JP2010007622A - 流体圧送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の圧送部の圧送期間の重複による悪影響を抑えることのできる流体圧送装置を提供する。
【解決手段】この装置はサプライポンプを備える。サプライポンプは、内燃機関の出力軸によって駆動されるカムを有するとともに、同カムによって駆動されて往復移動するプランジャと該プランジャが挿入された状態で取り付けられたシリンダとからなる三つの圧送部45A,45B,45Cを有する。プランジャの一回の往復移動に伴って圧送される流体の量が各圧送部45A,45B,45Cにおいて異なる量に設定される。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の出力軸によって駆動される流体ポンプを有する流体圧送装置に関するものである。
この種の流体圧送装置としては、例えば内燃機関に燃料を供給するための装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この装置には燃料を圧送するための燃料ポンプが設けられており、この燃料ポンプは、内燃機関の出力軸に連結された入力軸と、同入力軸に取り付けられた駆動部(具体的には、カム)とを備えている。また、燃料ポンプは、その駆動部によって各別に駆動されて往復移動する複数のプランジャや、それらプランジャが挿入された状態で各別に取り付けられる同プランジャと同数のシリンダを備えている。
そして、内燃機関の運転に伴って燃料ポンプの入力軸が回転駆動されると、同入力軸によって駆動部が駆動されてプランジャが往復移動し、これに伴って各シリンダの内部に燃料が吸入されるとともに同燃料が圧送されるようになっている。
特開2006−200423号公報
ここで、上述した装置のように燃料ポンプがプランジャとシリンダとにより構成される圧送部を複数備えたものにあっては、燃料の圧送量を多くするために単に各圧送部から燃料が圧送される期間(圧送期間)を長くすると、各圧送部の圧送期間が重複するようになってしまう。
そうした圧送期間の重複が生じると、これに起因して燃料ポンプの駆動に必要なトルクが一時的に大きくなるおそれがあり、これは内燃機関の燃料消費量の増加を招くなど、種々の不都合を招く一因となるために好ましくない。
なお、上述した内燃機関に燃料を供給するための燃料ポンプを備えた装置に限らず、オイルなどの燃料以外の流体を圧送する流体ポンプを備えた装置にあっては、こうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の圧送部の圧送期間の重複による悪影響を抑えることのできる流体圧送装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の出力軸に連結されて同出力軸によって駆動される駆動部を有するとともに同駆動部によって駆動されて往復移動するプランジャと該プランジャが挿入された状態で取り付けられたシリンダとからなる圧送部を複数有する流体ポンプを備えた流体圧送装置において、前記プランジャの一回の往復移動に伴って圧送される流体の量が前記複数の圧送部において異なる量に設定されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、複数の圧送部から圧送される流体の量(圧送量)が等しい量に設定される装置と比較して、各圧送部の圧送量を格段に高い自由度をもって各別に設定することができるようになり、流体ポンプの作動特性を高い自由度で設定することができるようになる。そのため、そうした流体ポンプの作動特性の設定を通じて、各圧送部から流体が圧送される期間(圧送期間)の重複による悪影響を的確に抑えることが可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流体圧送装置において、前記複数の圧送部に対して共通のベース通路からそれぞれ流体が供給されてなり、前記ベース通路と前記複数の圧送部のシリンダとを各別に連通する連通路にあってその通路断面積が最小になる部分の同通路断面積が異なる値に設定されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、ベース通路と各圧送部のシリンダとを連通する連通路の通路断面積を異なる値に設定することにより、プランジャの一回の往復移動に伴って圧送される流体の量を複数の圧送部において異なる量に設定することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の流体圧送装置において、前記内燃機関の運転状態に応じて、前記圧送される流体の量についての前記複数の圧送部間における相対比率を変更する変更手段が設けられてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、各圧送部の圧送量の設定についての自由度をより高くすることができ、流体ポンプの作動特性をより高い自由度をもって設定することができるようになる。そして、これにより各圧送部についての圧送期間の重複による悪影響をより的確に抑えることが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の流体圧送装置において、前記変更手段は、前記内燃機関の運転状態が前記圧送される流体の量についての必要量が少ない運転状態であるときに、前記複数の圧送部のうちの少なくとも一つからの流体の圧送を停止するとともに残りの圧送部によって流体の圧送を行うものであることをその要旨とする。
通常、圧送部のプランジャの移動に伴って流体の圧力が高くなったときには、そのようにして高圧になった部分と同圧送部のシリンダ内に流体を供給する部分(低圧の部分)との圧力差によって同低圧の部分側に少量の流体がリークすることが避けられず、その分だけ流体ポンプの作動効率が低下してしまう。
この点、上記構成によれば、複数の圧送部のうちの流体の圧送が停止された圧送部に対応する流体ポンプの作動期間において、同圧送部に対応する部分の流体の圧力が高くならないために、上記低圧の部分側への流体のリークを抑えることができ、その分だけ流体ポンプの作動効率を高くすることが可能になる。しかも、複数の圧送部のうちの流体の圧送が行われる圧送部によって十分な圧送量を確保することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体圧送装置において、前記流体ポンプは三つ以上の圧送部を備えてなることをその要旨とする。
三つ以上の圧送部を有する流体ポンプは、その構造上、各圧送部についての圧送期間の重畳が生じやすい。この点、上記構成によれば、そうした流体ポンプを備えた装置にあって、各圧送部の圧送期間の重複による悪影響を的確に抑えることが可能になる。
なお、請求項1〜5のいずれか一項に記載の構成は、請求項6によるように、流体ポンプとして、内燃機関に燃料を供給するための燃料ポンプが設けられた装置に適用することができる。
以下、本発明にかかる流体圧送装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態にかかる流体圧送装置が適用される内燃機関の燃料供給系の概略構成を示す。
同図1に示すように、内燃機関10の燃料供給系11は燃料タンク12を備えており、同燃料タンク12には流体としての燃料が備蓄されている。燃料タンク12はサプライポンプ20を介してデリバリパイプ13に接続されている。このサプライポンプ20によって燃料タンク12内の燃料がデリバリパイプ13に圧送される。デリバリパイプ13には燃料噴射弁14が取り付けられており、同燃料噴射弁14の開弁駆動を通じてデリバリパイプ13内部の燃料が噴射されて内燃機関10に供給される。
サプライポンプ20には、燃料タンク12側から順に、フィードポンプ21、調節弁30、高圧ポンプ40が設けられている。フィードポンプ21は、燃料タンク12内の燃料を汲み上げて高圧ポンプ40に送るものである。調節弁30は、フィードポンプ21から高圧ポンプ40に送られる燃料の量を調節することによって、高圧ポンプ40に吸入される燃料の量を調節するものである。この調節弁30の作動制御を通じて、サプライポンプ20(詳しくは、高圧ポンプ40)から圧送される燃料の量が調節される。高圧ポンプ40は、燃料の圧力を高めつつデリバリパイプ13に圧送するものである。
なお、サプライポンプ20の入力軸22は内燃機関10の出力軸15に連結されており、この入力軸22によってフィードポンプ21および高圧ポンプ40が駆動される。すなわち、フィードポンプ21および高圧ポンプ40は内燃機関10の出力軸15によって駆動される機関駆動式のものである。
本実施の形態の装置には、例えば内燃機関10の出力軸15の回転速度(機関回転速度NE)を検出するための速度センサ16など、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが設けられている。また本実施の形態の装置は、例えばマイクロコンピュータを中心に構成される電子制御装置17を備えている。この電子制御装置17は、各種センサの出力信号を取り込むとともにそれら出力信号に基づき各種の演算を行い、その演算結果に基づいて調節弁30の作動制御や燃料噴射弁14の作動制御など、各種の制御を実行する。
以下、上記高圧ポンプ40の構造について詳しく説明する。
図2(a)〜(c)に、高圧ポンプ40の内部構造を概略的に示す。
図2(a)に示すように、サプライポンプ20の入力軸22には偏心部41が設けられている。この偏心部41は、円柱形状に形成されており、その円柱形状の軸心と上記入力軸22の回転中心Cとが一致しない状態で平行になるように同入力軸22に設けられている。偏心部41には、同偏心部41に対して相対回転可能な状態でカム42が取り付けられている。詳しくは、カム42を偏心部41に対して相対回転させた場合における同カム42の回転中心と偏心部41の軸心とが一致する状態で、カム42が偏心部41に取り付けられている。
高圧ポンプ40には、シリンダ43と同シリンダ43内に挿入された状態で往復移動可能に設けられたプランジャ44とにより構成される圧送部45が三つ設けられている。上記カム42の外周面には、その回転中心周りにおいて120°置きに、平面形状に形成された部分(押圧部46)が形成されている。これら押圧部46に各プランジャ44の一端が各別に当接している。シリンダ43とプランジャ44との間にはスプリング47が設けられており、このスプリング47の付勢力によってプランジャ44がカム42の押圧部46に押し付けられた状態になっている。
シリンダ43の内部は、第1逆止弁48を介してフィードポンプ21に接続されている。この第1逆止弁48により、フィードポンプ21側からシリンダ43側への燃料の流入が許容される一方、シリンダ43側からフィードポンプ21側への燃料の流出が規制される。また、シリンダ43の内部は第2逆止弁49を介してデリバリパイプ13に接続されている。この第2逆止弁49により、シリンダ43側からデリバリパイプ13側への燃料の流出が許容される一方、デリバリパイプ13側からシリンダ43側への燃料の流入が規制される。
そして、内燃機関10の運転が開始されてサプライポンプ20の入力軸22が回転駆動されると、上記偏心部41がカム42ともども、その軸心が上記入力軸22の回転中心Cの周りを回転するように回転移動するようになる。このカム42によってスプリング47の付勢力に抗してプランジャ44が周期的に押圧されることにより、同プランジャ44がシリンダ43の内部において往復移動して、各圧送部45から燃料が圧送されるようになる。本実施の形態の高圧ポンプ40では、その回転位相が互いに120度ずつずれたタイミングで、三つの圧送部45から各別にデリバリパイプ13に向けて燃料が圧送される。
各圧送部45は以下のような態様で燃料を圧送する。
すなわち先ず、図2(a)に示すように、シリンダ43(具体的には、同図中の上方に示すシリンダ43)の容積が最も小さくなった状態であるときには燃料が圧送されない。
そして、図2(b)に示すように、その後においてサプライポンプ20の入力軸22が回転してプランジャ44がシリンダ43の容積を拡大する方向に移動すると、これに伴ってシリンダ43内部の燃料の圧力が低くなる。これにより、第1逆止弁48が開弁されて、フィードポンプ21側からシリンダ43側に燃料が吸入される。このとき第2逆止弁49は閉弁されており、デリバリパイプ13側からシリンダ43側への燃料の流入は規制される。
その後、図2(c)に示すように、サプライポンプ20の入力軸22がさらに回転してプランジャ44がシリンダ43の容積を縮小する方向に移動するようになると、これに伴ってシリンダ43内部の燃料の圧力が高くなる。これにより、第2逆止弁49が開弁されてシリンダ43側からデリバリパイプ13側に燃料が吐出される。このとき第1逆止弁48は閉弁されてシリンダ43側からフィードポンプ21側への燃料の流出が規制される。なお、図2(b)および図2(c)は燃料の圧送態様を説明した圧送部45以外の二つの圧送部を省略して示している。
ここで、本実施の形態のサプライポンプ20は、三つの圧送部45(図2(b)参照)を備えており、それら圧送部45から燃料が圧送される期間(圧送期間)が重複することが避けられない。そして、そうした圧送期間の重複は、サプライポンプ20の駆動に必要なトルク(駆動トルク)を一時的に大きくして内燃機関10の燃料消費量を増加させるなど、種々の不都合を招く一因となるために好ましくない。
この点をふまえて、本実施の形態では、プランジャ44の一回の往復移動に伴って圧送される燃料の量(圧送量)を三つの圧送部45において異なる量に設定している。これにより、三つの圧送部45の圧送量が等しい量に設定される比較例の装置と比較して、各圧送部45の圧送量を格段に高い自由度をもって各別に設定することができるようになる。そのため、サプライポンプ20の作動特性を高い自由度で設定することができるようになり、そうしたサプライポンプ20の作動特性の設定を通じて、各圧送部45から燃料が圧送される期間(圧送期間)の重複による悪影響を的確に抑えることが可能になる。
図3に内燃機関10の燃料供給系11の油圧回路を示し、図4に調節弁30の断面構造を示す。
図3に示すように、燃料供給系11において燃料タンク12から調節弁30まで至る経路には、各圧送部45共通のベース通路18を通じて燃料が供給される。
また図3および図4に示すように、調節弁30は一つの弁体31を備えており、同弁体31の移動を通じて開度が変化する二つの弁部32,33を備えている。調節弁30の一方の弁部32は連通路23Aaに接続されており、この連通路23Aaは一つの圧送部45Aに連通されている。また、調節弁30の他方の弁部33は連通路23Ab,23B,23Cに接続されており、連通路23Abが圧送部45Aに連通され、連通路23Bが圧送部45Bに連通され、連通路23Cが圧送部45Cに連通されている。
本実施の形態では、各圧送部45と調節弁30とを各別に連通する四本の連通路23Aa,23Ab,23B,23Cにあってその通路断面積が最小になる部分の同通路面積が異なる値に設定されている。詳しくは、各連通路23Aa,23Ab,23B,23Cは通路断面積がほぼ一定に形成されており、それら連通路23Aa,23Ab,23B,23Cの通路断面積が異なる値に設定されている。各連通路23Aa,23Ab,23B,23Cの通路断面積は、具体的には、次の関係式(「23Aaの通路断面積」+「23Abの通路断面積」>「23Bの通路断面積」≒「23Cの通路断面積」)を満たすようにそれぞれ設定されている。
このように、ベース通路18と各圧送部45(詳しくは、そのシリンダ43(図2参照))とを連通する連通路23Aa,23Ab,23B,23Cの通路断面積を異なる値に設定することにより、単位時間あたりに各連通路23Aa,23Ab,23B,23Cを通過する燃料の量が異なる量になり、各圧送部45に流入する燃料の量が異なる量になる。これにより、プランジャ44の一回の往復移動に伴って圧送される燃料の量が各圧送部45A,45B,45Cにおいて異なる量になる。
また、本実施の形態では、調節弁30の作動制御を通じて、プランジャ44の一回の往復移動に伴って圧送される燃料の量(前記圧送量)についての各圧送部45A,45B,45C間における相対比率を変更するようにしている。これにより、各圧送部45A,45B,45Cの圧送量の設定についての自由度をより高くすることができ、サプライポンプ20の作動特性をより高い自由度をもって設定することができるようになる。そして、これにより各圧送部45A,45B,45Cについての圧送期間の重複による悪影響をより的確に抑えることが可能になる。
図5(a),(b)に調節弁30の作動態様の一例を示す。
図5(a)に示すように、圧送量(詳しくは、各圧送部45の圧送量の積算値)についての必要量が少ないときには弁部32が開かれた状態になる一方、弁部33が閉じられた状態になる。このとき、各連通路23Ab,23B,23C(図3参照)に燃料が流入しないために圧送部45B,45Cからの燃料の圧送が停止されるとともに、連通路23Aaに燃料が流入することから圧送部45Aによって燃料が圧送される。なお、前記連通路23Ab(図3参照)は調節弁30の弁部33が開かれた状態になったときに圧送部45Aに対して補助的に燃料を供給するための通路であり、弁部33が閉じられた状態であるときには連通路23Abを通じて圧送部45B,45Cに燃料がほぼ供給されない構造になっている。
一方、図5(b)に示すように、上記圧送量についての必要量が比較的多いときには二つの弁部32,33が共に開かれた状態になる。そして、このときには、全ての連通路23Aa,23Ab,23B,23Cに燃料が供給され、全ての圧送部45A,45B,45Cから燃料が圧送される。
なお本実施の形態では、電子制御装置17から調節弁30に出力される制御指令値が、内燃機関10の運転状態、具体的には機関回転速度NEや燃料噴射量(燃料噴射弁14から噴射される燃料の量)に応じたかたちで制御される。これにより、上記圧送量についての必要量に応じたかたちで調節弁30の作動(詳しくは、弁体31の移動位置)が制御されるようになっている。
図6に、機関回転速度NEが一定の条件下における上記制御指令値と各圧送部45の圧送量との関係を示す。なお図6において、線L1は圧送部45Aによる圧送量についての上記関係を示しており、線L2は圧送部45B(または45C)による圧送量についての上記関係を示しており、線L3は全ての圧送部45による圧送量の積算値についての上記関係を示している。
図6に示すように、内燃機関10の運転状態が上記圧送量についての必要量が少ない運転状態であるときには圧送部45Aのみによる燃料の圧送が行われる(領域(イ))。このときには、上記圧送量についての必要量が多いときほど圧送部45Aの圧送量が多くなるように調節弁30の作動が制御される。
ここで上記高圧ポンプ40では、その圧送部45のプランジャ44の移動に伴ってシリンダ43に連通された部分の燃料の圧力が高くなると、同部分と比較的低圧の部分(燃料供給系11における第1逆止弁48よりフィードポンプ21側の部分)との圧力差が大きくなる。そして、この圧力差により、例えばシリンダ43とプランジャ44との間隙などを介して上記シリンダ43に連通された部分から比較的低圧な部分へと少量の燃料がリークすることが避けられず、その分だけサプライポンプ20の作動効率が低下してしまう。
図7に、サプライポンプ20の回転位相と駆動トルクとの関係の一例を示す。なお、同図7において、実線は圧送部45Aのみによって燃料が圧送される場合の上記関係を示しており、一点鎖線は各圧送部45の圧送量を等しい量に設定したと仮定した場合の圧送部45Bについての上記関係を示しており、二点差線は同様に仮定した場合の圧送部45Cについての上記関係を示している。
図7から明らかなように、圧送部45Aのみによって燃料が圧送される場合には、圧送部45B,45Cに燃料が流入しないために、各圧送部45B,45Cが作動する期間(詳しくは、図中にTで示す期間)においてそれら圧送部45B,45Cのシリンダ43が連通された部分の燃料の圧力は高くならない。そのため、そうした期間において上記シリンダ43に連通された部分から比較的低圧な部分へと燃料がリークすることを抑えることができ、三つの圧送部45の圧送量が等しい量に設定される比較例の装置と比較して、その分だけサプライポンプ20の作動効率を高くすることが可能になる。しかも、この場合には圧送部45Aによる燃料の圧送を通じて十分な圧送量を確保することができる。
また図6に示すように、上記圧送量についての必要量が多くなると、圧送部45Aによる燃料圧送を行うことに加えて、圧送部45B,45Cによる燃料圧送が行われるようになる(領域(ロ))。このときには、上記圧送量についての必要量が多いときほど各圧送部45A,45B,45Cの圧送量が多くなるように、調節弁30の作動が制御される。
図8に、全ての圧送部45によって燃料が圧送される場合におけるサプライポンプ20の回転位相と各圧送部45の駆動に必要な駆動トルクとの関係の一例を示す。
本実施の形態の装置では、図8に示すように、圧送部45Aによる燃料圧送時においてサプライポンプ20の駆動トルクが大きく、圧送部45B,45Cによる燃料圧送時においてサプライポンプ20の駆動トルクが比較的小さい。そのため、圧送部45A,45Bの圧送期間が重複するときにおけるサプライポンプ20の駆動トルクが大きくなってしまうとはいえ、圧送部45B,45Cの圧送期間が重複するときや圧送部45A,45Cの圧送期間が重複するときにおけるサプライポンプ20の駆動トルクはごく小さく抑えられる。
このように各圧送部45の圧送量を異なる量に設定するとの構成を採用することにより、各圧送部45の圧送量が等しい量に設定される比較例の装置と比較して、圧送量の設定についての自由度が格段に高くなる。そして、これにより各圧送部45の圧送期間が重複する期間におけるサプライポンプ20の駆動トルクを調整する余地が格段に大きくなる。したがって、実験やシミュレーションの結果をもとに、サプライポンプ20の作動特性(具体的には、各連通路23Aa,23Ab,23B,23Cの通路断面積や調節弁30の特性)を設定することにより、各圧送部45の圧送期間の重複が避けられないとはいえ、その重複による悪影響を的確に抑えることができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)各圧送部45の圧送量を異なる量に設定するようにした。これにより、各圧送部45の圧送量が等しい量に設定される比較例の装置と比較して、各圧送部45の圧送量を格段に高い自由度をもって各別に設定することができるようになり、サプライポンプ20の作動特性を高い自由度で設定することができるようになる。そのため、そうしたサプライポンプ20の作動特性の設定を通じて、各圧送部45の圧送期間の重複による悪影響を的確に抑えることが可能になる。
(2)各圧送部45に対して共通のベース通路18からそれぞれ流体を供給するとともに、同ベース通路18と各圧送部45のシリンダ43とを各別に連通する連通路23Aa,23Ab,23B,23Cの通路断面積を異なる値に設定することにより、各圧送部45の圧送量を異なる量に設定することができる。
(3)内燃機関10の運転状態に応じて前記圧送量についての各圧送部45間における相対比率を変更するようにしたために、各圧送部45の圧送量の設定についての自由度をより高くすることができ、サプライポンプ20の作動特性をより高い自由度をもって設定することができるようになる。これにより、各圧送部45についての圧送期間の重複による悪影響をより的確に抑えることが可能になる。
(4)内燃機関10の運転状態が前記圧送量についての必要量が少ない運転状態であるときに、圧送部45B,45Cからの燃料圧送を停止するとともに圧送部45Aによって流体の圧送を行うようにした。そのため、各圧送部45B,45Cが作動する期間において上記シリンダ43が連通された部分から比較的低圧の部分へと燃料がリークすることを抑えることができ、三つの圧送部45の圧送量が等しい量に設定される比較例の装置と比較して、その分だけサプライポンプ20の作動効率を高くすることが可能になる。しかも、この場合には圧送部45Aによる燃料の圧送を通じて十分な圧送量を確保することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・制御指令値と各圧送部45の圧送量との関係は、図6に示す関係に限らず、任意に変更可能である。要は、実験やシミュレーションの結果をもとに、圧送量についての必要量を確保しつつ各圧送部45の圧送期間の重複による悪影響を的確に抑えることが可能なように、上記関係を設定すればよい。
・サプライポンプ20の作動状態として、各圧送部45のうちの一つからの燃料圧送を停止するとともに残りの二つによって燃料圧送を行うとの作動状態を採用するようにしてもよい。
・各連通路23Aa,23Ab,23B,23Cの通路断面積を等しい値に設定してもよい。この場合には、調節弁30として各連通路23Aa,23Ab,23B,23Cを通過する燃料の量(通過燃料量)を適正に調量することの可能なものを採用し、同調節弁30の作動制御を通じて通過燃料量を調量するようにすればよい。また、上記通過燃料量を調量するための制御弁を新たに設けて、同制御弁の作動制御を通じて通過燃料量を調量することなども可能である。
・内燃機関10の運転状態が前記圧送量についての必要量が少ない運転状態であるときにおいても、全ての圧送部45から燃料を圧送するようにしてもよい。
・調節弁30を省略してもよい。
・本発明は、三つの圧送部を有するサプライポンプを備えた装置の他、二つの圧送部を有するサプライポンプを備えた装置や四つ以上の圧送部を有するサプライポンプを備えた装置にも適用することができる。
・本発明は、燃料を圧送するサプライポンプを備えた装置に限らず、オイルなどの燃料以外の流体を圧送する流体ポンプを備えた装置にも適用可能である。
・本発明は、カムによって駆動される流体ポンプを備えた装置の他、例えば斜板によって駆動される流体ポンプを備えた装置など、内燃機関の出力軸に連結されて同出力軸によって駆動される駆動部によって駆動される流体ポンプを備えた装置であれば適用することができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる流体圧送装置が適用される内燃機関の燃料供給系の概略構成を示す略図。 (a)〜(c)サプライポンプの内部構造を概略的に示す略図。 内燃機関の燃料供給系の油圧回路構成を示す略図。 調節弁の断面構造を示す断面図。 (a)および(b)調節弁の作動態様の一例を示す拡大断面図。 制御指令値と各圧送部の圧送量との関係を示すグラフ。 サプライポンプの回転位相と駆動トルクとの関係の一例を示すタイムチャート。 サプライポンプの回転位相と駆動トルクとの関係の他の例を示すタイムチャート。
符号の説明
10…内燃機関、11…燃料供給系、12…燃料タンク、13…デリバリパイプ、14…燃料噴射弁、15…出力軸、16…速度センサ、17…電子制御装置、18…ベース通路、20…サプライポンプ、21…フィードポンプ(流体ポンプ)、22…入力軸、23Aa,23Ab,23B,23C…連通路、30…調節弁(変更手段)、31…弁体、32,33…弁部、40…高圧ポンプ、41…偏心部、42…カム(駆動部)、43…シリンダ、44…プランジャ、45,45A,45B,45C…圧送部、46…押圧部、47…スプリング、48…第1逆止弁、49…第2逆止弁。

Claims (6)

  1. 内燃機関の出力軸に連結されて同出力軸によって駆動される駆動部を有するとともに同駆動部によって駆動されて往復移動するプランジャと該プランジャが挿入された状態で取り付けられたシリンダとからなる圧送部を複数有する流体ポンプを備えた流体圧送装置において、
    前記プランジャの一回の往復移動に伴って圧送される流体の量が前記複数の圧送部において異なる量に設定されてなる
    ことを特徴とする流体圧送装置。
  2. 請求項1に記載の流体圧送装置において、
    前記複数の圧送部に対して共通のベース通路からそれぞれ流体が供給されてなり、前記ベース通路と前記複数の圧送部のシリンダとを各別に連通する連通路にあってその通路断面積が最小になる部分の同通路断面積が異なる値に設定されてなる
    ことを特徴とする流体圧送装置。
  3. 請求項1または2に記載の流体圧送装置において、
    前記内燃機関の運転状態に応じて、前記圧送される流体の量についての前記複数の圧送部間における相対比率を変更する変更手段が設けられてなる
    ことを特徴とする流体圧送装置。
  4. 請求項3に記載の流体圧送装置において、
    前記変更手段は、前記内燃機関の運転状態が前記圧送される流体の量についての必要量が少ない運転状態であるときに、前記複数の圧送部のうちの少なくとも一つからの流体の圧送を停止するとともに残りの圧送部によって流体の圧送を行うものである
    ことを特徴とする流体圧送装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体圧送装置において、
    前記流体ポンプは三つ以上の圧送部を備えてなる
    ことを特徴とする流体圧送装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体圧送装置において、
    前記流体ポンプは、前記内燃機関に燃料を供給するための燃料ポンプである
    ことを特徴とする流体圧送装置。
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