。430は現像容器450内のトナーの循環を行い順次スリーブ周辺の磁力到達範囲内にトナーを搬送する攪拌部材である。マグネットロール442cは実施例1(図2)と同じである。
弾性層442aを備えた弾性現像スリーブ440にコートされたトナーtはスリーブ440の回転により、感光ドラム1と現像スリーブ440の対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。また現像スリーブ440には現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧が印加される。さらに、現像スリーブ440と規制ブレード420は導通させた。
本例において、現像バイアス電圧はDC電圧値−400V、AC電圧は矩形波でピーク・ツウ・ピークは1.0kV、周波数1.2kHzとし、これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーtにより反転現像される。ここで、現像バイアスの絶対値の最大値は900V(DC値の絶対値400V+AC値のピーク・ツウ・ピークの半分の値500V)であり、感光ドラムの暗電位の絶対値700V以上に設定した。
トナーtは一成分磁性トナーで、実施例1と同じものを用いた。
(7)各実施例及び比較例の評価方法
各実施例1,2および比較例1〜7のクリーニング手段を有する構成についての画像の評価を以下の評価方法で行った。
評価方法a)
a−1)現像剤担持体弾性層表面の形状による画像不良評価
画像評価は中間調画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。
本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後2ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
中間調の濃度を反射濃度計(Macbeth SERIERS1200 ColorChecker)を用いて、50点測定し、濃度の最大値と最小値の差を求めた。さらに、直径が0.5mm以上の濃度ムラの斑点の数を測定し、以下の2つのランクとした。
×:濃度差が0.4以上、または、径が0.5mm以上の濃度ムラの斑点が30個以上
○:濃度差が0.4未満、または、径が0.5mm以上の濃度ムラの斑点が30個未満
a−2)現像剤担持体弾性層表面の形状による画像不良要因
現像剤担持体弾性層表面形状による画像不良の要因について図11を用いて述べる。図11の上段は現像バイアスがDC電圧印加の模式図、下段に現像バイアスがDC電圧にAC電圧を重畳した模式図を示している。また、図11(a)は現像剤担持体440の表面が凹んでいる場合の感光ドラム1上へのトナー転移の模式図、図11(b)、(c)は現像剤担持体表面が出っ張ている場合の感光ドラム上へのトナー転移の模式図を示している。図11(a)の上段のように現像剤担持体表面が凹んでいる場合、まわりと比べその部分は濃くなる。また、図11(b)、(c)の上段のように現像剤担持体が出っ張っている場合、濃度が濃くなる場合と薄くなる場合がある。
以上より、現像バイアスがDC電圧のみを印加した場合(図11上段)、中間調画像(均一な潜像)中に弾性層表面の凹凸の形状を反映した濃度変化のある画像を得、画像不良となる。
これを防止するには、均一な表面を形成した弾性層を作製すればトナー層は均一となり画像不良を生じないが、均一な表面の作製は非常に難しく、また印字枚数が増えると弾性層の削れや劣化のために表面形状が変化するため、安定して凹凸のない表面を形成することは困難と考えられる。
一方、図11の下段はどの場合においても現像バイアスがDC電圧にAC電圧を重畳した場合、感光ドラム1上で均一にトナー層を形成させることができることが分かる。
本発明においては、図11の下段のように、現像バイアスとしてDC電圧にAC電圧を重畳することにより、弾性層表面の形状を反映した状態でトナーがドラム上に転移した後、AC電圧印加の効果である感光ドラム上でトナー層のムラが生じた部分にトナーを補助的に転移させることによりに均一で良好な中間調画像を得ることができる。
さらに、印字枚数を重ねると規制ブレードと現像ローラの当接条件が変化した結果、当接条件が変化した領域が他の領域と比較して、トナー層の厚みや電荷量が変化し感光ドラムへ転移するトナー量にムラが生じ、中間調画像中に濃度ムラが生じる。この画像を光学顕微鏡で観察した結果、広い領域で濃度が濃くなる部分はトナーが局所的凝集している部分が存在し均一に分散していないため、濃度が濃く見えていることが分かった。
この状態で現像バイアスとしてDC電圧にAC電圧を印加すると図11(a)、(b)の下段のように均一となり、広範な濃度ムラも局所的なトナームラを均すことで均一となり良好な中間調画像が得られる。
評価方法b)
b−1)画像エッジ不良
画像エッジ不良とは、大きな濃度を持った画像においてその2つの濃度差の境界が薄くなる画像不良である。
画像評価は中間調画像中に25mm四方のベタ黒画像を印字して行った。本評価において中間調画像とは主走査方向に対しての1ドットを記録し、その後4ドットを非記録し、死主走査方向に垂直な方向に対して1ドットを記録し、その後4ドットを非記録し斑点模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。得られた画像の中間調とベタ黒のエッジ部分において、エッジ部分の中間調側を、光学顕微鏡を用いて凝集したトナーの1ドット内のトナーの個数を測定し、さらに、エッジ部から十分離れた位置での中間調画像部について同様に1ドット内のトナー数を測定した。1ドット内のトナー数の測定においてドットは各領域において、ランダムに15個ずつ抽出し、トナー数の平均値をもとめ、1ドット内のトナー個数とした。
×:エッジでの測定数がエッジ部から十分離れた位置での測定数の60%以下である
○:エッジでの測定数がエッジ部から十分離れた位置での測定数の60%以上である
評価は初期100枚時に行った。
b−2)画像エッジ不良要因
画像エッジ不良要因について図12を用いて考察する。AC電圧のピーク・ツウ・ピーク値を大きくすると、トナーの飛翔により現像される領域でトナーの行き来が起こる。このとき、図12に示すように、濃度差の大きな印字領域が存在すると、境界線付近でトナーが往復すると、トナーがより濃度の濃い印字領域に引き寄せられ、境界部における濃度の薄い方の領域がより薄くなると考えられる。
評価方法c)
c−1)リークによるベタ黒画像不良(画像欠陥の評価)
画像評価はベタ黒画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。
現像時にリークが生じた場合、白の斑点としてベタ黒画像に現れる。これらの欠陥部位の数を以下の基準で評価した。
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。評価は100枚印字後24時間経過した後ベタ黒画像を3枚出力して行った。画像評価ではこの3枚の中で最も多いページで代表した。
特に本評価方法では以下の4段階のランクで評価した。
××:ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白の斑点が50を超えている
× :ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白の斑点が5〜50存在し、直径0.1
〜0.3mm以下の白の斑点が50を超えている
△ :ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白の斑点が5未満存在し、直径0.1〜
0.3mm以下の白の斑点が5〜50存在している
○ :ベタ黒画像中に直径0.1mm以上の白の斑点が5未満存在する
c−2)リーク発生の要因
図13(a)のように、AC電圧印加時、ベタ黒を現像中に像担持体の表面電位(明電位Vl)と現像バイアス電圧値の最小値(Vmin)の差が最大の電界強度となり、リークL1が発生しやすい状態となる。
リークL1が起こると当該部分の像担持体1の静電潜像が乱された結果、像担持体1上のベタ黒部の電位(明電位Vl)の一部がリークにより暗電位(Vd)に近づくあるいはより小さくなるため、反転現像による像担持体1へのトナーtが転移できず、結果として像担持体1の当該部分ではトナー抜けし白ポチの画像が発生すると考えられる。
リークが発生すると電界強度にかかわらず感光ドラム上にVminの値で帯電された部分ができる。Vminが非常に小さい値であると現像バイアスのDC値Vdcに対するコントラスト(|Vmin−Vdc|)が大きいためにドラム上へのトナーの転移量が著しく減少し画像上非常に目立つ。
評価方法d)
d−1)リークによるベタ白画像不良(画像欠陥の評価)
画像評価はベタ黒画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。
現像時にリークが生じた場合、黒点としてベタ白画像に現れる。これらの欠陥部位の数を以下の基準で評価した。
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。評価は100枚印字後24時間経過した後ベタ白画像を3枚出力して行った。画像評価ではこの3枚の中で最も多いページで代表した。
特に本評価方法では以下の4段階のランクで評価した。
××:ベタ白画像中に直径0.3mm以上の黒点が50を超えている
× :ベタ白画像中に直径0.3mm以上の黒点が5〜50存在し、直径0.1〜
0.3mm以下の黒点が50を超えている
△ :ベタ白画像中に直径0.3mm以上の黒点が5未満存在し、直径0.1〜
0.3mm以下の黒点が5〜50存在している
○ :ベタ白画像中に直径0.1mm以上の黒点が5未満存在する
d−2)リーク発生の要因
図14(b)のように、AC電圧印加時、ベタ白を現像中に像担持体の表面電位(暗電位Vd)と現像バイアス電圧値の最大値(Vmax)の差が最大の電界強度となり、リークL3が発生しやすい状態となる。
リークL3が起こると当該部分の像担持体1の静電潜像が乱された結果、像担持体1上のベタ白部の電位(暗電位Vd)の一部がリークにより明電位(Vl)に近づくあるいは超えるため、反転現像による像担持体1へのトナーtが転移してしまい、結果として像担持体1の当該部分にはトナーが付着し黒ポチの画像が発生すると考えられる。
リークが発生すると電界強度にかかわらず感光ドラム上にVmaxの値で帯電された部分ができる。Vmaxが大きいと現像バイアスのDC値Vdcに対するコントラスト(|Vmax−Vdc|)が大きいためトナーの転移量が増加し画像上非常に目立つ。
評価方法e)
e−1)トナー飛散
トナー飛散は、2000枚の印字テストを行ったときに、カートリッジ外壁や本体内に脱落したトナーを回収してその重量を計測して行った。
×:飛散トナー量が、0.5gを超える
△:飛散トナー量が、0.1〜0.5g
○:飛散トナー量が、0.1g以下
評価は初期100枚時に行った。
e−2)トナー飛散要因
トナーの飛散要因としては、非磁性トナーの磁力による拘束力が働かないために起こりやすくなると考えられる。特に非磁性トナーの場合、トナーの電荷付与性が現像剤担持体上への付着力に大きく関与しているため、電荷付与が不十分であるとき、現像剤担持体上のトナーは磁気拘束力を受けない現像容器外へ飛散してしまう。また、供給ローラと現像ローラの摺接によりトナー劣化が著しく生じるため電荷付与性の低下が起こりやすい。
さらに、非接触現像である場合、トナーの飛翔により感光ドラム上に転移することから、電荷付与性が不十分な場合、さらに飛散の原因となる。
一方、磁性トナーの場合、現像剤担持体への付着力として磁気力が働くため、トナーへ十分な電荷付与ができない場合でも現像剤担持体上に拘束し、再度現像容器内に収容することが可能となり、トナー飛散の防止を行うことができる。
評価方法f)
f−1)トナー残量が減少したときの紙上のカブリ特性評価
印字テストを繰り返すことにより、現像器内のトナーが減少し、画像が徐々に薄くなり、最後には白抜けする。このようにトナー残量が減少したときの紙上のカブリ特性を評価した。
紙上のカブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。
カブリ量は光学反射率測定機(東京電飾製TC−6DS)によりグリーンフィルタによる光学反射率を測定し、記録紙のみの反射率から差し引いてカブリ分の反射率量をもとめカブリ量として評価した。カブリ量は記録紙上を10点以上測定しその平均値を求めた。
×:カブリ量が2%を越える
○:カブリ量が2%未満である
また、前述の他の画像欠陥が生じた場合は、その個所を避けて測定し、カブリを純粋に評価できるよう配慮した。
印字テストにおいて、先のような横線画像の不良が生じたときに、カブリ評価を行うとともに、その後現像器を記録装置から取り外し、手振りするなど中のトナーを現像スリーブあるいは現像ローラに送る動作を行い。再度装置に装着し、カブリ評価を行う。これらの、画像評価で、紙上のカブリの評価を行い、最も悪い(大きな)結果を本評価の紙上のカブリ量として評価した。
f−2)トナー切れによる紙上のカブリ量増加の要因
非磁性トナーの現像ローラへの供給はスポンジ状の供給ローラを現像ローラにカウンター回転になるように当接することで行われる。従って、この現像ローラと供給ローラの摺接により著しくトナーの劣化が発生し電荷付与性の低下が生じる。これにより印字枚数(特に低印字)が増えるとカブリ量が増加する。
さらに、このようなトナーの供給機構では、現像ローラ周辺でほとんどトナーが入れ替わらず循環しない領域ができ、劣化の少ないトナーが存在する。一方、循環しているトナーは一定の劣化が生じている。トナー切れ時にカートリッジを取り外し手振りすると現像容器内でこのような劣化の少ないトナーと一定の劣化が生じたトナーが混合される、すなわち、電荷付与の極性が大きく異なるトナーが混合されるため、カブリ量が著しく増加する。
このカブリ量が増加する理由として、このようなトナーの混合においてトナーに電荷付与を行うと、劣化していないトナーはより電荷付与性が高くなり、劣化したトナーは電荷付与がほとんどできないあるいは正規の極性と逆極性の電荷を付与することになる。この電荷付与ができないあるいは逆極性の電荷を付与したトナーによりカブリ量が著しく増加する。
逆極性のトナーがカブリ量として生じる理由は電場中で受ける力が正規極性のトナーと全く逆方向であり、ドラム表面上の通常非印字領域に積極的に転移するためである。
これに対し磁性トナーの場合、磁力により搬送されるため、著しくトナー劣化が生じずトナー切れ直前でカートリッジの手振りを行っても極性の大きく異なるトナーが混合しないため、トナー切れ直前のカブリ量増加を防止することができる。
実施例1,2及び比較例1〜7に関する画像評価の結果を表1に示す。
(7−1)非磁性トナー接触現像DC現像バイアス印加(比較例3)との比較
まず、はじめに従来技術である非磁性トナー接触現像DC現像バイアス印加(比較例3)と磁性トナー非接触現像AC現像バイアス印加(比較例4)に対して本実施例1,2の優れている点について述べる。
比較例3は現像ローラの表面形状が中間調画像上に濃度ムラとして著しく生じたの対し実施例1,2は現像バイアスとしてDC電圧にAC電圧を重畳しているため濃度ムラは生じず、良好な画質を得た。さらに比較例3では、トナー飛散も若干みられるのに対し、実施例1ではトナー飛散はなかった。これは、磁気的にトナーを拘束しているためであり、トナー飛散の抑制の効果がある。
また、比較例3はトナーを現像ローラへ供給するためのスポンジ状の供給ローラと現像ローラの摺接による圧力のため、印字枚数(特に低印字)が増したとき、著しいトナー劣化を生じカブリ量が増加したのに対し実施例1では磁気的にトナーを搬送するためトナー劣化せず、カブリ量が増加しなかった。つまり、実施例1は印字枚数が増加したときのカブリ量の増加を抑制する効果ある。
さらに、比較例3は印字枚数が増加するとスポンジ状の供給ローラ上にトナー凝集体が生じ中間調画像中に斑点上のムラを生じたに対し、実施例1ではトナーを磁気的に搬送するためトナー凝集による画像不良を生じなかった。
このことから、実施例1においてトナー凝集体による画像不良を抑制する効果があるといえる。
比較例3はトナー切れ時のカブリ量が著しく増加したのに対して実施例1ではカブリ量の著しい増加がなかった。これは、実施例1がトナーを磁気的にスリーブ上に搬送するためトナー劣化を生じにくく、カートリッジを手振りした際にもトナー極性が大きく異なるトナーの混合が少ないためであると考えられる。
以上、本発明は、比較例3である従来技術、非磁性トナー接触現像DC現像バイアス印加の構成に対して現像ローラ表面形状による中間調画像不良を抑制し良好で均一な画像をえ、トナー飛散の抑制、トナー切れ時のカブリ量の増加の抑制の点に関して非常に優れている。
(7−2)磁性トナー非接触現像AC現像バイアス印加(比較例4)との比較
比較例4は画像エッジ不良が著しく悪いのに対し実施例1,2は画像エッジ不良を生じなかった。比較例4の画像エッジ不良が生じる理由としては、現像バイアスして印加しているAC電圧のVppが大きいため現像部でのトナーの往復しやすいためにエッジでトナーがはき寄せられたと考えられる。また、非接触現像であるために更にトナーの往復をしやすくしているためにはき寄せられ画像エッジ不良が生じたと考えられる。
一方、本発明においては、現像バイアスとして印加しているAC電圧のVppが小さいため、トナーの往復が少なくまた接触現像であるため、トナー飛翔領域が狭いためはき寄せが生じにくく、画像エッジ不良を抑制していると考えられる。
また、比較例4は実施例1、2と比較してリークしやすく、リークした場合にリークによる画像不良であるベタ白中の黒ポチおよびベタ黒中の白ポチの径が大きかった。リークが起こりやすい理由としては現像バイアスとして印加しているAC電圧のVppが大きいために発生しやすく、黒ポチあるいは白ポチの径が大きい理由は非接触であるためにリークすると画像不良として黒ポチあるいは白ポチの径が大きくなるためと考えられる。
以上、本発明は比較例4である従来技術、磁性トナー非接触現像AC現像バイアス印加の構成に対して画像エッジ不良の抑制、リークによる画像不良(ベタ白に黒ポチ、ベタ黒に白ポチ)の抑制の点に関して非常に優れている。
(7−3)評価方法aの結果
各評価方法に対して詳細に結果を述べ、各項目において本実施例1,2の優れた点について述べる。
評価方法a)の現像剤担持体表面ムラによる画像不良に関する評価結果では、実施例1、2に比べて、比較例3は著しく悪かった。この原因として、比較例3は現像バイアスにDC値のみを用いているため、現像剤担持体表面のムラをそのまま現像していると考えられる。つまり、AC印加時においてトナー飛翔による現像は現像剤担持体表面ムラに依存しにくく、より静電潜像に忠実かつ良好な画像を得ることができ、画質向上に著しく効果があることが分かった。
一方、比較例5においてACを印加しているにもかかわらず、画像評価できるほど濃度の高い画像を得ることができなかった。この原因として感光ドラムと現像スリーブ間に200μmの間隔をあけて対向しているにもかかわらず、現像バイアスのAC値のVppが300Vと小さいため、トナーが飛翔するのに十分なバイアスが印加できていないと考えられる。
このことから、実施例1や実施例2のように、Vppが小さくても十分に画質向上の効果が得られる要因としては、感光ドラムに現像剤担持体が一定の加圧量で押圧し当接しているためであることが分かった。
以上、評価方法a)による評価方法の結果では、実施例1、2の構成とすることで著しく画質向上の効果が得られることがわかった。
(7−4)評価方法b)の結果
評価方法b)の画像エッジ不良による画像不良に関して評価する。実施例1,2と比較して比較例1,2,4,6,7は画像エッジ不良が著しく発生した。この原因として、現像バイアスとして印加しているAC電圧のVppが大きいすぎるため、現像領域においてトナー飛翔の行き来によって、感光ドラム上のトナーがはき寄せられたと考えられる。つまり、実施例1、2において、現像バイアスのAC電圧値のVppが300Vと小さい値を用いているため、画像エッジ不良が生じることなく感光ドラムの静電潜像に忠実かつ良好な画質を得ることができる。
一方、比較例5において現像バイアスのAC電圧のVppが300Vと小さい値を印加しているため画像エッジ不良が生じないと考えられるが、実際には、画像評価できるほど濃度の高い画像を得ることができなかった。この原因として感光ドラムと現像スリーブ間に200μmの間隔をあけて対向しているにもかかわらず、現像バイアスのAC値のVppが300Vと小さいため、トナーが飛翔するのに十分なバイアスが印加できていないと考えられる。
以上、評価方法b)による評価方法の結果では、実施例1、2の構成とすることで、より感光ドラム上の静電潜像に忠実な画質を得る効果を得られることがわかった。
(7−5)評価方法c)の結果
評価方法c)のリークによるベタ黒画像不良に関して評価する。実施例1,2と比較して比較例1,2,7はリークが発生しやすく、評価は△でベタ黒画像上に白の斑点が発生した。この原因について、図15を用いて考える。
図15(a)は、ベタ黒中にリークL1が発生するときのドラム表面電位と現像バイアスの関係を示している。リークL1は|Vmin−Vl|が大きいほど発生しやすい。比較例1,2,7は、現像バイアスのAC値のVppが高いために、明電位Vlと現像バイアスの最小値Vminの差が大きくなり、感光ドラムと現像剤担持体間にリークが発生したと考えられる。一方、実施例1,2では現像バイアスのAC値のVppの値を小さくするように設定することで、リークの発生を著しく抑制している。
また、現像領域に異物やトナー凝集による局所的な不均一領域が発生するとVppの増加同様リークL1の発生が増加するが、実施例1,2では、AC電圧を重畳することでトナー凝集を低減させリークL1の発生を抑制していると考えられる。
図15(b)のようにリークL1が発生するとベタ黒の表面電位Vlの一部がVmimに近づき、局所的にVwt1だけ感光ドラム電位が変化し現像バイアスのDC値Vdcより小さい値となると白の斑点が目立つと考えられるが、実施例1,2ではほとんど画像不良が目立たなかった。この理由として、周囲の電位がVlのとき局所的にVwt1の電位が発生しても、周囲の電位の影響をうけた結果、実際に形成される電位はVwt2となる(図15(c))り、目立たなくなっていると考えられる。つまり、実施例1,2は|V|max≦|Vd|、より好ましくは|V|max≦0.9×|Vd|となるように設定することで、リークL1が発生しても画像上の白い斑点を目立たなくする効果を有すると考えられる。
さらに、比較例4,6の評価は×であり、さらに白ポチの径が大きくなり、ベタ黒画像不良が悪化した。この原因として、現像剤担持体と像担持体間に間隔が200μm程度あるため、リークが生じると画像上の斑点がより大きくなったと考えられる。
以上、評価方法c)による評価方法の結果では、実施例1,2の構成を用い、現像バイアスを|V|max≦|Vd|よりこの好ましくは|V|max≦0.9×|Vd|となるようにすることでリーク発生を著しく抑制し、発生しても白の斑点を目立たなくし、さらに感光ドラムに現像剤担持体が一定の加圧量で押圧し当接することでリークが発生しても斑点の径を小さくする効果があることがわかった。
(7−6)評価方法d)の結果
評価方法d)のリークによるベタ白画像不良に関して評価する。実施例1,2と比較して比較例1,2,7はリークが発生しやすく、評価は△でリークが発生した。この原因について、図16を用いて考える。
図16(a)は、ベタ白中にリークL3が発生するときの感光ドラム表面電位と現像バイアスの関係を示している。リークL3は|Vmax−Vd|が大きいほど発生しやすい。比較例1,2,7は、現像バイアスのAC値のVppが高いために、暗電位Vdと現像バイアスの最大値Vmaxの差が大きくなり、感光ドラムと現像剤担持体間にリークが発生したと考えられる。一方、実施例1,2では現像バイアスのAC値のVppの値を小さくするように設定することで、リークの発生を著しく抑制している。
また、現像領域に異物やトナー凝集による局所的な不均一領域が発生するとVppの増加同様リークL3の発生が増加するが、実施例1,2では、AC電圧を重畳することでトナー凝集を低減させリークL3の発生を抑制していると考えられる。
図16(b)のようにリークL3が発生するとベタ白の表面電位Vdの一部がVmaxに近づき、局所的にVbk1だけドラム電位が変化し現像バイアスのDC値Vdcより大きい値となると黒の斑点が目立つと考えられるが、実施例1,2ではほとんど画像不良が目立たなかった。この理由として、周囲の電位がVdのとき局所的にVbk1の電位が発生しても、周囲の電位の影響をうけた結果、実際に形成される電位はVbk2となる(図16(c))り、目立たなくなっていると考えられる。つまり、実施例1,2はVmax≦Vlとなるように設定することで、リークL3が発生しても画像上の黒の斑点を目立たなくする効果を有すると考えられる。
さらに、比較例4,6の評価は×であり、さらに黒ポチの径が大きくなり、ベタ白画像不良が悪化した。この原因として、現像剤担持体と像担持体間に間隔が200μm程度あるため、リークが生じると画像上の斑点がより大きくなったと考えられる。
以上、評価方法d)による評価方法の結果では、実施例1,2の構成を用い、現像バイアスをVmax≦Vlとなるようにすることでリーク発生を著しく抑制し、リークが発生しても黒の斑点を目立たなくし、さらに、感光ドラムに現像剤担持体が一定の加圧量で押圧し当接することでリークが発生しても斑点の径を小さくする効果があることがわかった。
(7−7)評価方法e)の結果
評価方法e)のトナー飛散によるカートリッジ外壁、本体内に脱落したトナーによる汚れについて評価する。
実施例1と比較して実施例2、比較例2,3は、トナー飛散の評価が△であり、トナー飛散による汚れが発生した。この原因として実施例1は磁気的に現像剤担持体上に拘束されるため、トナーの拘束力が非磁性トナーを用いる場合と比べ強いため、トナー飛散が防止されていると考えられる。さらに、比較例6の評価は×であり、さらに悪化傾向を示した。
この原因として、非磁性トナーによる拘束力の低下以外に感光ドラム現像ローラが非接触となっているため、飛翔しきれないトナーや現像容器内に戻りきれないトナーが存在するため、トナー飛散による汚れが発生したと考えられる。
以上、評価方法e)による評価結果では、実施例1の構成を用いた場合、磁気的な拘束力と感光ドラムと弾性現像スリーブ間が押圧し当接していることから、トナー飛散による汚れを著しく防止していると考えられる。
実施例2の構成を用いた場合、磁気的な拘束力がなく、トナー飛散防止の効果は実施例1と比べやや劣っているが、感光ドラムと弾性ローラ間が押圧し当接していることから、トナー飛散防止の効果を有し、実使用上問題ないレベルであることが分かった。
(7−8)評価方法f)の結果
評価方法f)のトナー切れ時のカブリについて評価する。実施例1と比較して実施例2、比較例2、3、6は著しくトナー切れ時のカブリ量が増加した。この理由としてはカートリッジ振り時に劣化の少ないトナーと劣化したトナーが混合し極性のちがいにより電荷付与性が低下した劣化トナーはより電荷付与性の低下を生じ、あるいは、逆極性の電荷付与を行うため積極的にカブリ量が増加すると考えられる。
以上のことから、本発明である実施例1はトナー劣化を著しく抑制し、トナー切れ時のカートリッジ振り時のカブリの増加を抑制していることが分かった。
(7−9)評価方法以外の点について
評価方法a)〜f)以外の点について述べる。トナーを供給するために現像ローラにスポンジ状のトナー供給ローラを摺接している機構を有する実施例2,比較例2、3、6は、印字枚数(特に低印字)が増加すると現像ローラと供給ローラ間の摺接による圧力ためにトナー劣化を生じ著しくカブリ量が増加したのに対し、実施例1では磁気的にトナーを搬送するためトナー劣化せず、カブリ量が増加しなかった。
以上、本発明である実施例1は印字枚数が増加したの著しいトナー劣化を抑制し、カブリ量の増加を抑制する効果があるといえる。
また、トナーを供給するために現像ローラにスポンジ状のトナー供給ローラを摺接している機構を有する実施例2,比較例2、3、6は、印字枚数が増加すると現像ローラとスポンジ状のトナー供給ローラ間の摺接のためトナー凝集体を生じ、それが現像ローラに搬送されると中間調画像中に斑点状のムラを生じたのに対し、実施例1では磁気的にトナーを搬送するためトナー凝集体が生じず画像不良が生じなかった。
以上、本発明である実施例1は印字枚数が増加したときにトナー凝集体が発生するのを抑制し、トナー凝集体による画像不良を抑制する効果があるといえる。
実施例1において現像バイアスをDC電圧−400Vとすると中間調画像中のムラが生じた。このムラを光学顕微鏡で観察したところ、濃度か濃い部分はトナーの凝集体が生成され、濃度が濃くなっていることが分かった。この原因としては、磁性一成分トナーはその内部または表面に磁性体を有しているため磁気的にトナー同士が凝集体を生成しやすいと考えられる。この状態おいて、AC電圧を印加することで感光ドラム上へ転移する際に均一に転移させることで均一で良好な中間調画像をえることできると考えられる。
(7−10)本実施例の優れた点
本実施例1,2の優れた点について述べる。
本実施例1は現像ローラ表面形状による中間調画像不良を抑制し良好で均一な画像を得る効果、画像エッジ不良の抑制、リークによる画像不良(ベタ白中の黒ポチ、ベタ黒中の白ポチ)の抑制、トナー飛散の抑制、トナー切れ時におけるカブリ量増加の抑制の点に関して非常に優れている。
本実施例2は現像ローラ表面形状による中間調画像不良を抑制し良好で均一な画像を得る効果、画像エッジ不良の抑制、リークによる画像不良(ベタ白中の黒ポチ、ベタ黒中の白ポチ)の抑制の点に関して非常に優れている。
(8)実施形態2(クリーナレスシステム)
図17は本発明をクリーナレスシステム(ドラムクリーナ−無し)に適用した第二の実施形態の画像記録装置を示す概略構成図である。本実施例の画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザープリンタである。前述の実施形態1の画像記録装置(図1)と同様の点については再度の説明を省略し、異なる点について述べる。
本形態において最も異なる点は、ドラムクリーナ(7)を廃し、転写残りトナーを現像装置400に回収してリサイクルするところにある。現像剤担持体440は所定の加圧により感光ドラム1に押圧され、現像バイアスが印加されており、感光ドラム表面上に形成された静電潜像をトナーにより現像(可視化)すると同時に非露光部(白地部)上の転写残りトナーを回収する(現像同時クリーニング(回収))。
図18に示すように現像バイアスと印字部の電位(ベタ黒のときVl(明部電位))との電位差を利用して現像剤担持体から感光ドラムへトナーの転移させ反転現像を行い、現像バイアスと非印字部の電位(Vd(暗部電位))の電位差を利用して感光ドラム上の戻りトナーを現像剤担持体上へ転移させて回収する。
さらに、押圧し当接することで感光ドラムと現像剤担持体の距離が小さくなり電界強度の増加することで現像同時回収性を向上させている。
加えて、押圧し当接することで現像ニップの増加による電界による現像および回収を確実に行うとともに、現像剤担持体での戻りトナーのネガ化を促進、戻りトナーの物理的ほぐしを行い、回収性を向上させている。
具体的には、実施形態1に対し以下の構成を変更した。帯電について、帯電ローラ2は実施形態1と同様のものを用いているが、本形態では帯電ローラ2の駆動を行っている。帯電ローラ2の表面の速度と感光ドラム1の表面速度(プロセススピード)が同じになるように帯電ローラ2の回転数を調整する。また、帯電ローラ2には、帯電ローラ2のトナー汚れを防止する目的から帯電ローラ当接部材8を備える。当接部材8は、100μmのポリイミドのフィルムを使用し、線圧5N/m以下で帯電ローラ2に当接した。ポリイミドはトナーに対し負電荷を与える摩擦帯電特性を有していることから使用した。つまり、帯電ローラ2がその帯電極性と逆極性(プラス極性)のトナーで汚れた場合であっても、トナーの電荷をプラスからマイナスへと帯電し、帯電ローラ2から速やかに吐き出し現像装置400にて回収することが可能となる。
また、帯電ローラ2を駆動することにより、帯電ローラ2は感光ドラム1及び当接部材8と確実に接触し、トナーをマイナス(正規の極性)に帯電する。
以上が実施形態1との相違点である。このような構成での回収のプロセスとしては、転写残りトナーとして感光ドラム上に残留したトナーは逆極性(ポジ)を有する転写バイアスで、電荷量の減少、あるいは転写バイアスと同極性(ポジ)の電荷の付与を受ける。その転写残りトナーが帯電ローラ2と感光ドラム1の接触領域まで搬送される。
帯電ローラ2と感光ドラム1間のニップ内にトナーが入るとポジ極性のトナーはより電位の関係からよりマイナス方向である帯電ローラ2に付着する。
一方、ネガ極性のトナーは電位の関係からよりプラス方向である感光ドラムの方向に力が働くため、ネガ極性のトナーはニップをすり抜けて現像部へ搬送され、上記現像バイアスと暗電位の関係を利用して回収される。
また、帯電ローラ2に付着したトナーは、帯電ローラ当接部材8によりネガ化され感光ドラム1上に掃き出される。また、帯電ローラ2と感光ドラム1のニップ領域で放電によりネガ化され感光ドラム上に掃き出される。ネガ化したトナーは現像領域aにおいて本発明の構成を用いることで著しく回収性が向上する。
また、9のプロセスカートリッジは感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置400を一体に形成するようにした。
=磁性トナー+接触現像+弾性現像スリーブ+弱AC+クリーナレス=
本実施例(図19)は、実施形態2(クリーナレス)に従う画像形成装置である。本実施例はクリーナレスであること以外、実施例1と同じである(実施例1+クリーナレス)。
a:カブリ量と現像バイアスの関係
まず、はじめに実施例1と同様に現像バイアスとカブリ量の関係を調べた。このとき、カブリ評価は、初期100枚時と、2000枚印字後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
カブリ量の測定方法は実施例1と同様の方法を用いて行った。カブリ測定時のみ(100枚時と2000毎時)に以下i)〜iii)の条件下で現像バイアスを変化させてカブリ測定を行った。
i)現像バイアスのDC値を−400Vで固定し、AC電圧のピーク・ツウ・ピークを変化させたときのカブリ量を測定
ii)現像バイアスのDC値を−500Vで固定し、AC電圧のピーク・ツウ・ピークを変化させたときのカブリ量を測定
iii)AC電圧のピーク・ツウ・ピークを300Vに固定し、現像バイアスのDC値を変化させたときのカブリ量を測定
以上のi)〜iii)の条件下でのカブリ量の変化を測定した。
100枚印字時後のカブリ量の変化は実施例1(ドラムクリーナ7−有り)と同様に|V|max>|Vd|では著しくカブリ量が増加し、|V|max≦|Vd|ではカブリ量の増加を抑制し、カブリ量を著しく抑える効果があることが明らかとなった。
さらに、3000枚印字後のカブリ量の変化を100枚印字後のカブリ量と比較し、図20(a)に示した。図20(a)は、100枚目と3000枚目印字について、上記i)の現像バイアスのDC値を−400Vで固定し、AC電圧のVppを変化させたときのカブリ量の変化を示している。
さらに、3000枚印字後のカブリ量の変化は100枚印字時のカブリ量と比較して、|V|max>|Vd|の範囲でのカブリ量が著しく増加し、|V|max≦|Vd|の範囲では、ほぼ同等なカブリ量であることが分かった。
このことから、|V|max>|Vd|の範囲では、ドラムクリーナ有りのシステムの時よりもクリーナレスシステム時にカブリ量が増加する要因が存在すると考えられる。
その原因はクリーナレスシステムにおいて、トナー劣化に伴うカブリ量の増加は、帯電ローラの汚れを生じ|Vd|の低下を引き起こし、実質的に|V|max>|Vd|となる領域が増加するために、連鎖的にカブリ量が増加すると考えられる。
さらに、クリーナレスシステムにおいてカブリ量が増加すると、転写ローラ汚れを引き起こし、ひどい時には転写残りトナー(カブリトナー)による帯電ローラ汚れのため感光ドラムを全く帯電できなくなり全面黒画像となり、定着器に紙が巻きつき装置故障を引き起こす。
カブリ量を抑制することはクリーナレスシステムにおいて非常に重要である。
以上のことから本実施例3の構成は、転写残りトナーによる帯電ローラ汚れ等による帯電性の低下による通常のカブリ量以上のクリーナレスシステムによる連鎖的なカブリ量の増加を抑制する効果が得られ、クリーナレスシステムに有効な構成である。
次に、図20(b)には、図20(a)の横軸を、現像バイアスの最大値の絶対値から暗電位の絶対値の90%の差(|V|max−0.9×|Vd|[V])にとり直したときのカブリ量の変化を図示した。ここから分かるように横軸の0V付近でカブリ量が著しく減少していることがわかる。このように、バイアスを|V|max≦0.9×|Vd|とすることでカブリ量を著しく低減する効果が得られる。
従って、カブリ量を著しく低減できているためにクリーナレスシステムにおいてカブリ量の増加による帯電ローラ汚れを抑制し、Vdの変動を抑制することができる。従って連鎖的に生じる重大な問題であるに転写残りトナーによる帯電ローラ汚れのため感光ドラムを全く帯電できなくなり全面黒となり、装置故障の原因ともなりうる問題を著しく抑制することもできる。
さらに、図20(b)からわかるように、バイアスを|V|max≦0.9×|Vd|とすることで帯電ローラ汚れが発生して|Vd|が低下してもカブリ量の増加を著しく抑制することができ、クリーナレスシステムに非常に有効であると考えられる。
以上より、本発明におけるバイアスを|V|max≦0.9×|Vd|とすることはクリーナレスシステムに非常に有効であり、安定してカブリ量を低減する効果を有する。
b:感光ドラムと弾性現像スリーブの当接条件の関係
感光ドラム1と弾性現像スリーブ440の当接条件の違いを調べるために、本実施例の当接条件と比較するため、トナー層のみが感光ドラム1に軽く接触するように設定した。具体的には、感光ドラム1と弾性現像スリーブ440の間隔を80μm設けて対向させ、弾性現像スリーブ440上のトナーが規制部材420により規制されることにより層厚が80μmとなるように設定した。
c:細線の横線と縦線の均一性
実施例1と同様に画像評価は縦、横の1ドットラインの連続性で行った。
押圧し接触した場合と比較して、軽く接触した場合は、細線の横線と縦線の均一性が低下することがわかった。
この理由として考える。トナー層のみ接触する場合、現像領域においてトナーの穂立ちが発生する。この穂立ちを形成したまま、トナーが感光ドラム上へ転移するため尾引きが発生し、縦方向と横方向のライン幅の均一性が悪化したと考えられる。
以上のことから、本発明において、感光ドラム1と弾性現像スリーブ440が押圧し接触することで縦方向と横方向のライン幅を均一にする効果を有するといえる。
d:多枚数時の印字時の当接変動性
印字率5%の横線の画像を3000枚連続印字後の中間調画像中の濃度差を実施例1と同様に評価した。
実施例1と同様に押圧し接触している場合は、均一な中間調画像であったのに対して、トナー層のみが軽く接触している場合は、濃度差が大きく、濃度ムラによる画像不良が生じた。また、高温高湿環境下、低温低湿環境下においてさらに濃度ムラが悪化した。
さらに、戻りトナーに含まれる紙分が現像部へ混入することにより中間調画像中に斑点が生じた場合、トナー層のみ軽く接触する条件では、斑点の径が大きく目立った。この理由として、トナー層のみを軽く接触する場合、トナー層を形成した際のトナー層表層の影響を大きく受けるため、紙分が混入するとトナー層が少し乱されただけでも画像上に顕著にあらわれやすくなっていると考えられる。
以上のことから、本発明において、感光ドラムと弾性現像スリーブが押圧し接触することで当接条件を安定化(多枚数時のギャップ変動、環境変動によるギャップ変動)し、トナー層が変化しても画質が良好であり、AC電圧の重畳することによる画質向上の効果があり、紙分が混入しても画像不良が生じにくい効果を有するといえる。
e:クリーナレス、戻りトナーの回収性
押圧し接触した場合とトナー層のみ軽く接触した場合のクリーナレス時における戻りトナーの回収性を調べた。
記録画像先端において、30〜50mmほどのベタ黒画像を印字し、その後ベタ白画像を配置した評価パターンを印字中に、画像記録装置を停止する。停止するタイミングは、先端のベタ黒画像の中心位置がちょうど現像領域に達した時点とする。そして、現像の前後の感光ドラム上において、表面に付着したトナーを反射率として測定し、その比を求めることにより、トナーの回収効率の評価を行うことが可能になる。実際には、感光ドラム上のトナーを一旦透明性のテープに転写し、トナーが付着したテープを記録紙などに貼り付けテープの上から、光学反射率測定機(東京電飾製TC−6DS)を用いてトナーの正味の反射率を測定した。
押圧した場合の回収率は65%で、軽く接触した場合の回収率は33%であり、押圧し当接することで回収率が向上することが分かった。
この理由として、押圧し接触することで感光ドラムと弾性スリーブ間の距離が小さくなり戻りトナーの受ける弾性スリーブへ引き戻すための電界強度が増加したために回収性が向上していると考えられる。
また、トナーが穂立ちして接触していることから、感光ドラムへのトナー層の接触回数が押圧して接触する場合と比べて減少すると考えられる。感光ドラムと感光ドラム上の戻りトナー間に接触することでファンデル・ワールス力が働く。しかし、弾性現像スリーブ上のトナーと感光ドラム上の戻りトナーが接触するとトナー間に同様の力が働き感光ドラム上から引き剥がしやすくなると考えられるのに対し、接触できないときには感光ドラム上への付着力が強いままのため引き剥がすことが困難となることから、接触回数の減少により、回収率が低下すると考えられる。
さらに、押圧し接触することでトナーの物理的ほぐしの効果および弾性現像スリーブによる戻りトナーのネガ化を向上でき回収率が向上すると考えられるが、トナー層のみ軽く接触した場合、ほぐしの効果およびネガ化の効果が小さいため回収率が低下していると考えられる。
このことは、感光ドラムに対する弾性現像スリーブ表面の周速比を1.0から1.2としたとき、押圧し接触した場合は回収率58%から65%と大きく向上したのに対し、トナー層のみ軽く接触した場合、32%から33%とほとんど変化しなかったことからトナー層のみ軽く接触した場合、物理的ほぐしの効果およびネガ化の効果が小さいと考えられる。
さらに、3000枚印字後の回収率を求めたところ、押圧し接触した場合は回収率の変動はなく、トナー層のみ軽く接触した場合は5%ほど回収率が低下した。トナー層のみ軽く接した場合、多枚数時にギャップ変動やトナー層厚が変化したために回収率が減少したの対し、押圧し当接した場合に現像部の変動が小さいあるいは現像部の状態が変化しても画像不良として目立ちにくいといえる。
以上のことから、本発明において、感光ドラムに弾性現像スリーブを押圧し接触させ、感光ドラムの周速に対して早回しにすることで著しい回収性の向上し、押圧し当接することで安定した回収性の効果があるといえる。
=非磁性トナー+接触現像+弾性現像ローラ+弱AC+クリーナレス=
本実施例(図21)は、実施形態2(クリーナレス)に従う画像形成装置である。本実施例は実施形態2を用いること以外、実施例2と同じである(実施例2+クリーナレス)。
a:現像バイアスとカブリ量の関係
実施例3と同様に現像バイアスの絶対値の最大値と暗電位によるカブリ量の推移を調べた結果、実施例3と同様、現像バイアスの絶対値の最大値が暗電位を超えると著しく感光ドラム上のカブリ量が増加することが分かった。このことから、現像バイアスの絶対値の最大値が暗電位の絶対値以下とすることによりカブリ量を著しく抑える効果があることが明らかとなった。
以上のことから本実施例4の構成は、環境変動や帯電ローラ、感光ドラム等の磨耗、転写残りトナーによる帯電ローラ汚れ等による帯電性の低下あるいは変動が生じても安定してカブリ量を抑制する効果が得られ、クリーナレスシステムに有効な構成である。
b:感光ドラムと現像ローラの当接条件の関係
感光ドラムと現像ローラの当接条件の違いを調べるために、本実施例の当接条件と比較するため、トナー層のみが感光ドラムに軽く接触するように設定した。具体的には、感光ドラム1と現像ローラ440の間隔を80μm設けて対向させ、現像ローラ上のトナーが規制部材420により規制されることにより、層厚が80μmとなるように設定した。
c:多枚数時の印字時の当接変動性
印字率5%の横線の画像を3000枚連続印字後の中間調画像中の濃度差を実施例1同様に評価した。
実施例3同様に押圧し接触している場合は、均一な中間調画像であったのに対して、トナー層のみが軽く接触している場合は、濃度差の大きく、濃度ムラによる画像不良が生じた。
また、現像バイアスにAC電圧を重畳しているため画質向上の効果が得られると考えられるが、トナー層のみ軽く接触している場合、現像ローラと感光ドラムの距離が大きくなるため、AC電圧を重畳したことによる画像向上の効果が小さいため濃度ムラがより大きくなったと考えられる。
さらに、戻りトナーに含まれる紙分が現像部へ混入することにより中間調画像中に斑点が生じた場合、トナー層のみ軽く接触する条件において、斑点の径が大きく目立った。
以上のことから、本発明において、感光ドラムと現像ローラが押圧し接触することで当接条件を安定化(多枚数時のギャップ変動、環境変動によるギャップ変動)し、トナー層が変化しても画質が良好であり、AC電圧の重畳することによる画質向上の効果があり、紙分が混入しても画像不良が生じにくい効果を有するといえる。
d:クリーナレス、戻りトナーの回収性
押圧し接触した場合とトナー層のみ軽く接触した場合のクリーナレス時における戻りトナーの回収性を実施例3同様に調べた。
実施例3と同様に押圧した場合の回収率は、軽く接触した場合の回収率より向上した。
実施例3と異なる点は非磁性トナーであるため、穂立ちは生じないため実施例3ほど接触回数が減少することはないが、トナー層のみ軽く接触しているため押圧し当接する場合より減少していると考えられる。
また、感光ドラムに対する現像ローラ表面の周速比を1.0から1.2としたとき、押圧し接触した場合は回収率が大きく向上したのに対し、トナー層のみ軽く接触した場合はほとんど変化しなかったことから、トナー層のみ軽く接触した場合は物理的ほぐしの効果およびネガ化の効果が小さいと考えられる。
さらに、多枚数印字後の回収率を調べると押圧し当接した場合は変化はなく、トナー層のみ軽く接触した場合、回収率が低下した。
以上のことから、本発明において、感光ドラムに弾性スリーブを押圧し接触させ、ドラムの周速に対して早回しにすることで著しい回収性の向上し、押圧し当接することで安定した回収性の効果があるといえる。
[比較例8]
=AC印加、ピーク・ツウ・ピーク大(磁性トナー)+クリーナレス=
本比較例は、実施形態2(クリーナレス)に従う画像形成装置である。本比較例は実施形態2を用いること以外、比較例1と同じである(比較例1+クリーナレス)。
[比較例9]
=AC印加、ピーク・ツウ・ピーク大(非磁性トナー)+クリーナレス=
本比較例(図21)は、実施形態2(クリーナレス)に従う画像形成装置である。本比較例は実施形態2を用いること以外、比較例2と同じである(比較例2+クリーナレス)。
[比較例10]
=非磁性トナー+接触現像+DC電圧印加+クリーナレス=
本比較例(図21)は、実施形態2(クリーナレス)に従う画像形成装置である。本比較例は実施形態2を用いること以外、比較例3と同じである(比較例3+クリーナレス)。
(9)比較形態2
図22は下記の比較例11〜13に適用したクリーナレスシステムに従う画像記録装置の概略構成図である。この画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタである。
前述の実施形態2(図17)の画像記録装置と同様な点については繰返しの説明を省略し、異なる点について述べる。本比較形態2において異なる点は、感光ドラム1と現像剤担持体440がある一定の間隔を設けて対向し、非接触現像システムを用いていることである。それ以外違いはない。
[比較例11]
=ジャンピング現像+クリーナレス=
本比較例(図23)は、比較形態2(クリーナレス)に従う画像形成装置である。本比較例は比較形態2を用いること以外、比較例4と同じである(比較例4+クリーナレス)。
[比較例12]
=ジャンピング現像+弱AC+クリーナレス=
本比較例(図23)は、比較形態2(クリーナレス)に従う画像形成装置である。本比較例は比較形態2を用いること以外、比較例5と同じである(比較例5+クリーナレス)。
[比較例13]
=弾性現像スリーブ+近接(非接触)+AC印加+クリーナレス=
本比較例(図24)は比較形態2(クリーナレス)に従う画像形成装置である。本比較例は比較形態2を用いること以外、比較例7と同じである(比較例7+クリーナレス)。
(10)各実施例及び比較例の評価方法
各実施例3,4および比較例8〜13の画像評価を以下の評価方法で行った。
評価方法A)
A−1)現像剤担持体弾性層表面の形状による画像不良評価
画像評価は中間調画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。
本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後2ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
中間調の濃度を反射濃度計(Macbeth SERIERS1200 ColorChecker)を用いて、50点測定し、濃度の最大値と最小値の差を求めた。さらに、直径が0.5mm以上の濃度ムラの斑点の数を測定し以下の2つのランクとした。
×:濃度差が0.4以上、または、径が0.5mm以上の濃度ムラの斑点が30個以上
○:濃度差が0.4未満、または、径が0.5mm以上の濃度ムラの斑点が30個未満
A−2)現像剤担持体弾性層表面の形状による画像不良要因
現像剤担持体弾性層表面形状による画像不良の要因について図11を用いて述べる。図11の上段は現像バイアスがDC電圧印加の模式図、下段に現像バイアスがDC電圧にAC電圧を重畳した模式図を示している。また、図11(a)は現像剤担持体440の表面が凹んでいる場合の感光ドラム1上への転移を模式図、図11(b)、(c)は現像剤担持体440の表面が出っ張ている場合の感光ドラム1上への転移の模式図を示している。図11(a)上段のように現像剤担持体表面が凹んでいる場合、まわりと比べその部分は濃くなる。また、図11(b)、(c)上段のように現像剤担持体が出っ張っている場合、濃度が濃くなる場合と薄くなる場合がある。
以上より、現像バイアスがDC電圧のみを印加した場合(図11上段)、中間調画像(均一な潜像)中に弾性層表面の凹凸の形状を反映した濃度変化のある画像を得、画像不良となる。
これを防止するには、均一な表面を形成した弾性層を作製すればトナー層は均一となり画像不良を生じないが、均一な表面の作製は非常に難しく、また印字枚数が増えると弾性層の削れや劣化のために表面形状が変化するため、安定して凹凸のない表面を形成することは困難と考えられる。
一方、図11下段はどの場合においても現像バイアスがDC電圧にAC電圧を重畳した場合、感光ドラム上で均一にトナー層を形成させることができることが分かる。
本発明においては、図11下段のように、現像バイアスとしてDC電圧にAC電圧を重畳することにより、弾性層表面の形状を反映した状態でトナーが感光ドラム上に転移した後、AC電圧の印加の効果である感光ドラム上でトナー層のムラが生じた部分にトナーを補助的に転移させることによりに均一で良好な中間調画像を得ることができる。
さらに、印字枚数を重ねると規制ブレードと現像ローラの当接条件が変化した結果、当接条件が変化した領域が他の領域と比較して、トナー層の厚みや電荷量が変化し感光ドラムへ転移するトナー量にムラが生じ、中間調画像中に広い範囲において濃度ムラが生じる。この画像を光学顕微鏡で観察した結果、濃度が濃くなる部分はトナーが局所的凝集している部分が存在し均一に分散していないため、濃度が濃く見えていることが分かった。
この状態で現像バイアスとしてDC電圧にAC電圧を印加すると図11(a)、(b)の下段のように均一となり、広範な濃度ムラも局所的なトナームラを均すことで均一となり良好な中間調画像が得られる。
評価方法B)
B−1)画像エッジ不良
画像エッジ不良とは、大きな濃度を持った画像においてその2つの濃度差の境界が薄くなる画像不良である。
画像評価は中間調画像中に25mm四方のベタ黒画像を印字して行った。本評価において中間調画像とは主走査方向に対しての1ドットを記録し、その後4ドットを非記録し、死主走査方向に垂直な方向に対して1ドットを記録し、その後4ドットを非記録し斑点模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。得られた画像の中間調とベタ黒のエッジ部分において、エッジ部分の中間調側を、光学顕微鏡を用いて凝集したトナーの1ドット内のトナーの個数を測定し、さらに、エッジ部から十分離れた位置での中間調画像部について同様に1ドット内のトナー数を測定した。1ドット内のトナー数の測定においてドットは各領域において、ランダムに15個ずつ抽出し、トナー数の平均値をもとめ、1ドット内のトナー個数とした。
×:エッジでの測定数がエッジ部から十分離れた位置での測定数の60%以下である
○:エッジでの測定数がエッジ部から十分離れた位置での測定数の60%以上である
評価は初期100枚時に行った。
B−2)画像エッジ不良要因
画像エッジ不良要因について図12を用いて考察する。AC電圧のピーク・ツウ・ピーク値を大きくすると、トナーの飛翔により現像される領域でトナーの行き来が起こる。このとき、図12に示すように、濃度差の大きな印字領域が存在すると、境界線付近でトナーが往復すると、トナーがより濃度の濃い印字領域に引き寄せられ、境界部における濃度の薄い方の領域がより薄くなると考えられる。
評価方法C)
C−1)リーク(紙粉リーク含む)によるベタ黒画像不良(画像欠陥の評価)
画像評価はベタ白画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。
現像時にリークが生じた場合、白の斑点としてベタ黒画像に現れる。これらの欠陥部位の数を以下の基準で評価した。
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。評価は100枚印字後24時間経過した後ベタ黒画像を3枚出力して行った。画像評価ではこの3枚の中で最も多いページで代表した。
特に本評価方法では以下の4段階のランクで評価した。
××:ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白の斑点が50を超えている
× :ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白の斑点が5〜50存在し、直径0.1
〜0.3mm以下の白の斑点が50を超えている
△ :ベタ黒画像中に直径0.3mm以上の白の斑点が5未満存在し、直径0.1〜
0.3mm以下の白の斑点が5〜50存在している
○ :ベタ黒画像中に直径0.1mm以上の白の斑点が5未満存在する
C−2)リークおよび紙粉リークの発生の要因
図13のように、AC電圧印加時、ベタ黒を現像中に像担持体の表面電位(明電位Vl)と現像バイアス電圧値の最小値(Vmin)の差が最大の電界強度となり、リークL1が発生しやすい状態となる。
リークL1が起こると当該部分の像担持体1の静電潜像が乱された結果、像担持体1上のベタ黒部の電位(明電位Vl)の一部がリークにより暗電位(Vd)に近づくあるいはより小さくなるため、反転現像による像担持体1へのトナーtが転移できず、結果として像担持体1の当該部分ではトナー抜けし白ポチの画像が発生すると考えられる。
リークが発生すると電界強度にかかわらず感光ドラム上にVminの値で帯電された部分ができる。Vminが非常に小さいと現像バイアスのDC値Vdcに対するコントラスト(|Vmin−Vdc|)が大きいためドラム上のトナーの転移量が著しく減少し画像上非常に目立つ。
さらに、戻りトナーに含まれる紙粉がトナーとともに現像領域にくる(図13(a))と紙粉を伝ってリークが発生する。図13(a)に示すように紙粉Fが現像領域にきたとき、ドラムとのギャップがG1より小さいG2となる。このとき、紙粉にかかる局所的な電界強度が増加(図13(b)右)し、リークが発生しやすくなる。また、高温高湿な環境下において紙粉は水分を多く吸着し抵抗が低下する。このとき、図13(c)に示すように外部電場Eがかかると電荷の偏りが発生し、紙粉先端に電荷量が増加しさらにリークしやすくなる。このことから、クリーナレスシステムではクリーナー付きのシステムと比べてリークが発生しやすくなると考えられる。
評価方法D)
D−1)リーク(紙粉リーク含む)によるベタ白画像不良(画像欠陥の評価)
画像評価はベタ白画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。
現像時にリークが生じた場合、黒点としてベタ白画像に現れる。これらの欠陥部位の数を以下の基準で評価した。
評価環境は、32.5℃、80%Rhにおいて行った。評価は100枚印字後24時間経過した後ベタ白画像を3枚出力して行った。画像評価ではこの3枚の中で最も多いページで代表した。
特に本評価方法では以下の4段階のランクで評価した。
××:ベタ白画像中に直径0.3mm以上の黒点が50を超えている
× :ベタ白画像中に直径0.3mm以上の黒点が5〜50存在し、直径0.1〜
0.3mm以下の黒点が50を超えている
△ :ベタ白画像中に直径0.3mm以上の黒点が5未満存在し、直径0.1〜
0.3mm以下の黒点が5〜50存在している
○ :ベタ白画像中に直径0.1mm以上の黒点が5未満存在する
D−2)リークおよび紙粉リークの発生の要因
図14のように、AC電圧印加時、ベタ白を現像中に像担持体の表面電位(暗電位Vd)と現像バイアス電圧値の最大値(Vmax)の差が最大の電界強度となり、リークL3が発生しやすい状態となる。
リークL3が起こると当該部分の像担持体1の静電潜像が乱された結果、像担持体1上のベタ白部の電位(暗電位Vd)の一部がリークにより明電位(Vl)に近づくあるいは超えるため、反転現像による像担持体1へのトナーtが転移してしまい、結果として像担持体1の当該部分にはトナーが付着し黒ポチの画像が発生すると考えられる。
リークが発生すると電界強度にかかわらず感光ドラム上にVmaxの値で帯電された部分ができる。Vmaxが大きいと現像バイアスのDC値Vdcに対するコントラスト(|Vmax−Vdc|)が大きいためトナーの転移量が増加し画像上非常に目立つ。
さらに、戻りトナーに含まれる紙粉がトナーとともに現像領域にくる(図14(a))と紙粉を伝ってリークが発生する。図14(a)に示すように紙粉Fが現像領域にきたとき、ドラムとのギャップがG3より小さいG4となる。このとき、紙粉にかかる局所的な電界強度が増加(図14(b)右)し、リークが発生しやすくなる。また、高温高湿な環境下において紙粉は水分を多く吸着し抵抗が低下する。このとき、図14(c)に示すように外部電場Eがかかると電荷の偏りが発生し、紙粉先端に電荷量が増加しさらにリークしやすくなる。このことから、クリーナレスシステムではクリーナー付きのシステムと比べてリークが発生しやすくなると考えられる。
評価方法E)
E−1)トナー飛散によるトナー汚れ
トナー飛散は、2000枚の印字テストを行ったときに、カートリッジ外壁や本体内に脱落したトナーを回収してその重量を計測して行った。
×:飛散トナー量が、0.5gを超える
△:飛散トナー量が、0.1〜0.5g
○:飛散トナー量が、0.1g以下
評価は初期100枚時に行った。
E−2)トナー飛散要因
非磁性トナーの場合、磁力による拘束力が働かず、電気的な拘束力のみしか働かないためトナー飛散が発生しやすと考えられる。つまり、トナーの電荷付与性が現像剤担持体上への付着力に大きく関与しているため、電荷付与が不十分であるとき、現像剤担持体上のトナーは現像容器外へ飛散してしまう。
さらに、非接触現像である場合、トナーの飛翔により感光ドラム上に転移することから、電荷付与性が不十分な場合、さらに飛散の原因となる。
一方、磁性トナーの場合、現像剤担持体への付着力として磁気力が働くため、トナーへ十分な電荷付与ができない場合でも現像剤担持体上に拘束し、再度現像容器内に収容することが可能となり、トナー飛散の防止を行うことができる。
評価方法F)
F−1)トナー残量が減少したときの紙上のカブリ特性評価
印字テストを繰り返すことにより、現像装置内に蓄えたトナーが減少し、横線の評価画像が徐々に薄くなり、場合によっては途切れる。このようにトナー残量が減少したときの紙上のカブリ特性を評価した。
紙上のカブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。
カブリ量は光学反射率測定機(東京電飾製TC−6DS)によりグリーンフィルタによる光学反射率を測定し、記録紙のみの反射率から差し引いてカブリ分の反射率量をもとめカブリ量として評価した。カブリ量は記録紙上を10点以上測定しその平均値を求めた。
×:カブリ量が2%を越える
○:カブリ量が2%未満である
また、前述の他の画像欠陥が生じた場合は、その個所を避けて測定し、カブリを純粋に評価できるよう配慮した。
印字テストにおいて、先のような横線画像の不良が生じたときに、カブリ評価を行うとともに、その後現像器を記録装置から取り外し、手振りするなど中のトナーを現像スリーブあるいは現像ローラに送る動作を行い。再度装置に装着し、カブリ評価を行う。これらの、画像評価で、紙上のカブリの評価を行い、最も悪い(大きな)結果を本評価の紙上のカブリ量として評価した。
F−2)トナー切れによる紙上のカブリ量増加の要因
非磁性トナーの現像ローラへの供給はスポンジ状の供給ローラを現像ローラにカウンター回転になるように当接するように設けることで行われる。従って、この現像ローラと供給ローラの摺接により著しくトナーの劣化が発生し電荷付与性の低下が生じる。これによりカブリ量が増加し画像不良を生じる。
さらにトナーリサイクルシステムであるクリーナレスシステムにおいては、戻りトナーが現像装置内に回収されるため、より劣化したトナーが生じるやすくなる。このため、カブリ量の増加による画像不良が生じるまでの印字枚数がクリーナーを有する時と比較して減少する。
一方、クリーナレスシステムにおいてカブリ量が増加すると、転写ローラ汚れを引き起こし、ひどい時には転写残りトナーによる帯電ローラ汚れのため感光ドラムを全く帯電できなくなり全面黒画像となり、定着器に紙が巻きつき装置故障を引き起こす。
従ってクリーナレスシステムにおいてカブリ量の増加を抑制することが非常に重要となる。
また、このようなトナーの供給機構では、現像ローラ周辺でほとんどトナーが入れ替わらず循環しない領域ができ、劣化の少ないトナーが存在する。一方、循環しているトナーは一定の劣化が生じている。トナー切れ時にカートリッジを取り外し手振りすると現像容器内でこのような劣化の少ないトナーと一定の劣化が生じたトナーが混合される、すなわち、電荷付与の極性が大きく異なるトナーが混合されるため、カブリ量が著しく増加する。
このカブリ量が増加する理由として、このようなトナーの混合においてトナーに電荷付与を行うと、劣化していないトナーはより電荷付与性が高くなり、劣化したトナーは電荷付与がほとんどできないあるいは正規の極性と逆極性の電荷を付与することになる。この電荷付与ができないあるいは逆極性の電荷を付与したトナーによりカブリ量が著しく増加し、ドラムクリーナを有するときと比較してトナーの極性の差がさらに大きくなることからよりカブリ量が増加する。
逆極性のトナーがカブリ量として生じる理由は電場中で受ける力が正規極性のトナーと全く逆方向であり、ドラム表面上の通常非印字領域に積極的に転移するためである。
これに対し磁性トナーの場合、磁力により搬送されるため、著しくトナー劣化が生じずトナー切れ直前でカートリッジの手振りを行っても極性の大きく異なるトナーが混合しないため、トナー切れ直前のカブリ量増加を防止することができる。
評価方法G)
G−1)クリーナレス、戻りトナー回収性
記録画像先端において、30〜50mmほどのベタ黒画像を印字し、その後ベタ白画像を配置した評価パターンを印字中に、画像記録装置を停止する。停止するタイミングは、先端のベタ黒画像の中心位置がちょうど現像領域に達した時点とする。そして、現像の前後の感光ドラム上において、表面に付着したトナーを反射率として測定し、その比を求めることにより、トナーの回収効率の評価を行うことが可能になる。実際には、感光ドラム上のトナーを一旦透明性のテープに転写し、トナーが付着したテープを記録紙などに貼り付けテープの上から、光学反射率測定機(東京電飾製TC−6DS)を用いてトナーの正味の反射率を測定する。
×:回収率が30%未満である
△:30以上、50%未満である
○:50%以上である
評価は初期100枚時に行った。
G−2)回収率低下要因
感光ドラムと現像剤担持体が非接触で対向していると距離があることから磁気回収力、電気的回収力が弱くなる。このために回収率が低下する。
一方、本発明においては、感光ドラムと現像剤担持体が押圧し当接させることで距離が近くなり磁気回収力、電気的回収力が強くなるため、回収率が向上する。
また、感光ドラムと現像剤担持体が押圧し当接していると物体が接することにより働く引力・ファンデル・ワールス力はドラムとトナー、トナーと現像剤担持体、トナーとトナー間においてほぼ同じオーダーの力が働くことから、ドラムと現像剤担持体が非接触のときにはドラムと戻りトナー間のみに働きドラム上から引き剥がすのために妨げとなっていた力が感光ドラムと現像剤担持体が接することでドラム上から引き剥がすために妨げとなる力ではなくなり、回収率が向上する。
さらに、感光ドラムと現像剤担持体が押圧し当接していることから、戻りトナーのネガ化の促進、物理的なほぐしの効果をえるため、回収率が向上する。
加えて、現像バイアスとしてDC電圧にAC電圧を重畳することから電気的にトナーが振動することで電気的なほぐしの効果があり、回収率が向上する。
評価方法H)
H−1)(剥ぎ取り)供給不良による画像不良
画像評価は中間調画像を出力して画像の欠陥数から評価を行った。各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。
本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後2ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
クリーナレスシステムにおいて、プリント枚数が大きくなると紙粉による(剥ぎ取り)供給不良により中間調画像に白い縦筋の発生する。画像面積率7%、A4サイズの用紙をプリントし、100枚、3000枚時に中間調画像をプリントし、そのときの各中間調画像の縦筋を以下の3段階のランクで評価した。
×:中間調画像上に10つ以上の白い縦筋が存在する
△:中間調画像上に白い縦筋が3〜10つ以上の白い縦筋が存在する
○:中間調画像上に白い縦筋が3未満の白い縦筋が存在する
H−2)白スジ発生要因
戻りトナーに含まれる紙粉が現像装置内に混入すると現像ローラにトナーを供給するスポンジ状の供給ローラに紙粉が付着し、供給性の低下を生じる。紙粉が現像ローラと供給ローラ間に蓄積した場合、現像ローラ上のトナー層が乱され、十分な供給ができなくなり、その部分がスジとなって画像不良が発生する。
実施例3,4及び比較例8〜13に関する画像評価の結果を表2に示す。
(10−1)非磁性トナー接触現像DC現像バイアス印加クリーナレス(比較例10)との比較
まず、はじめに従来技術のクリーナレス、非磁性トナー接触現像DC現像バイアス印加クリーナレス(比較例10)と磁性トナー接触現像AC現像バイアス印加クリーナレス(比較例11)に対して本実施例3,4の優れている点について述べる。
比較例10は現像ローラの表面形状の凹凸が中間調画像上に濃度ムラとして著しく生じたのに対し実施例3,4は現像バイアスとしてDC電圧にAC電圧を重畳しているため濃度ムラは生じず、良好な画質を得た。さらに比較例10では、トナー飛散も若干みられ、実施例3ではトナー飛散はなかった。これは、磁気的にトナーを拘束しているためであり、トナー飛散の抑制の効果があるといえる。
また、比較例10はトナーを現像ローラへ供給するためのスポンジ状の供給ローラと現像ローラの摺接の圧力によるトナー劣化、トナーリサイクルシステムによる回収トナーのトナー劣化のため、印字枚数(特に低印字)が増したとき、著しいトナー劣化を生じカブリ量が増加したのに対し実施例3では磁気的にトナーを搬送するためトナー劣化せず、カブリ量が増加しなかった。さらに、比較例10では、転写残りトナーによる帯電ローラ汚れに伴う印字枚数が増加したときの著しいカブリ量の増加による画像不良を生じたのに対し実施例3では磁気的にトナーを搬送するためトナー劣化せず、カブリ量が増加しなかったため、帯電ローラ汚れが抑制され、連鎖的なカブリの増加が生じなかった。つまり、実施例3は印字枚数が増加したときのトナー劣化によるカブリ量の増加、戻りトナーの回収による劣化トナーの増加、帯電ローラ汚れによる連鎖的なかぶり量の増加を抑制する効果ある。
さらに、比較例10は印字枚数が増加するとスポンジ状の供給ローラ上にトナー凝集体が生じ中間調画像中に斑点上のムラを生じたに対し、実施例3ではトナーを磁気的に搬送するためトナー凝集による画像不良を生じなかった。
このことから、実施例3においてトナー凝集体による画像不良を抑制する効果があるといえる。
比較例10はトナー切れ時のカブリ量が著しく増加したのに対して実施例3ではカブリ量の著しい増加がなかった。これは、実施例3がトナーを磁気的にスリーブ上に搬送するためトナー劣化を生じにくく、カートリッジを手振りした際にもトナー極性が大きく異なるトナーの混合が少ないためであると考えられる。
また、比較例10は供給ローラに戻りトナーに含まれる紙粉の蓄積のため現像ローラへの供給不良を生じ、白スジが発生した。一方、本発明である実施例3は、磁気的にトナーを搬送するため、紙粉の蓄積がないため白スジの発生なく良好であった。
また、実施例4は、紙粉の蓄積が生じ白スジの発生は生じたが比較例10ほどの悪化はなかった。この理由として現像バイアスとしてDC電圧にAC電圧を重畳しているために白スジの発生してもトナーの飛翔領域でトナーが飛翔し画像不良の抑制をしていると考えられる。
以上、本発明は、比較例10である従来技術、非磁性トナー接触現像、DC現像バイアス印加、クリーナレスの構成に対して現像ローラ表面形状による中間調画像不良を抑制し良好で均一な画像をえ、トナー飛散の抑制、印字枚数が増加したときの供給ローラと現像ローラ間の圧力によるトナー劣化によるカブリ量の増加、戻りトナー量の回収による劣化トナーの増加によるカブリ量の増加、帯電ローラ汚れに伴うカブリ量の増加による画像不良の抑制、トナー切れ時のカブリ量の増加の抑制、供給不良による白スジの発生の抑制の点に関して非常に優れている。
(10−2)磁性トナー接触現像AC現像バイアス印加クリーナレス(比較例11)との比較
比較例11は画像エッジ不良が著しく悪いのに対し実施例3,4は画像エッジ不良を生じなかった。比較例11の画像エッジ不良が生じる理由としては、現像バイアスして印加しているAC電圧のVppが大きいため現像部でトナーが往復しやすいためにエッジでトナーがはき寄せられたと考えられる。また、非接触現像であるために更にトナーの往復をしやすくしているためにはき寄せられ画像エッジ不良が生じたと考えられる。
一方、本発明においては、現像バイアスとして印加しているAC電圧のVppが小さいために、トナー飛翔の往復が少なくまた接触現像であるため、トナー飛翔領域が狭いため、はき寄せが生じにくく、画像エッジ不良を抑制していると考えられる。
また、比較例11は実施例1、2と比較してリークしやすく、リークした場合にリークによる画像不良であるベタ白中の黒ポチおよびベタ黒中の白ポチの径が大きかった。リークが起こりやすい理由としては現像バイアスとして印加しているAC電圧のVppが大きいために発生しやすく、黒ポチあるいは白ポチの径が大きい理由は非接触であるためにリークすると画像不良として黒ポチあるいは白ポチの径が大きくなるためと考えられる。さらに、比較例11はクリーナーを有しているときと比較してクリーナレスのときはリークの発生率が増加し、黒ポチあるいは白ポチの数が増加した。
さらに、比較例11はクリーナレス回収性において、著しく悪かった。理由としては、非接触現像であるために、感光ドラムとトナーの接触を引き剥がす力が大きく回収のため働く力が不十分なためであると考えられる。
一方、本発明の実施例3,4は接触現像であるため、回収のための電気的な力、磁気的な力が十分強く高い回収性を有している。さらに、感光ドラムと現像剤担持体が押圧し当接していることから物理的なほぐし効果がえられさらに回収性を向上させている。
以上、本発明は比較例11である従来技術、磁性トナー非接触現像、AC現像バイアス印加、クリーナレスの構成に対して画像エッジ不良の抑制、リークによる画像不良(ベタ白に黒ポチ、ベタ黒に白ポチ)の抑制のクリーナレス回収性の点に関して非常に優れている。
(10−3)評価方法A,B,E,Fの結果
各評価方法に対して詳細に結果を述べる。評価方法A)、B)、E)、F)の各評価はドラムクリーナ(7)を有した際の前記の評価方法a)、b)、e)、f)の評価結果とほぼ差異はなく、クリーナーの有無に関係なく画像に及ぼす効果であることがわかる。
以上のことから、クリーナレスシステムを用いても実施例1,2の構成を用いることでドラムクリーナ(7)を有したときと同等の効果を得られることが明らかとなった。
(10−4)評価方法C)の結果
評価方法C)のリーク(紙粉リーク含む)によるベタ黒画像不良に関して評価する。比較例8、9、11、13は、ドラムクリーナ有り時にリークを発生したものであり、クリーナレスシステムを用いた場合、さらに悪化の傾向を示した。
この原因としては、戻りトナー内に含まれる紙粉が現像領域近くに存在することでリークが発生しやすくなったため、クリーナレスシステムを用いた場合、リークによる画像不良がさらに進行したと考えられる。そのレベルは、クリーナーを有するときと同様、AC電圧の高いVppをかけることでリークが著しく発生しやすくなり、感光ドラム1と現像剤担持体440間に間隔αがあることでリークによる画像不良の白ポチの径が大きくなる。加えて、クリーナレスシステムでは、戻りトナー内の紙粉によりリークの発生が著しく増加することが分かった。
一方、実施例3,4においては、リークL1,およびクリーナレスシステムでは、非常に紙分リークL2が発生しやすくなるにもかかわらず、紙分リークL2による画像不良を抑制した。この原因について、図15を用いて考える。
図15(a)は、ベタ黒中にリークL1、あるいは、紙分リークL2が発生するときのドラム表面電位と現像バイアスの関係を示している。リークL1、L2は|Vmin−Vl|が大きいほど発生しやすい。実施例3,4では現像バイアスのAC値のVppの値を小さくするように設定することで、リークの発生を著しく抑制している。
また、現像領域に異物(紙分含む)やトナー凝集による局所的な不均一領域が発生するとVppの増加同様リークL1、L2の発生が増加するが、実施例3,4では、AC電圧を重畳することでトナー凝集を低減させリークL1、L2の発生を抑制していると考えられる。
図15(b)のようにリークL1、L2が発生するとベタ黒の表面電位Vlの一部がVmimに近づき、局所的にVwt1だけドラム電位が変化し現像バイアスのDC値Vdcより小さい値となると白の斑点が目立つと考えられるが、実施例3,4ではほとんど画像不良が目立たなかった。この理由として、周囲の電位がVlのとき局所的にVwt1の電位が発生しても、周囲の電位の影響をうけた結果、実際に形成される電位はVwt2(図15(c))となり、目立たなくなっていると考えられる。
つまり、実施例3,4は|V|max≦|Vd|、より好ましくは|V|max≦0.9×|Vd|となるように設定することで、リークL1、L2が発生しても画像上の白い斑点を目立たなくする効果を有すると考えられる。
特にクリーナレスシステムにおいて、著しく増加する紙分リークL2を抑制する効果、紙分リークL2が発生しても目立たなくする効果を有すると考えられ、本発明はクリーナレスシステムにおいて非常に有効な構成であるといえる。
また、リークが発生しても白の斑点の径が小さい理由は実施例1,2同様、感光ドラムに押圧し接触しているためであると考えられる。
以上、評価方法C)による評価方法の結果では、実施例3,4の構成を用いた場合、現像バイアスを|V|max≦|Vd|、よりこの好ましくは|V|max≦0.9×|Vd|となるようにすることでリーク、特にクリーナレスシステムで重大な問題となる紙分リークの発生を著しく抑制し、発生しても白の斑点を目立たなくし、さらに、感光ドラムに現像剤担持体が一定の加圧量で押圧し当接することでリークが発生しても斑点の径を小さくする効果を有することがわかった。このことから、本発明の構成はクリーナレスシステムに非常に有効である。
(10−5)評価方法D)の結果
評価方法D)のリーク(紙粉リーク含む)によるベタ白画像不良に関して評価する。比較例8、9、11,13は、ドラムクリーナ有り時にリークを発生したものであり、クリーナレスシステムを用いた場合、さらに悪化の傾向を示した。
この原因としては、戻りトナー内に含まれる紙粉が現像領域近くに存在することでリークが発生しやすくなったため、クリーナレスシステムを用いた場合、リークによる画像不良がさらに進行したと考えられる。そのレベルは、ドラムクリーナ(7)を有するときと同様、AC電圧の高いVppをかけることでリークが著しく発生しやすくなり、感光ドラム1と現像剤担持体440間に間隔αがあることでリークによる画像不良の黒ポチの径が大きくなる。加えて、クリーナレスシステムでは、戻りトナー内の紙粉によりリークの発生が著しく増加することが分かった。
一方、実施例3,4においては、リークL3,およびクリーナレスシステムでは、非常に紙分リークL4が発生しやすくなるにもかかわらず、紙分リークL4による画像不良を抑制した。この原因について、図16を用いて考える。
図16(a)は、ベタ白中にリークL3、あるいは、紙分リークL4が発生するときのドラム表面電位と現像バイアスの関係を示している。リークL3、L4は|Vmax−Vd|が大きいほど発生しやすい。実施例3,4では現像バイアスのAC値のVppの値を小さくするように設定することで、リークの発生を著しく抑制している。
また、現像領域に異物(紙分含む)やトナー凝集による局所的な不均一領域が発生するとVppの増加同様リークL3、L4の発生が増加するが、実施例3,4では、AC電圧を重畳することでトナー凝集を低減させリークL3、L4の発生を抑制していると考えられる。
図16(b)のようにリークL3、L4が発生するとベタ白の表面電位Vdの一部がVmaxに近づき、局所的にVbk1だけドラム電位が変化し現像バイアスのDC値Vdcより大きい値となると黒の斑点が目立つと考えられるが、実施例3,4ではほとんど画像不良が目立たなかった。
この理由として、周囲の電位がVdのとき局所的にVbk1の電位が発生しても、周囲の電位の影響をうけた結果、実際に形成される電位はVbk2(図16(c))となり、目立たなくなっていると考えられる。つまり、実施例3,4はVmax≦Vlとなるように設定することで、リークL3、L4が発生しても画像上の黒い斑点を目立たなくする効果を有すると考えられる。
特にクリーナレスシステムにおいて、著しく増加する紙分リークL4を抑制する効果、紙分リークL4が発生しても目立たなくする効果を有すると考えられ、本発明はクリーナレスシステムにおいて非常に有効な構成であるといえる。
また、リークが発生しても黒の斑点の径が小さい理由は実施例1,2同様、感光ドラムに押圧し接触しているためであると考えられる。
以上、評価方法C)による評価方法の結果では、実施例3,4の構成を用いた場合、現像バイアスをVmax≦Vlとなるようにすることでリーク、特にクリーナレスシステムで重大な問題となる紙分リークの発生を著しく抑制し、発生しても黒の斑点を目立たなくし、さらに、感光ドラムに現像剤担持体が一定の加圧量で押圧し当接することでリークが発生しても斑点の径を小さくする効果を有することがわかった。このことから、本発明の構成はクリーナレスシステムに非常に有効である。
(10−6)評価方法Fの結果
評価方法F)のクリーナレスの回収性に関して評価する。実施例3,4は、比較して比較例11,12,13は、回収性が悪く、ランクは×であった。この原因として、感光ドラムと現像剤担持体が非接触なため、戻りトナーの回収性が著しく悪いと考えられる。
以上、評価方法F)による評価方法の結果では、実施例3,4の構成を用いることで、感光ドラムと現像剤担持体間に一定の圧力で押圧し、当接していることから、著しく戻りトナーの回収性の向上の効果があることが分かった。加えて、各実施例中で記載したように現像バイアスにACを印加することで、トナーのほぐし効果による回収性の向上の効果を有する。このことから、本実施例の構成はクリーナレスに非常に有効である。
(10−7)評価方法Gの結果
評価方法Fの供給性(剥ぎ取り性)に関して評価する。実施例4、比較例9,10は、実施例3と比較して印字枚数3000枚印字後の供給不良による画像不良が発生し、ランクは△であった。この原因として、実施例4、比較例9、10はトナーを現像ローラへ供給するためにスポンジ状の供給ローラを現像ローラとカウンター回転となるように当接しているため、戻りトナーに含まれる紙粉がこの供給ローラに付着して、現像ローラへのトナーの供給の妨げ(剥ぎ取りの妨げ)となっていると考えられる。これにより、中間調画像に縦筋となって画像不良が発生したと考えられる。評価のランクとしては、実施例4、比較例9は△、比較例10は×であった。この原因として、実施例4、比較例9は現像バイアスにAC電圧が印加されているために、画像不良を抑制していると考えられる。
一方、実施例3が印字枚数に関係なく画像不良が生じない理由としては、磁気的に弾性現像スリーブに搬送するため、現像スリーブ上に紙粉が蓄積する機構を備えていないためと考えられる。また、磁気的に搬送しているため、トナーと紙粉が混在したときに、磁気的な力を受けない紙粉より磁気的に力を受けるトナーを選択的に供給しているためと考えられる。
以上、評価方法H)による評価方法の結果では、実施例3の構成は、紙粉よりトナーを積極的に供給する効果、現像スリーブ上に紙粉が蓄積する機構を備えていないためトナーのコート層を乱れずらく、例え乱れても現像バイアスのAC電圧印加による画像良化の効果があるために印字枚数にかかわらず安定した良好な画像を得ることができる。
このことから、戻りトナー内含まれる紙粉が原因となる縦筋の画像不良の発生を著しく抑制することができ、クリーナレスシステムに非常に有効である。
また、実施例4の構成では、実施例3と比較してやや紙粉の蓄積による画像不良が生じやすいが現像バイアスにAC電圧を印加することで画像不良を抑制し、実使用上の問題はなく、クリーナレスシステムに有効である。
(10−8)評価方法以外の点について
評価方法A)〜G)以外の点について述べる。トナーを供給するために現像ローラにスポンジ状のトナー供給ローラを摺接している機構を有する実施例4,比較例9、10は、印字枚数(特に低印字)が増加すると現像ローラと供給ローラ間の摺接による圧力ためにトナー劣化を生じ著しくカブリ量が増加したのに対し、実施例1では磁気的にトナーを搬送するためトナー劣化せず、カブリ量が増加しなかった。
加えて、トナーリサイクルシステムによる戻りトナーの回収による劣化トナーの増加によるカブリ量が増加することで実施例4,比較例9、10はカブリ量の著しく増加したのに対し実施例3では増加しなかった。
さらに、実施例4,比較例9、10では、印字枚数が増加したときに転写残りトナーによる帯電ローラ汚れに伴う連鎖的なカブリ量が増加するのに対し実施例3ではカブリ量が増加しなかった。
以上、本発明である実施例3は印字枚数が増加したときの供給ローラと現像ローラ間の圧力によるトナー劣化によるカブリ量の増加、戻りトナー量の回収による劣化トナーの増加によるカブリ量の増加、帯電ローラ汚れに伴うカブリ量の増加による画像不良の抑制の著しいトナー劣化を抑制し、カブリ量の増加を抑制する効果があるといえる。
また、トナーを供給するために現像ローラにスポンジ状のトナー供給ローラを摺接している機構を有する実施例4,比較例9、10では、印字枚数が増加すると現像ローラとスポンジ状のトナー供給ローラ間の摺接のためトナー凝集体を生じ、それが現像ローラに搬送されると中間調画像中に斑点状のムラを生じたのに対し、実施例3では磁気的にトナーを搬送するためトナー凝集体が生じず画像不良が生じなかった。
以上、本発明である実施例3は印字枚数が増加したときにトナー凝集体が発生するのを抑制し、トナー凝集体による画像不良を抑制する効果があるといえる。
実施例4において現像バイアスをDC電圧−400Vとすると中間調画像中のムラが生じた。このムラを光学顕微鏡で観察したところ、濃度か濃い部分はトナーの凝集体が生成され、濃度が濃くなっていることが分かった。この原因としては、磁性一成分トナーはその内部または表面に磁性体を有しているため磁気的にトナー同士が凝集体を生成しやすいと考えられる。この状態おいて、AC電圧を印加することで感光ドラム上へ転移する際に均一に転移させることで均一で良好な中間調画像をえることできると考えられる。
(10−9)本実施例の優れた点
本実施例3,4の優れた点について述べる。
本実施例3は現像ローラ表面形状による中間調画像不良を抑制し良好で均一な画像を得る効果、画像エッジ不良の抑制、リークによる画像不良(ベタ白中の黒ポチ、ベタ黒中の白ポチ)の抑制、トナー飛散の抑制、印字枚数が増加したときのトナー劣化に伴うカブリ量の増加を抑制、帯電ローラ汚れに連鎖的に生じるカブリ量トナー切れ時におけるカブリ量増加の抑制、クリーナレス回収性、トナー供給不良の抑制の点に関して非常に優れている。
本実施例4は現像ローラ表面形状による中間調画像不良を抑制し良好で均一な画像を得る効果、画像エッジ不良の抑制、リークによる画像不良(ベタ白中の黒ポチ、ベタ黒中の白ポチ)の抑制、クリーナレス回収性の点に関して非常に優れている。
以上述べたように、本発明に適用したクリーナレスシステムに適した現像器を用いることで、トナー劣化の抑制、画質の低下の抑制、紙粉によるリークの発生の抑制、紙粉による供給不良の抑制の効果が得られ、良好な画像を得ることができる画像形成装置を提供できる。
(11)他の実施形態
1)実施形態では画像記録装置としてレーザープリンタを例示したが、これに限られず、電子写真複写機、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ等他の画像記録装置(画像形成装置)でもよいことは勿論である。
2)被帯電体としての像担持体は静電記録装置の場合には静電記録誘電体である。この場合は、該誘電体の面を所定の強制・電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して静電潜像を書き込み形成する。
3)像担持体はドラム型に限られず、エンドレス状或いは有端のベルト型、シート状等であってもよい。
4)接触帯電部材はローラ型に限られず、エンドレス状或いは有端のベルト型などのものにすることもできる。
5)被記録体は中間転写ドラムや中間転写ベルト等の中間転写体であってもよい。
6)実施例では転写方式の画像形成装置を例示したけれども、本発明の画像形成装置は、像担持体としてエレクトロファックス紙(感光紙)や静電記録紙を用いた直接方式の画像形成装置であってもよい。また、像担持体として回動ベルト型等の電子写真感光体や静電記録誘電体像担持体を用い、これに静電潜像を形成し、その静電潜像をトナー像として現像し、そのトナー像形成部を閲読表示部に位置させて画像表示させる電子黒板等の画像表示装置(ディスプレイ装置)であってもよい。
実施形態1の画像形成装置の概略構成図 実施例1で用いた実施形態1の画像形成装置の概略構成図 実施例1で用いた弾性現像スリーブ構成図 実施例1におけるカブリ量と現像バイアスの関係図 カブリのメカニズムの図 実施例2で用いた実施形態1の画像形成装置の概略構成図 比較形態1の画像形成装置の概略構成図 比較例4で用いた比較形態1の画像形成装置の概略構成図 比較例6で用いた比較形態1の画像形成装置の概略構成図 比較例7で用いた比較形態1の画像形成装置の概略構成図 現像剤担持体弾性層表面形状による画像不良のメカニズムの図 画像エッジ不良メカニズムの図 ベタ白画像中のリーク発生メカニズム1の図であり、(a)は紙粉回収の様子、(b)はリークする電圧とバイアスの関係、(c)は紙粉近くに外部電場が印加されたときの電荷の偏り ベタ黒画像中のリーク発生メカニズム1の図であり、(a)は紙粉回収の様子、(b)はリークする電圧とバイアスの関係、(c)紙粉近くに外部電場が印加されたときの電荷の偏り ベタ黒画像中のリーク発生メカニズム2の図 ベタ白画像中のリーク発生メカニズム2の図 実施形態2(クリーナレスシステム)における画像形成装置の概略構成図 クリーナレスシステム時における現像同時回収のバイアスの関係図 実施例3で用いた実施形態2の画像形成装置の概略構成図 実施例3(クリーナレス)におけるカブリ量と現像バイアスの関係図 実施例4で用いた比較形態2の画像形成装置の概略構成図 比較形態2(クリーナレスシステム)における画像形成装置の概略構成図 比較例11で用いた比較形態2の画像形成装置の概略構成図 比較例13で用いた比較形態2の画像形成装置の概略構成図
符号の説明
1‥‥感光体(像担持体、非帯電体)、2‥‥帯電ローラ(帯電手段、接触帯電部材)、3‥‥レーザービームスキャナ(露光器、露光手段)、400‥‥現像装置(現像手段)、410‥‥現像剤(トナーt)、420‥‥弾性ブレード(規制部材)、430‥‥搬送部材(攪拌部材)、440‥‥現像剤担持体(弾性現像スリーブ、弾性現像ローラ、現像スリーブ)、442a‥‥導電性弾性層、442b‥‥基層(剛体スリーブ)、442c‥‥マグネットロール、460‥‥現像剤供給剥ぎ取りローラ(スポンジローラ)、5‥‥転写ローラ(接触転写部材、転写手段)、6‥‥定着装置(定着手段)、7‥‥ドラムクリーナ、9‥‥電子写真プロセスカートリッジ(プロセスカートリッジ)P‥‥被記録体(紙、被転写体)

Claims (11)

  1. 像担持体、前記像担持体を帯電する帯電手段、前記像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段、前記静電潜像を現像する現像手段を有する画像形成装置であって、
    前記現像手段は、現像剤担持体と、前記現像剤担持体上に現像剤を供給する手段を有し、前記現像剤を規制部材により規制して前記現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成し、前記薄層に形成された現像剤を具備した前記現像剤担持体を押圧することにより前記像担持体と接触させ、前記現像剤担持体と前記像担持体との間に現像バイアスを印加し、前記現像剤を前記像担持体に転移させて前記像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段であり、
    前記現像剤担持体は、弾性層を持ち、前記像担持体の表面よりも低い硬度を有し、
    前記現像バイアスが交番電圧に直流電圧を重畳したものであり、前記現像バイアスの絶対値の最大値を|V|max、前記帯電手段により像担持体表面を一様に帯電する所定の電圧値(暗電位)をVdとしたとき、
    |V|max≦|Vd|・・・・(1)式
    を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体、前記像担持体を帯電する帯電手段、前記像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段、前記静電潜像を現像する現像手段を有する画像形成装置であって、
    前記現像手段は、現像剤担持体と、前記現像剤担持体上に現像剤を供給する手段を有し、前記現像剤を規制部材により規制して前記現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成し、前記薄層に形成された現像剤を具備した前記現像剤担持体を押圧することにより前記像担持体と接触させ、前記現像剤担持体と前記像担持体との間に現像バイアスを印加し、前記現像剤を前記像担持体に転移させて前記像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段であり、
    前記現像剤担持体は、弾性層を持ち、前記像担持体の表面よりも低い硬度を有し、
    前記現像バイアスが交番電圧に直流電圧を重畳したものであり、前記現像バイアスの絶対値の最大値を|V|max、前記帯電手段により像担持体表面を一様に帯電する所定の電圧値(暗電位)をVdとしたとき、
    |V|max≦0.9×|Vd|・・・・(2)式
    を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記潜像形成手段により像担持体の表面に潜像を形成する時の所定の電圧値(明電位)をVl、現像バイアスの最大値をVmax、現像バイアスの最小値をVminとしたとき、
    Vl≦0のとき、Vmax≦Vlを満たし、
    Vl>0のとき、Vmin>Vlを満たす、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体上の現像剤を被転写体に転写する転写手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 前記現像手段は、前記弾性層を備えた前記現像剤担持体を前記像担持体に対して押圧させつつ摺接させることにより、前記像担持体に形成された静電潜像に前記現像剤担持体上の現像剤を転移させて反転現像を行うと同時に、転写工程後に前記像担持体上に残留した現像剤を回収することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記現像剤が磁性一成分現像剤であり、前記現像剤担持体は、固定された磁界発生手段を内包した基体と、前記基体の表面上に設けた導電性弾性層を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の画像形成装置。
  7. 前記像担持体または被転写体上の現像剤像を定着する定着手段を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置。
  8. 少なくとも、前記像担持体と、前記現像手段とを一括して画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにしたことを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の画像形成装置。
  9. 少なくとも、前記像担持体と、前記帯電手段と、前記現像手段と、像担持体上の転写残り現像剤をクリーニングする手段とを一括して画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにしたことを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の画像形成装置。
  10. 請求項4乃至7の何れかに記載の画像形成装置に対して着脱自在のプロセスカートリッジであって、少なくとも、前記像担持体と、前記現像手段とを包含していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項4乃至7の何れかに記載の画像形成装置に対して着脱自在のプロセスカートリッジであって、少なくとも、前記像担持体と、前記帯電手段と、前記現像手段と、像担持体上の転写残り現像剤をクリーニングする手段とを包含していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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