JP2005071805A - 金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子と金属の粒子を含む組成物、組成物を用いたプリント配線基板、その製造方法及びそれに用いるインク - Google Patents

金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子と金属の粒子を含む組成物、組成物を用いたプリント配線基板、その製造方法及びそれに用いるインク Download PDF

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Abstract

【課題】簡易且つ迅速に微細な導電体を形成することができるメタライズ組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも、金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子と金属の粒子とからなり、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の容積V1と金属の粒子の容積V2の比が1.0≦V2/V1であることを特徴とする組成物を採用した。

Description

本願発明は、金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子と金属の粒子とを含む組成物及びメタライト組成物、当該組成物を用いたプリント配線基板に関する。すなわち、高密度の回路が簡易に製造できるプリント配線基板、その製造方法及びそれに用いるインクに関する。
基板上に導電層を形成する方法として、銀や銅等の導電膜をスパッタリング、真空蒸着、無電解めっき、金属箔の接合等により全面に製造した後、フォトリソグラフィーにより所望の層にエッチングする方法、マスクを通して無電解めっきや真空蒸着等により所望の導電層を形成する方法、はんだや導電ペーストを用いて基板上に描画する方法、異方性導電膜を製造し、所望の層に圧着する方法等が知られている。しかしながら、これらの方法では微細な導電層を迅速に製造することや廃液処理の必要性等の問題がある。
以上の方法の他に、特開2002−299833号公報には、金、銀、銅等の金属微粒子の分散剤を用いて、被覆し、有機溶媒中に安定に分散した銀ナノペーストを250℃以下で焼結して導電層を製造する方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、金属粒子のサイズが数十nm以下になると表面積が大きくなり、酸化を受けやすくなり、抵抗値の増大が無視できない。この傾向は銅や錫等の標準電極電位がより卑であるナノ粒子の場合において特に顕著である。このため、インクの保存や取扱いが面倒であるという問題を有する。
また、特開昭59−36993号公報には、金属酸化物若しくはその混合物からなる絶縁層を基板回路上に設け、その一部をエネルギー照射で金属化して導体部を製造する方法が開示されている(特許文献2)。この方法は、還元反応に伴う脱炭酸ガスの作用により、均一な導体層の製造は難しく、実用性はなかった。
一方、特開昭63−257107号公報には、CuO粉体85〜95重量%とCu粉体15〜5重量%から成る無機成分とビヒクルより構成されていることを特徴とするメタライズ組成物について開示されている(特許文献3)。さらに、この組成物は、回路の高密度実装用基板として用いることが記載されているが、CuO粉体の含量が多いため、基板上に陥没が生じ均一なプリント基板の作成が困難である。
特開2002−299833号公報 特開昭59−36993号公報 特開昭63−257107号公報
上述のとおり、従来の方法では、多層配線構造が可能なオンデマンドのプリント配線基板を提供することが困難であった。そこで、本願発明ではこの点を解決することを目的とする。
すなわち、本願発明は、簡易且つ迅速に微細な導電体/導電層を形成することができるメタライズ組成物を提供することを目的とする。さらに、低温で燃成することにより微細な導電層が製造できる多層プリント配線基板及びその製造方法を提供する。
本願発明のさらなる目的は、簡易且つ迅速に微細な導電層を形成することができる多層プリント配線基板の製造に用いるインクを提供することである。
本願発明の課題を達成すべく、本願発明では、
(1)少なくとも、金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子と金属の粒子とからなり、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の容積V1と金属の粒子の容積V2の比が1.0≦V2/V1であることを特徴とする組成物;
(2)上記(1)において、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の平均球相当直径が100nm以下であることを特徴とする組成物;
(3)前記金属の粒子の平均球相当直径が0.5μm以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)のいずれか1に記載の組成物;
(4)前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子を構成する金属及び前記金属の粒子を構成する金属が、それぞれ独立に、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni及びCoからなる群から選ばれた、1種以上からなることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の組成物;
(4―1)上記(4)において、さらに、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子を構成する金属及び前記金属の粒子を構成する金属が、Ag又はCuからなることを特徴とする組成物;
(5)前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子を構成する金属及び前記金属の粒子を構成する金属が、同一の金属であることを特徴とする上記(4)に記載の組成物;
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の組成物を含むメタライズ組成物;
(7)上記(6)に記載のメタライズ組成物を用いる導電体の形成方法であり、かつ、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の一部又は全部を金属に還元する過程を含む導電体の形成方法;
(8)上記(7)において、還元剤により還元することを特徴とする導電体の形成方法;
(9)上記(7)において、エネルギー照射により還元することを特徴とする導電体の形成方法;
(10)上記(8)において、実質的に常温では還元性を示さないがエネルギー照射により還元性を発揮する還元剤により還元することを特徴とする導電体の形成方法;
(11)上記(9)又は(10)のいずれか1において、レーザービーム、電子ビーム、イオンビーム及び熱線から選ばれた、1種以上によりエネルギー照射することを特徴とする導電体の形成方法;
(12)上記(11)において、100〜500℃の熱線で還元することを特徴とする導電体の形成方法;
(13)前記還元剤が有機還元剤、ヒドラジン及びヒドロキシルアミンからなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする上記(8)又は(10)のいずれか1に記載の導電体の形成方法。
(14)前記有機還元剤がヒドラジン系化合物類、ヒドロキシルアミン系化合物類、ジオール類及び下記一般式(1)で表される化合物類からなる群から選ばれた1種以上の有機化合物であることを特徴とする上記(13)に記載の導電体の形成方法。
一般式(1)
X-(A=B)n-Y
(式中、A及びBはそれぞれCH又は窒素原子を表し、X及びYはそれぞれ非共有電子対を有する原子を介して結合する原子団を表し、nは0〜3を表す。nが2以上の場合、A及びBは繰り返し単位毎に異なっていても良い。);
(15)上記(7)〜(14)のいずれか1において、真空もしくは不活性ガス雰囲気下で、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物金属を金属に還元することを特徴とする導電体の形成方法;
(15−1)上記(7)〜(15)において、前記メタライズ組成物が、塩基又は塩基前駆体を含むことを特徴とする導電体の形成方法;
(16)上記(7)〜(15−1)のいずれか1に記載の導電体の形成方法により形成した導電体;
(17)上記(6)に記載のメタライズ組成物を含む分散液を基板上に塗布し、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の少なくとも一部を金属に還元して導電層を形成することを特徴とするプリント配線基板の製造方法であって、前記導電層の領域を図形情報としてコンピュータに入力し、前記図形情報に基づき、前記分散液を基板上に吐出して導電層を形成することを特徴とするプリント配線基板の製造方法;
(17−1)上記(17)において、前記還元剤又は当該還元剤の溶液が塩基又は塩基前駆体を含有することを特徴とするプリント配線基板の製造方法;
(17−2)上記(17)〜(17−1)のいずれか1に記載のプリント配線基板の製造方法により製造したプリント配線基板;
(18)上記(6)に記載のメタライズ組成物を含むプリント配線基板製造用インク;
を採用した。
本願発明では、少なくとも、金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子と金属の粒子とからなり、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の容積V1と金属の粒子の容積V2が1.0≦V2/V1であることを特徴とする組成物を採用することにより、容易に、良好な多層配線構造が可能なオンデマンド型プリント配線基板が得られた。また、簡易かつ迅速に微細な導電層を描画することができる多層プリント配線基板に用いることができるインクが提供された。
発明を実施するための形態
本願発明では、少なくとも、金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子と金属の粒子とからなり、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の容積V1と金属の粒子の容積V2の比が1.0≦V2/V1であることを特徴とする組成物を採用している。当該組成物は、メタライズ組成物として、例えば、基板上に塗布し、当該金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の一部又は全部を還元して導電体とすることができる。ここで、金属酸化物(例えば、CuO)や金属水酸化物は、その一部又は全部が還元されると、酸素を放出する。そのため、金属酸化物及び/又は金属水酸化物だけでは、酸素が放出した部分に陥没ができる。そこで、金属自身(例えば、Cu)を併せて採用し、当該陥没部分ができないような構成となっている。すなわち、当該金属酸化物や金属水酸化物(例えば、CuO)が還元されるとともに融着される。これは、本願発明の組成物を採用することにより、初めて達成されたものである。さらに、金属酸化物や金属水酸化物(例えば、CuO)は、金属自身(例えば、Cu)よりも、融点が低いことから、低温で焼成することにより、微細な導電体の製造が可能になった。すなわち、従来から知られている金属のみのメタライズ組成物で導電体を形成するよりも、この点からも有意である。
本願発明でいう粒子とは、小さい粒状のものをいい、その形状は特に定めるものではない。例えば、球形、長球等があげられる。もちろん、これらは、正円あるいは正楕円の回転体である必要は無く、一部がゆがんでいても良い。また、角型の形状、球形と角型を組み合わせたような形状をしていてもよい。
本願発明でいう容積とは、粒子の体積をいい、V2のV1に対する比率(V2/V1)が、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.33以上である。1.0以上とすることにより、より容易に金属の隙間を埋めることが可能となる。また、上限は、特に定めるものではないが、9.0以下、より好ましくは、4.0以下である。9.0以下とすることにより、金属粒子間の結合を十分に生じさせることができ、より良好な導電体を形成することができる。従って、V2のV1に対する比率(V2/V1)の好ましい範囲は、1.0〜9.0であり、さらに好ましい範囲は、2.33〜4.0である。尚、本願発明で「〜」と示すとき、その前の数字以上、後の数字以下の範囲を示す(以下、同じ。)。
本願発明に用いる金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子を構成する金属及び金属の粒子を構成する金属は、特に定めるものではない。例としては、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni、Co、Mn、Tl、Cr、V、Ru、Rh、Ir、Al等が挙げられる。これらの金属の中では、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni及びCoの酸化物及び/又は水酸化物の粒子及び金属の粒子が好ましく、Ag又はCuの酸化物及び/又は水酸化物の粒子及び金属の粒子がより好ましい。
本願発明の組成物、メタライズ組成物及び分散液の金属酸化物等の粒子の濃度は、金属換算値で1〜80質量%が好ましく、5〜70質量%がより好ましい。また、組成物等に含まれる金属酸化物等の粒子及び金属の粒子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。加えて、金属酸化物等の粒子中の金属の価数は、1でもよいし、2以上でも良い。また、金属酸化物等の粒子と、金属の粒子とは、同一の金属を採用しても良いし、異なる金属を採用しても良い。好ましくは、同一の金属を採用する。
金属酸化物及び/水酸化物の粒子は、好ましくは、Ag又はCuの酸化物(例えばAg2OやCu2O)である。金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の平均球相当直径は、好ましくは、100nm以下、より好ましくは、50nm以下である。特に、平均球相当直径は、1〜100nm、さらには、1〜50nmが好ましい。さらには、すべての金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の球相当直径が、100nm以下、好ましくは、50nm以下とすることができる。尚、本願発明でいう球相当直径とは、粒子をこれと同じ容積の球に換算した場合の球の直径をいう。従って、平均球相当直径とは、当該球相当直径の平均値をいう。
一方、金属の粒子は、好ましくは、Ag又はCuである。さらに、金属の平均球直径は、好ましくは、0.5μm以上、より好ましくは、0.5μm〜10μm、さらに好ましくは、0.5μm〜2μmである。さらには、すべての金属の粒子の球相当直径を、0.5μm以上とすることができる。
さらに、本願発明の組成物、メタライズ組成物又は分散液に、SiO、SiO2、TiO2等の無機粒子、粒子状又は粒子状でないポリマを併用しても良い。これらを併用すると、例えば、エネルギーの未照射部及び照射部の絶縁性/導電性を調節するためにより有効である。
本願発明の組成物、メタライズ組成物及び分散液は、金属塩(上記金属の塩化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩等)の溶液を塩基性溶液で中和処理したり、金属アルコキシドを加水分解したり、高原子価の金属塩溶液に還元剤を添加して、低原子価の金属酸化物又は水酸化物に還元すること等により調製することができる。有機酸塩の場合、有機酸の好ましい具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、2-エチル酪酸、ピバル酸、吉草酸、イソ吉草酸、プロピオール酸、乳酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、アクリル酸、メタクリル酸、エチルメチル酢酸、アリル酢酸、アセト酢酸等が挙げられる。
本願発明で、還元する方法としては、本願発明の精神を逸脱しない限り従来技術を広く採用することができる。一例をあげると、還元剤の添加やエネルギー照射による還元等の手段を採用することができる。これらの手段は、単独でもよいし、併有してもよい。例えば、エネルギー照射により還元性を示す還元剤と、エネルギー照射を必要としない還元剤を併用することにより、還元性の度合いを適宜調整することができる。還元剤は、メタライズ組成物或は分散液に添加して用いてもよいし、別に添加してもよい。別に添加する場合、還元剤単独で添加してもよいし、何らかの溶媒に添加した別液を採用しても良い。
エネルギー照射下でより強い還元性を発揮させる還元剤としては、例えば、金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子に対し、実質的に還元性を示さないがエネルギー照射により還元性を発揮する還元剤があげられる。ここで、実質的に還元性を示さないとは、例えば、本願発明の目的を達成する導電体を形成することができる程度に、金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子を還元できないことをいう。また、常温とは、15〜40℃の範囲をいう。このような還元剤を採用すると、プリント配線基板の製作者が、金属酸化物等の粒子を還元させるときを、比較的自由に、決定できるので好ましい。以上の通り、本願発明に使用する還元剤としては、エネルギー照射によって加熱する場合、その温度は300℃以下であるのが好ましく、約250℃以下であるのがより好ましい。すなわち、還元剤は、約300℃以下の温度で金属酸化物等の粒子に対して十分な還元性を有するものが好ましい。尚、エネルギー照射によって加熱する場合の加熱温度の下限は、特に、定めるものではないが、少なくとも、常温より高い温度であることはいうまでもない。具体的には、100℃以上が好ましい。尚、本願発明でいう還元剤は、いわゆる触媒を含む趣旨である。
還元性の強い還元剤を採用する場合、メタライズ組成物又は分散液と還元剤を別々に調整し、使用する直前に混合するのが好ましい。基板上に、導電性層として形成する場合は、当該混合直後に基板上に塗布するのが好ましい。さらに、より還元性の強い還元剤を採用する場合は、基板上に塗布し混合するのが好ましい。このような手段を採用することにより、金属の粒子と、金属酸化物等の粒子の融着がより上手く行われるように、還元作用を行わせることができる。一方、エネルギービームを絞って金属酸化物又は金属水酸化物の粒子の還元を選択的に行なうことにより、例えば、絶縁体である金属酸化物粒子層が層状に導体化するので、平滑な面の中に導電層を形成することができる。従って、多層配線層を得る場合によい。さらに、インクジェットやディスペンサ等の技術を用いてインクを吐出すれば、オンデマンドで簡易、迅速に高密度の層を得ることができる。この場合、エネルギー照射は吐出部の全体でも一部でも良い。
導電体/導電層の製造に用いるエネルギーを与える手段は、例えば、電気炉、マイクロ波等の電磁波、赤外線、ホットプレート、レーザービーム、電子ビーム、イオンビーム、熱線、発熱抵抗体を有する転写ヘッド等が挙げられる。特に局所的に微細に加熱できる点でレーザービーム、電子ビーム、イオンビーム、熱線が好ましい。比較的小型で、簡易にエネルギー照射が可能な点でレーザービームが最も好ましい。レーザービームの波長は、金属酸化物等の粒子、還元剤、溶媒又は別液、さらに、添加されるカーボンナノ粒子や色素等が吸収を有するものであれば、紫外光から赤外光まで任意のものを選択できる。代表的なレーザーとしては、AlGaAs、InGaAsP、GaN系等の半導体レーザー、Nd:YAGレーザー、ArF、KrF、XeCl等のエキシマレーザー、色素レーザー、ルビーレーザー等の固体レーザー、He-Ne、He-Xe、He-Cd、CO2、Ar等の気体レーザー、自由電子レーザー等が挙げられる。また面発光型半導体レーザーやこれを1次元又は2次元に配列したマルチモードアレイを用いることもできる。これらのレーザービームの第2高調波、第3高調波等の高次高調波を利用しても良い。これらのレーザービームは連続的に照射しても、パルス状に複数回照射しても良い。照射エネルギーは金属酸化物又は金属水酸化物の粒子種、還元剤種、バインダーや溶剤等の種類や量等に依存し、一概には言えないが、生成した金属ナノ粒子が実質的にアブレーションせずに、溶融するように設定する。
金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の還元に用いる還元剤は、当該金属酸化物及び/又は金属水酸化物を還元するものであれば、特に定めるものではなく、金属酸化物等の粒子の種類等に応じて適宜選択するのが好ましい。また、還元剤は1種類のみを用いても、2種類以上を組合せて用いても良い。従って、無機還元剤及び有機還元剤のいずれも採用することができる。無機還元剤としては、NaBH4、ヒドラジン又はヒドロキシルアミン等が挙げられる。また有機還元剤としては、ヒドラジン基を含有するヒドラジン系化合物類(例えばフェニルヒドラジン等)、p-フェニレンジアミン、エチレンジアミン、アルキルアミノアルコール、p-アミノフェノール等のアミン類、ヒドロキノン、カテコール、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール等のジオール類、又は 一般式(1)
X-(A=B)n-Y
(式中、A及びBはそれぞれCH又は窒素原子を表し、X及びYはそれぞれ非共有電子対を有する原子を介して結合する原子団を表し、nは0〜3を表す。nが2以上の場合、A及びBは繰り返し単位毎に異なっていても良い。)により表される有機還元剤又はその互変異性体、又は熱的にこれらを生成する化合物類等が挙げられる。
一般式(1)により表される化合物における非共有電子対を有する原子としては、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子等が好ましく、酸素原子、窒素原子がより好ましい。これらの原子を含む原子団X及びYとしては、OR1、NR1R2、SR1、及びPR1R2(ただし、R1及びR2はそれぞれ水素原子又は置換基を表す。)が好ましい。前記置換基としては、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換又は無置換の炭素数1〜10のアシル基が好ましい。nは0〜3が好ましく、0〜2がより好ましく、0〜1が最も好ましい。nが2以上のときA及びBは繰り返し単位ごとに異なっていても良い。またAとB、XとA、又はYとBは互いに結合して環構造を製造しても良い。環構造を製造する場合、5員環又は6員環が好ましく、さらにこれらの環は縮環していても良い。縮環する場合、5〜6員環が好ましい。
本願発明の還元剤としては、金属イオンが残留しない有機還元剤、ヒドラジン又はヒドロキシルアミンが好ましい。還元後の残渣が少ないものを採用すると、配線の導電性に悪影響を及ぼすことをより効果的に避けることができる。さらに、還元後に揮発性(昇華性)又は分解して揮発性になる性質を有するものが好ましい。また、少量で金属酸化物等の粒子を還元可能な還元剤、例えば、低分子量の還元剤が好ましい。具体的には、好ましくは分子量が5000以下の還元剤であり、より好ましくは分子量が3000以下の還元剤であり、さらに好ましくは分子量が2000以下の還元剤である。ここで、還元する際に用いる不活性ガスとは、実質的に酸素を含まないガスのことをいう。具体的には、チッソガスやヘリウムガス等があげられる。これらの不活性ガスを用いることにより金属の酸化を抑制することができる。また、真空下での還元により金属の酸化を抑制することも可能である。
本願発明の金属酸化物等の粒子の還元には、従来技術にある有機還元剤のほか、以下に挙げる有機・無機還元剤を用いることができる。
Figure 2005071805
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Figure 2005071805
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本願発明の組成物、メタライズ組成物、分散液及び後述するインクを溶解する溶媒としては、例えば、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、 メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類、ジクロルメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、2,5-ヘキサンジオール、1,4-ブタンジオール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキセノール等のアルコール類、2,2,3,3-テトラフロロプロパノール等のフッ素系溶剤類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノイソプロパノール、3-ジエチルアミノ-1-プロパノール、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-メチルアミノエタノール、4-ジメチルアミノ-1-ブタノール等のアルキルアミノアルコール類、酪酸、イソ酪酸、2-エチル酪酸、ピバル酸、吉草酸、プロピオン酸、乳酸、アクリル酸、メタクリル酸、プロピオール酸、エチルメチル酢酸、アリル酢酸等のカルボン酸類、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン等のアミン類等、水等を採用することができる。
これらの溶媒は、金属酸化物等の粒子の分散安定性、還元剤の溶解性、還元剤の酸化に対する安定性、粘度等を考慮して、1種類又は2種類以上を組合せて用いることができる。好ましくは、金属酸化物等の粒子の分散性及び還元剤の溶解性に優れた溶媒(共通溶媒)を選択する。
本願発明のメタライズ組成物及び分散液は、吸着性化合物、界面活性剤、両親媒性高分子等の安定剤を添加することができる。このような手段を採用すると、金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の表面に、当該安定剤を吸着させることができる。安定剤は、金属酸化物等の粒子の表面を修飾し、安定化する。従って、例えば、当該組成物をプリント配線基板の製造に利用する場合、分散液が安定する。本願発明の分散液は、上記安定剤の存在下で遠心分離等によって沈降させた後、得られた金属酸化物等の粒子を洗浄し、別の分散溶媒で再分散することもできる。また、脱塩等の精製、濃縮処理を行なっても良い。このような手段を採用した分散液は、より不純物の少ない導電性層を提供することが可能となる。
吸着性化合物としては、例えば、-SH、-CN、-NH2、-SO2OH、-SOOH、-OPO(OH)2、-COOH等の官能基を有する化合物、好ましくは、-SH基を有する化合物(ドデカンチオール、L-システイン等)、-NH2基を有する化合物(オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等)が好ましい。親水性コロイドの場合、親水性基[例えば、-SO3Mや-COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム分子等を表わす)]を有する吸着性化合物を使用するのが好ましい。これらは、1種のみを採用しても良いし、2種類以上を採用しても良い。
界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤(例えば、ビス(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、ノニオン界面活性剤(例えばポリアルキルグリコールのアルキルエステルやアルキルフェニルエーテル等)、フッ素系界面活性剤等を使用することができる。これらは、1種のみを採用しても良いし、2種類以上を採用しても良い。
両親媒性高分子として、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等を使用することができる。これらは、1種のみを採用しても良いし、2種類以上を採用しても良い。
上記安定剤の添加量は、金属酸化物等の粒子に対し、質量比で0.01〜2倍であるのが好ましく、0.1〜1倍がさらに好ましい。安定剤は、金属酸化物等の粒子の表面を0.1〜10nmの厚さに被覆するのが好ましい。被覆は、金属酸化物等の粒子の全体を覆っていても良いし、少なくとも一部を覆っていてもよい。
金属酸化物等の粒子が上記安定剤の有機化合物によって、表面修飾されていることは、FE-TEM等の高分解能TEMの観察において金属酸化物粒子間隔が一定であること、及び化学分析により確認することができる。
さらに、メタライズ組成物、分散液、インク又は別液には、塩基又は塩基前駆体等の還元作用促進剤を入れておくことができる。もちろん、塩基又は塩基前駆体自身に還元作用があっても良い。
本願発明のメタライズ組成物、分散液、インク又は別液には、さらに必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、カーボンナノ粒子、色素、熱硬化型フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等の各種添加剤を目的に応じて添加しても良い。
本願発明で使用する基板材料としては、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、パイレックスガラス、サファイア等のガラス、Al2O3、MgO、BeO、ZrO2、Y2O3、ThO2、CaO、GGG(ガドリウム・ガリウム・ガーネット)等のセラミックス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン、スチレン系樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、金属等を採用することができる。
上記基板材料は、1種類のみを用いても、2種類以上を併用しても良い。また、用途に応じ、これらの基板材料から適宜選択して、フィルム状等の可撓性支持体、又は、剛性のある支持体とすることができる。支持体の形状は、円盤状、カード状、シート状等、公知の形状を広く採用することができる。また、三次元的に積層されたものでも良い。さらに、基板のプリント配線を行なう箇所に、アスペクト比が1以上の細孔、細溝を有していてもよい。この場合、当該細孔等の中に、インクジェット又はディスペンサ等により前記金属酸化物等の粒子の分散液や還元剤、別液を吐出することもできる。
前記基板には、表面の平滑性の改善、接着力の向上、変質防止等の目的で、下地層を設けても良い。下地層の材料は支持体とインクとの密着性に優れているのが好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N-メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、熱硬化性又は光・電子線硬化性樹脂、カップリング剤(例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ゲルマニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等)、コロイダルシリカ等があげられる。
前記下地層は、例えば、上記材料を、適当な溶媒に、溶解又は分散させて塗布液を調製し、前記塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート、バーコート等の塗布法を利用して支持体表面に塗布することにより製造する。前記下地層の層厚(乾燥時)は、0.001〜20μmが好ましく、0.005〜10μmがより好ましい。
溶液の混合から、基板上に製造した混合液のエネルギー照射による導電層の製造まで、全ての工程を不活性ガス中で行なっても良い。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられる。
一方、本願発明の組成物又はメタライズ組成物は、特定の溶媒に分散させることにより、上記分散液又はプリント配線基板製造用インクとすることができる。本願発明の組成物等を含むインクを採用する場合、本願発明の精神を逸脱しない限り、他の条件は適宜定めることができる。インクの粘度は、インクジエットノズルから吐出させる場合は、1〜100cP(0.001〜0.1Pa・s)であるのが好ましく、特に、5〜30cP(0.005〜0.03Pa・s)であるのが好ましい。例えば、インクジェットプリンタで層状に塗布する場合、インクの粘度を100cP以下とすることにより、ノズルからより容易にインクを射出することができる。逆に、インクの粘度を1cP以上とすることにより、層が滲むのをより効果的に防止することができる。また、インクの表面張力は25〜80 mN/mであるのが望ましく、30〜60 mN/mであるのがより望ましい。ディスペンサを用いて吐出させる場合は、ディスペンサノズルの形状に応じてインク粘度を最適化することができるが、好ましくは100cP〜1000000cP(0.1Pa・s〜1000Pa・s)であり、より好ましくは100cP〜10000cP(0.1Pa・s〜10Pa・s)である。
インクの塗布は、スピンコート、バーコート、ディップコート、エクストルージョンコート、印刷法等により行うことができる。この場合、基板全面に塗布することも、必要な部分のみに塗布することもできる。尚、本願発明でいう塗布は、基板又は層の上に、分散液、インク等を一定箇所に薄く載せることをいい、いわゆる、描画等を含む趣旨である。
また、インクで基板表面に層を製造するには、例えば、インクをノズルから液滴状もしくは連続的に基板上に吐出する方法を採用する。吐出の方法としては、上述のインクジェットプリンタやディスペンサ等による方法があげられる。また、2液を使用直前に混合する場合には、例えば、マイクロリアクタやマイクロミキサ等があげられる。
インクジェットプリンタとしては、各種のタイプのものを採用できる。例えば、インクの吐出方式により区別すると、圧電素子型、バブルジェット型、空気流型、固形熱溶融性インク型、静電誘導型、音響インクプリント型、電気粘性インク型、また大量生産に適した連続噴射型等を採用することができる。これらのインクジェットプリンタは、層の形状や厚さ、インクの種類等により適宜選択する。
層幅やピッチを数μm程度まで微細化するために、インクジェット方式では、吐出するインク滴の大きさを調節し、ディスペンサ方式では、インク滴の流量を調節するとよい。これにより、回路層の製造に、容易に対応できる。また、インクジェットプリンタやディスペンサ等の吐出装置とパソコン等のコンピュータを接続することにより、コンピュータに入力された図形情報により、基板上に層を塗布することができる。金属酸化物粒子は通常絶縁体であるのでインクジェット又はディスペンサを用いて回路層より幅広に描画し、その中に微細な回路層を得るように選択的にエネルギー照射して導電層を製造することができる。この場合、導電層と絶縁部の乾燥膜厚はほぼ同じであるので望ましい。導電層及び絶縁部の膜厚は、用途により0.1〜10μmの範囲で設定できる。このように本願発明によると、フォトレジストを使用して導電膜をパターニングする従来の方法に比べて、格段に容易に短時間で層製造を行うことができる。ディスペンサは公知の構造のディスペンサノズルを用いることができる。また、特願2003−279765号に記載のノズルを用いることもできる。
マイクロリアクタやマイクロミキサの詳細は、特開2003−193119号公報の記載を参照することができる。一例をあげると、マイクロリアクタは、第1の流体を通す第1の流路と第2の流体を通す第2の流路を具備し、前記2つの流体が各々実質的に薄い流体層をなして流れる領域の少なくとも1箇所で両流体の接触界面が製造され、前記接触界面における前記2つの薄い流れの厚さがそれぞれ1〜500μm(接触界面の法線方向)であり、前記接触界面において前記2つの流体が反応又は混合する構造を有する。
実施例1
50gの酢酸銅(II)1水和物を、50mlのイソ酪酸、70mlの2-エトキシエタノール、及び水20mlの混合溶媒に、130℃に加熱しながら溶解した。1.5mlのドデシルアミン及び45mlの上記例示化合物(R-10)を添加した。そのまま1分間反応させた後、室温まで冷却し、赤褐色のコロイド分散液を得た。乾燥させてX線回折(XRD)測定を行ったところ、平均結晶子サイズが14nmのCu2O微粒子が生成していた。
上記の方法で合成したCu2O粒子の3.3g(平均球相当直径14nm、密度6.0g/cm3)、平均球相当直径5μmの金属銅粒子6.7g(比重8.3g/cm3)を、分散剤として1.1gのTween20(和光純薬製)を用い、自動乳鉢で混合した後ロールミルを用いてさらに混合して分散した。ここで、酸化銅粒子と金属銅粒子の容積比率は26/74であり、六方最密充填にほぼ等しかった。得られたペースト状液体を熱重量分析したところ、270℃から重量減少が観測され、酸化銅の還元が生じていることが確認された。また、得られた液体は曳糸性を示し、ピンセットで液体をはさんで延伸することで直径10μmの繊維が得られた。この繊維を、チッソ雰囲気下、350℃、1時間焼成処理を行ったところ、金属光沢を有する繊維となった。
実施例2
平均粒子直径48nmのCuO粒子3.2g(比重6.3g/cm3)、平均球相当直径0.82μmの金属銅粒子6.8g(比重8.3g/cm3)を実施例1と同様に混合して分散した。ここで、酸化銅粒子と金属銅粒子の容積比率は26/74であり、六方最密充填にほぼ等しかった。得られたペースト状液体を熱重量分析した結果、270℃から重量減少が観測され、酸化銅の還元が生じていることが確認された。また得られた液体は曳糸性を示し、ピンセットで液体をはさんで延伸することで直径10μmの繊維が得られた。この繊維をチッソ雰囲気下、50℃、1時間焼成処理を行ったところ、金属光沢を有する繊維となった。
実施例3
実施例1において、酸化銅粒子と金属銅粒子の使用比率はそのままで、分散剤を3.33g用いた他は同様に混合して分散した。得られたペースト状液体の粘度は60℃で約1000cP(1Pa・s)であった。この液体をノズル内径が50μmのディスペンサを用い、80℃、一定圧力下でガラス基板上に吐出してパターニングし、チッソ雰囲気下、350℃、1時間焼成処理を行ったところ、金属光沢を有する導体層を得た。
比較例1
実施例1において、平均球相当直径5μmの金属銅粒子を添加せずに、平均球相当直径が48nmのCu2O粒子10.0g(比重6.3g/cm3)を用いた他は、同様に行った。得られたペースト状液体の粘度は、100℃で107cP(104Pa・s)あり、殆ど流動性を示さなかった。
比較例2
実施例1において、平均球相当直径14nmのCu2O粒子を添加せずに、平均球相当直径が5μmの金属銅粒子10.0g(比重8.3g/cm3)を用いた他は、同様に行った。得られたペースト状液体を、チッソ雰囲気下、350℃、1時間焼成処理したところ、黒色の固体を得た。光学顕微鏡で観察したところ、この固体は金属銅粒子の集まりであり、個々の粒子が融着していないことが分かった。

Claims (18)

  1. 少なくとも、金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子と金属の粒子とからなり、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の容積V1と金属の粒子の容積V2の比が1.0≦V2/V1であることを特徴とする組成物。
  2. 請求項1において、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の平均球相当直径が100nm以下であることを特徴とする組成物。
  3. 前記金属の粒子の平均球相当直径が0.5μm以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の組成物。
  4. 前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子を構成する金属及び前記金属の粒子を構成する金属が、それぞれ独立に、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni及びCoからなる群から選ばれた、1種以上からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子を構成する金属及び前記金属の粒子を構成する金属が、同一の金属であることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物を含むメタライズ組成物。
  7. 請求項6に記載のメタライズ組成物を用いる導電体の形成方法であり、かつ、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の一部又は全部を金属に還元する過程を含む導電体の形成方法。
  8. 請求項7において、還元剤により還元することを特徴とする導電体の形成方法。
  9. 請求項7において、エネルギー照射により還元することを特徴とする導電体の形成方法。
  10. 請求項8において、実質的に常温では還元性を示さないがエネルギー照射により還元性を発揮する還元剤により還元することを特徴とする導電体の形成方法。
  11. 請求項9又は10のいずれか1項において、レーザービーム、電子ビーム、イオンビーム及び熱線から選ばれた、1種以上によりエネルギー照射することを特徴とする導電体の形成方法。
  12. 請求項11において、100〜500℃の熱線で還元することを特徴とする導電体の形成方法。
  13. 前記還元剤が有機還元剤、ヒドラジン及びヒドロキシルアミンからなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項8又は10のいずれか1項に記載の導電体の形成方法。
  14. 前記有機還元剤がヒドラジン系化合物類、ヒドロキシルアミン系化合物類、ジオール類及び下記一般式(1)で表される化合物類からなる群から選ばれた1種以上の有機化合物であることを特徴とする請求項13に記載の導電体の形成方法。
    一般式(1)
    X-(A=B)n-Y
    (式中、A及びBはそれぞれCH又は窒素原子を表し、X及びYはそれぞれ非共有電子対を有する原子を介して結合する原子団を表し、nは0〜3を表す。nが2以上の場合、A及びBは繰り返し単位毎に異なっていても良い。)
  15. 請求項7〜14のいずれか1項において、真空もしくは不活性ガス雰囲気下で、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物金属を金属に還元することを特徴とする導電体の形成方法。
  16. 請求項7〜15のいずれか1項に記載の導電体の形成方法により形成した導電体。
  17. 請求項6に記載のメタライズ組成物を含む分散液を基板上に塗布し、前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物の粒子の少なくとも一部を金属に還元して導電層を形成することを特徴とするプリント配線基板の製造方法であって、前記導電層の領域を図形情報としてコンピュータに入力し、前記図形情報に基づき、前記分散液を基板上に吐出して導電層を形成することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
  18. 請求項6に記載のメタライズ組成物を含むプリント配線基板製造用インク。

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