JP2005069138A - ギヤポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ギヤポンプ駆動時における余剰流量を少なくする。
【解決手段】 高圧室(14)内に配置されていて駆動軸(21)回りに回転する駆動ギヤ(22)と、該駆動ギヤと係合することにより回転軸(23)回りに回転する従動ギヤ(24)とを有するギヤポンプ(10)において、駆動ギヤおよび従動ギヤのうちの少なくとも一方に対面するよう配置されていて、これら駆動ギヤおよび従動ギヤの歯先部分に対する隙間を調節可能な隙間調節部材(32)と、隙間調節部材を駆動ギヤおよび従動ギヤの歯先部分に向かって付勢する付勢手段(43)とを具備し、前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、隙間調節部材が付勢手段に抗して移動することにより、隙間が拡大するようにしたギヤポンプが提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ギヤポンプ、特にディーゼル式内燃機関に使用されるギヤポンプに関する。
従来より、ギヤポンプは、簡単な構造を有する小型軽量のポンプとして種々の産業分野に用いられている。図5は、一般的に使用される従来技術のギヤポンプの略断面図である。図5においては、ギヤポンプ100はポンプケース120と図示しないカバーとの間に高圧室140を含んでいる。さらに、高圧室140内には駆動ギヤ220とこの駆動ギヤ220に係合するよう配置された従動ギヤ240とが配置されている。図示されるように駆動ギヤ220が図面の矢印方向に回転すると従動ギヤ240は駆動ギヤ220とは反対方向に駆動される。これにより、カバーに形成された吸入口160(図5において点線で示される)から燃料が吸入され、ポンプケース120に形成された吐出口150から燃料が吐出されるようになる。また、図示されるようにチェック弁300がギヤポンプ100に対して並列に配置されている。燃料が過剰に吐出される場合にはチェック弁300が動作して、過剰な燃料の一部を吸入口160側に再び供給することができる(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特開平11−82323号公報(第1図) 特開2000−320471号公報(第1図)
ところで、図6(a)は従来技術のギヤポンプにおけるポンプ回転数と圧送効率との関係を示す図である。図6(a)においては横軸はポンプ回転数を示しており、縦軸は圧送効率を示している。図6(a)に示されるようにポンプ回転数が高いほどポンプの圧送効率も増大するようになる。ここで、図6(a)の右方に示されるようにポンプ回転数が高い場合にはポンプ回転数と圧送効率とは概ね線形関係にあるが、ポンプ回転数が低い場合には圧送効率は指数関数的に変化している。つまり、ポンプ回転数が低いときには、圧送効率も極端に低下することになる。
図6(b)は従来技術のギヤポンプにおけるポンプ回転数と吐出流量との関係を示す図である。図6(b)においては横軸はポンプ回転数を示しており、縦軸は吐出流量を示している。前述したギヤポンプの特性のために、ポンプ回転数と吐出流量との間に以下のような問題が生じる。図6(a)に示されるようなポンプ回転数が低い場合を想定してギヤポンプを製造した場合に、このポンプの回転数を高回転側に移行させる。このときポンプ吐出流量の要求圧送特性は図6(b)において点線で示されるように比較的低いものの、図6(a)に示されるように特性のために実際の圧送特性は図6(b)において実線で示されるように要求圧送特性よりもかなり高くなる。つまり、要求圧送特性と実際の圧送特性との間には図6(b)に示されるような「余剰流量」が生じることとなる。従来技術に示されるチェック弁300はこのような余剰流量の燃料を回収する役目を果たしている。
しかしながら、チェック弁によって燃料自体が無駄になるのは避けられるものの、ギヤポンプによって一旦は余剰分の燃料まで圧送していることには変わりはなく、このためにギヤポンプは本来必要でない圧送仕事までしたことになる。さらに、ギヤポンプをさらに高回転側で使用する場合には余剰流量の燃料が常に生じると共にその量もさらに増大するようになるので、ギヤポンプの駆動により生じる無駄な圧送仕事は極めて膨大になる。
1番目に記載の発明によれば、高圧室内に配置されていて駆動軸回りに回転する駆動ギヤと、該駆動ギヤと係合することにより従動軸回りに回転する従動ギヤとを有するギヤポンプにおいて、前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの少なくとも一方の歯先部分に対面するよう配置されていて、これら駆動ギヤおよび従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の歯先部分に対する隙間を調節可能な隙間調節部材と、該隙間調節部材を前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の歯先部分に向かって付勢する付勢手段とを具備し、前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記隙間調節部材が前記付勢手段に抗して移動することにより、前記隙間が拡大するようにしたギヤポンプが提供される。
すなわち1番目の発明によって、ギヤポンプが高回転で駆動されると高圧室内の圧力が増大するものの、このときには駆動ギヤおよび/または従動ギヤの歯先部分と隙間調節部材との間の隙間も拡大する。このため、これら駆動ギヤおよび/または従動ギヤの歯先部分と隙間調節部材との間からの燃料のリーク量が低回転時よりも増大するようになって、燃料吐出量が適切に低下する。従って、余剰分の燃料まで圧送することがなくなると共に従来では必要とされていたチェック弁を排除することも可能となる。
2番目の発明によれば、1番目の発明において、前記隙間調節部材は前記高圧室と流通する摺動室に配置されたピストンに一体的に連結されており、前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記高圧室内の燃料が前記付勢手段に抗して前記摺動室内のピストンを移動させるようにした。
すなわち2番目の発明によって、ピストンを移動させるために高圧室内の燃料を直接的に使用できるので、比較的簡単な構成で余剰燃料を低減することができる。
3番目の発明によれば、高圧室内に配置されていて駆動軸回りに回転する駆動ギヤと、該駆動ギヤと係合することにより従動軸回りに回転する従動ギヤとを有するギヤポンプにおいて、前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤの同一側に位置する端面のうちの少なくとも一方に対面するよう配置されていて、これら駆動ギヤおよび従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の端面に対する隙間を調節可能な隙間調節部材と、該隙間調節部材を前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の端面に向かって付勢する付勢手段とを具備し、前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記隙間が拡大するように前記隙間調節部材が前記付勢手段に抗して移動するギヤポンプが提供される。
すなわち3番目の発明によって、ギヤポンプが高回転で駆動されると高圧室内の圧力が増大するものの、このときには駆動ギヤおよび/または従動ギヤの端面と隙間調節部材との間の隙間も拡大する。このため、これら駆動ギヤおよび/または従動ギヤの端面と隙間調節部材との間からの燃料のリーク量が低回転時よりも増大するようになって、燃料吐出量が適切に低下する。従って、余剰分の燃料まで圧送することがなくなると共に従来では必要とされていたチェック弁を排除することも可能となる。
4番目の発明によれば、高圧室内に配置されていて駆動軸回りに回転する駆動ギヤと、該駆動ギヤと係合することにより従動軸回りに回転する従動ギヤとを有するギヤポンプにおいて、前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの少なくとも一方の歯先部分に対面するよう配置されていて、これら駆動ギヤおよび従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の歯先部分に対する第一の隙間を調節可能な第一の隙間調節部材と、該第一の隙間調節部材を前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の歯先部分に向かって付勢する第一の付勢手段と、前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤの同一側に位置する端面のうちの少なくとも一方に対面するよう配置されていて、これら駆動ギヤおよび従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の端面に対する第二の隙間を調節可能な第二の隙間調節部材と、該第二の隙間調節部材を前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の端面に向かって付勢する第二の付勢手段とを具備し、前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記第一の隙間調節部材が前記第一の付勢手段に抗して移動すると共に前記第二の隙間調節部材が前記第二の付勢手段に抗して移動することにより、前記第一および第二の隙間が拡大するようにしたギヤポンプが提供される。
すなわち4番目の発明によって、ギヤポンプが高回転で駆動されると高圧室内の圧力が増大するものの、このときには駆動ギヤおよび/または従動ギヤの歯先部分と第一の隙間調節部材との間の第一の隙間および駆動ギヤおよび/または従動ギヤの端面と第二の隙間調節部材との間の第二の隙間も拡大する。このため、これら駆動ギヤおよび/または従動ギヤの歯先部分と第一の隙間調節部材との間からの燃料のリーク量と駆動ギヤおよび/または従動ギヤの端面と隙間調節部材との間からの燃料のリーク量とが低回転時よりも増大するようになって、燃料吐出量が大幅に低下する。従って、余剰流量分の圧送仕事を大幅に低減することができると共に従来では必要とされていたチェック弁を排除することも可能となる。
5番目の発明によれば、4番目の発明において、前記第一の隙間調節部材は前記高圧室と流通する摺動室に配置されたピストンに一体的に連結されており、前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記高圧室内の燃料が前記第一の付勢手段に抗して前記摺動室内のピストンを移動させるようにした。
すなわち5番目の発明によって、ピストンを移動させるために高圧室内の燃料を直接的に使用できるので、比較的簡単な構成で余剰燃料を低減することができる。
6番目の発明によれば、1番目から5番目のいずれかの発明において、前記付勢手段がピエゾ素子を含む。
すなわち6番目の発明によって、ピエゾ素子、例えば圧電アクチュエータを採用することにより、隙間調節部材を極めて高精度で移動させられ、余剰燃料の低減を極めて高精度で行うことができる。
7番目の発明によれば、1番目から6番目のいずれかの発明において、さらに、前記隙間調節部材を所定の位置で停止させる停止部を具備する。
すなわち7番目の発明によって、隙間調節部材が駆動ギヤまたは従動ギヤに接触するのを避けることができる。
各発明によれば、余剰分の燃料まで圧送することがなくなると共に従来では必要とされていたチェック弁を排除することも可能となるという共通の効果を奏しうる。
さらに、2番目の発明によれば、比較的簡単な構成で余剰燃料を低減することができるという効果を奏しうる。
さらに、4番目の発明によれば、余剰流量分の圧送仕事を大幅に低減することができるという効果を奏しうる。
さらに、5番目の発明によれば、比較的簡単な構成で余剰燃料を低減することができるという効果を奏しうる。
さらに、6番目の発明によれば、余剰燃料の低減を極めて高精度で行うことができるという効果を奏しうる。
さらに、7番目の発明によれば、隙間調節部材が駆動ギヤまたは従動ギヤに接触するのを避けることができるという効果を奏しうる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同一の部材には同一の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
図1(a)は本発明の第一の実施形態に基づくギヤポンプの略断面図であり、図1(b)は図1(a)の線B−Bに沿ってみた断面図であり、さらに、図2は図1(a)の線A−Aに沿ってみた断面図である。図1(a)に示されるように本発明の第一の実施形態に基づくギヤポンプ10のポンプケース12内には高圧室14が形成されている。高圧室14はポンプケース12に対して密閉可能に結合できるカバー11(図1(b)および図2を参照されたい)により被覆されると共に、通常は高圧室14は圧送されるべき流体、例えば燃料により充填されている。高圧室14内においては、駆動軸21回りに回転する駆動ギヤ22と、この駆動ギヤ22に係合して回転軸23回りに回転する従動ギヤ24とが配置されている。図1(b)および図2から分かるように、駆動ギヤ22の駆動軸21はカバー11内に形成された孔17Aと、この孔17Aに対応するようにポンプケース12内に形成された孔19Aに回転可能に支持されている。駆動軸21は別途設けられた駆動源(図示しない)、例えばモータにより駆動する。同様に、図2に示されるように従動ギヤ24の回転軸23はカバー11内に形成された孔17Bと、この孔17Bに対応するようにポンプケース12内に形成された孔19Bに回転可能に支持されている。また、高圧室14に連通する吸入口16(図1(a)において点線で示される)がカバー11に形成されると共に、高圧室14に連通する吐出口15がポンプケース12に形成されている。吸入口16は吸入通路(図示しない)によって供給源(図示しない)、例えば燃料タンクに接続されており、同様に吐出口15は吐出通路(図示しない)によって例えば内燃機関の燃料噴射弁(図示しない)に接続されている。さらに、カバー11には駆動軸21のためのシール部材Oが設けられている。
再び図1(a)を参照すると、本発明の第一の実施形態においては、隙間調節部材30が設けられており、この隙間調節部材30は隙間調節部材30と駆動ギヤ22の歯先部分および従動ギヤ24の歯先部分との間の隙間を調節するようになっている。図示されるように、隙間調節部材30は部分的に高圧室14内に配置されるシールブロック32を含んでいる。シールブロック32の一端に配置される隣接部31A、31Bは駆動ギヤ22の歯先部分の一部および従動ギヤ24の歯先部分の一部にそれぞれ隣接するようになっている。好ましくは、隣接部31A、31Bはそれぞれ駆動ギヤ22および従動ギヤ24の最大直径の円弧に対応した形状となっており、これによりシールブロック32と駆動ギヤ22および従動ギヤ24との間の隙間を最小限にすることができる。
さらに、図1(a)および図1(b)から分かるようにポンプケース12には突出部45が設けられており、この突出部45内にはシリンダ孔47が形成されている。これら図面に示されるように、棒状体36によってシールブロック32の他端に連結されたピストン35がシリンダ孔47内に摺動可能に配置されている。また棒状体36の大部分は棒状体36の外形にほぼ等しい内径を有する孔49内を摺動可能に配置されている。図1(b)に示されるように棒状体36よりも断面積のさらに小さい延長部37がシールブロック32内の孔38に係合しているので、シールブロック32および棒状体36はピストン35と一体的に摺動することが可能となる。
また、シリンダ孔47内においてピストン35の高圧室14側には制御室41が形成されると共に、ピストン35の制御室41とは反対側にはバネ室42が形成されている。制御室41は図1(a)に示される連通孔18によって高圧室14に連通している。また、バネ室42内には付勢部材、本実施形態においてはバネ43が配置されており、このバネ43はピストン35の端部に形成されたリング孔35A(図1(b)を参照されたい)と突出部45の蓋部46とにより支持されていて、常にはピストン35を高圧室14に向かって付勢している。しかしながら、図1(b)に示されるように棒状体36が挿入される孔49には段差部48が形成されている。従って、ピストン35はバネ43により付勢されているものの、棒状体36の端面39が段差部48に係合するために棒状体36は高圧室14に向かう方向に所定の位置までしか移動しない。これにより、シールブロック32を駆動ギヤ22および従動ギヤ24に接触しない位置で停止させられる。従って、ギヤポンプ10が不作動であるとき、またはギヤポンプ10が低回転で駆動する際には、シールブロック32の隣接部31A、31Bは駆動ギヤ22の歯先部分および従動ギヤ24の歯先部分に対してそれぞれ所定の隙間を設けた状態で保持されることとなる。
ギヤポンプ10の駆動時には図示しない駆動源によって駆動軸21が駆動ギヤ22を回転させ、これにより従動ギヤ24も駆動ギヤ22とは反対方向に回転するようになる(図1(a)を参照されたい)。これら駆動ギヤ22および従動ギヤ24が回転することによって燃料が吸入口16から吸入されると共に吐出口15から吐出されるようになる。
駆動源を調整することによって駆動ギヤ22がさらに高速で回転されると、高圧室14内の圧力が増大するようになる。このとき、高圧室14内の燃料が連通孔18を通って制御室41に流入し、これにより、シリンダ孔47内のピストン35はバネ室42内のバネ43に抗して図1(a)の左方、つまり高圧室14から離間する方向に摺動するようになる。前述したようにシールブロック32はピストン35と一体的になっているので、ピストン35が左方に摺動することによってシールブロック32も左方に移動し、これによりシールブロック32の隣接部31A、31Bと駆動ギヤ22および従動ギヤ24の歯先部分との間の隙間が拡大するようになる。従って、駆動ギヤ22および従動ギヤ24の回転によって圧送される燃料は隣接部31A、31Bと駆動ギヤ22および従動ギヤ24の歯先部分との間の隙間から低回転時よりも多量にリークするようになる。隣接部31A、31Bと駆動ギヤ22および従動ギヤ24の歯先部分との間の隙間はギヤポンプ10の低回転時にも存在しているので、ギヤポンプ10の低回転時にも燃料はこれら隙間からわずかながらリークしているが、高回転時には前述したようにこれら隙間が拡大するので燃料のリーク量も増大するようになる。このため、従来では必要であった燃料の余剰流量分の圧送仕事が不要になり、要求される圧送量の燃料のみを吐出することができるようになる。さらに、このような構成にすることにより従来技術のチェック弁を排除することも可能となる。
また、駆動軸21の回転数が再び低下すると、制御室41内における燃料のピストン35に対する押圧力よりもバネ室42内のバネ43の付勢力が勝るようになり、ピストン35は図1(a)の右方、つまり高圧室14に向かってシリンダ孔47内を摺動する。これにより、シールブロック32も図1(a)の右方に移動するが、棒状体36の端面39が段差部48に係合するので、シールブロック32の隣接部31A、31Bは駆動ギヤ22および従動ギヤ24の歯先部分に対してそれぞれ所定の隙間を設けた状態で停止するようになる。
図3(a)は本発明の第二の実施形態に基づくギヤポンプ101の略断面図であり、図3(b)は図3(a)の線C−Cに沿ってみた断面図である。本発明の第二の実施形態においては、第一の実施形態のシールブロック32とほぼ同位置に配置されたブロック50は移動せず、ポンプケース12内に移動不能に組み込まれている。従って、ブロック50の隣接部51A、51Bと駆動ギヤ22および従動ギヤ24の歯先部分との間の隙間は所定の寸法であって変化することはない。第二の実施形態における隙間調節部材60は特に図3(b)から分かるように駆動ギヤ22および従動ギヤ24の端面に対面するよう配置された側板61を含んでおり、駆動ギヤ22および従動ギヤ24の端面と側板61との間の隙間を調節するようになっている。なお、図3(a)においては側板61は仮想線で示されている。カバー11には側板61に対応する形状の浅孔62が形成されており、側板61はこの浅孔62内に配置されている。図3(b)に示されるようにカバー11においてはリング孔66、67が駆動軸21および回転軸23周りにそれぞれ形成されている。これらリング孔66、67には付勢部材、例えばバネ68、69がそれぞれ配置されており、バネ68、69は側板61を駆動ギヤ22および従動ギヤ24の端面に向かって付勢している。また、図3(b)から分かるように、ポンプケース12内における高圧室14はカバー11内の浅孔62よりも小さく形成されているので、カバー11の浅孔62とポンプケース12の高圧室14との間には段差部52が形成されている。従って、バネ68、69により高圧室14に向かって付勢される側板61は段差部52により停止する。このため、ギヤポンプ10が不作動であるとき、またはギヤポンプ10が低回転で駆動する際には、側板61は駆動ギヤ22の端面および従動ギヤ24の端面に対してそれぞれ所定の隙間を設けた状態で保持されることとなる。
駆動源を調整することによって駆動ギヤ22が高速で回転されると、高圧室14内の圧力が増大するようになる。このとき、高圧室14内の燃料が側板61と駆動ギヤ22の端面および従動ギヤ24の端面との間の隙間に流入するようになり、これにより、側板61はバネ68、69に抗して図3(b)の左方、つまり高圧室14から離間する方向に移動するようになる。これにより側板61と駆動ギヤ22端面および従動ギヤ24の端面との間の隙間が拡大するようになる。従って、駆動ギヤ22および従動ギヤ24の回転によって圧送される燃料は側板61と駆動ギヤ22端面および従動ギヤ24の端面との間の隙間からリークするようになる。側板61と駆動ギヤ22端面および従動ギヤ24の端面との間の隙間はギヤポンプ10の低回転時にも存在しているので、ギヤポンプ10の低回転時にも燃料はこれら隙間からわずかながらリークしているが、高回転時には前述したようにこれら隙間が拡大するので燃料のリーク量も増大するようになる。このため、従来では必要であった燃料の余剰流量分の圧送仕事が不要になり、要求される圧送量の燃料のみを吐出することができるようになる。さらに、このような構成にすることにより従来技術のチェック弁を排除することも可能となる。
図4(a)は本発明の第三の実施形態に基づくギヤポンプ111の略断面図であり、図4(b)は図4(a)の線D−Dに沿ってみた断面図である。本発明の第三の実施形態は前述した第一の実施形態とほぼ同様であり、室42内にはバネ43の代わりにピエゾ素子79、つまり圧電アクチュエータが配置されている点で異なっている。図4(b)に示されるようにピエゾ素子79は蓋部46を通るラインを介して電源(図示しない)に接続されている。このピエゾ素子79によって、ギヤポンプ10が不作動であるとき、またはギヤポンプ10が低回転で駆動する際には、シールブロック32の隣接部31A、31Bは駆動ギヤ22の歯先部分および従動ギヤ24の歯先部分に対してそれぞれ所定の隙間を設けた状態で保持されるよう制御される。
前述した第一の実施形態の場合と同様に、駆動軸21が高回転することによって高圧室14内の圧力が高くなると、高圧室14内の燃料が連通孔18を通って制御室41内に流入し、これによりピストン75が図4(a)の左方、つまり高圧室14から離間する方向に向かってシリンダ孔47内を摺動する。このときにはピストン75が移動可能なようにピエゾ素子79が制御され、また低回転時にはピストン75を高圧室14に向かって付勢するようにピエゾ素子79を制御することにより、前述した第一の実施形態の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
さらに、図示しない他の実施形態は第三の実施形態と同様の構成であるが、図示しない他の実施形態においてはピエゾ素子79が制御室41内に配置されていると共に、第一の実施形態と同様のバネ43がバネ室42内に配置されている。さらに、図示しない他の実施形態においては高圧室14内の圧力を検出する圧力センサが備えられている。駆動軸21の高回転時に圧力センサによって高圧室14内の圧力が所定の圧力を越えたことが分かると、制御室41内に配置されたピエゾ素子79によってピストン35がバネ43に抗して高圧室14から離間する方向にシリンダ孔47内を摺動される。これにより駆動ギヤ22および従動ギヤ24の歯先部分とシールブロック32との間の隙間が拡大して、前述した第一の実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。さらに、駆動軸21の回転数が再び低下すると、圧力センサによって高圧室14内の圧力低下が検出され、ピエゾ素子79が消勢される。これにより、バネ室42内のバネ43が作用するようになって、ピストン35が高圧室14に向かって摺動するようになる。前述した第三の実施形態および図示しない本実施形態においてはピエゾ素子79を使用することにより極めて精密な制御が可能となり、余剰燃料の低減を極めて高精度で行うことができる。
当然のことながら、前述した複数の実施形態のうちのいくつかを適宜組み合わせることが本発明の範囲に含まれるのは明らかであり、また、第二の実施形態で使用されるバネ68、69の代わりにピエゾ素子を採用してもよく、さらにシールブロック32および側板61が一方のギヤにのみ隣接するようにしてもよい。
(a)本発明の第一の実施形態に基づくギヤポンプの略断面図である。 (b)図1(a)の線B−Bに沿ってみた断面図である。 図1(a)の線A−Aに沿ってみた断面図である。 (a)本発明の第二の実施形態に基づくギヤポンプの略断面図である。 (b)図3(a)の線C−Cに沿ってみた断面図である。 (a)本発明の第三の実施形態に基づくギヤポンプの略断面図である。 (b)図4(a)の線D−Dに沿ってみた断面図である。 従来技術のギヤポンプの略断面図である。 (a)従来技術のギヤポンプにおけるポンプ回転数と圧送効率との関係を示す図である。 (b)従来技術のギヤポンプにおけるポンプ回転数と吐出流量との関係を示す図である。
符号の説明
10…ギヤポンプ
11…カバー
12…ポンプケース
14…高圧室
15…吐出口
16…吸入口
18…連通孔
21…駆動軸
22…駆動ギヤ
23…回転軸
24…従動ギヤ
30…隙間調節部材
35…ピストン
41…制御室
42…バネ室
43…バネ
48…段差部
52…段差部
60…隙間調節部材
61…側板
62…浅孔
68…バネ
79…ピエゾ素子

Claims (7)

  1. 高圧室内に配置されていて駆動軸回りに回転する駆動ギヤと、該駆動ギヤと係合することにより従動軸回りに回転する従動ギヤとを有するギヤポンプにおいて、
    前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの少なくとも一方の歯先部分に対面するよう配置されていて、これら駆動ギヤおよび従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の歯先部分に対する隙間を調節可能な隙間調節部材と、
    該隙間調節部材を前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の歯先部分に向かって付勢する付勢手段とを具備し、
    前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記隙間調節部材が前記付勢手段に抗して移動することにより、前記隙間が拡大するようにしたギヤポンプ。
  2. 前記隙間調節部材は前記高圧室と流通する摺動室に配置されたピストンに一体的に連結されており、前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記高圧室内の燃料が前記付勢手段に抗して前記摺動室内のピストンを移動させるようにした請求項1に記載のギヤポンプ。
  3. 高圧室内に配置されていて駆動軸回りに回転する駆動ギヤと、該駆動ギヤと係合することにより従動軸回りに回転する従動ギヤとを有するギヤポンプにおいて、
    前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤの同一側に位置する端面のうちの少なくとも一方に対面するよう配置されていて、これら駆動ギヤおよび従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の端面に対する隙間を調節可能な隙間調節部材と、
    該隙間調節部材を前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の端面に向かって付勢する付勢手段とを具備し、
    前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記隙間が拡大するように前記隙間調節部材が前記付勢手段に抗して移動するギヤポンプ。
  4. 高圧室内に配置されていて駆動軸回りに回転する駆動ギヤと、該駆動ギヤと係合することにより従動軸回りに回転する従動ギヤとを有するギヤポンプにおいて、
    前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの少なくとも一方の歯先部分に対面するよう配置されていて、これら駆動ギヤおよび従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の歯先部分に対する第一の隙間を調節可能な第一の隙間調節部材と、
    該第一の隙間調節部材を前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の歯先部分に向かって付勢する第一の付勢手段と、
    前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤの同一側に位置する端面のうちの少なくとも一方に対面するよう配置されていて、これら駆動ギヤおよび従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の端面に対する第二の隙間を調節可能な第二の隙間調節部材と、
    該第二の隙間調節部材を前記駆動ギヤおよび前記従動ギヤのうちの前記少なくとも一方の端面に向かって付勢する第二の付勢手段とを具備し、
    前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記第一の隙間調節部材が前記第一の付勢手段に抗して移動すると共に前記第二の隙間調節部材が前記第二の付勢手段に抗して移動することにより、前記第一および第二の隙間が拡大するようにしたギヤポンプ。
  5. 前記第一の隙間調節部材は前記高圧室と流通する摺動室に配置されたピストンに一体的に連結されており、前記高圧室内の圧力が所定の圧力を越えると、前記高圧室内の燃料が前記第一の付勢手段に抗して前記摺動室内のピストンを移動させるようにした請求項4に記載のギヤポンプ。
  6. 前記付勢手段がピエゾ素子を含む請求項1から5のいずれか一項に記載のギヤポンプ。
  7. さらに、前記隙間調節部材を所定の位置で停止させる停止部を具備する請求項1から6のいずれか一項に記載のギヤポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013536360A (ja) * 2010-08-20 2013-09-19 フーゴ・フォーゲルザング・マシネンバウ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング ロータリローブポンプ
KR101976976B1 (ko) * 2018-01-05 2019-05-09 군산대학교산학협력단 압력조절형 유체펌프
KR101976975B1 (ko) * 2018-01-05 2019-05-09 군산대학교산학협력단 가변용량형 유체펌프

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