JP2005040885A - 中空構造体の製造方法、mems素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法 - Google Patents
中空構造体の製造方法、mems素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005040885A JP2005040885A JP2003201968A JP2003201968A JP2005040885A JP 2005040885 A JP2005040885 A JP 2005040885A JP 2003201968 A JP2003201968 A JP 2003201968A JP 2003201968 A JP2003201968 A JP 2003201968A JP 2005040885 A JP2005040885 A JP 2005040885A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sacrificial layer
- metal material
- manufacturing
- thin film
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
Links
Images
Landscapes
- Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
- Micromachines (AREA)
- Electron Beam Exposure (AREA)
Abstract
【課題】犠牲層に金属膜を用い、且つ、構造体を構成する薄膜材料、及び犠牲層のエッチング液を最適に組み合わせて、容易且つ安価に製造し得る中空構造体の製造方法、MEMS素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る中空構造体の製造方法は、基板1上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層7を形成する工程と、犠牲層7上に第2の金属材料よりなる薄膜9を形成する工程と、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により犠牲層7をエッチング除去して中空部14を形成する工程を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明に係る中空構造体の製造方法は、基板1上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層7を形成する工程と、犠牲層7上に第2の金属材料よりなる薄膜9を形成する工程と、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により犠牲層7をエッチング除去して中空部14を形成する工程を有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜状の片持ち梁や両持ち梁、あるいは周辺が支持された薄膜等の直下を中空化した、いわゆる中空構造体の製造方法、特に犠牲層を用いて製造される中空構造体の製造方法に関する。さらにこの製法を利用したMEMS素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの製造技術を用いて、可動機構を有する微小機械(いわゆるMicro Electro Mechanical System)素子やマスクパターンとなる開口部のある電子線マスクを製造する技術が検討されている。
このMEMS素子や電子線マスクなどの中空ビーム構造や開口部のある構造(即ち、中空マスク構造)を作製するのは、以下に示すような典型的な製造方法が用いられている。
第1の製造方法は、犠牲層としてシリコン酸化(SiO2)膜を形成し、その上に構造体となるシリコン(Si)や窒化シリコン(SiN)、SiCなどの薄膜を成膜した上で、犠牲層であるシリコン酸化(SiO2)膜をフッ酸などのエッチング可能な水溶液で除去する製造方法である。
第2の製造方法は、犠牲層としてポリシリコンやアモルファスシリコン、結晶シリコン膜を形成、またはSi基板そのものを用い、その上に構造体となるSiN,SiCなどの薄膜や導電体としてAl等の金属膜を成膜した上で、XeF2ガスにより犠牲層であるSiをエッチングして製造する方法である。
第3の製造方法としては、犠牲層としてレジストなどの有機膜を形成し、その上に構造体となるSi,SiN,SiCなどの薄膜や導電体としてAl等の金属膜を成膜した上で、犠牲層を反応性イオンエッチング(RIE)やO2などのプラズマを用いたアッシング処理により除去して製造する方法である。
【0003】
MEMS素子に関する構成の例は、例えば非特許文献1に示されている。
【0004】
【非特許文献1】
C.T.−Nguyen,″Micromechanical components for miniaturized low−power communications(invited plenary),″proceedingS1999 IEEE MTT−S International Microwave Symposium RF MEMS Workshop,
June,18,1999,pp.48−77.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した第1の製造方法では、犠牲層をフッ化水素成分を含有する水溶液でエッチング除去するために、構造体としてフッ化水素成分により腐食されない材料を用いる必要がある。このため、導電性を有するアルミニウム(Al)などの金属を構造体に用いたり、構造体上部の電極や導電膜に用いることが不可能であった。
第2の製造方法では、エッチング除去に原料が高価なXeF2ガスを用いるために、安価にデバイスを製造することが不可能であった。
第3の製造方法では、レジストなどの有機薄膜が加熱により損傷するため、低温で構造体や導電膜を成膜する必要があり、構造体や導電膜の材料選択の制約が大きくなってしまう。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑み、犠牲層に金属膜を用い、且つ、構造体を構成する薄膜材料、及び犠牲層のエッチング液を最適に組み合わせて、容易且つ安価に製造し得る中空構造体の製造方法、MEMS素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る中空構造体の製造方法は、基板上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、犠牲層上に第2の金属材料よりなる薄膜を形成する工程と、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程を有する。
【0008】
本発明に係るMEMS素子の製造方法は、基板上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、犠牲層上に第2の金属材料よりなるビームを形成する工程と、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程を有する。
【0009】
本発明に係る電子線マスクの製造方法は、基板上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、犠牲層上に第2の金属材料よりなるマスク本体となる薄膜を形成する工程と、薄膜のマスク領域に対応する前記基板の部分を、前記犠牲層まで開口する工程と、薄膜にマスクパターンを形成する工程と、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程を有する。
【0010】
上記薄膜、ビームの第2の金属材料と、犠牲層の第1の金属材料と、犠牲層のエッチング液との最適な組み合わせは次の通りである。
第1の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をAlまたはCrまたはFeとし、犠牲層の第1の金属材料をWまたはZnまたはCuとし、犠牲層のエッチング液を濃硝酸または熱濃硫酸とすることができる。
第2の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をAlとし、犠牲層の第1の金属材料をWまたはZnとし、犠牲層のエッチング液をフッ素含有の酸とすえることができる。
第3の組み合わせは薄膜、ビームの第2の金属材料をTiとし、犠牲層の第1の金属材料をAlまたはZnとし、犠牲層のエッチング液を塩酸または希硝酸とすることができる。
第4の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をTiとし、犠牲層の第1の金属材料をCuまたはZnとし、犠牲層のエッチング液を硝酸または熱硫酸とすることができる。
第5の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をTiまたはCuとし、犠牲層の第1の金属材料をWとし、犠牲層のエッチング液を酸化性アルカリ溶液とすることができる。
第6の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をCuとし、犠牲層の第1の金属材料をAlまたはZnとし、犠牲層のエッチング液をフッ酸又は塩酸とすることができる。
第7の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をTaとし、犠牲層の第1の金属材料をAlまたはZnとし、犠牲層のエッチング液を熱濃硫酸と硝酸とフッ酸とを除くそれ以外の酸とすることができる。
【0011】
本発明に係る中空構造体の製造方法においては、犠牲層に第1の金属材料を用い、薄膜に第2の金属材料を用い、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液、即ち第1の金属材料と第2の金属材料との間でエッチングの選択比が大きいエッチング液を選択することにより、薄膜、ビームに腐食、消失等のダメージを与えることなく、犠牲層のみを選択的に且つ十分な速度でエッチングすることができる。
【0012】
本発明に係るMEMS素子の製造方法においては、犠牲層膜に第1の金属材料を用い、ビームに第2の金属材料を用い、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液、即ち第1の金属材料と第2の金属材料との間でエッチングの選択比が大きいエッチング液を選択することにより、ビームにダメージを与えることなく、犠牲層のみを選択的に且つ十分な速度でエッチングすることができる。
【0013】
本発明に係る電子線マスクの製造方法においては、犠牲層膜に第1の金属材料を用い、マスク本体となる薄膜に第2の金属材料を用い、第2の金属にダメージを与えないエッチング液、即ち第1の金属材料と第2の金属材料との間でエッチングの選択比が大きいエッチング液を選択することにより、マスク本体となる薄膜にダメージを与えることなく、犠牲層のみを選択的に且つ十分な速度でエッチングすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の実施形態に係る微細な中空構造体の基本的な製造方法を説明する。
本実施の形態に係る中空構造体の製造方法は、図示せざるも、所要の基板上の中空部分を形成すべき位置に、選択的に第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、この犠牲層上に一部が基板に支持されるように第2の金属材料よりなる薄膜(ビーム状の薄膜を含む)を形成する工程と、第2の金属材料に腐食や消失等のダメージを与えないエッチング液、つまりエッチングすべき犠牲層とエッチングしたくない薄膜との選択比が大きくなるエッチング液を用いて犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程とを有する。
基板は、例えばシリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)などの半導体基板上に絶縁膜形成した基板、石英基板やガラス基板のような絶縁性基板等が用いられる。
特に、本実施の形態では、薄膜及び犠牲層の金属材料と、犠牲層のエッチング液(組成、濃度、防蝕剤との組み合わせ)とを選択することにより、即ち表1に示す組み合わせを用いることにより、薄膜にダメージを与えずに犠牲層のみを選択的に、かつ十分な速度でエッチング除去することができる。
【0015】
【表1】
【0016】
次に、図面を用いて上記中空構造体の製造方法をMEMS素子、電子線マスクの製造に適用した実施の形態について説明する。
【0017】
図1及び図2は、上述の中空構造体の製造方法を適用した本発明に係るMEMS素子の製造方法の一実施の形態を示す。
【0018】
先ず、図1Aに示すように、一主面が絶縁性を有する基板15を用意する。本例では、シリコン基板1上に絶縁膜として例えばシリコン酸化膜である絶縁膜2を成膜した基板15を用意する。
次に、図1Bに示すように、基板15上に下部電極及び配線層となる下部電極膜3を成膜する。
次に、図1Cに示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて下部電極膜3をパターニングして下部電極4及びその片側に位置する配線層5を形成する。ここでフォトリソグラフィ技術は、レジストを塗布し、露光・現像処理を行いレジストをマスクに下地をエッチングによりパターニングする技術である。
なお、配線層5は、後述するビーム10に接続される。この配線層5は、デバイスの特性により複数のビームに共通に接続され、逆に各ビームを個別に動作させる必要があるときは独立に配置される。ビーム10を構成する上部電極により、全ての配線が可能となる場合には、配線層5を省略することができる。
次に、図1Dに示すように、下部電極4、配線層5を含む基板15上に金属材料よりなる犠牲層7を成膜する。
次に、図1Eに示すように、犠牲層7をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングする。このとき、配線層5上に対応する犠牲層7の一部に、配線層5に達する開口8を形成する。
【0019】
次に、図2Fに示すように、配線層上の開口8及び犠牲層7上に金属材料のみからなる薄膜9を成膜する。
次に、図2Gに示すように、薄膜9を選択的にパターニングして、一端が配線層5に接続され基板15上に支持された所望の形状のビーム10を形成する。本例では、片持ち梁構造のビーム10となる。このとき、必要に応じて犠牲層7のエッチング時に必要なビアホールのパターニング処理も同時に行う。
次に、図2Hに示すように、ビーム10の上及び犠牲層7上を含む全面に電極パッド部となる電極膜11を成膜する。
次に、図2Iに示すように、電極膜11をパターニングしてビーム10の支持部13に対応する位に電極パッド部12を形成する。
次に、図2Jに示すように、犠牲層7のみを選択的に除去する。これにより、下部電極4とビーム10の間が中空部14とされた目的のMEMS素子16を得る。
【0020】
図3及び図4は、本発明に係るMEMS素子の製造方法の他の実施の形態を示す。本例はビームとして金属材料膜と非金属材料膜の積層膜で形成した場合である。
先ず、図3Aに示すように、前述と同様に一主面が絶縁性を有する基板15、本例ではシリコン基板1上に絶縁膜として例えばシリコン酸化膜2を成膜した基板15を用意する。
次に、図3Bに示すように、基板15上に下部電極及び配線層となる下部電極膜3を成膜する。
次に、図3Cに示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて下部電極膜3をパターニングして下部電極4及びその片側に位置する配線層5を形成する。
次に、図3Dに示すように、下部電極4、配線層5を含む基板15上に金属材料よりなる犠牲層7を成膜する。
次に、図3Eに示すように、犠牲層7上にビームの下面金属膜となる金属膜23を成膜する。
次に、図3Fに示すように、金属膜23及び犠牲層7をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングする。このとき、配線層5上に対応する金属膜23及び犠牲層7の一部に配線層5に達する開口28を形成する。
【0021】
次に、図4Gに示すように、配線層5上の開口28及び金属膜23上にビームの一部を構成する非金属材料膜29、本例ではセラミック膜あるいは多結晶シリコン膜を成膜する。
次に、図4Hに示すように、非金属材料膜29の一部に下部の配線層5に達するビーム電極コンタクト用の開口38を形成する。
次に、図4Iに示すように、開口38及び非金属材料膜29上にビームの上面金属膜(いわゆるビーム電極)となる金属膜30を成膜する。この金属膜30は開口38を通じて下部の配線層5に接続される。
次に、図4Jに示すように、金属膜30、非金属材料膜29及び金属膜23を選択的にパターニングして一端が配線層5に支持された所望形状のビーム、即ち非金属材料膜29を挟んで下面金属膜23及び上面金属膜30を有した積層膜からなるビーム31を形成する。
次に、図4Kに示すように、犠牲層7を選択的に除去する。これにより、下部電極4とビーム31の間が中空部14とされた目的のMEMS素子32を得る。本実施の形態のMEMS素子32では、ビーム31が金属膜23、30と非金属材料膜29の積層膜で構成されるので、長いビームでも十分に可動し得る。因みに、長いビームの場合、金属材料のみで形成すると金属が可塑性を有するため反発力が得られず、可動しにくい。
【0022】
上述のMEMS素子16及び32では、ビーム10及び31を片持ち梁構造としたが、ビームを両持ち梁構造としたMEMS素子にも適用することができる。
【0023】
図5及び図6は、前述の中空構造体の製造方法を適用した本発明に係る電子線マスクの製造方法の実施の形態を示す。
先ず、図5Aに示すように、所要の厚さの基板40を用意する。本例では、シリコン基板41の表裏両面にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁膜42及び43、例えばシリコン酸化膜を成膜した基板40を用意する。そして、一方のシリコン酸化膜42の中空部を形成すべき位置に対応した部分を一部選択的にパターニングして基板41に達する開口48を形成する。
次に、図5Bに示すように、絶縁膜42をマスクに基板4に所要の深さまでエッチングして凹部49を形成する。
次に、図5Cに示すように、シリコン基板41上面の絶縁膜42を除去する。
次に、図5Dに示すように、シリコン基板41の上面に形成した凹部49内に選択的に金属材料よりなる犠牲層47を堆積する。
【0024】
次に、図6Eに示すように、基板41上面及び犠牲層47上面にわたる全面にマスク本体となる金属材料よりなる薄膜44を積層する。
次に示すように、シリコン基板41の下面の絶縁層43をパターニングする。この絶縁膜43をマスクにシリコン基板41を選択エッチングし、シリコン基板41の裏面側から犠牲層47に達する開口45を形成する。
次に図6Gに示すように、薄膜44に所望のマスクパターンとなる透孔46を犠牲層47に達するように形成する。
次に、図6Hに示すように、犠牲層47を除去する。これによって、透孔46によって所望のマスクパターンを有する薄膜44によるマスク本体51が、その周辺をシリコン基板41で支持されて成る目的の電子線マスク50を得る。
【0025】
次に、上述したMEMS素子の製造及び電子線マスクの製造に際して、犠牲層に用いる第1の金属材料と、ビーム、下部電極膜、マスク本体等に用いられる第2の金属材料と、犠牲層のエッチングに用いられるエッチング液との最適な組み合わせを、前述の表1を用いて説明する。なお、以下は、表1の(i)〜(viii)に沿ってMEMS素子の製造方法について説明する。尚、説明は省略するも、電子線マスクの製造方法でもマスク本体、犠牲層及び犠牲層のエッチング液に対して表1を同様に適用できる。
【0026】
(i)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をAl(アルミニウム)、犠牲層7に用いられる材料をW(タングステン)、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液を濃硝酸または熱濃硫酸とすると、Al膜の表面には不動態層が形成されるためエッチングされず、W膜のみをエッチングすることが可能となる。このとき、Al膜とともにTi,TiNなどのバリアメタル膜を成膜しても良い。また、Al膜の替わりに、Cr,Feなどの濃硝酸中で表面に不動態層を形成する金属を、Wの替わりに、Cu,Znなどの酸化力のある酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
(ii)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をAl(アルミニウム)、犠牲層7に用いられる材料をWまたはZn(鉛)、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液をF(鉄)含有の酸とすると、電池効果により、Al膜はエッチングされず、W膜のみをエッチングすることが可能となる。このとき、Al膜とともにTi(チタン),TiN(窒化チタン)などのバリアメタル膜を成膜しても良い。電池効果とは、異種の金属が接触または導電性溶液内で共存した場合、酸化還元電位の違いにより、一方が酸化され溶液中に溶解し、他方が還元され溶解しないという現象である。具体的には、酸化還元電位の低い方の金属が酸化され溶液中に溶解し、酸化還元電位の高い方の金属は還元されるため、溶液中に溶解しない、という現象になる。
(iii)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をTi、犠牲層7に用いられる材料をAl、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液を塩酸または希硝酸とすると、Ti膜は溶解しないためエッチングされず、Al膜のみをエッチングすることが可能となる。また、Alの替わりに、Znなどの塩酸または希硝酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
(iv)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をTi、犠牲層7に用いられる材料をCu(銅)、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液を硝酸または熱硫酸とすると、Ti膜は溶解しないためエッチングされず、CuまたはAl膜のみをエッチングすることが可能となる。また、Cuの替わりに、Znなどの濃硝酸または熱硫酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
(v)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をCu、犠牲層7に用いられる材料をW、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液を酸化性のアルカリ溶液とすると、CuはWよりも貴な金属であるため、電池効果により、酸化還元電位が低い金属(W)のみをエッチングすることが可能となる。また、Cuの替わりに、酸化性のアルカリ溶液に溶解しない金属、例えばTiを用いても良い。
(vi)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をCu、犠牲層7に用いられる材料をAl、中空ビーム構造形成に用いる犠牲雄7のエッチング液をフッ酸または塩酸とすると、Cu膜は溶解しないためエッチングされず、Al膜のみをエッチングすることが可能となる。また、Alの替わりに、Znなどのフッ酸または塩酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
(vii)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をCu、犠牲層7に用いられる材料をCuよりも酸化還元電位が低い金属(例えばAlなど)、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液をCuのエッチングレートが低い硝酸や熱硫酸以外の酸(例えばF含有の酸や塩酸など)とすると、CuはAlよりも貴な金属であるため、電池効果により酸化還元電位が低い金属のみをエッチングすることが可能となる。
(viii)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をTa、犠牲層7に用いられる材料をAl、中空ビーム構造形成に用いるエッチング液を熱硫酸および硝酸およびフッ酸のそれぞれを除いた酸とすると、Ta膜は溶解しないためエッチングされず、CuまたはAl膜のみをエッチングすることが可能となる。また、Alの替わりに、Znなどの熱硫酸および硝酸およびフッ酸のそれぞれを除いた酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
【0027】
なお、上記各例(i)〜(viii)においては、下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料を特定したが、その他の上記電極膜、薄膜の材料は、犠牲層7と異なる必要があり、更に金属材料を用いる場合には犠牲層7のエッチング時に溶解しない材料を用いる。
【0028】
本実施の形態に係るMEMS素子の製造方法によれば、ビーム10、31と下部電極4、配線層5、電極パッドの材料及び犠牲層7の材料、エッチング液を選択することで、薄膜の犠牲層7をエッチング除去するときに、ビーム10、31及び下部電極4、配線層5、電極パッド12の材料を腐食することなく犠牲層7のみを選択的に、且つ十分な速度でエッチング除去することができる。従って、精度のよいMEMS素子を製造することができる。
【0029】
本実施の形態に係る電子線マスクの製造方法によれば、マスク本体51の材料及び犠牲層47の材料、エッチング液を選択することで、薄膜の犠牲層47をエッチング除去するときに、マスク本体51の材料を腐食することなく犠牲層47のみを選択的に且つ十分な速度でエッチング除去することができる。従って、精度のよい電子線マスクを製造することができる。
【0030】
なお、図1及び図2のMEMS素子16、図3及び図4のMEMS素子32において、下部電極4、配線層5、電極パッド12も前述のビームを構成する第2の金属材料膜で形成することができる。
MEMS素子16、32は、光学MEMS素子、光強度変調器であるGLV素子、高周波フィルタ、高周波スイッチ、各種センサ、ダイアフラムなどの微細駆動体、その他等に適用できる。
【0031】
本製造方法を使い実現するMEMS素子及び電子線マスクであれば、形状や構造等は問わないで、最適な材料及びエッチング液の組み合わせ方法によって製造することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る中空構造体の製造方法によれば、犠牲層に用いる第1の金属材料、薄膜に用いる第2の金属材料及び犠牲層を選択除去するエッチング液(組成や濃度、防蝕剤との組み合わせ)をそれぞれ最適な組み合わせで選択することにより、第2の金属材料の薄膜にダメージを与えずに犠牲層のみを選択てきに除去することができる。これにより、中空構造体を精度よく且つ容易に製造することができ、歩留りの向上を図ることができる。
【0033】
本発明に係るMEMS素子の製造方法によれば、犠牲層に用いる第1の金属材料、ビームに用いる第2の金属材料及び犠牲層を選択除去するエッチング液(組成や濃度、防蝕剤との組み合わせ)をそれぞれ最適な組み合わせで選択することにより、第2の金属材料の薄膜にダメージを与えずに犠牲層のみを選択てきに除去することができる。これにより、中空ビーム構造のMEMS素子を精度よく且つ容易に製造することができ、歩留りの向上を図ることができる。
【0034】
本発明に係る電子線マスクの製造方法によれば、犠牲層に用いる第1の金属材料、マスク本体となる薄膜に用いる第2の金属材料及び犠牲層を選択除去するエッチング液(組成や濃度、防蝕剤との組み合わせ)をそれぞれ最適な組み合わせで選択することにより、第2の金属材料の薄膜にダメージを与えずに犠牲層のみを選択てきに除去することができる。これにより、中空構造の電子線マスクを精度よく且つ容易に製造することができ、歩留りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A〜E 本発明に係るMEMS素子の製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
【図2】F〜J 本発明に係るMEMS素子の製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
【図3】A〜F 本発明に係るMEMS素子の製造方法の他の実施の形態を示す工程図である。
【図4】G〜K 本発明に係るMEMS素子の製造方法の他の実施の形態を示す工程図である。
【図5】A〜D 本発明に係る電子線マスクの製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
【図6】E〜H 本発明に係る電子線マスクの製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
【符号の説明】
1,40,41・・基板、2,42,43・・絶縁膜、3・・下部電極膜、4・・下部電極、5・・配線層、8,28,38,45,48・・開口、7,47・・犠牲層、9,44・・薄膜、10,31・・ビーム、11・・電極膜、12・・電極パッド部、14・・中空部、15・・基板、16,32・・MEMS素子、23,30・・金属膜、29・・非金属材料膜、41・・シリコン基板、46・・透孔、48・・マスク本体、49・・凹部、50・・電子線マスク、51・・マスク本体
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜状の片持ち梁や両持ち梁、あるいは周辺が支持された薄膜等の直下を中空化した、いわゆる中空構造体の製造方法、特に犠牲層を用いて製造される中空構造体の製造方法に関する。さらにこの製法を利用したMEMS素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの製造技術を用いて、可動機構を有する微小機械(いわゆるMicro Electro Mechanical System)素子やマスクパターンとなる開口部のある電子線マスクを製造する技術が検討されている。
このMEMS素子や電子線マスクなどの中空ビーム構造や開口部のある構造(即ち、中空マスク構造)を作製するのは、以下に示すような典型的な製造方法が用いられている。
第1の製造方法は、犠牲層としてシリコン酸化(SiO2)膜を形成し、その上に構造体となるシリコン(Si)や窒化シリコン(SiN)、SiCなどの薄膜を成膜した上で、犠牲層であるシリコン酸化(SiO2)膜をフッ酸などのエッチング可能な水溶液で除去する製造方法である。
第2の製造方法は、犠牲層としてポリシリコンやアモルファスシリコン、結晶シリコン膜を形成、またはSi基板そのものを用い、その上に構造体となるSiN,SiCなどの薄膜や導電体としてAl等の金属膜を成膜した上で、XeF2ガスにより犠牲層であるSiをエッチングして製造する方法である。
第3の製造方法としては、犠牲層としてレジストなどの有機膜を形成し、その上に構造体となるSi,SiN,SiCなどの薄膜や導電体としてAl等の金属膜を成膜した上で、犠牲層を反応性イオンエッチング(RIE)やO2などのプラズマを用いたアッシング処理により除去して製造する方法である。
【0003】
MEMS素子に関する構成の例は、例えば非特許文献1に示されている。
【0004】
【非特許文献1】
C.T.−Nguyen,″Micromechanical components for miniaturized low−power communications(invited plenary),″proceedingS1999 IEEE MTT−S International Microwave Symposium RF MEMS Workshop,
June,18,1999,pp.48−77.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した第1の製造方法では、犠牲層をフッ化水素成分を含有する水溶液でエッチング除去するために、構造体としてフッ化水素成分により腐食されない材料を用いる必要がある。このため、導電性を有するアルミニウム(Al)などの金属を構造体に用いたり、構造体上部の電極や導電膜に用いることが不可能であった。
第2の製造方法では、エッチング除去に原料が高価なXeF2ガスを用いるために、安価にデバイスを製造することが不可能であった。
第3の製造方法では、レジストなどの有機薄膜が加熱により損傷するため、低温で構造体や導電膜を成膜する必要があり、構造体や導電膜の材料選択の制約が大きくなってしまう。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑み、犠牲層に金属膜を用い、且つ、構造体を構成する薄膜材料、及び犠牲層のエッチング液を最適に組み合わせて、容易且つ安価に製造し得る中空構造体の製造方法、MEMS素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る中空構造体の製造方法は、基板上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、犠牲層上に第2の金属材料よりなる薄膜を形成する工程と、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程を有する。
【0008】
本発明に係るMEMS素子の製造方法は、基板上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、犠牲層上に第2の金属材料よりなるビームを形成する工程と、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程を有する。
【0009】
本発明に係る電子線マスクの製造方法は、基板上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、犠牲層上に第2の金属材料よりなるマスク本体となる薄膜を形成する工程と、薄膜のマスク領域に対応する前記基板の部分を、前記犠牲層まで開口する工程と、薄膜にマスクパターンを形成する工程と、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程を有する。
【0010】
上記薄膜、ビームの第2の金属材料と、犠牲層の第1の金属材料と、犠牲層のエッチング液との最適な組み合わせは次の通りである。
第1の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をAlまたはCrまたはFeとし、犠牲層の第1の金属材料をWまたはZnまたはCuとし、犠牲層のエッチング液を濃硝酸または熱濃硫酸とすることができる。
第2の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をAlとし、犠牲層の第1の金属材料をWまたはZnとし、犠牲層のエッチング液をフッ素含有の酸とすえることができる。
第3の組み合わせは薄膜、ビームの第2の金属材料をTiとし、犠牲層の第1の金属材料をAlまたはZnとし、犠牲層のエッチング液を塩酸または希硝酸とすることができる。
第4の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をTiとし、犠牲層の第1の金属材料をCuまたはZnとし、犠牲層のエッチング液を硝酸または熱硫酸とすることができる。
第5の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をTiまたはCuとし、犠牲層の第1の金属材料をWとし、犠牲層のエッチング液を酸化性アルカリ溶液とすることができる。
第6の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をCuとし、犠牲層の第1の金属材料をAlまたはZnとし、犠牲層のエッチング液をフッ酸又は塩酸とすることができる。
第7の組み合わせは、薄膜、ビームの第2の金属材料をTaとし、犠牲層の第1の金属材料をAlまたはZnとし、犠牲層のエッチング液を熱濃硫酸と硝酸とフッ酸とを除くそれ以外の酸とすることができる。
【0011】
本発明に係る中空構造体の製造方法においては、犠牲層に第1の金属材料を用い、薄膜に第2の金属材料を用い、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液、即ち第1の金属材料と第2の金属材料との間でエッチングの選択比が大きいエッチング液を選択することにより、薄膜、ビームに腐食、消失等のダメージを与えることなく、犠牲層のみを選択的に且つ十分な速度でエッチングすることができる。
【0012】
本発明に係るMEMS素子の製造方法においては、犠牲層膜に第1の金属材料を用い、ビームに第2の金属材料を用い、第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液、即ち第1の金属材料と第2の金属材料との間でエッチングの選択比が大きいエッチング液を選択することにより、ビームにダメージを与えることなく、犠牲層のみを選択的に且つ十分な速度でエッチングすることができる。
【0013】
本発明に係る電子線マスクの製造方法においては、犠牲層膜に第1の金属材料を用い、マスク本体となる薄膜に第2の金属材料を用い、第2の金属にダメージを与えないエッチング液、即ち第1の金属材料と第2の金属材料との間でエッチングの選択比が大きいエッチング液を選択することにより、マスク本体となる薄膜にダメージを与えることなく、犠牲層のみを選択的に且つ十分な速度でエッチングすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の実施形態に係る微細な中空構造体の基本的な製造方法を説明する。
本実施の形態に係る中空構造体の製造方法は、図示せざるも、所要の基板上の中空部分を形成すべき位置に、選択的に第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、この犠牲層上に一部が基板に支持されるように第2の金属材料よりなる薄膜(ビーム状の薄膜を含む)を形成する工程と、第2の金属材料に腐食や消失等のダメージを与えないエッチング液、つまりエッチングすべき犠牲層とエッチングしたくない薄膜との選択比が大きくなるエッチング液を用いて犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程とを有する。
基板は、例えばシリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)などの半導体基板上に絶縁膜形成した基板、石英基板やガラス基板のような絶縁性基板等が用いられる。
特に、本実施の形態では、薄膜及び犠牲層の金属材料と、犠牲層のエッチング液(組成、濃度、防蝕剤との組み合わせ)とを選択することにより、即ち表1に示す組み合わせを用いることにより、薄膜にダメージを与えずに犠牲層のみを選択的に、かつ十分な速度でエッチング除去することができる。
【0015】
【表1】
【0016】
次に、図面を用いて上記中空構造体の製造方法をMEMS素子、電子線マスクの製造に適用した実施の形態について説明する。
【0017】
図1及び図2は、上述の中空構造体の製造方法を適用した本発明に係るMEMS素子の製造方法の一実施の形態を示す。
【0018】
先ず、図1Aに示すように、一主面が絶縁性を有する基板15を用意する。本例では、シリコン基板1上に絶縁膜として例えばシリコン酸化膜である絶縁膜2を成膜した基板15を用意する。
次に、図1Bに示すように、基板15上に下部電極及び配線層となる下部電極膜3を成膜する。
次に、図1Cに示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて下部電極膜3をパターニングして下部電極4及びその片側に位置する配線層5を形成する。ここでフォトリソグラフィ技術は、レジストを塗布し、露光・現像処理を行いレジストをマスクに下地をエッチングによりパターニングする技術である。
なお、配線層5は、後述するビーム10に接続される。この配線層5は、デバイスの特性により複数のビームに共通に接続され、逆に各ビームを個別に動作させる必要があるときは独立に配置される。ビーム10を構成する上部電極により、全ての配線が可能となる場合には、配線層5を省略することができる。
次に、図1Dに示すように、下部電極4、配線層5を含む基板15上に金属材料よりなる犠牲層7を成膜する。
次に、図1Eに示すように、犠牲層7をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングする。このとき、配線層5上に対応する犠牲層7の一部に、配線層5に達する開口8を形成する。
【0019】
次に、図2Fに示すように、配線層上の開口8及び犠牲層7上に金属材料のみからなる薄膜9を成膜する。
次に、図2Gに示すように、薄膜9を選択的にパターニングして、一端が配線層5に接続され基板15上に支持された所望の形状のビーム10を形成する。本例では、片持ち梁構造のビーム10となる。このとき、必要に応じて犠牲層7のエッチング時に必要なビアホールのパターニング処理も同時に行う。
次に、図2Hに示すように、ビーム10の上及び犠牲層7上を含む全面に電極パッド部となる電極膜11を成膜する。
次に、図2Iに示すように、電極膜11をパターニングしてビーム10の支持部13に対応する位に電極パッド部12を形成する。
次に、図2Jに示すように、犠牲層7のみを選択的に除去する。これにより、下部電極4とビーム10の間が中空部14とされた目的のMEMS素子16を得る。
【0020】
図3及び図4は、本発明に係るMEMS素子の製造方法の他の実施の形態を示す。本例はビームとして金属材料膜と非金属材料膜の積層膜で形成した場合である。
先ず、図3Aに示すように、前述と同様に一主面が絶縁性を有する基板15、本例ではシリコン基板1上に絶縁膜として例えばシリコン酸化膜2を成膜した基板15を用意する。
次に、図3Bに示すように、基板15上に下部電極及び配線層となる下部電極膜3を成膜する。
次に、図3Cに示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて下部電極膜3をパターニングして下部電極4及びその片側に位置する配線層5を形成する。
次に、図3Dに示すように、下部電極4、配線層5を含む基板15上に金属材料よりなる犠牲層7を成膜する。
次に、図3Eに示すように、犠牲層7上にビームの下面金属膜となる金属膜23を成膜する。
次に、図3Fに示すように、金属膜23及び犠牲層7をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングする。このとき、配線層5上に対応する金属膜23及び犠牲層7の一部に配線層5に達する開口28を形成する。
【0021】
次に、図4Gに示すように、配線層5上の開口28及び金属膜23上にビームの一部を構成する非金属材料膜29、本例ではセラミック膜あるいは多結晶シリコン膜を成膜する。
次に、図4Hに示すように、非金属材料膜29の一部に下部の配線層5に達するビーム電極コンタクト用の開口38を形成する。
次に、図4Iに示すように、開口38及び非金属材料膜29上にビームの上面金属膜(いわゆるビーム電極)となる金属膜30を成膜する。この金属膜30は開口38を通じて下部の配線層5に接続される。
次に、図4Jに示すように、金属膜30、非金属材料膜29及び金属膜23を選択的にパターニングして一端が配線層5に支持された所望形状のビーム、即ち非金属材料膜29を挟んで下面金属膜23及び上面金属膜30を有した積層膜からなるビーム31を形成する。
次に、図4Kに示すように、犠牲層7を選択的に除去する。これにより、下部電極4とビーム31の間が中空部14とされた目的のMEMS素子32を得る。本実施の形態のMEMS素子32では、ビーム31が金属膜23、30と非金属材料膜29の積層膜で構成されるので、長いビームでも十分に可動し得る。因みに、長いビームの場合、金属材料のみで形成すると金属が可塑性を有するため反発力が得られず、可動しにくい。
【0022】
上述のMEMS素子16及び32では、ビーム10及び31を片持ち梁構造としたが、ビームを両持ち梁構造としたMEMS素子にも適用することができる。
【0023】
図5及び図6は、前述の中空構造体の製造方法を適用した本発明に係る電子線マスクの製造方法の実施の形態を示す。
先ず、図5Aに示すように、所要の厚さの基板40を用意する。本例では、シリコン基板41の表裏両面にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁膜42及び43、例えばシリコン酸化膜を成膜した基板40を用意する。そして、一方のシリコン酸化膜42の中空部を形成すべき位置に対応した部分を一部選択的にパターニングして基板41に達する開口48を形成する。
次に、図5Bに示すように、絶縁膜42をマスクに基板4に所要の深さまでエッチングして凹部49を形成する。
次に、図5Cに示すように、シリコン基板41上面の絶縁膜42を除去する。
次に、図5Dに示すように、シリコン基板41の上面に形成した凹部49内に選択的に金属材料よりなる犠牲層47を堆積する。
【0024】
次に、図6Eに示すように、基板41上面及び犠牲層47上面にわたる全面にマスク本体となる金属材料よりなる薄膜44を積層する。
次に示すように、シリコン基板41の下面の絶縁層43をパターニングする。この絶縁膜43をマスクにシリコン基板41を選択エッチングし、シリコン基板41の裏面側から犠牲層47に達する開口45を形成する。
次に図6Gに示すように、薄膜44に所望のマスクパターンとなる透孔46を犠牲層47に達するように形成する。
次に、図6Hに示すように、犠牲層47を除去する。これによって、透孔46によって所望のマスクパターンを有する薄膜44によるマスク本体51が、その周辺をシリコン基板41で支持されて成る目的の電子線マスク50を得る。
【0025】
次に、上述したMEMS素子の製造及び電子線マスクの製造に際して、犠牲層に用いる第1の金属材料と、ビーム、下部電極膜、マスク本体等に用いられる第2の金属材料と、犠牲層のエッチングに用いられるエッチング液との最適な組み合わせを、前述の表1を用いて説明する。なお、以下は、表1の(i)〜(viii)に沿ってMEMS素子の製造方法について説明する。尚、説明は省略するも、電子線マスクの製造方法でもマスク本体、犠牲層及び犠牲層のエッチング液に対して表1を同様に適用できる。
【0026】
(i)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をAl(アルミニウム)、犠牲層7に用いられる材料をW(タングステン)、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液を濃硝酸または熱濃硫酸とすると、Al膜の表面には不動態層が形成されるためエッチングされず、W膜のみをエッチングすることが可能となる。このとき、Al膜とともにTi,TiNなどのバリアメタル膜を成膜しても良い。また、Al膜の替わりに、Cr,Feなどの濃硝酸中で表面に不動態層を形成する金属を、Wの替わりに、Cu,Znなどの酸化力のある酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
(ii)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をAl(アルミニウム)、犠牲層7に用いられる材料をWまたはZn(鉛)、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液をF(鉄)含有の酸とすると、電池効果により、Al膜はエッチングされず、W膜のみをエッチングすることが可能となる。このとき、Al膜とともにTi(チタン),TiN(窒化チタン)などのバリアメタル膜を成膜しても良い。電池効果とは、異種の金属が接触または導電性溶液内で共存した場合、酸化還元電位の違いにより、一方が酸化され溶液中に溶解し、他方が還元され溶解しないという現象である。具体的には、酸化還元電位の低い方の金属が酸化され溶液中に溶解し、酸化還元電位の高い方の金属は還元されるため、溶液中に溶解しない、という現象になる。
(iii)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をTi、犠牲層7に用いられる材料をAl、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液を塩酸または希硝酸とすると、Ti膜は溶解しないためエッチングされず、Al膜のみをエッチングすることが可能となる。また、Alの替わりに、Znなどの塩酸または希硝酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
(iv)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をTi、犠牲層7に用いられる材料をCu(銅)、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液を硝酸または熱硫酸とすると、Ti膜は溶解しないためエッチングされず、CuまたはAl膜のみをエッチングすることが可能となる。また、Cuの替わりに、Znなどの濃硝酸または熱硫酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
(v)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をCu、犠牲層7に用いられる材料をW、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液を酸化性のアルカリ溶液とすると、CuはWよりも貴な金属であるため、電池効果により、酸化還元電位が低い金属(W)のみをエッチングすることが可能となる。また、Cuの替わりに、酸化性のアルカリ溶液に溶解しない金属、例えばTiを用いても良い。
(vi)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をCu、犠牲層7に用いられる材料をAl、中空ビーム構造形成に用いる犠牲雄7のエッチング液をフッ酸または塩酸とすると、Cu膜は溶解しないためエッチングされず、Al膜のみをエッチングすることが可能となる。また、Alの替わりに、Znなどのフッ酸または塩酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
(vii)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をCu、犠牲層7に用いられる材料をCuよりも酸化還元電位が低い金属(例えばAlなど)、中空ビーム構造形成に用いる犠牲層7のエッチング液をCuのエッチングレートが低い硝酸や熱硫酸以外の酸(例えばF含有の酸や塩酸など)とすると、CuはAlよりも貴な金属であるため、電池効果により酸化還元電位が低い金属のみをエッチングすることが可能となる。
(viii)下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料をTa、犠牲層7に用いられる材料をAl、中空ビーム構造形成に用いるエッチング液を熱硫酸および硝酸およびフッ酸のそれぞれを除いた酸とすると、Ta膜は溶解しないためエッチングされず、CuまたはAl膜のみをエッチングすることが可能となる。また、Alの替わりに、Znなどの熱硫酸および硝酸およびフッ酸のそれぞれを除いた酸に容易に溶解する金属を用いても良い。
【0027】
なお、上記各例(i)〜(viii)においては、下部電極膜3、もしくはビームとなる薄膜9または29、もしくは電極パッドとなる電極膜11または30、のいずれかに用いられる材料を特定したが、その他の上記電極膜、薄膜の材料は、犠牲層7と異なる必要があり、更に金属材料を用いる場合には犠牲層7のエッチング時に溶解しない材料を用いる。
【0028】
本実施の形態に係るMEMS素子の製造方法によれば、ビーム10、31と下部電極4、配線層5、電極パッドの材料及び犠牲層7の材料、エッチング液を選択することで、薄膜の犠牲層7をエッチング除去するときに、ビーム10、31及び下部電極4、配線層5、電極パッド12の材料を腐食することなく犠牲層7のみを選択的に、且つ十分な速度でエッチング除去することができる。従って、精度のよいMEMS素子を製造することができる。
【0029】
本実施の形態に係る電子線マスクの製造方法によれば、マスク本体51の材料及び犠牲層47の材料、エッチング液を選択することで、薄膜の犠牲層47をエッチング除去するときに、マスク本体51の材料を腐食することなく犠牲層47のみを選択的に且つ十分な速度でエッチング除去することができる。従って、精度のよい電子線マスクを製造することができる。
【0030】
なお、図1及び図2のMEMS素子16、図3及び図4のMEMS素子32において、下部電極4、配線層5、電極パッド12も前述のビームを構成する第2の金属材料膜で形成することができる。
MEMS素子16、32は、光学MEMS素子、光強度変調器であるGLV素子、高周波フィルタ、高周波スイッチ、各種センサ、ダイアフラムなどの微細駆動体、その他等に適用できる。
【0031】
本製造方法を使い実現するMEMS素子及び電子線マスクであれば、形状や構造等は問わないで、最適な材料及びエッチング液の組み合わせ方法によって製造することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る中空構造体の製造方法によれば、犠牲層に用いる第1の金属材料、薄膜に用いる第2の金属材料及び犠牲層を選択除去するエッチング液(組成や濃度、防蝕剤との組み合わせ)をそれぞれ最適な組み合わせで選択することにより、第2の金属材料の薄膜にダメージを与えずに犠牲層のみを選択てきに除去することができる。これにより、中空構造体を精度よく且つ容易に製造することができ、歩留りの向上を図ることができる。
【0033】
本発明に係るMEMS素子の製造方法によれば、犠牲層に用いる第1の金属材料、ビームに用いる第2の金属材料及び犠牲層を選択除去するエッチング液(組成や濃度、防蝕剤との組み合わせ)をそれぞれ最適な組み合わせで選択することにより、第2の金属材料の薄膜にダメージを与えずに犠牲層のみを選択てきに除去することができる。これにより、中空ビーム構造のMEMS素子を精度よく且つ容易に製造することができ、歩留りの向上を図ることができる。
【0034】
本発明に係る電子線マスクの製造方法によれば、犠牲層に用いる第1の金属材料、マスク本体となる薄膜に用いる第2の金属材料及び犠牲層を選択除去するエッチング液(組成や濃度、防蝕剤との組み合わせ)をそれぞれ最適な組み合わせで選択することにより、第2の金属材料の薄膜にダメージを与えずに犠牲層のみを選択てきに除去することができる。これにより、中空構造の電子線マスクを精度よく且つ容易に製造することができ、歩留りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A〜E 本発明に係るMEMS素子の製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
【図2】F〜J 本発明に係るMEMS素子の製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
【図3】A〜F 本発明に係るMEMS素子の製造方法の他の実施の形態を示す工程図である。
【図4】G〜K 本発明に係るMEMS素子の製造方法の他の実施の形態を示す工程図である。
【図5】A〜D 本発明に係る電子線マスクの製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
【図6】E〜H 本発明に係る電子線マスクの製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
【符号の説明】
1,40,41・・基板、2,42,43・・絶縁膜、3・・下部電極膜、4・・下部電極、5・・配線層、8,28,38,45,48・・開口、7,47・・犠牲層、9,44・・薄膜、10,31・・ビーム、11・・電極膜、12・・電極パッド部、14・・中空部、15・・基板、16,32・・MEMS素子、23,30・・金属膜、29・・非金属材料膜、41・・シリコン基板、46・・透孔、48・・マスク本体、49・・凹部、50・・電子線マスク、51・・マスク本体
Claims (26)
- 基板上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層上に第2の金属材料よりなる薄膜を形成する工程と、
前記第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により前記犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程を有する
ことを特徴とする中空構造体の製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がAlまたはCrまたはFeであり、前記犠牲層の第1の金属材料がWまたはZnまたはCuであり、
前記犠牲層のエッチング液が濃硝酸または熱濃硫酸である
ことを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がAlであり、前記犠牲層の第1の金属材料がWまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液がフッ素含有の酸である
ことを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がTiであり、前記犠牲層の第1の金属材料がAlまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液が塩酸または希硝酸である
ことを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がTiであり、前記犠牲層の第1の金属材料がCuまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液が硝酸または熱硫酸である
ことを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がTiまたはCuであり、前記犠牲層の第1の金属材料がWであり、
前記犠牲層のエッチング液が酸化性アルカリ溶液である
ことを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がCuであり、前記犠牲層の第1の金属材料がAlまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液がフッ酸又は塩酸である
ことを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がTaであり、前記犠牲層の第1の金属材料がAlまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液が熱濃硫酸と硝酸とフッ酸とを除くそれ以外の酸である
ことを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。 - 基板上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層上に第2の金属材料よりなるビームを形成する工程と、
前記第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により前記犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程を有する
ことを特徴とするMEMS素子の製造方法。 - 前記ビームは前記第2の金属材料膜のみで形成する
ことを特徴とする請求項9記載のMEMS素子の製造方法。 - 前記ビームは前記第2の金属材料膜及び非金属膜の積層膜で形成する
ことを特徴とする請求項9記載のMEMS素子の製造方法。 - 前記ビームの第2の金属材料がAlまたはCrまたはFeであり、前記犠牲層の第1の金属材料がWまたはZnまたはCuであり、
前記犠牲層のエッチング液が濃硝酸または熱濃硫酸である
ことを特徴とする請求項9記載のMEMS素子の製造方法。 - 前記ビームの第2の金属材料がAlであり、前記犠牲層の第1の金属材料がWまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液がフッ素含有の酸である
ことを特徴とする請求項9記載のMEMS素子の製造方法。 - 前記ビームの第2の金属材料がTiであり、前記犠牲層の第1の金属材料がAlまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液が塩酸または希硝酸である
ことを特徴とする請求項9記載のMEMS素子の製造方法。 - 前記ビームの第2の金属材料がTiであり、前記犠牲層の第1の金属材料がCuまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液が硝酸または熱硫酸である
ことを特徴とする請求項9記載のMEMS素子の製造方法。 - 前記ビームの第2の金属材料がTiまたはCuであり、前記犠牲層の第1の金属材料がWであり、
前記犠牲層のエッチング液が酸化性アルカリ溶液である
ことを特徴とする請求項9記載のMEMS素子の製造方法。 - 前記ビームの第2の金属材料がCuであり、前記犠牲層の第1の金属材料がAlまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液がフッ酸又は塩酸である
ことを特徴とする請求項9記載のMEMS素子の製造方法。 - 前記ビームの第2の金属材料がTaであり、前記犠牲層の第1の金属材料がAlまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液が熱濃硫酸と硝酸とフッ酸とを除くそれ以外の酸である
ことを特徴とする請求項9記載のMEMS素子の製造方法。 - 基板上の中空部分を形成すべき位置に、第1の金属材料よりなる犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層上に第2の金属材料よりなるマスク本体となる薄膜を形成する工程と、
前記薄膜のマスク領域に対応する前記基板の部分を、前記犠牲層まで開口する工程と、
前記薄膜にマスクパターンを形成する工程と、
前記第2の金属材料にダメージを与えないエッチング液により前記犠牲層をエッチング除去して中空部を形成する工程を有する
ことを特徴とする電子線マスクの製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がAlまたはCrまたはFeであり、前記犠牲層の第1の金属材料がWまたはZnまたはCuであり、
前記犠牲層のエッチング液が濃硝酸または熱濃硫酸である
ことを特徴とする請求項19記載の電子線マスクの製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がAlであり、前記犠牲層の第1の金属材料がWまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液がフッ素含有の酸である
ことを特徴とする請求項19記載の電子線マスクの製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がTiであり、前記犠牲層の第1の金属材料がAlまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液が塩酸または希硝酸である
ことを特徴とする請求項19記載の電子線マスクの製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がTiであり、前記犠牲層の第1の金属材料がCuまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液が硝酸または熱硫酸である
ことを特徴とする請求項19記載の電子線マスクの製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がTiまたはCuであり、前記犠牲層の第1の金属材料がWであり、
前記犠牲層のエッチング液が酸化性アルカリ溶液である
ことを特徴とする請求項19記載の電子線マスクの製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がCuであり、前記犠牲層の第1の金属材料がAlまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液がフッ酸又は塩酸である
ことを特徴とする請求項19記載の電子線マスクの製造方法。 - 前記薄膜の第2の金属材料がTaであり、前記犠牲層の第1の金属材料がAlまたはZnであり、
前記犠牲層のエッチング液が熱濃硫酸と硝酸とフッ酸とを除くそれ以外の酸である
ことを特徴とする請求項19記載の電子線マスクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003201968A JP2005040885A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 中空構造体の製造方法、mems素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003201968A JP2005040885A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 中空構造体の製造方法、mems素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005040885A true JP2005040885A (ja) | 2005-02-17 |
Family
ID=34261871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003201968A Abandoned JP2005040885A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 中空構造体の製造方法、mems素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005040885A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006321017A (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-30 | Rohm Co Ltd | Mems素子およびその製造方法 |
JP2006321016A (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-30 | Rohm Co Ltd | Memsパッケージ |
JP2010510077A (ja) * | 2006-11-20 | 2010-04-02 | アルセス・テクノロジー・インコーポレーテッド | モノリシックic及びmemsマイクロ加工方法 |
US7977757B2 (en) | 2005-05-19 | 2011-07-12 | Rohm Co., Ltd. | MEMS element, MEMS device and MEMS element manufacturing method |
JP2018526232A (ja) * | 2015-07-17 | 2018-09-13 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | マイクロメカニカル窓構造の製造方法およびそれに対応するマイクロメカニカル窓構造 |
-
2003
- 2003-07-25 JP JP2003201968A patent/JP2005040885A/ja not_active Abandoned
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006321017A (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-30 | Rohm Co Ltd | Mems素子およびその製造方法 |
JP2006321016A (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-30 | Rohm Co Ltd | Memsパッケージ |
US7977757B2 (en) | 2005-05-19 | 2011-07-12 | Rohm Co., Ltd. | MEMS element, MEMS device and MEMS element manufacturing method |
JP2010510077A (ja) * | 2006-11-20 | 2010-04-02 | アルセス・テクノロジー・インコーポレーテッド | モノリシックic及びmemsマイクロ加工方法 |
JP2018526232A (ja) * | 2015-07-17 | 2018-09-13 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | マイクロメカニカル窓構造の製造方法およびそれに対応するマイクロメカニカル窓構造 |
US11124412B2 (en) | 2015-07-17 | 2021-09-21 | Robert Bosch Gmbh | Manufacturing method for a micromechanical window structure and corresponding micromechanical window structure |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9000494B2 (en) | Micromechanical device and methods to fabricate same using hard mask resistant to structure release etch | |
JP4438786B2 (ja) | Mems振動子及びその製造方法 | |
JP2008166676A (ja) | 超低抵抗シリコンウエハーによる低駆動電圧微細スクラッチ駆動アクチュエータの開発 | |
JP5474805B2 (ja) | 基板上にmems素子を製造する方法 | |
JP2005105416A5 (ja) | ||
JP2009158485A (ja) | マイクロマシンおよびその作製方法 | |
JP2007222990A (ja) | 梁部を備えた構造体の製造方法およびmemsデバイス | |
JP6151541B2 (ja) | Mems素子およびその製造方法 | |
JP2005040885A (ja) | 中空構造体の製造方法、mems素子の製造方法及び電子線マスクの製造方法 | |
JP2007015101A (ja) | 隠れヒンジmemsデバイス | |
US8021983B2 (en) | Method of forming pattern of inorganic material film comprising thermally induced cracking | |
US8142669B2 (en) | Electromechanical element, electric circuit device and production method of those | |
JP5341579B2 (ja) | 微細構造体の製造方法 | |
JP2007069341A (ja) | 微小電気機械式装置の作製方法 | |
NL1023275C2 (nl) | Werkwijze voor het vervaardigen van een micro-mechanisch element. | |
JP4762621B2 (ja) | 微小電気機械式装置の作製方法 | |
JP5484662B2 (ja) | 無機材料膜のパターン形成方法 | |
US7816166B1 (en) | Method to form a MEMS structure having a suspended portion | |
JP4314867B2 (ja) | Mems素子の製造方法 | |
JP2003191199A (ja) | Mems構造物及びその作製方法 | |
JP2006224219A (ja) | Mems素子の製造方法 | |
JP4994096B2 (ja) | 半導体装置の製造方法およびこれを用いた半導体装置 | |
CN106629581B (zh) | 全湿法腐蚀形成器件结构的方法 | |
US8143158B2 (en) | Method and device of preventing delamination of semiconductor layers | |
TWI506694B (zh) | 半導體裝置及形成半導體裝置之方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060428 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20080229 |