JP2005126690A - 重合体組成物およびフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温および高温でのホットタック性に優れるフィルムが得られる重合体組成物、該重合体組成物を用いてなるフィルムを提供すること。
【解決手段】下記成分(A)の含有量が50〜95重量%であり、下記成分(B)の含有量が50〜5重量%である重合体組成物。
(A):エチレンから誘導される単量体単位と、炭素数が3〜12のα−オレフィンから誘導される単量体単位とを有し、メルトフローレートが0.5〜30g/10分、密度が870〜895kg/m3、組成分布変動係数が0.5以下であるエチレン系共重合体。
(B):エチレンから誘導される単量体単位と、炭素数が6〜12のα−オレフィンから誘導される単量体単位とを有し、メルトフローレートが0.5〜30g/10分、密度が910〜920kg/m3であり、メタロセン系重合触媒の存在下で重合されてなるエチレン系共重合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エチレン系共重合体組成物、該組成物を用いるフィルムに関するものである。
各種包装材料に用いられるシーラントフィルムには、ヒートシール直後のシール部分が熱いうちに、該シール部分に内容物の荷重が加わってもシール部の剥離が起きないこと(ホットタック性)が求められている。昨今、充填速度の高速化により、ヒートシール温度を低くしても、十分なホットタック性を有すること(低温ホットタック性)が求められており、低温ホットタック性に優れるシーラントフィルムとして、例えば、バナジウム触媒を用いて重合された密度906kg/m3のエチレン−1−ヘキセン共重合体75重量%と、従来型チーグラーナッタ触媒(例えば、塩化アルミニウムと共に結晶させた三塩化チタンを含む触媒)を用いて重合された密度921kg/m3のエチレン−1−ヘキセン共重合体25重量%とを含有する重合体組成物からなるフィルムが提案されている(特許文献1参照。)。
特開平3−207736号公報
しかしながら、上記フィルムでは、高シール温度で充填したときや、高温の充填物を充填したときにシール部が剥離することがあり、高温でのホットタック性において十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、低温および高温でのホットタック性に優れるフィルムが得られる重合体組成物、該重合体組成物を用いてなるフィルムを提供することにある。
すなわち、本発明の第一は、下記成分(A)および成分(B)を含有し、成分(A)と成分(B)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が50〜95重量%であり、成分(B)の含有量が50〜5重量%である重合体組成物にかかるものである。
(A):エチレンから誘導される単量体単位と、炭素原子数が3〜12のα−オレフィンから誘導される単量体単位とを含有し、下記要件(a1)〜(a3)を充足するエチレン系共重合体。
(a1)メルトフローレートが0.5〜30g/10分であること。
(a2)密度が870〜895kg/m3であること。
(a3)組成分布変動係数が0.5以下であること。
(B):エチレンから誘導される単量体単位と、炭素原子数が6〜12のα−オレフィンから誘導される単量体単位とを含有し、下記要件(b1)〜(b3)を充足するエチレン系共重合体。
(b1)メルトフローレートが0.5〜30g/10分であること。
(b2)密度が910〜920kg/m3であること。
(b3)メタロセン系重合触媒の存在下で重合されてなること。
また、本発明の第二は、上記重合体組成物を用いてなるフィルムにかかるものである。
本発明により、低温および高温でのホットタック性に優れるフィルムが得られる重合体組成物、該重合体組成物を用いてなるフィルムを提供することができる。
成分(A)のエチレン系共重合体は、エチレンから誘導される単量体単位と、炭素原子数が3〜12のα−オレフィンから誘導される単量体単位とを含有する重合体であり、炭素原子数が3〜12のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセンなどがあげられ、これらは1種以上用いられる。該α−オレフィンとしては、炭素原子数が5〜12のα−オレフィンが好ましい。また、成分(A)のエチレン系重合体のエチレンから誘導される単量体単位の含有量は、好ましくは70〜85重量%である。ただし、エチレン系重合体中の全単量体単位量を100重量%とする。
成分(A)のエチレン系共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体などをあげることができ、好ましくは、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体である。
成分(A)のエチレン系共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜30g/10分であり、好ましくは1.0〜20g/10分である。該MFRが小さすぎると、本発明の重合体組成物を押出加工する際に押出機樹指圧力が大きくなり、押出加工性が低下することがある。一方、該MFRが大きすぎると、ホットタック性に劣ることがある。なお、該MFRは、JIS K7210に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定される。
成分(A)のエチレン系共重合体の密度は、870〜895kg/m3であり、好ましくは880〜890kg/m3である。該密度が低すぎると、あるいは高すぎると、ホットタック性に劣ることがある。なお、該密度は、アニーリング処理を行わない以外は、JIS K6760に規定された方法に従い測定される。
成分(A)のエチレン系共重合体の組成分布変動係数は、0.5以下であり、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.3以下である。該組成分布変動係数が大きすぎると、ホットタック性に劣ることがある。ここで。組成分布変動係数は、下記式1で定義される値であり、昇温溶出分別法により求められる組成分布曲線から算出される。
Cx=σ/SCBave (式1)
Cx:組成分変動係数
σ :組成分布の標準偏差
SCBave:炭素1000個あたりの短鎖分岐度の平均値
(単位:1/1000C)
成分(A)のエチレン系共重合体の製造方法としては、メタロセン系重合触媒やバナジウム化合物を有する重合触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
メタロセン系重合触媒としては、たとえば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報などに記載の触媒などをあげることができる。
メタロセン系重合触媒としては、より具体的には、一般式R1 k2 l3 m4 nM(ただし、Mはジルコニウム、チタン、ハフニウムまたはバナジウムであり、R1はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基であり、R2,R3およびR4は、それぞれシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子または水素原子であり、kおよびlは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。)で示されるメタロセン系化合物と有機アルミニウムオキシド化合物を有する触媒があげられ、該メタロセン系化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルチタニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)チタニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルチタニウム、エチレンビス(インデニル)メチルチタニウムクロリド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチルチタニウム、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)チタニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)モノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられ、また、該有機アルミニウムオキシド化合物としては、テトラメチルジアルミノキサン、テトラエチルジアミノキサン、テトラブチルジアルミノキサン、テトラヘキシルジアルミノキサン、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、ヘキシルアルミノキサンなどが挙げられる。
バナジウム化合物を有する重合触媒としては、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とを有する触媒があげられる。該バナジウム化合物としては、一般式VO(OR)n3-n(但し、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0〜3である数を示す。)で示される化合物をあげることができ、より具体的には、VOCl3、VO(OCH3)Cl2、VO(OCH32Cl、VO(OCH33、VO(OC25)Cl2、VO(OC252Cl、VO(OC253、VO(OC37)Cl2、VO(OC372Cl、VO(OC373あるいはこれらの混合物を例示することができる。これらのバナジウム化合物の中では、nが0〜1である化合物が好ましい。また、該有機アルミニウム化合物としては、一般式R'mAlX3-m(但し、R’は炭化水素基、Xはハロゲン原子、mは1〜3である数を示す。)で示される化合物をあげることができ、より具体的には、(C252AlCl、(C492AlCl、(C6132AlCl、(C251.5AlCl1.5、(C491.5AlCl1.5、(C6131.5AlCl1.5、C25AlCl2、C49AlCl2、C613AlCl2などが例示できる。これらの有機アルミニウム化合物の中では、mが1〜2である化合物が好ましく、(C251.5AlCl1.5がより好ましい。
成分(B)のエチレン系共重合体は、エチレンから誘導される単量体単位と、炭素原子数が6〜12のα−オレフィンから誘導される単量体単位とを含有する重合体であり、炭素原子数が6〜12のα−オレフィンとしては、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセンなどがあげられ、これらは1種以上用いられる。該α−オレフィンとしては、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンが好ましい。また、成分(B)のエチレン系重合体のエチレンから誘導される単量体単位の含有量は、好ましくは85〜96重量%である。ただし、エチレン系重合体中の全単量体単位量を100重量%とする。
成分(B)のエチレン系共重合体としては、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体などをあげることができ、好ましくは、エチレン−1−ヘキセン共重合体である。
成分(B)のエチレン系共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜30g/10分であり、好ましくは1.0〜20g/10分である。該MFRが小さすぎると、本発明の重合体組成物を押出加工する際に押出機樹指圧力が大きくなり、押出加工性が低下することがある。一方、該MFRが大きすぎると、ホットタック性に劣ることがある。なお、該MFRは、JIS K7210に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定される。
成分(B)のエチレン系共重合体の密度は、910〜920kg/m3であり、好ましくは910〜917kg/m3であり、より好ましくは910〜915kg/m3である。該密度が低すぎると、あるいは高すぎると、ホットタック性に劣ることがある。なお、該密度は、JIS K6760に規定された方法に従い、100℃の水中で1時間アニーリング処理を行って測定される。
成分(B)のエチレン系共重合体は、メタロセン系重合触媒により重合された重合体である。重合方法としては、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
該メタロセン系重合触媒としては、たとえば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報などに記載の触媒などをあげることができる。より具体的な例としては、上述した化合物をあげることができる。
本発明の樹脂組成物の成分(A)と成分(B)の含有量としては、成分(A)の含有量が50〜95重量%であり、好ましくは60〜90重量%であり、より好ましくは65〜85重量%であり、更に好ましくは70〜80重量%であり、成分(B)の含有量が50〜5重量%であり、好ましくは40〜10重量%であり、より好ましくは35〜15重量%であり、更に好ましくは30〜20重量%である。ただし、成分(A)と成分(B)の合計量を100重量%とする。成分(A)成分の含有量が少なすぎる(成分(B)の含有量が多すぎる)と、ホットタック性が低下することがあり、一方、成分(A)の含有量が多すぎる(成分(B)の含有量が少なすぎる)と、ホットタック性、フィルムのハンドリング性が低下することがある。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、結晶核剤、透明化剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、オゾン劣化防止剤、耐候性安定剤、防曇剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填剤、帯電防止剤、内部剥離剤、着色剤、分散剤、アンチブロッキング剤、滑剤、抗菌剤、発泡剤、発泡助剤、高周波加工助剤、有機顔料、無機顔料等の各種添加剤を配合することができる。
本発明の樹脂組成物は、成分(A)と成分(B)と、必要に応じて他の成分とを溶融混練することにより得られる。溶融混練の方法に限定はないが、たとえば成分(A)と成分(B)の各ペレットをヘンシェルミキサー、タンブラーミキサーなどの各種ブレンダーで混合した後、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、熱ロールなどを用いて溶融混練する方法をあげることができる。
本発明の樹脂組成物は、公知の成形法により、各種成形体に加工されて使用され、好適にはフィルムとして、より好適にはシーラントフィルムとして用いられる。該シーラントフィルムは、食品および医薬品などの包装用材料として使用される。
該フィルムとしては、本発明の樹脂組成物からなる層に、他の層を積層した多層フィルムとしてもよい。他の層の材料としては、オレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂などがあげられ、例えば、ポリプロピレン二軸延伸フィルム、未延伸ナイロンフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリテレフタール酸エチルフィルム、アルミ箔、紙類等が用いられる。
フィルムの製造方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等で製造することが可能である。多層フィルムの場合は、Tダイ法あるいはインフレーション法等による共押出法、ドライラミネート法、押出ラミネート法などを用いることができる。また、フィルムは延伸加工を行ってもよく、一軸延伸の場合は、例えば通常用いられるロール延伸法が好ましく、二軸延伸の場合は、例えば一軸に延伸した後に二軸延伸を行う逐次延伸方式でもよく、チューブラー延伸のような同時二軸延伸する方法でもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。
[1]物性測定方法
(1)密度
JIS K6760に規定された方法に従って測定した。ただし、成分(A)はアニーリング処理を行わずに測定し、成分(B)はアニーリング処理を行って測定した。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に規定された方法に従って、温度190℃、荷重2.16kgで測定した。
(3)組成分布変動係数(Cx)
東ソー社製昇温溶出分別装置(TREF)を用いて測定した。エチレン−α−オレフィン共重合体を145℃に加熱したオルトジクロルベンゼン(ODCB)溶媒に溶解し、濃度を約0.01g/mlに調整し測定試料とした。145℃に加熱したカラムオーブンの中に設置したカラム(長さ150mm、内径21mm、50〜80メッシュの海砂を充填)内に測定試料10mlを注入した。オーブンの温度を40℃/45分の速度で105℃まで下げ、さらに105℃から−15℃まで8時間をかけて下げ、−15℃で4時間保持した。続いて、カラムにODCBを2.5ml/分の速度で流しながら、10℃/60分の速度で昇温し、125℃まで上昇させて、その間にカラムから溶出した測定試料の相対濃度をカラムに接続したFT−IRで測定した。FT−IR測定は、温度−14℃から110℃まで2℃ごとに行い、測定には2985〜2780cm-1の吸収ピークの面積を用いた。各温度に溶出したエチレン−α−オレフィン共重合体の炭素原子1000個あたりの短鎖分岐度(SCB)を、下記(式2)により求めた。ただし、計算上SCBがマイナスになる温度では、溶出無しとした。
SCB=−0.7322×溶出温度(℃)+70.68 (式2)
得られた短鎖分岐度とその相対濃度とより組成分布曲線(x軸:短鎖分岐、y軸:相対濃度)を求め、この曲線より炭素原子1000個あたりの平均短鎖分岐度(SCBave)と組成分布の標準偏差(σ)を得て分布の広さを表す組成分布変動係数Cxを下記(式1)から算出した。
Cx=σ/SCBave (式1)
平均短鎖分岐度(SCBave)=ΣN(i)・W(i)
N(i):i番目のデータサンプリング点の短鎖分岐度
W(i):i番目のデータサンプリング点の相対濃度
即ち、ΣW(i)=1
組成分布の標準偏差(σ)={Σ(N(i)−SCBave)2・W(i)}0.5
(4)ホットタック性
フィルムと厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(エンブレム)とを、フィルムのコロナ処理面をナイロンフィルム側として、テストコーター(康井精機(株)製 MGD−280)を用いてドライラミネート加工し、ナイロン/重合体組成物となる構成の積層フィルムを得た。なお、ドライラミネート加工には二液硬化型ポリウレタン系接着剤である武田薬品のタケラックA310/タケネーA−3を用い、貼合後40℃で48時間エージングした。得られた積層フィルムを25mm幅の短冊状に切り、重合体組成物面同士を合わせ、Theller社製ホットタック強度試験機モデルHTを用いて、シール面圧力414KPa、シール時間3秒間で、ヒートシールを行った後、0.375秒後に重ね合わせたフィルムの一方に200cm/分で剥離させるのに必要な強度を測定した。シール温度を75℃から105℃までを5℃ごととし、各シール温度にて剥離強度を測定した。
[2]原料
(A):住友化学工業(株)製 エクセレンFX CX3007(メタロセン系触媒で重合されたエチレン−1−ヘキセン共重合体、MFR=3.2g/10分、密度=890kg/m3、Cx=0.25)
(B1):日本エボリュー(株)製 SP1520(メタロセン系触媒で重合されたエチレン−1−ヘキセン共重合体、MFR=2g/10分、密度=913kg/m3
(B2):住友化学工業(株)製 スミカセンE FV205(メタロセン系触媒で重合されたエチレン−1−ヘキセン共重合体、MFR=2g/10分、密度=921kg/m3
(C1):三井住友ポリオレフィン(株)製 スミカセンα FZ201−0(従来型チーグラーナッタ触媒で重合されたエチレン−1−ヘキセン共重合体、MFR=2g/10分、密度=912kg/m3
(C2):三井住友ポリオレフィン(株)製 スミカセンα FZ203−0(従来型チーグラーナッタ触媒で重合されたエチレン−1−ヘキセン共重合体、MFR=2g/10分、密度=932kg/m3
[3]実施例1、2及び比較例1〜5
表1に記載した組成となるように、各原料のペレットをドライブレンドし、次に、ダイ径125mm、ダイリップ2.0mmのスパイラルダイ及びアイリス付き1段エアーリングを備えたプラコー製インフレーション成形機を用いて、30kg/hrの押出速度、150℃のダイ設定温度、2.0のブローアップ比で50μm厚さのフィルムを成形した。得られたフィルムには、インラインでフィルム外面が43dyn/cmとなるようコロナ処理を施した。得られたフィルムの物性評価結果を表1に示した。
表1に示した結果より、ホットタック強度が6N/25mm巾を超える温度は、実施例1が80℃〜105℃、実施例2が85〜105℃であるのに対し、比較例1では80℃〜95℃、比較例2では85℃〜95℃、比較例3では85℃〜90℃、比較例4では無し、比較例5では85〜95℃であった。
Figure 2005126690
Figure 2005126690

Claims (5)

  1. 下記成分(A)および成分(B)を含有し、成分(A)と成分(B)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が50〜95重量%であり、成分(B)の含有量が50〜5重量%である重合体組成物。
    (A):エチレンから誘導される単量体単位と、炭素原子数が3〜12のα−オレフィンから誘導される単量体単位とを含有し、下記要件(a1)〜(a3)を充足するエチレン系共重合体。
    (a1)メルトフローレートが0.5〜30g/10分であること。
    (a2)密度が870〜895kg/m3であること。
    (a3)組成分布変動係数が0.5以下であること。
    (B):エチレンから誘導される単量体単位と、炭素原子数が6〜12のα−オレフィンから誘導される単量体単位とを含有し、下記要件(b1)〜(b3)を充足するエチレン系共重合体。
    (b1)メルトフローレートが0.5〜30g/10分であること。
    (b2)密度が910〜920kg/m3であること。
    (b3)メタロセン系重合触媒の存在下で重合されてなること。
  2. 成分(A)がエチレン−1−ヘキセン共重合体および/またはエチレン−1−オクテン共重合体であり、成分(B)がエチレン−1−ヘキセン共重合体である請求項1に記載の重合体組成物。
  3. 成分(A)がメタロセン系重合触媒の存在下で重合されてなる重合体である請求項1または2に記載の重合体組成物。
  4. シーラントフィルム用である請求項1〜3のいずれかに記載の重合体組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の重合体組成物からなる層を有するフィルム。
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