JP2016069480A - 粘着剤組成物 - Google Patents

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明美佳 千田
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Abstract

【課題】糊残りしないにも関わらず良好な皮膚粘着力と剥離時の痛みの小ささを両立し、更に充分な透湿度を発現する対人用に適した粘着剤組成物の提供。【解決手段】成分(a)〜(e)を含有するモノマー組成物を共重合させることにより得られた共重合体を含有する粘着剤組成物。(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜68質量%(b)アルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル25〜45質量%(c)エチレン性不飽和二重結合を有する窒素含有モノマー6〜15質量%(d)エチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有モノマー0.5〜5質量%(e)エチレン性不飽和二重結合を複数有する多官能モノマー0.005〜0.1質量%【選択図】なし

Description

本発明は、特に対人用に適した粘着剤組成物に関する。
サージカルテープ、ドレッシング材、絆創膏、更には薬剤を含有する貼付剤にて使用される対人用粘着剤組成物として、各種粘着剤組成物が提案されている。
まず、特許文献1には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体組成物をラジカルが発生する開始剤の存在下で溶液重合するにあたり、重合系の溶存酸素量が飽和率5%以下の状態で重合することにより得られた医療用粘着剤が提案されている。
更に、特許文献2には、支持体層の一面に、粘着剤、薬物及び経皮吸収促進剤からなる粘着剤層が積層されてなる経皮吸収貼付剤であって、上記薬物がペンタゾシン、臭化水素酸エプタゾシン及び塩酸ブプレノルフィンよりなる群から選ばれた一種以上の鎮痛作用を有する化合物であり、上記経皮吸収促進剤がオキシエチレン鎖数6〜12のポリオキシエチレンラウリルエ−テル、炭素数2〜8の、ヒドロキシカルボン酸及びジカルボン酸よりなる群から選ばれる一種以上である経皮吸収貼付剤が提案されている。
更に、特許文献3には、分子内にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、アセトアセチル基を有しないその他の(メタ)アクリル系モノマー又は共重合可能なビニルモノマーの1種又は2種以上のモノマーとを共重合して得られる共重合体を、非水性溶媒中に含む医療用経皮吸収テープ製剤用非水性粘着剤が提案されている。
更に、特許文献4には、(メタ) アクリル酸アルキルエステル40〜99モル%とビニルピロリドン60〜1モル%とからなる共重合体を主成分とする医療用粘着剤であって、上記粘着剤の5重量%酢酸エチル溶液の660nmにおける吸光度が0.03以下である医療用粘着剤が提案されている。
更に、特許文献5には、粘着性基剤に薬剤を相溶状態で含有させてなる粘着性基剤層が柔軟で薬剤を透過させない支持体上に形成され、該粘着性基材が2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)を45モル%以上、N−ビニル−2−ピロリドン(VP)20〜55モル%、エステル部分の炭素数が3〜12でホモポリマーのTgが−40℃以下の(メタ)アクリル酸エステルを35モル%以下、そして多官能性モノマーを全モノマー重量の0.005〜0.5重量%の割合で含有するモノマーの重合体である経皮投与型テープ状医薬品が提案されている。
更に、特許文献6には、以下の成分(a)〜(c)、即ち、(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)アセトアセチル基を含有するビニルモノマー、(c)アルコキシル基含有モノマー、カルボン酸ビニルエステル類、ビニルエーテル類、窒素原子含有の複素環を有するビニルモノマー(但し、アセトアセチル基を含有するものを除く)、スチレン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の(a)及び(b)と共重合可能なビニルモノマー、を共重合成分として有する共重合体の架橋物を含有してなる粘着剤が提案されている。
更に、特許文献7には、(1)架橋可能なアクリル系共重合体100重量部、(2)前記アクリル系共重合体(1)と相溶する、分子量800以上であり疎水性パラメーターが−20以上45以下である室温で液状もしくはペースト状の可塑剤20〜200重量部、及び(3)架橋剤0.1〜2.0重量部とからなる皮膚用粘着剤組成物が提案されている。
更に、特許文献8には、フィルムの片面に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂を含んでなるプライマー層を有するものである経皮吸収型製剤用基材シートが提案されている。
更に、特許文献9には、担持フィルムの一方の面にエラストマーフィルムを有し、該エラストマーフィルムの上に粘着剤層が設けられた粘着シートであって、該粘着剤層とは反対側の最外層に凹凸が形成されており、前記担持フィルムの加熱収縮率が、縦方向で3.0%以下であり、横方向で1.2%未満であることを特徴とする粘着シートが提案されている。
特開平9−208605号公報 特開平7−010754号公報 特許第3809462号公報 特開平10−57469号公報 特公平1−37375号公報 特許4832831号公報 特開2005−89438号公報 特許4744138号公報 特許4212988号公報
これらの内、いくつかの技術は、後架橋に係る粘着剤に関するものである。粘着剤の後架橋は、架橋剤の添加量で特性の調節が可能であるが、ポットライフの発生や官能基の導入が必須であり、熟成期間・設備も必要となる。対人用途では皮膚刺激の原因になることもあり、活性水素とも反応しやすいため、添加物の選択が必要となることもある。他方、従来の架橋剤を用いない粘着剤(非後架橋型粘着剤)は、糊残りをしないように、粘着剤自体の凝集力の向上を図っているが、凝集力が高いと皮膚への付きは悪化する。凝集力が低いと、皮膚への付きは上がるが剥離時に糊残りを起こす。皮膚への付きがよいと剥離時に痛みを伴うこともある。また、上記の内、いくつかの技術は、透湿度が低いために皮膚と粘着剤の間に水分が溜まり、皮膚刺激や粘着力低下を招くことがある。
以上のように、対人用粘着剤組成物として最適なものが存在しないのが現状である。よって、本発明は、糊残りしないにも関わらず良好な皮膚粘着力と剥離時の痛みの小ささを両立し、更に充分な透湿度を発現する粘着剤組成物を提供することを課題とする。
本発明(1)は、
以下の成分(a)〜(e)を含有するモノマー組成物を共重合させることにより得られた共重合体を含有する粘着剤組成物である。
(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル 40〜68質量%
(b)アルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル 25〜45質量%
(c)エチレン性不飽和二重結合を有する窒素含有モノマー 6〜15質量%
(d)エチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有モノマー 0.5〜5質量%
(e)エチレン性不飽和二重結合を複数有する多官能モノマー 0.005〜0.1質量%
本発明(2)は、可塑剤の含有量が、前記粘着剤組成物の全質量を基準として10質量%未満である、前記(1)の粘着剤組成物である。
本発明(3)は、固形分30質量%のとき、粘着剤温度30℃にてローター回転数10rpmでの溶液粘度が3100mPa・s以上である、前記(1)又は(2)の粘着剤組成物である。
本発明(4)は、1時間貼付での皮膚粘着力が0.5N/15mm以上である、前記(1)〜(3)のいずれか一つの粘着剤組成物である。
本発明(5)は、30μmの厚みにおける透湿度が1200g/m2・24h以上である、前記(1)〜(4)のいずれか一つの粘着剤組成物である。
本発明(6)は、(c)成分が、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−イソプロピルアクリルアミドから選択される一種以上である、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの粘着剤組成物である。
本発明(7)は、サージカルテープ、ドレッシング材及び絆創膏から選択される貼付材用である、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの粘着剤組成物である。
本発明(8)は、貼付剤用である、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの粘着剤組成物である。
本発明(9)は、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの粘着剤組成物層が基材上に設けられている、サージカルテープ、ドレッシング材及び絆創膏から選択される貼付材である。
本発明(10)は、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの粘着剤組成物が基材上に設けられている貼付剤である。
本発明によれば、糊残りしないにも関わらず良好な皮膚粘着力と剥離時の痛みの小ささを両立し、更に充分な透湿度を発現する粘着剤組成物を提供することが可能となる。
以下、本発明に係る粘着剤組成物の原料、当該粘着剤組成物の製造方法、当該粘着剤組成物の物性、当該粘着剤組成物の用途について詳述する。
≪粘着剤組成物の原料≫
本発明に係る粘着剤組成物は、以下の成分(a)〜(e)を含有するモノマー組成物を共重合させることにより得られた共重合体を含有する粘着剤組成物である。
(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル 40〜68質量%
(b)アルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル 25〜45質量%
(c)エチレン性不飽和二重結合を有する窒素含有モノマー 6〜15質量%
(d)エチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有モノマー 0.5〜5質量%
(e)エチレン性不飽和二重結合を複数有する多官能モノマー 0.005〜0.1質量%
<モノマー原料(a)>
まず、原料(a)である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリロイル基以外の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを挙げることができ、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<モノマー原料(b)>
次に、原料(b)であるアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル等を挙げることができる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが好ましい。これらのアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルは、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<モノマー原料(c)>
次に、原料(c)であるエチレン性不飽和二重結合を有する窒素含有モノマーは、エチレン性不飽和二重結合を有しており、且つ、窒素原子を分子内に有している化合物であれば特に限定されないが、その具体的なモノマーとして、アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリドン、N−アクリロイルピベリジン、N−アクリロイルピロリジン等が挙げられる。これらの中でも、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−イソプロピルアクリルアミドが好ましい。これらのエチレン性不飽和二重結合を有する窒素含有モノマーは、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<モノマー原料(d)>
次に、原料(d)であるエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有しており、且つ、カルボキシル基を有している化合物であれば特に限定されないが、好適には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート等を挙げることができる。これらの中でも、アクリル酸、カルボキシエチルアクリレートが好ましい。これらのエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有モノマーは、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<モノマー原料(e)>
次に、原料(e)であるエチレン性不飽和二重結合を複数有する多官能モノマーとしては、例えば、分子中にビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルベンジル基を分子中に複数有する成分である限り特に限定されない。ここで、一般には、含まれるエチレン性不飽和二重結合が10個以下のものが用いられるが、これに限定するものではない。多官能モノマーは2種以上を併用することもできる。好ましく用いうる多官能モノマーの具体例としては、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジビニルベンゼン、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、アジピン酸ジビニル、N,N'−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。これらの内、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート及びトリメチロールプロパントリアクリレートが特に好適である。
<任意のモノマー成分(f)>
上記のモノマー成分(a)〜(e)は必須であるが、これら以外のモノマー成分を一種以上用いてもよい。例えば、不飽和二重結合を有する化合物、例えば、2−アセトアセトキシエチルメタクリレートを挙げることができる。
≪粘着剤組成物の製造方法≫
本発明に係る共重合体は、一般にラジカル重合により合成することができる。重合法としては、溶液重合法、乳化重合法又は塊状重合法等が挙げられるが、良好な粘着特性を得られることから溶液重合法が好ましい。ここで、重合反応は、全単量体成分質量に対して0.1〜1質量%程度の割合でラジカル重合開始剤を加え、窒素気流下、40から90℃程度の温度下にて、数時間から数十時間攪拌して重合させる。尚、ここで用いる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
この際、原料モノマー成分(a)〜(e)の配合量は、全モノマー成分の総質量を基準として、モノマー成分(a)が40〜68質量%(好適には45〜60質量%)、モノマー成分(b)が25〜45質量%(好適には29〜45質量%)、モノマー成分(c)が6〜15質量%(好適には7〜12質量%)、モノマー成分(d)が0.5〜5質量%(好適には2〜4質量%)、モノマー成分(e)が0.005〜0.1質量%(好適には0.01〜0.05質量%)、である。
ここで、本発明に係る粘着剤組成物を製造するに際しては、後架橋を行なわない(非後架橋型)ことが好適である。粘着剤の後架橋は、架橋剤の添加量で特性の調節が可能であるが、ポットライフの発生や官能基の導入が必須であり、熟成期間・設備も必要となるからである。更に、対人用途では皮膚刺激の原因になることもあり、活性水素とも反応しやすいため、添加物の選択が必要となることもあるからである。
加えて、本発明に係る粘着剤組成物は、可塑剤の含有量が、前記粘着剤組成物の全質量を基準として10質量%未満であることが好適である。可塑剤が10質量%以上含有されていると粘着剤の凝集力が低下するため、糊残りの可能性が高くなる。
≪粘着剤組成物の物性≫
以下、本発明に係る粘着剤組成物の物性を詳述する。
(溶液粘度)
本発明に係る粘着剤組成物の溶液粘度は、好適には、3100mPa・s以上であり、より好適には3300〜20000mPa・sであり、更に好適には3500〜10000mPa・sである。溶液粘度が低すぎると粘着剤組成物の凝集力がなく、溶液粘度が高すぎると塗工特性上適さない。尚、測定方法は下記の通りである。
測定方法:ブルックフィールド粘度計を用いて、固形分30%、粘着剤温度30℃で、10rpmの回転数にて測定する。
(皮膚粘着力)
本発明に係る粘着剤組成物の皮膚粘着力(1時間貼付での皮膚粘着力)は、好適には、0.5N/15mm以上であり、より好適には0.55〜2.0N/15mmであり、更に好適には0.6〜1.5N/15mmである。皮膚粘着力が低すぎると貼付中に脱落の危険性があり、皮膚粘着力が高すぎると剥離時に痛みを発現する危険性がある。尚、測定方法は下記の通りである。
測定方法:温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、粘着テープ又はシートから幅15mm×長さ約90mmに切り出した試験片を、ヒト前腕内側(掌側)に貼り付け圧着する。60分経過後に、剥離速度100mm/分で試験片を90°方向に引き剥がし、皮膚粘着力を測定する。
(透湿度)
本発明に係る粘着剤組成物の透湿度(30μm厚における透湿度)は、好適には、1200g/m・24h以上であり、より好適には1300g/m・24h以上である。透湿度が低すぎると、皮膚に貼付した際に発汗や不感蒸泄により、皮膚と粘着剤の間に水分が貯留しムレを引き起こし皮膚刺激や粘着力低下を引き起こす。尚、測定方法は下記の通りである。
測定方法:JIS L 1099 A-1法(塩化カルシウム法)に準拠し、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下にて測定する。
(痛み)
本発明に係る粘着剤組成物の剥離時の痛みは、好適には2以下、より好適には1.5以下である。痛みは大きいと苦痛であるため、小さければ小さい程望ましい。尚、測定方法は下記の通りである。
測定方法:皮膚粘着力測定時に感じる痛みを、1.なし、2.軽度、3.中等度、4.高度、5.極度、の5段階の指標を用いて評価する。被験者は20歳代〜50歳代の男性又は女性の合計5名で評価し、各々の被験者の評点を平均する。
(ボールタック)
本発明に係る粘着剤組成物のボールタックは、好適には、No.20〜32であり、より好適にはNo.25〜32である。ボールタックは値が大きければ大きいほどタック性が高い。タックが低いと、初期接着力が低く、貼付直後に引っ張りやずれ方向の応力がかかると剥れたりずれたりしやすい。ヒト皮膚に貼付する場合、関節の屈折による引っ張りや、衣服等に擦られることによるずれ方向の応力がかかりやすいため、ボールタックは大きい方が望ましい。尚、測定方法は下記の通りである。
測定方法:JIS Z 0237のボールタック測定法に準拠し、傾斜角は30°、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて測定を行う。
(保持力)
本発明に係る粘着剤組成物の保持力は、好適には、0.4〜20mm又は20分以上であり、より好適には0.6〜20mm又は30分以上であり、更に好適には1.0mm〜20mm以上又は40分以上である。粘着剤の柔らかさは被着体に対する濡れや凝集力に影響しており、保持力のズレが小さい、つまり粘着剤が硬すぎると被着体への付きが悪く、貼付中に浮いたり脱落したりする危険性がある。一方保持力のズレが大きい、つまり粘着剤が柔らかすぎると被着体にはよく付くが、剥離時に糊残りや痛みを伴う原因となる危険性がある。尚、測定方法は下記の通りである。
測定方法:JIS Z 0237の保持力測定法に準拠し、被着体はガラス、試料は幅12mm、長さ20mmとし、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて、500gの重りを吊るしてから60分後のズレ又は落下するまでの時間を測定する。
≪粘着剤組成物の用途≫
本発明に係る粘着剤組成物は、サージカルテープ、ドレッシング材及び絆創膏から選択される貼付材用として有用である。この場合、当該貼付材は、当該粘着剤組成物層が基材上に設けられている形態を採る。更に、本発明に係る粘着剤組成物は、貼付剤用としても有用である。ここで、当該用途で用いる場合、当該粘着剤組成物は薬剤を含有する。この場合、当該貼付剤は、当該粘着剤組成物が基材上に設けられている形態を採る。
以下、本発明を、実施例を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明は当該実施例に何ら限定されるものではない。
≪製造方法≫
(実施例1)
攪拌機、温度計、及び冷却管を装着した1Lフラスコにてラジカル重合を行った。2-エチルヘキシルアクリレート57.96質量%、メトキシエチルアクリレート30質量%、N-ビニル-2-ピロリドン7質量%、アクリル酸4質量%、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート0.04部、2-アセトアセトキシエチルメタクリレート1質量%を仕込み、溶媒として酢酸エチルを用い、開始剤として有機過酸化物を用いた。昇温し、窒素気流中18時間攪拌還流下にて重合を行い粘着剤組成物を得た。
得られた前記粘着剤組成物を、シリコーン表面処理したポリエステルフィルム(離型シート)上に乾燥後の厚み30μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の上面に基材(90μm程度の厚みのポリエステル不織布)をラミネートして粘着テープを得た。
(実施例2〜11及び比較例1〜4)
実施例1と同様の手法にて、表1及び表2の原料及び配合量に基づき、実施例2〜11及び比較例1〜4に係る粘着剤組成物を調製した。
≪評価≫
実施例1〜11及び比較例1〜4に係る粘着剤組成物及び当該粘着剤組成物層を有する粘着テープに関し、溶液粘度、皮膚粘着力、痛さ、透湿度、ボールタック、保持力(500g)を測定した(粘着剤厚は0.03mm)。結果を表1及び表2に示す。尚、本実施例に具体的に示したものの他、モノマー成分(a)に関しては、45質量%以上60質量%以下>40質量%以上45質量%未満又は60質量%超68質量%以下>40質量%未満又は68質量%超、の効果順であることが判明した。同様に、モノマー成分(b)に関しては、29質量%以上45質量%以下>25質量%以上29質量%未満>25質量%未満又は45質量%超、の効果順であることが判明した。同様に、モノマー成分(c)に関しては、7質量%以上12質量%以下>6質量%以上7質量%未満又は12質量%超15質量%以下>6質量%未満又は15質量%超、の効果順であることが判明した。同様に、モノマー成分(d)に関しては、2質量%以上4質量%以下>0.5質量%以上2質量%未満又は4質量%超5質量%以下>0.5質量%未満又は5質量%超、の効果順であることが判明した。同様に、モノマー成分(e)に関しては、0.01質量%以上0.05質量%以下>0.005質量%以上0.01質量%未満又は0.05質量%超0.1質量%以下>0.005質量%未満又は0.1質量%超、の効果順であることが判明した。
Figure 2016069480
Figure 2016069480

Claims (10)

  1. 以下の成分(a)〜(e)を含有するモノマー組成物を共重合させることにより得られた共重合体を含有する粘着剤組成物。
    (a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル 40〜68質量%
    (b)アルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル 25〜45質量%
    (c)エチレン性不飽和二重結合を有する窒素含有モノマー 6〜15質量%
    (d)エチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有モノマー 0.5〜5質量%
    (e)エチレン性不飽和二重結合を複数有する多官能モノマー 0.005〜0.1質量%
  2. 可塑剤の含有量が、前記粘着剤組成物の全質量を基準として10質量%未満である、請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 固形分30質量%のとき、粘着剤温度30℃にてローター回転数10rpmでの溶液粘度が3100mPa・s以上である、請求項1又は2記載の粘着剤組成物。
  4. 1時間貼付での皮膚粘着力が0.5N/15mm以上である、請求項1〜3のいずれか一項記載の粘着剤組成物。
  5. 30μmの厚みにおける透湿度が1200g/m・24h以上である、請求項1〜4のいずれか一項記載の粘着剤組成物。
  6. (c)成分が、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−イソプロピルアクリルアミドから選択される一種以上である、請求項1〜5のいずれか一項記載の粘着剤組成物。
  7. サージカルテープ、ドレッシング材及び絆創膏から選択される貼付材用である、請求項1〜6のいずれか一項記載の粘着剤組成物。
  8. 貼付剤用である、請求項1〜6のいずれか一項記載の粘着剤組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項記載の粘着剤組成物層が基材上に設けられている、サージカルテープ、ドレッシング材及び絆創膏から選択される貼付材。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項記載の粘着剤組成物が基材上に設けられている貼付剤。
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