JP6293069B2 - 電磁ブレーキ装置およびそれを用いたエレベータ装置 - Google Patents

電磁ブレーキ装置およびそれを用いたエレベータ装置 Download PDF

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Description

本発明は、電磁ブレーキ装置およびそれを用いたエレベータ装置に関し、特に、電磁石を適用した電磁ブレーキ装置と、そのような電磁ブレーキ装置を用いたエレベータ装置に関するものである。
ロープ式のエレベータ装置の駆動系の一つに、駆動シーブとロープとの間の摩擦力を利用したトラクション式がある。この方式のエレベータ装置では、カゴとつり合いおもりを繋ぐロープがつるべ式に駆動シーブ(綱車)にかけられ、駆動シーブを回転させることによってカゴが昇降する。一方、駆動シーブの回転を制動することで、カゴが静止する。駆動シーブの制動には、電磁石を適用した電磁ブレーキ装置が用いられている。
電磁ブレーキ装置は、エレベータ装置をはじめ、車や列車等の移動体の駆動シーブの制動に用いられている。このような電磁ブレーキ装置を開示した特許文献の例として、特許文献1および特許文献2がある。特許文献1では、電磁アクチュエータによって駆動するブレーキ装置が提案されている。特許文献2では、エンジンバルブを作動させる直流電磁アクチュエータが提案されている。
特開2008−128430号公報 特表2005−519465号公報
電磁ブレーキ装置には、制動力を確保しながら電磁ブレーキ装置を小型化することが求められている。
本発明は、そのような開発の一環でなされたものであり、一つの目的は小型化が図られる電磁ブレーキ装置を提供することであり、他の目的は、そのような電磁ブレーキ装置を適用したエレベータ装置を提供することである。
本発明に係る一の電磁ブレーキ装置は、固定子と可動子と回転軸とコイルと弾性部とロータと非磁性部とを備えている。可動子は、固定子と対向するように配置され、固定子に対して回転可能に支持されている。コイルは、固定子に対して可動子が回転する際の回転中心の回りに可動子を固定子に近づける側に回転させる磁束を発生させる。弾性部は、可動子を固定子から遠ざかる側に回転させる付勢力を有する。ロータは、可動子を固定子から遠ざかる側に回転させることでブレーキがかかり、可動子を固定子に近づける側に回転させることでブレーキが解除される。非磁性部は、固定子および可動子の少なくともいずれか一方に設けられている。固定子および可動子は磁性体から形成されている。非磁性部は、固定子に対して可動子が回転する際の回転中心となる側に配置されて、回転中心となる側とは反対の側には配置されていない
本発明に係る他の電磁ブレーキ装置は、固定子と可動子とコイルと弾性部とロータと非磁性部と緩衝部材とを備えている。可動子は、固定子と対向するように配置され、固定子に対して回転可能に支持されている。コイルは、固定子に対して可動子が回転する際の回転中心の回りに可動子を固定子に近づける側に回転させる磁束を発生させる。弾性部は、可動子を固定子から遠ざかる側に回転させる付勢力を有する。ロータは、可動子を固定子から遠ざかる側に回転させることでブレーキがかかり、可動子を固定子に近づける側に回転させることでブレーキが解除される。非磁性部は、固定子および可動子の少なくともいずれか一方に設けられている。緩衝部材は、回転中心となる側と回転中心となる側とは反対の側とのそれぞれに対して、可動子と固定子との間に介在するように配置されている。固定子および可動子は磁性体から形成されている。非磁性部は、回転中心となる側に配置されて、回転中心となる側とは反対の側には配置されていない。回転中心となる側において、非磁性部と緩衝部材とが配置されている面積は、回転中心となる側とは反対側において、緩衝部材が配置されている面積よりも大きい。
本発明に係るエレベータ装置は、上述した電磁ブレーキ装置を備えたエレベータ装置であって、カゴと、カゴを昇降させる巻上機とを備えている。電磁ブレーキ装置は巻上機に配置されている。
本発明に係る一の電磁ブレーキ装置および他の電磁ブレーキ装置によれば、非磁性部を備えていることで、電磁トルクを向上させて、電磁ブレーキ装置の小型化に寄与することができる。
本発明に係るエレベータ装置によれば、電磁ブレーキ装置が非磁性部を備えていることで、電磁トルクを向上させて、電磁ブレーキ装置の小型化に寄与することができる。
本発明の各実施の形態に係る電磁ブレーキ装置が適用される装置の一例として、エレベータ装置の構造を模式的に示す図である。 図1に示すエレベータ装置の巻上機に適用される電磁ブレーキ装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る電磁ブレーキ装置の第1状態を模式的に示す断面図である。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第2状態を模式的に示す断面図である。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第1状態を示す斜視図である。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第1状態を示す側面図である。 同実施の形態において、吸引時の磁束密度と回転軸からの距離との関係を、比較例とともに示すグラフである。 同実施の形態において、吸引時の電磁トルクを、比較例とともに示すグラフである。 比較例に係る電磁ブレーキ装置において、吸引時の磁束を模式的に示す断面図である。 同実施の形態において、吸引時の磁束を模式的に示す断面図である。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第2状態を示す斜視図である。 同実施の形態において、保持時の磁束密度と回転軸からの距離との関係を、比較例とともに示すグラフである。 同実施の形態において、保持時の電磁トルクを、比較例とともに示すグラフである。 同実施の形態において、電磁トルクと非磁性部材の幅との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る電磁ブレーキ装置の第1状態を模式的に示す断面図である。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第2状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る電磁ブレーキ装置を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態4に係る電磁ブレーキ装置を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態5に係る電磁ブレーキ装置を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態6に係る電磁ブレーキ装置の第1状態を模式的に示す断面図である。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第2状態を模式的に示す断面図である。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第1状態を示す斜視図である。 同実施の形態において、吸引時の磁束密度と回転軸からの距離との関係を、比較例とともに示すグラフである。 同実施の形態において、吸引時の電磁トルクを、比較例とともに示すグラフである。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第2状態を示す斜視図である。 同実施の形態において、保持時の磁束密度と回転軸からの距離との関係を、比較例とともに示すグラフである。 同実施の形態において、保持時の電磁トルクを、比較例とともに示すグラフである。 本発明の実施の形態7に係る電磁ブレーキ装置を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態8に係る電磁ブレーキ装置の第1状態を模式的に示す断面図である。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第2状態を模式的に示す断面図である。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第1状態を示す斜視図である。 同実施の形態において、吸引時の磁束密度と回転軸からの距離との関係を、比較例とともに示すグラフである。 同実施の形態において、吸引時の電磁トルクを、比較例とともに示すグラフである。 同実施の形態において、電磁ブレーキ装置の第2状態を示す斜視図である。 同実施の形態において、保持時の磁束密度と回転軸からの距離との関係を、比較例とともに示すグラフである。 同実施の形態において、保持時の電磁トルクを、比較例とともに示すグラフである。 本発明の実施の形態9に係る電磁ブレーキ装置の斜視図である。 同実施の形態において、固定子の構造を示す斜視図である。
はじめに、電磁ブレーキ装置が用いられている装置の一例として、トラクション式のエレベータ装置の概要について説明する。
図1に示すように、トラクション式のエレベータ装置100では、人等が乗るカゴ101と釣合おもり102とが、ワイヤーロープ103によって繋がっている。ワイヤーロープ103は、巻上機104の滑車(図示せず)にかけられている。巻上機104の駆動を制御することによって、カゴ101が昇降する。
巻上機104は、巻上機104の駆動を制動する電磁ブレーキ装置1を備えている。図2に示すように、電磁ブレーキ装置1は、可動子2と固定子3とを有し、ロータ8と連結されたブレーキドラムの内周側に、ロータ8と同軸に配置される。固定子3にはコイル6が設けられている。可動子2にはシュー10が取り付けられ、そのシュー10にはライニング9が取り付けられている。なお、可動子2と固定子3とは、たとえば、鉄等の磁性体材料から形成されている。
ライニング9をロータ8(ブレーキドラム)から引き離すことで、ブレーキが解除される。開放する際には、コイル6を励磁することによって、可動子2が固定子3に吸引される。一方、ライニング9をロータ8に接触させることで、ブレーキが作動する。ブレーキを作動するには、コイル6に流す電流を止めることで、ライニング9が取り付けられた可動子2が、弾性部としてのバネ7の付勢力によって押し出されて、ライニング9がロータ8に接触することになる。以下、電磁ブレーキ装置の構造について、具体的に説明する。
実施の形態1
実施の形態1に係る電磁ブレーキ装置について説明する。図3に、電磁ブレーキ装置1が作動している状態(ブレーキがかかっている状態)を模式的に示し、図4に、電磁ブレーキ装置1が解除されている状態を模式的に示す。図3および図4に示すように、電磁ブレーキ装置1では、可動子2および固定子3を備え、可動子2が固定子3に対して、回転軸4を回転中心として回転可能に取り付けられている。可動子2における回転軸4の近傍には、非磁性部5として、非磁性部材5aが取り付けられている。非磁性部材5aは、可動子2に形成された凹部(または段差)に埋め込まれるように取り付けられている。
なお、この電磁ブレーキ装置1では、回転軸4が取付けられた構造を例に挙げているが、必ずしも回転軸を取り付ける必要はない。可動子2が固定子3に対して回転可能に取り付けられていればよく、たとえば、可動子2が、固定子3の一端部を回転中心として回動可能に配置されていてもよい。これは、他の実施の形態に係る電磁ブレーキ装置についても、同様である。
固定子3と可動子2との間には、可動子2をロータ8の側に向かって付勢するバネ7が取り付けられている。可動子2には、シュー10およびライニング9が取り付けられている。図3に示すように、バネ7の弾性力によって、ライニング9をロータ8に押し付けることで、ロータ8にブレーキがかかることになる。なお、ロータ8の回転方向は、紙面手前から奥側、またはその逆方向である。また、この電磁ブレーク装置1では、弾性部としてバネ7を例に挙げているが、弾性部としてはバネに限られるものではなく、たとえば、硬質ゴム等の弾性体を用いてもよい。
固定子3には、コイル6(図5参照)が装着されている。そのコイルに通電して磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2は回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転して、固定子3に接触する。このとき、可動子2に取り付けられているライニング9等も同時に回転し、ライニング9とロータ8との間にギャップが形成されて、ロータ8のブレーキが解除されることになる。
電磁ブレーキ装置1において、可動子2や固定子3からなる電磁石のサイズは、数cmから数十cm程度とされる。また、可動子2の中心におけるギャップは0.1mm〜0.5mm程度とされる。このため、図3では、可動子2と固定子3とのなす角度(回転角度)は誇張して示されている。
非磁性部材5aの厚さは、ギャップよりも十分大きく設定することが望ましいため、2mm〜30mm程度とすることが好ましい。また、可動子2の厚さとの関係では、非磁性部材5aの厚さが厚すぎると、可動子2における磁路の断面積が小さくなって、可動子2の磁気抵抗が増加し、総磁束量が低下することになる。このため、非磁性部材5aの厚さは比較的薄いほうが好ましい。非磁性部材5aとしては、たとえば、非磁性のステンレススチール等の金属、ガラスエポキシ等の複合材、または、セラミックス等を用いることが可能である。
次に、電磁ブレーキ装置1の動作について、さらに詳しく説明する。図5に、電磁ブレーキ装置1を動作させる際(前)の固定子3および可動子2の斜視図を示す。E型の固定子3の中心部にはコイル6が巻かれている。ここでは、コイル6の巻数は500ターンとされる。固定子3の長さLxは、たとえば、40mmとされ、長さLyは、たとえば、112mmとされる。可動子2の端部に形成された凹部に、長さLy方向に沿って非磁性部材5aが埋め込まれている。可動子2における、回転軸4が配置されている側(または、回転中心となる側)の端部から、回転軸4が配置されている側(または、回転中心となる側)とは反対側の端部までの長さ(可動子2の幅)は、固定子3の長さLxに相当する。
コイル6に通電して磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転して、ライニング9とロータ8との間にギャップが形成されて、ロータ8のブレーキが解除されることになる。
ここで、可動子2と固定子3との間のギャップにおける磁束密度と、回転軸4からの距離との関係について説明する。コイル6に通電する電流を2Aとし、そして、図6に示すように、非磁性部材5aの厚さTを2mmとし、その幅Lを5mmと10mmとに設定した場合の評価結果を図7に示す。
図7に示すように、非磁性部材5aの幅Lを10mmに設定した場合(ケースA)の結果をグラフAに示し、非磁性部材5aの幅Lを5mmに設定した場合(ケースB)の結果をグラフBに示す。また、比較例として、非磁性部材を備えていない場合(ケースC)の結果をグラフCに示す。なお、可動子2の中央(長さLx=20mm)における可動子2と固定子3とのギャップは0.2mmであり、可動子2の端(長さLx=40mm)におけるギャップは0.4mmである。
グラフBに示すように、非磁性部材の幅Lが5mmの場合、回転軸4からの距離が5mmの範囲では、可動子2と固定子3との磁気ギャップが、非磁性部材5aの厚さ(2mm)以上であるため、磁束密度は0.3T程度と小さいことがわかる。一方、回転軸4からの距離が5mmを超える範囲では、磁束密度は、非磁性部材を備えていない比較例の場合(グラフC)の磁束密度よりも高くなっていることがわかる。
また、グラフAに示すように、非磁性部材5aの幅Lが10mmの場合、回転軸4からの距離が10mmの範囲では、磁束密度は0.3T程度と小さいことがわかる。一方、回転軸4からの距離が10mmを超える範囲では、磁束密度は、非磁性部材5aの幅Lが5mmの場合(グラフB)の磁束密度よりもさらに高くなっていることがわかる。
次に、可動子2の回転軸4の周りの電磁トルクについて説明する。図8に示すように、非磁性部材を備えていない比較例の場合の電磁トルクが23Nmであるのに対して、非磁性部材の幅Lが5mmの場合の電磁トルクは27Nmに増加していることがわかる。また、非磁性部材5aの幅Lが10mmの場合の電磁トルクは、さらに、29Nmまで増加していることがわかる。
これらの結果から、非磁性部材を備えていない比較例に係る電磁ブレーキ装置では、図9に示すように、回転軸4からの距離とともに磁束密度150が減少するのに対して、非磁性部材を備えた実施の形態に係る電磁ブレーキ装置では、図10に示すように、回転軸4からの距離が非磁性部材の幅を超える範囲の磁束密度を、比較例の場合の磁束密度よりも増加させることができる。その結果、可動子2を回転させて固定子3の側に吸引する電磁トルクを増加させることができ、電磁ブレーキ装置として、ブレーキを解除する能力を向上させることができる。
次に、図11に示すように、電磁ブレーキ装置1のブレーキを解除させた状態における、可動子2と固定子3との間のギャップにおける磁束密度と、回転軸4からの距離との関係を、上記ケースA〜Cのそれぞれの場合について説明する。なお、この図11に示される状態は、可動子2と固定子3とが互いにほぼ密着した状態であり、電磁トルクがバネ7によるトルクよりも上回って、ブレーキを保持している状態である。
図12に示すように、非磁性部材5aの幅Lを10mmに設定した場合(ケースA)の結果をグラフAに示し、非磁性部材5aの幅Lを5mmに設定した場合(ケースB)の結果をグラフBに示す。比較例として、非磁性部材を備えていない場合(ケースC)の結果をグラフCに示す。なお、コイル6に通電する電流を2Aとする。
まず、グラフCに示すように、非磁性部材を備えていない比較例では、回転軸4からの距離によらず、磁束密度はほぼ均一であることがわかる。グラフBに示すように、非磁性部材の幅Lが5mmの場合、回転軸4からの距離が5mmの範囲では、磁束密度は0.2T程度と小さいことがわかる。一方、回転軸4からの距離が5mmを超える範囲では、磁束密度は、非磁性部材を備えていない比較例の場合(グラフC)の磁束密度よりも高くなっていることがわかる。
グラフAに示すように、非磁性部材の幅Lが10mmの場合、回転軸4からの距離が5mmの範囲では、磁束密度は0.2T程度と小さいことがわかる。一方、回転軸4からの距離が5mmを超える範囲では、磁束密度は、非磁性部材5aの幅Lが5mmの場合(グラフB)の磁束密度よりもさらに高くなっていることがわかる。
次に、可動子2の回転軸4の周りの電磁トルクについて説明する。図13に示すように、非磁性部材を備えていない比較例の場合の電磁トルクが38Nmであるのに対して、非磁性部材の幅Lが5mmの場合の電磁トルクは42Nmに増加していることがわかる。また、非磁性部材5aの幅Lが10mmの場合の電磁トルクは、さらに、45Nmまで増加していることがわかる。
これらの結果から、上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部材5aを設けることで、可動子2を回転させるトルクを増加させることができ、ブレーキの保持状態を維持する能力も増加させることができることがわかる。
上述した評価では、非磁性部材5aの幅Lが5mmの場合と、10mmの場合とを挙げて説明した。次に、その非磁性部材の幅と電磁トルクとの関係について説明する。図14に示すように、電磁ブレーキ装置のブレーキを動作させる場合(吸引)の結果をグラフAに示し、ブレーキを解除させた状態(保持)の結果をグラフBに示す。
グラフA(保持)に示すように、非磁性部材の幅が10mmよりも長い15mmの場合には、電磁トルクは44Nmに低下することがわかる。非磁性部材の幅がさらに長くなって、幅が20mmの場合には、電磁トルクは41Nmに急激に低下することがわかる。グラフB(吸引)についても、同様の傾向が得られることがわかる。
非磁性部材5aの幅15mmは、可動子2の幅の約40%に相当する。そうすると、可動子2を吸引する際と、可動子2を保持する際に、それぞれ十分な電磁トルクを得るには、非磁性部材5aの幅としては、可動子2の幅の12.5%から40%程度に相当する幅に設定することが最適である。
以上の結果を踏まえると、コイルが同じで電磁トルクが同じであれば、非磁性部材を備えていない比較例に係る電磁ブレーキ装置と比べて、非磁性部材5aを備えた電磁ブレーキ装置1では、電磁ブレーキ装置1を小型化することが可能になる。
また、固定子および可動子のサイズが同じで電磁トルクが同じであれば、非磁性部材を備えていない比較例に係る電磁ブレーキ装置と比べて、非磁性部材5aを備えた電磁ブレーキ装置1では、コイル6に通電する電流を減少させたり、コイル6の巻数を減少させることも可能である。
実施の形態2
実施の形態2では、非磁性部として非磁性ネジを適用した電磁ブレーキ装置について説明する。図15に、電磁ブレーキ装置1が作動している状態を模式的に示し、図16に、電磁ブレーキ装置1が解除されている状態を模式的に示す。図15および図16に示すように、電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5として、非磁性ネジ11が、可動子2に形成された凹部(段差)に埋め込まれるように取り付けられている。非磁性ネジ11は、たとえば、回転軸4方向の一端側と他端側との2箇所に取り付けられている。なお、凹部は、長さLy方向(図11参照)に沿って連続的に形成されていているが、コイルに囲まれた領域を除いて、非磁性ネジ11が取り付けられる箇所に個々に形成されていてもよい。
非磁性ネジ11と固定子3とが互いに接触している部分が回転軸4(または支点)になる。また、可動子2の凹部には固定ネジ12が取り付けられており、非磁性ネジ11の高さが、固定ネジ12によって調整される。なお、これ以外の構成については、図3または図4に示す電磁ブレーキ装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
次に、上述した電磁ブレーキ装置1の動作について説明する。まず、図15に示すように、固定子3に設けられたコイル(図示せず)に電流を流していない状態では、可動子2がバネ7の付勢力によってロータ8(図3参照)の側に押し出されて、可動子2に取り付けられたライニング9(図3参照)がロータ8に接触することで、ブレーキがかかる。
一方、図16に示すように、固定子3に設けられたコイルに通電し磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転する。可動子2が固定子3の側に回転することで、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ブレーキが解除される。
上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部としての非磁性ネジ11が、可動子2に取り付けられている。これにより、実施の形態1において説明したのと同様に、可動子2を回転させるトルクを増加させることができ、ブレーキを解除する能力と、その解除した状態を維持する能力を向上させることができる。
これに加えて、上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性ネジ11の高さを、固定ネジ12によって調整することができる。これにより、たとえば、摩耗等によって非磁性部5の高さが変化した場合等において、非磁性部5の高さを容易に調整することができ、メンテナンス性を向上させることができる。
実施の形態3
実施の形態3に係る電磁ブレーキ装置について説明する。図17に示すように、電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての非磁性部材5aが、固定子3に取り付けられており、非磁性部材5aは、固定ネジ12によって固定子3に形成された溝に固定されている。非磁性部材5aには凹部が形成されており、固定ネジ12の頭部がその凹部に収容されている。
固定子3(溝)と非磁性部材5aとの間には、スペーサ13が装着されている。なお、これ以外の構成については、図3または図4に示す電磁ブレーキ装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
次に、上述した電磁ブレーキ装置1の動作について説明する。まず、固定子3に設けられたコイル(図示せず)に電流を流していない状態では、可動子2がバネ7の付勢力によってロータ8(図3参照)の側に押し出されて、可動子2に取り付けられたライニング9(図3参照)がロータ8に接触することで、ブレーキがかかる。
一方、図17に示すように、固定子3に設けられたコイルに通電し磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転する。可動子2が固定子3の側に回転することで、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ブレーキが解除される。
上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての非磁性部材5aが、固定子3に取り付けられている。これにより、実施の形態1において説明したのと同様に、可動子2を回転させるトルクを増加させることができ、ブレーキを解除する能力と、その解除した状態を維持する能力を向上させることができる。
これに加えて、上述した電磁ブレーキ装置1では、可動子2(溝)と非磁性部材5aとの間にスペーサ13が装着されている。これにより、非磁性部材5aの高さを調整することができる。また、非磁性部材5aには凹部が形成されており、固定ネジ12の頭部がその凹部に収容されている。これにより、可動子2または固定子3の外形サイズが大きくなるのを抑制することができる。
なお、上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部としての非磁性部材5aを固定子3に取り付けた例を挙げた。非磁性部材の配置態様としては、これに限られるものではなく、たとえば、非磁性部材を可動子に取り付けた構造(図3等または図15等参照)と組み合わせてもよく、固定子2および可動子2の少なくともいずれか一方に非磁性部材が取り付けられていればよい。
実施の形態4
実施の形態4に係る電磁ブレーキ装置について説明する。図18に示すように、電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての非磁性部材5aが、可動子2に取り付けられている。非磁性部材5aは、固定ネジ12によって可動子2に形成された凹部(段差)に固定されている。固定ネジ12は、ライニングが配置されている側から固定子3が位置する側に向かって、可動子2を貫通するように挿通されている。
可動子2(凹部)と非磁性部材5aとの間には、スペーサ13が装着されている。なお、これ以外の構成については、図3または図4に示す電磁ブレーキ装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
次に、上述した電磁ブレーキ装置1の動作について説明する。まず、固定子3に設けられたコイル(図示せず)に電流を流していない状態では、可動子2がバネ7の付勢力によってロータ8(図3参照)の側に押し出されて、可動子2に取り付けられたライニング9(図3参照)がロータ8に接触することで、ブレーキがかかる。
一方、図18に示すように、固定子3に設けられたコイルに通電し磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転する。可動子2が固定子3の側に回転することで、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ブレーキが解除される。
上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての非磁性部材5aが、可動子2に取り付けられている。これにより、実施の形態1において説明したのと同様に、可動子2を回転させるトルクを増加させることができ、ブレーキを解除する能力と、その解除した状態を維持する能力を向上させることができる。
これに加えて、上述した電磁ブレーキ装置1では、可動子2(凹部)と非磁性部材5aとの間にスペーサ13が装着されている。これにより、非磁性部材5aの高さを調整することができる。なお、図18では、固定ネジ12の頭部を可動子2から突出させた構造が示されているが、可動子2に凹部を形成し、固定ネジ12の頭部をその凹部に収容させるようにしてもよい。
実施の形態5
実施の形態5に係る電磁ブレーキ装置について説明する。図19に示すように、電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての非磁性部材5aが、可動子2に取り付けられている。非磁性部材5aは、固定ネジ12によって可動子2に形成された溝に固定されている。固定ネジ12は、固定子3が位置する側から可動子2に挿通されている。
非磁性部材5aには凹部が設けられ、固定ネジ12の頭部はその凹部に収容されている。なお、これ以外の構成については、図3または図4に示す電磁ブレーキ装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
次に、上述した電磁ブレーキ装置1の動作について説明する。まず、固定子3に設けられたコイル(図示せず)に電流を流していない状態では、可動子2がバネ7の付勢力によってロータ8(図3参照)の側に押し出されて、可動子2に取り付けられたライニング9(図3参照)がロータ8に接触することで、ブレーキがかかる。
一方、図19に示すように、固定子3に設けられたコイルに通電し磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転する。可動子2が固定子3の側に回転することで、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ブレーキが解除される。
上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての非磁性部材5aが、可動子2に取り付けられている。これにより、実施の形態1において説明したのと同様に、可動子2を回転させるトルクを増加させることができ、ブレーキを解除する能力と、その解除した状態を維持する能力を向上させることができる。
これに加えて、上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部材5aには凹部が形成されており、固定ネジ12の頭部がその凹部に収容されている。これにより、可動子2または固定子3の外形サイズが大きくなるのを抑制することができる。
実施の形態6
実施の形態1〜4では、可動子または固定子に形成された凹部(段差)に、非磁性部材を配置した電磁ブレーキ装置について説明したが、実施の形態6では、可動子と固定子との間に、スペーサとして非磁性部材を配置した電磁ブレーキ装置について説明する。
図20に、電磁ブレーキ装置1が作動している状態を模式的に示し、図21に、電磁ブレーキ装置1が解除されている状態を模式的に示す。図20および図21に示すように、電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての非磁性部材5aが、可動子2と固定子3との間にスペーサとして取り付けられている。非磁性部材5aは、長さLy方向(図11参照)に沿って連続的に取り付けられているが、コイルに囲まれた部分を除いて、長さLy方向の両端部に取り付けられていてもよい。なお、これ以外の構成については、図3または図4に示す電磁ブレーキ装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
次に、上述した電磁ブレーキ装置1の動作について説明する。まず、図20に示すように、固定子3に設けられたコイル(図示せず)に電流を流していない状態では、可動子2がバネ7の付勢力によってロータ8(図3参照)の側に押し出されて、可動子2に取り付けられたライニング9(図3参照)がロータ8に接触することで、ブレーキがかかる。
一方、図21に示すように、固定子3に設けられたコイルに通電し磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転する。可動子2が固定子3の側に回転することで、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ブレーキが解除される。
電磁ブレーキ装置1の動作について、さらに詳しく説明する。図22に、電磁ブレーキ装置1を動作させる際(前)の固定子3および可動子2の斜視図を示す。E型の固定子3の中心部にはコイル6が巻かれている。ここでは、実施の形態1において説明した電磁ブレーキ装置1と同様に、コイル6の巻数は500ターンとされる。固定子3の長さLxは、たとえば、40mmとされ、長さLyは、たとえば、112mmとされる。
可動子2と固定子3との間に、非磁性部材5aが配置されている。非磁性部材5aとしては、たとえば、非磁性のステンレススチール等の金属、ガラスエポキシ等の複合材、または、セラミックス等の他に、ゴムまたは樹脂シート等を用いることが可能である。
コイル6に通電して磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転して、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ロータ8のブレーキが解除されることになる。
ここで、可動子2と固定子3との間のギャップにおける磁束密度と、回転軸4からの距離との関係について説明する。コイル6に通電する電流を2Aとし、スペーサとしての非磁性部材の厚さを0.1mmに設定した場合の評価結果を図23に示す。
図23に示すように、非磁性部材5a(厚さ:0.1mm)を配置させた場合(ケースA)の結果をグラフAに示す。比較例として、非磁性部材を備えていない場合(ケースB)の結果をグラフBに示す。なお、ケースAの場合、可動子2の中央(長さLx=20mm)における可動子2と固定子3とのギャップは0.2mmであり、可動子2の端(長さLx=40mm)におけるギャップは0.3mmである。ケースBの場合、可動子2の端(長さLx=40mm)におけるギャップは0.4mmである。
グラフAに示すように、非磁性部材5aの厚さが0.1mmの場合、非磁性部材を備えていない比較例の場合(グラフB)と比べて、回転軸からの距離が比較的短い範囲(〜約20mm)では、磁束密度は小さいことがわかる。一方、回転軸からの距離が比較的長い範囲(約20mm〜)では、磁束密度が高くなっていることがわかる。
次に、可動子2の回転軸4の周りの電磁トルクについて説明する。図24に示すように、非磁性部材を備えていない比較例(スペーサなし)の場合の電磁トルクが23Nmであるのに対して、スペーサとして非磁性部材5aの厚さを0.1mmとした場合の電磁トルクは24Nmに増加していることがわかる。
これらの結果から、スペーサとしての非磁性部材5aを備えた電磁ブレーキ装置1は、非磁性部材を備えていない比較例に係る電磁ブレーキ装置と比べて、可動子2を回転させて固定子3の側に吸引する電磁トルクを増加させることができ、電磁ブレーキ装置として、ブレーキを解除する能力を向上させることができることがわかる。
次に、図25に示される、電磁ブレーキ装置1のブレーキを解除させた状態における、可動子2と固定子3との間のギャップにおける磁束密度と、回転軸4からの距離との関係を、上記ケースA、Bのそれぞれの場合について説明する。なお、この図25に示される状態は、可動子2の回転軸とは反対側の端部が固定子3に接触した状態であり、電磁トルクがバネ7によるトルクよりも上回って、ブレーキを保持している状態である。
図26に示すように、スペーサとしての非磁性部材5a(厚さ:0.1mm)を配置させた場合(ケースA)の結果をグラフAに示す。比較例として、非磁性部材を備えていない場合(ケースB)の結果をグラフBに示す。
グラフAに示すように、非磁性部材5aの厚さが0.1mmの場合、非磁性部材を備えていない比較例の場合(グラフB)と比べて、回転軸からの距離が比較的短い範囲(〜約25mm)では、磁束密度は小さいことがわかる。一方、回転軸からの距離が比較的長い範囲(約25mm〜)では、磁束密度が高くなっていることがわかる。
次に、可動子2の回転軸4の周りの電磁トルクについて説明する。図27に示すように、非磁性部材を備えていない比較例(スペーサなし)の場合の電磁トルクが38Nmであるのに対して、スペーサとして非磁性部材5aの厚さを0.1mmとした場合の電磁トルクは39Nmに増加していることがわかる。
これらの結果から、スペーサとしての非磁性部材5aを備えた電磁ブレーキ装置1では、非磁性部材を備えていない比較例に係る電磁ブレーキ装置と比べて、可動子2を回転させるトルクを増加させることができ、ブレーキの保持状態を維持する能力も増加させることができることがわかる。
実施の形態7
実施の形態6では、非磁性部材をスペーサとして備えた電磁ブレーキ装置について説明したが、実施の形態7では、その非磁性部材の一部が可動子に位置する電磁ブレーキ装置について説明する。
図28に示すように、電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての非磁性部材5aが、可動子2と固定子3との間にスペーサとして取り付けられている。可動子2には凹部が設けられており、非磁性部材5aの一部がその凹部に受け入れられている。なお、これ以外の構成については、図20または図21に示す電磁ブレーキ装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
次に、上述した電磁ブレーキ装置1の動作について説明する。まず、固定子3に設けられたコイル(図示せず)に電流を流していない状態では、可動子2がバネ7の付勢力によってロータ8(図3参照)の側に押し出されて、可動子2に取り付けられたライニング9(図3参照)がロータ8に接触することで、ブレーキがかかる。
一方、固定子3に設けられたコイルに通電し磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転する。可動子2が固定子3の側に回転することで、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ブレーキが解除される。
上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての非磁性部材5aが、可動子2と固定子3との間にスペーサとして取り付けられており、その非磁性部材5aの一部が、可動子2に設けられた凹部に受け入れられている。
これにより、非磁性部材5aの一部が、可動子2に設けられた凹部に受け入れられていても、実施の形態6において説明したのと同様に、可動子2を回転させるトルクを増加させることができ、ブレーキを解除する能力と、その解除した状態を維持する能力を向上させることができる。
実施の形態8
実施の形態1〜7では、非磁性部として非磁性部材を備えた電磁ブレーキ装置について説明したが、実施の形態8では、非磁性部として空隙を備えた電磁ブレーキ装置について説明する。
図29に、電磁ブレーキ装置1が作動している状態を模式的に示し、図30に、電磁ブレーキ装置1が解除されている状態を模式的に示す。図29および図30に示すように、電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての空隙5bが、可動子2に形成されている。空隙5bは、長さLy方向(図11参照)に沿って連続的に形成されているが、コイルに囲まれた部分を除いて、長さLy方向の両端部に形成されていてもよい。なお、これ以外の構成については、図3または図4に示す電磁ブレーキ装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
次に、上述した電磁ブレーキ装置1の動作について説明する。まず、図29に示すように、固定子3に設けられたコイル(図示せず)に電流を流していない状態では、可動子2がバネ7の付勢力によってロータ8(図3参照)の側に押し出されて、可動子2に取り付けられたライニング9(図3参照)がロータ8に接触することで、ブレーキがかかる。
一方、図30に示すように、固定子3に設けられたコイルに通電し磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転する。可動子2が固定子3の側に回転することで、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ブレーキが解除される。
電磁ブレーキ装置1の動作について、さらに詳しく説明する。図31に、電磁ブレーキ装置1を動作させる際(前)の固定子3および可動子2の斜視図を示す。E型の固定子3の中心部にはコイル6が巻かれている。ここでは、実施の形態1において説明した電磁ブレーキ装置1と同様に、コイル6の巻数は500ターンとされる。固定子3の長さLxは、たとえば、40mmとされ、長さLyは、たとえば、112mmとされる。
可動子2には、対向する固定子3の側に向かって開口した、非磁性部5としての空隙5bが形成されている。回転軸4から空隙5bまでの長さは3mmとされ、空隙5bの幅は7mmとされる。回転軸4から空隙5bまでの長さは、可動子2の機械的強度に依存し、たとえば、2mmから5mm程度が適当な長さとされる。
コイル6に通電して磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転して、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ロータ8のブレーキが解除されることになる。
ここで、可動子2と固定子3との間のギャップにおける磁束密度と、回転軸4からの距離との関係について説明する。コイル6に通電する電流を2Aとした場合の評価結果を図32に示す。図32に示すように、空隙5bを形成した場合(ケースA)の結果をグラフAに示す。比較例として、空隙を備えていない場合(ケースB)の結果をグラフBに示す。なお、ケースAの場合、可動子2の中央(長さLx=20mm)における可動子2と固定子3とのギャップは0.2mmである。
グラフAに示すように、回転軸からの距離が3mmから10mmの範囲では、可動子2と固定子3との磁気ギャップが、他の部分のギャップに比べて大きいため、磁束密度は0.2T程度と小さいことがわる。一方、回転軸4からの距離が10mmを超える範囲では、磁束密度は、空隙を備えていない比較例の場合(グラフB)の磁束密度よりも高くなっていることがわかる。
次に、可動子2の回転軸4の周りの電磁トルクについて説明する。図33に示すように、空隙を備えていない比較例の場合の電磁トルクが23Nmであるのに対して、空隙を備えた場合の電磁トルクは27Nmに増加していることがわかる。
これらの結果から、非磁性部5としての空隙5bを備えた電磁ブレーキ装置1は、空隙を備えていない比較例に係る電磁ブレーキ装置と比べて、可動子2を回転させて固定子3の側に吸引する電磁トルクを増加させることができ、電磁ブレーキ装置として、ブレーキを解除する能力を向上させることができることがわかる。
次に、図34に示される、電磁ブレーキ装置1のブレーキを解除させた状態における、可動子2と固定子3との間のギャップにおける磁束密度と、回転軸4からの距離との関係を、上記ケースA、Bのそれぞれの場合について説明する。
図35に示すように、空隙を備えた場合(ケースA)の結果をグラフAに示し、空隙を備えていない場合(ケースB)の結果をグラフBに示す。なお、コイル6に通電する電流を2Aとする。
まず、グラフBに示すように、空隙を備えていない比較例では、回転軸4からの距離によらず、磁束密度はほぼ均一であることがわかる。グラフAに示すように、回転軸からの距離が3mmから10mmの範囲では、可動子2と固定子3との磁気ギャップが、他の部分のギャップに比べて大きいため、磁束密度は小さいことがわる。一方、回転軸4からの距離が10mmを超える範囲では、磁束密度は、空隙を備えていない比較例の場合(グラフB)の磁束密度よりも高くなっていることがわかる。
次に、可動子2の回転軸4の周りの電磁トルクについて説明する。図36に示すように、空隙を備えていない比較例の場合の電磁トルクが38Nmであるのに対して、空隙を備えた場合の電磁トルクは43Nmに増加していることがわかる。
これらの結果から、上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部材を設けることなく、非磁性部5としての空隙5bを設けることで、可動子2を回転させるトルクを増加させることができ、ブレーキの保持状態を維持する能力も増加させることができることがわかる。
実施の形態9
実施の形態8では、可動子において、回転軸の近傍に非磁性部としての空隙を設けた電磁ブレーキ装置について説明したが、実施の形態9では、空隙の他に、回転軸の近傍に他の構造を備えた電磁ブレーキ装置について説明する。
図37に、電磁ブレーキ装置1が作動している状態を示し、図38に、可動子を取り外した状態の固定子等の構造を示す。主に図38に示すように、固定子3において、コイル6が巻回されているコア部には、中心をずらしてバネ(図示せず)を配置するためのバネ穴15が形成されている。
さらに、固定子3には、回転軸4に近い側の所定の位置と、回転軸4から離れた遠い側の所定の位置との双方に、ブレ−キが動作する際の音を低減するためのクッションゴム(図示せず)を挿入するゴム穴14が形成されている。非磁性部5としての空隙5bは、ゴム穴14が形成されている領域以外の、回転軸4の近傍の領域に形成されている。
次に、上述した電磁ブレーキ装置1の動作について説明する。まず、固定子3に設けられたコイル6に電流を流していない状態では、可動子2がバネ7の付勢力によってロータ8(図3参照)の側に押し出されて、可動子2に取り付けられたライニング9(図3参照)がロータ8に接触することで、ブレーキがかかる。
一方、固定子3に設けられたコイル6に通電し磁束を発生させることで、可動子2と固定子3との間に吸引力が発生し、可動子2が回転軸4を回転中心として固定子3の側に回転する。可動子2が固定子3の側に回転することで、ライニング9とロータ8との間にギャップ(図4参照)が形成されて、ブレーキが解除される。
上述した電磁ブレーキ装置1では、非磁性部5としての空隙5bが、可動子2に設けられている。これにより、実施の形態8において説明したのと同様に、可動子2を回転させるトルクを増加させることができ、ブレーキを解除する能力と、その解除した状態を維持する能力を向上させることができることがわかる。
これに加えて、上述した電磁ブレーキ装置1では、固定子3にはゴム穴14が形成されて、そのゴム穴14にクッションゴム(図示せず)が挿入されている。これにより、電磁ブレーキ装置1が動作する際の音を低減することができる。
なお、上述した電磁ブレーキ装置1では、固定子3の外周部分に、非磁性部5としての空隙5bを設けた構造を例に挙げたが、コイル6に囲まれた領域に空隙を設けてもよい。また、各実施の形態の構成を適宜組み合わせてもよい。
さら、上述した各実施の形態では、エレベータ装置に適用される電磁ブレーキ装置について説明したが、電磁ブレーキ装置が適用される装置としては、エレベータ装置に限られるものではない。各実施の形態において説明した電磁ブレーキ装置を、たとえば、列車または車両等のブレーキ装置として、また、ホイストまたはクレーン等のブレーキ装置としても、適用することが可能である。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、エレベータ装置をはじめ、列車や車両等の電磁ブレーキ装置として、有効に利用される。
1 電磁ブレーキ装置、2 可動子、3 固定子、4 回転軸、5 非磁性部、5a 非磁性部材、5b 空隙、6 コイル、7 バネ、8 ロータ、9 ライニング、10 シュー、11 非磁性ネジ、12 固定ネジ、13 スペーサ、14 ゴム穴、15 バネ穴、50、150 磁束、100 エレベータ装置、101 かご、102 釣合おもり、103 ワイヤーロープ、104 巻上機。

Claims (11)

  1. 固定子と、
    前記固定子と対向するように配置され、前記固定子に対して回転可能に支持された可動子と、
    前記固定子に対して前記可動子が回転する際の回転中心の回りに前記可動子を前記固定子に近づける側に回転させる磁束を発生させるコイルと、
    前記可動子を前記固定子から遠ざかる側に回転させる付勢力を有する弾性部と、
    前記可動子を前記固定子から遠ざかる側に回転させることでブレーキがかかり、前記可動子を前記固定子に近づける側に回転させることでブレーキが解除されるロータと、
    前記固定子および前記可動子の少なくともいずれか一方に設けられた非磁性部と
    を備え、
    前記固定子および前記可動子は磁性体から形成されており、
    前記非磁性部は、前記回転中心となる側に配置されて、前記回転中心となる側とは反対の側には配置されていない、電磁ブレーキ装置。
  2. 前記非磁性部は非磁性部材である、請求項1記載の電磁ブレーキ装置。
  3. 前記固定子および前記可動子の少なくともいずれか一方には凹部が設けられ、
    前記非磁性部材は前記凹部に配置された、請求項2記載の電磁ブレーキ装置。
  4. 前記非磁性部材は、ネジによって前記固定子および前記可動子の少なくともいずれか一方に固定された、請求項2または3に記載の電磁ブレーキ装置。
  5. 前記非磁性部材は高さ調整部を含む、請求項4記載の電磁ブレーキ装置。
  6. 前記可動子は、前記回転中心となる側の第1端部から、前記回転中心となる側とは反対側の第2端部までの長さとして、第1幅を有し、
    前記非磁性部材は、前記回転中心となる側の第3端部から、前記回転中心となる側とは反対側の第4端部までの長さとして、第2幅を有し、
    前記第2幅は、前記第1幅の12.5%から40%に設定された、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の電磁ブレーキ装置。
  7. 前記非磁性部材は前記固定子と前記可動子との間にスペーサとして配置された、請求項2記載の電磁ブレーキ装置。
  8. 前記非磁性部は空隙である、請求項1記載の電磁ブレーキ装置。
  9. 前記可動子と前記固定子との間に緩衝部材を介在させた、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電磁ブレーキ装置。
  10. 固定子と、
    前記固定子と対向するように配置され、前記固定子に対して回転可能に支持された可動子と、
    前記固定子に対して前記可動子が回転する際の回転中心の回りに前記可動子を前記固定子に近づける側に回転させる磁束を発生させるコイルと、
    前記可動子を前記固定子から遠ざかる側に回転させる付勢力を有する弾性部と、
    前記可動子を前記固定子から遠ざかる側に回転させることでブレーキがかかり、前記可動子を前記固定子に近づける側に回転させることでブレーキが解除されるロータと、
    前記固定子および前記可動子の少なくともいずれか一方に設けられた非磁性部と、
    前記回転中心となる側と前記回転中心となる側とは反対の側とのそれぞれに対して、前記可動子と前記固定子との間に介在するように配置された緩衝部材と
    を備え、
    前記固定子および前記可動子は磁性体から形成されており、
    前記非磁性部は、前記回転中心となる側に配置されて、前記回転中心となる側とは反対の側には配置されておらず、
    前記回転中心となる側において、前記非磁性部と前記緩衝部材とが配置されている面積は、前記回転中心となる側とは反対側において、前記緩衝部材が配置されている面積よりも大きい、電磁ブレーキ装置。
  11. 請求項1〜1のいずれか1項に記載の電磁ブレーキ装置を備えた、エレベータ装置であって、
    カゴと、
    前記カゴを昇降させる巻上機と
    を備え、
    前記電磁ブレーキ装置は前記巻上機に配置された、エレベータ装置。
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