JP2005106153A - ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピストン推力センサの異常を精度よく検知することができ、信頼性の高いブレーキ装置を提供する。
【解決手段】 ディスクロータ11にブレーキパッド14,15を押圧させる推力機構40と、該推力機構40を駆動するアクチュエータ19と、前記推力機構40による押圧力を検出する押圧力検出手段46と、前記推力機構40の変位を検出する位置検出手段と、前記押圧力検出手段46の押圧力信号と車両の制動指示信号とに応じて制動力を発生すべく前記アクチュエータ19を制御する制御手段100とからなるブレーキ装置において、前記制御手段100には、前記押圧力検出手段46の押圧力信号と前記位置検出手段20の変位信号との相対関係から前記押圧力検出手段46の異常を検知する異常検知手段を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の制動用に用いられるブレーキ装置に関するものである。
従来、電動ブレーキは、モータで発生させた駆動力を減速機や回動−直動変換機構などの構成要素を介してキャリパピストンに伝達して、制動力の作用や解除を行っている。この種の電動ブレーキとして、運転者のブレーキペダル操作や車両運動制御に基づいて作成される目標ピストン推力と、電動キャリパ内に設けられたピストン推力センサからの信号をコントローラにフィードバックすることでピストン推力制御を行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−341626号公報
一方、ピストン推力制御では、車輪のブレーキ装置に前記ピストン推力センサの異常が発生すると、この推力センサからフィードバックされて得られる制動力が適切な制動力に対して過大または過小なものなってしまう。この場合には、車両が片側に寄って走行してしまう車両の片流れが発生したり、制動力が不足するおそれがあるため、前記推力センサの異常を即座に検知することが望まれる。
従って本発明は、ピストン推力センサの異常を精度よく検知することができ、信頼性の高いブレーキ装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、ディスクロータにブレーキパッドを押圧させる推力機構と、該推力機構を駆動するアクチュエータと、前記推力機構による押圧力を検出する押圧力検出手段と、前記推力機構の変位を検出する位置検出手段と、前記押圧力検出手段の押圧力信号と車両の制動指示信号とに応じて制動力を発生すべく前記アクチュエータを制御する制御手段とからなるブレーキ装置において、前記制御手段は、前記押圧力検出手段の押圧力信号と前記位置検出手段の変位信号との相対関係に基づいて前記押圧力検出手段の異常を検知する異常検知手段を有することを特徴とする。
この発明によれば、検知される前記押圧力信号と前記変位信号との関係が前記相対関係と異なっている場合には、前記押圧力検出手段の異常を検知することができるので、前記押圧力検出手段の異常を速やかに把握することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のものであって、前記異常検出手段は、前記押圧力検出手段の温度によるゼロ点ドリフト量を加味した前記押圧力検出手段の押圧力信号と前記位置検出手段の変位信号との相対関係に基づく限界値が予め記憶され、該限界値により前記押圧力検出手段の異常を検知することを特徴とする。
この発明によれば、前記押圧力検出手段の押圧力信号には前記温度によるゼロ点ドリフト量が加味されており、検出された前記押圧力信号や前記変位信号が前記限界値を超えている場合には、前記押圧力検出手段の異常を判定することができるため、前記押圧力検出手段の異常の検出精度を高めることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のものであって、前記異常検知手段には、前記ブレーキパッドの剛性変動を加味した前記押圧力検出手段の押圧力信号と前記位置検出手段の変位信号との相対関係に基づく限界値が予め記憶され、該限界値により前記押圧力検出手段の異常を検知することを特徴とする。
この発明によれば、前記押圧力検出手段の押圧力信号にはブレーキパッドの剛性変動が加味されており、検出された前記押圧力信号や前記変位信号が前記限界値を超えている場合には、前記押圧力検出手段の異常を判定することができるため、前記押圧力検出手段の異常の検出精度を高めることができる。
請求項1に記載した発明によれば、押圧力検出手段の異常を速やかに把握することができる。したがって、信頼性の高いブレーキ装置を提供することが可能となる。
請求項2に記載した発明によれば、押圧力検出手段の検出値がゼロ点ドリフトしているものであっても、より適格に押圧力検出手段の異常を検知することができ、信頼性が向上する。
請求項3に記載した発明によれば、ブレーキパッドの剛性が変動している場合であっても、より適格に押圧力検出手段の異常を検知することができ、信頼性がさらに向上する。
以下、本発明の実施の形態におけるブレーキ装置について図面を用いて詳細に説明する。
本発明の一実施形態のブレーキ装置を図面を参照しつつ以下に説明する。
図1に示すように、本実施形態のブレーキ装置は電動キャリパ10を有する電動ディスクブレーキ装置である。
電動キャリパ10は、図示せぬ車輪とともに回転するディスクロータ11の軸線方向における一側にキャリパ本体12が配置されており、このキャリパ本体12には、略C字形に形成されてディスクロータ11を跨いで反対側へ延びる爪部13が一体的に結合されている。ディスクロータ11の軸線方向における両側にそれぞれブレーキパッド14,15が設けられている。ブレーキパッド14,15は、車体側に固定されるキャリア16によってディスクロータ11の軸方向に沿って移動可能に支持されて、制動トルクをキャリア16に伝達するようになっており、また、キャリパ本体12は、キャリア16に取付けられた図示せぬスライドピンによってディスクロータ11の軸方向に沿って摺動可能に案内されている。
キャリパ本体12には、略円筒伏のケース18が結合され、このケース18内には、電動モータ(電動アクチュエータ)19および位置検出器(位置検出手段)20が内包されている。一方、キャリパ本体12には、電動モータ19の回転運動を直線運動に変換するボールランプ機構(回動−直動変換機構)21および電動モータ19の回転トルクを増幅する差動歯車減速機構(減速機構)22が内包されている。ケース18の後端部には、カバー23が取付けられている。
電動モータ19は、ケース18の内周部に固定されたステータ25と、ステータ25に挿入されて軸受26,27によってケース18に回転可能に支持されたロータ28とを備えている。位置検出器20は、ケース18側に固定されたレゾルバステータ29およびロータ28に取付けられたレゾルバロータ30からなり、これらの相対回転に基づいて電動モータ19のロータ28の回転位置(以下モータ位置と称す)を検出する(言い換えればブレーキパッド14,15の移動位置を検出する)ものである。
ボールランプ機構21は、環状の第1ディスク32および第2ディスク33と、これらの間に介装された複数のボール34とから構成されている。第1ディスク32は、軸受35によってキャリパ本体12に回転可能に支持され、ロータ28内に挿入される円筒部36が一体的に形成されている。第2ディスク33には、円筒部36よりも小径の円筒状のスリーブ37が一体的に形成され、このスリーブ37が円筒部36内に挿通されている。
ボールランプ機構21の第1ディスク32および第2ディスク33の対向面には、それぞれ円周方向に沿って延びる円弧状の例えば3つのボール溝38,39が形成されている。これらのボール溝38,39は、等しい中心角(例えば90゜)の範囲に延ばされて、同じ方向に傾斜されている。そして、第1ディスク32および第2ディスク33に形成されたボール溝38,39間にボール34が装入され、第1ディスク32および第2ディスク33の相対回転によって、ボール溝38,39内をボール34が転動することにより、第1ディスク32と第2ディスク33とが軸方向に相対変位するようになっている。このとき、第1ディスク32が第2ディスク33に対して反時計回りに回転したとき、これらが離間する方向に変位する。
第2ディスク33とブレーキパッド14との間には、ピストン40が設けられている。ピストン40は、外周にネジ部41を形成した円筒部材42aを有している。円筒部材42aは、第2ディスク33のスリーブ37内に挿入され、その内周に形成されたネジ部43に螺合されている。円筒部材42aには、ケース18にブラケット44を介して取付けられた軸45の図示せぬ二面取部が嵌合されて、その回転が規制されている。また、ピストン40は、円筒部材42aの軸45に対し反対側に回転が規制された状態で連結される略円板状の押圧部材42bを有している。そして、円筒部材42aと押圧部材42bとの間に、ピストン40が受けるピストン推力を検出する推力センサ46が設けられている。
ピストン40の円筒部材42のネジ部41と、第2ディスク33のスリーブ37のネジ部43とで不可逆ねじを形成しており、ピストン40は、その軸方向に力が作用しても移動することはないが、第2ディスク33を反時計回りに回転させることにより、ディスクロータ11側へ移動するようになっている。
軸45の外周部および第2ディスク33のスリーブ37の内周部にそれぞれ形成されたバネ受47,48間に弾性部材49が介装され、そのばね力によって第2ディスク33がボール34を第1ディスク32との間で挟みつけるように付勢されている。軸45は、調整ネジ50およびロックナット51によってブラケット44に取付けられている。
電動モータ19、位置検出器20、推力センサ46には、コントローラ(制御手段,電流値調整手段,粘性係数推定手段,ブレーキ予兆検出手段)100が接続されている。このコントローラ100には、運転者が制動意思に応じて操作を行うブレーキペダル101の操作量を検出するペダルセンサ102とブレーキペダル101の操作の有無を検出するブレーキスイッチ103とが接続されており、これらペダルセンサ102からのペダルセンサ信号(制動指示信号)およびブレーキスイッチ103からのブレーキスイッチ信号が入力されるようになっている。なお、ペダルセンサ102としては、ブレーキペダル101の操作量を圧力により検出する圧力センサやブレーキペダル101の操作量を変位により検出する変位センサ等が用いられる。
コントローラ100は、主としてペダルセンサ102の検出結果すなわちブレーキペダル101の操作量と、位置検出器20の検出結果すなわち電動モータ19の回転位置に対応する実際のピストン位置と、電動モータ19の電流値と、推力センサ46の検出結果すなわち実際のピストン推力とに基づいて電動モータ19を制御することで、ピストン推力が目標推力となるように制御を行う。
第2ディスク33のスリーブ37の先端外周部には、円筒状のスプリングホルダ67が取付けられている。スプリングホルダ67の一端部が、第1ディスク32の円筒部36の先端部に係合して、これらの相対回転を一定範囲に制限している。スプリングホルダ67の周りには、コイルスプリング69が巻装され、コイルスプリング69は、所定のセット荷重をもって捻られて、その一端部がスプリングホルダ67に結合され、他端部が第1ディスク32の円筒部36に結合されている(結合部は図示略)。
以上のように構成した本実施形態のブレーキ装置の電動キャリパ10の基本作動について次に説明する。
非制動状態では、ボールランプ機構21のボール34がボール溝38,39の最も深い端部にあり、第1ディスク32と第2ディスク33とが最も近い位置にある。コントローラ100は、制動力を発生させる際に、電動モータ19のロータ28を時計回りに回転させる。すると、ロータ28の回転トルクが差動歯車減速機構22で増幅されて第1ディスク32に伝達される。
第1ディスク32の回転力は、コイルスプリング69を介して第2ディスク33に伝達される。ピストン40がブレーキパッド14,15を押圧する前は、ピストン40に軸方向の荷重が殆ど作用せず、ピストン40と第2ディスク33との間のネジ部41,43に生じる抵抗が小さいので、コイルスプリング69のセット荷重によって第2ディスク33が第1ディスク32と一体に回転し、第2ディスク33とピストン40との間に相対回転が生じて、ネジ部41,43の作用によってピストン40が推力を発生させてディスクロータ11側ヘ前進する。
そして、ピストン40が一方のブレーキパッド14に接触してこれをディスクロータ11ヘ押圧させ、その反力によってキャリパ本体12がキャリア16のスライドピンに沿って移動して、爪部13が他方のブレーキパッド15をディスクロータ11に押圧させる。
両ブレーキパッド14,15がディスクロータ11に押圧された後は、その反力によってピストン40に軸方向の大きな荷重が作用するため、ネジ部41,43の抵抗が増大してコイルスプリング69のセット荷重を超えて、第2ディスク33が回転を停止させることになり、その結果、コイルスプリング69が撓んでボールランプ機構21の第1ディスク32および第2ディスク33間に相対回転が生じる。これにより、ボール34がボール溝38,39内を転動して第2ディスク33およびピストン40を一体に前進(すなわち直線運動)させ、ピストン40によってブレーキパッド14,15をディスクロータ11にさらに押付ける。
ここで、上記のようにして電動モータ19の回転でピストン40を進退させる差動歯車減速機構22およびボールランプ機構21が、ディスクロータ11にブレーキパッド14,15を押圧させる推力機構105を構成しており、この推力機構105における相対回転部分にはグリス等の潤滑剤が塗布されている。
そして、この推力機構105は、特に潤滑剤によって生じる粘性抵抗が温度により大きく変化することから、低温での粘性抵抗増大による電動キャリパ10の応答性の低下や、高温での粘性抵抗減少による電動キャリパ10の制御安定性の低下等の影響を低減するために、本実施形態では、主としてペダルセンサ102から出力されるペダルセンサ信号に応じた電流を電動モータ19に供給して制動力を制御するコントローラ100で、推力機構105の粘性係数の推定値を算出し、電動モータ19へ供給する電流値をこの粘性係数に応じて調整する制御を行う。
次に、コントローラ100における電動キャリパ10の制御内容について図2のフローチャートに沿って説明する。本処理は一定制御周期毎に行われる。
まず、ステップSA1にてブレーキスイッチ103のオンオフ判定を行う。ブレーキスイッチ103がONであれば、ステップSA2以降のピストン推力を制御する処理へ、そうでなければステップSA4以降のピストン位置を制御する処理に移行する。ステップSA1においてブレーキスイッチ103がONであった時は、ステップSA2において目標ピストン推力を求める。目標ピストン推力は、ペダルセンサ102の信号の値に基づいて、予め設定した関数により算出する。
ステップSA3では、目標ピストン推力とフィードバック値である推力センサ46の値から、ピストン推力を制御するためのモータの電流値(制御量)を計算する。一例を図3を用いて説明する。図3はPID制御を適用したコントローラ100の制御ブロック図である。同図に示すように、目標ピストン推力と実ピストン推力との偏差から比例ゲイン(Kp)、偏差の微分値から微分ゲイン(Kd)を計算し、これらの和をモータ電流を制御するための目標モータ電流値を作成する。
ステップSA1においてブレーキスイッチ103がオフであった時は、ステップSA4では、パッド接触位置検出手段によって求められるパッド接触位置を目標モータ位置として設定する。パッド接触位置は、ピストン40がピストン推力の発生方向に移動した時にディスクロータ11とブレーキパッド14、15が接触を開始する時のモータ位置である。パッド接触位置検出手段は推力センサの信号に基づいてパッド接触位置の補正を行う。例えば、推力センサ46の信号がゼロ点電圧となったときのピストンの位置をパッド接触位置の補正を行う。例えば、推力センサ46の信号がゼロ点電圧となった時のピストン40の位置をバッド接触位置として検出できるほか、従来公報に記されている方法によってもパッド接触位置の検出が可能である。ステップSA6では目標電流値に従いモータ19を制御する。ステップSA7では後述のピストン推力センサ46の異常検出処理を行う。以上が一定制御周期で行うコントローラ100の制御内容である。
次に、ピストン推力センサ46の異常検出処理について図4に沿って説明する。同図に示したラインNは、ブレーキパッド14,15が新品の状態におけるモータ位置とピストン推力センサの関係を表しており、この関係は電動キャリパ機構部の弾性変形量およびブレーキパッド14,15の弾性変形量により決定される関係である。しかし、長期に渡るパッドの使用により摩耗や偏摩耗が生じた場合や、繰り返しの制動によりブレーキパッド14,15自体の温度が上昇した場合には、ブレーキパッド14,15が新品である通常の時の関係と比較して変動が生じる。例えば、ブレーキパッド14,15が摩耗した場合には、ブレーキパッド14,15の弾性変形量は小さくなるため、図4のラインAのような関係となる。また、ブレーキパッド10が偏摩耗した場合には、ブレーキパッド14,15の弾性変形量は大きくなるため、図4のラインBのような関係となる。
さらに、ブレーキパッド14,15自体の温度が上昇した時には、ブレーキパッド14,15の弾性変形量は大きくなるため、図4のラインCのような関係となる。ここで、これらブレーキパッド状態の変動の限界値は予め実験によって決められる。例えば、摩耗側の限界値についてはブレーキパッド14,15の図示しない摩擦材の厚さをゼロとした時の関係から求められる。また、偏摩耗、温度側の限界値についても偏摩耗温度、温度上層限度に対する関係から求めることができる。
さらに、電動キャリパ10は低温から高温までの環境温度で使用されるため、ピストン推力センサ46にはゼロ点電圧の温度ドリフトが発生する。従って、剛性カーブは、図5のラインD、Eに示すように温度ドリフトが発生していない通常の場合と比較して一定のオフセットを持つ関係となる。ここで、前記温度ドリフトの限界値は予め実験によって求められる。
以上、ブレーキパッド14,15の状態変化とピストン推力センサ46の温度ドリフトを考慮すると、モータ位置とピストン推力の取りうる関係は図で示される2本の破線で表された限界値以内にあることが定められる。上方の限界線はパッド14,15が摩耗限度に達しており、かつピストン推力センサ46のゼロ点電圧がプラスドリフト限界に達した状態にある時のモータ位置とピストン推力センサ46の関係を表しており(ラインA+ラインD)、下方の限界線はパッド14,15が偏摩耗限度かつ温度上昇温度に達した状態にある時のモータ位置とピストン推力位置にある時の関係を表している(ラインB+ラインC+ラインE)。ここで、モータ位置をxとして、図6のラインA+ラインDで表される上方限界線をft(X)、ラインB+ラインC+ラインEで表される下方限界線をfu(X)とする。ここで、関数ft(X)、fu(X)はXに関する多次元多項式で予め定めておくことができる。
ピストン推力センサ46の異常検出処理はピストン推力とモータ位置の関係が前記限界線の範囲内にあるか否かを判定する。この異常検出処理について図7を用いて説明する。
ステップSB1ではピストン推力センサ46の値を読み込みYに格納する。ステップSB2ではモータ位置を読み込みXに格納する。ステップSB3では前述した上方限界値ft(X)、下方限界値fu(X)を計算し、ステップSB1で読み込んだピストン推力Yとの比較を行う。ここで、ピストン推力センサ46の異常は発生していないと判断し処理を終了する。そうでなければ、ステップSB4へ移行し、ピストン推力センサ46が異常であると判断する。このようにすることで、環境温度の変化によりピストン推力センサ46の異常を速やかに把握することができ、ブレーキ装置の信頼性が向上する。
また、ピストン推力センサ46の異常を検知した場合には、センサ46で検出された推力を上方限界値ft(X)側または下方限界値fu(X)側に補正をすることで、適切な制動力を付与することができる。すなわち、センサ46で検出された推力が上方限界値ft(X)を上回っている場合には、その差分だけ制動力を減算補正する。また、センサ46で検出された推力が下方限界値fu(X)を下回っている場合には、その差分だけ制動力を加算補正する。上記のような対応をとることで、ピストン推力センサ46の異常を検知した場合であっても、適切な制動力を付与することができ、このような適切な対応をとることで車両の片流れの発生やブレーキパッドの引きずりなどの問題を防止することができる。
次に本発明の第2の実施の形態について図8〜図12を用いて説明する。本実施の形態においては、ブレーキパッド14,15の状態によって変動する弾性変形量を予め計算することで、さらに精度良くピストン推力センサ46の異常検知を行うことができる。図8は、図2に示した処理にステップSA8の剛性推定の処理を追加するとともに、ステップSA9の異常検出処理を後述のように変更している。なお、その他の点は図2に示した処理と同様であるので、同一の番号を付して適宜その説明を省略する。
ステップSA8の剛性推定定理について図9、図10を用いて説明する。ブレーキスイッチ103がオンとなり、ステップSA8の剛性推定処理に入ると、ステップSC1ではモータ位置が予め定めた既定値Xiと等しくなったかが判定される。検出されたモータ位置と既定値Xiとが等しければSC2にてピストン推力センサ46の値を読み込みYiに格納する。ステップSC3ではカウンタiをインクリメントする。ステップSC4ではカウンタiが既定回数に達していたらSC5にて剛性推定値を計算する。ステップSC5の時点でモータ位置Xiとピストン推力Yiの関係は図10で示される点のようになっており、剛性推定は図10の点を多項式近似することで求められる。多項式近似については最小二乗法などにより求められる。多項式近似したモータ位置とピストン推力の関係をf(X)と表す。
異常検出処理について図11及び図12に沿って説明する。この処理は、図11に示すように、ピストン推力センサ46の異常検出範囲を前述の上方限界線ft(X)、下方限界線fu(X)より狭くしてセンサ46の異常検知の精度を高めることを目的としている。
図11中、ft’(X)、fu’(X)は剛性推定によって求めたモータ位置とピストン推力の関係f(X)からブレーキパッド14,15自体の温度変化分を考慮した関係である。
ステップSD1ではピストン推力センサ46の値を読み込みYに格納する。ステップSD2ではモータ位置を読み込みXに格納する。ステップSD3では推力センサ46が正常であり、前述の剛性推定が正常に行われたならば、ステップSD4では前述した上方限界値ft’(X)、下方限界値fu’(X)を計算し、ステップSD1で読み込んだピストン推力Yとの比較を行う。ここで、ピストン推力Yが上方限界値ft’(X)以下、下方限界値fu’(X)以上であれば、ピストン推力センサ46の異常は発生していないと判断し処理を終了する。そうでなければ、ステップSD5へ移行し、ピストン推力センサ46が異常であると判断する。
このような処理を付加することにより、ブレーキパッドの剛性が変動している場合でも前記推力センサ46の異常の検出精度を高めることができる。従って、より適切な対応をとることが可能となり、信頼性が向上する。
本発明の第1の実施の形態におけるブレーキ装置を示す電動キャリパの断面図である。 コントローラの制御フローチャートである。 ピストン推力機構の一例を示す説明図である。 パッド状態によって変動するピストン推力とモータ位置の関係を示すグラフ図である。 ピストン推力センサのゼロ点ドリフトによって変動するピストン推力とモータ位置の関係を示すグラフ図である。 ピストン推力センサとモータ位置が取りうる限界線を示す説明図である。 ピストン推力センサの異常検知方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態におけるコントローラの制御フローチャートであって、図2に相当する図である。 剛性推定定理処理のフローチャートである。 モータ位置とピストン推力との関係を示すグラフ図である。 異常検出処理のフローチャートである。 モータ位置とピストン推力との関係と、モータ位置に対するピストン推力の上限および下限を示すグラフ図である。
符号の説明
10 電動キャリパ
14、15 ブレーキパッド
19 電動モータ(アクチュエータ)
20 位置検出器(位置検出手段)
40 ピストン(推力機構)
46 ピストン推力センサ(押圧力検出手段)
100 コントローラ(制御手段)

Claims (3)

  1. ディスクロータにブレーキパッドを押圧させる推力機構と、該推力機構を駆動するアクチュエータと、前記推力機構による押圧力を検出する押圧力検出手段と、前記推力機構の変位を検出する位置検出手段と、前記押圧力検出手段の押圧力信号と車両の制動指示信号とに応じて制動力を発生すべく前記アクチュエータを制御する制御手段とからなるブレーキ装置において、
    前記制御手段は、前記押圧力検出手段の押圧力信号と前記位置検出手段の変位信号との相対関係に基づいて前記押圧力検出手段の異常を検知する異常検知手段を有することを特徴とするブレーキ装置。
  2. 前記異常検出手段は、前記押圧力検出手段の温度によるゼロ点ドリフト量を加味した前記押圧力検出手段の押圧力信号と前記位置検出手段の変位信号との相対関係に基づく限界値が予め記憶され、該限界値により前記押圧力検出手段の異常を検知することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 前記異常検知手段には、前記ブレーキパッドの剛性変動を加味した前記押圧力検出手段の押圧力信号と前記位置検出手段の変位信号との相対関係に基づく限界値が予め記憶され、該限界値により前記押圧力検出手段の異常を検知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレーキ装置。
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