JP2005169325A - Pfcガスの分解処理方法及び分解処理装置 - Google Patents

Pfcガスの分解処理方法及び分解処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】PFCガスと酸性ガスを含有する排ガスを処理する場合に、反応水を強制添加しないでPFCガスを分解できるPFCガスの分解処理方法を開発する。
【解決手段】本発明に係るPFCガスの分解処理方法は、前記排ガス中のPFC濃度は0.5%以下であり、この排ガスを水と気液接触装置7で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解することを特徴とする。また、前記排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して、CO成分の発生を防止する。更に、PFC濃度が0.5%以上の排ガスに対し、空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に強制的に低減させ、PFCガスの分解を確実にする。PFC濃度を0.5%以下に設定して、酸性ガスの分解段階に供給される水の蒸発水分を排ガスに同伴させ、PFCガスの分解を行う方法が提供される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体製造装置等から排出されるPFCガス(パーフルオロコンパウンド)を含む排ガスを効率よく連続的に分解処理することが可能な分解処理方法及び分解処理装置に関する。
半導体工業では、半導体製造における酸化膜等のエッチング工程や半導体製造装置のクリーニング工程でCF、C、C、C、C、CHF、SF、NF等の有機・無機含弗素化合物ガスを使用しており、総称してPFCガスと呼称されている。
これらのPFCガスはいずれも地球温暖化係数(2001年改正GWP値)が極めて大きいことが知られている。例えば、CFの地球温暖化係数はCOに対して5700倍、Cでは11900倍、またSFでは22200倍である。従って、PFCガスを含有した排ガスをそのまま大気に放出することは当然好ましくない。
そこで、従来から、これらのPFCガスを含む排ガスの処理方法として、燃焼分解法、プラズマ分解法、薬剤反応分解法、触媒分解法等が研究されている。燃焼分解法は燃焼によりPFCガスを分解する方法で、また、プラズマ分解法はPFCガスをプラズマ状態で分解する方法である。省エネルギーの観点からは、1000℃以下の比較的低い温度でPFCガスを分解できることが望ましく、前記方法以外に薬剤反応分解法と触媒分解法が詳細に研究されている。
薬剤反応分解法として、例えば、特開2002―224565号や特開2003−71244号が知られている。これらの公開技術は、フルオロカーボンの分解処理剤及び分解処理方法に関しており、酸化アルミニウムにアルカリ土類金属やリチウム化合物を含有した分解処理剤を用いて、フルオロカーボンを分解する方法である。
また、触媒分解法としては、例えば、特許第3217034号が知られている。この特許は過弗化物の処理方法及びその処理装置に関しており、過弗化物及びケイ素を含む排ガスからケイ素を除去した後、水又は水蒸気を添加し、触媒層で過弗化物を分解する方法である。
特開2002―224565号 特開2003−71244号 特許第3217034号
しかし、上記方法は次のような欠点を有している。まず、燃焼分解法はPFCガスを分解するために1000〜1500℃程度の高温を必要とし、燃焼装置の耐熱性や耐食性を考慮しなければならず、設備コストが莫大になるという弱点があった。また、炭化水素等燃料の燃焼副生ガスである二酸化炭素を大量に放出するという問題があった。
プラズマ分解法は大量の電力が必要であり、ランニングコストが高いという問題があった。また、プラズマ分解法の多くは減圧状態で運転されるため、半導体製造装置と真空ポンプの間にプラズマ分解装置を設置する必要がある。その結果、圧力損失等のトラブルが直接的に半導体製造工程に影響を及ぼすため、厳密な運転管理が必要であった。
薬剤反応分解法は、アルミナ系の分解処理剤にPFCガスを接触させて、PFCガスを反応分解処理する方法であり、比較的低い温度で分解できる利点がある。しかし、PFCガスとアルミナが反応して、アルミナの表面にフッ化アルミニウムが生成するため、アルミナ系分解処理剤が短時間で失活するという問題があった。
前述した特開2002−224565号及び特開2003−71244号に記載された方法においても、分解処理剤1L(リットル)当たりのPFC分解処理量は、最大でも約120L(リットル)と比較的少量である。従って、PFC濃度が0.5%、空間速度が約140h‐1の場合における連続分解処理が可能な時間は約200時間と短く、実用的ではない。
特許第3217034号に記載の触媒分解法は、アルミナ系の触媒を用いて加水分解反応によりPFCを分解させる方法である。しかし、この方法では、PFCを触媒分解する段階で、多量の反応水を強制的に添加する必要がある。例えば、(式1)に示した1モルのCF(PFCの1種)を加水分解させるために、実際上25モルの反応水を必要としている。
CF十2HO→CO十4HF (l)
反応水の理論量は、1モルのCFに対し2モルであることは式(1)から明らかである。換言すれば、理論量2モルに更に23モルの反応水を過剰に添加する必要があり、実際の反応水量が理論モル量の10倍以上を必要とするのである。大量の過剰な反応水を添加するため、この反応水を600℃〜800℃まで加熱するエネルギーコストは膨大に達する。しかも、反応後にこの反応水を室温にまで冷却する必要があるため、熱交換設備や配管系などの設備コストも膨大である。また、大量の高温水と長時間接触反応するため、触媒表面が高温脆化しやすいという弱点があった。
従って、本発明の目的は、PFCガスと酸性ガスを含有する排ガスを処理する場合に、反応水を強制添加しないでPFCガスを分解できる新規なPFCガスの分解処理方法及び分解処理装置を提供することである。
本発明の第1の形態は、PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する方法において、前記排ガス中のPFC濃度は0.5%以下であり、この排ガスを室温以上沸騰温度以下の水と気液接触装置で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解するPFCガスの分解処理方法である。
本発明の第2の形態は、PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する方法において、前記排ガス中のPFC濃度は0.5%以下であり、この排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加し、この添加された排ガスを室温以上沸騰温度以下の水と気液接触装置で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解するPFCガスの分解処理方法である。
本発明の第3の形態は、PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する方法において、前記排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に低減し、この排ガスを室温以上沸騰温度以下の水と気液接触装置で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解するPFCガスの分解処理方法である。
本発明の第4の形態は、触媒が、アルミナージルコニウム複合酸化物に酸化タングステンを担持して構成されるPFCガスの分解処理方法である。
本発明の第5の形態は、触媒が、アルミナージルコニウム複合酸化物に酸化タングステン及び、パラジウム、白金のいずれか1種以上を担持して構成されるPFCガスの分解処理方法である。
本発明の第6の形態は、触媒が、アルミナージルコニウム複合酸化物に酸化タングステンを担持した触媒と、アルミナにパラジウム、白金のいずれか1種以上を担持した触媒から構成されるPFCガスの分解処理方法である。
本発明の第7の形態は、触媒の加熱温度が、600〜900℃であるPFCガスの分解処理方法である。
本発明の第8の形態は、気液接触装置の水温が20〜40℃であるPFCガスの分解処理方法である。
本発明の第9の形態は、前記第2形態又は前記第3形態において、排ガスの流量と排ガス中のPFC濃度をモニタし、必要に応じて排ガス中の酸素濃度をモニタし、前記反応ガスの必要添加流量を演算して反応ガスの添加流量を自動制御するPFCガスの分解処理方法である。
本発明の第10の形態は、PFC濃度が0.5%以下に調整されたPFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを供給する排ガス供給手段と、水を供給する水供給手段と、この水供給手段から供給される水と前記排ガス供給手段から供給される排ガスを接触させて酸性ガスを除去する気液接触装置と、この気液接触装置から排出される排ガスを導入してPFCガスを分解する加熱した触媒層から構成されるPFCガスの分解処理装置である。
本発明の第11の形態は、PFC濃度が0.5%以下に調整されたPFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを供給する排ガス供給手段と、水を供給する水供給手段と、この水を加温する加温手段と、この加温手段から供給される水と前記排ガス供給手段から供給される排ガスを接触させて酸性ガスを除去する気液接触装置と、この気液接触装置から排出される排ガスを導入してPFCガスを分解する加熱した触媒層から構成されるPFCガスの分解処理装置である。
本発明の第12の形態は、前記第11形態又は第12形態の分解処理装置において、前記排ガス供給手段から供給される排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加する反応ガス添加手段を付設し、この反応ガスが添加された排ガスを前記気液接触装置に供給するPFCガスの分解処理装置である。
本発明の第13の形態は、PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを供給する排ガス供給手段と、この排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に低減する反応ガス添加手段と、水を供給する水供給手段と、この水供給手段から供給される水とPFC濃度が0.5%以下に低減された前記排ガスを接触させて酸性ガスを除去する気液接触装置と、この気液接触装置から排出される排ガスを導入してPFCガスを分解する加熱した触媒層から構成されるPFCガスの分解処理装置である。
本発明の第14の形態は、PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを供給する排ガス供給手段と、この排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に低減する反応ガス添加手段と、水を加温する加温手段と、この加温手段から供給される水とPFC濃度が0.5%以下に低減された前記排ガスを接触させて酸性ガスを除去する気液接触装置と、この気液接触装置から排出される排ガスを導入してPFCガスを分解する加熱した触媒層から構成されるPFCガスの分解処理装置である。
本発明の第1の形態によれば、PFC濃度が0.5%以下の排ガスを対象とし、第1段階において、この排ガスを水と接触反応させて排ガス中の酸性ガスを除去する。酸性ガスの典型例は半導体製造装置から排出されるSiFガスであり、このSiFガスは水との接触反応により式(2)のように加水分解される。
SiF + 2HO → SiO + 4HF (2)
生成されるSiOは微粒子化し、落下する廃水に混入して回収される。水温は高いほど前記加水分解反応は加速され、効率的にSiFガスがSiO微粒子として排ガスから分離される。従って、水は室温で供給される場合もあり、加温されて供給される場合もある。夏季は水温が高いから水の加温が不要な場合もあり、冬季は水温が低いから加温される場合が多くなる。このように季節によって室温が上下に変化するから、加水分解反応を一定水準に保持するために、水の加温が要請される場合が多い。しかし、熱帯地域などでは、室温自体が安定して高温であるから、加温が不要になる場合も多くなる。一般に、気体反応は温度が10℃上昇すると反応速度が2倍になると云われるから、加水分解反応を高水準に保持するために加温されることが要請される場合が多い。供給される水の温度は室温から沸騰温度未満に調整されるが、沸騰温度以上に加温されることは無い。実際には、水温は室温〜60℃程度に調整され、省エネルギーの観点からは、室温〜40℃で十分である。このように、酸性ガスを除去する段階では、水は室温で添加される場合もあるし、加温されて添加される場合もある。
気液接触装置から排出される排ガスには濃度が0.5%以下のPFCガスが残留している。また、加水分解反応が生起する気液接触装置内では供給水が流下して廃水となり、装置内は飽和水蒸気が充満した状態になり、また飽和状態に近い状態が出現する。この飽和水蒸気量は水温に依存する。従って、0.5%以下のPFCガスと飽和水蒸気(又は飽和に近い水蒸気)を含んだ排ガスが、加熱された触媒層に流入する。PFCガスは加熱された触媒層の中で水蒸気により加水分解され、HF、CO、NO等のガスが生成される。これらの生成ガスは排ガスと共に後段の装置に排出される。本発明では、排ガス中のPFC濃度は0.5%以下に規制されているから、排ガス中に残留する水蒸気量は極めて少量で済むという特徴を有する。従って、気液接触装置に添加される水の温度は沸騰温度よりもかなり低減できるため、エネルギーコストを大幅に低減できる特徴を有している。また、排ガスに同伴する水蒸気量が少ないため、高温に加熱される触媒層に水蒸気が流入しても、触媒の高温脆化を極力低減でき、触媒層の耐久性を向上できる効果がある。
従来の特許第3217034号の方法では、酸性ガスを分解する第1段階に水を添加するだけでなく、PFCガスを分解する第2段階でも大量の水を注入する必要があった。この大量の水を、600℃〜800℃の触媒分解温度にまで加熱する必要があり、エネルギーコストを膨大にし、しかも大熱量を有した高温水と触媒が長時間接触するため、触媒の高温脆化しやすいという弱点があった。本発明では、酸性ガスを加水分解する第1段階では室温水又は加温水を注入するが、PFC分解段階では全く水を注入せず、酸性ガス分解段階に排ガス中に含まれる飽和水蒸気(又は飽和に近い水蒸気)によりPFCガスを触媒分解するから、水蒸気量が極めて少なくなり、上記した従来の欠点が全て解消される点に大きな特徴を有するのである。PFCガスの分解時に生成されるHF成分は、別設される後段の装置で除去することができる。
本発明の第2の形態によれば、前記第1形態の特徴に加えて、0.5%濃度以下のPFCを含んだ排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスが強制的に添加される。触媒層でPFCが分解される際に、排ガス中にOが全く存在しない場合には、PFCの種類によっては有毒なCO(一酸化炭素)が生成される場合がある。本発明形態では、強制添加される反応ガスにより有毒なCOの発生を防止している。この反応ガスは主としてOであり、反応ガスとして空気又は酸素が選択される。この反応ガスにより、PFC分解段階でCOが発生せず、安全なCOが生成される。反応ガスの添加量はPFCガスの種類に依存する。最も多くの酸素を必要とするCでも、必要な理論酸素濃度はC濃度の3倍である。即ち、C濃度が0.5%の場合の理論酸素濃度は1.5%となる。この酸素濃度はPFC分解反応式の理論値であり、現実には理論値の2倍程度の酸素濃度で十分であるから、C濃度が0.5%の場合の実効酸素濃度は3%となる。従って、0.5%濃度以下のPFCを含んだ排ガスに対して、PFCガスの種類に依存して酸素濃度が3%以下になるように反応ガスを添加すれば、PFC分解時にCO発生を防止でき、安全な排ガス処理が行える。
本発明の第3の形態によれば、PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して、排ガス中のPFC濃度が0.5%以下に強制的に低減される。本発明の目的は、酸性ガス及び0.5%濃度以下のPFCガスを含む排ガスから、第1段階で酸性ガスを加水分解により除去し、第2段階でPFCガスを分解し、PFCガスと酸性ガスを含まない排ガスに転換することにある。しかし、設備から排出される初期の排ガスには、0.5%濃度以上のPFCを含む場合も存在する。このような場合に、初期の排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して、排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に強制的に低減する。PFC濃度を0.5%以下に低減すれば、前述した本発明の第1形態又は第2形態が実現される。空気又は酸素からなる反応ガスを添加すると、単にPFC濃度を0.5%以下に希釈するだけでなく、この反応ガスの作用によりCOの生成を防止できる。前述したように、COの生成を確実に防止するには、PFC濃度を0.5%以下に調整し、しかもPFCガスの種類に依存して酸素濃度が3%以下になるように反応ガスを添加すればよいことは前述した通りである。従って、反応ガスの添加量はPFC濃度を0.5%以下に低減する量でよく、同時にCO防止のためにはPFCの種類に依存するが酸素濃度が3%以下になるように反応ガスを添加すればよい。
本発明の第4の形態によれば、PFCを分解する触媒として、アルミナージルコニウム複合酸化物に酸化タングステンを担持した触媒が使用される。この触媒は特許第2569421号に記載されたフッ素化合物ガスの分解処理用触媒である。本発明者等は、この公知の触媒がPFC分解において極めて少量の水しか必要としない新規な事実を発見して、本発明形態を想到するに到ったものである。極めて微少量の水でPFCを分解する事実は、前記特許にも全く記載されていない新規な効果であり、本発明者等はこの新規な発見に基づいて本発明形態を完成したものである。つまり、この触媒は、酸化ガスの分解段階で飽和水として排ガス中に残留する水蒸気だけでPFCガスを分解できる高効率の触媒である。従って、PFC分解段階で新たな水を全く注入する必要が無いという長所を有し、触媒層を加熱しても水を加熱するエネルギーコストを大幅に低減できる。しかも、少量の同伴水蒸気を高温化し、この高温水が触媒層と接触するだけであるから、熱負荷による触媒の高温脆化を防止して触媒の耐久性を増大できる効果がある。
本発明の第5の形態によれば、PFCを分解する触媒として、アルミナージルコニウム複合酸化物に酸化タングステンを担持し、更にパラジウム及び白金のいずれか1種以上を担持させた触媒が使用される。この第5形態の触媒は、前述した第4形態の触媒に、更にパラジウム又は白金のいずれか1種以上を付加的に担持させたものである。担持されるパラジウム又は/及び白金は、PFC分解時に微量生成されるCOを酸化してCOに転換させる効果を有する。従って、この触媒を使用すると、PFC分解とCO酸化を同時に行うことができ、排ガスの安全性を飛躍的に高めることができる。
本発明の第6の形態によれば、2種の触媒を2段に配置した触媒が使用される。第1段目の触媒は、アルミナージルコニウム複合酸化物に酸化タングステンを担持した触媒で、主としてPFC分解用触媒である。第2段目の触媒は、アルミナにパラジウム又は白金のいずれか1種以上を担持した触媒で、主としてCO酸化用触媒である。第1の触媒は前述した第4形態の触媒であり、それ自体で前述と同様のPFC分解効果を発揮する。第2の触媒は、アルミナにパラジウム又は白金のいずれか1種以上を担持した触媒であり、主としてPFC分解時に微量生成されるCOを酸化してCOに転換する。この第6形態は、第1触媒と第2触媒を2段配置して、PFC分解を効率化し、しかも有害なCOの発生を防止することを主眼とする。これにより、少量の水蒸気が存在さえすれば、PFCガスをほぼ完全に分解することができ、PFC分解段階での水添加を完全に不要にすることが可能になる。
本発明の第7の形態によれば、触媒の加熱温度を、600〜900℃と比較的に低く設定できるPFCガスの分解処理方法が提供される。このような温度範囲で、しかも少量の同伴水蒸気量によりPFCを効率的に分解できる利点を有する。
本発明の第8の形態によれば、気液接触装置の水温が20〜40℃であるPFCガスの分解処理方法である。第1形態から第3形態においては、水温は室温〜沸騰温度未満の範囲で任意に選択することができた。この第8形態では、酸性ガス分解段階で注入される水の温度を更に低下させ、20℃〜40℃の極めて狭い範囲に調整しても、その温度に相当する少量の飽和水蒸気量(又は飽和に近い水蒸気量)でPFCを有効に分解することに成功したものである。この理由は下記の通りである。
PFCガスの種類によって、1モルのPFCを加水分解するのに必要なHOの理論モル数は変化する。例えば、1モルのCF分解には2モルのHO、1モルのC分解には3モルのHO、1モルのCには4モルのHOが理論的に必要になる。従って、一般的に1モルのPFC分解に対して最大でも4モル〜5モルのHOが理論的に要請される。しかし、気液接触装置において水蒸気が不飽和状態の可能性もあり、PFC分解における未反応水の存在も考えれば、理論モル数の2倍量程度のHOが存在すれば、PFC分解が十分に行えることが本発明者等によって発見されたのである。従って、一般の1モルのPFC分解に対して、実際水量は最大でも8モル〜10モル存在すれば、任意のPFCの高効率分解が可能になる。つまり、0.5%以下のPFC濃度であれば、4%〜5%以下の水蒸気濃度が確保できれば、本発明のPFC分解が実行できるのである。圧力に換算すると、排ガス圧力が1気圧のとき、0.005気圧以下のPFC分解には、最大でも0.04気圧〜0.5気圧以下の水蒸気が存在すればよい。一般に、1気圧の空気の中に存在する飽和水蒸気の分圧は、20℃では0.023気圧、30℃では0.042気圧、また40℃では0.073気圧であることが分かっている。この気圧は、濃度(%)やモルに読み替えてもよいことは云うまでも無い。従って、最高でも40℃の水温で十分な水蒸気量が確保できる。また、PFC1モルに対し2モルの理論水量が必要な場合には、その2倍の4モルの実際水量でPFC分解が可能である。従って、0.5%濃度のPFCに対しては、2%の水量が必要であり、0.02気圧の飽和水蒸気量が確保されればよい。つまり、20℃の飽和水蒸気圧が0.023気圧であるから、最低でも水温は20℃であればPFC分解が可能になる。水温が20℃であれば、多くの場合では水を加温する必要は無い。これらを総合すると、20℃〜40℃の水温があれば、PFC分解が高効率に行われる。これらの結果は、本発明者等によって初めて発見されたものであり、この発見により本発明を完成したものである。
本発明の第9の形態によれば、排ガス中のPFC濃度が0.5%以下の場合に、前記排ガスの流量と排ガス中のPFC濃度をモニタし、必要に応じて排ガス中の酸素濃度をモニタし、PFC分解時にCOを発生させないように、添加すべき反応ガス量を演算制御することができる。この場合、PFC濃度は既に0.5%以下であるから、反応ガスの添加目的はCO発生を抑制することである。
制御方法の一例を次に述べる。PFCの分解反応において、COを発生させないために必要な酸素濃度はPFCの種類により変化する。最も多くの酸素を必要とするCでも必要な理論酸素濃度はC濃度の3倍である。未反応酸素の残留などを考慮すると、実際の酸素濃度はC濃度の6倍程度で十分である。従って、必要酸素濃度の最小量は一般のPFC濃度の6倍であると考えることができる。
例えば、排ガス流量をEF、PFC濃度をPC(%)、排ガス中の酸素濃度をOC(%)としたとき、添加される空気又は酸素からなる反応ガス量をRFとする。また、反応ガス中の酸素含有率をOX(%)とし、ここで反応ガスが酸素ならOX=100(%)、空気ならOX=20(%)と考える。排ガス中の酸素濃度はPFC濃度の6倍以上であればよいから、次式が成立する。
EF×OC/100+RF×OX/100≧6×EF×PC/100
この式を変形すると、反応ガス量RFは次式で与えられる。
RF≧EF×(6PC−OC)/OX
排ガス中に酸素が無ければOC=0であり、反応ガスが酸素ならOX=100となり、RF≧EF×6×PC/100となる。また、反応ガスが空気なら、OX=20であり、RF≧EF×6×PC/20となる。
上記制御式を更に一般化するため、特定のPFCを分解するために、酸素濃度がPFC濃度のm倍必要であるとしよう。このとき、前述した数値6をmに置き換えればよい。従って、反応ガス量RFは次式で与えられる。
RF≧EF×(m×PC−OC)/OX
これらの制御式は一例に過ぎないことは云うまでもない。
また、PFC濃度が0.5%以上であっても、前記排ガスの流量と排ガス中のPFC濃度をモニタし、必要に応じて排ガス中の酸素濃度をモニタし、反応ガスの必要添加流量を演算して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に自動制御することができる。本発明では、PFC濃度を0.5%以下に設定する必要がある。測定された排ガス流量がEFで、測定されたPFC濃度がPC(%)としたとき、添加される反応ガスの必要流量をRF’とすると、自動制御の一例として、これらの間に次式が成立するように自動制御が行われる。
(EF×PC/100)/(EF+RF’)≦0.5/100
従って、添加される反応ガスの必要流量RFは次式を満足するように自動制御される。
RF’≧EF(PC/0.5−1) {但しPC≧0.5の場合}
具体的な自動制御の式は、以上の式に制限されるものではなく、また制御方法はコンピュータ制御でも、電子回路制御でもよく、また手動制御でも構わないことは云うまでもない。
ところで、PFC濃度を0.5%以下に制御する反応ガス添加流量RF’において、COを発生させないために必要な酸素濃度が得られないケースが存在する。その場合は、必要酸素濃度を得るために必要な反応ガス添加流量RF(RF>RF’)を与えればよい。
本発明の第10形態の分解処理装置により、前述した第1形態の分解処理方法が具体的に実現される。この分解処理装置では、PFC濃度が0.5%以下に事前に調整されたPFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する点に特徴を有している。排ガスの供給源は、半導体製造装置や化学品製造装置など多様であり、本発明装置に供給される前に、排ガスのPFC濃度が0.5%以下に調整される。勿論、排ガス供給源から排出されるPFC濃度が初めから0.5%以下であれば、その排ガスは何の処理を施す必要も無くそのまま本発明装置に導入される。その他、本発明装置の作用効果は前述した第1形態と実質的に同様である。
本発明の第11形態の分解処理装置は、第10形態の分解処理装置において、水供給手段から供給される水を加温手段に導入して、水温を所望温度に調整する点に特徴を有する。水温を適温に調整するため、気液接触装置内で排ガス中に混入する水蒸気量を調節できる利点がある。水温を高くするほど水蒸気量が増大し、PFC分解段階で水蒸気量の不足を解消できる。その他、本発明装置の作用効果は前述した第1形態と実質的に同様である。
本発明の第12形態の分解処理装置により、前述した第2形態の分解処理方法が具体的に実現される。この分解処理装置は、第10形態又は第11形態の分解処理装置に空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加する反応ガス添加手段が付設されている点に特徴を有する。Oが存在しない場合には、PFCガスを触媒層で分解する際に有毒なCOが生成される可能性がある。そこで、反応ガスを添加してCOを発生させず、PFC分解後の排ガスを安全化している。反応ガスの添加量は第9形態において詳述した通りである。また、この分解処理装置では、半導体製造装置や化学品製造装置などの排ガス供給源から排出される排ガスが本発明装置に供給される前に、排ガスのPFC濃度が事前に0.5%以下に調整される。勿論、排ガス供給源から排出されるPFC濃度が初めから0.5%以下であれば、その排ガスは何の処理を施す必要も無くそのまま本発明装置に導入される。その他、本発明装置の作用効果は前述した第2形態と実質的に同様である。
本発明の第13形態の分解処理装置により、前述した第3形態の分解処理方法が具体的に実現される。半導体製造装置や化学品製造装置などの排ガス供給源から排出される排ガスでは、PFC濃度が0.5%を超える場合も存在する。そのため、本発明装置では、前記排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に強制的に低減させる反応ガス添加手段が付設されている。また、反応ガスを添加する目的は、単にPFC濃度を0.5%以下に低減させることだけでなく、反応ガスの添加により、排ガス中の酸素濃度を増大させて、PFCガス分解段階で有毒なCOの発生を防止している。本発明装置を使用すれば、事前にPFC濃度を0.5%以下に調整する装置的負担も無くなり、広範囲の排ガスを効率的に処理できる利点を有する。その他、本発明装置の作用効果は前述した第3形態と実質的に同様である。
本発明の第14形態の分解処理装置は、第13形態の分解処理装置において、水供給手段から供給される水を加温手段に導入して、水温を所望温度に調整する点に特徴を有する。水温を適温に調整するため、気液接触装置内で排ガス中に混入する水蒸気量を調節できる利点がある。水温を高くするほど水蒸気量が増大し、PFC分解段階で水蒸気量の不足を解消できる。その他、本発明装置の作用効果は前述した第3形態と実質的に同様である。
まず、本発明に係るPFCガスの分解処理方法の実施形態を詳細に説明する。
本発明は、1000℃以下の低い温度で、しかもPFC分解段階で強制的に水を添加しないで、PFCガスを長時間連続的に分解することのできる触媒分解法を提案するものである。
本発明の第lのPFCガス分解処理方法は、PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する方法において、前記排ガス中のPFC濃度は0.5%以下であり、この排ガスを水と気液接触装置で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解する方法である。
本発明の第2のPFCガス分解処理方法は、PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する方法において、排ガス中のPFC濃度は0.5%以下であり、この排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加し、この添加された排ガスを水と気液接触装置で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解する方法である。
本発明の第3のPFCガス分解処理方法は、PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する方法において、前記排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に低減し、この排ガスを水と気液接触装置で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解する方法である。
PFCガスを用いた半導体製造プロセスから生じる排ガスは、エッチング工程やクリーニング工程で未分解のPFCガスを含み、更に各工程で副生するSiF等の酸性ガスを含有し、キャリアガスとして使用されている窒素ガス等で搬送されて排出される。このキャリアガスにより、排ガス中のPFC濃度は、通常は0.5%以下に抑えられ、最大でも2%以下に調整される。
前述した第1〜第3のPFCガス分解処理方法から分かるように、本発明のPFCガス及び酸性ガスを含む排ガスの処理方法は、空気または酸素からなる反応用ガスの添加(工程1)、水を用いた気液接触装置での酸性ガスの除去(工程2)、及び加熱した触媒層で
のPFCの分解(工程3)の3工程から構成されている。但し、前記第1方法では、反応用ガスの添加は要件とされていない。以下に、各工程を詳細に説明する。
<工程1:反応用空気又は反応用酸素の添加>
実際の多くの排ガスでは、排ガス中のPFC濃度が0.5%以下である場合が多い。この場合には、当該排ガスに何等の希釈をすること無く、単にPFCの酸化反応に供する少量の酸素を添加するだけであり、水を用いた工程2よりの同伴水分で、95%以上の充分なPFC分解性能を得ることができる。
CF以外のPFCの加水・酸化分解反応は、以下の(式3)〜(式9)に示す様に、PFCの種類により必要な酸素濃度が異なる。最も多くの酸素を必要とするCでも、必要な理論酸素濃度はC濃度の3倍である。即ち、C濃度が0.5%の場合の酸素濃度は1.5%となる。この酸素濃度は加水・酸化分解反応式の理論値であり、現実には理論値の2倍程度の酸素濃度が適用される。
+3HO+(1/2)O→2CO+6HF (3)
+4HO+O→3CO+8HF (4)
+4HO+2O→4CO+8HF (5)
+4HO+3O→5CO+8HF (6)
CHF+HO+(1/2)O→CO+3HF (7)
NF+(3/2)HO→(1/2)NO+(1/2)NO+3HF (8)
SF+3HO→SO+6HF (9)
次に、排ガス中のPFCガスを加水分解処理する場合、その理論水分濃度は、CFでは(式1)に示す様にCF濃度の2倍となる。また、C、C、Cでは式(4)〜式(6)に示す様に、PFC濃度の4倍となる。前記の水分濃度は加水分解反応式の理論値であり、実際に速やかに反応を進めるためには、理論値より過剰の水分が必要である。この水分の過剰比率は、PFC濃度が高くなるに従い、徐々に大きくなる傾向がある。
本発明者等の研究によれば、PFC分解用触媒として、WO/Al−ZrO触媒を用いた場合、CFを分解するのに必要な水分濃度は、CF濃度が0.5%以下の条件では、理論水分濃度の2倍以下で十分である。即ち、理論水分濃度の2倍以下の水分が存在すれば、CFを95%以上分解できることが分かった。
従って、排ガス中のPFC濃度が0.5%を越える場合には、反応ガスを用いて排ガス中のPFC濃度を0.5%以下まで希釈することにより、加水分解に必要な反応水を低減することが可能である。排ガス中のPFC濃度が0.5%以下に低減されると、水を用いた気液接触装置での酸性ガスの除去工程(第2工程)において同伴される水分量だけで、PFCの加水分解反応が可能となる。
反応ガスとしては、空気または酸素のいずれかのガスが適用できる。酸素は、ガス配管で強制的に添加される必要がある。他方、空気の添加は外気を吸入すればよく、分解処理系にエゼクタ、ブロア等の減圧装置を有する構成にすれば経済的である。
また、式(3)〜式(7)に示される様に、PFCの種類により、COとHFに変換するために反応用ガスとして酸素が必要な場合もあるため、空気を用いることが好ましい。

例えば、CとCでは、反応用ガスとして酸素がない場合、式(10)、式(11)に示す様に高濃度のCOが生成する。
+3HO→CO+CO+6HF (10)
+4HO→2CO+CO+8HF (11)
従って、PFC分解時に、この有毒なCOが発生しないように、酸素又は空気からなる反応用ガスを添加し、生成ガスがCOとHFだけからなるように構成される。
反応ガスの導入流量は、PFC濃度測定器と演算器を用いて、自動制御することができる。具体的には、PFC排ガス流量調整器からの流量信号と、PFC濃度測定器からの濃度信号を演算器に取込む。希釈後の排ガス中のPFC濃度が0.5%になる様に、反応ガス流量調整器に演算器から流量設定信号を与えることで実施できる。また、必要に応じて、反応ガスの最小導入流量を設定することも可能である。
<工程2:水を用いた気液接触装置での酸性ガスの除去>
工程1でPFC濃度が0.5%以下にまで低減された後、排ガス中に含まれているSiFやHCl等の酸性ガスを20℃〜40℃の水により分解・吸収除去する工程である。特に、半導体製造装置から排出される排ガスには、酸性ガスとしてSiFが混入する。
このSiFが除去されない場合には、工程3の触媒層において、式(12)に示す反応が生じ、固体状のSiOが触媒層表面に形成され、触媒のPFC分解活性を低下させる原因となる。このため、工程2においてSiFを除去する必要がある。
SiF+2HO→SiO+4HF (12)
工程2では、水を用いた気液接触装置により、式(12)の反応を利用して、SiF等の酸性ガスを除去する。気液接触装置としては、充填塔式、スプレー塔式、サイクロンスクラバー、ベンチュリースクラバー等いずれの装置も適用できる。この気液接触装置では、水と排ガスが広い面積で接触し、排ガス中のSiFが粒子状のSiOへと変化する。SiOの微粒子は、流下する水に分散し、廃液と共に回収される
また、気液接触装置内では、酸性ガスを除去された排ガスに、気液接触操作温度(水温)の飽和水分量に近い水分量(RH80〜95%)が水蒸気として同伴される。本発明では、この同伴水蒸気を飽和水蒸気又は飽和に近い水蒸気とも称している。
一般に、気液接触操作は常温で行われるが、20〜40℃の飽和水分濃度は、20℃で2.3%、30℃で4.2%、40℃で7.3%である。この%表示は気圧表示と等価である。従って、気液接触装置内で、排ガスはほぼ飽和水分濃度の水蒸気を含有することになる。この水蒸気を同伴する排ガスが次の触媒層に送出される。
同伴水分量は、排ガス流量が多いほど多くなるため、工程1における反応ガスの添加によるPFC濃度低減操作との相乗効果(HO/PFC比の増加)で、触媒でのPFCの加水分解が進みやすくなる。
また、排ガスに同伴される水分を更に多く必要とする場合には、気液接触装置に供給する水の水温を20〜40℃の範囲で加温手段により高くすればよい。加温手段として加熱器が好適であるが、省エネルギーの観点から、工程3の触媒層から排出される高温の排ガスと熱交換させる加温手段も利用できる。
水温を40℃より高くすれば、同伴水分量が増加し、工程3における触媒でのPFCの加水分解には有利である。しかし、過剰な水分の投入は、水温を上げるためのエネルギーコストが増大するため好ましくない。また、必要水分量以上に過剰に供給しても効果は小さい。
<工程3:加熱した触媒層でのPFCの分解>
更に、工程1でPFC濃度が0.5%以下まで低減され、工程2で酸性ガスが除去されると、排ガス中のPFCを除去するために、加熱した触媒層でPFCを分解する工程3が実行される。
本発明者等は、WO/Al−ZrO触媒がPFC分解に好適であることを発見し、しかもこの触媒が少ない水分量で効率的にPFCを分解することを発見した。
本発明では、PFC加水分解時に有害なCOを副生するPFCに対しては、排ガス中に空気または酸素を添加してCOを強制酸化してCOに転換している。 その際の酸素濃度は、式(3)〜式(7)に示す理論酸素濃度の2倍程度あればCOを極低濃度まで低減できる。
同時に、COの副生を防止するために、触媒として下記の2種類の触媒から選択されることが好ましい。第1の触媒として、Al−ZrO担体に、WOと共にPd又はPtを担持した触媒(以下、Pd―WO/Al−ZrO触媒又はPt―WO/Al―ZrO触媒)が好適である。また、第2の触媒として、WO/Al−ZrO触媒の下流側に、Al担体にPd又はPtを担持した触媒(以下、Pd−A1触媒又はPt−Al触媒)を設けた2段触媒を使用することが好ましい。第2の触媒において、第1段目の触媒はPFC分解用触媒であり、下流側の第2段目の触媒はCO酸化用触媒である。
また、(式1)に示すCFの加水分解反応の様に、酸素を必要としないPFC分解においても、PFCの分解生成ガスとして数十ppmレベルのCOが排出されるため、空気または酸素を添加することが好ましい。
排ガスのPFCを分解させる触媒層の温度は600〜900℃が好ましい。 600℃より低温では、PFCの分解率が低下する。また、900℃よりも高温になると、触媒を充填するカラムに耐熱性材料を使用する必要が生じ、経済面で不利となる。また、Pd−Al触媒又はPt−Al触媒を下流側に用いる場合、この下流側触媒温度は400℃以上であればよい。
PFCを分解するための空間速度は、WO/Al−ZrO触媒、Pd−WO/Al−ZrO触媒、Pt−WO/Al―ZrO触媒では、200〜2000h−1が好ましい。200h−1より小さい場合は、触媒を充填したカラムが大きくなるため、装置が大型化しコストが増大する。2000h−1より大きい場合は、PFCの分解率が低下する。
副生COの酸化を目的として2段目に配置されるPd−A1触媒又はPt−A1触媒は、1段目のPFC分解用触媒の1/10〜1/5量(空間速度2000〜10000h‐1)程度で使用できる。
触媒の形状は、PFC分解触媒、CO酸化触媒ともに、押出成形品、圧縮成形品など円柱状、球状、粒状のいずれであってもよい。排ガスとの接触面積を高め、且つ圧力損失を抑えるために、それらの触媒粒径は1〜3mm程度のものが好ましい。
次に、本発明に係るPFCガスの分解処理装置の実施形態を添付する図面に従って詳細に説明する
図1は、本発明に係るPFCガスの第1分解処理方法を実現する分解処理装置の概略構成図である。第1分解処理方法は、排ガス供給源から供給される排ガスは、既にPFC濃度が0.5%以下に調整されており、しかも分解処理段階で空気や酸素からなる反応ガスを添加しない方法である。
半導体製造装置や化学品製造装置などの排ガス供給源(図示せず)から排出される排ガスには、PFCガスと酸性ガスが含まれている。この排ガスのPFC濃度は事前に0.5%以下に調整されている。排ガスはPFC排ガス入口1から供給され、この排ガスは流量調整器Fにより流量制御されて、気液接触装置7に送られる。酸性ガス分解用の水は水入口3から供給され、この水は流量調整器Fにより流量制御されて水温調整器6に送られる。
水温調整器6により、水の温度は室温〜沸騰温度未満までの所望温度に調整される。本発明では、最も好適な水温は20℃〜40℃である。加温されない自然状態では、水温は環境温度、即ち室温にほぼ等しい。従って、夏季には、水温は20℃〜30℃の範囲になるから、水を加温する必要は無い。また、熱帯地域や亜熱帯地域では、水温は20℃〜30℃の範囲にあり、加温の必要は無い。しかし、冬季には水温が低下するから、加温の必要性がある。また、温帯や亜寒帯、寒帯の地域では、水温がかなり低くなるから、加温の必要性が生じる。前記水温調整器6は水を最適な温度に調整するものであり、加温しない場合や、必要に応じて加温する場合が存在する。この水温調整器6から送出される水は20℃〜40℃の温度を有している。
供給された水は気液接触装置7に送られ、スプレー9から噴霧される。噴霧された水は気液接触装置7に拡散されながら落下し、ラシヒリング8に到達する。前記排ガスは上昇し、ラシヒリング8に到達する。排ガスは、ラシヒリング8内で水と高密度に接触し、排ガス中の酸性ガスが除去される。酸性ガスは、例えばSiFであり、このSiFがHOと反応し、SiOとHFが生成される。SiOは微粒子として流水中に分散され、HFも流水に溶解する。流下した水は廃液として回収される。
酸性ガスが除去された排ガスには、PFCガスが分解されずに残留している。また、気液接触装置7の内部には、その温度における飽和水蒸気が充満している。水蒸気が不飽和状態で排ガス中に含まれる場合もあるが、ほぼ飽和水蒸気量に近い水分が排ガスに含まれることになる。飽和水蒸気の場合を考えると、排ガス圧力が1気圧とすると、20℃では0.023気圧の水蒸気、また40℃では0.073気圧の水蒸気が排ガス中に含まれることになる。
PFCガスと水蒸気を含んだ排ガスが、気液接触装置7から上方に排出され、この排ガス中の酸性ガス濃度が酸性ガス濃度測定器10により測定され、また排ガス中の水分濃度が水分濃度測定器11により測定される。酸性ガス濃度が基準値を超える場合には、流量調整器Fにより添加水量を増加させることになる。また水分濃度が低い場合には、水温調整器6により水温を高めることになる。
次に、排ガスは加熱分解装置12に送られ、PFCガスの分解工程に移る。本発明では、このPFCガス分解工程で、全く別の水が注入されない点に特徴を有する。あくまで酸性ガス除去工程で排ガス中に不飽和水蒸気又は飽和水蒸気として混入した水蒸気が加熱分解装置12に排ガスと共に導入されるだけである。
加熱分解装置12には触媒13が装填されており、外周に配置された加熱器16により加熱分解装置12が、例えば600℃〜900℃に加熱される。勿論、触媒13もこの温度まで加熱され、同時に流入する排ガスもこの温度まで加熱される。触媒13はPFCガス分解用の触媒で、PFC分解効率の高い触媒が選択される。
排ガスに含まれるPFCガスは、触媒13を介して同伴する水分により加水分解される。PFCガスは加水分解されて、COやHF、またNOやNOへと転換される。これらの分解ガスは排ガス中に混入し、冷却器17を通して冷却され、後段の装置へ排ガスとして排出される。このとき、PFC濃度測定器18により排ガス中のPFC濃度が測定され、またCO濃度測定器19により排ガス中のCO濃度が測定される。PFC濃度が基準値以上の場合には、水温調整器6により水温を上昇させて同伴水分量を増加させればよい。また、触媒13の種類を変更したり、また加熱器16により触媒13の温度を上昇させて、PFC分解率を増大させることも行われる。
図2は、本発明に係るPFCガスの第2分解処理方法又は第3分解処理方法を実現する分解処理装置の概略構成図である。第2分解処理方法は、排ガス供給源から供給される排ガスは、既にPFC濃度が0.5%以下に調整されており、この排ガスにCO酸化用の空気や酸素からなる反応ガスを添加する方法である。
図1と同一部材には同一符号を付してその作用効果の説明を省略し、図1と異なる部分について次に説明する。この分解処理装置では、反応ガス入口2から、空気又は酸素いずれかの反応ガスが供給され、流量調整器Fにより反応ガスの流量が制御される。また、排ガス供給ラインには、排ガス中のPFC濃度を測定するPFC濃度測定器4及び排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定器4aが付設されている。これら装置4、4aにより、排ガス中のPFC濃度と酸素濃度が測定され、反応ガスの必要量が演算器5により算出され、流量調整器Fを自動制御する。従って、必要量の反応ガスが排ガスに添加されて、気液接触装置7に供給される。
この装置では、PFC濃度は既に0.5%以下に調整されているから、反応ガスの添加目的はCO発生を抑制することである。反応ガスの必要添加量は次のように演算制御される。
制御方法の一例を次に述べる。PFCの分解反応において、COを発生させないために必要な酸素濃度はPFCの種類により変化する。最も多くの酸素を必要とするCでも必要な理論酸素濃度はC濃度の3倍である。未反応酸素の残留などを考慮すると、実際の酸素濃度はC濃度の6倍程度で十分である。従って、必要酸素濃度の最小量は一般のPFC濃度の6倍であると考えることができる。
例えば、排ガス流量をEF、PFC濃度をPC(%)、排ガス中の酸素濃度をOC(%)としたとき、添加される空気又は酸素からなる反応ガス量をRFとする。また、反応ガス中の酸素含有率をOX(%)とし、ここで反応ガスが酸素ならOX=100(%)、空気ならOX=20(%)と考える。反応ガスが空気又は酸素のいづれであるかは、事前に決められている。
前述から、排ガス中の酸素濃度はPFC濃度の6倍以上であればよいから、次式が成立する。
EF×OC/100+RF×OX/100≧6×EF×PC/100
この式を変形すると、反応ガス量RFは次式で与えられる。
RF≧EF×(6PC−OC)/OX
排ガス中に酸素が無ければOC=0であり、反応ガスが酸素ならOX=100となり、RF≧EF×6×PC/100となる。また、反応ガスが空気なら、OX=20であり、RF≧EF×6×PC/20となる。
上記制御式を更に一般化するため、特定のPFCを分解するために、酸素濃度がPFC濃度のm倍必要であるとしよう。このとき、前述した数値6をmに置き換えればよい。従って、反応ガス量RFは次式で与えられる。
RF≧EF×(m×PC−OC)/OX
演算器5により、反応ガス量RFは上記式で与えられる量に制御され、この反応ガスが排ガスに添加され、次段の気液接触装置7に供給される。この結果、PFC分解段階では、有毒なCOの発生は防止される。
第3分解処理方法では、排ガス供給源から供給される排ガス中のPFC濃度は0.5%以下に調整されていない。従って、この排ガスに空気又は酸素からなる反応ガスを添加して、排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に制御する。
具体的には、流量調整器Fから出力されるPFC排ガスの流量信号と、PFC濃度測定器4からのPFC濃度信号を演算器5に取込む。その結果、排ガス中のPFC濃度が0.5%以下になる様に、演算器5から流量調整器Fに流量設定信号を与え、反応ガスの添加流量を調節する。PFC濃度が0.5%以下に調整された排ガスが気液接触装置7に供給される。
例えば、測定されたPFC排ガス流量がEFで、測定されたPFC濃度がPC(%)としたとき、添加される反応ガスの必要流量をRF’とすると、これらの間に次式が成立するように自動制御が行われる。
(EF×PC/100)/(EF+RF’)≦0.5/100
従って、添加される反応ガスの必要流量RF’は次式を満足するように自動制御される。
RF’≧EF(PC/0.5−1) {但しPC≧0.5の場合}
具体的な自動制御の式は、以上の式に制限されるものではなく、また制御方法はコンピュータ制御でも、電子回路制御でもよく、また手動制御でも構わないことは云うまでもない。
ところで、PFC濃度を0.5%以下に制御する反応ガス添加流量RF’において、COを発生させないために必要な酸素濃度が得られないケースが存在する。その場合は、必要酸素濃度を得るために必要な反応ガス添加流量RF(RF>RF’)で自動制御される。
図3は触媒13を1段触媒で構成した加熱分解装置12の概略構成図である。この触媒13はPFC分解触媒であり、前述したWO/Al−ZrO触媒が利用できる。また、更に高性能触媒として、Pd−WO/Al−ZrO触媒又はPt−WO/Al−ZrO触媒が利用できる。WO/Al−ZrO触媒はPFC分解触媒であり、Pd−WO/Al−ZrO触媒又はPt−WO/Al−ZrO触媒は、PFC分解と同時に、微量に生成されるCOを酸化してCO2に転換できる触媒である。
図4は触媒13を2段触媒から構成した加熱分解装置12の概略構成図である。触媒13は、上流側のPFC分解触媒13aと下流側のCO酸化触媒13bから2段直列に構成されている。PFC分解触媒13aは、前述したWO/Al−ZrO触媒が利用される。CO酸化触媒13bとしては、Pd/Al触媒又はPt/Al触媒が使用される。CO酸化触媒13bはPFCの分解で生じたCOを下流側で酸化してCOに転換する役割を有する。
次に実施例により本発明を更に詳しく説明する。
<実施例1>
図2の試験装置を用いてPFC排ガスの分解処理実験を行った。気液接触装置7として、外径89mm、高さ800mmの水洗浄装置を用い、この中に充填高さ400mmのラシヒリングを配置した。水温調整器6で一定温度(20〜40℃)に制御された水を1L/minで通水した。
また、加熱分解装置12として、内径36.7mm、長さ720mmのハステロイ製のカラムを用い、このカラム内にWO/Al−ZrO触媒を113mmの高さまで充填した。加熱器16として電気加熱炉を使用し、触媒層の温度を750℃に調整した。触媒は、組成比がWO:5重量%、Al:55重量%、ZrO:40重量%で、寸法が直径1.5mm×長さ3mmの押出成形品を用いた。
気液接触装置7で処理した排ガスの酸性ガス濃度をFT−IR分析装置(10)で分析し、水分濃度を静電容量式水分計(11)で測定した。また、加熱分解装置12で処理したガスのPFC濃度をFT−IR分析装置(18)で分析し、CO濃度を水素炎イオン化式ガスクロマトグラフ(19)で測定した。
PFCガスとしてCF、酸性ガスとしてSiFが夫々0.5%、1000ppmに調整したNベースの排ガスを1L/minで試験装置に導入し、更に、反応ガス入口2より空気を0.1L/minで導入してCFとSiFの処理を行った。
気液接触装置7の水温を20℃、30℃、40℃に制御し、240時間連続処理後における、気液接触装置7の出口ガス中のSiF濃度、水分濃度と加熱分解装置12の出口ガス中のCF濃度、CO濃度が表1に示されている。括弧内の%はCFの分解率である。
Figure 2005169325
表1に示す様に、気液接触装置7の出口ガス中のSiFは、いずれの水温の場合でも分析計の定量下限濃度未満まで除去されていた。また、加熱分解装置12の出口ガス中のCF濃度からCFは99.5%以上分解されていることが分かった。しかも水温が上昇すると、CF分解率が増加していることが証明された。
<実施例2>
CF濃度を1%に、また反応ガスとして空気導入流量を1L/min(装置内でのCF濃度:0.5%)に変更した他は、実施例1と同一の方法で処理を行った。表2に各ガス濃度の測定結果を示す。括弧内の%はCFの分解率である。
Figure 2005169325
表2に示す様に、気液接触装置7の出口ガス中のSiFは、いずれの水温の場合でも分析計の定量下限濃度未満まで除去されていた。また、加熱分解装置12の出口ガス中のCF濃度は、98.2%以上分解されていた。しかも水温が上昇すると、CF分解率が増加していることが証明された。
<実施例3>
触媒の組成比を、Pd:0.5重量%、WO:5重量%、Al:54.5重量%、ZrO:40重量%に変更した他は、実施例2と同一の方法で処理を行った。表3に各ガス濃度の測定結果を示す。括弧内の%はCFの分解率である。
Figure 2005169325
表3に示す様に、気液接触装置7の出口ガス中のSiFは、いずれの水温の場合でも分析計の定量下限濃度未満まで除去されていた。また、加熱分解装置12の出ロガス中のCF濃度は、98.1%以上分解されていた。しかも水温が上昇すると、CF分解率が増加していることが証明された。触媒としてPdを含有することにより、CO濃度が急減し、PdのCO低減効果が実証された。
<実施例4>
実施例1で使用したWO/Al−ZrO触媒の下流側に、組成比を、Pd:0.5重量%、Al:99.5重量%のPd−Al触媒をWO/Al−ZrO触媒の1/10量だけ充填した他は、実施例2と同一の方法で処理を行った。表4に各ガス濃度の測定結果を示す。括弧内の%はCFの分解率である。
Figure 2005169325
表4に示す様に、気液接触装置7の出口ガス中のSiFは、いずれの水温の場合でも分析計の定量下限濃度未満まで除去されていた。また、加熱分解装置12の出口ガス中のCF濃度は、98.9%以上分解されていた。しかも水温が上昇すると、CF分解率が増加していることが証明された。また、Pd−Al触媒を下流側に配置することによってCO低減効果が明らかになった。
<実施例5>
反応用空気の導入を行わなかった他は、実施例2と同一の方法で処理を行った。表5に各ガス濃度の測定結果を示す。括弧内の%はCFの分解率である。
Figure 2005169325
表5に示す様に、CFの分解率は、気液接触装置の水温が20℃の場合で91.3%、水温が30℃の場合では96.5%となり、水温が40℃になると98.7%に達することが分かった。従って、反応ガスを添加しなくても、水温を上昇させれば十分なCF分解率を達成できることが分かった。
本発明によれば、排ガス中のPFC濃度が0.5%以下の場合に、触媒塔への水の強制添加を必要とせず、PFCを連続的に95%以上まで分解することが可能となる。また排ガス中のPFC濃度が0.5%以上であっても、反応ガスを添加して0.5%以下に希釈することにより、触媒塔への水の強制添加は不要となり、同様にPFCを連続的に95%以上まで分解することが可能となる。
このように、半導体製造設備や化学品製造設備などから排出されるPFCガスと酸性ガスを含有する排ガスに対し、本発明に係るPFCガスの分解処理方法及び分解処理装置を適用すれば、酸性ガスは水処理によりほぼ完全に除去でき、PFCガスは同伴水蒸気を使用してほぼ確実に触媒分解処理できることが明らかになった。しかも本発明では、PFC分解処理に水を強制添加しないから、過剰な水の加熱が不要となり、省エネルギーに貢献できる。従って、本発明を各種の排ガス発生源に応用すれば、排ガスの浄化処理に画期的な効果を発揮する。
本発明に係るPFCガスの第1分解処理方法を実現する分解処理装置の概略構成図である。 本発明に係るPFCガスの第2分解処理方法又は第3分解処理方法を実現する分解処理装置の概略構成図である。 触媒13を1段触媒で構成した加熱分解装置12の概略構成図である。 触媒13を2段触媒から構成した加熱分解装置12の概略構成図である。
符号の説明
1 PFC排ガス入口
2 反応ガス入口
3 水入口
4 PFC濃度測定器
4a 酸素濃度測定器
5 演算器
6 水温調整器
7 気液接触装置
8 ラシヒリング
9 スプレー
10 酸性ガス濃度測定器
11 水分濃度測定器
12 加熱分解装置
13 触媒
13a PFC分解触媒
13b CO酸化触媒
16 加熱器
17 冷却器
18 PFC濃度測定器
19 CO濃度測定器
流量調整器
流量調整器
流量調整器

Claims (14)

  1. PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する方法において、前記排ガス中のPFC濃度は0.5%以下であり、この排ガスを水と気液接触装置で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解することを特徴とするPFCガスの分解処理方法。
  2. PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する方法において、前記排ガス中のPFC濃度は0.5%以下であり、この排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加し、この添加された排ガスを水と気液接触装置で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解することを特徴とするPFCガスの分解処理方法。
  3. PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを処理する方法において、前記排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に低減し、この排ガスを水と気液接触装置で接触させて酸性ガスを除去し、この除去された排ガスを加熱した触媒層に導入してPFCガスを分解することを特徴とするPFCガスの分解処理方法。
  4. 前記触媒が、アルミナージルコニウム複合酸化物に酸化タングステンを担持して構成される請求項1、2又は3に記載のPFCガスの分解処理方法。
  5. 前記触媒が、アルミナージルコニウム複合酸化物に酸化タングステン及び、パラジウム、白金のいずれか1種以上を担持して構成される請求項1、2又は3に記載のPFCガスの分解処理方法。
  6. 前記触媒が、アルミナージルコニウム複合酸化物に酸化タングステンを担持した触媒と、アルミナにパラジウム、白金のいずれか1種以上を担持した触媒から構成される請求項1、2又は3に記載のPFCガスの分解処理方法。
  7. 前記触媒の加熱温度が、600〜900℃である請求項l、2又は3に記載のPFCガスの分解処理方法。
  8. 前記気液接触装置の水温が20〜40℃である請求項1、2又は3に記載のPFCガスの分解処理方法。
  9. 前記排ガスの流量と排ガス中のPFC濃度をモニタし、必要に応じて排ガス中の酸素濃度をモニタし、前記反応ガスの必要添加流量を演算して反応ガスの添加流量を自動制御する請求項2又は3に記載のPFCガスの分解処理方法。
  10. PFC濃度が0.5%以下に調整されたPFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを供給する排ガス供給手段と、水を供給する水供給手段と、この水供給手段から供給される水と前記排ガス供給手段から供給される排ガスを接触させて酸性ガスを除去する気液接触装置と、この気液接触装置から排出される排ガスを導入してPFCガスを分解する加熱した触媒層から構成されることを特徴とするPFCガスの分解処理装置。
  11. PFC濃度が0.5%以下に調整されたPFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを供給する排ガス供給手段と、水を供給する水供給手段と、この水を加温する加温手段と、この加温手段から供給される水と前記排ガス供給手段から供給される排ガスを接触させて酸性ガスを除去する気液接触装置と、この気液接触装置から排出される排ガスを導入してPFCガスを分解する加熱した触媒層から構成されることを特徴とするPFCガスの分解処理装置。
  12. 前記排ガス供給手段から供給される排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加する反応ガス添加手段を付設し、この反応ガスが添加された排ガスを前記気液接触装置に供給する請求項10又は11に記載のPFCガスの分解処理装置。
  13. PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを供給する排ガス供給手段と、この排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に低減する反応ガス添加手段と、水を供給する水供給手段と、この水供給手段から供給される水とPFC濃度が0.5%以下に低減された前記排ガスを接触させて酸性ガスを除去する気液接触装置と、この気液接触装置から排出される排ガスを導入してPFCガスを分解する加熱した触媒層から構成されることを特徴とするPFCガスの分解処理装置。
  14. PFCガス及び酸性ガスを含む排ガスを供給する排ガス供給手段と、この排ガスに空気または酸素のいずれかの反応ガスを添加して排ガス中のPFC濃度を0.5%以下に低減する反応ガス添加手段と、水を加温する加温手段と、この加温手段から供給される水とPFC濃度が0.5%以下に低減された前記排ガスを接触させて酸性ガスを除去する気液接触装置と、この気液接触装置から排出される排ガスを導入してPFCガスを分解する加熱した触媒層から構成されることを特徴とするPFCガスの分解処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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