JP2005097010A - 炭素材料、その製造方法及び用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電容量、クーロン効率などの特性に優れた二次電池、その二次電池用負極材料、及び負極材料に適した炭素材料を提供する。
【解決手段】 平均粒径を0.1〜100μmに調整した天然黒鉛粒子を、フッ化水素含有溶液で浸漬処理する工程及び2400℃以上3300℃未満の温度で熱処理する工程を含み、炭素以外の元素含有率の合計を800ppm以下とすることを特徴とする電池電極用炭素材料の製造方法。放電容量が大きく、クーロン効率に優れた負極材料、及びその負極材料を用いた二次電池が得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、充放電容量が大きく、充放電サイクル特性、大電流負荷特性に優れた非水電解質二次電池用の電極材料、それを用いた電極及び非水電解質二次電池に関し、特にリチウム二次電池の負極材、それを用いた負極及びリチウム二次電池に関する。
携帯機器の小型軽量化及び高性能化に伴い、高いエネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池、すなわちリチウムイオン二次電池の高容量化が益々求められている。リチウムイオン二次電池に使用する負極材料としては、主にリチウムイオンを層間に挿入可能な材料である黒鉛微粉が用いられている。黒鉛は結晶性が発達しているものほど高い放電容量を示すため、天然黒鉛を頂点とする結晶性の高い材料をリチウムイオン二次電池の負極材に使用する検討がなされている。黒鉛材料を使用したときの放電容量の理論容量は372mAh/gであるが、近年では実用領域での放電容量が350〜360mAh/gという理論容量に近い材料も開発されている。人造黒鉛は理論容量を出すことは結晶性の問題から困難であり、また実現してもコストが高くなってしまう。これに比べて天然黒鉛は安価であり、容易に理論容量に近い放電容量を得ることができる。
しかし、一般に天然黒鉛はその生因に起因する不純物の含有量が多く、これが製品の諸症状の劣化の要因となっていた。特に、シリカ、アルミナ、酸化鉄などを主成分とする粘土鉱物は天然黒鉛中の含有量も多く、ごく微量の不純物の存在でも性能低下を引き起こすLi二次電池の要求特性を満足する程度まで完全に除去することは難しい。特に近年のリチウムイオン二次電池は高容量に加え非常に高い初回充放電効率が要求されており、これを満足することは容易なことではない。
このような問題を解決する方法として、特許第3188032号明細書(特許文献1)には、2400℃以上の温度で熱処理する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、シリカ、アルミナなどが十分に除去できず、初回充放電効率を満足することは困難である。
特開平10−284080号公報(特許文献2)や特開2000−306582号公報(特許文献3)には、黒鉛を酸やアルカリで表面処理することで種々の電池特性が向上したとあるが、表面処理のレベルであり、十分に不純物を除去できていない。特に特許文献2では2000℃以下の熱処理を実施しているが、熱処理の後に酸性溶液等で処理を実施しており、これでは黒鉛内部に入り込んだ水分を十分除去することが困難である。しかも、熱処理の温度も低く良好な不純物除去は望めず、現在の要求に見合った初期効率を得ることは難しい。
特開平11−199322号公報(特許文献4)や特開2000−100431号公報(特許文献5)には、黒鉛を硫酸または硫酸と硝酸の混合物により処理した後加熱することにより表面官能基を生成させ、粒子内部に微小な空隙を生成させることでバインダーとの結合性と急速充放電特性を向上させることが記載されているが、酸処理として硫酸や硝酸を用いる方法では、天然黒鉛中に含まれるシリカやアルミナなどの不純物を十分に除去することは難しい。
特開平5−299074号公報(特許文献6)には、炭素材料をアルカリ処理した後加熱する方法が開示されているが、表面処理を目的としており、酸とアルカリを任意に組み合わせただけでは、結果として天然黒鉛の十分な不純物除去を行うことは難しい。また、この方法では、酸、アルカリ処理面が表面に出ており、加熱処理後にもそれらが残ってしまう。これらは電池化した際にガス発生や初回充電時に副反応を引き起こす原因となる場合もあり好ましくない。
さらに、炭素材料を加熱しつつフロンガス等を流して精製する方法もあるが(特開平11−236205号公報(特許文献7))、環境問題、コストの問題などの面から実際に行うことは現実的ではない。
特許第3188032号明細書 特開平10−284080号公報 特開2000−306582号公報 特開平11−199322号公報 特開2000−100431号公報 特開平5−299074号公報 特開平11−236205号公報
本発明は、比較的簡単な方法で天然黒鉛中の不純物を十分に除去することにより、放電容量が大きく、クーロン効率、サイクル特性に優れ、不可逆容量の小さいリチウムイオン二次電池用負極材料を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、天然黒鉛を適宜粉砕した後、フッ酸を中心とした酸で処理し、2400〜3300℃で熱処理するという従来法とは異なる方法を用いることにより、好ましくはフッ酸を中心とした酸で処理する前にアルカリで処理することにより、さらに好ましくは熱処理前に粒子を樹脂で処理することにより、意外にも非常に高い初回充放電効率、大きい放電容量、優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池用負極材料が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の電池電極用炭素材料、その製造方法及びその炭素材料を用いた電極、電池を提供するものである。
[1]平均粒径が0.1〜100μmの天然黒鉛粒子を、フッ化水素含有溶液で浸漬処理する工程及び前記浸漬処理した天然黒鉛粒子を2400℃以上3300℃未満の温度で熱処理する工程を含み、炭素以外の元素含有率の合計を800ppm以下とすることを特徴とする炭素材料の製造方法。
[2]フッ化水素含有溶液で浸漬処理する工程の前に、アルカリ水溶液で浸漬処理する工程を設ける前記1に記載の炭素材料の製造方法。
[3]熱処理工程の前に、フッ化水素含有溶液で浸漬処理した天然黒鉛粒子をバインダーによる結着力および/またはせん断による粒子界面同士のファンデルワールス力により造粒する工程を設ける前記1または2に記載の炭素材料の製造方法。
[4]造粒工程が、フッ化水素含有溶液で浸漬処理した0.1〜50μmの平均粒径を有する天然黒鉛粒子を平均円形度0.85〜0.99、平均粒径0.5〜200μmとなるように造粒を行う工程である前記3に記載の炭素材料の製造方法。
[5]熱処理工程の前に、粒子表面の少なくとも一部を樹脂で被覆する工程を設ける前記1乃至4のいずれかに記載の炭素材料の製造方法。
[6]フッ化水素含有溶液のフッ化水素濃度(HF濃度)が10〜80%である前記1に記載の炭素材料の製造方法。
[7]フッ化水素含有溶液が、硝酸、硫酸、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸及び蓚酸から選ばれる少なくとも1種が混合された水溶液である前記6に記載の炭素材料の製造方法。
[8]粒子表面の少なくとも一部を被覆する樹脂が、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む重合体である前記5に記載の炭素材料の製造方法。
[9]粒子表面の少なくとも一部を被覆する樹脂が、フェノール樹脂である前記5に記載の炭素材料の製造方法。
[10]粒子表面の少なくとも一部を被覆する樹脂の量が、粒子質量の2〜80質量%である前記8に記載の炭素材料の製造方法。
[11]フェノール樹脂が、フェノール類とホルムアルデヒド類の反応時に乾性油またはその脂肪酸を添加して調製されたものである前記9に記載の炭素材料の製造方法。
[12]フェノール類とホルムアルデヒド類の反応時に気相法炭素繊維を存在させ、生成したフェノール樹脂により粒子表面に気相法炭素繊維を付着させる前記9に記載の炭素材料の製造方法。
[13]粒子に付着した気相法炭素繊維の量が、粒子質量の0.01〜20質量%である前記12に記載の炭素材料の製造方法。
[14]炭素以外の元素含有率の合計が800ppm以下の天然黒鉛粒子からなることを特徴とする炭素材料。
[15]粒子表面の少なくとも一部が樹脂を炭化・焼成してなる炭素質材料で被覆されている前記14に記載の炭素材料。
[16]樹脂がフェノール樹脂である前記15に記載の炭素材料。
[17]少なくとも一部の粒子の表面に炭素質材料を介して、内部に中空構造を有し外径2〜1000nm、アスペクト比10〜15000の気相法炭素繊維が付着している前記15に記載の炭素材料。
[18]気相法炭素繊維が、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d002)0.344nm以下の炭素からなる前記17に記載の炭素材料。
[19]ホウ素を1〜800ppm含有する前記14に記載の炭素材料。
[20]以下の(1)〜(3)の要件を満足する前記14乃至19のいずれかに記載の炭素材料:
(1)平均円形度が0.85〜0.99、
(2)比表面積が0.2〜5m2/g、
(3)平均粒子径が10〜40μm。
[21]前記1乃至13のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素材料。
[22]前記14乃至21のいずれかに記載の炭素材料とバインダーを含む電極ペースト。
[23]前記22に記載の電極ペーストの成形体からなる電極。
[24]前記23に記載の電極を構成要素として含む二次電池。
[25]非水電解液及び電解質を用い、前記非水電解液がエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン及びプロピレンカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記24に記載の二次電池。
[天然黒鉛]
本発明で使用できる天然黒鉛に特に制限はないが、(002)面における平均面間隔(d002)が0.340nm以下のものが好ましく、さらに好ましくは0.337nm以下のものである。
天然黒鉛は、各種の処理をする前に、必要に応じて所定の粒径に調整される。粒径の調整は、通常、粉砕及び分級により行なう。粒径調整(粉砕)後の粒子形状には限定はなく、例えば塊状、鱗片状、球状、繊維状等のいずれの形状を有するものでもよいが、電池電極用炭素材料としての好適形状である球状が好ましい。特にフロー式粒子像解析装置によって測定される平均円形度(算出方法は後述の実施例の項参照)が0.85〜0.99であることが好ましい。平均円形度が0.85より小さいと電極成形時の充填密度が上がらないため体積当たりの放電容量が低下する。平均円形度が0.99より大きい場合は、微粉部分は円形度が低いため微粉部分がほとんど含まれないことになり、電極成形時の放電容量が上がらない。また前記円形度の値は、0.90未満の粒子の含有率が2〜20個数%の範囲に制御されていることが好ましい。粉体の平均円形度は、例えば、メカノフュージョン(表面融合)処理のような粒子形状制御装置を使用して調整することができる。
天然黒鉛粒子は、レーザー回折法による平均粒子径が0.1〜100μmの範囲となるように調整する。好ましくは1〜80μmであり、より好ましくは5〜40μmであり、さらに好ましくは10〜30μmである。また、1μm以下及び/または80μm以上の粒子を実質的に含まない粒度分布がよい。これは粒度が大きいと充放電反応によって微粒子化が生じ、サイクル特性が低下するからである。また、粒度が小さいとリチウムイオンと電気化学的な反応に効率よく関与できない粒子となり、容量、サイクル特性が低下する。
粒度分布を調整するためには公知の粉砕方法、分級方法を利用することができる。粉砕装置としては、具体的にはハンマーミル、ジョークラッシャー、衝突式粉砕器等が挙げられる。また、分級方法としては、気流分級、篩による分級が可能である。気流分級装置としては例えばターボクラシファイヤー、ターボプレックス等が挙げられる。
[酸処理]
粒度を調節した天然黒鉛粒子をフッ化水素含有溶液に浸漬する。この浸漬処理により、シリカ、ケイ酸塩、アルミナ、酸化鉄などの不純物を黒鉛粒子内から溶解除去される。
本発明で用いるフッ化水素含有溶液は、80%HF濃度のもの、46%HF濃度のもの、水との共沸混合物である濃度35.37%の水溶液、他の酸との混合水溶液のいずれもが使用できる。フッ化水素酸の濃度も上記共沸混合物の濃度に限らず、それ以下の濃度、例えば10〜35%の範囲のものも利用できる。混合使用する他の酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸等の無機酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸及び蓚酸等の有機酸が挙げられる。処理時間や処理温度を種々設定すれば、フッ化水素酸の濃度や他の酸の濃度およびフッ化水素酸と他の酸の混合比などは広範囲に設定可能であり、処理条件は特に限定されることはないが、例えばHF濃度として18〜23%、硫酸、硝酸等の無機酸の濃度として20〜40%の混合水溶液が好ましい。このような水溶液を用いることによりフッ化水素酸(単独)と同様、あるいはそれ以上の有用性が認められる。これにより、フッ化水素酸の濃度を低く抑える効果がある。
処理時間は、天然黒鉛の粉砕の程度、処理液濃度と処理液の量的関係、温度などの各種処理条件によって変化するため一義的に定めることは難しいが、不純物の溶出は意外に早く、数分から数時間で十分な場合が多い。
[アルカリ処理]
本発明においては、上記酸処理に先立って天然黒鉛粒子をアルカリ水溶液で浸漬処理することが好ましい。アルカリ水溶液により浸漬処理することにより、黒鉛粒子内に存在し、酸に溶けにくいケイ酸をアルカリで先に溶出させた後、残存するケイ酸塩をフッ化水素含有水溶液による浸漬処理により溶出除去させることが可能となる。
アルカリ水溶液は公知のものが利用でき、特に制限はなく、濃度も特に制限は無いが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどケイ酸を良く溶かすものが好ましい。
処理時間は、上記酸処理と同様に、天然黒鉛の粉砕の程度、処理液濃度と処理液の量的関係、温度などの各種処理条件によって変化するため一義的に定めることは難しいが、通常は数分から数時間程度である。
[造粒]
フッ化水素含有溶液に浸漬処理した天然黒鉛粒子を必要に応じて造粒する。フッ化水素含有溶液やアルカリ水溶液の浸漬による天然黒鉛の不純物除去処理は、処理すべき天然黒鉛粒子が大きければ、処理液が粒子内部に浸透する時間が長くなり不純物溶出・除去に必要な時間も長くなる。したがって、小さな天然黒鉛粒子に対して浸漬処理をした後、電池電極用炭素材料としての所望の粒径となるように造粒することが、不純物の除去効率の点等から好ましい。
具体的には、浸漬処理用に天然黒鉛粒子をレーザー回折法による平均粒径が0.1〜50μm、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜8μmとなるように調整し、浸漬処理後に、平均粒径が0.5〜200μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜80μm、さらに好ましくは5〜40μm、特に好ましくは10〜30μmとなるように造粒する。
造粒後の粒子形状はそれが電池電極用炭素材料の形状になり得るので、フロー式粒子像解析装置によって測定される平均円形度を前記と同様に0.85〜0.99に調整することが好ましく、円形度0.90未満の粒子の含有率が2〜20個数%の範囲に制御されていることが好ましい。浸漬処理前の粒子形状は特に制限はなく、塊状、鱗片状、球状、繊維状等のいずれの形状を有するものでもよいが、球状や塊状が上記の平均円形度を有する粒子に造粒しやすい点で好ましい。
造粒は、バインダーによる結着力および/またはせん断による粒子界面同士のファンデルワールス力での結着により行われる。具体的にはレディゲミキサー、スパルタンリューザーなどを用いて、バインダーとしてフェノール樹脂を加えて造粒する方法や、メカノフュージョン、ハイブリタイザーなどを用いて結着させて造粒する方法などがある。
[表面処理]
本発明においては、熱処理前の粒子、すなわちフッ化水素含有溶液に浸漬処理した天然黒鉛粒子またはその粒子を造粒してなる粒子を、必要に応じて樹脂により処理する。ここで、樹脂による処理とは、粒子表面に樹脂を付着させる処理及び/または粒子内部に樹脂を浸透させる処理をいう。
黒鉛粒子を樹脂処理し、後の熱処理によりこの樹脂を炭化・焼成すれば、二次電池用電極として使用した場合、電解液の分解によると思われるクーロン効率(「1回目の放電容量/充電容量」)の低下、不可逆容量の増加、サイクル特性の低下が抑制することが可能となる。
用いる樹脂としては、炭化・焼成処理により緻密な炭素層とし得るものが好ましく、また黒鉛粒子及び/または後述する気相法炭素繊維に接着性を有するものが好ましい。接着性を有する樹脂とは、黒鉛粒子及び気相法炭素繊維を離れないように接触させた状態とするためにその両物体の間に介在することで共有結合、ファンデルワールス力、水素結合等の化学接着、アンカー効果などの物理的吸着を含めて両物体を一体化した状態にするものである。混合、撹拌、溶媒除去、熱処理等の処理において、実質的に剥離が起きない程度に圧縮、曲げ、剥離、衝撃、引っ張り、引き裂き等の力に対して抵抗力を示すものであれば使用できる。
このような樹脂としては、具体的には、例えばフェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられ、好ましくは、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂であり、特に好ましいのはフェノール樹脂である。
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類との反応により製造されるものであり、ノボラック型、レゾール型等の未変性フェノール樹脂や一部変性されたフェノール樹脂が使用できる。また、必要に応じてニトリルゴム等のゴムをフェノール樹脂に混合して使用できる。原料フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、C20以下のアルキル基を有するアルキルフェノール等が挙げられる。
フェノール樹脂の中でも、乾性油またはその脂肪酸を混合したいわゆる変性フェノール樹脂が好ましい。乾性油またはその脂肪酸を混合することにより、熱処理後により緻密な炭素質が形成される。これは、フェノール樹脂と乾性油中の不飽和脂結合の部分が化学反応を起こして、いわゆる乾性油変性フェノール樹脂となり、これが熱処理(または焼成)過程において分解を和らげ、発泡を防ぎことによるものと推測される。また、乾性油は単に二重結合があると言うだけではなく、かなり長いアルキル基とエステル結合を有しており、これらも焼成過程におけるガスの抜け易さ等の面で関与していることが考えられる。
乾性油またはその脂肪酸を混合したフェノール樹脂としては、先にフェノール類と乾性油とを強酸触媒存在下に付加反応させ、その後に塩基性触媒を加えて系を塩基性とし、ホルマリンを付加反応させたもの、またはフェノール類とホルマリンを反応させ、その後に乾性油またはその脂肪酸を加えたものでよい。
乾性油は薄膜にして空気中に放置すると比較的短時間に固化乾燥する性質を有する植物油であり、通常知られている桐油、アマニ油、脱水ヒマシ油、大豆油、カシューナッツ油等であり、これらはその脂肪酸でもよい。
フェノール樹脂に対する乾性油またはその脂肪酸の割合は、例えば、フェノールとホルマリンのと縮合物100質量部に対し、乾性油またはその脂肪酸5〜50質量部が適する。50質量部より多くなると、核となる黒鉛粒子及び気相法炭素繊維に対する接着性が下がる。
粒子表面の少なくとも一部を樹脂で被覆する方法としては、例えば、樹脂を黒鉛粒子に付着及び/または浸透させる方法があり、樹脂自体を溶解した溶液に黒鉛粒子を混合する方法や、樹脂原料としてのモノマー成分、触媒、添加剤等を溶解した溶液に黒鉛粒子を混合した後、重合させる方法等を挙げることができる。
樹脂自体を溶解した溶液に黒鉛粒子を混合する方法においては、樹脂の溶液として、樹脂を水、アセトン、エタノール、トルエン等で希釈して粘度を調整したものを用い、その溶液と黒鉛粒子を混合撹拌する。混合する際の雰囲気としては、大気圧下、加圧下、減圧下のいずれであっても良いが、黒鉛粒子と樹脂溶液の親和性が向上することから減圧下が好ましい。
樹脂原料としてのモノマー成分、触媒、添加剤等を溶解した溶液に黒鉛粒子を混合した後、重合させる方法において用いる溶媒としては、重合体原料が溶解及び/または分散する溶媒であれば特に限定されないが、水、アセトン、エタノール、アセトニトリル、酢酸エチル等が挙げられる。
撹拌後は、ろ過、洗浄し、溶剤を熱風乾燥、真空乾燥等公知の方法により乾燥除去する。乾燥温度は使用した溶媒の沸点、蒸気圧等によるが、具体的には50℃以上、好ましくは100℃以上1000℃以下、さらに好ましくは150℃以上500℃以下である。
黒鉛粒子の内部の空隙部分に樹脂原料またはその溶液を十分に浸透させるために、撹拌前や撹拌中に1回から十数回の真空引きを行うことが好ましい。真空引きをすることにより、黒鉛粒子の微細空隙に留まっている空気を抜くことができる。ただし、真空引きにより樹脂原料が揮発することがあるので、黒鉛粒子と溶媒を混合してから真空引きを行い、常圧に戻した後、樹脂原料を加えて混合することもできる。真空の程度は低いほど良いが、約13kPa〜0.13kPa(約100torr〜1torr)が好ましい。
付着及び/または浸透時の雰囲気としては、大気圧下、加圧下、減圧下のいずれであっても良いが、黒鉛粒子と樹脂原料の親和性が向上することから減圧下で付着させる方法が好ましい。
モノマー成分の使用量は、黒鉛粒子100質量部に対して4〜500質量部が好ましく、さらに好ましくは100〜500質量部である。使用量が少なすぎると十分な性能が得られず、多すぎると粒子同士が凝集してしまい好ましくない。
上記処理後の重合の条件は、重合反応が進行するものであれば特に限定されないが、通常、加熱により行う。加熱温度は用いる重合体原料によって異なり、一概に規定できないが、例えば100〜500℃の範囲で行うことができる。
次に、フェノール樹脂原料を用いて、黒鉛粒子に付着及び/または浸透させる方法について具体的に説明する。
まず、反応容器にフェノール類、ホルムアルデヒド類及び反応触媒と黒鉛粒子を加えて撹拌する。このとき、溶媒として少なくとも撹拌可能な量の水を存在させることが好ましい。フェノール類とホルムアルデヒド類の配合比率はモル比でフェノール類1に対してホルムアルデヒド類1〜3.5の範囲内に設定することが好ましい。さらに黒鉛粒子はフェノール類100質量部に対して5〜3000質量部の範囲内に設定することが好ましい。
撹拌前及び/または撹拌中に、前述したように1回から十数回の真空引きを行うことができる。ただし、真空にするとフェノール類、ホルムアルデヒド類が多く揮発するので、炭素質粒子を水と混合してから真空引きを行い、常圧に戻した後フェノール類とホルムアルデヒド類を加えて混合することもできる。
上記撹拌処理により、樹脂原料を黒鉛粒子に十分付着、浸透させた後、重合させる。重合は、一般的なフェノール樹脂の生成条件と同等の条件、例えば100〜500℃に加熱処理することにより行うことができる。
フェノール類、ホルムアルデヒド類、触媒類、黒鉛粒子、水の混合を実施すると、反応系は反応当初マヨネーズ程度の粘度を有しているが、次第に黒鉛粒子を含んだフェノール類とホルムアルデヒド類との縮合反応物が反応系中の水と分離し始める。所望するまで反応が進んだ後、撹拌を停止させ、冷却すると黒色粒子が沈殿物として生成する。これを洗浄、ろ過し、溶剤を熱風乾燥、真空乾燥等公知の方法により十分に乾燥した後、使用することができる。
樹脂類の析出量は、反応系のフェノール類、ホルムアルデヒド類の濃度を高めることで多くすることができ、低めることで少なくすることができる。従って、その制御は水の量を加減すること、またフェノール類、ホルムアルデヒド類を加減することにより行うことができる。これらは反応前に調整しておくこともできるし、反応中に系内に滴下することにより調整することもできる。
[気相法炭素繊維]
本発明において黒鉛粒子に付着させて使用する気相法炭素繊維は導電性に優れている必要があるので、結晶化度の高いものが望ましい。また、炭素材料を電極化し、リチウムイオン二次電池に組み込んだ場合、負極全体に素早く電流を流すことが必要であるので、気相法炭素繊維繊維の結晶成長方向は繊維軸に平行であり、繊維が枝分かれ(分岐状)をしていることが好ましい。また、分岐状繊維であれば炭素粒子間が繊維によって電気的に接合し易くなり、導電性が向上する。
気相法炭素繊維は、例えば、高温雰囲気下に、触媒となる鉄と共にガス化された有機化合物を吹き込むことにより製造することができる。
気相法炭素繊維は、製造した状態のままのもの、例えば800〜1500℃で熱処理したもの、例えば2000〜3000℃で黒鉛化処理したもののいずれも使用可能であるが、1500℃程度で熱処理されたものがより好適である。
また、気相法炭素繊維の好ましい形態として、分岐状繊維があるが、分岐部分はその部分を含めて繊維全体が互いに連通した中空構造を有している箇所があってもよい。そのため繊維の円筒部分を構成している炭素層が連続している。中空構造とは炭素層が円筒状に巻いている構造であって、完全な円筒でないもの、部分的な切断箇所を有するもの、積層した2層の炭素層が1層に結合したものなどを含む。また、円筒の断面は完全な円に限らず楕円や多角化のものを含む。なお、炭素層の結晶性について炭素層の面間隔d002は限定されない。因みに、好ましいものはX線回折法による平均面間隔d002が0.344nm以下、好ましくは、0.339nm以下、より好ましくは0.338nm以下であって、結晶のC軸方向の厚さLcが40nm以下のものである。
気相成長炭素繊維は、繊維外径2〜1000nm、アスペクト比10〜15000の炭素繊維であって、好ましくは繊維外径10〜500nm、繊維長1〜100μm(アスペクト比2〜2000)、あるいは繊維外径2〜50nmであって繊維長0.5〜50μm(アスペクト比10〜25000)のものである。
気相法炭素繊維は、その製造後、2000℃以上の熱処理を行うことでさらに結晶化度を上げ、導電性を増すことができる。また、この場合においても、黒鉛化度を促進させる働きのあるホウ素などを熱処理前に添加しておくことが有効である。
気相法炭素繊維の含有量は、電極用炭素材料の0.01〜20質量%の範囲がよく、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。含有量が20質量%を超えると電気容量が小さくなり、0.01質量%未満では低温(例えば、−35℃)における内部抵抗の値が大きくなってしまう。
気相法炭素繊維は、繊維表面の凹凸、乱れがあるものが多いが、核となる炭素質粒子との密着性が向上し、充放電を繰り返しても負極活物質と導電性補助剤としての役割も兼ねている気相法炭素繊維が解離せず密着している状態を保つことができ、電子伝導性が保持できサイクル特性が向上する。
また、気相法炭素繊維が分岐状繊維を多く含む場合は、効率よくネットワークを形成することができ、高い電子伝導性や熱伝導性を得やすい。また、活物質を包むように分散することができ、負極の強度を高め、粒子間の接触も良好に保てる。
また、粒子間に気相法炭素繊維が入ることで、電解液の保液性が大きくなり、低温環境時でもスムーズにリチウムイオンのドープ・脱ドープが行われる。
気相法炭素繊維の黒鉛粒子への付着は、黒鉛粒子に付着・浸透させる樹脂を介して行なうことができる。
具体的には、樹脂自体を溶解した溶液に気相法炭素繊維と黒鉛粒子を混合・撹拌する方法や、樹脂原料としてのモノマー成分、触媒、添加剤等を溶解した溶液に気相法炭素繊維と黒鉛粒子を混合・撹拌した後、重合させる方法等により行なうことができる。
使用する溶媒としては、樹脂及び気相法炭素繊維、あるいは樹脂原料及び気相法炭素繊維との親和性が良好なものであれば使用でき、例えば水、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素、エステル類等が挙げられる。好ましくは水、メタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等がよい。
撹拌方法は特に限定されないが、例えば、リボンミキサー、スクリュー型ニーダー、スパルタンリューザー、レディゲミキサー、プラネタリーミキサー、万能ミキサー等の装置を使用することができる。
その他、気相法炭素繊維を使用すること以外は、前記した樹脂の付着・浸透処理と同様に行なうことができる。
[熱処理]
本発明では、上記酸処理した黒鉛粒子、それを造粒した粒子、またはそれらの粒子を樹脂で処理し必要に応じて気相法炭素繊維を表面に付着させた粒子を2400〜3300℃の熱処理に付す。熱処理することにより表面に存在する樹脂等が黒鉛化され、全体として放電容量が増えるとともに、活性点の減少による初期効率の向上が期待できる。また、黒鉛粒子を樹脂で処理した場合には、粒子に付着等した樹脂はこの熱処理により炭化・焼成された炭素質材料となる。
不純物を除去し、かつ炭素の結晶性を向上させるには、熱処理温度は2500℃以上が好ましく、さらに好ましくは2700℃以上である。
熱処理前にホウ素またはホウ素化合物を添加することもできる。ホウ素またはホウ素化合物を添加することにより、熱処理による結晶化を促進させることが可能である。ホウ素化合物としては、例えば、炭化ホウ素(B4C)、酸化ホウ素(B23)、元素状ホウ素、ホウ酸(H3BO3)、ホウ酸塩等が挙げられる。ホウ素は、炭素材料に対して例えば、50〜2000ppmの範囲で添加させ、粒子に1〜800ppm、好ましくは1〜600ppm含有させることがよい。
熱処理のための昇温速度については、公知の装置における最速昇温速度及び最低昇温速度の範囲内では特に性能に大きく影響しない。しかし、粉体であるため、成形材等のようにひび割れの問題などが殆どないので、コスト的な観点からも昇温速度は早いほうがよい。常温から最高到達温度までの到達時間は、好ましくは12時間以下、さらに好ましくは6時間以下、特に好ましくは2時間以下である。
熱処理装置は、アチソン炉、直接通電加熱炉など公知の装置が利用できる。また、これらの装置はコスト的にも有利である。しかし、窒素ガスの存在が粉体の抵抗を低下させたり、酸素による酸化によって炭素質材料の強度が低下することがあるため、好ましくは炉内雰囲気をアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスに保持できるような構造の、例えば容器自体を真空引き後ガス置換可能なバッチ炉や、管状炉で炉内雰囲気をコントロール可能なバッチ炉あるいは連続炉などが好ましい。
[電池電極用炭素材料]
以上の方法により製造される本発明の電池電極用炭素材料は、炭素以外の元素含有率の合計が800ppm以下にまで低減された、不純物の少ない炭素材料である。製造条件を調整することにより、炭素以外の元素含有率の合計を700ppm以下、さらには350ppm以下とすることもできる。
本発明の電池電極用炭素材料を構成する粒子は、フロー式粒子像解析装置によって測定される平均円形度が0.85〜0.99であることが好ましい。平均円形度が0.85より小さいと電極成形時の充填密度が上がらないため体積当たりの放電容量が低下する。また、平均円形度が0.99より大きい場合は、微粉部分は円形度が低いため微粉部分がほとんど含まれないことになり、電極成形時の放電容量が上がらない。更に該円形度の値が0.90未満の粒子の含有率が2〜20個数%の範囲に制御されていることが好ましい。
本発明の電池電極用炭素材料を構成する粒子の粒度は、レーザー回折法による平均粒子径が1〜80μm程度であることが好ましい。より好ましくは10〜40μmであり、さらに好ましくは10〜30μmである。
平均粒径が1μmより小さいとアスペクト比が大きくなりやすく、比表面積が大きくなりやすい。また、例えば、電池の電極を作製する場合、一般に負極材料をバインダーによりペーストとし、それを塗布する方法が採られている。負極材料の平均粒径が1μm未満の場合だと、1μmより小さい微粉がかなり含まれていることになり、ペーストの粘度が上がり塗布性も悪くなる。
さらに、平均粒径80μm以上のような大きな粒子が混入していると電極表面に凹凸が多くなり、電池に使用されるセパレータを傷つける原因ともなる。例えば、1μm以下の粒子及び80μm以上の粒子を実質的に含まないものが好適に使用できる。
本発明の電池電極用炭素材料を構成する粒子の比表面積は、小さい方がよく、BET比表面積で0.2〜5m2/gが好ましい。さらに好ましくは0.2〜3m2/gである。この値を超えると粒子の表面活性が高くなり、電解液の分解等によって、クーロン効率が低下する。
[二次電池の作製]
本発明の電池電極用炭素材料は、例えば、リチウムイオン二次電池の負極材として好適に使用できる。本発明の電池電極用炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池は、公知の方法により製造することができる。
電極は、通常のように結合材(バインダー)を溶媒で希釈して負極材料と混練し、集電体(基材)に塗布することで作製できる。
バインダーについては、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマーや、SBR(スチレンブタジエンラバー)等のゴム系等公知のものが使用できる。溶媒には、各々のバインダーに適した公知のもの、例えばフッ素系ポリマーの場合はトルエン、N−メチルピロリドン等、SBRの場合は水等、公知のものが使用できる。
バインダーの使用量は、負極材料を100質量部とした場合、1〜30質量部が適当であるが、特に3〜20質量部程度が好ましい。
負極材料とバインダーとの混錬には、リボンミキサー、スクリュー型ニーダー、スパルタンリューザー、レディゲミキサー、プラネタリーミキサー、万能ミキサー等公知の装置が使用できる。
混錬後の集電体への塗布は、公知の方法により実施できるが、例えばドクターブレードやバーコーターなどで塗布後、ロールプレス等で成形する方法等が挙げられる。
集電体としては、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケル及びそれらの合金など公知の材料が使用できる。
セパレーターは公知のものが使用できるが、特にポリエチレンやポリプロピレン性の不織布が好ましい。
本発明におけるリチウム二次電池における電解液及び電解質は公知の有機電解液、無機固体電解質、高分子固体電解質が使用できる。好ましくは、電気伝導性の観点から有機電解液が好ましい。
有機電解液としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等のエーテル;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のジアルキルケトン;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート;γ−ブチロラクトン;N−メチルピロリドン;アセトニトリル、ニトロメタン等の有機溶媒の溶液が好ましい。さらに、好ましくはエチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、特に好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系非水溶媒を用いることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒の溶質(電解質)には、リチウム塩が使用される。一般的に知られているリチウム塩にはLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiN(CF3SO22等がある。
高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、ポリプロピレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、リン酸エステル重合体、ポリカーボネート誘導体及び該誘導体を含む重合体等が挙げられる。
本発明における負極材料を使用したリチウム二次電池において、用いられる正極材料はリチウム含有遷移金属酸化物である。好ましくは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至2.2の化合物である。より好ましくは、V、Cr、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至2.2の化合物である。なお、主として存在する遷移金属に対し30モルパーセント未満の範囲でAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを含有していても良い。上記の正極活物質の中で、一般式LixMO2(MはCo、Ni、Fe、Mnの少なくとも1種、x=0〜1.2。)、またはLiy24(Nは少なくともMnを含む。y=0〜2。)で表されるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を用いることが好ましい。
さらに、正極活物質はLiya1-a2(MはCo、Ni、Fe、Mnの少なくとも1種、DはCo、Ni、Fe、Mn、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、B、Pの中のM以外の少なくとも1種、y=0〜1.2、a=0.5〜1。)を含む材料、またはLiz(Nb1-b24(NはMn、EはCo、Ni、Fe、Mn、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、B、Pの少なくとも1種、b=1〜0.2、z=0〜2。)で表されるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を用いることが特に好ましい。
具体的には、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoaNi1-a2、LixCob1-bz、LixCobFe1-b2、LixMn24、LixMncCo2-c4、LixMncNi2-c4、LixMnc2-c4、LixMncFe2-c4(ここでx=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3。)が挙げられる。最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物としては、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoaNi1-a2、LixMn24、LixCob1-bz(x=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.01〜2.3。)が挙げられる。なお、xの値は充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましい。0.5〜30μmの粒子の体積が95%以上であることが好ましい。粒径3μm以下の粒子群の占める体積が全体積の18%以下であり、かつ15μm以上25μm以下の粒子群の占める体積が、全体積の18%以下であることが更に好ましい。比表面積は特に限定されないが、BET法で0.01〜50m2/gが好ましく、特に0.2m2/g〜1m2/gが好ましい。また正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。
上記以外の電池構成上必要な部材の選択についてはなんら制約を受けるものではない。
本発明の電池電極用炭素材料は、天然黒鉛中の不純物を十分に除去してなり、リチウムイオン二次電池用負極材料として放電容量が大きく、クーロン効率に優れたものとなる。また、本発明の炭素材料の製造方法は、入手性に優れた廉価な天然黒鉛を原材料として使用し、操作も比較的簡便であり、経済性、量産性に優れた方法といえる。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
下記例で用いた物性等は以下の方法により測定した。
平均円形度:
炭素材料の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス社製)を用いて以下のように測定した。
測定用試料は106μmのフィルターを通して微細なゴミを取り除いて精製した。その試料0.1gを20mlのイオン交換水中に添加し、陰・非イオン界面活性剤0.1〜0.5質量%加えることによって均一に分散させ、測定用試料分散液を調製した。分散は、超音波洗浄機UT−105S(シャープマニファクチャリングシステム社製)を用い、5分間処理することにより行った。
測定原理等の概略は、「粉体と工業」,VOL.32,No.2,2000、特開平8−136439号公報などに記載されているが、具体的には以下の通りである。
測定試料の分散液がフラットで透明なフローセル(厚み約200μm)の流路を通過したときにストロボ光が1/30秒間隔で照射され、CCDカメラで撮像される。その静止画像を一定枚数撮像し画像解析し、下記式によって算出した。
円形度=(円相当径から求めた円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
円相当径とは実際に撮像された粒子の周囲長さと同じ投影面積を持つ真円の直径であり、この円相当径から求めた円の周囲長を実際に撮像された粒子の周囲長で割った値である。例えば真円で1、形状が複雑になるほど小さい値となる。平均円形度は、測定された粒子個々に円形度の平均値である。
平均粒子径:
レーザー回析散乱式粒度分布測定装置マイクロトラックHRA(日機装(株)製)を用いて測定した。
比表面積:
比表面積測定装置NOVA−1200(ユアサアイオニクス(株)製)を用いて、一般的な比表面積の測定方法であるBET法により測定した。
0:X線回折法によって求めた。
不純物量:蛍光X線分析法によって測定した。
電池評価方法:
(1)ペースト作成
負極材料1質量部に呉羽化学製KFポリマーL1320(ポリビニリデンフルオライド(PVDF)を12質量%含有したN−メチルピロリドン(NMP)溶液品)0.1質量部を加え、プラネタリーミキサーにて混練し主剤原液とした。
(2)電極作製
主剤原液にNMPを加え、粘度を調整した後、高純度銅箔上でドクターブレードを用いて250μm厚に塗布した。これを120℃、1時間真空乾燥し、18mmφに打ち抜いた。さらに、打ち抜いた電極を超鋼製プレス板で挟み、プレス圧が電極に対して約1×102〜3×102N/mm2(1×103〜3×103kg/cm2)となるようにプレスした。その後、真空乾燥器で120℃、12時間乾燥後し、評価用電極とした。
(3)電池作成
下記のようにして三極セルを作製した。なお以下の操作は露点−80℃以下の乾燥アルゴン雰囲気下で実施した。
ポリプロピレン製のねじ込み式フタ付きのセル(内径約18mm)内において、上記(2)で作製した銅箔付き炭素電極(正極)と金属リチウム箔(負極)をセパレーター(ポリプロピレン製マイクロポ−ラスフィルム(セルガ−ド2400))で挟み込んで積層した。さらにリファレンス用の金属リチウムを同様に積層した。これに電解液を加えて試験用セルとした。
(4)電解液
(i)EC系:EC(エチレンカーボネート)8質量部及びDEC(ジエチルカーボネート)12質量部の混合品で、電解質としてLiPF6を1モル/リットル溶解した。
(5)充放電サイクル試験
電流密度0.2mA/cm2(0.1C相当)で定電流低電圧充放電試験を行った。
充電(炭素へのリチウムの挿入)はレストポテンシャルから0.002Vまで0.2mA/cm2でCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行った。次に0.002VでCV(コンスタントボルト:定電圧)充電に切り替え、電流値が25.4μAに低下した時点で停止させた。
放電(炭素からの放出)は0.2mA/cm2(0.1C相当)でCC放電を行い、電圧1.5Vでカットオフした。
実施例1:酸処理
中国製天然黒鉛(灰分量16.5質量%,成分詳細は表1参照)をハンマーミル(ホソカワミクロン製バンタムミル)で粉砕し、気流分級機(日清エンジニアリング製ターボクラシファイアー)にて平均粒径5μmに調整し、天然黒鉛微粉を製造した。
46%フッ化水素酸50質量部と蒸留水50質量部を混合した酸性水溶液(酸A)と、試薬1級97%硫酸50質量部と蒸留水50質量部を混合した酸性水溶液(酸B)を調製し、さらに、酸Aの50質量部と酸Bの50質量部を混合した酸性水溶液(酸C)を調製した。
天然黒鉛微粉100質量部に酸C300質量部を加え、25℃で6時間撹拌混合した。その後、ろ過して水洗し、120℃で5時間乾燥した。
これを、ホソカワミクロン製メカノフュージョンにて球状化処理を実施し、平均粒径20μmとした後、黒鉛るつぼに詰め、アルゴン雰囲気中で2800℃まで加熱し、得られた微粉を負極材料とした。
Figure 2005097010
実施例2:アルカリ処理+酸処理
実施例1で調製した天然黒鉛微粉100質量部に1モル/リットルの濃度の水酸化ナトリウム水溶液300質量部を加え25℃で6時間撹拌混合した。これをろ過、水洗し、その全量に酸C300質量部を加え25℃で6時間撹拌混合した。その後、ろ過して水洗し、120℃で5時間乾燥した。
これを、ホソカワミクロン製メカノフュージョンにて球状化処理を実施し、平均粒径20μmとした後、黒鉛るつぼに詰め、アルゴン雰囲気中で2800℃まで加熱し、得られた微粉を負極材料とした。
実施例3:アルカリ処理+酸処理+樹脂処理
実施例1で調製した天然黒鉛微粉100質量部と1モル/リットルの濃度の水酸化ナトリウム水溶液300質量部を加え25℃で6時間撹拌混合した。これをろ過、水洗し、その全量に酸C300質量部を加え25℃で6時間撹拌混合した。その後、ろ過して水洗し、120℃で5時間乾燥した。
これを、ホソカワミクロン製メカノフュージョンにて球状化処理を実施し、平均粒径20μmとした。この粉体を500質量部、フェノールを398質量部、37%ホルマリンを466質量部、反応触媒としてヘキサメチレンテトラミンを38質量部、さらに水を385質量部それぞれ投入した。これを60rpmで20分撹拌した。次に撹拌しつつ容器を0.4kPa(3Torr)まで真空引きして5分間保持し、大気圧まで戻す操作を3回繰り返し、造粒物内部まで液を含浸させた。さらに撹拌を続けつつ150℃に加熱して保持した。内容物は最初マヨネーズ状の流動性を有していたが、次第に、黒鉛を含むフェノールとホルムアルデヒドとの反応物と水を主体とする層が分離しはじめ、約15分後に黒鉛とフェノール樹脂とからなる黒色の粒状物が反応容器内に分散した状態となった。この後、さらに60分間150℃で撹拌した後反応容器の内容物を30℃まで冷却し、撹拌を停止した。容器の内容物を濾過して得た黒色粒状物を水洗後、更にろ過して流動層式の乾燥機を用いて、熱風温度55℃で5時間乾燥することで、黒鉛・フェノール樹脂粒状物を得た。
次にこの黒鉛フェノール樹脂粒状物を、ヘンシェルミキサーにて1800rpmで5分間解砕した。これを加熱炉に入れ、炉内部を真空置換してアルゴン雰囲気下とした後、アルゴンガスを流しつつ昇温した。2800℃で10分間保持してその後冷却した。室温まで冷却後、得られた熱処理品を目開き63μmの篩により篩分けし、篩下の微粉を負極材料とした。
比較例1:硫酸処理
実施例1で調製した天然黒鉛微粉100質量部と酸B300質量部を25℃で6時間撹拌混合した。その後ろ過して水洗し、120℃で5時間乾燥した。
これを、ホソカワミクロン製メカノフュージョンにて球状化処理を実施し、平均粒径20μmとした後、黒鉛るつぼに詰め、アルゴン雰囲気中で2800℃まで加熱し、得られた微粉を負極材料とした。
比較例2:硫酸処理+樹脂処理
実施例1で調製した天然黒鉛微粉100質量部と酸B300質量部を25℃で6時間撹拌混合した。その後ろ過して水洗し、120℃で5時間乾燥した。
これを、ホソカワミクロン製メカノフュージョンにて球状化処理を実施し、平均粒径20μmとした後、実施例3と同様のコート処理を行った。これを黒鉛るつぼに詰め、アルゴン雰囲気中で2800℃まで加熱し、得られた微粉を負極材料とした。
比較例3:硫酸処理+樹脂処理(熱処理温度1000℃)
比較例2において2800℃で加熱する代わりに1000℃で加熱し、それ以外は比較例2と同様に操作し微粉を得、負極材料とした。
比較例4:樹脂処理(酸処理なし)
実施例1で調製した天然黒鉛微粉を、ホソカワミクロン製メカノフュージョンにて球状化処理を実施し、平均粒径20μmとした後、黒鉛るつぼに詰め、アルゴン雰囲気中で2800℃まで加熱し、得られた微粉を負極材料とした。
実施例1〜3及び比較例1〜4で製造した負極材料(微粉)について、充放電サイクル試験1サイクル目の容量・クーロン効率、50サイクル目の容量を調べた。結果を表2に示す。
Figure 2005097010

Claims (25)

  1. 平均粒径が0.1〜100μmの天然黒鉛粒子を、フッ化水素含有溶液で浸漬処理する工程及び前記浸漬処理した天然黒鉛粒子を2400℃以上3300℃未満の温度で熱処理する工程を含み、炭素以外の元素含有率の合計を800ppm以下とすることを特徴とする炭素材料の製造方法。
  2. フッ化水素含有溶液で浸漬処理する工程の前に、アルカリ水溶液で浸漬処理する工程を設ける請求項1に記載の炭素材料の製造方法。
  3. 熱処理工程の前に、フッ化水素含有溶液で浸漬処理した天然黒鉛粒子をバインダーによる結着力および/またはせん断による粒子界面同士のファンデルワールス力により造粒する工程を設ける請求項1または2に記載の炭素材料の製造方法。
  4. 造粒工程が、フッ化水素含有溶液で浸漬処理した0.1〜50μmの平均粒径を有する天然黒鉛粒子を平均円形度0.85〜0.99、平均粒径0.5〜200μmとなるように造粒を行う工程である請求項3に記載の炭素材料の製造方法。
  5. 熱処理工程の前に、粒子表面の少なくとも一部を樹脂で被覆する工程を設ける請求項1乃至4のいずれかに記載の炭素材料の製造方法。
  6. フッ化水素含有溶液のフッ化水素濃度(HF濃度)が10〜80%である請求項1に記載の炭素材料の製造方法。
  7. フッ化水素含有溶液が、硝酸、硫酸、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸及び蓚酸から選ばれる少なくとも1種が混合された水溶液である請求項6に記載の炭素材料の製造方法。
  8. 粒子表面の少なくとも一部を被覆する樹脂が、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む重合体である請求項5に記載の炭素材料の製造方法。
  9. 粒子表面の少なくとも一部を被覆する樹脂が、フェノール樹脂である請求項5に記載の炭素材料の製造方法。
  10. 粒子表面の少なくとも一部を被覆する樹脂の量が、粒子質量の2〜80質量%である請求項8に記載の炭素材料の製造方法。
  11. フェノール樹脂が、フェノール類とホルムアルデヒド類の反応時に乾性油またはその脂肪酸を添加して調製されたものである請求項9に記載の炭素材料の製造方法。
  12. フェノール類とホルムアルデヒド類の反応時に気相法炭素繊維を存在させ、生成したフェノール樹脂により粒子表面に気相法炭素繊維を付着させる請求項9に記載の炭素材料の製造方法。
  13. 粒子に付着した気相法炭素繊維の量が、粒子質量の0.01〜20質量%である請求項12に記載の炭素材料の製造方法。
  14. 炭素以外の元素含有率の合計が800ppm以下の天然黒鉛粒子からなることを特徴とする炭素材料。
  15. 粒子表面の少なくとも一部が樹脂を炭化・焼成してなる炭素質材料で被覆されている請求項14に記載の炭素材料。
  16. 樹脂がフェノール樹脂である請求項15に記載の炭素材料。
  17. 少なくとも一部の粒子の表面に炭素質材料を介して、内部に中空構造を有し外径2〜1000nm、アスペクト比10〜15000の気相法炭素繊維が付着している請求項15に記載の炭素材料。
  18. 気相法炭素繊維が、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d002)0.344nm以下の炭素からなる請求項17に記載の炭素材料。
  19. ホウ素を1〜800ppm含有する請求項14に記載の炭素材料。
  20. 以下の(1)〜(3)の要件を満足する請求項14乃至19のいずれかに記載の炭素材料:
    (1)平均円形度が0.85〜0.99、
    (2)比表面積が0.2〜5m2/g、
    (3)平均粒子径が10〜40μm。
  21. 請求項1乃至13のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素材料。
  22. 請求項14乃至21のいずれかに記載の炭素材料とバインダーを含む電極ペースト。
  23. 請求項22に記載の電極ペーストの成形体からなる電極。
  24. 請求項23に記載の電極を構成要素として含む二次電池。
  25. 非水電解液及び電解質を用い、前記非水電解液がエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン及びプロピレンカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項24に記載の二次電池。
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