JP2005123058A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極板5および負極板6を前記正極板および負極板の極板間に設けたセパレータ8と共に積層し、捲回された極板群を備えた非水電解質二次電池において、前記正極板および負極板と、正負極極板を隔てるように設けられた2枚の仕様の異なるセパレータを交互に積層して、渦巻き状に捲回する。
【選択図】図2
Description
正極、負極が捲回され、正極と負極が交互に積層することによって極板群を形成する捲回型非水電解質二次電池では、正極と負極はセパレータを配して隔離している。一般にセパレータには過充電などにより温度が上昇したときに、多孔質高分子樹脂であるセパレータは、シャットダウン(その内部、表面に存在する孔が塞がる)し、両極板の電気的接触を絶つような機能をもたせてある。
これに対して、非水電解質二次電池の安全性を向上するための技術開発が行われている。例えば、捲回型の極板群の正極板と負極板の最外周部に設けた集電体露出部を有する極板群にて、集電体露出部同士が重なりあう部分の間に捲回構造極板群内部と異なる仕様の絶縁体のセパレータを設け、材料の異なる2種類のセパレータが配されることが開示されている。(特許文献1参照。)これによりクラッシュ試験時などの電池に機械的圧力が電池に対して与えられた場合、集電体部を先に短絡させ、電池の安全性を確保できる。また、加熱試験においても、集電体部を隔てるセパレータがメルトダウンし、低抵抗部短絡をおこし、放電を安全に行うことができる。
捲回型構造の極板群では、正極板の集電体の外周側に設けた正極合剤部と対向する、負極板の集電体の内周側に設けた負極合剤部では、対向する正極合剤部の合剤量は水平型(スタック構造)極板群のときより小さくなる。反対に、正極板の集電体の内周部に設けた正極合剤部と対向する、負極板の集電体の外周部に設けた負極合剤部では、対向する正極合剤部の合剤量は水平型極板群のときより大きくなる。
捲回式の非水電解質二次電池が充電されたとき、上記の(1)(2)の原因により、負極板の集電体の外周部に設けた負極合剤部では、対向する正極合剤部の合剤量は水平型極板群のときより大きくなる。
このような捲回式構造の極板群を有する非水系電解質二次電池が4.2V以上過充電モードにさらされると、上記のようにLi析出が生じる量に差異が生じるため、負極板の集電体の外周側に設けた負極合剤部は、負極板の集電体の内周側に設けた負極合剤部よりLi析出量が多くなるため熱的不安定性が大きくなる。このように、熱的安定性に電池内部で差異が現れる。また4.2V以下でも同様に負極の熱安定性に差異が生じる。
従来の技術では、捲回型極板群を有する非水電解質二次電池の捲回させた極板の湾曲部分の熱的安定性悪化について、問題視されることなく、この部分への対策はされていなかった。
前記第2のセパレータは、延伸方向が捲回方向と直行するように設け、前記第1のセパレータは延伸方向が捲回方向と平行するように設けることが好ましい。
特に、1)〜5)では、図3も示す様に、負極板6cの集電体の外周側に設けた負極合剤部6bより熱的に安定な負極板6cの集電体の内周側に設けた負極合剤部6aと対向する正極合剤部の接触を促すことにより、短絡時の発熱挙動を抑制することができ、さらに1)〜3)に限ると、前記第1のセパレータ8のLiの拡散抵抗を高くすることにより、負極合剤部6bと対向する正極間で反応抵抗が大きくなるため、負極へのLi挿入反応が抑制され、負極合剤部6aと負極合剤部6bのLiの挿入脱離反応の反応速度を合わせる効果があり、サイクル特性も向上させることもできる。
極板であることが好ましい。
実施の形態における図1〜3に示す構成と同様の円筒形リチウム二次電池を下記のように作製した。
セパレータの作製は、ポリエチレンをダイから200℃で溶融塗出し、冷却ロールに導き、40μmのポリエチレンフィルムを得た。前記フィルムを延伸工程にて、130℃の加熱空気循環オーブン中、230%まで延伸した。この延伸することによって得られた多孔質フィルムを115℃に加熱したロールで熱固定して、25μmの多孔質ポリエチレンフィルムを得た。空隙率は測定より40%であった。このようにして得られたセパレータを第1のセパレータ8に用いた。第2のセパレータ7には、第1のセパレータで原料に用いた未延伸ポリエチレンフィルムを270%まで延伸し、その後、150℃で加熱したロールで熱固定して、20μmにして得られた多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを用いた。空隙率は測定より、40%であった。
用いたセパレータの仕様については、以下の方法で空隙率、熱収縮率を測定した。
空隙率は、ユアサアイオニクス社製、水銀ポロシメータを用いて求めた。
熱収縮は、5cm×5cmに切り出したセパレータをガラス板で挟み100gの加重を掛け、130℃の加熱後に、幅方向に収縮したセパレータの幅を測定して、加熱前後で比較し下記の式で算出した。
この電池について下記のような評価を行った。
(1)加熱試験
130℃で設定した恒温槽内に開回路電圧4.2Vに充電した電池を設置し、電池温度が130℃に達し、電池温度が130℃以上にオーバーシュートするかの有無と、オーバーシュートしてから130℃の温度に安定するまでの時間を測定して電池の熱安定性を測定した。電池温度は最高138℃に達し、オーバーシュート時間は13minであった。
20℃環境にて、サイクル試験前容量1800mAhで設計した電池を用意し、放電電圧3.0Vまで充電電圧4.2Vまでで、サイクル試験を行い50サイクル後の放電容量を測定した。このときの充電・放電電流は1.8Aとした。50サイクルでの放電容量は1710mAhであった。
第1のセパレータ8に、実施例1の第1のセパレータ8で用いた厚さ25μm、空隙率40%の多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを用いた。第2のセパレータ7には、実施例1で用いた未延伸ポリエチレンフィルムを、延伸工程にて、260%まで延伸し、その後、150℃で加熱したロールで熱固定して、25μmにして得られた多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを用いた。空隙率は測定より、50%であった。第2のセパレータ7に上記多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法により電池を作製した。
第2のセパレータ7に、実施例1の第1のセパレータ8で用いた厚さ25μm、空隙率40%の多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを用いた。第2のセパレータ7には、ポリプロピレンをダイから200℃で溶融塗出し、冷却ロールに導き、40μmのポリエチレンフィルムを得た。前記フィルムを延伸工程にて、150℃の加熱空気循環オーブン中、230%まで延伸した。この延伸することによって得られた多孔質フィルムを125℃に加熱したロールで熱固定して、25μmの多孔質ポリプロピレンフィルムセパレータを得た。測定より空隙度は40%であった。
第2のセパレータ7に実施例1で用いた厚さ25μm、空隙率40%の多孔質ポリエチレンフィルムセパレータ、第1のセパレータ7に上記多孔質ポリプロピレンフィルムセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法により電池を作製した。
加熱試験では、最高温度は133℃でオーバーシュート時間は9minであった。サイクル試験では1650mAhであった。
第2のセパレータ7に、実施例1の第1のセパレータ8で用いた厚さ25μm、空隙率40%の多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを用いた。第1のセパレータ8にはポリ
プロピレン(PP)でポリエチレンを挟み込んで積層した3層セパレータ(Celgard 2300)を用いた。上記PP/PE/PP3層セパレータは厚み25μmのものを用いた。空隙率は測定より40%であった。第2のセパレータ7に上記3層セパレータを用いた以外は実施例3と同様に方法により電池を作製した。
第1のセパレータ8に、実施例1の第1のセパレータ8で用いた厚さ25μm、空隙率40%の多孔質ポリエチレンフィルムセパレータ8aを用いた。第2のセパレータ7には、実施例1の第1のセパレータ8で用いたセパレータの原料で用いた未延伸ポリエチレンフィルムを、延伸工程にて、260%まで延伸し、その後さらに前記延伸とは垂直方向(電池極板幅方向)に120%延伸した。その後、150℃で加熱したロールで熱固定して、25μmにして得られた多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを用いた。空隙率は測定より、40%であった。第2のセパレータ7に上記多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法により電池を作製した。
第2のセパレータ7および第1のセパレータ8に、実施例1の第1のセパレータ8で用いた厚さ25μm、空隙率40%の多孔質ポリエチレンフィルムセパレータを用い、第2のセパレータ7と第1のセパレータ8を同一仕様として、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
次に実施例2と比較例1を比較する。比較例1では、第2のセパレータ7と第1のセパレータ8に同一セパレータを用いたが、実施例2では第2のセパレータ7に第1のセパレータ8より空隙率の大きなものを用いることにより、第2のセパレータ7のメルトダウンによる短絡を早めることができるため、負極合剤部6bと正極合剤部5aより、負極合剤部6aと正極合剤部5bを先に短絡させ、放電ができるため、実施例1と同様に発熱を抑制することができた。
なセパレータを用いた特性をもつセパレータを第2のセパレータ7に用いることにより、電池加熱に負極合剤部6bと正極合剤部5aより、負極合剤部6aと正極合剤部5bの短絡面積が大きくなり、この部分での放電を大きくすることができ、サイクル特性悪化させることなく、実施例1と同様に発熱を抑制することができた。
2 封口板
3 絶縁パッキング
4 極板群
5 正極板
5a、5b 正極合剤部
5c 正極集電体
5d 正極リード
6 負極板
6a、6b 負極合剤部
6c 負極集電体
6d 負極リード
7 第2のセパレータ
8 第1のセパレータ
9 上部絶縁板
10 下部絶縁板
Claims (2)
- 正極板および負極板を前記正極板および負極板の極板間に設けたセパレータと共に積層し、捲回された極板群を備えた非水電解質二次電池において、
前記セパレータは、第1のセパレータと第2のセパレータのそれぞれ異なる仕様を有した2枚のセパレータを用いており、
前記正極板の内周側に第1のセパレータのみを配置し、前記正極板の外周側には第2のセパレータのみを配置することにより、前記極板群内において第1のセパレータと第2のセパレータが交互に積層されたことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記第1のセパレータと第2のセパレータは、厚み、空隙率、融点または熱収縮の大きさの少なくとも一つの仕様が異なることを特徴とする請求項1に記載の非水系電解質二次電池。
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