JP2005157754A - 車線逸脱防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者に違和感を与えることなく逸脱回避のための制御を行うことができる。
【解決手段】車線逸脱防止装置は、先行車両の横移動を検出した場合(ステップS4、ステップS5)、逸脱回避制御の制御内容を変更する(ステップS6〜ステップS11)。例えば、自車両が先行車両に追従する運転者支援制御を行っている場合に、先行車両が車線変更する場合、逸脱回避制御を作動しないようにして、自車両も先行車両に追従して車線変更するとともに、変更した車線で通常の逸脱回避制御を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止する車線逸脱防止装置に関する。
従来の車線逸脱防止装置として、自車両が走行車線を逸脱する可能性がある場合に、車輪への制動力を制御することで自車両にヨーモーメントを与えて自車両が走行車線から逸脱することを防止するとともに、このヨーモーメントの付与により運転者に自車両が走行車線から逸脱する可能性があることを報知する装置がある(例えば特許文献1参照)。
特開2000−33860号公報
例えば前記特許文献1では、自車両が走行車線から逸脱傾向する可能性がある場合に、自車両の動作状態や運転者の運転操作状態に応じて、逸脱回避のための制御を行っている。しかし、自車両が走行車線から逸脱する可能性がある場合に、自車両の動作状態や運転者の運転操作状態だけをみて、逸脱回避のための制御を作動させてしまうと、前方の道路状況によってはその制御が不要となる場合がある。このように不要な制御を行ってしまうと運転者に違和感を与えてしまう。
そこで、本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、運転者に違和感を与えることなく逸脱回避のための制御を行うことができる逸脱防止装置の提供を目的とする。
請求項1記載の発明に係る車線逸脱防止装置は、先行車両が横移動した場合、走行車線からの自車両の逸脱を回避する逸脱回避制御を抑制する。
また、請求項2記載の発明に係る車線逸脱防止装置は、先行車両の横移動を先行車両横移動検出手段により検出し、前記先行車両横移動検出手段が先行車両の横移動を検出した場合、走行車線からの自車両の逸脱を回避する逸脱回避制御の制御内容を制御内容変更手段により変更する。
先行車両は、前方の走行車線内や走行車線の路側帯に停止車両等の障害物があったり、現在の走行車線が渋滞しているような場合、そのような状況を車線変更する等、横移動することで回避する。本発明では、このような先行車両の横移動を検出した場合、逸脱回避制御の制御内容を変更している。特に請求項1記載の発明では、当該逸脱回避制御を抑制している。
本発明によれば、先行車両の横移動を検出した場合、車線逸脱を回避するための制御の制御内容を変更することで、逸脱回避制御に優先させて、前方に存在する障害物等を回避できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施形態は、本発明の車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図1は、本発明の車線逸脱防止装置の実施形態を示す概略構成図である。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、この制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
制動流体圧制御部7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御部を利用したものである。制動流体圧制御部7は、単独で各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御することも可能であるが、後述する制駆動力コントロールユニット8から制動流体圧指令値が入力されたときには、その制動流体圧指令値に応じて制動流体圧を制御するようにもなっている。
例えば、制動流体圧制御部7は、液圧供給系にアクチュエータを含んで構成されている。アクチュエータとしては、各ホイールシリンダ液圧を任意の制動液圧に制御可能な比例ソレノイド弁が挙げられる。
また、この車両には、駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。駆動トルクコントロールユニット12は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL,5RRへの駆動トルクを制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御したり、同時にスロットル開度を制御することで、エンジン9の運転状態を制御する。この駆動トルクコントロールユニット12は、制御に使用した駆動トルクTwの値を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で後輪5RL,5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、制駆動力コントロールユニット8から駆動トルク指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値に応じて駆動輪トルクを制御するようにもなっている。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の自車両の位置を検出するために備えられている。例えば、撮像部13は、CCD(Charge Coupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。この撮像部13は車両前部に設置されている。
撮像部13は、自車両前方の撮像画像から例えば白線等のレーンマーカを検出し、その検出したレーンマーカに基づいて走行車線を検出している。さらに、撮像部13は、その検出した走行車線に基づいて、自車両の走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角(ヨー角)φ、走行車線中央からの横変位X及び走行車線曲率β等を算出する。この撮像部13は、算出したこれらヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率β等を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、この車両には、ナビゲーション装置14が設けられている。ナビゲーション装置14は、自車両に発生する前後加速度Yg或いは横加速度Xg、又は自車両に発生するヨーレートφ´を検出する。このナビゲーション装置14は、検出した前後加速度Yg、横加速度Xg及びヨーレートφ´を、道路情報とともに、制駆動力コントロールユニット8に出力する。ここで、道路情報としては、車線数や一般道路か高速道路かを示す道路種別情報がある。
また、この車両には、ACC用レーダ15が設けられている。ACC用レーダ15は、自車両が現在走行している車線、さらには隣接する車線についての、前方の車両又は障害物の情報を得る。具体的には、ACC用レーダ15は、前方の車両又は障害物(以下、前方車両等という。)の有無、前方車両等との相対距離Lfrや相対速度Vfrを得るためのものである。このACC用レーダ15は、これらレーダ検出結果を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、この車両には、マスタシリンダ3の出力圧、すなわちマスタシリンダ液圧Pmf,Pmrを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、すなわちアクセル開度θtを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角δを検出する操舵角センサ19、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20、及び各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi(i=fl,fr,rl,rr)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RRが設けられている。そして、これらセンサ等が検出した検出信号は制駆動力コントロールユニット8に出力される。
なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、いずれも左方向を正方向とする。すなわち、ヨーレートφ´、横加速度Xg及びヨー角φは、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。また、前後加速度Ygは、加速時に正値となり、減速時に負値となる。
次に、制駆動力コントロールユニット8で行う演算処理手順について、図2を用いて説明する。この演算処理は、例えば10msec.毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、この図2に示す処理内には通信処理を設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
先ずステップS1において、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データを読み込む。具体的には、ナビゲーション装置14が得た前後加速度Yg、横加速度Xg、ヨーレートφ´及び道路情報、ACC用レーダ15が得た前方車両等の有無、相対距離Lfr及び相対速度Vfr、各センサが検出した、各車輪速度Vwi、操舵角δ、アクセル開度θt、マスタシリンダ液圧Pmf,Pmr及び方向スイッチ信号、並びに駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTw、撮像部13からヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率βを読み込む。
続いてステップS2において、車速Vを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだ車輪速度Vwiに基づいて、下記(1)式により車速Vを算出する。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
また、このように算出した車速Vは好ましくは通常走行時に用いる。すなわち例えば、ABS(Anti-lock Brake System)制御等が作動している場合には、そのABS制御内で推定している推定車体速度を前記車速Vとして用いるようにする。また、ナビゲーション装置14でナビゲーション情報に利用している値を前記車速Vとして用いても良い。
続いてステップS3において、走行環境を判定する。具体的には、自車両が走行している道路の種類、自車両の走行車線を検出する。そして、その検出結果から、安全度に基づいた方向の判定をする。判定は、道路情報、すなわち車線数や一般道路か高速道路かを示す道路種別情報や撮像部13が得た画像情報に基づいて行う。図3はその走行環境判定の具体的な処理手順を示す。
先ずステップS21において、ナビゲーション装置14が得た道路情報から現在走行中の道路種別(一般道路又は高速道路)を取得する。さらに、ステップS22において、ナビゲーション装置14からの道路情報から現在走行中の道路の車線数を取得する。
続いてステップS23において、撮像部13が得た撮像画像から白線部分(車線区分線部分)を抽出する。ここで、図4に示すように自車両が片側3車線の道路を走行している場合を例に挙げて説明する。
この図4に示すように、道路は、左側から第1乃至第4白線LI1,LI2,LI3,LI4により区分されることで、片側3車線の道路として構成されている。このような道路を自車両が走行する場合、車線毎で得られる撮像画像は異なる。さらにその画像中から白線を抽出して構成される画像も、走行車線に応じて異なるものになる。
すなわち、走行方向に向かって左側車線を自車両100Aが走行している場合、当該自車両100Aの撮像部13が得る撮像画像Pは、図5中(A)に示すように、主に第1、第2及び第3白線LI1,LI2,LI3により構成される特有の画像になる。また、中央車線を自車両100Bが走行している場合、当該自車両100Bの撮像部13が得る撮像画像Pは、図5中(B)に示すように、主に第1、第2、第3及び第4白線LI1,LI2,LI3,LI4により構成される特有の画像になる。また、走行方向に向かって右側車線を自車両100Cが走行している場合、当該自車両100Cの撮像部13が得る撮像画像Pは、図5中(C)に示すように、主に第2、第3及び第4白線LI2,LI3,LI4により構成される特有の画像になる。このように、走行車線に応じて画像中の白線の構成が異なる。
続いてステップS24において、自車両走行車線(自車両走行レーン)を判定する。具体的には、前記ステップS22及びステップS23で得た情報に基づいて自車両走行車線を判定する。すなわち、自車両が現在走行している道路の車線数と撮像部13により得た撮像画像(白線を抽出した画像)とに基づいて自車両走行車線を判定する。例えば、車線数及び走行車線に応じて得られる画像を予め画像データとしてもっていて、その予め用意している画像データと自車両が現在走行している道路の車線数及び撮像部13で得た現在の撮像画像(白線を抽出した画像)とを比較して自車両走行車線を判定する。
続いてステップS25において、自車両が走行している車線からみた左右方向の安全度を判定する。具体的には、自車両が逸脱した場合に安全度が低い方向を情報として保持している。これにより、自車両が走行している車線からみて左方向が安全度が低い場合には、その方向を安全度が低い方向(以下、障害物等存在方向という。)Soutとして保持し(Sout=left)、自車両が走行している車線からみて右方向が安全度が低い場合には、その方向を障害物等存在方向Soutとして保持する(Sout=right)。例えば次のように判定する。
例えば前記図4において、左側車線を自車両100Aが走行している場合、当該左側車線の右方向に逸脱するときよりも、左側車線の左方向に逸脱したときの方が安全度は低い。これは、左側車線の左方向には路肩があり、その路肩には、壁、ガードレール、障害物或いは崖等がある可能性が高い。よって、左車線を自車両100Aが走行している場合、障害物等存在方向Soutが左方向であると判定する(Sout=left)。
また、中央車線を自車両100Bが走行している場合、どの方向に逸脱したとしても当該自車両100Bが未だ路内にあるので、現在の走行車線に対して左右どちらの方向でも安全度は同じになる。
また、右側車線を自車両100Cが走行している場合、左方向、すなわち隣車線に逸脱するときよりも、右方向、すなわち対向車線に逸脱したときの方が安全度が低くなる。よって、この場合、右側車線を自車両100Cが走行している場合、障害物等存在方向Soutが右方向であると判定する(Sout=right)。
また、一般道路と高速道路とで比較した場合、一般道路では、路肩の幅が高速道路より狭く、また路肩に障害物が多く、また歩行者もいる。このため、一般道路において路肩側に逸脱することは、高速道路において路肩側に逸脱する場合よりも安全度が低くなる。
また、車線数で比較した場合、左方向が路肩になり、右方向が対向車線になる片側1車線のときがより安全度が低くなる。この場合には、左右両方向が障害物等存在方向Soutであると判定する(Sout=both)。
なお、例えば片側1車線道路には中央分離帯やガードレール等がないことが多いので、当該片側1車線道路を走行している場合の撮像画像は、図5中(A)に示すようになる。すなわち、片側1車線道路を走行している場合の撮像画像は片側3車線道路の左側車線を走行する車両100Aの撮像部13が得る撮像画像と同じになる。よって、一般道路と高速道路とを走行することを前提としている場合、撮像画像だけでは前記障害物等存在方向Soutを判定することはできない。このようなことから、ナビゲーション装置14から自車両が現在走行している道路の車線数を得て、現在走行している道路が片側1車線道路であるか片側3車線道路であるかを判別することで、片側1車線道路を走行している場合には、右方向についても安全度が低いことを判定できる。
以上の図3に示す処理手順により、図2に示すステップS3の走行環境の判定を行う。
続いてステップS4において、先行車両等の横変位量dXfr及び横変位速度Vxfrを算出する。具体的には、前記ACC用レーダ15の検出結果を用いて、先行車両等の横方向への動きから、先行車両等の横移動量dXfrを検出する。さらに、その横移動量dXfrを時間微分して先行車両等の先行車両等の横変位速度Vxfrを算出する。
続いてステップS5において、先行車両等の挙動判定をする。具体的には、前記ステップS4で算出した先行車両等の横移動量dXfr及び横変位速度Vxfrを用いて、下記(2)式及び(3)式による比較を行う。
dXfr>dXth_fr ・・・(2)
Vxfr>Vxth_fr1 ・・・(3)
ここで、dXth_fr及びVxth_fr1は比較用しきい値(設定しきい値)である。この(2)式と(3)式との両方が成立する場合、先行車両等が当該先行車両等の前方の状況に対応して隣接車線に横移動したと判定する。例えば、ここで隣接車線への先行車両等の横移動動作としては、当該先行車両等の前方に障害物があり、それを回避するための動作や、当該先行車両等の走行車線前方が渋滞であり、それを回避するための動作が挙げられる。
そして、先行車両等が隣接車線に横移動したと判定した場合、その横移動方向を示すフラグ(以下、先行車両等横移動方向フラグという。)Ffr1を設定する。例えば、先行車両等が右側の隣接車線に移動した場合、先行車両等横移動方向フラグFfr1をrightに設定する(Ffr1=right)。また、先行車両等が左側の隣接車線に移動した場合、先行車両等横移動方向フラグFfr1をleftに設定する(Ffr1=left)。なお、先行車両等が隣接車線に横移動していないと判定した場合、先行車両等横移動方向フラグFfr1を0に設定する(Ffr1=0)。
続いてステップS6において、車線逸脱傾向の判定を行う。この判定処理の処理手順は具体的には図6に示すようになる。
先ずステップS41において、逸脱予測時間Toutを算出する。具体的には、dxを前記横変位Xの変化量(単位時間当たりの変化量)とし、Lを車線幅とし、横変位Xを用いて、下記(4)式により逸脱予測時間Toutを算出する(X,dx,Lの値については図7を参照)。
Tout=(L/2−X)/dx ・・・(4)
この(4)式によれば、車線中央(X=0)からXだけ横変位している車両100がその現在位置から距離L/2だけ離れた外側位置領域(例えば路肩)に至るまでの逸脱予測時間Toutを求めることができる。
なお、車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理することで得ている。また、ナビゲーション装置14から車両の位置を得たり、ナビゲーション装置14の地図データから車線幅Lを得てもよい。
続いてステップS42において、逸脱判断フラグを設定する。具体的には、前記逸脱予測時間Toutと所定の第1逸脱判断しきい値Tsとを比較する。ここで、逸脱予測時間Toutが第1逸脱判断しきい値Ts未満の場合(Tout<Ts)、逸脱する(逸脱傾向あり)と判定するとともに、逸脱判断フラグFoutをONにする(Fout=ON)。また、逸脱予測時間Toutが第1逸脱判断しきい値Ts以上の場合(Tout≧Ts)、逸脱しない(逸脱傾向なし)と判定するとともに、逸脱判断フラグFoutをOFFにする(Fout=OFF)。
このステップS42の処理により、例えば自車両が車線中央から離れていき、逸脱予測時間Toutが第1逸脱判断しきい値Ts未満になったとき(Tout<Ts)、逸脱判断フラグFoutがONになる(Fout=ON)。また、自車両(Fout=ONの状態の自車両)が車線中央側に復帰していき、逸脱予測時間Toutが第1逸脱判断しきい値Ts以上になったとき(Tout≧Ts)、逸脱判断フラグFoutがOFFになる(Fout=OFF)。例えば、逸脱傾向がある場合に、後述する逸脱回避のための制動制御が実施されたり、或いは運転者自身が回避操作をすれば、逸脱判断フラグFoutがONからOFFになる。
なお、第1逸脱判断しきい値Tsは変更可能である。すなわち例えば、前記ステップS3で得た安全度に基づいて第1逸脱判断しきい値Tsを設定することもできる。
続いてステップS43において、横変位Xに基づいて逸脱方向Doutを判定する。具体的には、車線中央から左方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにし(Dout=left)、車線中央から右方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにする(Dout=right)。
以上のようにステップS6において車線逸脱傾向を判定する。
続いてステップS7において、運転者の車線変更の意図を判定する。具体的には、前記ステップS1で得た方向スイッチ信号及び操舵角δに基づいて、次のように運転者の車線変更の意図を判定する。
方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS6で得た逸脱方向Doutが示す方向とが同じである場合、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。すなわち、逸脱しないとの判定結果に変更する。
また、方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS6で得た逸脱方向Doutが示す方向とが異なる場合、逸脱判断フラグFoutを維持し、逸脱判断フラグFoutをONのままにする(Fout=ON)。すなわち、逸脱するとの判定結果を維持する。
また、方向指示スイッチ20が操作されていない場合には、操舵角δに基づいて運転者の車線変更の意図を判定する。すなわち、運転者が逸脱方向に操舵している場合において、その操舵角δとその操舵角の変化量(単位時間当たりの変化量)Δδとの両方が設定値以上のときには、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。
このように、逸脱判断フラグFoutをONである場合において運転者が意識的に車線変更していないときには、逸脱判断フラグFoutをONに維持している。しかし、操舵角の変化量Δδが前記設定値未満であることなどで、運転者が意識的に車線変更していないとし、本来であれば逸脱判断フラグFoutをONにするような場合でも、車間自動制御装置や先行車追従制御装置等の運転者支援装置(運転者支援制御)が作動している状態であり、かつ当該運転者支援装置により自車両が前方車両等に追従していることで、自車両の車線変更方向と前記ステップS5で得た先行車両等横移動方向フラグFfr1が示す方向とが一致しており、かつ前記ステップS3の走行環境の判定結果から車線変更先の隣接車線が現在の自車両の走行車線と同じ方向に向かう車線である場合、すなわち車線変更先が対向車線でない場合、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定する(Fout=OFF)。このように、逸脱判断フラグFoutがONになっている場合において運転者が意識的に車線変更していないと判断できるときでも、所定の条件を満たす場合には、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定する。後述するように、逸脱判断フラグFoutがONである場合に逸脱回避のための制御を作動させるのであるから、前述したように前記所定の条件が満たされたことで逸脱判断フラグFoutをOFFに設定した場合、その逸脱回避のための制御が作動しないことになる。
続いてステップS8において、逸脱回避のための制御方法を決定する。具体的には、逸脱の警報や逸脱回避の制動制御を行うか否か、さらには逸脱回避の制動制御を行う場合にその制動制御方法を決定する。
ここでは、前記ステップS3で得た障害物等存在方向Sout、ステップS4で得た逸脱方向Dout及びステップS7で得た逸脱判断フラグFoutに基づいて、逸脱回避のための制御内容を決定する。
例えば、逸脱判断フラグFoutがON(Tout<Ts)になっている場合、逸脱の警報を実施する。例えば、音や表示等により警報を行う。そして、逸脱判断フラグFoutがON(Tout<Ts)になっている場合、障害物等存在方向Sout及び逸脱方向Doutに基づいて、逸脱回避の制動制御方法を決定する。これについては、後で詳述する。
続いてステップS9において、自車両に発生させる目標ヨーモーメントを算出する。この目標ヨーモーメントは、逸脱回避のために自車両に付与するヨーモーメントである。
具体的には、前記ステップS1で得た横変位Xと前記変化量dxとに基づいて、下記(5)式により目標ヨーモーメントMsを算出する。
Ms=K1・X+K2・dx ・・・(5)
ここで、K1,K2は車速Vに応じて変動するゲインである。図8はそのゲインK1,K2の例を示す。この図8に示すように、例えばゲインK1,K2は、低速域で小さい値になり、車速Vがある値になると、車速Vの増加に対応して大きくなり、その後ある車速Vに達すると一定値になる。
続いてステップS10において、逸脱回避用の減速度を算出する。すなわち、自車両を減速させる目的として左右両輪に与える制動力を算出する。ここでは、そのような制動力を左右両輪に与える目標制動液圧Pgf,Pgrとして算出する。前輪用の目標制動液圧Pgfについては下記(6)式により算出する。
Pgf=Kgv・V+Kgx・dx ・・・(6)
ここで、Kgv,Kgxはそれぞれ、車速V及び横変化量dxに基づいて設定する、制動力を制動液圧に換算するための換算係数である。図9はその換算係数Kgv,Kgxの例を示す。この図9に示すように、例えば換算係数Kgv,Kgxは、低速域で大きい値になり、車速Vがある値になると、車速Vの増加に対応して小さくなり、その後ある車速Vに達すると一定値になる。
そして、前輪用の目標制動液圧Pgfに基づいて、前後配分を考慮した後輪用の目標制動液圧Pgrを算出する。
このようにステップS10において、逸脱回避用の減速度(具体的には目標制動液圧Pgf,Pgr)を得る。
続いてステップS11において、各車輪の目標制動液圧を算出する。すなわち、逸脱回避の制動制御の有無に基づいて最終的な制動液圧を算出する。具体的には次のように算出する。
(1)逸脱判断フラグFoutがOFFの場合(Fout=OFF)、すなわち逸脱しないとの判定結果を得た場合、下記(7)式及び(8)式に示すように、各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)をマスタシリンダ液圧Pmf,Pmrにする。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(7)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(8)
ここで、Pmfは前輪用のマスタシリンダ液圧である。また、Pmrは後輪用のマスタシリンダ液圧であり、前後配分を考慮して前輪用のマスタシリンダ液圧Pmfに基づいて算出した値になる。
(2)逸脱判断フラグFoutがONの場合(Fout=ON)、すなわち逸脱するとの判定結果を得た場合、先ず前記目標ヨーモーメントMsに基づいて、前輪目標制動液圧差ΔPsf及び後輪目標制動液圧差ΔPsrを算出する。具体的には、下記(9)式〜(12)式により目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsrを算出する。
Ms<Ms1の場合
ΔPsf=0 ・・・(9)
ΔPsr=2・Kbr・Ms/T ・・・(10)
Ms≧Ms1の場合
ΔPsf=2・Kbf・(Ms−Ms1)/T ・・・(11)
ΔPsr=2・Kbr・Ms1/T ・・・(12)
ここで、Ms1は設定用しきい値を示す。また、Tはトレッドを示す。なお、このトレッドTは、簡単のため前後で同じ値にする。また、Kbf,Kbrは、制動力を制動液圧に換算する場合の前輪及び後輪についての換算係数であり、ブレーキ諸元により定まる。
このように、目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて車輪に与える制動力を配分している。すなわち、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1未満のときには、前輪目標制動液圧差ΔPsfを0として、後輪目標制動液圧差ΔPsrに所定値を与えて、左右後輪で制動力差を発生させ、また、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1以上のときには、各目標制動液圧差ΔPsr,ΔPsrに所定値を与え、前後左右輪で制動力差を発生させる。
そして、以上のように算出した目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsr及び減速用の目標制動液圧Pgf,Pgrを用いて最終的な各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。具体的には、前記ステップS8で決定した制動制御方法に基づいて最終的な各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
ここで、前記ステップS8で決定する制動制御方法を説明する。
前記ステップS8では、前記障害物等存在方向Sout及び逸脱方向Doutに基づいて制動制御方法を決定している。ここで、障害物等存在方向Sout及び逸脱方向Doutの値で場合分けして制動制御方法を説明する。
(第1のケース) 障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致していない場合、逸脱判断フラグFoutがOFFになるまで、逸脱を回避するためのヨーモーメントが車両に付与されるように制動制御(以下、逸脱回避用ヨー制御という。)を行う。
ここで、逸脱を回避するために車両に付与するヨーモーメントの大きさが前記目標ヨーモーメントMsになる。そして、車両へのヨーモーメントの付与は、左右の車輪に与える制動力に差をつけることで行う。具体的には、前述したように、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1未満のときには、左右後輪で制動力差を発生させて、車両に当該目標ヨーモーメントMsを付与し、また、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1以上のときには、前後左右輪で制動力差を発生させて、車両に当該目標ヨーモーメントMsを付与する。
また、ここで、逸脱判断フラグFoutがONからOFFになる場合とは、逸脱傾向がある場合に、逸脱回避のための制動制御が実施されたり、或いは運転者自身が回避操作をしたようなときである。
(第2のケース) 前記ステップS7で本来であれば逸脱判断フラグFoutがONになるが、前記所定の条件を満たすことで逸脱判断フラグFoutをOFFに変更した場合、すなわち逸脱回避のための制動制御を非作動状態にした場合において、その後の車線変更先の車線で、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致していないときには、逸脱判断フラグFoutがOFFになるまで、逸脱回避用ヨー制御を行う。
この場合、前記第1逸脱判断しきい値Tsに、ある設定量(以下、第1設定量という。)dTs1を加算した逸脱判断しきい値(Ts+dTs1)を用いて車線逸脱傾向を判定する。これにより、前記逸脱判断しきい値(Ts+dTs1)よりも逸脱予測時間Toutが小さくなったときに(Tout<(Ts+dTs1))、逸脱回避用ヨー制御が作動する。
(第3のケース) 障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致し、かつ前記ステップS3で得た道路種別Rが一般道路の場合、逸脱判断フラグFoutがOFFになるまで、逸脱回避用ヨー制御を行う。
さらに、前記第1逸脱判断しきい値Ts未満の第2逸脱判断しきい値Tr(Ts>Tr>0)を定義して、この第2逸脱判断しきい値Trよりも逸脱予測時間Toutが小さくなったときに(Tout<Tr)、逸脱回避用ヨー制御に加えて、車両を減速させるための制動制御(以下、逸脱回避用減速制御という。)を行う。この逸脱回避用減速制御は、左右両車輪に同程度の制動力を与えて行う。
(第4のケース) 障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致し、かつ前記ステップS3で得た道路種別Rが高速道路の場合、逸脱判断フラグFoutがOFFになるまで、逸脱回避用ヨー制御を行う。さらに、逸脱予測時間Toutが0になったときに、逸脱回避用ヨー制御に加えて、逸脱回避用減速制御を行う。
(第5のケース) 前記ステップS3で得た道路種別Rが高速道路の場合で、かつ前記ステップS7で本来であれば逸脱判断フラグFoutがONになるが、前記所定の条件を満たすことで逸脱判断フラグFoutをOFFに変更した場合、すなわち逸脱回避のための制動制御を非作動状態にした場合において、その後の車線変更先の車線で、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致しているときには、逸脱判断フラグFoutがOFFになるまで、逸脱回避用ヨー制御を行う。
ここでは、前記第1逸脱判断しきい値Tsにある設定量(以下、第2設定量という。)dTs2を加算した逸脱判断しきい値(Ts+dTs2)を用いて車線逸脱傾向を判定する。これにより、前記逸脱判断しきい値(Ts+dTs2)よりも逸脱予測時間Toutが小さくなったときに(Tout<(Ts+dTs2))、逸脱回避用ヨー制御を行う。さらに、逸脱予測時間Toutが0になったときに、逸脱回避用ヨー制御に加えて、逸脱回避用減速制御を行う。
前記ステップS8では、このように、障害物等存在方向Sout及び逸脱方向Doutの値に応じて種々の制動制御方法を決定している。すなわち、障害物等存在方向Sout及び逸脱方向Doutの値に応じて、逸脱回避用ヨー制御のみ、或いは逸脱回避用ヨー制御と逸脱回避用減速制御との組み合わせとして、逸脱回避のための制動制御方法を決定している。
そして、ステップS11では、その各種制動制御方法に対応して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
例えば、前記第1及び第2のケースの場合における逸脱回避用ヨー制御では、下記(13)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(13)
また、前記第3のケース〜第5のケースの場合では、逸脱回避用ヨー制御と逸脱回避用減速制御とを行うことになるが、この場合、下記(14)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf+Pgf/2
Psfr=Pmf+ΔPsf+Pgf/2
Psrl=Pmr+Pgr/2
Psrr=Pmr+ΔPsr+Pgr/2
・・・(14)
また、この(13)式及び(14)式が示すように、運転者による減速操作、すなわちマスタシリンダ液圧Pmf,Pmrを考慮して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。
以上がステップS11の処理になる。このようにステップS11では、逸脱判断フラグFoutの状態に基づいて各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。そして、逸脱判断フラグFoutがONの場合には、障害物等存在方向Sout及び逸脱方向Doutの値に応じて決定した種々の制動制御方法に対応する各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
以上が、制駆動力コントロールユニット8による演算処理である。そして、制駆動力コントロールユニット8は、前記ステップS11で算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として、制動流体圧制御部7に出力する。
以上のような車線逸脱防止装置は概略として次のように動作する。
先ず、各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データを読み込む(前記ステップS1)。続いて車速Vを算出する(前記ステップS2)。
続いて、走行環境を判定して、安全度が低い方向(障害物等存在方向Sout)を決定する(前記ステップS3、図3)。例えば、前記図4において左側車線を自車両100Aが走行している場合、障害物等存在方向Soutを左方向にする、といったようにである。
続いて、先行車両等の横移動量dXfr及び横変位速度Vxfrを得て(前記ステップS4)、その横移動量dXfr及び横変位速度Vxfrに基づいて先行車両等の挙動の判定、具体的に横移動をしているか否か、さらに横移動している場合にはその方向を判定する(前記ステップS5)。
続いて、逸脱予測時間Toutに基づいて逸脱判断フラグFoutを設定するとともに、横変位Xに基づいて逸脱方向Doutを判定する(前記ステップS6、図4)。そして、逸脱方向Doutと方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)とに基づいて運転者の車線変更の意図を判定する(前記ステップS7)。ここで、運転者が意識的に車線変更している場合、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更し、車両の逸脱挙動が運転者による車線変更等の運転者の意思による車両挙動でないと考える場合、逸脱判断フラグFoutがONにする(維持する)。
また、車両の逸脱挙動が運転者による車線変更等の運転者の意思による車両挙動でないと考える場合でも、車間自動制御装置や先行車追従制御装置等の運転者支援装置(運転者支援制御)が作動している状態であり、かつ当該運転者支援装置により自車両が前方車両等に追従していることで、自車両の車線変更方向と前記ステップS5で得た先行車両等横移動方向フラグFfr1が示す方向とが一致しており、かつ前記ステップS3の走行環境の判定結果から車線変更先の隣接車線が現在の自車両の走行車線と同じ方向に向かう車線である場合、すなわち車線変更先が対向車線でない場合、逸脱判断フラグFoutをOFFにする。
続いて、逸脱判断フラグFout及び逸脱方向Doutに基づいて逸脱回避のための警報開始の有無、逸脱回避のための制動制御の有無、逸脱回避のための制動制御を実施する場合のその方法を決定する(前記ステップS8)。そして、横変位Xと前記変化量dxとに基づいて目標ヨーモーメントMsを算出し(前記ステップS9)、また、逸脱回避用の減速度を算出する(前記ステップS10)。
そして、逸脱判断フラグFout及び逸脱方向Doutに基づいて決定した制動制御方法を実現するための各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出し、その算出した目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として制動流体圧制御部7に出力している(前記ステップS11)。
制動流体圧制御部7では、制動流体圧指令値に基づいて、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御する。これにより、自車両が逸脱する傾向にある場合に、自車両は、その走行環境や前後加速度Ygに応じて所定の車両挙動を示すようになる。
ここで、前記第1のケース〜第5のケースの場合において、制動制御を行った場合の車両挙動を説明する。
前記第1のケースの場合とは、前述したように、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致していない場合である。ここで、3車線道路の場合を例に挙げて説明する。図10に示すように、3車線道路の場合では、左側車線を走行している自車両100A(図10中中間位置の自車両100A)が右方向に逸脱する傾向がある場合となる。或いは、図10に示すように、3車線道路において、右側車線を走行している自車両100C(図10中最上位置の自車両100C)が左方向に逸脱する傾向がある場合となる。或いは、図10に示すように、3車線道路において、中央車線を走行している自車両Bが左方向或いは右方向に逸脱する傾向がある場合となる。この場合には逸脱回避用ヨー制御を行う。これにより自車両は逸脱を回避できる。一方、運転者は、この車両の逸脱回避動作を横方向の加速度或いは走行方向の減速度として感じ、自車両が逸脱傾向にあることを知ることができる。
なお、図10中、黒塗りしている車輪は、液圧を発生させて制動力が与えられている車輪を示す。すなわち、左右車輪のうちのいずれか一方が黒塗りの車輪の場合、左右車輪で液圧或いは制動力に差がある。この場合、車両にヨーモーメントが付与されることを示す。また、左右車輪が黒塗りの車輪の場合でも、その液圧値に差があるときもあり、この場合には、車両にヨーモーメントが付与されつつ、同時に当該車両が減速制御されていることを示す。このような関係は以降の図面でも同様である。
また、前記第2のケースとは、前述したように、逸脱回避のための制動制御を非作動状態にして車線変更した車線で、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致していない場合である。ここで、3車線道路の場合を例に挙げて説明する。すなわち、3車線道路で左側車線に車線変更した自車両100A(図10中中間位置の自車両100A)が右方向に逸脱する傾向がある場合である。或いは、図10に示すように、3車線道路で右側車線に車線変更した自車両100C(図10中最上位置の自車両100C)が左方向に逸脱する傾向がある場合である。或いは、図10に示すように、3車線道路で中央車線に車線変更した自車両Bが左方向或いは右方向に逸脱する傾向がある場合である。この場合には逸脱回避用ヨー制御を行う。このとき、前記第1逸脱判断しきい値Tsに第1設定量dTs1を加算した逸脱判断しきい値(Ts+dTs1)よりも逸脱予測時間Toutが小さくなったときに(Tout<(Ts+dTs1))、逸脱回避用ヨー制御を行っている。このように逸脱回避用ヨー制御を行うことで、逸脱回避のための制動制御を非作動状態にして車線変更した車線でも、自車両は逸脱を回避できる。一方、運転者は、この車両の逸脱回避動作を横方向の加速度或いは走行方向の減速度として感じ、自車両が逸脱傾向にあることを知ることができる。
また、前記第3のケースとは、前述したように、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致し、かつ道路種別Rが一般道路の場合である。すなわち、図11に示すように、左側が路肩Aになり、右側が対向車線(中央車線L5側)になるような片側1車線を自車両100が走行している場合において、当該自車両100(図11中最上位置の自車両100)が左方向或いは当該自車両(図11中中間位置の自車両100)が右方向に逸脱する傾向にある場合である。
この場合には逸脱回避用ヨー制御を行う。さらに、第2逸脱判断しきい値Trよりも逸脱予測時間Toutが小さくなったとき、逸脱回避用ヨー制御に加えて、逸脱回避用減速制御を行う。これにより、自車両は逸脱を回避する。一方、運転者は、この車両の逸脱回避動作を横方向の加速度或いは走行方向の減速度として感じ、自車両が逸脱傾向にあることを知ることができる。
また、前記第4のケースとは、前述したように、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致し、かつ道路種別Rが高速道路の場合である。すなわち、図10に示すように、3車線道路において、左側車線を走行している自車両100A(図10中最上位置の自車両100A)が左方向に逸脱する傾向がある場合である。或いは、図10に示すように、3車線道路において、右側車線を走行している自車両100C(図10中中間位置の自車両100C)が右方向に逸脱する傾向がある場合である。
この場合には逸脱回避用ヨー制御を行う。これにより自車両は逸脱を回避できる。さらに、逸脱予測時間Toutが0になったとき、すなわち自車両が走行車線を逸脱したと判断したときには、逸脱回避用ヨー制御に加えて、逸脱回避用減速制御を行う。これにより、自車両は逸脱を回避する。一方、運転者は、この車両の逸脱回避動作を横方向の加速度或いは走行方向の減速度として感じ、自車両が逸脱傾向にあることを知ることができる。
また、前記第5のケースとは、前述したように、道路種別Rが高速道路の場合でかつ、逸脱回避のための制動制御を非作動状態にして車線変更した車線で、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致した場合である。すなわち、3車線道路で左側車線に車線変更した自車両100A(図10中最上位置の自車両100A)が左方向に逸脱する傾向がある場合である。或いは、図10に示すように、3車線道路で右側車線に車線変更した自車両100C(図10中中間位置の自車両100C)が右方向に逸脱する傾向がある場合である。
この場合には逸脱回避用ヨー制御を行う。このとき、前記第1逸脱判断しきい値Tsに第2設定量dTs2を加算した逸脱判断しきい値(Ts+dTs2)よりも逸脱予測時間Toutが小さくなったときに(Tout<(Ts+dTs2))、逸脱回避用ヨー制御を行っている。さらに、逸脱予測時間Toutが0になったとき、すなわち自車両が走行車線を逸脱したと判断したときには、逸脱回避用ヨー制御に加えて、逸脱回避用減速制御を行う。このように逸脱回避用ヨー制御、さらに場合によっては逸脱回避用減速制御を行うことで、逸脱回避のための制動制御を非作動状態にして車線変更した車線でも、自車両は逸脱を回避できる。一方、運転者は、この車両の逸脱回避動作を横方向の加速度或いは走行方向の減速度として感じ、自車両が逸脱傾向にあることを知ることができる。
また、以上のような逸脱回避のための制動制御とともに、音や表示による警報を行う。例えば、制動制御の開始と同時、或いは制動制御に先立って所定のタイミングで警報を開始する。例えば、前記第2のケースの場合、すなわち、逸脱回避のための制動制御を非作動状態にして車線変更した車線で、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致していない場合には、前記第1逸脱判断しきい値Tsよりも大きい第3逸脱判断しきい値Tss(Tss>Ts>0)より逸脱予測時間Toutが小さくなったときに(Tout<Tss)、警報を開始する。
ここで、図12を用いて、前記第2、第5のケースの制御により実現される自車両挙動を具体的に説明する。
図12に示すように、車間自動制御装置や先行車追従制御装置等の運転者支援装置(運転者支援制御)の作動により、自車100が先行車101に追従し、自車100の車線変更方向と当該先行車101の横移動方向(先行車両等横移動方向フラグFfr1が示す方向)とが一致している場合には、本来であれば運転者が意識的に車線変更していないと判定されて逸脱判断フラグFoutがONに維持されるような場合でも、逸脱判断フラグFoutをOFFにする(前記ステップS7参照)。これにより、本来であれば自車100が車線を逸脱する可能性があるとして逸脱回避のための逸脱回避用ヨー制御等が作動してしまうところを、車線変更の最中は、逸脱回避用ヨー制御等が作動しないようにしている。これにより、自車100は、図12中矢印T1に示すように車線変更して、先行車101に追従していくことができる。
その一方で、自車100が車線変更した後は、通常の条件に従って逸脱回避のための逸脱回避用ヨー制御等を行うようにしている。これにより、図12に示すようなカーブ路で先行車101に追従して自車100も車線変更した場合でも、同図中矢印T2に示すように自車100が逸脱傾向がある場合には、通常の条件に従って逸脱回避のための逸脱回避用ヨー制御等が作動するようになる。例えば、前記第2のケースであれば、前記第1逸脱判断しきい値Tsに第1設定量dTs1を加算した逸脱判断しきい値(Ts+dTs1)よりも逸脱予測時間Toutが小さくなったときに(Tout<(Ts+dTs1))、逸脱回避用ヨー制御が作動する。これにより、逸脱回避のための制動制御を非作動状態にして車線変更した車線で、自車両が逸脱してしまうことを回避できる。
次に本実施形態における効果を説明する。
前述したように、車間自動制御装置や先行車追従制御装置等の運転者支援装置(運転者支援制御)の作動により、自車100が先行車101に追従し、自車100の車線変更方向と当該先行車101の移動方向(先行車両等横移動方向フラグFfr1が示す方向)とが一致している場合には、本来であれば自車100が車線を逸脱する可能性があるとして逸脱回避のための逸脱回避用ヨー制御等が作動してしまうところを、車線変更の最中は、逸脱回避用ヨー制御等が作動しないようにしている(前記第2のケース、第5のケース参照、図12参照)。
例えば、前記図12に示すように、前方に停止車両102等の障害物があったり、現在の走行車線が渋滞しているような場合、先行車101は、そのような状況を車線変更(横移動)することで回避する。このようなことから、前述したように車線変更する先行車101に自車100が追従するときにはその車線変更の最中に逸脱回避用ヨー制御等が作動しないようにすることで、先行車101と同様に、結果的に前方に存在する障害物等を回避できる。これにより、前方に存在する障害物等がある場合に逸脱回避用ヨー制御等が作動することがないので、運転者に違和感を与えることなく逸脱回避用ヨー制御等を行うことが実現できる。また、自車両が先行車両に追従する運転者支援制御を行っている場合に、先行車両が車線変更する場合、逸脱回避制御を作動しないようにして、自車両も先行車両に追従して車線変更するとともに、変更した車線で通常の逸脱回避制御として逸脱回避用ヨー制御等を行うことで、運転者支援制御による効果を損なうことなく、逸脱回避制御の効果を発揮させることができる。すなわち、運転者支援制御及び逸脱回避制御の各制御を、運転者による信頼性を失うことなく実施できる。
また、このように先行車両の横移動に対応して自車両が逸脱回避用ヨー制御等を作動しないようにしているが、前述したように、その先行車両の横移動を、先行車両の横移動量dXfr及び横変位速度Vxfrがそれぞれ所定のしきい値比較用しきい値dXth_fr,Vxth_fr1より大きくなった場合に検出している(前記(2)式及び(3)式参照)。これにより、横方向に単にふらついているような直進安定性が低い先行車両と、旋回回避する先行車両とを区別して、旋回回避する先行車両の横移動のみを検出して、逸脱回避用ヨー制御等が作動しないようにできる。これにより、逸脱回避用ヨー制御等が不要に作動しなくなってしまうことを防止しつつ、前方に存在する障害物等が存在する場合には当該前方に存在する障害物等を確実に回避できるようになる。
また、前述したように、逸脱判断フラグFoutがON、すなわち逸脱傾向がある場合において、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致していない場合(前記第1及び第2のケース)、逸脱回避用ヨー制御を行っている。一方、逸脱傾向がある場合(逸脱判断フラグFoutがON)でも、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致した場合(前記第3、第4及び第5ケース)には、逸脱回避用ヨー制御と逸脱回避用減速制御とを組み合わせて逸脱回避のための制動制御を行っている。具体的には、逸脱回避用ヨー制御の開始後、所定のタイミングで逸脱回避用減速制御を介入させている。
よって、逸脱方向Doutが、自車両が逸脱した場合に当該自車両が接触する可能性のある障害物が存在する方向を示すので、この結果、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致した場合に行う制動制御が、障害物等が存在する方向に逸脱傾向にある場合の制動制御になる。このような場合には、逸脱回避用ヨー制御に加えて、逸脱回避用減速制御を行っている。このように逸脱回避用ヨー制御に加えて逸脱回避用減速制御を行うことで、自車両が走行車線を万が一逸脱した場合でも、自車両と障害物とが急接近してしまうことを防止できる。このように、自車両の走行環境を考慮して車線逸脱防止のための制動制御を行うことで、車線逸脱を防止しつつ、安全性を向上させることができる。
具体的には、路肩側に逸脱する傾向がある場合、逸脱回避用ヨー制御を開始した後に逸脱回避用減速制御を介入させることで、自車両が走行車線を万が一逸脱した場合でも、自車両が道路外の障害物に急接近してしまうことを防止することができる。
また、対向車線側に逸脱する傾向がある場合にも同様に、逸脱回避用ヨー制御を開始した後に逸脱回避用減速制御を介入させることで、自車両が走行車線を万が一逸脱した場合でも、自車両が対向車に急接近してしまうことを防止できる。
さらに、片側1車線の道路を自車両が走行している場合に逸脱傾向があるときには、左右方向にかかわらず、逸脱回避用ヨー制御を開始した後に逸脱回避用減速制御を介入させている。これにより、自車両が走行車線を万が一逸脱した場合でも、自車両が道路外の障害物に急接近してしまうことを防止でき、或いは自車両が対向車に急接近してしまうことを防止できる。
また、逸脱回避用ヨー制御の開始後に、ある状況(具体的にはTout<Tr)になったときにのみ逸脱回避用減速制御を介入させることで、逸脱回避用減速制御が頻繁に作動してしまうことを防止できる(前記第3のケース)。これにより、逸脱回避のための制御が運転者に煩わしさを与えてしまうことを防止できる。
また、前述したように、逸脱予測時間Toutが0になったとき、すなわち自車両が走行車線を逸脱したと判断したときには、逸脱回避用ヨー制御に加えて、逸脱回避用減速制御を行っている(前記第4及び第5のケース)。高速道路では車速が大きいので、走行車線を逸脱してしまうと、路外に大きくはみ出してしまう可能性がある。このようなことから、自車両が走行車線を逸脱したと判断したときに逸脱回避用減速制御を介入させることで、自車両が路外に大きくはみ出してしまうことを防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前述の実施形態では、逸脱を回避するためのヨーモーメントを車両に付与する制動制御(逸脱回避用ヨー制御)、逸脱を回避するために減速させるための制動制御(逸脱回避用減速制御)との組み合わせ方法、その作動順序、その制御量(ヨーモーメントの大きさ、減速度の大きさ)を具体的に説明した。しかし、これに限定されなるものではない。
また、前述の実施形態では、先行車両が車線変更する場合に、自車両の逸脱回避用ヨー制御等を作動させないようにする場合を説明した。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、先行車両の横移動量dXfr及び横変位速度Vxfrがそれぞれ所定のしきい値比較用しきい値dXth_fr,Vxth_fr1より大きくなっていることを条件に、自車両の逸脱回避用ヨー制御等を作動させないようにする。これにより、先行車両が走行車線を変更することなく路側帯の停止車両等を単に回避するような場合にも、自車両の逸脱回避用ヨー制御等が作動しないようになる。このようにすることで、自車両も、先行車両と同様に路側帯の停止車両等を回避できる。
また、前述の実施形態では、先行車両の横移動を、先行車両の横移動量dXfr及び横変位速度Vxfrがそれぞれ所定の比較用しきい値dXth_fr,Vxth_fr1より大きくなった場合に検出している。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、先行車両の横移動量dXfrが所定の比較用しきい値dXth_frよりも大きくなるか、又は先行車両の横変位速度Vxfrが所定のしきい値比較用しきい値Vxth_fr1よりも大きくなった場合に先行車両が横移動(例えば車線変更)したと判定してもよい。
また、前述の実施形態では、自車両が逸脱回避用ヨー制御等を作動させない条件として、自車両が先行車両に追従する運転者支援制御を行っている場合を説明した。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、自車両が先行車両に追従する運転者支援制御を行っていない場合でも、先行車両の横移動を検出する等の他の条件を満たす限り、自車両が逸脱回避用ヨー制御等を作動させないようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、先行車両が横移動した場合に自車両の逸脱回避制御を抑制する或いは逸脱回避制御の制御内容を変更する具体例を、逸脱回避制御を作動しないようにする例としている。しかし、これに限定されるものではない。例えば、逸脱回避用ヨー制御や逸脱回避用減速制御の制動力の大きさを小さくして、逸脱回避制御を抑制する或いは逸脱判断しきい値を変更してヨー制御の発生を遅らせるようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、ACC用レーダ15を使用することで先行車両等の横移動量dXfr及び横変位速度Vxfrを得ている場合を説明した。しかし、これに限定されるものではない。例えば、周囲環境認識をするために自車両に搭載しているカメラの撮像画像に基づいて先行車両等の横移動量dXfr及び横変位速度Vxfrを得たり、当該先行車両等と自車両とで行う車車間通信の情報に基づいて、先行車両等の横移動量dXfr及び横変位速度Vxfrを得たりしてもよい。
また、前述の実施形態では、ブレーキ構造が流体圧を利用したブレーキ構造によるものを説明している。しかし、これに限定されないことはいうまでもない。例えば、電動アクチュエータにより摩擦材を車輪側部材の回転体に押し付ける電動式摩擦ブレーキや、電気的に制動作用させる回生ブレーキや発電ブレーキでもよい。また、エンジンのバルブタイミング変更などにより制動制御するエンジンブレーキ、変速比を変更することでエンジンブレーキのように作用させる変速ブレーキ、或いは空気ブレーキでもよい。
また、前述の実施形態では、横変位X及びその変化量dxに基づいて逸脱予測時間Toutを算出している(前記(4)式参照)。しかし、逸脱予測時間Toutを他の手法により得るようにしてもよい。例えば、ヨー角φ、走行車線曲率β、ヨーレートφ´或いは操舵角δに基づいて逸脱予測時間Toutを得てもよい。
また、前述の実施形態では、運転者の車線変更の意図を操舵角δやその操舵角の変化量Δδに基づいて得ている(前記ステップS7参照)。しかし、運転者の車線変更の意図を他の手法により得るようにしてもよい。例えば、操舵トルクに基づいて運転者の車線変更の意図を得てもよい。
また、前述の実施形態では、横変位X及び変化量dxに基づいて目標ヨーモーメントMsを算出している(前記(5)式参照)。しかし、目標ヨーモーメントMsを他の手法により得るようにしてもよい。例えば、下記(15)式に示すように、ヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率βに基づいて目標ヨーモーメントMsを算出してもよい。
Ms=K3・φ+K4・X+K5・β ・・・(15)
ここで、K3,K4,K5は車速Vに応じて変動するゲインである。
また、前述の実施形態では、前輪用の目標制動液圧Pgfを具体的な式を用いて説明している(前記(6)式参照)。しかし、これに限定されるものではない。例えば、下記(16)式により前輪用の目標制動液圧Pgfを算出してもよい。
Pgf=Kgv・V+Kgφ・φ+Kgβ・β ・・・(16)
ここで、Kgφ,Kgβはそれぞれ、ヨー角φ及び走行車線曲率βに基づいて設定する、制動力を制動液圧に換算するための換算係数である。
また、前述の実施形態では、逸脱回避用ヨー制御を実現するために、前輪及び後輪の目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsrを算出している(前記(9)式及び(10)式参照)。しかし、これに限定されるものではない。例えば、前輪の目標制動液圧差ΔPsfだけで逸脱回避用ヨー制御を実現してもよい。この場合、下記(17)式により前輪の目標制動液圧差ΔPsfを算出する。
△Psf=2・Kbf・Ms/T ・・・(17)
なお、前述の実施形態の説明において、制駆動力コントロールユニット8の図2のステップS4及びステップS5の処理及びのACC用レーダ15が、先行車両の横移動を検出する先行車両横移動検出手段を実現し、制駆動力コントロールユニット8の図2のステップS6〜ステップS11の処理が、前記先行車両横移動検出手段が先行車両の横移動を検出した場合、逸脱回避制御の制御内容を変更する制御内容変更手段を実現している。
本発明の車線逸脱防止装置を搭載した車両の実施形態を示す概略構成図である。 前記車線逸脱防止装置を構成する制駆動力コントロールユニットの処理内容を示すフローチャートである。 前記制駆動力コントロールユニットの走行環境判定の処理内容を示すフローチャートである。 片側3車線道路を走行している車両を示す図である。 前記片側3車線道路を車両が走行した場合に、各車線位置で車両が得る撮像画像を示す図である。 前記制駆動力コントロールユニットの逸脱傾向判定の処理内容を示すフローチャートである。 逸脱予測時間Toutの説明に使用した図である。 目標ヨーモーメントMsの算出に用いるゲインK1,K2の特性を示す特性図である。 目標制動液圧Pgfの算出に用いる換算係数Kgv,Kgxの特性を示す特性図である。 第1、第2、第4及び第5のケースのときの車両挙動の説明に使用した図である。 第3のケースのときの車両挙動の説明に使用した図である。 作用及び効果の説明に使用した図である。
符号の説明
6FL〜6RR ホイールシリンダ
7 制動流体圧制御部
8 制駆動力コントロールユニット
9 エンジン
12 駆動トルクコントロールユニット
13 撮像部
14 ナビゲーション装置
15 ACC用レーダ
17 マスタシリンダ圧センサ
18 アクセル開度センサ
19 操舵角センサ
22FL〜22RR 車輪速度センサ

Claims (6)

  1. 先行車両が横移動した場合、走行車線からの自車両の逸脱を回避する逸脱回避制御を抑制することを特徴とする車線逸脱防止装置。
  2. 先行車両の横移動を検出する先行車両横移動検出手段と、
    前記先行車両横移動検出手段が先行車両の横移動を検出した場合、走行車線からの自車両の逸脱を回避する逸脱回避制御の制御内容を変更する制御内容変更手段と、
    を備えたことを特徴とする車線逸脱防止装置。
  3. 前記制御内容変更手段は、前記逸脱回避制御をやめることを特徴とする請求項2記載の車線逸脱防止装置。
  4. 前記制御内容変更手段は、前記自車両が先行車両に追従する制御をしている場合で、かつ前記先行車両横移動検出手段が先行車両の横移動を検出した場合、前記逸脱回避制御をやめることを特徴とする請求項2又は3記載の車線逸脱防止装置。
  5. 前記先行車両横移動検出手段は、前記先行車両の横移動量を検出するものであり、
    前記制御内容変更手段は、前記先行車両横移動検出手段が検出した先行車両の横移動量が所定の横移動量より大きい場合、前記制御内容を変更することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の車線逸脱防止装置。
  6. 前記先行車両横移動検出手段は、前記先行車両の横移動速度を検出するものであり、
    前記制御内容変更手段は、前記先行車両横移動検出手段が検出した先行車両の横移動速度が所定の横移動速度より大きい場合、前記制御内容を変更することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の車線逸脱防止装置。
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