JP2005159273A - 磁電変換素子、磁気検出装置及び地磁気センサ - Google Patents

磁電変換素子、磁気検出装置及び地磁気センサ Download PDF

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嘉城 早崎
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岳司 吉田
Kazushi Kataoka
万士 片岡
Takuo Ishida
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Abstract

【課題】 直交3軸方向の精度の良い磁気検出を小型で実現する。
【解決手段】 Z軸方向に感度軸が設定された磁電変換素子21は、磁性体部11と磁性体部40のうち凹部31を覆う部分41とに挟まれている。X軸方向に感度軸が設定された磁電変換素子22は、磁性体部11及び磁性体部12に挟まれている。Y軸方向に感度軸が設定された磁電変換素子23は、磁性体部11及び磁性体部13に挟まれている。磁電変換素子21〜23は、SOI基板10のSOI層3に形成されている。略平板状の磁性体部11〜13は、SOI層3の上及び埋込酸化膜2の上に形成されており、Z軸方向に段差51〜53を有している。
【選択図】 図14

Description

本発明は、地磁気に基づいて方位を検出する電子コンパスへの利用に好適な磁気検出装置、及びこれを利用した地磁気センサ、並びに前記磁気検出装置への利用に好適な磁電変換素子に関する。
近年、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)を利用して位置情報を取得可能とした携帯型のGPS端末装置の需要が増大している。それに伴い、GPS端末装置の向き(方位)を検出するための電子コンパスの需要も増大しつつある。電子コンパスは、GPS端末装置の姿勢に関わりなく地磁気を検出するために、直交3軸方向の磁気検出が可能な小型の磁気検出装置を必要とする。
この種の磁気検出装置として、例えば特許文献1に開示されるように、ホール素子と、ホール素子へ磁束を集束させる磁束集束素子とを備えたものが知られている。図36は、特許文献1に記載される従来の磁気検出装置を示す図であり、図36(a)は、この磁気検出装置の縦断面図、図36(b)は裏面側から見た同装置の斜視図、そして図36(c)は同装置の動作説明図である。この磁気検出装置150では、シリコンを母材とする半導体基板111の第1主面113の上に、磁電変換素子であるホール素子115が形成されており、第2主面117の側のホール素子115に対向する部位に、ホール素子115の近傍にまで達する縦断面台形のエッチング溝119が形成されている。このエッチング溝119は、ホール素子115に対向する矩形の底面120と、底面120を囲む4つの台形の傾斜面とを有している。すなわち、エッチング溝119は、第2主面117から底面120に近づくほど小径となるように、テーパ状に形成されている。また、エッチング溝119には、外部磁界をホール素子115に集束させるために、パーマロイやフェライトなどの高透磁率材料からなる磁性体部121が埋め込まれている。更に、半導体基板111の第1主面113の上には絶縁膜125が積層して形成されており、この絶縁膜125を介してホール素子115に対向する位置に磁性体膜127が積層して形成されている。
以上のように構成される磁気検出装置150では、ホール素子115が出力するホール電圧は、半導体基板111の第1主面113及び第2主面117の法線方向Z、即ちホール素子115の感度軸方向に外部磁界Hが向くときに、ホール素子115が最大感度を示す。一般に、ホール素子115が出力するホール電圧は、外部磁界Hの上記法線方向Zの成分に比例する。従って、外部磁界Hが地磁気のように一定の方向及び強さを持った磁界である場合には、外部磁界Hと法線方向Zとが交差する角度θが変化するのに伴い、ホール電圧はH・cosθに比例して変化する。従って、ホール電圧を計測することにより、外部磁界Hの方向θを検出することができる。
但し、地磁気による磁界の強さは、東京において約0.3ガウス(=3×10−5テスラ)であり、ホール素子115の検出感度に対して比較的小さい。従って、検出精度を高めるためには、ホール素子115を通過する磁束密度を高める必要がある。図36に示す磁気検出装置150では、ホール素子115の感度軸方向に対向する磁性体部121及び磁性体膜127を設けることにより、磁束密度を外部磁界Hによる磁束密度よりも高め、それによってホール素子115の磁気検出素子としての感度を向上させている。また、磁気検出装置150は、単結晶シリコン基板の面方位を利用して異方性エッチングを実行することにより、エッチング溝119を容易に形成できるという利点をも有している。
しかしながら、磁気検出装置150では、エッチング溝119がホール素子115の近傍まで達するテーパ状の台形状に形成されているので、エッチング溝119の底面120即ちホール素子115を通過せずに、傾斜面を通過する磁束が多くなる。つまり、磁性体部121及び磁性体膜127によって収束された磁束の一部が、ホール素子115を通過せずに漏れ易く、チップサイズに比較して磁束の収束効果が小さいという問題点があった。また、シリコンの面方位を利用した異方性エッチングによってエッチング溝119を形成する場合などは、比較的大きな溝になるので、半導体基板111の強度が低下し、それにより後工程のワイヤボンディングや樹脂形成の際に故障を生じ易いという問題点があった。
更に、磁気検出装置150では、第1主面113及び第2主面117の法線方向Zであるホール素子115の感度軸方向に沿った外部磁界Hの成分のみが検出可能であるに過ぎない。即ち、磁気検出装置150は1軸磁気検出装置であって、単一の磁気検出装置150のみでは電子コンパスに必要な直交する3軸方向の磁気検出ができないという問題点があった。また、直交3軸方向の磁気検出を可能にするには、3個の磁気検出装置150を組み合わせて使用する必要があり、その場合には、3個の磁気検出装置150の感度軸を互いに直交するように配置させるための高精度な実装技術が必要になるという問題点があった。また、その場合には、ダイボンド、配線領域などの余分な面積が必要となるので、実装品の寸法が大きくなるという問題点があった。
又、本願出願人は、磁気検出装置150の小型化及び省消費電力という観点から、磁気検出装置150への利用に特に望ましい磁電変換素子として、半導体ダイオード磁気センサに注目した。図37は、特許文献2に開示される従来の半導体ダイオード磁気センサ(以下、「ダイオード磁気センサ」と適宜略称する)の構成を示す斜視図である。このダイオード磁気センサ160は、単結晶シリコンを材料とする支持基板166の上に形成された二酸化シリコンを材料とする埋込酸化膜165の上に形成されている。即ち、ダイオード磁気センサ160は、SOI(Semiconductor On Insulator)基板として形成された半導体基板168のうちのSOI層167に形成されている。
ダイオード磁気センサ160は、p型のアノード領域162、n型のカソード領域163及びp型の高抵抗領域161を有している。高抵抗領域161の上面には再結合層164が形成されている。再結合層164は、高抵抗領域161の上面に、欠陥等を導入することにより形成され、キャリアの再結合を促す層として機能する。
ダイオード磁気センサ160を用いるには、アノード領域162とカソード領域163との間に順バイアスが印加される。それにより、高抵抗領域161にキャリアの二重注入状態が形成される。この状態で、外部磁界Hが半導体基板168の主面に平行で、且つアノード領域162とカソード領域163とを結ぶ軸に垂直な方向に印加されると、二重注入キャリアである電子と正孔とが、外部磁界Hに起因するローレンツ力によって進行方向を曲げられる。外部磁界Hの向きが図示の向きであれば、電子と正孔とは再結合層164の側に進行方向を曲げられる。その結果、流れるキャリアが、再結合により消滅し易くなることにより少なくなるので、二重注入が抑制されるとともに、ダイオード抵抗が高くなる。それにより、アノード領域162とカソード領域163との間を流れる電流が減少する。
一方、外部磁界Hの向きが図示の向きとは逆向きであれば、電子と正孔とは再結合層164の反対側に進行方向を曲げられる。その結果、キャリアの再結合が起こり難くなることにより、二重注入キャリアが十分に流れることとなり、ダイオード抵抗が低くなる。それにより、アノード領域162とカソード領域163との間を流れる電流が増加する。
従って、ダイオード磁気センサ160を用いることにより、電流変化を通じて外部磁界Hの向き或いは大きさを検出することができる。また、ダイオード磁気センサ160は、小型に形成可能であることに加え、消費電力が低いという利点を有している。従って、磁気検出装置150への利用に適している。
特開平11−261131号公報(段落[0024]〜段落[0032]及び図1) 特開2002−134758号公報
しかしながら、特許文献2に開示されるダイオード磁気センサ160は、再結合層40が、高抵抗領域161の上面、即ち、半導体基板168の主面に平行な面に形成されている。このために、ダイオード磁気センサ160の感度軸の方向は、半導体基板168の主面に沿った方向となる。即ち、従来技術によるダイオード磁気センサ160は、磁気検出装置150のように、半導体基板111の主面113の法線方向Zに沿った外部磁界Hを検出する装置には適用できないという問題点があった。このことは、単一の基板を用いて3軸方向の磁気検出を可能にする磁気検出装置を実現したとしても、当該磁気検出装置には、従来技術によるダイオード磁気センサ160を適用することはできないことをも意味する。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、磁束の収束効果を高め、且つ機械的強度を高めた磁気検出装置を提供することを目的とする。本発明は又、直交3軸方向の磁気検出を小型で且つ精度良く行うことを可能にする磁気検出装置を提供することを目的とする。本発明は更に、これらの磁気検出装置を用いた地磁気センサを提供することを目的とする。本発明は又、本発明の磁気検出装置への利用に好適な磁電変換素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは半導体基板の主面に形成された磁電変換素子であって、p型半導体領域であるアノード領域と、n型半導体領域であるカソード領域と、前記アノード領域と前記カソード領域とに挟まれ前記アノード領域と前記カソード領域との何れよりも不純物濃度の低い高抵抗領域と、前記高抵抗領域のうち前記アノード領域と前記カソード領域とを結ぶ一側面の少なくとも一部に形成され、再結合中心が導入された再結合層とを備えるものである。
本発明のうち第2の態様に係るものは第1の態様に係る磁電変換素子であって、前記一側面は、前記主面に対して略垂直であるものである。ここで、「略垂直」とは、製造工程上の精度の範囲を許容する趣旨である。
本発明のうち第3の態様に係るものは第1の態様に係る磁電変換素子であって、前記一側面は、前記主面の斜め上方を向くように前記主面に対して傾斜しているものである。
本発明のうち第4の態様に係るものは第1乃至第3の何れかの態様に係る磁電変換素子において、前記半導体基板がSOI基板であって、前記磁電変換素子は前記SOI基板に含まれるSOI層に形成されているものである。
本発明のうち第5の態様に係るものは第1乃至第4の何れかの態様に係る磁電変換素子であって、前記磁電変換素子は、平面視略コ字形に形成されており、前記アノード領域は、前記略コ字形の一対の脚部の一方先端部に形成されており、前記カソード領域は、前記一対の脚部の他方先端部に形成されており、前記再結合層は、前記高抵抗領域のうち、前記一対の脚部にあって互いに対向する側面又は前記一対の脚部にあって互いに外側を向く側面に形成されているものである。ここで、「略コ字形」とは、厳密に「コ」文字形状に限定することなく、製造工程上の精度の範囲で平行な一対の脚部とそれらの連結部とを有する形状であって、近似的に「コ」文字形状をなすものを含める趣旨である。従って、「略コ字形」は「U字形」を含む。
本発明のうち第6の態様に係るものは磁電変換素子であって、同一の半導体基板の主面に形成された第1磁電変換素子と第2磁電変換素子とを備え、前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子との各々は第1乃至第4の何れかの態様に係る磁電変換素子であり、前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子とは、同一の順電流が流れるように直列接続されており、前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子との各々は、アノード領域とカソード領域とを結ぶ直線軸に沿って延在するように形成されており、前記第1磁電変換素子と第2磁電変換素子とは、互いに略平行となり、且つ各々の高抵抗領域が互いに横に並ぶように配置されており、前記第1磁電変換素子の再結合層と第2磁電変換素子の再結合層とは、対応する高抵抗領域の互いに向き合う側面又は互いに外側を向く側面の少なくとも一部にそれぞれ形成されているものである。
本発明のうち第7の態様に係るものは磁電変換素子であって、同一の半導体基板の主面に形成された第1乃至第4磁電変換素子部を備え、前記第1乃至第4磁電変換素子部の各々は第1乃至第6の何れかの態様に係る磁電変換素子であり、前記第1磁電変換素子部と前記第4磁電変換素子部とは、同一の順電流が流れるように直列接続されて第1直列回路を形成しており、前記第2磁電変換素子部と前記第3磁電変換素子部とは、同一の順電流が流れるように直列接続されて第2直列回路を形成しており、前記第1直列回路と前記第2直列回路とは、順電流がそれぞれを分流するように互いに並列接続されており、前記第1磁電変換素子部の再結合層と前記第3磁電変換素子部の再結合層との各々は、対応する高抵抗領域の側面のうち、順電流の進行方向に対して平面視右側に位置する側面の少なくとも一部に形成されており、前記第2磁電変換素子部の再結合層と前記第4磁電変換素子部の再結合層との各々は、対応する高抵抗領域の側面のうち、順電流の進行方向に対して平面視左側に位置する側面の少なくとも一部に形成されているものである。
本発明のうち第8の態様に係るものは磁気検出装置であって、平板状の半導体基板と、該半導体基板の第1の主面側に設けられる磁電変換素子と、前記半導体基板の第1の主面側に前記磁電変換素子と対向するように設けられる第1の磁性体部と、前記半導体基板の第2の主面側に設けられる第2の磁性体部とを備え、前記第1及び第2の磁性体部は、前記磁電変換素子を挟んで対向する部位間の間隔がその他の対向部位間の間隔よりも小さく設定され、前記半導体基板は、第2の主面側から第1の主面に向けて凹所が設けられ、該凹所の底部が前記磁電変換素子に対向し且つ該底部を囲む前記凹所の周壁部が第1及び第2の主面の法線方向と略平行に形成されるとともに、前記第2の磁性体部が少なくとも前記底部を覆うように形成されたことを特徴とするものである。
本発明のうち第9の態様に係るものは第8の態様に係る磁気検出装置であって、前記第1又は第2の磁性体部の少なくとも何れか一方が略平坦に形成されたことを特徴とするものである。
本発明のうち第10の態様に係るものは第8又は第9の態様に係る磁気検出装置であって、前記第1及び第2の磁性体部は、前記磁電変換素子を挟んで対向する部位が互いに近づく向きに凸となる形状に形成されたことを特徴とするものである。
本発明のうち第11の態様に係るものは第8乃至第10の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記第2の磁性体部が前記凹所の底部並びに周壁部を覆うように形成されたことを特徴とするものである。
本発明のうち第12の態様に係るものは第8乃至第11の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記第1及び第2の磁性体部における前記磁電変換素子を挟んで対向する対向部位が平坦且つ互いに略平行となる形状に形成されたことを特徴とするものである。
本発明のうち第13の態様に係るものは第8乃至第12の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記第1及び第2の磁性体部における前記磁電変換素子を挟んで対向する対向部位の少なくとも何れか一方が、前記磁電変換素子の磁気を検知する部位の当該対向部位への投影面積よりも小さい若しくは同じ面積を有することを特徴とするものである。
本発明のうち第14の態様に係るものは第8乃至第12の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記第1及び第2の磁性体部における前記磁電変換素子を挟んで対向する両対向部位が、前記磁電変換素子の磁気を検知する部位の当該対向部位への投影面積以上の面積を有することを特徴とするものである。
本発明のうち第15の態様に係るものは第8乃至第14の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記半導体基板は主要面方位が(100)のシリコン単結晶基板からなり、前記凹所の開口面側の部位が異方性エッチングにより形成されたことを特徴とするものである。
本発明のうち第16の態様に係るものは第8乃至第15の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、3次元直交座標系の各軸方向における磁気を検知する3つの前記磁電変換素子が前記半導体基板に設けられたことを特徴とするものである。
本発明のうち第17の態様に係るものは磁気検出装置であって、互いに平行な第1主面と第2主面とを有し、前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方に凹部が選択的に形成されている半導体基板と、前記半導体基板の上に形成され前記半導体基板の法線方向に感度軸が設定された第1磁電変換素子と、前記半導体基板の上に形成され前記第1磁電変換素子の感度軸に垂直な方向に感度軸が設定された第2磁電変換素子と、前記半導体基板の上に形成され前記第1磁電変換素子の感度軸と前記第2磁電変換素子の感度軸との双方に垂直な方向に感度軸が設定された第3磁電変換素子と、前記第1磁電変換素子の感度軸と直交し前記第1磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第1対向面対を有し、少なくとも一方が前記凹部を覆うように形成されることにより前記第1対向面対において互いが最近接するように前記半導体基板の上の前記第1主面の側と前記第2主面の側とに形成された一対の磁性体対部と、前記一対の磁性体対部の一方である第1磁性体部と共同して前記第2磁電変換素子を挟むように前記半導体基板の上に形成された第2磁性体部と、前記第1磁性体部と共同して前記第3磁電変換素子を挟むように前記半導体基板の上に形成された第3磁性体部とを備え、前記第1磁性体部と前記第2磁性体部とは、前記第2磁電変換素子の感度軸と直交し前記第2磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第2対向面対を有し、前記第2対向面対において互いが最近接するように形成されており、前記第1磁性体部と前記第3磁性体部とは、前記第3磁電変換素子の感度軸と直交し前記第3磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第3対向面対を有し、前記第3対向面対において互いが最近接するように形成されていることを特徴とする。
本発明のうち第18の態様に係るものは第17の態様に係る磁気検出装置であって、前記半導体基板の上に形成された第4磁性体部を更に備え、前記第1乃至第4磁性体部は、前記法線方向に沿った軸である対称軸の周りに1/4回転対称となるように、形状及び位置が定められていることを特徴とする。
本発明のうち第19の態様に係るものは第18の態様に係る磁気検出装置であって、前記半導体基板の上に形成され前記第3磁電変換素子の感度軸と同一方向に感度軸が設定された第4磁電変換素子と、前記半導体基板の上に形成され前記第2磁電変換素子の感度軸と同一方向に感度軸が設定された第5磁電変換素子とを更に備え、前記第2磁性体部と第4磁性体部とは、前記第4磁電変換素子を挟むように前記半導体基板の上に形成され、且つ前記第4磁電変換素子の感度軸と直交し前記第4磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第4対向面対を有し、前記第4対向面対において互いが最近接するように形成されており、前記第3磁性体部と第4磁性体部とは、前記第5磁電変換素子を挟むように前記半導体基板の上に形成され、且つ前記第5磁電変換素子の感度軸と直交し前記第5磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第5対向面対を有し、前記第5対向面対において互いが最近接するように形成されていることを特徴とする。
本発明のうち第20の態様に係るものは第18又は第19の態様に係る磁気検出装置であって、前記凹部が、前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方に選択的に複数個形成されており、前記磁気検出装置は、前記半導体基板の上に形成され前記半導体基板の法線方向に感度軸が設定された第6磁電変換素子と、前記半導体基板の上に形成され、前記第1磁性体部と対をなす前記磁性体対部の他方である第5磁性体部と共に前記対称軸の周りに1/2回転対称となるように、形状及び位置が定められている第6磁性体部とを更に備え、前記第4磁性体部と前記第6磁性体部とは、前記第6磁電変換素子の感度軸と直交し前記第6磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第6対向面対を有し、少なくとも一方が前記凹部を覆うように形成されることにより前記第6対向面対において互いが最近接するように前記半導体基板の上の前記第1主面と前記第2主面との一方側と他方側とに形成されていることを特徴とする。
本発明のうち第21の態様に係るものは第20の態様に係る磁気検出装置であって、前記凹部が、前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方に選択的に4個以上形成されており、前記磁気検出装置は、前記半導体基板の上に形成され前記法線方向に感度軸が設定された第7磁電変換素子と、前記半導体基板の上に形成され前記法線方向に感度軸が設定された第8磁電変換素子と、前記半導体基板の上に形成された第7磁性体部と、前記半導体基板の上に形成された第8磁性体部とを更に備え、前記第2磁性体部と前記第7磁性体部とは、前記第7磁電変換素子の感度軸と直交し前記第7磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第7対向面対を有し、少なくとも一方が前記凹部を覆うように形成されることにより前記第7対向面対において互いが最近接するように前記半導体基板の上の前記第1主面と前記第2主面の一方側と他方側とに形成されており、前記第3磁性体部と前記第8磁性体部とは、前記第8磁電変換素子の感度軸と直交し前記第8磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第8対向面対を有し、少なくとも一方が前記凹部を覆うように形成されることにより前記第8対向面対において互いが最近接するように前記半導体基板の上の前記第1主面と前記第2主面との一方側と他方側とに形成されており、前記第5乃至第8磁性体部は、前記対称軸の周りに1/4回転対称となるように、形状及び位置が定められていることを特徴とする。
本発明のうち第22の態様に係るものは第20又は第21の態様に係る磁気検出装置であって、前記第5磁性体部と前記第6磁性体部とは、互いに分離されていることを特徴とする。
本発明のうち第23の態様に係るものは第17乃至第22の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記凹部は前記第2主面に選択的に形成されており、前記第1乃至第3磁電変換素子は、前記第1主面側に形成されており、前記第1乃至第3磁性体部は前記第1主面に沿って略平板状に形成されていることを特徴とする。
本発明のうち第24の態様に係るものは第23の態様に係る磁気検出装置であって、前記第1乃至第3磁性体部の各々は、前記法線方向に段差を有することを特徴とする。
本発明のうち第25の態様に係るものは第23又は第24の態様に係る磁気検出装置であって、前記第1磁性体部は、前記第2対向面対の一方に隣接する領域であって前記第2磁電変換素子に近接するほど前記第2磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する領域を有するとともに、前記第3対向面対の一方に隣接する領域であって前記第3磁電変換素子に近接するほど前記第3磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する領域を有し、前記第2磁性体部は、前記第2対向面対の他方に隣接する領域であって前記第2磁電変換素子に近接するほど前記第2磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する領域を有し、前記第3磁性体部は、前記第3対向面対の他方に隣接する領域であって前記第3磁電変換素子に近接するほど前記第3磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する領域を有していることを特徴とする。
本発明のうち第26の態様に係るものは第23又は第24の態様に係る磁気検出装置であって、前記第1磁性体部は、前記第2対向面対の一方に隣接する領域であって前記第2磁電変換素子に近接するほど前記第2磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する領域を有するとともに、前記第3対向面対の一方に隣接する領域であって前記第3磁電変換素子に近接するほど前記第3磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する領域を有し、前記第2磁性体部は、前記第2対向面対の他方に隣接する領域であって前記第2磁電変換素子に近接するほど前記第2磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する領域を有し、前記第3磁性体部は、前記第3対向面対の他方に隣接する領域であって前記第3磁電変換素子に近接するほど前記第3磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する領域を有していることを特徴とする。
本発明のうち第27の態様に係るものは第23乃至第26の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記半導体基板がSOI基板であって、前記第1乃至第3磁性体部の各々は、SOI層に形成されていることを特徴とする。
本発明のうち第28の態様に係るものは第17乃至第22の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記凹部は前記第1主面に選択的に3個以上形成されており、前記第1乃至第3磁性体部は、前記凹部を個別に覆うように形成されており、前記第1磁性体部と対をなす前記磁性体対部の他方は、前記第2主面に沿って略平板状に形成されていることを特徴とする。
本発明のうち第29の態様に係るものは第20乃至第22、及び第28の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記半導体基板の平面視輪郭が矩形であり、前記凹部の各々の開口部の輪郭が、前記半導体基板の平面視輪郭と各辺が互いに平行な矩形であることを特徴とする。
本発明のうち第30の態様に係るものは第28の態様に係る磁気検出装置であって、前記半導体基板の平面視輪郭が矩形であり、前記凹部の各々の開口部の輪郭が、前記半導体基板の平面視輪郭と各辺が互いに45°の角度で傾いている矩形であることを特徴とする。
本発明のうち第31の態様に係るものは第17乃至第30の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記第2磁電変換素子が感度軸を同一方向とする複数の磁電変換素子である第1素子群を有しており、前記第2対向面対が前記第1素子群に個別に対向する複数の対向面対に分割配置されており、前記第3磁電変換素子が感度軸を同一方向とする複数の磁電変換素子である第2素子群を有しており、前記第3対向面対が前記第2素子群に個別に対向する複数の対向面対に分割配置されていることを特徴とする。
本発明のうち第32の態様に係るものは磁気検出装置であって、主面を有する半導体基板と、前記主面側の前記半導体基板の上に形成され前記主面に沿った方向に感度軸が設定された磁電変換素子と、前記主面の法線方向に段差を有する略平板状であって、前記主面側の前記半導体基板の上に形成された第1磁性体部と、前記法線方向に段差を有する略平板状であって、前記第1磁性体部と共同して前記磁電変換素子を挟むように前記主面側の前記半導体基板の上に形成された第2磁性体部とを備え、前記第1磁性体部と前記第2磁性体部とは、前記磁電変換素子の感度軸と直交し前記磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面を有し、前記一対の対向面において互いが最近接するように形成されていることを特徴とする。
本発明のうち第33の態様に係るものは第17乃至第32の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記半導体基板の平面視輪郭が正方形であり、前記半導体基板の上に形成されているすべての磁電変換素子及びすべての磁性体部が、前記半導体基板の平面視輪郭における1つの対角線に対して線対称となるように形状及び位置を設定されていることを特徴とする。
本発明のうち第34の態様に係るものは第8乃至第33の何れかの態様に係る磁気検出装置であって、前記半導体基板の上に形成されているすべての磁電変換素子が半導体ダイオード磁気センサであることを特徴とする。
本発明のうち第35の態様に係るものは第34の態様に係る磁気検出装置であって、前記半導体ダイオード磁気センサのうち、前記半導体基板の主面の法線方向を感度軸の方向とするものが、本発明の磁電変換素子であることを特徴とする。
本発明のうち第36の態様に係るものは地磁気センサであって、本発明に係る磁気検出装置と、前記磁気検出装置の出力信号を増幅する増幅器と、を備えることを特徴とする。
本発明の第1乃至第7の何れかの態様に係る磁電変換素子によれば、アノード領域とカソード領域との間に順バイアスが印加されると、高抵抗領域に電子及び正孔の二重注入状態が形成される。この状態で外部磁界が印加されると、高抵抗領域を流れるキャリアは、半導体基板の主面に垂直な磁界成分に起因するローレンツ力によって、進行方向が高抵抗領域の側面に向かうように曲げられる。磁界成分の向きに応じて、キャリアの進行方向は再結合層が形成されている高抵抗領域の一側面と反対側面との何れかに向かうように曲げられる。キャリアの進行方向が再結合層へ向かうように曲げられると、キャリアの再結合が促進されるために、磁電変換素子の抵抗が高くなり、逆に再結合層の反対側へ向かうように曲げられると、磁電変換素子の抵抗が低くなる。即ち、本発明の磁電変換素子によれば、磁電変換素子の抵抗或いは順電流の大きさを通じて、半導体基板の主面に垂直な磁界成分の大きさ及び向きを検出することができる。従って、本発明の磁電変換素子は、本発明の磁気検出装置のように、半導体基板の主面に垂直な方向を感度軸の方向に含む磁気検出装置への利用に適している。
本発明の第8の態様に係る磁気検出装置によれば、第1及び第2の磁性体部によって磁電変換素子を通過する磁束の収束効果が大きくなり、しかも、底部に第2の磁性体部が形成される凹所は、その周壁部が第1及び第2の主面の法線方向と略平行となるように形成されているため、凹所の開口面積を極力小さくすることができて機械的強度が向上する。更に、凹所の開口面積が第2の磁性体部が形成される底部の面積とほぼ等しくなるから、半導体基板の面積を比較的自由に設計することができる。
本発明の第9の態様に係る磁気検出装置によれば、略平坦に形成することで磁性体部の構造設計及び製造が容易になる。
本発明の第10の態様に係る磁気検出装置によれば、第1及び第2の磁性体部の磁電変換素子に対向する部位における距離がその他の部位における距離よりも近くなるから、前記対向部位における磁路の磁気抵抗を前記他の部位における磁路の磁気抵抗よりも容易に低下させることができ、その結果、前記対向部位を通過する磁束密度を増大させて磁気感度の向上が図れる。
本発明の第11の態様に係る磁気検出装置によれば、第2の磁性体部内における磁路の断面積が大きくなり、第2の磁性体部内の磁気抵抗を低減して外部の磁気抵抗との差を大きくすることができるため、第2の磁性体部から漏れる磁束を抑制し、より効果的に磁電変換素子に磁束を収束することができる。
本発明の第12の態様に係る磁気検出装置によれば、第1及び第2の磁性体部における対向部位間では法線方向に沿った平行磁界となるから、収束された磁界の方向を磁電変換素子の感度軸に一致させて効率的に感度を向上させることができる。
本発明の第13の態様に係る磁気検出装置によれば、第1及び第2の磁性体部で収束される磁束のほぼ全てが磁電変換素子の磁気検知部位を通過することになるから、効率的に感度を向上させることができる。
本発明の第14の態様に係る磁気検出装置によれば、製造過程において第1及び第2の磁性体部の対向部位に位置ずれが生じた場合でも磁電変換素子の磁気検知部位のほぼ全面に対して感度軸に一致した磁束を通過させることができ、製造時における特性のばらつきが低減できる。
本発明の第15の態様に係る磁気検出装置によれば、磁束の収束効果や面積効率を損なうことなく、より容易な工程でスループットの高い製造が可能になる。
本発明の第16の態様に係る磁気検出装置によれば、3軸方向の磁気が検出可能な小型の磁気検出装置が実現できる。
本発明の第17乃至第33の何れかの態様に係る磁気検出装置によれば、第1磁性体部は、一対の磁性体対部を形成することにより第1磁電変換素子の感度軸方向の磁束を第1磁電変換素子へ集束させると同時に、第2磁性体部と共同して第2磁電変換素子の感度軸方向の磁束を第2磁電変換素子へ集束させ、第3磁性体部と共同して第3磁電変換素子の感度軸方向の磁束を第3磁電変換素子へ集束させる。このため、小さい寸法で直交3軸方向の磁気検出が可能な磁気検出装置が実現する。しかも、当該装置は単一の半導体基板によって直交3軸方向の磁気検出を可能にするので、電子コンパス等への利用の際に軸合わせ等が必要でなく、精度の高い磁気検出が可能となる。
又、本発明の第34又は第35の態様に係る磁気検出装置によれば、磁電変換素子として半導体ダイオード磁気センサが用いられるので、小型で低消費電力の磁気検出装置が実現する。
更に、本発明の第36の態様に係る地磁気センサは、本発明に係る磁気検出装置を備えるので、精度の高い地磁気の検出を可能にする。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による磁電変換素子の構成を示す図であり、基板とその上に形成された磁電変換素子とを描いている。図1(a)は基板と磁電変換素子とを含む構造体の斜視図である。図1(b)は図1(a)のA−A’切断線に沿った構造体の断面図である。又、図1(c)は、図1(a)のB−B’切断線に沿った構造体の断面図である。この磁電変換素子171は、半導体基板106の上に形成されている。半導体基板106は、シリコン単結晶基板として形成されている。
磁電変換素子171は、ダイオード磁気センサとして形成されており、p型のアノード領域102、n型のカソード領域103及び、それらに挟まれたp型の高抵抗領域101を有している。磁電変換素子171は、アノード領域102、高抵抗領域101及びカソード領域103の順に、直線軸に沿って延在するように形成されている。高抵抗領域101は、i型、即ち真性半導体であってもよく、又n型であっても良い。アノード領域102とカソード領域103とを結ぶ高抵抗領域101の一側面には、再結合層104が形成されている。再結合層104は、高抵抗領域101の一方の側面に、格子欠陥等のキャリアの再結合中心を導入することにより形成されるもので、キャリアの再結合を促す層として機能する。
磁電変換素子171を用いるには、アノード領域102とカソード領域103との間に順バイアスが印加される。それにより、高抵抗領域101にキャリアの二重注入状態が形成される。この状態で、外部磁界Hが半導体基板106の主面に垂直な方向に印加されると、二重注入キャリアである電子と正孔とが、外部磁界Hに起因するローレンツ力によって進行方向を曲げられる。外部磁界Hの向きが図示の向きであれば、電子と正孔とは再結合層104の側に進行方向を曲げられる。その結果、キャリアの再結合が促進されるので、ダイオード抵抗が高くなる。それにより、アノード領域102からカソード領域103へ流れる順電流が減少する。
一方、外部磁界Hの向きが図示の向きとは逆向きであれば、電子と正孔とは再結合層104の反対側に進行方向を曲げられる。その結果、キャリアの再結合が起こり難くなるので、ダイオード抵抗が低くなる。それにより、アノード領域102からカソード領域103へ流れる順電流が増加する。
従って、磁電変換素子171を用いることにより、順電流の変化を通じて半導体基板106の主面に垂直な外部磁界Hの大きさと向きを検出することができる。言い換えると、磁電変換素子171を用いることにより、任意の方向を向いた外部磁界のうち、半導体基板106の主面に垂直な方向の磁界成分Hを検出することができる。即ち、磁電変換素子171の感度軸の方向は、従来技術によるダイオード磁気センサ160とは異なり、半導体基板106の主面に垂直な方向である。また、磁電変換素子171は、小型に形成することができ、且つ消費電力が低いというダイオード磁気センサ特有の利点を保有している。従って、磁電変換素子171は、実施形態7以下に述べる磁気検出装置への利用に好適である。
再結合層104を形成するためには、例えば、磁電変換素子171に対応する島状部分を半導体基板106の主面に形成した後に、半導体基板106の主面の上に図略のレジスト膜を塗布し、当該レジスト膜のうちに、高抵抗領域101の一方側面が露出するように開口部を形成するとよい。次に、例えばアルゴン(Ar)ガスと少量の酸素(O)ガスを流しつつ、開口部を通じて半導体基板106の主面を選択的にスパッタすることにより、再結合層104を形成することができる。又、溶液を利用することにより、開口部を通じて半導体基板106の主面を化学的に荒らすことによっても、再結合層104を形成することができる。また、物理的なスパッタリングと化学的な反応との双方を組み合わせることにより、再結合層104を形成することも可能である。
或いは、金(Au)又は白金(Pt)を開口部を通じて半導体基板106の主面へ選択的に注入又は拡散させることにより、半導体基板106の主面へ選択的にキラーセンターを導入し、それにより再結合層104を形成することも可能である。アルゴンガスのイオンによるスパッタリングを通じて、半導体基板106の主面に選択的に欠陥を形成した後に、熱拡散を施すことにより欠陥の付近を部分酸化したり、薬品処理を施すことにより、結晶化による経時変化を抑制ないし防止することができる。
アノード領域102は、例えば、アノード領域102を形成すべき部位に開口部を有する図略のレジスト膜を、半導体基板106の主面の上に形成し、当該開口部を通じてp型不純物を導入することにより形成することができる。同様に、カソード領域103は、例えば、カソード領域103を形成すべき部位に開口部を有する図略のレジスト膜を、半導体基板106の主面の上に形成し、当該開口部を通じてn型不純物を導入することにより形成することができる。再結合層104、アノード領域102、及びカソード領域103を形成する順序は、何れが先であっても良い。
アノード領域102及びカソード領域103を形成した後、或いはその前に、図1に示すように、半導体基板106のうちの磁電変換素子171に対応する部分の周辺領域(以下、単に「周辺領域」と仮称する)を除去することにより、磁電変換素子171に対応する部分が島状に形成される。磁電変換素子171を島状に形成することにより、アノード領域102とカソード領域103とに順バイアスが印加されたときに、それらの間を流れる順電流は、高抵抗領域101のみを通じて流れることとなる。それにより、磁電変換素子171の外部磁界Hに対する感度が向上する。
半導体基板106のうちの周辺領域を除去するには、垂直深掘技術であるICP(Inductively Coupled Plasma;誘導結合プラズマ)エッチング技術を用いることができる。この技術を用いることによって、エッチング側面が半導体基板106の主面に略垂直な壁面となる。それにより、小型の磁電変換素子171を得ることができる。ここで、「略垂直」とは、製造工程上の精度の範囲内で垂直の意である。
半導体基板106のうち、再結合層104の周囲のみを除去し、それ以外の周辺領域を除去することなく、そのまま残しても良い。この場合には、磁電変換素子171は島状に形成されることなく半導体基板106の主面の一部を占めることとなる。又、この場合には、半導体基板106の主面のうち除去されない周辺領域にイオン注入を施すことにより、周辺領域を真性半導体と同等の高抵抗にしたり、或いは、周辺領域に部分酸化を施すことにより周辺領域を絶縁体とするのが望ましい。それにより、順バイアスの印加によってアノード領域102からカソード領域103へ流れる順電流のうち、高抵抗領域101以外の領域を通じて流れる成分を、高抵抗領域101を通じて流れる成分に比べて無視できるほどの大きさに抑えることができる。即ち、磁電変換素子171の外部磁界Hに対する感度を高めることができる。
なお、図1に示すように、再結合層104は、高抵抗領域101の一側面の全体にわたって形成されるのが望ましいが、高抵抗領域101の一側面のうちの一部に形成されても、外部磁界Hを検出する機能は相応に得られる。
(実施形態2)
図2は、本発明の実施形態2による磁電変換素子の構成を示す図であり、基板とその上に形成された磁電変換素子とを描いている。図2(a)は基板と磁電変換素子とを含む構造体の斜視図である。図2(b)は図2(a)のA−A’切断線に沿った構造体の断面図である。又、図2(c)は、図2(a)のB−B’切断線に沿った構造体の断面図である。この磁電変換素子172は、その側面が半導体基板106の主面に対して傾斜している点において、図1に示した磁電変換素子171とは異なっている。
例えば、半導体基板106の主面の上に、磁電変換素子172に対応する部分を覆う図略のレジスト膜を形成した後に、溶液を用いた異方性エッチングを施すことにより、磁電変換素子172の側面を傾斜面として形成することができる。溶液として、例えば、KOH(水酸化カリウム)、或いはTMAH(ハイドロオキサイド)を用いることができる。例えば、単結晶シリコンである半導体基板106の主面、即ち(100)面をエッチングすると、半導体基板106の主面に対して54.74°の角度をもった(111)面が、磁電変換素子172の側面として得られる。
このように磁電変換素子172の側面が、半導体基板106の主面の斜め上方を向く傾斜面として形成されるので、半導体基板106の主面の上方から見たときの高抵抗領域101の側面の投影面積が、磁電変換素子171の場合に比べて大きくなる。このため、アルゴンガスを用いたスパッタリング等によって再結合層104を形成する工程が、より簡易となる。
(実施形態3)
図3は、本発明の実施形態3による磁電変換素子の構成を示す斜視図であり、基板とその上に形成された磁電変換素子とを描いている。この磁電変換素子173は、互いに直列に接続された一対の磁電変換素子171を有する点において、図1に示した磁電変換素子171とは異なっている。一対の磁電変換素子171は、順電流が互いに逆向きの略平行に流れるように、半導体基板106の主面に配置されている。ここで、「略平行」とは、製造工程上の精度の範囲内で平行の意である。
又、一対の磁電変換素子171の高抵抗領域101は、互いに横に並ぶように形成されている。更に、一対の磁電変換素子171の再結合層104は、互いに逆向きに形成され、図3では特に、一対の高抵抗領域101の互いに対向する側面に形成されている。一対の磁電変換素子171の一方のアノード領域102と他方のカソード領域103とは、例えばアルミニウム等の導電体を材料とする接続配線107により電気的に接続されている。それにより、一対の磁電変換素子171は、順電流が共通に流れるように直列接続されている。アルミニウム等による配線技術自体は従来周知であるので、図3では、接続配線107の形状を模式的に描いている。
磁電変換素子173に順バイアスを印加した状態で、外部磁界Hが半導体基板106の主面に垂直な方向に印加されると、二重注入キャリアである電子と正孔とが、外部磁界Hに起因するローレンツ力によって進行方向を曲げられる。外部磁界Hの向きが図示の向きであれば、一対の磁電変換素子171の何れにおいても、電子と正孔とは再結合層104の側に進行方向を曲げられる。その結果、キャリアの再結合が促進されるので、ダイオード抵抗が高くなる。それにより、磁電変換素子173を流れる順電流が減少する。
一方、外部磁界Hの向きが図示の向きとは逆向きであれば、電子と正孔とは再結合層104の反対側に進行方向を曲げられる。その結果、キャリアの再結合が起こり難くなるので、ダイオード抵抗が低くなる。それにより、磁電変換素子173を流れる順電流が増加する。従って、磁電変換素子173を用いることにより、磁電変換素子171及び172と同様に、電流変化を通じて半導体基板106の主面に垂直な外部磁界Hの大きさ及び向きを検出することができる。
磁電変換素子171及び172においては、外部磁界Hに対する感応部に相当する再結合層104を、高抵抗領域101の一側面に精度良く形成することが重要となる。再結合層104の位置に変動があると、それに伴って外部磁界Hに対する感度が変動する。これに対して、磁電変換素子173では、再結合層104を形成する際に用いられる図略のレジスト膜にリソグラフィを用いてパターン転写するためのマスクに位置ずれがあっても、磁電変換素子173の全体としては、位置ずれの影響を相殺することができる。
より具体的には、マスクずれによって、一対の磁電変換素子171のうちの一方の再結合層104が目標よりも厚さDだけ厚く形成されるときには、他方の再結合層104が目標よりも厚さDだけ薄く形成されることとなる。その結果、磁電変換素子173の全体としては、同一の外部磁界Hに対して、目標通りの順電流が流れることとなる。このように磁電変換素子173は、マスクずれによる感度の変動を抑制するので、精度の高い磁界検出を実現する。
再結合層104は、一対の高抵抗領域101のうち、互いに外側を向いた側面に形成することもできる。この場合においても、マスクずれによる感度の変動を抑制する効果は、同様に得られる。又、一対の磁電変換素子171の代わりに、一対の磁電変換素子172を用いても、同様の効果を得ることができる。
(実施形態4)
図4は、本発明の実施形態4による磁電変換素子の構成を示す斜視図であり、基板とその上に形成された磁電変換素子とを描いている。この磁電変換素子174は、半導体基板106の主面に平面視略コ字形に形成されている点において、図1に示した磁電変換素子171とは異なっている。平面視略コ字形の磁電変換素子174の一対の脚部の一方先端部にアノード領域102が形成され、他方先端部にカソード領域103が形成されている。アノード領域102とカソード領域103とを連結する高抵抗領域101のうち、一対の脚部にあって且つ互いに対向する側面に、再結合層104が形成されている。
磁電変換素子174に順バイアスを印加した状態で、外部磁界Hが半導体基板106の主面に垂直な方向、且つ図示の向きに印加されると、一対の脚部の何れにおいても、電子と正孔とは再結合層104の側に進行方向を曲げられる。その結果、磁電変換素子174を流れる順電流が減少する。一方、外部磁界Hの向きが図示の向きとは逆向きであれば、電子と正孔とは再結合層104の反対側に進行方向を曲げられる。その結果、磁電変換素子174を流れる順電流が増加する。従って、磁電変換素子174を用いることにより、磁電変換素子171〜173と同様に、電流変化を通じて半導体基板106の主面に垂直な外部磁界Hの大きさ及び向きを検出することができる。
磁電変換素子174も、磁電変換素子173と同様の効果により、マスクずれによる感度の変動を抑制するので、精度の高い磁界検出を実現する。又、再結合層104は、高抵抗領域101のうち、一対の脚部にあって且つ互いに外側を向いた側面に形成することもできる。この場合においても、マスクずれによる感度の変動を抑制する効果は、同様に得られる。更に、磁電変換素子174の側面を、磁電変換素子172の場合と同様に、半導体基板106の主面に対して傾斜した壁面として形成しても、同様の効果を得ることができる。
磁電変換素子174の形状は、一対の脚部が平行であることが本質である。従って、磁電変換素子174の平面視輪郭は、厳密に「コ」文字形状である必要はなく、互いに平行な一対の脚部とそれらの連結部とを有する形状であって、近似的に「コ」文字形状をなすものであってもよい。又、一対の脚部は、製造工程上の精度の範囲内で平行であってよい。「略コ字形」とは、このような形状を含む趣旨である。従って、「略コ字形」は「U字形」を含む。
(実施形態5)
図5は、本発明の実施形態5による磁電変換素子の構成を示す斜視図であり、基板とその上に形成された磁電変換素子とを描いている。この磁電変換素子175は、ホイーストンブリッジを形成するように接続された4個の磁電変換素子171を有する点において、図1に示した磁電変換素子171とは異なっている。4個の磁電変換素子171には、互いを区別するために、符号171A〜171Dが付されている。また、4個の磁電変換素子171を互いに接続する4個の接続配線107には、互いを区別するために符号107A〜107Dが付されている。なお、図5においても、接続配線107A〜107Dは、図3の接続配線107と同様に模式的に描かれている。
磁電変換素子171A及び171Dは、同一の順電流が流れるように接続配線107Dによって互いに直列接続されている。又、磁電変換素子171B及び171Cは、同一の順電流が流れるように接続配線107Bによって互いに直列接続されている。更に、磁電変換素子171A及び171Dによる直列回路と、磁電変換素子171B及び171Cによる直列回路とは、順電流がそれぞれを分流するように接続配線107A及び107Cによって互いに並列に接続されている。即ち、磁電変換素子175を図19に示すホイーストンブリッジに対比するならば、磁電変換素子171A〜171Dは素子R1〜R4にそれぞれ対応する。
磁電変換素子171Aと171Cとにおいては、高抵抗領域101の一対の側面のうち、順電流の進行方向に対して平面視右側に位置する側面に再結合層104が形成されている。一方、磁電変換素子171Bと171Dとにおいては、高抵抗領域101の一対の側面のうち、順電流の進行方向に対して平面視左側に位置する側面に再結合層104が形成されている。図5の例では、4個の磁電変換素子171A〜171Dは、アノード領域102とカソード領域103とを結ぶ軸が互いに平行となるように配置されているが、磁電変換素子105がホイーストンブリッジとして機能する上で、必ずしも平行であることを要しない。
接続配線107Aから接続配線107Cへ電流を供給することにより磁電変換素子175に順バイアスを印加した状態で、外部磁界Hが半導体基板106の主面に垂直な方向、且つ図示の向きに印加されると、磁電変換素子171B及び171Dでは、電子と正孔とは再結合層104の側に進行方向を曲げられる。その結果、磁電変換素子171B及び171Dではダイオード抵抗が高くなる。一方、磁電変換素子171A及び171Cでは、電子と正孔とは再結合層104の反対側に進行方向を曲げられる。その結果、磁電変換素子171A及び171Cではダイオード抵抗が低くなる。従って、外部磁界Hの強度に応じて、一対の接続配線107B及び107Dの間には電位差が発生する。このときの電位は、接続配線107Dの方が接続配線107Bよりも高くなる。
外部磁界Hの向きが図示の向きとは逆向きであれば、上記とは逆に、磁電変換素子171B及び171Dではダイオード抵抗が低くなり、磁電変換素子171A及び171Cではダイオード抵抗が高くなる。その結果、外部磁界Hの強度に応じて、一対の接続配線107B及び107Dの間には電位差が発生する。このときの電位は、接続配線107Bの方が接続配線107Dよりも高くなる。即ち、磁電変換素子175に順電流を供給することにより、半導体基板106の主面に垂直な外部磁界Hの大きさと向きとを反映した電位差を、一対の接続配線107B及び107Dから取り出すことができる。
磁電変換素子175は、4個の磁電変換素子171を用いてホイーストンブリッジを形成するので、外部磁界Hに対する感度が高く、且つ、温度特性等によるオフセットを相殺して精度の高い磁界検出を実現する。なお、4個の磁電変換素子171A〜171Dの各々を磁電変換素子172〜174の何れかに置き換えても、同様の効果を得ることができる。又、4個の磁電変換素子171A〜171Dのうち、1〜3個の磁電変換素子を抵抗素子に置き換えても、外部磁界Hの検出は可能である。
(実施形態6)
図6は、本発明の実施形態6による磁電変換素子の構成を示す斜視図であり、基板とその上に形成された磁電変換素子とを描いている。この磁電変換素子176は、単結晶シリコンを材料とする支持基板177の上に形成された二酸化シリコンを材料とする埋込絶縁膜108の上に形成されている。即ち、ダイオード磁気センサ176は、SOI(Semiconductor On Insulator)基板として形成された半導体基板178のうちの単結晶シリコン薄膜層であるSOI層179に形成されている。図6では、磁電変換素子176は磁電変換素子171と同様の構造を有しているが、磁電変換素子172〜175の何れかと同様に構成することも可能である。
磁電変換素子176は、SOI層179に形成されているので、同一のSOI層179の中に磁電変換素子176の駆動回路、増幅回路或いは補償回路等の周辺回路を集積回路として形成することができる。更に、磁電変換素子176の周囲においてSOI層179を選択的に除去することにより、磁電変換素子176を他の回路部分から容易にかつ高抵抗で電気的に分離することができる。それにより、他の回路部分からの電流の流れ込み等によるノイズの影響を低く抑えることができる。
SOI基板として、シリコンと格子定数が整合する絶縁基板であるサファイア基板の上にシリコンをエピタキシャル成長させたものを用い、このエピタキシャル成長層に磁電変換素子176を形成しても良い。又、SOI基板に代えて、半導体基板の上に単結晶シリコン層をエピタキシャル成長させた、いわゆるエピ基板を用い、エピタキシャル成長層に磁電変換素子176を形成しても良い。更に、SOI基板に代えて、素子間を誘電体分離したDI基板を用いても良い。
(実施形態7)
以下、本発明の実施の形態による磁気検出装置について説明する。但し、本発明の磁気検出装置は、磁電変換素子に磁気を収束させる構造に特徴を有するものであるから、磁電変換素子の種類は半導体基板に形成可能な素子、例えば、ダイオード磁気センサの他、MR素子、ホール素子、磁気インピーダンス素子、或いはフラックスゲート素子などが利用可能である。ダイオード磁気センサのうち、感度軸が基板の主面に垂直な方向に設定されるものについては、実施形態1〜6によるダイオード磁気センサである磁電変換素子171〜176を利用することができ、感度軸が基板の主面に沿った方向に設定されるものについては、特許文献2に開示されるダイオード磁気センサ160を利用することができる。
実施形態7による磁気検出装置A1は、図7に示すようにシリコン基板からなる支持基板201の第1主面(図7(b)における上面)側に埋込酸化膜202を介してp型のSOI層203が形成されたSOI基板を有し、このSOI層203の第1主面側から分離領域204によって分離形成された島状領域に磁電変換素子205が形成されている。この磁電変換素子205は、p型のアノード領域206と、n型のカソード領域207と、p型の高抵抗領域208とを有し、アノード領域206とカソード領域207とには中間酸化膜209を介してアノード電極210とカソード電極211とが形成され、各電極210、211がそれぞれ中間酸化膜209に設けられているコンタクトホール部209a、209bを介してアノード領域206並びにカソード領域207と接続され、さらに各電極210、211の第1主面側にはこれらを保護するための保護膜212が形成されている。ここで本実施形態における磁電変換素子205は、SOI基板上の単結晶シリコン薄膜層に形成されたp−p−nダイオードの順方向二重注入を利用するものであって、二重注入キャリアである電子と正孔が磁界によるローレンツ力により曲げられ、再結合領域側に曲げられると電流が減少し、非再結合側に曲げられると電流が増加するという性質を利用して、印加磁界の向きと大きさによる電流変化を検出するものである。磁電変換素子205は、例えば磁電変換素子171である。
又、支持基板201の第2主面(図7(b)における下面)側には、酸化膜213の開口部をマスクとしてICP(誘導結合プラズマ)型のエッチング装置などによって支持基板201を垂直方向(第2主面の法線方向)にエッチングすることで平坦な底部が磁電変換素子205に対向し且つ底部を囲む周壁部が第1及び第2の周面の法線方向と略平行となる有底角筒状の凹所214が形成されると共に、支持基板201の第2主面全体と凹所214の底部並びに周壁部の表面を覆うように磁性体膜(第2の磁性体部)215が形成されている。更に、支持基板201の第1主面側に形成されている保護膜212上には、本装置のチップ面積並びに磁束収束効果から適切に設計された大きさの磁性体膜(第1の磁性体部)216が少なくとも磁電変換素子205の形成領域と第1主面の法線方向において重なるように形成されている。凹所214の底部は埋込酸化膜202まで達しており、底部は磁電変換素子205の磁気検知領域である高抵抗領域208と支持基板201の主面の法線方向から見て重なり、且つ磁気検知領域208の主面への投影像を包含する寸法に形成されている。
ここで、第1の磁性体部216は、磁電変換素子205並びに凹所214の底部を挟んで第2の磁性体部215と対向する部位が第2の磁性体部215に近づく向き(図7(b)における下向き)に凸となる形状に形成され、この凸部216aにおいて第1及び第2の磁性体部216、215の間隔が最も狭くなっている。
次に、本実施形態の磁気検出装置A1を地磁気などによる一定の磁界中に置いたときの磁束の変化について説明する。
図8は、本実施形態の磁気検出装置A1を一定の磁界中に置いた場合の磁束Mの様子を表した概略図である。磁束は磁気抵抗が最も小さくなる経路を選択的に通過するという性質を有するが、本実施形態の磁気検出装置A1では第1及び第2の磁性体部216、215が空気中よりも透磁率が極めて大きい領域を形成し、磁電変換素子205の磁気検知部位たる高抵抗領域208を挟んで対向する部位において第1及び第2の磁性体部216、215の間の距離が最も近くなるため、高抵抗領域208を通過する経路の磁気抵抗が最も小さくなる。しかも、凹所214が支持基板201の主面の法線方向に対してほぼ平行に形成されているから、磁束Mは図8において破線で示した経路を通ることになる。
したがって、本実施形態の磁気検出装置A1においては磁束を最も効率よく収束させて磁電変換素子205を通過させることができるから、大きな領域(本実施形態の場合にはおおむね第1の磁性体部216の面積)の磁束が磁気検知領域である高抵抗領域208に集中することになり、エッチング溝219のように周壁部が支持基板201の主面の法線方向に対して傾けて形成される場合に比較して効率よく磁束を収束することができて感度向上が図れる。又、凹所214の底部が磁電変換素子205の磁気検知領域である高抵抗領域208と支持基板201の主面の法線方向から見て重なり、磁気検知領域である高抵抗領域208の主面への投影像を包含する寸法に形成されると共に、第1及び第2の磁性体部216、215がその間の距離を最小とするように形成されているから、磁電変換素子205の磁気検知領域である高抵抗領域208を通過する磁束の向きが第1及び第2の磁性体部216、215の底部と対向する部位の法線方向にほぼ一致する。よって、ほとんどの磁束が磁電変換素子205の感度軸方向に沿って通過することになり、磁気検出の感度が大きく且つ精度の高い検出が可能となる。
このように本実施形態の磁気検出装置A1では、第1及び第2の磁性体部216、215によって磁電変換素子205を通過する磁束Mの収束効果が大きくなり、しかも、底部に第2の磁性体部215が形成される凹所214は、その周壁部が支持基板201の第1及び第2主面の法線方向と略平行となるように形成されているため、凹所214の開口面積を極力小さくすることができ、従来例に比較して小型でありながら機械的強度が向上するものである。更に、凹所214の開口面積が第2の磁性体部215が形成される底部の面積とほぼ等しくなるから、支持基板201の面積を比較的自由に設計することができる。又、本実施の形態では第1の磁性体部216をほぼ平坦に形成しているから構造設計並びに製造が容易であり、第1及び第2の磁性体部216、215は、磁電変換素子205を挟んで対向する部位が互いに近づく向きに凸となる形状に形成されているから、第1及び第2の磁性体部216、215の磁電変換素子205に対向する部位における距離がその他の部位における距離よりも近くなり、対向部位における磁路の磁気抵抗を他の部位における磁路の磁気抵抗よりも容易に低下させることができ、その結果、対向部位(磁電変換素子205の高抵抗領域208)を通過する磁束密度を増大させて磁気感度の向上が図れる。
又、本実施形態では第2の磁性体部215が凹所214の底部並びに周壁部を覆うように形成されているから、第2の磁性体部215内における磁路の断面積が大きくなり、第2の磁性体部215内の磁気抵抗を低減して外部の磁気抵抗との差を大きくすることができるため、第2の磁性体部215から漏れる磁束を抑制し、より効果的に磁電変換素子205に磁束を収束することができる。更に、第1及び第2の磁性体部216、215における磁電変換素子205を挟んで対向する対向部位が平坦且つ互いに略平行となる形状に形成されているため、対向部位間では法線方向に沿った平行磁界となるから、収束された磁界の方向を磁電変換素子205の感度軸に一致させて効率的に感度を向上させることができる。なお、第1及び第2の磁性体部216、215の磁電変換素子205を挟んで対向する部位の面積が高抵抗領域208に対して余裕を持った大きさに設計されているから、SOI層203面側と支持基板201の第1主面側の加工の合わせ精度を厳密に管理する必要がなく、適当な余裕があるので製造が容易になるという利点もある。
(実施形態8)
本実施形態の磁気検出装置A2は、図9に示すように基本的な構造は実施形態7と共通であるので、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、本実施の形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
本実施形態は、磁電変換素子205における高抵抗領域208が実施形態7に比べて大きくなっており、第1及び第2の磁性体部216、215における磁電変換素子205を挟んで対向する対向部位が、磁電変換素子205の磁気検知部位である高抵抗領域208の当該対向部位への投影面積よりも小さい面積としてある点に特徴を有する。
而して、上述のように構成した本実施形態の磁気検出装置A2では、対向部位の面積を小さくした分だけ収束効果が高くなって高抵抗領域208を通過する磁束が増大し(図10参照)、効率的に感度を向上させることができる。なお、対向部位間の距離を近づけるほど、磁束の収束効果も高くなるから、感度向上には対向部位間の距離を狭くすることが有効である。
(実施形態9)
本実施形態の磁気検出装置A3は、図11に示すように基本的な構造は実施形態7と共通であるので、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
本実施形態は、支持基板201にシリコンのバルク基板を用いた点、並びに第1の磁性体部216が平坦に形成されている点に特徴を有しており、支持基板201としてSOI基板よりも安価なバルク基板を用いることでコストダウンを図れるという利点がある。又、第1の磁性体部216を平坦に形成したことで磁性体部216の構造設計及び製造が容易になるという利点もある。但し、実施形態7に対して磁電変換素子205の製造工程が変わることと、第1及び第2の磁性体部216、215の磁電変換素子205を挟んで対向する部位のギャップを精度良く製造することが困難であるために感度のばらつきが若干大きくなることを除いて、実施形態7の磁気検出装置A1と概ね同等の効果を奏する。
(実施形態10)
本実施形態の磁気検出装置A4は、図12に示すように基本的な構造は実施形態7と共通であるので、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
本実施形態は、支持基板201として主要面方位が(100)のシリコン単結晶基板を用いると共に、凹所214の開口面側(第2主面側)の部位(以下、「第2凹所」と呼ぶ)214’が異方性エッチングにより形成された点に特徴を有する。
本実施形態における凹所214並びに第2凹所214’の形成方法を簡単に説明する。まず、支持基板201の第2主面(図12(b)における下面)側に、酸化膜213の開口部をマスクとして異方性エッチングにより第2主面から第1主面までのおよそ中間の深さ程度まで四角錐状の第2凹所214’を形成する。その後、実施形態7と同様にICP型のエッチング装置などによって第2凹所214’の底面から支持基板201を垂直方向(第2主面の法線方向)にエッチングすることで底部を囲む周壁部が第1及び第2の主面の法線方向と略平行となる有底角筒状の凹所214を形成する。
而して、従来例のように全体が角錐状の凹所(エッチング溝69)を形成する場合に比べて支持基板201の機械的強度を保つことができるとともに、凹所214を形成する深さ寸法が実施形態7に比べて小さくなるから磁束の収束効果や面積効率を損なうことなく、より容易な工程でスループットの高い製造が可能になる。
(実施形態11)
本実施形態の磁気検出装置A5は、図13(a)に示すように支持基板201の主面の法線方向に沿った磁気を検出する第1の磁気検出装置B1と、支持基板201の主面の法線方向に直交する2方向(図13(a)における左右方向及び上下方向)の磁気を検出する第2及び第3の磁気検出装置B2、B3と、各磁気検出装置B1〜B3の出力を取り出すための電極パッド217とを備えている。
第1の磁気検出装置B1は実施形態7の磁気検出装置A1とほぼ共通の構成を有するものであるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
一方、第2及び第3の磁気検出装置B2、B3は互いに同一の構成を有するものであって、支持基板201の第1主面側に形成される第1の磁気検出装置B1と同一構造の磁電変換素子205と、第1主面側に形成されて第1主面に平行な方向の磁気を磁電変換素子205に対して収束する一対の磁気収束部218とを備えている。但し、磁電変換素子205の感度軸は支持基板201の主面の法線方向と直交する方向としてある。例えば、磁気検出装置B1の磁電変換素子205には、実施形態1によるダイオード磁気センサである磁電変換素子171が用いられ、磁気検出装置B2及びB3の磁電変換素子205には、特許文献2に開示されるダイオード磁気センサ160が用いられる。又、磁気収束部218は平面視の形状がほぼ野球の本塁ベースと同形状に形成されており、磁電変換素子205を挟んで互いに先細の先端部を対向させるようにして形成されている。
本実施形態は上述のように構成され、支持基板201の主面の法線方向に沿った磁気を第1の磁気検出装置B1で検出し、支持基板201の主面の法線方向に直交する2方向の磁気を第2又は第3の磁気検出装置B2、B3で検出することにより3次元直交座標系の各軸方向における磁気が検出可能な小型の磁気検出装置A5であって、電子コンパスなどに好適なものである。なお、本実施形態では磁気検出装置B1〜B3を各軸方向について各々1つずつしか設けていないが、例えば、それぞれの軸方向について一対ずつの磁気検出装置B1〜B3と、磁気シールドされた一対ずつの補正用磁気検出装置を設け、それらの磁気検出装置でホイーストンブリッジ回路を構成すれば、温度などの環境に対する検出値の補正が可能になる。又、支持基板201をシリコンウェハで形成する場合、制御や信号処理用の回路素子を同一基板(支持基板201)内に形成することができ、温度補正等が可能な小型の磁気検出装置が実現できると共に、検出信号を増幅するアンプを同一基板内に形成すれば配線長が短くなることで耐ノイズ性が向上するという利点もある。
(実施形態12)
次に、本発明の実施形態12による磁気検出装置について説明する。
(装置の構成)
図14及び図15は、本実施形態による磁気検出装置の構成を示すもので、図14(a)は、当該磁気検出装置の平面図、図14(b)は図14(a)のX−X切断線に沿った同装置の断面図、図14(c)は図14(a)のY−Y切断線に沿った同装置の断面図である。また、図15(a)は同装置の斜視図、図15(b)は図14(a)の部分Aの拡大図、図15(c)は磁電変換素子の一例としての半導体ダイオード磁気センサの概略構成図である。本実施形態による磁気検出装置100は、半導体基板としてSOI(Semiconductor On Insulator)基板10を有している。SOI基板10は、上主面(第1主面)と下主面(第2主面)とを有し平面視輪郭が正方形の平板状であって、単結晶シリコンを材料とする支持基板1、その上に形成された二酸化シリコンを材料とする埋込酸化膜2、及びその上に形成されたp型の単結晶シリコン薄膜層であるSOI層3を備えている。SOI層3には磁電変換素子21、22及び23が形成されている。
磁電変換素子21〜23として、図15(c)に示すダイオード磁気センサ130が用いられている。ダイオード磁気センサ130は、p型のアノード領域132、n型のカソード領域133及びp型の高抵抗領域131を有している。高抵抗領域131の一面には再結合層134が形成されており、これと反対面には非再結合領域135が形成されている。ダイオード磁気センサ130は、p−π−nダイオードの順方向二重注入を利用するものである。即ち、ダイオード磁気センサ130は、二重注入キャリアである電子と正孔とが、磁界に起因するローレンツ力によって進行方向を曲げられ、再結合層134の側に曲げられると電流が減少し、非再結合領域135の側に曲げられると電流が増加するという性質を利用することにより、電流変化を通じて印加磁界Hの向き或いは大きさを検出するものである。従って、図15(c)の磁界Hの方向が、ダイオード磁気センサ130の感度軸の方向となる。
ダイオード磁気センサ130は、磁電変換素子21のように感度軸がSOI基板10の主面に垂直な方向に設定される磁電変換素子として用いられるものについては、実施形態1〜6によるダイオード磁気センサである磁電変換素子171〜176の何れかとして構成することができる。一方、ダイオード磁気センサ130は、磁電変換素子22及び23のように感度軸がSOI基板10の主面に沿った方向に設定される磁電変換素子として用いられるものについては、特許文献2に開示されるダイオード磁気センサ160として構成することができる。
磁気検出装置100では、磁電変換素子21(第1磁電変換素子)の感度軸がSOI基板10の主面の法線方向(以下、Z軸方向)に設定され、磁電変換素子22(第2磁電変換素子)の感度軸がZ軸方向に垂直な一方向、即ちSOI基板10の主面に沿った一方向(以下、X軸方向)に設定され、磁電変換素子23(第3磁電変換素子)の感度軸がSOI基板10の主面に沿い且つX軸に直交する方向(以下、Y軸方向)に設定されている。後述する磁気検出の対称性の観点から、好ましくは、図14及び図15に示すようにX軸及びY軸はSOI基板10の正方形の平面視輪郭の二辺に沿った方向に設定される。以下の実施形態においても、X、Y及びZ軸方向は同様に設定される。
支持基板1の裏面、即ちSOI基板10の下主面には、凹部31が選択的に形成されている。凹部31は、正方形の開口部を有し、平坦な正方形の底面部が磁電変換素子21に対向し、4つの台形の側面部を有するテーパ状に形成されている。凹部31のこのような形状は、酸化膜の開口部などをマスクとして、単結晶シリコンを材料とする支持基板1に異方性エッチングを施すことにより、容易に形成可能である。支持基板1の裏面全体と、凹部31の側面部及び底面部とを覆うように、磁性体部40が膜状乃至板状に形成されている。凹部31の底面部は、埋込酸化膜2にまで達しており、磁電変換素子21の磁気検知領域である高抵抗領域131の埋込酸化膜2への投影像を包含するように、その寸法が設定されている。
一方、SOI層3の表面側、即ち上主面側のSOI基板10の上には、磁性体部11(第1磁性体部)、磁性体部12(第2磁性体部)及び磁性体部13(第3磁性体部)が形成されている。磁性体部11〜13、40の材料として、従来周知の高透磁率材料、例えばパーマロイ、フェライト等を使用することが可能である。磁性体部11〜13は、略正方形の平面視輪郭を有する略平板状であって、主としてSOI層3の上に形成され、磁電変換素子22及び23の周辺において選択的にSOI層3が除去され埋込酸化膜2が露出する領域においては、当該埋込酸化膜2の上に形成されている。なお本明細書では、主面だけでなく、凹部を含めた表面の上、中、或いはその直下の領域、即ち表面の近傍を含めて、「SOI基板10(一般には半導体基板)の上」と表現する。この意味において、磁電変換素子21〜23、及び磁性体部11〜13、40は何れも、SOI基板10の上に形成されている、と表現することができる。
磁性体部11〜13は、互いに略合同形状であり、平面視輪郭の対角線がX軸方向及びY軸方向を向くように配置されている。磁性体部11〜13の寸法は、SOI基板10の面積(いわゆるチップ面積)及び磁束集束効果の観点から適切な大きさに設定される。このうち磁性体部11は、磁電変換素子21を覆い、且つその中央部が磁電変換素子21の直上に位置するように配置されている。磁性体部11と磁性体部12とは、X軸方向の対角線が一致するようにX軸方向に並んで配置されており、磁性体部11と磁性体部13とは、Y軸方向の対角線が一致するようにY軸方向に並んで配置されている。
磁性体部11と磁性体部40のうち凹部31を覆う部分41(第5磁性体部)とは、磁電変換素子21を挟んでおり、磁電変換素子21へ磁束を集束させる一対の磁性体対部を形成している。より詳細には、磁性体部11の中央部と、磁性体部40のうち凹部31の底面部を覆う部分とは、磁電変換素子21の感度軸の方向であるZ軸方向に直交し、磁電変換素子21を挟んで対向する一対の対向面(第1対向面対)をなしている。磁性体部40は、凹部31を覆うように形成されているので、磁性体部11と磁性体部40との対は、この対向面において互いが最近接する。
また、磁性体部11と磁性体部12とは、磁電変換素子22を挟んでおり、磁電変換素子22へ磁束を集束させる機能を果たす。より詳細には、磁性体部11と磁性体部12とは、それらのX軸方向の角部において、磁電変換素子22の感度軸の方向であるX軸方向に直交し、磁電変換素子22を挟んで対向する一対の対向面(第2対向面対)を有している。そして、磁性体部11と磁性体部12とは、この対向面において互いが最近接する。
同様に、磁性体部11と磁性体部13とは、磁電変換素子23を挟んでおり、磁電変換素子23へ磁束を集束させる機能を果たす。より詳細には、磁性体部11と磁性体部13とは、それらのY軸方向の角部において、磁電変換素子23の感度軸の方向であるY軸方向に直交し、磁電変換素子23を挟んで対向する一対の対向面(第3対向面対)を有している。そして、磁性体部11と磁性体部13とは、この対向面において互いが最近接する。
また、磁性体部11のうち磁電変換素子22に対向する対向面に隣接する一定の領域であってY軸方向対角線に対して磁性体部12側に位置する半分の領域では、磁電変換素子22に近接するほど磁電変換素子22の感度軸方向(X軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する。同様に、磁性体部12のうち磁電変換素子22に対向する対向面に隣接する一定の領域であってY軸方向対角線に対して磁性体部11側に位置する半分の領域では、磁電変換素子22に近接するほど磁電変換素子22の感度軸方向(X軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する。
また、磁性体部11のうち磁電変換素子23に対向する対向面に隣接する一定の領域であってX軸方向対角線に対して磁性体部13側に位置する半分の領域では、磁電変換素子23に近接するほど磁電変換素子23の感度軸方向(Y軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する。同様に、磁性体部13のうち磁電変換素子23に対向する対向面に隣接する一定の領域であってX軸方向対角線に対して磁性体部11側に位置する半分の領域では、磁電変換素子23に近接するほど磁電変換素子23の感度軸方向(Y軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する。
更に、磁性体部11は、磁電変換素子22に対向する部位の近傍、及び磁電変換素子23に対向する部位の近傍において段差51を有している。同様に、磁性体部12は、磁電変換素子22に対向する部位の近傍において段差52を有し、磁性体部13は、磁電変換素子23に対向する部位の近傍において段差53を有している。段差51〜53は、上述したようにSOI層3がエッチング等により選択的に除去された領域の上とSOI層3の上とに跨って磁性体部11〜13が形成されることにより、Z軸方向に高さがずれるように形成されている。
(装置の動作と利点)
次に、磁気検出装置100の動作について説明する。磁気検出装置100は、感度軸がX、Y及びZ軸方向に設定された磁電変換素子21〜23を備え、これらの磁電変換素子21〜23へ磁束を集束する磁性体部11〜13及び40を備えるので、地磁気のような弱い外部磁界に対して直交3軸方向の磁気検出が可能な3軸磁気検出装置として機能する。
図15(b)には、地磁気の磁界がY軸方向に沿うように磁気検出装置100を置いた場合の磁束密度Bが描かれている。磁束は、磁気抵抗が最も低くなる経路を選択的に通過するという性質を有する。磁気検出装置100では、磁性体部11及び13が、空気中よりも透磁率が極めて大きい領域を形成し、磁電変換素子23を挟んで対向する一対の対向面において、互いの距離が最も近くなるので、磁電変換素子23を通過する経路において磁気抵抗が最も低くなる。このため、磁束Bは、図15(b)に示すように、磁電変換素子23に集束する。しかも、磁性体部11及び13は、上記対向面に隣接する領域において、Y軸に垂直な方向の平面視輪郭の幅が、磁電変換素子23に近接するほど単調に狭くなっているので、磁束がより効果的に磁電変換素子23に集束する。
従って、磁電変換素子23には、磁性体部11及び13のX軸方向対角線の部位におけるY軸に垂直な断面の断面積、即ちX軸方向対角線の長さとSOI層3の上に形成された磁性体部11及び13の厚さとの積に相当する面積を通過する磁束が集束する。更に、磁性体部11及び13には、段差51及び53が形成されているので、磁電変換素子23には、段差51及び53における磁性体部11及び13のX軸方向の幅と段差51及び53の大きさ(即ち、段差51及び53の前後での磁性体部11及び13の高さの差)との積に相当する断面積を通過する磁束が、更に加わって磁電変換素子23に集束する。このため、磁電変換素子23によるY軸方向の磁気検出感度が効果的に高められる。
磁性体部11及び12に挟まれた磁電変換素子22についても、上記と同様の機構により、X軸方向の磁気検出感度が効果的に高められる。磁性体部11及び40に挟まれた磁電変換素子21については、従来技術による磁気検出装置150について説明した機構と同様の機構によって、Z軸方向に高い磁気検出感度が得られる。また、磁性体部11のX−Y平面に沿った幅が、磁気検出装置150の磁性体膜127とは異なり、磁電変換素子21に比べて広く設定されているので、磁電変換素子21に集束する磁束が更に強められる。
以上のように、磁気検出装置100は、直交するX、Y及びZ軸方向の外部磁界を感度良く検出することを可能にする。また、磁気検出装置100は、単一のSOI基板10の上主面と下主面との両面を用いて磁電変換素子21〜23へ磁束を集束させる構造を実現するとともに、磁性体部11が、3軸方向の磁束を磁電変換素子21〜23へそれぞれ集束する機能を同時に果たすように構成されている。このため、磁気検出装置100は、基板面積(いわゆるチップ面積)の利用効率を高めることができ、それによって小さい装置寸法で直交3軸方向の磁気検出を実現する。また、磁気検出装置100は、単一のSOI基板10を用いて直交3軸方向の磁気検出を可能にするので、電子コンパス等への利用に際して、軸合わせを必要としない。磁気検出装置100は、この点においても、精度の高い磁気検出を可能にする。
更に、図14(a)に示すように、磁気検出装置100では、SOI基板10の平面視輪郭が正方形であって、磁電変換素子21〜23及び磁性体部11〜13、40が、SOI基板10の平面視輪郭の1つの対角線Lに対して線対称となるように、それらの形状及び位置が設定されている。このため、外部磁界がX−Y平面内で回転した場合に、磁電変換素子22及び23に入力される磁束の変化の対称性が向上する。即ち、外部磁界のX−Y平面内の回転に対して、歪の小さい磁気検出出力を得ることができる。
また、対角線Lに対する上記対称性のために、限られた面積の基板の上に磁性体部11〜13を効率よく配置することができ、基板面積を有効に利用し得る。即ち、磁気検出装置100の小型化がより容易となる。更に、単結晶シリコンの結晶方位を利用して支持基板1に異方性エッチングを施すことにより凹部31を形成する上でも、上記対称性は好都合である。
また、磁気検出装置100は、半導体基板としてSOI基板10を用いているので、Z軸方向を感度軸とする磁電変換素子21を挟む磁性体部11及び40の一対の対向面の間の距離が、埋込酸化膜2とSOI層3とその上に形成される保護膜(不図示)との厚さによって精度良く定められる。半導体基板としてバルクのシリコン基板を用いた場合には、シリコン基板にエッチングを行うことによって凹部31を形成する過程で上記一対の対向面間の距離を精度良く設定するためには、高精度のエッチング制御を必要とする。これに対し、半導体基板としてSOI基板10を用いた場合には、埋込酸化膜2をエッチングストッパとして活用することができ、それによって高度なエッチング精度を要することなく、上記対向面間の距離を精度良く設定することが可能となる。磁束を集束する効果は、上記対向面間の距離に敏感に依存して変化することがシミュレーションの結果から分かっている。磁気検出装置100によれば、上記対向面間の距離を高精度で制御することができるので、Z軸方向の磁気検出感度のばらつきの小さい装置を容易に得ることができる。
更に、磁気検出装置100はSOI基板10を有し、磁電変換素子21〜23がSOI層3に形成されるので、磁電変換素子21〜23の周囲においてSOI層3を選択的に除去することにより、磁電変換素子21〜23を他の回路部分から容易にかつ高抵抗で電気的に分離することができる。それにより、他の回路部分からの電流の流れ込み等によるノイズの影響を低く抑えることができる。
また、磁性体部11〜13がSOI基板10の上主面の側に略平板状に形成され、それに伴い磁電変換素子21〜23が何れもSOI基板10の上主面の側に形成されている。このため、磁電変換素子21〜23へ接続される配線を、SOI基板10の上に、より具体的にはSOI層3に、容易に形成することができる。
更に、磁気検出装置100では、凹部31は単一であるため、基板面積に占める凹部31の開口部の割合が低い。このため、磁気検出装置100は、SOI基板10の機械的強度が高いという利点を有する。
また、磁気検出装置100は、SOI基板10の上主面に、磁性体部11〜13で覆われない領域を比較的広い面積で有する。このため、磁気検出装置100は、磁電変換素子21〜23の制御、駆動回路等(例えば、後述するブリッジ回路或いは増幅器)を集積することにより、有用性の高い磁気検出装置或いは地磁気センサ等を単一基板(いわゆるワンチップ)で容易に実現することできる。
(実施形態13)
図16及び図17は、本発明の実施形態13による磁気検出装置の構成を示すもので、図16は、同装置の平面図、図17は同装置の斜視図である。なお、図14〜図35を通じて、同一部分及び対応する部分には同一符号を付している。本実施形態による磁気検出装置200は、上主面側のSOI基板10の上に、磁性体部11〜13に加えて磁性体部14(第4磁性体部)を有している点において、図14及び図15に示した実施形態1による磁気検出装置100とは異なっている。磁性体部11〜14は、SOI基板10の上主面(下主面でも同じ)の中心を通りZ軸方向に向いた中心軸(対称軸)Nの周りに1/4回転対称、即ち90°ずつの回転に対して軸対称となるように、それらの形状及び位置が定められている。従って、磁性体部14は、磁性体部12及び13の双方に隣接するように配置され、かつ磁性体部11〜13と同一の形状を有する。
磁気検出装置200は以上のように構成されているので、外部磁界がX−Y平面内で回転した場合に、磁電変換素子22及び23に入力される磁束の変化の対称性が更に向上する。即ち、外部磁界のX−Y平面内の回転に対して、歪が更に小さい磁気検出出力を得ることができる。
(実施形態14)
図18は、本発明の実施形態14による磁気検出装置の構成を示すもので、図18(a)は同装置の平面図、図18(b)は図18(a)のX−X切断線に沿った同装置の断面図、図18(c)は図18(a)のY−Y切断線に沿った同装置の断面図である。本実施形態による磁気検出装置300は、SOI層3に磁電変換素子21〜23に加えて磁電変換素子24(第4磁電変換素子)及び磁電変換素子25(第5磁電変換素子)を有している点において、図16及び図17に示した実施形態13による磁気検出装置200とは異なっている。磁電変換素子24及び25は、磁電変換素子21〜23と同様に、ダイオード磁気センサ130として形成されており、磁電変換素子24の感度軸は磁電変換素子23の感度軸と同一方向、即ちY軸方向に設定され、磁電変換素子25の感度軸は磁電変換素子22の感度軸と同一方向、即ちX軸方向に設定されている。
磁気検出装置300では、磁性体部11〜14に加えて磁電変換素子22〜25についても、中心軸Nの周りに1/4回転対称となるように、それらの形状及び位置が定められている。従って、磁電変換素子24及び25と、それらを挟む磁性体部12〜14とは、以下のように形状及び位置が定められている。
磁性体部12と磁性体部14とは、磁電変換素子24を挟んでおり、磁電変換素子24へ磁束を集束させる機能を果たす。より詳細には、磁性体部12と磁性体部14とは、それらのY軸方向の角部において、磁電変換素子24の感度軸の方向であるY軸方向に直交し、磁電変換素子24を挟んで対向する一対の対向面(第4対向面対)を有している。そして、磁性体部12と磁性体部14とは、この対向面において互いが最近接する。
同様に、磁性体部13と磁性体部14とは、磁電変換素子25を挟んでおり、磁電変換素子25へ磁束を集束させる機能を果たす。より詳細には、磁性体部13と磁性体部14とは、それらのX軸方向の角部において、磁電変換素子25の感度軸の方向であるX軸方向に直交し、磁電変換素子25を挟んで対向する一対の対向面(第5対向面対)を有している。そして、磁性体部13と磁性体部14とは、この対向面において互いが最近接する。
また、磁性体部12のうち磁電変換素子24に対向する対向面に隣接する一定の領域であってX軸方向対角線に対して磁性体部14側に位置する半分の領域では、磁電変換素子24に近接するほど磁電変換素子24の感度軸方向(Y軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する。同様に、磁性体部14のうち磁電変換素子24に対向する対向面に隣接する一定の領域であってX軸方向対角線に対して磁性体部12側に位置する半分の領域では、磁電変換素子24に近接するほど磁電変換素子24の感度軸方向(Y軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する。
また、磁性体部13のうち磁電変換素子25に対向する対向面に隣接する一定の領域であってY軸方向対角線に対して磁性体部14側に位置する半分の領域では、磁電変換素子25に近接するほど磁電変換素子25の感度軸方向(X軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する。同様に、磁性体部14のうち磁電変換素子25に対向する対向面に隣接する一定の領域であってY軸方向対角線に対して磁性体部13側に位置する半分の領域では、磁電変換素子25に近接するほど磁電変換素子25の感度軸方向(X軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する。
更に、磁性体部14は、磁電変換素子24に対向する部位の近傍、及び磁電変換素子25に対向する部位の近傍において段差54を有している。同様に、磁性体部12は、磁電変換素子24に対向する部位の近傍において段差52を有し、磁性体部13は、磁電変換素子25に対向する部位の近傍において段差53を有している。これらの段差52〜54は、SOI層3がエッチング等により選択的に除去された領域の上とSOI層3の上とにまたがって磁性体部12〜14が形成されることにより、Z軸方向に高さがずれるように形成されている。
磁気検出装置300は以上のように構成されているので、外部磁界の中に置かれたときに、磁電変換素子22と磁電変換素子25とは同一の磁気検信号を出力し、磁電変換素子23と磁電変換素子24とは同一の磁気検出信号を出力する。従って、磁気検出装置100及び200と同一の基板面積で、X軸方向及びY軸方向に2倍の強さの磁気検出出力を得ることができ、磁気検出感度が倍増する。更に、図19に示す周知のホイーストンブリッジを利用し、その対向辺、例えば素子R1と素子R3とに、磁電変換素子22と磁電変換素子25と(又は磁電変換素子23と磁電変換素子24と)を配置することにより、温度変化等に伴う磁気検出出力の変動分、すなわちコモンモードノイズを除去しつつ、磁気検出感度を高めることができる。
ホイーストンブリッジの他の対向辺、例えば素子R2と素子R4として、図20に例示するように、SOI層3に形成された他の磁電変換素子61及び62を用いると良い。この場合、磁電変換素子61及び62は、外部磁界の影響を抑えるように、磁性体部11〜14が磁束を集束する領域から離れた部位に配置される。磁電変換素子61及び62は、図20(a)の例では、磁電変換素子23及び24の外側に配置されており、図20(b)の例では、磁電変換素子23及び24の内側に配置されている。磁電変換素子61及び62は、弱いながらも外部磁界の影響が互いに同一となるように、中心軸Nの周りに1/2回転対称となる部位に配置されるのが望ましい。
(実施形態15)
図21及び図22は、本発明の実施形態15による磁気検出装置の構成を示すもので、図21(a)は同装置の平面図、図21(b)は図21(a)のX−X切断線に沿った同装置の断面図、図22は同装置の斜視図である。図21(a)のY−Y切断線に沿った断面図は、図14(c)と同一に表される。本実施形態による磁気検出装置400は、SOI層3に磁電変換素子21〜25に加えて磁電変換素子26(第6磁電変換素子)が形成されており、支持基板1の裏面、即ちSOI基板10の下主面に、凹部31に加えて凹部34が選択的に形成されている点において、磁気検出装置300とは異なっている。磁性体部40は、凹部31だけでなく凹部34をも覆うように形成されており、凹部34を覆う部分44が本発明の第6磁性体部に対応する。
磁電変換素子26は、磁電変換素子21〜25と同様に、ダイオード磁気センサ130として形成されている。磁電変換素子26の感度軸は磁電変換素子21の感度軸と同一方向、即ちZ軸方向に設定されている。磁性体部14、磁電変換素子26、凹部34及び磁性体部40の部分44は、磁性体部11、磁電変換素子21、凹部31及び磁性体部40の部分41と、互いに同一の関係となるように形状及び位置が定められている。従って、磁性体部14の中央部と、磁性体部40のうち凹部31の底面部を覆う部分とは、磁電変換素子26を挟んで対向する一対の対向面(第6対向面対)をなしている。また、磁電変換素子21〜26、磁性体部11〜14、40、及び凹部31、34は、中心軸Nに対して1/2回転対称となる。
磁気検出装置400は以上のように構成されているので、外部磁界の中に置かれたときに、磁電変換素子21と磁電変換素子26とは同一の磁気検信号を出力する。従って、磁気検出装置100〜300と同一の基板面積で、Z軸方向の外部磁界に対して2倍の強さの磁気検出出力を得ることができ、磁気検出感度が倍増する。更に、図19に示したホイーストンブリッジを利用し、その対向辺、例えば素子R1と素子R3とに、磁電変換素子21と磁電変換素子26とを配置することにより、温度変化等に伴う磁気検出出力の変動分、すなわちコモンモードノイズを除去しつつ、磁気検出感度を高めることができる。
(実施形態16)
図23及び図24は、本発明の実施形態16による磁気検出装置の構成を示すもので、図23(a)は同装置の平面図、図23(b)は図23(a)のX−X切断線に沿った同装置の断面図、図23(c)は図23(a)のY−Y切断線に沿った同装置の断面図、図24は同装置の斜視図である。本実施形態による磁気検出装置500は、SOI層3に磁電変換素子21〜26に加えて磁電変換素子27(第7磁電変換素子)及び磁電変換素子28(第8磁電変換素子)が形成されており、支持基板1の裏面、即ちSOI基板10の下主面に、凹部31及び34に加えて凹部32及び33が選択的に形成されている点において、磁気検出装置400とは異なっている。磁性体部40は、凹部31及び34だけでなく、凹部32及び33をも覆うように形成されており、凹部32を覆う部分42が本発明の第7磁性体部に対応し、凹部33を覆う部分43が本発明の第8磁性体部に対応する。
磁電変換素子27及び28は、磁電変換素子21〜26と同様に、ダイオード磁気センサ130として形成されている。磁電変換素子27及び28の感度軸は磁電変換素子21及び26の感度軸と同一方向、即ちZ軸方向に設定されている。磁性体部12、磁電変換素子27、凹部32及び磁性体部40の部分42は、磁性体部11、磁電変換素子21、凹部31及び磁性体部40の部分41と、互いに同一の関係となるように形状及び位置が定められている。同様に、磁性体部13、磁電変換素子28、凹部33及び磁性体部40の部分43は、磁性体部11、磁電変換素子21、凹部31及び磁性体部40の部分41と、互いに同一の関係となるように形状及び位置が定められている。従って、磁性体部12の中央部と、磁性体部40のうち凹部32の底面部を覆う部分とは、磁電変換素子27を挟んで対向する一対の対向面(第7対向面対)をなし、磁性体部13の中央部と、磁性体部40のうち凹部33の底面部を覆う部分とは、磁電変換素子28を挟んで対向する一対の対向面(第8対向面対)をなしている。また、磁電変換素子21〜28、磁性体部11〜14、40、及び凹部31〜34は、中心軸Nに対して1/4回転対称となる。
磁気検出装置500は以上のように構成されているので、外部磁界の中に置かれたときに、磁電変換素子21、26〜28は同一の磁気検信号を出力する。従って、磁気検出装置100〜300と同一の基板面積で、Z軸方向の外部磁界に対して4倍の強さの磁気検出出力を得ることができ、磁気検出感度が高められる。更に、図19に示したホイーストンブリッジを利用し、その対向辺、例えば素子R1と素子R3とに、磁電変換素子21と磁電変換素子26とを配置し、他の対向辺、例えば素子R2と素子R4とに、磁電変換素子27と磁電変換素子28とを配置し、磁電変換素子21及び26と、磁電変換素子27及び28との間で、同一の外部磁界に対して逆方向に磁気検出出力が変化するように、即ち逆位相の磁気検出出力が得られるように接続することにより、温度変化等に伴う磁気検出出力の変動分、すなわちコモンモードノイズを除去しつつ、磁気検出感度を更に高めることができる。
また、磁電変換素子22〜25及び磁性体部11〜14だけでなく、凹部31〜34及び磁性体部40の部分41〜44を含めて、中心軸Nの周りに1/4回転対称になるように各部材が配置されるので、外部磁界がX−Y平面内で回転した場合に、磁電変換素子22〜25に入力される磁束の変化の対称性が更に向上する。即ち、外部磁界のX−Y平面内の回転に対して、歪が更に小さい磁気検出出力を得ることができる。
また、凹部31〜34は、各々の開口部の正方形輪郭の二辺が、X軸方向及びY軸方向、即ちSOI基板10の平面視輪郭の二辺に平行となるように形成されているので、限られた基板面積の中に、効率よく凹部31〜34を配置することができる。即ち、同じ大きさの凹部31〜34を形成するのに、基板面積を最小に設定することが可能であり、小型で高感度の磁気検出装置が得られる。
(実施形態17)
図25及び図26は、本発明の実施形態17による磁気検出装置の構成を示すもので、図25(a)は同装置の平面図、図25(b)は図25(a)のX−X切断線に沿った同装置の断面図、図25(c)は図25(a)のY−Y切断線に沿った同装置の断面図、図26(a)は同装置の斜視図、図26(b)は図25(a)の部分Cの拡大図である。本実施形態による磁気検出装置600は、磁性体部11〜14の各々の平面視輪郭における4つの角部が二股に分離されて、1つの角部に2つの尖頭部を有しており、磁電変換素子22〜25の各々が感度軸を同一方向とする2個の磁電変換素子を有する点において、磁気検出装置500とは異なっている。
図26(b)に示すように、磁電変換素子23を挟む磁性体部11及び13の各々は、2つの先頭部の先端に、磁電変換素子23a及び23bの感度軸(Y軸方向)に垂直な対向面を有している。そして、これらの対向面が、磁電変換素子23a及び23bに個別に対向している。即ち、磁性体部11及び13の対向面対(第3対向面対)は、磁電変換素子23a及び23bに個別に対向する2つの対向面対に分割配置されている。他の磁電変換素子22、24及び25とそれらを挟む磁性体部との形状及び配置も同様である。
磁気検出装置600は以上のように構成されるので、図19に示したホイーストンブリッジを利用し、その対向辺、例えば素子R1と素子R3とに、磁電変換素子22aと磁電変換素子25aとを配置し、他の対向辺、例えば素子R2と素子R4とに、磁電変換素子22bと磁電変換素子25bとを配置し、磁電変換素子22a及び25aと、磁電変換素子22b及び25bとの間で、同一の外部磁界に対して逆方向に磁気検出出力が変化するように、即ち逆位相の磁気検出出力が得られるように接続することにより、温度変化等に伴う磁気検出出力の変動分、すなわちコモンモードノイズを除去しつつ、X軸方向の磁気検出感度を更に高めることができる。同様に、例えば素子R1と素子R3とに、磁電変換素子23aと磁電変換素子24aとを配置し、例えば素子R2と素子R4とに、磁電変換素子23bと磁電変換素子24bとを配置し、磁電変換素子23a及び24aと、磁電変換素子23b及び24bとの間で、逆位相の磁気検出出力が得られるように接続することにより、コモンモードノイズを除去しつつ、Y軸方向の磁気検出感度を更に高めることができる。
(実施形態18)
図27は、本発明の実施形態18による磁気検出装置の構成を示すもので、図27(a)は同装置の斜視図、図27(b)は同装置の縦断面図、図27(c)は同装置の裏面図である。同装置の平面図は、図25(a)と同一に表され、図27(b)は、図25(a)のX−X切断線に沿った本実施形態による装置の断面図に相当する。本実施形態による磁気検出装置700は、支持基板1の裏面を覆う磁性体部40が、凹部31〜34を個別に覆う部分41〜44に分離されている点において、磁気検出装置600とは異なっている。
磁気検出装置700においては、磁性体部40の部分41〜44が互いに分離されているので、例えば磁性体部11から磁性体部41及び42を通過し磁性体部12へ至る経路における磁気抵抗が高くなる。このため、磁性体部11及び12を通過する磁束のうち、上記経路に分割される割合が低くなるので、磁電変換素子22a及び22bへ集束される磁束が増大する。即ち、磁性体部11及び12が磁電変換素子22a及び22bへ磁束を集束する効果がより高められ、磁電変換素子22a及び22bによる磁気検出感度が向上する。このことは、他の磁電変換素子23a、23b、24a、24b、25a及び25bについても同様である。
好ましくは、磁性体部分41〜44の間の間隔は、磁性体部11〜14の間の間隔よりも広く設定される。それにより、磁性体部分41〜44を通過する経路の磁気抵抗が、磁電変換素子22a〜25a及び22b〜25bを通過する経路の磁気抵抗に比べて高くなるので、磁気検出感度が更に高められる。
(実施形態19)
図28及び図29は、本発明の実施形態19による磁気検出装置の構成を示すもので、図28(a)は同装置の平面図、図28(b)は図28(a)のX−X切断線に沿った同装置の断面図、図28(c)は図28(a)のY−Y切断線に沿った同装置の断面図、図29(a)は同装置の斜視図、図29(b)は図28(a)の部分Dの拡大図である。本実施形態による磁気検出装置800は、磁性体部11〜14の各々の略正方形の平面視輪郭の二辺が、SOI基板10の正方形の平面視輪郭の二辺に平行となるように、即ちX軸方向及びY軸方向に沿うように配置されており、磁性体部11〜14の各々の平面視輪郭において、磁電変換素子22a〜25a及び22b〜25bに対向する辺に、磁電変換素子22a〜25a及び22b〜25bへ向かって突出した凸部を有する点において、磁気検出装置600とは異なっている。
図29(b)に示すように、磁性体部11及び13の各々は、2つの凸部の先端に、磁電変換素子23a及び23bの感度軸(Y軸方向)に垂直な対向面を有している。そして、これらの対向面が、磁電変換素子23a及び23bに個別に対向している。その結果、磁性体部11のうち上記対向面に隣接する一定の領域では、磁電変換素子23a及び23bに近接するほど磁電変換素子23a及び23bの感度軸方向(Y軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する。同様に、磁性体部13のうち上記対向面に隣接する一定の領域では、磁電変換素子23a及び23bに近接するほど磁電変換素子23a及び23bの感度軸方向(Y軸方向)に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する。他の磁電変換素子22a、22b、24a、24b、25a及び25bとそれらを挟む磁性体部との形状及び配置も同様である。
磁気検出装置800では、磁性体部11〜14が上記のような平面視輪郭形状を有するので、各磁電変換素子を挟む一対の磁性体部の間の間隔が、その対向面対において最も狭くなるとともに、対向面対を除く部分どうしの間隔が、対向面対の間隔に比べて不連続的に(すなわち飛躍して)大きくなる。このため、対向する磁電変換素子へ磁束を集束する効果が更に高められ、それによって磁気検出感度が更に向上する。
また、磁性体部11〜14の各々の略正方形の平面視輪郭の二辺が、SOI基板10の正方形の平面視輪郭の二辺に平行となるように、磁性体部11〜14が配置されているので、SOI基板10の上主面の広い領域を覆うように磁性体部11〜14を形成することができる。即ち、限られた基板面積を有効に利用することができるので、磁気検出感度を高く維持しつつ、装置を更に小型化することが可能となる。
(実施形態20)
図30及び図31は、本発明の実施形態20による磁気検出装置の構成を示すもので、図30(a)は同装置の平面図、図30(b)は図30(a)のX−X切断線に沿った同装置の断面図、図30(c)は図30(a)のY−Y切断線に沿った同装置の断面図、図31は同装置の斜視図である。本実施形態による磁気検出装置900は、SOI基板10の代わりにシリコンを材料とする半導体基板5が用いられ、図23及び図24に示した磁気検出装置500の凹部31〜34と同等形状の凹部71〜74が、半導体基板5の上主面に開口するように形成されており、磁性体部11〜14が、凹部71〜74を膜状乃至板状に個別に覆うように形成されており、磁電変換素子21、26〜28が、半導体基板5の下主面側に形成されている点において、磁気検出装置500とは異なっている。支持基板1の裏面側、即ち下主面側の半導体基板5の上には、その全体を膜状乃至板状に覆うように磁性体部45が形成されている。
凹部71〜74の各々は、その正方形の開口部の対角線がX軸方向及びY軸方向に平行となるように形成されている。言い換えると、開口部の二辺が半導体基板5の平面視輪郭の二辺に対して45°の角度で傾いている。それにより、凹部71の開口部と凹部72の開口部とは、X軸方向の角部が互いに対向しており、同様に凹部73の開口部と凹部74の開口部とは、X軸方向の角部が互いに対向している。また、凹部71の開口部と凹部73の開口部とは、Y軸方向の角部が互いに対向しており、同様に凹部72の開口部と凹部74の開口部とは、Y軸方向の角部が互いに対向している。
X軸方向又はY軸方向に感度軸を有する磁電変換素子22〜25は、上主面側の半導体基板5の上に形成されており、凹部71〜74の開口部の角部に挟まれるように配置されている。磁性体部11〜14は、凹部71〜74の縁部をも膜状乃至板状に個別に覆うように形成されており、しかも磁気検出装置500の場合と同様に、平面視輪郭の角部に形成された対向面(不図示)において磁電変換素子22〜25に最近接し且つ対向している。
Z軸方向に感度軸を有する磁電変換素子21、26〜28は、凹部71〜74の底面部に形成されている。凹部71〜74の底面部は、対応する磁電変換素子21、26〜28の磁気検知領域である高抵抗領域131を包含するように、その寸法が設定されている。磁性体部11と磁性体部45とは、磁電変換素子21を挟んでおり、磁電変換素子21へ磁束を集束させる一対の磁性体対部を形成している。より詳細には、磁性体部11のうち凹部71の底面部を覆う部分と、これに対向する磁性体部45の部分とは、磁電変換素子21の感度軸の方向であるZ軸方向に直交し、磁電変換素子21を挟んで対向する一対の対向面をなしている。磁性体部11は、凹部71を覆うように形成されているので、磁性体部11と磁性体部45との対は、この対向面において互いが最近接する。磁性体部12、磁電変換素子27、凹部72及び磁性体部45は、磁性体部11、磁電変換素子21、凹部71及び磁性体部45と、互いに同一の関係となるように形状及び位置が定められている。磁性体部13、磁電変換素子28、凹部73及び磁性体部45、並びに磁性体部14、磁電変換素子26、凹部74及び磁性体部45についても同様である。
磁気検出装置900は以上のように構成されるので、例えば磁性体部11及び12のX軸方向に垂直な断面が、半導体基板5の上主面に沿ったY軸方向だけでなく、凹部71及び72の深さ方向、即ちZ軸方向にも広がるので、この広い断面積を通過する磁束が磁電変換素子22に集束する。このため、磁電変換素子22によるX軸方向の磁気検出感度が更に向上する。他の磁電変換素子23〜25についても同様のことがいえる。従って、磁気検出装置900は、X−Y平面内の外部磁界に対して更に高い検出感度を得ることができるという利点を有する。また、凹部71〜74の開口部の二辺が半導体基板5の平面視輪郭の二辺に対して45°の角度で傾いているために、磁性体部11〜14によって磁電変換素子22〜25を挟む構造を容易に実現し得る。
(実施形態21)
図32及び図33は、本発明の実施形態21による磁気検出装置の構成を示すもので、図32(a)は同装置の平面図、図32(b)は図32(a)のX−X切断線に沿った同装置の断面図、図32(c)は図32(a)のY−Y切断線に沿った同装置の断面図、図33は同装置の斜視図である。本実施形態による磁気検出装置1000は、支持基板1の裏面、即ちSOI基板10の下主面に選択的に形成される凹部31〜34が、当該下主面に垂直な溝、即ち垂直溝として形成されている点において、実施形態17による磁気検出装置600とは異なっている。このような垂直溝は、ディープRIE(Deep Reactive Ion Etching)を用いて容易に形成することができる。
磁気検出装置1000では、異方性エッチングを用いて凹部31〜34をテーパ状に形成した磁気検出装置600等に比較して、凹部31〜34の底面部の寸法(それらの開口部の寸法と略同一となる)を精度良く設定することが可能となる。異方性エッチングでは、支持基板1の厚さのばらつきに従って、凹部31〜34の底面部の大きさが変化する。例えば、(100)シリコン基板を支持基板1として用いた場合には、支持基板1の厚さがΔtだけ変化すると、凹部31〜34の底面部の一辺の寸法(これをLとする)は、√2×Δtだけ変化する。一般的な支持基板1の厚さの公差である±10μmを想定すると、この寸法Lは最大で28μm変化することとなる。一方、ディープRIEを用いて凹部31〜34を形成した場合には、支持基板1の厚さの公差による寸法Lへの影響は小さく、工程ばらつきを制御することによって、寸法Lの公差を約10μm以内に抑えることができる。その結果、磁気検出装置1000では、磁束を集束する作用のばらつきが低く抑えられるので、更に高精度での磁気検出が実現する。特に、磁電変換素子21、26〜28の寸法が、約10μm〜約20μmと、上記公差が無視できない程度に小さい場合などでは、この効果が顕著である。また、凹部31〜34の開口面積を小さく設定できるので、SOI基板10の機械的強度が向上するという利点が得られる。
(実施形態22)
図34は、本発明の実施形態22による磁気検出装置の構成を示すもので、図34(a)は同装置の平面図、図34(b)は図34(a)のX−X切断線に沿った同装置の断面図、図34(c)は図34(a)のY−Y切断線に沿った同装置の断面図である。本実施形態による磁気検出装置1100は、磁性体部41〜44がそれぞれ凹部31〜34に埋め込まれている点において、実施形態21による磁気検出装置1000とは異なっている。このため、磁電変換素子21,26〜28に対向する磁性体部41〜44の対向面を通過する磁束が均一に分布するという利点が得られる。磁性体部41〜44は、メッキ工程等を用いることにより、凹部31〜34に容易に埋め込むことができる。
図32(b)及び図32(c)に示したように、磁性体部41〜44を凹部31〜34の側壁面に膜状乃至板状に形成した場合には、凹部31〜34の底面部とSOI基板10の上主面側の磁性体部11〜14との対向領域であって、磁電変換素子22、26〜28が設けられた領域を通過するSOI基板10に垂直方向(Z軸方向)の磁束は、平面視において凹部31〜34の側壁に設けられた磁性体部41〜44に多く集中し、平面視において磁電変換素子22、26〜28に十分には集束しない。一方、図34に示すように、凹部31〜34を、磁性体部41〜44で埋め込むことにより、凹部31〜34の底面部とSOI基板10の上主面側の磁性体部11〜14との対向領域であって磁電変換素子22、26〜28が設けられた領域を通過するSOI基板10に垂直方向(Z軸方向)の磁束は、その領域で略均一となることが、磁気シミュレーションにより分かっている。
磁束が不均一な場合には、磁電変換素子22、26〜28の磁気感度領域でない領域に磁束が集中したり、磁気感度領域の一部のみに磁束が集中したりするため、集束磁束が磁気感度に対して有効に働かない場合がある。これに対し、磁気検出装置1100では、集束された磁束を磁電変換素子22、26〜28の磁気感度領域に有効に通過させることができるので、磁気感度を更に向上させることができるという利点が得られる。特に、磁電変換素子22,26〜28の寸法が、凹部31〜34の底面部の寸法よりも小さい場合には、この効果が顕著である。
(実施形態23)
図35は、本発明の実施形態23による地磁気センサの構成を示すブロック図である。この地磁気センサ90は、実施形態7〜22の何れかによる磁気検出装置91及び増幅器92を備えている。増幅器92は、磁気検出装置91による磁気検出信号を増幅する。増幅器92は、好ましくは磁気検出装置91が備える磁電変換素子に電流を供給する電源をも有し、磁気検出装置91は、好ましくは、図19に例示したホイーストンブリッジを備えている。また、磁気検出装置91と増幅器92とは別個の半導体基板を有しても良いが、共通の半導体基板を有しても良い。即ち、磁気検出装置91が備えるSOI基板10又は半導体基板5に、増幅器92の回路を集積化することにより、地磁気センサを単一基板(いわゆるシングルチップ)で実現してもよい。地磁気センサ90は、実施形態7〜22の何れかによる磁気検出装置91を備えるので、微弱な磁界である地磁気に対して高感度の検出を可能にする。又、地磁気センサ90は、磁気検出装置91として、実施形態11による磁気検出装置、或いは実施形態12〜22による磁気検出装置100〜1100の何れかを備える場合には、小型且つ高感度で直交3軸方向の地磁気の検出を可能にする。
(その他の実施形態)
(1)実施形態7〜23では、磁電変換素子205、21等としてダイオード磁気センサが用いられる例を示したが、既に述べたように、本発明の磁気検出装置には磁電変換素子として広く一般に、磁電変換素子171〜176及び160のほか、半導体基板に形成可能な素子、例えば、MR素子、ホール素子、磁気インピーダンス素子、或いはフラックスゲート素子などを用いることが可能である。
(2)以上の各実施形態では、凹部31〜34、71〜74が半導体基板の上主面又は下主面の一方にのみ形成される例を示したが、双方に形成することも可能である。それにより、凹部の開口部の面積を小さくすることができるので、磁気検出装置を更に小型化し易いという利点が得られる。
(3)実施形態12〜21では、磁性体部41〜44、11〜14が凹部31〜34、71〜74を膜状乃至板状に覆う例を示したが、これらの実施形態においても実施形態22のように、磁性体部41〜44、11〜14を凹部31〜34、71〜74に埋め込むように形成してもよい。それにより、磁気検出感度を更に高めることができる。
本発明の実施形態1による磁電変換素子の構成を示す図である。 本発明の実施形態2による磁電変換素子の構成を示す図である。 本発明の実施形態3による磁電変換素子の構成を示す図である。 本発明の実施形態4による磁電変換素子の構成を示す図である。 本発明の実施形態5による磁電変換素子の構成を示す図である。 本発明の実施形態6による磁電変換素子の構成を示す図である。 本発明の実施形態7による磁気検出装置の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は同図(a)のX−X’線断面図、(c)は背面図、(d)は同図(a)のY−Y’線断面図である。 図7の磁気検出装置による磁束の収束動作を説明するための断面図である。 本発明の実施形態8による磁気検出装置の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は同図(a)のX−X’線断面図、(c)は背面図、(d)は同図(a)のY−Y’線断面図である。 図9の磁気検出装置による磁束の収束動作を説明するための断面図である。 本発明の実施形態9による磁気検出装置の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は同図(a)のX−X’線断面図、(c)は背面図、(d)は同図(a)のY−Y’線断面図である。 本発明の実施形態10による磁気検出装置の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は同図(a)のX−X’線断面図、(c)は背面図、(d)は同図(a)のY−Y’線断面図である。 本発明の実施形態11による磁気検出装置の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は同図(a)のX−X’線断面図、(c)は背面図、(d)は同図(a)のY−Y’線断面図である。 本発明の実施形態12による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態12による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態13による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態13による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態14による磁気検出装置の構成を示す図である。 ホイーストンブリッジの構成例を示す回路図である。 本発明の実施形態14による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態15による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態15による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態16による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態16による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態17による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態17による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態18による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態19による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態19による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態20による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態20による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態21による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態21による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態22による磁気検出装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態23による地磁気センサの構成を示す図である。 従来技術による磁気検出装置の構成を示す図である。 従来技術による半導体磁気センサの構成を示す斜視図である。
符号の説明
3 SOI層 5 半導体基板 10 SOI基板(半導体基板)
11 磁性体部(第1磁性体部) 12 磁性体部(第2磁性体部)
13 磁性体部(第3磁性体部) 14 磁性体部(第4磁性体部)
21 磁電変換素子(第1磁電変換素子)
22、22a、22b 磁電変換素子(第2磁電変換素子)
23、23a、23b 磁電変換素子(第3磁電変換素子)
24、24a、24b 磁電変換素子(第4磁電変換素子)
25、25a、25b 磁電変換素子(第5磁電変換素子)
26 磁電変換素子(第6磁電変換素子)
27 磁電変換素子(第7磁電変換素子)
28 磁電変換素子(第8磁電変換素子)
31〜34、71〜74 凹部 41 磁性体部の部分(第5磁性体部)
42 磁性体部の部分(第7磁性体部)
43 磁性体部の部分(第8磁性体部)
44 磁性体部の部分(第6磁性体部)
51〜54 段差 90 地磁気センサ 91、100、200、300、400、500、600、700、800、900 磁気検出装置
92 増幅器 Z 法線方向 101 高抵抗領域
102 アノード領域 103 カソード領域 104 再結合層
106、178 半導体基板 171〜176 磁電変換素子
201 支持基板(半導体基板) 205 磁電変換素子
214 凹所 215 第1の磁性体部 216 第2の磁性体部

Claims (36)

  1. 半導体基板の主面に形成された磁電変換素子であって、
    p型半導体領域であるアノード領域と、
    n型半導体領域であるカソード領域と、
    前記アノード領域と前記カソード領域とに挟まれ前記アノード領域と前記カソード領域との何れよりも不純物濃度の低い高抵抗領域と、
    前記高抵抗領域のうち前記アノード領域と前記カソード領域とを結ぶ一側面の少なくとも一部に形成され、再結合中心が導入された再結合層とを備える磁電変換素子。
  2. 前記一側面は、前記主面に対して略垂直である請求項1記載の磁電変換素子。
  3. 前記一側面は、前記主面の斜め上方を向くように前記主面に対して傾斜している請求項1記載の磁電変換素子。
  4. 前記半導体基板がSOI基板であって、前記磁電変換素子は前記SOI基板に含まれるSOI層に形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の磁電変換素子。
  5. 前記磁電変換素子は、平面視略コ字形に形成されており、
    前記アノード領域は、前記略コ字形の一対の脚部の一方先端部に形成されており、
    前記カソード領域は、前記一対の脚部の他方先端部に形成されており、
    前記再結合層は、前記高抵抗領域のうち、前記一対の脚部にあって互いに対向する側面又は前記一対の脚部にあって互いに外側を向く側面に形成されている請求項1乃至4の何れかに記載の磁電変換素子。
  6. 同一の半導体基板の主面に形成された第1磁電変換素子と第2磁電変換素子とを備え、
    前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子との各々は請求項1乃至4の何れかに記載の磁電変換素子であり、
    前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子とは、同一の順電流が流れるように直列接続されており、
    前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子との各々は、アノード領域とカソード領域とを結ぶ直線軸に沿って延在するように形成されており、
    前記第1磁電変換素子と第2磁電変換素子とは、互いに略平行となり、且つ各々の高抵抗領域が互いに横に並ぶように配置されており、
    前記第1磁電変換素子の再結合層と第2磁電変換素子の再結合層とは、対応する高抵抗領域の互いに向き合う側面又は互いに外側を向く側面の少なくとも一部にそれぞれ形成されている磁電変換素子。
  7. 同一の半導体基板の主面に形成された第1乃至第4磁電変換素子部を備え、
    前記第1乃至第4磁電変換素子部の各々は請求項1乃至6の何れかに記載の磁電変換素子であり、
    前記第1磁電変換素子部と前記第4磁電変換素子部とは、同一の順電流が流れるように直列接続されて第1直列回路を形成しており、
    前記第2磁電変換素子部と前記第3磁電変換素子部とは、同一の順電流が流れるように直列接続されて第2直列回路を形成しており、
    前記第1直列回路と前記第2直列回路とは、順電流がそれぞれを分流するように互いに並列接続されており、
    前記第1磁電変換素子部の再結合層と前記第3磁電変換素子部の再結合層との各々は、対応する高抵抗領域の側面のうち、順電流の進行方向に対して平面視右側に位置する側面の少なくとも一部に形成されており、
    前記第2磁電変換素子部の再結合層と前記第4磁電変換素子部の再結合層との各々は、対応する高抵抗領域の側面のうち、順電流の進行方向に対して平面視左側に位置する側面の少なくとも一部に形成されている磁電変換素子。
  8. 平板状の半導体基板と、該半導体基板の第1の主面側に設けられる磁電変換素子と、前記半導体基板の第1の主面側に前記磁電変換素子と対向するように設けられる第1の磁性体部と、前記半導体基板の第2の主面側に設けられる第2の磁性体部とを備え、前記第1及び第2の磁性体部は、前記磁電変換素子を挟んで対向する部位間の間隔がその他の対向部位間の間隔よりも小さく設定され、前記半導体基板は、第2の主面側から第1の主面に向けて凹所が設けられ、該凹所の底部が前記磁電変換素子に対向し且つ該底部を囲む前記凹所の周壁部が第1及び第2の主面の法線方向と略平行に形成されるとともに、前記第2の磁性体部が少なくとも前記底部を覆うように形成されたことを特徴とする磁気検出装置。
  9. 前記第1又は第2の磁性体部の少なくとも何れか一方が略平坦に形成されたことを特徴とする請求項8記載の磁気検出装置。
  10. 前記第1及び第2の磁性体部は、前記磁電変換素子を挟んで対向する部位が互いに近づく向きに凸となる形状に形成されたことを特徴とする請求項8又は9記載の磁気検出装置。
  11. 前記第2の磁性体部が前記凹所の底部並びに周壁部を覆うように形成されたことを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載の磁気検出装置。
  12. 前記第1及び第2の磁性体部における前記磁電変換素子を挟んで対向する対向部位が平坦且つ互いに略平行となる形状に形成されたことを特徴とする請求項8乃至11の何れかに記載の磁気検出装置。
  13. 前記第1及び第2の磁性体部における前記磁電変換素子を挟んで対向する対向部位の少なくとも何れか一方が、前記磁電変換素子の磁気を検知する部位の当該対向部位への投影面積よりも小さい若しくは同じ面積を有することを特徴とする請求項8乃至12の何れかに記載の磁気検出装置。
  14. 前記第1及び第2の磁性体部における前記磁電変換素子を挟んで対向する両対向部位が、前記磁電変換素子の磁気を検知する部位の当該対向部位への投影面積以上の面積を有することを特徴とする請求項8乃至12の何れかに記載の磁気検出装置。
  15. 前記半導体基板は主要面方位が(100)のシリコン単結晶基板からなり、前記凹所の開口面側の部位が異方性エッチングにより形成されたことを特徴とする請求項8乃至14の何れかに記載の磁気検出装置。
  16. 3次元直交座標系の各軸方向における磁気を検知する3つの前記磁電変換素子が前記半導体基板に設けられたことを特徴とする請求項8乃至15の何れかに記載の磁気検出装置。
  17. 互いに平行な第1主面と第2主面とを有し、前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方に凹部が選択的に形成されている半導体基板と、
    前記半導体基板の上に形成され前記半導体基板の法線方向に感度軸が設定された第1磁電変換素子と、
    前記半導体基板の上に形成され前記第1磁電変換素子の感度軸に垂直な方向に感度軸が設定された第2磁電変換素子と、
    前記半導体基板の上に形成され前記第1磁電変換素子の感度軸と前記第2磁電変換素子の感度軸との双方に垂直な方向に感度軸が設定された第3磁電変換素子と、
    前記第1磁電変換素子の感度軸と直交し前記第1磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第1対向面対を有し、少なくとも一方が前記凹部を覆うように形成されることにより前記第1対向面対において互いが最近接するように前記半導体基板の上の前記第1主面の側と前記第2主面の側とに形成された一対の磁性体対部と、
    前記一対の磁性体対部の一方である第1磁性体部と共同して前記第2磁電変換素子を挟むように前記半導体基板の上に形成された第2磁性体部と、
    前記第1磁性体部と共同して前記第3磁電変換素子を挟むように前記半導体基板の上に形成された第3磁性体部とを備え、
    前記第1磁性体部と前記第2磁性体部とは、前記第2磁電変換素子の感度軸と直交し前記第2磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第2対向面対を有し、前記第2対向面対において互いが最近接するように形成されており、
    前記第1磁性体部と前記第3磁性体部とは、前記第3磁電変換素子の感度軸と直交し前記第3磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第3対向面対を有し、前記第3対向面対において互いが最近接するように形成されていることを特徴とする磁気検出装置。
  18. 前記半導体基板の上に形成された第4磁性体部を更に備え、
    前記第1乃至第4磁性体部は、前記法線方向に沿った軸である対称軸の周りに1/4回転対称となるように、形状及び位置が定められていることを特徴とする請求項17記載の磁気検出装置。
  19. 前記半導体基板の上に形成され前記第3磁電変換素子の感度軸と同一方向に感度軸が設定された第4磁電変換素子と、
    前記半導体基板の上に形成され前記第2磁電変換素子の感度軸と同一方向に感度軸が設定された第5磁電変換素子とを更に備え、
    前記第2磁性体部と第4磁性体部とは、前記第4磁電変換素子を挟むように前記半導体基板の上に形成され、且つ前記第4磁電変換素子の感度軸と直交し前記第4磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第4対向面対を有し、前記第4対向面対において互いが最近接するように形成されており、
    前記第3磁性体部と第4磁性体部とは、前記第5磁電変換素子を挟むように前記半導体基板の上に形成され、且つ前記第5磁電変換素子の感度軸と直交し前記第5磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第5対向面対を有し、前記第5対向面対において互いが最近接するように形成されていることを特徴とする請求項18記載の磁気検出装置。
  20. 前記凹部が、前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方に選択的に複数個形成されており、
    前記磁気検出装置は、
    前記半導体基板の上に形成され前記半導体基板の法線方向に感度軸が設定された第6磁電変換素子と、
    前記半導体基板の上に形成され、前記第1磁性体部と対をなす前記磁性体対部の他方である第5磁性体部と共に前記対称軸の周りに1/2回転対称となるように、形状及び位置が定められている第6磁性体部とを更に備え、
    前記第4磁性体部と前記第6磁性体部とは、前記第6磁電変換素子の感度軸と直交し前記第6磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第6対向面対を有し、少なくとも一方が前記凹部を覆うように形成されることにより前記第6対向面対において互いが最近接するように前記半導体基板の上の前記第1主面と前記第2主面との一方側と他方側とに形成されていることを特徴とする請求項18又は19記載の磁気検出装置。
  21. 前記凹部が、前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方に選択的に4個以上形成されており、
    前記磁気検出装置は、
    前記半導体基板の上に形成され前記法線方向に感度軸が設定された第7磁電変換素子と、
    前記半導体基板の上に形成され前記法線方向に感度軸が設定された第8磁電変換素子と、
    前記半導体基板の上に形成された第7磁性体部と、
    前記半導体基板の上に形成された第8磁性体部とを更に備え、
    前記第2磁性体部と前記第7磁性体部とは、前記第7磁電変換素子の感度軸と直交し前記第7磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第7対向面対を有し、少なくとも一方が前記凹部を覆うように形成されることにより前記第7対向面対において互いが最近接するように前記半導体基板の上の前記第1主面と前記第2主面との一方側と他方側とに形成されており、
    前記第3磁性体部と前記第8磁性体部とは、前記第8磁電変換素子の感度軸と直交し前記第8磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面である第8対向面対を有し、少なくとも一方が前記凹部を覆うように形成されることにより前記第8対向面対において互いが最近接するように前記半導体基板の上の前記第1主面と前記第2主面との一方側と他方側とに形成されており、
    前記第5乃至第8磁性体部は、前記対称軸の周りに1/4回転対称となるように、形状及び位置が定められていることを特徴とする請求項20記載の磁気検出装置。
  22. 前記第5磁性体部と前記第6磁性体部とは、互いに分離されていることを特徴とする請求項20又は21記載の磁気検出装置。
  23. 前記凹部は前記第2主面に選択的に形成されており、
    前記第1乃至第3磁電変換素子は、前記第1主面側に形成されており、
    前記第1乃至第3磁性体部は前記第1主面に沿って略平板状に形成されていることを特徴とする請求項17乃至22の何れかに記載の磁気検出装置。
  24. 前記第1乃至第3磁性体部の各々は、前記法線方向に段差を有することを特徴とする請求項23記載の磁気検出装置。
  25. 前記第1磁性体部は、前記第2対向面対の一方に隣接する領域であって前記第2磁電変換素子に近接するほど前記第2磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する領域を有するとともに、前記第3対向面対の一方に隣接する領域であって前記第3磁電変換素子に近接するほど前記第3磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する領域を有し、
    前記第2磁性体部は、前記第2対向面対の他方に隣接する領域であって前記第2磁電変換素子に近接するほど前記第2磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する領域を有し、
    前記第3磁性体部は、前記第3対向面対の他方に隣接する領域であって前記第3磁電変換素子に近接するほど前記第3磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が単調に減少する領域を有していることを特徴とする請求項23又は24記載の磁気検出装置。
  26. 前記第1磁性体部は、前記第2対向面対の一方に隣接する領域であって前記第2磁電変換素子に近接するほど前記第2磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する領域を有するとともに、前記第3対向面対の一方に隣接する領域であって前記第3磁電変換素子に近接するほど前記第3磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する領域を有し、
    前記第2磁性体部は、前記第2対向面対の他方に隣接する領域であって前記第2磁電変換素子に近接するほど前記第2磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する領域を有し、
    前記第3磁性体部は、前記第3対向面対の他方に隣接する領域であって前記第3磁電変換素子に近接するほど前記第3磁電変換素子の感度軸に直交する平面視輪郭の幅が段階的に減少する領域を有していることを特徴とする請求項23又は24記載の磁気検出装置。
  27. 前記半導体基板がSOI基板であって、前記第1乃至第3磁性体部の各々は、SOI層に形成されていることを特徴とする請求項23乃至26の何れかに記載の磁気検出装置。
  28. 前記凹部は前記第1主面に選択的に3個以上形成されており、
    前記第1乃至第3磁性体部は、前記凹部を個別に覆うように形成されており、
    前記第1磁性体部と対をなす前記磁性体対部の他方は、前記第2主面に沿って略平板状に形成されていることを特徴とする請求項17乃至22の何れかに記載の磁気検出装置。
  29. 前記半導体基板の平面視輪郭が矩形であり、
    前記凹部の各々の開口部の輪郭が、前記半導体基板の平面視輪郭と各辺が互いに平行な矩形であることを特徴とする請求項20乃至22、及び28の何れかに記載の磁気検出装置。
  30. 前記半導体基板の平面視輪郭が矩形であり、
    前記凹部の各々の開口部の輪郭が、前記半導体基板の平面視輪郭と各辺が互いに45°の角度で傾いている矩形であることを特徴とする請求項28記載の磁気検出装置。
  31. 前記第2磁電変換素子が感度軸を同一方向とする複数の磁電変換素子である第1素子群を有しており、前記第2対向面対が前記第1素子群に個別に対向する複数の対向面対に分割配置されており、
    前記第3磁電変換素子が感度軸を同一方向とする複数の磁電変換素子である第2素子群を有しており、前記第3対向面対が前記第2素子群に個別に対向する複数の対向面対に分割配置されていることを特徴とする請求項17乃至30の何れかに記載の磁気検出装置。
  32. 主面を有する半導体基板と、
    前記主面側の前記半導体基板の上に形成され前記主面に沿った方向に感度軸が設定された磁電変換素子と、
    前記主面の法線方向に段差を有する略平板状であって、前記主面側の前記半導体基板の上に形成された第1磁性体部と、
    前記法線方向に段差を有する略平板状であって、前記第1磁性体部と共同して前記磁電変換素子を挟むように前記主面側の前記半導体基板の上に形成された第2磁性体部とを備え、
    前記第1磁性体部と前記第2磁性体部とは、前記磁電変換素子の感度軸と直交し前記磁電変換素子を挟んで対向する一対の対向面を有し、前記一対の対向面において互いが最近接するように形成されていることを特徴とする磁気検出装置。
  33. 前記半導体基板の平面視輪郭が正方形であり、
    前記半導体基板の上に形成されているすべての磁電変換素子及びすべての磁性体部が、前記半導体基板の平面視輪郭における1つの対角線に対して線対称となるように形状及び位置を設定されていることを特徴とする請求項17乃至32の何れかに記載の磁気検出装置。
  34. 前記半導体基板の上に形成されているすべての磁電変換素子が半導体ダイオード磁気センサであることを特徴とする請求項8乃至33の何れかに記載の磁気検出装置。
  35. 前記半導体ダイオード磁気センサのうち、前記半導体基板の主面の法線方向を感度軸の方向とするものが、請求項1乃至7の何れかに記載の磁電変換素子であることを特徴とする請求項34記載の磁気検出装置。
  36. 請求項8乃至35の何れかに記載の磁気検出装置と、
    前記磁気検出装置の出力信号を増幅する増幅器と、を備えることを特徴とする地磁気センサ。
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