JP4748996B2 - 水性顔料分散液の製造方法、水性顔料分散液、画像記録方法、画像記録物および画像記録装置 - Google Patents

水性顔料分散液の製造方法、水性顔料分散液、画像記録方法、画像記録物および画像記録装置 Download PDF

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本発明は、水性顔料分散液の製造方法、水性顔料分散液、画像記録方法、画像記録物および画像記録装置に関し、さらに詳しくは顔料を超微細に分散した水性顔料分散液の製造方法、それをインクジェット記録用インクなどとして使用した際に優れた微粒子分散状態とインクの保存安定性、吐出安定性を示し、従来達し得なかった発色やグロスを呈する画像を形成する画像記録方法、また、該インクを搭載した水性インクジェット・プリンタなどの画像記録装置の提供を目的とする。
インクジェット記録用インクで使用される色材は染料と顔料とに大別されるが、色材として顔料を使用するインクジェット記録用インクは、色材として染料を使用するインクと比較して、印刷物の耐水性、耐光性などの堅牢性が優れるという特徴がある。また、染料インクは色材である染料をインク媒体中に溶解して使用するのに対し、顔料インクは色材である顔料をインク媒体中に微細に分散した顔料分散液として使用される。従って、顔料インクの製造方法では、顔料を微細に分散する分散工程が必須となる。
特に、インクジェット記録は、数十μmの非常に細いノズルからインク滴を吐出して画像を記録する印刷方法であるため、インクがノズルを詰まらせないこと、インクの吐出安定性が優れること、被記録媒体上では発色性、グロスが高いことが必要となる。さらに、インクがこれら特性を長期間維持すること、すなわち高い保存安定性を有することが必要である。顔料の微粒子化はプリンタに満足な耐ノズル詰まり性および吐出安定性を付与し、印刷物に満足な発色濃度およびグロスを与えるために必須であり、これらの特性を満足するためにはインク中の顔料はできるだけ微粒子分散することが要求される。
顔料分散とは凝集体として存在している顔料を一次粒子または一次粒子に近い状態まで磨砕または解砕する操作であるが、顔料の一般的分散方法は、顔料と分散剤を分散媒体中で混合した顔料分散混合液をボールミルやサンドミルなどの分散装置と分散メディアを組み合わせ、磨砕または分散するものである。分散メディアとしてガラス、鉄、セラミックスなどの材質からなる直径数mmから1mm程度のビーズが使用される。このビーズ径を小さくすることにより、幾何級数的に単位体積当たりのビーズ個数が増え、顔料とビーズとの衝突回数が飛躍的に増大し、顔料の微粒子分散が可能になる。
しかし、ビーズ径が小さくなりすぎると、ビーズ1個あたりの質量が小さくなり顔料との衝突の際に顔料に対する衝撃力が格段に弱くなり、顔料の分散に長時間を要したり、顔料の微粒子分散ができなかったりする。さらには、分散機内部でビーズと顔料分散混合液を分離することができない。このため、特に顔料を微粒子分散する場合にはビーズの直径を0.2mmから1.0mmのサイズのものが使用されている。
インクジェット・プリンタの最近の高解像度、高印刷速度化に伴なって、顔料インクのさらなる吐出安定性、高濃度化、高グロス性が要求されるようになった。このためインク中の顔料分散粒子径のさらなる微細化が必要となった。すなわち、インク中の顔料粒子径を小さくすればインクの発色濃度が上がり、かつインク皮膜中の顔料粒子による光の散乱が抑えられることにより画像の高グロス化が可能になるからである。しかし、上記のビーズ直径0.2mmから1.0mmの範囲のビーズを用いる方法では、現行以上の顔料の微粒子化は困難であった。また、分散装置の運転条件を強化する、例えば、顔料分散混合液の分散装置内での滞留時間を長くする、分散装置の周速を上げるなどの方法でさらなる顔料の微粒子化を行うことは可能であるが、これらの方法では得られた分散液の保存性が著しく低下したり、分散液の生産性を低下させるという問題が発生していた。
本発明の一態様により以下のものが提供される。
1.少なくとも顔料と分散剤とを水系媒体中で混合した顔料分散混合液を、直径0.02mm以上0.2mm未満のマイクロビーズを使用して超微細分散する工程を有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
2.予め上記顔料分散混合液を、直径0.5mm〜2mmのビーズを使用して微分散する工程を有する前記1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
3.予め上記顔料分散混合液を、顔料の平均粒子径が100〜500nmの微粒子状に分散する工程を有する前記2に記載の水性顔料分散液の製造方法。
4.顔料分散混合液が、アニュラー型分散機で超微細分散される前記1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
5.上記分散機の1時間当たりの顔料分散混合液の流量X(リットル)が、分散機のミル有効容積L(リットル)とした時、下記不等式(1)を満たすように超微細分散を実施する前記4に記載の水性顔料分散液の製造方法。
0.005<L/X<0.01 (1)
6.前記1に記載の製造方法によって得られたことを特徴とする水性顔料分散液。
7.水性顔料分散液に、皮膜形成性重合体、架橋剤、造膜助剤、pH調整剤、界面活性剤、ノズル乾燥防止剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、防バイ剤および抗菌剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加物を含む前記6に記載の水性顔料分散液。
8.インクジェット記録用インクである前記7に記載の水性顔料分散液。
9.前記6に記載の水性顔料分散液を使用して画像記録を行うことを特徴とする画像記録方法。
10.前記9に記載の画像記録方法によって得られたことを特徴とする画像記録物。
11.画像記録材として前記6に記載の水性顔料分散液を搭載していることを特徴とする画像記録装置。
12.水性インクジェット・プリンタである前記11に記載の画像記録装置。
さらに詳しく説明すると、本発明者らは上記分散機によって製造された水性顔料インクの問題点を解決し、水性顔料インクのさらなる吐出安定性、高濃度化、高グロス性向上を可能にする顔料の微粒子化のための分散方法を開発すべく鋭意研究した結果、分散メディアとして直径0.02mm以上0.2mm未満のマイクロビーズを使用し、好ましくはアニュラー型の循環タイプの分散機と組み合わせ、さらに好ましくは顔料分散混合液の分散機からの顔料分散混合液の流量が下記不等式(1)を満たすように顔料の分散を実施することで本目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
0.005<L/X<0.01 (1)
上記不等式(1)においてLおよびXは前記と同じ意味を有する。
ここで顔料分散混合液の流量とは以下に説明される。分散装置は分散機と、顔料分散混合液を分散機に送り込む輸送ポンプと、分散機から送り出される顔料分散混合液の受け容器からなる。受け容器は輸送ポンプを介して分散機に接続されている。顔料分散混合液は、輸送ポンプにより分散機に送り込まれ、分散処理をされて排出される。この1時間当たりの排出量を顔料分散混合液の流量とし、これをX(リットル)とする。L(リットル)は分散機のミル有効容積を表す。L/Xが0.005より小さいと目的とする顔料の微粒子化が困難であり、L/Xが0.01より大きいと顔料の微粒子化は可能であるが、得られた分散液からなるインクの保存性が低下することが判明した。
アニュラー型循環タイプの分散機は高速回転する環状のローター構造を有している。入り口から導入された顔料分散混合液は外側のローターから内側へ回り込み、ミル内を通過した顔料分散混合液は中心部の回転スクリーンから排出される。一方、顔料分散混合液と一緒に循環するビーズは外側ローターに設けられたスリットあるいは孔から外側ローターの顔料分散混合液入り口で、ビーズ自身の高速回転による遠心力でリターンされる。従って、マイクロビーズとスクリーンは実質的に接触することもなく、分散液とマイクロビーズの分離が可能となる。
顔料分散とは、凝集体として存在している顔料を一次粒子または一次粒子に近い状態まで磨砕または解砕する操作である、と先に説明した。顔料分散の初期の工程ではこの凝集体が顔料分散混合液中に粗粒として存在するが、分散機または外側スクリーンの入り口から導入された顔料分散混合液が回転スクリーンを通り排出される際に、この粗粒がスクリーンを詰まらせるという問題が発生する。これは顔料分散混合液とビーズを分離するスクリーンの開口サイズが使用するビーズ径より小さくなっており、顔料分散の初期では顔料分散混合液中にスクリーンを詰まらせるサイズの粗粒が含まれるためである。
この問題を鋭意検討したところ、好ましくは予め、顔料分散混合液を、好ましくは直径0.5mm〜2mmのビーズを使用して顔料の平均粒子径が、好ましくは100〜500nmの微粒子状に分散した後、前記のマイクロビーズを用いることにより顔料の超微細分散を行うことで解決できることが判明した。さらに、マイクロビーズを使用することでビーズ1個あたりの質量が小さくなり、ビーズと顔料との衝突の際に衝撃力が格段に弱くなり顔料粒子の結晶構造にダメージを与えないことで、得られる顔料分散液の保存性が格段に改善される。
本発明による水性顔料分散液は、顔料の微粒子性に優れ、粗粒が少なく、粒度分布がシャープとなり、発色性、保存性に優れたインクとすることができる。
本発明の製造方法による水性顔料分散液によるインクジェット記録用インクは、優れた顔料の微粒子分散状態と保存安定性、吐出安定性を示し、従来達し得なかった発色性、グロスを呈する画像を形成することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明で使用し、本発明を特徴づける直径0.02mm以上0.2mm未満のマイクロビーズはジルコニア、窒化ケイ素、シリコンカーバイドなどの材質のセラミックスマイクロビーズが好適である。次にアニュラー型循環タイプの分散機としては、縦型および横型のどちらでも使用でき、マイクロビーズはミル有効容積の80〜100%の範囲で充填することが好ましく、特に好ましい充填量は85〜100%の範囲である。
本発明の水性顔料分散液に含める顔料としては、特に制限はないが、従来公知の有機顔料および無機顔料が使用できる。例えば、アゾ顔料、高分子アゾ顔料、アゾメチンアゾ系顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサジン顔料などの有機顔料およびカーボンブラック顔料、酸化チタン顔料、酸化鉄顔料、複合酸化物顔料などの無機顔料が挙げられる。
分散剤としては、一般に顔料分散に用いられるアルカリ可溶性の高分子分散剤であるのが好ましく、水系媒体に溶解して使用される。より具体的にはスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、マレイン酸−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体のアミン塩、アルカリ金属塩など、さらに、上記のアニオン性共重合体にポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのノニオン性親水基を有するコモノマーやジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのカチオン性基を有するコモノマーを共重合してもよい。上記の共重合体はランダム、グラフトおよびブロック共重合体を意味する。また、カルボキシル基やスルホン基などの親水性基を有するポリエステル、ポリウレタンなどが使用できる。これら分散剤は、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用する。
顔料および分散剤をその中で混合する水系媒体とは、水と水に可溶な有機溶剤の混合物であるのが好ましい。水に可溶な有機溶剤とは、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、グリセリンのエチレンオキシド付加物、上記グリコール類のアルキルエーテル類(ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテルなど)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、チオジグリコール、2−ピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ネオペンチルアルコール、トリメチロールプロパン、2,2−ジメチルプロパノールなどが挙げられる。
本発明で使用する顔料分散混合液は、その顔料含有率が10〜40質量%であるのが好ましく、分散剤は顔料100質量部に対し5〜100質量部の比率で使用することが好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造については、前記したように、直ちに上記マイクロビーズを使用する超微細分散化工程を行うよりも、粒子径のやや大きいビーズを使用する予備分散を行って顔料粒子の大きさをある程度まで微細化して整えた後、マイクロビーズによる超微細分散を行うことが好ましい。すなわち、上記の各成分から構成される顔料分散混合液は顔料および分散剤を水系媒体に投入した後プレミキシングを行い、第1段目の分散として、直径0.5mm〜2mmのビーズを使用して顔料の平均粒子径を100〜500nmの微粒子状に分散した後、第2段目の分散として上記したマイクロビーズを充填したアニュラー型分散機で所定の時間分散処理を行い、水性顔料分散液となる。
この水性顔料分散液に水、水溶性有機溶剤、必要に応じて皮膜形成性重合体、架橋剤、造膜助剤、pH調整剤、界面活性剤、ノズル乾燥防止剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、防バイ剤、抗菌剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加物を混合し、顔料濃度の調整を行った後、遠心分離処理により粗大粒子を除去しインクジェット記録用インクなどの水性顔料分散液を得ることができる。
本発明の水性顔料分散液は、上記したインクジェット記録用インクの他、筆記具インク、水性グラビヤインク、水性フレキソインクなどの鮮明性に優れ、高発色濃度、高精細な画像形成用インクとして好適であり、また、水性塗料、水性捺染剤などの水性顔料分散液としても利用される。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中の「部」または「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1]
高分子分散剤(メタクリル酸/ブチルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエチルアクリレート=25/50/15/10の質量比で共重合したもの。重量平均分子量12,000)40部を水酸化カリウム7部、水23部およびトリエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル30部の混合液に投入し、80℃で加熱および撹拌して重合反応を行い、高分子分散剤ワニスを調整する。
このワニス(固形分43%)2.4kgに、赤色顔料C.I.ピグメントレッド(以下「PR」と略称する。)122(ジメチルキナクリドン顔料)3.0kg、エチレングリコール1.5kgおよび水8.1kgを配合し、混合撹拌機で撹拌しプレミキシングを行う。この顔料分散混合液を0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した1.5リットルの有効容積を有する多ディスク型羽根車を備えた横型のビーズミルで多パス方式により分散を行った。具体的には、ビーズ周速を8m/秒、1時間に30リットルの吐出量で2パス行い、平均粒子径325nmの顔料分散混合液を得た。次に0.05mmのジルコニアビーズを95%充填した1.5リットルの有効容積を有する横型のアニュラー型のビーズミルで循環分散を行った。スクリーンは0.015mmのものを使用し、ビーズ周速を10m/秒で、顔料分散混合液量10kgを循環量300リットル/時で4時間分散処理を行い、顔料濃度20%の水性顔料分散液を得た。この分散液中の顔料の平均粒子径は96nmであった。
この分散液25部にエチレングリコール15部、グリセリン10部およびイオン交換水50部を加えて顔料濃度5%に調整し、十分撹拌した後、12,000rpmで30分遠心ろ過を行い粗粒を除去してインクを得た。インクの粘度2.8mPa・s(25℃)であり、顔料の平均粒子径は95nmであった。
[実施例2および3]
実施例1で使用した顔料の代わりに表1の顔料、すなわち、青色顔料C.I.ピグメントブルー(以下、PBと略称する。)15:3、黄色顔料C.I.ピグメントイエロー(以下、PYと略称する。)74を使用して実施例1と同様にしてインクを得た。
[実施例4]
実施例1で実施した第二段目の分散処理を循環量200リットル/時で4時間分散処理を行い、実施例1と同様にしてインクを得た。
[参考例1]
実施例1で実施した第二段目の分散処理を循環量100リットル/時で4時間分散処理を行い、実施例1と同様にしてインクを得た。
[参考例2]
実施例1で実施した第二段目の分散処理を循環量500リットル/時で4時間分散処理を行い、実施例1と同様にしてインクを得た。
[比較例1〜3]
実施例1〜3で使用した横型のアニュラー型のビーズミルに代え、0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した1.5リットルの有効容積を有する多ディスク型羽根車を備えた横型のビーズミルで、ビーズ周速を10m/秒で、顔料分散混合液量10kgを吐出量20リットル/時で4時間循環分散処理を実施例1〜3と同様にして行い、顔料濃度20%の水性顔料分散液を得た。この水性顔料分散液から実施例1と同様にしてインクを得た。
[比較例4]
実施例1で使用した横型のアニュラー型のビーズミルに代え、0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した1.5リットルの有効容積を有する多ディスク型羽根車を備えた横型のビーズミルで循環分散を行った。ビーズ周速を14m/秒で、顔料分散混合液量10kgを吐出量10リットル/時で10時間分散処理を行い、顔料濃度20%の水性顔料分散液を得た。この水性顔料分散液から実施例1と同様にしてインクを得た。
実施例1〜4、参考例1、2、比較例1〜4で得られた水性顔料分散液中の顔料の平均粒子径を測定した。また、各分散液から得られたインクの粘度と顔料の平均粒子径を、該インクを50℃で7日間加熱する前と後で測定し、これらの測定結果を表1に記した。
次に各インクを市販のインクジェットプリンタにより専用光沢紙にベタ印刷を行いマクベス光学濃度計により濃度測定を行い、また、グロスメーターにより20°グロスを測定し、評価結果を表2に記した。
Figure 0004748996
Figure 0004748996
測定結果について説明する。表1から、実施例1〜3における、直径0.05mmのマイクロビーズを使用し、L/X=0.005の条件でアニュラー型循環タイプの分散機を運転して得られた分散液は、従来の分散処理条件から得られる分散液(比較例1〜3)と比較して、微粒子分散性に優れていることがわかる。また、実施例1〜3の分散液と比較例1〜3の分散液との間には保存安定性において差は認められない。実施例4ではL/X=0.0075の条件でも実施例1と同様の結果が得られている。L/X=0.015に設定された参考例1では分散液は微粒子分散性が優れているものの保存安定性が劣化している。このような分散液から得られるインクはインク物性が変化しやすいので長期間の吐出安定性を保証することができない。また、加熱前と加熱後のインクの平均粒子径の差が大きく、参考例1による分散液は粗大粒子を多く含む粒子径分布を有することが推定される。L/X=0.003に分散条件が設定された参考例2では、分散液は保存安定性は十分であるが、微粒子分散性に劣っている。比較例4では従来の分散装置、分散メディアを使用し、ビーズ周速を上げ、さらに顔料分散混合液の分散機中の滞留時間を長くした。比較例4で得られた分散液、インクでは微粒子分散性は優れているものの、保存安定性が著しく低下している。
表2から、インクの顔料分散粒子径とインク濃度性、グロスとは明らかに相関性が認められる。すなわち、顔料を微粒子化したインクは、インクの濃度性、画像のグロスが優れている。
本発明の製造方法による水性顔料分散液によるインクジェット記録用インクは優れた微粒子分散状態と保存安定性、吐出安定性を示し、従来達し得なかった発色、グロスを呈する画像を形成することができる。

Claims (8)

  1. インクジェット記録用インクに用いる水性顔料分散液の製造方法であって、少なくとも顔料と分散剤とを水系媒体中で混合した顔料分散混合液を、直径0.5mm〜2mmのビーズを使用して微分散する工程、および、該混合液をアニュラー型分散機で直径0.02mm以上0.2mm未満のマイクロビーズを使用して超微細分散する工程を有し、上記超微細分散工程において、上記分散機の1時間当たりの顔料分散混合液の流量をX(リットル)、分散機のミル有効容積をL(リットル)としたとき、下記不等式(1)を満たすように超微細分散を実施することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
    0.005≦L/X≦0.0075 (1)
  2. 上記微分散工程において顔料分散混合液を、顔料の平均粒子径が100〜500nmの微粒子状に分散する請求項に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法によって得られたことを特徴とする水性顔料分散液。
  4. 皮膜形成性重合体、架橋剤、造膜助剤、pH調整剤、界面活性剤、ノズル乾燥防止剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、防バイ剤および抗菌剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加物を含む請求項に記載の水性顔料分散液。
  5. 請求項に記載の水性顔料分散液を使用して画像記録を行うことを特徴とする画像記録方法。
  6. 請求項に記載の画像記録方法によって得られたことを特徴とする画像記録物。
  7. 画像記録材として請求項に記載の水性顔料分散液を搭載していることを特徴とする画像記録装置。
  8. 水性インクジェット・プリンタである請求項に記載の画像記録装置。
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