JP2005154450A - 共重合ポリエステル及び分割型ポリエステル複合繊維 - Google Patents

共重合ポリエステル及び分割型ポリエステル複合繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】分割型複合繊維用途に好適な色相の良い共重合ポリエステル、及び紡糸時の工程安定性に優れ色相のよい分割型複合繊維を提供する。
【解決手段】スルホイソフタル酸金属塩化合物、及びポリエチレングリコールが共重合されているエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルであり、(A)共重合されているスルホイソフタル酸金属塩化合物の共重合量(S)、ポリエチレングリコールの共重合量(P)、及びポリエチレングリコールの数平均分子量(W)の関係が(1)15≦S×2+P×log10W≦30,(2)3≦S≦8,(3)1≦P≦8,(4)1000≦W≦10000、を全て満足し、(B)エチレンテレフタレート系共重合ポリエステルに含有されるジエチレングリコールが1〜5重量%であり、(C)285℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が、100〜400Pa・sであり、(D)140℃、2時間熱処理後のL表色系におけるカラーb値が−2〜10である共重合ポリエステル。及び上記共重合ポリエステル成分Aとポリエステル成分Bとからなる分割型ポリエステル複合繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、複合繊維の製造に好適な共重合ポリエステル、及びその共重合ポリエステルを用いてエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが複数個に分割された繊維横断面形状を有する分割型ポリエステル複合繊維に関する。更に詳しくは、複合繊維を紡糸する際に、連続紡糸性に優れ、その後のアルカリ水溶液による減量処理により容易に加水分解される色相の良い共重合ポリエステル、並びにそれを用いた分割型ポリエステル複合繊維及び極細繊度のポリエステル繊維に関する。
従来、アルカリ易溶解性成分により、アルカリ難溶解性成分(もしくはアルカリ非溶解性成分)を複数個に分割するように繊維横断面に配置された分割型ポリエステル複合繊維は、アルカリ易溶解性成分を除去することによって、極細繊維糸条が得られること、及び該複合繊維を布帛となした後にアルカリ処理すると絹様風合を呈する布帛を得られること等が広く知られている。また、このような方法によって得られる極細ポリエステル繊維は、高融点、高強度、高ヤング率、良好な電気的特性、及び耐薬品性などの優れた特性を有していることから、絹様織編物、スポーツ衣料、若しくはその他の各種衣料用分野、又はフィルター、その他の工業用分野への展開が期待されている。
かかる分割型ポリエステル複合繊維としては、工業的な製造が容易なことから一方成分にポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、他方成分にポリエチレンテレフタレート成分とのアルカリ減量速度差が十分に大きいアルカリ易溶解性のポリエステルを用いることが望まれている。しかも複合繊維の紡糸時の断糸が少なく、工程安定性に優れていることも同時に望まれている。
この要望にこたえるために、アルカリ易溶解性のポリエステルとして、各種の第3成分を共重合したポリエステルを用いた分割型複合繊維が既に多数提案されている。例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を共重合したポリエステルを用いることが提案されている(例えば特許文献1参照。)。しかし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を共重合したポリエステルではアルカリ減量速度差が小さく、いまだ不十分であった。そこで、5−ナトリウムスルホイソフタル酸とポリオキシアルキレングリコールを共重合したポリエステルを用いることが提案されている(例えば特許文献2、3、4参照)。
この提案された技術によると、確かにアルカリ易溶解性成分のアルカリ減量速度は大幅に改善される。しかしながら、共重合するポリオキシアルキレングリコールの量が多くなりすぎると、ポリマーの耐熱性、溶融粘度が低下し、分割型複合繊維のセクションの形成性が不十分となる。そのため最終的に得られる極細繊維の品質が低下する他、アルカリ易溶解性成分の色相の悪化に起因して、得られる複合繊維の色相も悪くなる。複合繊維中のアルカリ易溶解性成分は最終的にはアルカリ減量により除去されてしまう為、複合繊維の色相はあまり大きな問題とは考えられないが、見た目に印象のよいものではない。
また、分割型複合繊維の製糸性を改良する為に、アルカリ易溶解性成分の溶融粘度を難溶解性成分の溶融粘度より低くすることが提案されている(例えば特許文献5参照)。しかしながらこの方法では、最終的に得られる極細繊維の品質が低下してしまうことが懸念される。
特開昭54−138620号公報 特開平1−162825号公報 特開平2−145812号公報 特開2000−95850号公報 特開平9−310230号公報
本発明の一の目的は上記従来技術が有していた問題点を解消し、分割型複合繊維に用いるのに好適な色相の良い共重合ポリエステル、及び紡糸時の工程安定性に優れ色相のよい分割型複合繊維を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、前記複合繊維をアルカリ水溶液で処理することによって容易に、且つ効率的に品質の良い極細繊度のポリエステル繊維を提供することにある。
本発明者らは上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一つは、スルホイソフタル酸金属塩化合物、及びポリエチレングリコールが共重合されているエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルであり、
(A)共重合されているスルホイソフタル酸金属塩化合物の共重合量(S)、ポリエチレングリコールの共重合量(P)、及びポリエチレングリコールの数平均分子量(W)の関係が下記数式(1)〜(4)をすべて満足し、
Figure 2005154450
[上記数式中、Sは共重合ポリエステル中の全ジカルボン酸成分に対する、スルホイソフタル酸金属塩化合物の含有モル%、Pは共重合ポリエステルに対するポリエチレングリコールの含有重量%、Wはポリエチレングリコールの数平均分子量を表す。]
(B)エチレンテレフタレート系共重合ポリエステルに含有されているジエチレングリコールの量が1〜5重量%の範囲にあり、
(C)285℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が、100〜400Pa・sの範囲にあり、且つ、
(D)140℃、2時間熱処理後のL表色系におけるカラーb値が−2〜10の範囲にあることを特徴とする共重合ポリエステル、更に該共重合ポリエステルを用いた分割型複合繊維によって達成される。
さらに、本発明の他の一つは、該分割型複合繊維中の共重合ポリエステル成分をアルカリ水溶液を用いて除去することによって得られる、極細ポリエステル繊維である。
本発明によれば、分割型複合繊維の製造に用いるのに好適な色相のよい共重合ポリエステル、及び紡糸時の工程安定性に優れる分割型複合繊維を提供することが出来る。また、該複合繊維にアルカリ水溶液を施すことにより、容易に且つ効率的に品質の良い極細繊度のポリエステル繊維を提供することも出来る。
以下、本発明について詳しく説明する。本発明の共重合ポリエステルはスルホイソフタル酸金属塩化合物とポリエチレングリコールが共重合されたエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルである。
ここで、該共重合ポリエステルはエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とすることが好ましい。ここで「主たる」とは全繰り返し単位のうち80モル%以上であることを表す。更に該共重合ポリエステルはスルホイソフタル酸金属塩化合物、及びポリオキシアルキレングリコール以外の成分が少量、好ましくは10モル%以下共重合されていても良い。ここで、スルホイソフタル酸金属塩化合物としては、5−リチウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、又は5−カリウムスルホイソフタル酸等を挙げることができる。
本発明の共重合ポリエステルに共重合されているスルホイソフタル酸金属塩化合物の共重合量(S)とポリエチレングリコールの共重合量(P)とポリエチレングリコールの数平均分子量(W)の関係は、下記数式(1)〜(4)をすべて満足する必要がある。
Figure 2005154450
[上記数式中、Sは共重合ポリエステル中の全ジカルボン酸成分に対する、スルホイソフタル酸金属塩化合物の含有モル%、Pは共重合ポリエステルに対するポリエチレングリコールの含有重量%、Wはポリエチレングリコールの数平均分子量を表す。]
数式(2)はスルホイソフタル酸金属塩化合物の共重合モル%に関する要件を表しているが、該共重合モル%が3モル%未満の場合は、得られる複合繊維の十分なアルカリ減量性が得られない。一方8モル%より多い場合は、溶融粘度が上昇して高重合度のポリマーが得られず、複合繊維紡糸時の断糸回数が増加し工程安定性が悪化する傾向がある他、ポリマー製造時のチップカッティング工程において、冷却水中にポリマーが溶解する懸念がある為不適当である。該共重合モル%は3.5〜7モル%の範囲が好ましく、4〜6モル%の範囲が更に好ましい。
数式(3)は共重合ポリエステルに対するポリエチレングリコールの共重合重量%に関する要件を表しているが、該共重合重量%が1重量%未満の場合は、十分なアルカリ減量速度が得られない。一方該ポリオキシアルキレングリコールの含有量が8重量%より多い場合は、耐熱性が低下して複合繊維紡糸時の断糸回数が増加し、工程安定性が悪化する傾向があるので不適当である。該共重合重量%は1.5〜7重量%の範囲が好ましく、2〜6重量%の範囲が更に好ましい。
数式(4)はポリエチレングリコールの数平均分子量に関する要件を表しているが、該数平均分子量が1000未満では、十分なアルカリ減量速度が得られず、10000を超える場合、コストが高くなる為好ましくない。該数平均分子量は1500〜8000の範囲が好ましく、2000〜6000の範囲が更に好ましい。
数式(1)は上述した共重合ポリエステル中の全ジカルボン酸成分に対する、スルホイソフタル酸金属塩化合物のモル%(S)、共重合ポリエステルに対するポリエチレングリコールの重量%(P)、ポリエチレングリコールの数平均分子量(W)の関係式に関する要件であるが、該関係式が15未満の場合、十分なアルカリ減量速度が得られず、30を超える場合は、ポリマーの耐熱性や複合繊維紡糸時の断糸が増加したり、コストが高くなるため不適当である。該関係式は16〜29の範囲が好ましく、17〜28の範囲が更に好ましい。
更に、本発明の共重合ポリエステルに含有されているジエチレングリコールの量は1〜5重量%の範囲にある必要がある。該ジエチレングリコールは通常、重合反応工程に意図的に添加するものではなく、ポリマー製造の過程で自然に発生して、ポリマーに共重合されているものである。該ジエチレングリコールの量を1重量%未満とする為には技術的に困難でコストが高くなり、5重量%を超える場合、得られるポリマーの耐熱性が低下するため好ましくない。該ジエチレングリコールの含有量は1.5〜4.5重量%の範囲が好ましく、2〜4重量%の範囲が更に好ましい。該ジエチレングリコール含有量を上述の範囲とする為には、カルボン酸アルカリ金属塩が、共重合ポリエステルを構成する全酸成分を基準として20〜500ミリモル%含有されていることが好ましい。該カルボン酸アルカリ金属塩としては、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、又は酢酸カリウムなどを挙げることができる。
本発明の共重合ポリエステルは285℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が、100〜400Pa・sの範囲にある必要がある。ここで剪断速度1000/sで測定した溶融粘度とはキャピラリーレオメーターを用いて荷重を変更して剪断速度を1000/sに設定した状態で測定した溶融粘度である。ただし、測定に際して剪断速度を1000/sに設定することは困難であることから、測定時に荷重を1000/s付近、好ましくは1000/s前後に最低2点以上設定して測定し、測定点の溶融粘度から1000/sの溶融粘度を近似してもよい。該溶融粘度が100Pa・s未満の場合、分割型複合繊維を製造する場合の難溶解性成分のセクションの形成性が不良となり、400Pa・sを超える場合は、粘度が高すぎる為成形性が不良となり好ましくない。該対数近似直線(たY軸:溶融粘度値の対数表示、X軸:剪断速度値の表示)の切片は120〜350Pa・sの範囲が好ましく、150〜300Pa・sの範囲がさらに好ましい。溶融粘度をこの範囲にするためには、ポリマーの製造工程において例えば共重合成分の組成を本願請求の範囲とし、重縮合反応時間を制御することなどによって達成できる。
本発明の共重合ポリエステルは、140℃、2時間熱処理後のL表色系におけるカラーb値が−2〜10の範囲にある必要がある。本発明の共重合ポリエステルは複合繊維となし、その後アルカリ減量によって除去された後は繊維中には残らない為、色相についてはあまり問題にならないと考えられるが、該カラーb値が−2未満の場合は、得られる複合繊維の色相が緑色となり、10を超える場合は、色相が黄色となり、いずれも見た目の印象として良いものではない。該カラーb値は−1〜9の範囲が好ましく、0〜8の範囲が更に好ましい。カラーb*値をこの範囲にするためには、ポリマーの製造工程において例えば共重合成分の組成を本願請求の範囲とし、重縮合反応温度を295℃以下、好ましくは290℃以下にすることなどによって達成できる。
本発明の共重合ポリエステルには、耐熱性を改良する為にヒンダードフェノール化合物が0.02〜3重量%含有されていることが好ましい。該ヒンダードフェノール化合物としては、具体的には、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、又はオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。またこれらヒンダードフェノール化合物とチオエーテル系二次酸化防止剤を併用して用いることも好ましく実施される。該ヒンダードフェノール化合物の共重合ポリエステルへの添加方法は特に制限はないが、好ましくはエステル交換反応、若しくはエステル化反応終了後、又は重合反応が完了するまでの間の任意の段階で添加する方法が挙げられる。
本発明の共重合ポリエステルは、チップの重量が15〜50mg/個であるポリエステルチップを、濃度3.5重量%、温度100℃の水酸化ナトリウム水溶液中で30分間接触させた際の重量減少率が50%以上95%未満にあることが好ましい。該重量減少率が50%未満であると、複合繊維となした後のアルカリ減量処理において、減量処理に時間がかかり、また95%以上であると、チップや複合繊維が融着しやすくなる為、好ましくない。該重量減少率は55〜90%の範囲が更に好ましい。重量減少率をこの範囲にするためには、ポリマーの製造工程において例えば共重合成分の組成を本願請求の範囲とすることなどによって達成できる。またチップの重量が上記の範囲から外れると、溶融混連する際に機械へのかみ込みが悪くなり適切でないことがある。チップの重量は好ましくは20〜45mg/個、より好ましくは25〜40mg/個である。
ここで、該共重合ポリエステルからなるチップの大きさ、形状には特に限定はないが、通常、ポリエステル繊維生産時に使用するポリマー溶融設備での使用に値する程度の大きさであることが好ましい。具体的な形状は球状、円筒状、直方体状などが挙げられ、特に限定は無いが、なるべくチップどうしの形状が揃っている方が好ましい。
本発明に用いる共重合ポリエステル成分A及びポリエステル成分Bの製造方法については特に限定はなく、テレフタル酸をグリコール成分と直接エステル化反応させた後、重合させる方法、又はテレフタル酸のエステル形成性誘導体をグリコール成分とエステル交換反応させた後、重合させる方法のいずれを採用しても良い。ここでエステル形成性誘導体とは具体的には酸ハライド、低級脂肪族エステル、低級芳香族エステル等を表す。
しかしながら、共重合ポリエステル成分Aの製造については、芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体を原料とし、エステル交換反応を経由する製造方法とすることが好ましい。前述した通り、共重合ポリエステル成分Aにはスルホイソフタル酸金属塩化合物を共重合させる必要があるが、該スルホイソフタル酸金属塩化合物はエステル交換反応に優位なスルホイソフタル酸金属塩化合物のジメチルエステルが比較的安価に入手できる為、コスト的に優位である。また必要に応じて重合触媒を用いてもよい。
本発明における共重合ポリエステルA及びポリエステル成分Bの重合触媒としては特に限定はなく、一般的なポリエステル製造触媒として用いられている、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、又はチタン化合物などが挙げられ、三酸化二アンチモン、二酸化ゲルマニウム、又はテトラアルコキシチタネートなどが好ましく例示される。
本発明に用いられる共重合ポリエステル成分A及びポリエステル成分Bには、必要に応じて少量の添加剤、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、固相重合促進剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤、又は艶消剤等を含んでいてもよく、特にポリエステル成分Bには、艶消剤として酸化チタンなどが好ましく添加される。
本発明の分割型ポリエステル複合繊維は、上述した共重合ポリエステル成分Aとエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル成分Bとからなる複合繊維であって、該ポリエステル成分Bが、該共重合ポリエステル成分Aにより複数個に分割された繊維横断面形状を有する複合繊維である。
本発明において、ポリエステル成分Bは、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルであるが、該ポリエステル成分Bは、エチレンテレフタレート単位を構成する成分以外の第3成分を共重合した、共重合ポリエステルであってもよい。ここで「主たる」とは全繰り返し単位のうち80モル%以上であることを表す。上記第3成分(共重合成分)は、ジカルボン酸成分またはグリコール成分のいずれでもよい。第3成分として好ましく用いられる成分としては、ジカルボン酸成分として、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、若しくはフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、若しくはデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、又はシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。グリコール成分としてはトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、又は2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン等が例示され、これらは単独又は二種以上を使用することができる。
本発明の複合繊維は、用いる共重合ポリエステルAとポリエステル成分Bの285℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が下記数式(5)を満足することが好ましい。
Figure 2005154450
[上記数式中、A,Bはそれぞれ共重合ポリエステル成分Aおよびポリエステル成分Bの溶融粘度を表す。]
ここで数式(5)のA/Bが0.9未満の場合、複合繊維におけるポリエステルBのセクション形成性が不良となり、2.0を超える場合は溶融粘度が高すぎて、複合繊維を紡糸する際の成形性が低下する為好ましくない。A/Bは1.0〜1.8の範囲が更に好ましい。この数式を満たすためにはそれぞれのポリエステルの製造工程において、共重合成分の組成、重合時間を適時調節することにより実現できる。尚、共重合ポリエステル成分A、及びポリエステル成分Bの溶融粘度を上記数式(5)の範囲として複合繊維を製造する為には、共重合ポリエステル成分A中、及びポリエステル成分B中に含有される水分率を極力少なく、具体的には双方とも100重量ppm以下にまで乾燥させてから使用することが好ましい。特に共重合ポリエステル成分Aは吸水性が高い為、注意が必要である。
本発明における共重合ポリエステル成分A及びBの固有粘度については特に限定はないが、ポリエステル成分Bについては0.5〜0.8の範囲にあることが好ましい。該ポリエステル成分Bの固有粘度が0.5未満の場合、最終的に得られる極細繊維の強度が低下し好ましくない。
以上に説明した本発明の分割型ポリエステル複合繊維を製造するには、従来公知の複合紡糸口金及び複合紡糸装置を用い、任意の製糸条件を何らの支障なく採用することができる。例えば500〜2500m/分の速度で溶融紡糸し、延伸、熱処理する方法、1500〜5000m/分の速度で溶融紡糸し、延伸と仮撚加工とを同時に若しくは続いて行う方法、又は5000m/分以上の高速で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方法等において任意の製糸条件を採用することができる。また得られた繊維又はこの繊維から製造された織編物を100℃以上の温度で熱処理して構造の安定性を向上させても良いし、さらに必要に応じて弛緩熱処理などを併用してもよい。
繊維横断面において、共重合ポリエステル成分Aとポリエステル成分Bとの具体的な複合形状及び夫々の成分の断面形状は、共重合ポリエステル成分Aによりポリエステル成分Bが複数個に分割された形状を示すものであれば任意であり、そのいくつかの例を図1(a)〜(i)に示す。
図1において、Aは共重合ポリエステル組成物(共重合ポリエステル成分A)であり、Bはポリエステル(ポリエステル成分B)である。図中(a)〜(c)は、ポリエステル成分Bが共重合ポリエステル成分Aにより16に分割されている分割型複合繊維の横断面形状を示した模式図である。また図中(d)は、共重合ポリエステル成分Aを海、ポリエステル成分Bを島とした海島型の分割型複合繊維の横断面形状を示した模式図であり、ポリエステル成分Bが共重合ポリエステル成分Aにより26に分割されている。さらに、図中(e)、(f)は、偏平断面形状の分割型複合繊維の横断面形状を示した模式図であり、最後に図中(g)〜(i)は、それぞれ(a)〜(c)の繊維に対し、さらに外周部を共重合ポリエステル成分Aで被覆したものである。
上記分割型複合繊維は、布帛になした後、アルカリ水溶液の処理によって共重合ポリエステル成分Aのみを除去することにより、極細繊維となすことができる。極細繊維となすのと同時に繊維間に空間を持たせることができるので、嵩高でソフトな風合を呈する布帛を得るのに適している。ここでアルカリ水溶液の処理を行うには特に限定はないが、例えば濃度10〜100g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を60℃以上に保ち、この溶液中に布帛を浸す方法が通常行われる。処理時間は共重合ポリエステル成分Aを除去するのに適切な時間であり、通常0.5〜30時間である。この処理は連続式で行っても、バッチ式で行ってもなんら問題はない。この処理の終了後、洗浄・乾燥処理などを行い、上述のような極細繊維を得ることができる。この本発明の極細繊維は実質的にポリエステル成分のみからなる一つの構成単位(単糸)を0.001〜0.3dtexとするのが好ましく、且つ該構成単位の数を16以上、特に24以上とする時、得られる効果(嵩高でソフトな風合を呈すること)が顕著となり好ましい。
共重合ポリエステル成分Aとポリエステル成分Bとの分割型ポリエステル複合繊維における複合比率は、アルカリ処理による分割の容易性と複合繊維の繊維物性とを両立させるという観点から、(成分A:成分B)は重量比で(80:20)〜(2:98)の範囲とすることが好ましく、(60:40)〜(5:95)の範囲とすることがさらに好ましい。
以下、本発明を下記実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものでは無い。尚、実施例中の各値は、以下の方法に従って求めた。
1)固有粘度:
ポリエステルポリマーの固有粘度は、オルソクロロフェノール溶液で、35℃において測定した粘度の値から求めた。
2)ジエチレングリコール含有量:
抱水ヒドラジン(ヒドラジンヒドラート)を用いてサンプルを分解し、分解物をガスクロマトグラフィー(HEWLETT PACKARD社製、HP6890 Series GC System)を用いてジエチレングリコール量を定量し、測定したポリエステルポリマーの重量を基準とした時の重量百分率を求めた。
3)ポリマー色相(カラーL値及びカラーb値):
ポリマーチップを140℃、2時間乾燥し結晶化処理後、日本電色工業株式会社製測色色差計Z−1001DPを用いて測定した。L値は明度を示し、その数値が大きいほど明度が高いことを示し、b値はその値が大きいほど黄色味の度合いが大きいことを示す。他の詳細な測定手法はJIS Z−8729に従って行った。
4)ポリエステルの溶融粘度:
ポリマーチップを140℃、6時間乾燥後、株式会社島津製作所製フローテスター CAPILLARY RHEOMETERを用いて、JIS K7199に準じて、ポリマー溶融温度を285℃に設定し、荷重を剪断速度が1000/s付近となるように設定して、最低2点以上の溶融粘度を測定し、剪断速度が1000/sの時の溶融粘度(Pa・s)を算出した。
5)共重合ポリエステル成分A中のスルホイソフタル酸金属塩化合物の含有量:
ポリマーサンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平坦面を有する試験成形体を作成し、蛍光X線装置(理学電機工業株式会社製3270E型)を用いて硫黄元素の含有量を測定して、全酸成分に対する共重合モル%を求めた。
6)共重合ポリエステル成分A中のポリエチレングリコールの含有量:
ポリマーサンプルを重水素化トリフルオロ酢酸/重水素化クロロホルム=1/1混合溶媒に溶解後、日本電子(株)製JEOL A−600 超伝導FT−NMRを用いて核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)を測定して、そのスペクトルパターンから常法に従って、ポリエチレングリコール成分含有量を定量した。
7)共重合ポリエステル成分A中のポリエチレングリコールの数平均分子量:
サンプルを過剰量のメタノールとともに封管し、オートクレーブ中260℃、4時間メタノール分解し、分解物をクロロホルムで10倍に希釈後、昭和電工(株)製Shodex GPC−101を用いて、展開溶剤にクロロホルムを使用し、分子量測定を行って、得られた分子量分布曲線から数平均分子量を算出し、有効数字1桁で記した。
8)チップ重量:
チップ100個を化学天秤を用いて秤量し、1個あたりの重量を記した。
9)チップのアルカリ減量率:
チップ5gを秤量し、100℃、35g/Lの水酸化ナトリウム水溶液100mlに30分間接触させた後、チップを再び秤量して、その重量減少率を百分率で示した。
10)紡糸性:
複合繊維を24時間紡糸し、断糸回数が0〜1回のものを○、2〜4回のものを△、5回以上のものを×とした。
11)複合繊維の色相:
得られた複合繊維を定法に従い平織物を作成し、その平織物を4枚重ね合わせ、ミノルタ株式会社製ハンター型色差計「CR−200」を用いて測定した。カラーb値が7未満のものを○、7以上、10未満ものを△、10以上のものを×とした。
12)複合繊維の減量性:
複合繊維の平織物を温度80℃の水酸化ナトリウム水溶液(濃度35g/L)中で、30分間アルカリ減量処理を行い、共重合ポリエステル成分Aがすべて減量されたもの、すなわち、アルカリ減量率が50%に達したものを○、アルカリ減量率が40%以上50%未満のものを△、40%に達しなかったものを×とした。
13)複合繊維横断面形状:
延伸された複合繊維を剃刀でカットし、日立(株)製走査型電子顕微鏡S−3500を用いて繊維断面観察を行った。島成分となるポリエステル成分Bが共重合ポリエステル成分Aで完全に分割されているものを○、分割されているはずのポリエステル成分Bの一部が接触し、完全に分割されていないものを×とした。
[実施例1]
共重合ポリエステル成分A用のポリマーの製造:
テレフタル酸ジメチル100部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル9.2部、エチレングリコール65部との混合物に、酢酸マンガン、0.032部、酢酸ナトリウム0.11部を撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込んだ。反応器内温を140℃から徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながら、240℃まで昇温してエステル交換反応を行った。次いでリン酸トリメチル0.02部を添加し、エステル交換反応を終了させた後、得られた反応生成物に数平均分子量4000のポリエチレングリコール3.1部、ヒンダードフェノール化合物(住友化学工業株式会社製、「スミライザー」GA−80)0.30部、三酸化二アンチモン0.03部を添加した。次に撹拌機及びグリコール留出コンデンサーを設けた別の反応器に移し、240℃から285℃に徐々に昇温すると共に、70Pa以下の高真空に圧力を下げながら重合反応を行った。反応系の溶融粘度をトレースしつつ、固有粘度が0.47となる時点で重合反応を打ち切った。溶融ポリマーを反応器底部よりストランド状に冷却水中に押し出し、ストランドカッターを用いて切断してチップ化した。結果を表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1〜3]
共重合ポリエステル成分A用のポリマーの製造:
実施例1において、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルの添加量、ポリエチレングリコールの添加量、及びポリエチレングリコールの数平均分子量を表1に示す量に変更したこと以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
[参考例]
ポリエステル成分B用のポリマーの製造:
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール70重量部との混合物に、酢酸マンガン四水和物0.032重量部を撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込んだ。反応器内温を140℃から240℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行った。その後、リン酸トリメチル0.020重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。
次いで得られた反応生成物に、三酸化二アンチモン0.040部、酸化チタン20重量%のエチレングリコールスラリー1.5部を添加後、撹拌装置、窒素導入口、減圧口、蒸留装置を備えた反応容器に移した。内温を240℃から285℃に徐々に昇温すると共に、70Pa以下の高真空に圧力を下げながら重合反応を行った。反応系の溶融粘度をトレースしつつ、固有粘度が0.63となる時点で重合反応を打ち切った。
溶融ポリマーを反応器底部よりストランド状に冷却水中に押し出し、ストランドカッターを用いて切断してチップ化した。結果を表1に示す。
[比較参考例]
参考例で得られたチップをタンブラー型固相重合装置に仕込み、窒素雰囲気下中、220℃に昇温させた後、70Paの高真空下で固有粘度が0.91となるまで固相重合反応させて、ポリエステルチップを得た。
Figure 2005154450
[実施例5〜9、比較例4〜6]
共重合ポリエステル成分Aとして実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたポリマーを用い、ポリマー成分Bとして参考例及び比較参考例で得られたポリマーを用い、表2に示すように、図1の(d)に示す型の口金を使用し、共重合ポリエステル成分Aとポリエステル成分Bの複合比を50/50として、複合紡糸口金から島成分及び海成分を同時紡糸し、海島型複合未延伸糸を得た。その際の紡糸温度は290℃、紡糸速度は3000m/分で、総繊度は83dtex、フィラメント数は20本、1フィラメント中の島数は26、島成分の重量割合は50%(島成分の単繊度は0.08dtex)、海成分50%となるようにして未延伸糸を得た。この複合未延伸糸を、加熱プレート温度は200℃、延伸倍率1.15倍で延伸糸を得た。その結果いずれの繊維もポリエステルB成分が、共重合ポリエステル成分Aにより複数個に分割された繊維横断面形状を有していることが確認できた。しかし条件によってはおのおのの島成分が完全に分割されていない延伸糸もあった。次いで、得られた複合繊維を定法に従い平織物とし、温度80℃の水酸化ナトリウム水溶液(濃度35g/リットル)中で、30分間アルカリ減量処理を行い、極細繊維の織物を得た。結果を表2に示す。
Figure 2005154450
表1、2からも明らかなように、本発明の特許請求の範囲にあるものは複合繊維となした際に、紡糸性、色相、アルカリ減量性のすべてについて、許容レベル以上の特性を示した。しかし、本発明の特許請求の範囲を外れる場合(比較例4〜6)は、複合繊維の紡糸性、色相、アルカリ減量性のいずれか1つ以上が不良であった。また本発明の請求項2を満たす共重合ポリエステルを用いたもの(実施例5〜7)は複合繊維の紡糸性、色相、アルカリ減量性のすべてについて良好な特性を示した。更に、本発明の請求項4までを満たすもの(実施例5〜7)は、複合繊維の横断面形状についても良好なものであった。
本発明によれば、分割型複合繊維の製造に用いるのに好適な色相のよい共重合ポリエステルが提供できる。この共重合ポリエステルは色相が良好であり、ポリエチレンテレフタレートを主とするポリエステルと複合紡糸する際に、良好な溶融粘度を示す。ゆえにこの共重合ポリエステルを用いると、複合紡糸時の工程安定性に優れた分割型複合繊維を得ることが出来る。また、得られた複合繊維にアルカリ水溶液を処理し、減量することにより、容易に且つ効率的に品質の良い極細繊度のポリエステル繊維を提供することが出来る。ゆえに本発明の分割型複合繊維は、布帛になした後、アルカリ処理によって極細繊維となすことができるとともに繊維間に空間を持たせることができるので、嵩高でソフトな風合を呈する布帛を得るのに適しており、工業的意義は大きい。
本発明の分割型ポリエステル複合繊維の拡大繊維横断面図の例を示す。
符号の説明
A 共重合ポリエステル成分A
B ポリエステル成分B

Claims (5)

  1. スルホイソフタル酸金属塩化合物、及びポリエチレングリコールが共重合されているエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルであり、
    (A)共重合されているスルホイソフタル酸金属塩化合物の共重合量(S)、ポリエチレングリコールの共重合量(P)、及びポリエチレングリコールの数平均分子量(W)の関係が下記数式(1)〜(4)をすべて満足し、
    Figure 2005154450
    [上記数式中、Sは共重合ポリエステル中の全ジカルボン酸成分に対する、スルホイソフタル酸金属塩化合物の含有モル%、Pは共重合ポリエステルに対するポリエチレングリコールの含有重量%、Wはポリエチレングリコールの数平均分子量を表す。]
    (B)エチレンテレフタレート系共重合ポリエステルに含有されているジエチレングリコールの量が1〜5重量%の範囲にあり、
    (C)285℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が、100〜400Pa・sの範囲にあり、且つ、
    (D)140℃、2時間熱処理後のL表色系におけるカラーb値が−2〜10の範囲にある、
    ことを特徴とする共重合ポリエステル。
  2. 重量が15〜50mg/個であるチップを、濃度3.5重量%、温度100℃の水酸化ナトリウム水溶液に30分間接触させた際の重量減少率が50%以上95%未満である請求項1記載の共重合ポリエステル。
  3. 請求項1または2記載の共重合ポリエステル成分Aとエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル成分Bとからなる複合繊維であって、該ポリエステル成分Bが、該共重合ポリエステル成分Aにより複数個に分割された繊維横断面形状を有している分割型ポリエステル複合繊維。
  4. 285℃、剪断速度1000/sで測定した、共重合ポリエステル成分Aの溶融粘度と、ポリエステル成分Bの溶融粘度の関係が、下記数式(5)を満足する請求項3記載の複合繊維。
    Figure 2005154450
    [上記数式中、A,Bはそれぞれ共重合ポリエステル成分Aおよびポリエステル成分Bの溶融粘度を表す。]
  5. 請求項3または4記載の複合繊維中の共重合ポリエステル成分Aをアルカリ水溶液を用いて除去することによって得られる極細ポリエステル繊維。
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