JP2005061652A - 吸収式冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温再生器が溶液中の界面活性剤を分解する温度レベルになった場合でも界面活性剤の分解を防止して、吸収式冷凍機の性能を維持する。
【解決手段】高温再生器1、低温再生器3、凝縮器4、吸収器6、蒸発器5、複数の溶液熱交換器8、10およびその他の熱交換器、これらの機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管、溶液ポンプ65などを備えた吸収式冷凍機において、
吸収器6から高温再生器1に送られる希溶液の経路に、高温再生器からの排ガスと、中温再生器からの濃溶液によって溶液を加熱して界面活性剤を気化分離する界面活性剤分離器7を設け、溶液中の界面活性剤を回収する。さらに、この界面活性剤分離器7を凝縮器4に連通させ、分離器7の底部の液溜めの液位が上昇した際には低温再生器3の底部に溶液がオーバーフローするようにオーバーフロー堰74を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】高温再生器1、低温再生器3、凝縮器4、吸収器6、蒸発器5、複数の溶液熱交換器8、10およびその他の熱交換器、これらの機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管、溶液ポンプ65などを備えた吸収式冷凍機において、
吸収器6から高温再生器1に送られる希溶液の経路に、高温再生器からの排ガスと、中温再生器からの濃溶液によって溶液を加熱して界面活性剤を気化分離する界面活性剤分離器7を設け、溶液中の界面活性剤を回収する。さらに、この界面活性剤分離器7を凝縮器4に連通させ、分離器7の底部の液溜めの液位が上昇した際には低温再生器3の底部に溶液がオーバーフローするようにオーバーフロー堰74を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置等の熱源機、あるいは産業用冷却装置の冷熱源として使用される吸収式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の吸収式冷凍機では、高温再生器(第3のジェネレータ)、中温再生器(第2のジェネレータ)、低温再生器(第1のジェネレータ)、凝縮器、吸収器、蒸発器、複数の溶液熱交換器、溶液及び冷媒ポンプを備え、溶液に界面活性剤(熱および質量伝達材として約6ないし10個の炭素原子を有するアルコール、例えば2−エチルヘキサノールおよびn−オクタノール又は、ノニルアミンもしくはベンゾアミン等の脂肪族および芳香族またはその誘導体)を添加して効率の向上を図っていた。ここで、吸収式冷凍機に用いられる界面活性剤は、約180℃以上の条件下では分解する性質を持っているため、従来技術では、溶液が高温再生器に入る前にこの界面活性剤を溶液から分離するための分離手段を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
本従来技術の界面活性剤分離手段は、溶液の表面に浮遊する界面活性剤を分離するためのスキマー、界面活性剤を溶液から排出するためのフラッシュチャンバ、もしくは溶液から界面活性剤を排出するのに十分な温度で動作する中温再生器としている。
【0004】
また、高温再生器に入る前に配置されるフラッシュチャンバを用いる場合は、高温再生器に溶液を送り込むために専用のポンプを用いている。
【0005】
また、分離された界面活性剤を吸収器に入る前の溶液に戻すための手段として、界面活性剤分離手段は、高温再生器に溶液から分離された界面活性剤を、高温再生器を出ていった後の溶液に戻して供給するための戻し導管を備えている。
【特許文献1】
特許第3040475号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の吸収式冷凍機は、上記特許文献1に記載されるように、界面活性剤分離手段として溶液の表面に浮遊する界面活性剤を分離するためのスキマーを用いていた。この場合、溶液に溶解しきれずに分離する界面活性剤を分離することはできるが、溶液中に溶解している界面活性剤は分離することができずに残留し、溶液と共に高温再生器に送られる。従って、高温再生器内で界面活性剤が徐々に分解して冷凍機内の界面活性剤含有量が減少し、吸収器の性能が劣化して、吸収式冷凍機の冷房性能の低下、溶液濃度の上昇による結晶化などにより冷凍機の運転に支障を来す。
【0007】
また上記従来技術では、分離された界面活性剤を、高温再生器を出ていった後の溶液に戻し、界面活性剤を合流させるための合流点は、上記特許公報第7図および第12図に示されるように、高温再生器と高温熱交換器の間の濃溶液流路としていた。この場合、高温再生器と高温熱交換器と間の濃溶液流路の溶液温度は高温再生器とほぼ同等であるため、合流した界面活性剤が溶液中で分解し、冷凍機内の界面活性剤含有量が減少する。
【0008】
あるいは上記従来技術では、界面活性剤分離手段として界面活性剤を溶液から排出するためのフラッシュチャンバを用いていた。この場合、溶液中に含まれる界面活性剤を分離する駆動力は溶液自身の持っている顕熱のみであるために駆動力が弱く、分離性能を確保するためにはフラッシュチャンバ内に十分大きな気液界面を形成する必要がある。従って、フラッシュチャンバが大型化し、冷凍機の大型化、保有液量の増大による起動時間の遅延を招く。
【0009】
さらに、フラッシュチャンバを用いる場合には、溶液中の界面活性剤をフラッシュすなわち自己蒸発させるために、フラッシュチャンバをより圧力の低い容器、すなわち中温再生器、低温再生器及び凝縮器、または蒸発器及び吸収器、のいずれかに連通させて自己蒸発した界面活性剤を再び吸収器へ循環させる必要があるが、上記従来技術ではこの点に触れていない。ここで、フラッシュチャンバを上記の容器のうちで最も圧力が低く分離性能が良好となる蒸発器及び吸収器に連通させると、界面活性剤とともに気化した冷媒の蒸気が直接吸収器において溶液に吸収されるために、冷房能力に寄与することがなく、冷凍機の性能低下を招く。
【0010】
さらに、フラッシュチャンバの分離性能を維持し、かつ溶液中への冷媒蒸気混入による性能低下を回避しながら冷凍機の運転を継続するためには、チャンバ内の液面を適切に保持する必要があるが、上記従来技術ではこの点に触れていない。ここで、冷凍機の運転中にフラッシュチャンバにおける溶液流入量と流出量のバランスが崩れてチャンバ内の液位が上昇すると、気液界面が減少して分離性能が低下し、界面活性剤が高温再生器に流入する。
【0011】
また上記従来技術から、スキマーとフラッシュチャンバとを組み合わせて界面活性剤を分離する方法が容易に類推される。しかしながらこの場合においても、フラッシュチャンバを単独で用いる場合と比較してチャンバが小型化される点を除けば、以上に述べた従来技術と同様の課題がある。
【0012】
あるいは上記従来技術では、界面活性剤分離手段として溶液から界面活性剤を排出するのに十分な温度で動作する中温再生器を用いていた。この場合、高温再生器に流入する溶液は中温再生器で加熱濃縮された溶液となるため濃度が高く、高温再生器の動作温度が上昇して高温再生器及び高温熱交換器での腐食の進行が速くなり、冷凍機の信頼性が低下する。
【0013】
本発明の目的は、上記課題を解決し溶液中の界面活性剤を、界面活性剤が分解される温度となる高温再生器に流入する手前で、溶液から分離し、分離した界面活性剤を低温側で回収して利用することで、長期に渡って安定した性能を維持できる吸収式冷凍機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る吸収式冷凍機では、溶液が高温再生器に供給される手前で、高温再生器の排ガスを利用して溶液中の界面活性剤を分離する界面活性剤分離手段を設け、分離された界面活性剤を凝縮器、又は中温再生器で回収して、蒸発器を介して吸収器に導くことにより、界面活性剤として再び利用する構成としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る吸収式冷凍機のサイクル系統図である。図のように、高温再生器、中温再生器、低温再生器を備えた三重効用サイクルであり、これら各再生器に並行に希溶液を流す、いわゆるパラレルフロー方式のものである。ただし高温再生器への溶液経路の途中には、溶液が高温再生器に流入する前に界面活性剤を分離回収する手段として界面活性剤分離器を設けたものである。
【0017】
吸収式冷凍機は、高温再生器1、気液分離器15、高温再生器フロートボックス16、中温再生器2、低温再生器3、凝縮器4、蒸発器5、冷媒ポンプ55、吸収器6、低温希溶液ポンプ65、界面活性剤分離器7、高温希溶液ポンプ75、濃溶液ポンプ81、低温熱交換器8、高温熱交換器10、低温ドレン熱交換器85、中温ドレン熱交換器95、およびこれら機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管などから構成されている。本実施形態においては、冷凍機の冷媒には水が、吸収剤には臭化リチウム水溶液が用いられている。
【0018】
次に、この冷凍機の動作について説明する。
【0019】
冷房に供される冷水は、蒸発伝熱管群53内に供給された水が蒸発器5で冷媒の蒸発熱によって冷却されて、冷水配管59から冷房負荷系に送られる。このとき発生した冷媒蒸気は、吸収器6内で滴下される溶液によって吸収される。この吸収によって蒸発器5内の圧力と蒸発温度とが低圧、低温に維持される。なお、蒸発器5内の冷媒液は冷媒配管R1に設けられた冷媒ポンプ55で加圧され蒸発器5上部より蒸発伝熱管群53に滴下する構成となっている。
【0020】
また本実施形態では、蒸発器5及び吸収器6は、2段蒸発吸収型の構成としている。すなわち蒸発器5の上段側の蒸発部5aで蒸発した冷媒蒸気は、吸収器6の上段側の吸収部6aで、蒸発器5の下段側の蒸発部5bで蒸発した冷媒蒸気は、吸収器6の下段側の吸収部6b、でそれぞれ吸収される。この構成により、冷凍機の運転効率を一層向上している。
【0021】
吸収器6では、高温再生器1、中温再生器2、低温再生器3の各再生器で加熱濃縮された溶液すなわち濃溶液が各熱交換器を経由し濃溶液配管P1により送られてきて、伝熱管群63上に滴下される。滴下された濃溶液は、吸収器6内の伝熱管群63内を流れる冷却水によって冷却されると共に冷媒蒸気を吸収し、濃度のより薄い溶液すなわち希溶液となって吸収器6の下部に滞留する。
【0022】
この希溶液は、希溶液配管P2に設けられた低温希溶液ポンプ65によって、低温熱交換器8および低温ドレン熱交換器85に送られる。低温熱交換器8に送られた希溶液は、配管P1によって吸収器6に流入する濃溶液と熱交換して温度上昇する。一方、低温ドレン熱交換器85に送られた希溶液は、中温再生器2で発生した冷媒蒸気を低温再生器3内で凝縮した冷媒配管R2からの冷媒液と、配管R3を流れる中温ドレン熱交換器95からの冷媒液とを、混合した冷媒液と熱交換して温度上昇する。
【0023】
低温熱交換器8と低温ドレン熱交換器85とで熱交換した希溶液は一旦合流し、その後再び分岐して、一部は希溶液配管P3に導かれ、残りは中温再生器2に送られる。希溶液配管P3はさらに配管P3a、配管P3bに分岐して、配管P3aは低温再生器3に、配管P3bは界面活性剤分離器7にそれぞれ接続されており、配管P3を通った希溶液が低温再生器3と界面活性剤分離器7に送られる。一方、低温ドレン熱交換器85で希溶液と熱交換して温度低下した冷媒液は、冷媒配管R4により凝縮器4に導かれる。
【0024】
中温再生器2に送られる希溶液はさらに分岐して、一部は、中温ドレン熱交換器95に送られる。中温ドレン熱交換器95で希溶液は、冷媒配管R6の高温再生器1で発生した冷媒蒸気を中温再生器2内で凝縮した冷媒液と熱交換して温度上昇する。そして、温度上昇した希溶液は、分岐した残りの希溶液と再び合流して中温再生器2に導かれる。なお、冷媒配管R6の中温ドレン熱交換器95で希溶液と熱交換して温度を下げた冷媒液は、低温再生器3内で凝縮した冷媒液(冷媒配管R2)と合流して低温ドレン熱交換器85に送られる。
【0025】
中温再生器2に送られた希溶液は、高温再生器1で発生した冷媒蒸気の凝縮熱によって加熱濃縮されて濃溶液となり、フロートボックス24にオーバーフローする。フロートボックス24内にはフロートバルブ25が設置されており、このフロートバルブ25は、フロートボックス24内の濃溶液の液位によって中温再生器2に送られる希溶液量を調節する流量調整手段となっている。フロートボックス24内の濃溶液は、配管P6によって界面活性剤分離器7の伝熱管群72に導かれて界面活性剤分離器7の加熱源となる。
【0026】
中温再生器2の加熱に用いられて管内で凝縮した冷媒は、冷媒配管R6により中温ドレン熱交換器95に送られて希溶液を顕熱で加熱した後に、低温再生器3で凝縮した冷媒液と合流し、低温ドレン熱交換器85を経て冷媒配管R4で凝縮器4に送られる。また、中温再生器2で発生した冷媒蒸気は低温再生器3の伝熱管33に送られ、ここで低温再生器3に流入した希溶液を加熱濃縮する。又、低温再生器3の伝熱管33内の冷媒蒸気は冷却液化され、配管R2により低温ドレン熱交換器85の入口側で中温再生器2で液化された高温再生器1からの冷媒蒸気の配管R3と合流する。
【0027】
一方、低温再生器3に送られた希溶液は、中温再生器2で発生した冷媒蒸気の凝縮熱を伝える伝熱管群33に滴下することによって加熱濃縮されて、濃度の濃い溶液すなわち濃溶液となる。この濃溶液は、低温再生器の下部において、中温再生器2で過熱濃縮されて界面活性剤分離器7で溶液と熱交換した濃溶液と合流し、さらに溶液配管P4を通って高温再生器1からの濃溶液と合流し、濃溶液ポンプ81によって、低温熱交換器8を経由して吸収器6へ送られる。
【0028】
低温再生器3で発生した冷媒蒸気は、低温再生器3と同一筐体内の凝縮器4に設置された凝縮伝熱管43内を流れる冷却水によって冷却されて凝縮し、低温ドレン熱交換器85から冷媒配管R4により供給された冷媒液と混合され冷媒配管R5により蒸発器5の下段側の蒸発部5bへ送られる。また、このとき低温再生器3内では、冷媒蒸気と同時に希溶液中に含まれる界面活性剤も加熱分離され、冷媒蒸気と同様に凝縮器4で凝縮した後、蒸発器5に送られる。なお低温再生器3の横には界面活性剤分離器7が上部が連通するように設けてある。なお、冷却水は吸収器6内の伝熱管63を流れた後に、凝縮伝熱管43内を流れて、図示していない冷却塔等へ送られ、冷却され、再び吸収器6の伝熱管63へ供給される。
【0029】
さらに、界面活性剤分離器7に送られた希溶液は、高温再生器1からの排ガスが流れる伝熱管群71と、中温再生器2からの濃溶液の流れる伝熱管群72と熱交換する。このとき、界面活性剤分離器7内での界面活性剤蒸気の分圧は冷媒蒸気分圧と比較して極めて小さいため、希溶液中に含まれる界面活性剤は冷媒に対して優先的に加熱分離され、界面活性剤をほとんど含まない溶液が底部の溶液溜め73に滞留する。
【0030】
このとき、溶液中の冷媒も溶液から分離して冷媒蒸気となるが、加熱源である高温再生器1からの排ガスおよび中温再生器2による加熱は加熱源の顕熱によるものであり、潜熱あるいは燃焼熱などを熱源とする他の再生器に比べて加熱量は小さい。従って冷媒蒸気の発生による溶液の濃縮はわずかであり、低部に滞留する溶液は界面活性剤分離器7に供給された希溶液の濃度に近い。
【0031】
なお、界面活性剤分離器7の気相部を、低温再生器3および凝縮器4の気相部に連通させたので、界面活性剤と冷媒蒸気とは凝縮器4で凝縮して回収され冷媒液となり、冷媒配管R5を通って蒸発器5に導かれる。すなわち、界面活性剤分離器7で分離された界面活性剤の回収は、回収手段としての凝縮器4で行われる。そして、冷媒と共に蒸発器5に設けられた冷媒ポンプ55によって蒸発伝熱管群53上に滴下されて蒸発して吸収器6で溶液に吸収される。
【0032】
界面活性剤分離器7の溶液溜めに滞留した界面活性剤をほとんど含まない溶液は、溶液配管P5に設けられた高温希溶液ポンプ75によって、高温熱交換器10に送られる。また加熱分離されて気体となった界面活性剤と少量の冷媒を含む蒸気は、界面活性剤分離器7と連通した低温再生器3を経由して凝縮器4に送られ、そこで低温再生器3からの冷媒蒸気と一緒になり凝縮して混合する。
【0033】
また、界面活性剤分離器7の溶液溜め73にはオーバーフロー堰74が設けられている。界面活性剤分離器7への溶液供給量が過剰となった場合に、オーバーフロー堰74から過剰な溶液が低温再生器3の底部にオーバーフローする。
【0034】
さらに、界面活性剤分離器7の加熱源の1つとして高温再生器1からの配管77により排ガスが供給される。高温再生器1から供給された排ガスは、界面活性剤分離器7において配管P3bより散布される界面活性剤を含む希溶液を加熱蒸発した後に外部に排出される。また、同様に界面活性剤分離器7の加熱源として中温再生器2からの濃溶液が配管P6を経由して伝熱管72に供給される。中温再生器2から供給された濃溶液によって、前記排ガスで蒸発しなかった界面活性剤が加熱蒸発される。伝熱管72内で管外の希溶液を加熱した濃溶液は、低温再生器3の底部の溶液溜めに導かれる。そこで低温再生器3内で加熱濃縮された濃溶液と混合する。
【0035】
界面活性剤分離器7で界面活性剤が分離された希溶液は、配管P6に設けた高温希溶液ポンプ75により高温熱交換器10に送られる。高温熱交換器10に送られた希溶液は、高温再生器1からの濃溶液(溶液配管P7)と熱交換してさらに温度上昇し、高温再生器1に流入する。高温再生器1への希溶液の流入量は、高温再生器1の出入り口に設けられたフロートボックス16内のフロートバルブ17によって調整される。このフロートバルブ17の開度はフロートボックス16内の液位によって変化する。
【0036】
高温再生器1は貫流式となっており、燃料を燃焼するバーナ12、このバーナ12の周囲に同心円状に配置されて溶液を加熱濃縮する伝熱管群などから構成されている。
【0037】
高温再生器1に流入した希溶液は、伝熱管群の管内に導かれ、燃焼ガスとの熱交換によって加熱濃縮されて濃溶液となった後、発生した冷媒蒸気と共に、高温再生器1の出口部に設置された気液分離器15に導かれる。そして、気液分離器15内において冷媒蒸気と濃溶液とが分離される。
【0038】
気液分離器15で冷媒蒸気から分離された濃溶液は、上部が気液分離器15の上部と連通したフロートボックス16内に一旦滞留して液面を形成する。この液面の高さによって先に述べたフロートバルブ17の開度が変化する。フロートボックス16内の濃溶液は高温熱交換器10に送られ、界面活性剤分離器7から高温再生器1に流入する希溶液と熱交換して温度低下する。そして、中温再生器2および低温再生器3で加熱濃縮された濃溶液と合流し、濃溶液ポンプ81によって加圧されて低温熱交換器8に送られる。気液分離器15で濃溶液から分離された冷媒蒸気は、中温再生器2に送られて中温再生器2の希溶液を加熱濃縮して管内で凝縮した後、中温ドレン熱交換器95に導かれる。
【0039】
以上説明したように本実施形態によれば、希溶液が高温再生器1へ流入する前に、溶液中の界面活性剤の大部分を除去し、凝縮器4で回収する構成とした。このため、高温再生器1で界面活性剤が分解されず、運転時に界面活性剤を追加補充することなく安定した性能を長期に維持する事が可能となる。
【0040】
また、本実施形態では界面活性剤の回収に高温再生器1の排ガスと、中温再生器2からの濃溶液との熱を用いる構成とした。このため、界面活性剤分離器7内で界面活性剤が冷媒と共に溶液から気化分離して潜熱を奪っても、伝熱管群71、72からの熱で加熱されるため、溶液温度を界面活性剤の気化分離に十分な高温に維持することができる。従って、溶液温度すなわち界面活性剤を分離するための駆動力が強く、より小さな気液界面で高い分離性能が得られる。このため、高温再生器1に送られる溶液中の界面活性剤濃度がさらに低減できる。
【0041】
さらに、界面活性剤分離器7で発生した冷媒蒸気が冷房能力に寄与するので性能が向上する。なお、界面活性剤分離器7を直接蒸発器5及び吸収器6の気相部に連通さることも可能であるが、この場合は先の構成に比較して冷凍機の性能が低下する。
【0042】
また、界面活性剤分離器7で分離した界面活性剤は、冷媒と共に蒸発器5に送られて蒸発し、吸収器6内の伝熱管群63の表面で溶液に溶解または液化して、吸収器6での物質移動を促進する。従って、界面活性剤は高温に晒されて分解することなく吸収器6に循環するので、冷凍機の性能を維持することが可能となる。
【0043】
さらに、界面活性剤分離器7の下部の溶液溜め73にオーバーフロー堰74を設け、溶液量が増加して溶液溜め73の液位が上昇すると、オーバーフロー堰74から溶液が低温再生器3の下部にオーバーフローする構成とした。このため、配管P5から高温溶液ポンプ75によって高温再生器1に送られる溶液流量がフロートバルブ17の動作によって減少しても、溶液溜め73の液位がオーバーフロー堰74の高さ付近に維持される。従って、界面活性剤分離器7の保有溶液量が過剰とならず、界面活性剤分離器7内の気液界面の液没による分離性能の低下が回避される。さらに、低温再生器3の底部にオーバーフローした溶液は濃溶液ポンプ81によって吸収器6に送られる。これにより、吸収器6の溶液が不足となって低温希溶液ポンプ65の動作に支障を来たすことがない。
【0044】
さらに、界面活性剤分離器7から界面活性剤分離後の溶液を高温再生器1に送る高温希溶液ポンプ75と、該ポンプから高温再生器1に送られる溶液流量を調節する流量調節手段であるフロートバルブ17を設けてある。高温再生器1の気液分離器15の出口に設けたフロートボックス16内の液位によってフロートバルブ17が動作して、高温再生器1に送られる溶液流量を調節する。このため、高温再生器1の圧力が低く、高温再生器1からの溶液流出量が少ない場合においても、その流出量に応じた流量で高温再生器1に希溶液を供給することが可能となる。
【0045】
従って、高温再生器1の溶液保有量が過剰となって気液分離器15内の液面が上昇して気液分離に支障を来たしたり、吸収器の溶液が不足となって低温希溶液ポンプ65の動作に支障を来たすことがない。
【0046】
なお図1では、界面活性剤分離器7において、溶液がまず高温再生器1からの排ガスの熱を伝える伝熱管群71で加熱された後に、中温再生器2からの濃溶液の熱を伝える伝熱管群72で加熱される構成としたが、まず中温再生器2からの濃溶液の熱を伝える伝熱管群72で加熱された後に、高温再生器1からの排ガスの熱を伝える伝熱管群71で加熱する構成としても良い。
【0047】
次に、本発明の他の実施形態について、図2を用いて説明する。図2は他の実施形態の吸収式冷凍機の系統図である。
【0048】
図のように、高温再生器1、低温再生器3を備えた二重効用サイクルであり、高温再生器1と低温再生器3に並行に希溶液を流すパラレルフロー方式のものである。本実施形態でも、高温再生器1への溶液経路の途中に、溶液が高温再生器1に流入する前に界面活性剤を分離する界面活性剤分離器7を設けてある。すなわち、界面活性剤分離器7を低温再生器3の横に設けた。そして、界面活性剤分離器7の気相部が低温再生器3及び凝縮器4の気相部に連通するように構成し、界面活性剤分離器7で分離した界面活性剤を凝縮器4で回収できるようにした。
【0049】
本実施形態において、図1と異なる点は、上記の他に、中温再生器2及び中温ドレン熱交換器95がなく、それに代わる熱交換器として、第一高温熱交換器10aおよび第二高温熱交換器10bが設けてある。なお、冷凍機の冷媒には水、吸収剤には臭化リチウム水溶液を用いる点は同じである。
【0050】
さらに、蒸発器5および吸収器6は、2段蒸発吸収にはせずに1段蒸発吸収する構造としている。吸収器6で冷媒を吸収した希溶液は、図1の場合と同様に、低温希溶液ポンプ65を介して低温熱交換器8と低温ドレン熱交換器85に送られる。そして、それぞれ吸収器6に流入する濃溶液、低温再生器3内で凝縮した冷媒液と熱交換して温度上昇した後に再び合流する。
【0051】
合流した希溶液は再び分岐して、一部は低温再生器3に、残りは第一高温熱交換器10aに送られる。一方、低温ドレン熱交換器85で希溶液と熱交換して温度低下した冷媒液は、凝縮器4に導かれる。
【0052】
低温再生器3に送られた希溶液は、高温再生器1で発生した冷媒蒸気の凝縮熱を伝える伝熱管群33に滴下することによって加熱濃縮されて、濃度の濃い溶液すなわち濃溶液となる。この濃溶液は、溶液配管P4を通って高温再生器1からの濃溶液と合流し、濃溶液ポンプ81によって、低温熱交換器8を経由して吸収器6へ送られる。
【0053】
低温再生器3で発生した冷媒蒸気は、低温再生器3と同一筐体内の凝縮器4に設置された凝縮伝熱管43内を流れる冷却水によって冷却されて凝縮し、低温ドレン熱交換器85で温度低下した冷媒液と混合されて蒸発器5へ送られる。また、このとき低温再生器3内では、冷媒蒸気と同時に希溶液中に含まれる界面活性剤も加熱分離され、冷媒蒸気と同様に凝縮器4で凝縮した後、蒸発器5に送られる。なお、本構成では図1と異なり冷却水は、まず吸収器6の伝熱管63を通り、その後一旦凝縮機4内の伝熱管43を流れ、再び吸収器6内の伝熱管63’を通って、別設のクーリングタワー等に送られそこで冷却され吸収器に戻される構成となっている。
【0054】
一方、第一高温熱交換器10aに送られた希溶液は、高温再生器1から第二高温熱交換器10bを経て送られた濃溶液と熱交換してさらに温度上昇して界面活性剤分離器7に送られる。そして、伝熱管群71に滴下され、伝熱管群71内を流れる高温再生器1からの排ガスによって加熱されて、溶液中に含まれる界面活性剤が優先的に分離される。界面活性剤が分離された希溶液は、界面活性剤分離器7の溶液溜め73に滞留する。この溶液は、界面活性剤をほとんど含まず、濃度は界面活性剤分離器7に供給する前の希溶液とほぼ同等である。
【0055】
溶液溜め73に滞留した溶液は、溶液配管P5に設けられた高温希溶液ポンプ75によって、第二高温熱交換器10bに送られる。また加熱分離されて気体となった界面活性剤と少量の冷媒蒸気は、界面活性剤分離器7と連通した凝縮器4で、低温再生器3からの冷媒蒸気および界面活性剤蒸気と共に凝縮して混合する。界面活性剤分離器7の溶液溜め73にはオーバーフロー堰74が設けられており、界面活性剤分離器7への溶液供給量が過剰となった場合には、オーバーフロー堰74から過剰な溶液が低温再生器3の底部にオーバーフローする。
【0056】
また、界面活性剤分離器7の加熱源として供給された高温再生器からの排ガスは、界面活性剤分離器7において希溶液を加熱した後に外部に排出される。
【0057】
第二高温熱交換器10bに送られた希溶液は、高温再生器1からの濃溶液と熱交換してさらに温度上昇し、高温再生器1に流入する。この流入量は、図1の実施形態と同様、フロートバルブ17によって調節されている。
【0058】
高温再生器1は直火式であり、燃料を燃焼するバーナ、溶液を加熱濃縮する伝熱管群などから構成され、溶液の出口には上述したフロートバルブ17を内包するフロートボックス16が設置されている。
【0059】
高温再生器1に流入した希溶液は、燃焼ガスとの熱交換によって加熱濃縮されて濃溶液となった後、高温再生器1の出口部に設置されたフロートボックス16内に一旦滞留して液面を形成し、さらに第二高温熱交換器10bに送られ、界面活性剤分離器7から高温再生器1に流入する希溶液と熱交換して温度低下する。
【0060】
そして、第一高温熱交換器10aで界面活性剤分離器7に流入する希溶液と熱交換してさらに温度低下して低温再生器3で加熱濃縮された濃溶液と合流し、濃溶液ポンプ81によって加圧されて低温熱交換器8に送られる。高温再生器1で発生した冷媒蒸気は、低温再生器3の伝熱管33内に送られて、伝熱管33に滴下された希溶液を加熱濃縮することで凝縮した後、ドレン熱交換器85に導かれる。
【0061】
以上のように、吸収冷凍サイクルを二重効用とした場合に、以下の効果が得られる。
【0062】
まず、溶液中の界面活性剤を気化させて回収する界面活性剤分離器7により、高温再生器1に送られる溶液から、界面活性剤を溶解限度以下にまで分離することができ、長期に渡って安定した性能を維持することが可能となる。
【0063】
また、界面活性剤分離器7に高温再生器1から排出される排ガスの熱を回収して溶液を加熱する伝熱管群71設けたので、界面活性剤分離器7内で界面活性剤が冷媒と共に溶液から気化分離して潜熱を奪っても、溶液温度が界面活性剤の気化分離に十分な高温に維持される。従って、溶液温度すなわち界面活性剤を分離するための駆動力が強く、高温再生器1に送られる溶液中の界面活性剤の濃度をさらに低減できる。
【0064】
さらに、界面活性剤分離器7の気相部を、低温再生器3および凝縮器4の気相部に連通させたので、界面活性剤分離器7で発生した冷媒蒸気が冷房能力に寄与し、冷凍機の性能を向上できる。 なお、界面活性剤分離器7を直接蒸発器5及び吸収器6の気相部に連通させることも可能であるが、この場合は先の構成に比較して冷凍機の性能が低下する。また、界面活性剤分離器7で分離した界面活性剤は、高温に晒されて分解することなく吸収器6に循環するので、冷凍機の性能を維持することが可能となる。
【0065】
さらに、界面活性剤分離器7の下部の溶液溜め73にオーバーフロー堰74を設け、溶液溜め73の液位が上昇すると、溶液が低温再生器3の下部にオーバーフローする構成としたので、高温再生器1に送られる溶液流量がフロートバルブ17の動作によって減少した場合などにおいても、溶液溜め73の液位がオーバーフロー堰74の高さ付近に維持される。従って、界面活性剤分離器7の保有溶液量が過剰とならず、分離器7内の気液界面の液没による分離性能の低下が回避される。
【0066】
さらに、オーバーフローした溶液が濃溶液ポンプ81によって吸収器6に送られることにより、吸収器6の溶液が不足となって低温希溶液ポンプ65の動作に支障を来たすことがない。
【0067】
さらに、界面活性剤分離器7から界面活性剤分離後の溶液を高温再生器1に送る高温希溶液ポンプ75と、該ポンプから高温再生器1に送られる溶液流量を調節する流量調節手段であるフロートバルブ17を設け、高温再生器1の溶液出口に設けたフロートボックス16内の液位によって高温再生器1に送られる溶液流量を調節するので、高温再生器圧力が低く、高温再生器からの溶液流出量が少ない場合においても、その流出量に応じた流量で高温再生器1に希溶液を供給することが可能となる。従って、高温再生器1の液面が上昇して気液分離に支障を来たしたり、吸収器の溶液が不足となって低温希溶液ポンプの動作に支障を来たすことがない。
【0068】
なお、冷凍機に供給された冷却水を、まず吸収器6の一部の伝熱管群63に通水し、次に凝縮器4の伝熱管群43に通水した後に吸収器6の残りの伝熱管群63’に通水している。この場合、冷却水を吸収器6から凝縮器4に通水する場合と比較して凝縮器4に供給される冷却水の温度が下がって、凝縮器4内の圧力が下がり、凝縮器4と連通した界面活性剤分離器7の圧力が低減される。この減圧効果によって、界面活性剤分離器7での分離性能が向上している。
【0069】
なお、第一高温熱交換器10aにおいて高温再生器1からの濃溶液によって界面活性剤分離器7に送られる希溶液を予熱して、界面活性剤分離器7の加熱源を高温再生器1からの排ガスのみとしているので、図1の実施の形態と比較して分離性能が劣る代わりに構造を簡略化している。これは、図1の実施形態と同様に、界面活性剤分離器7の加熱源として高温再生器1からの濃溶液を組み合わせて、第一高温熱交換器10aを省略しても良い。
【0070】
さらに、本実施形態では、高温再生器1からの濃溶液は第二高温熱交換器10bで高温再生器1に流入する希溶液と熱交換して温度低下した後に第一高温熱交換器10aで界面活性剤分離器7に送られる希溶液を予熱する構成としているが、第二高温熱交換器10bを省略して、高温再生器1からの濃溶液を直接第一高温熱交換器10aに導いて界面活性剤分離器7に送られる希溶液を予熱する構成としても良い。
【0071】
この場合は、高温再生器1に流入する希溶液の温度が低下して、高温再生器1で必要となる加熱量が増加するが、界面活性剤分離器7に送られる希溶液の温度が上昇して分離性能が向上すると共に、冷凍機の構造が簡略化されて製造コストが低減できる。
【0072】
次に、本発明の他の実施形態について、図3を用いて説明する。図3は、他の実施形態に係る吸収式冷凍機の系統図である。
【0073】
図1では低温再生器3および凝縮器4に連通するように界面活性剤分離器7を設けたが、図3では界面活性剤分離器7を中温再生器2に連通して設けた。また、界面活性剤分離器7の加熱源として高温再生器1で濃縮され高温熱交換器10を経由して伝熱管72へ送られてきた濃溶液を用いている。さらに、界面活性剤を含む希溶液は高温再生器1で発生した排ガスと熱交換する排ガス熱交換器105で温められ、前述の伝熱管72に滴下するように構成した。排ガス熱交換器105を通った排ガスは外部に放出される。
【0074】
なお図1と同じく界面活性剤分離器7の底部はオーバーフロー堰74を設けた液溜め73となっている。この液溜めの液位が上昇した際のオーバーフロー先は中温再生器2となっている。
【0075】
本実施形態では、界面活性剤分離器7を中温再生器2に連通させたので、前述までの実施形態に比べて界面活性剤分離器7内の圧力が高くなり分離性能が低下する。しかし、分離器7で発生した冷媒蒸気は中温再生器2で発生した冷媒蒸気と共に低温再生器3の内部で凝縮し、この凝縮熱によって低温再生器3の溶液が加熱されて冷媒が発生するので冷凍機の能力が向上する。
【0076】
また、高温再生器1からの排ガスを、界面活性剤分離器7に流入する希溶液の予熱に利用したので、界面活性剤分離器7本体での加熱能力が減少する。しかし、排ガス熱交換器105の構造が、分離器7内に排ガス熱回収用の伝熱管群を設ける場合に対して単純になるので、設計が容易となり製造コストも低減できる。
【0077】
また、図1において、本実施形態のように排ガス熱交換器105を設けて界面活性剤分離器7に流入する希溶液を予熱して、界面活性剤分離器7の加熱源を中温再生器2からの濃溶液のみとしても、同様の効果が得られることは明らかである。
【0078】
次に、本発明のさらに他の実施形態について、図4を用いて説明する。図4の系統図の部分の構成は図1と同じである。
【0079】
図1と異なる点は、低温希溶液ポンプ65、高温希溶液ポンプ75、濃溶液ポンプ81のモータの駆動をそれぞれインバータ駆動装置201、202、203で駆動するようにした点である。このため、高温再生器の圧力と略同じ圧力である気液分離器15に設けた圧力センサの信号に基づいて制御装置200が、それぞれのポンプを駆動する電源周波数を決定し、各インバータ駆動装置に送信する構成としている。
【0080】
制御装置200は、冷凍機の起動と同時に低温希溶液ポンプ65及び濃溶液ポンプ81を起動し、次いで高温希溶液ポンプ75を遅延して起動し、高温再生器1のバーナ12を点火する。起動後、冷凍機の運転中に制御装置200は、圧力センサ210によって検出される高温再生器1の圧力が高くなるのに従って各溶液ポンプの電源周波数を増加させるように、インバータ201、202、203に信号を送信する。
【0081】
前述のように、高温溶液ポンプ75をインバータ制御することにより、高温再生器1への希溶液流入量を調節するフロートバルブ17の前後の圧力差が緩和される。フロートバルブ17の弁体部に一般に用いられているちょう型弁は、バルブ前後の圧力差が大きい条件では、その開度が全閉付近で動作するので弁開度に対する流量感度が大きくなって動作が不安定となる。しかし、本実施形態では前述のようにフロートバルブ17前後の圧力差が緩和されるため、流量感度が鈍くなり、急激な流量変動がなくなって高温再生器1および冷凍機全体の動作を安定させることができる。
【0082】
同様に、低温溶液ポンプ65をインバータ制御することにより、中温再生器2に設けたフロートバルブ25の動作が安定して冷凍機全体の動作が安定する。さらに、低温再生器3への溶液流量が適量に制御されるため冷凍機の部分負荷効率が向上する。
【0083】
さらに、濃溶液ポンプ81をインバータ制御することによって、低温再生器から濃溶液ポンプ81への冷媒蒸気の随伴を防止できる。すなわち、濃溶液ポンプ81を常時最高周波数で運転した場合、部分負荷効率の向上等を目的として低温再生器への希溶液供給量を減少させる。このため、濃溶液ポンプ81の能力が過剰となって、低温再生器3から濃溶液と共に冷媒蒸気を随伴して吸引する。この吸引された冷媒蒸気は冷房能力に寄与しないために損失となる。ところで、本実施形態では、濃溶液ポンプ81の電源周波数を適切に制御するため、この冷媒蒸気随伴による損失が回避され、冷凍機の部分負荷効率がさらに向上する。
【0084】
また、各溶液ポンプを必要最小限の動力で駆動することにより、冷凍機の消費電力が低減される。
【0085】
本実施形態では、まず、冷凍機の起動時に低温希溶液ポンプ65及び濃溶液ポンプ81を起動する。次いで高温希溶液ポンプ75を遅延して起動する。すなわち、界面活性剤分離器7の液溜め73に溶液が供給された後に、高温希溶液ポンプ75が起動されるため、高温希溶液ポンプ75の動作にキャビテーションなどの支障を来すことがない。ここで、高温希溶液ポンプ75の起動を遅延させる時間は、低温希溶液ポンプ65の起動から高温希溶液ポンプ75の吸込ヘッドが液溜め73に確保されるのに十分な時間に設定するのがよい。
【0086】
なお、本実施形態では高温再生器1への溶液流量の調節を、高温希溶液ポンプ75のインバータ制御と、フロートバルブ17の両方を用いて行っているが、高温希溶液ポンプ75のインバータ制御のみで溶液の流量調整を行うようにしても良い。この場合は、高温希溶液ポンプの個体差や高温熱交換器10の圧力損失のばらつきなどによって、高温再生器1への溶液供給量や気液分離器15内の液位が変化して冷凍サイクルの定格動作点のばらつきが大きくなる。しかし、フロートバルブ17およびフロートボックス16が不要となり、冷凍機の小型化が可能となる。
【0087】
また、高温再生器1に供給される溶液に多少界面活性剤が混入していても、濃溶液が気液分離器15の出口から直接高温熱交換器10に導かれて温度低下するため、界面活性剤が分解する温度レベルに晒される時間が短縮されて分解量を低減することができる。
【0088】
また、本実施形態では、中温再生器2への溶液流量の調節を、低温希溶液ポンプ65のインバータ制御と、中温再生器2の出口に設けられたフロートバルブ25の両方を用いて行っているが、上記と同様、低温希溶液ポンプ65のインバータ制御のみによって行っても良い。この場合は、低温希溶液ポンプ65の個体差や低温熱交換器8の圧力損失のばらつきなどによって、中温再生器2への溶液供給量が変化して冷凍サイクルの定格動作点のばらつきが大きくなる。しかし、フロートボックス24およびフロートバルブ25が不要となって、冷凍機の小型化が可能となる。なお、この場合は中温再生器2の圧力を検出する圧力センサを追加して、この圧力センサからの信号によって、低温希溶液ポンプ65をインバータ制御しても良い。
【0089】
本実施形態は、図1に示した基本構成に対して、圧力センサ210、インバータ201、202、203および制御装置200を設置したものであるが、これは、図2および図3の実施形態、さらにはこれらを種々変形したものに対して適用した場合においても同様の効果を発揮することは明白である。
【0090】
以上説明してきた全ての実施の形態においては、界面活性剤分離器7への溶液供給量が過剰となった場合にのみオーバーフロー堰74から溶液が低温再生器3、または中温再生器4にオーバーフローするように定格流量を設定しているが、これは、このオーバーフローが常時生じるように、供給する希溶液の定格流量を多めに設定しても良い。
【0091】
この場合は、界面活性剤分離器7への溶液供給量が増加するので、溶液中に溶解している界面活性剤の分離性能が低下する。しかし、溶液中に溶解しきれずに液体のまま分離して、液溜め73内の溶液の表面に浮遊している界面活性剤が常時溶液と共にオーバーフローするので、高温再生器1への界面活性剤の流入が回避される。
【0092】
また図1、図3及び図4の実施形態においては、蒸発器5および吸収器6はいわゆる2段蒸発吸収の構成となっているが、これは、吸収式冷凍機で一般的に用いられている1段蒸発吸収の構成とした場合においても、本発明の適用により、同様の優れた効果を発揮することは明らかである。
【0093】
また以上説明してきた実施形態において、界面活性剤分離器7に設けた溶液加熱手段は、大部分をオーバーフロー堰74よりも高い位置に設け、一部をオーバーフロー堰74付近の高さ、又はこれよりも低い位置に設けるのが良い。これにより、液溜め73の液面付近に界面活性剤が浮遊している場合においても、この界面活性剤を加熱して気化させ、分離することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の吸収式冷凍機によれば、高温再生器に送られる希溶液から、界面活性剤を溶解限度以下にまで気化分離することによって高温再生器での界面活性剤の分解を回避し、分離した界面活性剤を高温に晒すことなく吸収器に循環させ、さらにこの気化分離を比較的小さな気液界面で行うことが可能になるので、吸収性能を長期にわたって維持して冷凍機の性能が安定すると共に、界面活性剤分離器の設置による冷凍機の大型化を抑制できる。
【0095】
また、界面活性剤分離器において界面活性剤と共に気化した冷媒が再び凝縮して蒸発器に導かれ、冷房能力に寄与するので、この冷媒蒸気が損失とならず、界面活性剤分離器の設置による冷凍機の性能低下が回避される。
【0096】
さらに本発明の吸収式冷凍機によれば、界面活性剤分離器への溶液供給量が過剰となっても、低温再生器あるいは三重効用吸収式冷凍機の中温再生器にオーバーフローして吸収器に送られるので、吸収器の溶液量不足等により溶液ポンプの動作に支障を来したり、安全装置の作動による緊急停止が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る吸収式冷凍機の系統図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る吸収式冷凍機の系統図である。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態に係る三重効用吸収式冷凍機の系統図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸収式冷凍機の系統図である。
【符号の説明】
1…高温再生器、2…中温再生器、3…低温再生器、4…凝縮器、5…蒸発器、6…吸収器、7…界面活性剤分離器、8…低温熱交換器、10…高温熱交換器、12…バーナ、15…気液分離器、16、24…フロートボックス、17、25…フロートバルブ、33、43、53、63、72…伝熱管群、55…冷媒ポンプ、59…冷水配管、5a…上段側蒸発器、5b…下段側蒸発器、6a…上段側吸収器、6b…下段側吸収器、65…低温溶液ポンプ、71…排ガス熱回収用伝熱管群、73…溶液溜め、74…オーバーフロー堰、75…高温溶液ポンプ、81…濃溶液ポンプ、85…低温ドレン熱交換器、95…中温ドレン熱交換器、105…排ガス熱交換器、200…制御装置、201、202、203…インバータ、210…圧力センサ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置等の熱源機、あるいは産業用冷却装置の冷熱源として使用される吸収式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の吸収式冷凍機では、高温再生器(第3のジェネレータ)、中温再生器(第2のジェネレータ)、低温再生器(第1のジェネレータ)、凝縮器、吸収器、蒸発器、複数の溶液熱交換器、溶液及び冷媒ポンプを備え、溶液に界面活性剤(熱および質量伝達材として約6ないし10個の炭素原子を有するアルコール、例えば2−エチルヘキサノールおよびn−オクタノール又は、ノニルアミンもしくはベンゾアミン等の脂肪族および芳香族またはその誘導体)を添加して効率の向上を図っていた。ここで、吸収式冷凍機に用いられる界面活性剤は、約180℃以上の条件下では分解する性質を持っているため、従来技術では、溶液が高温再生器に入る前にこの界面活性剤を溶液から分離するための分離手段を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
本従来技術の界面活性剤分離手段は、溶液の表面に浮遊する界面活性剤を分離するためのスキマー、界面活性剤を溶液から排出するためのフラッシュチャンバ、もしくは溶液から界面活性剤を排出するのに十分な温度で動作する中温再生器としている。
【0004】
また、高温再生器に入る前に配置されるフラッシュチャンバを用いる場合は、高温再生器に溶液を送り込むために専用のポンプを用いている。
【0005】
また、分離された界面活性剤を吸収器に入る前の溶液に戻すための手段として、界面活性剤分離手段は、高温再生器に溶液から分離された界面活性剤を、高温再生器を出ていった後の溶液に戻して供給するための戻し導管を備えている。
【特許文献1】
特許第3040475号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の吸収式冷凍機は、上記特許文献1に記載されるように、界面活性剤分離手段として溶液の表面に浮遊する界面活性剤を分離するためのスキマーを用いていた。この場合、溶液に溶解しきれずに分離する界面活性剤を分離することはできるが、溶液中に溶解している界面活性剤は分離することができずに残留し、溶液と共に高温再生器に送られる。従って、高温再生器内で界面活性剤が徐々に分解して冷凍機内の界面活性剤含有量が減少し、吸収器の性能が劣化して、吸収式冷凍機の冷房性能の低下、溶液濃度の上昇による結晶化などにより冷凍機の運転に支障を来す。
【0007】
また上記従来技術では、分離された界面活性剤を、高温再生器を出ていった後の溶液に戻し、界面活性剤を合流させるための合流点は、上記特許公報第7図および第12図に示されるように、高温再生器と高温熱交換器の間の濃溶液流路としていた。この場合、高温再生器と高温熱交換器と間の濃溶液流路の溶液温度は高温再生器とほぼ同等であるため、合流した界面活性剤が溶液中で分解し、冷凍機内の界面活性剤含有量が減少する。
【0008】
あるいは上記従来技術では、界面活性剤分離手段として界面活性剤を溶液から排出するためのフラッシュチャンバを用いていた。この場合、溶液中に含まれる界面活性剤を分離する駆動力は溶液自身の持っている顕熱のみであるために駆動力が弱く、分離性能を確保するためにはフラッシュチャンバ内に十分大きな気液界面を形成する必要がある。従って、フラッシュチャンバが大型化し、冷凍機の大型化、保有液量の増大による起動時間の遅延を招く。
【0009】
さらに、フラッシュチャンバを用いる場合には、溶液中の界面活性剤をフラッシュすなわち自己蒸発させるために、フラッシュチャンバをより圧力の低い容器、すなわち中温再生器、低温再生器及び凝縮器、または蒸発器及び吸収器、のいずれかに連通させて自己蒸発した界面活性剤を再び吸収器へ循環させる必要があるが、上記従来技術ではこの点に触れていない。ここで、フラッシュチャンバを上記の容器のうちで最も圧力が低く分離性能が良好となる蒸発器及び吸収器に連通させると、界面活性剤とともに気化した冷媒の蒸気が直接吸収器において溶液に吸収されるために、冷房能力に寄与することがなく、冷凍機の性能低下を招く。
【0010】
さらに、フラッシュチャンバの分離性能を維持し、かつ溶液中への冷媒蒸気混入による性能低下を回避しながら冷凍機の運転を継続するためには、チャンバ内の液面を適切に保持する必要があるが、上記従来技術ではこの点に触れていない。ここで、冷凍機の運転中にフラッシュチャンバにおける溶液流入量と流出量のバランスが崩れてチャンバ内の液位が上昇すると、気液界面が減少して分離性能が低下し、界面活性剤が高温再生器に流入する。
【0011】
また上記従来技術から、スキマーとフラッシュチャンバとを組み合わせて界面活性剤を分離する方法が容易に類推される。しかしながらこの場合においても、フラッシュチャンバを単独で用いる場合と比較してチャンバが小型化される点を除けば、以上に述べた従来技術と同様の課題がある。
【0012】
あるいは上記従来技術では、界面活性剤分離手段として溶液から界面活性剤を排出するのに十分な温度で動作する中温再生器を用いていた。この場合、高温再生器に流入する溶液は中温再生器で加熱濃縮された溶液となるため濃度が高く、高温再生器の動作温度が上昇して高温再生器及び高温熱交換器での腐食の進行が速くなり、冷凍機の信頼性が低下する。
【0013】
本発明の目的は、上記課題を解決し溶液中の界面活性剤を、界面活性剤が分解される温度となる高温再生器に流入する手前で、溶液から分離し、分離した界面活性剤を低温側で回収して利用することで、長期に渡って安定した性能を維持できる吸収式冷凍機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る吸収式冷凍機では、溶液が高温再生器に供給される手前で、高温再生器の排ガスを利用して溶液中の界面活性剤を分離する界面活性剤分離手段を設け、分離された界面活性剤を凝縮器、又は中温再生器で回収して、蒸発器を介して吸収器に導くことにより、界面活性剤として再び利用する構成としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る吸収式冷凍機のサイクル系統図である。図のように、高温再生器、中温再生器、低温再生器を備えた三重効用サイクルであり、これら各再生器に並行に希溶液を流す、いわゆるパラレルフロー方式のものである。ただし高温再生器への溶液経路の途中には、溶液が高温再生器に流入する前に界面活性剤を分離回収する手段として界面活性剤分離器を設けたものである。
【0017】
吸収式冷凍機は、高温再生器1、気液分離器15、高温再生器フロートボックス16、中温再生器2、低温再生器3、凝縮器4、蒸発器5、冷媒ポンプ55、吸収器6、低温希溶液ポンプ65、界面活性剤分離器7、高温希溶液ポンプ75、濃溶液ポンプ81、低温熱交換器8、高温熱交換器10、低温ドレン熱交換器85、中温ドレン熱交換器95、およびこれら機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管などから構成されている。本実施形態においては、冷凍機の冷媒には水が、吸収剤には臭化リチウム水溶液が用いられている。
【0018】
次に、この冷凍機の動作について説明する。
【0019】
冷房に供される冷水は、蒸発伝熱管群53内に供給された水が蒸発器5で冷媒の蒸発熱によって冷却されて、冷水配管59から冷房負荷系に送られる。このとき発生した冷媒蒸気は、吸収器6内で滴下される溶液によって吸収される。この吸収によって蒸発器5内の圧力と蒸発温度とが低圧、低温に維持される。なお、蒸発器5内の冷媒液は冷媒配管R1に設けられた冷媒ポンプ55で加圧され蒸発器5上部より蒸発伝熱管群53に滴下する構成となっている。
【0020】
また本実施形態では、蒸発器5及び吸収器6は、2段蒸発吸収型の構成としている。すなわち蒸発器5の上段側の蒸発部5aで蒸発した冷媒蒸気は、吸収器6の上段側の吸収部6aで、蒸発器5の下段側の蒸発部5bで蒸発した冷媒蒸気は、吸収器6の下段側の吸収部6b、でそれぞれ吸収される。この構成により、冷凍機の運転効率を一層向上している。
【0021】
吸収器6では、高温再生器1、中温再生器2、低温再生器3の各再生器で加熱濃縮された溶液すなわち濃溶液が各熱交換器を経由し濃溶液配管P1により送られてきて、伝熱管群63上に滴下される。滴下された濃溶液は、吸収器6内の伝熱管群63内を流れる冷却水によって冷却されると共に冷媒蒸気を吸収し、濃度のより薄い溶液すなわち希溶液となって吸収器6の下部に滞留する。
【0022】
この希溶液は、希溶液配管P2に設けられた低温希溶液ポンプ65によって、低温熱交換器8および低温ドレン熱交換器85に送られる。低温熱交換器8に送られた希溶液は、配管P1によって吸収器6に流入する濃溶液と熱交換して温度上昇する。一方、低温ドレン熱交換器85に送られた希溶液は、中温再生器2で発生した冷媒蒸気を低温再生器3内で凝縮した冷媒配管R2からの冷媒液と、配管R3を流れる中温ドレン熱交換器95からの冷媒液とを、混合した冷媒液と熱交換して温度上昇する。
【0023】
低温熱交換器8と低温ドレン熱交換器85とで熱交換した希溶液は一旦合流し、その後再び分岐して、一部は希溶液配管P3に導かれ、残りは中温再生器2に送られる。希溶液配管P3はさらに配管P3a、配管P3bに分岐して、配管P3aは低温再生器3に、配管P3bは界面活性剤分離器7にそれぞれ接続されており、配管P3を通った希溶液が低温再生器3と界面活性剤分離器7に送られる。一方、低温ドレン熱交換器85で希溶液と熱交換して温度低下した冷媒液は、冷媒配管R4により凝縮器4に導かれる。
【0024】
中温再生器2に送られる希溶液はさらに分岐して、一部は、中温ドレン熱交換器95に送られる。中温ドレン熱交換器95で希溶液は、冷媒配管R6の高温再生器1で発生した冷媒蒸気を中温再生器2内で凝縮した冷媒液と熱交換して温度上昇する。そして、温度上昇した希溶液は、分岐した残りの希溶液と再び合流して中温再生器2に導かれる。なお、冷媒配管R6の中温ドレン熱交換器95で希溶液と熱交換して温度を下げた冷媒液は、低温再生器3内で凝縮した冷媒液(冷媒配管R2)と合流して低温ドレン熱交換器85に送られる。
【0025】
中温再生器2に送られた希溶液は、高温再生器1で発生した冷媒蒸気の凝縮熱によって加熱濃縮されて濃溶液となり、フロートボックス24にオーバーフローする。フロートボックス24内にはフロートバルブ25が設置されており、このフロートバルブ25は、フロートボックス24内の濃溶液の液位によって中温再生器2に送られる希溶液量を調節する流量調整手段となっている。フロートボックス24内の濃溶液は、配管P6によって界面活性剤分離器7の伝熱管群72に導かれて界面活性剤分離器7の加熱源となる。
【0026】
中温再生器2の加熱に用いられて管内で凝縮した冷媒は、冷媒配管R6により中温ドレン熱交換器95に送られて希溶液を顕熱で加熱した後に、低温再生器3で凝縮した冷媒液と合流し、低温ドレン熱交換器85を経て冷媒配管R4で凝縮器4に送られる。また、中温再生器2で発生した冷媒蒸気は低温再生器3の伝熱管33に送られ、ここで低温再生器3に流入した希溶液を加熱濃縮する。又、低温再生器3の伝熱管33内の冷媒蒸気は冷却液化され、配管R2により低温ドレン熱交換器85の入口側で中温再生器2で液化された高温再生器1からの冷媒蒸気の配管R3と合流する。
【0027】
一方、低温再生器3に送られた希溶液は、中温再生器2で発生した冷媒蒸気の凝縮熱を伝える伝熱管群33に滴下することによって加熱濃縮されて、濃度の濃い溶液すなわち濃溶液となる。この濃溶液は、低温再生器の下部において、中温再生器2で過熱濃縮されて界面活性剤分離器7で溶液と熱交換した濃溶液と合流し、さらに溶液配管P4を通って高温再生器1からの濃溶液と合流し、濃溶液ポンプ81によって、低温熱交換器8を経由して吸収器6へ送られる。
【0028】
低温再生器3で発生した冷媒蒸気は、低温再生器3と同一筐体内の凝縮器4に設置された凝縮伝熱管43内を流れる冷却水によって冷却されて凝縮し、低温ドレン熱交換器85から冷媒配管R4により供給された冷媒液と混合され冷媒配管R5により蒸発器5の下段側の蒸発部5bへ送られる。また、このとき低温再生器3内では、冷媒蒸気と同時に希溶液中に含まれる界面活性剤も加熱分離され、冷媒蒸気と同様に凝縮器4で凝縮した後、蒸発器5に送られる。なお低温再生器3の横には界面活性剤分離器7が上部が連通するように設けてある。なお、冷却水は吸収器6内の伝熱管63を流れた後に、凝縮伝熱管43内を流れて、図示していない冷却塔等へ送られ、冷却され、再び吸収器6の伝熱管63へ供給される。
【0029】
さらに、界面活性剤分離器7に送られた希溶液は、高温再生器1からの排ガスが流れる伝熱管群71と、中温再生器2からの濃溶液の流れる伝熱管群72と熱交換する。このとき、界面活性剤分離器7内での界面活性剤蒸気の分圧は冷媒蒸気分圧と比較して極めて小さいため、希溶液中に含まれる界面活性剤は冷媒に対して優先的に加熱分離され、界面活性剤をほとんど含まない溶液が底部の溶液溜め73に滞留する。
【0030】
このとき、溶液中の冷媒も溶液から分離して冷媒蒸気となるが、加熱源である高温再生器1からの排ガスおよび中温再生器2による加熱は加熱源の顕熱によるものであり、潜熱あるいは燃焼熱などを熱源とする他の再生器に比べて加熱量は小さい。従って冷媒蒸気の発生による溶液の濃縮はわずかであり、低部に滞留する溶液は界面活性剤分離器7に供給された希溶液の濃度に近い。
【0031】
なお、界面活性剤分離器7の気相部を、低温再生器3および凝縮器4の気相部に連通させたので、界面活性剤と冷媒蒸気とは凝縮器4で凝縮して回収され冷媒液となり、冷媒配管R5を通って蒸発器5に導かれる。すなわち、界面活性剤分離器7で分離された界面活性剤の回収は、回収手段としての凝縮器4で行われる。そして、冷媒と共に蒸発器5に設けられた冷媒ポンプ55によって蒸発伝熱管群53上に滴下されて蒸発して吸収器6で溶液に吸収される。
【0032】
界面活性剤分離器7の溶液溜めに滞留した界面活性剤をほとんど含まない溶液は、溶液配管P5に設けられた高温希溶液ポンプ75によって、高温熱交換器10に送られる。また加熱分離されて気体となった界面活性剤と少量の冷媒を含む蒸気は、界面活性剤分離器7と連通した低温再生器3を経由して凝縮器4に送られ、そこで低温再生器3からの冷媒蒸気と一緒になり凝縮して混合する。
【0033】
また、界面活性剤分離器7の溶液溜め73にはオーバーフロー堰74が設けられている。界面活性剤分離器7への溶液供給量が過剰となった場合に、オーバーフロー堰74から過剰な溶液が低温再生器3の底部にオーバーフローする。
【0034】
さらに、界面活性剤分離器7の加熱源の1つとして高温再生器1からの配管77により排ガスが供給される。高温再生器1から供給された排ガスは、界面活性剤分離器7において配管P3bより散布される界面活性剤を含む希溶液を加熱蒸発した後に外部に排出される。また、同様に界面活性剤分離器7の加熱源として中温再生器2からの濃溶液が配管P6を経由して伝熱管72に供給される。中温再生器2から供給された濃溶液によって、前記排ガスで蒸発しなかった界面活性剤が加熱蒸発される。伝熱管72内で管外の希溶液を加熱した濃溶液は、低温再生器3の底部の溶液溜めに導かれる。そこで低温再生器3内で加熱濃縮された濃溶液と混合する。
【0035】
界面活性剤分離器7で界面活性剤が分離された希溶液は、配管P6に設けた高温希溶液ポンプ75により高温熱交換器10に送られる。高温熱交換器10に送られた希溶液は、高温再生器1からの濃溶液(溶液配管P7)と熱交換してさらに温度上昇し、高温再生器1に流入する。高温再生器1への希溶液の流入量は、高温再生器1の出入り口に設けられたフロートボックス16内のフロートバルブ17によって調整される。このフロートバルブ17の開度はフロートボックス16内の液位によって変化する。
【0036】
高温再生器1は貫流式となっており、燃料を燃焼するバーナ12、このバーナ12の周囲に同心円状に配置されて溶液を加熱濃縮する伝熱管群などから構成されている。
【0037】
高温再生器1に流入した希溶液は、伝熱管群の管内に導かれ、燃焼ガスとの熱交換によって加熱濃縮されて濃溶液となった後、発生した冷媒蒸気と共に、高温再生器1の出口部に設置された気液分離器15に導かれる。そして、気液分離器15内において冷媒蒸気と濃溶液とが分離される。
【0038】
気液分離器15で冷媒蒸気から分離された濃溶液は、上部が気液分離器15の上部と連通したフロートボックス16内に一旦滞留して液面を形成する。この液面の高さによって先に述べたフロートバルブ17の開度が変化する。フロートボックス16内の濃溶液は高温熱交換器10に送られ、界面活性剤分離器7から高温再生器1に流入する希溶液と熱交換して温度低下する。そして、中温再生器2および低温再生器3で加熱濃縮された濃溶液と合流し、濃溶液ポンプ81によって加圧されて低温熱交換器8に送られる。気液分離器15で濃溶液から分離された冷媒蒸気は、中温再生器2に送られて中温再生器2の希溶液を加熱濃縮して管内で凝縮した後、中温ドレン熱交換器95に導かれる。
【0039】
以上説明したように本実施形態によれば、希溶液が高温再生器1へ流入する前に、溶液中の界面活性剤の大部分を除去し、凝縮器4で回収する構成とした。このため、高温再生器1で界面活性剤が分解されず、運転時に界面活性剤を追加補充することなく安定した性能を長期に維持する事が可能となる。
【0040】
また、本実施形態では界面活性剤の回収に高温再生器1の排ガスと、中温再生器2からの濃溶液との熱を用いる構成とした。このため、界面活性剤分離器7内で界面活性剤が冷媒と共に溶液から気化分離して潜熱を奪っても、伝熱管群71、72からの熱で加熱されるため、溶液温度を界面活性剤の気化分離に十分な高温に維持することができる。従って、溶液温度すなわち界面活性剤を分離するための駆動力が強く、より小さな気液界面で高い分離性能が得られる。このため、高温再生器1に送られる溶液中の界面活性剤濃度がさらに低減できる。
【0041】
さらに、界面活性剤分離器7で発生した冷媒蒸気が冷房能力に寄与するので性能が向上する。なお、界面活性剤分離器7を直接蒸発器5及び吸収器6の気相部に連通さることも可能であるが、この場合は先の構成に比較して冷凍機の性能が低下する。
【0042】
また、界面活性剤分離器7で分離した界面活性剤は、冷媒と共に蒸発器5に送られて蒸発し、吸収器6内の伝熱管群63の表面で溶液に溶解または液化して、吸収器6での物質移動を促進する。従って、界面活性剤は高温に晒されて分解することなく吸収器6に循環するので、冷凍機の性能を維持することが可能となる。
【0043】
さらに、界面活性剤分離器7の下部の溶液溜め73にオーバーフロー堰74を設け、溶液量が増加して溶液溜め73の液位が上昇すると、オーバーフロー堰74から溶液が低温再生器3の下部にオーバーフローする構成とした。このため、配管P5から高温溶液ポンプ75によって高温再生器1に送られる溶液流量がフロートバルブ17の動作によって減少しても、溶液溜め73の液位がオーバーフロー堰74の高さ付近に維持される。従って、界面活性剤分離器7の保有溶液量が過剰とならず、界面活性剤分離器7内の気液界面の液没による分離性能の低下が回避される。さらに、低温再生器3の底部にオーバーフローした溶液は濃溶液ポンプ81によって吸収器6に送られる。これにより、吸収器6の溶液が不足となって低温希溶液ポンプ65の動作に支障を来たすことがない。
【0044】
さらに、界面活性剤分離器7から界面活性剤分離後の溶液を高温再生器1に送る高温希溶液ポンプ75と、該ポンプから高温再生器1に送られる溶液流量を調節する流量調節手段であるフロートバルブ17を設けてある。高温再生器1の気液分離器15の出口に設けたフロートボックス16内の液位によってフロートバルブ17が動作して、高温再生器1に送られる溶液流量を調節する。このため、高温再生器1の圧力が低く、高温再生器1からの溶液流出量が少ない場合においても、その流出量に応じた流量で高温再生器1に希溶液を供給することが可能となる。
【0045】
従って、高温再生器1の溶液保有量が過剰となって気液分離器15内の液面が上昇して気液分離に支障を来たしたり、吸収器の溶液が不足となって低温希溶液ポンプ65の動作に支障を来たすことがない。
【0046】
なお図1では、界面活性剤分離器7において、溶液がまず高温再生器1からの排ガスの熱を伝える伝熱管群71で加熱された後に、中温再生器2からの濃溶液の熱を伝える伝熱管群72で加熱される構成としたが、まず中温再生器2からの濃溶液の熱を伝える伝熱管群72で加熱された後に、高温再生器1からの排ガスの熱を伝える伝熱管群71で加熱する構成としても良い。
【0047】
次に、本発明の他の実施形態について、図2を用いて説明する。図2は他の実施形態の吸収式冷凍機の系統図である。
【0048】
図のように、高温再生器1、低温再生器3を備えた二重効用サイクルであり、高温再生器1と低温再生器3に並行に希溶液を流すパラレルフロー方式のものである。本実施形態でも、高温再生器1への溶液経路の途中に、溶液が高温再生器1に流入する前に界面活性剤を分離する界面活性剤分離器7を設けてある。すなわち、界面活性剤分離器7を低温再生器3の横に設けた。そして、界面活性剤分離器7の気相部が低温再生器3及び凝縮器4の気相部に連通するように構成し、界面活性剤分離器7で分離した界面活性剤を凝縮器4で回収できるようにした。
【0049】
本実施形態において、図1と異なる点は、上記の他に、中温再生器2及び中温ドレン熱交換器95がなく、それに代わる熱交換器として、第一高温熱交換器10aおよび第二高温熱交換器10bが設けてある。なお、冷凍機の冷媒には水、吸収剤には臭化リチウム水溶液を用いる点は同じである。
【0050】
さらに、蒸発器5および吸収器6は、2段蒸発吸収にはせずに1段蒸発吸収する構造としている。吸収器6で冷媒を吸収した希溶液は、図1の場合と同様に、低温希溶液ポンプ65を介して低温熱交換器8と低温ドレン熱交換器85に送られる。そして、それぞれ吸収器6に流入する濃溶液、低温再生器3内で凝縮した冷媒液と熱交換して温度上昇した後に再び合流する。
【0051】
合流した希溶液は再び分岐して、一部は低温再生器3に、残りは第一高温熱交換器10aに送られる。一方、低温ドレン熱交換器85で希溶液と熱交換して温度低下した冷媒液は、凝縮器4に導かれる。
【0052】
低温再生器3に送られた希溶液は、高温再生器1で発生した冷媒蒸気の凝縮熱を伝える伝熱管群33に滴下することによって加熱濃縮されて、濃度の濃い溶液すなわち濃溶液となる。この濃溶液は、溶液配管P4を通って高温再生器1からの濃溶液と合流し、濃溶液ポンプ81によって、低温熱交換器8を経由して吸収器6へ送られる。
【0053】
低温再生器3で発生した冷媒蒸気は、低温再生器3と同一筐体内の凝縮器4に設置された凝縮伝熱管43内を流れる冷却水によって冷却されて凝縮し、低温ドレン熱交換器85で温度低下した冷媒液と混合されて蒸発器5へ送られる。また、このとき低温再生器3内では、冷媒蒸気と同時に希溶液中に含まれる界面活性剤も加熱分離され、冷媒蒸気と同様に凝縮器4で凝縮した後、蒸発器5に送られる。なお、本構成では図1と異なり冷却水は、まず吸収器6の伝熱管63を通り、その後一旦凝縮機4内の伝熱管43を流れ、再び吸収器6内の伝熱管63’を通って、別設のクーリングタワー等に送られそこで冷却され吸収器に戻される構成となっている。
【0054】
一方、第一高温熱交換器10aに送られた希溶液は、高温再生器1から第二高温熱交換器10bを経て送られた濃溶液と熱交換してさらに温度上昇して界面活性剤分離器7に送られる。そして、伝熱管群71に滴下され、伝熱管群71内を流れる高温再生器1からの排ガスによって加熱されて、溶液中に含まれる界面活性剤が優先的に分離される。界面活性剤が分離された希溶液は、界面活性剤分離器7の溶液溜め73に滞留する。この溶液は、界面活性剤をほとんど含まず、濃度は界面活性剤分離器7に供給する前の希溶液とほぼ同等である。
【0055】
溶液溜め73に滞留した溶液は、溶液配管P5に設けられた高温希溶液ポンプ75によって、第二高温熱交換器10bに送られる。また加熱分離されて気体となった界面活性剤と少量の冷媒蒸気は、界面活性剤分離器7と連通した凝縮器4で、低温再生器3からの冷媒蒸気および界面活性剤蒸気と共に凝縮して混合する。界面活性剤分離器7の溶液溜め73にはオーバーフロー堰74が設けられており、界面活性剤分離器7への溶液供給量が過剰となった場合には、オーバーフロー堰74から過剰な溶液が低温再生器3の底部にオーバーフローする。
【0056】
また、界面活性剤分離器7の加熱源として供給された高温再生器からの排ガスは、界面活性剤分離器7において希溶液を加熱した後に外部に排出される。
【0057】
第二高温熱交換器10bに送られた希溶液は、高温再生器1からの濃溶液と熱交換してさらに温度上昇し、高温再生器1に流入する。この流入量は、図1の実施形態と同様、フロートバルブ17によって調節されている。
【0058】
高温再生器1は直火式であり、燃料を燃焼するバーナ、溶液を加熱濃縮する伝熱管群などから構成され、溶液の出口には上述したフロートバルブ17を内包するフロートボックス16が設置されている。
【0059】
高温再生器1に流入した希溶液は、燃焼ガスとの熱交換によって加熱濃縮されて濃溶液となった後、高温再生器1の出口部に設置されたフロートボックス16内に一旦滞留して液面を形成し、さらに第二高温熱交換器10bに送られ、界面活性剤分離器7から高温再生器1に流入する希溶液と熱交換して温度低下する。
【0060】
そして、第一高温熱交換器10aで界面活性剤分離器7に流入する希溶液と熱交換してさらに温度低下して低温再生器3で加熱濃縮された濃溶液と合流し、濃溶液ポンプ81によって加圧されて低温熱交換器8に送られる。高温再生器1で発生した冷媒蒸気は、低温再生器3の伝熱管33内に送られて、伝熱管33に滴下された希溶液を加熱濃縮することで凝縮した後、ドレン熱交換器85に導かれる。
【0061】
以上のように、吸収冷凍サイクルを二重効用とした場合に、以下の効果が得られる。
【0062】
まず、溶液中の界面活性剤を気化させて回収する界面活性剤分離器7により、高温再生器1に送られる溶液から、界面活性剤を溶解限度以下にまで分離することができ、長期に渡って安定した性能を維持することが可能となる。
【0063】
また、界面活性剤分離器7に高温再生器1から排出される排ガスの熱を回収して溶液を加熱する伝熱管群71設けたので、界面活性剤分離器7内で界面活性剤が冷媒と共に溶液から気化分離して潜熱を奪っても、溶液温度が界面活性剤の気化分離に十分な高温に維持される。従って、溶液温度すなわち界面活性剤を分離するための駆動力が強く、高温再生器1に送られる溶液中の界面活性剤の濃度をさらに低減できる。
【0064】
さらに、界面活性剤分離器7の気相部を、低温再生器3および凝縮器4の気相部に連通させたので、界面活性剤分離器7で発生した冷媒蒸気が冷房能力に寄与し、冷凍機の性能を向上できる。 なお、界面活性剤分離器7を直接蒸発器5及び吸収器6の気相部に連通させることも可能であるが、この場合は先の構成に比較して冷凍機の性能が低下する。また、界面活性剤分離器7で分離した界面活性剤は、高温に晒されて分解することなく吸収器6に循環するので、冷凍機の性能を維持することが可能となる。
【0065】
さらに、界面活性剤分離器7の下部の溶液溜め73にオーバーフロー堰74を設け、溶液溜め73の液位が上昇すると、溶液が低温再生器3の下部にオーバーフローする構成としたので、高温再生器1に送られる溶液流量がフロートバルブ17の動作によって減少した場合などにおいても、溶液溜め73の液位がオーバーフロー堰74の高さ付近に維持される。従って、界面活性剤分離器7の保有溶液量が過剰とならず、分離器7内の気液界面の液没による分離性能の低下が回避される。
【0066】
さらに、オーバーフローした溶液が濃溶液ポンプ81によって吸収器6に送られることにより、吸収器6の溶液が不足となって低温希溶液ポンプ65の動作に支障を来たすことがない。
【0067】
さらに、界面活性剤分離器7から界面活性剤分離後の溶液を高温再生器1に送る高温希溶液ポンプ75と、該ポンプから高温再生器1に送られる溶液流量を調節する流量調節手段であるフロートバルブ17を設け、高温再生器1の溶液出口に設けたフロートボックス16内の液位によって高温再生器1に送られる溶液流量を調節するので、高温再生器圧力が低く、高温再生器からの溶液流出量が少ない場合においても、その流出量に応じた流量で高温再生器1に希溶液を供給することが可能となる。従って、高温再生器1の液面が上昇して気液分離に支障を来たしたり、吸収器の溶液が不足となって低温希溶液ポンプの動作に支障を来たすことがない。
【0068】
なお、冷凍機に供給された冷却水を、まず吸収器6の一部の伝熱管群63に通水し、次に凝縮器4の伝熱管群43に通水した後に吸収器6の残りの伝熱管群63’に通水している。この場合、冷却水を吸収器6から凝縮器4に通水する場合と比較して凝縮器4に供給される冷却水の温度が下がって、凝縮器4内の圧力が下がり、凝縮器4と連通した界面活性剤分離器7の圧力が低減される。この減圧効果によって、界面活性剤分離器7での分離性能が向上している。
【0069】
なお、第一高温熱交換器10aにおいて高温再生器1からの濃溶液によって界面活性剤分離器7に送られる希溶液を予熱して、界面活性剤分離器7の加熱源を高温再生器1からの排ガスのみとしているので、図1の実施の形態と比較して分離性能が劣る代わりに構造を簡略化している。これは、図1の実施形態と同様に、界面活性剤分離器7の加熱源として高温再生器1からの濃溶液を組み合わせて、第一高温熱交換器10aを省略しても良い。
【0070】
さらに、本実施形態では、高温再生器1からの濃溶液は第二高温熱交換器10bで高温再生器1に流入する希溶液と熱交換して温度低下した後に第一高温熱交換器10aで界面活性剤分離器7に送られる希溶液を予熱する構成としているが、第二高温熱交換器10bを省略して、高温再生器1からの濃溶液を直接第一高温熱交換器10aに導いて界面活性剤分離器7に送られる希溶液を予熱する構成としても良い。
【0071】
この場合は、高温再生器1に流入する希溶液の温度が低下して、高温再生器1で必要となる加熱量が増加するが、界面活性剤分離器7に送られる希溶液の温度が上昇して分離性能が向上すると共に、冷凍機の構造が簡略化されて製造コストが低減できる。
【0072】
次に、本発明の他の実施形態について、図3を用いて説明する。図3は、他の実施形態に係る吸収式冷凍機の系統図である。
【0073】
図1では低温再生器3および凝縮器4に連通するように界面活性剤分離器7を設けたが、図3では界面活性剤分離器7を中温再生器2に連通して設けた。また、界面活性剤分離器7の加熱源として高温再生器1で濃縮され高温熱交換器10を経由して伝熱管72へ送られてきた濃溶液を用いている。さらに、界面活性剤を含む希溶液は高温再生器1で発生した排ガスと熱交換する排ガス熱交換器105で温められ、前述の伝熱管72に滴下するように構成した。排ガス熱交換器105を通った排ガスは外部に放出される。
【0074】
なお図1と同じく界面活性剤分離器7の底部はオーバーフロー堰74を設けた液溜め73となっている。この液溜めの液位が上昇した際のオーバーフロー先は中温再生器2となっている。
【0075】
本実施形態では、界面活性剤分離器7を中温再生器2に連通させたので、前述までの実施形態に比べて界面活性剤分離器7内の圧力が高くなり分離性能が低下する。しかし、分離器7で発生した冷媒蒸気は中温再生器2で発生した冷媒蒸気と共に低温再生器3の内部で凝縮し、この凝縮熱によって低温再生器3の溶液が加熱されて冷媒が発生するので冷凍機の能力が向上する。
【0076】
また、高温再生器1からの排ガスを、界面活性剤分離器7に流入する希溶液の予熱に利用したので、界面活性剤分離器7本体での加熱能力が減少する。しかし、排ガス熱交換器105の構造が、分離器7内に排ガス熱回収用の伝熱管群を設ける場合に対して単純になるので、設計が容易となり製造コストも低減できる。
【0077】
また、図1において、本実施形態のように排ガス熱交換器105を設けて界面活性剤分離器7に流入する希溶液を予熱して、界面活性剤分離器7の加熱源を中温再生器2からの濃溶液のみとしても、同様の効果が得られることは明らかである。
【0078】
次に、本発明のさらに他の実施形態について、図4を用いて説明する。図4の系統図の部分の構成は図1と同じである。
【0079】
図1と異なる点は、低温希溶液ポンプ65、高温希溶液ポンプ75、濃溶液ポンプ81のモータの駆動をそれぞれインバータ駆動装置201、202、203で駆動するようにした点である。このため、高温再生器の圧力と略同じ圧力である気液分離器15に設けた圧力センサの信号に基づいて制御装置200が、それぞれのポンプを駆動する電源周波数を決定し、各インバータ駆動装置に送信する構成としている。
【0080】
制御装置200は、冷凍機の起動と同時に低温希溶液ポンプ65及び濃溶液ポンプ81を起動し、次いで高温希溶液ポンプ75を遅延して起動し、高温再生器1のバーナ12を点火する。起動後、冷凍機の運転中に制御装置200は、圧力センサ210によって検出される高温再生器1の圧力が高くなるのに従って各溶液ポンプの電源周波数を増加させるように、インバータ201、202、203に信号を送信する。
【0081】
前述のように、高温溶液ポンプ75をインバータ制御することにより、高温再生器1への希溶液流入量を調節するフロートバルブ17の前後の圧力差が緩和される。フロートバルブ17の弁体部に一般に用いられているちょう型弁は、バルブ前後の圧力差が大きい条件では、その開度が全閉付近で動作するので弁開度に対する流量感度が大きくなって動作が不安定となる。しかし、本実施形態では前述のようにフロートバルブ17前後の圧力差が緩和されるため、流量感度が鈍くなり、急激な流量変動がなくなって高温再生器1および冷凍機全体の動作を安定させることができる。
【0082】
同様に、低温溶液ポンプ65をインバータ制御することにより、中温再生器2に設けたフロートバルブ25の動作が安定して冷凍機全体の動作が安定する。さらに、低温再生器3への溶液流量が適量に制御されるため冷凍機の部分負荷効率が向上する。
【0083】
さらに、濃溶液ポンプ81をインバータ制御することによって、低温再生器から濃溶液ポンプ81への冷媒蒸気の随伴を防止できる。すなわち、濃溶液ポンプ81を常時最高周波数で運転した場合、部分負荷効率の向上等を目的として低温再生器への希溶液供給量を減少させる。このため、濃溶液ポンプ81の能力が過剰となって、低温再生器3から濃溶液と共に冷媒蒸気を随伴して吸引する。この吸引された冷媒蒸気は冷房能力に寄与しないために損失となる。ところで、本実施形態では、濃溶液ポンプ81の電源周波数を適切に制御するため、この冷媒蒸気随伴による損失が回避され、冷凍機の部分負荷効率がさらに向上する。
【0084】
また、各溶液ポンプを必要最小限の動力で駆動することにより、冷凍機の消費電力が低減される。
【0085】
本実施形態では、まず、冷凍機の起動時に低温希溶液ポンプ65及び濃溶液ポンプ81を起動する。次いで高温希溶液ポンプ75を遅延して起動する。すなわち、界面活性剤分離器7の液溜め73に溶液が供給された後に、高温希溶液ポンプ75が起動されるため、高温希溶液ポンプ75の動作にキャビテーションなどの支障を来すことがない。ここで、高温希溶液ポンプ75の起動を遅延させる時間は、低温希溶液ポンプ65の起動から高温希溶液ポンプ75の吸込ヘッドが液溜め73に確保されるのに十分な時間に設定するのがよい。
【0086】
なお、本実施形態では高温再生器1への溶液流量の調節を、高温希溶液ポンプ75のインバータ制御と、フロートバルブ17の両方を用いて行っているが、高温希溶液ポンプ75のインバータ制御のみで溶液の流量調整を行うようにしても良い。この場合は、高温希溶液ポンプの個体差や高温熱交換器10の圧力損失のばらつきなどによって、高温再生器1への溶液供給量や気液分離器15内の液位が変化して冷凍サイクルの定格動作点のばらつきが大きくなる。しかし、フロートバルブ17およびフロートボックス16が不要となり、冷凍機の小型化が可能となる。
【0087】
また、高温再生器1に供給される溶液に多少界面活性剤が混入していても、濃溶液が気液分離器15の出口から直接高温熱交換器10に導かれて温度低下するため、界面活性剤が分解する温度レベルに晒される時間が短縮されて分解量を低減することができる。
【0088】
また、本実施形態では、中温再生器2への溶液流量の調節を、低温希溶液ポンプ65のインバータ制御と、中温再生器2の出口に設けられたフロートバルブ25の両方を用いて行っているが、上記と同様、低温希溶液ポンプ65のインバータ制御のみによって行っても良い。この場合は、低温希溶液ポンプ65の個体差や低温熱交換器8の圧力損失のばらつきなどによって、中温再生器2への溶液供給量が変化して冷凍サイクルの定格動作点のばらつきが大きくなる。しかし、フロートボックス24およびフロートバルブ25が不要となって、冷凍機の小型化が可能となる。なお、この場合は中温再生器2の圧力を検出する圧力センサを追加して、この圧力センサからの信号によって、低温希溶液ポンプ65をインバータ制御しても良い。
【0089】
本実施形態は、図1に示した基本構成に対して、圧力センサ210、インバータ201、202、203および制御装置200を設置したものであるが、これは、図2および図3の実施形態、さらにはこれらを種々変形したものに対して適用した場合においても同様の効果を発揮することは明白である。
【0090】
以上説明してきた全ての実施の形態においては、界面活性剤分離器7への溶液供給量が過剰となった場合にのみオーバーフロー堰74から溶液が低温再生器3、または中温再生器4にオーバーフローするように定格流量を設定しているが、これは、このオーバーフローが常時生じるように、供給する希溶液の定格流量を多めに設定しても良い。
【0091】
この場合は、界面活性剤分離器7への溶液供給量が増加するので、溶液中に溶解している界面活性剤の分離性能が低下する。しかし、溶液中に溶解しきれずに液体のまま分離して、液溜め73内の溶液の表面に浮遊している界面活性剤が常時溶液と共にオーバーフローするので、高温再生器1への界面活性剤の流入が回避される。
【0092】
また図1、図3及び図4の実施形態においては、蒸発器5および吸収器6はいわゆる2段蒸発吸収の構成となっているが、これは、吸収式冷凍機で一般的に用いられている1段蒸発吸収の構成とした場合においても、本発明の適用により、同様の優れた効果を発揮することは明らかである。
【0093】
また以上説明してきた実施形態において、界面活性剤分離器7に設けた溶液加熱手段は、大部分をオーバーフロー堰74よりも高い位置に設け、一部をオーバーフロー堰74付近の高さ、又はこれよりも低い位置に設けるのが良い。これにより、液溜め73の液面付近に界面活性剤が浮遊している場合においても、この界面活性剤を加熱して気化させ、分離することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の吸収式冷凍機によれば、高温再生器に送られる希溶液から、界面活性剤を溶解限度以下にまで気化分離することによって高温再生器での界面活性剤の分解を回避し、分離した界面活性剤を高温に晒すことなく吸収器に循環させ、さらにこの気化分離を比較的小さな気液界面で行うことが可能になるので、吸収性能を長期にわたって維持して冷凍機の性能が安定すると共に、界面活性剤分離器の設置による冷凍機の大型化を抑制できる。
【0095】
また、界面活性剤分離器において界面活性剤と共に気化した冷媒が再び凝縮して蒸発器に導かれ、冷房能力に寄与するので、この冷媒蒸気が損失とならず、界面活性剤分離器の設置による冷凍機の性能低下が回避される。
【0096】
さらに本発明の吸収式冷凍機によれば、界面活性剤分離器への溶液供給量が過剰となっても、低温再生器あるいは三重効用吸収式冷凍機の中温再生器にオーバーフローして吸収器に送られるので、吸収器の溶液量不足等により溶液ポンプの動作に支障を来したり、安全装置の作動による緊急停止が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る吸収式冷凍機の系統図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る吸収式冷凍機の系統図である。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態に係る三重効用吸収式冷凍機の系統図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸収式冷凍機の系統図である。
【符号の説明】
1…高温再生器、2…中温再生器、3…低温再生器、4…凝縮器、5…蒸発器、6…吸収器、7…界面活性剤分離器、8…低温熱交換器、10…高温熱交換器、12…バーナ、15…気液分離器、16、24…フロートボックス、17、25…フロートバルブ、33、43、53、63、72…伝熱管群、55…冷媒ポンプ、59…冷水配管、5a…上段側蒸発器、5b…下段側蒸発器、6a…上段側吸収器、6b…下段側吸収器、65…低温溶液ポンプ、71…排ガス熱回収用伝熱管群、73…溶液溜め、74…オーバーフロー堰、75…高温溶液ポンプ、81…濃溶液ポンプ、85…低温ドレン熱交換器、95…中温ドレン熱交換器、105…排ガス熱交換器、200…制御装置、201、202、203…インバータ、210…圧力センサ。
Claims (9)
- 高温再生器、低温再生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、複数の溶液熱交換器、これらの機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管、溶液及び冷媒をサイクル内に循環させる溶液ポンプ及び冷媒ポンプを備えた吸収式冷凍機において、
前記吸収器から前記高温再生器への溶液循環経路内に、高温再生器の排ガスを用いて溶液中の界面活性剤を分離する界面活性剤分離手段を設けたことを特徴とする吸収式冷凍機。 - 請求項1記載の吸収式冷凍機において、
前記界面活性剤分離手段を低温再生器及び凝縮器とに連通させ、前記界面活性剤分離手段で分離した界面活性剤の大部分を前記凝縮器で回収するように構成したことを特徴とする吸収式冷凍機。 - 高温再生器、中温再生器及び低温再生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、複数の溶液熱交換器、これらの機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管、溶液及び冷媒をサイクル内に循環させる溶液ポンプ及び冷媒ポンプを備えた三重効用吸収式冷凍機において、
前記吸収器から前記高温再生器への溶液循環経路の前記高温再生器の入口側に、前記高温再生器の排ガスを用いて溶液を加熱することにより溶液中の界面活性剤を気化させる界面活性剤分離手段を設け、前記高温再生器に界面活性剤を分離した後の溶液を供給する構成としたことを特徴とする三重効用吸収式冷凍機。 - 請求項3に記載の三重効用吸収式冷凍機において、前記界面活性剤分離手段の溶液の加熱に前記高温再生器の排ガスに加え中温再生器で加熱濃縮された溶液を用いる構成としたことを特徴とする三重効用吸収式冷凍機。
- 高温再生器、低温再生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、複数の溶液熱交換器、これらの機器を結ぶ溶液配管及び冷媒配管、溶液及び冷媒をサイクル内に循環させる溶液ポンプ及び冷媒ポンプを備えた吸収式冷凍機において、
前記吸収器から前記高温再生器への溶液循環経路の前記高温再生器の入口側に、界面活性剤分離手段を設け、前記高温再生器に界面活性剤を分離した後の溶液を供給する構成とし、前記界面活性剤分離手段の溶液の加熱に前記高温再生器の排ガス及び高温熱交換器で加熱濃縮された溶液を用い、さらに、前記界面活性剤分離手段を前記低温再生器または前記凝縮器に連通させたことを特徴とする吸収式冷凍機。 - 請求項3に記載の三重効用吸収式冷凍機において、前記界面活性剤分離手段は前記中温再生器に連通させたことを特徴とする三重効用吸収式冷凍機。
- 請求項5に記載の吸収式冷凍機において、
前記界面活性剤分離手段は下部に溶液溜めを有し、該溶液溜めの液位が上昇した際に溶液を前記低温再生器にオーバーフローさせる手段を備えたことを特徴とする吸収式冷凍機。 - 請求項6に記載の三重効用吸収式冷凍機において、前記界面活性剤分離手段は下部に溶液溜めを有し、該溶液溜めの液位が上昇した際に溶液を前記中温再生器にオーバーフローさせる手段を備えたことを特徴とする三重効用吸収式冷凍機。
- 請求項7に記載の吸収式冷凍機において、
前記界面活性剤分離手段から前記高温再生器へ界面活性剤分離後の溶液を送る高温再生器往き溶液ポンプと、該ポンプによって前記高温再生器に送られる溶液流量を調節する流量調節手段と、を備えたこと特徴とする吸収式冷凍機。
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JP2007071475A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Ebara Refrigeration Equipment & Systems Co Ltd | 三重効用吸収冷凍機 |
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CN111336714A (zh) * | 2019-08-30 | 2020-06-26 | 同方节能工程技术有限公司 | 一种新型吸收式冷温水机组 |
-
2003
- 2003-08-20 JP JP2003207959A patent/JP2005061652A/ja active Pending
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