JP2005050501A - 磁気ディスク用基板の製造方法、磁気ディスク用基板の製造装置及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ディスク基板の中心部の円孔を小径化しても、この円孔の内周端面を簡易かつ良好に研磨できる方法を提供し、安定した品質のディスク基板を廉価に大量に提供できるようにするとともに、磁気ディスクにおけるサーマルアスペリティ障害やヘッドクラッシュを防止し、磁気ディスクにおける情報記録面密度の高密度化に資する。
【解決手段】 ディスク基板2の中心部の円孔1の内周端面を研磨する工程において、円孔1の内周側に磁場を形成し、この円孔内において磁場により磁性粒子と研磨砥粒とを含む研磨剤4を保持させ、磁場を円孔1の内周側端面に対して移動させることにより、研磨剤4を円孔1の内周側端面に対して移動させて円孔1の内周側端面を研磨する磁気研磨法によって研磨を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】 ディスク基板2の中心部の円孔1の内周端面を研磨する工程において、円孔1の内周側に磁場を形成し、この円孔内において磁場により磁性粒子と研磨砥粒とを含む研磨剤4を保持させ、磁場を円孔1の内周側端面に対して移動させることにより、研磨剤4を円孔1の内周側端面に対して移動させて円孔1の内周側端面を研磨する磁気研磨法によって研磨を行う。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)などの情報記録装置における記録媒体となる磁気ディスクに使用される磁気ディスク用基板の製造方法及び製造装置に関し、特に磁気ディスク用基板等の内周端面及び外周端面を好適に研磨できる磁気ディスク用基板の製造方法及び装置に関する。
近年、情報化社会の高度化に伴って種々の情報処理装置が提案されており、また、これら情報処理装置において使用されるハードディスクドライブ(HDD)などの情報記録装置が提案されている。そして、このような情報記録装置においては、情報処理装置の小型化、高性能化のために、情報記録容量の大量化、記録密度の高密度化が求められている。
ハードディスクドライブ(HDD)において、情報記録密度を高密度化するためには、いわゆるスペーシングロスを低減させる必要があり、記録媒体となる磁気ディスクに対して記録再生を行なう磁気ヘッドの浮上量(グライド・ハイト)を少なくする必要がある。
そして、記録再生時には、磁気ディスクが高速回転するため、磁気ヘッドの浮上量を少なくすると、磁気ヘッドが磁気ディスクの表面に接触し、破壊(クラッシュ)されてしまう虞れが大きくなる。このような磁気ヘッドの破壊を防止するためには、磁気ディスク表面を、極めて平滑な面として仕上げておく必要がある。
このような磁気ディスク表面の平滑性を実現するため、ディスク基板としては、従来広く用いられていたアルミニウム基板に代えて、ガラス基板が用いられるようになっている。ガラス基板は、アルミニウム基板に比較して、表面の平坦性及び基板強度において優れているからである。なお、このようなガラス基板としては、基板強度を上げるために、化学強化されたガラス基板や、結晶化によって基板強度を上げた結晶化ガラス基板が用いられている。
しかしながら、ディスク基板の表面の平滑性が確保されても、さらに、ディスク基板の表面を異物の無い高清浄化された面としておく必要がある。ディスク基板の表面に異物が付着していると、ガラス基板表面上に形成される磁性薄膜の膜欠陥の原因となったり、磁性薄膜表面に凸部が生ずる原因となって、磁気ヘッドの適正な浮上量が得られなくなるという問題が招来されるからである。
ところで、磁気ヘッドとしては、記録再生時の信号強度を向上させるために、従来広く用いられていた薄膜ヘッドに代わって、磁気抵抗効果型素子(MR素子)を用いた磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)や大型磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)が広く用いられるようになってきている。
このような磁気抵抗効果型素子を用いた磁気抵抗型ヘッドにおいては、磁気ディスクの表面に微小な凹凸があると、サーマルアスペリティ(Thermal Asperity)障害を生じ、再生に誤動作を生じたり、再生が不可能になる虞れがある。このサーマルアスペリティ障害の原因は、ガラス基板上の異物によって磁気ディスクの表面に形成された凸部が磁気ディスクの高速回転により磁気抵抗型ヘッドの近傍の空気の断熱圧縮及び断熱膨張を発生させ、磁気抵抗型ヘッドが発熱して磁気抵抗効果型素子の抵抗値が変動し、電磁変換が悪影響を受けることである。すなわち、このようなサーマルアスペリティ障害は、磁気ヘッドが磁気ディスクに接触しない場合においても発生し得る。
したがって、このサーマルアスペリティ障害を防止するためにも、磁気ディスクの表面は、極めて平滑で、かつ、異物の無い高清浄化された面に仕上げておく必要がある。
ガラス基板表面に異物が付着する原因としては、磁気ディスクの表面形状のみならず、ディスク基板の端面の表面形状が考えられている。すなわち、ディスク基板の端面の表面形状が平滑でないと、この端面が樹脂製ケースの壁面などを擦過し、この擦過によって樹脂やガラスの塵挨(パーティクル)が発生する。そして、このような塵挨や雰囲気中の塵挨は、ディスク基板の端面に捕捉され蓄積されてしまう。ディスク基板の端面に蓄積された塵挨は、後工程において、あるいは、ハードディスクドライブに搭載した後において、発塵源となり、ディスク基板の表面に異物が付着する原因となっているものと推定されている。特に、ガラス基板の内周側の端面は、外周側の端面に比較して表面形状が粗いので、塵挨を補足しやすく、ガラス基板の表面の高清浄化の障害になっているものと考えられる。
本件出願人は、先に、このようなディスク基板の端面の表面形状に起因する障害を抑制する目的を以て、特許文献1に記載されているように、円板状のディスク基板の一端面に回転させた研磨ブラシ、たまは、研磨パッドを接触させて、ディスク基板の端面を研磨する方法を提案している。
なお、特許文献2に記載されているように、ガラスからなるディスク基板の端面に発生するクラックを化学的エッチングにより除去することによって、基板強度の向上を図る技術が提案されている。この技術においては、クラックに起因するガラス基板の強度劣化を防止することができるが、クラックがエッチングによって広げられて窪みが形成され、却って塵挨を捕捉し易くなるので、ディスク基板の表面の高清浄化を達成することはできない。
ところで、近年において、ハードディスクドライブ(HDD)の磁気ディスクにおいては、1平方インチ当たり40ギガビット(40Gbit/inch2)以上の情報記録面密度が実現できるようになってきている。
このような高い情報記録面密度が実現可能となったことにより、ハードディスクドライブ(HDD)は、情報記録容量あたりの小型化が可能となった。したがって、ハードディスクドライブ(HDD)の用途は、従来のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータやサーバ)への搭載という用途のみならず、カーナビゲーションシステム(Car Navigation System)、PDA(Personal Digital Assistance:携帯情報端末)、携帯電話など、車載用器機や携帯用器機への搭載という用途に拡大しようとしている。
これら車載用器機や携帯用器機への搭載という用途においては、従来の用途と異なり、携帯(持運び)され、あるいは、車載環境で用いられるので、ハードディスクドライブ(HDD)の筐体が小型化、軽量化され、磁気ディスクのサイズ(外径)も小径化されることとなる。
磁気ディスクのサイズの小径化を図った場合、ディスク基板の中心部の円孔の内径も縮径する必要がある。また、磁気ディスクの外径については、ハードディスクドライブ(HDD)の筐体の縮小率に応じて設定されるのに対し、中心部の円孔の内径の縮径率については、外径の縮径率よりもさらに縮径させる必要がある場合もある。これは、可能な限り中心部の円孔の内径を縮径することにより、磁気ディスクの小径化に伴って減少してしまう記録再生用領域の面積の減少を幾分かでも緩和して記録再生用領域の面積を確保し、磁気ディスクの小径化による情報記録容量の減少を少なくするためである。
このようにして中心部の円孔の内径が縮径されたディスク基板について、内周側の端面の研磨を研磨ブラシ、または、研磨パッドを用いて行うには、これら研磨ブラシや研磨パッドを小型化、精密化する必要がある。
もちろん、外周側端面についても、研磨ブラシや研磨パッドの小型化、精密化を必要とする。
ところが、研磨パッドや研磨ブラシを小型化、精密化すると、研磨時にこれら研磨パッドや研磨ブラシに必要となる所定の剛性を確保することが困難となり、研磨を良好に行うことが困難となったり、また、研磨パッドや研磨ブラシの製造が困難となり、ひいては磁気ディスクの製造コストを上昇させてまう虞れがある。
特に、小型化されたハードディスクドライブ(HDD)の用途については、コストダウン及び大量生産の要望が強く、ディスク基板及び磁気ディスクを廉価に大量に供給する必要がある。しかし、ディスク基板の端面の研磨が困難となると、大量のディスク基板について端面の品質を保証することが困難となり、大量の磁気ディスクを安定して供給することが困難となる。
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、その第1の目的は、非磁性ディスク基板の中心部の円孔が小径化されても、少なくとも円孔の内周側の端面を簡易に鏡面状に研磨できる磁気ディスク用基板の製造方法を提供することによって、安定した品質のディスク基板及び磁気ディスクを廉価に大量に提供することを可能とすることにある。
また、本発明の第2の目的は、非磁性ディスク基板の中心部の円孔が小径化されても、少なくとも円孔の内周側の端面を良好に鏡面状に研磨できる磁気ディスク用基板の製造方法を提供することによって、この磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクにおけるサーマルアスペリティ障害やヘッドクラッシュが防止されるようにして、磁気ディスクにおける情報記録面密度の高密度化に資することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく研究を進めた結果、磁気ディスク用基板の製造工程において、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を研磨する工程について、磁気研磨法を導入することにより、前記課題が解決できることを見出した。
本発明において、磁気研磨法とは、少なくとも非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側に磁場を形成し、この円孔内において磁場により磁性粒子と研磨砥粒とを含む研磨剤を保持させ、磁場を円孔の内周側端面に対して移動させることにより、研磨剤を円孔の内周側端面に対して移動させて、円孔の内周側端面を研磨するものである。このような磁気研磨法による研磨を行うことにより、円孔が小径化しても、この円孔の内周側端面を良好に研磨することができる。なお、前記した磁場を円孔の内周側端面に対して移動させることとは、具体的には後述する本発明を実施するために最良の形態で幾つかの例が記述されている。その一例として、非磁性ディスク基板の中心部の円孔内に磁石棒を挿入(保持)させ、かつ非磁性ディスク基板外周側に磁場を発生する磁石を保持させた状態において、非磁性ディスク基板、あるいは、磁石棒、あるいは非磁性ディスク基板外周側にある磁石を、非磁性ディスク基板の内孔中心を中心軸として回転させた場合を示している。
この磁気研磨法おいて、研磨剤は、磁性粒子と研磨砥粒とが混合されたものでもよいし、また、磁性粒子と研磨砥粒とが一体化されたものであってもよい。
そして、研磨剤に含まれる磁性粒子の材料としては、高透磁率材料が好ましい。高透磁率材料は磁化率(帯磁率)が高いので、援用する磁場を受けて優れた加工力を実現することができる。このような高透磁率材料の磁性粒子としては、例えば、Fe系磁性粒子が知られている。Feは飽和磁気モーメントが高い材料であり、Fe系磁性粒子は特に好ましい。このようなFe系磁性粒子としては、ファライト系、マグネタイト系磁性粒子等の酸化鉄磁性粒子を挙げることができる。
この磁性粒子の形状の種類としては、球状粒子、針状粒子もしくは不定形粒子を用いることができる。球状粒子としては10μm乃至300μm程度の粒径の球状のものが好ましい。針状粒子としては10μm乃至300μmの径を持つ長さ1から2mm程度の針状形状のものが好ましい。不定形粒子としては50〜200メッシュ程度の電解鉄粉のようなものが好ましい。また同様に磁性流体、磁気粘弾性流体であっても良い。このような磁性粒子の材料を用いることにより、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を効率よく研磨することができる。
研磨剤に含まれる研磨砥粒としては、非磁性ディスク基板に対して研磨能力を奏する研磨砥粒であって、例えば、酸化セリウム砥粒、コロイダルシリカ砥粒、アルミナ砥粒、ダイヤモンド砥粒を挙げることができる。この研磨砥粒の粒径については、0.5μm乃至3μmとすることにより、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を良好に研磨することができる。
そして、研磨剤は、乾式(粉体砥粒)でも湿式(遊離砥粒)でもよいが、研磨作用を好ましく実現する観点からは遊離砥粒とすることが好ましい。
磁気研磨法において援用する磁場を発生させる手段としては、磁石(永久磁石や電磁石)を挙げることができる。この永久磁石としては、希土類系永久磁石を挙げることができる。希土類元素は4f電子を具備し、高い内部エネルギーを備える磁石なので、有効な磁場勾配を発生させることができる。
本発明において用いる非磁性ディスク基板としては、ガラスディスク基板を選択することが好ましい。ガラス基板は、鏡面研磨によって優れた平滑性を実現することができる上、硬度が高く、また、剛性が高いので、対衝撃性に優れているからである。ガラスディスク基板の材料として好ましいガラスとしては、アルミノシリケートガラスを挙げることができる。アルミノシリケートガラスは、優れた平滑鏡面を実現することができ、優れた平滑鏡面を有する磁気ディスク用基板を製造することができるとともに、例えば、化学強化を行なうことによって、破壊強度を高めることができるからである。
なお、磁気研磨法によって研磨される非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面は、その表面粗さがRaで0.5μm以下であることが好ましい。このような端面を磁気研磨法によって研磨することにより、平滑性の優れた鏡面状に研磨された端面を得ることができる。そして、磁気研磨法によって得られる表面粗さは、Raで0.1μm以下、Rmaxで1μm以下の鏡面とすることが好ましい。なお、Rmax及びRaの表記は、日本工業規格(JISB0601)にしたがっている。このように製造された磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクにおいては、非磁性ディスク基板の表面の高清浄度化が実現され、非磁性ディスク基板の表面の異物による問題、すなわち、ヘッドクラッシュやサーマルアスペリテイ障害が確実に防止される。
そして、円孔の内周側端面の磁気研磨法による研磨は、複数枚の非磁性ディスク基板を同心状に積層させておき、各非磁性ディスク基板の円孔の内周側端面を同時に研磨することが好ましい。このような製造方法を採用することにより、大量のディスク基板を安定して製造し、供給することができる。
すなわち、本発明は以下の構成を備える。
請求項1記載の本発明は、中心部に円孔を有する非磁性ディスク基板の少なくとも前記円孔の内周側端面を研磨する工程を有する磁気ディスク用基板の製造方法であって、前記円孔の内周側端面の研磨は、少なくとも前記円孔の内周側に磁場を形成し前記円孔内において前記磁場により磁性粒子と研磨砥粒とを含む研磨剤を保持させ前記磁場を前記円孔の内周側端面に対して移動させることにより前記研磨剤を前記円孔の内周側端面に対して移動させて前記円孔の内周側端面を研磨する磁気研磨法によって行うことを特徴とするものである。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、前記磁気研磨法おいては、磁性粒子と研磨砥粒とが一体化された研磨剤を用いることを特徴とするものである。
請求項3記載の本発明は、請求項1、または、請求項2記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、前記研磨剤に含まれる磁性粒子は、フェライト系磁性粒子であることを特徴とするものである。
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、前記研磨剤に含まれる研磨砥粒は、酸化セリウム砥粒、コロイダルシリカ砥粒、アルミナ砥粒、または、ダイヤモンド砥粒であることを特徴とするものである。
請求項5記載の本発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、前記研磨剤は、液体を加えてスラリーとし、研磨砥粒を遊離砥粒として用いることを特徴とするものである。
請求項6記載の本発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、前記磁気研磨法は、前記円孔内に磁石を配置し、この磁石が形成する磁場を用いて行うことを特徴とするものである。
請求項7記載の本発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、前記磁気研磨法は、前記非磁性ディスク基板の外周側に磁石を配置し、この磁石が形成する磁場を用いて行うことを特徴とするものである。
請求項8記載の本発明は、請求項6、または、請求項7記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、前記磁石として、希土類系永久磁石、あるいは、電磁石を用いることを特徴とするものである。
請求項9記載の本発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記非磁性ディスク基板は、ガラスディスク基板であることを特徴とするものである。
請求項10記載の本発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、複数枚の非磁性ディスク基板を同心状に積層させておき、前記各非磁性ディスク基板の円孔の内周側端面を同時に研磨することを特徴とするものである。
請求項11記載の本発明は、請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、前記磁気研磨法により、前記非磁性ディスク基板の内周側端面部分に設けられた面取り面を研磨することを特徴とするものである。
請求項12記載の本発明は、中心部に円孔を有する非磁性ディスク基板を複数枚同心状に積層させて保持する保持手段と、前記各非磁性ディスク基板の少なくとも前記円孔の内周側に磁場を形成する磁場形成手段と、前記磁場を前記円孔の内周側端面に対して回転させる磁場回転手段とを備え、前記非磁性ディスク基板の中心部の円孔内において、前記磁場形成手段が形成する磁場により磁性粒子と研磨砥粒とを含む研磨剤を保持し、前記磁場回転手段により前記磁場を前記円孔の内周側端面に対して回転させることにより、前記研磨剤を前記円孔の内周側端面に対して回転させて、前記円孔の内周側端面を研磨することを特徴とするものである。
請求項13記載の本発明は、請求項12記載の磁気ディスク用基板の製造方法において、前記保持手段の少なくとも一部は、絶縁材料から構成されていることを特徴とするものである。
請求項14記載の本発明は、請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法によって製造された磁気ディスク用基板の主面部上に対し、少なくとも磁性層を形成することを特徴とするものである。
請求項1記載の本発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法においては、磁気研磨法を用いることにより、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を簡易に、かつ、良好に研磨することができる。
請求項2記載の本発明においては、磁気研磨法おいて、磁性粒子と研磨砥粒とが一体化された研磨剤を用いることにより、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を良好に研磨することができる。
請求項3記載の本発明においては、研磨剤に含まれる磁性粒子がフェライト系磁性粒子であるので、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を効率よく研磨することができる。
請求項4記載の本発明においては、研磨剤に含まれる研磨砥粒は、酸化セリウム砥粒、コロイダルシリカ砥粒、アルミナ砥粒、または、ダイヤモンド砥粒であるので、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を良好に研磨することができる。
請求項5記載の本発明においては、研磨剤は、液体を加えてスラリーとし、研磨砥粒を遊離砥粒として用いるので、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を良好に研磨することができる。
請求項6記載の本発明においては、磁気研磨法は、円孔内に磁石を配置し、この磁石が形成する磁場を用いて行うので、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を効率よく研磨することができる。
請求項7記載の本発明にておいては、磁気研磨法は、非磁性ディスク基板の外周側に磁石体を配置し、この磁石が形成する磁場を用いて行うので、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を効率よく研磨することができる。
請求項8記載の本発明においては、磁石として、希土類系永久磁石あるいは電磁石を用いるので、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を効率よく研磨することができる。
請求項9記載の本発明においては、非磁性ディスク基板は、ガラスディスク基板であるので、優れた平滑性を有し、硬度が高く、剛性が高い磁気ディスク用基板を製造することができる。
請求項10記載の本発明においては、複数枚の非磁性ディスク基板を同心状に積層させておき、各非磁性ディスク基板の円孔の内周側端面を同時に研磨するので、大量のディスク基板を安定して製造し、供給することができる。
請求項11記載の本発明においては、非磁性ディスク基板の内周側端面部分に設けられた面取り面を良好に研磨することができるので、内周側端面部分の高清浄度化が実現され、非磁性ディスク基板の表面の異物による問題、すなわち、ヘッドクラッシュやサーマルアスペリテイ障害を防止することができる。
請求項12記載の本発明においては、中心部に円孔を有する非磁性ディスク基板を複数枚同心状に積層させて保持する保持手段と、前記各非磁性ディスク基板の少なくとも前記円孔の内周側に磁場を形成する磁場形成手段と、前記磁場を前記円孔の内周側端面に対して回転させる磁場回転手段とを備えているので、大量のディスク基板を安定して製造し、供給することができる。
請求項13記載の本発明においては、前記保持手段の少なくとも一部が絶縁材料から構成されているので、磁気研磨加工時において前記磁石からの渦電流の発生を防ぐことにより、熱の発生を防止し、前記非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を効率よく研磨することができ、かつ大量のディスク基板を安定して製造し、供給することができる。
請求項14記載の本発明においては、非磁性ディスク基板の表面の高清浄度化が実現され、非磁性ディスク基板の表面の異物による問題、すなわち、ヘッドクラッシュやサーマルアスペリテイ障害が確実に防止される磁気ディスクを製造することができる。
すなわち、本発明は、非磁性ディスク基板の中心部の円孔が小径化されても、少なくとも円孔の内周側の端面を簡易に良好に鏡面状に研磨することができ、安定した品質のディスク基板及び磁気ディスクを廉価に大量に提供することを可能とし、また、この磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクにおけるサーマルアスペリティ障害やヘッドクラッシュを防止し、磁気ディスクにおける情報記録面密度の高密度化に資することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法により製造される磁気ディスク用基板は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)等に搭載される磁気ディスクのディスク基板として使用される。この磁気ディスクは、例えば、垂直磁気記録方式によって高密度の情報信号記録及び再生を行うことができる記録媒体である。
この磁気ディスクは、例えば、内径12mm以下、外径48mm以下、板厚0.501mm以下の1.8インチ(inch)型磁気ディスクを始めとして、内径7mm以下、外径27.4mm以下、板厚0.381mm以下の1.0インチ型磁気ディスク、もしくは、内径6mm以下、外径22mm以下、板厚0.381mm以下の0.8インチ型磁気ディスク、2.5インチ型磁気ディスク、3.5インチ型磁気ディスクなどの所定の直径を有する磁気ディスクとして作製される。なお、ここで、「内径」とは、ディスク基板の中心部の円孔の内径である。
図1は、本発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法により製造される磁気ディスク用基板の構成を示す斜視図である。
本発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法は、図1に示すように、中心部に円孔1を有する非磁性ディスク基板2の少なくとも円孔1の内周側端面を研磨する工程を有する磁気ディスク用基板の製造方法である。そして、この磁気ディスク用基板の製造方法においては、円孔1の内周側端面の研磨を、磁気研磨法によって行う。
磁気研磨法(Magnetic Abrasive Finishing)とは、磁性粒子と研磨砥粒とを含んで構成される研磨剤を用い、磁気を援用して研磨圧力を発生させ、被研磨材料の表面を精密研磨する方法である。この磁気研磨法においては、被研磨材料及び/又は磁場を移動させることにより、被研磨材料と磁場とを相対的に移動させ、この磁場に保持された研磨剤と被研磨材料とを相対的に移動させることにより、被研磨材料の表面の研磨を行う。
本発明において、研磨剤に含まれる磁性粒子の材料としては、磁性体であれば特に制限はないが、高透磁率材料であることが好ましい。高透磁率材料は、磁化率(帯磁率)が高いので、援用する磁場を受けて優れた加工力(研磨圧力)を実現することができるからである。
このような高透磁率材料としては、例えば、Fe系材料を挙げることができる。Feは、飽和磁気モーメントが高い材料なので、磁性粒子の材料として特に好ましい。このようなFe系材料としては、ファライト系材料、マグネタイト系材料等の酸化鉄磁性材料を挙げることができる。
また、磁性粒子の形状、大きさについては、適宜選択することができる。磁性粒子の形状の種類としては、球状粒子、針状粒子もしくは不定形粒子を用いることができる。球状粒子としては10μm乃至300μm程度の粒径の球状のものが好ましい。針状粒子としては10μm乃至300μmの径を持つ長さ1から2mm程度の針状形状のものが好ましい。不定形粒子としては50〜200メッシュ程度の電解鉄粉のようなものが好ましい。
研磨剤に含まれる研磨砥粒としては、非磁性ディスク基板に対して研磨能力を奏する研磨砥粒であれば、特に制限なく使用することができる。例えば、酸化セリウム(CeO2)砥粒、コロイダルシリカ砥粒、アルミナ砥粒、ダイヤモンド砥粒などを挙げることができる。なお、非磁性ディスク基板としてガラス基板を使用する場合においては、研磨剤に含まれる研磨砥粒としては、酸化セリウム研磨砥粒が好ましい。
研磨砥粒の粒径については、適宜選択することができるが、例えば、0.5μm乃至3μm程度とすることが好ましい。
また、研磨剤は、乾式(粉体砥粒)であっても、湿式(遊離砥粒)であってもよい。研磨作用を好ましく実現する観点からは、湿式(遊離砥粒)とすることが好ましい。研磨剤を湿式(遊離砥粒)として用いるには、磁性粒子と研磨砥粒とを含む研磨剤に、水(純水)などの液体を加え、この研磨剤をスラリーとして用いることが好ましい。
さらに、研磨剤としては、磁性粒子と研磨砥粒とが一体化されて構成されたものを使用することもできる。磁性粒子と研磨砥粒とが一体化された研磨剤とは、Fe系材料などの高透磁率材料の球体を核として、この球体の外面部に酸化セリウムなどの砥粒材料が層状に付着されたものである。なお、このような研磨剤は、高透磁率材料の球体をフェノール樹脂などの樹脂層で包み、例えば、酸化セリウムの10wt%乃至20wt%水溶液を塗布し、これを焼成することによって作製することができる。
そして、本発明において、援用する磁場を発生させる手段としては、磁石(永久磁石や電磁石)を用いることができる。永久磁石としては、希土類系永久磁石を用いることが好ましい。希土類系永久磁石は、希土類元素が4f電子を持つために、高い内部エネルギーを備える磁石であり、有効な磁場勾配を発生させることができる。
このような希土類系磁石としては、ネオジウム系磁石(例えば、NdFeB系磁石)や、サマリウム系磁石(例えば、SmCo系磁石)など、内部エネルギーの高い磁石を挙げることができる。研磨作用を良好に実現する観点からは、ネオジウム系磁石が特に好ましい。
ところで、本発明は、中心部の円孔の内径が12mm以下である磁気ディスク用基板の製造において、特に優れた有用性を発揮する。すなわち、中心部の円孔の内径が12mm以下である場合においては、従来の研磨ブラシや研磨パッドを用いた研磨方法によっては、円孔の内周側端面を研磨することが困難となるからである。
この観点から、本発明は、1.8インチ型磁気ディスクを含みこれより小径の磁気ディスク用基板の端面研磨として特に好ましい。このような小径の磁気ディスク用基板としては、例えば、0.8インチ型乃至1.8インチ型磁気ディスク用基板を挙げることができる。
そして、非磁性ディスク基板としては、ガラス基板を選択することが好ましい。ガラス基板は、鏡面研磨によって優れた平滑性を実現することができ、硬度が高く、また、剛性が高いので、対衝撃性に優れているからである。特に、携帯(持運び)用、あるいは、車載用の情報器機に搭載されるハードディスクドライブ(HDD)に使用される磁気ディスクには、高い対衝撃性が要求されるので、このような磁気ディスクにおいてガラス基板を用いることには有用性が高い。
ガラスは脆性材料であるが、化学強化や風冷強化などの強化処理、あるいは、結晶化の手段により、破壊強度を向上させることができる。このようなガラス基板の材料として好ましいガラスとしては、アルミノシリケートガラスを挙げることができる。アルミノシリケートガラスは、優れた平滑鏡面を実現することができるとともに、例えば、化学強化を行なうことによって、破壊強度を高めることができるからである。
アルミノシリケートガラスとしては、SiO2:62乃至75重量%、Al2O3:5乃至15重量%、Li2O:4乃至10重量%、Na2O:4乃至12重量%、ZrO2:5.5乃至15重量%を主成分として含有するとともに、Na2OとZrO2との重量比が0.5乃至2.0、Al2O3とZrO2との重量比が0.4乃至2.5である化学強化用ガラスが好ましい。
また、このようなガラス基板において、ZrO2の未溶解物が原因で生じるガラス基板表面の突起をなくすためには、SiO2を57乃至74mol%、ZrO2を0乃至2.8mol%、Al2O3を3乃至15mol%、LiO2を7乃至16mol%、Na2Oを4乃至14mol%含有する化学強化用ガラスを使用することが好ましい。このような組成のアルミノシリケートガラスは、化学強化することによって、抗折強度が増加し、圧縮応力層の深さも深く、ヌープ硬度にも優れている。
また、本発明において、非磁性ディスク基板は、端面の両側の稜部が面取りされたものであることが好ましい。非磁性ディスク基板は、端面の稜部が面取りされていることにより、破壊強度が高まるとともに、磁気研磨法により良好に研磨されることができるからである。
図13は、本発明に係る端面の両側の稜部が面取りされた非磁性ディスク基板の内周側の断面図である。
端面の稜部が面取りされた非磁性ディスク基板2においては、図13に示すように、主表面部2aと側面部1aとの間に、これら主表面部2aと側面部1aとに接して、面取り面1bが形成されている。本発明についての説明においては、側面部1aと面取り面1bとを合わせて、端面と言うこととする。
そして、本発明においては、磁気研磨法を行なう非磁性ディスク基板の端面である側面部1a及び面取り面1bは、表面粗さが、Raで0.5μm以下であることが好ましい。このような表面を磁気研磨法により研磨することにより、端面を平滑性の優れた鏡面に研磨することができる。本発明における磁気研磨法による研磨は、端面である側面部1a及び面取り面1bの表面粗さを、Raで0.1μm以下、Rmaxで1μm以下の鏡面とするものであることが好ましい。なお、Rmax及びRaの表記は、日本工業規格(JISB0601)にしたがっている。このような鏡面が得られるように研磨することにより、この非磁性ディスク基板を用いて構成された磁気ディスクにおいて、ヘッドクラッシュやサーマルアスペリテイ障害の確実な防止を図ることができる。
なお、本発明においては、非磁性ディスク基板の内周側端面のみならず、外周側端面についても、前述したような磁気研磨法によって研磨することとしてもよい。
次に、本発明において、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を磁気研磨法によって研磨する手順について説明する。
図2は、本発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法において複数の非磁性ディスク基板について円孔の内周側端面を研磨する工程を示す断面図である。
まず、図2に示すように、複数の非磁性ディスク基板2を同心状として積層させ、保持する。なお、各非磁性ディスク基板2は、前工程において、すでに、内外周の面取り加工等をなされている。
次に、各非磁性ディスク基板2の中心部の円孔1の内周側端面の近傍に、磁場を形成する。このような磁場を形成するには、各非磁性ディスク基板2が構成する円筒体の外側に永久磁石を配置する方法、各非磁性ディスク基板2の中心部の円孔1内に棒状の永久磁石を挿入配置する方法、あるいは、各非磁性ディスク基板2が構成する円筒体の外側及び各非磁性ディスク基板2の中心部の円孔1内の双方に永久磁石を配置する方法が考えられる。
図3は、各非磁性ディスク基板2の外側に永久磁石を配置した状態を示す模式図である。
図3に示すように、各非磁性ディスク基板2が構成する円筒体の外側に永久磁石3aを配置した場合には、各非磁性ディスク基板2の中心部の円孔1内に磁場が形成される。この磁場の強度は、永久磁石3aが有する磁場強度をHとすると、H(dH/dx)で示される。(dH/dx)は、永久磁石3aにおける磁極間の磁力の変化率である。
図4は、各非磁性ディスク基板2の外側及び各非磁性ディスク基板2の円孔1内の双方に永久磁石を配置した状態を示す正面図である。
図4に示すように、各非磁性ディスク基板2が構成する円筒体の外側及び各非磁性ディスク基板2の円孔1内の双方に永久磁石3a及び磁石棒3bを配置した場合には、各非磁性ディスク基板2の中心部の円孔1内に形成される磁場をより強力なものとすることができる。この場合において、磁石棒3bの位置は、図2に示すように、保持された各非磁性ディスク基板2の全ての円孔1内に磁石棒3bが収まる位置とする。
続いて、各非磁性ディスク基板の円孔内部に向けて、研磨剤4を供給する。
図5は、非磁性ディスク基板2の円孔1内において研磨剤が磁場に捉えられている状態を示す側面図である。
この研磨剤4は、磁石棒3bを用いている場合には、図5に示すように、この磁石棒3bの外周面と各非磁性ディスク基板の円孔1の内周側端面である側面部1aと面取り面1bとの間に、永久磁石3a、または、磁石棒3bが形成する磁場に捉えられて保持される。このように、研磨剤4が磁石棒3bの外周面と各非磁性ディスク基板の円孔1の内周側端面である側面部1aと面取り面1bとの間に保持されることにより、側面部1aと同様に面取り面1bも良好に研磨することができる。そのことにより、内周側端面部分の高清浄度化が実現され、非磁性ディスク基板の表面の異物による問題、すなわち、ヘッドクラッシュやサーマルアスペリテイ障害を防止することができる。
次に、各非磁性ディスク基板2と、永久磁石3a、または、磁石棒3bとを互いに逆方向に中心軸回りに回転させ、研磨を行う。この場合、各非磁性ディスク基板2と永久磁石3a、または、磁石棒3bとの相対回転数は、5000rpm乃至20000rpm程度が好ましい。 また、各非磁性ディスク基板2だけを回転させ永久磁石3a及び磁石棒3bは回転させずに研磨をしても構わない。この場合、各非磁性ディスク基板2の回転数は、5000rpm乃至20000rpm程度が好ましい。
このときの研磨力Fxは、以下のように示される。
Fx=k・V・X・H(dH/dx) ここで、kは定数である。Vは、研磨剤の容積である。Xは、研磨剤に含まれている磁性粒子の磁化力である。H(dH/dx)は、前述したように、円孔1の内周側端面における磁場強度である。このように、研磨力Fxは研磨剤の容積Vおよび研磨剤に含まれている磁性粒子の磁化力Xおよび内周側端面における磁場強度研磨部の磁場強度H(dH/dx)により変わってくる値である。例えば、磁気研磨装置の設計の観点から各非磁性ディスク基板の円孔1の中心部において磁場強度は1000(G)以上であることが好ましい。
また、この研磨においては、これら各非磁性ディスク基板2と、永久磁石3a、または、磁石棒3bとを、軸方向に一定の周期で相対的に往復移動させてもよい。
そして、所定量の研磨が終了したら、装置を止める。各非磁性ディスク基板2を装置より取り外す際には、永久磁石3a、または、磁石棒3bを、各非磁性ディスク基板2の脱着に干渉しない位置へ移動させておく必要がある。
このような磁気研磨法による研磨により、各非磁性ディスク基板の円孔の内周側端面である側面部1aと面取り面1bの表面粗さは、Raで0.1μm以下、Rmaxで1μm以下の鏡面とされる。
なお、本発明において使用するガラス基板をなす材料は、前述したものに限定されるわけではない。すなわち、ガラス基板の材質としては、前述したアルミノシリケートガラスの他に、例えば、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、または、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどを挙げることができる。
このようにして円孔の内周側端面を研磨された磁気ディスク用基板を用いて、この磁気ディスク用基板の主面部上に少なくとも磁性層を形成することにより、ヘッドクラッシュやサーマルアスペリティー障害の防止が図られた磁気ディスクを構成することができる。
磁性層としては、高い異方性磁場(Hk)を備えるCo−Pt系合金磁性層が好ましい。また、磁気ディスク用基板と磁性層との間には、磁性層の結晶配向性やグレインの均一化、微細化を図る観点から、適宜下地層を形成するようにしてもよい。これら下地層及び磁性層の成膜方法としては、例えば、DCマグネトロンスパッタリング法を用いることができる。
また、磁性層上には、磁性層を保護するための保護層を設けることが好ましい。保護層の材料としては、炭素系保護層を挙げることができる。炭素系保護層としては水素化炭素、窒素化炭素を用いることができる。この保護層の形成には、プラズマCVD法、または、DCマグネトロンスパッタリング法を用いることができる。
さらに、保護層上には、磁気ヘッドからの衝撃を緩和するための潤滑層を形成することが好ましい。潤滑層としては、パーフルオロポリエーテル系潤滑層を挙げることができる。特に、保護層との親和性に優れる水酸基を具備するアルコール変性パーフルオロポリエーテル潤滑層が好ましい。この潤滑層は、ディップ法を用いて形成することができる。
次に、本発明に係る磁気ディスク用基板の製造装置について説明する。
図6は、本発明に係る磁気ディスク用基板の製造装置の構成を示す側面図である。
この製造装置は、図6に示すように、研磨対象である複数の非磁性ディスク基板を同心状とし積層した状態で収納し保持する保持手段となる円筒状の基板ケース5を備えている。
なお、この基板ケース5の材料は、磁気研磨加工時の外周側に配置した磁石からの渦電流の発生を防ぐために、少なくとも一部において絶縁材料を用いることが好ましい。基板ケース5の材料として絶縁材料を用いない場合には、例えば、磁気研磨加工時に、各非磁性ディスク基板2と永久磁石3a、または、磁石棒3bとの相対回転数を、5000rpm乃至20000rpm程度の高回転数にしたときに、磁石からの渦電流により高熱が発生し、非磁性ディスク基板の中心部の円孔の内周側端面を効率よく研磨することができなくなるからである。
なお、図6では、装置を横置きとしているが、縦置きとしてもよい。
図7は、磁気ディスク用基板の製造装置の基板ケースの構成を示す断面図である。
基板ケース5は、図7に示すように、例えば、一度に50枚程度、100枚程度、あるいは、200枚程度の非磁性ディスク基板2を同軸状として収納することができる。この基板ケース5は、軸方向から抑えフランジ6を締め込むことで、収納した各非磁性ディスク基板2同士の主面部間の摩擦により、基板ケース5の回転に影響されることなく各非磁性ディスク基板2を保持するように構成されている。
この基板ケース5は、図6に示すように、回転保持台7上において、ハウジング8を介して、軸回りに回動自在に保持されている。そして、この基板ケース5は、図示しない駆動用モータによって、所定の回転速度にて軸回りに回転操作される。また、ハウジング8は、直動ガイド9によって支持されており、図6中矢印Aで示すように、基板ケース5の軸方向に往復移動することが可能となっている。そして、このハウジング8は、図示しない駆動用モータ及びカム機構によって、基板ケース5の軸方向に一定周期で往復移動操作される。
そして、基板ケース5内に保持された多数枚の非磁性ディスク基板2の円孔1には、棒状の磁石棒3bが挿入される。磁石棒3bは、駆動モータ10の回転軸11に接続されており、正逆の双方向に所定の回転速度にて軸回りに回転操作可能となされている。この磁石棒3bは、この磁石棒3bの回転中心の位置が、基板ケース5の回転中心と一致するように設定されている。
なお、磁石棒3bと基板ケース5のそれぞれの回転速度は相対回転速度が5000rpm乃至20000rpm程度になるように設定する。
磁石棒3bは、各非磁性ディスク基板2の円孔1に挿入されたときに、この円孔1の内周側端面との間の空隙が、100μm乃至1mm程度となる直径(太さ)となされている。例えば、円孔1の内径が7mmである場合には、磁石棒3bの直径は、5mm乃至6.8mm程度であり、円孔1の内径が6mmである場合には、磁石棒3bの直径は、4mm乃至5.8mm程度である。
図8は、磁石棒3bの構成を示す断面図である。
この磁石棒3bは、図8に示すように、円筒状のケース11に、複数の円柱状の永久磁石12が装填されて構成されている。
図9は、磁石棒3bを構成する永久磁石の構成を示す斜視図である。
磁石棒3bを構成する各永久磁石12は、図9に示すように、周面側に磁極が存在する状態に着磁されたものが望ましい。このような永久磁石12を使用することにより、非磁性ディスク基板2の円孔1の内周側端面に向かう磁束を生じさせることができ、円孔1の内周側端面の近傍に磁場を形成することができる。
図10は、磁石棒3bを構成する永久磁石の構成の他の例を示す斜視図である。
永久磁石12は、図10に示すように、周方向について多極着磁されたものとしてもよい。
図11は、本発明に係る磁気ディスク用基板の製造装置の要部の構成の他の例を示す側面図である。
図12は、本発明に係る磁気ディスク用基板の製造装置の要部の構成の他の例を示す正面図である。
この磁気ディスク用基板の製造装置においては、図11に示すように、基板ケース5の外周側に複数の永久磁石3aを配置して構成してもよい。この場合においても、基板ケース5は、所定の回転速度にて軸回りに回転操作され、外周側に複数の永久磁石3aは、図12において矢印Rで示すように、所定の回転速度にて基板ケース5の回りを回転操作される。なお、基板ケース5と複数の永久磁石3aのそれぞれの回転速度は相対回転速度が5000rpm乃至20000rpm程度になるように設定する。また、基板ケース5は、図11中矢印Aで示すように、軸方向に往復移動することが可能となっていることは、前述した通りである。
なお、この製造装置においては、永久磁石3aに代えて、電磁石を用いることとしてもよい。さらに、磁石棒3bも、電磁石により構成することとしてもよい。
そして、この製造装置には、研磨剤を供給するための研磨剤供給部が設けられている。研磨剤は、乾式(粉体砥粒)であっても、湿式(遊離砥粒)であってもよいが、研磨作用を好ましく実現する観点からは、湿式(遊離砥粒)とすることが好ましい。すなわち、磁性粒子と研磨砥粒とを含む研磨剤に、水(純水)などの液体を加えて、スラリーとして用いることが好ましい。研磨剤をスラリーとして用いる場合、研磨剤供給部は、ポンプなどにより得られる圧力によって、ノズルを介して、各非磁性ディスク基板の中心部の円孔内に液体状の研磨剤を供給するものとすることができる。
研磨剤に含まれる研磨砥粒としては、酸化セリウムが使用されるが、他にもダイヤモンド、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化マンガン等の研磨剤を用いることもできる。好ましくは、被研磨物の材料(非磁性ディスク基板)に近い硬さのものが望ましく、ガラス基板の場合、酸化セリウムが望ましい。研磨剤が硬すぎるとガラス基板端面に傷を与えることになってしまい好ましくない。また、研磨剤が軟らかすぎるとガラス基板端面を鏡面にすることができなくなるので好ましくない。研磨砥粒の平均粒径としては、0.5μm乃至3μmが好ましい。3μmを超える場合、研磨剤の粒径が大きいので研磨後の面の表面粗さが大きくなるので好ましくない。さらに、研磨剤としては、前述したように、磁性粒子と研磨砥粒とが一体化されて構成されたものを使用することもできる。
研磨剤供給部による研磨剤の供給の態様は、特に制限されず、例えば、1本の水流、シャワー、水滴等によって、吹き掛け、吹き付け、放水、塗布する態様などが挙げられる。
なお、この製造装置においては、研磨剤供給部から供給した研磨剤を回収する研磨剤回収部と、回収した研磨剤を清浄にし、再び研磨剤供給部へと循環させる循環機構を装備してもよい。
なお、本発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法及び装置によって製造された磁気ディスク用基板は、ガラス基板端面から発生する微細なパーティクルを嫌う光磁気ディスク用のガラス基板や、光ディスクなどの電子光学用ディスク基板としても利用することができる。また、本発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法及び装置は、ガラス状カーボン、結晶材料(単結晶材料を含む)、セラミック材料などの脆性材料や、金属材料等を研磨する工程においても利用することができる。
以下、本発明の実施例について、詳細に説明する。
この実施例1においては、以下の工程を経て磁気ディスク用基板を製造した。
(1)形状加工工程、ラッピング工程 溶融させたアルミノシリケートガラスをプレス加工によりディスク状に成型し、ガラスディスクを得た。
なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO2を57乃至74mol%、ZrO2を0乃至2.8mol%、Al2O3を3乃至15mol%、LiO2を7乃至16mol%、Na2Oを4乃至14mol%を主成分として含有する化学強化用ガラスを使用した。
次に得られたガラスディスク基板の主表面をラッピング加工した。ラッピング加工では両面ラッピング装置とアルミナ砥粒を用いて加工を行い、ガラス基板の寸法精度と形状精度を所定とする。次いで、砥石を用いて研削することによりガラスディスクの中心部に円孔を形成するとともに、外周側端面及ぴ内周側端面に所定の面取り加工を施した。
得られたガラスディスクの内径は7mm、外径は27.4mm、板厚は0.381mmであり、1.0インチ型磁気ディスク用基板の所定寸法であることを確認した。
ガラスディスク表面の面形状を観察したところ、主表面の表面粗さはRmaxで2μm、Raで0.3μm程度であった。端面の表面粗さを観察したところ、側面部及び面取り面ともにRmaxで14μm、Raで0.5μmであった。
(2)端面鏡面研磨工程 まず、ガラスディスク基板の外周側端面については、従来用いられていたブラシ研磨方法により鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。次に内周側端面については、本発明による磁気研磨法により鏡面研磨を行った。なお、この端面研磨工程は、ガラス基板を重ね合わせて端面研磨する際にガラス基板の主表面にキズ等が付くことを避けるため、後述する第一研磨工程の前、あるいは、第二研磨工程の前後に行うことが好ましい。
上記端面研磨を終えたガラス基板を水洗浄した。
(第1研磨工程)
次に主表面研磨工程として、第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は前記ラッピング工程で主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とする。両面研磨装置と硬質樹脂ポリッシャとを用い、遊星歯車機構を用いて主表面研磨を行った。研磨剤としては酸化セリウム砥粒を用いた。
次に主表面研磨工程として、第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は前記ラッピング工程で主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とする。両面研磨装置と硬質樹脂ポリッシャとを用い、遊星歯車機構を用いて主表面研磨を行った。研磨剤としては酸化セリウム砥粒を用いた。
第一研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
(第2研磨工程) 次に主表面の鏡面研磨工程として第2研磨工程を施した。この第2研磨工程は主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。両面研磨装置と軟質発泡樹脂ポリッシャを用い、遊星歯車機構を用いて主表面の鏡面研磨を行った。研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒に比ぺて微細な酸化セリウム砥粒を用いた。
第二研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
(6)化学強化工程 次に、前述の研削及び研磨工程を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400°Cに加熱し、300°Cに予熱された洗浄済みのガラス基板を約3時間浸漬して行った。この浸漬の際に、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるようにホルダーに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板表層のリチウムイオン、ナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオン、カリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。
ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100乃至200μmであった。
化学強化を終えたガラス基板を、20°Cの水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。
急冷を終えたガラス基板を、約40°Cに加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えたガラス基板を、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
前述の工程を経て得られた磁気ディスク用基板の円孔の内周側端面の表面粗さは、面取り面でRmaxで0.4μm、Raで0.04μm、側面部でRmaxで0.4μm、Raで0.05μmであった。外周端面における表面粗さRaは、面取り面で0.04μm、側面部で、0.07μmであった。このように、内周側端面は、外周側端面と同様に、鏡面状に仕上がっていることを確認した。
また、ガラス基板の主面部の表面粗さRaは、0.3nm乃至0.7nm(AFMで測定)であった。電子顕微鏡(4000倍)で端面表面を観察したところ、側面部及び面取り面は鏡面状態であった。また、円孔の内周側端面である側面部及び面取り面に異物やクラックは認められず、ガラス基板の表面についても、異物やサーマルアスペリティの原因となるパーティクルは認められなかった。さらに、抗折強度試験機(島津オートグラフDDS−2000)を用いて抗折強度を測定したところ、12乃至20kgであった。なお、化学強化レベルを変化させて同様に抗折強度を測定したところ、約10乃至25kgであった。
この実施例2では、以下の工程を経て、磁気ディスクを製造した。
前述して得た磁気ディスク用ガラス基板の両主表面に、静止対向型のDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、Al−Ru合金第1下地層、Cr−Mo合金第2下地層、Co−Cr−Pt−B合金磁性層、水素化炭素保護層を順次成膜した。次にアルコール変性パーフロロポリエーテル潤滑層をディップ法で成膜した。この様にして磁気ディスクを得た。
得られた磁気ディスクについて、異物により磁性層等の膜に欠陥が発生していないことを確認した。また、グライドテストを実施したところ、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められなかった。さらに、磁気抵抗型ヘッドで再生試験を行ったところ、サーマルアスペリティ障害による再生の誤動作は認められなかった。
なお、以上の試験は1平方インチ当たりの情報記録密度が40ギガビット相当の磁気ディスク用の試験方法として行った。具体的には磁気ヘッドの浮上量は10nmとし、記録再生試験では情報線記録密度を700fciとした。
1 円孔
2 磁気ディスク用基板
3a 永久磁石
3b 磁石棒
4 研磨剤
5 基板ケース
2 磁気ディスク用基板
3a 永久磁石
3b 磁石棒
4 研磨剤
5 基板ケース
Claims (14)
- 中心部に円孔を有する非磁性ディスク基板の少なくとも前記円孔の内周側端面を研磨する工程を有する磁気ディスク用基板の製造方法であって、
前記円孔の内周側端面の研磨は、少なくとも前記円孔の内周側に磁場を形成し、前記円孔内において前記磁場により磁性粒子と研磨砥粒とを含む研磨剤を保持させ、前記磁場を前記円孔の内周側端面に対して移動させることにより、前記研磨剤を前記円孔の内周側端面に対して移動させて前記円孔の内周側端面を研磨する磁気研磨法によって行う
ことを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記磁気研磨法おいて、磁性粒子と研磨砥粒とが一体化された研磨剤を用いる
ことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記研磨剤に含まれる磁性粒子は、フェライト系磁性粒子である
ことを特徴とする請求項1、または、請求項2記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記研磨剤に含まれる研磨砥粒は、酸化セリウム砥粒、コロイダルシリカ砥粒、アルミナ砥粒、または、ダイヤモンド砥粒である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記研磨剤は、液体を加えてスラリーとし、研磨砥粒を遊離砥粒として用いる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記磁気研磨法は、前記円孔内に磁石を配置し、この磁石が形成する磁場を用いて行う
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記磁気研磨法は、前記非磁性ディスク基板の外周側に磁石を配置し、この磁石が形成する磁場を用いて行う
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記磁石として、希土類系永久磁石、あるいは、電磁石を用いる
ことを特徴とする請求項6、または、請求項7記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記非磁性ディスク基板は、ガラスディスク基板である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 複数枚の非磁性ディスク基板を同心状に積層させておき、前記各非磁性ディスク基板の円孔の内周側端面を同時に研磨する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 前記磁気研磨法により、前記非磁性ディスク基板の内周側端面部分に設けられた面取り面を研磨する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。 - 中心部に円孔を有する非磁性ディスク基板を保持する保持手段と、
前記非磁性ディスク基板の少なくとも前記円孔の内周側に磁場を形成する磁場形成手段と、
前記磁場を前記円孔の内周側端面に対して回転させる磁場回転手段と
を備え、
前記非磁性ディスク基板の中心部の円孔内において、前記磁場形成手段が形成する磁場により磁性粒子と研磨砥粒とを含む研磨剤を保持し、前記磁場回転手段により前記磁場を前記円孔の内周側端面に対して回転させることにより、前記研磨剤を前記円孔の内周側端面に対して回転させて、前記円孔の内周側端面を研磨する
ことを特徴とする磁気ディスク用基板の製造装置。 - 前記保持手段の少なくとも一部は、絶縁材料から構成されている
ことを特徴とする請求項12記載の磁気ディスク用基板の製造装置。 - 請求項1乃至請求項11のいずれか一に記載の磁気ディスク用基板の製造方法によって製造された磁気ディスク用基板の主面部上に対し、少なくとも磁性層を形成する
ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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