JP2005095381A - 自着性包帯 - Google Patents

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Abstract

【課題】自着性、耐光性、保存安定性に優れ、変色などの問題を引き起こすことがなく、皮膚面への自着剤の残留もない自着性包帯を提供すること。
【解決手段】包帯基材の少なくとも片面に自着剤を付着させた自着性包帯であり、自着剤が、周波数1Hz、ひずみ10%の条件で動的粘弾性を測定したとき、20℃での貯蔵弾性率G’の対数値logG’が5.5〜6.2dyne/cmの範囲内で、かつ、損失弾性率/貯蔵弾性率で算出されるtanδが0.25以上のアクリル系重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、自着性包帯に関し、さらに詳しくは、自着剤としてアクリル系重合体を用いてなる自着性、耐光性、保存安定性に優れ、皮膚へのアレルギーが起こり難く、皮膚への自着剤の残留もない自着性包帯に関する。本発明の自着性包帯は、医療のための固定、締め付け、サポーター、補助用包帯などの用途に好適に用いられる。
自着性包帯は、それ自体とは接着するが、皮膚、体毛、衣服などとは接着しないという特性を有する包帯である。したがって、自着性包帯は、巻き付けて包帯が重なった部分だけが互に接着し、皮膚や体毛、衣服などには接着しない。しかも、自着性包帯は、多くの労力をかけることなく、接着部分を剥離することができる。そのため、自着性包帯は、医療分野において、例えば、外傷用医療材料の保持、パッド、カニューレ、チューブ、カテーテルなどの医療用具の固定、外傷の保護、軽い圧迫の付与、サポートなどに用いられている。
自着性包帯は、一般に、織布などの包帯基材の片面または両面に、自着剤を付着させた構造を有している。自着剤とは、それ自体または包帯基材とは結合するが、強い外力を加えることなく結合を解き放つことができるという特性を有する粘着剤である。
従来、自着性包帯の自着剤としては、主として天然ゴムが用いられている。例えば、伸縮性織布基材に天然ゴムラテックスを付着させ、乾燥後、該伸縮性織布基材を収縮させる自着性包帯の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照。)。また、不織布に天然ゴムラテックスと合成ゴムラテックスとの混合液を施してなる自着性を有する不織布が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、天然ゴムを主成分とする自着剤を付着させた自着性包帯は、初期の自着力に優れ、低コストであるという特徴を有しているものの、(1)空気中の酸素による酸化劣化が起こり易く、保存安定性が悪いこと、(2)耐光性が悪く、日光に曝露されると変色し、さらには、自着性が消失し易くなることなどの問題があった。
従来、タンパク質分解酵素を用いてタンパク質を除去した天然ゴムラテックスを自着剤の主成分として用いた自着性包帯が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。除タンパクした天然ゴムラテックスは、天然ゴムラテックスの使用に伴う若干の問題点を改善することができるものの、天然ゴムに固有の特性が変性を受けて自着性や弾性が低下するため、他のポリマー成分を加えて特性低下を補う必要がある。しかし、固有の特性が変性を受けた天然ゴムを用いて、自着性などの特性のバランスをとることは困難である。しかも、除タンパクした天然ゴムラテックスを主成分とする自着剤は、天然ゴム分子中の炭素−炭素二重結合により、耐光性及び耐候性が悪く、日光に曝露されると変色や自着力低下が起こり易い。
他方、弾性糸を芯にし、非弾性繊維を鞘に配したコアヤーンを用いた石目組織の織物の少なくとも片面にポリウレタン樹脂を付与してなるストレッチ包帯(例えば、特許文献5参照。)、有機質繊維からなる織布または不織布の片面または両面にシリコーンゴムを付着させてなる粘着性伸縮包帯(例えば、特許文献6参照。)が提案されている。
自着剤としてポリウレタン樹脂やシリコーンゴムを用いた自着性包帯は、アレルギーを引き起こしにくいものの、自着性が不十分であり、保存安定性も十分ではない。包帯基材にポリウレタン樹脂やシリコーンゴムを含浸法により付着させると、通気性や伸縮性などの基材の特性が損なわれ易く、その一方、スプレー塗布法により付着させると、自着性がさらに不十分となり易い。
織布または不織布からなる織物構造体の片面または両面に、アクリル樹脂の水性分散物をエアゾル法またはエアレス法の噴霧により塗布してなる自着性包帯が提案されている(例えば、特許文献7参照。)。アクリル樹脂としては、アクリル酸ブチルエステル及びアクリル酸プロピルエステルが用いられている。アクリル樹脂の水性分散物には、湿潤剤及び泡安定剤も添加されている。
しかし、上記アクリル樹脂を付着させた自着性包帯は、耐光性に優れ、変色を起こし難いものの、天然ゴムを付着させた自着性包帯に比べて自着力が極めて低く、固定性に劣るという問題があった。
特開昭63−260553号公報 特許第2589307号公報 特公昭48−309号公報 特表2003−514105号公報 実公平7−6891号公報 特開平1−190358号公報 特公平3−76145号公報
本発明の目的は、自着性、耐光性、保存安定性に優れ、変色などの問題を引き起こすことがなく、皮膚面への自着剤の残留もない自着性包帯を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、特定の動的粘弾性特性を有するアクリル系重合体を自着剤として使用することにより、前記目的を達成できることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、包帯基材の少なくとも片面に自着剤を付着させた自着性包帯であって、該自着剤が、周波数1Hz、ひずみ10%の条件で動的粘弾性を測定したとき、20℃での貯蔵弾性率G’の対数値logG’が5.5〜6.2dyne/cmの範囲内で、かつ、損失弾性率/貯蔵弾性率で算出されるtanδが0.25以上のアクリル系重合体であることを特徴とする自着性包帯が提供される。
本発明の自着性包帯は、自着性、耐光性、保存安定性に優れている。本発明の自着性包帯は、日光に曝されても変色せず、自着性が消失することもない。このように、本発明の自着性包帯は、自着剤としてアクリル系重合体を用いているため、天然ゴムの使用に伴う問題がない。また、本発明の自着性包帯は、自着剤として天然ゴムを用いた自着性包帯に比べて遜色のない自着力を示すことができ、しかも自着剤の皮膚面への残留がない。
本発明で使用する包帯基材は、特に限定されず、織布、不織布、発泡体、紙、フィルムなどを挙げることができるが、これらの中でも、通気性、伸縮性などの観点から織布及び不織布が好ましく、織布がより好ましい。織布には、織物と編物が含まれる。
包帯基材の素材としては、綿(木綿)、絹、麻などの天然繊維;ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成繊維;アセテート繊維などの半合成繊維;レイヨン繊維、キュプラ繊維などの再生繊維;などが含まれる。
これらの中でも、綿を素材とする織布が好ましいが、綿織布に伸縮性を付与するために、ポリウレタン糸などの弾性糸で一部置き換えることができる。綿としては、No.40及びNo.50を用いることが多い。綿織布への弾性糸の打ち込み本数は、1インチ当り、縦方向に30〜40本、横方向に15〜25本が適当である。
本発明では、包帯基材に付着させる自着剤として、周波数1Hz、ひずみ10%の条件で動的粘弾性を測定したとき、20℃での貯蔵弾性率G’の対数値logG’が5.5〜6.2dyne/cmの範囲内で、かつ、損失弾性率/貯蔵弾性率で算出されるtanδが0.25以上のアクリル系重合体を用いる。動的粘弾性は、後記の実施例に示されている測定法により測定される。
貯蔵弾性率G’の対数値logG’は、5.5〜6.2dyne/cm、好ましくは5.8〜6.1dyne/cmの範囲内である。自着剤として用いるアクリル系重合体の貯蔵弾性率G’の対数値logG’が大きすぎると、包帯の自着力が低下し、巻き付けた包帯が短時間で脱落する。アクリル系重合体の貯蔵弾性率G’の対数値logG’が小さすぎると、包帯の自着力に優れるものの、包帯を取り除いた後の皮膚面にアクリル系重合体が残留し易くなる。
アクリル系重合体の損失弾性率/貯蔵弾性率で算出されるtanδは、0.25以上であることが必要である。自着剤として用いるアクリル系重合体のtanδが小さすぎると、包帯の自着力が著しく低下する。tanδは、好ましくは0.25〜0.60、より好ましくは0.30〜0.50の範囲内である。
アクリル系重合体は、アクリル酸アルキルエステル及び/またはメタクリル酸アルキルエステルを主成分とする(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合体である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸アルキルエステル;を挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、(メタ)アクリル酸と一価アルコールとのエステル化物としての構造を有しているが、アルコールの炭素数(したがって、アルキル基の炭素数)が短い(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分または多量の共重合成分として使用すると、動的粘弾性特性が前記で規定する範囲内のアクリル系重合体を得ることができないか、極めて困難である。例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチルなどを主成分または多量成分とするアクリル系重合体は、20℃での貯蔵弾性率G’の対数値logG’を5.5〜6.2dyne/cmの範囲内とし、かつ、損失弾性率/貯蔵弾性率で算出されるtanδを0.25以上とすることができないか、極めて困難である。その結果、自着性に優れた包帯を得ることが困難である。
本発明では、アルキル基の炭素数が好ましくは8〜14、より好ましくは8〜12の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系重合体を用いることが望ましい。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニルなどのアクリル酸アルキルエステルが好ましい。これらのアクリル酸アルキルエステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
長鎖アルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルを主成分として用いることにより、20℃での貯蔵弾性率G’の対数値logG’が5.5〜6.2dyne/cmの範囲内で、かつ、損失弾性率/貯蔵弾性率で算出されるtanδが0.25以上のアクリル系重合体を容易に得ることができる。ここで、「主成分」とは、アクリル系重合体を合成するのに使用する全単量体中の50重量%以上、好ましくは70重量%以上の(共)重合割合であることを意味するものとする。
長鎖アルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系重合体は、粘着特性を調整するために、単鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの炭素数が前記範囲外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重合成分として含有することができる。
さらに、アクリル系重合体の粘着特性などを調整するために、他の単量体を共重合させてもよい。他の単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有単量体;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有単量体;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−t−ブチルアミノエチルアクリレートなどのアミノ基含有単量体;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有単量体;グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル;スチレンなどのビニル芳香族化合物;塩化ビニルなどのその他のビニル系単量体などを挙げることができる。その他の単量体は、通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で用いられる。
アクリル系重合体の粘着特性を調整するために、所望により、アクリル系重合体に粘着付与剤を配合することができる。粘着付与剤としては、例えば、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロンインデン系、スチレン系、ロジン系、キシレン系、フェノール系、石油系などの粘着付与樹脂を挙げることができる。アクリル系重合体には、必要に応じて、ポリイソシアネート、メラミン樹脂、アミン−エポキシ樹脂、過酸化物、金属キレート化合物などの架橋剤;充填剤、酸化防止剤、防黴剤、抗菌剤、生理活性物質などを添加することができる。これらの添加剤成分は、多くの場合、アクリル系重合体100重量部に対して、10重量部以下の割合で用いられる。
アクリル系重合体は、一般に、ラジカル重合により製造することができる。ラジカル重合法としては、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法などがあり、特に制約されない。ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物系開始剤;アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤が用いられる。溶液重合法では、重合溶媒として、酢酸エチル、アセトン、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの通常の溶媒を使用することができる。
包帯基材の少なくとも片面(すなわち、片面または両面)にアクリル系重合体を付着させるには、アクリル系重合体の溶液や水性分散液を用いて、噴霧法や浸漬法により付着させる。アクリル系重合体は、包帯基材の全面に付着させてもよいが、筋状など部分的に付着させてもよい。
包帯基材として織布や不織布を用いる場合、通気性や伸縮性、風合いなどを損なわないようにするには、アクリル系重合体を噴霧法により塗布することが好ましく、噴霧法の中でもエアゾル法を採用することが好ましい。噴霧法を採用する場合、溶液重合法により得られたアクリル系重合体溶液は、そのままで、あるいは適当な溶媒で希釈して濃度調整した後に使用する。アクリル系重合体溶液を噴霧すると、液滴が塗布され、乾燥後、粒状のアクリル系重合体が包帯基材に付着する。
噴霧法を採用する場合、アクリル系重合体のエマルジョンを用いることが好ましい。このエマルジョンとしては、乳化重合法により得られた乳濁液をそのまま用いるか、あるいは濃度調整して用いる。塊状重合法により得られたアクリル系重合体は、粉砕し、水中で強制撹拌し乳化分散して使用することが好ましい。
噴霧法により包帯基材に塗布するアクリル系重合体の粒子径は、好ましくは1〜200μm、より好ましくは5〜200μm、特に好ましくは20〜150μmの範囲内である。アクリル系重合体の粒子径を調整するために、噴霧条件を制御したり、エマルジョンを凝集させたりすることができる。
アクリル系重合体の塗布量は、包帯基材の性状、所望の自着性の程度、自着性包帯の外観や性状などに応じて適宜選択することができるが、通常5〜50g/m、好ましくは10〜40g/mの範囲内である。塗布後、乾燥させることにより、包帯基材の少なくとも片面にアクリル系重合体が付着した自着性包帯を得ることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。諸特性の測定法及び評価法は、次の通りである。
(1)自着力:
幅60mmの自着性包帯を伸張状態で重ね合わせ、2kgのローラーにて1往復圧着し貼り合わせる。貼り合わせた包帯をインストロン型引張り試験機に固定し、速度300mm/分で引き剥がし、そのときの剥離力を自着力とする。
(2)動的粘弾性:
アクリル系重合体のエマルジョンを剥離シートで作製した箱状の容器に流し込み、室温で1ケ月風乾して水分を揮発・除去することにより、厚み約2mmのドライフィルムを作製した。このドライフィルムを試料とし、動的粘弾性測定装置(ARES、レオメトリック・サイエンス・エフ・イー社製)を用いて、温度範囲−60℃〜110℃、周波数1Hz、ひずみ10%の条件にて動的粘弾性を測定した。自着力との関連性を評価するために、20℃での貯蔵弾性率G’の対数値logG’と、損失弾性率/貯蔵弾性率(tanδ)値を算出した。
(3)耐光性:
直接日光があたる室内(埼玉県)において、7〜8月の30日間、日光が当たるように試料を保管し、30日経過後に変色の有無を目視にて確認した。
(4)固定性:
自着性包帯を人の腕に螺旋状に5重に巻き付け、この巻き付けた状態が6時間以上保持されるか否かを観察した。処置した包帯が短時間で脱落した場合を固定性が「不良」とし、6時間以上保持される場合を固定性が「良好」であると評価した。
(5)自着剤の皮膚への残留:
自着性包帯を人の腕に螺旋状に5重に巻き付け、この巻き付けた状態を強制的に6時間保持し、その後、包帯を取り除いて、皮膚面に自着剤が付着しているか否かを観察し、付着している場合を「残留あり」とし、付着していない場合を「残留なし」と評価した。
[実施例1]
アクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とするアクリルエマルジョン〔ニッカゾール878A、日本カーバイド工業(株)〕をダイセン社製「綿基布5B」(幅60mm)に塗布量18g/mとなるようにエアゾル法にて噴霧塗布し、乾燥して自着性包帯を作製した。
[実施例2]
アクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とするアクリルエマルジョン〔アクリセットEMN−320E、(株)日本触媒〕をダイセン社製「綿基布5B」(幅60mm)に塗布量15g/mとなるようにエアゾル法にて噴霧塗布し、乾燥して自着性包帯を作製した。
[実施例3]
アクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とするアクリルエマルジョン〔プライマル1950、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)〕をダイセン社製「綿基布5B」(幅60mm)に塗布量15g/mとなるようにエアゾル法にて噴霧塗布し、乾燥して自着性包帯を作製した。
[比較例1]
アクリル酸2−エチルヘキシルとアクリロニトリルとの共重合体よりなるアクリルエマルジョン〔アクリセットAD78、(株)日本触媒〕をダイセン社製「綿基布5B」(幅60mm)に塗布量13g/mとなるようにエアゾル法にて噴霧塗布し、乾燥して自着性包帯を作製した。
[比較例2]
メチルメタアクリレートとブチルアクリレートとの共重合体よりなるアクリルエマルジョン〔アクリセットAD51、(株)日本触媒〕をダイセン社製「綿基布5B」(幅60mm)に塗布量18g/mとなるようにエアゾル法にて噴霧塗布し、乾燥して自着性包帯を作製した。
[比較例3]
スチレンとアクリル酸2−エチルヘキシルとブチルアクリレートとの共重合体よりなるアクリルエマルジョン〔アクリセット57S、(株)日本触媒〕をダイセン社製「綿基布5B」(幅60mm)に塗布量20g/mとなるようにエアゾル法にて噴霧塗布し、乾燥して自着性包帯を作製した。
[比較例4]
天然ゴムラテックス〔ダイナテックス、コニシ(株)〕をダイセン社製「綿基布5B」(幅60mm)に塗布量13g/mとなるようにエアゾル法にて噴霧塗布し、乾燥して自着性包帯を作製した。
上記の各実施例及び比較例で作製した自着性包帯について、自着剤の種類と動的粘弾性、自着力、実用性、耐光性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2005095381
表1の結果から明らかなように、動的粘弾性特性として貯蔵弾性率G’の対数logG’値が5.5〜6.2dyne/cmで、かつ、損失弾性率/貯蔵弾性率(tanδ)値が0.25以上のアクリル系重合体を自着剤として用いた自着包帯(実施例1〜3)は、自着性、耐光性に優れて、自着剤の皮膚への残留がなく、十分な実用性能を有することが分かる。これらの自着性包帯の自着力は、自着剤として天然ゴムラテックスを用いた自着性包帯(比較例4)の自着力と比べて遜色のない高い値を示している。
これに対して、貯蔵弾性率の対数値が5.5dyne/cmを下回るアクリル系重合体を自着剤として用いた包帯(比較例1)は、自着力が良好であるものの、包帯を取り除いた後の皮膚にアクリル系重合体が残留する。貯蔵弾性率の対数値が6.2dyne/cmを超過するアクリル系重合体を自着剤として用いた包帯(比較例2)は、自着力が低く、処置した包帯が短時間で脱落した。
貯蔵弾性率G’の対数logG’値が5.5〜6.2dyne/cmであっても、損失弾性率/貯蔵弾性率(tanδ)値が0.25未満のアクリル系重合体を自着剤として用いた包帯(比較例3)は、自着力が低く、処置した包帯が短時間で脱落した。
自着剤として天然ゴムを使用した自着性包帯(比較例4)は、自着力に優れるものの、30日間の日光暴露にて変色し、自着性も消失した。
本発明の自着性包帯は、医療分野において、例えば、外傷用医療材料の保持、パッド、カニューレ、チューブ、カテーテルなどの医療用具の固定、外傷の保護、軽い圧迫の付与、サポートなどに用いられる。

Claims (4)

  1. 包帯基材の少なくとも片面に自着剤を付着させた自着性包帯であって、該自着剤が、周波数1Hz、ひずみ10%の条件で動的粘弾性を測定したとき、20℃での貯蔵弾性率G’の対数値logG’が5.5〜6.2dyne/cmの範囲内で、かつ、損失弾性率/貯蔵弾性率で算出されるtanδが0.25以上のアクリル系重合体であることを特徴とする自着性包帯。
  2. アクリル系重合体が、アルキル基の炭素数が8〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系重合体である請求項1記載の自着性包帯。
  3. アルキル基の炭素数が8〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、及びアクリル酸イソオクチルからなる群より選ばれる少なくとも一種のアクリル系単量体である請求項2記載の自着性包帯。
  4. 包帯基材の少なくとも片面に、アクリル系重合体をエマルジョンとして付着させたものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自着性包帯。
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