JP2005114155A - フライホイール組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フライホイール組立体において、ダンパー機構と並列に作用する摩擦抵抗発生機構の摺動面積を十分に確保する。
【解決手段】 フライホイール組立体は、エンジンのクランクシャフト91からトルクが入力されるものであって、第2フライホイール3と、ダンパー機構4と、第1摩擦発生機構5とを備えている。ダンパー機構4は、第2フライホイール3をクランクシャフト91に対して回転方向に弾性的に連結する機構であって、入力側円板状プレート20と、出力側円場状プレート32,33と、両プレートを回転方向に弾性的に連結するコイルスプリング34,35,36とを有する。第1摩擦発生機構5は、ダンパー機構と回転方向に並列に作用する機構であって、第2フライホイール3の第2摩擦面3cを摩擦面として利用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フライホイール組立体、特に、クランクシャフトに対して弾性部材を介してトルク伝達可能に配置されたフライホイールを備えたフライホイール組立体に関する。
エンジンのクランクシャフトには、エンジンの燃焼変動に起因する振動を吸収するために、フライホイールが装着されている。さらに、フライホイールの軸方向トランスミッション側にクラッチ装置を設けている。クラッチ装置は、トランスミッションの入力シャフトに連結されたクラッチディスク組立体と、クラッチディスク組立体の摩擦連結部をフライホイールに付勢するクラッチカバー組立体とを備えている。クラッチディスク組立体は、捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機構を有している。ダンパー機構は、回転方向に圧縮されるように配置されたコイルスプリング等の弾性部材を有している。
一方、ダンパー機構を、クラッチディスク組立体ではなく、フライホイールとクランクシャフトとの間に設けた構造も知られている。この場合は、フライホイールがコイルスプリングを境界とする振動系の出力側に位置することになり、出力側の慣性が従来に比べて大きくなっている。この結果、共振回転数をアイドル回転数以下に設定することができ、大きな減衰性能を実現できる。このように、フライホイールとダンパー機構とが組み合わさって構成される構造が、2マスフライホイール又はフライホイールダンパーである(例えば、特許文献1を参照。)。なお、エンジンのクランクシャフトに固定されたフライホイールを第1フライホイールといい、クランクシャフトに弾性部材を介して連結されクラッチが装着されるフライホイールを第2フライホイールという。
特開平4-231757号公報
2マスフライホイールに用いられるダンパー機構は、例えば、入力側部材と、出力側部材と、両部材を回転方向に弾性的に連結する複数の弾性部材とを備えている。入力側部材は、円板状部材であり、弾性部材を収納するための複数の窓孔を有している。出力側部材は、入力側部材の軸方向両側に配置された一対の円板状部材であり、弾性部材を保持するための複数の窓部を有している。摩擦抵抗発生機構は、入力側部材と出力側部材とが相対回転して弾性部材が回転方向に圧縮される際に、摩擦抵抗を発生するための部材である。摩擦抵抗発生機構は、例えば、入力側部材と出力側部材の内周部同士に配置された複数のワッシャから構成されており、例えば、一方に当接するフリクションワッシャと、他方に相対回転不能に係合するフリクションプレートと、フリクションプレートと他方との間で軸方向に圧縮されて付勢力を発生する付勢部材とを有している。
このように摩擦抵抗発生機構は、入力側部材の軸方向両側に摩擦面を有する摩擦発生部を備えている。しかし、各摩擦発生部は弾性部材によって半径方向の寸法を十分に確保することができない。そのため、摩擦面における面圧が高くなり、摩擦部材は摩耗によって寿命が低下していた。
本発明の課題は、フライホイール組立体において、ダンパー機構と並列に作用する摩擦抵抗発生機構の摺動面積を十分に確保することにある。
請求項1に記載のフライホイール組立体は、エンジンのクランクシャフトからトルクが入力されるものであって、フライホイールと、ダンパー機構と、摩擦抵抗発生機構とを備えている。ダンパー機構は、フライホイールをクランクシャフトに対して回転方向に弾性的に連結する機構であって、入力側部材と、出力側部材と、入力側部材と出力側部材を回転方向に弾性的に連結する弾性部材とを有する。摩擦抵抗発生機構は、ダンパー機構と回転方向に並列に作用する機構であって、フライホイールの一部を摩擦面として利用する。
このフライホイール組立体では、クランクシャフトからのトルクは、ダンパー機構を介してフライホイールに伝達される。エンジンの燃焼変動に起因するトルク変動によってフライホイールがクランクシャフトに相対回転すると、弾性部材が入力側部材と出力側部材との間で回転方向に圧縮され、同時に摩擦抵抗発生機構が摩擦を発生する。このため捩り振動が速やかに減衰される。摩擦発生機構がフライホイールの一部を摩擦面として利用しているため、摺動面の面積を大きくすることができる。したがって、摺動面の面圧が低下し、摩擦抵抗発生機構の寿命が向上する。
請求項2に記載のフライホイール組立体では、請求項1において、摩擦抵抗発生機構は、入力側部材と一体回転しフライホイールに当接する摩擦部材と、摩擦部材をフライホイールに付勢する付勢部材を有している。
このフライホイール組立体では、摩擦部材が付勢部材によってフライホイールに付勢されているため、摺動面の面積を大きくすることができる。したがって、摺動面の面圧が低下し、摩擦抵抗発生機構の寿命が向上する。
請求項3に記載のフライホイール組立体では、請求項2において、摩擦部材の外周部と弾性部材の内周部は軸方向に重なって配置され、摩擦部材の外周縁の半径方向位置は弾性部材の内周縁の半径方向位置より半径方向外側にある。
このフライホイール組立体では、摩擦部材の外周部と弾性部材の内周部は軸方向に重なって配置されているため、両部材が半径方向に近接しているにもかかわらず摩擦抵抗発生機構において摩擦面を十分に確保できる。
請求項4記載のフライホイール組立体では、請求項1において、摩擦抵抗発生機構は、入力側部材と一体回転し出力側部材に当接する第1摩擦部材と、入力側部材と一体回転しフライホイールに当接する第2摩擦部材と、第1及び第2摩擦部材を出力側部材及びフライホイールにそれぞれ付勢する付勢部材を有している。
このフライホイール組立体では、第2摩擦部材が付勢部材によってフライホイールに付勢されているため、摺動面の面積を大きくすることができる。したがって、摺動面の面圧が低下し、摩擦抵抗発生機構の寿命が向上する。
請求項5に記載のフライホイール組立体では、請求項4において、第1及び第2摩擦部材の外周部と弾性部材の内周部は軸方向に重なって配置され、第1及び第2摩擦部材の外周縁の半径方向位置は弾性部材の内周縁の半径方向位置より半径方向外側にある。
このフライホイール組立体では、第1及び第2摩擦部材の外周部と弾性部材の内周部は軸方向に重なって配置されているため、両部材が半径方向に近接しているにもかかわらず摩擦抵抗発生機構において摩擦面を十分に確保できる。
請求項6に記載のフライホイール組立体では、請求項4又は5において、第1摩擦部材及び第2摩擦部材は一方のみが入力側部材に相対回転不能に係合しており、互いに相対回転不能に係合している。
このフライホイール組立体では、第1摩擦部材及び第2摩擦部材は一方のみが入力側部材に相対回転不能に係合しているため、入力側部材と他の部材との係合部分の構造が簡単になる。
請求項7に記載のフライホイール組立体では、請求項1において、入力側部材は円板状部材であり、出力側部材は円板状部材の軸方向両側に配置された一対の円板状部材である。摩擦抵抗発生機構は、入力側部材と一体回転し出力側部材のフライホイール側と反対側の円板状部材に当接する第1摩擦部材と、入力側部材と一体回転しフライホイールに当接する第2摩擦部材と、第1及び第2摩擦部材を出力側部材のフライホイール側と反対側の円板状部材及びフライホイールにそれぞれ付勢する付勢部材を有している。
このフライホイール組立体では、摩擦抵抗発生機構が作動すると、第1摩擦部材が出力側部材の一方に摺動し、第2摩擦部材がフライホイールに摺動する。このように、摩擦発生機構がフライホイールの一部を摩擦面として利用しているため、摺動面の面積を大きくすることができる。したがって、摺動面の面圧が低下し、摩擦抵抗発生機構の寿命が向上する。
請求項8に記載のフライホイール組立体では、請求項7において、第1及び第2摩擦部材の外周部と弾性部材の内周部は軸方向に重なって配置され、第1及び第2摩擦部材の外周縁の半径方向位置は前記弾性部材の内周縁の半径方向位置より半径方向外側にある。
このフライホイール組立体では、第1及び第2摩擦部材の外周部と弾性部材の内周部は軸方向に重なって配置されているため、両部材が半径方向に近接しているにもかかわらず摩擦抵抗発生機構において摩擦面を十分に確保できる。
請求項9に記載のフライホイール組立体では、請求項8において、第1摩擦部材のみが入力側部材に相対回転不能に係合しており、第1及び第2摩擦部材は互いに相対回転不能に係合している。
このフライホイール組立体では、第1摩擦部材のみが入力側部材に相対回転不能に係合しているため、入力側部材と他の部材との係合部分の構造が簡単になる。
請求項10に記載のフライホイール組立体では、請求項9において、第1摩擦部材は、円板状部材に対して回転方向に摺動可能に当接する環状部と、環状部から軸方向に延び入力側部材に対して軸方向に移動可能に且つ相対回転不能に係合する複数の係合部とを有している。第2摩擦部材は、複数の係合部に相対回転不能に且つ軸方向に移動可能に係合する複数の係合部分を有している。
このフライホイール組立体では、第1摩擦部材が軸方向に延びる複数の係合部を有しているため、第1摩擦部材の環状部と第2摩擦部材とが軸方向に離れた配置した構造を簡単に実現できる。
請求項11に記載のフライホイール組立体では、請求項10において、付勢部材は、第2摩擦部材と、第1摩擦部材の係合部との間に配置されている。
このフライホイール組立体では、付勢部材は第2摩擦部材と第1摩擦部材の係合部とを付勢している。そのため、構造が簡単になる。
請求項12に記載のフライホイール組立体では、請求項11において、摩擦抵抗発生機構は、第1摩擦部材の係合部の先端に着座し、付勢部材からの付勢力を受ける受け部材をさらに備えている。
このフライホイール組立体では、受け部材が第1摩擦部の複数の係合部の先端に着座しているため、付勢部材からの付勢力を安定して受けることができる。その結果、摺動面で発生する摩擦抵抗が安定する。
請求項13に記載のフライホイール組立体では、請求項1〜12において、摩擦抵抗発生機構は、ダンパー機構の全捩り作動角領域において摩擦を発生する。
請求項14に記載のフライホイール組立体であって、請求項1〜13のいずれかにおいて、摩擦抵抗発生機構は、ダンパー機構の弾性部材の半径方向中心位置より内周側に配置されている。
このフライホイール組立体では、摩擦抵抗発生機構がダンパー機構の弾性部材の半径方向中心位置より内周側に配置されているため、省スペースの構造になる。
請求項15に記載のフライホイール組立体では、請求項14において、フライホイールは、クラッチが連結されるクラッチ摩擦面をさらに有している。ダンパー機構の弾性部材は、クラッチ摩擦面より内周側に配置されている。
このフライホイール組立体では、弾性部材がクラッチ摩擦面より内周側に配置され、さらに、摩擦抵抗発生機構がダンパー機構の弾性部材の半径方向中心位置より内周側に配置されているため、摩擦抵抗発生機構はクラッチ摩擦面から内周側に配置されている。したがって、摩擦抵抗発生機構はクラッチ摩擦面からの熱の影響を受けにくく、摩擦抵抗が安定する。
請求項16に記載のフライホイール組立体では、請求項14又は15において、入力側部材をクランクシャフトに連結するための円周方向に並んだ複数のボルトをさらに備えている。摩擦抵抗発生機構は、ボルトの最外周縁より外周側に配置されている。
このフライホイール組立体では、摩擦抵抗発生機構がボルトの最外周縁より外周側に配置されているため、省スペースの構造になっている。
請求項17に記載のフライホイール組立体では、請求項1〜13のいずれかにおいて、フライホイールは、クラッチが連結されるクラッチ摩擦面をさらに有している。摩擦抵抗発生機構は、クラッチ摩擦面より内周側に配置されている。
このフライホイール組立体では、摩擦抵抗発生機構はクラッチ摩擦面から内周側に配置されている。したがって、摩擦抵抗発生機構はクラッチ摩擦面からの熱の影響を受けにくく、摩擦抵抗が安定する。
請求項18に記載のフライホイール組立体では、請求項17において、フライホイールは、クラッチ摩擦面を有する部分と摩擦抵抗発生機構の摩擦面となる部分とが一体に形成されている。
請求項19に記載のフライホイール組立体では、請求項17において、フライホイールは、クラッチ摩擦面を有するフライホイール本体と、摩擦抵抗発生機構の摩擦面となる部分を有する第2部材とに分かれている。第2部材は、ダンパー機構の出力側部材と一体回転するようになっている。
請求項20に記載のフライホイール組立体では、請求項19において、第2部材はフライホイール本体をクランクシャフト側の部材に対して半径方向に支持している。
請求項21に記載のフライホイール組立体では、請求項19又は20において、第2部材はフライホイール本体と相対回転可能である。
請求項22に記載のフライホイール組立体では、請求項19〜21のいずれかにおいて、第2部材は環状のプレート部材である。
請求項23に記載のフライホイール組立体は、エンジンのクランクシャフトからトルクが入力されるものであって、フライホイールと、ダンパー機構と、摩擦抵抗発生機構とを備えている。ダンパー機構は、フライホイールをクランクシャフトに対して回転方向に弾性的に連結する機構であって、入力側部材と、出力側部材と、入力側部材と出力側部材を回転方向に弾性的に連結する弾性部材とを有する。摩擦抵抗発生機構は、ダンパー機構と回転方向に並列に作用する。摩擦抵抗発生機構は、出力側部材と一体回転するように係合し摩擦面を形成する出力回転部材を有する。出力回転部材は出力側部材よりクランクシャフト側と反対側に配置されている。
このフライホイール組立体では、クランクシャフトからのトルクは、ダンパー機構を介してフライホイールに伝達される。エンジンの燃焼変動に起因するトルク変動によってフライホイールがクランクシャフトに相対回転すると、弾性部材が入力側部材と出力側部材との間で回転方向に圧縮され、同時に摩擦抵抗発生機構が摩擦を発生する。このため捩り振動が速やかに減衰される。摩擦抵抗発生機構の出力回転部材が摩擦面を有しているため、摺動面の面積を大きくすることができる。出力回転部材が出力側部材よりクランクシャフト側と反対側に配置されているからである。したがって、摺動面の面圧が低下し、摩擦抵抗発生機構の寿命が向上する。
請求項24に記載のフライホイール組立体では、請求項23において、出力回転部材は環状のプレート部材である。
本発明に係るフライホイール組立体では、ダンパー機構と並列に作用する摩擦抵抗発生機構の摺動面積が十分に確保される。したがって、摩擦面における摩耗が少なくなり、摩擦抵抗発生機構の寿命が向上する。
(1)構成
1)全体構造
図1に示す本発明の一実施形態としての2マスフライホイール1は、エンジン側のクランクシャフト91からのトルクをクラッチ(クラッチディスク組立体93及びクラッチカバー組立体94)を介してトランスミッション側の入力シャフト92にトルクを伝達するための装置である。2マスフライホイール1は、捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機能を有している。2マスフライホイール1は、主に第1フライホイール2と、第2フライホイール3と、両フライホイール2,3の間のダンパー機構4と、第1摩擦発生機構5と、第2摩擦発生機構6から構成されている。
なお、図1のO−Oが2マスフライホイール1及びクラッチの回転軸線であり、図1の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。以後、図1において左側を軸方向エンジン側といい、右側を軸方向トランスミッション側という。また、図3において矢印R1の向きが駆動側(回転方向正側)であり、矢印R2の向きが反駆動側(回転方向負側)である。
なお、以下に述べる実施形態における実際の数値は一実施例に関するものであって、本発明を限定するものではない。
2)第1フライホイール
第1フライホイール2は、クランクシャフト91の先端に固定されている。第1フライホイール2は、クランクシャフト91側に大きな慣性モーメントを確保するための部材である。第1フライホイール2は、主に、フレキシブルプレート11と、イナーシャ部材13とから構成されている。
フレキシブルプレート11は、クランクシャフト91からイナーシャ部材13に対してトルクを伝達すると共に、クランクシャフトからの曲げ振動を吸収するための部材である。したがって、フレキシブルプレート11は、回転方向には剛性が高いが軸方向及び曲げ方向には剛性が低くなっている。具体的には、フレキシブルプレート11の軸方向の剛性は、3000kg/mm以下であり、600kg/mm〜2200kg/mmの範囲にあることが好ましい。フレキシブルプレート11は、中心孔が形成された円板状の部材であり、例えば板金製である。フレキシブルプレート11は内周端が複数のボルト22によってクランクシャフト91の先端に固定されている。フレキシブルプレート11には、ボルト22に対応する位置にボルト貫通孔が形成されている。ボルト22はクランクシャフト91に対して軸方向トランスミッション側から取り付けられている。
イナーシャ部材13は、厚肉ブロック状の部材であり、フレキシブルプレート11の外周端の軸方向トランスミッション側に固定されている。フレキシブルプレート11の最外周部は、円周方向に並んだ複数のリベット15によってイナーシャ部材13に固定されている。イナーシャ部材13の外周面にはエンジン始動用リングギア14が固定されている。なお、第1フライホイール2は一体の部材から構成されていてもよい。
3)第2フライホイール
第2フライホイール3は、環状かつ円板状の部材であり、第1フライホイール2の軸方向トランスミッション側に配置されている。第2フライホイール3には、軸方向トランスミッション側にクラッチ摩擦面3aが形成されている。クラッチ摩擦面3aは、環状かつ平坦な面であり、後述するクラッチディスク組立体93が連結される部分である。第2フライホイール3は、さらに、内周縁において軸方向エンジン側に延びる内周筒状部3bを有している。また、第2フライホイール3の内周部には、ボルト22が貫通するための貫通孔3dが円周方向に並んで形成されている。
4)ダンパー機構
ダンパー機構4について説明する。ダンパー機構4は、クランクシャフト91と第2フライホイール3とを回転方向に弾性的に連結するための機構である。このように第2フライホイール3はダンパー機構4によってクランクシャフト91に連結されることで、ダンパー機構と共にフライホイール組立体(フライホイールダンパー)を構成している。ダンパー機構4は、複数のコイルスプリング34,35,36と、一対の出力側円板状プレート32,33と、入力側円板状プレート20とから構成されている。なお、図15の機械回路図に示すように、コイルスプリング34,35,36は摩擦発生機構5,6に対して回転方向に並列に作用するように配置されている。
一対の出力側円板状プレート32,33は、軸方向エンジン側の第1プレート32と、軸方向トランスミッション側の第2プレート33とから構成されている。両プレート32,33は、円板状部材であり、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。各プレート32,33には、円周方向に並んだ複数の窓部46,47がそれぞれ形成されている。窓部46,47は、後述するコイルスプリング34,35を軸方向及び回転方向にそれぞれ支持するための構造であり、コイルスプリング34,35を軸方向に保持しかつその円周方向両端に当接する切り起こし部を有している。窓部46,47は、それぞれ2個ずつ、円周方向に交互に並んで配置されている(同一半径方向位置に配置されている)。さらに、各プレート32,33には、円周方向に並んだ複数の第3窓部48がそれぞれ形成されている。第3窓部48は、半径方向対向する2カ所に形成され、具体的には第1窓部46の外周側に形成されており、後述する第3コイルスプリング36を軸方向及び回転方向にそれぞれ支持するための構造である。
第1プレート32と第2プレート33は、内周部同士は軸方向に一定の間隔を維持しているが、外周部同士は互いに近接してリベット41,42によって堅く固定されている。第1リベット41は、円周方向に並んで配置されている。第2リベット42は、第1プレート32と第2プレート33において形成された切り起こし当接部43,44同士を固定している。切り起こし当接部43,44は、円周方向の2カ所において半径方向に対向して形成され、具体的には第2窓部47の半径方向外側に配置されている。図2に示すように、切り起こし当接部43,44の軸方向位置は入力側円板状プレート20と同一である。
第2プレート33は、外周部が複数のリベット49によって、第2フライホイール3の外周部に固定されている。
入力側円板状プレート20は、出力側円板状プレート32,33の間に配置された円板状の部材である。入力側円板状プレート20には、第1窓部46に対応した第1窓孔38と、第2窓部47に対応した第2窓孔39が形成されている。また、第1及び第2窓孔38,39は、それぞれ、直線状の内周縁を有しているが、内周縁の回転方向中間部分には半径方向内側に凹んだ切り欠き38a,39aを有している。入力側円板状プレート20は、図11に示すように、さらに、中心孔20aと、その回りに形成された複数のボルト貫通孔20bが形成されている。また、外周縁の各窓孔38,39の円周方向間にあたる位置には、半径方向外側に突出する突起20cが形成されている。突起20cは、出力側円板状プレート32,33の切り起こし当接部43,44と第3コイルスプリング36から回転方向に離れて配置されており、かつ、回転方向に接近するといずれにも当接可能となっています。言い換えると、突起20cと切り起こし当接部43,44はダンパー機構4全体のストッパー機構を構成している。また、突起20c同士の回転方向の空間は第3コイルスプリング36を収納するための第3窓孔40として機能している。さらに、入力側円板状プレート20の円周方向の複数箇所(この実施形態では4カ所)には、孔20dが形成されている。孔20dは概ね円形状であるが、わずかに半径方向に長くなっている。孔20dの回転方向位置は窓孔38,39の回転方向間であり、孔20dの半径方向位置は切り欠き38a,39aとほぼ同じである。
入力側円板状プレート20は、フレキシブルプレート11,補強部材18,及び支持部材19と共に、ボルト22によってクランクシャフト91に固定されている。フレキシブルプレート11の内周部は、クランクシャフト91の先端面91aの軸方向トランスミッション側面に当接している。補強部材18は、円板状の部材であり、フレキシブルプレート11の内周部の軸方向トランスミッション側面に当接している。支持部材19は、筒状部19aと、その外周面から半径方向に延びる円板状部19bとから構成されている。円板状部19bは、補強部材18の軸方向トランスミッション側面に当接している。筒状部19aの内周面は、クランクシャフト91の先端中心に形成された円柱突起91bの外周面に当接して芯出しされている。フレキシブルプレート11の内周面及び補強部材18の内周面は、筒状部19aの軸方向エンジン側の外周面に当接して芯出しされている。入力側円板状プレート20の内周面は、筒状部19aの軸方向トランスミッション側根元の外周面に当接して芯出しされている。筒状部19aの内周面には軸受23が装着され、軸受23はトランスミッションの入力シャフト92の先端を回転自在に支持している。また、各部材11,18,19,20はネジ21によって互いに堅く固定されている。
以上に述べたように、支持部材19は、クランクシャフト91に対して半径方向位置決めされた状態で固定され、さらに第1フライホイール2と第2フライホイール3の半径方向位置決めを行っている。このように一つの部品に複数の機能を持たせているため、部品点数が少なくなり、コスト低減につながる。
第2フライホイール3の筒状部3bの内周面は、ブッシュ30を介して、支持部材19の筒状部19aの外周面に支持されている。このようにして、第2フライホイール3は支持部材19によって第1フライホイール2及びクランクシャフト91に対して芯出しされている。ブッシュ30は、さらに、入力側円板状プレート20の内周部と、第2フライホイール3の筒状部3b先端との間に配置されたスラスト部30aを有している。このように、第2フライホイール3からのスラスト荷重は、スラスト部30aを介して、軸方向に並んで配置された各部材11,18,19,20によって受けられるようになっている。つまり、ブッシュ30のスラスト部30aが、入力側円板状プレート20の内周部に支持されて第2フライホイール3からの軸方向の荷重を受けるスラスト軸受として機能している。入力側円板状プレート20の内周部は平板状であって平面度が向上しているため、スラスト軸受における発生荷重が安定する。また、入力側円板状プレート20の内周部は平面状であるため、スラスト軸受部を長く取ることができ、その結果ヒステリシストルクが安定する。さらに、入力側円板状プレート20の内周部は支持部材19の円板状部19bに対して軸方向に密に当接する部分であるため、剛性が高い。
第1コイルスプリング34は、第1窓孔38及び第1窓部46内に配置されている。第1コイルスプリング34の回転方向両端は、第1窓孔38及び第1窓部46の回転方向端に当接又は近接している。
第2コイルスプリング35は、第2窓孔39及び第2窓部47内に配置されている。第2コイルスプリング35は、大小のばねが組み合わせられた親子ばねであり、第1コイルスプリング34より剛性が高い。第2コイルスプリング35の回転方向両端は、第2窓部47の回転方向両端に近接又は当接しているが、第2窓孔39の回転法両端から所定角度(この実施形態では4°)離れている。
第3コイルスプリング36は、第3窓孔40及び第3窓部48内に配置されている。第3コイルスプリング36は、第1コイルスプリング34及び第2コイルスプリング35より小型ではあるが外周に配置されているため、剛性は高くなっている。
5)摩擦発生機構
5−1)第1摩擦発生機構5
第1摩擦発生機構5は、ダンパー機構4の入力側円板状プレート20と出力側円板状プレート32,33との回転方向間でコイルスプリング34,35,36と並列に機能する機構であり、クランクシャフト91と第2フライホイール3が相対回転すると所定の摩擦抵抗(ヒステリシストルク)を発生する。第1摩擦発生機構5は、ダンパー機構4の作動角範囲全体で一定の摩擦を発生するための装置であり、比較的小さな摩擦を発生するようになっている。
第1摩擦発生機構5は、ダンパー機構4より内周側に配置されており、さらに第1プレート32と第2フライホイール3との軸方向間に配置されている。第1摩擦発生機構5は、第1摩擦部材51と、第2摩擦部材52と、コーンスプリング53と、ワッシャ54とから構成されている。
第1摩擦部材51は、入力側円板状プレート20と一体回転して第1プレート32に回転方向に摺動するための部材である。図7〜10に示すように、第1摩擦部材51は、環状部51aと、環状部51aから軸方向トランスミッション側に延びる第1及び第2係合部51b、51cとを有している。環状部51aは、第1プレート32の内周部に対して回転方向に摺動可能に当接している。第1係合部51bと第2係合部51cは、回転方向に交互に配置されている。第1係合部51bは、回転方向に細長い形状を有しており、入力側円板状プレート20の窓孔38,39の内周側切り欠き38a,39aに係合している。第2係合部51cは、半径方向にわずかに長い形状を有しており、入力側円板状プレート20の孔20dに係合している。このため、第1摩擦部材51は、入力側円板状プレート20に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能になっている。
なお、第1係合部51bの軸方向先端の回転方向中間位置にさらに軸方向に延びる第1突起51dが形成されている。このため、第1突起51dの回転方向両側には第1軸方向面51eが形成されている。また、第2係合部51cの半径方向内側位置にさらに軸方向に延びる第2突起51fが形成されている。このため、第2突起51fの半径方向外側位置には第2軸方向面51gが形成されている。
第2摩擦部材52は、入力側円板状プレート20と一体回転して第2フライホイール3に回転方向に摺動するための部材である。第2摩擦部材52は、図14に示すように、環状の部材であり、第2フライホイール3の内周部の第2摩擦面3cに対して回転方向に摺動可能に当接している。第2摩擦面3cは第2フライホイール3における他の部分より軸方向トランスミッション側に凹んだ平坦な環状面である。
第2摩擦部材52の内周縁には、回転方向に並んだ複数の切り欠き52aが形成されている。これら切り欠き52a内には、第1係合部51bの第1突起51dと第2係合部51cの第2突起51fが各々係合している。そのため、第2摩擦部材52は、第1摩擦部材51に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能になっている。
コーンスプリング53は、第1摩擦部材51と第2摩擦部材52との軸方向間に配置され、両部材を軸方向に離れる方向に付勢するための部材である。コーンスプリング53は、図13に示すように、円錐状又は円板状のばねであり、内周縁に複数の切り欠き53aが形成されている。これら切り欠き53a内には、第1係合部51bの第1突起51dと第2係合部51cの第2突起51fが各々係合している。そのため、コーンスプリング53は、第1摩擦部材51に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能になっている。
ワッシャ54は、コーンスプリング53の荷重を第1摩擦部材51に確実に伝えるための部材である。ワッシャ54は、図14に示すように、環状の部材であり、内周縁に円周方向に並んだ複数の切り欠き54aを有している。これら切り欠き54a内には、第1係合部51bの第1突起51dと第2係合部51cの第2突起51fが各々係合している。そのため、ワッシャ54は、第1摩擦部材51に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能になっている。ワッシャ54は、第1係合部51bの第1軸方向面51eと第2係合部51cの第2軸方向面51gに着座している。コーンスプリング53は、内周部がワッシャ54に支持され、外周部が第2摩擦部材52に支持されている。
5−2)第2摩擦発生機構6
第2摩擦発生機構6は、ダンパー機構4の入力側円板状プレート20と出力側円板状プレート32,33との回転方向間でコイルスプリング34,35,36と並列に機能する機構であり、クランクシャフト91と第2フライホイール3が相対回転すると所定の摩擦抵抗(ヒステリシストルク)を発生する。第2摩擦発生機構6は、ダンパー機構4の作動角範囲全体で一定の摩擦を発生するための装置であり、比較的大きな摩擦を発生するようになっている。この実施形態では、第2摩擦発生機構6が発生するヒステリシストルクは、第1摩擦発生機構5が発生するヒステリシストルクの5〜10倍となっている。
第2摩擦発生機構6は、フレキシブルプレート11の外周部である環状部11aと、第2円板状プレート12との軸方向間に形成された空間内に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。第2摩擦発生機構の各ワッシャ」は、イナーシャ部材13及びリベット15内周側に近接して配置されている。
第2摩擦発生機構6は、図4に示すように、フレキシブルプレート11から第2円板状プレート12の対向部分12aに向かって順番に、フリクションワッシャ57、入力側フリクションプレート58、及びコーンスプリング59を有している。このようにフレキシブルプレート11は第2摩擦発生機構6を保持する機能も有しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
コーンスプリング59は、各摩擦面に対して軸方向に荷重を付与するための部材であり、対向部分12aと入力側フリクションプレート58との間に挟まれて圧縮されており、そのため両部材に対して軸方向に付勢力を与えている。入力側フリクションプレート58は外周縁に形成された爪部58aが、第2円板状プレート12に形成された軸方向に延びる切り欠き12bに係合しており、この係合によって入力側フリクションプレート58は、第2円板状プレート12に対して、相対回転は不能であるが軸方向に移動可能となっている。
フリクションワッシャ57は、図5に示すように、回転方向に並んで配置された複数の部材であり、それぞれが弧状に延びている。この実施形態ではフリクションワッシャ57は合計6個である。各フリクションワッシャ57は、入力側フリクションプレート58とフレキシブルプレート11の外周部である環状部11aの間に挟まれている。つまり、フリクションワッシャ57の軸方向エンジン側面57aはフレキシブルプレート11の軸方向トランスミッション側面に摺動可能に当接しており、フリクションワッシャ57の軸方向トランスミッション側面57bは入力側フリクションプレート58の軸方向エンジン側面に摺動可能に当接している。図6に示すように、フリクションワッシャ57の内周面には、凹部63が形成されている。凹部63は、フリクションワッシャ57の概ね回転方向中心に形成され、具体的には、回転方向に延びる底面63aと、その両端から概ね半径方向に(底面63aから概ね直角に)延びる回転方向端面63bとを有している。凹部63は、フリクションワッシャ57の内周面の軸方向中間に形成されているため、軸方向両側を構成する軸方向端面63c、63dを有している。
各フリクションワッシャ57の内周側、より具体的には凹部63内には、それぞれ、フリクション係合部材60が配置されている。各フリクション係合部材60の外周部は、フリクションワッシャ57の凹部63内に配置されている。なお、フリクションワッシャ57とフリクション係合部材60はともに樹脂製である。
フリクション係合部材60とフリクションワッシャ57の凹部63とによって構成される係合部分64について説明する。フリクション係合部材60は、軸方向端面60a,60bと、回転方向端面60cとを有している。フリクション係合部材60の外周面60gは凹部63の底面63aに近接している。回転方向端面60cと回転方向端面63bのそれぞれとの間には所定角度の回転方向隙間65(図6における65A)が確保されており、両角度の合計がそのフリクションワッシャ57がフリクション係合部材60に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この角度はエンジンの燃焼変動に起因する微少捩り振動により生じるダンパー作動角に等しい又はわずかに越える範囲にあることが好ましい。なお、この実施形態では、フリクション係合部材60は、図6に示す中立状態において、凹部63の回転方向中心に配置されている。したがって、フリクション係合部材60の回転方向各側の隙間の大きさは同じである。
フリクション係合部材60は、第1プレート32に対して、一体回転するようにかつ軸方向に移動可能となるように係合している。具体的には、第1プレート32の外周縁には軸方向エンジン側に延びる環状壁32aが形成されており、環状壁32aには各フリクション係合部材60に対応して半径方向内側に凹んだ凹部61が形成されている。さらに、凹部61の回転方向中心には半径方向に貫通する第1スリット61aが形成されており、回転方向両側には半径方向に貫通する第2スリット61bが形成されている。フリクション係合部材60は、第1スリット61a内に半径方向外側から内側に向かって延びさらに回転方向両側に延び環状壁32aの内周面に当接する第1脚部60eと、各第2スリット61b内に半径方向外側から内側に向かって延びさらに回転方向外側に延びて環状壁32aの内周面に当接する一対の第2脚部60fを有している。これにより、フリクション係合部材60が環状壁32aから半径方向外方に移動することがない。さらに、フリクション係合部材60は、半径方向内側に延び環状壁32aの凹部61に対して回転方向に係合する凸部60dを有している。これにより、フリクション係合部材60は、第1プレート32の凸部として一体回転する。
なお、フリクション係合部材60は、第1プレート32に対して軸方向に着脱可能である。
また、フリクション係合部材60の軸方向寸法が凹部63の軸方向寸法より短い(つまり、凹部63の軸方向端面63c,63d間がフリクション係合部材60の軸方向端面60a,60b間より長い)ため、フリクション係合部材60はフリクションワッシャ57に対して軸方向に移動可能である。さらに、フリクション係合部材60の外周面60gと凹部63の底面63aとの間には半径方向隙間が確保されているため、フリクション係合部材60はフリクションワッシャ57に対して所定角度ではあるが傾くことが可能である。
以上に述べたように、フリクションワッシャ57は、入力側の部材であるフレキシブルプレート11と入力側フリクションプレート58に対して回転方向に移動可能に摩擦係合し、フリクション係合部材60に対して係合部分64の回転方向隙間65を介してトルク伝達可能に係合している。さらに、フリクション係合部材60は、第1プレート32と一体回転すると共に、軸方向に移動可能となっている。
次に、フリクションワッシャ57とフリクション係合部材60との関係について、さらに詳細に説明する。フリクション係合部材60の回転方向幅(回転方向角度)は全て同じであるが、凹部63の回転方向幅(回転方向角度)が異なるものがある。言い換えると、凹部63の回転方向幅が異なる少なくとも2種類のフリクションワッシャ57がある。この実施形態では、図5の上下方向に対向する2つの第1フリクションワッシャ57Aと、左右方向に対向する4つの第2フリクションワッシャ57Bとから構成されている。第1フリクションワッシャ57Aと第2フリクションワッシャ57Bは概ね同一形状であり、又同一材料からなる。両者が異なる点は、凹部63の回転方向隙間の回転方向幅(回転方向角度)のみである。具体的には、第2フリクションワッシャ57Bの凹部63の回転方向幅が、第1フリクションワッシャ57Aの凹部63の回転方向幅より大きくなっている。この結果、第2フリクションワッシャ57Bにおける第2係合部分64Bの第2回転方向隙間65Bが、第1フリクションワッシャ57Aにおける第1係合部分64Aの第1回転方向隙間65Aより大きくなっている。この実施形態では、例えば、前者が10°であり、後者が8°であり、その差は2°である。
各フリクションワッシャ57A,57Bの両回転方向端は互いに近接している。回転方向端間に確保された回転方向端間の角度は、第2フリクションワッシャ57Bにおける第2回転方向隙間65Bと第1フリクションワッシャ57Aにおける第1回転方向隙間65Aの差(例えば、2°)より、大きく設定されている。
6)クラッチディスク組立体
クラッチのクラッチディスク組立体93は、第2フライホイール3のクラッチ摩擦面3aに近接して配置される摩擦フェーシング93aと、トランスミッション入力シャフト92にスプライン係合するハブ93bとを有している。
7)クラッチカバー組立体
クラッチカバー組立体94は、クラッチカバー96と、ダイヤフラムスプリング97と、プレッシャープレート98とを有している。クラッチカバー96は、第2フライホイール3に固定された円板状かつ環状部材である。プレッシャープレート98は、摩擦フェーシング93aに近接する押圧面を有する環状の部材であり、クラッチカバー96と一体回転するようになっている。ダイヤフラムスプリング97は、クラッチカバー96に指示された状態でプレッシャープレート98を第2フライホイール側に弾性的に付勢するための部材である。図示しないレリーズ装置がダイヤフラムスプリング97の内周端を軸方向エンジン側に押すと、ダイヤフラムスプリング97はプレッシャープレート98への付勢を解除する。
(2)動作
1)トルク伝達
この2マスフライホイール1では、エンジンのクランクシャフト91からのトルクは、第2フライホイール3に対してダンパー機構4を介して伝達される。ダンパー機構4では、トルクは、入力側円板状プレート20、コイルスプリング34〜36、出力側円板状プレート32,33の順番で伝達される。さらに、トルクは、2マスフライホイール1から、クラッチ連結状態でクラッチディスク組立体93に伝達され、最後に入力シャフト92に出力される。
2)捩り振動の吸収・減衰
2マスフライホイール1にエンジンからの燃焼変動が入力されると、ダンパー機構4において入力側円板状プレート20と出力側円板状プレート32,33とが相対回転し、その間でコイルスプリング34〜36が並列に圧縮される。さらに、第1摩擦発生機構5及び第2摩擦発生機構6が所定のヒステリシストルクを発生する。以上の作用により捩じり振動が吸収・減衰される。
次に、図16の捩り特性線図を用いてダンパー機構4の動作を説明する。捩り角度の小さな領域(角度ゼロ付近)では、第1コイルスプリング34のみが圧縮されて比較的低剛性の特性が得られる。捩り角度が大きくなると、第1コイルスプリング34と第2コイルスプリング35が並列に圧縮され、比較的高剛性の特性が得られる。捩り角度がさらに大きくなると、第1コイルスプリング34と第2コイルスプリング35と第3コイルスプリング36が並列に圧縮され、捩り特性の両端に最も高い剛性の特性が得られる。第1摩擦発生機構5は、捩り角度の全ての領域において作動している。なお、第2摩擦発生機構6は、捩り角度の両端において捩り動作の向きが変わってから所定角度までは作動していない。
次に、フリクションワッシャ57がフリクション係合部材60によって駆動されるときの動作を説明する。中立状態から、フリクション係合部材60がフリクションワッシャ57に対して回転方向R1側に捩れていく動作を説明する。
捩り角度が大きくなると、やがて、第1フリクションワッシャ57Aにおいてフリクション係合部材60が第1フリクションワッシャ57Aの凹部63の回転方向R1側の回転方向端面63bに当接する。このとき、第2フリクションワッシャ57Bにおいて、フリクション係合部材60が第2フリクションワッシャ57Bの凹部63の回転方向R1側の回転方向端面63bに対して回転方向隙間(第2フリクションワッシャ57Bの第2回転方向隙間65Bと第1フリクションワッシャ57Aの第1回転方向隙間65Aとの差の半分であり、この実施形態では1°)を有している。
さらに捩り角度が大きくなると、フリクション係合部材60は第1フリクションワッシャ57Aを駆動して、フレキシブルプレート11及び入力側フリクションプレート58に対して摺動させる。このときに、第1フリクションワッシャ57Aは第2フリクションワッシャ57Bに対して回転方向R1側に接近するが、両者の端部が当接することはない。
やがて捩り角度が所定の大きさになると、フリクション係合部材60が、第2フリクションワッシャ57Bの凹部63の回転方向端面63bに当接する。これ以降は、フリクション係合部材60は、第1及び第2フリクションワッシャ57A,57Bをともに駆動して、フレキシブルプレート11及び入力側フリクションプレート58に対して摺動させる。
以上をまとめると、フリクションワッシャ57が第1プレート32によって駆動される時には、捩り特性において一定の枚数が駆動されて中間摩擦抵抗が発生する領域が、全ての枚数が駆動される大摩擦抵抗の領域の開始前に発生する。
2−1)微少捩り振動
次に、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動が2マスフライホイール1に入力されたときのダンパー機構4の動作を、図15の機械回路図と図16〜図19の捩り特性線図を用いて説明する。
微少捩り振動が入力されると、第2摩擦発生機構6において、入力側円板状プレート20は、フリクション係合部材60(凸部)と凹部63との間の回転方向隙間65において、フリクションワッシャ57に対して相対回転する。つまり、フリクションワッシャ57は、第1プレート32によって駆動されず、したがってフリクションワッシャ57は入力側の部材に対して回転しない。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。すなわち図16の捩り特性線図において例えば「DCa」ではコイルスプリング34,35が作動するが、第2摩擦発生機構6では滑りが生じない。つまり、所定の捩り角度範囲では、通常のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルクしか得られない。このように、捩じり特性において第2摩擦発生機構6を所定角度範囲内では作動させない微少回転方向隙間を設けたため、振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
この結果、捩り特性2段目において、捩り振動の動作角度が第1フリクションワッシャ57Aの第1係合部分64Aの第1回転方向隙間65Aの角度(例えば、8°)以内である場合は、図17のように大摩擦抵抗(高ヒステリシストルク)は一切発生せず、低摩擦抵抗の領域Aのみが得られる。また、捩り振動の動作角度が第1フリクションワッシャ57Aの第1係合部分64Aの第1回転方向隙間65Aの角度(例えば、8°)以上であるがそれに第2フリクションワッシャ57Bの第2係合部分64Bの第2回転方向隙間65Bの角度(例えば10°)以内である場合は、図18のように低摩擦抵抗の領域Aの端に中間摩擦抵抗の領域Bが発生する。そして、捩り振動の動作角度が第2フリクションワッシャ57Bの第2係合部分64Bの第2回転方向隙間65Bの角度(例えば10°)以上である場合は、図19のように低摩擦抵抗の領域Aの両端に、中間摩擦抵抗の領域Bと、一定の大摩擦抵抗が発生する領域Cとがそれぞれ得られる。
2−1)大捩り振動入力時の動作
大捩り振動が入力された場合の第2摩擦発生機構6の動作を説明する。第2摩擦発生機構6では、フリクションワッシャ57は、フリクション係合部材60及び第1プレート32と一体回転し、フレキシブルプレート11及びフリクションプレート58と相対回転する。この結果、フリクションワッシャ57及びフリクション係合部材60がフレキシブルプレート11と入力側フリクションプレート58に摺動して摩擦抵抗を発生する。先に述べたように、捩り振動の捩り角度が大きい場合は、フリクションワッシャ57がフレキシブルプレート11及び入力側フリクションプレート58に摺動する。その結果、一定の大きさの摩擦抵抗が捩り特性の全体にわたって得られる。
ここで、捩り角度の端部(振動の向きが変わる位置)での動作について説明する。図16の捩り特性線図の右側端では、フリクションワッシャ57は第1プレート32に対して最も回転方向R2側にずれている。この状態から第1プレート32が出力側円板状プレート32,33に対して、回転方向R2側にねじれていくと、フリクション係合部材60(凸部)と凹部63の回転方向隙間65の全角度にわたって、フリクションワッシャ57が第1プレート32に対して相対回転する。この間では、フリクションワッシャ57は入力側の部材に対して摺動しないため、低摩擦抵抗の領域A(例えば、8°)が得られる。続いて、第1フリクションワッシャ57Aの第1係合部分64Aの第1回転方向隙間65Aがなくなると、次に第1プレート32が第1フリクションワッシャ57Aを駆動する。すると、第1フリクションワッシャ57Aがフレキシブルプレート11及び入力側フリクションプレート58に対して相対回転する。この結果、先に述べたように、中間の摩擦抵抗の領域B(例えば、2°)が発生する。続いて、第2フリクションワッシャ57Bの第2係合部分64Bの第2回転方向隙間65Bがなくなると、次に第1プレート32が第2フリクションワッシャ57Bを駆動する。すると、第2フリクションワッシャ57Bがフレキシブルプレート11及び入力側フリクションプレート58に対して相対回転する。この時には、第1フリクションワッシャ57Aと第2フリクションワッシャ57Bがともに摺動するため、比較的大きな摩擦抵抗の領域Cが発生する。なお、第1フリクションワッシャ57Aによって発生するヒステリシストルクは、第2フリクションワッシャ57Bによって発生するヒステリシストルクより小さく、実際には半分程度である。
以上に述べたように、大きな摩擦抵抗が発生する初期の段階には、中間の摩擦抵抗の領域Bが設けられている。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを段階的にしているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、微少捩り振動を吸収するために微少回転方向隙間を設けた摩擦発生機構において、高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
特に、本発明において、中間の摩擦抵抗を発生させるのに単一種類のフリクションワッシャ57を用いているため、摩擦部材の種類を少なく抑えることができる。また、フリクションワッシャ57は、弧状に延びる簡単な構造である。また、フリクションワッシャ57は、軸方向貫通孔が形成されておらず、製造コストを低く抑えることができる。
2−2)微小捩り振動入力時の動作
次に、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がフライホイールダンパーに入力されたときの第2摩擦発生機構6の動作を説明する。
微少捩り振動が入力されると、第2摩擦発生機構6において、フリクション係合部材60は、微少回転方向隙間65において、フリクションワッシャ57に対して相対回転する。つまり、フリクションワッシャ57は、フリクション係合部材60によって駆動されず、したがってフリクションワッシャ57は入力側の部材に対して回転しない。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。つまり、所定の捩り角度範囲では、通常のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルクしか得られない。このように、捩じり特性において第2摩擦発生機構6を所定角度範囲内では作動させない微少回転方向隙間を設けたため、振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
(3)効果
3−1)第1摩擦発生機構5の効果
第1摩擦発生機構5が第2フライホイール3の一部を摩擦面として利用しているため、摺動面の面積を大きくすることができる。具体的には、第2摩擦部材52がコーンスプリング53によって第2フライホイール3に付勢されているため、摺動面の面積を大きくすることができる。したがって、摺動面の面圧が低下し、第1摩擦発生機構5の寿命が向上する。
第2摩擦部材52の外周部と第1及び第2コイルスプリング34,35の内周部は軸方向に重なって配置され、第2摩擦部材52の外周縁の半径方向位置は第1及び第2コイルスプリング34,35の内周縁の半径方向位置より半径方向外側にある。このため、第2摩擦部材52と第1及び第2コイルスプリング34,35とが半径方向に近接しているにもかかわらず第2摩擦発生機構6において摩擦面を十分に確保できる。
第1摩擦部材51の環状部51aの外周部と第1及び第2コイルスプリング34,35の内周部は軸方向に重なって配置され、環状部51aの外周縁の半径方向位置は第1及び第2コイルスプリング34,35の内周縁の半径方向位置より半径方向外側にある。このため、環状部51aと第1及び第2コイルスプリング34,35が半径方向に近接しているにもかかわらず、第2摩擦発生機構6において摩擦面を十分に確保できる。
第1摩擦部材51のみが入力側円板状プレート20に相対回転不能に係合しており、第1摩擦部材51と第2摩擦部材52が互いに相対回転不能に係合している。このため、入力側円板状プレート20と第2摩擦部材52とを係合させる必要がなくなり、構造が簡単になる。
第1摩擦部材51は、第1プレート32に対して回転方向に摺動可能に当接する環状部51aと、環状部51aから軸方向に延び入力側円場状プレート20に対して軸方向に移動可能に且つ相対回転不能に係合する複数の係合部51b,51cとを有している。第2摩擦部材52は、複数の係合部51b,51cに相対回転不能に且つ軸方向に移動可能に係合する複数の切り欠き52aを有している。このように、第1摩擦部材51が軸方向に延びる複数の係合部51b,51cを有しているため、第1摩擦部材51の環状部51aと第2摩擦部材52とが軸方向に離れた配置した構造を簡単に実現できる。
コーンスプリング53は、第2摩擦部材52と、第1摩擦部材51の係合部51b,51cとの間に配置されて、両者を軸方向に付勢している。そのため、構造が簡単になる。
ワッシャ54は、第1摩擦部材51の係合部51b,51cの先端に着座し、コーンスプリング53からの付勢力を受ける受け部材として機能している。そのため、摩擦摺動面に付与される軸方向の荷重が安定し、その結果、摺動面で発生する摩擦抵抗が安定する。
第1摩擦発生機構5は第2フライホイール3のクラッチ摩擦面3aから内周側に(半径方向内側に離れて)配置されている。したがって、第1摩擦発生機構5はクラッチ摩擦面3aからの熱の影響を受けにくく、摩擦抵抗が安定する。
第1摩擦発生機構5は、ダンパー機構4の第1及び第2コイルスプリング34,35の半径方向中心位置より内周側に配置されており、ボルト22の最外周縁より外周側に配置されている。したがって、省スペースの構造になる。
3−2)第2摩擦発生機構6の効果
第2摩擦発生機構6が第1フライホイール2(具体的には、フレキシブルプレート11)に保持されているため、第2摩擦発生機構6は第2フライホイール3のクラッチ摩擦面3aからの熱の影響を受けにくい。したがって、第2摩擦発生機構6の性能が安定する。特に、第1フライホイール2は第2フライホイール3とコイルスプリング34〜36を介して連結されていないため、第1フライホイール2にも第2フライホイール3からの熱は伝わりにくくなっている。
第2摩擦発生機構6は、フレキシブルプレート11の外周部である環状部11aを摩擦面として利用している。フレキシブルプレート11を利用しているため、第2摩擦発生機構6は部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
第2摩擦発生機構6は、クラッチクラッチ摩擦面3aより外周側に配置されてクラッチ摩擦面3aから半径方向に離れているため、第2摩擦発生機構6がクラッチ摩擦面3aからの熱の影響を受けにくい。
3−3)フレキシブルフライホイール(第1フライホイール2とダンパー機構4)の効果
第1フライホイール2は、イナーシャ部材13と、イナーシャ部材13をクランクシャフト91に連結するための部材であり曲げ方向にたわみ変形可能なフレキシブルプレート11とを有する。ダンパー機構4は、クランクシャフト91からのトルクが入力される入力側円板状プレート20と、入力側円板状プレート20に相対回転可能に配置された出力側円板状プレート32,33と、両者の相対回転によって回転方向に圧縮されるコイルスプリング34,35,36とを有する。第1フライホイール2は、ダンパー機構4に対して曲げ方向に所定範囲で変位可能である。以上に述べた第1フライホイール2とダンパー機構4の組み合わせをフレキシブルフライホイールという。
第1フライホイール2に曲げ振動が発生すると、フレキシブルプレート11が曲げ方向にたわむ。このため、エンジンからの曲げ振動が抑制される。このフレキシブルフライホイールでは、第1フライホイール2がダンパー機構4に対して曲げ方向に所定範囲で変位可能であるため、フレキシブルプレート11による曲げ振動抑制効果が十分に高い。
フレキシブルフライホイールは、第1フライホイール2とダンパー機構4の出力側円板状プレート32との間に配置され、コイルスプリング34,35,36と回転方向に並列に作用する第2摩擦発生機構6をさらに備えている。第2摩擦発生機構6は、トルク伝達可能であるが曲げ方向に相対変位可能に係合するフリクションワッシャ57及びフリクション係合部材60とを有している。このフレキシブルフライホイールでは、第2摩擦発生機構6において2つの部材が曲げ方向に相対変位可能に係合しているため、第1フライホイールがダンパー機構4に対して第2摩擦発生機構6を介して係合しているにもかかわらず、曲げ方向に所定範囲で変位可能である。この結果、フレキシブルプレート11による曲げ振動抑制効果が十分に高い。
フリクションワッシャ57とフリクション係合部材60は回転方向に隙間を空けて係合している。つまり、両者は回転方向に密着していないため、曲げ方向に相対変位する際に大きな抵抗が生じない。
フリクション係合部材60は、出力側円板状プレート32,33の第1プレート32に対して軸方向に移動可能に係合する。そのため、フリクションワッシャ57が第1フライホイール2と共に軸方向移動した際に、フリクション係合部材60と出力側円板状プレート32,33との間で軸方向に抵抗が生じにくい。
3−4)第3コイルスプリング36の効果
第3コイルスプリング36は、捩り特性の捩り角度が最も大きくなった領域で作動を開始し、ダンパー機構4に十分なストッパートルクを付与するための部材である。第3コイルスプリング36は、第1及び第2コイルスプリング34,35に対して回転方向に並列に作用する配置されている。
第3コイルスプリング36は、線径及びコイル径が第1及び第2コイルスプリング34,35に対して大幅に小さく(半分程度)、そのため軸方向にしめるスペースも小さい。図1に示すように、第3コイルスプリング36は、第1及び第2コイルスプリング34,35の外周側に配置され、第2フライホイール3のクラッチ摩擦面3aに対応する位置に配置されている。言い換えると、第3コイルスプリング36の半径方向位置は、クラッチ摩擦面3aの内径と外径の間の環状の領域内にある。
この実施形態では、第3コイルスプリング36を設けることで、ストッパートルクを十分に高くして性能を向上させつつ、第3コイルスプリング36の寸法や配置位置を工夫することで省スペースの構造を実現している。特に、第3コイルスプリング36は第2フライホイール3のクラッチ摩擦面3a(クラッチ摩擦面3a部分は軸方向厚みが大きい)に対応する位置に配置されているにかかわらず、その部分の軸方向寸法は十分に小さくなっており、第1及び第2コイルスプリング34,35が配置されている部分の軸方向寸法より小さくなっている。
また、第3コイルスプリング36は、入力側円板状プレート20の突起20cと出力側円板状プレート32,33の切り起こし当接部43,44とからなるストッパーと、概ね同一の半径方向位置に配置されている。そのため、各機構が半径方向の異なる位置に配置された構造に比べて、全体の構造の径が小さくなる。
(4)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態としての2マスフライホイール101の構造について説明する。前記実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
第2フライホイール103は、環状かつ円板状の部材であり、第1フライホイール102の軸方向トランスミッション側に配置されている。第2フライホイール103は、フライホイール本体103Aと、フライホイール本体103Aをクランクシャフト側の部材に対して半径方向に位置決めするための位置決め部材103Bとから構成されている。フライホイール本体103Aは、軸方向の厚みが大きい環状部材の部材であり、軸方向トランスミッション側に環状かつ平坦なクラッチ摩擦面103aが形成されている。クラッチ摩擦面103aは、環状かつ平坦な面であり、クラッチディスク組立体193が連結される部分である。
位置決め部材103Bは、フライホイール本体103Aの内周側に配置された環状の板金製プレート部材である。位置決め部材103Bは、図24,図25及び図27に示すように、フライホイール本体3Aの内周部に当接することでフライホイール本体3Aに芯出しをする外周部67を有している。外周部167は、図27から明らかなように、概ね円周方向全体にわたってのびる環状部167aと、それを円周方向に分割する係合部167bとから構成されている。環状部167aの外周面167dは、フライホイール本体103Aの内周部に形成された凹部103cの内周面103dに相対回転可能に当接している。また、環状部167aの軸方向トランスミッション側面167cは、凹部103cの軸方向エンジン側面103eに当接している。位置決め部材103Bは、さらに、半径方向中間部168を有している。半径方向中間部168は、概ね平坦な部分(中心線O−Oに垂直な面)であり、軸方向エンジン側に環状かつ平坦な摩擦面168aを有している。さらに、位置決め部材103Bは、内周部169を有している。内周部169には、図20,図22及び図27に示すように、ボルト22が貫通するための貫通孔169aが円周方向に並んで形成されている。貫通孔169aは、円周方向に等間隔で形成されており、概ね円形である。ボルト122は、図20に示すように、貫通孔169aを通ってさらに軸方向エンジン側に位置している。位置決め部材103Bは、さらに、内周縁において軸方向エンジン側に延びる内周筒状部170を有している。
第2プレート133は、滑りクラッチ182を介して、第2フライホイール103の外周部に固定されている。滑りクラッチ182は、所定以下の大きさののトルクに対しては滑らないが所定以上の大きさのトルクに対しては滑るクラッチであり、トルクリミッターとしての機能を有している。滑りクラッチ182は、図23に示すように、第2プレート133の外周部である当接部133aと弾性プレート183とから構成されている。当接部133aは、環状かつ平坦な形状であり、フライホイール本体103Aの外周側の第2摩擦面103bに当接している。第2摩擦面103bはフライホイール本体103Aの外周側の軸方向トランスミッション側に形成された環状かつ平坦な面である。なお、第2摩擦面103bは、クラッチ摩擦面103aよりさらに外周側に配置されている。弾性プレート183は、環状のプレート部材であり、フライホイール本体103Aの外周側の軸方向エンジン側面でかつ第2摩擦面103bよりさらに外周側の部分に、複数のリベット184(図21)によって固定されている。弾性プレート183は、外周側の固定部183aと、内周側の弾性付勢部183bとから構成されている。弾性付勢部183bは、第2プレート133の当接部133aを第2摩擦面103bに付勢している。
滑りクラッチ182はフライホイール本体103Aの外周部に設けられている(特に、フライホイール本体103Aのクラッチ摩擦面103aよりさらに外周側に設けられている)ため、滑りクラッチ182が作動するトルクの値を大きくできる。滑りクラッチ182は2つの部材のみから構成され、フライホイール本体103Aの一部を摩擦面として利用しているため、構造が簡単である。また、滑りクラッチ182は、省スペースでかつ低コストの構成になっている。
位置決め部材103Bの筒状部170の内周面は、ブッシュ130を介して、支持部材119の筒状部119aの外周面に支持されている。このようにして、位置決め部材103Bは支持部材119によって第1フライホイール102及びクランクシャフト191に対して芯出しされており、さらにはフライホイール本体103Aは位置決め部材103Bを介して第1フライホイール102及びクランクシャフト191に対して芯出しされている。ブッシュ130は、筒状部170と筒状部119aの間に配置された筒状部分130aと、入力側円板状プレート120の内周部と位置決め部材103Bの筒状部170先端との間に配置されたスラスト部130bとを有している。このように、第2フライホイール103からのスラスト荷重は、スラスト部130bを介して、軸方向に並んで配置された各部材111,118,119,120によって受けられるようになっている。つまり、ブッシュ130のスラスト部130bが、入力側円板状プレート120の内周部に支持されて第2フライホイール103からの軸方向の荷重を受けるスラスト軸受として機能している。
過大なショックトルクが入力された場合には、2マスフライホイール101において、滑りクラッチ182において滑りが生じ、つまりダンパー機構104とフライホイール本体103Aとの間でトルク伝達が行われない。その結果、ダンパー機構104での破損が生じにくい。例えば、滑りクラッチ182の作動トルクをダンパー機構104のトルク容量より小さく設定していれば、ダンパー機構104にトルク容量以上のトルクが入力されることはない。
なお、このフライホイール組立体では、第2フライホイール103がフライホイール本体103Aと位置決め部材103Bとに分割されており、フライホイール本体103Aは滑りクラッチ182が作動するとダンパー機構104及び位置決め部材103Bに対して相対回転する。位置決め部材103Bはフライホイール本体103Aと一体回転しないため、軸方向貫通孔169aがボルト122に対して回転方向にずれることがない。その結果、滑りクラッチ182が作動してもその状態でボルト122の操作が可能であり、つまりフライホイール組立体を容易にクランクシャフト191から取り外すことができる。
第1摩擦発生機構105では、コーンスプリング153の荷重によって、第1摩擦部材151が出力側円板状プレート132に付勢され、第2摩擦部材152が位置決め部材3B(出力側円板状プレート133と一体回転する部材)に付勢されている。その結果、ダンパー機構104が作動すると、第1摩擦部材151の軸方向エンジン側面151hが出力側円板状プレート132の軸方向トランスミッション側面132eに摺動し、また第2摩擦部材152が位置決め部材103Bの軸方向エンジン側面168aに摺動する
第1摩擦発生機構105が第2フライホイール103の一部を摩擦面として利用しているため、摺動面の面積を大きくすることができる。具体的には、第2摩擦部材152がコーンスプリング153によって第2フライホイール103(具体的には、位置決め部材3B)に付勢されているため、摺動面の面積を大きくすることができる。言い換えると、この実施形態では、位置決め部材103Bは、ダンパー機構104の出力側円板状プレート133と一体回転する部材であるが、プレート103よりさらに軸方向トランスミッション側に配置された部材であるため、第1摩擦発生機構105の摩擦摺動面の面積を大きくできる。したがって、摺動面の面圧が低下し、第1摩擦発生機構105の寿命が向上する。
第1摩擦発生機構105は第2フライホイール103のクラッチ摩擦面103aから内周側に(半径方向内側に離れて)配置されている。したがって、第1摩擦発生機構105はクラッチ摩擦面103aからの熱の影響を受けにくく、摩擦抵抗が安定する。

(5)他の実施形態
以上、本発明に従うクラッチ装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。特に、本発明は前述の具体的な角度の数値等に限定されない。
前記実施形態では、係合部分の回転方向隙間の大きさの種類を2種類としていたが、3種類又はそれ以上にしても良い。3種類の場合は、中間の摩擦抵抗の大きさが2段階になる。
前記実施形態では第1摩擦部材と第2摩擦部材の摩擦係数を同一としているが、異ならせてもよい。このように、第1フリクションワッシャと第2フリクションワッシャとで発生する摩擦抵抗を調整することで、中間摩擦抵抗と大摩擦抵抗の比を自由に設定できる。
前記実施形態では凸部の大きさを全て同じにして異なる大きさの凹部を設けることで中間の摩擦抵抗を発生させていたが、凹部の大きさを全て同じにして異なる大きさの凸部を設けてもよい。さらには、異なる大きさの凸部と、異なる大きさの凹部とを組み合わせてもよい。
前記実施形態ではフリクションワッシャの凹部は半径方向内側を向いていたが、逆に半径方向外側に向いていてもよい。
さらに、前記実施形態ではフリクションワッシャが凹部を有していたが、フリクションワッシャが凸部を有していてもよい。その場合は、例えば、入力側円板状プレートが凹部を有することになる。
さらに、前記実施形態ではフリクションワッシャは入力側部材に摩擦係合する摩擦面を有していたが、出力側部材に摩擦係合する摩擦面を有していてもよい。その場合は、フリクションワッシャと入力側部材との間に、回転方向隙間を有する係合部分が形成されることになる。
本発明の一実施形態としての2マスフライホイールの縦断面概略図。 本発明の一実施形態としての2マスフライホイールの縦断面概略図。 2マスフライホイールの平面図。 第2摩擦発生機構を説明するための図面であり、図1の部分拡大図。 第2摩擦発生機構の構成を説明するための平面模式図。 第2摩擦発生機構のフリクションワッシャと係合部材の関係を説明するための平面図。 第1摩擦発生機構を説明するための図面であり、図1の部分拡大図。 第1摩擦発生機構を説明するための図面であり、図1の部分拡大図。 第1摩擦発生機構を説明するための図面であり、図3の部分拡大図。 第1摩擦部材の平面図。 入力側円板状プレートの平面図。 ワッシャの平面図。 コーンスプリングの平面図。 第2摩擦部材の平面図。 ダンパー機構及び摩擦発生機構の機械回路図。 ダンパー機構の捩り特性線図。 ダンパー機構の捩り特性線図。 ダンパー機構の捩り特性線図。 ダンパー機構の捩り特性線図。 本発明の第2実施形態としての2マスフライホイールの縦断面概略図。 本発明の第2実施形態としての2マスフライホイールの縦断面概略図。 2マスフライホイールの平面図。 滑りクラッチの構成を説明するための平面模式図。 第1摩擦発生機構を説明するための図面であり、図20の部分拡大図。 第1摩擦発生機構を説明するための図面であり、図21の部分拡大図。 第1摩擦発生機構を説明するための図面であり、図22の部分拡大図。 第2フライホイールの位置決め部材の平面図。 ダンパー機構及び摩擦発生機構の機械回路図。
符号の説明
1 2マスフライホイール
2 第1フライホイール
3 第2フライホイール
3a クラッチ摩擦面
3c 第2摩擦面
4 ダンパー機構
5 第1摩擦発生機構(摩擦抵抗発生機構)
6 第2摩擦発生機構
11 フレキシブルプレート(円板状部材)
13 イナーシャ部材
20 入力側円板状プレート
32 出力側円板状プレート
33 出力側円板状プレート
34 第1コイルスプリング(弾性部材)
35 第2コイルスプリング(弾性部材)
36 第3コイルスプリング(弾性部材)
51 第1摩擦部材
51a 環状部
51b 第1係合部(係合部)
51c 第2係合部(係合部)
52 第2摩擦部材
52a 切り欠き(係合部分)
53 コーンスプリング(付勢部材)
54 ワッシャ(受け部材)
103 第2フライホイール
103A フライホイール本体
103B 位置決め部材(第2部材、出力回転部材)

Claims (24)

  1. エンジンのクランクシャフトからトルクが入力されるフライホイール組立体であって、
    フライホイールと、
    前記フライホイールを前記クランクシャフトに対して回転方向に弾性的に連結する機構であって、入力側部材と、出力側部材と、前記入力側部材と前記出力側部材を回転方向に弾性的に連結する弾性部材とを有するダンパー機構と、
    前記ダンパー機構と回転方向に並列に作用する機構であって、前記フライホイールの一部を摩擦面として利用する摩擦抵抗発生機構と、
    を備えたフライホイール組立体。
  2. 前記摩擦抵抗発生機構は、前記入力側部材と一体回転し前記フライホイールに当接する摩擦部材と、前記摩擦部材を前記フライホイールに付勢する付勢部材を有している、請求項1に記載のフライホイール組立体。
  3. 前記摩擦部材の外周部と前記弾性部材の内周部は軸方向に重なって配置され、前記摩擦部材の外周縁の半径方向位置は前記弾性部材の内周縁の半径方向位置より半径方向外側にある、請求項2に記載のフライホイール組立体。
  4. 前記摩擦抵抗発生機構は、前記入力側部材と一体回転し前記出力側部材に当接する第1摩擦部材と、前記入力側部材と一体回転し前記フライホイールに当接する第2摩擦部材と、前記第1及び第2摩擦部材を前記出力側部材及び前記フライホイールにそれぞれ付勢する付勢部材を有している、請求項1に記載のフライホイール組立体。
  5. 前記第1及び第2摩擦部材の外周部と前記弾性部材の内周部は軸方向に重なって配置され、前記第1及び第2摩擦部材の外周縁の半径方向位置は前記弾性部材の内周縁の半径方向位置より半径方向外側にある、請求項4に記載のフライホイール組立体。
  6. 前記第1摩擦部材及び第2摩擦部材は一方のみが前記入力側部材に相対回転不能に係合しており、互いに相対回転不能に係合している、請求項4又は5に記載のフライホイール組立体。
  7. 前記入力側部材は円板状部材であり、前記出力側部材は前記円板状部材の軸方向両側に配置された一対の円板状部材であり、
    前記摩擦抵抗発生機構は、前記入力側部材と一体回転し前記出力側部材の前記フライホイール側と反対側の円板状部材に当接する第1摩擦部材と、前記入力側部材と一体回転し前記フライホイールに当接する第2摩擦部材と、前記第1及び第2摩擦部材を前記出力側部材の前記フライホイール側と反対側の前記円板状部材及び前記フライホイールにそれぞれ付勢する付勢部材を有している、請求項1に記載のフライホイール組立体。
  8. 前記第1及び第2摩擦部材の外周部と前記弾性部材の内周部は軸方向に重なって配置され、前記第1及び第2摩擦部材の外周縁の半径方向位置は前記弾性部材の内周縁の半径方向位置より半径方向外側にある、請求項7に記載のフライホイール組立体。
  9. 前記第1摩擦部材は前記入力側部材に相対回転不能に係合しており、前記第1及び第2摩擦部材は互いに相対回転不能に係合している、請求項8に記載のフライホイール組立体。
  10. 前記第1摩擦部材は、前記円板状部材に対して回転方向に摺動可能に当接する環状部と、前記環状部から軸方向に延び前記入力側部材に対して軸方向に移動可能に且つ相対回転不能に係合する複数の係合部とを有しており、
    前記第2摩擦部材は、前記複数の係合部に相対回転不能に且つ軸方向に移動可能に係合する複数の係合部分を有している、請求項9に記載のフライホイール組立体。
  11. 前記付勢部材は、前記第2摩擦部材と、前記第1摩擦部材の前記係合部との間に配置されている、請求項10に記載のフライホイール組立体。
  12. 前記摩擦抵抗発生機構は、前記第1摩擦部材の前記係合部の先端に着座し、前記付勢部材からの付勢力を受ける受け部材をさらに備えている、請求項11に記載のフライホイール組立体。
  13. 前記摩擦抵抗発生機構は、前記ダンパー機構の全捩り作動角領域において摩擦を発生する、請求項1〜12のいずれかに記載のフライホイール組立体。
  14. 前記摩擦抵抗発生機構は、前記ダンパー機構の前記弾性部材の半径方向中心位置より内周側に配置されている、請求項1〜13のいずれかに記載のフライホイール組立体。
  15. 前記フライホイールは、クラッチが連結されるクラッチ摩擦面をさらに有し、
    前記ダンパー機構の前記弾性部材は、前記クラッチ摩擦面より内周側に配置されている、請求項14に記載のフライホイール組立体。
  16. 前記入力側部材を前記クランクシャフトに連結するための円周方向に並んだ複数のボルトをさらに備え、
    前記摩擦抵抗発生機構は、前記ボルトの最外周縁より外周側に配置されている、請求項14又は15に記載のフライホイール組立体。
  17. 前記フライホイールは、クラッチが連結されるクラッチ摩擦面をさらに有し、
    前記摩擦抵抗発生機構は、前記クラッチ摩擦面より内周側に配置されている、請求項1〜13のいずれかに記載のフライホイール組立体。
  18. 前記フライホイールは、前記クラッチ摩擦面を有する部分と前記摩擦抵抗発生機構の前記摩擦面となる部分とが一体に形成されている、請求項17に記載のフライホイール組立体。
  19. 前記フライホイールは、前記クラッチ摩擦面を有するフライホイール本体と、前記摩擦抵抗発生機構の前記摩擦面となる部分を有する第2部材とに分かれており、
    前記第2部材は、前記前記ダンパー機構の出力側部材と一体回転するようになっている、請求項17に記載のフライホイール組立体。
  20. 前記第2部材は前記フライホイール本体をクランクシャフト側の部材に対して半径方向に支持している、請求項19に記載のフライホイール組立体。
  21. 前記第2部材は前記フライホイール本体と相対回転可能である、請求項19又は20に記載のフライホイール組立体。
  22. 前記第2部材は環状のプレート部材である、請求項19〜21のいずれかに記載のフライホイール組立体。
  23. エンジンのクランクシャフトからトルクが入力されるフライホイール組立体であって、
    フライホイールと、
    前記フライホイールを前記クランクシャフトに対して回転方向に弾性的に連結する機構であって、入力側部材と、出力側部材と、前記入力側部材と前記出力側部材を回転方向に弾性的に連結する弾性部材とを有するダンパー機構と、
    前記ダンパー機構と回転方向に並列に作用する摩擦抵抗発生機構と、
    前記摩擦抵抗発生機構は、前記出力側部材と一体回転するように係合し摩擦面を形成する出力回転部材を有し、
    前記出力回転部材は前記出力側部材よりクランクシャフト側と反対側に配置されている、フライホイール組立体。
  24. 前記出力回転部材は環状のプレート部材である、請求項23に記載のフライホイール組立体。
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