JP2005134233A - 計測器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力を計測するには、回路ごとに電圧計測用の専用配線と電流計測用の変流器およびその専用配線がそれぞれ必要であり、また、それらをそれぞれ被計測電路へ固定するとともに計測機器に間違いなく配線を行う必要がある。その際、電流計測器の極性や相識別、電圧計測の相の識別を誤らずに配線する必要があり、これは、非常に注意の必要な作業であり、回路数が多い場合などは特に、誤配線による不具合が多発するという現状が現場では続いていた。
【解決手段】先端が導電性の電圧計測部と、クランプ形の電流計測部とを備え、前記電流計測部を被覆した電線にクランプし、前記電線の電流を計測すると共に、クランプ時に前記電圧計測部の先端を、被覆した電線に貫通することで、その先端が前記電線内の導電部に触れることにより、前記電線の電圧を同時に計測する構成である。
【選択図】図1
【解決手段】先端が導電性の電圧計測部と、クランプ形の電流計測部とを備え、前記電流計測部を被覆した電線にクランプし、前記電線の電流を計測すると共に、クランプ時に前記電圧計測部の先端を、被覆した電線に貫通することで、その先端が前記電線内の導電部に触れることにより、前記電線の電圧を同時に計測する構成である。
【選択図】図1
Description
本発明は、被測定電路の電流、電圧を測定し、電力量を求める電力量計測技術に関するものである。
従来、電力計測するために、電圧、電流などの電力諸量を計測するには、次のような方法が用いられていた。すなわち、電圧を測定する場合は、被測定電路の充電部に電圧測定用の専用配線をボルト締結にて固定し、電圧情報を計測部へ送っていた。高圧回路の場合には、計器用変圧器を介して同様の電圧計測を行っていた。被測定電路への配線接続のもう一つの方法として、クランプ式の電圧測定方法があるが、この場合についても、測定電路の充電部をクランプする電圧計測用の専用配線を用いて、測定を行っていた。
次に電流を測定する場合は、上記電圧入力用の配線とは別に被測定電路に計器用変流器を設置し、その2次出力を計測器に送るための専用の電流計測配線が必要であった。
図19に示すのは、上記した従来の電圧、電流計測器である。図19において、被計測部である被測定電路101の導体102の所定位置に、電圧入力用専用配線103をボルト締結による固定手段104により固定し、被測定電路101の導体102の電圧を計測し、計測した電圧情報を計測器105に送る。また電流入力用専用配線106に接続する変流器107を被測定電路101の導体102にクランプし、被測定電路101の導体102の電流を計測し、計測した電流情報を計測器105に送っていた。
なお、この従来例では被測定電路101は絶縁被覆部のない導体102の場合を示したが、被測定電路101に絶縁被覆部を有し、内部に導体部を有する場合は、被覆部を取り除き、導体を露出させて固定手段104を取りつける必要があった。
また、被計測部の電流を計測する変流器を備えた計測器の先行技術例として、変流器を取り付ける際の配線間違いがないように変流器に相識別手段を施した技術が特許文献1に示されている。
特開2000−74946号公報(図1)
以上述べたように、電力を計測するには、電圧計測用の専用配線と電流計測用の変流器およびその専用配線がそれぞれ必要であり、また、実際の計測のためには、それらをそれぞれ被計測電路へ固定し計測機器に配線を行う必要があるため、3相電路などへの配線の場合、電流計測器の極性や相識別、電圧計測の相の識別を誤らずに配線する必要があり、これは、非常に注意の必要な作業となり、配線現場においては、誤配線による不具合が多発するという現状が続いていた。
また、計測箇所が多い場合などは配線が多いので、なおさら複雑な作業となり、かつ配線スペースの増大という問題も抱えていた。
本発明は上記課題を解決するもので、電力諸量の計測における誤配線の防止による品質向上、配線部材の削減、省スペース化、作業効率の向上に関するものである。
上記目的を達成するために本発明の計測器は、導電性の電圧検出部を備え、その先端を被計測部の被覆電線に貫通し、電線内の導電部に触れるようにすることにより、電線の電圧を計測するものである。
また特に、電圧検出部は、鋭利な形状をし、被覆電線を貫通させるものである。
また、本発明の計測器は、さらに環状でクランプ形の電流計測部とを備え、電圧検出部を、電流計測部の環状内側面に先端が内側に向くように設け、電流計測部を被計測部の被覆電線にクランプし、電圧検出部の先端が電線を貫通し、電線内の導電部に触れるようにすることで、電線の電流と電圧を計測するものである。
また、本発明の計測器は、平板形状で変形自在なコア部と、その一部に巻きつけられたコイル部とからなり、被計測部を環状に取り巻いて装着することにより、被計測部の電流を計測するものである。また、上記した導電性で鋭利な形状を有する電圧検出部を備え、電圧計測するものである。
また、本発明の計測器は、分割されたコア部と、コア部の少なくとも一部に巻きつけられたコイル部とからなり、分割されたコア部により被計測部を環状に取り巻いて閉磁路を形成して被計測部の電流を計測するものである。また、上記した導電性で鋭利な形状を有する電圧検出部を備え、電圧計測するものである。
また、本発明の計測器は、平板形状で変形自在なコア部と、弾力性を有しコア部の外周面に接して環形状に形成する保持ガイドと、コア部の少なくとも一部に巻きつけられたコイル部とからなり、コア部と保持ガイドはともに環の略同一位置箇所に外力により開口可能な切れ目部を有し、切れ目部から被計測部を挿入して環状に取り巻いて被計測部の電流を計測する電流計測部を備えた計測器。また、上記した導電性の電圧検出部を備え、同時に電圧計測するものである。
以上の説明から明らかなように、本発明の電流電圧計測器は、電流、電圧の計測に際し、複雑な配線を不要とし、計測部の機器の一体化と簡単な取付方式を採用することで、計測電力などの電力諸量の計測に際して配線部材の削減、誤配線の防止などの品質向上、省スペース化、作業効率の向上を図ることができる。
特に、従来、計測回路が複数の場合においては、電流計測部の相や極性の区分、電圧の相配置を間違わぬだけでなく、回路間の区別も必要なため非常に複雑な配線となっていたが、この方式によれば、電流と電圧の計測部が一体でかつ出力部も回路ごとにまとまっており、極性や相の配線間違いについても気にする必要がないため、非常に簡単に、信頼性の高い作業を行うことができる。また、作業性の向上や、計測部の省スペース化により、安全作業にも貢献することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図3を用いて説明する。
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図3を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1における電圧計測器、図2(a)は、図1に示した電圧計測器による電圧計測時の概念図、図2(b)および(c)は、それぞれ図2(a)で示す電圧計測時の回路概略図を示す。また図3は図2(a)の電圧計測時において電圧計測器を被覆電線に固定した部分の断面図を示す。
図1から図3において、1は導電性で先端が尖った針形状をなし、被計測部の導電部に接触させて電圧を計測する電圧検出部を示す。また2は被覆電線などで構成されて、電圧検出部1にて計測された電圧情報を伝達する電圧伝達部、3はコネクタなどにより構成され、電圧情報を受ける電圧出力部を示す。さらに電圧出力部3は計測結果の表示や演算を行う計測表示部4へ接続して実際の計測結果の表示等を行う。これら電圧検出部1、電圧伝達部2、および電圧出力部3により電圧計測器本体5を形成する。
また6は被計測部の被覆電線、7は電圧伝達部2における導体部、8は同電圧伝達部2の被覆部を示す。さらに9は被覆電線6の導体部、10は同被覆電線6の被覆部を示す。
導体部7は、電圧情報の伝達を行い、被覆部8は、電圧が印加されている導体部を外部から絶縁する事で、伝達精度の向上と、人の接触などによる感電防止作用を有する。
そして図1から図3で示すように、電圧検出部1は、先端を尖った針形状とする事で、被計測部の被覆電線6の被覆部を貫通し、固定するだけで、容易に被覆電線6の内部の導電部9に電圧検出部1を接触させる事ができるため、作業時に充電回路に触ることなく非常に安全かつ簡単な作業で電圧を計測する事が可能な電圧計測器を提供することができる。
なお、本実施の形態において、電線の電圧を計測する時は、先端が尖った針形状の電圧計測器1本を、各被計測部の被覆部を貫通させて導電部に接触させればよい。その際の回路概略図が図2(b)(c)であり、図2(b)は相間電圧、図2(c)は相アース間電圧測定図を示す。
また、電圧計測器5は、被計測回路の被覆電線6の所定の固定部に、テーピング処置や、固定バンドなどの結束冶具による保持を行うことにより、絶縁保護力や物理的な固定力の向上を図ることができ、より安全で信頼性の高い計測部を提供する事ができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図4から図10を用いて説明する。
次に、本発明の実施の形態2について、図4から図10を用いて説明する。
本実施の形態において実施の形態1と同様の構成については同一の番号を付して重複する詳細な説明を省略する。
図4は本実施の形態における電流電圧計測器の一例を示す。図5は、図4で示す電流電圧計測器による電流電圧計測時の概念図を示す。また、図6は前記電流電圧計測器を被覆電線に固定した部分の断面図を示す。図7から図10は電圧検出部のその他の一例を示す。
本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、実施の形態1で示した電圧検出部を電流計測器に組み込み、一体化した点である。
図4において、1は実施の形態1と同様先端の尖った針形状とした電圧計測部である。また11はコアと2次コイルなどから構成された変流機能を有する環形状の電流計測部で、被計測部を取り巻いて開閉可能なクランプ形をなしている。また12は被覆電線あるいはシールド線などで構成され、電流計測部11と電圧検出部1にて計測された電流および電圧の情報を伝達する電流電圧伝達部である。また13はコネクタなどにより構成され、電流および電圧の情報を受ける電流電圧出力部であり、図5に示す計測結果の表示や演算を行う計測表示部4へ接続し、計測表示部4では実際の計測結果の表示等を行う。
以上のように構成された電流電圧計測器について、その動作を説明する。
図5は、電流電圧計測器14の電流計測部を被計測部の被覆電線6を取り巻いてクランプして設置した状態を示している。このように電流電圧計測器14を設置する場合、図4の様に電流電圧計測器14の電流計測部をクランプ状に開いた状態にして被計測回路の被覆電線を取り巻いた後、クランプ部を閉じる事により、被覆電線をクランプする。この際、同時に先端の尖った針形状をなす電圧測定部1が被覆電線6に貫通し、被覆電線6の充電部に達することができる。図6は、図5の、被計測電路の電線6に、電流電圧計測器14を固定した部分の断面図を示し、電圧検出部1が被計測部の被膜電線6の導電部9に貫通し電圧を計測している様子を示す。
つまり、上記のような構成により電流計測部と電圧計測部とを一度の作業で被計測回路の被覆電線取り付けることができるので、電圧計測回路の作業の際、ボルト締め作業などといった充電部への危険な配線作業を行うことなく安全かつ簡単に間違いのない作業を実施することができる電流電圧計測器を提供することができる。なお、電流計測部11のクランプ部は、表面に絶縁材料を用いることで、人体の接触による感電事故や、漏電、地絡などによる、計測不具合や事故の防止作用を有する。
また、本実施の形態における電流電圧計測器は、電圧計測部と電流計測部とを一体にしたものであるが、電圧計測部のみを取り外し、電流計測部と分離できる構造であっても良い。これにより電圧と電流の測定を異なる箇所で行なうことができ、被測定対象の状況に応じて対処が可能となる。
また、7に示した電圧検出部は、先端に釣り針のように抜け止め防止用返り1aをつけることで、抜け止めと、被計測部の充電部との接触面の確保の効果を増すことができる。また図8に示した電圧検出部は、所定の幅を持たせて先端を薄くした刃形状とし、クランプ形の電流電圧計測器11をクランプした際、被膜電線6に刃形状の電圧検出部1が刺し込まれ、被膜部10を貫通して導電部9に接触させる。
さらに図9(a)に示した電圧計測部は、2つの刃形状部を所定の間隔をあけて向かい合わせ、設置の際に、被計測部の被膜電線6を、向かい合わせた刃形状部によってできる窪み部1bに挟み込むことにより、被膜電線6に刃形状部が刺し込まれ、被膜部10を貫通して導電部9に接触させる。また図9(b)はこの電圧計測部をクランプ形の電流計測器11と一体化したものであり、クランプ時に刃形状部が被膜電線6の導電部に接触させることができ、電圧と電流を測定する装置が同時に装着できる。また図10は、図8で示す電圧検出部1の刃形状部を、環状の電流計測器内側に、径方向に対向する側にもう1箇所設けたもので、これにより、電流計測器のクランプ時に確実に刃形状の電圧検出部を被膜電線6の導電部9に接触させることができ、より精確に電圧および電流の測定ができる。
なお、以上に示したものは本実施の形態における実施例を示したもので、これらに限定するものではなく、例えば、図10で示す刃形状の電圧計測部は2つに限定するものではなく、3つ以上であってもよい。また、図9(b)で示す刃形状のものも同様にして、2つ以上であってもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について、図11を用いて説明する。
次に、本発明の実施の形態3について、図11を用いて説明する。
なお、本実施の形態において実施の形態1および2と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図11は本実施の形態で示す電流電圧計測器の実施例を示す。図11において、15は被計測回路の導体、1は弾性を有するばね形状の電圧計測部を示す。
本実施の形態の電流電圧計測器は、被計測部が被覆されていない導体であり、電圧検出部1の形状を弾性体であるばね形状とした点が実施の形態2と異なる。
以上のように構成された電流電圧計測器においてその動作を説明する。
電流計測器11を、電圧および電流の計測を行なう被覆されていない被計測部の導体15にクランプする。環状の電流電圧計測器14の内側面には、弾性を有するばね形状の電圧検出部1を備えており、クランプ時に被計測部の導体15の表面に接触させるように保持する。このように、簡単な作業で誤配線を生じることなく電圧と電流の双方を計測することが可能となる。
なお、電圧検出部1は、弾性を有していれば、ばね形状に限定されることななく、同様の効果を発揮することができる。
また、電圧計測部のばね力を調整すれば、電圧電流計測器自体の導体に対する保持力とすることができるため、電圧電流計測器を導体に固定するための作業も省くことができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について、図12から図14を用いて説明する。
次に、本発明の実施の形態4について、図12から図14を用いて説明する。
なお、本実施の形態において実施の形態1から3と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図12は本発明の実施の形態4における電流計測器の一例を示す。図12において、31はコア部を示す。このコア部31は電磁鋼板などから構成されているが、折り曲げ自由な平板形状とするために、構成は1枚の平板ではなく、複数の板を、キャタピラや腕時計の金属ベルト、または鎖などのように、小さなモジュールを織り込むように重ねあわた構成となっている。32はコイル部を示し、前記コア部31を周回するように配置されている。33はコア固定部を示し、前記平板状のコア31を丸めて環状に変形した時の形状固定を行う。そして、これらにより電流計測部30を形成している。また34は電流伝達部、35は電流出力部を示す。
図13は、図12で示した電流計測部30を丸めて環状に変形させる様子を断面で示した図である。ここで36は、コア固定部33を環状に固定するために帯状のコア固定部33の両側端部に設けている固定部を示す。
図14は、コア固定部33を環状に固定し、本実施の形態の電流計測器を使用した時の電流計測器断面を示す。
以上のように構成された電流計測器において、その動作を説明する。
本実施例における電流計測器は、コア部が一体の固定形状ではなく、小さなモジュールを組み合わせて構成されていることから、折り曲げによる変形が自在であり、図13、14の様な形状に変形させても、コア部31に歪を残すことがないので、本来の測定精度を損なうことがない。また、コア部31を被計測電路のまわりに環状に形成したのち固定するコア固定部33に設けた固定部36は、引っ掛け式やマジックテープなどなどの非常に簡単な構成で、確実な作業を実施できることから、変形自在で取り付けやすいと共に、精度の良い電流計測器を提供することができる。
また、上記構成において、図6または図11に示すように、環状の電流計測部の内側面に先端の尖った針状または弾性を有するばね形状にした電圧検出部を設けて、電流電圧計測器として用いると、容易に電流と電圧を測定する装置を同時に装着することができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について、図15(a)から(c)を用いて説明する。
次に、本発明の実施の形態5について、図15(a)から(c)を用いて説明する。
なお、本実施の形態において実施の形態1から4と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図15(a)から(c)は本実施の形態の電流電圧計測器の一例を示すもので、図15(a)において、22は保持ガイドを示す。この保持ガイド22は弾性を有し、コア部31の形状を環状に維持している。
本実施の形態と実施の形態2から4との異なる点は、環状の保持ガイド22をコア部31の外周面に接して設けた構造としたことである。
本実施の形態では、コア部31の環形状を維持するために弾性を有する保持ガイド22を設けることで、通常時には図15(a)に示すようにコア部31を閉じ、環形状に保持して電流計測することを可能とし、被計測電路に取り付ける際には、保持ガイド22の弾性を利用してコア部31の環形状の端部を、図15(b)に示すようにFの方向に開き、被計測電路に電流電圧計測器をはめ込む。その後は、保持ガイド22の弾性によって再びコア部31を閉じ、電流電圧計測器として用いる。また、図15(c)に示すように、コア部31の開口端部に位置する保持ガイド22に被計測電路の被覆電線6あるいは導体をリング状のコア内に導くためのガイドを設け、更に作業性が向上できる。
また、図15(a)に示すように、本実施の形態においても環形状のコア部31の内周側面に先端の尖った針形状の電圧検出部1を設けることで、電流、電圧を測定できる装置を同時に装着できる。また、図示しないが電圧検出部1を、弾性を有するばね形状とすることで被覆部を持たない導体に対して同様に、電流、電圧を測定できる装置を同時に装着できる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について、図16から図18を用いて説明する。
次に、本発明の実施の形態6について、図16から図18を用いて説明する。
なお、本実施の形態において実施の形態1から5と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図16は本実施の形態の電流電圧計測器の使用例の一例を示す。また図17および18は本実施の形態の電流電圧計測器の断面図の一例を示す。
本実施の形態と実施の形態2から5との異なる点は、被計測回路に設置されている接続端子部を有する電気機器であるブレーカを利用してその端子部に電流電圧計測器をワンタッチで取り付けられるように構成した点である。
図16において、19はブレーカ、20はブレーカ用カバー、21はカバー一体型電流電圧計測器である。カバー一体型電流電圧計測器21は、ブレーカ用カバー20と形状を合わせることで、ブレーカカバーと同じ位置に取付けることを可能としている。
なお、本実施の形態におけるカバー一体型電流電圧計測器21は、実施の形態5で説明した図15(c)で示すような電流電圧計測器を備えており、ブレーカ19にカバーするとともに電流、電圧を計測する測定する装置を同時に装着できるようにしている。
また、図17は本実施の形態の別の実施例を示すもので、23は第1の外装部、24は第2の外装部を示している。また31、25はそれぞれコア部を示し、1は電圧検出器を示す。そして第1の外装部と第2の外装部とを合わせることで、変流機能を有して2相分の電流を計測する電流計測部と3つの電圧計測部を絶縁材料にて図16と同様、ブレーカカバーに似た形状に一体化して構成されている。
この第1の外装部23の電流計測部は、コア部31とコイル部32とから構成されている。また、電圧検出部1は、第1の外装部23をブレーカ19に取り付けた際に、被計測電路の充電部である、3つの端子接続部に弾性を持って接触するようにそれぞれ配置されている。また、第2の外装部24はコア部25を2つを絶縁材料にて保持する形で構成され、第1の外装部23に固定したときに、コア部31とコア部25が閉磁路を構成するように構成している。
図17で示す上記のようなブレーカカバー一体型電流電圧計測器においてその動作を説明する。
まず、被計測回路に設置済みのブレーカ19に端子部の保護カバーを取り付ける要領で、図17で示すカバー一体型電流電圧計測器の第1の外装部23を取り付ける。そして取り付けると同時に、その構成要素である電圧検出部1がブレーカ19の端子部に弾性を保持しながら接触するため、安定した電圧計測を行うことができる。
次に、第2の外装部24を第1の外装部23に固定することで、2相分の電路に対してコア部31とコア部25により閉磁路が形成され、電流計測用の変流機能が構成され、電流計測を行うことができる。したがって、非常に簡単な作業でブレーカの充電部を保護すると共に、電流、電圧の両計測を、複雑な配線作業を行うことなく非常に簡単に行うことができる。
さらに、図18(a)から(c)を用いてカバー一体型電流電圧計測器のその他の例について説明する。図18(a)から(c)は、順に変流器部の被計測電路への取付時の動きを示している。そして図18(a)は被計測電路である被覆電線6に装着する前の状態におけるカバー一体型電流電圧計測器、26は第3の外装部、25、31はコア部、32はコイル部を示す。
このカバー一体型電流電圧計測器では、第3の外装部26は変流器部は絶縁材料で構成され、また一体に配置されたコア部31とコイル部32が、回転自在に配置されている。そして、コア部31が回転し所定の位置となったときに、コア部25がコア部31と合体して被計測電路を周回する閉磁路を形成できるようにしている。
上記のような構成においてその動作を説明する。
図18(b)に示すように、被計測電路の被覆電線6にカバー一体型電流電圧計測器を押し当てると、その力によりコア部31は、第3の外装部26の内部で、コア回転軸27を中心に回転し、図18(c)に示すように、被覆電線6を取り巻くようにして、コア部25とにより閉磁路を形成する。この閉磁路を用い、コイル部32の変流機能によって被計測回路の電流を簡単に計測することができる。
上記の構成によれば、銅バーなどにて構成された被計測回路に対しても同様に用いることができる。
また、被計測回路が三相3線回路のみではなく、単相回路やその他回路用の機器についても同様の効果を発揮する。
なお図示していないが先端の尖った針形状の電圧検出部をコア部31の内側に設けておくことで、電線などの被覆部を有する被計測部の電圧を同時に計測することができる。
また、本カバー一体型電流電圧計測器は、電圧もしくは電流のいずれか一方の機能のみで構成してもよい。さらにブレーカーに限らず、被計測回路に設置されており、かつ接続端子部を有する機器については同様の効果を発揮する。
なお、上記した実施の形態2から6のすべての電流計測器においては、1相または2相の電路の電流を計測する例を示したが、計測器を全ての相に設けることにより、漏洩電流まで計測することができ、計測した電圧とから電力量を求める場合には、より精確に算出できる。
また、特に図示していないが、電流電圧計測器に温度センサを内蔵させることにより、状態の異常をより早く計測できる。さらには温度ヒューズを内蔵すれば、接点回路の開閉により異常情報を外部に容易に伝達できる。
また、図示していないが、各実施の形態においては計測器に、計測した電圧、電流情報から、電力、力率、周波数などを演算する演算部を有するようにしてもよい。なお、全ての相に電流計測器を設けることにより、計測した電流情報から、演算部において各相の漏洩電流を同時に求めるようにすることができる。
また、計測器には、計測した電流、電圧、最大温度、演算して求めた電力量、および積算電力量等を記憶するメモリ等の記憶装置、記憶したそれらデータを表示する数値表示部、あるいは計測データ、演算データ等を外部へ出力するデータ出力部を設けることにより、本発明の効果を一層高めることができる。
配電盤、受電盤などにおける電圧、電流計測およびその計測値を用いた電力量測定装置、あるいは広く一般に電気量計測装置として利用できる。
1 電圧検出部
1a 抜け止め防止用かえり
6 被覆電線
11 電流計測部
19 ブレーカ
21 カバー一体化電流電圧計測器
22 保持ガイド
25、31 コア部
31a 切れ目部
30 電圧検出部
32 コイル部
33 コア固定部
36 固定部
1a 抜け止め防止用かえり
6 被覆電線
11 電流計測部
19 ブレーカ
21 カバー一体化電流電圧計測器
22 保持ガイド
25、31 コア部
31a 切れ目部
30 電圧検出部
32 コイル部
33 コア固定部
36 固定部
Claims (29)
- 導電性の電圧検出部を有し、前記電圧検出部の先端を被計測部の被覆電線を貫通し、その先端が前記電線内の導電部に触れるようにすることにより、前記電線の電圧を計測する計測器。
- 導電性の電圧検出部を有し、環状でクランプ形の電流計測部とを備えた計測器であって、前記電圧検出部は前記電流計測部の環状内側面に先端が内側に向くように設けられ、前記電流計測部を被計測部にクランプし、前記電圧検出部の先端が前記被計測部の被覆電線を貫通し、前記電線内の導電部に触れるようにすることにより、前記電線の電流と電圧を計測する計測器。
- 電圧検出部は鋭利な形状であり、被覆電線を突きさすことで貫通する請求項1または2記載の計測器。
- 平板形状で変形自在なコア部と、前記コア部の少なくとも一部に巻きつけられたコイル部とからなり、被計測部を環状に取り巻いて装着することにより、前記被計測部の電流を計測する電流計測部を備えた計測器。
- 平板形状で変形自在なコア部と、前記コア部の少なくとも一部に巻きつけられたコイル部とからなり、被計測部を環状に取り巻いて装着することにより、前記被計測部の電流を計測する電流計測部と、導電性の電圧検出部とを備えた計測器であって、前記電圧検出部は前記電流計測部の環状内側面に先端が内側に向くように設けられ、前記電流計測部を被計測部の被覆電線を環状に取り巻いて装着し、前記電圧検出部の先端が前記電線貫通し、前記電線内の導電部に触れるようにすることにより、前記電線の電流と電圧を計測する計測器。
- 電圧検出部は鋭利な形状であり、被覆電線を突きさすことで貫通する請求項5記載の計測器。
- 電流計測部は、コア部の外周面に接し両端部に脱着可能な固定部を有する帯状のコア固定部を備え、前記固定部でコア固定部の端部どうしを固定し、前記コア部を環状に固定する請求項4から6のいずれかに記載の計測器。
- 平板形状で変形自在なコア部と、弾力性を有し前記コア部の外周面に接して環形状に形成する保持ガイドと、前記コア部の少なくとも一部に巻きつけられたコイル部とからなり、前記コア部と前記保持ガイドはともに環の略同一位置箇所に外力により開口可能な切れ目部を有し、前記切れ目部から被計測部を挿入して環状に取り巻いて前記被計測部の電流を計測する電流計測部を備えた計測器。
- 電流計測部は、平板形状で変形自在なコア部と、弾力性を有し前記コア部の外周面に接して環形状に形成する保持ガイドと、前記コア部の少なくとも一部に巻きつけられたコイル部とからなり、前記コア部と前記保持ガイドはともに環の略同一位置箇所に外力により開口可能な切れ目部を有し、前記切れ目部から被計測部を挿入して環状に取り巻いて前記被計測部の電流を計測する電流計測部と、導電性の電圧検出部とを備えた計測器であって、前記電圧検出部は前記電流計測部の環状内側面に先端が内側に向くように設けられ、被計測部を環状に取り巻き、前記電圧検出部の先端が前記電線を貫通し、前記電線内の導電部に触れるようにすることにより、前記電線の電流と電圧を計測する計測器。
- 電圧検出部は鋭利な形状であり、被覆電線を突きさすことで貫通する請求項9記載の計測器。
- 保持ガイドは、切れ目部の位置に、所定間隔に向かい合って径方向に突出した部分を有する請求項8から10のいずれかに記載の計測器。
- 分割されたコア部と、前記コア部の少なくとも一部に巻きつけられたコイル部とからなり、分割された前記コア部により被計測部を環状に取り巻いて閉磁路を形成して前記被計測部の電流を計測する電流計測部を備えた計測器。
- 分割されたコア部と、前記コア部の少なくとも一部に巻きつけられたコイル部とからなり、分割された前記コア部により被計測部を環状に取り巻いて閉磁路を形成して前記被計測部の電流を計測する電流計測部と、導電性で鋭利な形状を有する電圧検出部とを備えた計測器であって、前記電圧検出部は前記電流計測部の環状内側面に先端が内側に向くように設けられ、分割された前記コア部により被計測部を環状に取り巻き、前記電圧検出部の先端が前記電線を貫通し、前記電線内の導電部に触れるようにすることにより、前記電線の電流と電圧を計測する計測器。
- 電圧検出部は、先端が尖頭形状である請求項1から13のいずれかに記載の計測器。
- 電圧検出部は、先端が抜け止め防止用の返りのついた請求項14記載の計測器。
- 電圧検出部は、所定幅を有し、先端部を薄くした刃形状である請求項1から13のいずれかに記載の計測器。
- 刃部を複数有し、少なくとも2つは径方向に対向させた請求項14から16のいずれかに記載の計測器。
- 電圧検出部は、2つの刃部を所定間隔に向かい合わせて形成した請求項16に記載の計測器。
- 電流計測部と電圧検出部とを分離可能にした請求項2、5、9および12のいずれかに記載の計測器。
- 導電性で弾性を有する弾性体を備えた電圧検出部と、環状でクランプ形の電流計測部とを備えた計測器であって、前記電圧検出部は前記電流計測部の環状内側面に先端が内側に向くように設けられ、前記電流計測部を被計測部の導電体にクランプし、前記電圧検出部の先端を前記導電部に接触させるようにすることにより、前記導電部の電流と電圧を計測する計測器。
- 接続端子部を備えた電機機器の端子部のカバーと一体化した請求項1から20のいずれかに記載の計測器。
- 計測した電圧、電流のうち少なくとも1つの情報から、電力、力率、周波数、漏洩電流の少なくとも1つを計算する演算部を有する請求項1から21のいずれかに記載の計測器。
- 計測した情報または演算した結果を記憶する記憶手段を有することのできる請求項22記載の計測器。
- 記憶手段は、演算して求めた電力量を積算した積算電力量を記憶する請求項23記載の計測器。
- 記憶手段に記憶した計測もしくは演算した情報のうち少なくとも1つを表示する表示手段を有する請求項23または24記載の計測器。
- 記憶手段に記憶した計測もしくは演算した情報のうち少なくとも1つを外部へ出力するデータ出力部を有する請求項23から25のいずれかに記載の計測器。
- 温度センサを内蔵する請求項1から26のいずれかに記載の計測器。
- 温度ヒューズを内蔵した請求項1から27のいずれかに記載の計測器。
- 計測した温度情報を記憶する記憶手段と、最大温度を表示する表示部を有する請求項27記載の計測器。
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