JP2005112136A - 重荷重用タイヤ - Google Patents

重荷重用タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2005112136A
JP2005112136A JP2003348570A JP2003348570A JP2005112136A JP 2005112136 A JP2005112136 A JP 2005112136A JP 2003348570 A JP2003348570 A JP 2003348570A JP 2003348570 A JP2003348570 A JP 2003348570A JP 2005112136 A JP2005112136 A JP 2005112136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bead
ply
tire
bead core
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003348570A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3902172B2 (ja
Inventor
Kiyoto Maruoka
清人 丸岡
Minoru Nishi
実 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2003348570A priority Critical patent/JP3902172B2/ja
Priority to US10/912,165 priority patent/US7152646B2/en
Priority to CN200410074767.5A priority patent/CN1605481B/zh
Publication of JP2005112136A publication Critical patent/JP2005112136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3902172B2 publication Critical patent/JP3902172B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract


【課題】 ビードワインド構造が有する利点を損ねることなく、ビード耐久性を向上しうる。
【解決手段】 カーカス6のプライ折返し部6bは、ビードコア5に沿って折れ曲がる主部10に連なりビードコア上面SUに接する又は15mm以下の小距離Laで離間する巻上げ部11を具えるとともに、ビードコア5のタイヤ軸方向最内点におけるビードワイヤ20とカーカスコード21との間のゴム厚さtを0.5〜3.0mmとしている。又ビード部4に、プライ折返し部6bを覆うビード補強層15を設け、かつその内片15i、外片15oの半径方向高さHb、Hcを、それぞれ20mmより大かつ40mm以下、かつHc≧Hbとしている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、カーカスのプライ折返し部の構造を改善することにより、軽量化を図りつつビード耐久性を向上した重荷重用タイヤに関する。
近年、図7(A)に示す如く、カーカスのプライ折返し部aを、ビードコアbの周りで略一周巻きし、該ビードコアbの半径方向上面bsに沿わせたプライ折返し部aの端部分a1を、該ビードコアbとビードエーペックスゴムcとの間で狭持したビード構造、さらには図7(B)に示すように、前記ビードコアbと端部分a1との間に、例えば厚さ0.5〜8.0mmかつ50%モジュラス1.0〜8.5Mpaの軟質のゴムgを介在させ、前記端部分a1をビードコアb上面から離間させたビード構造(例えば特許文献1)などが提案されている。
特開2002−32124号公報
これらのビード構造(以下ビードワインド構造という場合がある)は、プライ折返し部aがビードコアbの周囲で途切れるため、その端部分a1に作用するタイヤ変形時の応力が小であり、従って、該端部分a1を起点としたコードルース等の損傷を効果的に抑制できる。しかもプライ折返し部aの長さが短いため、タイヤを軽量化しうるという利点もある。なおカーカスプライの吹き抜け現象は、前記端部分a1が、ビードコアbとビードエーペックスゴムcとの間で挟まれて係止されることにより防止される。
しかし、このようなビードワインド構造では、前記ビードコアbのタイヤ軸方向内端位置Qで、新たなカーカスコードルースが生じやすくなるなど、ビード耐久性を充分に高めることが難しいという解決すべき新たな問題がある。
このコードルースの発生原因としては、前記ビードワインド構造では、走行時の負荷によりカーカスプライの倒れ込みが相対的に大きいこと、およびビード内のゴムが、運転状況によっては車両側のブレーキパッド等の熱を拾って過度に温度上昇し、熱軟化を起こすことが挙げられる。即ち、荷重負荷時、ビード内のゴムは、前記熱軟化およびカーカスプライの大きな倒れ込みによりビードトウ側に移動する傾向となる。このときプライ折返し部aが、前記移動に引きずられて動くため、前記位置Qにおいてカーカスプライとビードコアbとの間に大きな剪断歪みが発生し、前記コードルースを誘発させると推測される。特に、ビードコアbと端部分a1との間に前記軟質のゴムgを介在させた場合には、前記プライ折返し部aの動きが助長されるため、コードルースはより発生しやすくなる。
そこで本発明は、ビード部に、プライ折返し部を覆う略U字状のビード補強層を設け、かつそのタイヤ軸方向内片、外片を所定高さに立ち上げるとともに、ビードコアのタイヤ軸方向最内点におけるビードワイヤとカーカスコードとの間のゴム厚さを所定範囲に規制することを基本として、ビードワインド構造が有する利点を損ねることなく、ビードコアのタイヤ軸方向内端位置におけるコードルースを抑制することが可能となり、ビード耐久性を向上しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを具えた重荷重用タイヤであって、
前記プライ折返し部は、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側面、半径方向下面及びタイヤ軸方向外側面に沿って折れ曲がる主部と、該主部に連なり前記ビードコアの半径方向上面に接して又はこの半径方向上面から15mm以下の距離Laで離間して前記プライ本体部に向かってのびる巻上げ部とを具え、
かつ前記ビードコアのタイヤ軸方向最内点におけるビードワイヤとカーカスコードとの間のゴム厚さtを0.5〜3.0mmとするとともに、
前記ビード部に、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とを具えるビード補強層を設け、
しかも前記内片のビードベースラインからの半径方向高さHbは、20mmより大かつ40mm以下、前記外片のビードベースラインからの半径方向高さHcは20mmより大かつ40mm以下かつ前記半径方向高さHb以上としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記巻上げ部は、前記ビードコアの半径方向上面から離間するとともに、このビードコアと前記プライ折返し部と前記プライ本体部との間に、複素弾性率Ea* が2〜25Mpaかつビードコアを囲む充填ゴムを配することを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記充填ゴムは、前記複素弾性率Ea* を13Mpaより大かつ25Mpa以下しかも硫黄配合量を5phr以上としたことを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記巻上げ部は、その先端と前記プライ本体部との間隙Lbを1〜10mmとしたことを特徴としている。
ここで、タイヤの各部の寸法等は、本明細書では、特に断りがない限り、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧の5%の内圧を充填した5%内圧状態で特定される値を意味し、この5%正規内圧状態でのタイヤ形状は、通常、加硫金型内でのタイヤ形状と略一致している。
又前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。また前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" を意味する。
本発明は叙上の如く構成しているため、ビードワインド構造が有する利点を損ねることなく、ビードコアのタイヤ軸方向内端位置におけるコードルースを抑制することができビード耐久性を向上しうる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は、本発明の重荷重用タイヤが、トラック・バス用等のチューブレスタイヤである場合の5%正規内圧状態を示す断面図、図2はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1において、重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されるベルト層7とを具備して構成される。
前記ベルト層7は、ベルトコードを用いた2枚以上(重荷重用タイヤの場合は3枚以上)のベルトプライから形成される。本例では、ベルト層7が、スチールコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2〜4のベルトプライ7B〜7Dとの4枚構造の場合を例示している。このベルトプライ7A〜7Dは、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けて重置されることにより、ベルト剛性を高めトレッド部2をタガ効果を有して補強している。
又前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して70〜90°の角度で配列した一枚のカーカスプライ6Aから形成される。カーカスコードとして、スチールコードが好適であるが、必要に応じてナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コードも使用される。又前記カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
なお前記ビードコア5は、図2に示すように、スチール製のビードワイヤ20を多段多列に巻回してなるリング状体であって、本例では、断面横長の偏平六角形状をなし、その半径方向下面SLが正規リムJのリムシートJ1と略平行となることによって、リムとの嵌合力を広範囲に亘って高めた好ましいものを例示している。なお本例では、前記正規リムJがチューブレス用の15°テーパーリムであることにより、ビードコア5の前記半径方向下面SL及び上面SUはタイヤ軸方向線に対して略15°の角度で傾斜している。なおビードコア5の断面形状としては、必要に応じて、正六角形、矩形状も採用できる。
次に、本発明では、前記カーカス6のプライ折返し部6bは、前記ビードコア5の周面に巻き付けられるとともに、該プライ折返し部6bの端部分がビードエーペックスゴム8との間で挟まれて係止される所謂ビードワインド構造で構成される。
詳しくは、前記プライ折返し部6bは、前記ビードコア5のタイヤ軸方向内側面Si、半径方向下面SL、及びタイヤ軸方向外側面Soに沿って折れ曲がる主部10と、該主部10に連なる小長さの巻上げ部11とから形成される。なお巻上げ部11は、前記ビードコアの半径方向上面SUの延長線よりも半径方向外側の部位を意味する。
そしてこの巻上げ部11は、前記半径方向上面SUに接して前記プライ本体部6aに向かって延在する、或いは前記半径方向上面SUから15mm以下の小距離Laで離間しつつ前記プライ本体部に向かって延在しており、これにより、軽量化を図るとともに、該巻上げ部11の先端P2に作用する応力を減じ、該先端P2を起点とした損傷を抑制している。
特に本例では、前記巻上げ部11が、前記半径方向上面SUに対して75°以下の角度θを有して直線状或いは屈曲線状に傾斜してのびることにより、該半径方向上面SUから次第に離間する場合を例示している。このとき、前記先端P2の半径方向上面SUからの距離Laを15mm以下とするとともに、前記ビードコア5とプライ折返し部6bとプライ本体部6aとの間に、ビードコア5の周囲を囲む充填ゴム12を配設している。
なお前記「直線状」とは、加硫成型などにおける変形を許容するもので、直線の他、曲率半径100mm以上の円弧を含むことができる。又前記角度θは、前記巻上げ部11が円弧の場合には、前記半径方向上面SUの延長線が巻上げ部11に交わる交点P1と、前記先端P2とを結ぶ直線の、前記半径方向上面SUに対する角度とする。又前記巻上げ部11が円弧の場合の曲率半径は、前記交点P1と前記先端P2とその中点とを通る3点円弧の曲率半径を意味する。又前記巻上げ部11が屈曲線状の場合には、各折れ曲がり部分の前記半径方向上面SUに対する角度θを75°以下とする。
又前記充填ゴム12は、ビードコア5の前記タイヤ軸方向内側面Si,半径方向下面SL,タイヤ軸方向外側面Soと、プライ折返し部6bの前記主部10との間に配される比較的薄い基部12A、並びにビードコア5の前記半径方向上面SUと前記巻上げ部11と前記プライ本体部6aとの間に配される断面略三角形状の副部12Bとから形成される。
このように、前記副部12Bを断面略三角形状とした場合には、前記巻上げ部11の折れ曲がりの度合いを減じることができる。その結果、例えば生タイヤ成形過程などにおいて、前記巻上げ部11の折れ曲がりが強く戻ろうとしてビードコア5との間に空気残りが生じるなどの成形不良の発生を抑制することが可能となる。又前記半径方向上面SUにおけるカーカスコードとビードワイヤとの擦れを防ぎうるなどフレッティングの抑制にも役立つ。
そのためには、前記距離Laを3mm以上とするのが好ましい。しかしこの距離Laが15mmを越えると、ビードワインド構造の利点が損なわれ、前記巻上げ部11の先端P2に作用する応力が増加する傾向となる。従って、前記距離Laは5〜10mm、さらには6〜8mmの範囲がより好ましい。
又前記先端P2と前記プライ本体部6aとの間隙Lbを、1〜10mmの範囲に確保することも重要であり、1mm未満では、タイヤ形成時のバラツキ、或いは走行時のタイヤ変形等によって、カーカスコードの先端とプライ本体部6aのカーカスコードとが接触して擦れ合うなどフレッティングを招きやすくなる。又前記間隙Lbが10mmを越えると、巻上げ部11の係止力が不十分となり、走行中に吹き抜け現象が発生する恐れがある。従って、前記間隙Lbは1〜5mm、さらには2〜4mmがより好ましい。
又前記充填ゴム12においては、前記巻上げ部11の先端P2に作用する振動および応力をより緩和するため、複素弾性率Ea* を2〜25Mpaとした衝撃緩和効果に優れる低弾性のゴムで形成するのが好ましく、25Mpaを越えると、柔軟性が損なわれるため、前記先端P2にコードルースが発生しやすくなる。なお、前記複素弾性率の値は、粘弾性スペクトロメータを用い、温度70℃、周波数10Hz、動歪率2%の条件で測定した値である。
又前記ビードワインド構造のタイヤでは、前記ビードコア5のタイヤ軸方向内端位置Qにおいてカーカスコードにコードルースが生じやすくなるなど、ビードワインド構造のタイヤに特有の損傷が発生する。
この損傷は、前述した如く、ビードワインド構造では、荷重負荷時のカーカスプライ6Aの倒れ込みが相対的に大きいこと、およびビード内のゴムが運転状況によっては車両側のブレーキパッド等の熱を拾って過度に温度上昇し、熱軟化を起こすことに原因する。即ち、荷重負荷時、熱で軟化したビード内のゴムはフランジとの間で押し圧されてビードトウ側に移動する傾向となり、このときプライ折返し部6bが、前記移動に引きずられて動くため、前記位置Qにおいてカーカスプライ6Aとビードコア5との間に大きな剪断歪みが発生し、前記コードルースを誘発させると推測される。
そこで本発明では、このような損傷を抑制するため、前記ビード部4に略U字状の所定のビード補強層15を設けるとともに、前記位置Qにおけるビードワイヤ20とカーカスコード21との間のゴム厚さt(図4に示す)を所定範囲に規制している。
詳しくは、前記ビード補強層15は、スチールコードをタイヤ周方向線に対して例えば10〜40゜の角度で配列したコードプライからなり、図3に示すように、前記プライ折返し部6bの主部10に沿いその半径方向内方を通る曲線状部15Aと、この曲線状部15Aのタイヤ軸方向外側で前記主部10と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片15oと、前記曲線状部15Aのタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部6aのタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片15iとを具えて構成される。
そして前記内片15iのビードベースラインBLからの半径方向高さHbを、20mmより大かつ40mm以下に設定するとともに、前記外片15oのビードベースラインBLからの半径方向高さHcを20mmより大かつ40mm以下しかも前記半径方向高さHb以上に設定している。なお前記「ビードベースラインBL」とは、タイヤが基づく規格で定まるリム径位置を通るタイヤ軸方向線を意味する。
このように、ビード補強層15において、前記外片15oの半径方向高さHcを20mmより高く設定した場合には、この外片15oが遮蔽板としての機能を発揮するようになり、ビードトウ側への前記ゴム移動F(図3に一点鎖線で示す)を遮蔽効果によって減じることが可能となる。又前記内片15iでは、プライ本体部6aと結合してこのプライ本体部6aを補強するため、前記半径方向高さHbを20mmより高く設定することで、荷重負荷時のカーカスプライ6Aの倒れ込みを減じることが可能となる。そして、これらの相互作用によって、前記ゴム移動Fを効果的に抑制し、それに伴うプライ折返し部6bの引きずりを抑えることにより、前記位置Qにおけるカーカスプライ6Aとビードコア5との間の剪断歪みを低減しうるのである。
この剪断歪み低減効果は、Hb≦Hcの場合により高く発揮されるが、差(Hc−Hb)が10mmを越えて大きくなると、剪断歪み低減効果が減少する傾向となる他、前記外片15oの外端で応力が集中する傾向となる。従って、差(Hc−Hb)は0以上かつ10mm以下が好ましい。又前記半径方向高さHb、Hcが40mmを越える場合にも、前記剪断歪み低減効果を有効に発揮することができなくなる。
又前記位置Qでのコードルールを抑えるために、図4に拡大して示すように、前記位置Qにおけるビードワイヤ20とカーカスコード21との間のゴムGの厚さtを0.5〜3.0mmの範囲で確保し、該ゴムGの弾性変形により剪断応力を緩和吸収させることも重要である。前記ゴム厚さtが0.5mm未満では、前記ビード補強層15を設けた場合にも、カーカスプライ6Aとビードコア5との間の剪断応力を充分に緩和吸収させることができず、該位置Qでコードルースを誘発させる。しかし、前記ゴム厚さtが3.0mmを越えると、プライ折返し部6bへの係止力が不十分となり、走行中に吹き抜け現象が発生する恐れがある。従って前記ゴム厚さtは、好ましくは1.2mm〜3.0mm、1.5〜3.0mm、さらには2.0〜3.0mmの範囲が望ましい。なおゴム厚さtを前記範囲内に調整する手段として、本例では、充填ゴム12の前記基部12Aの厚さt1を厚く設定しているが、この基部12Aとカーカスプライ6Aの間に他のゴム層を介在させる、或いはカーカスプライ6Aにおけるトッピングゴムの厚さt2を通常よりも厚く設定するなどの手段を用いることができる。
次に、前記充填ゴム12では、その複素弾性率Ea* が2Mpa未満と柔らか過ぎると、前記プライ折返し部6bがゴム移動Fに引きずられやすくなるため、前記位置Qでのコードルースに不利となる。従って、前記複素弾性率Ea* を、3Mpaより大、さらには13Mpaより大に設定するのが好ましい。このとき充填ゴム12として、加硫剤としての硫黄の配合量を5.0phr以上とした高硫黄配合ゴムを使用するのが好ましい。これは、硫黄を5.0phr以上配合することで前記範囲の複素弾性率Eaを得る場合、ゴムが熱軟化し難い特性となるからである。従って、ブレーキパッド等の熱でビード温度が過度に上昇した場合にも、充填ゴム12の熱軟化によってプライ折返し部6bの動きが助長されることがなく、コードルースの抑制効果を維持しうるからである。なお前記硫黄の配合量が12phrを越えると、加硫が早くなり過ぎてゴム焼けが起こリやすくなるため、隣接する部材との接着性を低下させる恐れを招く。従って、硫黄の配合量は、5.0〜12phrの範囲、さらには7.0〜12phrの範囲、さらには7.5〜10phrの範囲がより好ましい。なお通常のタイヤ用のゴム組成物では、硫黄は1.0〜5.0phrで配合されている。
又本例においては、ビード部4をよりスリム化し、重量低減と、それに伴う蓄熱の減少による耐久性の向上とを図るため、前記プライ本体部6aは、その半径方向内端位置Q4から半径方向外方に向かって直線状にのびる直線部分6a1を具えるとともに、この直線部分6a1のビードベースラインBLからの高さh1を、前記ビードエーペックスゴム8のビードベースラインBLからの半径方向高さh0の50%以上、60%以上、さらには70%以上に設定している。
なお前記ビードエーペックスゴム8として、本例では、複素弾性率Eb1*を35〜60Mpaとした下のエーペックスゴム部8Aと、その半径方向外方に隣接しかつ複素弾性率Eb2*を、充填ゴム12の前記複素弾性率Ea*より大かつ下のエーペックスゴム部8Aの前記複素弾性率Eb*より小とした上のエーペックスゴム部8Bとの2層構造をなすものを例示しており、特に本例では、前記下のエーペックスゴム部8AのビードベースラインBLからの半径方向高さh01を前記高さh0の40〜60%の範囲とし、乗り心地性と操縦安定性の両立を図っている。なお前記高さh1の上限は、前記高さhmより小であれば特に規制されない。
次に、図5に充填ゴム12の他の実施例を示している。本例では、充填ゴム12の前記副部12Bが、略一定厚さの薄いシート状をなす場合を例示している。なお充填ゴム12では、前記副部12Bを削除することにより、前記巻上げ部11を、ビードコア5の半径方向上面SUに接してプライ本体部6aに向かって延在させることもできる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の構造をなすタイヤサイズが11R22.5の重荷重用ラジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの、ビード強度、ビード耐久性を測定し互いに比較した。表1以外の仕様は互いに同仕様としている。
なお従来例は、図6に示す如く、カーカスのプライ折返し部をビードエーペックスゴムの外側面に沿って巻き上げた構造をなし、プライ折返し部のビードベースラインからの高さh2を65mmとしている。
(1)ビード強度;
タイヤをリム(7.50×22.5)に装着し、バルブからタイヤ内腔に水を充填し、タイヤが破裂したときの破壊水圧を測定し、従来例を100とした指数で示した。値が大きいほど優れている。
(2)ビード耐久性;
〈i〉 一般ビード耐久性:
ドラム試験機を用い、タイヤをリム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、縦荷重(27.25kN×3)の条件下にて、速度30km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、従来例を100とした指数で示した。値が大なほど耐久性に優れている。
〈ii〉 熱ビード耐久性:
前記と同様のビード耐久性テストを、リムを130℃に加熱した状態で実施し、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、従来例を100とした指数で示した。値が大なほど耐久性に優れている。なお熱ビード耐久性では、ビードコアのタイヤ軸方向内端位置でのコードルースを起点として損傷が発生している。
Figure 2005112136
表の如く、実施例品は、一般ビード耐久性および熱ビード耐久性の双方が向上していることが確認できる。
本発明の重荷重用タイヤの一実施例を示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 ビードコアのタイヤ軸方向最内点におけるビードワイヤとカーカスコードとの間のゴム厚さを示す拡大図である。 充填ゴムの他の例を示す断面図である。 表1の従来例のビード構造を示す断面図である。 (A)、(B)はビードワインド構造の従来技術を説明する断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
10 主部
11 巻上げ部
12 充填ゴム
15 ビード補強層
15a 曲線状部
15i 内片
15o 外片
20 ビードワイヤ
21 カーカスコード
Q ビードコアのタイヤ軸方向最内点

Claims (4)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを具えた重荷重用タイヤであって、
    前記プライ折返し部は、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側面、半径方向下面及びタイヤ軸方向外側面に沿って折れ曲がる主部と、該主部に連なり前記ビードコアの半径方向上面に接して又はこの半径方向上面から15mm以下の距離Laで離間して前記プライ本体部に向かってのびる巻上げ部とを具え、
    かつ前記ビードコアのタイヤ軸方向最内点におけるビードワイヤとカーカスコードとの間のゴム厚さtを0.5〜3.0mmとするとともに、
    前記ビード部に、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とを具えるビード補強層を設け、
    しかも前記内片のビードベースラインからの半径方向高さHbは、20mmより大かつ40mm以下、前記外片のビードベースラインからの半径方向高さHcは20mmより大かつ40mm以下かつ前記半径方向高さHb以上としたことを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記巻上げ部は、前記ビードコアの半径方向上面から離間するとともに、このビードコアと前記プライ折返し部と前記プライ本体部との間に、複素弾性率Ea* が2〜25Mpaかつビードコアを囲む充填ゴムを配することを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記充填ゴムは、前記複素弾性率Ea* を3Mpaより大かつ25Mpa以下しかも硫黄配合量を5phr以上としたことを特徴とする請求項2記載の重荷重用タイヤ。
  4. 前記巻上げ部は、その先端と前記プライ本体部との間隙Lbを1〜10mmとしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の重荷重用タイヤ。
JP2003348570A 2003-10-07 2003-10-07 重荷重用タイヤ Expired - Fee Related JP3902172B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003348570A JP3902172B2 (ja) 2003-10-07 2003-10-07 重荷重用タイヤ
US10/912,165 US7152646B2 (en) 2003-10-07 2004-08-06 Heavy duty tire
CN200410074767.5A CN1605481B (zh) 2003-10-07 2004-09-14 重载轮胎

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003348570A JP3902172B2 (ja) 2003-10-07 2003-10-07 重荷重用タイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005112136A true JP2005112136A (ja) 2005-04-28
JP3902172B2 JP3902172B2 (ja) 2007-04-04

Family

ID=34540728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003348570A Expired - Fee Related JP3902172B2 (ja) 2003-10-07 2003-10-07 重荷重用タイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3902172B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006312412A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd 重荷重用タイヤ
JP2007076549A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2007083823A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2009023197A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Bridgestone Corp スティフナーの形成方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006312412A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd 重荷重用タイヤ
JP4621068B2 (ja) * 2005-05-09 2011-01-26 住友ゴム工業株式会社 重荷重用タイヤ
JP2007076549A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP4482504B2 (ja) * 2005-09-15 2010-06-16 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2007083823A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2009023197A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Bridgestone Corp スティフナーの形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3902172B2 (ja) 2007-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4801527B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP4934178B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP5049050B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5060108B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP4528199B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JPH08156533A (ja) 高速重荷重用ラジアルタイヤ
JP2006256384A (ja) 重荷重用タイヤ
JP2012218528A (ja) 重荷重用タイヤ
JP3902177B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP3930474B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP4473756B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP2007045375A (ja) 重荷重用チューブレスタイヤ
JP3902171B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP3902172B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5324951B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP3934602B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP2786804B2 (ja) 高速重荷重用タイヤ
JP3902170B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JPH11170807A (ja) 重荷重用タイヤ
JP2005178669A (ja) 重荷重用タイヤ
JP3964859B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JPH1134619A (ja) 重荷重用ラジアルタイヤ
JP3934595B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP3964861B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP4410552B2 (ja) 重荷重用ラジアルタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140112

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees