JP2005163251A - 昇華転写プリントガーゼタオル織物及び昇華転写プリントガーゼタオル織物の製造方法 - Google Patents

昇華転写プリントガーゼタオル織物及び昇華転写プリントガーゼタオル織物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガーゼ織物1の裏面に施された昇華転写プリントによる模様が、物理的刺激によっても当初の模様が保持されるようにする。
【解決手段】高吸水性を有する合成繊維を用いてガーゼ織に織成したガーゼ織物1と片面タオル織物2のパイル非形成面との間に、柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤4を均一に介在させてガーゼ織物1と片面タオル織物2を接着重合している。ガーゼ織物1の表面には昇華転写プリントにより模様を施している。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガーゼ織物の表面に昇華転写プリントを施した昇華転写プリントガーゼタオル織物及び昇華転写プリントガーゼタオル織物の製造方法に関する。
従来、パイル織地とガーゼ織地とを表裏面に夫々形成するガーゼタオル織物としては、3本の綿100%の地経糸と緯糸とを絡ませてタオル地組織を織成し、綿100%の糸を用いて織成したガーゼ織地の経糸をタオル地組織の緯糸に引っ掛けて2重織ガーゼタオル織物を形成したもの(例えば、実用新案文献1参照)や、メッシュ織若しくはガーゼ織を構成する糸をタオル地組織を構成する糸に絡ませて引っ掛けたもの(例えば、実用新案文献2及び特許文献1参照)や、綿100%の糸を用いて織成された3枚のガーゼ織地を重ね合わせ、表側に配設されたガーゼ織地の表ガーゼ経糸を裏ガーゼ緯糸に絡ませると共に裏ガーゼ織地の裏ガーゼ経糸を中間ガーゼ緯糸に絡ませ、中間経糸及び裏ガーゼ経糸を絡ませて表側にパイルを裏側にガーゼ織地の2重織部分を有したもの(例えば、実用新案文献3参照)が提案されている。
近年、タオル織物に対して市場からは高吸水性機能に加えて秀れたファッション性が要求されている。この市場からのニーズに応えるため、旧来の捺染プリントに代わり、多色で精緻な模様を織物に施すことの可能な昇華転写プリントをタオル織物に応用することが研究されている。しかしながら、昇華転写プリントは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の限定された化学繊維により織成された織物のみにしか施すことができず、高吸水性を必要不可欠な機能とするタオル織物に施すにはタオル織物の表面の一部若しくは片面全面に化学繊維が露出したフラット面を形成し、このフラット面に昇華転写プリントを施す必要があった(例えば、特許文献1及び実用新案文献4参照)。
特開2000−178886号公報 特公平6−27396号公報
実用新案文献1
実公昭29−16291号公報
実用新案文献2
実公昭56−21782号公報
実用新案文献3
実公平6−23587号公報
実用新案文献4
実用新案登録第3059950号の実用新案公報
一方の面がガーゼ織物で他方の面にパイルが織出されたガーゼタオル織物のうちガーゼ織物が、例えばポリエステルフィラメント糸等の化学繊維を用いて織成され、ガーゼ織物の表面に昇華転写プリントを施した場合、ガーゼ織物とタオル織物が所定間隔を有していずれか一方の織物を構成する糸で他方の織物に絡めてガーゼ織物とタオル織物を重合接続しているためガーゼ織物とタオル織物との間に隙間が形成され、使用や洗濯は勿論、商品の検品、出荷や陳列の為の折り畳み等の僅かな物理的刺激でガーゼ織物とタオル織物が別々に動き、一方の組織から他方の組織に絡まっている糸が引っ張られるという現象が生じる。ガーゼ織物に施された昇華転写プリントが無模様且つ一色の場合は、ガーゼ織物を構成する糸のうちタオル織物に絡まっている糸のずれにより一方向にプリントされていない色、つまりガーゼ織物の原料糸の地色が出現し、極めて美観を損なうという問題点を有していた。
そこで、本願発明は昇華転写プリント可能な化学繊維により織成されたガーゼ織物と片面タオル織物を柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤を用いて接着し、物理的刺激によっても織物に使用している糸がずれることなく、ガーゼ織物に施した昇華転写プリント模様に糸移動由来の模様の変化を生じることなく当初の模様が保持される昇華転写プリントガーゼタオル織物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本願発明のうち請求項1記載の発明は、裏面側のみにパイルを織出した片面タオル織物の表面と、高吸水性を有する化学繊維を用いて織成されたガーゼ織物の裏面との間に、柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤を介在させて接着し、表面がガーゼ織地で裏面がタオル織地の1枚の織物を形成し、前記ガーゼ織物の表面に昇華転写プリントが施されてなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、高吸水性を有する化学繊維を用いて織成されたガーゼ織物の裏面に、柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤を均一に塗着し、この塗着面に裏面側のみにパイルを織出してなる片面タオル織物の表面を前記ガーゼ織物と重合し、この片面タオル織物の裏面側からプレスして片面タオル織物の表面とガーゼ織物の裏面を接着して1枚の織物を形成し、次に前記ガーゼ織物の平坦な表面に昇華転写プリントを施して昇華転写プリントガーゼタオル織物を得ることを特徴とする。
本願発明は、タオル織物とガーゼ織物とを柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤で接着重合し、1枚のガーゼタオル織物を形成するように構成されているので、使用してもタオル織物とガーゼ織物とは離れることなく、糸も引き攣ることなく、ガーゼ織物表面に施した昇華転写プリントによる模様を維持することができるという効果がある。ガーゼ織物は高吸水性を有する化学繊維を用いて織成されているので、表面に昇華転写プリントによる模様を施すことができ、タオル織物に必要な高吸水性を確保できるという効果がある。
又、接着剤に柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質のものを用いているため、ガーゼ織物と片面タオル織物を接着して得られたガーゼタオル織物は繊維製品としての柔軟性を損なわず、使用時や洗濯時に水と反応して一層接着力が強くなるという効果がある。
片面タオル織物のパイル非形成面と、高吸水性を有する化学繊維を用いたガーゼ織物の片面とを柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤を介在させて接着し、ガーゼ織物の表面には昇華転写プリントが施されている。
又、高吸水性を有する化学繊維を用いてガーゼ織に織成し、このガーゼ織物の裏面に柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤を均等に塗着する。この塗着面に片面タオル織物のパイル非形成面を重合し、パイル形成面側からプレスをしてガーゼ織物に片面タオル織物を接着後、ガーゼ織物の表面に昇華転写プリントを施して昇華転写プリントガーゼタオル織物を得ることができた。
以下、図を参照にして実施例1を説明する。図1は昇華転写プリントガーゼタオル織物の拡大断面図、図2は昇華転写プリントガーゼタオル織物の一部切欠斜視図である。これらの図において、ガーゼ織物1は、高吸水性を有する合成繊維をガーゼ織に織成してなる。例えば断面Y形状のポリエステル糸よりなるアクアステルス(ベルテックス株式会社の商品名)やトライアクター(東洋紡績株式会社の商品名)若しくは不定形断面形状ポリエステル糸よりなるカルキュロ(帝人株式会社の商品名)若しくはドライファスト(東洋紡績株式会社の商品名)を用いてガーゼ織に織成されたものを用いる。又、吸水性を高めるために、吸尽法でアクアステルス(ベルテックス株式会社の商品名)やトライアクター(東洋紡績株式会社の商品名)やカルキュロ(帝人株式会社の商品名)やドライファスト(東洋紡績株式会社の商品名)の表面にSR−1800(高松油脂株式会社の商品名)やSR−1801M CONC(高松油脂株式会社の商品名)を付着した糸をガーゼ織物の原料糸に用いるとよい。尚、アクアステルス(ベルテックス株式会社の商品名)やトライアクター(東洋紡績株式会社の商品名)やカルキュロ(帝人株式会社の商品名)やドライファスト(東洋紡績株式会社の商品名)よりなる糸を用いて織成されたガーゼ織物1をSR−1800(高松油脂株式会社の商品名)若しくはSR−1801M CONC(高松油脂株式会社の商品名)を用いて吸尽法により加工処理したものであってもよい。
片面タオル織物2は、裏面側のみにパイル3を織出されている。タオル織物2は、通常のパイルに限定せずジャガード織も含まれる。
ガーゼ織物1と片面タオル織物2とは柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤4を介在させて接着し、1枚の織物を形成している。接着剤4はスリーボンド1530(スリーボンド株式会社の商品名)を用いる。
ガーゼ織物1の表面には昇華転写プリントにより模様を施し、両端は3つ折りにしてヘム縫い5をし、側緑も3つ折り縫いをして糸のほつれを防止している。メロー巻もほつれを防止している。尚、緑部の糸のほつれ防止手段は、ヘム縫い等に限定しない。
次に図3を参照にして昇華転写ガーゼタオル織物の製造方法について説明する。アクアステルス(ベルテックス株式会社の商品名)若しくはトライアクター(東洋紡績株式会社の商品名)若しくはカルキュロ(帝人株式会社の商品名)若しくはドライファスト(東洋紡績株式会社の商品名)のいずれかの糸を用いてガーゼ織物1を織成する。このガーゼ織物1をベルトコンベア6上に展延して載置し、周壁に多数の孔7を均一に穿設したドラム8を回転させ、このドラム8の孔7より液状のスリーボンド1530(スリーボンド株式会社の商品名)を滴下させる。パイル3形成面を上側にした状態で片面タオル織物2をベルトコンベア6とローラ9との間に狭み込みローラ9でプレスして、ガーゼ織物1の接着剤4の塗着面と片面タオル織物2のパイル非形成面とを重合接着する。この重合されたガーゼ織物1と片面タオル織物2を巻き取り、約1週間で常温環境下に放置する。次に、解反し、ガーゼ織物1の表面に昇華転写プリントを施す。昇華転写プリントは、まずグラビア印刷若しくはオフセット印刷若しくはインクジェットによる印刷によって分散染料を用いて色柄を印刷し、この印刷された転写紙を上記重合された解反された織物のうちガーゼ織物1の表面に貼着し、30秒間200℃の熱を加えながらプレス後、転写紙をガーゼ織物1の表面から剥離し、ガーゼ織物1の表面に昇華転写プリントにより所望の模様を形成する。
尚、実施例1ではガーゼ織物1を構成する糸をポリエステル糸を用いた場合を例に説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、ポリアミド、100%ナイロン糸(ナイロン66、ナイロン6、ナイロン610、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12を含む)や、100%トリアセテート糸や、ポリエステルとナイロンとの混紡糸を用いたものも含まれる。
本実施例では、ガーゼ織地と片面タオル織地とを重合接続するのに糸を利用して接続するのではなく、柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤を用いて重合接着しているので、当初の模様がそのまま保持され、手拭きや洗濯等により柔軟性を損なうことなく一層接着力が高まるものである。
昇華転写プリントガーゼタオル織物の拡大断面図である。(実施例1) 昇華転写プリントガーゼタオル織物の一部切欠斜視図である。(実施例1) 昇華転写プリントガーゼタオル織物の製造方法の説明図である。(実施例1)
符号の説明
1 ガーゼ織物
2 片面タオル織物
3 パイル
4 接着剤

Claims (2)

  1. 裏面側のみにパイルを織出した片面タオル織物の表面と、高吸水性を有する化学繊維を用いて織成されたガーゼ織物の裏面との間に、柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤を介在させて接着し、表面がガーゼ織地で裏面がタオル織地の1枚の織物を形成し、前記ガーゼ織物の表面に昇華転写プリントが施されてなることを特徴とする昇華転写プリントガーゼタオル織物。
  2. 高吸水性を有する化学繊維を用いて織成されたガーゼ織物の裏面に、柔軟性及び水分と反応して接着力が高まる性質の接着剤を均一に塗着し、この塗着面に裏面側のみにパイルを織出してなる片面タオル織物の表面を前記ガーゼ織物と重合し、この片面タオル織物の裏面側からプレスして片面タオル織物の表面とガーゼ織物の裏面を接着して1枚の織物を形成し、次に前記ガーゼ織物の平坦な表面に昇華転写プリントを施したことを特徴とする昇華転写プリントガーゼタオル織物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6388699B1 (ja) * 2017-09-25 2018-09-12 三信製織株式会社 迷彩柄帯状織物の製造方法、及び迷彩柄帯状織物

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