JP2005041992A - 顔料分散液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 市販の顔料を使用することができ、さらに、水性塗料又は水性インクに用いた際に、長期保存安定性に優れ、得られる塗膜あるいは印刷物が高い光学濃度(OD)を示し、かつ耐擦過性及び耐水性に優れる顔料分散液を提供すること。
【解決手段】 (1)重量平均分子量(Mw)が9,000〜80,000の範囲にあり、かつ酸性基を有する樹脂中の酸性基の一部ないし全部を塩基で中和した後、前記樹脂を水性媒体中に乳化又は懸濁化して分散させて、前記樹脂の平均粒子径が0.01〜1μmの範囲にある樹脂分散液を得る第1工程、(2)第1工程で得た樹脂分散液に顔料を加えた後、摩砕する第2工程及び(3)第2工程で得た摩砕物を、ホモジナイザーを用いて更に細分化する第3工程を含むことを特徴とする顔料分散液の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性インク又は水性塗料の製造原料として有用な顔料分散液の製造方法に関し、更に詳しくは、水性塗料又は水性インクに用いた際に、長期保存安定性に優れ、得られる塗膜あるいは印刷物が高い光学濃度(OD)を示し、かつ耐擦過性及び耐水性に優れる顔料分散液の製造方法に関する。
従来、水性塗料及び水性インク用顔料分散液は、顔料を細分化し、水性媒体中に均一に分散するため、界面活性剤等の分散剤存在下で水性媒体中に顔料を分散することにより製造されている。例えば、スチレン−アクリル酸共重合体等の樹脂と顔料とを水系分散媒体中で、少なくとも1×10kg/m・secの液体圧力下、微細オリフィスを通して大気圧の分散室に噴射し、顔料粒子を破砕・分散することによりインクジェットインク用顔料分散液を得る製造方法が提案されている。しかし、この顔料分散液は、所望とする保存安定性、耐目詰まり性等の効果を得るために、更に遠心濾過及びフィルター濾過を行って粗粒の顔料を除去する必要があり、結果として、製造工程が繁雑化し、製造コストが高くなる問題があった(例えば、特許文献1参照。)。
また、顔料を炭素原子数8〜18のアルコールのリン酸化エステルのカリウム塩等の界面活性剤の存在下、水性キャリア媒体中で、高速ミル等を用いて摩砕分散することによりインクジェットインク用顔料分散液を製造する方法が提案されている。しかし、この顔料分散液では、界面活性剤が水性媒体中に残存し、水性媒体中に残存する界面活性剤は、水性塗料や水性インクに含まれたまま供されるため、この顔料分散液を用いた水性塗料や水性インクは、長期保存安定性が十分ではなかった。また、この顔料分散液を用いた水性塗料や水性インクの塗膜又は印刷物の光学濃度(OD)が低く、耐水性も十分でない問題があった(例えば、特許文献2参照。)。
更に、水に自己分散可能な顔料を超音波ホモジナイザー等を用いて、水中で分散させた後、水及び溶解度パラメーター(以下、SPという。)が12以下で、25℃における表面張力が40mN/m未満の水溶性有機化合物と混合することによりインクジェットインク用顔料分散液を製造する方法が提案されている。しかし、この方法に用いる顔料は、通常の顔料ではなく、特殊な顔料(表面改質処理して水に自己分散可能にした顔料)であり、この方法によって得られる顔料分散液は、結果として、製造コストが高くなる問題があった(例えば、特許文献3参照。)。
特開平7−305006号公報 特開平10−176131号公報 特開平11−228898号公報
本発明が解決しようとする課題は、市販の顔料を使用することができ、さらに、水性塗料又は水性インクに用いた際に、長期保存安定性に優れ、得られる塗膜あるいは印刷物が高い光学濃度(OD)を示し、かつ耐擦過性及び耐水性に優れる顔料分散液を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)重量平均分子量(Mw)が9,000〜80,000の範囲にあり、かつ酸性基を有する樹脂中の酸性基の一部ないし全部を塩基で中和した後、前記樹脂を水性媒体中に乳化又は懸濁化して分散させて、平均粒子径が0.01〜1μmの範囲にある前記樹脂分散液を得る第1工程、
(2)第1工程で得た樹脂分散液に顔料を加えた後、摩砕する第2工程及び
(3)第2工程で得た摩砕物を、ホモジナイザーを用いて更に細分化する第3工程
を含むことを特徴とする顔料分散液の製造方法を提供する。
本発明の製造方法で得られた顔料分散液を用いることで、長期保存安定性に優れた水性塗料や水性インクが得られる。また、これらの水性塗料や水性インクから得られる塗膜あるいは印刷物は、高い光学濃度(OD)を示し、かつ耐擦過性及び耐水性に優れる。さらに、インクジェットプリンター用インクに用いた場合、高温保存下でもインクの保存安定性が良好で、保存前後ともに優れた耐目詰まり性を有している。
本発明を以下に詳しく説明する。本発明の製造方法の第1工程で用いる酸性基を有する樹脂は、水性媒体に乳化又は懸濁化して分散することができる樹脂であれば、特に限定されない。このような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル−ポリウレタン樹脂、水分散性アルキド樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体(ハーフエステル化又はエステル化されたマレイン酸を原料とする樹脂も含む。)等が挙げられる。更に、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ビニルピロリドン樹脂及びこれらの共重合体も挙げられる。これらの中でも、スチレン−マレイン酸共重合体及びスチレン−アクリル共重合体が特に好ましい。
前記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量は、9,000〜80,000の範囲にあるものが好ましく、15,000〜70,000の範囲にあるものが特に好ましい。重量平均分子量がこの範囲内であれば、この樹脂で分散した顔料分散液をインクジェットプリンター用インクとして用いた場合、保存安定性が良好で、析出、乾燥固着したインクがすばやく再溶解して復帰するので、ノズルの目詰まりが起こりにくく、印字後の耐擦過性も良好となる。
前記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量が9,000未満であると、初期の分散は比較的容易であるが、経時的に顔料分散液中の顔料が凝集、沈降を起こし易く、保存安定性が不良となる問題がある。また、分子量が低いため印字後の耐擦過性等の定着性に劣る傾向にある。一方、重量平均分子量が80,000を超えると、初期分散性や析出、乾燥固着したインクの再溶解性に問題がある。
前記酸性基を有する樹脂の酸価は、100〜400mgKOH/gの範囲にあるものが好ましい。この範囲の酸価であれば、水性媒体中での樹脂の乳化又は懸濁化が容易となる。
前記酸性基を有する樹脂のSPが、10〜15の範囲にあるものが好ましく、10.0〜12.5の範囲にあるものが特に好ましい。SPがこの範囲にあれば、水性媒体中での樹脂の乳化又は懸濁化が容易となる。
更に、前記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量と溶解度パラメーターとの相関関係が、次式で表される範囲内にあるものがより好ましい。
Figure 2005041992
[ただし、式中、SPは溶解度パラメーターを、Mwは重量平均分子量をそれぞれ表す。]
本発明の製造方法の第1工程で、樹脂分散液を得るには、前記酸性基を有する樹脂中の酸性基の一部ないし全部を塩基で中和した後、撹拌機等を用いて、水性媒体中で乳化又は懸濁化させることによって容易に製造することができる。また、必要に応じて、酸性基を有する樹脂を有機溶剤に溶解した後、塩基で中和して水性媒体中に乳化又は懸濁化させることによって水性媒体分散液を得ることもできる。
前記塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、有機アミン等が挙げられる。これらの中でも、樹脂の溶解性や顔料分散液の保存安定性などの点から、水酸化カリウムが好ましい。
酸性基を有する樹脂中の酸性基を中和する際は、酸性基の総量に対して0.2〜2当量の塩基を加えることが好ましい。酸性基の総量に対して0.2〜2当量の塩基を加えることで、水性媒体中に樹脂をより安定に乳化又は懸濁化することができる。また、1当量以上の塩基を加えると、多くの樹脂が水性媒体中に溶解するが、低い酸価の樹脂や高分子量の樹脂等では、完全に溶解せずに乳化又は懸濁化状態を保つものもあり、このような樹脂の場合、1当量以上塩基を添加することができる。
前記水性媒体は、低粘度であること、安全性に優れていること、取扱いが容易であること、コストが安いこと、臭気がないこと等の理由から水が好ましい。また、水性媒体には、乳化液又は懸濁液の安定化、分散性向上、乾燥防止を目的として、水溶性有機溶剤を水と併用することもできる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等の1価アルコール類;グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのエーテル化物;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の含窒素有機溶剤等が挙げられる。
前記第1工程で得られる樹脂分散液中の酸性基を有する樹脂の平均粒子径は、0.01〜1μmの範囲にあるものが好ましく、0.01〜0.8μmの範囲にあるものがより好ましい。酸性基を有する樹脂の平均粒子径がこの範囲にあれば、得られる樹脂分散液の顔料分散性が良好となり、顔料分散後の顔料分散液の保存安定性も良好となる。
本発明の製造方法の第2工程で用いる顔料は、特に限定されるものではなく、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;銅化合物、鉄化合物、酸化チタン等の無機顔料、アニリンブラック、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キノフタロン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、アゾ系顔料、レーキ顔料等の有機顔料;表面を樹脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料等が挙げられる。
前記顔料は、ドライパウダー及びウェットケーキのいずれも用いることができる。また、これらの顔料は、単独で用いることも、2種類以上を併用することもできる。
前記顔料は、その粒子径が25μm以下のものからなる顔料が好ましく、1μm以下のものからなる顔料が特に好ましい。粒子径がこの範囲にあれば、顔料の沈降が発生しにくく、顔料分散性、保存安定性が良好となる。
前記顔料の添加量は、顔料分散液の全量に対して、1〜70質量%の範囲が好ましい。添加量がこの範囲にあれば、顔料の分散効率が良好で、得られた顔料分散液の着色力も充分なものとなる。
本発明の製造方法の第2工程で、前記樹脂分散液と顔料との混合物を摩砕する方法としては、例えば、分散撹拌機、高圧衝突型分散機、ニーダー、ロールミル、アトライター又はメディアミル等の被摩砕物に高せん断力及び高摩砕力を与えることができる機械を用いて摩砕する方法が挙げられる。これらの摩砕に用いる機械は、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
前記摩砕方法に用いる摩砕媒体としては、例えば、ガラス、セラミック、金属、ポリマー樹脂ビーズ等が挙げられる。摩砕媒体は、粒子からなるものが好ましく、実質的に球形状のビーズが好ましく、その比重は大きいほど好ましく、その大きさは細かいほど好ましい。ただし、メディアミルには、通常、硬質の不活性摩砕媒体を用いる必要がある。
本発明の製造方法の第2工程により、二次凝集していた顔料を一次粒子に解膠することができる。この第2工程で得られた顔料分散液をミルベースとする。
本発明の製造方法の第3工程では、第2工程で摩砕したミルベースを、更に、ホモジナイザーを用いて細分化する。ホモジナイザーは、高衝撃力と瞬間的な高圧を伴うキャビテーション現象を発現する。このホモジナイザーの作用により、第2工程で摩砕された顔料を取り囲んでいる樹脂と顔料粒子とを同時に微細化し、分散することができるので、安定で再凝集しない均一な状態の顔料分散液が得られる。
前記ホモジナイザーとしては、例えば、高速ホモミキサー、ライン式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中から、ミルベースの粘度及び目的とする顔料の粒子径等を考慮し、適正な機種を任意に1機種又は複数の機種を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の製造方法の第2工程又は第3工程では、必要に応じて、チオ尿素、エチレン尿素等の乾燥防止剤;リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等のpH調整剤;安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸、ベンゾトリアゾール等の防かび剤あるいは防錆剤;ノニオン系、アニオン系等の界面活性剤あるいは高分子顔料分散剤等を添加することもできる。
上記のような本発明の製造方法の第1〜3工程を経ることで、水性塗料又は水性インクに用いた際に、長期保存安定性に優れ、得られる塗膜あるいは印刷物が高い光学濃度(OD)を示し、かつ耐擦過性及び耐水性に優れる顔料分散液を製造することができる。
本発明の製造方法によって得られる顔料分散液は、そのまま水性インク又は水性塗料等の色材として用いることができる。また、必要に応じてビヒクルを追加し、再分散加工して水性インク又は水性塗料とすることもできる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、使用した原料は、特に断りがないものは、大日本インキ化学工業株式会社製のものである。また、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。さらに、実施例及び比較例で用いた水は、すべてイオン交換水である。
さらに、実施例及び比較例で用いた各装置は、以下のものである。
(撹拌機)
新東科学(株)製の装置名「スリーワンモーター(HEIDON600G)」
(6筒式サンドグラインダー)
アイメックス(株)製の装置名「OSG−29」
(分散撹拌機)
特殊機化工業(株)製の装置名「T.K.ホモディスパー(HOMODISPER) 2.5型」
(超音波ホモジナイザー)
(株)日本精機製作所製の装置名「US−1200」
(高圧ホモジナイザー)
ナノマイザー(株)製の装置名「ナノメーカー200」
<実施例1>
スチレン−マレイン酸ハーフエステル((株)岐阜セラック製造所製の製品名「DSS−11」、酸価:180mgKOH/g、重量平均分子量:18,000、SP:11.1)15部、トリエタノールアミン3.5部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.5当量に相当する量)及び水81.5部を撹拌機を用いて、55℃で混合撹拌することにより、乳白色の樹脂分散液(R−1)を得た。この樹脂分散液(R−1)中の樹脂の粒子径は0.05μmであった。
次に、樹脂分散液(R−1)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離してミルベース(M−1)を得た。
上記で得たミルベース(M−1)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料分散液(D−1)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−1)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(1)を得た。
<実施例2>
スチレン−マレイン酸ハーフエステル−メチルメタクリレート((株)岐阜セラック製造所製の製品名「DSS−24」、酸価:166mgKOH/g、重量平均分子量:9,000、SP:11.6)15部、水酸化カリウム2.12部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.85当量に相当する量)、水82.88部を撹拌機を用いて、70℃で混合撹拌することにより、乳白色の樹脂分散液(R−2)を得た。この樹脂分散液(R−2)中の樹脂の粒子径は0.63μmであった。
次に、樹脂分散液(R−2)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−2)を得た。
上記で得たミルベース(M−2)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料分散液(D−2)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−2)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(2)を得た。
<実施例3>
スチレン−アクリル樹脂((株)岐阜セラック製造所製の製品名「DSS−19」、酸価:384mgKOH/g、重量平均分子量:37,000、SP:11.7)15部、水酸化カリウム2.30部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.40当量に相当する量)及び水82.70部を撹拌機を用いて、70℃で混合撹拌することにより、乳白色の樹脂分散液(R−3)を得た。この樹脂分散液(R−3)中の樹脂の粒子径は0.74μmであった。
次に、樹脂分散液(R−3)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−3)を得た。
上記で得たミルベース(M−3)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理し、顔料分散液(D−3)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−3)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(3)を得た。
<実施例4>
実施例1で得た樹脂分散液(R−1)76部及び青色顔料(製品名「ファーストゲンブルー(FASTOGEN BLUE)GBK」)のウェットケーキ(固形分48%)24部を混合撹拌した後、分散撹拌機で2時間摩砕して、ミルベース(M−4)を得た。
上記で得たミルベース(M−4)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料分散液(D−4)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−4)36部、グリセリン 17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(4)を得た。
<実施例5>
スチレン−マレイン酸ハーフエステル((株)岐阜セラック製造所製の製品名「DSS−25」、酸価:116mgKOH/g、重量平均分子量:42,000、SP:11.0)15部、水酸化カリウム1.57部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.90当量に相当する量)及び水83.43部を撹拌機を用いて、70℃で混合撹拌することにより、半透明の樹脂分散液(R−5)を得た。この樹脂分散液(R−5)中の樹脂の粒子径は0.51μmであった。
次に、樹脂分散液(R−5)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−5)を得た。
上記で得たミルベース(M−5)70部、水30部を混合撹拌し、液圧147MPaの高圧ホモジナイザーを用いて5回処理して、顔料分散液(D−5)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−5)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(5)を得た。
<実施例6>
スチレン−マレイン酸ハーフエステル((株)岐阜セラック製造所製の製品名「DSS−13」、酸価:189mgKOH/g、重量平均分子量:3,7000、SP:11.1)15部、水酸化カリウム1.70部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.60当量に相当する量)及び水83.3部を撹拌機を用いて、55℃で混合撹拌することにより、乳白色の樹脂分散液(R−6)を得た。この樹脂分散液(R−6)中の樹脂の粒子径は0.33μmであった。
次に、樹脂分散液(R−6)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離してミルベース(M−6)を得た。
上記で得たミルベース(M−6)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理し、顔料分散液(D−6)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−6)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(6)を得た。
<実施例7>
スチレン−アクリル樹脂((株)岐阜セラック製造所製の製品名「DSS−21」、酸価:250mgKOH/g、重量平均分子量:23,000、SP:11.7)15部、水酸化カリウム1.69部(スチレン−アクリル中の酸性基の総量に対して0.45当量に相当する量)及び水83.31部を撹拌機を用いて、65℃で混合撹拌することにより、乳白色の樹脂分散液(R−7)を得た。この樹脂分散液(R−7)中の樹脂の粒子径は0.05μmであった。
次に、樹脂分散液(R−7)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−7)を得た。
上記で得たミルベース(M−7)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料分散液(D−7)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−7)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(7)を得た。
<実施例8>
スチレン−マレイン酸ハーフエステル((株)岐阜セラック製造所製の製品名「DSS−23」、酸価:237mgKOH/g、重量平均分子量:65,000、SP:11.1)15部、水酸化カリウム1.99部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.56当量に相当する量)及び水83.01部を撹拌機を用いて、65℃で混合撹拌することにより、半透明の樹脂分散液(R−8)を得た。この樹脂分散液(R−8)中の樹脂の粒子径は0.04μmであった。
次に、樹脂分散液(R−8)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−8)を得た。
上記で得たミルベース(M−8)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料分散液(D−8)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−8)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(8)を得た。
<実施例9>
スチレン−マレイン酸ハーフエステル((株)岐阜セラック製造所製の製品名「RS−88」、酸価:104mgKOH/g、重量平均分子量:41,500、SP:10.6)15部、水酸化カリウム1.25部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.80当量に相当する量)及び水83.75部を撹拌機を用いて、65℃で混合撹拌することにより、半透明の樹脂分散液(R−9)を得た。この樹脂分散液(R−9)中の樹脂の粒子径は0.30μmであった。
次に、樹脂分散液(R−9)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−9)を得た。
上記で得たミルベース(M−9)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料分散液(D−9)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−9)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(9)を得た。
<比較例1>
実施例1で得た樹脂分散液(R−1)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで9時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、顔料分散液(D−C1)を得た。
顔料分散液(D−C1)36部、グリセリン18部及び水46部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(C1)を得た。
<比較例2>
実施例1で用いたものと同じスチレン−マレイン酸ハーフエステル15部、トリエタノールアミン7.0部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して1.0当量に相当する量)及び水78部を撹拌機を用いて、55℃で混合撹拌することにより、淡黄色透明な樹脂水溶液(R−C2)を得た。この樹脂水溶液(R−C2)中の樹脂は、溶解状態であった。
次に、樹脂水溶液(R−C2)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−C2)を得た。
上記で得たミルベース(M−C2)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料分散液(D−C2)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−C2)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(C2)を得た。
<比較例3>
スチレン−マレイン酸ハーフエステル((株)岐阜セラック製造所製の製品名「DSS−17」、酸価:167mgKOH/g、重量平均分子量:7,900、SP:11.5)15部、水酸化カリウム1.47部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.59当量に相当する量)及び水83.53部を撹拌機を用いて、65℃で混合撹拌することにより、半透明の樹脂分散液(R−C3)を得た。この樹脂分散液(R−C3)中の樹脂の粒子径は0.05μmであった。
次に、樹脂分散液(R−C3)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−C3)を得た。
上記で得たミルベース(M−C3)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料分散液(D−C3)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−C3)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(C3)を得た。
<比較例4>
スチレン−マレイン酸ハーフエステル「DSS−16((株)岐阜セラック製造所製)」(酸価205mgKOH/g、重量平均分子量110,000、SP11.1)15部、TEA 4.50部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.58当量に相当する量)及び水80.5部を撹拌機を用いて、65℃で混合撹拌することにより半透明の樹脂分散液(R−C4)を得た。この樹脂分散液(R−C4)中の樹脂の粒子径は0.005μmであった。
次に、樹脂分散液(R−C4)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズを500部加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−C4)を得た。
上記で得たミルベース(M−C4)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理し、顔料分散液(D−C4)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−C4)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(C4)を得た。
<比較例5>
スチレン−マレイン酸((株)岐阜セラック製造所製の製品名「GSM1001」、酸価:472mgKOH/g、重量平均分子量:12,400、SP:14.4)15部、水酸化カリウム5.66部(スチレン−マレイン酸中の酸性基の総量に対して0.80当量に相当する量)及び水79.34部を撹拌機を用いて、75℃で混合撹拌することにより、透明な樹脂水溶液(R−C5)を得た。この樹脂水溶液(R−C5)中の樹脂は、溶解状態であった。
次に、樹脂水溶液(R−C5)85部及びマゼンタ色顔料(製品名「シムラースーパーマゼンタ(SYMULER SUPER MAGENTA)RG」)15部を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベース(M−C5)を得た。
上記で得たミルベース(M−C5)70部、水30部を混合撹拌し、出力15Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料分散液(D−C5)を得た。
更に、上記で得た顔料分散液(D−C5)36部、グリセリン17部及び水47部を混合し、1μmのフィルターで濾過して、水性インク(C5)を得た。
実施例及び比較例で得た樹脂分散液及び水性インクの評価を以下の方法によって行った。
(樹脂分散液中の樹脂の平均粒子径の測定)
25℃において、マイクロトラック(株)製の装置名「UPA150」を用いて、樹脂分散液中の樹脂の平均粒子径を測定した。
(水性インクの粘度)
25℃において、東機産業(株)製の装置名「ELD型粘度計」を用いて、ローター:1°34’×R24、回転数:100min−1の測定条件で水性インクの粘度を測定した。
(水性インクの保存安定性)
実施例及び比較例で得た水性インクをガラス製サンプル瓶中に密閉して、50℃で14日間保存した後、25℃の恒温水槽中で静置し、室温に戻した。保存後の水性インク中の顔料粒子の凝集を光学顕微鏡を用いて観察して、以下の基準で保存安定性を評価した。
◎:凝集物無し、○:一部凝集物があるが大部分は凝集物無し、
△:凝集物が少量有り、×:凝集物多数有り
(印字サンプルの作製)
実施例及び比較例で得た水性インクをインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製の製品名「インクジェットプリンターMJ−510C」)のインクカートリッジに充填し、インクジェット専用紙(コクヨ(株)製の「KJ−1110N」)に印字を行った。
(耐目詰まり性)
実施例及び比較例で得た水性インクを40℃で2日間保存後、この40℃保存後の水性インクを用いて、上記の方法で印字サンプルを作製した。次に、作製した印字サンプルの印字部に発生したドット抜けを観察して、以下の基準で耐目詰まり性を評価した。
◎:ドット抜け無し、○:ドット抜け2カ所以内、
△:ドット抜け5カ所未満、×:ドット抜け5カ所以上
(印字濃度)
上記で作製した印字サンプルの印字部をMacbeth反射濃度計(Macbeth社製の装置名「RD−918」)によって光学濃度(OD)を測定した。得られた光学濃度(OD)の値から、以下の基準で評価した。
◎:1.40以上、○:1.35以上1.40未満、
△:1.30以上1.35未満、×:1.30未満
(耐擦過性)
上記の方法で、印字サンプルを作製して2時間放置した後、印字面を指で強く擦り、耐擦過性を以下の基準で評価した。
○:印字面の濃度低下が見られず、非印字面も汚れなし。
△:印字面の濃度はほとんど低下しないが、やや非印字面に汚れがある。
×:印字面の濃度が低下し、非印字面の汚れが目立つ。
(耐水性)
印字サンプルを水に10分間浸漬して、浸漬後の印字部の濃度を測定した。この浸漬後の濃度と浸漬前の濃度との差から、以下の基準で耐水性を評価した。
○:濃度差が0.06以下、△:濃度差が0.06を超え0.1未満、
×:濃度差が0.1以上
実施例の評価結果を表1に、比較例の評価結果を表2に示す。



Figure 2005041992









Figure 2005041992
表1及び表2中の装置の略号は、それぞれ以下のものを表す。
SG:6筒式サンドグラインダー
SD:分散撹拌機
UH:超音波ホモジナイザー
HPH:高圧ホモジナイザー
表1に示した結果から、本発明の製造方法によって得られた実施例1〜9の水性インクは、印字濃度の高い高印字品質であり、耐擦過性、耐水性も良好であった。また、これらの水性インクを長期間、高温下で保存しても、顔料粒子の凝集及び沈降がなく、固形分の析出もなかった。更に、インクジェットプリンター用インクに用いても、目詰まり等の問題がなく、高品位の印字が可能であった。
比較例1の水性インクは、本発明の製造方法の第3工程のホモジナイザーによる細分化を行わなかった例である。この水性インクでは、目詰まり性及び保存安定性に問題があり、インクジェットプリンター用インクとして用いることができなかった。
比較例2の水性インクは、本発明の製造方法の第1工程で得られる樹脂分散液中の樹脂が溶解し、樹脂分散液が乳化又は懸濁化状態でない例である。この水性インクでは、耐擦過性及び目詰まり性は良好であったが、印字濃度、耐水性及び保存安定性に問題があった。
比較例3の水性インクは、酸性基を有する樹脂の重量平均分子量が9,000未満の例である。この水性インクでは、印字濃度、耐擦過性、耐水性、目詰まり性及び保存安定性に若干問題があった。
比較例4の水性インクは、酸性基を有する樹脂の重量平均分子量が80,000を超えた例である。この水性インクでは、印字濃度、耐擦過性及び耐水性は良好であったが、目詰まり性及び保存安定性に若干問題があった。
比較例5の水性インクは、本発明の製造方法の第1工程で得られる樹脂分散液中の樹脂が溶解し、樹脂分散液が乳化又は懸濁化状態でなく、かつ酸性基を有する樹脂の酸価及びSPが、本発明で規定した値から外れた例である。この水性インクでは、目詰まり性及び保存安定性に問題があり、インクジェットプリンター用インクとして用いることができなかった。
本発明の製造方法で得られた顔料分散液は、インクジェットプリンター用インク以外に、筆記具用のインク、水性塗料、顔料捺染剤、染色剤等にも用いることができる。
図1は、実施例及び比較例で用いた酸性基を有する樹脂の重量平均分子量とSPとの相関を示した図である。

Claims (6)

  1. (1)重量平均分子量(Mw)が9,000〜80,000の範囲にあり、かつ酸性基を有する樹脂中の酸性基の一部ないし全部を塩基で中和した後、前記樹脂を水性媒体中に乳化又は懸濁化して分散させて、前記樹脂の平均粒子径が0.01〜1μmの範囲にある樹脂分散液を得る第1工程、
    (2)第1工程で得た樹脂分散液に顔料を加えた後、摩砕する第2工程及び
    (3)第2工程で得た摩砕物を、ホモジナイザーを用いて更に細分化する第3工程
    を含むことを特徴とする顔料分散液の製造方法。
  2. 前記酸性基を有する樹脂として、酸価が100〜400mgKOH/gの範囲にある樹脂を用いる請求項1記載の顔料分散液の製造方法。
  3. 前記酸性基を有する樹脂として、溶解度パラメーター(SP)が10〜15の範囲にある樹脂を用いる請求項1又は2記載の顔料分散液の製造方法。
  4. 前記酸性基を有する樹脂として、重量平均分子量と溶解度パラメーターとの相関関係が次式で表される範囲内にある樹脂を用いる請求項1、2又は3項記載の顔料分散液の製造方法。
    Figure 2005041992
    [ただし、式中、SPは溶解度パラメーターを、Mwは重量平均分子量をそれぞれ表す。]
  5. 塩基の使用量が、前記酸性基を有する樹脂中の酸性基の総量に対して、0.2〜2当量の範囲にある請求項1〜4のいずれか1項記載の顔料分散液の製造方法。
  6. 前記酸性基を有する樹脂が、スチレン−マレイン酸共重合体又はスチレン−アクリル酸共重合体である請求項1〜5のいずれか1項記載の顔料分散液の製造方法。
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