JP2005144527A - レーザ加工物の製造方法およびレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工物の製造方法およびレーザ加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡素な工程および装置構成により、レーザ光の干渉縞による影響を低減することができるレーザ加工物の製造方法およびレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】 載置台40に支持されたTFT基板11に対して、局所加工部50の窓51を介してレーザ光LBを照射し、配線パターン12の短絡部12Aを修正する。載置台40によりTFT基板11をスリット30および対物レンズ31に対して移動させながらレーザ光LBを照射する。TFT基板11上で干渉縞を移動させ、照射強度のむらを解消して、膜残りの発生しない均一な加工を行うことができる。TFT基板11を、レーザ光LBにより発生する干渉縞の配列方向に移動させることが好ましい。また、TFT基板11を干渉縞のピッチの2分の1の距離ずつ移動させる毎にレーザ光LBを照射することが好ましい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、薄膜が形成された基板に対してレーザ光を照射することにより配線修正などを行うレーザ加工物の製造方法およびレーザ加工装置に関する。
従来より、基板上に形成された配線などの薄膜のパターニング方法の一つとして、レーザ光の照射により薄膜を選択的に除去するレーザ加工法が知られている。レーザ加工法は、半導体製造において、または液晶あるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造において、フォトマスクの欠陥修正、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)基板の配線修正などに用いられている。
レーザ加工法では、例えば、ナノ秒オーダーのパルスレーザ光を、スリット等の光学部材により所定の断面形状に成形したのち、基板上の薄膜に照射し、不要な部分を除去するようにしている。このような従来のレーザ加工法では、レーザ光がスリットを透過する際に回折が生じるので、レーザ光の結像位置において干渉が引き起こされ、薄膜上に干渉縞が発生する。この干渉縞は、配線の短絡箇所を切断する場合に膜残りを生じさせるため、完全に短絡箇所を切断することができなくなってしまう。
このような干渉縞による影響を低減するため、例えば、集光点よりも前後の位置で加工するという方法が考えられる。しかし、この方法では、焦点が合っていないため加工精度が低下し、また、加工再現性が得られないという問題があった。更に、集光点をずらすだけでは干渉縞を低減するには不十分であった。
また、特許文献1では、スリットを透過したレーザ光に含まれる回折光のうち高次の回折光を除去する高次回折除去機構を設けることが提案されている。
特開2001−18085号公報
しかしながら、特許文献1の高次回折除去機構では、低次回折を除去することができないため、完全に干渉縞を除去することは難しいという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素な工程および装置構成により、レーザ光の干渉縞による影響を低減することができるレーザ加工物の製造方法およびレーザ加工装置を提供することにある。
本発明によるレーザ加工物の製造方法は、薄膜が形成された基板に対して光学部材を介してレーザ光を照射することにより薄膜を加工するものであって、基板と光学部材との相対位置を移動させながらレーザ光を照射するものである。このとき、基板を、レーザ光により発生する干渉縞の配列方向に移動させることが好ましい。また、基板をレーザ光により発生する干渉縞のピッチの2分の1の距離移動させる毎にレーザ光を照射することが好ましい。
本発明によるレーザ加工装置は、レーザ光を発生するレーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光が出射される側に配置された光学部材と、薄膜が形成された基板を支持すると共に基板を光学部材に対して相対的に移動させる載置台と、レーザ光を透過させるための窓を有し、載置台上の基板の表面に対して相対的に変位可能な局所加工部とを備えたものである。載置台は、基板を、レーザ光により発生する干渉縞の配列方向に移動させることが好ましい。
本発明によるレーザ加工物の製造方法、または本発明によるレーザ加工装置では、光学部材と基板との相対位置が移動するのに伴って、レーザ光の回折などによる干渉縞も基板上で移動し、照射強度のむらが解消される。よって、レーザ光による薄膜の加工が均一に行われる。
本発明のレーザ加工物の製造方法、または本発明のレーザ加工装置によれば、光学部材と基板との相対位置を移動させながらレーザ光を照射するようにしたので、照射強度のむらを解消し、薄膜の加工を均一に行うことができる。よって、干渉縞による悪影響を防止して高品質のレーザ加工物を製造することができる。また、集光点の調整などの複雑な制御は不要であり、簡単な工程で生産性を高めることができる。更に、回折光除去フィルタなどを必要とせず、装置の構成も簡素であり、生産コストの低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置により製造されるレーザ加工物の断面構造を表すものである。このレーザ加工物10は、例えば、液晶あるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどのディスプレイパネルとして用いられるものであり、例えばガラスよりなるTFT基板11の表面に、例えば厚みが500nmのモリブデン(Mo)よりなる薄膜の配線パターン12が形成されている。
図2は、図1に示したレーザ加工物10を製造するレーザ加工装置の断面構成を表している。このレーザ加工装置は、例えば、配線パターン12に生じた短絡部12Aを切断して修正するものであり、レーザ光LBを発生するレーザ光源20と、スリット30と、TFT基板11を支持する載置台40と、載置台40上のTFT基板11の表面に対して相対的に変位可能な局所加工部50とを備えている。また、このレーザ加工装置には、圧縮ガスGにより局所加工部50をTFT基板11に対して浮上させる浮上機構60が設けられている。
レーザ光源20は、例えば、パルスレーザ素子が好ましい。1ショットのエネルギーを大きくすることができるからである。この場合、レーザ光LBのパルス幅はナノ秒オーダー以下であることが好ましい。TFT基板11に対する残留熱の影響を小さくすることができるからである。レーザ光LBの波長は例えば532nmである。
スリット30は、レーザ光LBの断面形状を所望の寸法形状に成形するための光学部材であり、レーザ光源20からのレーザ光LBが出射される側に配置されている。スリット30は、レーザ光透過用の開口30Aを有している。開口30Aの寸法形状は、TFT基板11表面におけるレーザ光LBの断面形状、すなわち加工サイズが例えば10μm□となるように設定されている。
また、スリット30と載置台40上のTFT基板11との間には、例えば、スリット30を透過したレーザ光LBを集光するための光学部材として、対物レンズ31が配置されている。この対物レンズ31は、短絡部12Aの修正状況を観察するための観察部を構成している。なお、レーザ光源20の設置位置およびレーザ光LBの進行経路によっては、レーザ光LBの方向を変更するための光学部材として、ミラー(図示せず)などが配置されていてもよい。
載置台40は、例えばX−Yステージにより構成され、図示しないステッピングモータによりTFT基板11を局所加工部50に対して相対的に移動させ、TFT基板11上に点在する短絡部12Aにレーザ光LBを照射させることができるようになっている。なお、載置台40には、TFT基板11の載置、交換などの際に局所加工部50を待避させるための図示しない待避部が設けられている。
更に、載置台40は、TFT基板11上の特定の短絡部12Aに局所加工部50を対向させた状態で、図示しないステッピングモータによりTFT基板11をスリット30および対物レンズ31に対して微細に移動させることができる。これにより、このレーザ加工装置では、レーザ光LBがスリット30で回折することにより生じる干渉縞をTFT基板11上において微細に移動させて、照射強度のむらを解消することができるようになっている。載置台40は1μm以下の移動精度を有するものであることが好ましい。干渉縞は通常数μm程度のピッチで発生するので、載置台40も例えば1μmないし2μmずつ移動可能なものである必要があるからである。
局所加工部50は、略円板状の形状を有し、その中央に窓51およびレーザ照射室52が設けられている。窓51は、レーザ光LBを透過させるためのものであり、例えば、レーザ光LBに対して透過性を有するガラスなどの透明材料により構成されている。レーザ照射室52は、窓51により塞がれると共にTFT基板11側が開放されている。
浮上機構60は、例えば窒素(N2 )などの圧縮ガスGにより局所加工部50をTFT基板11に対して浮上させるものである。また、浮上機構60は、圧縮ガスGにより反応室52への外気の侵入を遮断するガスカーテン機構としての機能も有しており、窓51と共にレーザ照射室52を密閉し、TFT基板11上におけるレーザ光LBの照射位置を外気から遮断するようになっている。
浮上機構60は、局所加工部50の載置台40側の面に、圧縮ガスGを載置台40上のTFT基板11に向けて吹き出す通気部61と、レーザ照射室42方向へ向かって流れてくる圧縮ガスGを吸引する圧縮ガス吸引口62とを備えている。通気部61には、圧縮ガスGを吹き出すため、図示しないが多数の空孔が設けられている。通気部61は、圧縮ガスGを均一に放出するため例えば多孔質材料により構成されていることが好ましい。多孔質材料としては、例えば多孔質金属、多孔質セラミックスあるいは多孔質合成樹脂が好ましく、中でも多孔質アルミニウム(Al)がより好ましい。
また、浮上機構60は、圧縮ガスGを供給する圧縮ガス供給部63と、圧縮ガスGを局所加工部50へと導く圧縮ガス供給路64と、圧縮ガス吸引口62から吸引された圧縮ガスGを排気処理する圧縮ガス排気部65とを備えている。
このような浮上機構60は、TFT基板11の反りあるいはうねりに追随して局所加工部50を一定の浮上量Dで浮上させることができるので好ましく、大面積のTFT基板11にも適用可能である。例えば、浮上量Dが10μmの場合、10kgの荷重をかけても局所加工部40がTFT基板11に接することはない。また、局所加工部40をTFT基板11に対して相対移動させても浮上量Dはまったく変動しない。ここで、局所加工部50の浮上量Dとは、局所加工部50とTFT基板11との間隔をいう。
浮上機構60は、更に、圧縮ガス吸引口62と圧縮ガス排気部65との間に弁65Aを備えており、この弁65Aにより圧縮ガスGの圧力または流量と圧縮ガス吸引口62からの吸引量とを調整し、局所加工部50の浮上量Dを制御することができるようになっている。
図3は、局所加工部50を載置台40側から見た底面図である。なお、図3では、局所加工部50および通気部61の識別を容易とするために、それらに図2と同一の斜線をそれぞれ付している。圧縮ガス吸引口62および通気部61は、窓51に近い方からこの順に、窓51を中心とした同心環状に配置されている。
次に、このレーザ加工装置の動作および図1に示したレーザ加工物の製造方法について図2および図4ないし図8を参照して説明する。
まず、配線パターン12が形成されたTFT基板11を載置台40に載置し、局所加工部50の下方に移動させる。このとき、局所加工部50を予め浮上させておくことが好ましい。局所加工部50がTFT基板11に接触して損傷を与えることを防止することができるからである。局所加工部50を浮上させるには、例えば、圧縮ガス供給部63から圧縮ガスGとして例えば圧力0.2MPaの圧縮窒素を供給し、この圧縮ガスGを通気部61を介してTFT基板11に向けて吹き出させる。
続いて、圧縮ガス排気部65により排気を開始し、弁65Aにより圧縮ガスGの圧力または流量を制御して、局所加工部50の浮上量Dを例えば10μmとする。このとき、局所加工部50の浮上量Dを、例えば10μm程度となるべく小さくすることが好ましい。局所加工部50とTFT基板11との間にバネ定数の極めて大きなバネを形成し、局所加工部50の浮上量Dの変動を抑えて浮上の剛性を高めることができるからである。
そののち、窓51を通して配線パターン12を観察しながら載置台40を操作することにより、修正したい短絡部12Aが局所加工部50の下方になるようにTFT基板11を移動させる。
修正したい短絡部12Aを局所加工部50の窓51に合わせたのち、短絡部12Aにレーザ光LBを照射し、短絡部12Aの金属膜を除去して短絡部12Aを切断し、修正する。レーザ光LBの照射条件は、例えば、加工サイズを10μm□とし、波長532nmのパルスレーザ光、照射回数10回、繰り返し周波数10Hzとすることができる。
このとき、例えば従来のようにTFT基板11を固定してレーザ光LBを照射した場合には、スリット30を透過したレーザ光LBの干渉により、図4に示したように、例えば10μm□の照射領域13内に、ピッチPが例えば2.5μmの干渉縞14が二次元方向に発生する。この干渉縞14は、パルスレーザ光が照射されるたびに同一位置に同一ピッチPで発生する。その結果、レーザ光LBの照射が完了した後の短絡部12Aには、図5に示したように、例えば最も厚い部分の厚みが200nmの膜残り15が生じてしまい、短絡部12Aが完全に切断されなくなる。
このような干渉縞14の影響を防止するために、本実施の形態では、載置台40によりTFT基板11をスリット30および対物レンズ31に対して移動させながらレーザ光LBを照射するようにしている。これにより、TFT基板11上で干渉縞14を移動させることができ、照射強度のむらを解消して、膜残り15の発生しない均一な加工を行うことができる。
このとき、TFT基板11を、レーザ光LBにより発生する干渉縞14の配列方向に移動させることが好ましい。干渉縞14の影響を確実に解消することができるからである。本実施の形態では、干渉縞14は二次元方向に配列されているので、TFT基板11も干渉縞14の配列方向に沿って二次元方向に移動させる。
また、TFT基板11を干渉縞14のピッチPの2分の1の距離ずつ移動させる毎にレーザ光LBを照射することが好ましい。干渉縞14の影響を確実に解消することができるからである。本実施の形態では、干渉縞14は2.5μmのピッチPで発生しているので、TFT基板11を1.25μm移動させる毎にレーザ光LBを照射する。
ここで、TFT基板11を1.25μm移動させたら停止させてレーザ光LBを照射し、再びTFT基板11を1.25μm移動させたら停止させてレーザ光LBを照射するということを繰り返し行うようにすることも可能であるが、TFT基板11を一定の速度および一定の軌道で移動させながら、レーザ光LBとしてパルスレーザ光を照射することが好ましい。一定の時間間隔で、かつ、一定の軌道上に正確な位置関係でレーザ光LBを照射することができ、照射回数を設定して照射を開始させるだけでよく、工程が簡単になると共にタクトタイムの短縮も可能になるからである。なお、TFT基板11の移動速度は、特に限定されないが、例えば、繰り返し周波数10Hzのパルスレーザを用いた場合、12.5μm/secとする。
二次元方向の軌道の最も単純な例としては、図6に示したように、初期位置としての第1照射点16A、ここからX方向に1.25μmずれた第2照射点16B、および第1照射点16AからY方向に1.25μmずれた第3照射点16Cの、少なくとも三つの照射点を通るものが挙げられる。この場合、膜残り15のほとんどをなくすことができる。
更に、照射点の数および位置を適切に調整することにより、干渉縞14の影響をより確実に排除することができる。例えば、好ましい軌道の一例としては、図7に示したように、初期位置としての第1照射点17A、この第1照射点17AからX方向またはY方向に1.25μmずつ離れた四つの照射点17B、およびこれらの四つの照射点17Bを含む一辺2.5μmの正方形の頂点に位置する四つの照射点17Cの、合計九つの照射点を通るものが挙げられる。この場合、照射強度のむらを完全に解消し、図8に示したように、膜残り15がまったく生じない高品質な加工を行うことができる。
なお、図6および図7では、照射領域13の中央位置を第1照射点16A,17Aとし、この第1照射点16A,17Aでレーザ光LBを照射した場合に発生する干渉縞14を点線で表している。レーザ光LBの照射回数は、照射点の数およびレーザ光のパワーに応じて、各照射点に適切な回数ずつレーザ光LBが照射されるように設定することが好ましい。
以上の工程を繰り返すことにより、配線パターン12の短絡部12Aが順次切断されて修正され、図1に示したレーザ加工物10が完成する。ここでは、載置台40によりTFT基板11がスリット30および対物レンズ31に対して移動しており、移動しているTFT基板11に対してレーザ光LBが照射されるので、干渉縞14もTFT基板11上において移動し、照射強度のむらが解消される。よって、膜残り15が発生せず、レーザ光LBによるTFT基板11の加工が均一に行われる。
このように本実施の形態では、載置台40によりTFT基板11をスリット30および対物レンズ31に対して移動させながらレーザ光LBを照射するようにしたので、照射強度のむらを解消し、TFT基板11の加工を均一に行うことができる。よって、干渉縞14による悪影響を防止して高品質のレーザ加工物10を製造することができる。また、集光点の調整などの複雑な制御は不要であり、簡単な工程で生産性を高めることができる。更に、回折光除去フィルタなどを必要とせず、装置の構成も簡素であり、生産コストの低減を図ることができる。
特に、TFT基板11を、レーザ光LBにより発生する干渉縞14の配列方向に移動させるようにすれば、または、TFT基板11を干渉縞14のピッチPの2分の1の距離ずつ移動させる毎にレーザ光LBを照射するようにすれば、干渉縞14の影響を確実に解消することができる。
加えて、特に、レーザ光LBとして、パルスレーザ光を用いるようにすれば、一定の時間間隔で正確にレーザ光LBを照射することができるので、TFT基板11を一定の移動速度で移動させておいて照射回数を設定して照射を開始させるだけでよく、工程が簡単になる。
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例)
上記実施の形態と同様にして、TFT基板11上の配線パターン12の短絡部12Aを修正し、レーザ加工物10を作製した。その際、TFT基板11を12.5μm/secの速度で図7に示したように移動させながらレーザ光LBを照射した。レーザ光LBの照射条件は、加工サイズを10μm□とし、波長532nmのパルスレーザ光、照射回数10回、繰り返し周波数10Hzとした。得られたレーザ加工物10について、光学顕微鏡により短絡部12Aを観察した。その結果を図9に示す。
(比較例)
TFT基板11を固定してレーザ光LBを照射したことを除き、上記実施例と同様にしてレーザ加工物を作製した。得られたレーザ加工物について、上記実施例と同様にして短絡部を観察した。その結果を図10に示す。
図9から分かるように、実施例によれば、加工後の短絡部12Aには膜残り15が全く生じておらず、干渉縞14は完全に解消されていた。これに対して、比較例では、干渉縞の影響により、9ヶ所に白い膜残りが認められた。すなわち、載置台40によりTFT基板11をスリット30および対物レンズ31に対して移動させながらレーザ光LBを照射するようにすれば、照射強度のむらを解消し、膜残り15の発生を防止して配線パターン12の加工を均一に行うことができることが分かった。なお、図9の右下の溶融痕のようなものは、照射回数を10回としたために最後の照射位置が最初の照射位置と重なって生じたものと考えられ、本発明による干渉縞14の解消という効果を左右するものではない。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、スリット30を透過したレーザ光LBの回折により、干渉縞14が二次元方向に発生する場合について説明したが、干渉縞14の形状や配列方向は発生原因により異なっており、それに応じて、TFT基板11の軌道または照射点の選択も異なってくる。例えば、ミラーの裏面反射に起因する干渉縞は、図11に示したように、縦縞が一次元方向に配列されたものとなり、この場合、TFT基板11を一次元方向(図11ではX方向)に移動させながらレーザ光LBを照射すればよい。
また、例えば、上記実施の形態および実施例では、載置台40により、TFT基板11をスリット30および対物レンズ31に対して移動させることによりTFT基板11とスリット30および対物レンズ31との相対位置を移動させる場合について説明したが、レーザ光源30および対物レンズ31をTFT基板11に対して移動させるようにしてもよく、あるいは両方を移動させるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態および実施例では、レーザ加工装置の構成について具体的に例を挙げて説明したが、他の構造としてもよい。例えば、除去された配線パターン12の飛散物が窓51に付着してしまうことを防止するため、アルゴン(Ar)ガスなどのパージガスを窓51に吹き付けるパージガス供給機構を備えていてもよい。
加えて、例えば、上記実施の形態および実施例では、局所加工部50を圧縮ガスGを用いた浮上機構60により浮上させる場合について説明したが、浮上機構60の浮上方式は圧縮ガスGによる静圧浮上方式に限定されない。
更にまた、局所加工部50は、例えば支柱等に固定されていてもよい。
加えてまた、上記実施の形態および実施例では、図3に示したように円板状の局所加工部50に、通気部61および圧縮ガス吸引口62を環状に形成するようにしたが、通気部61および圧縮ガス吸引口62の形状は環状に限定されず、例えば矩形、三角形などとしてもよい。ただし、環状とすれば製造が容易であるので好ましい。
更にまた、圧縮ガスGは、上記実施の形態および実施例で説明したガス種に限られず、他のガスでもよい。
加えてまた、上記実施の形態ではTFT基板11の欠陥部分を修正する場合について説明したが、本発明のレーザ加工物の製造方法および本発明のレーザ加工装置は、例えば、フォトマスクの欠陥修正、透明導電性薄膜、例えばITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)薄膜の電極パターン形成、および薄膜により構成された抵抗またはコイルなどのトリミングにも適用することができる。
本発明のレーザ加工物の製造方法および本発明のレーザ加工装置は、レーザ光により薄膜を選択的に除去するレーザ加工法だけでなく、レーザ光により薄膜を成膜する光CVDまたは熱CVD法にも適用することができる。
図2に示したレーザ加工装置により製造されるレーザ加工物の一例を表す断面図である。 本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置の構成を表す断面図である。 図1に示した局所加工部をTFT基板側から見た構成を表す底面図である。 従来のレーザ加工物の製造方法を表す平面図である。 図4に示した従来の方法により製造されたレーザ加工物の一部拡大断面図である。 本実施の形態のレーザ加工物の製造方法の一例を表す平面図である。 本実施の形態のレーザ加工物の製造方法の他の例を表す平面図である。 図7に示した方法により製造されたレーザ加工物の一部拡大断面図である。 本発明の実施例の結果を表す写真である。 本発明の比較例の結果を表す写真である。 干渉縞の他の例を表す平面図である。
符号の説明
10…レーザ加工物、11…TFT基板、12…配線パターン、12A…短絡部、20…レーザ光源、30…スリット、31…対物レンズ、40…載置台、50…局所加工部、51…窓、52…レーザ照射室、60…浮上機構、61…通気部、62…圧縮ガス吸引口、G…圧縮ガス

Claims (10)

  1. 薄膜が形成された基板に対して光学部材を介してレーザ光を照射することにより前記薄膜を加工するレーザ加工物の製造方法であって、
    前記基板と前記光学部材との相対位置を移動させながら前記レーザ光を照射する
    ことを特徴とするレーザ加工物の製造方法。
  2. 前記基板を、前記レーザ光により発生する干渉縞の配列方向に移動させる
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工物の製造方法。
  3. 前記基板を前記レーザ光により発生する干渉縞のピッチの2分の1の距離移動させる毎に前記レーザ光を照射する
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工物の製造方法。
  4. 前記基板を一定の速度および一定の軌道で移動させながら、前記レーザ光としてパルスレーザ光を照射する
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工物の製造方法。
  5. 前記光学部材として、レーザ光透過用の開口を備えたスリットを用いる
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工物の製造方法。
  6. レーザ光を発生するレーザ光源と、
    このレーザ光源からのレーザ光が出射される側に配置された光学部材と、
    薄膜が形成された基板を支持すると共に前記基板を前記光学部材に対して相対的に移動させる載置台と、
    前記レーザ光を透過させるための窓を有し、前記載置台上の基板の表面に対して相対的に変位可能な局所加工部と
    を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
  7. 前記載置台は、前記基板を、前記レーザ光により発生する干渉縞の配列方向に移動させる
    ことを特徴とする請求項6記載のレーザ加工装置。
  8. 前記レーザ光源は、パルスレーザ光を発生するパルスレーザ素子である
    ことを特徴とする請求項6記載のレーザ加工装置。
  9. 前記光学部材は、レーザ光透過用の開口を備えたスリットである
    ことを特徴とする請求項6記載のレーザ加工装置。
  10. 前記局所加工部を圧縮ガスにより前記基板に対して浮上させる浮上機構を備えた
    ことを特徴とする請求項6記載のレーザ加工装置。
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JP2003388827A Pending JP2005144527A (ja) 2003-11-19 2003-11-19 レーザ加工物の製造方法およびレーザ加工装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012168539A (ja) * 2012-02-20 2012-09-06 Japan Display West Co Ltd 欠陥修正装置

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