JP2005051428A - 周波数シンセサイザおよび通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水晶発振子を一つとしても出力発振信号の発振周波数が局部発振周波数としての特性を満足でき、受信感度抑圧にも対処可能な周波数シンセサイザおよび通信装置を提供する。
【解決手段】周波数切替信号FSWを受けて発振周波数をシフト可能で、基準周波数を有する基準発振信号Sref を生成する温度補償型水晶発振器(TCXO)1051を有する周波数シンセサイザ部105と、TCXO1051により出力された基準発振信号Sref が動作クロックとして供給され、感度抑圧が発生するか否かの判定結果に応じて、周波数切替信号FSWをTCXO1051に出力して発振周波数をシフトさせ、周波数切替信号の出力に伴う局部発振信号の周波数のずれを補正するために、周波数シンセサイザ部105の設定データを再設定する制御部107とを設ける。
【選択図】 図3
【解決手段】周波数切替信号FSWを受けて発振周波数をシフト可能で、基準周波数を有する基準発振信号Sref を生成する温度補償型水晶発振器(TCXO)1051を有する周波数シンセサイザ部105と、TCXO1051により出力された基準発振信号Sref が動作クロックとして供給され、感度抑圧が発生するか否かの判定結果に応じて、周波数切替信号FSWをTCXO1051に出力して発振周波数をシフトさせ、周波数切替信号の出力に伴う局部発振信号の周波数のずれを補正するために、周波数シンセサイザ部105の設定データを再設定する制御部107とを設ける。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば携帯電話機のような無線通信装置に適用される周波数シンセサイザおよび通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の無線通信装置においては、周波数シンセサイザを有し、周波数シンセサイザにて発生させた局部発振信号と所定周波数の受信無線信号とを混合器(ミキサ)において混合して中間周波信号を生成し復調するスーパーヘテロダイン方式を採用している。
【0003】
図11は、従来の周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
この周波数シンセサイザ1は、図11に示すように、周波数シンセサイザ部2、制御部3、および記憶部4を有している。
【0004】
周波数シンセサイザ部2は、基準周波数Ftの基準発振信号S21を出力する温度補償型水晶発振器(TCXO)21、PLLIC(Phase Locked Loop Integrated Circuit)部22、ループフィルタ23、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscilator)24により構成されている。
【0005】
PLLIC部22は、TCXO21による基準発振信号S21の発振周波数Ftを整数分周および小数分周して周波数frの基準発振信号S221を生成するリファレンスカウンタ部221、VCO24の発振信号S24の発振周波数Fvco を整数分周および小数分周して周波数fpの分周信号S222を生成するプログラムカウンタ部222、リファレンスカウンタ部221とプログラムカウンタ部222に対して分周比を設定するコントローラ223、周波数frの基準発振信号S221とVCO24の出力発振信号(局部発振信号)S24の周波数Fvco を分周した周波数fpの分周信号S222との位相を比較し、位相差信号S224をループフィルタ23に出力する位相比較器224を有している。
ループフィルタ23は、位相差信号S224に応じた制御信号S23をVCO24に出力する。
VCO24は、ループフィルタ23による制御信号S23に応じて、基準発振信号S21の位相に位相同期させた出力発振信号S24を生成し、PLLIC部22のプログラムカウンタ222および図示しない混合器等に出力する。
【0006】
制御部3は、周波数シンセサイザ部2のPLLIC部22におけるコントローラ223に、リファレンスカウンタ部221とプログラムカウンタ部222に対して設定するための分周比を供給する。
また、制御部3は、駆動用クロック生成部として水晶発振子31、負荷容量32,33、印加電圧により負荷容量を可変することができる可変容量ダイオード34およびデジタル/アナログ(D/A)変換器35を有している。
【0007】
携帯電話機等に適用される図11の周波数シンセサイザ1は、上述したように、中央演算処理部(CPU)としての制御部3に使用するクロック用水晶発振子31と、高周波回路部の周波数シンセサイザ部2用の基準周波数を有する基準発振信号S21を発振する温度補償型水晶発振器(TCXO)21の少なくとも2つの水晶発振子を有している。
【0008】
このように複数の水晶発振子を有することは、基板上への実装面積、コストが増大し、また、水晶発振子間の干渉により生ずる複雑なスプリアスによる障害を防止する等の目的から、CPUクロック用水晶発振子とTCXOを、SAW(弾性表面波)発振器等からなる一つの基準発振器で構成した周波数シンセサイザを含む送受信機が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−322239号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載した周波数シンセサイザでは、基準発振器はCPUクロック用のものと同等のものであり、この処理回路用クロックをPLLに供給することから、処理回路のノイズがクロックに重畳しPLL特性が劣化してしまい、局部発振周波数としての特性が満足できなくなる可能性があった。
また、CPUクロック用基準発振器を用いた場合、携帯電話機等の制御部(CPUやカメラの駆動回路等のクロック供給を受けているデバイスを示す)で発生するクロック周波数の高調波や制御部内で、分周されたクロック周波数の高調波が、受信周波数と被った際に発生する感度劣化(感度抑圧)を回避することが困難である。
【0011】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、水晶発振子を一つとして省スペース化、低コスト化を図れることはもとより、出力発振信号の発振周波数が局部発振周波数としての特性を満足でき、また受信感度抑圧にも対処可能な周波数シンセサイザおよび通信装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点の周波数シンセサイザは、発振周波数が周波数切替信号に応じてシフト可能で、所定周波数の基準発振信号を出力する第1の発振器と、上記第1の発振器による基準発振信号の周波数を第1の設定データに基づく周波数に変換する第1の周波数変換手段と、出力発振信号の周波数を第2の設定データに基づく周波数に変換する第2の周波数変換手段と、上記第1の周波数変換手段により周波数が変換された上記基準発振信号と上記第2の周波数変換手段により周波数が変換された上記出力発振信号との位相を比較し、比較結果に応じた位相差信号を出力する位相比較手段と、上記位相比較手段による位相差信号に応じて、上記基準発振信号の位相に位相同期させた上記出力発振信号を生成し、上記第2の周波数変換手段に出力する第2の発振器と、上記第1の発振器により出力された上記基準発振信号が動作クロックとして供給され、所定の条件に応じて上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力して発振周波数をシフトさせ、当該周波数切替信号の出力に伴う上記出力発振信号の周波数のずれを補正するために、上記第1の設定データおよび第2の設定データのうちの少なくとも一方のデータを再設定する制御手段とを有する。
【0013】
本発明の第2の観点の通信装置は、所定の周波数の受信信号と局部発振信号とを混合して、中間周波信号を生成する混合器と、発振周波数が周波数切替信号に応じてシフト可能で、所定周波数の基準発振信号を出力する第1の発振器と、上記第1の発振器による基準発振信号の周波数を第1の設定データに基づく周波数に変換する第1の周波数変換手段と、局部発振信号の周波数を第2の設定データに基づく周波数に変換する第2の周波数変換手段と、上記第1の周波数変換手段により周波数が変換された上記基準発振信号と上記第2の周波数変換手段により周波数が変換された上記局部発振信号との位相を比較し、比較結果に応じた位相差信号を出力する位相比較手段と、上記位相比較手段による位相差信号に応じて、上記基準発振信号の位相に位相同期させた上記局部発振信号を生成し、上記混合器および第2の周波数変換手段に出力する第2の発振器と、上記第1の発振器により出力された上記基準発振信号が動作クロックとして供給され、所定の条件に応じて上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力して発振周波数をシフトさせ、当該周波数切替信号の出力に伴う上記局部発振信号の周波数のずれを補正するために、上記第1の設定データおよび第2の設定データのうちの少なくとも一方のデータを再設定する制御手段とを有する。
【0014】
好適には、上記制御手段の上記基準発振信号の入力側に、当該制御手段側で発生するノイズの逆流を防止するバッファ部が接続されている。
【0015】
また、好適には、上記制御手段における周波数切替信号の出力判定のための所定の条件は、上記受信信号の周波数と上記第1の周波数変換手段における上記第1の設定データに基づく周波数変換処理にて発生する高調波の周波数および上記制御手段ら発生する高調波の周波数とが略一致するか否かであり、上記制御手段は、上記受信信号の周波数と上記高調波の周波数とが略一致すると判定したときに、上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力し、上記基準発振信号の周波数をシフトさせる。
【0016】
好適には、上記制御手段は、上記基準発振信号の周波数をシフトさせた状態に維持する場合には、当該シフト時の周波数を所定の条件の一つとして記憶しておく。
【0017】
好適には、上記制御手段は、上記受信信号に対する処理が終了した後、上記基準発振信号の周波数をシフトさせる前の周波数に戻すように上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力する。
【0018】
好適には、上記第1の発振器は、温度センサを有する温度補償型発振器であり、上記制御手段は、温度補正データを加味した上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
【0020】
第1実施形態
図1は、本発明に係る周波数シンセサイザを採用した通信装置(携帯電話機)の第1の実施形態を示すシステム構成図である。
【0021】
本通信装置100は、図1に示すように、送受信アンテナ101、切替部(スイッチもしくはデュープレクサ(DUP))102、受信部103、送信部104、周波数シンセサイザ部105、バッファ部106、制御部107、記憶部108、表示部109、キー部110、マイクロフォン(マイク)部111、スピーカ部112、およびカメラ部113を有している。
【0022】
送受信アンテナ101は、たとえば図示しない基地局から送信された、たとえば周波数1497.6MHzの無線信号RFを受信し、また、基地局に対して無線信号を送信する。
【0023】
切替部102は、送受信アンテナ101でアンテナから受信した受信信号を受信部103に供給し、送信部104からの送信信号を送受信アンテナ101に供給する。
【0024】
受信部103は、アンテナ101から受信され、切替部102を通して供給された周波数FRS=1497.6MHzの受信信号RSを、周波数シンセサイザ部105による周波数Fvco1=1627.6MHzの第1局部発振信号LOS1、および、周波数Fvco2=129.6MHzの受信用第2局部発振信号LOS2を用いて制御部107にて処理できる周波数400kHzにまで変換し、デジタル信号S103として制御部107に供給する。
【0025】
図2は、受信部103の構成例を示す回路図である。
この受信部103は、図2に示すように、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)1031、第1混合器1032、バンドパスフィルタ(BPF)1033、第2混合器1034、BPF1035、および比較器1036により構成されている。
【0026】
このような構成を有する受信部103においては、切替部102による周波数1497.6MHzの受信信号RSは、LNA1031を通して第1混合器1032に供給される。
第1混合器1032において、受信信号RSは、周波数シンセサイザ部105の第1VCOによる周波数1627.6MHzの第1局部発振信号LOS1と混合処理(ミキシング)され、BPF1033を通して周波数FIF1 =130MHzの第1中間周波信号S1033が抽出され、第2混合器1034に入力される。
第2混合器1034において、第1中間周波信号S1033は、周波数シンセサイザ部105の第2VCOによる周波数129.6MHzの第2局部発振信号LOS2と混合処理(ミキシング)され、BPF1035を通して周波数FIF2=400kHzの第2中間周波信号S1035が抽出される。そして、BPF1035の出力に基づいて比較器1036のデータが信号S103としてベースバンド処理部の機能を有する制御部107に供給される。
【0027】
送信部104は、たとえば変調器、BPF、前置増幅器、電力増幅器等により構成され、制御部107より供給されるベースバンド信号をもとに周波数シンセサイザ部105から供給される送信用第2局部発振信号LOS3、第1局部発振信号LOS1を用いて所定周波数の送信信号を生成し、切替部102を通して送受信アンテナ101により送信する。
【0028】
周波数シンセサイザ部105は、制御部107による周波数切替信号FSWを受けて発振周波数をシフト可能な温度補償型水晶発振器(TCXO)を有し、この温度補償型水晶発振器(TCXO)のよる基準周波数Ft=14.4MHzを有する基準発振信号Sref を生成し、制御部107の動作クロックCLKとして、バッファ部106を通して制御部107に供給する。
また、周波数シンセサイザ105は、制御部107による第1の設定データ(A1値)および第2の設定データ(M1値)に基づいて、基準発振信号Sref に位相同期させた周波数Fvco1=1627.6MHzの第1局部発振信号LOS1を生成して受信部103および送信部104に供給し、制御部107による第1の設定データ(A2値)および第2の設定データ(M2値)に基づいて、基準発振信号Sref に位相同期させた周波数Fvco2=129.6MHzの受信用第2局部発振信号LOS2を生成して受信部103に供給し、また、基準発振信号Sref に位相同期させた所定周波数の送信用第2局部発振信号LOS3を送信部104に供給する。
【0029】
上述したように、本実施形態では、周波数シンセサイザ部105で使用する温度補償型水晶発振器(TCXO)からの出力基準発振信号Sref を、動作クロックCLKとしてバッファ部106を経由して制御部107に供給している。
バッファ部106は、動作クロックCLKを周波数シンセサイザ105から制御部107に供給する際に、制御部107のノイズが周波数シンセサイザ部105に流れ込まないようにしている(逆流しないようにしている)。これにより、制御部(CPU)用水晶発振子を削除することを可能としている。
【0030】
図3は、周波数シンセサイザ部105、バッファ部106、制御部107、および記憶部108を主構成要素とする本第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成例を示す回路図である。図3においては、周波数シンセサイザ部105の受信系回路の具体的な構成を示している。
【0031】
周波数シンセサイザ部105は、第1の発振器としての温度補償型水晶発振器(TCXO)1051、第1PLLIC部1052、第1ループフィルタ1053、第1の発振器としての第1VCO1054、第2PLLIC部1055、第2ループフィルタ1056、第2の発振器としての第2VCO1057を有する。
【0032】
温度補償型水晶発振器(TCXO)1051は、制御部107による、たとえばデジタル信号である周波数切替信号FSWを受けて周波数をシフト可能で、基本的に基準周波数Ft=14.4MHzを有する基準発振信号Sref を生成し、第1PLLIC部1052、第2PLLIC部1055、およびバッファ部106に供給する。
温度補償型水晶発振器(TCXO)1051は、周波数切替信号FSWを受けて周波数をシフトする際には、発振周波数は連続的にシフトする。たとえば温度補償型水晶発振器(TCXO)1051は、周波数切替信号FSWを受けて周波数をシフトする際には、基準周波数Ft=14.4MHzから数十から数百ppmシフトした周波数の基準発振信号を出力する。
すなわち、本実施形態では、携帯電話機の制御部(CPUやカメラの駆動回路等のクロック供給を受けているデバイスを示す)で発生するクロック周波数の高調波や制御部107内で、分周されたクロック周波数の高調波が、受信周波数と被った際に発生する感度劣化(感度抑圧)を回避するために、2周波数において温度補償した周波数を供給可能な温度補償型水晶発振器(TCXO)1051により構成している。
【0033】
第1PLLIC部1052は、TCXO1051による基準発振信号Sref の発振周波数Ftを整数分周および小数分周して周波数fr1の基準発振信号Sref1を生成する第1の周波数変換部としてのリファレンスカウンタ部10521と、第1VCO1054の第1局部発振信号LOS1の発振周波数Fvco1を整数分周および小数分周して周波数fp1の分周信号DLOS1を生成する第2の周波数変換部としてのプログラムカウンタ部10522と、制御部107による第1および第2の設定データに基づいてリファレンスカウンタ部10521とプログラムカウンタ部10522に対して分周比を設定するコントローラ10523と、周波数fr1の基準発振信号Sref1と第1VCO1054の第1局部発振信号LOS1の周波数Fvco1を分周した周波数fp1の分周信号DLOS1との位相を比較し、位相差信号S1052を第1ループフィルタ1053に出力する位相比較手段としての位相比較器10524とを有している。
第1ループフィルタ1053は、位相比較器10524による位相差信号S1052に応じた制御信号S1053を第1VCO1054に出力する。
第1VCO1054は、第1ループフィルタ1053による制御信号S1053に応じて、基準発振信号Sref の位相に位相同期させた第1局部発振信号(出力発振信号)LOS1を生成し、PLLIC部1052のプログラムカウンタ10522、図2に示す受信部103の第1混合器1032、および送信部104に出力する。
【0034】
第2PLLIC部1055は、TCXO1051による基準発振信号Sref の発振周波数Ftを整数分周および小数分周して周波数fr2の基準発振信号Sref2を生成する第1の周波数変換部としてのリファレンスカウンタ部10551と、第2VCO1057の第2局部発振信号LOS2の発振周波数Fvco2を整数分周および小数分周して周波数fp2の分周信号DLOS2を生成する第2の周波数変換部としてのプログラムカウンタ部10552と、制御部107による第1および第2の設定データに基づいてリファレンスカウンタ部10551とプログラムカウンタ部10552に対して分周比を設定するコントローラ10553と、周波数fr2の基準発振信号Sref2と第2VCO1057の第2局部発振信号LOS2の周波数Fvco2を分周した周波数fp2の分周信号DLOS2との位相を比較し、位相差信号S1055を第2ループフィルタ1056に出力する位相比較手段としての位相比較器10554とを有している。
第2ループフィルタ1056は、位相比較器10554による位相差信号S1055に応じた制御信号S1055を第2VCO1057に出力する。
第2VCO1057は、第2ループフィルタ1056による制御信号S1056に応じて、基準発振信号Sref の位相に位相同期させた第2局部発振信号(出力発振信号)LOS2を生成し、PLLIC部1055のプログラムカウンタ10552、および図2に示す受信部103の第2混合器1034に出力する。
【0035】
制御部107は、周波数シンセサイザ部105のVCXO1051の基準発振信号Sref がバッファ部106を通して動作クロックCLKとして供給され、所定の条件に応じて、周波数切替信号FSWをVCXO1051に出力して、基準発振周波数14.4MHzで発振させるか、発振周波数をシフトさせるかを制御する。
制御部107は、周波数切替信号FSWをVCXO1051に出力して基準周波数で発振させる場合に、第1PLLIC部1052のリファレンスカウンタ部10521とプログラムカウンタ部10522に対する分周比を第1および第2の設定データとしてコントローラ10523に設定するとともに、第2PLLIC部1055のリファレンスカウンタ部10551とプログラムカウンタ部10552に対する分周比を第1および第2の設定データとしてコントローラ10553に設定する。
制御部107は、周波数切替信号FSWをVCXO1051に出力して発振周波数をシフトさせる場合には、シフトさせる周波数切替信号FSWの出力に伴う第1および第2の局部発振信号LOS1,LOS2の周波数のずれを補正するために、コントローラ10523,10553に設定した第1の設定データまたは/および第2の設定データを再設定する。
【0036】
制御部107における周波数切替信号FSWの出力判定のための所定の条件は、受信信号RSの周波数FRSとTCXO1051自体の高調波、もしくは制御部107で発生するクロック周波数の高調波や、制御部107内で分周されたクロック周波数の高調波の周波数とが略一致するか否かである。すなわち、分周されたクロック周波数の高調波が、受信周波数と被った際に発生する感度劣化(感度抑圧)が発生するか否かである。
なお、受信信号RSの周波数FRSと、第1の周波数変換手段としてのリファレンスカウンタ部10521,10551における第1の設定データに基づく周波数分周(変換)処理にて発生する高調波の周波数とが略一致するか否かを、周波数切替信号FSWの出力判定のための所定の条件としても良い。
制御部107は、受信信号の周波数と高調波の周波数とが略一致すると判定したとき、すなわち、感度劣化(感度抑圧)が発生すると判定したときには、周波数切替信号FSWをVCXO1051に出力し、基準発振信号Sref の周波数Ft(14.4MHz)から数十から数百ppmシフトさせる。
【0037】
記憶部108には、周波数シフト前もしくはシフト後における感度抑圧周波数が記憶されており、制御部107は、受信周波数と感度抑圧周波数とが一致すると判定した場合に、周波数切替信号FSWをTCXO1051に供給する。
また、制御部107は、基準発振信号の周波数をシフトさせた状態に維持する場合には、シフト時の周波数を所定の条件の一つとして記憶部108に記憶しておく。
また、制御部108は、受信信号に対する復調処理等が終了した後、基準発振信号Sref の周波数をシフトさせる前の周波数に戻すように周波数切替信号FSWをTCXO1051に出力する。
【0038】
以下に、局部発振信号LOS1(またはLOS2)の周波数Fvco1(またはFvco2)の算出、感度抑圧が発生した場合における各周波数およびデータ設定例、および感度抑圧を回避するために、基準発振信号Sref 基準周波数Ftのシフトしたときの各周波数データ設定例について、図4(A),(B)および図5(A),(B)に関連付けて説明する。
図4(A),(B)は感度抑圧が発生した場合における各周波数およびデータ設定例を示し、図5(A),(B)は感度抑圧を回避する場合における各周波数およびデータ設定例を示す。
【0039】
ここで、目的とする局部発振信号の発振周波数FvcoはTCXO1051と各カウンタ10521,10522(10551,10552)の分周比により算出され、次の式1として表される。
【0040】
【数1】
【0041】
プログラムカウンタ10522,10552の分周値Mは、整数部mと小数部n/2x により構成され、制御部107によりコントローラに対し第2の設定データとしてm,nを設定することにより分周比は決定する。
同様に、リファレンスカウンタ10521,10551の分周値Aは、整数部aと小数部b/2y により構成され、制御部107によりコントローラに対し第1の設定データとしてa,bを設定することにより分周比は決定する。なお、x,yは分周する解像度を決定するものであり、PLLの仕様により決まる。
【0042】
したがって、TCXO1051の基準周波数Sref がシフトすると、式1より局部発振信号の周波数Fvcoもシフトしてしまう。
本実施形態では、TCXO1051の周波数を切替えた際に発生する周波数Fvcoのズレを補正するために、上述したように、周波数切替信号FSWを送出後に制御部107からPLLIC部1052,1055に対して、M値およびA値もしくはいずれか一方を再設定するように制御する。
これにより、局部発振信号の周波数Fvcoは目的の周波数を出力することが可能となる。
【0043】
図4(A),(B)は感度抑圧が発生した場合における各周波数およびデータ設定例を示している。
【0044】
図4(A),(B)において、受信信号RSの受信周波数1497.6MHzであった場合に、TCXO1051の基準(クロック)周波数Ft=14.4MHzの104倍が受信周波数と同一となり、感度抑圧が発生する。
このとき、周波数シンセサイザは、第1局部発振周波数と受信用第2局発振周波数により受信周波数を変換する構成をとっている(ダブルスーパーヘテロダイン方式)。
受信周波数(1497.6MHz)を第1局部発振周波数(1627.6MHz)により第1中間周波数(130MHz)に変換し、受信用第2局発振周波数(129.6MHZ)により第2中間周波数(400KHz)を生成する。
【0045】
図4(A),(B)では、第1局部発振周波数生成用として、A1分周(A1=4、a1=4、b1=0)により比較周波数fr1=3.6MHzを生成し、M1分周(M1=452.1111111、m1=452、n1=466034、x1=22)をPLLIC部1052に設定することで1627.6MHzを生成している。
また、受信用第2局部発振周波数生成用として、A2分周(A2=48、a2=48、b2=0)により比較周波数fr2=0.300MHzを生成し、M2分周(M2=432、m2=432、n2=0、x2=20)をPLLIC部1055に設定することで129.6MHzを生成している。
しかしながら、上述したようにこの周波数構成では、感度抑圧が発生してしまう。
【0046】
図5(A),(B)は感度抑圧を回避する場合における各周波数およびデータ設定例を示す。具体的には、TCXO1051の基準周波数Ftを+50ppmシフト時の各局部発振周波数およびデータ設定値を示す。
ちなみに、TCXO1051の基準周波数Ftのシフト量は、通信システムの受信帯域幅、制御部、PLLIC部のクロック動作仕様範囲により決定するものである。
【0047】
図5(A),(B)に示すように、受信周波数1497.6MHzに対して感度抑圧周波数は1497.679MHzまでシフトしたため、感度抑圧を回避できることがわかる。
また、A1/A2分周比は変更しなくても、M1/M2分周比を変更することにより、各局部発振周波数は適切な値となる。
なお、各分周に必要な設定は、システムやIC仕様により、変更されるものである。また、周波数シフトを実施していない時、および周波数シフト時の各設定データを記憶部108に事前に記憶しておき、分周比を設定する際に、制御部107より読み取り、PLLIC部1052,1055のコントローラ10523,10553に設定することも可能である。
【0048】
再び図1に関連付けて、本発明の係る通信装置の説明を行う。
また、制御部107は、送受信を変復調し、希望の周波数を設定し、記憶部108、表示部109、キー部110、マイク部111、スピーカ部112、およびカメラ部113を制御する。
【0049】
記憶部108は、たとえばEEPROMを含んで構成され、上述したように、周波数シフト前もしくはシフト前後における感度抑圧周波数が記憶される。
また、記憶部108には、通話やメールの送受信のための制御プログラム、メッセージデータ、名前および電話番号が登録されたアドレス帳等も記憶される。
【0050】
表示部109は、図示しないケース本体の上部側に配置された液晶表示装置(LCD)等の表示デバイスを有し、通話機能のために入力した電話番号や各種メッセージ、閲覧モード時に受信したページデータ、あるいはオフラインモード時にメモリ126から読み出された過去に閲覧したページデータ等を表示する。
また、表示部109は、たとえば最上段の1行分は、モードの種類、電波の強さ、電池残量等を表示するガイド表示行として用いられる。
【0051】
キー部110は、図示しないケース本体の下部側に配置され、終了(終話)/電源キー、開始(発呼)キー、上下左右キー、ファンクションキー、数字0〜9やア(あ)行〜ワ(わ)行文字に対応した複数(10個)のテンキー、*キー、#キー、文字キー、クリアキー等を有する。
マイク部111は、通話機能のために音声入力を行い、スピーカ部112は、音声出力を行う。
カメラ部13は、キー部110の指示により撮像を行い、撮像画像を表示部109に表示させると共に、そのデータを記憶部108に記憶する。
【0052】
次に、上記構成による動作を、周波数シンセサイザの制御部107の動作を中心に、図6のフローチャートに関連付けて説明する。
【0053】
制御部107は、ステップST1において、記憶部108に記憶されている感度抑圧周波数を確認する。
次に、ステップST2において、確認した感度抑圧周波数と受信する周波数とが一致、すなわち、感度抑圧が発生するかどうかの判定を行う。
ステップST2において、感度抑圧が発生すると判定した場合はステップST3の処理に進み、制御部107から周波数シンセサイザ部105のTCXO1051に対して周波数切替信号FSWを送出する。
TCXO1051は、事前に設定されている周波数シフト幅(数十〜数百ppm)で周波数をシフトした基準発振信号Sref を出力する。
次に、ステップST4において、TCXO1051の周波数がシフトしたために発生する第1および第2のVCO1054,1057による第1および第2の局部発振信号LOS1,LOS2の発振周波数のズレを補正するために、PLLIC部1052,1055のコントローラ10523,10553に対して、式1から計算される分周比データを送出する。
次に、ステップST5において、感度抑圧が発生しない状態に遷移することで受信周波数の処理を行う。
また、ステップST6において、シフトされたTCXO1051に周波数を切替える(元に戻す)か、そのままシフトした状態とするかの判定を行う。
ステップST6において切り替えると判定した場合は、ステップST7において、制御部107から周波数切替信号FSWをTCXO1051に送出し、処理を終了する。
ステップST6において、切り替えないと判定した場合は、そのままTCXO1051の周波数をシフトした状態で処理を終了する。
【0054】
ここで、TCXO1051の周波数をシフトした状態で処理を終了した場合でも、記憶部108にシフト時の感度抑圧周波数を記憶しておくことにより、同一のフローにより感度抑圧を回避することができる。
なお、ステップST6において、どちらか一方の判定に固定しておくことも可能である。
【0055】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、発振周波数が周波数切替信号FSWに応じてシフト可能で、所定周波数の基準発振信号Sref を出力する温度補償型水晶発振器(TCXO)1051と、基準発振信号の周波数を第1の設定データAに基づく周波数に変換するリファレンスカウンタ10521(10551)と、局部発振信号LOS1(LOS2)の周波数FVCO1(FVCO2)を第2の設定データMに基づく周波数に変換するプログラムカウンタ10522(10552)と、リファレンスカウンタ10521(10551)により周波数が変換された基準発振信号Sref1とプログラムカウンタ10522(10552)により周波数が変換された局部発振信号DLOS1(DLOS2)との位相を比較し、比較結果に応じた位相差信号S1052(S1055)を出力する位相比較器10524(10554)と、位相比較器10524(10554)による位相差信号S1052(S1055)に応じて、基準発振信号Sref の位相に位相同期させた局部発振信号LOS1(LOS2)を生成し、受信部103、送信部104、プログラムカウンタ10522(10552)に出力するVCO1054(1057)と、TCXO1051により出力された基準発振信号Sref が動作クロックとして供給され、感度抑圧が発生するか否かの判定結果に応じて、周波数切替信号FSWをTCXO1051に出力して発振周波数をシフトさせ、周波数切替信号の出力に伴う局部発振信号の周波数のずれを補正するために、第1の設定データAおよび第2の設定データMのうちの少なくとも一方のデータを再設定する制御部107とを設けたので、以下の効果を得ることができる。
【0056】
周波数シンセサイザで使用するTCXO等の温度補償型水晶発振器を制御部107のクロックとして共有することにより、低コスト、省スペース化を達成することができることはもとより、クロックを共有しても、出力発振信号の発振周波数が局部発振周波数としての特性を満足でき、また感度抑圧を避けることが可能となる利点がある。
【0057】
なお、本第1の実施形態においては、周波数シンセサイザ部105に関しては、2つの局部発振信号を生成する構成を例に説明したが、一つまたは3つ以上の局部発振信号を生成する場合には、PLL、ループフィルタ、VCOを局部発振信号分用意すれば実現可能である。
【0058】
第2実施形態
図7は、本第2の実施形態に係る周波数シンセサイザを示すブロック図である。
【0059】
本第2の実施形態に係る周波数シンセサイザが上述した第1の実施形態に係る周波数シンセサイザと異なる点は、制御部107Aが、周波数シンセサイザ部4Aにおける温度補償型水晶発振器(TCXO)1051Aの温度センサの検出結果を入力し、周波数切替信号を水晶発振器1051Aに出力して基準発振信号の周波数をシフトさせあるいはそのままの周波数で発振させる場合に、温度補正データを加味した周波数切替信号FSWTを出力するようにした点、および、水晶発振器1051Aが制御部107によるたとえばデジタル信号である周波数切替信号FSWTをデジタル/アナログ(D/A)変換器114を介してアナログ信号で受けて周波数をシフト可能に構成した点にある。
なお、本第2の実施形態においては、周波数シンセサイザ部に関しては、図面の簡単化のために1つの局部発振信号を生成する構成を例に説明したが、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に2つまたは3つ以上の局部発振信号を生成するように構成することも可能である。
その他の構成は、上述した第1の実施形態の構成と同様である。
【0060】
本第2の実施形態の水晶発振器1051Aは、図7に示すように、周囲温度を監視し、検出温度を信号TDTとして制御部107Aに出力する温度センサ10511、水晶発振子10512、トランジスタやICにより構成される発振回路10513、印加する電圧により容量を変化させる可変容量ダイオード10514、および負荷容量10515により構成される。
記憶部108には、感度抑圧が発生する周波数が記憶されており、さらに水晶発振回路10513の出力周波数が温度において一定となるための温度補正用データは、感度抑圧周波数に応じたシフト量を加味したデータとして記憶されている。
【0061】
D/A変換器114は、制御部107Aにより読み取られた記憶部108の感度抑圧周波数に応じたシフト量を含む温度補正用データを加味した周波数切替信号FSWTをデジタル信号からアナログ信号に変換し、可変容量ダイオード10514に供給して水晶発振回路10513の周波数制御するために配置されている。
【0062】
水晶発振回路10513は、次のように制御される。
制御部107Aは、温度センサ10511が測定した周囲温度データTDTを読み取る。制御部107Aは、読み取った温度データから、記憶部108に記憶されている感度抑圧周波数に応じたシフト量を含む温度補正用データ補正用データを読み出し、これに応じて補正用データを加味し、周波数をシフトさせる必要があると判定した場合には、温度補償し、感度抑圧周波数から周波数シフトさせるための周波数切替信号FSWTを出力する。
そして、D/A変換器114により、補正用データを加味し、感度抑圧周波数から周波数シフトさせるための周波数切替信号FSWTを電圧値(アナログ値)に変換し、可変容量ダイオード10514に印加する。この一連の制御を実施することにより、水晶発振回路10513の温度補償を実現することができ、かつ、感度抑圧を回避するために、温度補償された水晶発振回路10513の周波数をシフトさせる。
【0063】
すなわち、本第2の実施形態においても、受信周波数にて感度抑圧が発生すると記憶部108に記憶されている場合、制御部107Aにて感度抑圧を回避するために、制御用クロックとなっているTCXOの周波数を基本周波数から数十〜数百ppmシフトし、記憶部108には、少なくとも基本周波数から数十〜数百ppmシフトすることを決定するデータを保有しておく。
周波数シフト制御としては、記憶部108に記憶されている温度補正用データに対してシフト量を加味したシフト時の温度補正用データを制御部108もしくは記憶部108内に作成するか、もしくは事前にシフト時の温度補償データを記憶部108に記憶しておく。
なお、前述した式1における基準周波数FtのシフトによるFvcoのシフトは同様に発生するため、シフト時の温度補償データを参照後、制御部107AからPLLIC部1052のコントローラ10523に対して、M値およびA値もしくはいずれか一方を再設定するように制御する。これにより、Fvcoは目的の周波数を出力することが可能となる。
【0064】
次に、上記構成による動作を、周波数シンセサイザの制御部107Aの動作を中心に、図8のフローチャートに関連付けて説明する。
【0065】
制御部107Aは、ステップST11において、記憶部108に記憶されている感度抑圧周波数を確認する。
次に、ステップST12において、確認した感度抑圧周波数と受信する周波数とが一致、すなわち、感度抑圧が発生するかどうか判定を行い、感度抑圧が発生すると判定した場合はST13に進む。
ステップST13において、記憶部108に事前に設定されている周波数シフト幅(数十〜数百ppm)による温度補償データを参照し、制御部107Aから周波数シンセサイザ部105のTCXO1051に対して周波数切替信号FSWTを送出する。周波数切替信号FSWTは、D/A変換器114を経由して水晶発振器1051の可変容量ダイオード10514に印加されてその容量を制御し、発振回路10513の発振周波数のシフトを制御する。
次に、ステップST14において、TCXO1051の周波数がシフトしたために発生する第1および第2のVCO1054,1057による第1および第2の局部発振信号LOS1,LOS2の発振周波数のズレを補正するために、PLLIC1052,1055のコントローラ10523,10553に対して、式1から計算される分周比データを送出する。
次に、ステップST15において、感度抑圧が発生しない状態に遷移することで受信周波数の処理を行う。
また、ステップST16において、シフトされたTCXO1051に周波数を切替える(元に戻す)か、そのままシフトした状態とするかの判定を行う。
ステップST16において切り替えると判定した場合は、ステップST17において、記憶部にある切替える前に参照していた温度補正データにて水晶発振回路部を制御するために、制御部107Aから周波数切替信号FSWTをTCXO1051に送出し、処理を終了する。
ステップST16において、切り替えないと判定した場合は、そのままTCXO1051の周波数をシフトした状態で処理を終了する。
【0066】
ここで、TCXO1051Aの周波数をシフトした状態で処理を終了した場合でも、記憶部108にシフト時の感度抑圧周波数を記憶しておくことにより、同一のフローにより感度抑圧を回避することができる。
なお、ステップST16において、どちらか一方の判定に固定しておくことも可能である。
【0067】
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得られることはもとより、出力発振信号の発振周波数が局部発振周波数としての特性をより精度高くすることができる利点がある。
【0068】
第3実施形態
図9は、本第3の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【0069】
本第3の実施形態に係る周波数シンセサイザが上述した第1の実施形態に係る周波数シンセサイザと異なる点は、制御部107Bに対するクロックCLKをTCXO1051から出力された基準発振信号Sref をバッファ部106を一旦介した後、可変分周器115に供給するように構成し、制御部107Bによる周波数切替信号FSWをTCXO1051ではなく、可変分周器115に供給するようにしたことにある。
【0070】
可変分周器115は、周波数切替信号FSW115 により分周比を可変することが可能である。周波数切替信号FSWとは、可変分周器115があらかじめ2つ以上の周波数を分周できるように設定されている場合、その設定を選択できるようにするものであり、もしくは可変分周器115に対して任意の分周比データを入力し、分周比を可変することが可能である。
また、本構成では可変分周器115によりクロック周波数を可変するため、感度抑圧発生時にTCXO周波数をシフトする必要が無い。
可変分周器115は、整数および小数分周することが可能である構成とする。なお、バッファ部106は、分周器115の出力後に配置することも可能である。
【0071】
次の式2は、可変分周器115の出力周波数Fclkを示している。
【0072】
【数2】
Fclk=Ft/N …(2)
【0073】
ここで、Nは可変分周器115の分周比を示しており、このN値(整数および少数分周可能)を可変させることにより出力周波数Fclkをシフトさせるものである。
【0074】
周波数を切替える際にクロックが途絶えることは制御部107Bの誤動作を招くため、避ける必要がある。連続的に切り換えるためにも、入力されたクロック周波数の立上りもしくは立下りをトリガとしてデータを設定(周波数切替信号入力)、周波数の立下りもしくは立上りをトリガとして分周を実行する。
【0075】
また、制御信号により制御部用クロックのみを可変可能な分周器を設けることによっても対処可能である。
【0076】
本第3の実施形態によれば、制御部は感度抑圧を考慮した周波数切替信号の設定を行う必要がないことから、制御部の負荷が軽くなるという利点がある。
【0077】
第4実施形態
図10は、本第4の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【0078】
本第4の実施形態に係る周波数シンセサイザが上述した第2の実施形態に係る周波数シンセサイザと異なる点は、制御部107Cに対するクロックCLKをTCXO1051から出力された基準発振信号Sref をバッファ部106を一旦介した後、可変分周器115に供給するように構成し、制御部107Cによる周波数切替信号FSWをTCXO1051ではなく、可変分周器115に供給するようにしたことにある。
【0079】
第3の実施形態と同様に、可変分周器115は、周波数切替信号FSW115 により分周比を可変することが可能である。周波数切替信号FSWとは、可変分周器115があらかじめ2つ以上の周波数を分周できるように設定されている場合、その設定を選択できるようにするものであり、もしくは可変分周器115に対して任意の分周比データを入力し、分周比を可変することが可能である。
また、本構成では可変分周器115によりクロック周波数を可変するため、感度抑圧発生時にTCXO周波数をシフトする必要が無い。
可変分周器115は、整数および小数分周することが可能である構成とする。なお、バッファ部106は、分周器115の出力後に配置することも可能である。
【0080】
本第4の実施形態によれば、制御部は温度補正のみを考慮し、感度抑圧を考慮した周波数切替信号の設定を行う必要がないことから、制御部の負荷が軽くなるという利点がある。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、周波数シンセサイザに使用する基準周波数とCPUに使用するクロック周波数を共有することにより、コストダウン、省スペース化が達成できることはもとより、クロックを共有しても、出力発振信号の発振周波数が局部発振周波数としての特性を満足でき、また感度抑圧を避けることが可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周波数シンセサイザを採用した通信装置の第1の実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】図1の受信部の構成例を示す回路図である。
【図3】第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【図4】感度抑圧が発生した場合における各周波数およびデータ設定例を示す図である。
【図5】感度抑圧を回避する場合における各周波数およびデータ設定例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの動作を制御部の動作を中心に説明するためのフローチャートである。
【図7】本第2の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【図8】第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの動作を制御部の動作を中心に説明するためのフローチャートである。
【図9】本第3の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【図10】本第4の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【図11】従来の周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100…通信装置、101…送受信アンテナ、102…切替部、103…受信部、1031…低雑音増幅器(LNA)、1032…第1混合器、1033…バンドパスフィルタ(BPF)、1034…第2混合器、1035…BPF、1036…比較器、104…送信部、105,105A…周波数シンセサイザ部、1051,1051A…温度補償型水晶発振器(TCXO)、10511…温度センサ、10512…水晶発振子、10513…発振回路、10514…可変容量ダイオード、10515…負荷容量、1052…第1PLLIC部、10521…リファレンスカウンタ部、10522…プログラムカウンタ部、10523…コントローラ、10524…位相比較器、1053…第1ループフィルタ、1054…第1VCO、1055…第2PLLIC部、10551…リファレンスカウンタ部、10552…プログラムカウンタ部、10553…コントローラ、10554…位相比較器、1056…第2ループフィルタ、1057…第2VCO1057、106…バッファ部、107,107A,107B,107C…制御部、108…記憶部、109…表示部、110…キー部、111…マイクロフォン(マイク)部、112…スピーカ部、113…カメラ部、114…デジタル/アナログ変換器、115…可変分周器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば携帯電話機のような無線通信装置に適用される周波数シンセサイザおよび通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の無線通信装置においては、周波数シンセサイザを有し、周波数シンセサイザにて発生させた局部発振信号と所定周波数の受信無線信号とを混合器(ミキサ)において混合して中間周波信号を生成し復調するスーパーヘテロダイン方式を採用している。
【0003】
図11は、従来の周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
この周波数シンセサイザ1は、図11に示すように、周波数シンセサイザ部2、制御部3、および記憶部4を有している。
【0004】
周波数シンセサイザ部2は、基準周波数Ftの基準発振信号S21を出力する温度補償型水晶発振器(TCXO)21、PLLIC(Phase Locked Loop Integrated Circuit)部22、ループフィルタ23、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscilator)24により構成されている。
【0005】
PLLIC部22は、TCXO21による基準発振信号S21の発振周波数Ftを整数分周および小数分周して周波数frの基準発振信号S221を生成するリファレンスカウンタ部221、VCO24の発振信号S24の発振周波数Fvco を整数分周および小数分周して周波数fpの分周信号S222を生成するプログラムカウンタ部222、リファレンスカウンタ部221とプログラムカウンタ部222に対して分周比を設定するコントローラ223、周波数frの基準発振信号S221とVCO24の出力発振信号(局部発振信号)S24の周波数Fvco を分周した周波数fpの分周信号S222との位相を比較し、位相差信号S224をループフィルタ23に出力する位相比較器224を有している。
ループフィルタ23は、位相差信号S224に応じた制御信号S23をVCO24に出力する。
VCO24は、ループフィルタ23による制御信号S23に応じて、基準発振信号S21の位相に位相同期させた出力発振信号S24を生成し、PLLIC部22のプログラムカウンタ222および図示しない混合器等に出力する。
【0006】
制御部3は、周波数シンセサイザ部2のPLLIC部22におけるコントローラ223に、リファレンスカウンタ部221とプログラムカウンタ部222に対して設定するための分周比を供給する。
また、制御部3は、駆動用クロック生成部として水晶発振子31、負荷容量32,33、印加電圧により負荷容量を可変することができる可変容量ダイオード34およびデジタル/アナログ(D/A)変換器35を有している。
【0007】
携帯電話機等に適用される図11の周波数シンセサイザ1は、上述したように、中央演算処理部(CPU)としての制御部3に使用するクロック用水晶発振子31と、高周波回路部の周波数シンセサイザ部2用の基準周波数を有する基準発振信号S21を発振する温度補償型水晶発振器(TCXO)21の少なくとも2つの水晶発振子を有している。
【0008】
このように複数の水晶発振子を有することは、基板上への実装面積、コストが増大し、また、水晶発振子間の干渉により生ずる複雑なスプリアスによる障害を防止する等の目的から、CPUクロック用水晶発振子とTCXOを、SAW(弾性表面波)発振器等からなる一つの基準発振器で構成した周波数シンセサイザを含む送受信機が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−322239号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載した周波数シンセサイザでは、基準発振器はCPUクロック用のものと同等のものであり、この処理回路用クロックをPLLに供給することから、処理回路のノイズがクロックに重畳しPLL特性が劣化してしまい、局部発振周波数としての特性が満足できなくなる可能性があった。
また、CPUクロック用基準発振器を用いた場合、携帯電話機等の制御部(CPUやカメラの駆動回路等のクロック供給を受けているデバイスを示す)で発生するクロック周波数の高調波や制御部内で、分周されたクロック周波数の高調波が、受信周波数と被った際に発生する感度劣化(感度抑圧)を回避することが困難である。
【0011】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、水晶発振子を一つとして省スペース化、低コスト化を図れることはもとより、出力発振信号の発振周波数が局部発振周波数としての特性を満足でき、また受信感度抑圧にも対処可能な周波数シンセサイザおよび通信装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点の周波数シンセサイザは、発振周波数が周波数切替信号に応じてシフト可能で、所定周波数の基準発振信号を出力する第1の発振器と、上記第1の発振器による基準発振信号の周波数を第1の設定データに基づく周波数に変換する第1の周波数変換手段と、出力発振信号の周波数を第2の設定データに基づく周波数に変換する第2の周波数変換手段と、上記第1の周波数変換手段により周波数が変換された上記基準発振信号と上記第2の周波数変換手段により周波数が変換された上記出力発振信号との位相を比較し、比較結果に応じた位相差信号を出力する位相比較手段と、上記位相比較手段による位相差信号に応じて、上記基準発振信号の位相に位相同期させた上記出力発振信号を生成し、上記第2の周波数変換手段に出力する第2の発振器と、上記第1の発振器により出力された上記基準発振信号が動作クロックとして供給され、所定の条件に応じて上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力して発振周波数をシフトさせ、当該周波数切替信号の出力に伴う上記出力発振信号の周波数のずれを補正するために、上記第1の設定データおよび第2の設定データのうちの少なくとも一方のデータを再設定する制御手段とを有する。
【0013】
本発明の第2の観点の通信装置は、所定の周波数の受信信号と局部発振信号とを混合して、中間周波信号を生成する混合器と、発振周波数が周波数切替信号に応じてシフト可能で、所定周波数の基準発振信号を出力する第1の発振器と、上記第1の発振器による基準発振信号の周波数を第1の設定データに基づく周波数に変換する第1の周波数変換手段と、局部発振信号の周波数を第2の設定データに基づく周波数に変換する第2の周波数変換手段と、上記第1の周波数変換手段により周波数が変換された上記基準発振信号と上記第2の周波数変換手段により周波数が変換された上記局部発振信号との位相を比較し、比較結果に応じた位相差信号を出力する位相比較手段と、上記位相比較手段による位相差信号に応じて、上記基準発振信号の位相に位相同期させた上記局部発振信号を生成し、上記混合器および第2の周波数変換手段に出力する第2の発振器と、上記第1の発振器により出力された上記基準発振信号が動作クロックとして供給され、所定の条件に応じて上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力して発振周波数をシフトさせ、当該周波数切替信号の出力に伴う上記局部発振信号の周波数のずれを補正するために、上記第1の設定データおよび第2の設定データのうちの少なくとも一方のデータを再設定する制御手段とを有する。
【0014】
好適には、上記制御手段の上記基準発振信号の入力側に、当該制御手段側で発生するノイズの逆流を防止するバッファ部が接続されている。
【0015】
また、好適には、上記制御手段における周波数切替信号の出力判定のための所定の条件は、上記受信信号の周波数と上記第1の周波数変換手段における上記第1の設定データに基づく周波数変換処理にて発生する高調波の周波数および上記制御手段ら発生する高調波の周波数とが略一致するか否かであり、上記制御手段は、上記受信信号の周波数と上記高調波の周波数とが略一致すると判定したときに、上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力し、上記基準発振信号の周波数をシフトさせる。
【0016】
好適には、上記制御手段は、上記基準発振信号の周波数をシフトさせた状態に維持する場合には、当該シフト時の周波数を所定の条件の一つとして記憶しておく。
【0017】
好適には、上記制御手段は、上記受信信号に対する処理が終了した後、上記基準発振信号の周波数をシフトさせる前の周波数に戻すように上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力する。
【0018】
好適には、上記第1の発振器は、温度センサを有する温度補償型発振器であり、上記制御手段は、温度補正データを加味した上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
【0020】
第1実施形態
図1は、本発明に係る周波数シンセサイザを採用した通信装置(携帯電話機)の第1の実施形態を示すシステム構成図である。
【0021】
本通信装置100は、図1に示すように、送受信アンテナ101、切替部(スイッチもしくはデュープレクサ(DUP))102、受信部103、送信部104、周波数シンセサイザ部105、バッファ部106、制御部107、記憶部108、表示部109、キー部110、マイクロフォン(マイク)部111、スピーカ部112、およびカメラ部113を有している。
【0022】
送受信アンテナ101は、たとえば図示しない基地局から送信された、たとえば周波数1497.6MHzの無線信号RFを受信し、また、基地局に対して無線信号を送信する。
【0023】
切替部102は、送受信アンテナ101でアンテナから受信した受信信号を受信部103に供給し、送信部104からの送信信号を送受信アンテナ101に供給する。
【0024】
受信部103は、アンテナ101から受信され、切替部102を通して供給された周波数FRS=1497.6MHzの受信信号RSを、周波数シンセサイザ部105による周波数Fvco1=1627.6MHzの第1局部発振信号LOS1、および、周波数Fvco2=129.6MHzの受信用第2局部発振信号LOS2を用いて制御部107にて処理できる周波数400kHzにまで変換し、デジタル信号S103として制御部107に供給する。
【0025】
図2は、受信部103の構成例を示す回路図である。
この受信部103は、図2に示すように、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)1031、第1混合器1032、バンドパスフィルタ(BPF)1033、第2混合器1034、BPF1035、および比較器1036により構成されている。
【0026】
このような構成を有する受信部103においては、切替部102による周波数1497.6MHzの受信信号RSは、LNA1031を通して第1混合器1032に供給される。
第1混合器1032において、受信信号RSは、周波数シンセサイザ部105の第1VCOによる周波数1627.6MHzの第1局部発振信号LOS1と混合処理(ミキシング)され、BPF1033を通して周波数FIF1 =130MHzの第1中間周波信号S1033が抽出され、第2混合器1034に入力される。
第2混合器1034において、第1中間周波信号S1033は、周波数シンセサイザ部105の第2VCOによる周波数129.6MHzの第2局部発振信号LOS2と混合処理(ミキシング)され、BPF1035を通して周波数FIF2=400kHzの第2中間周波信号S1035が抽出される。そして、BPF1035の出力に基づいて比較器1036のデータが信号S103としてベースバンド処理部の機能を有する制御部107に供給される。
【0027】
送信部104は、たとえば変調器、BPF、前置増幅器、電力増幅器等により構成され、制御部107より供給されるベースバンド信号をもとに周波数シンセサイザ部105から供給される送信用第2局部発振信号LOS3、第1局部発振信号LOS1を用いて所定周波数の送信信号を生成し、切替部102を通して送受信アンテナ101により送信する。
【0028】
周波数シンセサイザ部105は、制御部107による周波数切替信号FSWを受けて発振周波数をシフト可能な温度補償型水晶発振器(TCXO)を有し、この温度補償型水晶発振器(TCXO)のよる基準周波数Ft=14.4MHzを有する基準発振信号Sref を生成し、制御部107の動作クロックCLKとして、バッファ部106を通して制御部107に供給する。
また、周波数シンセサイザ105は、制御部107による第1の設定データ(A1値)および第2の設定データ(M1値)に基づいて、基準発振信号Sref に位相同期させた周波数Fvco1=1627.6MHzの第1局部発振信号LOS1を生成して受信部103および送信部104に供給し、制御部107による第1の設定データ(A2値)および第2の設定データ(M2値)に基づいて、基準発振信号Sref に位相同期させた周波数Fvco2=129.6MHzの受信用第2局部発振信号LOS2を生成して受信部103に供給し、また、基準発振信号Sref に位相同期させた所定周波数の送信用第2局部発振信号LOS3を送信部104に供給する。
【0029】
上述したように、本実施形態では、周波数シンセサイザ部105で使用する温度補償型水晶発振器(TCXO)からの出力基準発振信号Sref を、動作クロックCLKとしてバッファ部106を経由して制御部107に供給している。
バッファ部106は、動作クロックCLKを周波数シンセサイザ105から制御部107に供給する際に、制御部107のノイズが周波数シンセサイザ部105に流れ込まないようにしている(逆流しないようにしている)。これにより、制御部(CPU)用水晶発振子を削除することを可能としている。
【0030】
図3は、周波数シンセサイザ部105、バッファ部106、制御部107、および記憶部108を主構成要素とする本第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの具体的な構成例を示す回路図である。図3においては、周波数シンセサイザ部105の受信系回路の具体的な構成を示している。
【0031】
周波数シンセサイザ部105は、第1の発振器としての温度補償型水晶発振器(TCXO)1051、第1PLLIC部1052、第1ループフィルタ1053、第1の発振器としての第1VCO1054、第2PLLIC部1055、第2ループフィルタ1056、第2の発振器としての第2VCO1057を有する。
【0032】
温度補償型水晶発振器(TCXO)1051は、制御部107による、たとえばデジタル信号である周波数切替信号FSWを受けて周波数をシフト可能で、基本的に基準周波数Ft=14.4MHzを有する基準発振信号Sref を生成し、第1PLLIC部1052、第2PLLIC部1055、およびバッファ部106に供給する。
温度補償型水晶発振器(TCXO)1051は、周波数切替信号FSWを受けて周波数をシフトする際には、発振周波数は連続的にシフトする。たとえば温度補償型水晶発振器(TCXO)1051は、周波数切替信号FSWを受けて周波数をシフトする際には、基準周波数Ft=14.4MHzから数十から数百ppmシフトした周波数の基準発振信号を出力する。
すなわち、本実施形態では、携帯電話機の制御部(CPUやカメラの駆動回路等のクロック供給を受けているデバイスを示す)で発生するクロック周波数の高調波や制御部107内で、分周されたクロック周波数の高調波が、受信周波数と被った際に発生する感度劣化(感度抑圧)を回避するために、2周波数において温度補償した周波数を供給可能な温度補償型水晶発振器(TCXO)1051により構成している。
【0033】
第1PLLIC部1052は、TCXO1051による基準発振信号Sref の発振周波数Ftを整数分周および小数分周して周波数fr1の基準発振信号Sref1を生成する第1の周波数変換部としてのリファレンスカウンタ部10521と、第1VCO1054の第1局部発振信号LOS1の発振周波数Fvco1を整数分周および小数分周して周波数fp1の分周信号DLOS1を生成する第2の周波数変換部としてのプログラムカウンタ部10522と、制御部107による第1および第2の設定データに基づいてリファレンスカウンタ部10521とプログラムカウンタ部10522に対して分周比を設定するコントローラ10523と、周波数fr1の基準発振信号Sref1と第1VCO1054の第1局部発振信号LOS1の周波数Fvco1を分周した周波数fp1の分周信号DLOS1との位相を比較し、位相差信号S1052を第1ループフィルタ1053に出力する位相比較手段としての位相比較器10524とを有している。
第1ループフィルタ1053は、位相比較器10524による位相差信号S1052に応じた制御信号S1053を第1VCO1054に出力する。
第1VCO1054は、第1ループフィルタ1053による制御信号S1053に応じて、基準発振信号Sref の位相に位相同期させた第1局部発振信号(出力発振信号)LOS1を生成し、PLLIC部1052のプログラムカウンタ10522、図2に示す受信部103の第1混合器1032、および送信部104に出力する。
【0034】
第2PLLIC部1055は、TCXO1051による基準発振信号Sref の発振周波数Ftを整数分周および小数分周して周波数fr2の基準発振信号Sref2を生成する第1の周波数変換部としてのリファレンスカウンタ部10551と、第2VCO1057の第2局部発振信号LOS2の発振周波数Fvco2を整数分周および小数分周して周波数fp2の分周信号DLOS2を生成する第2の周波数変換部としてのプログラムカウンタ部10552と、制御部107による第1および第2の設定データに基づいてリファレンスカウンタ部10551とプログラムカウンタ部10552に対して分周比を設定するコントローラ10553と、周波数fr2の基準発振信号Sref2と第2VCO1057の第2局部発振信号LOS2の周波数Fvco2を分周した周波数fp2の分周信号DLOS2との位相を比較し、位相差信号S1055を第2ループフィルタ1056に出力する位相比較手段としての位相比較器10554とを有している。
第2ループフィルタ1056は、位相比較器10554による位相差信号S1055に応じた制御信号S1055を第2VCO1057に出力する。
第2VCO1057は、第2ループフィルタ1056による制御信号S1056に応じて、基準発振信号Sref の位相に位相同期させた第2局部発振信号(出力発振信号)LOS2を生成し、PLLIC部1055のプログラムカウンタ10552、および図2に示す受信部103の第2混合器1034に出力する。
【0035】
制御部107は、周波数シンセサイザ部105のVCXO1051の基準発振信号Sref がバッファ部106を通して動作クロックCLKとして供給され、所定の条件に応じて、周波数切替信号FSWをVCXO1051に出力して、基準発振周波数14.4MHzで発振させるか、発振周波数をシフトさせるかを制御する。
制御部107は、周波数切替信号FSWをVCXO1051に出力して基準周波数で発振させる場合に、第1PLLIC部1052のリファレンスカウンタ部10521とプログラムカウンタ部10522に対する分周比を第1および第2の設定データとしてコントローラ10523に設定するとともに、第2PLLIC部1055のリファレンスカウンタ部10551とプログラムカウンタ部10552に対する分周比を第1および第2の設定データとしてコントローラ10553に設定する。
制御部107は、周波数切替信号FSWをVCXO1051に出力して発振周波数をシフトさせる場合には、シフトさせる周波数切替信号FSWの出力に伴う第1および第2の局部発振信号LOS1,LOS2の周波数のずれを補正するために、コントローラ10523,10553に設定した第1の設定データまたは/および第2の設定データを再設定する。
【0036】
制御部107における周波数切替信号FSWの出力判定のための所定の条件は、受信信号RSの周波数FRSとTCXO1051自体の高調波、もしくは制御部107で発生するクロック周波数の高調波や、制御部107内で分周されたクロック周波数の高調波の周波数とが略一致するか否かである。すなわち、分周されたクロック周波数の高調波が、受信周波数と被った際に発生する感度劣化(感度抑圧)が発生するか否かである。
なお、受信信号RSの周波数FRSと、第1の周波数変換手段としてのリファレンスカウンタ部10521,10551における第1の設定データに基づく周波数分周(変換)処理にて発生する高調波の周波数とが略一致するか否かを、周波数切替信号FSWの出力判定のための所定の条件としても良い。
制御部107は、受信信号の周波数と高調波の周波数とが略一致すると判定したとき、すなわち、感度劣化(感度抑圧)が発生すると判定したときには、周波数切替信号FSWをVCXO1051に出力し、基準発振信号Sref の周波数Ft(14.4MHz)から数十から数百ppmシフトさせる。
【0037】
記憶部108には、周波数シフト前もしくはシフト後における感度抑圧周波数が記憶されており、制御部107は、受信周波数と感度抑圧周波数とが一致すると判定した場合に、周波数切替信号FSWをTCXO1051に供給する。
また、制御部107は、基準発振信号の周波数をシフトさせた状態に維持する場合には、シフト時の周波数を所定の条件の一つとして記憶部108に記憶しておく。
また、制御部108は、受信信号に対する復調処理等が終了した後、基準発振信号Sref の周波数をシフトさせる前の周波数に戻すように周波数切替信号FSWをTCXO1051に出力する。
【0038】
以下に、局部発振信号LOS1(またはLOS2)の周波数Fvco1(またはFvco2)の算出、感度抑圧が発生した場合における各周波数およびデータ設定例、および感度抑圧を回避するために、基準発振信号Sref 基準周波数Ftのシフトしたときの各周波数データ設定例について、図4(A),(B)および図5(A),(B)に関連付けて説明する。
図4(A),(B)は感度抑圧が発生した場合における各周波数およびデータ設定例を示し、図5(A),(B)は感度抑圧を回避する場合における各周波数およびデータ設定例を示す。
【0039】
ここで、目的とする局部発振信号の発振周波数FvcoはTCXO1051と各カウンタ10521,10522(10551,10552)の分周比により算出され、次の式1として表される。
【0040】
【数1】
【0041】
プログラムカウンタ10522,10552の分周値Mは、整数部mと小数部n/2x により構成され、制御部107によりコントローラに対し第2の設定データとしてm,nを設定することにより分周比は決定する。
同様に、リファレンスカウンタ10521,10551の分周値Aは、整数部aと小数部b/2y により構成され、制御部107によりコントローラに対し第1の設定データとしてa,bを設定することにより分周比は決定する。なお、x,yは分周する解像度を決定するものであり、PLLの仕様により決まる。
【0042】
したがって、TCXO1051の基準周波数Sref がシフトすると、式1より局部発振信号の周波数Fvcoもシフトしてしまう。
本実施形態では、TCXO1051の周波数を切替えた際に発生する周波数Fvcoのズレを補正するために、上述したように、周波数切替信号FSWを送出後に制御部107からPLLIC部1052,1055に対して、M値およびA値もしくはいずれか一方を再設定するように制御する。
これにより、局部発振信号の周波数Fvcoは目的の周波数を出力することが可能となる。
【0043】
図4(A),(B)は感度抑圧が発生した場合における各周波数およびデータ設定例を示している。
【0044】
図4(A),(B)において、受信信号RSの受信周波数1497.6MHzであった場合に、TCXO1051の基準(クロック)周波数Ft=14.4MHzの104倍が受信周波数と同一となり、感度抑圧が発生する。
このとき、周波数シンセサイザは、第1局部発振周波数と受信用第2局発振周波数により受信周波数を変換する構成をとっている(ダブルスーパーヘテロダイン方式)。
受信周波数(1497.6MHz)を第1局部発振周波数(1627.6MHz)により第1中間周波数(130MHz)に変換し、受信用第2局発振周波数(129.6MHZ)により第2中間周波数(400KHz)を生成する。
【0045】
図4(A),(B)では、第1局部発振周波数生成用として、A1分周(A1=4、a1=4、b1=0)により比較周波数fr1=3.6MHzを生成し、M1分周(M1=452.1111111、m1=452、n1=466034、x1=22)をPLLIC部1052に設定することで1627.6MHzを生成している。
また、受信用第2局部発振周波数生成用として、A2分周(A2=48、a2=48、b2=0)により比較周波数fr2=0.300MHzを生成し、M2分周(M2=432、m2=432、n2=0、x2=20)をPLLIC部1055に設定することで129.6MHzを生成している。
しかしながら、上述したようにこの周波数構成では、感度抑圧が発生してしまう。
【0046】
図5(A),(B)は感度抑圧を回避する場合における各周波数およびデータ設定例を示す。具体的には、TCXO1051の基準周波数Ftを+50ppmシフト時の各局部発振周波数およびデータ設定値を示す。
ちなみに、TCXO1051の基準周波数Ftのシフト量は、通信システムの受信帯域幅、制御部、PLLIC部のクロック動作仕様範囲により決定するものである。
【0047】
図5(A),(B)に示すように、受信周波数1497.6MHzに対して感度抑圧周波数は1497.679MHzまでシフトしたため、感度抑圧を回避できることがわかる。
また、A1/A2分周比は変更しなくても、M1/M2分周比を変更することにより、各局部発振周波数は適切な値となる。
なお、各分周に必要な設定は、システムやIC仕様により、変更されるものである。また、周波数シフトを実施していない時、および周波数シフト時の各設定データを記憶部108に事前に記憶しておき、分周比を設定する際に、制御部107より読み取り、PLLIC部1052,1055のコントローラ10523,10553に設定することも可能である。
【0048】
再び図1に関連付けて、本発明の係る通信装置の説明を行う。
また、制御部107は、送受信を変復調し、希望の周波数を設定し、記憶部108、表示部109、キー部110、マイク部111、スピーカ部112、およびカメラ部113を制御する。
【0049】
記憶部108は、たとえばEEPROMを含んで構成され、上述したように、周波数シフト前もしくはシフト前後における感度抑圧周波数が記憶される。
また、記憶部108には、通話やメールの送受信のための制御プログラム、メッセージデータ、名前および電話番号が登録されたアドレス帳等も記憶される。
【0050】
表示部109は、図示しないケース本体の上部側に配置された液晶表示装置(LCD)等の表示デバイスを有し、通話機能のために入力した電話番号や各種メッセージ、閲覧モード時に受信したページデータ、あるいはオフラインモード時にメモリ126から読み出された過去に閲覧したページデータ等を表示する。
また、表示部109は、たとえば最上段の1行分は、モードの種類、電波の強さ、電池残量等を表示するガイド表示行として用いられる。
【0051】
キー部110は、図示しないケース本体の下部側に配置され、終了(終話)/電源キー、開始(発呼)キー、上下左右キー、ファンクションキー、数字0〜9やア(あ)行〜ワ(わ)行文字に対応した複数(10個)のテンキー、*キー、#キー、文字キー、クリアキー等を有する。
マイク部111は、通話機能のために音声入力を行い、スピーカ部112は、音声出力を行う。
カメラ部13は、キー部110の指示により撮像を行い、撮像画像を表示部109に表示させると共に、そのデータを記憶部108に記憶する。
【0052】
次に、上記構成による動作を、周波数シンセサイザの制御部107の動作を中心に、図6のフローチャートに関連付けて説明する。
【0053】
制御部107は、ステップST1において、記憶部108に記憶されている感度抑圧周波数を確認する。
次に、ステップST2において、確認した感度抑圧周波数と受信する周波数とが一致、すなわち、感度抑圧が発生するかどうかの判定を行う。
ステップST2において、感度抑圧が発生すると判定した場合はステップST3の処理に進み、制御部107から周波数シンセサイザ部105のTCXO1051に対して周波数切替信号FSWを送出する。
TCXO1051は、事前に設定されている周波数シフト幅(数十〜数百ppm)で周波数をシフトした基準発振信号Sref を出力する。
次に、ステップST4において、TCXO1051の周波数がシフトしたために発生する第1および第2のVCO1054,1057による第1および第2の局部発振信号LOS1,LOS2の発振周波数のズレを補正するために、PLLIC部1052,1055のコントローラ10523,10553に対して、式1から計算される分周比データを送出する。
次に、ステップST5において、感度抑圧が発生しない状態に遷移することで受信周波数の処理を行う。
また、ステップST6において、シフトされたTCXO1051に周波数を切替える(元に戻す)か、そのままシフトした状態とするかの判定を行う。
ステップST6において切り替えると判定した場合は、ステップST7において、制御部107から周波数切替信号FSWをTCXO1051に送出し、処理を終了する。
ステップST6において、切り替えないと判定した場合は、そのままTCXO1051の周波数をシフトした状態で処理を終了する。
【0054】
ここで、TCXO1051の周波数をシフトした状態で処理を終了した場合でも、記憶部108にシフト時の感度抑圧周波数を記憶しておくことにより、同一のフローにより感度抑圧を回避することができる。
なお、ステップST6において、どちらか一方の判定に固定しておくことも可能である。
【0055】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、発振周波数が周波数切替信号FSWに応じてシフト可能で、所定周波数の基準発振信号Sref を出力する温度補償型水晶発振器(TCXO)1051と、基準発振信号の周波数を第1の設定データAに基づく周波数に変換するリファレンスカウンタ10521(10551)と、局部発振信号LOS1(LOS2)の周波数FVCO1(FVCO2)を第2の設定データMに基づく周波数に変換するプログラムカウンタ10522(10552)と、リファレンスカウンタ10521(10551)により周波数が変換された基準発振信号Sref1とプログラムカウンタ10522(10552)により周波数が変換された局部発振信号DLOS1(DLOS2)との位相を比較し、比較結果に応じた位相差信号S1052(S1055)を出力する位相比較器10524(10554)と、位相比較器10524(10554)による位相差信号S1052(S1055)に応じて、基準発振信号Sref の位相に位相同期させた局部発振信号LOS1(LOS2)を生成し、受信部103、送信部104、プログラムカウンタ10522(10552)に出力するVCO1054(1057)と、TCXO1051により出力された基準発振信号Sref が動作クロックとして供給され、感度抑圧が発生するか否かの判定結果に応じて、周波数切替信号FSWをTCXO1051に出力して発振周波数をシフトさせ、周波数切替信号の出力に伴う局部発振信号の周波数のずれを補正するために、第1の設定データAおよび第2の設定データMのうちの少なくとも一方のデータを再設定する制御部107とを設けたので、以下の効果を得ることができる。
【0056】
周波数シンセサイザで使用するTCXO等の温度補償型水晶発振器を制御部107のクロックとして共有することにより、低コスト、省スペース化を達成することができることはもとより、クロックを共有しても、出力発振信号の発振周波数が局部発振周波数としての特性を満足でき、また感度抑圧を避けることが可能となる利点がある。
【0057】
なお、本第1の実施形態においては、周波数シンセサイザ部105に関しては、2つの局部発振信号を生成する構成を例に説明したが、一つまたは3つ以上の局部発振信号を生成する場合には、PLL、ループフィルタ、VCOを局部発振信号分用意すれば実現可能である。
【0058】
第2実施形態
図7は、本第2の実施形態に係る周波数シンセサイザを示すブロック図である。
【0059】
本第2の実施形態に係る周波数シンセサイザが上述した第1の実施形態に係る周波数シンセサイザと異なる点は、制御部107Aが、周波数シンセサイザ部4Aにおける温度補償型水晶発振器(TCXO)1051Aの温度センサの検出結果を入力し、周波数切替信号を水晶発振器1051Aに出力して基準発振信号の周波数をシフトさせあるいはそのままの周波数で発振させる場合に、温度補正データを加味した周波数切替信号FSWTを出力するようにした点、および、水晶発振器1051Aが制御部107によるたとえばデジタル信号である周波数切替信号FSWTをデジタル/アナログ(D/A)変換器114を介してアナログ信号で受けて周波数をシフト可能に構成した点にある。
なお、本第2の実施形態においては、周波数シンセサイザ部に関しては、図面の簡単化のために1つの局部発振信号を生成する構成を例に説明したが、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に2つまたは3つ以上の局部発振信号を生成するように構成することも可能である。
その他の構成は、上述した第1の実施形態の構成と同様である。
【0060】
本第2の実施形態の水晶発振器1051Aは、図7に示すように、周囲温度を監視し、検出温度を信号TDTとして制御部107Aに出力する温度センサ10511、水晶発振子10512、トランジスタやICにより構成される発振回路10513、印加する電圧により容量を変化させる可変容量ダイオード10514、および負荷容量10515により構成される。
記憶部108には、感度抑圧が発生する周波数が記憶されており、さらに水晶発振回路10513の出力周波数が温度において一定となるための温度補正用データは、感度抑圧周波数に応じたシフト量を加味したデータとして記憶されている。
【0061】
D/A変換器114は、制御部107Aにより読み取られた記憶部108の感度抑圧周波数に応じたシフト量を含む温度補正用データを加味した周波数切替信号FSWTをデジタル信号からアナログ信号に変換し、可変容量ダイオード10514に供給して水晶発振回路10513の周波数制御するために配置されている。
【0062】
水晶発振回路10513は、次のように制御される。
制御部107Aは、温度センサ10511が測定した周囲温度データTDTを読み取る。制御部107Aは、読み取った温度データから、記憶部108に記憶されている感度抑圧周波数に応じたシフト量を含む温度補正用データ補正用データを読み出し、これに応じて補正用データを加味し、周波数をシフトさせる必要があると判定した場合には、温度補償し、感度抑圧周波数から周波数シフトさせるための周波数切替信号FSWTを出力する。
そして、D/A変換器114により、補正用データを加味し、感度抑圧周波数から周波数シフトさせるための周波数切替信号FSWTを電圧値(アナログ値)に変換し、可変容量ダイオード10514に印加する。この一連の制御を実施することにより、水晶発振回路10513の温度補償を実現することができ、かつ、感度抑圧を回避するために、温度補償された水晶発振回路10513の周波数をシフトさせる。
【0063】
すなわち、本第2の実施形態においても、受信周波数にて感度抑圧が発生すると記憶部108に記憶されている場合、制御部107Aにて感度抑圧を回避するために、制御用クロックとなっているTCXOの周波数を基本周波数から数十〜数百ppmシフトし、記憶部108には、少なくとも基本周波数から数十〜数百ppmシフトすることを決定するデータを保有しておく。
周波数シフト制御としては、記憶部108に記憶されている温度補正用データに対してシフト量を加味したシフト時の温度補正用データを制御部108もしくは記憶部108内に作成するか、もしくは事前にシフト時の温度補償データを記憶部108に記憶しておく。
なお、前述した式1における基準周波数FtのシフトによるFvcoのシフトは同様に発生するため、シフト時の温度補償データを参照後、制御部107AからPLLIC部1052のコントローラ10523に対して、M値およびA値もしくはいずれか一方を再設定するように制御する。これにより、Fvcoは目的の周波数を出力することが可能となる。
【0064】
次に、上記構成による動作を、周波数シンセサイザの制御部107Aの動作を中心に、図8のフローチャートに関連付けて説明する。
【0065】
制御部107Aは、ステップST11において、記憶部108に記憶されている感度抑圧周波数を確認する。
次に、ステップST12において、確認した感度抑圧周波数と受信する周波数とが一致、すなわち、感度抑圧が発生するかどうか判定を行い、感度抑圧が発生すると判定した場合はST13に進む。
ステップST13において、記憶部108に事前に設定されている周波数シフト幅(数十〜数百ppm)による温度補償データを参照し、制御部107Aから周波数シンセサイザ部105のTCXO1051に対して周波数切替信号FSWTを送出する。周波数切替信号FSWTは、D/A変換器114を経由して水晶発振器1051の可変容量ダイオード10514に印加されてその容量を制御し、発振回路10513の発振周波数のシフトを制御する。
次に、ステップST14において、TCXO1051の周波数がシフトしたために発生する第1および第2のVCO1054,1057による第1および第2の局部発振信号LOS1,LOS2の発振周波数のズレを補正するために、PLLIC1052,1055のコントローラ10523,10553に対して、式1から計算される分周比データを送出する。
次に、ステップST15において、感度抑圧が発生しない状態に遷移することで受信周波数の処理を行う。
また、ステップST16において、シフトされたTCXO1051に周波数を切替える(元に戻す)か、そのままシフトした状態とするかの判定を行う。
ステップST16において切り替えると判定した場合は、ステップST17において、記憶部にある切替える前に参照していた温度補正データにて水晶発振回路部を制御するために、制御部107Aから周波数切替信号FSWTをTCXO1051に送出し、処理を終了する。
ステップST16において、切り替えないと判定した場合は、そのままTCXO1051の周波数をシフトした状態で処理を終了する。
【0066】
ここで、TCXO1051Aの周波数をシフトした状態で処理を終了した場合でも、記憶部108にシフト時の感度抑圧周波数を記憶しておくことにより、同一のフローにより感度抑圧を回避することができる。
なお、ステップST16において、どちらか一方の判定に固定しておくことも可能である。
【0067】
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態の効果と同様の効果を得られることはもとより、出力発振信号の発振周波数が局部発振周波数としての特性をより精度高くすることができる利点がある。
【0068】
第3実施形態
図9は、本第3の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【0069】
本第3の実施形態に係る周波数シンセサイザが上述した第1の実施形態に係る周波数シンセサイザと異なる点は、制御部107Bに対するクロックCLKをTCXO1051から出力された基準発振信号Sref をバッファ部106を一旦介した後、可変分周器115に供給するように構成し、制御部107Bによる周波数切替信号FSWをTCXO1051ではなく、可変分周器115に供給するようにしたことにある。
【0070】
可変分周器115は、周波数切替信号FSW115 により分周比を可変することが可能である。周波数切替信号FSWとは、可変分周器115があらかじめ2つ以上の周波数を分周できるように設定されている場合、その設定を選択できるようにするものであり、もしくは可変分周器115に対して任意の分周比データを入力し、分周比を可変することが可能である。
また、本構成では可変分周器115によりクロック周波数を可変するため、感度抑圧発生時にTCXO周波数をシフトする必要が無い。
可変分周器115は、整数および小数分周することが可能である構成とする。なお、バッファ部106は、分周器115の出力後に配置することも可能である。
【0071】
次の式2は、可変分周器115の出力周波数Fclkを示している。
【0072】
【数2】
Fclk=Ft/N …(2)
【0073】
ここで、Nは可変分周器115の分周比を示しており、このN値(整数および少数分周可能)を可変させることにより出力周波数Fclkをシフトさせるものである。
【0074】
周波数を切替える際にクロックが途絶えることは制御部107Bの誤動作を招くため、避ける必要がある。連続的に切り換えるためにも、入力されたクロック周波数の立上りもしくは立下りをトリガとしてデータを設定(周波数切替信号入力)、周波数の立下りもしくは立上りをトリガとして分周を実行する。
【0075】
また、制御信号により制御部用クロックのみを可変可能な分周器を設けることによっても対処可能である。
【0076】
本第3の実施形態によれば、制御部は感度抑圧を考慮した周波数切替信号の設定を行う必要がないことから、制御部の負荷が軽くなるという利点がある。
【0077】
第4実施形態
図10は、本第4の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【0078】
本第4の実施形態に係る周波数シンセサイザが上述した第2の実施形態に係る周波数シンセサイザと異なる点は、制御部107Cに対するクロックCLKをTCXO1051から出力された基準発振信号Sref をバッファ部106を一旦介した後、可変分周器115に供給するように構成し、制御部107Cによる周波数切替信号FSWをTCXO1051ではなく、可変分周器115に供給するようにしたことにある。
【0079】
第3の実施形態と同様に、可変分周器115は、周波数切替信号FSW115 により分周比を可変することが可能である。周波数切替信号FSWとは、可変分周器115があらかじめ2つ以上の周波数を分周できるように設定されている場合、その設定を選択できるようにするものであり、もしくは可変分周器115に対して任意の分周比データを入力し、分周比を可変することが可能である。
また、本構成では可変分周器115によりクロック周波数を可変するため、感度抑圧発生時にTCXO周波数をシフトする必要が無い。
可変分周器115は、整数および小数分周することが可能である構成とする。なお、バッファ部106は、分周器115の出力後に配置することも可能である。
【0080】
本第4の実施形態によれば、制御部は温度補正のみを考慮し、感度抑圧を考慮した周波数切替信号の設定を行う必要がないことから、制御部の負荷が軽くなるという利点がある。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、周波数シンセサイザに使用する基準周波数とCPUに使用するクロック周波数を共有することにより、コストダウン、省スペース化が達成できることはもとより、クロックを共有しても、出力発振信号の発振周波数が局部発振周波数としての特性を満足でき、また感度抑圧を避けることが可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周波数シンセサイザを採用した通信装置の第1の実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】図1の受信部の構成例を示す回路図である。
【図3】第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【図4】感度抑圧が発生した場合における各周波数およびデータ設定例を示す図である。
【図5】感度抑圧を回避する場合における各周波数およびデータ設定例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの動作を制御部の動作を中心に説明するためのフローチャートである。
【図7】本第2の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【図8】第1の実施形態に係る周波数シンセサイザの動作を制御部の動作を中心に説明するためのフローチャートである。
【図9】本第3の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【図10】本第4の実施形態に係る周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【図11】従来の周波数シンセサイザの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100…通信装置、101…送受信アンテナ、102…切替部、103…受信部、1031…低雑音増幅器(LNA)、1032…第1混合器、1033…バンドパスフィルタ(BPF)、1034…第2混合器、1035…BPF、1036…比較器、104…送信部、105,105A…周波数シンセサイザ部、1051,1051A…温度補償型水晶発振器(TCXO)、10511…温度センサ、10512…水晶発振子、10513…発振回路、10514…可変容量ダイオード、10515…負荷容量、1052…第1PLLIC部、10521…リファレンスカウンタ部、10522…プログラムカウンタ部、10523…コントローラ、10524…位相比較器、1053…第1ループフィルタ、1054…第1VCO、1055…第2PLLIC部、10551…リファレンスカウンタ部、10552…プログラムカウンタ部、10553…コントローラ、10554…位相比較器、1056…第2ループフィルタ、1057…第2VCO1057、106…バッファ部、107,107A,107B,107C…制御部、108…記憶部、109…表示部、110…キー部、111…マイクロフォン(マイク)部、112…スピーカ部、113…カメラ部、114…デジタル/アナログ変換器、115…可変分周器。
Claims (7)
- 発振周波数が周波数切替信号に応じてシフト可能で、所定周波数の基準発振信号を出力する第1の発振器と、
上記第1の発振器による基準発振信号の周波数を第1の設定データに基づく周波数に変換する第1の周波数変換手段と、
出力発振信号の周波数を第2の設定データに基づく周波数に変換する第2の周波数変換手段と、
上記第1の周波数変換手段により周波数が変換された上記基準発振信号と上記第2の周波数変換手段により周波数が変換された上記出力発振信号との位相を比較し、比較結果に応じた位相差信号を出力する位相比較手段と、
上記位相比較手段による位相差信号に応じて、上記基準発振信号の位相に位相同期させた上記出力発振信号を生成し、上記第2の周波数変換手段に出力する第2の発振器と、
上記第1の発振器により出力された上記基準発振信号が動作クロックとして供給され、所定の条件に応じて上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力して発振周波数をシフトさせ、当該周波数切替信号の出力に伴う上記出力発振信号の周波数のずれを補正するために、上記第1の設定データおよび第2の設定データのうちの少なくとも一方のデータを再設定する制御手段と
を有することを特徴とする周波数シンセサイザ。 - 上記制御手段の上記基準発振信号の入力側に、当該制御手段側で発生するノイズの逆流を防止するバッファ部が接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ。 - 上記制御手段における周波数切替信号の出力判定のための所定の条件は、上記出力発振信号に基づいて処理される処理信号の周波数と上記第1の周波数変換手段における上記第1の設定データに基づく周波数変換処理にて発生する高調波の周波数および上記制御手段が発生する高調波の周波数とが略一致するか否かであり、
上記制御手段は、上記処理信号の周波数と上記高調波の周波数とが略一致すると判定したときに、上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力し、上記基準発振信号の周波数をシフトさせる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の周波数シンセサイザ。 - 上記制御手段は、上記基準発振信号の周波数をシフトさせた状態に維持する場合には、当該シフト時の周波数を所定の条件の一つとして記憶しておく
ことを特徴とする請求項3に記載の周波数シンセサイザ。 - 上記制御手段は、上記処理信号に対する処理が終了した後、上記基準発振信号の周波数をシフトさせる前の周波数に戻すように上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の周波数シンセサイザ。 - 上記第1の発振器は、温度センサを有する温度補償型発振器であり、
上記制御手段は、温度補正データを加味した上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の周波数シンセサイザ。 - 所定の周波数の受信信号と局部発振信号とを混合して、中間周波信号を生成する混合器と、
発振周波数が周波数切替信号に応じてシフト可能で、所定周波数の基準発振信号を出力する第1の発振器と、
上記第1の発振器による基準発振信号の周波数を第1の設定データに基づく周波数に変換する第1の周波数変換手段と、
局部発振信号の周波数を第2の設定データに基づく周波数に変換する第2の周波数変換手段と、
上記第1の周波数変換手段により周波数が変換された上記基準発振信号と上記第2の周波数変換手段により周波数が変換された上記局部発振信号との位相を比較し、比較結果に応じた位相差信号を出力する位相比較手段と、
上記位相比較手段による位相差信号に応じて、上記基準発振信号の位相に位相同期させた上記局部発振信号を生成し、上記混合器および第2の周波数変換手段に出力する第2の発振器と、
上記第1の発振器により出力された上記基準発振信号が動作クロックとして供給され、所定の条件に応じて上記周波数切替信号を上記第1の発振器に出力して発振周波数をシフトさせ、当該周波数切替信号の出力に伴う上記局部発振信号の周波数のずれを補正するために、上記第1の設定データおよび第2の設定データのうちの少なくとも一方のデータを再設定する制御手段と
を有することを特徴とする通信装置。
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JP2011014961A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Kenwood Corp | Pll装置及び不要周波数回避方法 |
JP2012503956A (ja) * | 2008-09-30 | 2012-02-09 | インテル コーポレイション | 周波数発生技術 |
JP2019193133A (ja) * | 2018-04-26 | 2019-10-31 | クラリオン株式会社 | 放送受信装置、及び、放送受信装置の制御方法 |
CN113169858A (zh) * | 2018-12-11 | 2021-07-23 | 日本电信电话株式会社 | 传送装置和传送*** |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003204905A patent/JP2005051428A/ja active Pending
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