JP2005105426A - 熱退色性の改良された漂白クラフトパルプ - Google Patents

熱退色性の改良された漂白クラフトパルプ Download PDF

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Abstract

【課題】白色度82〜90%ハンターの元素状塩素及び次亜塩素酸を含まない無塩素漂白法で漂白したクラフトパルプの熱退色性を従来の塩素漂白パルプと同等以下にすること。
【解決手段】クラフト蒸解法でリグノセルロース物質を蒸解して得られたパルプ成分をアルカリ酸素脱リグニン及び洗浄精選を順次にし、酸性水溶液中での酸処理を行いまたは行わず、元素状塩素と次亜塩素酸が含まれていない無塩素漂白法でパルプを漂白し、且つ、この無塩素漂白法では、初段がオゾンまたは二酸化塩素、そして最終段は二酸化塩素または過酸化水素であり、漂白後の最終白色度は82〜90%ハンターの範囲で、残存鉄含有量が25ppm以下、残存銅含有量が1ppm以下、そして残存マンガン含有量を3ppm以下とすることで熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプが得られる。広葉樹チップ、針葉樹チップ又は非木材を使用するのが好適である。
【選択図】 なし

Description

本願発明は、リグノセルロース物質をバッチまたは連続蒸解釜にてクラフト法で蒸解して得られたパルプをアルカリ酸素脱リグニンと洗浄精選を行い、さらに一般的に公知とされている酸処理を処理することによりパルプ中の遷移金属イオンを除去したあとにオゾンまたは二酸化塩素の初段とする多段無塩素漂白シーケンスで漂白処理してなる熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプに関するものである。
現在、製紙用原料であるパルプは、主にクラフト蒸解法で生産しており、クラフトパルプはバッチまたは連続蒸解釜にて製造され、そのあと、漂白工程からの環境負荷のCOD(化学的酸素要求量)、BOD(生学的酸素要求量)を減少するためにアルカリ酸素脱リグニンを行い、未晒パルプのカッパー価をさらに下げて次いで漂白工程へ移行する。パルプの漂白方法としては主に3があり、従来の塩素漂白法、無塩素漂白法(Elementary Chlorine Free=ECF)及び完全無塩素漂白法(Totally Chlorine Free=TCF)である。塩素漂白法では、元素状塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、酸素、過酸化水素、苛性ソーダ等の薬品の組み合わせによりパルプを漂白処理するが、この塩素漂白法からなる有機塩素化合物負荷が環境に悪影響する恐れがあり、近年の環境保護の高まりにより塩素の使用が避けられ、さらに、次亜塩素酸塩の使用により発生されるクロロホルムが人体に悪影響を及ぼす懸念もあり、次亜塩素酸塩の使用を止める方向になっているため、塩素と次亜塩素酸塩を含まないECF及びTCF漂白が主力方法になり、その場合、一般的な使用薬品は、ECF漂白法で二酸化塩素、過酸化水素、オゾン、酸素、苛性ソーダ等、TCF漂白法でキレート剤、過酸化水素、オゾン、酸素、苛性ソーダ及び過酢酸であるが、ECFパルプはTCFパルプに比べ白色度が高く、コストも安価であるため、ECF漂白法が現在の主流となっている。
多段無塩素漂白法では、初段が一般的に二酸化塩素段(D0段と略)またはオゾン段(Z段と略)であり、紙パルプ産業の操業経験によると、これらの初段後の洗浄機の蓚酸カルシウムというスケールが多発しており、大変な問題となっている。パルプ中のヘキセンウロン酸(HexAと略)は二酸化塩素またはオゾンと反応し蓚酸を生成し、次いで蓚酸は液中のカルシウムと反応し、蓚酸カルシウムを作成する。蓚酸カルシウム問題を防止するために漂白工程に入るまえに酸処理条件下で酸性水溶液中でパルプを処理すること(A段と略)が現状の好ましい手段である。公知文献に記載されているA段条件はいくつかがあり、例えば、先ず、フィンランドのUPM―キメニ社ヴィサフォレスト工場では1996年7月からpH3.5、温度90℃、滞留時間最大7.5時間のA段(Sitala, M., Winberg, K., Alenius, M., Henricson, K., Lonnberg, B., 1998 International Pulp Bleaching Conference, Book 1, 279頁)、次に、ブラジルのクラビン社リオセル工場では1999年9月よりpH3.5、温度90℃、滞留時間100〜150分のA段(Ratnieks, E., Ventura, J. W., Mensch, M. R., Zanchin, R. A., Pulp Paper Can., 102(12):93(2001))、さらに、アールストローム社(現在、アンドリッツ社に社名変更)は、自社のAHLTM段(A段と同様)の条件(pH:3〜4、温度:90〜110℃、滞留時間:1〜3時間)を発表した(Henricson, K., Paperi ja Puu, 79(8):546(1997))。
無塩素漂白法では二酸化塩素、過酸化水素、オゾン等を使用するため、完成漂白パルプは塩素漂白ものに比べ物流・保管時等の退色性が激しく、その退色性は一般に光よりも熱によるものと考えられ、特開2002−266271、2003−96680により、二酸化塩素をベースしたECF漂白パルプの熱退色性(80℃)を改善するためには、JIS P8206による過マンガン酸カリウム価が1.5以下、PC価が10.0以下、そしてヘキセンウロン酸(HexAと略)が10mmol/kgBDパルプ以下になることが必要となる。
また、特開2003−105684では、アルカリ酸素脱リグニン後のクラフトパルプの無塩素漂白において、D0段の代替として酸性側(pH:1.5〜4.5)で実施するP段を使用し、且つ酸性P段後のパルプのHexAが15mmol/kgBDパルプ以下の条件を満すと、漂白クラフトパルプの熱退色性が改善されることを示した。
さらに、特願2003−334843では、最終白色度82〜90%ハンターの無塩素漂白クラフトパルプにおいて、熱風乾燥機の温度105℃と滞留時間12時間の条件下で熱退色を行った前後の国際CIEのL***色度システムのb*値の差異(Δb*)が2.20以下となり、従来塩素漂白パルプと同等以下で熱退色性が改良され、これらの無塩素漂白パルプに当たってカッパー価が2.20以下、カルボキシル基が22.0meq/100gBDパルプ以下になることを知見した。
特開2002−266271
特開2003−96680 特開2003−105684
以上の公知特開公報において、無塩素漂白クラフトパルプの熱退色への影響因子として残存リグニン(過マンガン酸カリウム価またはカッパー価で表れる)、HexA、カルボキシル酸等が記載され、その内、残存リグニン及びHexAが最も注目因子である。しかし、熱退色への影響因子は、現在でも複雑な課題で完全に解明できていなく、リグノセルロース物質のヘミセルロース、セルロースと抽出物も原因であろうと推定されているが、一方、パルプ繊維の微少成分である遷移金属イオンはあまりふれられていない。遷移金属イオンは微少の濃度下でも漂白過程の酸化還元反応を開始または維持し、晒パルプの熱退色の原因となる発色物質を生成する能力をもっている。
パルプ中の遷移金属イオンは、一般に漂白剤であるオゾン、酸素、過酸化水素を分解し、発生した水酸化ラジカルがパルプ品質を劣化させると言われている。多段漂白シーケンス中、すなわち、シーケンスの中間段または最終段の位置、のアルカリ過酸化水素段があった場合、パルプの遷移金属イオンの作用において二か鉄(Fe2+)とマンガン(Mn2+)は過酸化水素を分解するが、三か鉄(Fe3+)及び銅は過酸化水素分解速度よりも残存リグニン分解速度の方が高いという調査結果があった(Smith, P. K., McDonough, T. J., Svensk Papperstidn., 88(12): R106 (1985))。一方、遷移金属イオンは触媒作用によってオゾンの分解速度を増加し、漂白効率を低下させる。金属イオンはアルカリ性では繊維に吸着しているが酸性になると液中に溶出するのでオゾン段は「メタルトラップ」になり遷移金属イオンが蓄積されやすい(宮西孝則、「パルプの洗浄・精選・漂白」、紙パルプ技術協会2000年、頁248)。
パルプ繊維中の遷移金属イオンの位置は、ヘミセルロース及びリグニンの2ヶ所となっており、遷移金属イオンがヘミセルロースのウロン酸と結合し、また、リグニンとの複合体を生成する。ウロン酸は、HexA、4−O−メチルグルクロン酸、ガラクトウロン酸、グルクロン酸等が含まれており、HexA、4−O−メチルグルクロン酸はキシランの側鎖に、ガラクトウロン酸、グルクロン酸がガラクトグルコマンナンの側鎖に結びつき、遷移金属イオンはこれらのウロン酸のカルボキシル基に結合する(Vuorinen, T., Teleman, A.,Fagerstrom, P., Buchert, J., Tenkanen, M., 1996 International Pulp Bleaching Conference, Book 1, p. 43; Forsskahl, I., In “Forest Products Chemistry”, Eds., Stenius, P., Fapet Oy, Helsinki, Finland, 2000, p.303)。さらに、最近、遷移金属イオンである銅はリグニンと複合体化することが知見され、天然リグノセルロース物質にもこのような複合体が存在するのではないかと推定されている(Yoon, B-H., Wang, L-J., Kim, G-S., J. Pulp Paper Sci., 25 : 289(1999);Ghosh, A., Ni, Y., J. Pulp Paper Sci., 24(1): 26(1998))。
本願発明は、無塩素漂白クラフトパルプにおける上記のような課題を改善しようとしてなされたもので、次のような手段からなっている。
本願発明は、無塩素漂白クラフトパルプの熱退色性を改良するにあたり、クラフト蒸解法でリグノセルロース物質をバッチまたは連続蒸解釜にて蒸解して得られたパルプ成分をアルカリ酸素脱リグニンと、洗浄精選を順次にし、さらに酸性水溶液中で処理する(または処理しない)点までは従来の未晒クラフトパルプの製造法と同様である。無塩素漂白工程では、オゾン漂白の場合、酸処理のあと洗浄段なしで高濃度オゾン漂白段に移行し、オゾン処理後にもパルプを洗浄せず、低pHと短滞留時間の弱アルカリ抽出段に移行し(特願2003−308517)、あるいは二酸化塩素漂白の場合、酸処理のあとにパルプを洗浄し、初段の二酸化塩素処理を行い、次いで従来の高pHアルカリ抽出段に移行する。いずれの場合にも、後段の二酸化塩素、過酸化水素の処理により最終白色度82〜90%ハンターの完成漂白パルプを製造するとともに、熱風乾燥機の温度105℃と滞留時間12時間の条件下で熱退色を行った前後の国際CIEのL***色度システムのb*値の差異(Δb*)が2.20以下となり、従来の塩素漂白パルプ(Δb*=2.20)と同等以下で熱退色性が改良される。また、これらの無塩素漂白クラフトパルプにおいては、分子吸光光度法にて測定される鉄含有量が25ppm以下、銅含有量が1ppm以下、マンガン含有量が3ppm以下であることが推奨される。なお、これらの遷移金属イオンの含有量は対絶乾パルプの重量ppmである。
以下、本願発明をさらに詳しく説明する。
上記記載の特願2003−308517における酸処理(A段)条件下で、即ち、pH2.8〜3.2、温度85〜90℃、反応時間150〜180分、パルプ濃度8〜13%(好ましくは10〜12%)を用いて未晒パルプを酸処理すると、パルプ中の遷移金属イオン含有量が減少する。一方、オゾン漂白のための酸性pHを調整する(a段と略)目的で、パルプを温度30〜60℃(好ましくは50℃以下)、滞留時間は0〜30分(好ましくは5〜10分)、pH2〜3(硫酸にて)、パルプ濃度8〜13%(好ましくは10〜12%)、の条件下で処理を行うとパルプの遷移金属イオン含有量もともに低下する。本願発明の実施例では、A段においてpH3.1、温度90℃、反応時間150分、パルプ濃度10%の条件下で、a段はpH2.7、温度50℃、反応時間10分、パルプ濃度10%の条件下で未晒広葉樹パルプ(LUKPと略)を処理し、遷移金属イオン測定結果を表1に示した。A段はa段に比べ残存遷移金属イオンの銅、マンガンの除去率が明らかに上回っている。
Figure 2005105426
従って、多段無塩素漂白シーケンスの初段のオゾン段あるいは二酸化塩素段にもかかわらず、A段をさきに行うと完成漂白パルプの遷移金属イオン含有量は更に減少し、熱退色性が向上すると推奨される。
熱退色試験方法において、最近のASTM(American Society for Testing and Materials)の推奨方法によると、温度100℃、滞留時間5日間、または温度90℃、滞留時間14日間、及びグラス管で熱退色を行うと自然退色と同等の結果が得られるが(ASTM’s Paper Aging Research Program、2002、ASTM International、PA)、この方法が存在するまでは熱退色の標準試験方法がないため、本願発明では、熱風乾燥機の温度105℃、滞留時間12時間の条件下で熱退色試験を実施した。
紙及びパルプの退色前後の白色度差異(ΔR457)またはPC(Post color)価は退色性の一般的な公知指数であるが、紙において強度と白色度は重要な品質目であるとともに、色度も大事な品質因子で、さらに、晒パルプ及び紙は熱退色を行うと外見では黄色味が強く、漂白シーケンスの初段の薬品(例えば:二酸化塩素、オゾン、塩素等)と終段の薬品(例えば:二酸化塩素、過酸化水素等)の使用により、最終白色度が同等でありながら、完成漂白パルプのb*が異なる場合が存在するため、本願発明では、晒パルプの熱退色性の指数として熱退色前後のb*差異(Δb*)を使用し、b*は国際CIEのL***色度システムのものである。本願発明において、CIEのL***色度システムのb*値とハンターの色度b値との相関は以下の通りとなる。なお、CIEのL***色度及びハンターのLab色度は、Macbeth Color-eye 計にて測定した。
CIEシステムの色度b*値 = ハンターの色度b値×0.9429 + 0.0541
相関係数 R2 = 0.9997
この相関によるとハンター色度システムにて測定したb値は、CIEのL***色度システムから得られたb*値より少し高い結果であり、ハンター色度システムのb値を使用した場合では熱退色前後のΔbが2.30以下になると従来塩素漂白パルプと同等以下で熱退色性が改良されることが知見される。
本願発明においてリグノセルロース物質の種類、クラフトパルプの蒸解方法と条件、未晒パルプのカッパー価、無塩素漂白のシーケンス等に拘らず、完成漂白パルプの白色度82〜90%ハンターの範囲では、熱風乾燥機の105℃と12時間で熱退色を行った後のΔb* が2.20以下で従来の塩素漂白パルプと同等以下になり、熱退色性が改善され、かつ、これらの完成漂白パルプにあっては、残存鉄含有量が25ppm以下、残存銅含有量が1ppm以下、そして残存マンガン含有量が3ppm以下のことが推奨される。
本願発明では、電気炉において550℃でパルプを灰化し、5mg灰分を5ml濃塩酸(35〜36%)で溶解し、蒸留水で100mlに希釈し、この溶液をもって、原子吸光光度計であるSolaar M Series AA Spectrometer にて鉄、銅とマンガンを測定した。
本願発明の無塩素漂白方法として、初段はオゾン(Z段)または二酸化塩素(D0段)、最終段は二酸化塩素または過酸化水素を使用した場合、白色度82〜90%ハンターの完成漂白パルプは、従来の塩素漂白パルプ(Δb* 値=2.20)にくらべΔb* 値が同等以下であり、熱退色性が改善されたことが知見される。
本願発明で使用するリグノセルロース物質としては、木材物質(広葉樹,針葉樹等)のほか、非木材物質(たとえば、ケナフト、バガス、竹、藁等)も使用することができる。そして、蒸解法は従来のコンベンショナルまたは改良クラフト蒸解法があるが、蒸解液は白液(主成分:苛性ソーダと硫化ソーダ)またはオレンジ液(ポリサルファイド液)単独、または蒸解初段でオレンジ液、蒸解後段で白液の使用でも良い。
本願発明の明細書で記載されるアルカリ性の酸素脱リグニンと洗浄・精選の工程においては、設備及び操業方法は従来公知のものを使用することができる。アルカリ性の酸素脱リグニンは従来公知の一段方式または二段方式(たとえば、Dualox、OxyTracの二段方式等)でも良い。
本願発明に記載した熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプにおいては次のような効果がある。
(1) 本願発明の熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプにおいて、完成白色度82〜90%ハンターの範囲では熱風乾燥機の温度105℃と滞留時間12時間の条件下で熱退色を行った前後の色度b*値の差異(Δb*)が2.20以下となり、従来の塩素漂白パルプと同等以下であり、物流・倉庫保存等によるパルプの黄色化が起きず、パルプの再漂白は行わなくても良く、次の抄紙工程での紙品質を保護でき、コスト削減が図れる。
(2) また、完成無塩素漂白クラフトパルプの残存鉄含有量を25ppm以下、残存銅含有量が1ppm以下、残存マンガン含有量が3ppm以下とすることで熱退色性が改良され、長期の物流・倉庫保存等が可能になり、ランニング費用が低減でき、さらに、天然原材料であるリグノセルロース物質(例えば、広葉樹、針葉樹と非木材のチップ)の使用量を削減でき、地球環境を保護する効果がある。
本件出願人の先願にかかる特願2003−334843で記載した最終白色度82〜90%ハンターの無塩素漂白クラフトパルプにおいて、熱風乾燥機の温度105℃と滞留時間12時間の条件下で熱退色を行った前後の国際CIEのL***色度システムのb*値の差異(Δb*)が2.20以下になり、従来の塩素漂白パルプと同等以下で、熱退色性が改善され、これらの無塩素漂白パルプにあっては、カッパー価が2.20以下、カルボキシル基が22.0meq/100gBDパルプ以下とすることを推奨したが、本願発明では、これらのパルプの残存遷移金属イオンの熱退色性への影響が知見されたので、以下にいくつかの実施例及び比較例を示す。なお、これらの実施例と比較例の中のE段にはEo段、Ep段及びEop段(酸素単独、過酸化水素単独または酸素と過酸化水素の共同使用を含む中性またアルカリ性抽出段)が含まれている。
下記の各漂白シーケンスにおける薬品添加率は、対絶乾パルプ当たりの重量%であり、各段間の横棒(−)は洗浄段を示す。高濃度Z段以外、他の漂白段は、ポリエチレン袋にて行った。
(実施例1〜3,7)
(AZE)−D1−D2、(AZE)−D−P、(AZE)−P−D、A−D0−E−D1−D2のシーケンスについての漂白温度、パルプ濃度、反応時間、薬品添加率等の詳細は、次の通りである。
(実施例1)
(AZE)−D1−D2シーケンスによる漂白
(1) 使用パルプ:アルカリ性酸素脱リグニンと洗浄を行った実生産ラインのカッパー価11.7の混合ユーカリ広葉樹クラフトパルプ(LUKPと略)をサンプリングし、使用しながら5℃の場所で保管した。
(2) A段(酸処理段):パルプ濃度10.5%のLUKPを作成し、次いで4N硫酸溶液にてパルプスラリーのpHを約3.1にし、最終パルプ濃度10.0%を調整した。(硫酸添加率:1.10%、pH:3.10)このパルプは、90℃の恒温槽において時間150分で処理した後、洗浄せずに遠心分離機にてパルプ濃度38.7%までに脱水した。(カッパー価:8.0)
(3) Z段(高濃度オゾン処理段):A段後の濃度38.7%のパルプは、60gBD/バッチで2リットル容量の茄形フラスコに入れ、ラボ用エバポレーターに取付けた後、濃度約10%のオゾンガスをフラスコに注入し、オゾンとパルプを反応させた(オゾン添加率:0.46%)。なお、高濃度オゾン処理は、50℃の恒温槽にて行った。オゾン漂白したパルプは洗浄せずに集めて混ぜた。
(4) E段(弱アルカリ性抽出段):Z段後の濃度38.7%のパルプに苛性ソーダを0.9%添加し、パルプ濃度14%、70℃で30分保持した。抽出したパルプは、水道水(2リットル/200g絶乾パルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水濃縮した。
(5) D1段(二酸化塩素漂白段):E段後のパルプに二酸化塩素を0.2%添加し、パルプ濃度14%、75℃で117分間二酸化塩素処理を行った。反応後のパルプろ液pHは5.5であった。得られたパルプは、水道水(2リットル/200g絶乾パルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水した。
(6) D2段(二酸化塩素漂白段):D2段のパルプ濃度、処理温度、反応時間、反応後のろ液pH、パルプの洗浄方法は全てD1段と同様であるが、二酸化塩素の添加率のみは低く0.1%とした。以上により、(AZE)−D1−D2シーケンスによる完成パルプを得た。
(実施例2)
(AZE)−D−Pシーケンスによる漂白
(1) (AZE)段:上記に記載された(AZE)−D1−D2シーケンスの(AZE)段のパルプを使用した。
(2) D段(二酸化塩素漂白段):上記の(AZE)−D1−D2シーケンスのD1段後のパルプを用いた。
(3) P段(過酸化水素漂白段):D段後のパルプに過酸化水素を0.15%添加し、パルプ濃度14%、70℃で120分間過酸化水素処理を行った後、水道水(2リットル/200g絶乾パルプ)でパルプを洗浄脱水し、完成漂白パルプを得た。なお、P段後のパルプろ液pHは9.5であった。
(実施例3)
(AZE)−P−Dシーケンスによる漂白
(1) (AZE)段:上記に記載された(AZE)−D1−D2シーケンスの(AZE)段のパルプを使用した。
(2) P段:上記の(AZE)−D−PシーケンスのP段の条件で実施し、過酸化水素添加率は、0.55%であった。
(3) D段:この漂白段の条件は、上記の(AZE)−D1−D2シーケンスのD2段と同様であるが、二酸化塩素添加率は0.18%で、得られたパルプは水道水にて洗浄脱水を行い、完成漂白パルプとした。
(実施例7)
A−D0−E−D1−D2シーケンスによる漂白
(1) A段:上記に記載した(AZE)−D1−D2シーケンスのA段後のパルプを取り、水道水で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水した。
(2) D0段:A段後のパルプに二酸化塩素を0.366%添加し、パルプ濃度4%、4N希硫酸にてpHを3.5に調整し、温度58℃、時間25分の処理を行った後、水道水(2リットル/200g絶乾パルプ)でパルプを洗浄脱水した。
(3) E段(アルカリ抽出段):D0段後のパルプに苛性ソーダを0.72%添加し、パルプ濃度14%、70℃で66分保持した。抽出したパルプは水道水で洗浄し、パルプ濃度18%までに濃縮した。
(4) D1段及びD2段(二酸化塩素漂白段):E段後のパルプは、上記に記載した(AZE)−D1−D2シーケンスのD1段及びD2段の条件と同様に実施したが、それぞれの二酸化塩素添加率は0.06%(D1段)と0.15%(D2段)であった。得られたパルプは水道水にて洗浄脱水を行い、完成漂白パルプとした。
(実施例4〜6)
(aZE)−D1−D2、(aZE)−D−P、(aZE)−P−Dのシーケンスの漂白温度、パルプ濃度、反応時間は上記記載実施例1〜3と同様で、さらに、a処理段は上記段落[0014]に記載した。実施例1〜6の薬品添加率を表2に示す。
Figure 2005105426
(実施例8)
A−D0−E−D1−Pシーケンスによる漂白
(1) A段(酸処理段):パルプ濃度10.5%のLUKPを作成し、次いで4N硫酸溶液でパルプスラリーのpHを約3.1にし、最終パルプ濃度10.0%に調整した(硫酸添加率:1.10%、pH:3.2)。このパルプは、90℃の恒温槽にて反応時間150分で処理した後、水道水で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水した。(カッパー価:8.1;もとのパルプのカッパー価:11.3)。
(2) D0段:A段後のパルプに二酸化塩素を0.335%添加し、パルプ濃度4.5%、4N希硫酸にてpHを3.5に調整し、温度58℃、時間25分の処理を行った後、水道水(2リットル/200g絶乾パルプ)でパルプを洗浄脱水した。
(3) E段:D0段後の濃度18%のパルプに苛性ソーダを0.741%添加し、パルプ濃度14%、70℃で65分保持した。抽出したパルプは、水道水(2リットル/200g絶乾パルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水濃縮した。
(4) D1段:E段後のパルプに二酸化塩素を0.07%添加し、パルプ濃度14%、75℃で65分間二酸化塩素処理を行った。反応後のパルプろ液pHは5.5であった。得られたパルプは、水道水(2リットル/200g絶乾パルプ)で洗浄し、パルプ濃度18%に脱水した。
(5) P段:D1段後のパルプに過酸化水素を0.25%添加し、パルプ濃度14%、初期pH10.6になるように苛性ソーダで調整した後75℃の恒温槽にて60分間過酸化水素処理を行った。反応後のろ液pHは9.3であり、処理後のパルプは水道水で洗浄を行い、濃縮した。以上により、A−D0−E−D1−Pシーケンスによる完成パルプを得た。
(比較例1)
C−E−H−Dシーケンスによる従来塩素漂白
C段、E段、D段の処理温度、反応時間及びパルプ濃度は、上記実施例8のA−D0−E−D1−PシーケンスのD0段(C段と相当)、E段、D1段(D段と相当)と同等であるが、薬品添加率は次の通りになる。C段での塩素:1.13%;E段での苛性ソーダ:0.865%;D段での二酸化塩素:0.35%。H段については、処理温度:75℃;反応時間:35分;パルプ濃度:14%;ハイポ添加率:0.25%の条件下でハイポ処理を行った。各処理段後のパルプは水道水で洗浄した。
(比較例2)
a−D0−E−D1−D2シーケンスによる漂白
a処理段は上記段落[0014]に記載した。D0段、E段、D1段、D2段のパルプ濃度、反応温度、反応時間は、上記記載実施例7のA−D0−E−D1−D2シーケンスの相当段の条件と同様で薬品添加率は次の通りになる。D0段での二酸化塩素:0.961%;E段での苛性ソーダ:1.52%:D1段での二酸化塩素:0.06%;D2段での二酸化塩素:0.15%。各処理段後のパルプは水道水で洗浄濃縮した。
(比較例3)
A−D0−E−P−D1シーケンスによる漂白
A処理段は上記段落「0014」に記載した。他のD0段、E段、P段、D1段のパルプ濃度、反応温度、反応時間は、上記実施例8のA−D0−E−D1−Pシーケンスの相当段の条件と同様で薬品添加率は次の通りになる。D0段での二酸化塩素:0.335%;E段での苛性ソーダ:0.741%:P段での過酸化水素:0.45%;D1段での二酸化塩素:0.238%。なお、P段の初期pHと最終pHは、各々10.8と10.4であった。各処理段後のパルプは水道水で洗浄濃縮した。
<パルプ品質の測定方法>
各完成パルプは、「JIS P8222」及び「JIS P8223」記載の方法にて手抄シートを作成した後、白色度測定と熱退色試験に供した。
白色度 :「JIS P8123」記載の方法を基にハンター白色度計にてハンター白色度を求めた。
熱退色試験 :白色度測定用手抄シートは、市販熱風乾燥機の中に縦方向で立って温度105℃と処理時間12時間の条件下で熱退色試験を行った。
Figure 2005105426
本願発明では最終白色度の82〜90%ハンターの無塩素漂白クラフトパルプにおいて実施例1〜8は比較例1の従来の塩素漂白パルプに比べ、熱風乾燥機の温度105℃と滞留時間12時間の条件下で熱退色を行った前後のΔb*が同等以下の結果であり、これらの無塩素漂白パルプの熱退色性が改良される結果が得られた。また、残存鉄含有量が25ppm以下、残存銅含有量が1ppm以下、そして残存マンガン含有量が3ppm以下であることが知見された。

Claims (4)

  1. クラフト蒸解法でリグノセルロース物質を蒸解して得られたパルプ成分をアルカリ酸素脱リグニンと洗浄精選を順次にし、さらに酸性水溶液中で未晒パルプを処理する酸処理段を行いまたは行わず、元素状塩素及び次亜塩素酸を含まない無塩素漂白法にて漂白処理してなる漂白パルプであって、該漂白パルプの最終ハンター白色度が82〜90%であり、且つ、熱風乾燥機の温度105℃及び滞留時間12時間の条件下で熱退色を行った前後の国際CIEシステムの色度b*値の差異(Δb*)が2.20以下であるとともに、残存鉄含有量が25ppm以下であることを特徴とする熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプ。
  2. 前記漂白パルプの残存銅含有量が1ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプ。
  3. 前記漂白パルプの残存マンガン含有量が3ppm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプ。
  4. リグノセルロース物質が広葉樹チップ、針葉樹チップ又は非木材からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱退色性が改良された無塩素漂白クラフトパルプ。
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JP2018159079A (ja) * 2008-12-19 2018-10-11 キシレコ インコーポレイテッド バイオマスの加工方法
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