JP2005105075A - 非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐衝撃性、透明性、耐候性を全て満足する非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体を提供する。
【解決手段】 本発明の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、(A)非晶質ポリエステル系樹脂99〜70質量%と、(B)アルキル(メタ)アクリレート単量体単位30〜100質量%、芳香族ビニル単量体単位または芳香族(メタ)アクリレート単量体単位70〜0質量%、これらと共重合可能なビニル単量体単位10〜0質量%、架橋性単量体単位5〜0質量%からなるアルキル(メタ)アクリレート系共重合体25〜65質量部に、一種または二種以上のビニル系単量体単位75〜35質量部が重合し、質量平均粒子径が0.10μm以下、粒子径が0.15μm以上の粒子の割合が10質量%以下であるグラフト共重合体1〜30質量%とを含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、(A)非晶質ポリエステル系樹脂99〜70質量%と、(B)アルキル(メタ)アクリレート単量体単位30〜100質量%、芳香族ビニル単量体単位または芳香族(メタ)アクリレート単量体単位70〜0質量%、これらと共重合可能なビニル単量体単位10〜0質量%、架橋性単量体単位5〜0質量%からなるアルキル(メタ)アクリレート系共重合体25〜65質量部に、一種または二種以上のビニル系単量体単位75〜35質量部が重合し、質量平均粒子径が0.10μm以下、粒子径が0.15μm以上の粒子の割合が10質量%以下であるグラフト共重合体1〜30質量%とを含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、包装材料などに使用される非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体に関する。
非晶質ポリエステル系樹脂は透明性、機械的特性、ガスバリヤー性に優れていることから、ボトル、シート等包装材料を中心に幅広く用いられている。近年、包装材料においては、容器が大型化し、その形状が複雑化しているため、より高い耐衝撃性、加工性が求められている。
従来、非晶質ポリエステル系樹脂の耐衝撃性を改良する手段としては、ゴム状重合体及びゴム含有重合体を非晶質ポリエステル系樹脂に添加する方法が提案されている。特に、ゴム状重合体粒子をガラス状重合体で取り囲んだ構造であるコアシェル型グラフト重合体を非晶質ポリエステル系樹脂に添加すると、耐衝撃性の向上に効果を示すことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−155914号公報
従来、非晶質ポリエステル系樹脂の耐衝撃性を改良する手段としては、ゴム状重合体及びゴム含有重合体を非晶質ポリエステル系樹脂に添加する方法が提案されている。特に、ゴム状重合体粒子をガラス状重合体で取り囲んだ構造であるコアシェル型グラフト重合体を非晶質ポリエステル系樹脂に添加すると、耐衝撃性の向上に効果を示すことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のようなゴム状重合体及びゴム含有重合体を添加する方法は、耐衝撃性の改良には効果が見られものの、透明性あるいは耐候性が損なわれた。したがって、最終的に得られる非晶質ポリエステル系樹脂組成物の耐衝撃性、透明性、耐候性を全て満足させることが困難であった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、耐衝撃性、透明性、耐候性を全て満足する非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体を提供することを目的とする。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、耐衝撃性、透明性、耐候性を全て満足する非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体を提供することを目的とする。
本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、非晶質ポリエステル系樹脂に特定のグラフト共重合体を添加することにより、上記目的を解決できることを見出し、以下の非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体を発明した。
すなわち、本発明の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、(A)非晶質ポリエステル系樹脂99〜70質量%と、
(B)アルキル(メタ)アクリレート単量体単位30〜100質量%、芳香族ビニル単量体単位または芳香族(メタ)アクリレート単量体単位70〜0質量%、これらと共重合可能なビニル単量体単位10〜0質量%、架橋性単量体単位5〜0質量%からなるアルキル(メタ)アクリレート系共重合体25〜65質量部に、一種または二種以上のビニル系単量体単位75〜35質量部が重合し、質量平均粒子径が0.10μm以下、粒子径が0.15μm以上の粒子の割合が10質量%以下であるグラフト共重合体1〜30質量%とを含有することを特徴とする。
本発明の成形体は、上述した非晶質ポリエステル系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。
すなわち、本発明の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、(A)非晶質ポリエステル系樹脂99〜70質量%と、
(B)アルキル(メタ)アクリレート単量体単位30〜100質量%、芳香族ビニル単量体単位または芳香族(メタ)アクリレート単量体単位70〜0質量%、これらと共重合可能なビニル単量体単位10〜0質量%、架橋性単量体単位5〜0質量%からなるアルキル(メタ)アクリレート系共重合体25〜65質量部に、一種または二種以上のビニル系単量体単位75〜35質量部が重合し、質量平均粒子径が0.10μm以下、粒子径が0.15μm以上の粒子の割合が10質量%以下であるグラフト共重合体1〜30質量%とを含有することを特徴とする。
本発明の成形体は、上述した非晶質ポリエステル系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。
本発明の非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体は、耐衝撃性、透明性、耐候性を全て満足するものである。
本発明の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、(A)非晶質ポリエステル系樹脂と(B)グラフト共重合体とを含有するものである。
(A)非晶質ポリエステル系樹脂としては、実質的に結晶性が認められないか、または低く、透明性が良好なものである。このような非晶質ポリエステル系樹脂としては、例えば、50%モル以上がエチレングリコールであるジオールと、50%モル以上がテレフタル酸またはそのアルキルエステルであるジカルボン酸類とを縮重合して得られるホモポリマー、コポリマーまたはこれらの混合物が挙げることができる。さらには、コポリマーとしては、例えば、全カルボン酸類の50モル%以下の範囲で他のジカルボン酸、例えば、イソフタル酸あるいはハロゲン化テレフタル酸を共重合したものや、全ジオールの50モル%以下の範囲でポリアルキレングリコール(例えばジエチレングリコール)を共重合したもの、または、C3〜C12のアルキレングリコール(例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール)を共重合したものが挙げられる。
(A)非晶質ポリエステル系樹脂としては、実質的に結晶性が認められないか、または低く、透明性が良好なものである。このような非晶質ポリエステル系樹脂としては、例えば、50%モル以上がエチレングリコールであるジオールと、50%モル以上がテレフタル酸またはそのアルキルエステルであるジカルボン酸類とを縮重合して得られるホモポリマー、コポリマーまたはこれらの混合物が挙げることができる。さらには、コポリマーとしては、例えば、全カルボン酸類の50モル%以下の範囲で他のジカルボン酸、例えば、イソフタル酸あるいはハロゲン化テレフタル酸を共重合したものや、全ジオールの50モル%以下の範囲でポリアルキレングリコール(例えばジエチレングリコール)を共重合したもの、または、C3〜C12のアルキレングリコール(例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール)を共重合したものが挙げられる。
(A)非晶質ポリエステル系樹脂の具体例としては、イーストマンケミカル社製の商品名「PETG 6763」(テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、30モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび70モル%のエチレングリコールからなるジオール成分とを共重合したコポリエステル)、商品名「Provista」(テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、30モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび70モル%のエチレングリコールからなるジオール成分と、極めて少量の第3成分とを共重合した溶融粘度が高いコポリエステル)が市販されている。
(B)グラフト共重合体は、アルキル(メタ)アクリレート単量体単位を必ず含み、任意成分として、芳香族ビニル単量体単位または芳香族(メタ)アクリレート単量体単位、これらと共重合可能なビニル単量体単位(以下、その他のビニル系単量体単位という)、架橋性単量体単位を含むアルキル(メタ)アクリレート系共重合体25〜65質量部に、一種または二種以上のビニル系単量体単位75〜35質量部が重合したものである。
(B)グラフト共重合体を構成するアルキル(メタ)アクリレート系共重合体に含まれるアルキル(メタ)アクリレート単量体単位としては特に制限はないが、アルキル基の炭素数が1以上18以下の(メタ)アクリル酸アルキルが挙げられる。
アルキル基の炭素数が1以上18以下のメタアクリル酸アルキルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等を例示することができ、中でも、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルが好ましい。
アルキル基の炭素数が1以上18以下のアクリル酸アルキルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等を例示することができ、中でも、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸エチルが好ましい。
アルキル基の炭素数が1以上18以下のメタアクリル酸アルキルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等を例示することができ、中でも、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルが好ましい。
アルキル基の炭素数が1以上18以下のアクリル酸アルキルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等を例示することができ、中でも、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸エチルが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレート系共重合体中のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位含有量は30〜100質量%である。アルキル(メタ)アクリレート単量体単位含有量がこのような範囲であることで、耐衝撃性と耐候性に優れる。
また、アルキル(メタ)アクリレート系共重合体に用いられる芳香族ビニル単量体単位とは、同一分子内に一個のビニル性二重結合と一個以上のベンゼン核を有する化合物であり、具体的には、スチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、4−プロポキシスチレン、4−ブトキシスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、4−ブロモスチレン、2,5−ジクロロスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
また、芳香族(メタ)アクリレート単量体単位とは、(メタ)アクリル酸とアルコール性水酸基を有する芳香族化合物とのエステルのことであり、例えば、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。これらを用いれば、アルキル(メタ)アクリレート系共重合体の屈折率を高くでき、非晶質ポリエステル系樹脂の屈折率に近づけることができるので、最終的に得られる非晶質ポリエステル系樹脂組成物の透明性をより高くできる。
アルキル(メタ)アクリレート系共重合体中の芳香族ビニル単量体単位または芳香族(メタ)アクリレート単量体単位含有量は70〜0質量%である。芳香族ビニル単量体単位または芳香族(メタ)アクリレート単量体単位含有量が70質量%を超えると、耐衝撃性が低くなる傾向にある。
また、その他のビニル単量体単位としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、ビニリデンシアナート、1,2−ジシアノエチレン等のシアン化ビニル化合物、マレイミド系化合物、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシル基またはアルコキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。ヒドロキシル基またはアルコキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート等のヒドロキシメタアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等のアルコキシアクリレート、メトキシエチルメタアクリレート、エトキシエチルメタアクリレート等のアルコキシメタアクリレート等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
アルキル(メタ)アクリレート系共重合体中のその他のビニル単量体単位含有量は10〜0質量%である。その他のビニル単量体単位含有量が10質量%を超えると、耐衝撃性が低くなる傾向にある。
架橋性単量体単位としては、例えば、ジビニルベンゼンモノエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート系共重合体中の架橋性単位含有量は5〜0質量%である。架橋性単量体単位含有量が5質量%を超えると耐衝撃性が低くなる傾向にある。
アルキル(メタ)アクリレート系共重合体中の架橋性単位含有量は5〜0質量%である。架橋性単量体単位含有量が5質量%を超えると耐衝撃性が低くなる傾向にある。
上記アルキル(メタ)アクリレート系共重合体に重合した一種または二種以上のビニル系単量体単位としては特に制限はないが、アルキル(メタ)アクリレート単量体単位、芳香族ビニル単量体単位、芳香族(メタ)アクリレート単量体単位、その他共重合可能な単量体単位などが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート単量体とは、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル化合物のことであり、アルキル(メタ)アクリレート系共重合体に用いられるアルキル(メタ)アクリレートと同じものである。また、芳香族ビニル単量体、その他共重合可能な単量体についても、アルキル(メタ)アクリレート系共重合体に用いられるものと同じものである。
アルキル(メタ)アクリレート単量体とは、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル化合物のことであり、アルキル(メタ)アクリレート系共重合体に用いられるアルキル(メタ)アクリレートと同じものである。また、芳香族ビニル単量体、その他共重合可能な単量体についても、アルキル(メタ)アクリレート系共重合体に用いられるものと同じものである。
(B)グラフト共重合体(B)においては、アルキル(メタ)アクリレート系共重合体25〜65質量部に、ビニル系単量体単位が75〜35質量部重合している。このような比率であることで、耐衝撃性と透明性に優れる。
(B)グラフト共重合体の質量平均粒子径は0.10μm以下、粒子径が0.15μm以上の粒子の割合が10質量%以下である。グラフト共重合体の質量平均粒子径が0.10μm超えたり、粒子径が0.15μm以上の粒子が10質量%より多く含まれると透明性が損なわれる。
また、(B)グラフト共重合体の質量平均粒子径が0.08μm以下であると、更に透明性が向上するので、より好ましい。
また、(B)グラフト共重合体の質量平均粒子径が0.08μm以下であると、更に透明性が向上するので、より好ましい。
(B)グラフト共重合体は、乳化重合、懸濁重合、溶液重合等で得ることができるが、中でも乳化重合が好ましい。乳化重合については公知の乳化方法、重合順序を採用できる。また、重合の際の単量体混合物の仕込み方法などに特に制限はなく、連続1段追加、2段追加などの方法を採用できる。
この非晶質ポリエステル系樹脂組成物においては、(A)非晶質ポリエステル系樹脂99〜70質量%と、(B)グラフト共重合体1〜30質量%とを含む。このような比率で(A)成分と(B)成分とを含むことで、耐衝撃性、透明性、耐候性を全て満足するものになる。
非晶質ポリエステル系樹脂組成物においては、特に加工性を改良する目的で、第三成分として(C)アクリル系高分子滑剤を添加することができる。(C)アクリル系高分子滑剤としては、1L/g以下の還元粘度(100mLのクロロホルム中に0.1gのアクリル系高分子滑剤(C)を溶解し25℃で測定)を有し、アルキル基の炭素数が1以上18以下のメタクリル酸アルキルと、アルキル基の炭素数が1以上18以下のアクリル酸アルキルと、これらの(メタ)アクリル酸アルキルの少なくともいずれかと共重合可能なビニル系単量体とを含む単量体混合物を乳化重合することにより得られるものが好ましい。
(C)アクリル系高分子滑剤の、(A)非晶質ポリエステル系樹脂に対する添加量としては特に制限されないが、(A)非晶質ポリエステル系樹脂100質量部に対し、好ましくは(C)アクリル系高分子滑剤が0〜10質量部、より好ましくは0〜1質量部である。10質量部を超えると、非晶質ポリエステル系樹脂の本来持っている特性が失われる恐れがある。
また、非晶質ポリエステル系樹脂組成物には、通常の添加剤として使用される抗酸化剤、熱安定剤、耐光性向上剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、離型剤、帯電防止剤、摺動性向上剤、着色剤などを添加しても差し支えない。
非晶質ポリエステル系樹脂組成物を製造する方法としては、成分(A)及び成分(B)を各々予め単独に製造した後に、成分(A)及び成分(B)とその他の任意成分とを通常のブレンド方法であるヘンシェルミキサー、タンブラーなどを使用して混合し、次いで、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーなどの装置を用いて賦形して非晶質ポリエステル系樹脂組成物を得る方法などが挙げられる。
本発明の成形体は、上述した非晶質ポリエステル系樹脂組成物を成形したものである。その成形方法としては特に制限はなく、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形などが挙げられる。
このような成形体は、耐衝撃性、透明性、耐候性に優れるため、包装材料として特に好適に使用できる。
このような成形体は、耐衝撃性、透明性、耐候性に優れるため、包装材料として特に好適に使用できる。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、これらはいずれも例示的なものであり、本発明の内容を限定するものではない。なお、実施例、比較例において、「部」及び「%」は特に断らない限り、それぞれ「質量部」、「質量%」を表す。
[製造例1:グラフト共重合体(G−1)の製造]
純水200部、ラウリル硫酸ナトリウム1.5部、硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.005部、フォルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2部、ブチルアクリレート80部、スチレン20部、ジビニルベンゼン0.8部、アリルメタクリレート0.8部及びジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部を攪拌機つき重合容器に仕込み50℃で2時間重合させ、重合転化率99%で平均粒子径0.06μmのゴムラテックス(a)を得た。このゴムラテックス(a)においては、0.15μm以上の粒子の割合は0%であった。
純水200部、ラウリル硫酸ナトリウム1.5部、硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.005部、フォルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2部、ブチルアクリレート80部、スチレン20部、ジビニルベンゼン0.8部、アリルメタクリレート0.8部及びジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部を攪拌機つき重合容器に仕込み50℃で2時間重合させ、重合転化率99%で平均粒子径0.06μmのゴムラテックス(a)を得た。このゴムラテックス(a)においては、0.15μm以上の粒子の割合は0%であった。
上記ゴムラテックス(a)165部(固形分55部)、純水200部、硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.004部、フォルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.1部を混合した。次いで、この混合物を70℃に加熱し、メチルメタアクリレート40部、スチレン5部およびクメンハイドロパーオキサイド0.2部の混合液を連続添加し、グラフト共重合体(G−1)ラテックスを得た。得られたグラフト共重合体(G−1)ラテックスの平均粒子径は0.07μmであり、0.15μm以上の粒子の割合は0%であった。
そして、このグラフト共重合体(G−1)ラテックスを酢酸カルシウムで凝固させ、熱処理、洗浄、脱水、乾燥して粉末状のグラフト共重合体(G−1)を得た。
そして、このグラフト共重合体(G−1)ラテックスを酢酸カルシウムで凝固させ、熱処理、洗浄、脱水、乾燥して粉末状のグラフト共重合体(G−1)を得た。
(平均粒子径、粒子径分布)
なお、ラテックス中のゴム粒子またはグラフト共重合体の質量平均粒子径は以下のように測定した。得られたラテックスを蒸留水で希釈し、濃度約3%の希釈ラテックス0.1mlを試料とし、米国MATEC社製CHDF2000型粒度分布計を用い、流速1.4ml/分、圧力約2.76MPa(約4000psi)、温度35℃の条件下で測定した。この測定では、粒子分離用キャピラリー式カートリッジおよびキャリア液を用い、液性をほぼ中性にした。なお、測定前には、米国DUKE社製の粒子径既知の単分散ポリスチレンを標準粒子径物質とし、0.02μmから0.8μmの合計12点の粒子径を測定して、検量線を作成した。
なお、ラテックス中のゴム粒子またはグラフト共重合体の質量平均粒子径は以下のように測定した。得られたラテックスを蒸留水で希釈し、濃度約3%の希釈ラテックス0.1mlを試料とし、米国MATEC社製CHDF2000型粒度分布計を用い、流速1.4ml/分、圧力約2.76MPa(約4000psi)、温度35℃の条件下で測定した。この測定では、粒子分離用キャピラリー式カートリッジおよびキャリア液を用い、液性をほぼ中性にした。なお、測定前には、米国DUKE社製の粒子径既知の単分散ポリスチレンを標準粒子径物質とし、0.02μmから0.8μmの合計12点の粒子径を測定して、検量線を作成した。
[製造例2:グラフト共重合体(G−2)の製造]
ゴムラテックス製造の際に使用するラウリル硫酸ナトリウムの量を0.2部に変更した以外は製造例1と同様にしてグラフト共重合体(G−2)を得た。グラフト共重合体(G−2)ラテックスの平均粒子径は0.21μmであり、0.15μm以上の粒子の割合は78%であった。
ゴムラテックス製造の際に使用するラウリル硫酸ナトリウムの量を0.2部に変更した以外は製造例1と同様にしてグラフト共重合体(G−2)を得た。グラフト共重合体(G−2)ラテックスの平均粒子径は0.21μmであり、0.15μm以上の粒子の割合は78%であった。
[製造例3:グラフト共重合体(G−3)の製造]
耐圧オートクレーブ中に、脱イオン水150部、1,3−ブタジエン85部、スチレン15部、ジビニルベンゼン1.8部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド0.4部、ピロリン酸ナトリウム1.0部、硫酸第一鉄0.02部、デキストローズ1.0部、及びオレイン酸カリウム3.0部を仕込み、撹拌しつつ、50℃で15時間反応させて、ブタジエン系ゴムラテックス(b)を製造した。
耐圧オートクレーブ中に、脱イオン水150部、1,3−ブタジエン85部、スチレン15部、ジビニルベンゼン1.8部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド0.4部、ピロリン酸ナトリウム1.0部、硫酸第一鉄0.02部、デキストローズ1.0部、及びオレイン酸カリウム3.0部を仕込み、撹拌しつつ、50℃で15時間反応させて、ブタジエン系ゴムラテックス(b)を製造した。
上記ブタジエン系ゴムラテックス(b)55部(固形分として)をフラスコに仕込み、窒素置換した。次いで、炭酸水素ナトリウム1.2部を10%の水溶液として添加し、30分間撹拌し、さらに、オレイン酸カリウム1部を7%水溶液として添加して、ゴムラテックスを安定化させた。その後、ロンガリット0.6部を添加し、液温を70℃に保持しながら、メチルメタアクリレート40部、スチレン5部の混合物合計45部をブタジエン系ゴムラテックス(b)にグラフト重合させてグラフト共重合体(G−3)ラテックスを得た。グラフト共重合体(G−3)ラテックスの平均粒子径は0.09μmであり、0.15μm以上の粒子の割合は78%であった。
そして、このグラフト共重合体(G−3)ラテックスを酢酸カルシウムで凝固させ、熱処理、洗浄、脱水、乾燥して粉末状のグラフト共重合体(G−3)を得た。
そして、このグラフト共重合体(G−3)ラテックスを酢酸カルシウムで凝固させ、熱処理、洗浄、脱水、乾燥して粉末状のグラフト共重合体(G−3)を得た。
[実施例1,2、比較例1〜3]
表1に示すように配合して非晶質ポリエステル系樹脂組成物を得て、これを以下のように評価した。評価結果を表1に示す。なお、非晶質ポリエステル系樹脂は、イーストマンコダック社製イースター6763である。また、滑剤であるG431Lは、クラリアントジャパン社製モンタン酸ワックスである。また、表中のC−1はアクリル系高分子滑剤であり、三菱レイヨン(株)製メタブレンL−1000を使用した。
(耐衝撃性)
表1のように配合し、関西ロール製8インチ加熱ロールにて溶融混練して厚さ1.0mmのシートを得た。このシートを3枚重ねてプレス成形し、厚さ3.0mmのシートを作製し、そのシートの23℃および0℃での衝撃強さについてアイゾット衝撃試験機を用いて評価した。
(耐候性)
23℃、湿度10%に30日間調温した試験サンプルについて、上記と同様に試験片の衝撃強さを測定して耐候性を評価した。
(透明性)
厚さ1.0mmシートを用いて、全光線透過率の測定を行った。
表1に示すように配合して非晶質ポリエステル系樹脂組成物を得て、これを以下のように評価した。評価結果を表1に示す。なお、非晶質ポリエステル系樹脂は、イーストマンコダック社製イースター6763である。また、滑剤であるG431Lは、クラリアントジャパン社製モンタン酸ワックスである。また、表中のC−1はアクリル系高分子滑剤であり、三菱レイヨン(株)製メタブレンL−1000を使用した。
(耐衝撃性)
表1のように配合し、関西ロール製8インチ加熱ロールにて溶融混練して厚さ1.0mmのシートを得た。このシートを3枚重ねてプレス成形し、厚さ3.0mmのシートを作製し、そのシートの23℃および0℃での衝撃強さについてアイゾット衝撃試験機を用いて評価した。
(耐候性)
23℃、湿度10%に30日間調温した試験サンプルについて、上記と同様に試験片の衝撃強さを測定して耐候性を評価した。
(透明性)
厚さ1.0mmシートを用いて、全光線透過率の測定を行った。
(加工性)
加工性の指標として、ロール離形性、加工時のブリード性、加速試験によるブリード性を評価した。
離形性の評価は、ロール加工時のロール離形性を目視により、以下のように判定した。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや離形性が悪い
×:非常に離形性が悪い
(ただし、今回の評価では△および×はない)
加工時のブリード性の評価は、ロール加工時に目視で行った。また、加速試験によるブリード性の評価は、プレス成形品を80℃で3日間アニールした後の成形品の状態で行った。ブリード性の判定は以下の通りである。
◎:非常に良好
○:ごく微量ブリードアウトが見られる
△:ややブリードアウトが見られる
×:ブリードアウトが多い
(ただし、今回の評価では△および×はない)
加工性の指標として、ロール離形性、加工時のブリード性、加速試験によるブリード性を評価した。
離形性の評価は、ロール加工時のロール離形性を目視により、以下のように判定した。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや離形性が悪い
×:非常に離形性が悪い
(ただし、今回の評価では△および×はない)
加工時のブリード性の評価は、ロール加工時に目視で行った。また、加速試験によるブリード性の評価は、プレス成形品を80℃で3日間アニールした後の成形品の状態で行った。ブリード性の判定は以下の通りである。
◎:非常に良好
○:ごく微量ブリードアウトが見られる
△:ややブリードアウトが見られる
×:ブリードアウトが多い
(ただし、今回の評価では△および×はない)
表1に示すように、実施例1,2の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、本願請求項1を満たすものであったので、耐衝撃性、耐候性、透明性のいずれもが優れており、しかも加工性も良好であった。
一方、比較例1の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、(B)グラフト共重合体を含有していなかったので、耐衝撃性が低かった。
比較例2の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、グラフト共重合体の質量平均粒子径が0.10μmを超えており、0.15μm以上の粒子の割合は10質量%を超えていたので、耐衝撃性、透明性が低かった。
比較例3の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、グラフト共重合体のゴム成分がアルキル(メタ)アクリレート系共重合体でなく、ブタジエン系重合体であったので、耐候性が低かった。
一方、比較例1の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、(B)グラフト共重合体を含有していなかったので、耐衝撃性が低かった。
比較例2の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、グラフト共重合体の質量平均粒子径が0.10μmを超えており、0.15μm以上の粒子の割合は10質量%を超えていたので、耐衝撃性、透明性が低かった。
比較例3の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、グラフト共重合体のゴム成分がアルキル(メタ)アクリレート系共重合体でなく、ブタジエン系重合体であったので、耐候性が低かった。
本発明の非晶質ポリエステル系樹脂組成物は、包装材料に好適に用いられる。
Claims (2)
- (A)非晶質ポリエステル系樹脂99〜70質量%と、
(B)アルキル(メタ)アクリレート単量体単位30〜100質量%、芳香族ビニル単量体単位または芳香族(メタ)アクリレート単量体単位70〜0質量%、これらと共重合可能なビニル単量体単位10〜0質量%、架橋性単量体単位5〜0質量%からなるアルキル(メタ)アクリレート系共重合体25〜65質量部に、一種または二種以上のビニル系単量体単位75〜35質量部が重合し、質量平均粒子径が0.10μm以下、粒子径が0.15μm以上の粒子の割合が10質量%以下であるグラフト共重合体1〜30質量%とを含有することを特徴とする非晶質ポリエステル系樹脂組成物。 - 請求項1に記載の非晶質ポリエステル系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003338417A JP2005105075A (ja) | 2003-09-29 | 2003-09-29 | 非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003338417A JP2005105075A (ja) | 2003-09-29 | 2003-09-29 | 非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005105075A true JP2005105075A (ja) | 2005-04-21 |
Family
ID=34533945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003338417A Withdrawn JP2005105075A (ja) | 2003-09-29 | 2003-09-29 | 非晶質ポリエステル系樹脂組成物および成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005105075A (ja) |
-
2003
- 2003-09-29 JP JP2003338417A patent/JP2005105075A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061205 |