JP2007086522A - 電子写真感光体並びに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度及び電気的特性に優れ、長期にわたり安定した画像を形成可能な電子写真感光体を提供する。
【解決手段】特に第一電荷輸送層及び第二電荷輸送層をこの順に有し、前記第二電荷輸送層が最表面層である電子写真感光体において、前記第二電荷輸送層は、下記一般式(1)で表される硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を重合及び架橋のいずれか一方又は両方を行うことによって得られる化合物を含有し、かつ前記第二電荷輸送層中に含有される電荷輸送成分が、下記条件を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
K=L/M かつ K<0.95
(式中、Lは電子写真感光体の表面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示し、Mは第一電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示す。)
【選択図】なし
【解決手段】特に第一電荷輸送層及び第二電荷輸送層をこの順に有し、前記第二電荷輸送層が最表面層である電子写真感光体において、前記第二電荷輸送層は、下記一般式(1)で表される硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を重合及び架橋のいずれか一方又は両方を行うことによって得られる化合物を含有し、かつ前記第二電荷輸送層中に含有される電荷輸送成分が、下記条件を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
K=L/M かつ K<0.95
(式中、Lは電子写真感光体の表面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示し、Mは第一電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、連続的あるいは段階的な濃度変化で電荷輸送成分が分布した硬化性の表面保護層を有する電子写真感光体に関する。また、本発明は上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
近年、電子写真感光体に用いられる材料として、無公害性や高生産性等の利点を有する有機光導電物質が広く利用されている。これらの電子写真感光体は、電気的及び機械的特性の双方を満足するために電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型の感光体として利用される場合が多い。
一方、当然のことながら、電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度や電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。
特に、繰り返し使用される感光体の表面層には、帯電、露光、トナー現像、紙への転写及びクリーニングといった様々な電気的及び機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
具体的には、帯電時に発生するオゾンやNOx、硝酸等の活性物質による劣化のために感度や電位の低下、及び残留電位の増加がおこり、加えて摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生することなど、これらに対する耐久性が要求されている。
これらの問題点を解決する手段として、たとえば特許文献1に開示されているような、同一分子内に連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を硬化させたものを最表面層に含有する感光体が報告されている。このような電荷輸送性を有する硬化性膜を用いることで、優れた機械的強度と電荷輸送能を両立させることが理論的には可能である。しかしながら上述したような電荷輸送性を有する硬化性膜は、その優れた機械的強度のために磨耗により新規表面が創出されにくいので、電気的劣化が蓄積され、長期にわたり安定した画像を提供することが困難なことがあり、未だ本来の性能を十分に引き出すまでには至っていない。
特開2000−147813号公報
本発明の目的は、機械的強度及び電気的特性に優れ、長期にわたり安定した画像を形成可能な電子写真感光体並びに該子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、硬化性の表面保護層中に存在する電荷輸送成分を特定の条件で分布させることが、前述の課題を解決するものであることを見出した。
すなわち、本発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、第一電荷輸送層及び第二電荷輸送層をこの順に有し、前記第二電荷輸送層が最表面層である電子写真感光体において、前記第二電荷輸送層は、下記一般式(1)で表される硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を重合及び架橋のいずれか一方又は両方を行うことによって得られる化合物を含有し、かつ前記第二電荷輸送層中に含有される電荷輸送成分が、下記条件を満たすことを特徴とする電子写真感光体である。
K=L/M かつ K<0.95
(式中、Lは電子写真感光体の表面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示し、Mは第一電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示す。なお電荷輸送成分とは、下記一般式(1)で表される化合物中のトリフェニルアミンを意味する。)
K=L/M かつ K<0.95
(式中、Lは電子写真感光体の表面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示し、Mは第一電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示す。なお電荷輸送成分とは、下記一般式(1)で表される化合物中のトリフェニルアミンを意味する。)
(式中、Aはトリフェニルアミン骨格を有する電荷輸送性基を示し、P1及びP2は連鎖重合性官能基を示し、Zは置換基を有しても良い有機基を示し、a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは1以上の整数を示す。P1とP2は同一でも異なっても良く、また、aが2以上の場合P1は同一でも異なっても良く、dが2以上の場合P2は同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Z及びP2のそれぞれは同一でも異なっても良い。)
また、本発明は上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
本発明によれば、優れた機械的強度と電気的特性を有する電子写真感光体を作成でき、長期にわたり安定した画像を継続して形成することができる。また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
以下に本発明の詳細を説明する。
本発明における、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、第一電荷輸送層及び第二電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体の第二電荷輸送層は、硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を重合及び架橋のいずれか一方又は両方を行うことによって得られる化合物を含有し、さらに前記第二電荷輸送層中に含有される電荷輸送成分が、特定の分布条件で存在することを特徴とする。
ここで、本発明における硬化性電荷輸送化合物とは、連鎖重合性官能基が電荷輸送性化合物に官能基として少なくとも1個以上化学結合している化合物を示す。この場合、連鎖重合性官能基はすべて同一でも異なったものであってもよく、下記の一般式(1)である場合が好ましい。
(式中、Aはトリフェニルアミン骨格を有する電荷輸送性基を示し、P1及びP2は連鎖重合性官能基を示し、Zは置換基を有しても良い有機基を示し、a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは1以上の整数を示す。P1とP2は同一でも異なっても良く、また、aが2以上の場合P1は同一でも異なっても良く、dが2以上の場合P2は同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Z及びP2のそれぞれは同一でも異なっても良い。)
また、上記一般式(1)における連鎖重合性官能基P1及びP2は、ラジカルあるいはイオン等の中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合及び異性化重合等が可能な官能基を意味するが、重合特性等の点からアクリル基及びメタクリル基が特に好ましい。
なお、上記一般式(1)における正孔輸送性基Aは、トリフェニルアミン骨格を有し、正孔輸送性を示すものであればどのようなものでもよい。
以下、表1に本発明の第二電荷輸送層に係わる硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物の代表例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの中でNo.1〜13が一般式(1)で表される硬化性電荷輸送化合物である。
次に、本発明における電荷輸送成分とは、正孔輸送性基Aで示される構造中のトリフェニルアミンを示す。正孔輸送性基Aの構造によっては、トリフェニルアミンが複数存在することもあるが、このような場合は全てのトリフェニルアミンを電荷輸送成分とみなす。たとえば、表1の化合物例No.2の場合、電荷輸送成分はトリフェニルアミン1個であり、化合物例No.3の場合には、電荷輸送成分はトリフェニルアミン2個である。
本発明における電子写真感光体の第二電荷輸送層は、極めて短時間で形成されるために生産性が高く、三次元的架橋構造を有するために硬化後の機械的強度に優れ、かつ電荷輸送成分を含有するので電気的特性にも優れるという特徴がある。
しかしながら、第二電荷輸送層は、その優れた機械的強度のため磨耗により新規表面が創出されにくく、その結果、特に表面近傍に存在する電荷輸送成分が帯電により劣化し、これが解消されないまま蓄積されてしまう傾向にあり、特に高温高湿環境下での連続使用時においては、画像流れ等の問題が発生することがあり、機械的強度には優れるものの、本来の電気的特性を十分に引き出すまでには至っていない。
ところが、上述した第二電荷輸送層の電荷輸送成分を、支持体側よりも表面側のほうが低濃度となるように分布させることにより、機械的強度及び電気的特性を向上させることが可能である。その理由が未だ明らかになっていないが、画像形成時の帯電プロセスにおいては、主に電荷輸送成分が放電により劣化するため、電子写真特性を損なわない範囲で表面付近の電荷輸送成分濃度を低下させることで、電気的劣化を最小限に抑制できるほか、同時に可塑的作用が減少するために機械的強度も向上するものと推察される。さらに、第一電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面付近に電荷輸送成分が高濃度で分布することにより、電荷輸送性が向上し、これが電気的特性の向上に寄与すると推察される。
次に本発明による電子写真感光体の製造方法を具体的に示す。
電子写真感光体の支持体としては導電性を有するものであればよく、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属や合金をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、またプラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
本発明においては導電性支持体の上にはバリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることができる。
下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。下引き層の材料としてはポリビニルアルコール、ポリ―N―ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、ニカワ及びゼラチンなどが知られている。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1〜2μmが好ましい。本発明の感光体が機能分離型の感光体である場合には電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的にいえばα、β、γ、ε及びX型などの結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開平54−143645号広報に記載のアモルファスシリコーンなどが挙げられる。
機能分離型感光体の場合、電荷発生層は前記電荷発生物質を質量基準で0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミルなどの方法でよく分散し、分散液を塗布し、乾燥させて形成されるか、または前記電荷発生物質の蒸着膜など、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明における第二電荷輸送層の形成方法は、硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物とを含有する溶液を塗布後、重合反応をさせるのが一般的であるが、前もって該溶液を反応させて硬化物を得た後に再度溶剤中に分散あるいは溶解させたものなどを用いて、第二電荷輸送層を形成することも可能である。これらの溶液を塗布する方法は、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法などが知られており、本発明のように特定条件で電荷輸送成分を分布させるうえではスプレーコーティング法が最も望ましいが、その他の成膜方法も適宜選択可能である。
また本発明における第二電荷輸送層の塗布液は熱・光及び放射線により重合させることが可能であり、特に放射線で重合させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は、重合開始剤を必要とせず、これによる電子写真特性への影響を排除することができる点である。また、短時間で効率的な重合反応であるがゆえに生産性も高く、さらには放射線の透過性の良さから、厚膜時や添加剤などの遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいことなどが挙げられる。ただし、電荷輸送性を有する中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。この際使用する放射線とは電子線及びγ線である。電子線を使用する場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型などいずれの形式も使用することが出来る。電子線を使用する場合に、本発明の感光体においては電気特性及び耐久性能を発現させる上で使用条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧は250KV以下が好ましく、最適には150KV以下である。また電子線の線量は好ましくは200kGy以下の範囲、より好ましくは100kGy以下の範囲である。電子線の加速電圧が上記を越えると感光体特性のダメージが増加する傾向にある。また、電子線の線量が上記範囲よりも多い場合には感光体特性の劣化がおこりやすいので注意が必要である。
前記第二電荷輸送層の下層にあたる第一電荷輸送層は適当な電荷輸送物質、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾールなどの複素環化合物、トリフェニルメタンなどのトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N―フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分子化合物を適当な結着樹脂(前述の電荷発生層用樹脂の中から選択できる)とともに溶剤に分散/溶解した溶液を前述の公知の方法によって塗布、乾燥して形成することができる。この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全質量を100とした場合に電荷輸送物質の質量が30〜100が望ましく、好ましくは50〜100の範囲で適宜選択される。電荷輸送物質の量がそれ以下であると、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇などの問題点が生ずる。第一電荷輸送層の膜厚は、上層の第二電荷輸送層と合わせた総膜厚が1〜50μmとなるように決定され、好ましくは5〜30μmの範囲で調整される。
また前記第二電荷輸送層中に含有される電荷輸送成分は、次の条件を満たすように分布していることが必要である。
K=L/M かつ K<0.95
(式中、Lは電子写真感光体の表面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示し、Mは電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示す。なお電荷輸送成分とは、硬化性電荷輸送化合物における電荷輸送性基中のトリフェニルアミンを意味する。)
K=L/M かつ K<0.95
(式中、Lは電子写真感光体の表面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示し、Mは電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示す。なお電荷輸送成分とは、硬化性電荷輸送化合物における電荷輸送性基中のトリフェニルアミンを意味する。)
この条件を満たさない分布状態においては、可塑的作用が低減せず、帯電プロセスによる電気的劣化を抑制する効果も不十分であり、長期にわたり安定した画像を提供することは困難である。また、次の条件を満たすように分布していることが望ましい。
K=L/M かつ 0.25<K<0.80
K=L/M かつ 0.25<K<0.80
更に本発明における感光層には必要に応じて各種添加剤を添加することができる。該添加剤とは酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤やハロゲン化合物などの劣化防止剤や、テトラフルオロエチレン樹脂及びフッ化カーボンなどの潤剤、単官能あるいは多官能の連鎖重合性官能基を有する重合性モノマー等の硬化性付与剤、熱可塑性樹脂、公知の電荷輸送化合物及び公知の電荷発生物質等が挙げられる。
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略を示す。図において、1はドラム上の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位に均一帯電を受け、次いでスリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成しても良い。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることが出来る。また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいはセンサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザープリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、ファクシミリ及び電子写真式製版システムなどの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明する。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明する。実施例中、「部」は質量部を表す。
[実施例1]
まず導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーン化合物(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、150℃で30分乾燥して、膜厚が18μmの導電層を形成した。
まず導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーン化合物(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、150℃で30分乾燥して、膜厚が18μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラック角2θ±0.2度の9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)3.5部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して90℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式で示される電荷輸送化合物20部、
及び下記構造式で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(数平均分子量20000)
10部をモノクロロベンゼン50部及びジクロロメタン20部の混合溶媒中に溶解して調製した塗布液を用いて、電荷発生層上に第一電荷輸送層を形成した。この時の第一電荷輸送層の膜厚は15μmであった。
次に、分散剤としてフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)社製)1.25部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)37.5部と1−プロパノール37.5部に溶解した後、潤滑剤として四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)25部を加え、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で5880N/cm2の圧力で3回の処理を施し均一に分散させた。これを10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、潤滑剤分散液を調製した。
次に、以下5種類の塗料を調製した。
(1−1)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(1−1)を調製した。
(1−2)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物25部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物11部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(1−2)を調製した。
(1−3)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物15部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物21部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(1−3)を調製した。
(1−4)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物7部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物29部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(1−4)を調製した。
(1−5)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物5部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物31部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(1−5)を調製した。
上記記載の塗布液(1−1)〜(1−5)を、この順にスプレーコーティング法により各層の膜厚が1.0μmとなるように第一電荷輸送層上に塗布したのち、窒素中において加速電圧150kV、電子線の線量50kGyの条件で硬化させ、引き続き感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、感光体(1)を作成した。
この感光体(1)を、光量及び帯電設定を変更可能に改造したレーザービームプリンター(LASER SHOT LBP−930:キヤノン製)に装着し、高温高湿環境下(32℃/85%RH)(H/H)において連続15000枚の通紙耐久を行い、目視による画像欠陥の発生の有無を観察し、更にその電子写真感光体の膜厚を過電流式膜厚計(カールフィッシャー社製)を使用して測定した。なお、通紙耐久試験における改造機の設定は、転写電流:+5.5μA、プロセススピード:106mm/secとした。また、通紙耐久試験前後に光放電特性を測定し、初期値及び通紙耐久試験後のVrの変動量(ΔVl)を算出した。その結果を表2に示す。
これらの結果から感光体(1)は、高温高湿環境下での連続通紙耐久試験において高い機械的強度を有し、画像流れ等の画像欠陥も発生せず、連続使用前後の電位変動も極めて小さいことから、長期にわたり鮮明な画像が安定して得られ、優れた電気的特性及び機械的強度を有することが明確となった。
[実施例2]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
次に、以下5種類の塗料を調製した。
(2−1)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(2−1)を調製した。
(2−2)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物20部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物16部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(2−2)を調製した。
(2−3)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物15部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物21部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(2−3)を調製した。
(2−4)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物10部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物26部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(2−4)を調製した。
(2−5)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物5部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物31部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(2−5)を調製した。
上記記載の塗布液(2−1)〜(2−5)を、この順にスプレーコーティング法により各層の膜厚が1.0μmとなるように第一電荷輸送層上に塗布したのち、窒素中において加速電圧150kV、電子線の線量50kGyの条件で硬化させ、引き続き感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、感光体(2)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[実施例3]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
次に、以下5種類の塗料を調製した。
(3−1)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(3−1)を調製した。
(3−2)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物25部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物11部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(3−2)を調製した。
(3−3)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物20部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物16部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(3−3)を調製した。
(3−4)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物15部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物21部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(3−4)を調製した。
(3−5)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物10部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物26部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(3−5)を調製した。
上記記載の塗布液(3−1)〜(3−5)を、この順にスプレーコーティング法により各層の膜厚が1.0μmとなるように第一電荷輸送層上に塗布したのち、窒素中において加速電圧150kV、電子線の線量50kGyの条件で硬化させ、引き続き感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、感光体(3)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[実施例4]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
次に、以下5種類の塗料を調製した。
(4−1)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(4−1)を調製した。
(4−2)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物28部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物8部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(4−2)を調製した。
(4−3)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物25部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物11部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(4−3)を調製した。
(4−4)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物22部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物14部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(4−4)を調製した。
(4−5)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物20部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物16部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(4−5)を調製した。
上記記載の塗布液(4−1)〜(4−5)を、この順にスプレーコーティング法により各層の膜厚が1.0μmとなるように第一電荷輸送層上に塗布したのち、窒素中において加速電圧150kV、電子線の線量50kGyの条件で硬化させ、引き続き感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、感光体(4)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[実施例5]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
次に、以下5種類の塗料を調製した。
(5−1)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(5−1)を調製した。
(5−2)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物29部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物7部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(5−2)を調製した。
(5−3)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物28部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物8部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(5−3)を調製した。
(5−4)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物27部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物9部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(5−4)を調製した。
(5−5)表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物26部、化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物10部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(5−5)を調製した。
上記記載の塗布液(5−1)〜(5−5)を、この順にスプレーコーティング法により各層の膜厚が1.0μmとなるように第一電荷輸送層上に塗布したのち、窒素中において加速電圧150kV、電子線の線量50kGyの条件で硬化させ、引き続き感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、感光体(5)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例1の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例1と同様に感光体(6)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例1の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例1と同様に感光体(6)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例2の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例2と同様に感光体(7)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例2の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例2と同様に感光体(7)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例8]
実施例3の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例3と同様に感光体(8)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例3の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例3と同様に感光体(8)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例9]
実施例4の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例4と同様に感光体(9)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例4の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例4と同様に感光体(9)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例10]
実施例5の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例5と同様に感光体(10)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例5の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は実施例5と同様に感光体(10)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例11]
実施例1の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様に感光体(11)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例1の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様に感光体(11)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例12]
実施例2の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例2と同様に感光体(12)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例2の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例2と同様に感光体(12)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例13]
実施例3の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例3と同様に感光体(13)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例3の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例3と同様に感光体(13)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例14]
実施例4の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例4と同様に感光体(14)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例4の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例4と同様に感光体(14)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例15]
実施例5の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例5と同様に感光体(15)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例5の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.2及び化合物例No.16にそれぞれ変更した以外は実施例5と同様に感光体(15)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例16]
実施例11の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例11と同様に感光体(16)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例11の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例11と同様に感光体(16)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例17]
実施例12の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例12と同様に感光体(17)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例12の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例12と同様に感光体(17)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例18]
実施例13の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例13と同様に感光体(18)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例13の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例13と同様に感光体(18)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例19]
実施例14の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例14と同様に感光体(19)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例14の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例14と同様に感光体(19)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例20]
実施例15の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例15と同様に感光体(20)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例15の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.7に変更した以外は実施例15と同様に感光体(20)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例21]
実施例18の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.9に変更した以外は実施例18と同様に感光体(21)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例18の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.9に変更した以外は実施例18と同様に感光体(21)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例22]
実施例8の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.8に変更した以外は実施例8と同様に感光体(22)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例8の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.8に変更した以外は実施例8と同様に感光体(22)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例23]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
次に、以下5種類の塗料を調製した。
(23−1)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、熱重合開始剤(下記構造式A)0.2部、
潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(23−1)を調製した。
潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(23−1)を調製した。
(23−2)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物25部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物11部、熱重合開始剤(下記構造式A)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(23−2)を調製した。
(23−3)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物20部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物16部、熱重合開始剤(下記構造式A)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(23−3)を調製した。
(23−4)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物15部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物21部、熱重合開始剤(下記構造式A)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(23−4)を調製した。
(23−5)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物10部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物26部、熱重合開始剤(下記構造式A)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(23−5)を調製した。
上記記載の塗布液(23−1)〜(23−5)を、この順にスプレーコーティング法により各層の膜厚が1.0μmとなるように第一電荷輸送層上に塗布したのち、150℃にて1時間加熱硬化することで膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、感光体(23)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[実施例24]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
次に、以下5種類の塗料を調製した。
(24−1)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、光重合開始剤(下記構造式B)0.2部、
潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(24−1)を調製した。
潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(24−1)を調製した。
(24−2)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物25部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物11部、光重合開始剤(下記構造式B)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(24−2)を調製した。
(24−3)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物20部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物16部、光重合開始剤(下記構造式B)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(24−3)を調製した。
(24−4)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物15部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物21部、光重合開始剤(下記構造式B)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(24−4)を調製した。
(24−5)表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物10部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物26部、光重合開始剤(下記構造式B)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(24−5)を調製した。
上記記載の塗布液(24−1)〜(24−5)を、この順にスプレーコーティング法により各層の膜厚が1.0μmとなるように第一電荷輸送層上に塗布したのち、メタルハライドランプを用いて500mW/cm2の光強度で60秒間硬化させたのち加熱処理を行い、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、感光体(24)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[実施例25]
実施例3の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.11及びNo.15にそれぞれ変更した以外は実施例3と同様に感光体(25)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例3の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を表1の化合物例No.11及びNo.15にそれぞれ変更した以外は実施例3と同様に感光体(25)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[実施例26]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に行った。
次に、以下5種類の塗料を調製した。
(26−1)表1の化合物例No.7の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.16の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(26−1)を調製した。
(26−2)表1の化合物例No.7の硬化性電荷輸送化合物25部、化合物例No.16の電荷輸送性を有さない硬化性化合物11部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(26−2)を調製した。
(26−3)表1の化合物例No.7の硬化性電荷輸送化合物20部、化合物例No.16の電荷輸送性を有さない硬化性化合物16部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(26−3)を調製した。
(26−4)表1の化合物例No.7の硬化性電荷輸送化合物15部、化合物例No.16の電荷輸送性を有さない硬化性化合物21部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(26−4)を調製した。
(26−5)表1の化合物例No.7の硬化性電荷輸送化合物10部、化合物例No.16の電荷輸送性を有さない硬化性化合物26部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液(26−5)を調製した。
上記記載の塗布液(26−1)を、浸漬塗布法により膜厚が1.0μmとなるように第一電荷輸送層上に塗布し、窒素中において、加速電圧150kV、電子線の線量1kGyの条件で予備硬化させた。こうして形成された予備硬化層の上に、同様にして塗布液(26−2)〜(26−4)をこの順に塗布し、窒素中で予備硬化させ、さらに塗布液(26−5)を浸漬塗布法により塗布し、窒素中において加速電圧150kV、電子線の線量46kGyの条件で硬化させ、引き続き感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、感光体(26)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例1]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
次に、表1の化合物例No.4の硬化性電荷輸送化合物30部及び化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液を調製した。この塗布液を、浸漬塗布法により第一電荷輸送層上に塗布し、窒素中において加速電圧150kV、電子線の線量50kGyの条件で硬化させ、引き続き感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、比較感光体(1)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例1の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は比較例1と同様に比較感光体(2)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
比較例1の硬化性電荷輸送化合物を表1の化合物例No.10の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は比較例1と同様に比較感光体(2)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[比較例3]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
次に、表1の化合物例No.8の硬化性電荷輸送化合物30部及び化合物例No.14の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液を調製した。この塗布液を、浸漬塗布法により第一電荷輸送層上に塗布し、窒素中において加速電圧150kV、電子線の線量50kGyの条件で硬化させ、引き続き感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、比較感光体(3)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例4]
比較例1の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を、表1の化合物例No.2の硬化性電荷輸送化合物及び化合物例No.16の電荷輸送性を有さない硬化性化合物にそれぞれ変更した以外は比較例1と同様に比較感光体(4)を作成し、評価した。その結果を表4に示す。
比較例1の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を、表1の化合物例No.2の硬化性電荷輸送化合物及び化合物例No.16の電荷輸送性を有さない硬化性化合物にそれぞれ変更した以外は比較例1と同様に比較感光体(4)を作成し、評価した。その結果を表4に示す。
[比較例5]
比較例4の硬化性電荷輸送化合物を、表1の化合物例No.7の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は比較例4と同様に比較感光体(5)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
比較例4の硬化性電荷輸送化合物を、表1の化合物例No.7の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は比較例4と同様に比較感光体(5)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[比較例6]
比較例4の硬化性電荷輸送化合物を、表1の化合物例No.9の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は比較例4と同様に比較感光体(6)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
比較例4の硬化性電荷輸送化合物を、表1の化合物例No.9の硬化性電荷輸送化合物に変更した以外は比較例4と同様に比較感光体(6)を作成し、評価した。その結果を表2に示す。
[比較例7]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
次に、表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、熱重合開始剤(下記構造式A)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法により第一電荷輸送層上に塗布したのち、150℃にて1時間加熱硬化することで膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、比較感光体(7)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例8]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
次に、表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物30部、化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、光重合開始剤(下記構造式B)0.2部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法により第一電荷輸送層上に塗布したのち、メタルハライドランプを用いて500mW/cm2の光強度で60秒間硬化させたのち加熱処理を行い、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、比較感光体(8)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例9]
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
第一電荷輸送層の形成、潤滑剤分散液の調製までは、実施例1と同様に作成した。
次に、表1の化合物例No.11の硬化性電荷輸送化合物30部及び化合物例No.15の電荷輸送性を有さない硬化性化合物6部、潤滑剤分散液16.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフロオロシクロペンタン24部、1−プロパノール24部を混合、攪拌したのち、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過を行い、塗布液を調製した。この塗布液を、浸漬塗布法により第一電荷輸送層上に塗布し、窒素中において加速電圧150kV、電子線の線量50kGyの条件で硬化させ、引き続き感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの第二電荷輸送層を形成し、比較感光体(9)を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
以上の実験結果から、第二電荷輸送層中の電荷輸送成分が、
K=L/M かつ K<0.95
(式中、Lは電子写真感光体の表面から、第二電荷輸送層中の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示し、Mは電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示す。なお電荷輸送成分とは、硬化性電荷輸送化合物中の電荷輸送基及び電荷輸送化合物の両方を意味する。)
を満たす条件で分布している電子写真感光体は、機械的強度及び電気的特性に優れ、高品位の画像を長期にわたり安定して形成することが可能である。
K=L/M かつ K<0.95
(式中、Lは電子写真感光体の表面から、第二電荷輸送層中の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示し、Mは電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示す。なお電荷輸送成分とは、硬化性電荷輸送化合物中の電荷輸送基及び電荷輸送化合物の両方を意味する。)
を満たす条件で分布している電子写真感光体は、機械的強度及び電気的特性に優れ、高品位の画像を長期にわたり安定して形成することが可能である。
1 電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
Claims (8)
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、第一電荷輸送層及び第二電荷輸送層をこの順に有し、前記第二電荷輸送層が最表面層である電子写真感光体において、前記第二電荷輸送層は、下記一般式(1)で表される硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を重合及び架橋のいずれか一方又は両方を行うことによって得られる化合物を含有し、かつ前記第二電荷輸送層中に含有される電荷輸送成分が、下記条件を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
K=L/M かつ K<0.95
(式中、Lは電子写真感光体の表面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示し、Mは第一電荷輸送層と第二電荷輸送層の界面から、第二電荷輸送層の膜厚の40%の深さまでに存在する電荷輸送成分の濃度を示す。なお電荷輸送成分とは、下記一般式(1)で表される化合物中のトリフェニルアミンを意味する。)
(式中、Aはトリフェニルアミン骨格を有する電荷輸送性基を示し、P1及びP2は連鎖重合性官能基を示し、Zは置換基を有しても良い有機基を示し、a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは1以上の整数を示す。P1とP2は同一でも異なっても良く、また、aが2以上の場合P1は同一でも異なっても良く、dが2以上の場合P2は同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Z及びP2のそれぞれは同一でも異なっても良い。) - 前記一般式(1)において、a+b×dが2以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記硬化性化合物の少なくとも一種は、アクリル基、メタクリル基あるいはスチレン基のいずれかを有することを特徴とする請求項1から2のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1におけるL及びMが、下記条件を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
K=L/M かつ 0.25<K<0.80 - 前記第二電荷輸送層は、熱、紫外線あるいは放射線のいずれかにより硬化されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記第二電荷輸送層は、電子線により硬化されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、この電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、前記電子写真感光体の表面からトナーを除去するクリーニング手段とを有する電子写真感光体に装着されるプロセスカートリッジであって、前記電子写真感光体と、前記帯電手段、前記現像手段、及び前記クリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも一つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、この電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に露光によって静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーによって現像する現像手段と、前記電子写真感光体に形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段とを有することを特徴とする電子写真装置。
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