JP2005082601A - 着色微粒子分散体、着色微粒子分散体インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

着色微粒子分散体、着色微粒子分散体インク及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 経時の濃度変動、画像滲みが少なく、かつ擦過性に問題のない着色微粒子分散体、着色微粒子分散体インク及びインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 色材とポリマーからなる着色微粒子分散体において、以下の方法により計算される粒子のTgが、35℃以上90℃未満であることを特徴とする着色微粒子分散体。
Tg(℃)=1/(D/色材の融点(K)+P/ポリマーのTg(K))−273
(式中、Dは微粒子中の色材の質量分率を表し、Pは微粒子中のポリマーの質量分率を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色微粒子分散体、着色微粒子分散体インク及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
インクジェット記録に用いられる水性の記録材料としては、水溶性染料の水溶液を主体としたもの、顔料の微分散体を主体としたものが広く用いられている。
水溶性染料を用いた水性インクとしては主として酸性染料、直接染料、一部の食品染料等に分類される水溶性染料の水溶液に、保湿剤としてグリコール類、アルカノールアミン類、表面張力の調整のための界面活性剤、更に必要に応じて増粘剤等を添加したものが用いられている。これら水溶性染料を用いた水性インクは、筆先、あるいはプリンターでの目詰まりに対する高い信頼性から最も一般的に用いられているが、記録紙上でにじみやすく、使用用途の限定、記録品位の低下を余儀なくされている。即ち、記録紙に単に浸透し、乾燥固着しているだけの水溶性染料は「染着」しているとは言い難く、耐光堅牢度も非常に低い。
水溶性染料を用いた水性インクの耐水性、耐光堅牢性が低いという問題を解決するために油溶性染料ないし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する提案(例えば、特許文献1〜7参照。)がなされている。
又、油溶性染料、疎水性染料により水分散性樹脂を着色するのみでなく、色材及びこれを被覆した樹脂からなる着色微粒子、又、着色剤と樹脂からなる色材粒子を更に皮膜形成樹脂で被覆した着色微粒子を用いる試みもなされている。
これらの着色微粒子インクは、染着された樹脂を色材として用いているため、水溶性染料のように水分による再溶解、温度による拡散が起こらず、画像滲みは生じないと考えられてきた。
しかし、発明者らは、着色微粒子インクの印字画像について高湿下における保存試験を実施したところ、驚くべきことに保存後に印字濃度が上昇することを見出した。特に画像の低〜中濃度領域や、記録材料としてインクジェット専用光沢紙を使用したときに、この現象が顕著であった。経時での濃度上昇は長期で画像を保存した際の色変動の原因となり、好ましくない画像特性であると言える。
濃度上昇について詳細な原因の特定に至っておらず、本発明の範囲を何ら限定するものではないが次のような機構に基づいた現象であると推定している。すなわち、印字後は水、低沸点溶剤などが揮発して高沸点溶剤が濃縮された状態になり、さらに着色微粒子が成膜することによって、ポリマーや色材が溶解しやすくなる。湿度、温度を引き金とした記録材料内での溶剤拡散に伴い、溶剤に溶解した一部のポリマーや色材も拡散し、ドットの拡張を引き起こすことによって濃度上昇を生じてしまうものと考えられる。
特開昭55−139471号公報 特開昭58−45272号公報 特開平3−250069号公報 特開平8−253720号公報 特開平8−92513号公報 特開平8−183920号公報 特開2001−11347号公報
本発明の目的は、経時の濃度変動、画像滲みが少なく、かつ擦過性に問題のない着色微粒子分散体、着色微粒子分散体インク及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
色材とポリマーからなる着色微粒子分散体において、以下の方法により計算される粒子のTgが、35℃以上90℃未満であることを特徴とする着色微粒子分散体。
Tg(℃)=1/(D/色材の融点(K)+P/ポリマーのTg(K))−273
(式中、Dは微粒子中の色材の質量分率を表し、Pは微粒子中のポリマーの質量分率を表す。)
(請求項2)
請求項1に記載の方法により計算される粒子のTgが、50℃以上80℃未満であることを特徴とする請求項1に記載の着色微粒子分散体。
(請求項3)
ポリマーがビニルポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の着色微粒子分散体。
(請求項4)
色材が油溶性染料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色微粒子分散体。
(請求項5)
着色微粒子分散体がコアシェル構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色微粒子分散体。
(請求項6)
請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色微粒子分散体を含むことを特徴とする水系の着色微粒子分散体インク。
(請求項7)
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色とも請求項6に記載の着色微粒子分散インクであることを特徴とするインクセット。
(請求項8)
同じ色について濃度が異なる2種類以上の着色微粒子分散インクを有することを特徴とする請求項7に記載のインクセット。
(請求項9)
請求項6に記載の着色微粒子分散インクを用いることを特徴とするインクジェット記録装置。
(請求項10)
請求項6に記載の着色微粒子分散インクをインクジェット専用光沢紙に印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項11)
請求項6に記載の着色微粒子分散インクをインクジェット専用光沢紙に印字した記録画像。
本発明により、経時の濃度変動、画像滲みが少なく、かつ擦過性に問題のない着色微粒子分散体、着色微粒子分散体インク及びインクジェット記録方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。本発明の請求項1の粒子のTgの計算において、二成分以上のポリマーを使う場合は、下記式のように適用する。
粒子Tg(℃)=1/(D/色材の融点(K)+P1/ポリマー1のTg(K)+P2/ポリマー2のTg(K)+…)−273
D:微粒子中の色材の質量分率
P1:微粒子中のポリマー1の質量分率
P2:微粒子中のポリマー2の質量分率
また、色材、ポリマー以外の第三成分を粒子に組み込む場合、次のように適用する。第三成分の化合物としては、例えば、酸化防止剤などの添加剤が挙げられる。
粒子Tg(℃)=1/(D/色材の融点(K)+P/ポリマーのTg(K)+A/添加剤の融点(K))−273
D:微粒子中の色材の質量分率
P:微粒子中のポリマー1の質量分率
A:微粒子中の添加剤の質量分率
上記計算式により得られるTgは35℃以上90℃未満、好ましくは50℃以上80℃未満とすることが必要である。Tg計算値が35℃よりも低い場合、経時による濃度変動や画像滲みが十分に改善されず、また、90℃以上の場合には画像の擦過性が低下する。
本発明に用いられるポリマーとしては、その数平均分子量が500〜100,000、特に1,000〜30,000であることが、印刷後の製膜性、その耐久性及びサスペンションの形成性の点から好ましい。
本発明に用いられるポリマーとしては、一般に知られているポリマーが使用可能であるが、重合性エチレン性不飽和二重結合を有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られたポリマーが好ましく用いられ、例えば、アクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル等の共重合体等が挙げられる。
上記のポリマーを与える、具体的なモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、2−フェノキシエチルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等、アセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂社製)等が挙げられる。
より好ましい組み合わせとしては、スチレン、またはメタクリル酸メチルを主成分としてアセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂社製)、及びアクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の長鎖(メタ)アクリル酸エステルから選ばれるもの少なくとも一種を加え、更に物性改良のために必要に応じてアクリロニトリル、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート等を加えて作られる共重合体を挙げることができる。
上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、その置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとっていてもよい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各種のものが市販されているが、常法によって合成することもできる。また、これらの共重合体は、例えば1つのポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他のポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフト重合を行っても得られる。
本発明の着色微粒子水分散体は、上記のようなポリマー(複数用いてもよいが)と色材(染料或いは顔料)とを有機溶剤中に溶解(或いは分散)し、水中で乳化後有機溶剤を除去する方法により形成することによって得られる。或いは、例えば、乳化重合により予めポリマー微粒子水分散体を形成し、このポリマー微粒子水分散体に、染料を溶解した有機溶媒溶液を混合し、あとからポリマー微粒子中に染料を含浸する等の方法等、種々の方法により得ることができる。
この様な着色微粒子水分散体は、これを用いてインクジェットインクを形成することができるが、更に長期に亘って該着色微粒子分散体の凝集を防止し、微粒子のインクサスペンションとしての安定性を向上させ、メディアに印画したときの画像の色調や光沢、更に耐光性等、画像に堅牢性を付与するために、該着色微粒子をコアとして、更に有機ポリマーからなるシェルを形成するのが好ましい。
シェルを形成する方法としては、有機溶剤に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時に該着色微粒子コア表面に吸着させる方法などもあるが、本発明においては、色材とポリマーを含有したコアとなる着色微粒子を形成した後、重合性不飽和二重結合を有するモノマーを添加し活性剤の存在下、乳化重合を行い、重合と同時にコア表面に沈着させシェルを形成する方法が好ましい。この方法で形成した場合においても、例えば色材として染料を用いた場合等にみられるが、コア/シェル界面での幾分かの相の混合がありシェルにおける色材含有率は必ずしも零とはならないが、混合は少ない方が好ましく、シェルにおける色材含有率(濃度)は、コア/シェル化を行っていないコアにおける色材含有率(濃度)の0.8以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5以下である。
色材粒子をシェルとして被覆するポリマーを形成する重合性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸等、アクリルアミド類等から選ばれる化合物、特スチレンや(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類等が好ましいが、これらのモノマーに加えて、分子内にヒドロキシル基を含有する重合性不飽和モノマー、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の様なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステルをシェルを形成する原料モノマー全体の最大50%、その他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーと混合して用いるのが好ましい。また、シェルの安定性を増す等の理由から、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸を含有するモノマー或いはスルホン酸を含有するモノマー等、pKa値で3〜7の解離性基を含有するエチレン性不飽和モノマーを10%以下、前記ヒドロキシル基を含有するモノマーよりも少ない量で用いてもよい。更に、酢酸エチルに50質量%以上溶解するものがコアポリマーとして好ましい。
(コアシェル化の評価)
実際にコアシェル化されているかを評価することは重要である。本発明においては、個々の粒子径が200nm以下と非常に微小であるため、分析手法は分解能の観点から限られる。このような目的に沿う分析手法としては、TEMやTOF−SIMSなどが適用できる。TEMによりコアシェル化した微粒子を観察する場合、カーボン支持膜上に分散液を塗布、乾燥させ観察することができる。TEMの観察像は、有機物であるポリマーの種類のみではコントラスト差が小さい場合があるため、コアシェル化されているかどうかを評価するために、微粒子を、4酸化オスミウム、4酸化ルテニウム、クロロスルホン酸/酢酸ウラニル、硫化銀等を用いて染色することが好ましい。コアだけの微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを設けたものと比較する。さらに、シェルを設けた微粒子と設けていない微粒子を混合後、染色し、染色度合いの異なる微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの確認を行う。
TOF−SIMSような質量分析装置では、粒子表面にシェルを設けることで表面近傍の色材量がコアだけの時よりも減少していることを確認する。色材にコアシェルのポリマーに含有されていない元素がある場合、その元素をプローブとして色材含有量の少ないシェルが設けられたかを確認することができる。
そのような元素がない場合、適当な染色材を用いてシェル中の色材含有量をシェルを設けていないものと比較することができる。例えば、コアシェル粒子をエポキシ樹脂内に埋胞し、ミクロトームで超薄い切片を作製、染色を行うことでコアシェル化をより明瞭に観察できる。上記のように、ポリマーや、色材にプローブとなりうる元素がある場合、TOF−SIMSやTEMによってコアシェルの組成、色材のコアとシェルへの分布量を見積もることもできる。
本発明の着色微粒子において、必要な粒子径を得るには、処方の最適化と、適当な乳化法の選定が重要である。処方は用いる色材、ポリマーによって異なるが、水中のサスペンションであるので、コアを構成するポリマーよりシェルを構成するポリマーの方が一般的に親水性が高いことが必要である。また、シェルを構成するポリマーに含有される色材は、前記のようにコアを構成するポリマー中より少ないことが好ましく、色材もシェルを構成するポリマーよりも親水性の低いことが必要である。親水性、疎水性は、例えば前記の溶解性パラメーター(SP)を用いて見積もることができる。
本発明における、着色微粒子分散体水性インクに用いられる色材含有コア/シェル着色微粒子は、ピーク粒径が5nm〜50nmであり、かつ
ピーク比=(ピーク粒径%)/(ピーク粒径の2倍の粒径%)≧1.5
であることを特徴とする。
即ち、ピーク粒径を5〜50nm、好ましくは5〜30nmとし、ピーク粒径よりも大きい領域の粒径分布を少なくすることにより、粒径分布をシャープにすること、そのためにはコア/シェル構造とすることや着色微粒子を形成した後若しくはインク調製時に35℃以上の加熱処理を加えることにより粒径分布をシャープとすることができ、インクの光沢性、色再現性に優れたインクが得られたものである。加熱処理の上限は特にないが、100℃以下の温度である。
光散乱法を用いた粒径分布の測定としては、例えば、大塚電子製レーザー粒径解析システムや、マルバーン社製ゼータサイザーを用いて求めることが出来る。
本発明に用いられる色材の色相としてはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用いられ、特に好ましくはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各染料である。油溶性染料は通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料であるが、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれる。例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られている。油溶性染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、例えば、オリエント化学工業株式会社製Valifast Yellow 4120、Valifast Yellow 3150、Valifast Yellow 3108、Valifast Yellow 2310N、Valifast Yellow 1101、Valifast Red 3320、Valifast Red 3304、Valifast Red 1306、Valifast Blue 2610、Valifast Blue 2606、Valifast Blue 1603、Oil Yellow GG−S、Oil Yellow 3G、Oil Yellow 129、Oil Yellow 107、Oil Yellow 105、Oil Scarlet 308、Oil Red RR、Oil Red OG、Oil Red 5B、Oil Pink 312、Oil Blue BOS、Oil Blue 613、Oil Blue 2N、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black 860、Oil Black 5970、Oil Black 5906、Oil Black 5905、日本化薬株式会社製Kayaset Yellow SF−G、Kayaset Yellow K−CL、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow A−G、Kayaset Yellow 2G、Kayaset Red SF−4G、Kayaset Red K−BL、Kayaset Red A−BR、Kayaset Magenta312、Kayaset Blue K−FL、Kayaset Pink FN、Kayaset RedA−5B、有本化学工業株式会社製FS Yellow 1015、FS Magenta 1404、FS Cyan 1522、FS Blue 1504、C.I.Solvent Yellow 88、83、82、79、56、29、19、16、14、04、03、02、01、C.I.Solvent Red 84:1、C.I.Solvent Red 84、218、132、73、72、51、43、27、24、18、01、C.I.Solvent Blue 70、67、44、40、35、11、02、01、C.I.Solvent Black 43、70、34、29、27、22、7、3、C.I.Solvent Violet 3、C.I.Solvent Green 3及び7、Plast Yellow DY352、Plast Red 8375、三井化学社製MS Yellow HD−180、MS Red G、MS Magenta HM−1450H、MS Blue HM−1384、住友化学社製ES Red 3001、ES Red 3002、ES Red 3003、TS Red 305、ES Yellow 1001、ES Yellow 1002、TS Yellow 118、ES Orange 2001、ES Blue 6001、TS Turq Blue 618、Bayer社製MACROLEX Yellow 6G、Ceres Blue GNNEOPAN Yellow O75、Ceres Blue GN、MACROLEX Red Violet R等が挙げられる。また、特開平9−277693号、同10−20559号、同10−30061に示されるような、金属錯体色素も好ましく用いらる。
油溶性染料として分散染料を用いることができ、分散染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
その他、油溶性染料として、フェノール、ナフトール類、又、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾール等の環状メチレン化合物、或いは、開鎖メチレン化合物等のいわゆるカプラーに、p−フェニレンジアミン類或いはp−ジアミノピリジン類等、アミノ化合物を酸化カップリングさせ得られるアゾメチン色素、インドアニリン色素等も好ましい。特にマゼンタ染料として、ピラゾロトリアゾール環を有するアゾメチン色素は好ましい。
本発明に係わる着色微粒子分散体、また、更に好ましいコア/シェルの形態を有する着色微粒子は、ポリマー量として本発明の水性インク中に0.5〜50質量%配合されることが好ましく、0.5〜30質量%配合されることが更に好ましい。上記ポリマーの配合量が0.5質量%に満たないと、色材の保護能が十分でなく、50質量%を超えると、サスペンションの水性インクとしての保存安定性が低下したり、ノズル先端部でのインク蒸発に伴うインクの増粘やサスペンションの凝集が起こることによってプリンタヘッドの目詰りが起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
一方、上記染料及び顔料等の色材としては、該インク中に1〜30質量%配合されることが好ましく、1.5〜25質量%配合されることが更に好ましい。上記色材の配合量が1質量%に満たないと印字濃度が不十分であり、30質量%を超えるとサスペンションの経時安定性が低下し、凝集等による粒径増大の傾向があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
本発明の水性インクは水を媒体とし、上記色材を封入したポリマーのサスペンジョンからなり、該サスペンションには従来公知の各種添加剤、例えば多価アルコール類のような湿潤剤、無機塩、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、シリコーン系等の消泡剤、粘度調整剤又はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素吸収剤等を必要に応じて添加してもよい。
ここで、上記湿潤剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ジエチルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は二種以上を使用することができる。これらの湿潤剤の配合量に特に制限はないが、上記水性インク中に好ましくは0.1〜50質量%配合することができ、更に好ましくは0.1〜30質量%配合することができる。
又、インクの粘度を安定に保つため、発色をよくするために、インク中に無機塩を添加してもかまわない。無機塩としてはたとえば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫化マグネシウム等が挙げられる。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
また、乳化剤、分散剤としては特に制限されるものではないが、そのHLB値が8〜18であることが、効果の発現の点からみて或いはサスペンションの粒子径の増大抑制効果がある点から好ましい。
界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることが出来る。
乳化剤或いは分散剤として、好ましくは陰イオン性界面活性剤又は高分子界面活性剤であり、陰イオン性界面活性剤が特によい。
又、インクの表面張力調整用の活性剤としては好ましくはノニオン性界面活性剤である。
陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(たとえばエマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(たとえばニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。その他に、界面活性剤としては、例えば花王(株)製の分散剤デモールSNB、MS、N、SSL、ST、P(商品名)もあげられる。
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることが出来、インク全量に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することが出来る。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。
又、高分子界面活性剤として、以下の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。高分子界面活性剤の例として、その他に、アクリル−スチレン系樹脂であるジョンクリル等(ジョンソン社)が挙げられる。これらの高分子界面活性剤は、2種以上併用することも可能である。
上記の各高分子界面活性剤の分散インク全量に対する添加量としては、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。配合量が0.01質量%に満たないとサスペンションの小粒径化が困難であり、10質量%を超えるとサスペンションの粒径が増大したりサスペンション安定性が低下し、ゲル化するおそれがある。
防腐剤・防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(たとえばPreventol CMK、クロロメチルフェノール等)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(たとえばPROXEL GXL)などが挙げられるが、本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
インク中を安定に保つために、インク中にpH調整剤を添加してもかまわない。pH調整剤としては、塩酸や酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を水など薄めたりそのまま使用したりできる。
また、上記消泡剤としては、特に制限なく、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、66、69、KS68、604、607A、602、603、KM73、73A、73E、72、72A、72C、72F、82F、70、71、75、80、83A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限はないが、本発明の水性インク中に、0.001〜2質量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が0.001質量%に満たないとインク調製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡の除去が難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
次に、本発明のインクの製造において用いられる乳化方法について説明する。本発明のインクは、例えばコアとなる色材粒子の製造において、又、直接顔料粒子とポリマーからコアシェル着色微粒子を製造する際等、各種の乳化法を用いることができる。乳化法としては、各種の方法を用いることができる。それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の86ページの記載にまとめられている。本発明においては、特に、染料コアの形成には超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置を使用することが好ましい。又、顔料用にはメディア分散機が好ましい。
超音波による乳化分散では、いわゆるバッチ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサンプル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−600SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用いることが可能である。このような連続式の場合、超音波の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めることができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射時間は実際上は10000秒以下である。また、10000秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必要がある。そのため10000秒以上は必要でない。さらに好ましくは、10秒以上、2000秒以内である。
高速回転せん断による乳化分散装置としては、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の255〜256ページに記載されているような、ディスパーミキサーや、251ページに記載されているようなホモミキサー、256ページに記載されているようなウルトラミキサーなどが使用できる。これらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分けることができる。これらの高速回転せん断による乳化分散機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターを有する装置の場合、攪拌翼とステーターとのクリアランスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が5m/S以上150m/S以内であれば本発明の乳化・分散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばしても小粒径化が達成できない場合が多く、150m/Sにするにはモーターの性能を極端に上げる必要があるからである。さらに好ましくは、20〜100m/Sである。
高圧による乳化分散では、LAB2000(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は104kPa〜5×105kPaの範囲が好ましい。また、必要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、また、圧力を5×105kPaにするためには、装置に大きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましくは5×104kPa〜2×105kPaの範囲である。
これらの乳化・分散装置は単独で用いてもよいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども単独では本発明の目的を達成できないが、本発明の装置との組み合わせにより、短時間で乳化・分散を可能にするなど本発明の効果を高めることが可能である。
本発明のインクジェット記録用水性インクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
本発明のインクジェット記録用水性インクを用いた画像形成方法においては、例えば、インクジェット記録用水性インクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを液滴として吐出させインク受容体に付着させることで、例えばインクジェット画像記録媒体上にインクジェット記録画像が形成されたインクジェットプリントが得られる。
インクジェット画像記録媒体としては、例えば、普通紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、光沢フィルム、OHPフィルムのいずれも使用することができ、なかでも例えば多孔質層が形成されている所謂空隙層を有する被記録媒体であれば好ましい。上述した支持体の素材或いは形状に特に限定されるものではなく、例えばシート状に形成されたもの以外に立体的な構造を有するものであってもよい。
本発明の水性インクは、インクジェット記録用のインクとして以外に、例えば、一般の万年筆、ボールペン、サインペン等の筆記具用のインクとしても使用可能である。本発明のサスペンションを乾燥し、微粒の粉体を得ることもできる。得られた粉体は、電子写真のトナーなどにも使用可能である。
以下に、合成例、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
ポリマーの合成方法
3リットルの四つ口フラスコに滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置及び還流冷却管を付し、酢酸エチル1000gを加熱還流した。表1記載の割合でモノマー総量が1000gとなるように秤量し、更にN,N’−アゾビスイソバレロニトリル20gを前記モノマーに加えた混合液を2時間かけて滴下し、同温度にて5時間反応させた後、固形分50質量%の表1記載のポリマーP−1〜4を得た。
Figure 2005082601
実施例1
(着色コア微粒子分散液の製造)
クレアミックスCLM−0.8S(エムテクニク(株)社製)のポットに、Y染料15g、固形分換算5gのポリマーP−1、ポリビニルブチラールKS−10(積水化学社製)10g及び酢酸エチル140gを入れ、攪拌して染料を完全溶解させた。純水245gにアクアロンKH−05(第一工業製薬社製)9gを加え、これを染料溶液に添加後、回転数20000rpmで5分間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、Y1の着色コア微粒子分散液を得た。
M1,C1,K1,Y2,M2,C2,K2,C3についても表2に記載の処方に従い、同様の手法によりコア微粒子分散液を作製した。
(コアシェル型着色微粒子分散液の製造)
Y1のコア微粒子分散液260gを3頭のセパラブルフラスコに移し、フラスコ内をN2置換後、ヒーターを付して80℃に加温した。6.7gのメタクリル酸メチル及び0.5gのN,N’−アゾビスイソバレロニトリルの混合液を1時間で滴下し、更に6時間反応させてY1のコアシェル型着色微粒子分散液を得た。
M1,C1,K1,Y2,M2,C2,K2,C3についても表2に記載の処方に従い、同様の手法によりコアシェル型着色微粒子分散液を作製した。
(コアシェル型着色微粒子分散液の濃縮)
C1のコアシェル型着色微粒子分散液250gを、限外ろ過膜装置RUM−2/C10−T(日東電工社製/限外ろ過膜:NTU−3150)により2.5倍の濃度に濃縮したC1のコアシェル型着色微粒子分散液を得た。
K1,C2,K2,C3についても表2に記載の濃縮率に従い、同様の手法により分散液を濃縮した。
Figure 2005082601
Figure 2005082601
FSB1504:FS Blue 1504(有本化学社製)
OilBlack860:Oil Black 860(オリエント化学社製)
(粒子Tgの計算)
前記処方を元に、粒子中の染料、コアポリマー、シェルポリマーの割合を計算した。シェルポリマーの割合については、反応性乳化剤とシェルモノマーであるメチルメタクリレートの合計量とした。事前に測定した染料の融点、各ポリマーのTgを元に、請求項1の式に従って粒子のTg計算値を算出したものを、表3に示した。参考までに計算式を以下に示す。
粒子Tg(℃)=1/(D1/染料1の融点(K)+D1/染料2の融点(K)
+CP1/コアポリマー1のTg(K)+CP2/コアポリマー2のTg(K)
+SP/シェルポリマーのTg(K))−273
D1:微粒子中の染料1の質量分率
D2:微粒子中の染料2の質量分率
CP1:微粒子中のコアポリマー1の質量分率
CP2:微粒子中のコアポリマー2の質量分率
SP:微粒子中のシェルポリマーの質量分率
Figure 2005082601
(インク作製)
上記方法により調製した着色微粒子分散液Y1を75g、エチレングリコールを10g、グリセリンを5g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを3g、オルフィンE1010(日信化学社製)を0.5g、及び防腐剤Proxel GXL(Avecia社製)を0.1g混合し、純水を加えて100gとした。次いで、0.8μmのメンブランフィルターによってろ過し、ごみ及び粗大粒子を除去してインクジェット用インクNo.1を調製した。
同様に本発明のインクNo.2〜6、及び比較のインクNo.A〜Gについても、表4に記載の処方により調製した。
(画像の形成および評価)
(濃度変動評価)
各インクを純正カラーインクカートリッジに詰めて、インクジェットプリンターCL−750(セイコーエプソン社製)に充填し、インクジェットペーパーフォトライクQP(コニカ社製)に、プリンタードライバーをオフにして、10段のパッチからなるウェッジパターンを印字した。ウェッジパターンは、各パッチ間の濃度について、最大濃度を100%として10%刻みで変化させたものである。インク濃度が低い方から5段目、すなわち最大濃度に対して50%の濃度のパッチについて、印字から1時間後の濃度と、印字の1時間後に温度20℃、湿度80%の環境室に1週間放置した後の濃度をX−Rite900濃度計(日本平板機材社製)により測定した。熱湿保存前後の濃度を、下式に従い濃度上昇率として表4に示した。
濃度上昇率=(保存後の濃度−保存前の濃度)/保存前の濃度
(細線評価)
上記評価と同様に、インクジェットペーパーフォトライクQP(コニカ社製)に対し、細線が等間隔で10本並んでいるパターンを印字し、印字から1時間後の細線と、印字の1時間後に温度20℃、湿度80%の環境室に1週間放置した後の細線の変化を目視により評価した。
○ 熱湿保存前後で細線の状態が全く変わらない
△ 熱湿保存後、細線がわずかに太くなっている
× 熱湿保存後、細線が顕著に太くなっている
(擦過性評価)
上記評価と同様に、インクジェットペーパーフォトライクQP(コニカ社製)に対し、ベタ画像を印字し、消しゴムにより画像を擦ることにより、擦過性を評価した。
○ 消しゴムで擦っても画像にほとんど変化が見られない
× 消しゴムで擦ると画像が擦れて薄くなってしまう
Figure 2005082601
表4から、本発明のインクは、濃度変動、細線の変化が少なく、かつ擦過性に問題のないことがわかる。
(インクセットの評価)
本発明のインクNo.1〜6を純正カラーインクカートリッジに詰めて、インクジェットプリンターPM−850C(セイコーエプソン社製)に充填し、インクジェットペーパーフォトライクQP(コニカ社製)に印字して画像1を作成した。同様に比較のインクNo.A〜Fにより画像2を作成した。
画像1、2を温度20℃、湿度80%の環境室に1週間放置したところ、本発明のインクにより作成した画像1は、色バランスの変化が無く、色間の滲みも生じなかった。一方、比較のインクより作成した画像2は明らかに色変動が認められ、色間の滲みも生じていた。

Claims (11)

  1. 色材とポリマーからなる着色微粒子分散体において、以下の方法により計算される粒子のTgが、35℃以上90℃未満であることを特徴とする着色微粒子分散体。
    Tg(℃)=1/(D/色材の融点(K)+P/ポリマーのTg(K))−273
    (式中、Dは微粒子中の色材の質量分率を表し、Pは微粒子中のポリマーの質量分率を表す。)
  2. 請求項1に記載の方法により計算される粒子のTgが、50℃以上80℃未満であることを特徴とする請求項1に記載の着色微粒子分散体。
  3. ポリマーがビニルポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の着色微粒子分散体。
  4. 色材が油溶性染料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色微粒子分散体。
  5. 着色微粒子分散体がコアシェル構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色微粒子分散体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色微粒子分散体を含むことを特徴とする水系の着色微粒子分散体インク。
  7. イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色とも請求項6に記載の着色微粒子分散インクであることを特徴とするインクセット。
  8. 同じ色について濃度が異なる2種類以上の着色微粒子分散インクを有することを特徴とする請求項7に記載のインクセット。
  9. 請求項6に記載の着色微粒子分散インクを用いることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 請求項6に記載の着色微粒子分散インクをインクジェット専用光沢紙に印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 請求項6に記載の着色微粒子分散インクをインクジェット専用光沢紙に印字した記録画像。
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