JP2005143504A - 抗体およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ヒトZAQL-2が関与する疾患等の治療剤、予防剤、診断薬の開発に有用な新規抗体および該抗体を用いたZAQL-2の定量法などの提供。
【解決手段】 ヒトZAQL-2またはその誘導体に特異的に反応する抗体、該抗体を用いたZAQL-2の定量方法、および該抗体を含有してなる医薬等。
【選択図】 なし
【解決手段】 ヒトZAQL-2またはその誘導体に特異的に反応する抗体、該抗体を用いたZAQL-2の定量方法、および該抗体を含有してなる医薬等。
【選択図】 なし
Description
本発明は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩に結合特異性を有する新規な抗体に関する。更に詳しくは、抗原抗体反応に基づく該ポリペプチドまたはその塩の定量法、中和活性を利用する該ポリペプチドまたはその塩が関与する疾患の診断および予防・治療剤の開発に有用な抗体などに関する。
ヒト型Bv8ぺプチド成熟体(以下、ヒトZAQL-2と略記することもある)は、オーファン受容体であるZAQおよびI5Eを活性化するヒトZAQリガンド-1(ヒトZAQL-1)(WO 01/16309号公報、WO 02/64835号公報、WO 02/62996号公報など)に類似の構造を有し、ヒトZAQリガンド-1と同様に回腸収縮活性を示し、ZAQおよびI5Eに結合してこれら受容体を活性化する(特許文献1 WO 02/62944号公報など)。また、ヒトZAQL-2はMAPキナーゼとPI-3キナーゼを活性化し神経保護作用を有することが報告されている(Eur. J. Neuroscience 13巻, 1694頁, 2001年)。その後、これらのペプチドは、DNA databaseより見出された新規ペプチドprokineticin-1(PK-1)およびprokineticin-1(PK-2)としても報告された(非特許文献1 Mol. Pharamacol. 59巻, 692頁, 2001年)。また、ラット脳内のBv8ペプチド(ZAQL-2)は、ラット視交叉上核に局在し、その発現は明期に増大する日内変動し、脳室内投与したZAQL-2はラットの行動量を減少させることが報告された(非特許文献2 Nature. 417巻, 405頁, 2002年)。
WO 02/62944号公報
Mol. Pharamacol. 59巻, 692頁, 2001年
Nature. 417巻, 405頁, 2002年
ヒトZAQL-2の生理機能をさらに明らかにするために、ヒトZAQL-2を簡便かつ高感度に検出・定量する測定系が切望されていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ヒトZAQL-2を免疫原として、モノクローナル抗体を複数作製し、これらを組み合わせることにより、ヒトZAQL-2を高感度にかつ特異的に検出し得る免疫測定法を開発した。これより、血液、脳脊髄液、尿などの生体成分中のヒトZAQL-2の変動を簡便にかつ高感度に測定することが可能となる。
すなわち、本発明は、
〔1〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩に特異的に反応するモノクローナル抗体、
〔2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列の、第8〜9、11、15、17、21、23、25〜28、30、34、36〜37、39〜40、44〜46、48、52〜53、55、64、66、68、70〜73、75〜76および78〜81番目のアミノ酸配列から選ばれる少なくともひとつを含有するペプチドに特異的に反応する上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔3〕配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを認識しない上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔4〕標識化された上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔5〕ZAL2−103(FERM BP−8431)で標示されるハイブリドーマ細胞から産生され得るZAL2−103aで標示される上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔6〕ZAL2−106(FERM BP−8432)で標示されるハイブリドーマ細胞から産生され得るZAL2−106aで標示される上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔7〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するペプチドに対して中和活性を有する上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔7a〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその塩1モルに対し、抗体濃度が約1〜10モルで、該ポリペプチドの活性を約40〜100%抑制する上記〔7〕記載のモノクローナル抗体、
〔8〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を含有してなる医薬、
〔9〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を含有してなる診断薬、
〔10〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を用いることを特徴とする配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔11〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を用いることを特徴とする配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩が関与する疾患の診断法、
〔12〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体と、被検液および標識化された配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩とを競合的に反応させ、上記抗体に結合した上記標識化されたポリペプチドまたはその塩の割合を測定することを特徴とする、被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔13〕担体上に不溶化した上記〔5〕記載のモノクローナル抗体、標識化された上記〔6〕記載のモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔14〕担体上に不溶化した上記〔6〕記載のモノクローナル抗体、標識化された上記〔5〕記載のモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔14a〕担体上に不溶化した上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、標識化された上記〔1〕記載のモノクローナル抗体(ただし、前記担体上に不溶化したモノクローナル抗体とは異なる抗体)および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔15〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞、
〔16〕ZAL2−103(FERM BP−8431)またはZAL2−106(FERM BP−8432)で標示される上記〔15〕記載のハイブリドーマ細胞、
〔17〕上記〔15〕記載のハイブリドーマ細胞を生体内又は生体外で培養し、その体液または培養物から上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を採取することを特徴とする上記〔1〕記載のモノクローナル抗体の製造法、
〔18〕中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の予防・治療剤である上記〔8〕記載の医薬、
〔19〕中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の診断薬である上記〔9〕記載の診断薬、
〔20〕上記〔1〕記載の抗体の、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドに対する結合部位に特異的に反応する抗体、
〔21〕上記〔5〕記載の抗体の、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドに対する結合部位に特異的に反応する抗体、
〔22〕上記〔6〕記載の抗体の、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドに対する結合部位に特異的に反応する抗体、
〔23〕哺乳動物に対し、上記〔1〕記載の抗体の有効量を投与することを特徴とする中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の予防・治療法、
〔24〕中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の予防・治療剤を製造するための上記〔1〕記載の抗体の使用などを提供する。
〔1〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩に特異的に反応するモノクローナル抗体、
〔2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列の、第8〜9、11、15、17、21、23、25〜28、30、34、36〜37、39〜40、44〜46、48、52〜53、55、64、66、68、70〜73、75〜76および78〜81番目のアミノ酸配列から選ばれる少なくともひとつを含有するペプチドに特異的に反応する上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔3〕配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを認識しない上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔4〕標識化された上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔5〕ZAL2−103(FERM BP−8431)で標示されるハイブリドーマ細胞から産生され得るZAL2−103aで標示される上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔6〕ZAL2−106(FERM BP−8432)で標示されるハイブリドーマ細胞から産生され得るZAL2−106aで標示される上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔7〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するペプチドに対して中和活性を有する上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、
〔7a〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその塩1モルに対し、抗体濃度が約1〜10モルで、該ポリペプチドの活性を約40〜100%抑制する上記〔7〕記載のモノクローナル抗体、
〔8〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を含有してなる医薬、
〔9〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を含有してなる診断薬、
〔10〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を用いることを特徴とする配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔11〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を用いることを特徴とする配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩が関与する疾患の診断法、
〔12〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体と、被検液および標識化された配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩とを競合的に反応させ、上記抗体に結合した上記標識化されたポリペプチドまたはその塩の割合を測定することを特徴とする、被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔13〕担体上に不溶化した上記〔5〕記載のモノクローナル抗体、標識化された上記〔6〕記載のモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔14〕担体上に不溶化した上記〔6〕記載のモノクローナル抗体、標識化された上記〔5〕記載のモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔14a〕担体上に不溶化した上記〔1〕記載のモノクローナル抗体、標識化された上記〔1〕記載のモノクローナル抗体(ただし、前記担体上に不溶化したモノクローナル抗体とは異なる抗体)および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
〔15〕上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞、
〔16〕ZAL2−103(FERM BP−8431)またはZAL2−106(FERM BP−8432)で標示される上記〔15〕記載のハイブリドーマ細胞、
〔17〕上記〔15〕記載のハイブリドーマ細胞を生体内又は生体外で培養し、その体液または培養物から上記〔1〕記載のモノクローナル抗体を採取することを特徴とする上記〔1〕記載のモノクローナル抗体の製造法、
〔18〕中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の予防・治療剤である上記〔8〕記載の医薬、
〔19〕中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の診断薬である上記〔9〕記載の診断薬、
〔20〕上記〔1〕記載の抗体の、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドに対する結合部位に特異的に反応する抗体、
〔21〕上記〔5〕記載の抗体の、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドに対する結合部位に特異的に反応する抗体、
〔22〕上記〔6〕記載の抗体の、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドに対する結合部位に特異的に反応する抗体、
〔23〕哺乳動物に対し、上記〔1〕記載の抗体の有効量を投与することを特徴とする中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の予防・治療法、
〔24〕中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の予防・治療剤を製造するための上記〔1〕記載の抗体の使用などを提供する。
本発明の抗体は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩への極めて高い結合能を有し、さらには配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の細胞内[Ca2+]上昇活性を中和することもでき、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の作用を抑制(あるいは促進)することにより、例えば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、睡眠障害(例、原発性不眠、概日リズム障害(例、三交替勤務等による体調の変調、時間帯域変化症候群(時差ボケ)など)、ナルコレプシーなど)、季節鬱病、生殖機能障害(例、子宮内膜症など)、内分泌疾患、中枢神経疾患(例、老人性痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン症候群など)、脳循環障害(例、脳卒中など)、老化に伴う各種傷害、精神疾患(例、不安、鬱病、不眠症、統合失調症、恐怖症など)、記憶障害、運動機能障害(例、パーキンソン症候群など)、てんかん、アルコール依存症、高血圧症、動脈硬化、不整脈、月経前緊張症候群、緑内障、癌(例、乳癌など)、エイズ、糖尿病、摂食障害(例、拒食症、過食症など)、肥満症(例、悪性肥満細胞症、外因性肥満症、過インシュリン性肥満症、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満など)、骨粗鬆症などの予防・治療剤、好ましくは睡眠障害、生殖機能障害、内分泌疾患、中枢神経疾患、精神疾患、運動機能障害、摂食障害などの予防・治療剤、さらに好ましくは内分泌疾患、中枢神経疾患、運動機能障害などの予防・治療剤として有用である。また、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を発現している癌を見出し、本発明の抗体を用いたミサイル療法による抗癌治療も可能である。本発明の抗体2種を用いるサンドイッチ法による免疫学的測定法により、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を感度よく特異的に定量することができるため、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の生理機能および病態との解明に有用である。さらに、血液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の濃度を測定することにより、例えば、上記疾患などの診断も可能である。また、本発明の抗体は、上記ポリペプチドの免疫組織染色にも使用可能である。
本明細書におけるタンパク質(ポリペプチド)は、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをはじめとする、本発明で用いられるタンパク質は、C末端がカルボキシル基、カルボキシレート、アミドまたはエステルの何れであってもよい。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドとしては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列に数(1〜5)個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1または配列番号:2で表されるアミノ酸配列に数(1〜5)個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、配列番号:1または配列番号:2で表されるアミノ酸配列中の数(1〜5)個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチドなどが用いられる。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドとしては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列に数(1〜5)個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1または配列番号:2で表されるアミノ酸配列に数(1〜5)個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、配列番号:1または配列番号:2で表されるアミノ酸配列中の数(1〜5)個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチドなどが用いられる。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩に特異的に反応するモノクローナル抗体(以下、本発明の抗体と称することもある)としては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその塩に特異的に反応するモノクローナル抗体などが挙げられ、好ましくは配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその塩に特異的に反応するモノクローナル抗体などが挙げられる。
本発明の抗体は、好ましくは、配列番号:1で表されるアミノ酸配列の、第8〜9、11、15、17、21、23、25〜28、30、34、36〜37、39〜40、44〜46、48、52〜53、55、64、66、68、70〜73、75〜76および78〜81番目のアミノ酸から選ばれる少なくともひとつを含有するペプチドに特異的に反応し、配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを認識しない。
さらに好ましくは、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその塩の活性を中和する抗体である。具体例としては、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその塩1モルに対し、抗体濃度が約1〜10モル、好ましくは約1モルで、該ポリペプチドまたはその塩の活性(例、ZAQ結合活性、ZAQ活性化作用、I5E結合活性、I5E活性化作用、回腸収縮活性、MAPキナーゼ活性化作用、PI-3キナーゼ活性化作用など)を約40〜100%、好ましくは約60から100%、さらに好ましくは約80から100%抑制する抗体などが挙げられる。
具体例としては、ZAL2−103aまたはZAL2−106aで標示されるモノクローナル抗体などが挙げられる。
本発明の抗体は、好ましくは、配列番号:1で表されるアミノ酸配列の、第8〜9、11、15、17、21、23、25〜28、30、34、36〜37、39〜40、44〜46、48、52〜53、55、64、66、68、70〜73、75〜76および78〜81番目のアミノ酸から選ばれる少なくともひとつを含有するペプチドに特異的に反応し、配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを認識しない。
さらに好ましくは、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその塩の活性を中和する抗体である。具体例としては、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその塩1モルに対し、抗体濃度が約1〜10モル、好ましくは約1モルで、該ポリペプチドまたはその塩の活性(例、ZAQ結合活性、ZAQ活性化作用、I5E結合活性、I5E活性化作用、回腸収縮活性、MAPキナーゼ活性化作用、PI-3キナーゼ活性化作用など)を約40〜100%、好ましくは約60から100%、さらに好ましくは約80から100%抑制する抗体などが挙げられる。
具体例としては、ZAL2−103aまたはZAL2−106aで標示されるモノクローナル抗体などが挙げられる。
以下に、本発明の抗体の抗原の調製法、および該抗体の製造法について説明する。
(1)抗原の調製
本発明の抗体を調製するために使用される抗原としては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩と同一の抗原決定基を1種あるいは2種以上有する(合成)ペプチドなど何れのものも使用することができる(以下、これらを単にヒトZAQL-2抗原と称することもある)。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩は、公知の方法、例えばWO 02/62944号公報に記載の方法に準じて製造でき、さらに、(a)例えばヒト、サル、ラット、マウスなどの哺乳動物の組織または細胞から公知の方法あるいはそれに準ずる方法を用いて調製、(b)ペプチド・シンセサイザー等を使用する公知のペプチド合成方法で化学的に合成、(c)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによっても製造される。
(a)該哺乳動物の組織または細胞からヒトZAQL-2抗原を調製する場合、その組織または細胞をホモジナイズした後、酸、またはアルコールなどで抽出を行い、該抽出液を、塩析、透析、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
(b)化学的にヒトZAQL-2抗原を調製する場合、該合成ペプチドとしては、例えば上述した天然より精製したヒトZAQL-2抗原と同一の構造を有するもの、配列番号:1で表されるアミノ酸配列において3個以上、好ましくは6個以上のアミノ酸からなる任意の箇所のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を1種あるいは2種以上含有するペプチドなどが用いられる。
(c)DNAを含有する形質転換体を用いて配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を製造する場合、該DNAは、公知のクローニング方法〔例えば、Molecular Cloning(2nd ed.;J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法など〕に従って作製することができる。該クローニング方法とは、(1)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩のアミノ酸配列に基づきデザインしたDNAプローブを用い、cDNAライブラリーからハイブリダイゼーション法により配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩をコードするDNAを含有する形質転換体を得る方法、または(2)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩のアミノ酸配列に基づきデザインしたDNAプライマーを用い、PCR法により配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩をコードするDNAを増幅し、適当なベクターに増幅断片を挿入し、宿主をこのベクターで形質転換することにより、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩をコードするDNAを含有する形質転換体を得る方法などが挙げられる。
(1)抗原の調製
本発明の抗体を調製するために使用される抗原としては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩と同一の抗原決定基を1種あるいは2種以上有する(合成)ペプチドなど何れのものも使用することができる(以下、これらを単にヒトZAQL-2抗原と称することもある)。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩は、公知の方法、例えばWO 02/62944号公報に記載の方法に準じて製造でき、さらに、(a)例えばヒト、サル、ラット、マウスなどの哺乳動物の組織または細胞から公知の方法あるいはそれに準ずる方法を用いて調製、(b)ペプチド・シンセサイザー等を使用する公知のペプチド合成方法で化学的に合成、(c)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによっても製造される。
(a)該哺乳動物の組織または細胞からヒトZAQL-2抗原を調製する場合、その組織または細胞をホモジナイズした後、酸、またはアルコールなどで抽出を行い、該抽出液を、塩析、透析、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
(b)化学的にヒトZAQL-2抗原を調製する場合、該合成ペプチドとしては、例えば上述した天然より精製したヒトZAQL-2抗原と同一の構造を有するもの、配列番号:1で表されるアミノ酸配列において3個以上、好ましくは6個以上のアミノ酸からなる任意の箇所のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を1種あるいは2種以上含有するペプチドなどが用いられる。
(c)DNAを含有する形質転換体を用いて配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を製造する場合、該DNAは、公知のクローニング方法〔例えば、Molecular Cloning(2nd ed.;J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法など〕に従って作製することができる。該クローニング方法とは、(1)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩のアミノ酸配列に基づきデザインしたDNAプローブを用い、cDNAライブラリーからハイブリダイゼーション法により配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩をコードするDNAを含有する形質転換体を得る方法、または(2)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩のアミノ酸配列に基づきデザインしたDNAプライマーを用い、PCR法により配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩をコードするDNAを増幅し、適当なベクターに増幅断片を挿入し、宿主をこのベクターで形質転換することにより、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩をコードするDNAを含有する形質転換体を得る方法などが挙げられる。
ヒトZAQL-2抗原としてのペプチドは、(1)公知のペプチドの合成法に従って、または(2)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを適当なペプチダーゼで切断することによって製造することもできる。
該ペプチドの合成法としては、例えば固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、該ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としてはたとえば、以下に記載された方法等が挙げられる。
(i)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、Peptide Synthesis, Interscience Publishers, New York (1966年)
(ii)SchroederおよびLuebke、The Peptide, Academic Press, New York (1965年)
また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、再結晶などを組み合わせて該ペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られるペプチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換することができる。
該ペプチドの合成法としては、例えば固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、該ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としてはたとえば、以下に記載された方法等が挙げられる。
(i)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、Peptide Synthesis, Interscience Publishers, New York (1966年)
(ii)SchroederおよびLuebke、The Peptide, Academic Press, New York (1965年)
また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、再結晶などを組み合わせて該ペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られるペプチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換することができる。
ペプチドのアミド体は、アミド形成に適した市販のペプチド合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペプチドの配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、目的のペプチドを取得する。あるいはクロロトリチル樹脂、オキシム樹脂、4−ヒドロキシ安息香酸系樹脂等を用い、部分的に保護したペプチドを取り出し、更に常套手段で保護基を除去し目的のペプチドを得ることもできる。
上記した保護されたアミノ酸の縮合に関しては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としてはDCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが挙げられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBtなど)とともに保護されたアミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護されたアミノ酸の活性化を行ったのちに樹脂に添加することができる。保護されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。たとえばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジンなどの三級アミン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜約50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常約1.5ないし約4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行うことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化して、後の反応に影響を及ぼさないようにすることができる。
原料アミノ酸のアミノ基の保護基としては、たとえば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが挙げられる。カルボキシル基の保護基としては、たとえばC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C7-14アラルキル基、2−アダマンチル、4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベンジル、フェナシルおよびベンジルオキシカルボニルヒドラジド、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド、トリチルヒドラジドなどが挙げられる。
セリンおよびスレオニンの水酸基は、たとえばエステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては例えばアセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが挙げられる。また、エーテル化に適する基としては、たとえばベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、たとえばBzl、Cl−Bzl,2−ニトロベンジル、Br−Z、t−ブチルなどが挙げられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、Bom、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが挙げられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、たとえば対応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール(たとえば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル]などが挙げられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、たとえば対応するリン酸アミドが挙げられる。
セリンおよびスレオニンの水酸基は、たとえばエステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては例えばアセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが挙げられる。また、エーテル化に適する基としては、たとえばベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、たとえばBzl、Cl−Bzl,2−ニトロベンジル、Br−Z、t−ブチルなどが挙げられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、Bom、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが挙げられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、たとえば対応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール(たとえば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル]などが挙げられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、たとえば対応するリン酸アミドが挙げられる。
保護基の除去(脱離)方法としては、たとえばPd−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども挙げられる。上記酸処理による脱離反応は一般に−20℃〜40℃の温度で行われるが、酸処理においてはアニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオールのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知の手段から適宜選択しうる。
ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、まず、カルボキシル末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化した後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除いたペプチド(またはアミノ酸)とを製造し、この両ペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護ペプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗ペプチドを得ることができる。この粗ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のペプチドのアミド体を得ることができる。
ペプチドのエステル体を得るにはカルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、ペプチドのアミド体と同様にして所望のペプチドのエステル体を得ることができる。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知の手段から適宜選択しうる。
ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、まず、カルボキシル末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化した後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除いたペプチド(またはアミノ酸)とを製造し、この両ペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護ペプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗ペプチドを得ることができる。この粗ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のペプチドのアミド体を得ることができる。
ペプチドのエステル体を得るにはカルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、ペプチドのアミド体と同様にして所望のペプチドのエステル体を得ることができる。
ヒトZAQL-2抗原は、不溶化したものを直接免疫することもできる。また、ヒトZAQL-2抗原を適当な担体に結合または吸着させた複合体を免疫してもよい。該担体(キャリアー)とヒトZAQL-2抗原(ハプテン)との混合比は、担体に結合あるいは吸着させたヒトZAQL-2抗原に対して抗体が効率よくできれば、どのようなものをどのような比率で結合あるいは吸着させてもよく、通常ハプテン抗原に対する抗体の作製にあたり常用されている天然もしくは合成の高分子担体を重量比でハプテン1に対し0.1〜100の割合で結合あるいは吸着させたものを使用することができる。天然の高分子担体としては、例えばウシ、ウサギ、ヒトなどの哺乳動物の血清アルブミンや例えばウシ、ウサギなどの哺乳動物のチログロブリン、例えばウシ、ウサギ、ヒト、ヒツジなどの哺乳動物のヘモグロビン、キーホールリンペットヘモシアニンなどが用いられる。合成の高分子担体としては、例えばポリアミノ酸類、ポリスチレン類、ポリアクリル類、ポリビニル類、ポリプロピレン類などの重合物または供重合物などの各種ラテックスなどを用いることができる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができる。例えば、チロシン、ヒスチジン、トリプトファンを架橋するビスジアゾ化ベンジジンなどのジアゾニウム化合物、アミノ基同志を架橋するグルタルアルデビトなどのジアルデヒド化合物、トルエン−2,4−ジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物、チオール基同志を架橋するN,N’−o−フェニレンジマレイミドなどのジマレイミド化合物、アミノ基とチオール基を架橋するマレイミド活性エステル化合物、アミノ基とカルボキシル基とを架橋するカルボジイミド化合物などが好都合に用いられる。また、アミノ基同志を架橋する際にも、一方のアミノ基にジチオピリジル基を有する活性エステル試薬(例えば、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−スクシンイミジル(SPDP)など)を反応させた後還元することによりチオール基を導入し、他方のアミノ基にマレイミド活性エステル試薬によりマレイミド基を導入後、両者を反応させることもできる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができる。例えば、チロシン、ヒスチジン、トリプトファンを架橋するビスジアゾ化ベンジジンなどのジアゾニウム化合物、アミノ基同志を架橋するグルタルアルデビトなどのジアルデヒド化合物、トルエン−2,4−ジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物、チオール基同志を架橋するN,N’−o−フェニレンジマレイミドなどのジマレイミド化合物、アミノ基とチオール基を架橋するマレイミド活性エステル化合物、アミノ基とカルボキシル基とを架橋するカルボジイミド化合物などが好都合に用いられる。また、アミノ基同志を架橋する際にも、一方のアミノ基にジチオピリジル基を有する活性エステル試薬(例えば、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−スクシンイミジル(SPDP)など)を反応させた後還元することによりチオール基を導入し、他方のアミノ基にマレイミド活性エステル試薬によりマレイミド基を導入後、両者を反応させることもできる。
(2)モノクローナル抗体の作製
ヒトZAQL-2抗原は、温血動物に対して、例えば腹腔内注入、静脈注入、皮下注射などの投与方法によって、抗体産生が可能な部位にそれ自体単独であるいは担体、希釈剤と共に投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。温血動物としては、例えばサル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリなどがあげられるが、モノクローナル抗体作製にはマウスが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体の作製に際しては、ヒトZAQL-2抗原を免疫された温血動物、たとえばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、本発明の抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。血清中の抗ヒトZAQL-2抗体価の測定は、例えば後記の標識化ヒトZAQL-2と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することによりなされる。融合操作は既知の方法、例えばケーラーとミルスタインの方法〔Nature、256巻、495頁(1975年)〕に従い実施できる。融合促進剤としては、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGなどが用いられる。骨髄腫細胞としてはたとえばNS-1、P3U1、SP2/0、AP-1などがあげられ、P3U1などが好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄細胞数との好ましい比率は、通常1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、通常20〜40℃、好ましくは30〜37℃、通常1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
ヒトZAQL-2抗原は、温血動物に対して、例えば腹腔内注入、静脈注入、皮下注射などの投与方法によって、抗体産生が可能な部位にそれ自体単独であるいは担体、希釈剤と共に投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。温血動物としては、例えばサル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリなどがあげられるが、モノクローナル抗体作製にはマウスが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体の作製に際しては、ヒトZAQL-2抗原を免疫された温血動物、たとえばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、本発明の抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。血清中の抗ヒトZAQL-2抗体価の測定は、例えば後記の標識化ヒトZAQL-2と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することによりなされる。融合操作は既知の方法、例えばケーラーとミルスタインの方法〔Nature、256巻、495頁(1975年)〕に従い実施できる。融合促進剤としては、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGなどが用いられる。骨髄腫細胞としてはたとえばNS-1、P3U1、SP2/0、AP-1などがあげられ、P3U1などが好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄細胞数との好ましい比率は、通常1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、通常20〜40℃、好ましくは30〜37℃、通常1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
本発明の抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例えば配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩あるいはそれらの部分ペプチドを直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合した本発明の抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識した配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを加え、固相に結合した本発明の抗体を検出する方法などがあげられる。本発明の抗体のスクリーニング、育種は通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加して、10〜20%牛胎児血清を含む動物細胞用培地(例、RPMI1640)で行われる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の本発明の抗体の抗体価の測定と同様にして測定できる。
本発明の抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロテインAまたはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法など〕に従って行われる。
以上のようにして、ハイブリドーマ細胞を温血動物の生体内又は生体外で培養し、その体液または培養物から抗体を採取することによって、本発明の抗体を製造することができる。
なお、(a)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドの一部領域と反応する本発明の抗体を産生するハイブリドーマ、および(b)上記ポリペプチドとは反応するが、その一部領域とは反応しない本発明の抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングは、例えば、その一部領域に相当するペプチドとハイブリドーマが産生する抗体との結合性を測定することにより行うことができる。
本発明の抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロテインAまたはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法など〕に従って行われる。
以上のようにして、ハイブリドーマ細胞を温血動物の生体内又は生体外で培養し、その体液または培養物から抗体を採取することによって、本発明の抗体を製造することができる。
なお、(a)配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドの一部領域と反応する本発明の抗体を産生するハイブリドーマ、および(b)上記ポリペプチドとは反応するが、その一部領域とは反応しない本発明の抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングは、例えば、その一部領域に相当するペプチドとハイブリドーマが産生する抗体との結合性を測定することにより行うことができる。
以下に、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法(免疫測定法)について、より詳細に説明する。
本発明の抗体を用いることにより、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドの測定または組織染色などによる検出を行なうことができる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また抗体分子のF(ab')2、Fab'またはFab画分などを用いてもよい。
本発明の抗体を用いる測定法は、特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、ヒトZAQL-2量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、サンドイッチ法、競合法、イムノメトリック法、ネフロメトリーなどが用いられるが、感度、特異性の点で後述するサンドイッチ法、競合法が、特にサンドイッチ法が好ましい。
本発明の抗体を用いることにより、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドの測定または組織染色などによる検出を行なうことができる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また抗体分子のF(ab')2、Fab'またはFab画分などを用いてもよい。
本発明の抗体を用いる測定法は、特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、ヒトZAQL-2量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、サンドイッチ法、競合法、イムノメトリック法、ネフロメトリーなどが用いられるが、感度、特異性の点で後述するサンドイッチ法、競合法が、特にサンドイッチ法が好ましい。
(1)サンドイッチ法
担体上に不溶化した本発明の抗体、標識化された本発明の抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することにより被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を定量する。好ましくは、担体上に不溶化した本発明の抗体、標識化された本発明の抗体(ただし、前記担体上に不溶化した抗体とは異なる抗体)および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法が挙げられる。
さらに好ましくは、
(i)担体上に不溶化したZAL2-103aで標示されるモノクローナル抗体、標識化されたZAL2-106aで標示されるモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
(ii)担体上に不溶化したZAL2-106aで標示されるモノクローナル抗体、標識化されたZAL2-103aで標示されるモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法などが挙げられる。
担体上に不溶化した本発明の抗体、標識化された本発明の抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することにより被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を定量する。好ましくは、担体上に不溶化した本発明の抗体、標識化された本発明の抗体(ただし、前記担体上に不溶化した抗体とは異なる抗体)および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法が挙げられる。
さらに好ましくは、
(i)担体上に不溶化したZAL2-103aで標示されるモノクローナル抗体、標識化されたZAL2-106aで標示されるモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
(ii)担体上に不溶化したZAL2-106aで標示されるモノクローナル抗体、標識化されたZAL2-103aで標示されるモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法などが挙げられる。
サンドイッチ法においては、不溶化した本発明の抗体に被検液を反応(1次反応)させ、さらに標識化された本発明の抗体を反応(2次反応)させた後、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩(好ましくはヒトZAQL-2)の量を定量することができる。1次反応と2次反応は同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。サンドイッチ法による測定法においては、例えば、1次反応で用いられる抗体がZAL2-103aで標示されるモノクローナル抗体である場合は、2次反応で用いられる抗体はZAL2-106aで標示されるモノクローナル抗体が好ましく、1次反応で用いられる抗体がZAL2-106aで標示されるモノクローナル抗体である場合は、2次反応で用いられる抗体は、ZAL2-103aで標示されるモノクローナル抗体が用いられる。これらの抗体は、例えば西洋ワサビパーオキシダーゼ(horseradish peroxidase;HRP)で標識化されて用いられるのが好ましい。
(2)競合法
本発明の抗体、被検液および標識化された配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の割合を測定することにより、被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を定量する。
本反応法は、例えば、固相化法を用いて行う。
具体例としては、抗マウスIgG抗体(ICN/CAPPEL社製)を固相化抗体として用い、この固相化抗体の存在するプレートに、(i)本発明の抗体(例、ZAL2-103aまたはZAL2-106a)、(ii)HRPで標識化された配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩、および(iii)被検液を添加し、反応後、固相に吸着したHRP活性を測定し、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を定量する。
(3)イムノメトリック法
イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化された本発明の抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるいは被検液中の抗原と過剰量の標識化された本発明の抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化された本発明の抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
(4)ネフロメトリー
ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
本発明の抗体、被検液および標識化された配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の割合を測定することにより、被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を定量する。
本反応法は、例えば、固相化法を用いて行う。
具体例としては、抗マウスIgG抗体(ICN/CAPPEL社製)を固相化抗体として用い、この固相化抗体の存在するプレートに、(i)本発明の抗体(例、ZAL2-103aまたはZAL2-106a)、(ii)HRPで標識化された配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩、および(iii)被検液を添加し、反応後、固相に吸着したHRP活性を測定し、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を定量する。
(3)イムノメトリック法
イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化された本発明の抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるいは被検液中の抗原と過剰量の標識化された本発明の抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化された本発明の抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
(4)ネフロメトリー
ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
上記(1)〜(4)において、標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質、ランタニド元素などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが、酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えばβ−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが、蛍光物質としては、例えばシアニン蛍光色素(例、Cy2、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7(アマシャムバイオサイエンス社製)など)、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが、発光物質としては、例えばルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどがそれぞれ挙げられる。さらに、抗体と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、例えばアガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、例えばポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコンなどの合成樹脂あるいはガラスなどが挙げられる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、例えばアガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、例えばポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコンなどの合成樹脂あるいはガラスなどが挙げられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明の測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる[例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)など参照]。したがって、本発明のサンドイッチ免疫測定法などよる測定系を構築する場合、その方法は後述する実施例に限定されない。
以上のように、本発明の抗体は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を感度良く定量することができるので、上記ポリペプチドの生理機能のさらなる解明および上記ポリペプチドの関与する疾患の診断に有用である。具体的には、本発明の抗体を用いて、体液中(血液、血漿、血清、尿など)に含まれる配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の量を測定することにより、例えば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、睡眠障害(例、原発性不眠、概日リズム障害(例、三交替勤務等による体調の変調、時間帯域変化症候群(時差ボケ)など)、ナルコレプシーなど)、季節鬱病、生殖機能障害(例、子宮内膜症など)、内分泌疾患、中枢神経疾患(例、老人性痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン症候群など)、脳循環障害(例、脳卒中など)、老化に伴う各種傷害、精神疾患(例、不安、鬱病、不眠症、統合失調症、恐怖症など)、記憶障害、運動機能障害(例、パーキンソン症候群など)、てんかん、アルコール依存症、高血圧症、動脈硬化、不整脈、月経前緊張症候群、緑内障、癌(例、乳癌など)、エイズ、糖尿病、摂食障害(例、拒食症、過食症など)、肥満症(例、悪性肥満細胞症、外因性肥満症、過インシュリン性肥満症、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満など)、骨粗鬆症など、好ましくは睡眠障害、生殖機能障害、内分泌疾患、中枢神経疾患、精神疾患、運動機能障害、摂食障害などを診断することができる。例えば、睡眠障害の診断においては、体液中のヒトZAQL-2を定量し、ヒトZAQL-2の量が健常人より多い場合、例えば、血中濃度として約15 fmol/ml以上、好ましくは約20 fmol/ml以上の場合、睡眠障害と診断する。
以上のように、本発明の抗体は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を感度良く定量することができるので、上記ポリペプチドの生理機能のさらなる解明および上記ポリペプチドの関与する疾患の診断に有用である。具体的には、本発明の抗体を用いて、体液中(血液、血漿、血清、尿など)に含まれる配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の量を測定することにより、例えば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、睡眠障害(例、原発性不眠、概日リズム障害(例、三交替勤務等による体調の変調、時間帯域変化症候群(時差ボケ)など)、ナルコレプシーなど)、季節鬱病、生殖機能障害(例、子宮内膜症など)、内分泌疾患、中枢神経疾患(例、老人性痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン症候群など)、脳循環障害(例、脳卒中など)、老化に伴う各種傷害、精神疾患(例、不安、鬱病、不眠症、統合失調症、恐怖症など)、記憶障害、運動機能障害(例、パーキンソン症候群など)、てんかん、アルコール依存症、高血圧症、動脈硬化、不整脈、月経前緊張症候群、緑内障、癌(例、乳癌など)、エイズ、糖尿病、摂食障害(例、拒食症、過食症など)、肥満症(例、悪性肥満細胞症、外因性肥満症、過インシュリン性肥満症、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満など)、骨粗鬆症など、好ましくは睡眠障害、生殖機能障害、内分泌疾患、中枢神経疾患、精神疾患、運動機能障害、摂食障害などを診断することができる。例えば、睡眠障害の診断においては、体液中のヒトZAQL-2を定量し、ヒトZAQL-2の量が健常人より多い場合、例えば、血中濃度として約15 fmol/ml以上、好ましくは約20 fmol/ml以上の場合、睡眠障害と診断する。
また、本発明の抗体は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩が関与する疾患、例えば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、睡眠障害(例、原発性不眠、概日リズム障害(例、三交替勤務等による体調の変調、時間帯域変化症候群(時差ボケ)など)、ナルコレプシーなど)、季節鬱病、生殖機能障害(例、子宮内膜症など)、内分泌疾患、中枢神経疾患(例、老人性痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン症候群など)、脳循環障害(例、脳卒中など)、老化に伴う各種傷害、精神疾患(例、不安、鬱病、不眠症、統合失調症、恐怖症など)、記憶障害、運動機能障害(例、パーキンソン症候群など)、てんかん、アルコール依存症、高血圧症、動脈硬化、不整脈、月経前緊張症候群、緑内障、癌(例、乳癌など)、エイズ、糖尿病、摂食障害(例、拒食症、過食症など)、肥満症(例、悪性肥満細胞症、外因性肥満症、過インシュリン性肥満症、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満など)、骨粗鬆症などの予防・治療剤、好ましくは睡眠障害、生殖機能障害、内分泌疾患、中枢神経疾患、精神疾患、運動機能障害、摂食障害などの予防・治療剤、さらに好ましくは内分泌疾患、中枢神経疾患、運動機能障害などの予防・治療剤として使用することができる。
本発明の抗体を含有する上記疾患の予防・治療剤は低毒性であり、そのまま液剤として、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的に投与することができる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっても異なるが、例えば、成人の摂食障害の治療のために使用する場合には、本発明の抗体を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、非経口投与するのが好都合である。経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量してもよい。
本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成物として投与することができる。上記投与に用いられる医薬組成物は、上記抗体またはその塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。かかる組成物は、経口または非経口投与に適する剤形として提供される。
すなわち、例えば、経口投与のための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等があげられる。かかる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウム等が用いられる。
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤等が用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等の剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製する。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液等が用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO-50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenated castor oil)〕等と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油等が用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製される。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤等が例示され、それぞれの投薬単位剤形当たり通常約5〜500mg、とりわけ注射剤では約5〜100mg、その他の剤形では約10〜250mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有してもよい。
本発明の抗体を含有する上記疾患の予防・治療剤は低毒性であり、そのまま液剤として、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的に投与することができる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっても異なるが、例えば、成人の摂食障害の治療のために使用する場合には、本発明の抗体を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、非経口投与するのが好都合である。経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量してもよい。
本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成物として投与することができる。上記投与に用いられる医薬組成物は、上記抗体またはその塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。かかる組成物は、経口または非経口投与に適する剤形として提供される。
すなわち、例えば、経口投与のための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等があげられる。かかる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウム等が用いられる。
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤等が用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等の剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製する。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液等が用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO-50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenated castor oil)〕等と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油等が用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製される。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤等が例示され、それぞれの投薬単位剤形当たり通常約5〜500mg、とりわけ注射剤では約5〜100mg、その他の剤形では約10〜250mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有してもよい。
本発明の明細書において、アミノ酸等を略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。アミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL−体を示すものとする。
TFA :トリフルオロ酢酸
DMF :N,N−ジメチルフォルムアミド
Gly :グリシン
Ala :アラニン
Val :バリン
Leu :ロイシン
Ile :イソロイシン
Ser :セリン
Thr :スレオニン
Cys :システイン
Met :メチオニン
Glu :グルタミン酸
Asp :アスパラギン酸
Lys :リジン
Arg :アルギニン
His :ヒスチジン
Phe :フェニルアラニン
Tyr :チロシン
Trp :トリプトファン
Pro :プロリン
Asn :アスパラギン
Gln :グルタミン
SPDP :3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−スクシンイミジル
GMBS :N−(4−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド
BSA :ウシ血清アルブミン
BTG :ウシチログロブリン
EIA :エンザイムイムノアッセイ
HPLC :逆相高速液体クロマトグラフィー
HRP :西洋ワサビパーオキシダーゼ
FBS :ウシ胎児血清
d−FBS :透析済みウシ胎児血清
TMB :(3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン)
H/HBSS:ヘペスバッファードハンクスバランス溶液
EDTA・Na:エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸ニナトリウム塩ニ水和物
TFA :トリフルオロ酢酸
DMF :N,N−ジメチルフォルムアミド
Gly :グリシン
Ala :アラニン
Val :バリン
Leu :ロイシン
Ile :イソロイシン
Ser :セリン
Thr :スレオニン
Cys :システイン
Met :メチオニン
Glu :グルタミン酸
Asp :アスパラギン酸
Lys :リジン
Arg :アルギニン
His :ヒスチジン
Phe :フェニルアラニン
Tyr :チロシン
Trp :トリプトファン
Pro :プロリン
Asn :アスパラギン
Gln :グルタミン
SPDP :3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−スクシンイミジル
GMBS :N−(4−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド
BSA :ウシ血清アルブミン
BTG :ウシチログロブリン
EIA :エンザイムイムノアッセイ
HPLC :逆相高速液体クロマトグラフィー
HRP :西洋ワサビパーオキシダーゼ
FBS :ウシ胎児血清
d−FBS :透析済みウシ胎児血清
TMB :(3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン)
H/HBSS:ヘペスバッファードハンクスバランス溶液
EDTA・Na:エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸ニナトリウム塩ニ水和物
本明細書において用いられる配列番号は、以下のペプチドのアミノ酸配列を表す。
〔配列番号:1〕
ヒトZAQL-2のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:2〕
ヒトZAQL-1のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:3〕
ヒトZAQL-1のアミノ酸配列を示す。配列番号:2で表されるアミノ酸配列の48番目のValがIleに置換されている。
〔配列番号:1〕
ヒトZAQL-2のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:2〕
ヒトZAQL-1のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:3〕
ヒトZAQL-1のアミノ酸配列を示す。配列番号:2で表されるアミノ酸配列の48番目のValがIleに置換されている。
後述の実施例1で得られたハイブリドーマ細胞ZAL2-103は、2003年7月18日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305-8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、寄託番号FERM BP-8431として寄託されている。
後述の実施例1で得られたハイブリドーマ細胞ZAL2-106は、2003年7月18日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305-8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、寄託番号FERM BP-8432として寄託されている。
なお、各ハイブリドーマ細胞から得られる抗体については細胞名の後に「a」を付けた形で表す。
後述の実施例1で得られたハイブリドーマ細胞ZAL2-106は、2003年7月18日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305-8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、寄託番号FERM BP-8432として寄託されている。
なお、各ハイブリドーマ細胞から得られる抗体については細胞名の後に「a」を付けた形で表す。
以下に、実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例で用いたヒトZAQL-2(配列番号:1)は、WO 02/62944号公報の参考例1に記載の方法に従って得た。
実施例で用いたヒトZAQL-1(配列番号:2)は、WO 02/06483号公報の参考例1に記載の方法に従って得た。
実施例で用いたヒトZAQL-2(配列番号:1)は、WO 02/62944号公報の参考例1に記載の方法に従って得た。
実施例で用いたヒトZAQL-1(配列番号:2)は、WO 02/06483号公報の参考例1に記載の方法に従って得た。
抗ヒトZAQL-2モノクローナル抗体の取得
(1)免疫
8週令のBALB/C雌マウスにヒトZAQL-2を、それぞれ約80μg/匹となるよう、完全フロイントアジュバントとともに皮下免疫した。以後3週間おきに同量の免疫原を不完全フロイントアジュバントとともに2〜3回追加免疫した。
(2)西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP)標識化ヒトZAQL-2の作製
ヒトZAQL-2とHRP(酵素免疫測定法用、ベーリンガーマンハイム社製)とを架橋し、酵素免疫測定法(EIA)の標識体とした。
HRP 8.5mg(213nmol)を0.95mlの0.1M塩化ナトリウムを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH6.8)に溶解させ、SPDP 1.99mgを含むDMF溶液50μlと混合し、室温で60分間反応させた。さらに、9.25mgのジチオスレイトールを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)0.5mlを加え、室温で30分反応させた後、セファデックスG-25カラム(溶離液、2mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0)で分離し、SH基の導入されたHRPを得た。ヒトZAQL-2 2mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.7)に溶解させ、GMBS 0.76mg(2.7μmol)を含むDMF溶液50μlと混合し、室温で60分間反応させたのち、セファデックスG-25カラム(溶離液、0.1Mリン酸緩衝液、pH6.8)で分離し、マレイミド基の導入されたヒトZAQL-2を得た。このようにして作製された、SH基の導入されたHRP 1.67mg(41.4nmol)とマレイミド基の導入されたヒトZAQL-1 1.2mg(136nmol)とを混合し、4℃で1日反応させた。反応後ウルトロゲルAcA44(LKB-ファルマシア社製)カラムで分画し、HRP標識化ヒトZAQL-2を得た。
(1)免疫
8週令のBALB/C雌マウスにヒトZAQL-2を、それぞれ約80μg/匹となるよう、完全フロイントアジュバントとともに皮下免疫した。以後3週間おきに同量の免疫原を不完全フロイントアジュバントとともに2〜3回追加免疫した。
(2)西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP)標識化ヒトZAQL-2の作製
ヒトZAQL-2とHRP(酵素免疫測定法用、ベーリンガーマンハイム社製)とを架橋し、酵素免疫測定法(EIA)の標識体とした。
HRP 8.5mg(213nmol)を0.95mlの0.1M塩化ナトリウムを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH6.8)に溶解させ、SPDP 1.99mgを含むDMF溶液50μlと混合し、室温で60分間反応させた。さらに、9.25mgのジチオスレイトールを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)0.5mlを加え、室温で30分反応させた後、セファデックスG-25カラム(溶離液、2mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0)で分離し、SH基の導入されたHRPを得た。ヒトZAQL-2 2mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH6.7)に溶解させ、GMBS 0.76mg(2.7μmol)を含むDMF溶液50μlと混合し、室温で60分間反応させたのち、セファデックスG-25カラム(溶離液、0.1Mリン酸緩衝液、pH6.8)で分離し、マレイミド基の導入されたヒトZAQL-2を得た。このようにして作製された、SH基の導入されたHRP 1.67mg(41.4nmol)とマレイミド基の導入されたヒトZAQL-1 1.2mg(136nmol)とを混合し、4℃で1日反応させた。反応後ウルトロゲルAcA44(LKB-ファルマシア社製)カラムで分画し、HRP標識化ヒトZAQL-2を得た。
(3)ヒトZAQL-2を免疫したマウスの抗血清中の抗体価の測定
ヒトZAQL-2を3週間間隔で3回免疫を行い、その1週間後に眼底採血を行い血液を採取した。さらに血液を、4℃で12,000rpmで15分遠心した後、上清を回収し抗血清を得た。抗血清中の抗体価を下記の方法により測定した。抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレートを作製するため、まず、抗マウスイムノグロブリン抗体(IgG画分、カッペル社製)を100μg/ml含む0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)溶液を96ウェルマイクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24時間放置した。次に、プレートをリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)で洗浄したのち、ウェルの余剰の結合部位をふさぐため25%ブロックエース(雪印乳業社製)を含むPBSを300μlずつ分注し、4℃で少なくとも24時間処理した。
得られた抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレートの各ウェルにバッファーC〔1% BSA、0.4M NaCl、0.05% 2mM EDTA・Na(DOJINDO社)を含む0.02Mリン酸緩衝液、pH7.0〕50μl、およびバッファーCで希釈した複合体に対する抗血清100μlを加え、4℃で16時間反応させた。次に、該プレートをPBSで洗浄したのち、上記(2)で作製したHRP標識化ヒトZAQL-2(バッファーCで300倍希釈)100μlを加え、室温で1日反応させた。次に、該プレートをPBSで洗浄したのち、固相上の酵素活性をTMB (3,3',5,5'-テトラメチルベンチジン)マイクロウェルパーオキシダーゼ基質システム(KIRKEGAARD&PERRY LAB, INC、フナコシ薬品取り扱い)100μlを加え室温で10分間反応させることにより測定した。反応を1Mリン酸100μlを加え停止させたのち、450nmの吸収をプレートリーダー(BICHROMATIC、大日本製薬社製)で測定した。
結果を図1に示す。
免疫した8匹のマウス全ての、ヒトZAQL-2に対する抗血清中に、ヒトZAQL-2に対する抗体価の上昇が認められた。
ヒトZAQL-2を3週間間隔で3回免疫を行い、その1週間後に眼底採血を行い血液を採取した。さらに血液を、4℃で12,000rpmで15分遠心した後、上清を回収し抗血清を得た。抗血清中の抗体価を下記の方法により測定した。抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレートを作製するため、まず、抗マウスイムノグロブリン抗体(IgG画分、カッペル社製)を100μg/ml含む0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)溶液を96ウェルマイクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24時間放置した。次に、プレートをリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)で洗浄したのち、ウェルの余剰の結合部位をふさぐため25%ブロックエース(雪印乳業社製)を含むPBSを300μlずつ分注し、4℃で少なくとも24時間処理した。
得られた抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレートの各ウェルにバッファーC〔1% BSA、0.4M NaCl、0.05% 2mM EDTA・Na(DOJINDO社)を含む0.02Mリン酸緩衝液、pH7.0〕50μl、およびバッファーCで希釈した複合体に対する抗血清100μlを加え、4℃で16時間反応させた。次に、該プレートをPBSで洗浄したのち、上記(2)で作製したHRP標識化ヒトZAQL-2(バッファーCで300倍希釈)100μlを加え、室温で1日反応させた。次に、該プレートをPBSで洗浄したのち、固相上の酵素活性をTMB (3,3',5,5'-テトラメチルベンチジン)マイクロウェルパーオキシダーゼ基質システム(KIRKEGAARD&PERRY LAB, INC、フナコシ薬品取り扱い)100μlを加え室温で10分間反応させることにより測定した。反応を1Mリン酸100μlを加え停止させたのち、450nmの吸収をプレートリーダー(BICHROMATIC、大日本製薬社製)で測定した。
結果を図1に示す。
免疫した8匹のマウス全ての、ヒトZAQL-2に対する抗血清中に、ヒトZAQL-2に対する抗体価の上昇が認められた。
(4)モノクローナル抗ヒトZAQL-2抗体の作製
比較的高い抗体価を示したマウス(No.2とNo.4)に対して50〜100μgの免疫原を生理食塩水0.2mlに溶解させたものを静脈内に接種することにより最終免疫を行なった。最終免疫4日後のマウスから脾臓を摘出し、ステンレスメッシュで圧迫、ろ過し、イーグルズ・ミニマム・エッセンシャルメデイウム(MEM)に浮遊させ、脾臓細胞浮遊液を得た。細胞融合に用いる細胞として、BALB/Cマウス由来ミエローマ細胞P3-X63.Ag8.U1(P3U1)を用いた(Current Topics in Microbiology and Imnology、81巻、1頁、1978年)。
細胞融合は、原法(Nature、256巻、495頁、1975年)に準じて行なった。
脾臓細胞およびP3U1をそれぞれ、血清を含有しないMEMで3度洗浄し、脾臓細胞とP3U1数の比率を5:1になるよう混合して、800回転で15分間遠心を行い、細胞を沈澱させた。上清を充分に除去した後、沈殿を軽くほぐし、45%ポリエチレングリコール(PEG)6000(コッホライト社製)を0.3ml加え、37℃温水槽中で7分間静置して融合を行なった。融合後、細胞に毎分2mlの割合でMEMを添加し、合計15mlのMEMを加えた後600回転15分間遠心して上清を除去した。この細胞沈殿物を10%牛胎児血清を含有するGITメデイウム(和光純薬)(GIT-10% FCS)に、P3U1が1ml当り2×105個になるように浮遊し、24穴マルチディッシュ(リンブロ社製)に1ウェル1mlずつ192ウェルに播種した。播種後、細胞を37℃で5%炭酸ガスインキュベーター中で培養した。24時間後、HAT(ヒポキサンチン 1×10-4M、アミノプテリン 4×10-7M、チミジン 1.6×10-3M)を含んだGIT-10% FCS培地(HAT培地)を1ウェル当り1mlずつ添加することにより、HAT選択培養を開始した。HAT選択培養は、培養開始3、6および9日後に旧液を1ml捨てた後、1mlのHAT培地を添加することにより継続した。ハイブリドーマの増殖は、細胞融合後9〜14日で認められ、培養液が黄変したとき(約1×106セル/ml)、上清を採取し、上記(3)に記載の方法に従って抗体価を測定した。
ヒトZAQL-2を免疫したマウス由来のハイブリドーマの抗体産生細胞株を選択した例として、マウスNo.2とNo.4(図1参照)を用いて細胞融合を行い、得られたハイブリドーマの抗体産生状態を、図2〜図4に示す。得られた抗体産生ハイブリドーマの中から下記の計4種類のハイブリドーマを選択した〔表1〕。
比較的高い抗体価を示したマウス(No.2とNo.4)に対して50〜100μgの免疫原を生理食塩水0.2mlに溶解させたものを静脈内に接種することにより最終免疫を行なった。最終免疫4日後のマウスから脾臓を摘出し、ステンレスメッシュで圧迫、ろ過し、イーグルズ・ミニマム・エッセンシャルメデイウム(MEM)に浮遊させ、脾臓細胞浮遊液を得た。細胞融合に用いる細胞として、BALB/Cマウス由来ミエローマ細胞P3-X63.Ag8.U1(P3U1)を用いた(Current Topics in Microbiology and Imnology、81巻、1頁、1978年)。
細胞融合は、原法(Nature、256巻、495頁、1975年)に準じて行なった。
脾臓細胞およびP3U1をそれぞれ、血清を含有しないMEMで3度洗浄し、脾臓細胞とP3U1数の比率を5:1になるよう混合して、800回転で15分間遠心を行い、細胞を沈澱させた。上清を充分に除去した後、沈殿を軽くほぐし、45%ポリエチレングリコール(PEG)6000(コッホライト社製)を0.3ml加え、37℃温水槽中で7分間静置して融合を行なった。融合後、細胞に毎分2mlの割合でMEMを添加し、合計15mlのMEMを加えた後600回転15分間遠心して上清を除去した。この細胞沈殿物を10%牛胎児血清を含有するGITメデイウム(和光純薬)(GIT-10% FCS)に、P3U1が1ml当り2×105個になるように浮遊し、24穴マルチディッシュ(リンブロ社製)に1ウェル1mlずつ192ウェルに播種した。播種後、細胞を37℃で5%炭酸ガスインキュベーター中で培養した。24時間後、HAT(ヒポキサンチン 1×10-4M、アミノプテリン 4×10-7M、チミジン 1.6×10-3M)を含んだGIT-10% FCS培地(HAT培地)を1ウェル当り1mlずつ添加することにより、HAT選択培養を開始した。HAT選択培養は、培養開始3、6および9日後に旧液を1ml捨てた後、1mlのHAT培地を添加することにより継続した。ハイブリドーマの増殖は、細胞融合後9〜14日で認められ、培養液が黄変したとき(約1×106セル/ml)、上清を採取し、上記(3)に記載の方法に従って抗体価を測定した。
ヒトZAQL-2を免疫したマウス由来のハイブリドーマの抗体産生細胞株を選択した例として、マウスNo.2とNo.4(図1参照)を用いて細胞融合を行い、得られたハイブリドーマの抗体産生状態を、図2〜図4に示す。得られた抗体産生ハイブリドーマの中から下記の計4種類のハイブリドーマを選択した〔表1〕。
次に、上記で得られたハイブリドーマを限界希釈法によるクローニングに付した。クローニングに際しては、フィーダー細胞としてBALB/Cマウスの胸腺細胞を5×105個/ウェルになるように加えた。クローニング後、ハイブリドーマを、あらかじめミネラルオイル0.5mlを腹腔内投与されたマウス(BALB/C)に1〜3×106セル/匹を腹腔内投与したのち、6〜20日後に抗体含有腹水を採取した。
モノクローナル抗体は、得られた腹水よりプロテイン-Aカラムにより精製した。腹水6〜20mlを等量の結合緩衝液〔3.5M NaCl、0.05% NaN3を含む1.5Mグリシン(pH9.0)〕で希釈したのち、あらかじめ結合緩衝液で平衡化したリコンビナントプロテイン-A-アガロース(Repligen社製)カラムに供し、特異抗体を溶離緩衝液〔(0.05%NaN3を含む0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0)〕で溶出した。溶出液をPBSに対して4℃、2日間透析したのち、0.22μmのフィルター(ミリポア社製)により除菌濾過し、4℃あるいは-80℃で保存した。
モノクローナル抗体のクラス・サブクラスの決定に際しては、精製モノクローナル抗体結合固相を用いるエンザイム−リンクトイムノソーベントアッセイ(ELISA)法を行った。すなわち、抗体2μg/mlを含む0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)溶液を96ウェルマイクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24時間放置した。上記(1)に記載の方法に従って、ウェルの余剰の結合部位をブロックエースでふさいだのち、アイソタイプタイピングキット(Mouse-TyperTM Sub-Isotyping Kit バイオラッド社製)を用いるELISAによって固相化抗体のクラス、サブクラスを調べた。取得した抗体4種はいずれもH鎖がIgG1、L鎖がκであった。
モノクローナル抗体は、得られた腹水よりプロテイン-Aカラムにより精製した。腹水6〜20mlを等量の結合緩衝液〔3.5M NaCl、0.05% NaN3を含む1.5Mグリシン(pH9.0)〕で希釈したのち、あらかじめ結合緩衝液で平衡化したリコンビナントプロテイン-A-アガロース(Repligen社製)カラムに供し、特異抗体を溶離緩衝液〔(0.05%NaN3を含む0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0)〕で溶出した。溶出液をPBSに対して4℃、2日間透析したのち、0.22μmのフィルター(ミリポア社製)により除菌濾過し、4℃あるいは-80℃で保存した。
モノクローナル抗体のクラス・サブクラスの決定に際しては、精製モノクローナル抗体結合固相を用いるエンザイム−リンクトイムノソーベントアッセイ(ELISA)法を行った。すなわち、抗体2μg/mlを含む0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)溶液を96ウェルマイクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24時間放置した。上記(1)に記載の方法に従って、ウェルの余剰の結合部位をブロックエースでふさいだのち、アイソタイプタイピングキット(Mouse-TyperTM Sub-Isotyping Kit バイオラッド社製)を用いるELISAによって固相化抗体のクラス、サブクラスを調べた。取得した抗体4種はいずれもH鎖がIgG1、L鎖がκであった。
競合法酵素免疫測定法
ヒトZAQL-2-BTGを免疫原として作製したモノクローナル抗体の反応特異性を以下の方法により調べた。
まず、得られた4種類のモノクローナル抗体溶液の抗体価を上記実施例1−(3)記載の方法により調べ、競合法-EIAに用いる抗体濃度として、標識体の結合量が飽和結合量の約50%となる抗体濃度を決定した(約30〜50ng/ml)。次に、上記実施例1−(3)記載の抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレートに、(i)各モノクローナル抗体を50ng/mlとなるようバッファーCで希釈された抗ヒトZAQL-2抗体溶液50μl、(ii)バッファーCで希釈されたヒトZAQL-1溶液50μlまたはヒトZAQL-2溶液50μl、(iii)および上記実施例1−(3)で得られたHRP標識化ヒトZAQL-2(バッファーCで400倍希釈)50μlを抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレートに加え、4℃で16時間反応させた。反応後、PBSで洗浄したのち抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレート上の酵素活性を、上記実施例1−(3)記載の方法により測定した。
結果を図5に示す。
いずれの抗体も、ヒトZAQL-2との反応性を有するが、ヒトZAQL-1に対しては反応性を有していないことがわかる。
例として、これらの中でヒトZAQL-2に対して最も高い反応性を示したモノクローナル抗体ZAL2-103aおよびZAL2-106aの競合法-EIAの結果を、図6に示す。
ZAL2-103aおよびZAL2-106aのヒトZAQL-1の標準曲線から、最大反応に対する割合(B/B0)=0.5を与えるヒトZAQL-2濃度は、それぞれ0.8nMおよび3 nMであることが分かった。これらの結果から、ZAL2-103aおよびZAL2-106aは、ヒトZAQL-2に対して高い反応性を示しているものと考えられる。
ヒトZAQL-2-BTGを免疫原として作製したモノクローナル抗体の反応特異性を以下の方法により調べた。
まず、得られた4種類のモノクローナル抗体溶液の抗体価を上記実施例1−(3)記載の方法により調べ、競合法-EIAに用いる抗体濃度として、標識体の結合量が飽和結合量の約50%となる抗体濃度を決定した(約30〜50ng/ml)。次に、上記実施例1−(3)記載の抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレートに、(i)各モノクローナル抗体を50ng/mlとなるようバッファーCで希釈された抗ヒトZAQL-2抗体溶液50μl、(ii)バッファーCで希釈されたヒトZAQL-1溶液50μlまたはヒトZAQL-2溶液50μl、(iii)および上記実施例1−(3)で得られたHRP標識化ヒトZAQL-2(バッファーCで400倍希釈)50μlを抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレートに加え、4℃で16時間反応させた。反応後、PBSで洗浄したのち抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレート上の酵素活性を、上記実施例1−(3)記載の方法により測定した。
結果を図5に示す。
いずれの抗体も、ヒトZAQL-2との反応性を有するが、ヒトZAQL-1に対しては反応性を有していないことがわかる。
例として、これらの中でヒトZAQL-2に対して最も高い反応性を示したモノクローナル抗体ZAL2-103aおよびZAL2-106aの競合法-EIAの結果を、図6に示す。
ZAL2-103aおよびZAL2-106aのヒトZAQL-1の標準曲線から、最大反応に対する割合(B/B0)=0.5を与えるヒトZAQL-2濃度は、それぞれ0.8nMおよび3 nMであることが分かった。これらの結果から、ZAL2-103aおよびZAL2-106aは、ヒトZAQL-2に対して高い反応性を示しているものと考えられる。
HRP標識化抗ヒトZAQL-2モノクローナル抗体(ZAL2-103a-HRP)の作製
ZAL2-103a精製画分9.98mg(66.5 nmol)を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)に、GMBS 0.80μmolを含むDMF 50μlを加え、室温で40分反応させた。反応液をセファデックスG-25カラム(溶離液、0.1Mリン酸緩衝液、pH6.7)で分離し、マレイミド基の導入された抗体画分6.99 mgを得た。 次に、HRP 17.1 mg(428 nmol)を含む0.02Mリン酸緩衝液(0.15M NaClも含む)(pH6.8)1.14mlに、SPDP 6.42μmolを含むDMF 60μlを加え、室温で40分反応させた。次に、64.2μmolのジチオスレイトールを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)0.4mlを加え、室温で20分反応させた後、セファデックスG-25カラム(溶離液、2mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0)で分離し、SH基の導入されたHRP 9.8mgを得た。次に、SH基の導入されたHRP 8mgとマレイミド基の導入された抗体画分3mgとを混合し、コロジオンバッグ(ザルトリウス社製)で約0.5mlにまで濃縮したのち、4℃で16時間放置した。反応液を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡化したSephacrylS-300HRカラム(Pharmacia社製)に供し、ZAL2-103a-HRP複合体画分を精製した。
ZAL2-103a精製画分9.98mg(66.5 nmol)を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)に、GMBS 0.80μmolを含むDMF 50μlを加え、室温で40分反応させた。反応液をセファデックスG-25カラム(溶離液、0.1Mリン酸緩衝液、pH6.7)で分離し、マレイミド基の導入された抗体画分6.99 mgを得た。 次に、HRP 17.1 mg(428 nmol)を含む0.02Mリン酸緩衝液(0.15M NaClも含む)(pH6.8)1.14mlに、SPDP 6.42μmolを含むDMF 60μlを加え、室温で40分反応させた。次に、64.2μmolのジチオスレイトールを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)0.4mlを加え、室温で20分反応させた後、セファデックスG-25カラム(溶離液、2mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0)で分離し、SH基の導入されたHRP 9.8mgを得た。次に、SH基の導入されたHRP 8mgとマレイミド基の導入された抗体画分3mgとを混合し、コロジオンバッグ(ザルトリウス社製)で約0.5mlにまで濃縮したのち、4℃で16時間放置した。反応液を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡化したSephacrylS-300HRカラム(Pharmacia社製)に供し、ZAL2-103a-HRP複合体画分を精製した。
サンドイッチ法-EIA
実施例1で得られた精製したモノクローナル抗体ZAL2-106aを15μg/ml含む0.1M炭酸緩衝液(pH9.6溶液)を、96ウェルマイクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24時間放置した。ウェルの余剰の結合部位をPBSで4倍希釈したブロックエース400μlを加え不活化した。
上記調製済みプレートに、バッファーCを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH7)で希釈したヒトZAQL-2またはヒトZAQL-1標準液を100μlを加え、4℃で24時間反応させた。PBSで洗浄したのち、上記実施例3で作製したZAL2-103a-HRP(バッファーCで10,000倍希釈)100μlを加え、4℃で24時間反応させた。PBSで洗浄したのち、実施例1−(3)記載の方法によりTMB (3,3',5,5'-テトラメチルベンチジン)マイクロウェルパーオキシダーゼ基質システム(フナコシ)を用いて固相上の酵素活性を測定した(酵素反応20分)。
結果を図7に示す。
このサンドイッチ法-EIAは、ヒトZAQL-2を0.3 fmol/mLで検出することが可能であり、ヒトZAQL-1とは10000fmol/mLまで反応しなかった。したがって、固相抗体としてZAL2-106aを用い、標識体としてZAL2-103a-HRPを用いるサンドイッチ法-EIAは、ヒトZAQL-2を極めて高感度にかつ極めて選択的に検出することが可能であるとわかった。
実施例1で得られた精製したモノクローナル抗体ZAL2-106aを15μg/ml含む0.1M炭酸緩衝液(pH9.6溶液)を、96ウェルマイクロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24時間放置した。ウェルの余剰の結合部位をPBSで4倍希釈したブロックエース400μlを加え不活化した。
上記調製済みプレートに、バッファーCを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH7)で希釈したヒトZAQL-2またはヒトZAQL-1標準液を100μlを加え、4℃で24時間反応させた。PBSで洗浄したのち、上記実施例3で作製したZAL2-103a-HRP(バッファーCで10,000倍希釈)100μlを加え、4℃で24時間反応させた。PBSで洗浄したのち、実施例1−(3)記載の方法によりTMB (3,3',5,5'-テトラメチルベンチジン)マイクロウェルパーオキシダーゼ基質システム(フナコシ)を用いて固相上の酵素活性を測定した(酵素反応20分)。
結果を図7に示す。
このサンドイッチ法-EIAは、ヒトZAQL-2を0.3 fmol/mLで検出することが可能であり、ヒトZAQL-1とは10000fmol/mLまで反応しなかった。したがって、固相抗体としてZAL2-106aを用い、標識体としてZAL2-103a-HRPを用いるサンドイッチ法-EIAは、ヒトZAQL-2を極めて高感度にかつ極めて選択的に検出することが可能であるとわかった。
抗ZAL2-モノクローナル抗体によるヒトZAQL-2の生物活性の中和作用
ZAL2-85a、ZAL2-103aおよびZAL2-106aによるヒトZAQL-2対する中和活性を、WO 02/06483号公報公報の実施例3−5記載のI5E発現CHO細胞を用いた細胞内Ca2+イオン濃度上昇活性を指標に、FLIPR(Molecular Devices社)を用いて測定を行った。
I5E発現CHO細胞を、1.2×105cells/mlとなるように透析処理済ウシ胎児血清(以後dFBS) (JRH BIOSCIENCES 社)を含むDulbecco's modified Eagle medium(DMEM)培地(日水製薬株式会社)(10% dFBS-DMEM)に懸濁し、FLIPR用96穴プレート(Black plate clear bottom、Coster社)に分注器を用いて各ウェルに200μlずつ播種し(4×104cells/200μl/ウェル)、5% CO2インキュベーター中にて37℃で一晩培養した後用いた(以後、細胞プレートとする)。FLIPRアッセイバッファー〔ニッスイハンクス2(日水製薬株式会社)9.8g、炭酸水素ナトリウム 0.35g、HEPES 4.77g、6M水酸化ナトリウム溶液でpH7.4に合わせた後、1Lにフィルアップし、フィルター滅菌処理したもの〕20ml、250mM Probenecid(プロベセシド、シグマ社)、200μl、ウシ胎児血清(FBS)210μlを混合した。また、Fluo 3-AM(同人化学研究所)2バイアル(50μg)を、ジメチルスルフォキサイド 40μl、20% Pluronic acid(Molecular Probes社)40μlに溶解し、これをH/HBSS(ヘペスバッファードハンクスバランス溶液(ニッスイハンクス2(日水製薬株式会社) 9.8g、炭酸水素ナトリウム 0.35g、HEPES 4.77 g 、水酸化ナトリウム溶液で pH7.4に合わせた後、フィルター滅菌処理))20 ml、250 mM Probenecid 200 μl、ウシ胎児血清(FBS) 200 μlよりなるH/HBSS−Probenecid−FBS溶液に加え、混和後、8連ピペットを用いて培養液を除いた細胞プレートに、各ウェル100μlずつ分注し、5% CO2インキュベーター中で37℃1時間インキュベートした(色素ローディング)。ZAL2-85a、ZAL2-103aまたはZAL2-106aを、2.5mM Probenecidと0.2% BSAを含むHanks'/HBSS 120μlにて希釈し、ヒトZAQL-2(3.3×10-11M)と37℃で1時間インキュベーション後、各フラクション5μlを、FLIPR用96穴プレート(V-Bottomプレート、Coster社)へ移した(以後、サンプルプレートとする)。細胞プレートの色素ローディング終了後、Hanks'/HBSSに 2.5mM Probenecidを加えた洗浄バッファーで、プレートウォッシャー(Molecular Devices社)を用いて細胞プレートを4回洗浄し、洗浄後100μlの洗浄バッファーを残した。この細胞プレートとサンプルプレートをFLIPRにセットし、測定を行った(FLIPRにより、サンプルプレートから50μlのサンプルが細胞プレートへと移される)。
結果を図8に示す。
これより、ZAL2-103aは、ヒトZAQL-2(3.3x10-11M)の活性を、等モル濃度の3.3 x10-11Mで約97%抑制したことがわかる。また、ヒトZAQL-2の活性に対し、ZAL2-106aは10倍濃度(3.3x10-10M)で、ZAL2-85aは100倍濃度(3.3x10-9M)で、95%以上の中和活性をそれぞれ示した。
以上のことから、特にZAL2-103aは、ヒトZAQL-2と等モル濃度でヒトZAQL-2の細胞内Ca2+上昇活性を中和することが明らかとなり、中和抗体として使用可能である。
ZAL2-85a、ZAL2-103aおよびZAL2-106aによるヒトZAQL-2対する中和活性を、WO 02/06483号公報公報の実施例3−5記載のI5E発現CHO細胞を用いた細胞内Ca2+イオン濃度上昇活性を指標に、FLIPR(Molecular Devices社)を用いて測定を行った。
I5E発現CHO細胞を、1.2×105cells/mlとなるように透析処理済ウシ胎児血清(以後dFBS) (JRH BIOSCIENCES 社)を含むDulbecco's modified Eagle medium(DMEM)培地(日水製薬株式会社)(10% dFBS-DMEM)に懸濁し、FLIPR用96穴プレート(Black plate clear bottom、Coster社)に分注器を用いて各ウェルに200μlずつ播種し(4×104cells/200μl/ウェル)、5% CO2インキュベーター中にて37℃で一晩培養した後用いた(以後、細胞プレートとする)。FLIPRアッセイバッファー〔ニッスイハンクス2(日水製薬株式会社)9.8g、炭酸水素ナトリウム 0.35g、HEPES 4.77g、6M水酸化ナトリウム溶液でpH7.4に合わせた後、1Lにフィルアップし、フィルター滅菌処理したもの〕20ml、250mM Probenecid(プロベセシド、シグマ社)、200μl、ウシ胎児血清(FBS)210μlを混合した。また、Fluo 3-AM(同人化学研究所)2バイアル(50μg)を、ジメチルスルフォキサイド 40μl、20% Pluronic acid(Molecular Probes社)40μlに溶解し、これをH/HBSS(ヘペスバッファードハンクスバランス溶液(ニッスイハンクス2(日水製薬株式会社) 9.8g、炭酸水素ナトリウム 0.35g、HEPES 4.77 g 、水酸化ナトリウム溶液で pH7.4に合わせた後、フィルター滅菌処理))20 ml、250 mM Probenecid 200 μl、ウシ胎児血清(FBS) 200 μlよりなるH/HBSS−Probenecid−FBS溶液に加え、混和後、8連ピペットを用いて培養液を除いた細胞プレートに、各ウェル100μlずつ分注し、5% CO2インキュベーター中で37℃1時間インキュベートした(色素ローディング)。ZAL2-85a、ZAL2-103aまたはZAL2-106aを、2.5mM Probenecidと0.2% BSAを含むHanks'/HBSS 120μlにて希釈し、ヒトZAQL-2(3.3×10-11M)と37℃で1時間インキュベーション後、各フラクション5μlを、FLIPR用96穴プレート(V-Bottomプレート、Coster社)へ移した(以後、サンプルプレートとする)。細胞プレートの色素ローディング終了後、Hanks'/HBSSに 2.5mM Probenecidを加えた洗浄バッファーで、プレートウォッシャー(Molecular Devices社)を用いて細胞プレートを4回洗浄し、洗浄後100μlの洗浄バッファーを残した。この細胞プレートとサンプルプレートをFLIPRにセットし、測定を行った(FLIPRにより、サンプルプレートから50μlのサンプルが細胞プレートへと移される)。
結果を図8に示す。
これより、ZAL2-103aは、ヒトZAQL-2(3.3x10-11M)の活性を、等モル濃度の3.3 x10-11Mで約97%抑制したことがわかる。また、ヒトZAQL-2の活性に対し、ZAL2-106aは10倍濃度(3.3x10-10M)で、ZAL2-85aは100倍濃度(3.3x10-9M)で、95%以上の中和活性をそれぞれ示した。
以上のことから、特にZAL2-103aは、ヒトZAQL-2と等モル濃度でヒトZAQL-2の細胞内Ca2+上昇活性を中和することが明らかとなり、中和抗体として使用可能である。
ヒト血漿中のヒトZAQL-2の逆相高速液体クロマトグラフィーによる検出
実施例6に記載の、ヒト血漿中に含まれるヒトZAQL-2免疫活性を同定するため、ヒト血漿2.5mlにアセトニトリルを5ml添加して混和後、遠心分離(15,000rpm,5分)を行い、タンパク質の除去を行った。上清を凍結乾燥後、この画分を濃縮後ODS-80TMを用いる逆相HPLCによって分画した。
カラム条件:
カラム:ODS-80TM (4.6 x 250 mm)
溶離液:A液(0.05%トリフルオロ酢酸含有 5%アセトニトリル)
B液(0.05%トリフルオロ酢酸含有 60%アセトニトリル)
溶出方法:アセトニトリル濃度を最初の5分間に5%から30%まで上昇させ、次に30
分間かけて30-40%に直線的に上昇させた。
流速:1.0 ml/分
分画:0.5ml/tube
溶出画分を凍結乾燥したのち、250μlのバッファーCに溶解させ、実施例4記載のサンドイッチ法-EIAに供した。
結果を図9に示す。血漿中のヒトZAQL-2の免疫活性はほとんど標準品ヒトZAQL-2の溶出位置に検出された(回収率66%)ことから、該サンドイッチ法-EIAが、ヒトZAQL-2を検出していることが確認された。
これより、この測定系は、血漿中のヒトZAQL-2の変動を研究する際の重要な手段となりうることがわかる。
実施例6に記載の、ヒト血漿中に含まれるヒトZAQL-2免疫活性を同定するため、ヒト血漿2.5mlにアセトニトリルを5ml添加して混和後、遠心分離(15,000rpm,5分)を行い、タンパク質の除去を行った。上清を凍結乾燥後、この画分を濃縮後ODS-80TMを用いる逆相HPLCによって分画した。
カラム条件:
カラム:ODS-80TM (4.6 x 250 mm)
溶離液:A液(0.05%トリフルオロ酢酸含有 5%アセトニトリル)
B液(0.05%トリフルオロ酢酸含有 60%アセトニトリル)
溶出方法:アセトニトリル濃度を最初の5分間に5%から30%まで上昇させ、次に30
分間かけて30-40%に直線的に上昇させた。
流速:1.0 ml/分
分画:0.5ml/tube
溶出画分を凍結乾燥したのち、250μlのバッファーCに溶解させ、実施例4記載のサンドイッチ法-EIAに供した。
結果を図9に示す。血漿中のヒトZAQL-2の免疫活性はほとんど標準品ヒトZAQL-2の溶出位置に検出された(回収率66%)ことから、該サンドイッチ法-EIAが、ヒトZAQL-2を検出していることが確認された。
これより、この測定系は、血漿中のヒトZAQL-2の変動を研究する際の重要な手段となりうることがわかる。
Claims (24)
- 配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩に特異的に反応するモノクローナル抗体。
- 配列番号:1で表されるアミノ酸配列の、第8〜9、11、15、17、21、23、25〜28、30、34、36〜37、39〜40、44〜46、48、52〜53、55、64、66、68、70〜73、75〜76および78〜81番目のアミノ酸配列から選ばれる少なくともひとつを含有するペプチドに特異的に反応する請求項1記載のモノクローナル抗体。
- 配列番号:2または配列番号:3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを認識しない請求項1記載のモノクローナル抗体。
- 標識化された請求項1記載のモノクローナル抗体。
- ZAL2−103(FERM BP−8431)で標示されるハイブリドーマ細胞から産生され得るZAL2−103aで標示される請求項1記載のモノクローナル抗体。
- ZAL2−106(FERM BP−8432)で標示されるハイブリドーマ細胞から産生され得るZAL2−106aで標示される請求項1記載のモノクローナル抗体。
- 配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するペプチドに対して中和活性を有する請求項1記載のモノクローナル抗体。
- 請求項1記載のモノクローナル抗体を含有してなる医薬。
- 請求項1記載のモノクローナル抗体を含有してなる診断薬。
- 請求項1記載のモノクローナル抗体を用いることを特徴とする配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法。
- 請求項1記載のモノクローナル抗体を用いることを特徴とする配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩が関与する疾患の診断法。
- 請求項1記載のモノクローナル抗体と、被検液および標識化された配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩とを競合的に反応させ、上記抗体に結合した上記標識化されたポリペプチドまたはその塩の割合を測定することを特徴とする、被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法。
- 担体上に不溶化した請求項5記載のモノクローナル抗体、標識化された請求項6記載のモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法。
- 担体上に不溶化した請求項6記載のモノクローナル抗体、標識化された請求項5記載のモノクローナル抗体および被検液を反応させた後、標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定量法。
- 請求項1記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞。
- ZAL2−103(FERM BP−8431)またはZAL2−106(FERM BP−8432)で標示される請求項15記載のハイブリドーマ細胞。
- 請求項15記載のハイブリドーマ細胞を生体内又は生体外で培養し、その体液または培養物から請求項1記載のモノクローナル抗体を採取することを特徴とする請求項1記載のモノクローナル抗体の製造法。
- 中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の予防・治療剤である請求項8記載の医薬。
- 中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の診断薬である請求項9記載の診断薬。
- 請求項1記載の抗体の、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドに対する結合部位に特異的に反応する抗体。
- 請求項5記載の抗体の、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドに対する結合部位に特異的に反応する抗体。
- 請求項6記載の抗体の、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドに対する結合部位に特異的に反応する抗体。
- 哺乳動物に対し、請求項1記載の抗体の有効量を投与することを特徴とする中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の予防・治療法。
- 中枢神経疾患、運動機能障害または内分泌疾患の予防・治療剤を製造するための請求項1記載の抗体の使用。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004306963A JP2005143504A (ja) | 2003-10-22 | 2004-10-21 | 抗体およびその用途 |
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JP2003361639 | 2003-10-22 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009529662A (ja) * | 2006-03-09 | 2009-08-20 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | 抗薬物抗体アッセイ法 |
-
2004
- 2004-10-21 JP JP2004306963A patent/JP2005143504A/ja not_active Withdrawn
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JP2009529662A (ja) * | 2006-03-09 | 2009-08-20 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | 抗薬物抗体アッセイ法 |
JP4902674B2 (ja) * | 2006-03-09 | 2012-03-21 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | 抗薬物抗体アッセイ法 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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