JP2005112979A - 吸収性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トリリン酸系界面活性剤、及び必要に応じてさらにアニオン性界面活性剤の存在下に、ラジカル重合開始剤を用いて、疎水性有機溶媒中でエチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体、及び必要に応じて親水性のオリゴマーを油中水滴型の逆相懸濁重合をさせ、吸収性樹脂を製造する方法に関する。
【選択図】 なし
Description
このうち前者のバルク重合法では、重合後に行う粉砕及び脱水・乾燥は手間のかかる工程を必要とする為、粉砕工程を必要とせず、又脱水・乾燥の容易な後者の逆相懸濁重合法が好ましいと考えられている。
この逆相懸濁重合法では、疎水性有機溶媒として、水と共沸混合物を形成するものを用いることにより、生成した重合体粒子に含まれている水を、疎水性有機溶媒との共沸蒸留により容易に除去することができる。
しかし、逆相懸濁重合法により製造した吸水性樹脂は、取り扱い時に舞い上がりを生じるおそれのある微粒子状の樹脂粒子になり易い問題点がある。
しかし、これらの方法では、平均粒径の大きな樹脂粒子を製造することはできるが、生成した樹脂粒子が装置器壁に付着し易かったり、安定した重合を行える条件範囲が狭いなどの問題がある。
一方、吸収性樹脂の主要用途である紙オムツや生理用品などの吸収性物品では、従来、使用される吸収性樹脂の形状が、球状のものが多かったために、それがパルプ等の基材に固定されにくく、吸収性能が変化したりし易い問題がある。
すなわち本発明は、界面活性剤の存在下にラジカル重合開始剤を用いて、疎水性有機溶媒中でエチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体を油中水滴型の逆相懸濁重合をさせ、吸収性樹脂を製造する方法において、前記界面活性剤としてトリリン酸系界面活性剤を使用することを特徴とする吸収性樹脂の製造方法を提供するものである。
本発明に用いるエチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体(以下水溶性不飽和単量体という)としては、吸水性樹脂を与えることが知られている水溶性不飽和単量体であれば、いずれも用いることができる。
これらの単量体を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
これらの水溶性不飽和単量体は、水溶液中の単量体濃度が通常20重量%以上、好ましくは25%重量以上〜飽和濃度となるように用いられる。
又、前記のイオン性単量体、例えば(メタ)アクリル酸、アクリルアミド−2−エチルスルホン酸等は、その少なくとも一部がアルカリ金属水酸化物や水酸化アンモニウム等で中和された形、即ち塩の形で使用するのが好ましい。中和の程度は通常20〜100モル%、好ましくは30〜100モル%である。
架橋剤としては、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体や、前記の水溶性不飽和単量体の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。
2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体としては、(a)ポリオールのジ又はトリ(メタ)アクリル酸エステル類、例えばポリオールがエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等であるもの、(b)前記(a)において、不飽和酸が(メタ)アクリル酸以外のもの、例えばマレイン酸、フマール酸等であるもの、(c)ビスアクリルアミド類、例えばN,N'−メチレンビスアクリルアミド等、(d)ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸を反応させて得られるジ又はトリ(メタ)アクリル酸エステル類、(e)ポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類、例えばポリイソシアネートがトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等であるもの、(f)多価アリル化合物、例えばアリル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
これらの中でも、本発明では、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が好ましい。
ジグリシジルエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられる。この中でもエチレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。 ハロエポキシ化合物としてはエピクロロヒドリン、β−メチルエピクロロヒドリン等が、イソシアネート化合物としては2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの架橋剤の使用量は、水溶性不飽和単量体に対して通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
式中、R1、R2及びR3は、炭素数が1〜30のフェニル基で置換されていてもよいアルキル基若しくはアルケニル基、又はアルキル基で置換されていてもよいアリール基を示すものである。また、X1、X2及びX3は、酸素原子、エステル結合、アミド結合、イオン性基、ヒドロシル基等の親水性基を少なくとも一つ以上有する二官能の官能基を示すものである。また、Q1、Q2及びQ3は、二官能のアルキレンオキサイド基を示すものである。かかるアルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、あるいはこれらの官能基の混合したものを表すものである。
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、前記と同様の官能基を表す。またn、m及びoは0〜30の整数を示すものであるが、これらのうち、少なくとも1つが0以外の整数を表すものである。これらのうち、R1、R2及びR3はアルキル基又はアルケニル基が特に好ましく、またn、m及びoは1〜20の整数であることが特に好ましい。
かかるアニオン性界面活性剤としては、一般的に市販されているアニオン性界面活性剤を使用することが可能である。かかるアニオン性界面活性剤としては、例えば石けん、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルマリン重縮合物、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、硫酸化油、POEアルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩、POEアルキルアリルエーテルリン酸エステル又はその塩等が挙げられる。
これらのうち、工業的入手の容易さから、ジイソブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデセンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデセンスルホン酸ナチリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデセンスルホン酸ナトリウム、デセンスルホン酸ナトリウム、オクテンスルホン酸ナトリウム等が好ましい。これらのアニオン性界面活性剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
アニオン性界面活性剤の使用量は、吸収性樹脂粒子の形状をより複雑に制御する目的で任意に使用することができるが、トリリン酸系界面活性剤の濃度(X)と、アニオン性界面活性剤の濃度(Y)との比(X/Y)が式(Z)を満足するように添加するのが好ましい。
0<X/Y≦10 (Z)
水溶性不飽和単量体の水溶液中のアニオン性界面活性剤の量が上記範囲であれば、得られる吸収性樹脂粒子の平均粒子径を100〜1000μmに制御することができ、吸血特性を向上することが可能になる。
かかる非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
更に、水溶性不飽和単量体を主体として含む水溶液中に、吸収性樹脂粒子の表面構造をより複雑に制御する目的で、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸又はそのソーダ塩、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物を少量添加してもよい。
疎水性有機溶媒は、水溶性不飽和単量体水溶液に対して、通常0.5〜10重量倍となるように用いられるが、0.8〜3重量倍用いるのが好ましい。疎水性有機溶媒の比率が小さすぎると、界面活性剤が存在していても樹脂粒子が凝集し易くなり、所望の粒径の吸収性樹脂を得るのが困難になる。逆に、この比率が大きすぎると生産性が低下する。
かかる親水性のオリゴマーとしては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の化学合成による親水性オリゴマーであっても、天然物由来による親水性オリゴマーであっても良い。
かかる親水性オリゴマーの分子量としては、重量平均分子量で500〜100,000であることが好ましく、1000〜50,000であることがより好ましい。重量平均分子量がかかる範囲であれば、体液、特に血液に対する吸収性を高めることが可能になる。
これらのアミノ酸は光学活性体(L体、D体)でも、ラセミ体でもよい。また、これらのアミノ酸単位は、グルタミン酸、アスパラギン酸と結合しランダム共重合体として存在していても、ブロック共重合体として存在していてもよい。
本発明に使用するエチレン性不飽和結合を有するポリ酸性アミノ酸としては、特に制限されるものではないが、例えば末端基としてマレイミド末端基を有するポリこはく酸イミドの加水分解物(イ)、及びポリ酸性アミノ酸と、分子内にエチレン性不飽和二重結合及びポリ酸性アミノ酸と反応性を有する官能基を有する化合物とを反応させて得られる化合物(ロ)等が挙げられる。
かかるマレイミド末端基を有するポリこはく酸イミドは、例えば、無水マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸等とアンモニアを加熱反応させ、マレイミドもしくはマレアミド酸を経ることにより得ることができる。
マレイミド末端基を有するポリこはく酸イミドの加水分解物(イ)は、上記で得られたポリこはく酸イミドを、通常アルカリ水溶液を加えて、加水分解反応することにより得られる。このときの反応温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜95℃の範囲である。
また、マレイミド末端基を有するポリこはく酸イミドの加水分解物(イ)は、pHを調整する目的で塩酸、硫酸、燐酸等のプロトン酸により中和を行ってもよい。
また前記の分子内にエチレン性不飽和結合及びポリ酸性アミノ酸と反応性を有する官能基を有する化合物は、特に制限されないが、本発明の目的を達成するためには、例えば下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
[但し、一般式(4)中、R1はアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、イミノ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の基を示し、Qは炭素原子数が1〜10のアルキレン基を示し、R2は水素原子又は炭素原子数が1〜4のアルキル基を示す。]
前記一般式(4)で表される化合物としては、具体的には、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2−メタクロイルオキシエチルイソシアネート、2−イソシアネートメチルアクリレート等が挙げられる。
すなわち、本発明は、疎水性有機溶媒中で、水溶性不飽和単量体を、界面活性剤の存在下にラジカル重合開始剤及び必要により架橋剤を用いて、油中水滴型の逆相懸濁重合をさせるに際して、前記一般式(1)で表されるトリリン酸系界面活性剤を使用することにより吸収性樹脂を製造するものである。
前記水溶性不飽和単量体、界面活性剤、ラジカル重合開始剤及び架橋剤の添加順序、添加態様、重合操作は本発明の目的に反さない限り任意である。
本発明の吸収性樹脂の製造方法としては、例えば1)疎水性有機溶媒に、ラジカル重合開始剤及び架橋剤を含む水溶性不飽和単量体の水溶液を供給し、分散させ、重合させる方法;
2) ラジカル重合開始剤及び架橋剤を含む水溶性不飽和単量体の水溶液に疎水性有機溶媒を供給し、得られる分散液を重合させる方法;
3) 疎水性有機溶媒と、ラジカル重合開始剤及び架橋剤を含む水溶性不飽和単量体の水溶液を同時に混合し得られる分散液を重合させる方法。
等の方法が挙げられる。
これらの方法において、界面活性剤は、疎水性有機溶媒に溶解もしくは分散し用いられてもよいし、ラジカル重合開始剤及び架橋剤を含む水溶性不飽和単量体の水溶液に溶解もしくは分散し用いられてもよいし、疎水性有機溶媒と、ラジカル重合開始剤及び架橋剤を含む水溶性不飽和単量体の水溶液の何れにも溶解もしくは分散し用いられてもよい。
これらの方法のうち、安定な分散液が得られやすく、また操作性の点で、疎水性有機溶媒に水溶性不飽和単量体の水溶液を供給し、油中に水滴を分散させる1)の方法が好ましい。
逐次供給の具体的な方法としては、水溶性不飽和単量体を主体とする水溶液の一部、通常は1〜25重量%を先ず疎水性有機溶媒中に供給して重合を開始させ、この化合物の重合がある程度進行してから残りの水溶性不飽和単量体を主体とする水溶液を逐次供給しつつ重合を行わせるものである。また上記の方法以外の方法として、予め重合条件下に維持した疎水性有機溶媒中に最初から水溶性不飽和単量体を主体とする水溶液を逐次供給しながら、同時に重合を進行させるようにしてもよい。
水溶性不飽和単量体を主体とする水溶液の供給は、通常は全重合時間の20%以上の時間、好ましくは40%以上の時間に亘って行う。
水溶性不飽和単量体を主体とする水溶液の供給は、通常、定速度で行うが、所望ならば途中で供給速度を変化させてもよく、更に途中で供給を一時的に中断することもできる。
この方法は、本発明の吸収性樹脂を製造するための好ましい態様の一つである。
かかる表面架橋剤としては、吸収性樹脂粒子の表面近傍の官能基と反応可能な2個以上の官能基を有する化合物が挙げられる。また吸収用物品等に使用した場合、粒子の表面に残存するため、人体に対して安全性の高いものが好ましい。
そのような化合物としては、例えば、ポリアミンやポリグリシジルエーテル等の2個以上のカルボキシル基(カルボキシレート基)と反応し得る反応性基を有する化合物、及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランといったシランカプリング剤、シラノール縮合触媒であるジブチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート等、グリシジルメタクリレート等の反応性基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられ、これらを1種または2種以上用いることができる。
更に、樹脂の表面濡れ性向上の為に、これらの溶媒中にHLBの高い非イオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤を少量添加してもよい。水及び親水性溶媒は、樹脂100重量部に対して、水を50重量部以下で、親水性溶媒を60重量部以下混合して用いてもよい。
上記親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、およびイソブタノールのような低級アルコール類、アセトン、およびメチルエチルケトンのようなケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、およびジエチルエーテルのようなエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジエチルホルムアミドのようなアミド類およびジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類等が挙げられる。
公知の混合装置としては、例えば円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等の混合装置等を挙げることができる。これらの混合装置で混合するには、樹脂を攪拌しながら表面架橋剤を添加することが好ましく、さらに表面架橋剤を噴霧しながら添加することがより好ましい。
加熱装置としては、特に限定はしないが、通常、乾燥機又は加熱炉を用いることができる。具体的には、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機、減圧乾燥機等が挙げられる。
特に、血液吸収性物品は、例えば、生理用ナプキン、タンポン、医療用血液吸収シート、ドリップ吸収剤、創傷保護材、創傷治癒材、手術用廃液処理剤等の血液吸収特性が要求される物品が挙げられる。又、血液と同様にタンパク質を含む水、例えば、牛乳、母乳、おりもの等に対しても優れた吸収特性を示す他、従来の吸水性材料と同様の尿、海水、セメント水、土壌水、肥料含有水、雨水、排水等に対しても優れた吸収特性を有するため、その適用分野は広範囲である。
内径95mmのシャーレ中の馬脱繊血(株式会社日本生物材料センターより入手)20mlに浸した15枚重ねのトイレットペーパー(55mm×75mm)上に、後記実施例で得られた吸収性樹脂粒子約1gを加え、5分間吸液させた後、樹脂の膨潤ゲルを採取してその重量を測定した。吸液後の膨潤ゲルの重量を、吸液前の樹脂粒子の重量で除して、血液吸引量(g/g)を算出した。
後記実施例で得られた吸収性樹脂粒子を、目開き16メッシュ(1000μm)、30メッシュ(500μm)、100メッシュ(150μm)、140メッシュ(106μm)、235メッシュ(63μm)のふるい(JIS−Z8801)、受け皿の順に組み合わせ、最上の篩に樹脂粒子を約20g入れ、充分振とうさせた。各ふるいに残った樹脂粒子の重量を秤量し、全重量を100%として、重量分率より粒径分布を求め、重量基準の50%粒子径を平均粒子径とした。
攪拌装置、温度計、還流装置、窒素ガス吹き込み装置を装着した1Lの4ツ口フラスコに、無水マレイン酸96g、イオン交換水50gを加えた。次いで55℃に加温し無水マレイン酸を溶解させた後、一旦冷却して無水マレイン酸のスラリーを得た。再び系内を加温し、55℃になったところで、28%アンモニア水60.8gを添加した。その後、系内の温度を80℃に昇温した。3時間反応させた後、得られた水溶液を乾燥し反応中間体を得た。2Lのナスフラスコに反応中間体100gおよび85%燐酸10gを仕込み、エバポレーターを用い、オイルバス浴温中で、200℃で減圧の下、4時間反応させた。得られた生成物を水およびメタノールで数回洗浄した。得られたポリこはく酸イミドをGPCで測定した結果、重量平均分子量は3000であった。
攪拌装置、温度計、還流装置、窒素ガス吹き込み装置を装着した500mlの4ツ口フラスコに、水酸化ナトリウム20.6gを溶解させた水溶液75gを加えた後、参考例1で得られたポリこはく酸イミドの粉末50gを添加することによりポリこはく酸イミドの水溶液を得た。次いで、温度を90℃に昇温した後、グリシジルメタクリレート5.0gを加え、1時間反応を行うことにより、メタクリロイル基を導入したポリアスパラギン酸を含有する水溶液を得た。
500mlの三角フラスコにアクリル酸30gを加え、外部より冷却しつつ水酸化リチウム・1水和物8.74gを溶解した水酸化リチウム水溶液81.5gを滴下してアクリル酸の50モル%を中和した。この液に、ラテルムPS(アルカンスルホン酸ナトリウム 花王株式会社製)1.89gを添加し溶解した。更に、この液にN,N’−メチレンビスアクリルアミド23.4mg、過硫酸アンモニウム0.05gを加えて溶解した。
500mlフラスコに得られた重合体粒子30gを秤量し、そこへアセトン1.2g、イオン交換水2.1g、グリシジルメタクリレート0.09g、過硫酸アンモニウム0.09gからなる混合溶液と、親水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、200CF)0.3gを均一散布した。含水樹脂粒子を108℃で1時間減圧乾燥することにより樹脂粒子の表面架橋を行った。得られた吸収性樹脂粒子の電子顕微鏡観察を行ったところ、表面の凸凹が極めて著しい10μ前後の一次粒子が融着した構造を有していた。また前記の平均粒子径の測定方法に従って測定した平均粒子径は表−1のとおりであった。
前記の吸収性樹脂粒子からなる吸収性材料の特性評価結果を、表1−1に示す。実施例1で得られた吸収性材料は、表−1に示すように血液吸収力に優れ、血液に対して親和性を有することが判る。
ニッコールTDP−8をニッコールTDP−10(トリ(ポリオキシエーテル(C12〜C15混合)アルキルエーテル)リン酸エステル(HLB=14.0)日光ケミカル株式会社製)0.82gに変更した以外は実施例1と同様の操作により吸水性樹脂を得た。得られた吸収性樹脂粒子の電子顕微鏡観察を行ったところ、表面の凸凹が極めて著しい10μ前後の一次粒子が融着した構造を有していた。また前記の平均粒子径の測定方法に従って測定した平均粒子径は表−1のとおりであった。
前記の吸収性樹脂粒子からなる吸収性材料の特性評価結果を、表1−1に示す。実施例2で得られた吸収性材料は、表−1に示すように血液吸収力に優れ、血液に対して親和性を有することが判る。
ラテルムPSの量を1.05gに変更した以外は実施例1と同様の操作により吸水性樹脂を得た。得られた吸収性樹脂粒子の電子顕微鏡観察を行ったところ、球状の一次粒子が融着した顆粒状構造を有していた。また前記の平均粒子径の測定方法に従って測定した平均粒子径は表−1のとおりであった。
前記の吸収性樹脂粒子からなる吸収性材料の特性評価結果を、表−1に示す。
実施例3で得られた吸収性材料は、表−1に示すように血液吸収力に優れ、血液に対して親和性を有することが判る。
500Lのデスカップにアクリル酸150gを加え、外部より冷却しつつ水酸化ナトリウム33.3gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液341.5gを滴下してアクリル酸の50モル%を中和した。次いで、N,N’−メチレンビスアクリルアミド468mg、過硫酸アンモニウム620mg添加溶解させた。攪拌装置、温度計、還流装置、窒素ガス吹き込み装置を装着した2Lの4ツ口フラスコに、シクロヘキサン820gを加え、これにレオドールスーパーSP−S10(ソルビタンモノステアレート、花王株式会社製)3.75gを添加して350rpmで撹拌しながら分散させた後、4ツ口フラスコを氷水内で10℃まで冷却した。次に、フラスコ内を窒素置換した後、調製したアクリル酸水溶液を添加混合した。この時、4ツ口フラスコ内の温度は14℃であった。添加後フラスコを60℃のウオーターバス中で加熱することにより昇温したところ、25℃に達した時点でフラスコ内が白濁し、その後トルクが上昇した。さらに昇温を続けたところ安定な分散液が得られた。65〜75℃で3時間保持した後、シクロヘキサンとの共沸によって生成した樹脂の含水率が10%になるまで脱水を行った。尚、攪拌は350rpmの回転数で一定して行った。反応終了後、デカンテーションでシクロヘキサン相を分離し、続いて得られた含水樹脂粒子から減圧乾燥により水を除去し、重合体粉末を得た。得られた吸収性樹脂の電子顕微鏡観察を行ったところ、球状の構造を有していた。
前記吸収性樹脂からなる吸収性材料の特性評価結果を表−1に示す。
Claims (9)
- 界面活性剤の存在下に、ラジカル重合開始剤を用いて、疎水性有機溶媒中でエチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体を油中水滴型の逆相懸濁重合をさせ、吸収性樹脂を製造する方法において、前記界面活性剤としてトリリン酸系界面活性剤を使用することを特徴とする吸収性樹脂の製造方法。
- 前記界面活性剤として、さらに前記トリリン酸系界面活性剤以外のアニオン性界面活性剤を用いる請求項1又は2記載の吸収性樹脂の製造方法。
- 前記トリリン酸系界面活性剤を分散させた疎水性有機溶媒中に、前記アニオン性界面活性剤及びエチレン性不飽和結合を有する水溶性単量体を含有する水溶液を逐次供給する請求項3又は4記載の吸収性樹脂の製造方法。
- 前記アニオン性界面活性剤が、前記一般式(2)で表されるスルホン酸系界面活性剤である請求項5記載の吸収性樹脂の製造方法。
- 逆相懸濁重合時に親水性のオリゴマーを存在させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性樹脂の製造方法。
- 前記親水性のオリゴマーが、親水性のマクロモノマーである請求項7記載の吸収性樹脂の製造方法。
- 親水性のマクロモノマーが、エチレン性不飽和結合を有するポリ酸性アミノ酸である請求項8に記載の吸収性樹脂の製造方法。
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