JP2005049579A - 電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】 電子写真特性、耐久特性が良好で且つクリーニング特性が非常に旅行である電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた電子写真装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 表面層がアクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成され、且つフーリエ変換赤外分光全反射法により求める次式(1)で表されるA値が、0.08以下である電子写真感光体とする。
(1) A=S1/S2
(式中、S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積であり、S2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピーク面積である。)
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置及びプロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真感光体には、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性物質が広く用いられている。一方、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーや2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのような低分子の有機光導電性物質を用いたもの、更には、かかる有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせたもの等が知られている。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は、成膜性が良く、塗工によって生産できるため、生産性が高く安価な電子写真感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料等の選択により、感光波長域を自在にコントロールできる等の利点を有し、これまで幅広い検討がなされている。特に最近では、有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と光導電性ポリマーや低分子の有機光導電性物質を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型感光体の開発により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善がなされてきており、機能分離型感光体が有機電子写真感光体の主流となってきている。
一方、当然のことながら電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、さらには光学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し使用される感光体にあっては、その感光体表面には帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摺擦による表面の磨耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化、例えば転写効率や滑り性の低下、さらには感度低下、電位低下などの電気特性の劣化に対する耐久性も要求される。
一般に感光体の表面は薄い樹脂層であり、樹脂の特性が非常に重要である。上述の諸条件をある程度満足する樹脂として、近年アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などが実用化されているが、前述したような特性のすべてがこれらの樹脂で満足されるわけではなく、特に感光体の高耐久化を図る上では該樹脂の被膜硬度は十分高いとは言い難い。これらの樹脂を表面層形成用の樹脂として用いた場合でも、繰り返し使用時において表面層の磨耗が起こり、さらに傷が発生するという問題点がある。さらに、近年の有機電子写真感光体の高感度化に対する要求から、電荷輸送物質などの低分子量化合物が比較的大量に添加される場合が多いが、この場合それら低分子量物質の可塑剤的な作用により膜強度が著しく低下し、繰り返し使用時の表面層の磨耗や傷発生が問題となっている。また電子写真感光体を長期にわたって保存する際に、前述の低分子量成分が析出してしまい層分離するといった問題も発生している。
これらの問題点を解決する手段として、硬化性樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いる試みが提案されている(例えば、特許文献1参照)。電荷輸送層用の樹脂に硬化性樹脂を用い電荷輸送層を硬化、架橋することによって、機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐削れ性及び耐傷性は大きく向上する。しかしながら硬化性樹脂を用いても、低分子量成分はあくまでも結着樹脂中において可塑剤として作用するので、先に述べたような析出や層分離の問題は根本的な解決にはなっていない。また、有機電荷輸送物質と結着樹脂とで構
成される電荷輸送層においては、電荷輸送能は樹脂に対する依存度が大きく、例えば耐削れ性を高めるために硬度が十分に高い硬化性樹脂を用いた場合では電荷輸送能が十分ではなく、繰り返し使用時に残留電位の上昇が見られるなど、両者を満足させるまでには至っていない。
一方、電荷移動層に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移動材の炭素−炭素二重結合と熱あるいは光のエネルギーによって反応させて電荷移動層硬化膜を形成した電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。しかし、電荷移動材はポリマー主骨格にペンダント状に固定化されているだけであり、先の可塑的な作用を十分に排除出来ないため機械的強度が十分ではない。また電荷移動能の向上のために電荷移動材の濃度を高くすると、架橋密度が低くなり十分な機械的強度を確保する事が出来ない。さらには重合時に必要とされる開始剤類の電子写真特性への影響も懸念される。
また別の解決手段として、熱可塑性高分子主鎖中に電荷輸送能を有する基を導入し電荷輸送層を形成させた電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献4参照)。従来の分子分散型の電荷輸送層と比較して、析出や層分離に対しては効果があり、機械的強度も向上するが、あくまでも熱可塑性樹脂であり、その機械的強度には限界があり、樹脂の溶解性などを含めたハンドリングや生産性の面で十分であるとは言い難い。
特開平2−127652号公報 特開平05−216249 特開平07−72640号公報 特開平8−248649号公報
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、本発明者らは、高い機械的強度と電荷輸送能の両立を達成するための検討を重ねた結果、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成された表面層を有する感光体によって、機械的強度と電荷輸送能の両立がほぼ達成されることが確認された。
しかしながら、表面層がアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成された感光体においても、クリーニング特性は必ずしも十分ではなく、クリーニングブレードの摺擦等により表面に傷が生じたり、ブレードめくれが生じたりすることがある。
本発明の課題は、上記の問題点を解決し、優れたクリーニング特性を有する電子写真感光体を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討した結果、導電性支持体と該導電性支持体上に感光層及び表面層を有する電子写真感光体において、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成された表面層を有する感光体が高い機械的強度と電荷輸送能の両立を達成でき、さらに、感光体表面層の内部反射エレメントがGe、入射角が45
度の条件でフーリエ変換赤外分光全反射法により求めた末端オレフィン(CH=)面内変角振動とアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動とに基づくピーク面積比と感光体としてのクリーニング特性間に関係があることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
導電性支持体と該導電性支持体上に感光層及び表面層を有する電子写真感光体において、該感光体の表面層は、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成され、内部反射エレメントがGe、入射角が45度の条件でフーリエ変換赤外分光全反射法により求めた次式(1)で表されるA値が、0.08以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
(1) A=S1/S2
(式中、S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積であり、S2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピーク面積である。)
また本発明は、前記電子写真感光体を有する電子写真装置及びプロセスカートリッジである。
本発明の電子写真感光体は、電子写真特性、耐久特性が良好であり、且つクリーニング特性が非常に良好である。
また、本発明の電子写真感光体をプロセスカートリッジ及び電子写真装置に用いることで、電子写真特性及びクリーニング性能に優れた電子写真装置及びプロセスカートリッジを提供できる。
次に本発明の電子写真感光体の構成を詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と該導電性支持体上に感光層及び表面層を有し、該表面層はアクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成される。
本発明において、「アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物」とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が公知の正孔輸送性化合物の一部に重性官能基として化学結合している化合物を示す。好ましくは、同一分子内にアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を2つ以上有する正孔輸送性化合物がよい。
本発明においては、正孔輸送化合物として、特開2000−66424号公報に開示されるものを用いることができ、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体等が挙げられる。
「アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物」としては、表1−1〜表1−3に代表例を示すが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正
孔輸送性化合物を重合、硬化させることで感光体の表面層を形成させるが、表面層は前記正孔輸送性化合物それのみを重合、硬化させる、あるいは他の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と混合させることで形成させることのいずれもが可能である。「他の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物」として、例えば、特開2000−66424号公報に開示されるものを用いることができる。
また、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物と正孔輸送性能を有さない重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマーなどから表面層を形成することも可能である。「正孔輸送性能を有さない重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマー」として、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリレート、メタクリレート等がある。場合によっては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有しない正孔輸送性化合物を表面層にさらに含有することも可能である。
また、表面層にはその他の各種添加剤、フッ素原子含有樹脂微粒子などの潤剤その他を含有してもよい。
次に本発明の電子写真感光体について製造方法と共に具体的に示す。本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と支持体上に感光層及び表面層を少なくとも有する。
電子写真感光体の支持体としては導電性を有するものであればよく、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又は結着樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、またプラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
本発明においては、導電性支持体の上にバリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることもできる。
下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性の改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチンなどが知られている。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1〜2μmが好ましい。
更に、本発明においては、支持体と感光層、あるいは支持体と下引き層の間に、支持体の欠陥の被覆や可干渉光を用いたときに生じる干渉縞の防止を目的として、導電層を設けることも好ましい。導電層としては、導電性粒子を分散した樹脂層を設けることができ、膜厚は5〜30μmであることが好ましい。
本発明の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する、所謂単一層型でも、電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層に機能分離された積層型(以下、「機能分離型」ともいう)でもよいが、電子写真感光体に要求される諸特性を満足するためには積層型である方が好ましい。
本発明の電子写真感光体が、機能分離型の感光体である場合には、電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えばα、β
、γ、ε及びX型などの結晶型を有するフタロシアニン化合物誘導体、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコーン等が挙げられる。
機能分離型感光体の場合、電荷発生層は前記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミルなどの方法で良く分散し、分散液を塗布し、乾燥して形成されるか、又は前記電荷発生物質の蒸着膜等の単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
電荷発生層に結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明における表面層は、前述した電荷発生層上に電荷輸送層として、もしくは電荷発生層上に電荷輸送物質と結着樹脂からなる電荷輸送層を形成したその上に保護層として用いられる。いずれの場合も前記表面層の形成方法は、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合、硬化反応させる。これらの溶液を塗布する方法は、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法などが知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。また蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が適宜選択できる。
本発明において、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物は、熱や可視光、紫外線等の光、更に放射線により重合、硬化させることができる。従って、本発明における表面層の形成は、表面層用の塗工液に前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物と、必要によって重合開始剤を含有させ、該塗工液を用いて形成した塗工膜に熱、光又は放射線を照射することによって、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させる。
本発明においては、熱や可視光、紫外線等の光、更に放射線により重合、硬化させる中でも放射線によって重合、硬化させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は、重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な三次元感光層マトリックスの作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるために生産性も高く、さらには放射線の透過性の良さから、厚膜時や添加剤などの遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいことなどが挙げられる。ただし、中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。
この際使用する放射線とは、電子線及びγ線である。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型などいずれの形式も使用することが出来る。電子線を照射する場合に、電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が重要である。本発明において、加速電圧は250K
V以下が好ましく、最適には150KV以下である。また照射線量は好ましくは0.1〜100Mradの範囲、より好ましくは0・5〜20Mradの範囲である。加速電圧が250KVを越えると電気特性の劣化が起こることがある。また、照射線量が0.1Mradよりも少ない場合には硬化が不十分となりやすく、照射線量が100Mradを超える場合には電気特性の劣化が起こることがある。照射時の雰囲気は、大気中、窒素およびヘリウム等の不活性ガス中、真空中のいずれでも構わないが、酸素によるラジカルの失活を抑制することができるため、不活性ガス中あるいは真空中が好ましい。
本発明において、アクロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成される表面層を電荷輸送層として用いた場合の膜厚は、1〜50μmが好ましく、特には3〜30μmが好ましい。
アクロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成される表面層を電荷発生層/電荷輸送層上に保護層として用いた場合、その下層に当たる電荷輸送層は、電荷輸送物質として、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾールなどの複素環化合物、トリフェニルメタンなどのトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体等の低分子化合物等を、適当な結着樹脂(前述の電荷発生層に用いる結着樹脂の中から選択できる)とともに溶剤に分散/溶解した溶液を前述の公知の方法によって塗布、乾燥して形成することができる。
表面層が保護層である場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全質量を100とした場合に、電荷輸送物質の質量が20〜100が望ましく、好ましくは30〜100の範囲で適宜選択される。電荷輸送物質の量がそれ以下であると、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇などの問題点が生ずる傾向がある。表面層が保護層である場合の電荷輸送層の膜厚は、好ましくは1〜50μm、より好ましくは3〜30μmの範囲で調整される。また、保護層の膜厚は0.5〜10μmが好ましく、特には1〜7μmが好ましい。
単一層型の感光体の場合は、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物と電荷発生物質が含まれる溶液を適当な下引き層あるいは下引き層を設けても良い導電性支持体上に塗布後重合、硬化させて形成される場合と、導電性支持体上に設けられた電荷発生物質及び電荷輸送物質から構成される単一層型感光体の表面に保護層として前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後重合、硬化させる場合のいずれもが可能である。
表面層がアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成された感光体においても、クリーニング特性は必ずしも十分ではなく、クリーニングブレードの摺擦等により表面に傷が生じたり、ブレードめくれが生じたりすることがある。
本発明者等は、電子写真感光体の表面層のフーリエ変換赤外分光全反射法により求めた末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積とアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動とに基づくピーク面積比と、感光体のクリーニング特性間に関係があることを見出した。
即ち、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成され、且つ内部反射エレメントがGe、入射角が45度
の条件でフーリエ変換赤外分光全反射法により求めた次式(1)で表されるA値が、0.08以下である表面層を用いる本発明の電子写真感光体は、クリーニング特性が飛躍的に向上する。
(1) A=S1/S2
(式中、S1は末端オレフィン(CH=)面内変角振動に基づくピーク面積であり、S2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピーク面積である。)
クリーニング特性が飛躍的に向上した理由としては、上記A値が0.08以下のときには、表面に未反応基の存在率が低いため、クリーニング部材との摩擦が減少することが考えられる。また、内部の重合度が高くても、上記A値が0.08以上のときは、クリーニング特性は著しく低下する。これは、クリーニング特性が内部の重合度より、極表面近傍の重合度に関与していることを表していると考えられる。特に初期においてはクリーニング部材と感光体表面の間に紙粉やトナーが少ないためか、感光体表面の物性がクリーニング特性に顕著に表れてくると考えられる。更に、上記A値が0.05以下の表面層がより好ましい。
図1は、本発明の電子写真感光体の表面層をフーリエ変換赤外分光全反射法による分析で得られた赤外分光スペクトルチャートの一例である。アクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピークは、1728cm−1にみられ、末端オレフィン(CH=)面内変角振動に基づくピークは1407cm−1付近にみられる。ピーク面積とは、図1にも示したように、それぞれのピークの外側のすそを結んだ直線で囲まれた面積とする。
ピークの波数は、分子の他の部分の影響をうけるため必ずしも一定ではないが、重合、硬化されたアクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物のC=O伸縮振動に基づくピークは、1725cm−1付近にみられ、末端オレフィン(CH=)面内変角振動に基づくピークは1405cm−1付近にみられる。また、重合、硬化されたメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物のC=O伸縮振動に基づくピークは、1725cm−1付近にみられ、末端オレフィン(CH=)面内変角振動に基づくピークは1440cm−1付近にみられる。
また、複数のアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させる場合、又は、他の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物や正孔輸送性能を有さない重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマーとを混合させて重合、硬化させる場合に、ピークが分かれる事がある。この場合のピーク面積とは各々の積算面積を表す。
本発明の電子写真感光体の表面層を、フーリエ変換赤外分光全反射法(以下、FT−IR−ATR法と呼ぶ:FT−IR=Fourier Transform Infrared Spectrometer、ATR=Attenuated Total Reflectance)を用いて測定する方法を以下に述べる。
ATR法は、内部反射エレメント(以下、「IRE」という:IRE=Internal Reflection Element)と呼ばれる試料より高い屈折率を有する結晶に試料を密着させ、臨界角以上の入射角で赤外光を結晶に侵入させることにより、試料と結晶の界面で試料側にわずかに入り込み、全反射することを利用した方法である。
ATR法において、試料側に入り込む深さ(検出深度)を決めるのは、IREの屈折率及び光路の入射角である。本発明におけるA値は、IREがGe(屈折率4.0)、入射角が45度の条件で測定されることにより、より表面近傍の重合度が計算される。
ATR法の測定において、分光計のノイズレベルを小さくすることが重要であり、そのためには、高感度の分光計を用いること、スキャン回数を増やすことなどが必要である。
本発明において用いられる赤外分光計としては、高い波数精度及び測光精度をもつFT−IRを用いる。スキャン回数は32回以上がより好ましい。それ以下であるとノイズの影響が大きく、正確な測定ができない場合がある。
ATR法測定時の電子写真感光体の形状としては、IREとの接触が十分に保たれればどのような形状のものでもよい。
図2に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム上の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いでスリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー像として現像され、現像されたトナー像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期に取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて定着手段8へ導入されて定着をうけることにより、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により助電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成され、このプロセスカートリッジが複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成されてもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいはセンサーで原稿を読みとり、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版などの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、実施例における配合量は全て質量部を意味する。
(実施例1)
実施例1に用いる電子写真感光体を以下の通りに作成した。まず、直径30mmのアルミニウムシリンダーをFT−IR−ATR測定用、実機テスト用と2本用意する。
そして、アルミニウムシリンダーの導電層用の塗料を以下の手順で調整した。10%の
酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調整した。この塗料をシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、下引き層用塗料を調整した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.6μmの下引き層を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラール(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)3部及びシクロヘキサノン35部を1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記下引き層の上に浸漬塗布方法で塗布して50℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次いで、表1−2に示す化合物No.31の正孔輸送性化合物60部を、モノクロロベンゼン30部及びジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を前記電荷発生層上にコーティングし、電子線を照射し樹脂を硬化させて膜厚15μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
電子線照射は、加速電圧150KV、照射線量10Mradの条件で行い、重合、硬化雰囲気中の酸素濃度はNで調節し10ppmとした。
FT−IR−ATR測定用の電子写真感光体の赤外分光スペクトルを以下の条件で測定した。
(測定条件)
装置:FT/IR−420(日本分光(株)製)付属装置:ATR装置IRE:Ge入射角:45度積算回数:320 得られたスペクトルよりA値を求めたところ、0.018であった。
得られた実機テスト用の電子写真感光体をキヤノン(株)製LBP−SXに装着して、初期電子写真特性の評価及びクリーニング評価を行った。電子写真特性の評価は光量可変に改造したLBP−SXの現像器を取り外し、同位置に電位測定用プローブを設置した状態で光減衰感度(暗部電位−700V設定で明部電位−200Vに光減衰させるために必要な光量)及び残留電位Vsl(光減衰感度の光量の5倍の光量を照射したときの電位)を測定して求めた。
クリーニング評価は、N/N(22.5℃、50%RH)、H/H(30℃、85%RH)で評価機及び通紙用の紙を24時間放置させた後、100枚の通紙耐久を行いクリーニングブレードめくれの発生により評価した。クリーニングブレードめくれが生じなかったものを○とした。結果を表2に示す。
(実施例2〜4)
実施例1の電子線照射時の酸素濃度を30ppm、100ppm、1000ppmに変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、A値を求め、評価した。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1の電子線照射時の酸素濃度を8000ppmに変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、A値を求め、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1において電荷発生層を形成した後、下記一般式のスチリル化合物を10部、


及び下記構造式の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部を

(Mv≒20000)
モノクロロベンゼン50部及びジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を前記の電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で一時間乾燥することによって膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
次いで、表1−2の化合物例No.31の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン50部及びジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し、保護層用塗料を調整した。この塗料をスプレーコーティング法により、先の電荷輸送層上に塗布し、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150KV、照射線量10Mradの条件で電子線を照射し樹脂を硬化させ、膜厚5μmの保護層を形成して電子写真感光体を得、A値を求めたところ、0.015であった。得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
(実施例6〜8)
実施例5の電子線照射時の酸素濃度を30ppm、100ppm、1000ppmに変えた以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製し、A値を求め、評価した。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1の電子線照射時の酸素濃度を8000ppmに変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、A値を求め、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
(実施例9〜10)
実施例8の電子線照射時の照射線量を20Mrad、40Mradに変えた以外は実施例8と同様に電子写真感光体を作製し、A値を求め、評価した。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例10の電子線照射時の酸素濃度を5000ppmに変えた以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製し、A値を求め、評価した。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例10の電子線照射時の酸素濃度を10000ppmに変えた以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製し、A値を求め、評価した。結果を表2に示す。
(実施例11〜15)
実施例5の正孔輸送性化合物No.31を表1−1〜1−3の化合物No.4、No.9、No.11、No.22、No.45に変えた以外は、実施例5と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(実施例16)
実施例4において電荷輸送層を形成した後、表1−2の化合物例No.31の正孔輸送性化合物60部及び下記一般式の光重合開始剤3部を、モノクロロベンゼン50部及びジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、保護層用塗料を調整した。この塗料を前記の電荷発生層上にコーティングし、メタルハライドランプを用いて160mW/cmの光強度で30秒間硬化させ、膜厚6μmの保護層を形成させ、電子写真感光体を得た。実施例1と同様にA値を求め、評価した。結果を表2に示す。
(実施例17)
実施例1において電荷発生層を形成した後、次いで、表1−2の化合物例No.31の正孔輸送性化合物30部及び下記一般式の熱重合開始剤1部をモノクロロベンゼン30部及びジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を前記の電荷発生層上にコーティングし、140℃で10分間熱硬化させ、膜厚15μmの電荷輸送層を形成させ、電子写真感光体を得た。実施例1と同様にA値を求め、評価した。結果を表2に示す。
表2の比較例1、2に示すようにIRスペクトルから計算されたA値が0.1以上の表面性をもつ電子写真感光体は感度不良で残留電位も高く、クリーニング特性も悪かった。また、比較例3、4に示すように感度、残電特性は良好だが、A値が0.1以上の表面性である電子写真感光体はクリーニング特性が悪かった。これに対し、実施例1〜17に示すようにA値が0.1以下にすることで、感度、残電特性は良好で、かつ、クリーニング特性を良好にすることができる。
本発明でA値を計算するためのFT−IR−ATR法により得られた表面層のIRスペクトルを示す。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 耐電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段

Claims (8)

  1. 導電性支持体と該導電性支持体上に感光層及び表面層を有する電子写真感光体において、該感光体の表面層は、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成され、且つ内部反射エレメントがGe、入射角が45度の条件でフーリエ変換赤外分光全反射法により求める次式(1)で表されるA値が、0.08以下であることを特徴とする電子写真感光体。
    (1) A=S1/S2
    (式中、S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積であり、S2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピーク面積である。)
  2. 前記A値は0.05以下である請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光体の表面層は保護層である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光体の表面層は電荷輸送層である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  5. 前記表面層は、放射線による重合、硬化反応を利用して形成させることにより得られることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載の電子写真感光体。
  6. 前記表面層は、電子線による重合、硬化反応を利用して形成させることにより得られることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6いずれか一項記載の電子写真感光体を用いる電子写真装置。
  8. 請求項1〜6いずれか一項記載の電子写真感光体を用いるプロセスカートリッジ。
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