JP2005103148A - 5−アミノサリチル酸の保存方法及び保存システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 脱酸素剤の存在下においても、5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩の褐変を一層抑制し、製造時の製剤の性状を長期間保つことができる、5−アミノサリチル酸固形製剤を含む保存システム及びその保存方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤を用いて、5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む5−アミノサリチル酸固形製剤を、気密容器又は密閉包装による所定の空間内に併存させる保存方法を開示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、脱酸素剤の存在下において保存される、5−アミノサリチル酸又は5−アミノサリチル酸を含む固形製剤の保存技術に関する。
従来から、5−アミノサリチル酸は、潰瘍性大腸炎及びクローン病の治療に用いられているが、経口投与により罹患部位である結腸又は直腸に到達させるために、徐放性や持続放出性を有する固形製剤として利用されている。たとえば、5−アミノサリチル酸を経口投与可能な担体と共に、エチルセルロース等で被覆した被覆顆粒(たとえば、特許文献1参照)や、被覆材料として、陰イオン性カルボキシルアクリルポリマー等の陰イオン性ポリマーを用いた経口投与用組成物(たとえば、特許文献2参照)が提案されている。
より具体的には、前記特許文献1では、5−アミノサリチル酸を含有する固形製剤を経口投与可能な形態とするため、賦形剤、結合剤、滑沢剤および崩壊剤と、主薬である5−アミノサリチル酸を混合し、顆粒等に成形し、次いでエチルセルロース等のフィルムコーティング剤で皮膜を施し、その後錠剤とする固形製剤を開示している。また、5−アミノサリチル酸顆粒の製法については、各種の文献に記載されている(たとえば、特許文献3及び4参照)。
これらの5−アミノサリチル酸又は5−アミノサリチル酸を含む固形製剤(たとえば、散剤、顆粒剤、錠剤が挙げられる。)は、光や酸化によって褐色に変化(以下「褐変」という。)することが知られており、かかる褐変に対する対策として、遮光包装をすることや脱酸素剤とともに封入すること等が講じられてきた。
前記した5−アミノサリチル酸の褐変に関して、最近の研究では、5−アミノサリチル酸は、アルカリの存在下で特に不安定であり、酸化により5−アミノサリチル酸キノンイミンに変化し、さらに自動酸化によって、二量体、三量体、あるいは四量体以上の重合体を形成し、強烈な茶褐色に着色変化することが明らかにされている(たとえば、非特許文献1参照)。その結果、5−アミノサリチル酸又は5−アミノサリチル酸を含む固形製剤は、上述のとおり、酸化によって徐々に化学変化することにより、製剤自体が褐変するものと考えられている。
原体である5−アミノサリチル酸や、たとえば、散剤、顆粒剤又は錠剤等の形態をとる5−アミノサリチル酸固形製剤は、その保存、輸送、調剤業務等を簡便にするため、通例、脱酸素剤と共に褐色ビン、遮光したビンやアルミ容器等の気密容器に密封したり、セロファン、低密度ポリエチレンを包材としてストリップパック包装や、塩化ビニル、ポリプロピレン等を包材としたプレス−スルー−パックシート包装(以下「PTPシート包装」という。)が施された上で流通されている。
また、光や酸化による褐変を防ぐために、脱酸素剤と共にアルミ箔等のガスバリアー性の包材で包装することも行われている。
しかしながら、これらの包装形態では、いずれも夏期等の高温保存時における褐変の発生を防止できず、その対応策が求められていた。
そこで、5−アミノサリチル酸固形製剤の高温保存時の褐変は、錠剤内部への添加剤由来の水分が蒸発し、この水蒸気が褐変を加速度的に促進しているという知見に基づき、吸水剤又は吸湿剤の少なくとも一方と共にガスバリアー性の包材で密封包装し、さらに、5−アミノサリチル酸の酸化を防止するため、脱酸素剤を使用することで、褐変の発生を抑制するできる旨の開示がなされている(たとえば、特許文献5参照)。
ここで、前記した脱酸素剤は鉄粉系の脱酸素剤であり、下記の式に示すように、脱酸素のために水分が不可欠であることが知られている。しかし、水分が含まれないか、あるいは水分を嫌う保存対象物については、前述の鉄粉系の脱酸素剤ではその脱酸素効果が不十分であるという欠点を有している。
特表昭58−501174号公報 特表昭57−500432号公報 WO 03/32952号 WO 81/02671号 特開平10−015032号公報 J. Jensen et al., International Journal Pharmaceutics, 88(1992) pp. 177-187.
そこで、本発明は、かかる事情に鑑み、脱酸素剤の存在下においても、5−アミノサリチル酸又は5−アミノサリチル酸を含む固形製剤の褐変を一層抑制し、製造時の製剤の性状を長期間保つことができる、5−アミノサリチル酸又は5−アミノサリチル酸を含む固形製剤の保存方法及びその保存システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、従来の鉄粉系の脱酸素剤では、脱酸素作用を発揮するためには水分の存在が不可欠であるため、その水分の存在が5−アミノサリチル酸又は5−アミノサリチル酸を含む固形製剤の褐変の原因となっている知見を得た。かかる知見に基づくと、5−アミノサリチル酸又は5−アミノサリチル酸を含む固形製剤の褐変防止には、水分と、酸化の主因である酸素との双方を除去することが一層有効であるが、従来の鉄粉系の脱酸素剤には水分供与体を必要とするため、鉄粉系の脱酸素剤の使用では水分と酸素を同時に除去することは困難であることが判明した。
そこで、本発明者らは、新たな脱酸素剤を検討した結果、低湿度環境下で脱酸素作用を発揮する脱酸素剤を用いることで、5−アミノサリチル酸又は5−アミノサリチル酸を含む固形製剤の褐変を効果的に抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤を用いる、5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む5−アミノサリチル酸固形製剤の保存方法、
(2)前記脱酸素剤、及び前記5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は前記5−アミノサリチル酸固形製剤が、気密容器に収容される、前記(1)に記載の保存方法、
(3)さらに乾燥剤を用いる、前記(1)又は(2)に記載の保存方法、
(4)前記乾燥剤が、気密容器に収容される、前記(3)に記載の保存方法、
(5)前記脱酸素剤、及び前記5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は前記5−アミノサリチル酸固形製剤が、通気性の内包材と、前記内包材の外側にあるガスバリアー性の外包材と、から構成される包材を用いて密封包装される、前記(1)に記載の保存方法、
(6)前記5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は前記5−アミノサリチル酸固形製剤が、前記内包材で内包装されており、前記内包材と前記外包材との間に前記脱酸素剤が密封包装されている、前記(5)に記載の保存方法、
(7)さらに乾燥剤が密封包装される、前記(5)又は(6)に記載の保存方法、
(8)前記ガスバリアー性の外包材が、遮光性である、前記(5)ないし(7)のうち何れか一に記載の保存方法、
(9)前記脱酸素剤が、活性化した遷移金属、還元性金属と金属沃化物、還元性金属と金属臭化物、低分子フェノール化合物と活性炭、鉄粉とヨウ素、鉄粉とヨウ素と金属ヨウ化物、及び活性化マグネシウムからなる群から選択される、前記(1)ないし(8)のうち何れか一に記載の保存方法、
(10)60℃で2週間の保存前後において、CIELAB色空間における色差が、1.0以下である、前記(1)ないし(9)のうち何れか一に記載の保存方法、
(11)60℃で1ヶ月の保存前後において、5−アミノサリチル酸重合体に由来する440nmに由来する吸光度の差が、0.06以下である、前記(1)ないし(9)のうち何れか一に記載の保存方法、
(12)前記5−アミノサリチル酸固形製剤が、抗酸化剤、チオール化合物、スルフィド化合物、酸無水物及び吸湿化合物からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む、前記(1)ないし(11)のうち何れか一に記載の保存方法、
(13)5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む5−アミノサリチル酸固形製剤と、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤とを所定の空間内に併存させる、保存システム、
(14)さらに乾燥剤を併存させる、前記(13)に記載の保存システム、
(15)前記所定の空間が、気密容器により形成される、前記(13)又は(14)に記載の保存システム、
(16)乾燥剤がさらに気密容器に収容される、前記(15)に記載の保存システム、
(17)前記所定の空間が、通気性の内包材と、前記内包材の外側にあるガスバリアー性の外包材と、から構成される包材を用いた密封包装により形成される、前記(13)又は(14)に記載の保存システム、
(18)前記5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は前記5−アミノサリチル酸固形製剤が前記内包材で内包装されており、前記内包材と前記外包材との間に前記脱酸素剤が包装される、前記(17)に記載の保存システム、
(19)前記内包材と前記外包材との間に、乾燥剤がさらに包装される、前記(17)又は(18)に記載の保存システム、
(20)前記ガスバリアー性の外包材が、遮光性である、前記(17)ないし(19)のうち何れか一に記載の保存システム、
(21)前記脱酸素剤が、活性化した遷移金属、還元性金属と金属沃化物、還元性金属と金属臭化物、低分子フェノール化合物と活性炭、鉄粉とヨウ素、鉄粉とヨウ素と金属ヨウ化物、及び活性化マグネシウムからなる群から選択される、前記(13)ないし(20)のうち何れか一に記載の保存システム、
(22)60℃で2週間の保存前後において、CIELAB色空間における色差が、1.0以下である、前記(13)ないし(21)のうち何れか一に記載の保存システム、
(23)60℃で1ヶ月の保存前後において、5−アミノサリチル酸重合体に由来する440nmに由来する吸光度の差が、0.06以下である、前記(13)ないし(21)のうち何れか一に記載の保存システム、
(24)前記5−アミノサリチル酸固形製剤が、抗酸化剤、チオール化合物、スルフィド化合物、酸無水物及び吸湿化合物からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む、前記(13)ないし(23)のうち何れか一に記載の保存システム等、
を提供する。
本発明で用いる用語「固形製剤」とは、散剤、顆粒剤、錠剤等の固形の剤型をすべて包含する。
また、本発明で用いる用語「低湿度環境」とは、相対湿度(RH)が、60%以下の環境をいう。
さらに、本発明で用いる用語「乾燥剤」とは、吸水剤と吸湿剤とを包含する。ここで、吸水剤と吸湿剤の両者には機能上必ずしも明確な区別はなく、ある場合には吸水剤として、別の場合には吸湿剤として認識される材料も存在する。そして、定義するとすれば、「吸水剤」とは、水蒸気などの湿分の凝集によって生じた水分を吸収してそのまま保持できる機能を備えた材料をいい、「吸湿剤」とは、水蒸気などの湿分をそのまま吸収してそのまま保持できる機能を備えた材料をいう。
さらにまた、本発明で用いる用語「CIELAB色空間」とは、国際照明委員会で規定されるLab表示系のことをいう。このCIELAB色空間(JIS Z 8729)では、色を3つの項、L、aおよびbを使って定義され、項Lは、色の明るさを定義し、項aおよびbは、共にある与えられた色の色相及び色度特性を定義する。そして、本発明で使用する用語「CIELAB色空間における色差(以下「ΔE」という。)」とは、本発明による5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む5−アミノサリチル酸固形製剤の保存前後における2色間の差異を定義するものであり、ΔEが大きいほど、2色間の差異が大きくなる。
また、本発明で用いる用語「保存システム」とは、閉鎖された空間内に、本発明で用いる5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む5−アミノサリチル酸固形製剤を保存する系のことをいう。
本発明によれば、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮可能な特定の脱酸素剤と共に、5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む固形製剤を存在させることにより、本発明に係る保存システムから水分及び酸素の双方が排除されるため、5−アミノサリチル酸の褐変が防止され、もって、5−アミノサリチル酸又はその固形製剤の保存安定性が改善される。
以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、後述する実施形態を変更して実施することができる。
本発明に係る保存システムは、5−アミノサリチル酸若しくはその塩(以下、単に「5−アミノサリチル酸原体」と略称する。)、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む5−アミノサリチル酸固形製剤と、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤とが、所定の空間内で併存して構成される。
なお、本発明で用いる用語「併存」とは、所定の空間内に、5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む固形製剤と、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤とが同時に存在していることをいう。
本発明で用いられる5−アミノサリチル酸は、日清キョーリン製薬(株)から、商品名「ペンタサ錠TM」として入手可能である。また、後述するように、5−アミノサリチル酸徐放性顆粒の製法は、たとえば、WO 03/032952号に開示されている。
さらに、本発明に用いられる5−アミノサリチル酸の塩には、薬理上許容される酸性塩が包含され、たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩などの無機酸の塩;酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩などのカルボン酸の塩;メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などのようなスルホン酸の塩;グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩などのようなアミノ酸の塩等を挙げることができる。5−アミノサリチル酸の酸性塩として好適には、塩酸塩又は硫酸塩であり、さらに好適には塩酸塩である。
さらにまた、本発明に用いられる5-アミノサリチル酸の塩には、薬理上許容される塩基性塩が包含され、たとえば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属との塩;カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;又はトリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩のような有機塩基との塩を挙げることができる。5−アミノサリチル酸の塩基性塩として好適には、アルカリ金属との塩又はアンモニウム塩であり、さらに好適にはナトリウム塩又はアンモニウム塩である。
また、本発明の5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤は、抗酸化剤や、後述する吸水剤若しくは吸湿剤、又はその他の添加剤を含有させることもできる。前記その他の添加剤の具体例としては、抗酸化剤、チオール化合物、スルフィド化合物、酸無水物及び吸湿化合物を挙げることができる。
図1は、本発明の一つの実施態様による保存システム10の概略断面図を示す。図1(a)に示す保存システム10では、5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤50が存在する前述の所定の空間が、気密容器20で形成される。前記気密容器20は、その上部に、図1(b)に示すように、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤40を内包する蓋30を備える。
なお、脱酸素剤40の位置は図1に示す位置に限定されるものではなく、5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤50と共に、気密容器20内に併存するならば、脱酸素剤の位置は何れでもよい。
本発明で用いられる気密容器20の具体例としては、容器の形状あるいは材質に制限されず、褐色ビン等の遮光したビンやアルミ容器等の密閉可能で、かつ実質的にガスバリアー性の容器であればよい。
図2は、本発明の別の実施態様による保存システム100の概略断面図を示す。図2に示す保存システム100では、前記した所定の空間は特定の包材で密封包装により形成される。とりわけ、前述の密封包装される場合、前述の特定の包材が通気性の内包材60と、前記内包材の外側にあるガスバリアー性の外包材70と、から構成され、その内包材60により、5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤50が内包装されることが好ましい。そして、その内包材と外包材との間に、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤40を介在させることが好ましい。
なお、図2に示す例では、内包材60により包装された5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤50が1つしか図示されていないが、複数の包装された5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤50が、本発明に係る保存システム100に内包されていてもよい。
くわえて、本発明に係る保存システムでは、所定の空間内に、さらに乾燥剤を含むことが好ましい。
本発明に係る保存システムに用いる乾燥剤には、吸水剤及び吸湿剤は包含される。そして、本発明に用いられる吸水剤としては、以下のものに限定されるわけではないが、高吸水性樹脂等が好ましく、たとえば、ビニルエステルとエチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体のケン化物(具体的には、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共集合体のケン化物、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体のケン化物など);デンプン、セルロースなどの多糖類に(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸またはそれらの誘導体をグラフト重合させたグラフト重合体;前記グラフト重合体と不溶化カルボキシルメチルセルロースとの混合物;イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のケン化物;アクリル酸−メタクリル酸共重合体;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルピロリドン、スルフォン化ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミドなどの親水性重合体を架橋化して三次元吸湿剤としたもの;などが挙げられる。
また、本発明に用いられる吸湿剤としては、以下のものに限定されるわけではないが、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、シリカゲル、炭酸マグネシウム、珪酸アルミン酸マグネシウム等の中性の吸湿剤、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等の塩基性吸湿剤、活性炭、多孔性ゼオライト等の多孔性吸湿剤等が挙げられる。吸湿剤として好適には、塩化カルシウムやシリカゲルが用いられる。あるいは、必要に応じて、2種以上の吸湿剤を同時に使用してもよい。
そして、本発明に係る保存システム10、100において用いられる乾燥剤は、粒状若しくはシート状に成形したもの、又は粒状のものを通気性のある袋に充填して用いるなど、その形状はいずれの形態でもよいが、流通上の形態に鑑みれば、シート状に成形したものが好ましい。シート状に成形する場合には、乾燥剤を適当な支持体、たとえば、成形用プラスチックに配合して、乾燥剤をプラスチック内に練込みシート状に成形することもできる。シート状に成形した乾燥剤としては、好ましくは市販されているアイディシートTM(株式会社アイディ製;塩化カルシウム)等が挙げられる。乾燥剤が高分子の場合には、それ自体が成形用の支持体としての役割を果たすこともできる。乾燥剤としての吸水剤に、とりわけ、高分子樹脂を用いる場合、通気性の包材の外側に包材の通気性を保持させたままで、これに積層シートとして積層させる、またはコーティングさせて、あるいは密封包装に用いられるガスバリアー性の包材の内側に積層シートとして積層させる、又はコーティングした吸水層として用いることができる。
なお、図1及び図2において乾燥剤は図示されていないが、たとえば、本発明に用いる脱酸素剤と併存させて用いることができる。
本発明で用いられる、5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤50を内包装する通気性の内包材60としては、セロファン、低密度ポリエチレンフィルム(密度0.91〜0.93g/ml)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、紙、低密度ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、合成紙等が用いられるが、これらに限定されるものではなく、通気性の包材として製剤の包材に用いるものすべてが含まれる。
さらに、本発明に用いられる、5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤50は、遮光性のある外包材70で包装することが好ましく、ガスバリアー性の包材に遮光性のあるものを用いる、又はガスバリアー性の包材で密封包装したものを、更に遮光性のある包材(箱等を含む)で包装することが好ましい。
本発明の5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤50を内包装したものの外側を密封包装するのに用いるガスバリヤー性の外包材70としては、空気中の水蒸気を通さない包材であるアルミフィルム箔、高密度ポリエチレンフィルム(密度0.95〜0.97g/ml)、ポリ塩化ビニリデンフィルム、高密度ポリエチレンラミネート紙、ポリ塩化ビニリデンラミネート紙等が用いられるが、これらに限定されるものではなく、ガスバリアー性の外包材として製剤の包装に用いられる全てのガスバリヤー性の包材が含まれる。
本発明に用いられる低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤の具体例としては、特開平8−38883号公報に開示されている活性化した遷移金属(たとえば、マンガン、鉄、コバルト、銅)、特開平10−309427号公報に開示されている還元性金属と金属沃化物、又は還元性金属と金属臭化物、特開2000−50849号公報に開示されている低分子フェノール化合物と活性炭、特開2000−50850号公報に開示されている鉄粉/ヨウ素、又は鉄粉/ヨウ素/金属ヨウ化物、特開2001−37457号公報に開示されている活性化マグネシウム、あるいは特開2003−38143号公報に開示されている有機系易酸化性組成物と二酸化ケイ素等が挙げられる。とりわけ、本発明に利用される脱酸素剤として好適には、還元性金属と金属沃化物、又は還元性金属と金属臭化物、あるいは鉄粉/ヨウ素、又は鉄粉/ヨウ素/金属ヨウ化物が用いられる。最も好ましくは、市販されているファーマキープTM(三菱ガス化学製)が用いられる。
5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤の褐変抑制の指標として、本発明では、60℃で2週間における前記固形製剤の保存前後において、CIELAB色空間(JIS Z 8729)における色差ΔEが、1.0以下である場合、良好な褐変の抑制が認められる。好適には、前記色差ΔEが0.7以下である。
また、5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤の褐変抑制の指標として、本発明では、60℃で1ヶ月における前記固形製剤の保存前後において、5−アミノサリチル酸重合体由来の吸光度の変化を利用することができる。具体的には、保存後の5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤から5−アミノサリチル酸重合体を抽出し、5−アミノサリチル酸重合体に由来する440nmにおける吸光度を分光光度計により測定する。そして、前記吸光度の差が、0.06以下である場合、良好な褐変の抑制が認められる。好適には、前記吸光度の差が0.055以下である。
次に、本発明に係る保存方法について説明する。5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤と共に、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤を添加して形成される保存システムは、5−アミノサリチル酸と乾燥剤、または、さらに従来型の脱酸素の際に水分供与体を必要とする脱酸素剤とを含む保存システムと比して、長時間の保存時における5−アミノサリチル酸の褐変が顕著に抑制される。
以下に、本発明に係る保存方法及び保存システムの有利な効果を示すため、参考例とともに実施例、比較例を示すが、これらは例示的なものであって、本発明はいかなる場合にも、以下の具体例に制限されるものではない。
まず、気密容器中において、5−アミノサリチル酸自体の褐変に対する脱酸素剤の種別、乾燥剤の有無の影響を調べた。
[参考例1]
市販されている5−アミノサリチル酸(ERREGIERRE S. p. A. 社製)をガラス瓶に入れ、80℃で1週間保存するという保存試験を実施した。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、下記式(1)に基づき、保存前後における色差(ΔE)を算出した。
式中、L 、a 、b は、保存前の色調の値であり、L 、a 、b は、保存後の色調の値である。
[比較例1]
前述の5−アミノサリチル酸と乾燥剤(アイディシートTM:株式会社アイディ製;主成分は塩化カルシウム)とを、ガラス瓶に入れ、80℃で1週間保存するという保存試験を実施した。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、前記式(1)に基づき、保存前後における色差(ΔE)を算出した。
また、色差が0の場合、0%として、色差が参考例1の場合と同じ場合を100%とする変色率を算出した(図3参照)。
[比較例2]
前述の5−アミノサリチル酸と、乾燥剤(アイディシートTM:株式会社アイディ製;主成分は塩化カルシウム)と、脱酸素剤(エージレスZ−100PKTM:三菱ガス化学製:主成分は鉄粉系)とを、ガラス瓶に入れ、80℃で1週間保存するという保存試験を実施した。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、前記式(1)に基づき、保存前後における色差(ΔE)を算出した。
また、色差が0の場合、0%として、色差が参考例1の場合と同じ場合を100%とする変色率を算出した(図3参照)。
[実施例1]
前述の5−アミノサリチル酸と脱酸素剤(ファーマキープRP−1FTM:三菱ガス化学製)とをガラス瓶に入れ、80℃で1週間保存するという保存試験を実施した。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、前記式(1)に基づき、保存前後における色差(ΔE)を算出した。
また、色差が0の場合、0%として、色差が参考例1の場合と同じ場合を100%とする変色率を算出した(図3参照)。
[実施例2]
前述の5−アミノサリチル酸と脱酸素剤(ファーマキープRP−1FTM:三菱ガス化学製)と、乾燥剤(アイディシートTM:株式会社アイディ製;主成分は塩化カルシウム)とをガラス瓶に入れ、80℃で1週間保存するという保存試験を実施した。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、前記式(1)に基づき、保存前後における色差(ΔE)を算出した。
また、色差が0の場合、0%として、色差が参考例1の場合と同じ場合を100%とする変色率を算出した(図3参照)。
図3は、参考例1、比較例1及び2、並びに実施例1及び2の保存結果を示す。図3に示す結果から、特筆すべき結果は、比較例2の結果からも分かるように、5−アミノサリチル酸を、従来の水分供与体を必要とする鉄粉系の脱酸素剤とともに乾燥剤を併存させても、5−アミノサリチル酸の褐変防止効果は良好ではないことであった。そして、図3に示す結果から明らかなように、乾燥剤の存在の有無にかかわらず、5−アミノサリチル酸原体とともに、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤を併存させることにより、5−アミノサリチル酸の褐変防止に対して非常に有効であることが判明した。
気密容器中において、脱酸素剤の種別による5−アミノサリチル酸固形製剤の色の変化を調べた。
[参考例2]
市販されている5−アミノサリチル酸錠(ペンタサ錠250TM:日清キョーリン製薬株式会社製)をガラス瓶に入れ、80℃で1週間保存するという保存試験を実施した。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、保存前後における色差(ΔE)を、前述の式(1)に基づき算出した。
[比較例3]
前述の5−アミノサリチル酸錠(ペンタサ錠250TM)と、脱酸素剤(エージレスZ−100PKTM:三菱ガス化学製;主成分は鉄粉系)とをガラス瓶に入れ、80℃で1週間保存した。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、前記式(1)に基づき、保存前後における色差(ΔE)を算出した。
また、色差が0の場合、0%として、色差が参考例1の場合と同じ値の場合を100%とする変色率を算出した(図4参照)。
[実施例3]
前述の5−アミノサリチル酸錠(ペンタサ錠250TM)と、脱酸素剤(エージレスZ−100PKTM:三菱ガス化学製)の代わりに別の脱酸素剤(ファーマキープRP−1FTM:三菱ガス化学製)を使用した以外は、比較例3と同様に保存試験を実施した。
図4は、参考例2、比較例3及び実施例3の保存試験の結果を示す。図4に示す結果から、5−アミノサリチル酸固形製剤の変色防止には、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤が有効であることが判明した。
次に、気密容器中における、5−アミノサリチル酸固形製剤の褐変に対する脱酸素剤の種別、乾燥剤の有無の影響を調べた。
[参考例3]
市販されている5−アミノサリチル酸錠(ペンタサ錠250TM)をガラス瓶に入れ、60℃で2週間保存するという保存試験を実施した。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、前記式(1)に基づき、保存前後における色差(ΔE)を算出した。
[比較例4]
前述の市販されている5−アミノサリチル酸錠(ペンタサ錠250TM)と乾燥剤(アイディシートTM:株式会社アイディ製)とを、ガラス瓶に入れ、60℃で2週間保存するという保存試験を実施した。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、前記式(1)に基づき、保存前後における色差(ΔE)を算出した。
そして、色差が0の場合は0%とし、参考例3と同じ値の場合は100%とする、変色率を算出した。
[比較例5]
前述の市販されている5−アミノサリチル酸錠と前述の乾燥剤(アイディシートTM:株式会社アイディ製)と、脱酸素剤(エージレスZ−100PKTM:三菱ガス化学製)とをガラス瓶に入れ、60℃で2週間保存するという保存試験を実施した。なお、前述の脱酸素剤(エージレスZ−100PKTM:三菱ガス化学製)は、脱酸素機能を発揮させるためには、水分供与体を必要とする脱酸素剤である。
保存前と保存後の色調(L,a,b)を分光測色計(ミノルタ(株)製分光測色計CM3500d)で測定し、前記式(1)に基づき、保存前後における色差(ΔE)を算出した。
そして、色差が0の場合は0%とし、参考例3と同じ値の場合は100%とする、変色率を算出した。
[実施例4]
前述の脱酸素剤(エージレスZ−100PKTM:三菱ガス化学製)の代わりに脱酸素剤(ファーマキープRP−1FTM:三菱ガス化学製)を使用した以外は、比較例5と同様に保存試験を実施した。
図5は、比較例4及び5と実施例4とで得られた色差(ΔE)及び変色率の結果を示す。参考例3と図5に示す結果から、5−アミノサリチル酸固形製剤、乾燥剤及び水分供与体を必要とする脱酸素剤とを併存させても(比較例5に対応)、5−アミノサリチル酸固形製剤の褐変防止効果は、5−アミノサリチル酸固形製剤に乾燥剤を併存させた系よりも改善されていないことが判明した。気密容器中に、5−アミノサリチル酸固形製剤と、乾燥剤と低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤(ファーマキープRP−1FTM:三菱ガス化学製)とを併存させて保存試験を行った場合、色差及び変色率ともに著明に改善されることが判明した。
さらに、5−アミノサリチル酸固形製剤のPTPシート包装における保存試験を行った。
[参考例4]
市販されている5−アミノサリチル酸錠(ペンタサ錠250TM)を、PTP/アルミピロー包装し、60℃で1ヶ月間保存するという保存試験を行った。
保存後、5−アミノサリチル酸錠4錠を0.5M塩酸25mlと、メタノール25mlに溶解させて、5−アミノサリチル酸重合体を抽出して5−アミノサリチル酸重合体含有抽出液を得た。その液の440nmにおける吸光度を分光光度計((株)島津製作所製;UV1600;光路長:1cm)にて測定した。得られた吸光度を変色率100%として、後述する比較例6、並びに実施例5及び6の対照として採用した。
[比較例6]
市販されている5−アミノサリチル酸錠(ペンタサ錠250TM)と、乾燥剤(アイディシートTM:株式会社アイディ製)と、をPTP/アルミピロー包装し、60℃で1ヶ月間保存するという保存試験を行った。
保存後、5−アミノサリチル酸錠4錠を0.5M塩酸25mlと、メタノール25mlに溶解させて、5−アミノサリチル酸重合体を抽出して5−アミノサリチル酸重合体含有抽出液を得た。その液の440nmにおける吸光度を分光光度計((株)島津製作所製;UV1600;光路長:1cm)にて測定した。そして、吸光度が0の場合は0%とし、参考例3と同じ値の場合には100%とする変色率を算出した。
[実施例5]
乾燥剤乾燥剤(アイディシートTM:株式会社アイディ製)の代わりに、脱酸素剤(ファーマキープRP−1FTM:三菱ガス化学製)を使用した以外は、比較例6と同様な保存試験を行い、吸光度及び変色率を算出した。
[実施例6]
市販されている5−アミノサリチル酸錠(ペンタサ錠250TM)と、乾燥剤(アイディシートTM:株式会社アイディ製)と、脱酸素剤(ファーマキープRP−1FTM:三菱ガス化学製)とをPTP/アルミピロー包装し、60℃で1ヶ月間保存するという保存試験を行った。
保存後、5−アミノサリチル酸錠4錠を0.5M塩酸25mlと、メタノール25mlに溶解させて、5−アミノサリチル酸重合体を抽出して5−アミノサリチル酸重合体含有抽出液を得た。その液の440nmにおける吸光度を分光光度計((株)島津製作所製;UV1600;光路長:1cm)にて測定した。そして、吸光度が0の場合は0%とし、比較例6と同じ値の場合には100%とする変色率を算出した。
図6は、参考例4、比較例6、並びに実施例5及び6にて得られた吸光度及び変色率の結果を示す。図6に示す結果から、密閉包装中に、5−アミノサリチル酸固形製剤のみ、該固形製剤と乾燥剤とを保存させた場合よりも、気密閉包装中に、乾燥剤の有無にかかわらず、5−アミノサリチル酸固形製剤と、低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤(ファーマキープRP−1FTM:三菱ガス化学製)とを併存させて保存試験を行った場合、吸光度及び変色率ともに著明に改善されることが判明した。
図1は、本発明の一つの実施態様による保存システムの概略断面図を示す。 図2は、本発明の別の実施態様による保存システムの概略断面図を示す。 図3は、気密容器中における5−アミノサリチル酸の保存試験(80℃、1週間)の結果を示す。なお、図3中の「乾燥剤あり」とは、乾燥剤としてアイディシートTM(株式会社アイディ製;主成分は塩化カルシウム)を利用した場合を示す。 図4は、気密容器中における5−アミノサリチル酸固形製剤の保存試験(80℃、1週間)の結果を示す。 図5は、気密容器中における5−アミノサリチル酸固形製剤の保存試験(60℃、2週間)の結果を示す。 図6は、密封包装における5−アミノサリチル酸固形製剤の保存試験(60℃、1ヶ月)の結果を示す。
符号の説明
10,100…本発明に係る保存システム、20…気密容器、30…蓋、40…脱酸素剤、50…5−アミノサリチル酸原体又は5−アミノサリチル酸固形製剤、60…内包材、70…外包材、

Claims (10)

  1. 低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤を用いる、5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む5−アミノサリチル酸固形製剤の保存方法。
  2. 前記脱酸素剤、及び前記5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は前記5−アミノサリチル酸固形製剤が、気密容器に収容される、請求項1に記載の保存方法。
  3. さらに乾燥剤を用いる、請求項1又は2に記載の保存方法。
  4. 前記脱酸素剤、及び前記5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は前記5−アミノサリチル酸固形製剤が、通気性の内包材と、前記内包材の外側にあるガスバリアー性の外包材と、から構成される包材を用いて密封包装される、請求項1に記載の保存方法。
  5. 前記5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は前記5−アミノサリチル酸固形製剤が、前記内包材で内包装されており、前記内包材と前記外包材との間に前記脱酸素剤が密封包装されている、請求項4に記載の保存方法。
  6. さらに乾燥剤が密封包装される、請求項4又は5に記載の保存方法。
  7. 前記脱酸素剤が、活性化した遷移金属、還元性金属と金属沃化物、還元性金属と金属臭化物、低分子フェノール化合物と活性炭、鉄粉とヨウ素、鉄粉とヨウ素と金属ヨウ化物、及び活性化マグネシウムからなる群から選択される、請求項1ないし6のうち何れか一項に記載の保存方法。
  8. 60℃で2週間の保存前後において、CIELAB色空間における色差が、1.0以下である、請求項1ないし7のうち何れか一項に記載の保存方法。
  9. 60℃で1ヶ月の保存前後において、5−アミノサリチル酸重合体に由来する440nmに由来する吸光度の差が、0.06以下である、請求項1ないし7のうち何れか一項に記載の保存方法。
  10. 5−アミノサリチル酸若しくはその塩、又は5−アミノサリチル酸若しくはその塩を含む5−アミノサリチル酸固形製剤と、
    低湿度環境下で脱酸素機能を発揮する脱酸素剤とを所定の空間内に併存させる、保存システム。

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